JP2009035951A - 外装材の支持構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】外壁本体1の表面から所定間隔離間して取り付けられた下地板材2aの表面にモルタル2bを塗り付けてなり、下地板材2aには複数の貫通孔3が形成され、複数の貫通孔3には外壁本体1に固定される補強スペーサー4がそれぞれ挿通されており、この補強スペーサー4は、貫通孔3に挿通されるとともに外壁本体1の表面に突設されるスペーサー本体5と、下地板材2aの表面側からスペーサー本体5の先端に取り付けられ、下地板材の表面を押さえる押さえ部6とを備えていることを特徴とする外装材2の支持構造。これにより、通気層を形成できるとともに、前記下地板材を確実に支持できる。
【選択図】図1
Description
このような技術によれば、例えば合板等の下地に防水シートを敷設してメタルラスを取り付け、網材が埋設された軽量セメントモルタルを塗着した後、仕上げ施工することによって、モルタル層の耐久性を向上できるようになっている。
しかしながら、モルタルは、セメントあるいは石灰と砂とを水で練ったものであり、軽量セメントモルタルと言えども重量物である。したがって、上述のように複数の縦材間に下地を架設して通気層を形成した場合、下地を縦材に固定した部分だけで、重量物であるモルタルの重みを支持しなければならず、好ましくない。すなわち、例えばモルタルの重みによって下地が下方に下がったり、前方に向かって撓むことによって、下地が縦材に固定された箇所のモルタルや、縦材に固定されない箇所のモルタルにクラックが生じる場合がある。
前記下地板材2aには、この下地板材2aの厚さ方向に沿って貫通する複数の貫通孔3が形成され、これら複数の貫通孔3には、前記外壁本体1に固定され、前記下地板材2aを支持するための補強スペーサー4がそれぞれ挿通されており、
この補強スペーサー4は、前記貫通孔3に挿通されるとともに前記外壁本体1の表面に突設されるスペーサー本体5と、前記下地板材2aの表面側からスペーサー本体5の先端に取り付けられ、前記下地板材2aの表面を押さえる押さえ部6とを備えていることを特徴とする。
さらに、前記補強スペーサー4のスペーサー本体5が前記貫通孔3に挿通されるとともに前記外壁本体1の表面に突設されているので、このスペーサー本体5によって、前記モルタル2bの重みによって下方へ下がろうとする前記下地板材2aを確実に支持することができる。しかも、前記押さえ部6が前記下地板材2aの表面側からスペーサー本体5の先端に取り付けられ、前記下地板材2aの表面を押さえるので、この押さえ部6によって、前記モルタル2bの重みによって前方に撓む前記下地板材2aを確実に押さえることができる。
このように前記補強スペーサー4によって、前記下地板材2aを確実に支持することができるので、従来とは異なり、前記下地板材2aの表面に塗り付けられたモルタル2bに対するクラックの発生を抑えつつ、前記外装材2を確実に支持することが可能となる。
前記押さえ部6は、前記貫通孔よりも大径に形成されたフランジ部6aと、このフランジ部6aの裏面中央から突出する突出軸部6bを備え、前記スペーサー本体5は、このスペーサー本体5の先端に形成され、前記突出軸部6bが差し込まれる差込穴5aを備えており、
前記スペーサー本体5の前記外壁本体1の表面からの突出長さは、このスペーサー本体5の先端面が、前記下地板材2aの表面と面一または前記外壁本体1の表面から下地板材2aの厚さの半分の位置よりも突出した位置となるように設定されており、
前記差込穴5aの深さは、前記下地板材2aの厚さの半分の寸法分よりも深くなるように設定されており、
前記突出軸部6bの突出長さは、前記差込穴5aの深さと同一寸法となるように設定されていることを特徴とする。
したがって、厚みの異なる下地板材2aであっても、前記突出軸部6bが前記差込穴5aから外れることなく、前記フランジ部6aによって前記下地板材2aの表面を確実に押さえることができるので、前記補強スペーサー4によって、より確実に支持することができる。
前記補強スペーサー4は、この補強スペーサー4を固定するための固定ビス7によって前記外壁本体1に固定されており、
前記固定ビス7は、前記突出軸部6bを差込穴5aに差し込んだ状態の前記スペーサー本体5および押さえ部6を貫通していることを特徴とする。
また、前記押さえ部6を、前記固定ビス7によって前記スペーサ本体5に接続できるので、前記押さえ部6によって、前記モルタル2bの重みによって前方に撓む前記下地板材2aをより確実かつ強固に押さえることができる。
前記外壁本体1は、建築用壁パネルであり、この建築用壁パネルは、縦横の芯材1a,1bを枠状に組んでなる枠体と、この枠体の表裏面に貼設された面材1cとからなり、
前記補強スペーサー4は、前記面材1cを介して前記縦芯材1aまたは横芯材1bに固定されていることを特徴とする。
前記下地板材2aの表面には、表面に複数の突起10aを有する補強下地シート10が貼設されており、この補強下地シート10の表面に前記モルタル2bが塗り付けられていることを特徴とする。
前記下地板材2aには、この下地板材2aの厚さ方向に沿って貫通する複数の孔部12が形成されており、この下地板材2aの表面に、前記複数の孔部12から前記下地板材2aの裏面に溢出するようにして前記モルタル2bが塗り付けられていることを特徴とする。
前記下地板材2aは、既存の外装材であることを特徴とする。
さらに、補強スペーサーのスペーサー本体が貫通孔に挿通されるとともに外壁本体の表面に突設されているので、このスペーサー本体によって、モルタルの重みによって下方へ下がろうとする下地板材を確実に支持することができる。しかも、押さえ部が下地板材の表面側からスペーサー本体の先端に取り付けられ、下地板材の表面を押さえるので、この押さえ部によって、モルタルの重みによって前方に撓む下地板材を確実に押さえることができる。
このように補強スペーサーによって、下地板材を確実に支持することができるので、従来とは異なり、下地板材の表面に塗り付けられたモルタルに対するクラックの発生を抑えつつ、外装材を確実に支持することが可能となる。
また、この補強スペーサー4は、前記貫通孔3に挿通されるとともに前記外壁本体1の表面に突設されるスペーサー本体5と、前記下地板材2aの表面側からスペーサー本体5の先端に取り付けられ、前記下地板材2aの表面を押さえる押さえ部6とを備えている。
なお、前記モルタル2bの表面には、耐候性や耐火性等に優れる仕上げ材17が塗布されている。
なお、本実施の形態の外壁本体1は建築用壁パネルとしたが、これに限られるものではなく、従来の軸組工法や壁式工法の木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造等の建物の外壁であってもよく、適宜変更可能である。
なお、この既存の外装材は、本実施の形態では横貼りサイディング材であるが、これに限られるものではなく、縦貼りサイディング材等に適宜変更可能である。
また、この既存の外装材は、そもそも使用していた外装材であるため、建物にとって必要な防水性や耐火性を始め様々な機能を予め備えている。また、取り外し作業の手間を省略できる。しかも、所定の耐火性を有する既存の外装材の表面に前記モルタル2bを塗り付けるので、耐火性を格段に向上させることが可能となっている。
すなわち、この補強スペーサー4は、前記面材を介して前記縦芯材1aまたは横芯材1bに固定されており、この補強スペーサー4を確実かつ強固に外壁本体1の表面に固定できるようになっている。
なお、本実施の形態においては、図10に示すように、前記複数の貫通孔3は、前記横芯材1bに沿って形成されており、前記補強スペーサー4も、前記横芯材1bに沿って固定されている。
また、前記差込穴5aの深さは、前記下地板材2aの厚さの半分の寸法分よりも深くなるように設定されている。
さらに、前記突出軸部6bの突出長さは、前記差込穴5aの深さと同一寸法となるように設定されている。
これによって、前記突出軸部6bが差込穴5aに差し込まれた状態のまま、前記フランジ部6aが前記下地板材2aの表面に当接することとなる。すなわち、前記下地板材2aの厚さが厚ければ、前記フランジ部6aが前記下地板材2aの表面に当接した時点で、前記突出軸部6bは、この突出軸部6bの差込深さが浅い状態で前記差込穴5aに差し込まれる。一方、前記下地板材2aの厚さが薄ければ、前記フランジ部6aが前記下地板材2aの表面に当接した時点で、前記突出軸部6bは、この突出軸部6bの差込深さが深い状態で前記差込穴5aに差し込まれることとなる。
したがって、厚みの異なる下地板材2aであっても、前記突出軸部6bが前記差込穴5aから外れることなく、前記フランジ部6aによって前記下地板材2aの表面を確実に押さえることができるので、前記補強スペーサー4によって、より確実に支持することができる。そして、このように様々な既存の外装材に対応することができるので、リフォームに際して好適である。
これによって、前記固定ビス7によって前記スペーサー本体5と押さえ部6とを接続しながら、前記補強スペーサー4を前記外壁本体1に強固に固定することができる。
また、前記押さえ部6を、前記固定ビス7によって前記スペーサ本体5に接続できるので、前記押さえ部6によって、前記モルタル2bの重みによって前方に撓む前記下地板材2aを確実かつ強固に押さえることができる。
なお、前記押さえ部6には、図1に示すように、前記固定ビス7を、該押さえ部6および前記スペーサー本体5の軸心方向に沿ってねじ込むためのガイド孔6cが、前記フランジ部6aおよび突出軸部6bの軸方向に沿って形成されている。
これにより、前記モルタル2bを前記複数の突起10aを含んだ状態で固まらせることで、前記モルタル2bを補強下地シート10の表面に保持することができる。
また、この補強下地シート10の最も表面側に、前記不織布が配置されているので、この不織布の繊維にモルタル2bが絡むことによって、この補強下地シート10によるモルタル2bの保持力を向上させることが可能となっている。
これにより、前記モルタル2bを前記下地板材2aの裏面に溢出させた状態で固まらせることで、このモルタル2bが前記下地板材2aの裏面に引っ掛かった状態となるので、前記モルタル2bを前記下地板材2aの表面に保持することができる。
また、このようにモルタル2bを前記下地板材2aの裏面に溢出させる際は、前記補強下地シート10とは異なり、複数の突起10aを有しない補強下地シート11を、前記下地板材2aの表面に貼設しておき、この補強下地シート11を貫通するようにして孔部12を形成する。
前記補強下地シート11も同様に、前記押さえ鋲15によって前記下地板材2aに強固に貼り付けできるようになっている。
なお、これら自重受け金物16およびジョイナー16aの表面には、図10に示すように、前記補強下地シート10の同質の補助シート10bが貼設されており、モルタル2bの保持力の低減を防ぐことができるようになっている。
続いて、前記下地板材2aの表面に、図5に示すように、前記プライマー14を塗布してから、図6に示すように、前記補強下地シート10を貼り付ける。
また、図7に示すように、前記補強下地シート10の表面から、前記押さえ鋲15をビスとともに前記補強下地シート10の表面から前記胴縁2cに向かって打ち込んで、前記補強下地シート10を、前記下地板材2aに対して強固に貼設する。
そして、前記固定ビス7を、前記押さえ部6のガイド孔6cから、前記スペーサー本体5を貫通し、さらに前記面材1cを介して前記横芯材1bに向かってねじ込んでいく。この時、前記押さえ部6とスペーサー本体5と接続しながら、該補強スペーサー4を前記外壁本体1に強固に固定する。
その後、図11に示すように、前記下地板材2a、すなわち前記補強下地シート10の表面にモルタル2bを塗り付けていく。この時、モルタル2bは、前記複数の孔部12から下地板材2aの裏面に溢出するとともに、前記複数の突起10aを含んだ状態となっており、所定の時間が経過すると、この状態で固まるようになっている。
そして、モルタル2bの表面に前記仕上げ材17を塗布して外装材2を完成させる。以上のようにして、前記補強スペーサー4を用いて外装材2を支持しながら、外装材2を形成できるようになっている。
その際は、前記外壁本体1である建築用壁パネルに、前記下地板材2aを取り付けたり、前記通気層Aを形成した状態にしておいたり、また、前記補強下地シート10(11)を貼り付けておいたり、前記補強スペーサー4を取り付けたり等、必要な装備を施した状態とすることが望ましい。これによって、必要な装備が施された状態で建築用壁パネルを現場に輸送し、現場ではモルタル2bを塗り付けるだけにすることで、施工性を格段に向上させることができる。
さらに、前記補強スペーサー4のスペーサー本体5が前記貫通孔3に挿通されるとともに前記外壁本体1の表面に突設されているので、このスペーサー本体5によって、前記モルタル2bの重みによって下方へ下がろうとする前記下地板材2aを確実に支持することができる。しかも、前記押さえ部6が前記下地板材2aの表面側からスペーサー本体5の先端に取り付けられ、前記下地板材2aの表面を押さえるので、この押さえ部6によって、前記モルタル2bの重みによって前方に撓む前記下地板材2aを確実に押さえることができる。
このように前記補強スペーサー4によって、前記下地板材2aを確実に支持することができるので、従来とは異なり、前記下地板材2aの表面に塗り付けられたモルタル2bに対するクラックの発生を抑えつつ、前記外装材2を確実に支持することが可能となる。
2 外装材
2a 下地板材(既存の外装材)
2b モルタル
3 貫通孔
4 補強スペーサー
5 スペーサー本体
6 押さえ部
Claims (7)
- 外壁本体の表面から所定間隔離間して取り付けられた下地板材の表面に、外装用のモルタルを塗り付けてなる外装材の支持構造において、
前記下地板材には、この下地板材の厚さ方向に沿って貫通する複数の貫通孔が形成され、これら複数の貫通孔には、前記外壁本体に固定され、前記下地板材を支持するための補強スペーサーがそれぞれ挿通されており、
この補強スペーサーは、前記貫通孔に挿通されるとともに前記外壁本体の表面に突設されるスペーサー本体と、前記下地板材の表面側からスペーサー本体の先端に取り付けられ、前記下地板材の表面を押さえる押さえ部とを備えていることを特徴とする外装材の支持構造。 - 請求項1に記載の外装材の支持構造において、
前記押さえ部は、前記貫通孔よりも大径に形成されたフランジ部と、このフランジ部の裏面中央から突出する突出軸部を備え、前記スペーサー本体は、このスペーサー本体の先端に形成され、前記突出軸部が差し込まれる差込穴を備えており、
前記スペーサー本体の前記外壁本体の表面からの突出長さは、このスペーサー本体の先端面が、前記下地板材の表面と面一または前記外壁本体の表面から下地板材の厚さの半分の位置よりも突出した位置となるように設定されており、
前記差込穴の深さは、前記下地板材の厚さの半分の寸法分よりも深くなるように設定されており、
前記突出軸部の突出長さは、前記差込穴の深さと同一寸法となるように設定されていることを特徴とする外装材の支持構造。 - 請求項2に記載の外装材の支持構造において、
前記補強スペーサーは、この補強スペーサーを固定するための固定ビスによって前記外壁本体に固定されており、
前記固定ビスは、前記突出軸部を差込穴に差し込んだ状態の前記スペーサー本体および押さえ部を貫通していることを特徴とする外装材の支持構造。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の外装材の支持構造において、
前記外壁本体は、建築用壁パネルであり、この建築用壁パネルは、縦横の芯材を枠状に組んでなる枠体と、この枠体の表裏面に貼設された面材とからなり、
前記補強スペーサーは、前記面材を介して前記縦芯材または横芯材に固定されていることを特徴とする外装材の支持構造。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の外装材の支持構造において、
前記下地板材の表面には、表面に複数の突起を有する補強下地シートが貼設されており、この補強下地シートの表面に前記モルタルが塗り付けられていることを特徴とする外装材の支持構造。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の外装材の支持構造において、
前記下地板材には、この下地板材の厚さ方向に沿って貫通する複数の孔部が形成されており、この下地板材の表面に、前記複数の孔部から前記下地板材の裏面に溢出するようにして前記モルタルが塗り付けられていることを特徴とする外装材の支持構造。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載の外装材の支持構造において、
前記下地板材は、既存の外装材であることを特徴とする外装材の支持構造。
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