JP2009035951A - 外装材の支持構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】通気層を形成できるとともに、モルタルにクラックを生じさせることなく、外装材を確実に支持することが可能な外装材の支持構造を提供することを目的とする。
【解決手段】外壁本体1の表面から所定間隔離間して取り付けられた下地板材2aの表面にモルタル2bを塗り付けてなり、下地板材2aには複数の貫通孔3が形成され、複数の貫通孔3には外壁本体1に固定される補強スペーサー4がそれぞれ挿通されており、この補強スペーサー4は、貫通孔3に挿通されるとともに外壁本体1の表面に突設されるスペーサー本体5と、下地板材2aの表面側からスペーサー本体5の先端に取り付けられ、下地板材の表面を押さえる押さえ部6とを備えていることを特徴とする外装材2の支持構造。これにより、通気層を形成できるとともに、前記下地板材を確実に支持できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、外壁本体の表面から所定間隔離間して取り付けられた下地板材の表面に、外装用のモルタルを塗り付けてなる外装材の支持構造に関する。
従来、住宅等の建物の外壁にモルタル等を塗り付けて、外壁表面に外装を施す技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような技術によれば、例えば合板等の下地に防水シートを敷設してメタルラスを取り付け、網材が埋設された軽量セメントモルタルを塗着した後、仕上げ施工することによって、モルタル層の耐久性を向上できるようになっている。
特開平10−102720号公報
ところで、近年、外壁の防水性や通気性の向上のため、外壁本体と外装材との間に通気層を形成することが行われている。特許文献1の外壁であれば、例えば、複数の縦胴縁や柱等の縦材を外壁本体の表面に所定間隔をあけて固定しておき、これら複数の縦材間に上述の下地を架設することで、下地と外壁本体との間に通気層を形成することができる。
しかしながら、モルタルは、セメントあるいは石灰と砂とを水で練ったものであり、軽量セメントモルタルと言えども重量物である。したがって、上述のように複数の縦材間に下地を架設して通気層を形成した場合、下地を縦材に固定した部分だけで、重量物であるモルタルの重みを支持しなければならず、好ましくない。すなわち、例えばモルタルの重みによって下地が下方に下がったり、前方に向かって撓むことによって、下地が縦材に固定された箇所のモルタルや、縦材に固定されない箇所のモルタルにクラックが生じる場合がある。
本発明の課題は、通気層を形成できるとともに、モルタルに対するクラックの発生を抑えつつ、外装材を確実に支持することが可能な外装材の支持構造を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、例えば図1,図10および図11に示すように、外壁本体1の表面から所定間隔離間して取り付けられた下地板材2aの表面に、外装用のモルタル2bを塗り付けてなる外装材2の支持構造において、
前記下地板材2aには、この下地板材2aの厚さ方向に沿って貫通する複数の貫通孔3が形成され、これら複数の貫通孔3には、前記外壁本体1に固定され、前記下地板材2aを支持するための補強スペーサー4がそれぞれ挿通されており、
この補強スペーサー4は、前記貫通孔3に挿通されるとともに前記外壁本体1の表面に突設されるスペーサー本体5と、前記下地板材2aの表面側からスペーサー本体5の先端に取り付けられ、前記下地板材2aの表面を押さえる押さえ部6とを備えていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、前記下地板材2aが、前記外壁本体1の表面から所定間隔離間して取り付けられているので、この下地板材2aと外壁本体1との間に通気層Aを形成することができる。
さらに、前記補強スペーサー4のスペーサー本体5が前記貫通孔3に挿通されるとともに前記外壁本体1の表面に突設されているので、このスペーサー本体5によって、前記モルタル2bの重みによって下方へ下がろうとする前記下地板材2aを確実に支持することができる。しかも、前記押さえ部6が前記下地板材2aの表面側からスペーサー本体5の先端に取り付けられ、前記下地板材2aの表面を押さえるので、この押さえ部6によって、前記モルタル2bの重みによって前方に撓む前記下地板材2aを確実に押さえることができる。
このように前記補強スペーサー4によって、前記下地板材2aを確実に支持することができるので、従来とは異なり、前記下地板材2aの表面に塗り付けられたモルタル2bに対するクラックの発生を抑えつつ、前記外装材2を確実に支持することが可能となる。
請求項2に記載の発明は、例えば図1に示すように、請求項1に記載の外装材2の支持構造において、
前記押さえ部6は、前記貫通孔よりも大径に形成されたフランジ部6aと、このフランジ部6aの裏面中央から突出する突出軸部6bを備え、前記スペーサー本体5は、このスペーサー本体5の先端に形成され、前記突出軸部6bが差し込まれる差込穴5aを備えており、
前記スペーサー本体5の前記外壁本体1の表面からの突出長さは、このスペーサー本体5の先端面が、前記下地板材2aの表面と面一または前記外壁本体1の表面から下地板材2aの厚さの半分の位置よりも突出した位置となるように設定されており、
前記差込穴5aの深さは、前記下地板材2aの厚さの半分の寸法分よりも深くなるように設定されており、
前記突出軸部6bの突出長さは、前記差込穴5aの深さと同一寸法となるように設定されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、前記スペーサー本体5の前記外壁本体1の表面からの突出長さは、このスペーサー本体5の先端面が、前記下地板材2aの表面と面一または前記外壁本体1の表面から下地板材2aの厚さの半分の位置よりも突出した位置となるように設定されており、前記差込穴5aの深さは、前記下地板材2aの厚さの半分の寸法分よりも深くなるように設定されており、前記突出軸部6bの突出長さは、前記差込穴5aの深さと同一寸法となるように設定されているので、前記突出軸部6bが差込穴5aに差し込まれた状態のまま、前記フランジ部6aが前記下地板材2aの表面に当接することとなる。すなわち、前記下地板材2aの厚さが厚ければ、前記フランジ部6aが前記下地板材2aの表面に当接した時点で、前記突出軸部6bは、この突出軸部6bの差込深さが浅い状態で前記差込穴5aに差し込まれる。一方、前記下地板材2aの厚さが薄ければ、前記フランジ部6aが前記下地板材2aの表面に当接した時点で、前記突出軸部6bは、この突出軸部6bの差込深さが深い状態で前記差込穴5aに差し込まれることとなる。
したがって、厚みの異なる下地板材2aであっても、前記突出軸部6bが前記差込穴5aから外れることなく、前記フランジ部6aによって前記下地板材2aの表面を確実に押さえることができるので、前記補強スペーサー4によって、より確実に支持することができる。
請求項3に記載の発明は、例えば図1に示すように、請求項2に記載の外装材2の支持構造において、
前記補強スペーサー4は、この補強スペーサー4を固定するための固定ビス7によって前記外壁本体1に固定されており、
前記固定ビス7は、前記突出軸部6bを差込穴5aに差し込んだ状態の前記スペーサー本体5および押さえ部6を貫通していることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、前記補強スペーサー4は、この補強スペーサー4を固定するための固定ビス7によって前記外壁本体1に固定されており、前記固定ビス7は、前記突出軸部6bを差込穴5aに差し込んだ状態の前記スペーサー本体5および押さえ部6を貫通しているので、前記固定ビス7によって前記スペーサー本体5と押さえ部6とを接続しながら、前記補強スペーサー4を前記外壁本体1に強固に固定することができる。
また、前記押さえ部6を、前記固定ビス7によって前記スペーサ本体5に接続できるので、前記押さえ部6によって、前記モルタル2bの重みによって前方に撓む前記下地板材2aをより確実かつ強固に押さえることができる。
請求項4に記載の発明は、例えば図1,図10および図11に示すように、請求項1〜3のいずれか一項に記載の外装材2の支持構造において、
前記外壁本体1は、建築用壁パネルであり、この建築用壁パネルは、縦横の芯材1a,1bを枠状に組んでなる枠体と、この枠体の表裏面に貼設された面材1cとからなり、
前記補強スペーサー4は、前記面材1cを介して前記縦芯材1aまたは横芯材1bに固定されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、前記補強スペーサー4は、前記面材1cを介して前記縦芯材1aまたは横芯材1bに固定されているので、この補強スペーサー4を確実かつ強固に外壁本体1の表面に固定することができ、延いては、前記下地板材2aをさらに確実に支持することができる。
請求項5に記載の発明は、例えば図2に示すように、請求項1〜4のいずれか一項に記載の外装材2の支持構造において、
前記下地板材2aの表面には、表面に複数の突起10aを有する補強下地シート10が貼設されており、この補強下地シート10の表面に前記モルタル2bが塗り付けられていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、前記下地板材2aの表面には、表面に複数の突起10aを有する補強下地シート10が貼設されており、この補強下地シート10の表面に前記モルタル2bが塗り付けられているので、前記モルタル2bを前記複数の突起10aを含んだ状態で固まらせることで、前記モルタル2bを補強下地シート10の表面に保持することができる。
請求項6に記載の発明は、例えば図3に示すように、請求項1〜5のいずれか一項に記載の外装材2の支持構造において、
前記下地板材2aには、この下地板材2aの厚さ方向に沿って貫通する複数の孔部12が形成されており、この下地板材2aの表面に、前記複数の孔部12から前記下地板材2aの裏面に溢出するようにして前記モルタル2bが塗り付けられていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、前記下地板材2aには、この下地板材2aの厚さ方向に沿って貫通する複数の孔部12が形成されており、この下地板材2aの表面に、前記複数の孔部12から前記下地板材2aの裏面に溢出するようにして前記モルタル2bが塗り付けられていることから、前記モルタル2bを前記下地板材2aの裏面に溢出させた状態で固まらせることで、このモルタル2bが前記下地板材2aの裏面に引っ掛かった状態となるので、前記モルタル2bを前記下地板材2aの表面に保持することができる。
請求項7に記載の発明は、例えば図1〜図11に示すように、請求項1〜6のいずれか一項に記載の外装材2の支持構造において、
前記下地板材2aは、既存の外装材であることを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、前記下地板材2aが、既存の外装材であることから、この既存の外装材をそのまま利用することができるので、既存の外装材の取り外し作業の手間を省略できるだけでなく、既存の外装材の防水性や耐火性等を始め、様々な機能もそのまま利用することができる。しかも、所定の耐火性を有する既存の外装材の表面に前記モルタル2bを塗り付けるので、耐火性を格段に向上させることが可能となる。
本発明によれば、下地板材が、外壁本体の表面から所定間隔離間して取り付けられているので、この下地板材と外壁本体との間に通気層を形成することができる。
さらに、補強スペーサーのスペーサー本体が貫通孔に挿通されるとともに外壁本体の表面に突設されているので、このスペーサー本体によって、モルタルの重みによって下方へ下がろうとする下地板材を確実に支持することができる。しかも、押さえ部が下地板材の表面側からスペーサー本体の先端に取り付けられ、下地板材の表面を押さえるので、この押さえ部によって、モルタルの重みによって前方に撓む下地板材を確実に押さえることができる。
このように補強スペーサーによって、下地板材を確実に支持することができるので、従来とは異なり、下地板材の表面に塗り付けられたモルタルに対するクラックの発生を抑えつつ、外装材を確実に支持することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
本実施の形態の外装材の支持構造は、図1,図10および図11に示すように、外壁本体1の表面から所定間隔離間して取り付けられた下地板材2aの表面に、外装用のモルタル2bを塗り付けてなるものであり、前記下地板材2aには、この下地板材2aの厚さ方向に沿って貫通する複数の貫通孔3が形成され、これら複数の貫通孔3には、前記外壁本体1に固定され、前記下地板材2aを支持するための補強スペーサー4がそれぞれ挿通されている。
また、この補強スペーサー4は、前記貫通孔3に挿通されるとともに前記外壁本体1の表面に突設されるスペーサー本体5と、前記下地板材2aの表面側からスペーサー本体5の先端に取り付けられ、前記下地板材2aの表面を押さえる押さえ部6とを備えている。
なお、前記モルタル2bの表面には、耐候性や耐火性等に優れる仕上げ材17が塗布されている。
ここで、本実施の形態の外壁本体1は、建築用壁パネルであり、この建築用壁パネルは、縦横の芯材1a,1bを枠状に組んでなる枠体と、この枠体の表裏面に貼設された面材1cとからなる。なお、本実施の形態の建築用壁パネルは、複数の縦芯材1aと複数の横芯材1bとを格子枠状に組んでなる。
なお、本実施の形態の外壁本体1は建築用壁パネルとしたが、これに限られるものではなく、従来の軸組工法や壁式工法の木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造等の建物の外壁であってもよく、適宜変更可能である。
さらに、本実施の形態の下地板材2aは、既存の外装材である。そして、この既存の外装材は、前記外壁本体1の表面に所定間隔を開けて固定された複数の胴縁2c間に架設された横貼りサイディング材であり、前記外壁本体1の表面から所定間隔離間している。また、この下地板材2aの下端部近傍には、前記外壁本体1の表面に水切り2dが取り付けられている。
なお、この既存の外装材は、本実施の形態では横貼りサイディング材であるが、これに限られるものではなく、縦貼りサイディング材等に適宜変更可能である。
また、この既存の外装材は、そもそも使用していた外装材であるため、建物にとって必要な防水性や耐火性を始め様々な機能を予め備えている。また、取り外し作業の手間を省略できる。しかも、所定の耐火性を有する既存の外装材の表面に前記モルタル2bを塗り付けるので、耐火性を格段に向上させることが可能となっている。
また、前記複数の貫通孔3は、図10に示すように、前記複数の縦芯材1aと複数の横芯材1bのうち、少なくとも一方に沿うようにして前記下地板材2aに形成されている。したがって、前記補強スペーサー4も、前記複数の縦芯材1aと複数の横芯材のうち、少なくとも一方に沿うようにして前記外壁本体に1に固定されている。
すなわち、この補強スペーサー4は、前記面材を介して前記縦芯材1aまたは横芯材1bに固定されており、この補強スペーサー4を確実かつ強固に外壁本体1の表面に固定できるようになっている。
なお、本実施の形態においては、図10に示すように、前記複数の貫通孔3は、前記横芯材1bに沿って形成されており、前記補強スペーサー4も、前記横芯材1bに沿って固定されている。
一方、前記補強スペーサー4は、上述のように、前記スペーサー本体5および押さえ部6とを備えており、この押さえ部6は、前記貫通孔3よりも大径に形成されたフランジ部6aと、このフランジ部6aの裏面中央から突出する突出軸部6bを備え、前記スペーサー本体5は、このスペーサー本体5の先端に形成され、前記突出軸部6bが差し込まれる差込穴5aを備えている。
そして、図1(a),(b)に示すように、前記スペーサー本体5の前記外壁本体1の表面からの突出長さは、このスペーサー本体5の先端面が、前記下地板材2aの表面と面一または前記外壁本体1の表面から下地板材2aの厚さの半分の位置よりも突出した位置となるように設定されている。
また、前記差込穴5aの深さは、前記下地板材2aの厚さの半分の寸法分よりも深くなるように設定されている。
さらに、前記突出軸部6bの突出長さは、前記差込穴5aの深さと同一寸法となるように設定されている。
これによって、前記突出軸部6bが差込穴5aに差し込まれた状態のまま、前記フランジ部6aが前記下地板材2aの表面に当接することとなる。すなわち、前記下地板材2aの厚さが厚ければ、前記フランジ部6aが前記下地板材2aの表面に当接した時点で、前記突出軸部6bは、この突出軸部6bの差込深さが浅い状態で前記差込穴5aに差し込まれる。一方、前記下地板材2aの厚さが薄ければ、前記フランジ部6aが前記下地板材2aの表面に当接した時点で、前記突出軸部6bは、この突出軸部6bの差込深さが深い状態で前記差込穴5aに差し込まれることとなる。
したがって、厚みの異なる下地板材2aであっても、前記突出軸部6bが前記差込穴5aから外れることなく、前記フランジ部6aによって前記下地板材2aの表面を確実に押さえることができるので、前記補強スペーサー4によって、より確実に支持することができる。そして、このように様々な既存の外装材に対応することができるので、リフォームに際して好適である。
また、このように前記下地板材2aの厚みだけでなく、前記胴縁2cの厚みが厚い場合にも対応することができる。つまり、前記胴縁2cの厚みが厚い場合は、その分、前記下地板材2aも前方に出た状態となるので、前記突出軸部6bの差込深さを浅くするようにして、前記押さえ部6をスペーサー本体5に取り付けるようにする。これによって、前記押さえ部6によって、前記下地板材2aの表面を押さえることができる。
さらに、前記補強スペーサー4は、この補強スペーサー4を固定するための固定ビス7によって、前記外壁本体1に固定されている。この固定ビス7は、前記突出軸部6bを差込穴5aに差し込んだ状態の前記スペーサー本体5および押さえ部6を貫通している。
これによって、前記固定ビス7によって前記スペーサー本体5と押さえ部6とを接続しながら、前記補強スペーサー4を前記外壁本体1に強固に固定することができる。
また、前記押さえ部6を、前記固定ビス7によって前記スペーサ本体5に接続できるので、前記押さえ部6によって、前記モルタル2bの重みによって前方に撓む前記下地板材2aを確実かつ強固に押さえることができる。
なお、前記押さえ部6には、図1に示すように、前記固定ビス7を、該押さえ部6および前記スペーサー本体5の軸心方向に沿ってねじ込むためのガイド孔6cが、前記フランジ部6aおよび突出軸部6bの軸方向に沿って形成されている。
なお、前記突出軸部6bは、図1に示すように、前記差込穴5a内を抜き差し方向にスライドする形態となっている。また、これに限られるものではなく、例えば前記突出軸部6bの表面に雄ネジを形成するとともに、前記差込穴5aの内周面に雌ネジを形成するようにしてもよい。これによって、前記突出軸部6bを前記差込穴5aに螺合させるようにして、前記押さえ部6を前記スペーサー本体5に取り付けることができるので、前記スペーサー本体5が予め前記外壁本体1に固定されていれば、前記押さえ部6の取り付けが容易となる。
なお、前記押さえ部6のフランジ部6aには、例えば装飾や必要設備等を取り付けることができる。つまり、図示はしないが、例えばフランジ部6aに、前記モルタル2bよりも表出した状態となるように輪体を取り付けて、この輪体に竪樋を挿通させて、壁に沿って竪樋を設けたりできる。
一方、前記下地板材2aの表面には、図2に示すように、表面に複数の突起10aを有する補強下地シート10が貼設されており、この補強下地シート10の表面に前記モルタル2bが塗り付けられている。
これにより、前記モルタル2bを前記複数の突起10aを含んだ状態で固まらせることで、前記モルタル2bを補強下地シート10の表面に保持することができる。
なお、前記補強下地シート10は、図示はしないが、最も表面側に不織布が配置され、この不織布の裏面側に加硫ゴムが配置され、この加硫ゴムに含まれるようにして、これら不織布および加硫ゴムを貫通する複数の突起10aが形成されたメタルラスが配置され、前記加硫ゴムの裏面側に接着剤が塗布されるようにして形成されている。また、前記接着剤には離型紙が貼り付けられており、補強下地シート10を取り扱いやすくなっている。
また、この補強下地シート10の最も表面側に、前記不織布が配置されているので、この不織布の繊維にモルタル2bが絡むことによって、この補強下地シート10によるモルタル2bの保持力を向上させることが可能となっている。
一方、図3に示すように、前記下地板材2aに、この下地板材2aの厚さ方向に沿って貫通する複数の孔部12を形成し、この下地板材2aの表面に、前記複数の孔部12から前記下地板材2aの裏面に溢出するようにして前記モルタル2bを塗り付けるようにしてもよい。
これにより、前記モルタル2bを前記下地板材2aの裏面に溢出させた状態で固まらせることで、このモルタル2bが前記下地板材2aの裏面に引っ掛かった状態となるので、前記モルタル2bを前記下地板材2aの表面に保持することができる。
なお、このようにモルタル2bを前記下地板材2aの裏面に溢出させて固まらせることで、このモルタル2bが前記下地板材2aの裏面に引っかかる状態となるのは、前記モルタル2bが下地板材2aの裏面に溢出した際に、ある程度の量は下方に下がっていき、ある程度の量は溢出した部分に残置して固まるためである。さらに、前記モルタル2bには、表面張力によって、その場に留まろうとする力も作用している。
また、このようにモルタル2bを前記下地板材2aの裏面に溢出させる際は、前記補強下地シート10とは異なり、複数の突起10aを有しない補強下地シート11を、前記下地板材2aの表面に貼設しておき、この補強下地シート11を貫通するようにして孔部12を形成する。
また、図10に示すように、このモルタル2bを下地板材2aの裏面に溢出させる形態と、前記複数の突起10aを有する補強下地シート10を下地板材2aの表面に貼設する形態とを併用してもよいものとする。
さらに、前記下地板材2aの表面に補強下地シート10を貼設する際は、図7〜図10に示すように、押さえ鋲15をビスとともに前記補強下地シート10の表面から前記胴縁2cに向かって打ち込むことで、前記接着剤とあいまって前記補強下地シート10と下地板材2aとの保持力を増大させるとともに、前記下地板材2aと外壁本体1との保持力を増大させることができる。
前記補強下地シート11も同様に、前記押さえ鋲15によって前記下地板材2aに強固に貼り付けできるようになっている。
また、前記補強下地シート10,11を前記下地板材2aの表面に貼設する際に、予めプライマー14を塗布しておくことによって、これら補強下地シート10,11の貼設強度を高めることができる。
また、前記下地板材2aの表面下部に、図8〜図11に示すように、モルタル2bの下部を受ける自重受け金物16が設けられている。この自重受け金物16によってモルタル2bが下方に垂れないようになっている。また、この自重受け金物16は、モルタル2bが固まった後は、このモルタル2bの裏面側に位置しているので、外れにくい。すなわち、前記モルタル2bは、自身が固まることによって、モルタル2b自身を受けている自重受け金物16を前記下地板材2aに強固に固定できるので、モルタル2bを前記下地板材2aの表面に保持させる上で効率が良い。
また、隣接する自重受け金物16同士は、ジョイナー16aによって接続されており、自重受け金物16同士の継ぎ目から雨水やモルタル2b等が染み込むのを防ぎながら確実に接続できるようになっている。
なお、これら自重受け金物16およびジョイナー16aの表面には、図10に示すように、前記補強下地シート10の同質の補助シート10bが貼設されており、モルタル2bの保持力の低減を防ぐことができるようになっている。
次に、図面を参照して前記補強スペーサー4を用いて外装材2を支持しながら、外装材2を形成する方法について説明する。
まず、図4に示すように、既存の外装材である下地板材2aに、補強ビス13を打ち込み、下地板材2aと前記外壁本体1との接合強度を高めておく。
続いて、前記下地板材2aの表面に、図5に示すように、前記プライマー14を塗布してから、図6に示すように、前記補強下地シート10を貼り付ける。
また、図7に示すように、前記補強下地シート10の表面から、前記押さえ鋲15をビスとともに前記補強下地シート10の表面から前記胴縁2cに向かって打ち込んで、前記補強下地シート10を、前記下地板材2aに対して強固に貼設する。
続いて、図8に示すように、前記下地板材2aの下部に前記自重受け金物16を取り付けて、隣接する自重受け金物16同士を、図9に示すように、前記ジョイナー16aによって継ぎ目を覆うようにして接続する。また、図10に示すように、前記自重受け金物16の表面に補助シート10bを貼設しておく。
続いて、図10に示すように、前記下地板材2aの厚さ方向に沿って、かつ前記横芯材1bに沿って複数の貫通孔3を形成するとともに、これら貫通孔3に補強スペーサー4を挿通させて、これら補強スペーサー4を前記外壁本体1に固定する。
なお、この補強スペーサー4を外壁本体1に固定する際は、図1(a),(b)に示すように、まず、前記スペーサー本体5を前記貫通孔3に挿通させる。次に、前記押さえ部6を前記下地板材2aの表面側から、前記突出軸部6bを前記差込穴5aに差し込むようにして前記スペーサー本体5に取り付けて、前記フランジ部6aの裏面を、前記下地板材2aの表面に当接させる。
そして、前記固定ビス7を、前記押さえ部6のガイド孔6cから、前記スペーサー本体5を貫通し、さらに前記面材1cを介して前記横芯材1bに向かってねじ込んでいく。この時、前記押さえ部6とスペーサー本体5と接続しながら、該補強スペーサー4を前記外壁本体1に強固に固定する。
続いて、図10に示すように、前記下地板材2aの厚さ方向に沿って、かつ前記補強下地シート10の厚さ方向に沿って前記複数の孔部12を形成しておく。
その後、図11に示すように、前記下地板材2a、すなわち前記補強下地シート10の表面にモルタル2bを塗り付けていく。この時、モルタル2bは、前記複数の孔部12から下地板材2aの裏面に溢出するとともに、前記複数の突起10aを含んだ状態となっており、所定の時間が経過すると、この状態で固まるようになっている。
そして、モルタル2bの表面に前記仕上げ材17を塗布して外装材2を完成させる。以上のようにして、前記補強スペーサー4を用いて外装材2を支持しながら、外装材2を形成できるようになっている。
なお、本実施の形態の外装材2の支持構造は、前記下地板材2aを既存の外装材としており、リフォームに適したものとなっているが、前記下地板材2aを既存の外装材とせずに新築の住宅建物に適用できるものである。
その際は、前記外壁本体1である建築用壁パネルに、前記下地板材2aを取り付けたり、前記通気層Aを形成した状態にしておいたり、また、前記補強下地シート10(11)を貼り付けておいたり、前記補強スペーサー4を取り付けたり等、必要な装備を施した状態とすることが望ましい。これによって、必要な装備が施された状態で建築用壁パネルを現場に輸送し、現場ではモルタル2bを塗り付けるだけにすることで、施工性を格段に向上させることができる。
本実施の形態によれば、前記下地板材2aが、前記外壁本体1の表面から所定間隔離間して取り付けられているので、この下地板材2aと外壁本体1との間に通気層Aを形成することができる。
さらに、前記補強スペーサー4のスペーサー本体5が前記貫通孔3に挿通されるとともに前記外壁本体1の表面に突設されているので、このスペーサー本体5によって、前記モルタル2bの重みによって下方へ下がろうとする前記下地板材2aを確実に支持することができる。しかも、前記押さえ部6が前記下地板材2aの表面側からスペーサー本体5の先端に取り付けられ、前記下地板材2aの表面を押さえるので、この押さえ部6によって、前記モルタル2bの重みによって前方に撓む前記下地板材2aを確実に押さえることができる。
このように前記補強スペーサー4によって、前記下地板材2aを確実に支持することができるので、従来とは異なり、前記下地板材2aの表面に塗り付けられたモルタル2bに対するクラックの発生を抑えつつ、前記外装材2を確実に支持することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る外装材の支持構造の主要部を示す断面図であり、(a)は補強スペーサーを外壁本体に固定する前を示し、(b)は固定後を示している。 モルタルの保持状態の一例を示す斜視図である。 モルタルの保持状態の一例を示す斜視図である。 外装材を支持しながら形成していく手順の一部を示す斜視図である。 外装材を支持しながら形成していく手順の一部を示す斜視図である。 外装材を支持しながら形成していく手順の一部を示す斜視図である。 外装材を支持しながら形成していく手順の一部を示す斜視図である。 外装材を支持しながら形成していく手順の一部を示す斜視図である。 外装材を支持しながら形成していく手順の一部を示す斜視図である。 外装材を支持しながら形成していく手順の一部を示す斜視図である。 外装材を支持しながら形成していく手順の一部を示す斜視図である。
符号の説明
1 外壁本体(建築用壁パネル)
2 外装材
2a 下地板材(既存の外装材)
2b モルタル
3 貫通孔
4 補強スペーサー
5 スペーサー本体
6 押さえ部

Claims (7)

  1. 外壁本体の表面から所定間隔離間して取り付けられた下地板材の表面に、外装用のモルタルを塗り付けてなる外装材の支持構造において、
    前記下地板材には、この下地板材の厚さ方向に沿って貫通する複数の貫通孔が形成され、これら複数の貫通孔には、前記外壁本体に固定され、前記下地板材を支持するための補強スペーサーがそれぞれ挿通されており、
    この補強スペーサーは、前記貫通孔に挿通されるとともに前記外壁本体の表面に突設されるスペーサー本体と、前記下地板材の表面側からスペーサー本体の先端に取り付けられ、前記下地板材の表面を押さえる押さえ部とを備えていることを特徴とする外装材の支持構造。
  2. 請求項1に記載の外装材の支持構造において、
    前記押さえ部は、前記貫通孔よりも大径に形成されたフランジ部と、このフランジ部の裏面中央から突出する突出軸部を備え、前記スペーサー本体は、このスペーサー本体の先端に形成され、前記突出軸部が差し込まれる差込穴を備えており、
    前記スペーサー本体の前記外壁本体の表面からの突出長さは、このスペーサー本体の先端面が、前記下地板材の表面と面一または前記外壁本体の表面から下地板材の厚さの半分の位置よりも突出した位置となるように設定されており、
    前記差込穴の深さは、前記下地板材の厚さの半分の寸法分よりも深くなるように設定されており、
    前記突出軸部の突出長さは、前記差込穴の深さと同一寸法となるように設定されていることを特徴とする外装材の支持構造。
  3. 請求項2に記載の外装材の支持構造において、
    前記補強スペーサーは、この補強スペーサーを固定するための固定ビスによって前記外壁本体に固定されており、
    前記固定ビスは、前記突出軸部を差込穴に差し込んだ状態の前記スペーサー本体および押さえ部を貫通していることを特徴とする外装材の支持構造。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の外装材の支持構造において、
    前記外壁本体は、建築用壁パネルであり、この建築用壁パネルは、縦横の芯材を枠状に組んでなる枠体と、この枠体の表裏面に貼設された面材とからなり、
    前記補強スペーサーは、前記面材を介して前記縦芯材または横芯材に固定されていることを特徴とする外装材の支持構造。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の外装材の支持構造において、
    前記下地板材の表面には、表面に複数の突起を有する補強下地シートが貼設されており、この補強下地シートの表面に前記モルタルが塗り付けられていることを特徴とする外装材の支持構造。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の外装材の支持構造において、
    前記下地板材には、この下地板材の厚さ方向に沿って貫通する複数の孔部が形成されており、この下地板材の表面に、前記複数の孔部から前記下地板材の裏面に溢出するようにして前記モルタルが塗り付けられていることを特徴とする外装材の支持構造。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の外装材の支持構造において、
    前記下地板材は、既存の外装材であることを特徴とする外装材の支持構造。
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