JP2009034893A - ウレタン成形型 - Google Patents
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Abstract
【課題】ウレタン成形型の製造期間を短縮すると共に、ウレタン成形型の製造コストを削減することができるウレタン成形型を提供する。
【解決手段】ウレタン成形型100は、主型1と副型2とを備えており、主型1と副型2とは、ウレタン樹脂複合材にて構成されている。そのウレタン樹脂複合材は、アルミ素材に比べて柔らかいので切削加工性が良く、NC加工機にて容易に加工することができる。そのため、NC加工機の加工速度を速めることができるので、ウレタン成形型100の加工時間を短縮することができる。また、主型1と副型2のキャビティCを形成する面に硬化性ウレタン樹脂を盛ることで凸設部位の追加を容易におこなうことができる。そのため、ウレタン成形型100のキャビティC形状の変更を容易におこなうことができる。
【選択図】図1
【解決手段】ウレタン成形型100は、主型1と副型2とを備えており、主型1と副型2とは、ウレタン樹脂複合材にて構成されている。そのウレタン樹脂複合材は、アルミ素材に比べて柔らかいので切削加工性が良く、NC加工機にて容易に加工することができる。そのため、NC加工機の加工速度を速めることができるので、ウレタン成形型100の加工時間を短縮することができる。また、主型1と副型2のキャビティCを形成する面に硬化性ウレタン樹脂を盛ることで凸設部位の追加を容易におこなうことができる。そのため、ウレタン成形型100のキャビティC形状の変更を容易におこなうことができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、ウレタン成形型に関し、特に、ウレタン成形型の製造期間を短縮すると共に、ウレタン成形型の製造コストを削減することができるウレタン成形型に関するものである。
自動車などの工業製品は、量産することが前提とされており、量産する形状などを検討するために試作を行っている。自動車のシートのクッション素材などに用いられるウレタン成形品も同様であり、ウレタン成形品を試作するために、試作型を製造していた。
ここで、図3(b)を参照して、従来のウレタン成形品の試作型を成形する方法について説明する。図3(b)は、従来のウレタン成形品の試作型を製造する工程を示した工程図である。
図3(b)に示すように、アルミ試作型204は、アルミ素材にて構成されており、3つの工程により製造される。まず、木型加工工程P1では、ブロック状に構成された木材200を鋳造用の木型201に加工する。次に、鋳造工程P2では、木型加工工程P1で加工された木型201に溶かしたアルミ素材202を流し込み、アルミ荒型203を鋳造する。最後に、仕上げ加工工程P3では、鋳造工程P2で鋳造されたアルミ荒型203の細部を加工して、そのアルミ荒型203をアルミ試作型204に仕上げ加工する。
また、特開2003−94443号公報には、光造形材料にレーザー光を照射して型を製造する方法に関する技術が記載されている。この技術では、光造形材料にレーザー光を照射する一体成型工程のみで、一体成型物21,31を成形する(特許文献1)。
特開2003−94443号公報([段落0023])
しかしながら、図3(b)に示す従来のウレタン成形品の試作型を製造する方法では、木型加工工程P1、鋳造工程P2及び仕上げ加工工程P3を要するので、アルミ試作型204の製造には、1〜2ヶ月の期間が掛かっていた。そのため、製造期間が長いという問題点があった。
また、特開2003−94443号公報に記載の技術では、鋳造工程P2及び仕上げ加工工程P3を省略して、一体成型工程のみで試作型を製造できるので、試作型の製造期間を短縮することはできる。しかし、技術の普及が進んでおらず光造形の装置の導入コストが嵩み、試作型の製造コストが嵩むという問題点があった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、ウレタン成形型の製造期間を短縮すると共に、ウレタン成形型の製造コストを削減することができるウレタン成形型を提供することを目的としている。
この目的を達成するために請求項1記載のウレタン成形型は、ウレタンチップが充填される第1型と、前記第1型とキャビティを形成する第2型とを備え、前記第1型および前記第2型を型閉めした状態において、前記キャビティ内に充填圧縮された前記ウレタンチップを蒸気にて加熱してウレタン成形品に成形するものであり、前記第1型および前記第2型は、合成樹脂にて構成されている。
請求項2記載のウレタン成形型は、請求項1記載のウレタン成形品において、前記合成樹脂は、ウレタン樹脂で構成されており、前記第1型または前記第2型の前記キャビティを形成する部位には、硬化性ウレタン樹脂を盛って、その盛った部位を加工して形成された凸設部位が設けられている。
請求項3記載のウレタン成形型は、請求項1又は2に記載のウレタン成形品において、前記第1型および前記第2型は、少なくとも前記キャビティを形成する面に、金属含有塗料が塗布されている。
請求項4記載のウレタン成形型は、請求項3記載のウレタン成形品において、前記第1型と前記第2型との合わせ面には、前記金属含有塗料が塗布されている。
請求項1記載のウレタン成形型によれば、第1型にウレタンチップを充填し、その第1型と第2型とを型閉めすることでキャビティを形成して、そのキャビティ内に圧縮されているウレタンチップを蒸気にて加熱してウレタン成形品を成形する。ここで、請求項1によれば、第1型および第2型は、合成樹脂にて構成されているので、第1型および第2型がアルミ素材にて構成される場合に比べて、鋳造工程が省略されるので、鋳造設備を不要とすることができ、設備投資費および設備維持管理費を削減してウレタン成形型の製造コストを削減することができるという効果がある。
また、第1型および第2型をアルミ素材から切削して製造する場合に比べて、合成樹脂は、切削加工性が良く、NC加工機の切削速度を速めることができる。そのため、ウレタン成形型の製造期間を短縮することができるという効果がある。加えて、NC加工機による加工工賃は、切削時間によって決まるため、NC加工機の切削速度を速めることにより、切削時間が短縮されウレタン成形型の製造コストを削減することができるという効果がある。
請求項2記載のウレタン成形型によれば、請求項1記載のウレタン成形型の奏する効果に加え、ウレタン樹脂にて構成された第1型または第2型のキャビティを形成する部位には、硬化性ウレタン樹脂を盛って、その盛った部位を加工して形成された凸設部位が設けられているので、ウレタン成形型を切削加工した後からでも、第1型または第2型のキャビティを形成する部位に凸設部位を追加してキャビティの形状を容易に変更することができるという効果がある。
請求項3記載のウレタン成形型によれば、請求項1又は2に記載のウレタン成形型の奏する効果に加え、第1型および第2型は、少なくともキャビティを形成する面に、金属含有塗料が塗布されており、ウレタン成形品を成形する際にキャビティに導入された蒸気の水分が、その金属含有塗料によって遮断されるので、蒸気の水分が第1型および第2型に吸収されることを防止することができる。よって、第1型および第2型の形状の変化を抑えて、ウレタン成形型の耐久性を向上することができるという効果がある。
請求項4記載のウレタン成形型によれば、請求項3記載のウレタン成形型の奏する効果に加え、第1型と第2型との合わせ面の隙間には、キャビティに導入された蒸気が流入されるが、その合わせ面には、金属含有塗料が塗布されており、合わせ面の隙間に流入した蒸気の水分が、その金属含有塗料によって遮断されるので、蒸気の水分が第1型および第2型に吸収されることを防止することができる。よって、第1型および第2型の形状の変化を抑えて、ウレタン成形型の耐久性を向上することができるという効果がある。
以下、本発明の好ましい実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、ウレタン成形型100の構成について説明する。図1(a)は、ウレタン成形型100の正面を示した正面図であり、図1(b)は、ウレタン成形型100の側面を示した側面図である。なお、理解を容易とするため、キャビティ内に充填圧縮されているウレタンチップを省略して図示し、図1(a)及び図1(b)に図示されている蒸気排出孔24及び蒸気投入孔54の内径(図1(a)及び図1(b)左右方向寸法)を拡大して図示している。
図1(a)及び図1(b)に示すウレタン成形型100は、主型1と副型2とを型閉めすることで、キャビティC内に充填圧縮されたウレタンチップ(図示せず)を蒸気にて加熱して、ウレタン成形品(図示せず)を成形するものである。
図1(a)及び図1(b)に示すように、ウレタン成形型100は、主型1と、その主型1と嵌合される副型2と、その嵌合された副型2を型閉めするために主型1に押圧するクランプ3とを備えている。
図1(a)に示すように、主型1は、延長部4と、その延長部4に連設される基体部5とを備えており、その基体部5と延長部4とは、スプリングが組み込まれたフックFにて一体として組上げられている。
延長部4は、ウレタン樹脂複合素材にて構成されると共に略直方体の外形を有しており、その直方体の側面の内の平行に配置される2面間を貫通する孔である延長部貫通孔41を備えている。その延長部貫通孔41は、後述する凸部22に嵌合されるように形成されている。また、基体部5に当接している延長部4の面とされる延長部下面44からは、延長部貫通孔41を挟んで一対の延長部突起42が凸設されている。
図1(a)に示すように、基体部5は、基体上部5aと、その基体上部5aに連設される基体下部5bとを備え、基体上部5aと基体下部5bとには、蒸気投入孔54が形成されている。基体上部5aは、ウレタン樹脂複合素材にて構成されると共に略直方体の外形を有しており、その基体上部5aには、延長部4に形成された延長部貫通孔41に連通して有底の孔である圧縮部孔51が形成されている。その圧縮部孔51の内側面とされる第1キャビティ面51aと、延長部貫通孔41の内周面とされる延長部ガイド面41aとには、高濃度亜鉛末塗料が塗布されている。よって、その高濃度亜鉛末塗料が、キャビティC内に噴出した蒸気を第1キャビティ面51a及び延長部ガイド面41aに対して遮断する。
図1(b)に示すように、延長部4に当接される基体上部5aの面とされる基体部上面57には、圧縮部孔51を挟んで一対の基体上部凹部56が凹設されており、その基体上部凹部56の形状は、延長部突起42の形状と対応した形状とされている。よって、延長部突起42を基体上部凹部56に嵌合させて、延長部4を基体部5に対して位置決めすることができる。
基体下部5bは、ウレタン樹脂複合素材にて構成されると共に略直方体の外形を有しており、その直方体の幅は、基体上部5aの幅より広く設定されている。よって、ウレタン成形型100を設置する際に安定性を保つことができる。
図1(a)に示すように、基体下部5bには、中空の蒸気室52と、その中空の蒸気室52に蒸気を供給するための供給口が形成された蒸気供給ナット55と、その蒸気供給ナット55から供給された蒸気が結露して発生した水を蒸気室52の内部から抜くための切り替え排出口である水抜きコック53とが取り付けられている。
蒸気投入孔54は、蒸気室52と圧縮部孔51とを連通する貫通孔とされており、基体部5の長手方向(図1(a)左右方向)に向かって所定の間隔で複数(本実施の形態では3個)配設されている。よって、蒸気室52に供給された蒸気は、それら複数の貫通孔を通って圧縮部孔51に均一に送り込まれる。なお、本実施の形態において、蒸気投入孔54の内径は1.0mm以上1.5mm以下に設定されている。
図1(a)に示すように、副型2は、蓋部21と、その蓋部21に連設される凸部22とを有し、その凸部22と蓋部21とには、蒸気排出孔24が形成されている。蓋部21は、ウレタン樹脂複合素材にて直方体に構成され、凸部22から四方に張り出して構成されている。その張り出し部分の下面とされる蓋部下面26は、主型1の延長部4の上面とされる延長部上面43に当接されている。
凸部22は、ウレタン樹脂複合素材にて構成され、凸部22の外周面は、第2キャビティ面23と凸部ガイド面25とにて構成されている。凸部ガイド面25は、凸部22の凸設方向(図1(a)下方向)に対して平行な面とされており、第2キャビティ面23は、凸部ガイド面25に連成される凸部22の先端部分の面とされており、それぞれに高濃度亜鉛末塗料が塗布されている。よって、その高濃度亜鉛末塗料が、キャビティC内に噴出した蒸気を凸部ガイド面25及び第2キャビティ面23に対して遮断する。また、キャビティCは、凸部22が延長部貫通孔41に嵌合された状態において、第2キャビティ面23と第1キャビティ面51aとによって囲まれている空間である(図1(b)参照)。
図1(a)に示すように、蒸気排出孔24は、第2キャビティ面23から蓋部21に向かって凸部22及び蓋部21を貫通する複数(本実施の形態では3個)の貫通孔とされており、副型2の長手方向(図1(a)左右方向)に向かって所定の間隔で複数(本実施の形態では3個)配設されている。その貫通孔を通ってキャビティC内の蒸気が外部に排出される。なお、本実施の形態において、蒸気排出孔24の内径は、1.0から1.5mmに設定されている。
なお、本実施の形態では、上述した「ウレタン樹脂複合素材」は、三洋化成工業株式会社製のサンモジュール(登録商標名)DB1550(型番)を使用しており、請求項1記載の「合成樹脂」及び請求項2記載の「ウレタン樹脂」に対応する。
また、上述した「高濃度亜鉛末塗料」は、ローバル株式会社製のローバルシルバー(製品名)を使用しており、そのローバルシルバーとは、亜鉛を主に含有した高濃度亜鉛末塗料にアルミ顔料を添加したものであり、請求項3又は4に記載の「金属含有塗料」に対応する。
このように、ウレタン成形型100を構成する主型1及び副型2は、ウレタン樹脂複合素材にて構成されている。例えば、主型1及び副型2をアルミ素材からNC加工機にて切削する場合に比べて、ウレタン樹脂複合素材は、アルミ素材に比べて柔らかいので切削加工性が良く、NC加工機の切削速度を速めることができる。そのため、ウレタン成形型100の製造期間を短縮することができる。加えて、NC加工機による加工工賃は、切削時間によって決まるため、NC加工機の切削速度を速めることにより切削時間が短縮され、ウレタン成形型100の製造コストを削減することができる。
さて、ウレタン成形型100のキャビティC形状の変更を行う場合に、凹設部位の追加であれば、ウレタン成形型100を更に切削加工すれば良いが、凸設部位の追加の場合には、ウレタン樹脂の塊から切削しなければならなかった。
そこで、本実施の形態では、ウレタン成形型100がウレタン樹脂複合素材にて構成されているので、主型1の第1キャビティ面51a又は副型2の第2キャビティ面23に、硬化性ウレタン樹脂を盛って凸設部位を形成することができる。また、その盛った凸設部位は、硬化性ウレタン樹脂にて構成されており、2時間の室温硬化とその後の10時間の加熱(摂氏50度)硬化で硬化を完了する。よって、硬化した凸設部位を加工して、主型1の第1キャビティ面51a又は副型2の第2キャビティ面23に凸設部位を形成することができる。
そのため、主型1の第1キャビティ面51a又は副型2の第2キャビティ面23の形状変更が凸設部位の追加であっても、硬化性ウレタン樹脂を盛ることで、形状変更が必要な部位のみを修正することができる。よって、ウレタン樹脂の塊からウレタン成形型100を製造する場合に比べて、ウレタン成形型100の製造期間を短縮することができる。
なお、本実施の形態では、上述した「硬化性ウレタン樹脂」は、三洋化成工業株式会社製のサンモジュールFF(製品名)を使用しており、請求項2記載の「硬化性ウレタン樹脂」に対応する。
次に、図2を参照して蒸気供給ナット55から供給された蒸気(図示せず)の流れについて説明する。図2は、図1(a)のII−II線におけるウレタン成形型100の断面を示した断面図である。なお、理解を容易とするために、蒸気の流れを矢印にて概念的に示し、主型1と、副型2とによって形成される隙間を拡大して図示している。
図2に示すように、圧縮部孔51及び延長部貫通孔41に充填されたウレタンチップ(図示せず)を圧縮するために、凸部22を延長部貫通孔41に嵌合させ、蓋部下面26が延長部上面43に当接するまで、副型2を主型1に向かって移動させる。ウレタンチップ(図示せず)は、圧縮部孔51を越えて延長部貫通孔41に至るまで充填されるので、副型2を主型1に向かって移動させることにより、ウレタンチップはキャビティCの形状に圧縮される。
次に、その圧縮されたウレタンチップの形状を固定するために、蒸気供給ナット55から蒸気(図示せず)を供給する。まず、蒸気を供給する前に、水抜きコック53を閉じる。そのため、蒸気供給ナット55から供給された蒸気は、水抜きコック53から放出されず蒸気室52に貯留される。蒸気室52が蒸気で満たされると、その蒸気は、蒸気投入孔54からウレタンチップ(図示せず)が圧縮充填されているキャビティC内に噴出する。キャビティC内に噴出した蒸気は、ウレタンチップと第1キャビティ面51aとの隙間、および、ウレタンチップ同士の隙間を通って、キャビティC内を上昇する。その後、キャビティC内を上昇した蒸気は、蒸気排出孔24から外部に排出される。また、蒸気は、圧縮部孔51と凸部22との隙間および延長部貫通孔41と凸部22との隙間にも噴出し、延長部上面43と蓋部下面26との隙間を通って外部に排出される。
第1キャビティ面51a及び第2キャビティ面23には、高濃度亜鉛末塗料が塗布されているので、ウレタン成形品を成形する際にキャビティCに導入される蒸気の熱が、高濃度亜鉛末塗料によって断熱され、主型1及び副型2の第1キャビティ面51a及び第2キャビティ面23に蒸気の熱を伝わり難くすることで、主型1及び副型2の変化が抑えられる。その結果、ウレタン成形型100の耐久性を向上することができる。
また、ウレタン成形品を成形する際に、キャビティCに導入される蒸気の水分が、高濃度亜鉛末塗料によって遮断され、第1キャビティ面51a及び第2キャビティ面23に蒸気の水分が触れることを防止することができる。そのため、第1キャビティ面51a及び第2キャビティ面23から蒸気の水分が吸収されることを防いで、主型1及び副型2が変形することを防止することができる。
同様に、主型1と副型2との合わせ面であり、主型1に形成される延長部ガイド面41a及び延長部上面43や、副型2に形成される凸部22の側面および蓋部下面26(以下、「合わせ面」と称す。)には、高濃度亜鉛末塗料が塗布されているので、キャビティCに導入された蒸気が合わせ面の隙間に流入しても、その蒸気の熱が高濃度亜鉛末塗料によって断熱され、主型1と副型2との合わせ面から主型1及び副型2へ蒸気の熱を伝わり難くすることで、主型1及び副型2が変形することを防止することができる。さらに、キャビティCに導入された蒸気が合わせ面の隙間に流入しても、蒸気の水分が高濃度亜鉛末塗料によって遮断され、主型1と副型2との合わせ面に蒸気の水分が触れることを防止することができるので、主型1と副型2との合わせ面から蒸気の水分が吸収されることを防いで、主型1及び副型2が変形することを防止することができる。
次いで、図3(a)を参照してウレタン成形型100の製造工程について説明する。図3(a)は、ウレタン成形型100の製造工程を示した工程図である。
図3(a)に示すように、樹脂型加工工程S1は、ウレタン樹脂複合素材の塊をNC加工機にて切削加工する。よって、ウレタン樹脂複合素材の塊からウレタン成形型100を製造することができる。
このように、ウレタン成形型100を構成する主型1及び副型2は、ウレタン樹脂複合素材にて構成されているので、主型1及び副型2がアルミ素材にて構成される場合に比べて、鋳造工程が省略され、鋳造設備を不要とすることができるので、設備投資費および設備維持管理費を削減してウレタン成形型100の製造コストを削減することができる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
上記実施の形態では、主型1及び副型2がクランプ3にて押圧される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、別に設けられたプレス機にて主型1と副型2とを押圧しても良い。この場合、プレス機のプレス面が広ければ、そのプレス面に複数の主型1及び副型2を設置して押圧することで、一度に複数のウレタン成形品を製造することができる。よって、複数のウレタン成形品を効率良く製造することができる。
上記実施の形態では、延長部ガイド面41a、第1キャビティ面51a、凸部ガイド面25及び第2キャビティ面23に高濃度亜鉛末塗料を塗布する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、さらに、延長部上面43、蓋部下面26、蒸気投入孔54及び蒸気排出孔24にも高濃度亜鉛末塗料を塗布しても良い。この場合、蒸気が延長部上面43と蓋部下面26との隙間、蒸気投入孔54の内部および蒸気排出孔24の内部に流入しても、その蒸気の熱が高濃度亜鉛末塗料によって断熱され、延長部上面43、蓋部下面26、蒸気投入孔54の内周面および蒸気排出孔24の内周面から主型1及び副型2へ蒸気の熱を伝わり難くし、さらに、蒸気の水分を遮断することで水分が吸収されること防いで、主型1及び副型2の形状の変化を抑えることができる。
一方、高濃度亜鉛末塗料は、必ずしも延長部ガイド面41a、第1キャビティ面51a、凸部ガイド面25及び第2キャビティ面23に塗布する必要はなく、キャビティCを形成する面にのみに塗布するようにしても良い。この場合、高濃度亜鉛末塗料の使用量を削減することができるので、ウレタン成形型100の製造コストを削減することができる。
100 ウレタン成形型
1 主型(第1型)
2 副型(第2型)
21 蓋部(第2型の一部)
22 凸部(第2型の一部)
23 第2キャビティ面(第2型の一部)
24 蒸気排出孔(第2型の一部)
25 凸部ガイド面(第2型の一部)
26 蓋部下面(第2型の一部)
4 延長部(第1型の一部)
41 延長部貫通孔(第1型の一部)
41a 延長部ガイド面(第1型の一部)
42 延長部突起(第1型の一部)
43 延長部上面(第1型の一部)
5 基体部(第1型の一部)
5a 基体上部(第1型の一部)
5b 基体下部(第1型の一部)
51 圧縮部孔(第1型の一部)
52 蒸気室(第1型の一部)
51a 第1キャビティ面(第1型の一部)
53 水抜きコック(第1型の一部)
54 蒸気投入孔(第1型の一部)
55 蒸気供給ナット(第1型の一部)
56 基体上部凹部(第1型の一部)
57 基体部上面(第1型の一部)
C キャビティ
1 主型(第1型)
2 副型(第2型)
21 蓋部(第2型の一部)
22 凸部(第2型の一部)
23 第2キャビティ面(第2型の一部)
24 蒸気排出孔(第2型の一部)
25 凸部ガイド面(第2型の一部)
26 蓋部下面(第2型の一部)
4 延長部(第1型の一部)
41 延長部貫通孔(第1型の一部)
41a 延長部ガイド面(第1型の一部)
42 延長部突起(第1型の一部)
43 延長部上面(第1型の一部)
5 基体部(第1型の一部)
5a 基体上部(第1型の一部)
5b 基体下部(第1型の一部)
51 圧縮部孔(第1型の一部)
52 蒸気室(第1型の一部)
51a 第1キャビティ面(第1型の一部)
53 水抜きコック(第1型の一部)
54 蒸気投入孔(第1型の一部)
55 蒸気供給ナット(第1型の一部)
56 基体上部凹部(第1型の一部)
57 基体部上面(第1型の一部)
C キャビティ
Claims (4)
- ウレタンチップが充填される第1型と、前記第1型とキャビティを形成する第2型とを備え、前記第1型および前記第2型を型閉めした状態において、前記キャビティ内に充填圧縮された前記ウレタンチップを蒸気にて加熱してウレタン成形品に成形するウレタン成形型において、
前記第1型および前記第2型は、合成樹脂にて構成されていることを特徴とするウレタン成形型。 - 前記合成樹脂は、ウレタン樹脂で構成されており、
前記第1型または前記第2型の前記キャビティを形成する部位には、硬化性ウレタン樹脂を盛って、その盛った部位を加工して形成された凸設部位が設けられていることを特徴とする請求項1記載のウレタン成形型。 - 前記第1型および前記第2型は、少なくとも前記キャビティを形成する面に、金属含有塗料が塗布されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のウレタン成形型。
- 前記第1型と前記第2型との合わせ面には、前記金属含有塗料が塗布されていることを特徴とする請求項3記載のウレタン成形型。
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JP (1) | JP2009034893A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011077715A (ja) * | 2009-09-29 | 2011-04-14 | Tdk Corp | アンテナ及び通信装置 |
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2007
- 2007-08-01 JP JP2007200880A patent/JP2009034893A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011077715A (ja) * | 2009-09-29 | 2011-04-14 | Tdk Corp | アンテナ及び通信装置 |
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