JP2009034786A - 歯車加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】被削歯車の歯面の端面角部の面取りをするとともに、端面角部の近傍の盛り上がりを抑制する。
【解決手段】ステップS101において、素材に対してホブ等による歯切りを行う。ステップS102において、被削歯車14の面取り加工を行う。ステップS103において、被削歯車14の熱処理による浸炭及び焼入を行う。ステップS104において、被削歯車14の歯車研削加工を行う。ステップS105において、被削歯車14のギアホーニング加工を行う。ステップS102では、フレージングカッタ18を被削歯車14に対して0でない軸交差角ψをもって噛合させて回転することにより、被削歯車14の端面角部30、31の面取りをする。
【選択図】図22

Description

本発明は、歯車の端面角部を適切に面取りする歯車加工方法に関する。
近時の自動車は高出力でありながらも静粛性及び耐久性が要求されており、動力伝達(例えば変速機)に用いられる歯車には動力を確実に伝達するとともに騒音を発生しないように一層高精度な歯面が望まれている。
このような高精度の歯車の加工としては、一般的にホブによる粗切削加工、面取り加工、シェービングカッタによる歯面の成形、熱処理による浸炭及び焼入れを行い、さらに精度を向上させるために歯車研削やギアホーニング加工を行う。
このうち、ホブによる粗切削加工が終了した段階では、歯面の端面角部が尖っており、そのままでは熱処理により過度の浸炭がなされ、ガラス状に硬化(脆弱化)する懸念がある。このため、面取り加工を行い過度の浸炭防止及び歯車強度を向上させている。
面取り加工としては、被削歯車の歯面の端面角部を押しつぶすフレージングカッタが広汎に用いられている。フレージングカッタは、被削歯車に対して軸交差角なく噛合して歯車の角部を押しつぶす。フレージングカッタを用いた加工方法としては、例えば特許文献1及び特許文献2が挙げられる。特許文献1では、被削歯車に対してフレージングカッタを軸交差角0°として噛合させることが開示されている。特許文献2では、被削歯車に対してフレージングカッタを所定の軸交差角をもって噛合させることが開示されている。
また、特許文献3では、1つの装置内で歯切り加工と端面処理加工とを連続して行う歯車加工装置が開示されている。
特開昭54−15596号公報 特開昭61−284318号公報 特開2006−224228号公報
前記の通り、高出力、静粛性及び耐久性が要求される高精度な歯車の製作には、一般に粗切削加工、フレージングカッタによる面取り加工、シェービングカッタによる歯面の成形、熱処理、及び歯車研削やギアホーニング加工を行う。
フレージングカッタによる面取り加工では、歯面の端面角部を適切に面取りすることができるが、基本的には押しつぶす加工であることから余肉が横側に押し出されることになり、該余肉による盛り上がりが生じる。
このような盛り上がり部は、後の研削工程で研削して除去することも可能であるが、研削工程の前には熱処理を行っており、盛り上がり部は相当に硬くなっているので、研削工具に与える負荷が大きくしかも研削に時間がかかる。また、研削加工を行うことは生産効率等の観点からコスト高となり、省略できることが望ましい。
仮に、研削工程を省略するとその後のギアホーニング加工で砥石に対する負荷が極めて大きく、好ましくない。熱処理後であって被削歯車の硬度が高くなっており、しかも加工中にギアホーニングの砥石と被削歯車は同じ箇所が当接し、盛り上がり部に当接する箇所のみが極端に摩耗してしまうからである。
前記の特許文献2記載の工具では、被削歯車に対してフレージングカッタを所定の軸交差角をもって噛合させることとしているが、不用意に軸交差角を設けるとフレージングカッタの歯の端部が被削歯車の歯面と干渉してしまう。また、この工具は歯面に切削刃としてのセレーションが設けられており、製作が難しい。
また、面取り加工の後に行われるシェービング加工では盛り上がり部の抑制効果もあるが、面取り加工よりも相当の時間を要し、いわゆるタクトタイムが長くなり、面取り加工が終了しても次のシェービング加工を行うまでに無駄な待ち時間が生じることがある。
一方、要求精度が比較的低く、熱処理を実施しない歯車についても、フレージングカッタの面取り加工をして発生する盛り上がり部について対策をせずにシェービング等の歯面仕上げを行えば、盛り上がり部が工具に対する負荷となり、工具寿命は必然的に短くなる。これにより、工具交換作業のために工作機械を停止させる回数や、メンテナンス及び点検の回数が増加するとともに、工具費用の増加が懸念される。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、歯面の端面角部を適切に面取りするとともに、端面角部の近傍の盛り上がりの発生を抑制する歯車加工方法を提供することを目的とする。
本発明に係る歯車加工方法は、以下の特徴を有する。
第1の特徴:フレージングカッタを被削歯車に対して軸交差角ψをもって噛合させて回転することにより、前記被削歯車の端面角部の面取りをする面取り工程と、前記面取り工程の後に、歯面成形をすることなく、前記被削歯車を加熱する熱処理工程と、前記熱処理工程の後に、前記被削歯車の歯面を成形する1以上の歯面仕上げ工程とを有することを特徴とする。
このように、フレージングカッタは軸交差角ψをもって被削歯車に噛合することから、被削歯車の端面角部に対して押し潰して面取りをするだけでなく、押し潰しによる余肉の盛り上がりの発生を抑制することができる。また、面取り工程の後に、歯面成形をすることなく、熱処理工程を行うと工程数が減少し、効率的である。
第2の特徴:前記フレージングカッタの歯面は、切削刃としての角部がないインボリュート面であると、該フレージングカッタの製作が容易である。
第3の特徴:前記歯面仕上げ工程は、例えば仕上げホブ工程、歯車研削工程、ホーニング工程及びリーマ工程のいずれか1つ以上を選択可能である。
第4の特徴:被削歯車を軸支するワーク支持部と、前記ワーク支持部に設けられた前記被削歯車に対してフレージングカッタを噛合させるように該フレージングカッタを軸支するカッタ支持部とを用い、前記カッタ支持部は、前記フレージングカッタを前記被削歯車に対して軸交差角ψをもって噛合させるとよい。
第5の特徴:前記ワーク支持部は、前記カッタ支持部に対して向きを調整する回転台に設けられていることを特徴とする。該回転台により被削歯車に応じた適切な軸交差角ψを設定することができる。
第6の特徴:前記被削歯車としては、はすば歯車が適用可能である。
第7の特徴:前記被削歯車は、車両用変速機の歯車であってもよい。本発明の歯車加工方法により加工をした歯車は高精度であり、静粛性及び耐久性に優れ、車両用変速機に好適である。
第8の特徴:フレージングカッタを被削歯車に対して軸交差角ψをもって噛合させて回転することにより、前記被削歯車の端面角部の面取りをする面取り工程と、前記面取り工程の後に、熱処理をすることなく、前記被削歯車の歯面を成形する1以上の第1歯面仕上げ工程とを有することを特徴とする。
このように、フレージングカッタは軸交差角ψをもって被削歯車に噛合することから、被削歯車の端面角部に対して押し潰して面取りをするだけでなく、押し潰しによる余肉の盛り上がりの発生を抑制することができる。
また、熱処理工程を行わなくとも、要求精度が比較的高くない歯車に適用可能である。面取り工程の後に行われる第1歯面仕上げ工程の段階では、盛り上がり部がほとんど発生していないため、該第1歯面仕上げ工程で用いる工具に対する負荷が小さく、工具寿命を延ばすことができる。これにより、工具交換作業のために工作機械を停止させる回数や、メンテナンス及び点検の回数を低減するとともに、工具費用を抑制することができる。
第1歯面仕上げ工程の段階では熱処理を行っていないので、被削歯車の加工がしやすい。
第9の特徴:前記第1歯面仕上げ工程は、シェービング工程であると好適である。
第10の特徴:前記第1歯面仕上げ工程の後に、前記被削歯車を加熱する熱処理工程を有してもよい。該熱処理工程により、被削歯車の硬度が高くなり、例えば、高出力、静粛性及び耐久性が要求される高精度な車両用変速機の歯車に好適である。
第11の特徴:前記熱処理工程の後に、前記被削歯車の歯面を成形する1以上の第2歯面仕上げ工程を有することを特徴とする。歯面仕上げ工程を熱処理の前後に分けて行うことにより、高精度な加工が可能となる。該第2歯面仕上げ工程により、被削歯車の精度が高くなり、例えば、高出力、静粛性及び耐久性が要求される高精度な車両用変速機の歯車に一層好適である。
第12の特徴:前記第2歯面仕上げ工程は、例えば仕上げホブ工程、歯車研削工程、ホーニング工程及びリーマ工程のいずれか1つ以上を選択可能である。
第13の特徴:前記被削歯車を軸支するワーク支持部と、前記ワーク支持部に対して相対的に移動をして順に加工をする第1工程部及び第2工程部とを備える歯車加工装置を用い、前記面取り工程は前記第1工程部で行い、前記第1歯面仕上げ工程は前記第2工程部で行うことを特徴とする。
第14の特徴:前記歯車加工装置は、前記ワーク支持部に対して相対的に移動をして、前記第2工程部における加工の後に前記被削歯車に加工をする第3工程部を有し、前記第3工程部は、前記被削歯車の歯面を加工するシェービングカッタを備え、前記ワーク支持部は、前記第1工程部、前記第2工程部及び前記第3工程部に応じて少なくとも3台設けられ、3つの前記被削歯車を前記第1工程部、前記第2工程部及び前記第3工程部により同時に加工をすることを特徴とする。
一般にシェービング加工は、フレージングカッタによる面取り加工よりも時間がかかるが、シェービング加工を第2工程部と第3工程部に分けて行うことにより、面取り加工の第1工程との時間差を小さくすることができ、該第1工程後の無駄な待ち時間を低減することができる。
第15の特徴:前記第1工程部及び前記第2工程部はターレット機構に設けられ、該ターレット機構の回転により順に前記ワーク支持部と対面する位置に移動し、前記被削歯車を加工することを特徴とする。該ターレット機構を用いることにより、1台の歯車加工装置において、フレージングカッタによる面取り加工と、シェービングカッタによる歯面の加工を行うことができ、効率的である。
第16の特徴:前記ターレット機構の回転軸は、前記ワーク支持部の軸に対して軸交差角ψを有することを特徴とする。つまり、フレージングカッタ及びシェービングカッタのいずれも被削歯車に対して軸交差角をもって噛合することから、ターレット機構自体を斜めに設定でき、簡便構成となる。
第17の特徴:前記ターレット機構とは別に設けられ、前記ワーク支持部に対して相対的に移動をして、前記第2工程部における加工の後に前記被削歯車に加工をする第3工程部を有し、前記第3工程部は、前記被削歯車の歯面を加工するシェービングカッタを備え、前記ワーク支持部は、前記ターレット機構及び前記第3工程部に応じて少なくとも2台設けられ、2つの前記被削歯車を前記ターレット機構及び前記第3工程部により同時に加工をすることを特徴とする。
一般にシェービング加工は、フレージングカッタによる面取り加工よりも時間がかかるが、シェービング加工をターレット機構の第2工程部とターレット機構以外の第3工程部に分けて行うことにより、面取り加工の第1工程との時間差を小さくすることができ、該第1工程後の無駄な待ち時間を低減することができる。
第18の特徴:前記ワーク支持部に対して相対的に移動をして、前記第2工程部における加工の後に前記被削歯車に加工をする第3工程部を有し、前記第3工程部は、前記被削歯車の歯面を加工するシェービングカッタを備え、前記第1工程部のフレージングカッタ、前記第2工程部のシェービングカッタ及び前記第3工程部のシェービングカッタは、それぞれ前記ターレット機構に設けられていることを特徴とする。
該ターレット機構を用いることにより、1台の歯車加工装置において、フレージングカッタによる面取り加工と、シェービングカッタによる歯面の加工を行うことができ、効率的である。また、シェービング加工を第2工程部と第3工程部に分けて行うことから、第2工程部を粗仕上げ、第3工程部を精密仕上げとして、適切な工具を使い分けることができる。
本発明に係る歯車加工方法によれば、フレージングカッタは軸交差角ψをもって被削歯車に噛合することから、被削歯車の端面角部に対して押し潰して面取りをするだけでなく、押し潰しによる余肉の盛り上がりの発生を抑制することができる。
また、面取り工程の後に、歯面成形をすることなく熱処理工程を行うと工程数が減少し、効率的である。
さらに、歯面仕上げ工程を熱処理の前後に分けて行うことにより、高精度な加工が可能となる。
以下、本発明に係る歯車加工方法について実施の形態を挙げ、添付の図1〜図29を参照しながら説明する。本実施の形態に係る歯車加工方法は、ホブによる粗歯切りの工程を終了した被削歯車の端面角部に対して、少なくとも面取り加工を行うものである。本実施の形態に係る歯車加工方法は、例えば歯車加工装置10a(図19参照)、10b(図20参照)、10c(図21参照)を用いて行われる。これらの歯車加工装置10a〜10cについて、先ず、被削歯車をフレージングカッタで加工する加工部12について説明する。
図1に示すように、加工部12は、被削歯車14を軸支するワーク支持部としての軸J1と、フレージングカッタ18と、該フレージングカッタ18を軸支するカッタ支持部としての軸J2とを有する。軸J2は図示しない駆動源により回転可能である。軸J1は、被削歯車14がフレージングカッタ18に噛合することにより連れ回りする。
軸J2は、軸J1に設けられた被削歯車14に対してフレージングカッタ18を噛合させるように該フレージングカッタ18を軸支している。軸J2は、フレージングカッタ18を被削歯車14に対して0でない軸交差角ψをもって噛合させ、且つフレージングカッタ18の加工歯32a、32bが被削歯車14の歯26の歯面28に干渉しない角度に設けられている(図5参照)。軸交差角ψは、被削歯車14の軸J1とフレージングカッタ18の軸J2とのなす角度である(図5参照)。
図2に示すように、被削歯車14は、例えばはすば歯車であり、粗歯切りした状態では、左右の端面角部30、31に尖鋭部33(図7A参照)がある。加工部12ではこの尖鋭部33を面取りする。加工部12で加工をする被削歯車14ははすば歯車に限られず、平歯車等であってもよい。被削歯車14は、例えば、車両用変速機の歯車である。加工部12により加工をした歯車は高精度であり、静粛性及び耐久性に優れ、車両用変速機に好適である。
図3に示すように、フレージングカッタ18は、厚み方向の一方に面取り用の加工歯32aの一群を備える第1ピース34aが設けられ、他方に面取り加工歯32bの一群を備える第2ピース34bが設けられている。第1ピース34a及び第2ピース34bは、ボス36に対して固定された構造であり、いわゆるスリーピース型である。第1ピース34aと第2ピース34bとは、それぞれ円弧孔38を用いてボス36に対する角度を調整可能である。
図4及び図5に示すように、加工歯32aと加工歯32bは、被削歯車14の厚みに応じて離間しており、フレージングカッタ18及び被削歯車14は噛合しながら回転し、フレージングカッタ部40aの加工歯32aが端面角部30に対して押圧して尖鋭部33を押しつぶして面取りする。フレージングカッタ部40bの加工歯32bは他方の端面角部31に対して押圧して尖鋭部33を押しつぶして面取りする。
図5は、被削歯車14の歯26と、フレージングカッタ18の加工歯32a、32bとの相対的な位置関係を示すものであり、被削歯車14とフレージングカッタ18をそれぞれ周面に沿って展開した模式図である。図5から明らかなように、被削歯車14とフレージングカッタ18とは軸交差角ψを有し、斜めに交わる。
一方、図6に示すように、従来技術に係る噛み合わせでは、軸交差角ψは存在していない。
次に、フレージングカッタ18の加工歯32aが端面角部31に対して押圧して尖鋭部33を押しつぶす作用について説明する。
被削歯車14は図5の右方向、つまり矢印A1の方向に回転し、フレージングカッタ18は角度ψだけ斜め方向、つまり矢印A2の方向に回転する。
図7Aに示すように、フレージングカッタ18の加工歯32aは、歯26の端面角部30の略頂部の箇所P1に最初に当接する。この時点の噛み合い初期では、加工歯32aは、歯26を基準とすると右斜めに傾斜しており、中心線Cよりも手前側が箇所P1に当接する。この時点では、端面角部30には尖鋭部33が存在する。図7A〜図7Cでは、理解を容易にするため、加工歯32aの歯面に中心線Cを付記している。この時点の噛み合いは、図5では矢印B1で示す噛み合いに相当する。
図7Bに示すように、噛み合いの中期では、フレージングカッタ18の加工歯32aは、歯26の略中間高さの箇所P2に当接している。噛み合い中期では、加工歯32aは、歯26に対して略平行であり、中心線Cが箇所P2に当接する。この時点では、箇所P2よりも上部は面取りがなされており尖鋭部33が面取りされているが、箇所P2よりも下側には尖鋭部33が残存している。この時点の噛み合いは、図5では矢印B2で示す噛み合いに相当する。
図7Cに示すように、噛み合いの終期では、フレージングカッタ18の加工歯32aは、歯26の略底部の箇所P3に当接する。噛み合い終期では、加工歯32aは、歯26を基準とすると左斜めに傾斜しており、中心線Cよりも奥が箇所P3に当接する。この時点では、端面角部30は全長にわたって面取りがなされており尖鋭部33がなくなっている。この時点の噛み合いは、図5では矢印B3で示す噛み合いに相当する。
図8に示すように、面取りがなされた端面角部30には細長い平面部が形成され、尖鋭部33がなくなっている。ここで、加工歯32aの移動した軌跡は、矢印D1で示すように、斜めに向かう方向であり、横移動成分が含まれている。
端面角部30におけるフレージングカッタの歯面の移動軌跡をさらに詳細に図9A及び図9Bに示す。図9Aは、軸交差角ψが5°の場合であり、図9Bは、軸交差角ψが8°の場合である。符号Zは、被削歯車14とフレージングカッタ18との噛み合い円を示す。図9A及び図9Bから了解されるように、移動軌跡には横方向成分が相当に含まれており、該成分は軸交差角ψが5°の場合よりも8°の場合の方が大きい。このような横方向成分が大きいほど通常切削性がよい。
これに対して、従来技術に係る噛み合わせ(図6参照)では軸交差角ψが存在しない(つまり、ψ=0)であることから、加工歯32aの移動した軌跡は図8の矢印Eで示すように、横移動成分が含まれていない。
すなわち、歯車加工装置の加工部12によれば、フレージングカッタ18は軸交差角ψをもって被削歯車14に噛合することから、被削歯車14の端面角部30に対して押し潰して尖鋭部33を面取りするだけでなく、横移動成分の含まれる面同士の摺動が発生する。これにより、歯面28のうち面取り部に隣接する箇所82(図8及び図10参照)における余肉の盛り上がりの発生を防止し、又は抑制することができる。
また、フレージングカッタ18の加工歯32aの歯面は、端面角部30に対して押圧及び摺動することを目的としている。したがって、フレージングカッタ18の歯面は、角部のないインボリュート面であり製作が容易である。
なお、詳細な説明は省略するが、被削歯車14における反対側の端面角部31についても、フレージングカッタ18の加工歯32bにより適切に尖鋭部33が面取りされるとともに、面取り部に隣接する箇所82(図10参照)における余肉の盛り上がりの発生を防止し、又は抑制することができる。この場合、加工歯32bの移動する軌跡は、図10の矢印D2で示すように、斜めに向かう方向であり、横移動成分が含まれており、端面角部30に対する加工と同様の作用が得られる。この移動の軌跡の詳細は、図9A及び図9Bに示す場合の各矢印の逆向きとなる。
ところで、従来技術に係る噛み合わせでは、一般に軸交差角ψは存在していない(図6参照)。この理由としては、前記の面取り部に隣接する箇所82(図8参照)に生ずる余肉の盛り上がりが見過ごされ、又はその解決手段として軸交差角ψを設けることが有効であることが想到されなかったことによる。
前記の特許文献2記載の装置では、軸交差角ψが設けられているが、セレーションにより端面角部30及び31の面取りをすることは実際上は容易ではない。
また、軸交差角ψを設けることは、フレージングカッタ18の加工歯32a及び32bが被削歯車14の歯26の歯面28に干渉することがあり(図6の仮想線参照)、その設定が困難であることも一因であると考えられる。
この軸交差角ψの適切な設定として、次の(1)式が適当である。
Figure 2009034786
ここで、上段式の左辺は被削歯車14のフレージングカッタ18に対する干渉量であり、この上段式の左辺の示す値だけ加工歯32a、32bを薄く設定すれば干渉を回避することができる。右辺は加工歯32a、32bの歯先幅の余弦成分を示す。
また、(1)式において、図11に示すように、l1は面取り幅であり、l2はラップ量であり、BOGは歯車振れ角であり、SBGは噛み合い円上円弧歯厚である。DBGは、歯車噛み合い円上振れ角である。
図12に示すように、DBGは被削歯車14の歯車噛合円径であり、DKGは被削歯車14の歯先円径であり、DBCはフレージングカッタ18の歯車噛合円径であり、DKCはフレージングカッタ18の歯先円径である。Zgは被削歯車14の歯数であり、αは余裕代である。SKCはフレージングカッタ18の加工歯32a、32bの歯先幅である。
上記の(1)式を整理すると、次の(2)式が得られる。
Figure 2009034786
すなわち、前記軸交差角ψを(2)式で表される値にすることにより、フレージングカッタ18の加工歯32a、32bの被削歯車14に対する干渉をより確実に防止できる。
次に、このように構成される歯車加工装置の加工部12による加工の実験結果について説明する。
図13は、軸交差角ψを従来技術のように、ψ=0として面取り加工をした端面角部30(右歯面)の拡大図である。該図13から了解されるように、面取り部の近傍の箇所(図8の箇所82参照)には余肉による盛り上がり部80が認められる。盛り上がり部の高さをH1とし、幅をH2とする。ψ=0について所定数の加工を行った右歯面及び左歯面に対する結果を表1及び表2における「ψ=0°」の欄に示す。計測にはコントレーサ等を用いた。
Figure 2009034786
Figure 2009034786
図14は、軸交差角ψを、ψ=5°として面取り加工をした端面角部30(右歯面)の拡大図である。該図14から了解されるように、盛り上がり部80の発生は相当に抑制されている。ψ=5°について所定数の加工を行った右歯面及び左歯面に対する結果を表1及び表2における「ψ=5°」の欄に示す。
図15は、軸交差角ψを、ψ=8°として面取り加工をした端面角部30(右歯面)の拡大図である。該図15から了解されるように、盛り上がり部80はほとんどなくなっている。ψ=8°について所定数の加工を行った右歯面及び左歯面に対する結果を表1及び表2における「ψ=8°」の欄に示す。なお、表1及び表2においてマイナス値は0と示した。
図16は、軸交差角ψを、ψ=5°として2000個の被削歯車14の面取り加工を行い、2000個目の被削歯車14の端面角部30(右歯面)の拡大図である。該図14と図16とを比較して了解されるように、盛り上がり部80は初期と2000個目でほとんど変化がない。また、2000個の加工を行った後、フレージングカッタ18の加工歯32a及び加工歯32bの形状を精密に測定したところ、初回加工時と比較して摩耗は認められなかった。
このように、歯車加工装置では、盛り上がり部80の発生を防止し、又は相当に抑制することができ、しかも数多くの加工を行っても製品精度は安定し、フレージングカッタ18の摩耗もなく、十分な耐久性が確認された。
次に、このように構成される歯車加工装置における加工部12の軸交差角ψの値について行った解析結果について説明する。
図17に示すように、軸交差角ψを大きく設定すると加工歯32aは被削歯車14の歯26に干渉するので、後面端部に加工歯32aと略平行になる逃げ面300を設けることが行われている。このような逃げ面300を設けることによって、軸交差角ψを大きくすることができ、効率的な加工が可能になる。図17では、被削歯車14の歯26の干渉を考慮し、カッタ刃先幅Sに対して、干渉量S1及び隙間S2を考慮してカッタ残り幅S3を確保した加工歯32aの形状を示している。
ところで、カッタ残り幅S3は強度上の観点から0.4mm以上は確保することが好ましい。隙間S2は誤差等を考慮して0.5mm程度に設定することが好ましい。標準的条件下における軸交差角ψ、干渉量S1、カッタ刃先幅S、カッタ残り幅S3の関係を解析及び計算した結果を表3に示す。ここで、隙間S2は0.5mmとしている。
Figure 2009034786
表3から明らかなように、軸交差角ψが8°であるときには、カッタ残り幅S3が0.42mmであって強度が確保される。軸交差角ψが9°であるときには、カッタ残り幅S3が0.38mmとなって強度が不足するおそれがある。つまり、強度の観点からは、軸交差角ψがψ≦8°であることが望ましい。
軸交差角ψが4°であるときには、カッタ残り幅S3が0.54mmであって十分な強度を有すると考えられるが、加工効率が低下する。被削歯車14における面取り部の盛り上がりの発生を抑制させるためには、端面角部30におけるフレージングカッタ18の歯面32aの移動軌跡が横向きであるほど効果が高いと考えられている。
図18Aのシミュレーション結果に示すように、軸交差角ψがψ=4°であるときには、歯面32aの移動軌跡は、場所により相当に急な傾斜であり、横成分が少なく、盛り上がり部発生を抑制する効果が低い。
図18Bのシミュレーション結果に示すように、軸交差角ψがψ=5°であるときには、歯面32aの移動軌跡は、ある程度緩やかとなり、横成分がある程度存在し、盛り上がり部発生を抑制する効果がある。
図18Cのシミュレーション結果に示すように、軸交差角ψがψ=6°であるときには、歯面32aの移動軌跡は、かなり緩やかとなり、横成分が多く存在し、盛り上がり部発生を抑制する効果が高い。つまり、盛り上がり部発生を抑制する効果を得るためには、軸交差角ψがψ≧5°であることが望ましい。
結果として、加工歯32aの強度及び加工効果をそれぞれ満足するためには、軸交差角ψは、5°〜8°の範囲であるとよい。
次に、加工部12を有する歯車加工装置10a、10b及び10cについて説明する。
図19に示すように、第1例に係る歯車加工装置10aは、複数の被削歯車14の面取り加工及びシェービング加工を同時に行うものであって、被削歯車14を90°毎に間欠回転させる送りテーブル101と、被削歯車14に対してフレージングカッタ18により面取り加工を行う第1ステージ(第1工程部)102と、被削歯車14に対して1回目のシェービング加工をする第2ステージ(第2工程部)104と、被削歯車14に対して2回目のシェービング加工をする第3ステージ(第3工程部)106と、被削歯車14の入れ換えを行う搬入搬出ステージ108とを有する。送りテーブル101は、例えば水平回転する。
送りテーブル101は、被削歯車14を軸支可能な4つの回転軸(ワーク支持部)110a、110b、110c及び110dを外周近傍に等間隔(90°)に備え、それぞれが図示しないモータにより回転可能である。4つの回転軸110a〜110dは、4つのモータにより独立的に回転してもよいし、1つのモータで駆動力を分配して回転させてもよい。回転軸110a〜110dのうち搬入搬出ステージ108にあるものは、被削歯車14の搬入搬出のために停止させ、対応するモータを停止させ又はクラッチを切っておく。
第1ステージ102は、被削歯車14の端面角部30、31の面取り加工を行うステージであって、前記の加工部12(図1参照)が設けられている。加工部12は、前記のとおり、フレージングカッタ18を有しており、該フレージングカッタ18を軸交差角ψを有して被削歯車14に噛合させる。該フレージングカッタ18は送りテーブル101からみて径方向に進退可能であり、被削歯車14の面取り加工をするときには該被削歯車14に噛み合い、送りテーブル101を回転させるときには、外方に退避する。
第2ステージ104は、被削歯車14の歯面28の1回目の加工(つまりシェービング加工)を行うステージであって、シェービングカッタ112を有している。該シェービングカッタ112は送りテーブル101からみて径方向に進退可能であり、被削歯車14の加工をするときには該被削歯車14に噛み合い、送りテーブル101を回転させるときには、外方に退避する。第2ステージ104のシェービング加工は、粗仕上げに相当する。
第3ステージ106は、被削歯車14の歯面28の2回目の加工(つまりシェービング加工)を行うステージであって、シェービングカッタ114を有している。該シェービングカッタ114は送りテーブル101からみて径方向に進退可能であり、被削歯車14の加工をするときには該被削歯車14に噛み合い、送りテーブル101を回転させるときには、外方に退避する。第3ステージ106のシェービング加工は、精密仕上げに相当する。第3ステージ106のシェービングカッタ114は、第2ステージ104のシェービングカッタ112と同じものであってもよいし、精密仕上げに適した異なるものであってもよい。
被削歯車14を軸支する回転軸110a、110b、110c及び110dは垂直となるように構成し、これに対して、第1ステージ102、第2ステージ104及び第3ステージ106の各工具は、軸交差角ψを有するように斜めに設けるとよい。この角度は調整可能にするとよい。
第3ステージ106まで加工が終了した被削歯車14は搬入搬出ステージ108に送られ、歯車加工装置10aから取り出されて次の加工(例えば、熱処理加工)に送られる。
このように構成される歯車加工装置10aによれば、1台の装置において、第1ステージ102でフレージングカッタ18による面取り加工を行い、第2ステージ104及び第3ステージ106でシェービングカッタ112及び114による歯面の加工を行うことができ、効率的である。すなわち、面取り工程とシェービング工程との間で、被削歯車14の装置間搬送が不要であり、しかも面取り工程とシェービング工程が1台の装置にまとまり省スペースである。
また、フレージングカッタ18は軸交差角ψをもって被削歯車14に噛合することから、該被削歯車14の端面角部30、31に対して押し潰して面取りをするだけでなく、押し潰しによる余肉の盛り上がりの発生を抑制することができる。
また、ワーク支持部としての回転軸110a〜110dは、第1ステージ102、第2ステージ104、第3ステージ106及び搬入搬出ステージ108に応じて設けられており、3つの被削歯車14を第1ステージ102、第2ステージ104及び第3ステージ106により同時に加工をすることができる。
一般にシェービング加工は、フレージングカッタ18による面取り加工よりも時間がかかるが、シェービング加工を第2ステージ104及び第3ステージ106(又は第2工程〜第N工程(N≧4))に分けて行うことにより、面取り加工の第1工程との時間差を小さくすることができ、該第1工程後の無駄な待ち時間を低減することができる。
歯車加工装置10aでは、搬入搬出ステージ108を除いて3つの加工ステージを有するが、被削歯車14に対する加工ステージの数は2又は4以上であってもよい。つまり、少なくとも第1ステージ102と第2ステージ104を有することで、効率的な加工が可能になる。加工ステージの数を4以上とする場合には、例えば、シェービング加工のステージを3つに分け、又は第1ステージ102の前にホブ切りの加工ステージを設ける等してもよい。
次に、第2例に係る歯車加工装置10bについて説明する。歯車加工装置10bの説明では、横手方向をX方向、奥行き方向をY方向、高さ方向をZ方向とする。
図20に示すように、歯車加工装置10bは、ベース台200に設けられた回転テーブル(回転台)202と、該回転テーブル202上に設けられたワーク支持部204と、駆動盤206と、該駆動盤206に隣接して設けられた工具支持部208とを有する。図20においては、歯車加工装置10bの操作盤、潤滑装置、油圧源及びクーラント等の図示を省略している。
ワーク支持部204は、回転テーブル202上に設けられたXスライドベース210と、該Xスライドベース210に対してX方向にスライドするXスライダ212と、Xスライダ212上で被削歯車14を左右から回転自在に支持するヘッドストック214及びテールストック216と、Y方向奥に設けられ、被削歯車14のばり取りを行うローラカッタユニット220とを有する。Xスライダ212は、Xモータ219の作用下にXスライドベース210の長尺方向(ψ=0のときはX方向である。以下、簡略的にX方向ともいう。)に移動可能である。
スライドベース210にはベース回転モータ222が設けられており、該ベース回転モータ222の作用下に、スライドベース210は回転テーブル202に対して水平面内で回転をする。回転テーブル202に対してスライドベース210が回転をする機構は、例えばウォームホイール機構が用いられる。回転テーブル202にはスライドベース210の回転量を精密に計測するセンサ(例えばロータリエンコーダ)224が設けられており、該センサ224の信号に基づいてフルクローズド方式のフィードバックを行うことによりスライドベース210を正確に位置決め制御することができる。つまり、ベース回転モータ222の回転量に基づく間接的なフィードバック(いわゆるセミクローズド制御)ではなく、センサ224によりスライドベース210の回転量を直接的に検出するので、精密な制御が可能である。
回転テーブル202には、位置決め制御の終了したスライドベース210を固定する複数(例えば4台)のクランプ226が設けられている。クランプ226は、回転テーブル202の周囲に等間隔に設けられている(図20中では1台のみ示す)。スライドベース210の回転は軸交差角ψに相当し、例えば±20°程度の回転が可能に構成されている。基準状態の回転角度0°のときには、ψ=0°で、被削歯車14の軸がX方向に一致するものとする。
ヘッドストック214は、X方向のサブスライダ230と、該サブスライダ230に対してX方向にスライド可能な軸支持ボックス232と、軸支持ボックス232を駆動するストックモータ234と、被削歯車14の一方の側を支持する支持軸236とを有する。支持軸236は、前記の軸J1に相当する。テールストック216はヘッドストック214に対して基本的に左右対称構成であることから、テールストック216の構成要素と同符号を付して詳細な説明を省略する。ヘッドストック214とテールストック216は、X方向に移動する駆動力が異なり、ヘッドストック214の方が駆動力が大きく設定され、該ヘッドストック214により被削歯車14のX方向位置が規定される。ヘッドストック214及びテールストック216は、被削歯車14の着脱時に接近及び離間をする。ヘッドストック214及びテールストック216には被削歯車14を回転させる駆動源は設けられていない。
ローラカッタユニット220は、X方向に並列した2枚のローラカッタ228と、これらのローラカッタ228を回転自在に支持するローラカッタ支持台240と、Yスライドベース242と、Yモータ244とを有する。Yモータ244は、Yスライドベース242に対してローラカッタ支持台240をXスライドベース210の短尺方向(ψ=0のときはY方向である。以下、簡略的にY方向ともいう。)に進退させる。2枚のローラカッタ228の間隔は、被削歯車14の歯幅に合うように調整されており、被削歯車14に当ててばりを除去することができる。ローラカッタユニット220にはローラカッタ228を回転させる駆動源は設けられてなく、該ローラカッタ228は被削歯車14に当接して連れ回りしながらばりを除去する。ローラカッタユニット220はスライドベース210に設けられている。
次に、工具支持部208は、Zスライドベース250と、該Zスライドベース250に対してZ方向に昇降する工具支持機構ボックス252と、工具支持機構ボックス252に対して間欠回転するターレット機構254とを有する。
Zスライドベース250は、駆動盤206に隣接して設けられてZ方向に延在しており、工具支持機構ボックス252をZ方向に昇降自在に保持する。Zスライドベース250の上部には、工具支持機構ボックス252を昇降させるZモータ256が設けられている。
工具支持機構ボックス252は、ターレット機構254を60°毎に間欠回転させるインデックスモータ258と、スピンドルモータ260とを備え、相当程度の重量を有する。工具支持機構ボックス252は、さらに図示しない位置決ピン機構及びクラッチ機構を有する。位置決ピン機構により、ターレット機構254を正確に位置決めすることとができる。クラッチ機構によりターレット機構254に対する動力伝達を制御することができる。
ターレット機構254は、側面視で六角形であり、インデックスモータ258の作用下にYZ平面内で60°毎の回転をする。ターレット機構254における六角形の各頂部近傍には、順に第1アーム262a、第2アーム262b、第3アーム262c、第4アーム262d、第5アーム262e及び第6アーム262fがそれぞれX方向を指向して設けられている。これらのアーム262a〜262fはフレージングカッタ18等の各種工具が着脱可能となっている。
ターレット機構254は、6つのアーム262a〜262fのうち最も下方のものが被削歯車14のちょうど上方に配置されるように構成されている。6つのアーム262a〜262fは等間隔(60°)に配置され、被削歯車14に対向するように下方に配置されたいずれか1つのアームに設けられた工具が、所定のクラッチ機構を介してスピンドルモータ260により回転可能である。ターレット機構254には図示しない歯面検出センサが設けられており、該歯面検出センサの信号に基づいて工具を被削歯車14に対して自動的に噛合させることができる。
第1アーム(第1工程部)262aは、被削歯車14に対してフレージングカッタ18により面取り加工を行うものであり、ワーク支持部204の支持軸236(軸J1)が、回転テーブル202の旋回によって軸交差角ψを有することから、第1アーム262aと支持軸236により加工部12(図1参照)が形成される。
第1アーム262aによる面取り加工をしているときに、Yモータ244の作用下に2枚のローラカッタ228を被削歯車14の両端部に押し当てることにより、該両端部のばりを除去することができる。つまり、ターレット機構254とローラカッタユニット220とは、被削歯車14に対して異なる方向(Z方向とY方向)からそれぞれ接近して、面取り加工とばりとり加工とを同時に行うことが可能であり、加工時間の短縮を図ることができる。ばり取り加工後は、ローラカッタ228を元の位置に戻しておく。
第3アーム(第2工程部)262cは、被削歯車14に対して1回目のシェービング加工をするものであり、第5アーム(第3工程部)262eは、被削歯車14に対して2回目のシェービング加工をするものである。第2アーム262b、第4アーム262d及び第6アーム262fは予備である。このように、工具を3つ用いる場合には予備を1つおきとすることによりターレット機構254のバランスがよくなる。工具を2つ用いる場合には対向する位置に工具を設け、他を予備とするとよい。
第3アーム262cには、粗仕上げ用のシェービングカッタ270が設けられ、第5アーム262eには精密仕上げ用のシェービングカッタ272が設けられている。
ターレット機構254の回転により順に第1アーム262a、第3アーム262c及び第5アーム262eがワーク支持部204の被削歯車14と対面する位置に移動し、該被削歯車14を加工することができる。つまり、ターレット機構254の各工具は、Zモータ256の作用下に昇降可能であることから、被削歯車14の面取り加工をするときには下降して該被削歯車14に噛み合い、ターレット機構254を回転させるときには上昇して退避する。
被削歯車14の加工をするときには、該被削歯車14はターレット機構254の工具が噛合することにより連れ回りで回転する。従って、被削歯車14を回転させる駆動源は不要であり、構成が簡便である。ターレット機構254に接続される各工具は被削歯車14と比較して大きいことから、イナーシャも大きく、必然的にスピンドルモータ260もある程度大型である。このような大きいスピンドルモータ260を用いることにより、工具を介して被削歯車14を加減速する時間を短くすることができる。つまり、被削歯車14はイナーシャが比較的小さいことから、工具に容易に追従して加減速するからであって、加工時間の短縮を図ることができる。
歯車加工装置10bでは、駆動箇所に応じて油圧駆動、空圧駆動及び電動を使い分けている。Xモータ219、ベース回転モータ222、Yモータ244及びZモータ256に係る各軸はNC制御で精密に位置決めされる。
被削歯車14の加工をするときには、工具支持機構ボックス252及びターレット機構254の重量は被削歯車14に加わる。これらの工具支持機構ボックス252及びターレット機構254の重量は相当程度の重量を有しており、Zモータ256が過度に大きい力を発生させなくても(例えば、Zモータ256の電流が0であっても)被削歯車14に対して十分な荷重を効率的に加えることができる。これにより、被削歯車14を適度に押しながらの加工が可能となり、加工時の被削歯車14のぶれや偏心を防止でき、安定した加工をすることができる。
このように構成される歯車加工装置10bによれば、1台の装置において、第1アーム262aでフレージングカッタ18による面取り加工を行い、第3アーム262c及び第5アーム262eでシェービングカッタ270及び272による歯面の加工を行うことができ、効率的である。また、フレージングカッタ18は軸交差角ψをもって被削歯車14に噛合することから、該被削歯車14の端面角部30、31に対して押し潰して面取りをするだけでなく、押し潰しによる余肉の盛り上がりの発生を抑制することができる。
さらに、ワーク支持部204は、各アーム262a〜262fに対して向きを調整する回転テーブル202に設けられていていることから被削歯車14に応じた適切な軸交差角ψを設定することができる。
ターレット機構254の各アーム262a〜262fは、ワーク支持部204の軸J2に対して軸交差角ψを有する状態になる。つまり、ターレット機構254自体が軸J2に対して相対的に斜めになることから、フレージングカッタ18及びシェービングカッタ270、272のいずれも被削歯車14に対して軸交差角ψをもって噛合することになり、個別の角度調整が不要で、簡便構成となる。
ターレット機構254によれば、1台の歯車加工装置10bにおいて、フレージングカッタ18による面取り加工と、シェービングカッタ270、272による歯面の加工を行うことができ、効率的である。また、シェービング加工を第3アーム262cと第5アーム262eに分けて行うことから、第3アーム262cによる第2工程部を粗仕上げ、第5アーム262eによる第3工程部を精密仕上げとして、適切な工具を使い分けることができる。
歯車加工装置10bでは、Xモータ219及びZモータ256の同時協調的動作により、被削歯車14に対して種々の歯面を形成することも可能である。
図21に示すように、第3例に係る歯車加工装置10cのように、ターレット機構254とは別に、シェービングカッタ162を有する第3工程部164や、シェービングカッタ166を有する第4工程部168等を設けてもよい。つまり、前記の送りテーブル101と同様のテーブル170により複数のワーク支持部172を移動させて、被削歯車14をターレット機構254、第3工程部164及び第4工程部168により順次加工をしてもよい。ワーク支持部172は、テーブル170上の傾動機構174の回転により軸交差角ψを調整可能にしてもよい。
このような歯車加工装置10cによれば、複数の被削歯車14をターレット機構254、第3工程部164及び第4工程部168で同時に加工をすることができる。ターレット機構254は第1ステージに相当し、第1アーム154aによる面取り加工と、第2アーム154bによる粗シェービング加工とを行う。つまり、前記の歯車加工装置10bにおける第3アーム154cによる仕上げシェービング加工を第3工程部164及び(又は)第4工程部168によって行うことにより、時間の長いシェービング加工が複数ステージに分かれて行われることになり、面取り加工の第1工程との時間差を小さくすることができ、該第1工程後の無駄な待ち時間を低減することができる。
次に、本実施の形態に係る歯車加工方法について説明する。
図22に示すように、第1の実施形態に係る歯車加工方法では、先ず、ステップS101において、素材に対してホブ等による歯切りを行う。この歯切りにより被削歯車14の歯26の概略形状が形成され、歯面の粗仕上げに相当する。
ステップS102(面取り工程)において、加工部12による被削歯車14の面取り加工を行う。上記のように、加工部12によればフレージングカッタ18が被削歯車14に対して軸交差角ψを有して噛合して面取りをすることから、被削歯車14の端面角部30、31に対して押し潰して面取りをするだけでなく、押し潰しによる余肉の盛り上がりの発生を抑制することができる。このステップS102は、例えば、歯車加工装置10a〜10cを用いて行われる。ただし、シェービング加工等の歯面成形加工を行うことなく、次のステップS103へ移る。
ステップS103(熱処理工程)において、被削歯車14の熱処理による浸炭及び焼入を行う。これにより被削歯車14は硬度が高くなる。
ステップS104(歯面仕上げ工程)において、被削歯車14の歯車研削加工(歯車研削工程)を行う。図23に示すように、歯車研削加工は、被削歯車14に対して螺旋条を有する砥石180を噛合させながら同期回転させ、歯26の歯面を仕上げる加工である。この時点では、熱処理によって被削歯車14は相当に硬くなっているが、面取り工程において面取りがなされるとともに盛り上がり部の発生が抑制されていることから、砥石に過度な負荷がかかることがない。
ステップS105(歯面仕上げ工程)において、被削歯車14のギアホーニング加工(ホーニング工程)を行う。図24に示すように、ギアホーニング加工は内歯砥石182に対して被削歯車14を噛合させながら回転をして、歯26の歯面をさらに高精度に仕上げる加工である。
このように、第1の実施形態に係る歯車加工方法では、面取り工程の後に、歯面成形をすることなく熱処理工程を行うと工程数が減少し、効率的である。
図25に示すように、第2の実施形態に係る歯車加工方法は、順に、歯切り工程(ステップS201)、面取り工程(ステップS202)、熱処理工程(ステップS203)、ギアホーニング工程(ステップS204)を有する。これらの工程は、図22の第1の実施形態に係る歯車加工方法におけるステップS101、S102、S103及びS105に相当し、ステップS104の歯車研削工程が省略されている。
このように、歯車研削工程を省略してもその後のステップS204のギアホーニング加工で内歯砥石182に対する負荷は、実用上問題ない程度に小さい。被削歯車14は熱処理後であって硬度が高くなっているが、盛り上がり部80(図14参照)の発生は抑制されているためである。仮に大きい盛り上がり部80が存在すると、該部分は常に内歯砥石182の同じ箇所に当接し、その箇所のみが極端に摩耗してしまい、実用的でない。本実施の形態では盛り上がり部80の発生が抑制されており、内歯砥石182の所定の箇所のみに過度な負荷を与えることが防止できる。
このように、歯車研削工程を省略すると工程数がさらに減少し、効率的である。
図26に示すように、第3の実施形態に係る歯車加工方法は、順に、歯切り工程(ステップS301)、面取り工程(ステップS302)、シェービング工程(ステップS303、第1歯面仕上げ工程)、熱処理工程(ステップS304)、歯車研削工程(ステップS305、第2歯面仕上げ工程)、及びギアホーニング工程(ステップS306、第2歯面仕上げ工程)を有する。このうち、ステップS301、S302、S304、S305及びS306は、図22の第1の実施形態に係る歯車加工方法におけるステップS101〜S105に相当し、ステップS303のシェービング工程が付加されている。
このうち、ステップS302及びS304は、例えば、歯車加工装置10a〜10cを用いて行われ、熱処理前までは1台の装置内で行うことができ、被削歯車14の装置間搬送が不要であり、省スペース化が図られ、効率的である。シェービング工程は複数回に分けて行ってもよい。これにより、上記のようにタクトタイムを短縮することができる。
第3(及び第4)の実施形態に係る歯車加工方法では、歯面仕上げ工程を熱処理の前後に分けて行うことにより、高精度な加工が可能となる。
図27に示すように、第4の実施形態に係る歯車加工方法は、順に、歯切り工程(ステップS401)、面取り工程(ステップS402)、シェービング工程(ステップS403、第1歯面仕上げ工程)、熱処理工程(ステップS404)、及びギアホーニング工程(ステップS405、第2歯面仕上げ工程)を有する。これらの工程は、図26の第3の実施形態に係る歯車加工方法におけるステップS301、S302、S303、S304及びS306に相当し、ステップS305の歯車研削工程が省略されている。
第4の実施形態に係る歯車加工方法では、ステップS402の面取り工程で、盛り上がり部80(図14)の発生が相当に抑制され、しかもその後のステップS403でシェービング加工をしていることから、盛り上がり部80は実質的に存在しない。したがって、歯車研削工程を省略しても、後のステップS305のギアホーニング加工で内歯砥石182に対する負荷は、実用上問題ない程度に小さい。
なお、各実施の形態において、熱処理後の歯面仕上げ工程は、歯車研削加工及びギアホーニング加工に限られず、例えば、仕上げホブ工程及びリーマ工程等で、歯面を仕上げることのできる工程のうちのいずれか1つ以上を条件に応じて選択すればよい。各実施の形態では、明記した工程以外にも、必要に応じて端面切削工程、内径ホーニング工程等を行ってもよいことはもちろんである。
図28に示すように、第5の実施形態に係る歯車加工方法は、順に、歯切り工程(ステップS501)、面取り工程(ステップS502)、及びシェービング工程(ステップS503、第1歯面仕上げ工程)を有する。これらの工程は、図26の第3の実施形態に係る歯車加工方法におけるステップS301、S302及びS303に相当し、ステップS304の熱処理工程、S305の歯車研削工程及びステップS306のギアホーニング工程が省略されている。
第5の実施形態に係る歯車加工方法は熱処理工程を有しないが、要求精度が比較的高くない歯車に十分適用可能である。また、面取り工程(ステップS502)の後に行われるシェービング仕上げ工程(ステップS503)の段階では、盛り上がり部がほとんど発生していないため、該シェービングカッタ112、114等に対する負荷が小さく、工具寿命を延ばすことができる。これにより、工具交換作業のために歯車加工装置10a〜10cを停止させる回数や、メンテナンス及び点検の回数を低減するとともに、工具費用を抑制することができる。
図29に示すように、第6の実施形態に係る歯車加工方法は、順に、歯切り工程(ステップS601)、面取り工程(ステップS602)、シェービング工程(ステップS603、第1歯面仕上げ工程)、及び熱処理工程(ステップS604)を有する。これらの工程は、図26の第3の実施形態に係る歯車加工方法におけるステップS301、S302、S303、及びS304に相当し、ステップS305の歯車研削工程及びステップS306のギアホーニング工程が省略されている。
第6の実施形態に係る歯車加工方法は熱処理工程後の歯面仕上げ工程を有しないが、熱処理工程により被削歯車14の硬度が高くなって十分な耐久性を有し、例えば、比較的要求精度が高くない歯車に適用可能である。第3の実施形態のように熱処理工程後の歯面仕上げ工程を行えば、高精度な車両用変速機の歯車に一層好適であることはもちろんである。
なお、各実施の形態において、熱処理後の歯面仕上げ工程は、歯車研削加工及びギアホーニング加工に限られず、例えば、仕上げホブ工程及びリーマ工程等で、歯面を仕上げることのできる工程のうちのいずれか1つ以上を条件に応じて選択すればよい。各実施の形態では、明記した工程以外にも、必要に応じて端面切削工程、内径ホーニング工程等を行ってもよいことはもちろんである。
上述したように、本実施の形態に係る歯車加工方法では、フレージングカッタ18は軸交差角ψをもって被削歯車14に噛合することから、被削歯車14の端面角部30、31に対して押し潰して面取りをするだけでなく、押し潰しによる余肉の盛り上がりの発生を抑制することができる。
本発明に係る歯車加工方法は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成乃至工程を採り得ることはもちろんである。
歯車加工装置の加工部の略式斜視図である。 被削歯車の斜視図である。 フレージングカッタの斜視図である。 フレージングカッタと被削歯車との噛み合い部の拡大斜視図である。 被削歯車とフレージングカッタをそれぞれ周面に沿って展開した模式図である。 従来技術に係る噛み合わせ状態で、被削歯車とフレージングカッタをそれぞれ周面に沿って展開した模式図である。 図7Aは、噛み合い初期の噛み合い部の略式斜視図であり、図7Bは、噛み合い中期の噛み合い部の略式斜視図であり、図7Cは、噛み合い終期の噛み合い部の略式斜視図である。 加工後の右歯面の略式斜視図である。 図9Aは、軸交差角が5°の場合の端面角部におけるフレージングカッタの歯面の移動軌跡を示す図であり、図9Bは、軸交差角が8°の場合の端面角部におけるフレージングカッタの歯面の移動軌跡を示す図である。 加工後の左歯面の略式斜視図である。 被削歯車とフレージングカッタをそれぞれ周面に沿って一部を拡大して展開した模式図である。 フレージングカッタと被削歯車との噛み合い部の拡大側面図である。 軸交差角を0°として加工をした被削歯車の端面角部の拡大図である。 軸交差角を5°として加工をした被削歯車の端面角部の拡大図である。 軸交差角を8°として加工をした被削歯車の端面角部の拡大図である。 軸交差角を5°として、2000回の加工をした際の2000個目の被削歯車の端面角部の拡大図である。 フレージングカッタにおける歯と、軸交差角、カッタ歯先幅、干渉量、隙間及びカッタ残り幅の関係を示す模式図である。 図18Aは、軸交差角が4°の場合の端面角部におけるフレージングカッタの歯面の移動軌跡を示す図であり、図18Bは、軸交差角が5°の場合の端面角部におけるフレージングカッタの歯面の移動軌跡を示す図であり、図18Cは、軸交差角が6°の場合の端面角部におけるフレージングカッタの歯面の移動軌跡を示す図である。 第1例に係る歯車加工装置の平面図である。 第2例に係る歯車加工装置の斜視図である。 第3例に係る歯車加工装置の平面図である。 第1の実施形態に係る歯車加工方法のフローチャートである。 歯車研削工程の加工の様子を示す模式図である。 ギアホーニング工程の加工の様子を示す模式図である。 第2の実施形態に係る歯車加工方法のフローチャートである。 第3の実施形態に係る歯車加工方法のフローチャートである。 第4の実施形態に係る歯車加工方法のフローチャートである。 第5の実施形態に係る歯車加工方法のフローチャートである。 第6の実施形態に係る歯車加工方法のフローチャートである。
符号の説明
10a、10b、10c…歯車加工装置 12…加工部
14…被削歯車 18…フレージングカッタ
26…歯 28…歯面
30、31…端面角部 32a、32b…加工歯
80…盛り上がり部 101、170…テーブル
102…第1ステージ(第1工程部) 104…第2ステージ(第2工程部)
106…第3ステージ(第3工程部) 108…搬入搬出ステージ
110a〜110d…回転軸(ワーク支持部)
112、114、162、166、270、272…シェービングカッタ
172、204…ワーク支持部 202…回転テーブル(回転台)
220…ローラカッタユニット 224…センサ
228…ローラカッタ 234…ストックモータ
236…支持軸 252…工具支持機構ボックス
254…ターレット機構 262a〜262f…アーム
J1、J2…軸 ψ…軸交差角

Claims (18)

  1. フレージングカッタを被削歯車に対して軸交差角ψをもって噛合させて回転することにより、前記被削歯車の端面角部の面取りをする面取り工程と、
    前記面取り工程の後に、歯面成形をすることなく、前記被削歯車を加熱する熱処理工程と、
    前記熱処理工程の後に、前記被削歯車の歯面を成形する1以上の歯面仕上げ工程と、
    を有することを特徴とする歯車加工方法。
  2. 請求項1記載の歯車加工方法において、
    前記フレージングカッタの歯面は、切削刃としての角部がないインボリュート面であることを特徴とする歯車加工方法。
  3. 請求項1又は2記載の歯車加工方法において、
    前記歯面仕上げ工程は、仕上げホブ工程、歯車研削工程、ホーニング工程及びリーマ工程のいずれか1つ以上であることを特徴とする歯車加工方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の歯車加工方法において、
    被削歯車を軸支するワーク支持部と、
    前記ワーク支持部に設けられた前記被削歯車に対してフレージングカッタを噛合させるように該フレージングカッタを軸支するカッタ支持部と、
    を用い、
    前記カッタ支持部は、前記フレージングカッタを前記被削歯車に対して軸交差角ψをもって噛合させることを特徴とする歯車加工方法。
  5. 請求項4記載の歯車加工方法において、
    前記ワーク支持部は、前記カッタ支持部に対して向きを調整する回転台に設けられていることを特徴とする歯車加工方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の歯車加工方法において、
    前記被削歯車ははすば歯車であることを特徴とする歯車加工方法。
  7. 請求項6記載の歯車加工方法において、
    前記被削歯車は、車両用変速機の歯車であることを特徴とする歯車加工方法。
  8. フレージングカッタを被削歯車に対して軸交差角ψをもって噛合させて回転することにより、前記被削歯車の端面角部の面取りをする面取り工程と、
    前記面取り工程の後に、熱処理をすることなく、前記被削歯車の歯面を成形する1以上の第1歯面仕上げ工程と、
    を有することを特徴とする歯車加工方法。
  9. 請求項8記載の歯車加工方法において、
    前記第1歯面仕上げ工程は、シェービング工程であることを特徴とする歯車加工方法。
  10. 請求項8又は9記載の歯車加工方法において、
    前記第1歯面仕上げ工程の後に、前記被削歯車を加熱する熱処理工程を有することを特徴とする歯車加工方法。
  11. 請求項10記載の歯車加工方法において、
    前記熱処理工程の後に、前記被削歯車の歯面を成形する1以上の第2歯面仕上げ工程を有することを特徴とする歯車加工方法。
  12. 請求項11記載の歯車加工方法において、
    前記第2歯面仕上げ工程は、仕上げホブ工程、歯車研削工程、ホーニング工程及びリーマ工程のいずれか1つ以上であることを特徴とする歯車加工方法。
  13. 請求項8〜12のいずれか1項に記載の歯車加工方法において、
    前記被削歯車を軸支するワーク支持部と、
    前記ワーク支持部に対して相対的に移動をして順に加工をする第1工程部及び第2工程部と、
    を備える歯車加工装置を用い、
    前記面取り工程は前記第1工程部で行い、前記第1歯面仕上げ工程は前記第2工程部で行うことを特徴とする歯車加工方法。
  14. 請求項13記載の歯車加工方法において、
    前記歯車加工装置は、前記ワーク支持部に対して相対的に移動をして、前記第2工程部における加工の後に前記被削歯車に加工をする第3工程部を有し、
    前記第3工程部は、前記被削歯車の歯面を加工するシェービングカッタを備え、
    前記ワーク支持部は、前記第1工程部、前記第2工程部及び前記第3工程部に応じて少なくとも3台設けられ、3つの前記被削歯車を前記第1工程部、前記第2工程部及び前記第3工程部により同時に加工をすることを特徴とする歯車加工方法。
  15. 請求項13記載の歯車加工方法において、
    前記第1工程部及び前記第2工程部はターレット機構に設けられ、該ターレット機構の回転により順に前記ワーク支持部と対面する位置に移動し、前記被削歯車を加工することを特徴とする歯車加工方法。
  16. 請求項15記載の歯車加工方法において、
    前記ターレット機構の回転軸は、前記ワーク支持部の軸に対して軸交差角ψを有することを特徴とする歯車加工方法。
  17. 請求項15記載の歯車加工方法において、
    前記ターレット機構とは別に設けられ、前記ワーク支持部に対して相対的に移動をして、前記第2工程部における加工の後に前記被削歯車に加工をする第3工程部を有し、
    前記第3工程部は、前記被削歯車の歯面を加工するシェービングカッタを備え、
    前記ワーク支持部は、前記ターレット機構及び前記第3工程部に応じて少なくとも2台設けられ、2つの前記被削歯車を前記ターレット機構及び前記第3工程部により同時に加工をすることを特徴とする歯車加工方法。
  18. 請求項15記載の歯車加工方法において、
    前記ワーク支持部に対して相対的に移動をして、前記第2工程部における加工の後に前記被削歯車に加工をする第3工程部を有し、
    前記第3工程部は、前記被削歯車の歯面を加工するシェービングカッタを備え、
    前記第1工程部のフレージングカッタ、前記第2工程部のシェービングカッタ及び前記第3工程部のシェービングカッタは、それぞれ前記ターレット機構に設けられていることを特徴とする歯車加工方法。
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