JP2018122425A - 歯切り工具の加工装置、加工方法、工具形状シミュレーション装置及び工具形状シミュレーション方法 - Google Patents

歯切り工具の加工装置、加工方法、工具形状シミュレーション装置及び工具形状シミュレーション方法 Download PDF

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Abstract

【課題】再研量を多く取れるスカイビング加工の歯切り工具の加工装置、加工方法、工具形状シミュレーション装置及び工具形状シミュレーション方法を提供する。
【解決手段】歯切り工具の加工装置20の制御装置40は、歯切り工具2を歯切り工具2の中心軸X2周りに回転させると共に、砥石車3を砥石車3の中心軸X3周りに回転させる回転制御部41と、砥石車3を歯切り工具2の中心軸X2方向に相対的に移動させる際に交差角ηを徐変すると共に、砥石車3を歯切り工具2の回転接線方向である並進方向M33に移動させる移動制御部42と、を備える。
【選択図】図17

Description

本発明は、歯切り工具の加工装置、加工方法、工具形状シミュレーション装置及び工具形状シミュレーション方法に関するものである。
歯車を切削するための歯切り工具は、切削対象である歯車の形状に基づいた形状に形成されている。そして、歯切り工具の刃先が摩耗した場合は、再研削(以下、単に「再研」という)を行っている。例えば、特許文献1には、ピニオンカッタの刃形輪郭に関する発明が記載されている。この発明は、ピニオンカッタの再研時に、理想的な刃形から刃形輪郭の誤差を求める方法である。
また、特許文献2には、歯切り工具としてピニオンカッタの再研に関する発明が記載されている。この発明は、ピニオンカッタを研削するための砥石車の理想的な移動軌跡、すなわち再研後に切削した歯車の歯厚を理想的にする移動軌跡に基づいて、近似的な直線状の移動軌跡及び円弧状の移動軌跡を求める。そして、両移動軌跡に基づくピニオンカッタの径方向のずれに応じて、砥石車の移動軌跡をピニオンカッタの刃厚方向に補正して研削する方法である。
ところで、近年、コストの面から高速切削可能な歯車加工が望まれており、特許文献3に記載のようなスカイビング加工が知られている。スカイビング加工とは、切削対象の中心軸と歯切り工具の中心軸とを傾斜させた状態(歯車加工における交差角を有する状態)とし、切削対象及び歯切り工具をそれぞれの中心軸周りに同期回転させながら、歯切り工具を切削対象の中心軸に相対移動する加工である。
また、特許文献4には、歯車加工のシミュレーション装置に関する発明が記載されている。このシミュレーション装置は、工具刃における端面と側面との境界線を複数の定義点により規定して、工具刃のどの部位にどれだけの切削力が作用しているかを把握する。その結果、例えば切込量、送り速度などの加工条件の決定に利用することができる。また、工具刃のどの部位が摩耗するかを把握できるため、工具の寿命を推定することもできる。
特許第4763611号公報 特許第3080824号公報 特開2012−171020号公報 特開2014−237185号公報
スカイビング加工の歯切り工具(スカイビングカッタ)は、ピニオンカッタの加工方法で製作した場合、再研により工具刃の厚み(歯車における歯厚に相当する)が薄くなるとともに工具外径が小さくなるため、再研したスカイビングカッタで加工した歯車には、理想的な歯車に対し歯形誤差及び歯厚誤差が生じる。これらの誤差は、再研量が増加するほど大きくなる傾向にあり、スカイビングカッタは、一般的に再研量が2−5mm(10回再研)程度で工具寿命を迎える。
特許文献1に記載の発明では、再研量の増加に伴う歯車の歯形誤差及び歯車の歯厚誤差については言及されていない。また、特許文献2に記載の発明では、再研量の増加に伴う歯車の歯厚誤差の増大を抑制できるが、歯車の歯形誤差の増大は抑制できない。大量生産するような現場では、特にスカイビングカッタのトータルコストが重要になってくるので、再研量の増加に伴う歯車の歯形誤差及び歯車の歯厚誤差の増大を抑制して、可能な限り再研量を多くとれるスカイビングカッタが望まれている。
本発明の目的は、再研量を多く取れるスカイビング加工の歯切り工具の加工装置、加工方法、工具形状シミュレーション装置及び工具形状シミュレーション方法を提供することである。
(1.歯切り工具の加工装置)
本発明に係る歯切り工具の加工装置は、円盤状に形成された砥石車を有し、周面に複数の刃を有する歯切り工具を研削対象として、前記歯切り工具の中心軸と前記砥石車の中心軸とを直交させた状態から交差角だけ傾斜させた状態で、前記砥石車で前記歯切り工具における刃側面を研削する制御を行う制御装置を備える。前記歯切り工具は、前記歯切り工具の中心軸を前記歯切り工具による切削対象である歯車の中心軸に対して傾斜した状態で行うスカイビング加工に用いられる工具である。
前記制御装置は、前記歯切り工具を前記歯切り工具の中心軸周りに回転させると共に、前記砥石車を前記砥石車の中心軸周りに回転させる回転制御部と、前記砥石車を前記歯切り工具の中心軸方向に相対的に移動させる際に前記交差角を徐々に変更すると共に、前記砥石車を前記歯切り工具の回転接線方向である並進方向に移動させる移動制御部と、を備える。
スカイビング加工の歯切り工具は、ピニオンカッタの加工方法で製作した場合、再研により工具刃の厚みが薄くなるとともに工具外径が小さくなるため、再研したスカイビング加工の歯切り工具で加工した歯車には、理想的な歯車に対し歯形誤差が生じる。歯形誤差は、再研量が増加するほど大きくなる傾向にある。歯形誤差は、歯切り工具の中心軸と砥石車の中心軸とのなす交差角に依存するため、歯形誤差に応じて交差角を徐変して歯切り工具を研削することで、歯形誤差の増大を抑制できる。よって、本発明に係る歯切り工具の加工装置は、再研量を多く取れるスカイビング加工の歯切り工具を加工できる。
(2.歯切り工具の加工方法)
本発明に係る歯切り工具の加工方法は、円盤状に形成された砥石車を有し、周面に複数の刃を有する歯切り工具を研削対象として、前記歯切り工具の中心軸と前記砥石車の中心軸とを直交させた状態から交差角だけ傾斜させた状態で、前記砥石車で前記歯切り工具における刃側面を研削する。前記歯切り工具は、前記歯切り工具の中心軸を前記歯切り工具による切削対象である歯車の中心軸に対して傾斜した状態で行うスカイビング加工に用いられる工具である。
歯切り工具の加工方法は、前記歯切り工具を前記歯切り工具の中心軸周りに回転させると共に、前記砥石車を前記砥石車の中心軸周りに回転させる回転制御工程と、前記砥石車を前記歯切り工具の中心軸方向に相対的に移動させる際に前記交差角を徐々に変更すると共に、前記砥石車を前記歯切り工具の回転接線方向である並進方向に移動させる移動制御工程と、を備える。これにより、歯切り工具の加工装置と同様の効果が得られる。
(3.歯切り工具の工具形状シミュレーション装置)
本発明に係る工具形状シミュレーション装置は、周面に複数の刃を有する歯切り工具の形状を決定する。前記歯切り工具は、前記歯切り工具の中心軸を前記歯切り工具による切削対象である歯車の中心軸に対して傾斜した状態で行うスカイビング加工に用いられる工具であり、且つ、前記歯切り工具の中心軸と円盤状に形成された砥石車の中心軸とを直交させた状態から交差角だけ傾斜させた状態で、前記歯切り工具を前記歯切り工具の中心軸周りに回転させると共に、前記砥石車を前記砥石車の中心軸周りに回転させ、前記砥石車を前記歯切り工具の中心軸方向に相対的に移動させると共に、前記砥石車を前記歯切り工具の回転接線方向である並進方向に相対的に移動させることで、前記砥石車で前記歯切り工具における刃側面を研削して製造される工具である。
工具形状シミュレーション装置は、前記歯切り工具の再研毎の理想刃形を演算する理想刃形演算部と、前記砥石車による前記歯切り工具の再研毎の加工刃形を演算する加工刃形演算部と、前記再研毎の理想刃形で前記歯車を切削したときの歯形と、前記再研毎の加工刃形で前記歯車を切削したときの歯形との誤差を演算する歯形誤差演算部と、前記再研毎の理想刃形で前記歯車を切削したときの歯厚と、前記再研毎の加工刃形で前記歯車を切削したときの歯厚との誤差を演算する歯厚誤差演算部と、前記再研毎の歯形誤差を最適化する前記交差角の徐変量を演算する交差角徐変量演算部と、前記再研毎の歯厚誤差を最適化する前記並進方向の移動量の徐変量を演算する移動量徐変量演算部と、前記再研毎の交差角の徐変量及び前記再研毎の並進方向の移動量の徐変量に基づいて、前記砥石車による前記歯切り工具の再研毎の修整加工刃形を演算する修整加工刃形演算部と、前記再研毎の修整加工刃形に基づいて前記歯切り工具の形状を決定する工具形状決定部と、を備える。
そして、前記歯形誤差演算部は、前記再研毎の理想刃形で前記歯車を切削したときの歯形と、前記再研毎の修整加工刃形で前記歯車を切削したときの歯形との修整誤差を演算し、前記歯厚誤差演算部は、前記再研毎の理想刃形で前記歯車を切削したときの歯厚と、前記再研毎の修整加工刃形で前記歯車を切削したときの歯厚との修整誤差を演算し、前記交差角徐変量演算部は、求めた前記再研毎の歯形の修整誤差が所定の許容範囲を超えているとき、前記再研毎の交差角の徐変量を再演算し、前記移動量徐変量演算部は、求めた前記再研毎の歯厚の修整誤差が所定の許容範囲を超えているとき、前記再研毎の並進方向の移動量の徐変量を再演算する。
本発明に係る工具形状シミュレーション装置は、歯形誤差及び歯厚誤差が所定の許容範囲内となるまで、交差角の徐変量及び並進方向の移動量の徐変量を繰り返し演算しているので、再研量をより多く取れるスカイビング加工の歯切り工具の形状を得ることができる。
(4.歯切り工具の工具形状シミュレーション方法)
本発明に係る工具形状シミュレーション方法は、周面に複数の刃を有する歯切り工具の形状を決定する。前記歯切り工具は、前記歯切り工具の中心軸を前記歯切り工具による切削対象である歯車の中心軸に対して傾斜した状態で行うスカイビング加工に用いられる工具であり、且つ、前記歯切り工具の中心軸と円盤状に形成された砥石車の中心軸とを直交させた状態から交差角だけ傾斜させた状態で、前記歯切り工具を前記歯切り工具の中心軸周りに回転させると共に、前記砥石車を前記砥石車の中心軸周りに回転させ、前記砥石車を前記歯切り工具の中心軸方向に相対的に移動させると共に、前記砥石車を前記歯切り工具の回転接線方向である並進方向に相対的に移動させることで、前記砥石車で前記歯切り工具における刃側面を研削して製造される工具である。
工具形状シミュレーション方法は、前記歯切り工具の再研毎の理想刃形を演算する理想刃形演算工程と、前記砥石車による前記歯切り工具の再研毎の加工刃形を演算する加工刃形演算工程と、前記再研毎の理想刃形で前記歯車を切削したときの歯形と、前記再研毎の加工刃形で前記歯車を切削したときの歯形との誤差を演算する歯形誤差演算工程と、前記再研毎の理想刃形で前記歯車を切削したときの歯厚と、前記再研毎の加工刃形で前記歯車を切削したときの歯厚との誤差を演算する歯厚誤差演算工程と、前記再研毎の歯形誤差を最適化する前記交差角の徐変量を演算する交差角徐変量演算工程と、前記再研毎の歯厚誤差を最適化する前記並進方向の移動量の徐変量を演算する移動量徐変量演算工程と、前記再研毎の交差角の徐変量及び前記再研毎の並進方向の移動量の徐変量に基づいて、前記砥石車による前記歯切り工具の再研毎の修整加工刃形を演算する修整加工刃形演算工程と、前記再研毎の修整加工刃形に基づいて前記歯切り工具の形状を決定する工具形状決定工程と、を備える。
そして、前記歯形誤差演算工程は、前記再研毎の理想刃形で前記歯車を切削したときの歯形と、前記再研毎の修整加工刃形で前記歯車を切削したときの歯形との修整誤差を演算し、前記歯厚誤差演算工程は、前記再研毎の理想刃形で前記歯車を切削したときの歯厚と、前記再研毎の修整加工刃形で前記歯車を切削したときの歯厚との修整誤差を演算し、前記交差角徐変量演算工程は、求めた前記再研毎の歯形の修整誤差が所定の許容範囲を超えているとき、前記再研毎の交差角の徐変量を再演算し、前記移動量徐変量演算工程は、求めた前記再研毎の歯厚の修整誤差が所定の許容範囲を超えているとき、前記再研毎の並進方向の移動量の徐変量を再演算する。これにより、工具形状シミュレーション装置と同様の効果が得られる。
歯切り工具を研削対象とし、砥石車を備える加工装置(研削盤)の図である。 図1AのIB方向から見た図である。 歯車を切削するための歯切り工具であり、研削対象としての歯切り工具の図である。 歯切り工具を研削するための砥石車の図である。 切削対象としての歯車の側面図である。 歯車を切削対象とし、歯切り工具を備える加工装置(マシニングセンタ)の図である。 歯切り工具の工具形状シミュレーション装置を示す図である。 歯切り工具の工具形状シミュレーション装置の動作を説明するためのフローチャートである。 理想刃形と加工刃形の形状を比較する図である。 歯車の左右歯面の理想の歯形と加工された歯形の歯形誤差を示す図である。 再研毎の加工刃形による歯車の歯形誤差及び再研毎の修整加工刃形による歯車の歯形誤差を示す図である。 再研毎の加工刃形による歯車の歯厚誤差及び再研毎の修整加工刃形による歯車の歯厚誤差を示す図である。 砥石車による歯切り工具の研削時の動作を説明するための図であり、歯切り工具の中心軸と直角な方向から砥石車の周面を見た図である。 砥石車による歯切り工具の研削時の動作を説明するための図であり、歯切り工具の中心軸方向から見た図である。 砥石車による歯切り工具の研削時の動作を説明するための図であり、歯切り工具の中心軸と直角な方向から砥石車の端面を見た図である。 交差角を徐変するときの交差角の変化量と工具軸方向距離との関係を示す図である。 並進方向の移動量を徐変するときの並進方向の移動量の変化量と工具軸方向距離との関係を示す図である。 理想刃形と修整加工刃形の形状を比較する図である。 歯切り工具の加工装置の制御装置を示す図である。 歯切り工具の加工装置の制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。 歯切り工具の加工装置の制御装置の別例を示す図である。
(1.歯切り工具の刃側面の研削を行う加工装置)
図1A及び図1Bを参照して、歯車1(図4参照)を切削するための歯切り工具2の刃側面の研削を砥石車3で行う加工装置20(研削盤)について説明する。本実施形態においては、加工装置20は、工具研削盤やアンギュラ研削盤などである。加工装置20は、制御装置40を備える。なお、加工装置20の制御装置40については後述する。
加工装置20は、図示しないベッド上において、研削対象である歯切り工具2を、歯切り工具2の中心軸X2周り(θ22)に回転可能に支持する主軸ユニット21を備える。さらに、加工装置20は、砥石車3を、砥石車3の中心軸X3周り(θ3)に回転可能に支持する砥石台22を備える。制御装置40は、CNC(Computer Numerical Control)装置やPLC(Programmable Logic Controller)などの組み込みシステムとすることもでき、パーソナルコンピュータやサーバなどとすることもできる。
ここで、図2−図4を参照して、歯切り工具2、砥石車3及び歯車1の形状の概要について説明する。歯切り工具2の形状は、図2に示すように、中心軸X2周りの外周面に複数の刃2aを備える。歯切り工具2は、軸方向の端面にすくい面2bを備える。すくい面2bは、歯切り工具2の中心軸X2を中心としたテーパ状としてもよいし、1つの刃2a毎に異なる方向を向く面状に形成してもよい。
また、歯切り工具2の複数の刃2aの外接円は、円錐台形状に形成されている。つまり、複数の刃2aの先端面は、すくい面2bに対して、前逃げ角αを有する前逃げ面となる。従って、刃2aの一方端面から刃すじ方向(刃溝方向に等しい)に行くに従って、刃先面における歯切り工具2の中心軸X2からの距離が徐々に小さくなっている。
また、複数の刃2aの刃側面は、すくい面2bに対して、側逃げ角γを有する側逃げ面となる。さらに、複数の刃2aは、中心軸X2に対してねじれ角βを有している。ただし、歯車1の歯1aのねじれ角と、切削加工における歯車1と歯切り工具2との交差角ηに応じて、刃2aのねじれ角βは適宜異なる。そこで、刃2aは、ねじれ角βを有しない場合も存在する。本例では、ねじれ角βと交差角ηは同一である。
砥石車3は、図3に示すように、歯切り工具2を研削対象として、歯切り工具2の刃2aの刃側面を主として研削する。砥石車3は、中心軸X3周りの円盤状に形成されている。ただし、砥石車3の外周面は、歯切り工具2の刃溝の形状に応じた形状に形成される。
切削対象である歯車1の形状は、図4に示すように、中心軸X1周りの周面に複数の歯1aを備える。本実施形態においては、歯車1は、外歯車を例に挙げるが、内歯車を適用することもできる。また、図4においては、歯車1は、平歯車を例に挙げるが、はすば歯車など種々の歯車を適用することができる。
図1A及び図1Bに示すように、砥石台22は、主軸ユニット21に対して歯切り工具加工における交差角η(本発明の「交差角」に相当)を調整可能(歯切り工具2の中心軸X2と砥石車3の中心軸X3とを直交させた状態から交差角ηだけ傾斜させる調整が可能)であると共に、主軸ユニット21に対して直交3軸方向に相対移動可能である。砥石台22と主軸ユニット21との交差角ηは、歯切り工具2のねじれ角βに合わせて調整される。本例では、ねじれ角βと交差角ηは同一である。なお、主軸ユニット21と砥石台22とは、相対移動すればよく、主軸ユニット21が移動可能な構成としてもよい。
そして、主軸ユニット21及び砥石台22が位置決めされることにより、歯切り工具2の中心軸X2と砥石車3の中心軸X3とが交差角ηを有する状態に位置決めされる。この状態で、歯切り工具2が中心軸X2周り(θ22)に回転される。また、砥石車3は、中心軸X3周り(θ3)に回転される。さらに、砥石車3は、歯切り工具2の回転に同期して、歯切り工具2の中心軸X2方向(M31)、歯切り工具2の径方向(M32)、及び、歯切り工具2の回転接線方向(並進方向)(M33)に移動する。このようにして、歯切り工具2の刃2aの刃側面が研削される。
砥石車3は、歯切り工具2の刃溝に沿って回転しながら往復移動してもよいし、一方向のみに移動してもよい。また、砥石車3は、歯切り工具2の刃溝の両側を同時に研削するが、刃溝の片側を研削してもよいし、歯切り工具2の回転方向が変わっても歯切り工具2の回転方向に合わせて歯切り工具2の刃溝を研削できるように追従してもよい。
(2.歯車の歯側面の切削を行う加工装置)
次に、歯車1の歯側面の切削を行う加工装置10について、図5を参照して説明する。本実施形態においては、加工装置10は、例えば、マシニングセンタを例に挙げる。特に、回転工具を支持する主軸の他に、直交3軸及び回転2軸を有する5軸マシニングセンタが適用される。
加工装置10は、図示しないベッド上において直交3軸方向へ移動可能な主軸ユニット11と、主軸ユニット11の先端に取り付けられる歯切り工具2とを備える。従って、歯切り工具2は、歯切り工具2の中心軸X2の周り(θ21)に回転可能となり、ベッドに対して直交3軸方向へ移動可能である。
さらに、加工装置10は、切削対象としての歯車1を支持する回転テーブル12を備える。回転テーブル12は、歯車1の中心軸X1の周り(θ1)に歯車1を回転可能に支持する。回転テーブル12は、ベッドに対して、回転テーブル12の回転軸とは異なる1軸周りに揺動可能(チルト(傾斜)可能)に設けられる。つまり、回転テーブル12は、チルト(傾斜)可能なように歯車1を支持する。
そして、主軸ユニット11及び回転テーブル12が位置決めされることにより、歯車1の中心軸X1と歯切り工具2の中心軸X2とが交差角を有する状態に位置決めされる。この状態で、歯車1が中心軸X1周り(θ1)に回転される。歯車1の回転に同期して、歯切り工具2が、中心軸X2周り(θ21)に回転されると共に、歯車1の中心軸X1方向(M2)に相対的に移動させる。このようにして、歯車1が形成される。
(3.歯切り工具の工具形状のシミュレーション装置)
次に、歯切り工具2の工具形状のシミュレーション装置について図6を参照して説明する。この工具形状シミュレーション装置30は、理想刃形演算部31、加工刃形演算部32、歯形誤差演算部33、歯厚誤差演算部34、交差角徐変量演算部35、移動量徐変量演算部36、修整加工刃形演算部37及び工具形状決定部38を備える。
工具形状シミュレーション装置30は、制御装置40と同様に加工装置20に備えることもできる。工具形状シミュレーション装置30は、CNC装置やPLCなどの組み込みシステムとすることもでき、パーソナルコンピュータやサーバなどとすることもでき、直接又はネットワークで接続され、歯車条件や工具条件を制御装置40又はシミュレーション条件を設定するシミュレーション作業者から取得し、それぞれの演算部へ入力して求められる工具形状決定部38の情報を制御装置40へ送って加工したり、シミュレーション作業者に対し表示したりする。
理想刃形演算部31は、歯切り工具2の再研毎の理想的な刃形(理想刃形)を演算する。具体的には、先ず、既知形状の歯車1に関する条件及び歯車1の歯1aを切削するための歯切り工具2に関する条件から、再研前の歯切り工具2の理想刃形を求め、さらに歯切り工具2の全体の形状を求める。歯車1に関する条件としては、モジュール、歯数、転位係数、歯先円直径、歯底円直径、基準円直径、基礎円直径、ねじれ角、歯直角圧力角、軸直角圧力角等である。
歯切り工具2に関する条件としては、刃数、刃先円直径、基準円直径、基礎円直径、すくい角、ねじれ角、前逃げ角、側逃げ角、軸直角圧力角等である。そして、再研前の歯切り工具2の理想的な刃形、刃先円直径、歯車1と歯切り工具2の中心間距離、歯切り工具2の全体の形状及び再研量等から、幾何学的に歯切り工具2の再研毎の理想刃形(図8の実線の下側に示す形状)を求める。
加工刃形演算部32は、砥石車3により加工された歯切り工具2の再研毎の刃形(加工刃形)を演算する。具体的には、設計した砥石車3による歯切り工具2の研削シミュレーションを行って歯切り工具2の再研毎の加工刃形を求める。図8の一点鎖線が加工刃形の輪郭であり、一点鎖線の下側が加工刃形となる。なお、図8では、刃先から刃底に至る途中までの加工刃形を示す。
砥石車3の設計方法としては、例えば以下の方法がある。研削目的である既知形状(上記研削シミュレーションにより得られる形状)の歯切り工具2の刃側面を研削するための砥石車3の外周面形状を決定する。歯切り工具2の刃側面が研削されることにより、歯切り工具2の刃2aの刃側面に加えて、刃2aの刃側面のうちすくい面2bとの稜線が研削されることになる。そして、以下の設計方法では、歯切り工具2の刃2aの刃側面のうちすくい面2bとの稜線の形状を設計するための砥石車3の形状を設計する方法として説明する。
そこで、歯切り工具2の刃側面のうちすくい面2bとの稜線における1つの被研削点について、当該被研削点を研削することができる研削点(外周形状点)を決定する。そして、上記の処理(1つの被研削点に対する処理)を、複数の被研削点について行って、複数の研削点(外周形状点)を取得する。最後に、複数の研削点を連続した線とすることで、砥石車3の形状が決定される。
また、砥石車3による歯切り工具2の研削シミュレーションとしては、例えば以下の方法がある。既知形状の歯車1の歯1aにおける1つの被切削点について、当該被切削点を切削することができる切削点(刃形状点)を決定する。そして、上記処理(1つの被切削点に対する処理)を、複数の被切削点について行って、複数の切削点(刃形状点)を取得する。最後に、複数の切削点を連続した線とすることで、歯切り工具2の加工刃形が決定される。
歯形誤差演算部33は、再研毎の理想刃形で歯車1を切削したときの歯形と、再研毎の加工刃形で歯車1を切削したときの歯形との誤差を演算する。また、歯形誤差演算部33は、再研毎の理想刃形で歯車1を切削したときの歯形と、再研毎の後述する修整加工刃形で歯車1を切削したときの歯形との後述する修整誤差を演算する。
具体的には、図9に示すように、再研前の理想刃形で切削したときの歯車1の左右の歯面の歯形を直線Tl,Trに変換した場合、再研前の加工刃形(砥石車3による加工直後の加工刃形)で切削したときの歯車1の左右の歯形は、上記変換を施すと一点鎖線Tla,Traで表される。よって、歯車1の左右の歯形誤差は、一点鎖線Tla,Traで表される歯車1の左右の歯形の最大変化量Δfl,Δfrとなる。
そして、同様の処理で再研毎の加工刃形で切削したときの歯車1の左右の歯形から左右の歯形誤差を求める。この結果、図10に示すように、再研毎の歯車1の左右の歯形誤差(図示一点鎖線)は、再研量の増加に伴って急激に変化(増大)し、再研回数が本例では3回で許容範囲Tfを超えて工具寿命を迎えている。なお、再研毎の理想刃形で歯車1を切削したときの歯形誤差はほぼ0である。
歯厚誤差演算部34は、再研毎の理想刃形で歯車1を切削したときの歯厚と、再研毎の加工刃形で歯車1を切削したときの歯厚との誤差を演算する。また、歯厚誤差演算部34は、再研毎の理想刃形で歯車1を切削したときの歯厚と、再研毎の後述する修整加工刃形で歯車1を切削したときの歯厚との後述する修整誤差を演算する。具体的には、歯車1の歯厚は、基準円と左右歯面との交差点間距離で表す。この結果、図11に示すように、再研毎の歯車1の歯厚誤差(図示一点鎖線)は、再研量の増加に伴って急激に変化(一旦増大した後に急激に減少)し、再研回数が本例では3回で許容範囲Ttを超えて工具寿命を迎えている。なお、再研毎の理想刃形で歯車1を切削したときの歯厚誤差はほぼ0である。
歯切り工具2の再研回数を増加するには、再研量の増加に伴う歯車1の左右の歯形誤差の急激な変化を抑制し、所望の再研回数において歯車1の左右の歯形誤差が許容範囲Tf内となるようにする必要がある。また、歯切り工具2の再研回数を増加するには、再研量の増加に伴う歯車1の歯厚誤差の急激な変化を抑制し、所望の再研回数において歯車1の歯厚誤差が許容範囲Tt内となるようにする必要がある。ここで、従来の砥石車3で歯切り工具2を研削する動作(ナイルス式工具研削動作)において、歯形誤差及び歯厚誤差をそれぞれ最適化できるパラメータが存在することを発明者は見出した。以下に各パラメータについて説明する。
図12A,図12B,図12Cに示すように、砥石車3による歯切り工具2の研削動作は、砥石車3を歯切り工具2の刃溝に沿って通し研削を行う動作であり、以下の3つの動作を行う。1つ目は、歯切り工具2の刃形を形成する動作である。すなわち、砥石車3が歯切り工具2の基準円C(転がり円)に対して滑りなく並進方向に移動する動作、すなわち基準円の半径をr、歯切り工具2の回転角度をθとしたとき、砥石車3をrθだけ並進方向M33に移動する動作である。
2つ目は、歯切り工具2の逃げ角を形成する動作である。すなわち、前逃げ角α及び側逃げ角γを同時に形成するために、砥石車3の追い込み量を軸線方向に応じて変化させる動作である。3つ目は、歯切り工具2のねじれ角を形成する動作である。すなわち、砥石車3と歯切り工具2を交差角ηを有するように配置し、砥石車3に並進方向M33の移動を補正する動作である。以上の研削動作から、交差角ηは、歯形誤差を最適化できるパラメータとなり、並進方向M33の移動量は、歯厚誤差を最適化できるパラメータとなる。
交差角徐変量演算部35は、再研毎の歯形誤差を最適化する交差角ηの徐変量を演算する。また、交差角徐変量演算部35は、歯形誤差演算部33で求めた再研毎の歯形の修整誤差が所定の許容範囲を超えているとき、再研毎の交差角ηの徐変量を再演算する。具体的な交差角の徐変方法としては、図13に示すように、砥石車3を歯切り工具2のすくい面2bの位置(図13の工具軸方向距離が0の位置)から刃2aの刃すじに沿って工具軸方向へ移動させる際に線形で変化させる。
すなわち、歯切り工具2の1つの刃2aにおいて砥石車3の上記移動方向に対し右側の刃面を研削する際は、交差角の変化量が歯切り工具2の中心軸X2に対し左回りに線形で増加するように、研削開始時の交差角を変化させる。また、歯切り工具2の1つの刃2aにおいて砥石車3の移動方向に対し左側の刃面を研削する際は、交差角の変化量が歯切り工具2の中心軸X2に対し右回りに線形で増加するように研削開始時の交差角を変化させる。
移動量徐変量演算部36は、再研毎の誤差を最適化する並進方向M33の移動量の徐変量を演算する。また、移動量徐変量演算部36は、歯厚誤差演算部34で求めた再研毎の歯厚の修整誤差が所定の許容範囲を超えているとき、再研毎の並進方向M33の移動量の徐変量を再演算する。具体的な並進方向の移動量の徐変方法としては、図14に示すように、砥石車3を歯切り工具2のすくい面2bの位置(図14の工具軸方向距離が0の位置)から刃2aの刃すじに沿って工具軸方向へ移動させる際に2次曲線で変化させる。
すなわち、歯切り工具2の1つの刃2aにおいて砥石車3の移動方向に対し右側の刃面を研削する際は、並進方向M33の移動量の変化量を左方向に2次曲線で増加するように変化させる。また、歯切り工具2の1つの刃2aにおいて砥石車3の移動方向に対し左側の刃面を研削する際は、並進方向M33の移動量の変化量を右方向に2次曲線で増加するように変化させる。
修整加工刃形演算部37は、再研毎の交差角ηの徐変量及び再研毎の並進方向M33の移動量の徐変量に基づいて、砥石車3による歯切り工具2の研削シミュレーション(加工刃形演算部32で使用したものと同一)を行って歯切り工具2の再研毎の修整加工刃形を演算する。工具形状決定部38は、再研毎の修整加工刃形に基づいて歯切り工具2の形状を決定する。
具体的な結果としては、図15に示すように、一点鎖線で示す修整加工刃形の輪郭は、実線で示す理想刃形の輪郭に近付いている。図15の一点鎖線が修整加工刃形の輪郭であり、一点鎖線の下側が修整加工刃形となる。なお、図15では、刃先から刃底に至る途中までの修整加工刃形を示す。図8に示す加工刃形と理想刃形の誤差と比較して、図15に示す修整加工刃形と理想刃形の誤差は小さくなっている。
(4.工具形状シミュレーション装置の動作)
次に、歯切り工具2の工具形状シミュレーション装置(以下、単に「装置」という)30の動作(シミュレーション方法)について図7を参照して説明する。装置30は、歯切り工具2の再研毎の理想刃形を演算し(図7のステップS1、理想刃形演算工程)、砥石車3による歯切り工具2の再研毎の加工刃形を演算する(図7のステップS2、加工刃形演算工程)。そして、理想刃形により加工した歯車1の歯形と加工刃形により加工した歯車1の歯形の再研毎の誤差及び歯厚の再研毎の誤差を演算する(図7のステップS3,S4、歯形誤差演算工程、歯厚誤差演算工程)。
装置30は、歯形誤差を最適化する交差角ηの徐変量及び歯厚誤差を最適化する並進方向M33の移動量の徐変量を演算する(図7のステップS5,S6、交差角徐変量演算工程、移動量徐変量演算工程)。そして、各徐変量に基づいて、砥石車3による歯切り工具2の再研毎の修整加工刃形を演算する(図7のステップS7、修整加工刃形演算工程)。そして、理想刃形により加工した歯車1の歯形と修整加工刃形により加工した歯車1の歯形の再研毎の修整誤差及び歯厚の再研毎の修整誤差を演算する(図7のステップS8,S9、歯形誤差演算工程、歯厚誤差演算工程)。
装置30は、求めた歯形修整誤差及び歯厚修整誤差が許容範囲内であるか否かを判断し(図7のステップS10)、歯形修整誤差及び歯厚修整誤差が許容範囲を超えているときは、ステップS5に戻って上述の処理を繰り返す。一方、ステップS9において、歯形修整誤差及び歯厚修整誤差が許容範囲内であるときは、再研毎の修整加工刃形に基づいて歯切り工具2の形状を決定し(図7のステップS11、工具形状決定工程)、全ての処理を終了する。
(5.歯切り工具の加工装置の制御装置)
次に、歯切り工具2の加工装置20の制御装置40について図16を参照して説明する。図16に示すように、歯切り工具2の加工装置20の制御装置40は、回転制御部41及び移動制御部42を備える。
回転制御部41は、主軸ユニット21に備えられる歯切り工具2を中心軸X2周り(θ22)に回転させる図略の回転駆動モータ及び砥石台22に備えられる砥石車3を中心軸X3周り(θ3)に回転させる図略の回転駆動モータを駆動制御する。
移動制御部42は、砥石台22を歯切り工具2の中心軸X2方向(M31)、歯切り工具2の径方向(M32)、及び、歯切り工具2の回転接線方向(並進方向)(M33)にそれぞれ移動させる図略のボールねじ機構及び駆動モータを駆動制御する。さらに、移動制御部42は、回転テーブル12を揺動させる図略の駆動モータを駆動制御する。
(6.歯切り工具の加工装置の制御装置の動作)
次に、歯切り工具2の加工装置20の制御装置40の動作について図17を参照しながら説明する。制御装置40は、砥石台22を移動制御して砥石車3を歯切り工具2のすくい面側に移動し、歯切り工具2の中心軸X2と砥石車3の中心軸X3とが交差角を有する状態となるように位置決めする(図17のステップS21)。この状態で、歯切り工具2を中心軸X2周り(θ22)に回転するとともに、砥石車3を中心軸X3周り(θ3)に回転する(図17のステップS22、回転制御工程)。
そして、制御装置40は、砥石車3を歯切り工具2の基準円(転がり円)に対して滑りなく並進方向M33に移動させつつ、砥石車3の追い込み量を歯切り工具2の軸線方向M31に応じて変化させながら歯切り工具2の軸線方向に移動させる。この移動時、交差角ηを徐変させつつ並進方向M33の移動量を徐変する(図17のステップS23、移動制御工程)。この交差角の徐変量及び並進方向の移動量の徐変量は、工具形状のシミュレーション装置30で予め求めて制御装置40に記憶しておく。
そして、歯切り工具2の全ての刃2aの研削が完了したか否かを判断し(図17のステップS24)、歯切り工具2の全ての刃2aの研削が完了していないときはステップS23に戻って上述の処理を繰り返す。一方、ステップS24において、歯切り工具2の全ての刃2aの研削が完了したときは、砥石車3の退避位置へ移動して停止し(図17のステップS25)、砥石車3及び歯切り工具2の回転を停止して(図17のステップS26)、全ての処理を終了する。
(7.歯切り工具の加工装置の制御装置の別例)
上述の制御装置40は、工具形状シミュレーション装置30で求めた交差角ηの徐変量及び並進方向M33の移動量の徐変量を入力することで歯切り工具2の加工を制御する構成としたが、図18に示すように、工具形状シミュレーション装置30の一部の機能を備えた制御装置50としてもよい。
この制御装置50は、回転制御部41、移動制御部42、理想刃形演算部31、加工刃形演算部32、歯形誤差演算部33、歯厚誤差演算部34、交差角徐変量演算部35及び移動量徐変量演算部36を備える。この制御装置50は、工具形状シミュレーション装置30の一部の機能(同一番号を付した部)を備えており、交差角ηの徐変量及び並進方向M33の移動量の徐変量を内部で演算して歯切り工具2の加工を制御する。
(8.その他)
上述した実施形態では、交差角ηの徐変量及び並進方向M33の移動量の徐変量を共に用いて研削する構成を示したが、どちらか一方を用いて研削する構成、つまり歯車1の歯形誤差が大きい場合は交差角ηの徐変量を用いて研削し、歯車1の歯厚誤差が大きい場合は並進方向M33の移動量の徐変量を用いて研削する構成としてもよい。
また、交差角を徐変するときの交差角の変化量は、工具軸方向距離に対して線形で変化する場合を説明したが、歯形誤差が抑制できないときは、n次(nは整数)曲線で変化させるようにしてもよい。また、並進方向の移動量を徐変するときの並進方向の移動量の変化量は、工具軸方向距離に対して2次曲線で変化する場合を説明したが、歯厚誤差が抑制できないときは、線形もしくは3次曲線以上で変化させるようにしてもよい。また、再研量が増えると歯形誤差が歯すじ方向や歯幅方向で不均一で複雑になるため、歯形誤差に基づいて曲線の次数を設定してもよい。
(9.実施形態の効果)
本実施形態の歯切り工具の加工装置20は、円盤状に形成された砥石車3を有し、周面に複数の刃2aを有する歯切り工具2を研削対象として、歯切り工具2の中心軸X2と砥石車3の中心軸X3とを直交させた状態から交差角ηだけ傾斜させた状態で、砥石車3で歯切り工具2における刃側面を研削する制御を行う制御装置40を備える。そして、歯切り工具2は、歯切り工具2の中心軸X2を歯切り工具2による切削対象である歯車1の中心軸X1に対して傾斜した状態で行うスカイビング加工に用いられる工具である。
制御装置40は、歯切り工具2を歯切り工具2の中心軸X2周りに回転させると共に、砥石車3を砥石車3の中心軸X3周りに回転させる回転制御部41と、砥石車3を歯切り工具2の中心軸X2方向に相対的に移動させる際に交差角ηを徐変すると共に、砥石車3を歯切り工具2の回転接線方向である並進方向M33に移動させる移動制御部42と、を備える。
スカイビング加工の歯切り工具2は、ピニオンカッタの加工方法で製作した場合、再研により工具刃の厚みが薄くなるとともに工具外径が小さくなるため、再研したスカイビング加工の歯切り工具2で加工した歯車1には、理想的な歯車1に対し歯形誤差が生じる。歯形誤差は、再研量が増加するほど大きくなる傾向にある。歯形誤差は、歯切り工具2の中心軸X2と砥石車3の中心軸X3とのなす交差角ηに依存するため、歯形誤差に応じて交差角ηを徐変して歯切り工具2を研削することで、歯形誤差の増大を抑制できる。よって、本実施形態の歯切り工具2の加工装置20は、再研量を多く取れるスカイビング加工の歯切り工具2を加工できる。
また、移動制御部42は、砥石車3を歯切り工具2の一方の端面から他方の端面に向かって歯切り工具2の中心軸X2方向に相対的に移動させる際に、交差角ηの変化量を徐々に増加させる制御を行う。これにより、歯切り工具2の中心軸X2方向に増大傾向にある歯形誤差を小さくできる。
また、移動制御部42は、砥石車3を歯切り工具2の回転接線方向である並進方向M33に移動させる際に並進方向M33の移動量を徐変する。再研したスカイビング加工の歯切り工具2で加工した歯車1には、理想的な歯車1に対し歯厚誤差が生じる。歯厚誤差は、再研量が増加するほど大きくなる傾向にある。歯厚誤差は、歯切り工具2の回転接線方向である並進方向M33の移動量に依存するため、歯厚誤差に応じて並進方向M33の移動量を徐変して歯切り工具2を研削することで、歯厚誤差の増大を抑制できる。よって、本実施形態の歯切り工具2の加工装置20は、再研量を多く取れるスカイビング加工の歯切り工具2を加工できる。
また、移動制御部42は、砥石車3を歯切り工具2の一方の端面から他方の端面に向かって歯切り工具2の中心軸X2方向に相対的に移動させる際に、並進方向M33の移動量の変化量を徐々に増加させる制御を行う。これにより、歯切り工具2の中心軸X2方向に増大傾向にある歯厚誤差を小さくできる。
また、制御装置40は、歯切り工具2の再研毎の理想刃形を演算する理想刃形演算部31と、砥石車3による歯切り工具2の再研毎の加工刃形を演算する加工刃形演算部32と、再研毎の理想刃形で歯車1を切削したときの歯形と、再研毎の加工刃形で歯車1を切削したときの歯形との誤差を演算する歯形誤差演算部33と、再研毎の歯形誤差を最適化する交差角ηの徐変量を演算する交差角徐変量演算部35と、を備える。これにより、制御装置40は、求めた交差角ηの徐変量に基づいて歯切り工具2の研削を制御できるので、歯形誤差の増大を抑制した歯切り工具2を加工できる。
また、制御装置40は、歯切り工具2の再研毎の理想刃形を演算する理想刃形演算部31と、砥石車3による歯切り工具2の再研毎の加工刃形を演算する加工刃形演算部32と、再研毎の理想刃形で歯車1を切削したときの歯形と、再研毎の加工刃形で歯車1を切削したときの歯形との誤差を演算する歯形誤差演算部33と、再研毎の理想刃形で歯車1を切削したときの歯厚と、再研毎の加工刃形で歯車1を切削したときの歯厚との誤差を演算する歯厚誤差演算部34と、再研毎の歯形誤差を最適化する交差角ηの徐変量を演算する交差角徐変量演算部35と、再研毎の歯厚誤差を最適化する並進方向M33の移動量の徐変量を演算する移動量徐変量演算部36と、を備える。これにより、制御装置40は、求めた交差角ηの徐変量及び並進方向M33の移動量の徐変量に基づいて歯切り工具2を研削を制御できるので、歯形誤差及び歯厚誤差の増大を抑制した歯切り工具2を加工できる。
本実施形態の歯切り工具の加工方法は、円盤状に形成された砥石車3を有し、周面に複数の刃2aを有する歯切り工具2を研削対象として、歯切り工具2の中心軸X2と砥石車3の中心軸X3とを直交させた状態から交差角ηだけ傾斜させた状態で、砥石車3で歯切り工具2における刃側面を研削する。そして、歯切り工具2は、歯切り工具2の中心軸X2を歯切り工具2による切削対象である歯車1の中心軸X1に対して傾斜した状態で行うスカイビング加工に用いられる工具である。
歯切り工具2を歯切り工具2の中心軸X2周りに回転させると共に、砥石車3を砥石車3の中心軸X3周りに回転させる回転制御工程と、砥石車3を歯切り工具2の中心軸X2方向に相対的に移動させる際に交差角ηを徐変すると共に、砥石車3を歯切り工具2の回転接線方向である並進方向M33に移動させる移動制御工程と、を備える。これにより、歯切り工具の加工装置20と同様の効果が得られる。
また、移動制御工程は、砥石車3を歯切り工具2の回転接線方向である並進方向M33に移動させる際に並進方向M33の移動量を徐変する。これにより、歯切り工具2の中心軸X2方向に増大傾向にある歯厚誤差を小さくできる。
本実施形態の歯切り工具2の工具形状シミュレーション装置30は、周面に複数の刃2aを有する歯切り工具2の形状を決定する。そして、歯切り工具2は、歯切り工具2の中心軸X2を歯切り工具2による切削対象である歯車1の中心軸X1に対して傾斜した状態で行うスカイビング加工に用いられる工具であり、且つ、歯切り工具2の中心軸X2と円盤状に形成された砥石車3の中心軸X3とを直交させた状態から交差角ηだけ傾斜させた状態で、歯切り工具2を歯切り工具2の中心軸X2周りに回転させると共に、砥石車3を砥石車3の中心軸X3周りに回転させ、砥石車3を歯切り工具2の中心軸X2方向に相対的に移動させると共に、砥石車3を歯切り工具2の回転接線方向である並進方向M33に相対的に移動させることで、砥石車3で歯切り工具2における刃側面を研削して製造される工具である。
歯切り工具2の再研毎の理想刃形を演算する理想刃形演算部31と、砥石車3による歯切り工具2の再研毎の加工刃形を演算する加工刃形演算部32と、再研毎の理想刃形で歯車1を切削したときの歯形と、再研毎の加工刃形で歯車1を切削したときの歯形との誤差を演算する歯形誤差演算部33と、再研毎の理想刃形で歯車1を切削したときの歯厚と、再研毎の加工刃形で歯車1を切削したときの歯厚との誤差を演算する歯厚誤差演算部34と、再研毎の歯形誤差を最適化する交差角ηの徐変量を演算する交差角徐変量演算部35と、再研毎の歯厚誤差を最適化する並進方向M33の移動量の徐変量を演算する移動量徐変量演算部36と、再研毎の交差角ηの徐変量及び再研毎の並進方向M33の移動量の徐変量に基づいて、砥石車3による歯切り工具2の再研毎の修整加工刃形を演算する修整加工刃形演算部37と、再研毎の修整加工刃形に基づいて歯切り工具2の形状を決定する工具形状決定部38と、を備える。
そして、歯形誤差演算部33は、再研毎の理想刃形で歯車1を切削したときの歯形と、再研毎の修整加工刃形で歯車1を切削したときの歯形との修整誤差を演算し、歯厚誤差演算部34は、再研毎の理想刃形で歯車1を切削したときの歯厚と、再研毎の修整加工刃形で歯車1を切削したときの歯厚との修整誤差を演算し、交差角徐変量演算部35は、求めた再研毎の歯形の修整誤差が所定の許容範囲を超えているとき、再研毎の交差角ηの徐変量を再演算し、移動量徐変量演算部36は、求めた再研毎の歯厚の修整誤差が所定の許容範囲を超えているとき、再研毎の並進方向M33の移動量の徐変量を再演算する。
本実施形態の工具形状シミュレーション装置30は、歯形誤差及び歯厚誤差が所定の許容範囲内となるまで、交差角ηの徐変量及び並進方向M33の移動量の徐変量を繰り返し演算しているので、再研量をより多く取れるスカイビング加工の歯切り工具2の形状を得ることができる。
本実施形態の歯切り工具の工具形状シミュレーション方法は、周面に複数の刃2aを有する歯切り工具2の形状を決定する。そして、歯切り工具2は、歯切り工具2の中心軸X2を歯切り工具2による切削対象である歯車1の中心軸X1に対して傾斜した状態で行うスカイビング加工に用いられる工具であり、且つ、歯切り工具2の中心軸X2と円盤状に形成された砥石車3の中心軸X3とを直交させた状態から交差角ηだけ傾斜させた状態で、歯切り工具2を歯切り工具2の中心軸X2周りに回転させると共に、砥石車3を砥石車3の中心軸X3周りに回転させ、砥石車3を歯切り工具2の中心軸X2方向に相対的に移動させると共に、砥石車3を歯切り工具2の回転接線方向である並進方向M33に相対的に移動させることで、砥石車3で歯切り工具2における刃側面を研削して製造される工具である。
歯切り工具2の再研毎の理想刃形を演算する理想刃形演算工程と、砥石車3による歯切り工具2の再研毎の加工刃形を演算する加工刃形演算工程と、再研毎の理想刃形で歯車1を切削したときの歯形と、再研毎の加工刃形で歯車1を切削したときの歯形との誤差を演算する歯形誤差演算工程と、再研毎の理想刃形で歯車1を切削したときの歯厚と、再研毎の加工刃形で歯車1を切削したときの歯厚との誤差を演算する歯厚誤差演算工程と、再研毎の歯形誤差を最適化する交差角ηの徐変量を演算する交差角徐変量演算工程と、再研毎の歯厚誤差を最適化する並進方向M33の移動量の徐変量を演算する移動量徐変量演算工程と、再研毎の交差角ηの徐変量及び再研毎の並進方向M33の移動量の徐変量に基づいて、砥石車3による歯切り工具2の再研毎の修整加工刃形を演算する修整加工刃形演算工程と、再研毎の修整加工刃形に基づいて歯切り工具2の形状を決定する工具形状決定工程と、を備える。
そして、歯形誤差演算工程は、再研毎の理想刃形で歯車1を切削したときの歯形と、再研毎の修整加工刃形で歯車1を切削したときの歯形との修整誤差を演算し、歯厚誤差演算工程は、再研毎の理想刃形で歯車1を切削したときの歯厚と、再研毎の修整加工刃形で歯車1を切削したときの歯厚との修整誤差を演算し、交差角徐変量演算工程は、求めた再研毎の歯形の修整誤差が所定の許容範囲を超えているとき、再研毎の交差角ηの徐変量を再演算し、移動量徐変量演算工程は、求めた再研毎の歯厚の修整誤差が所定の許容範囲を超えているとき、再研毎の並進方向M33の移動量の徐変量を再演算する。これにより、工具形状シミュレーション装置30と同様の効果が得られる。
1:歯車、 1a:歯、 2:歯切り工具、 2a:刃、 3:砥石車、 20:歯切り工具の加工装置、 21:主軸ユニット、 22:砥石台、 30:歯切り工具の工具形状シミュレーション装置、 31:理想刃形演算部、 32:加工刃形演算部、 33:歯形誤差演算部、 34:歯厚誤差演算部、 35:交差角徐変量演算部、 36:移動量徐変量演算部、 37:修整加工刃形演算部、 38:工具形状決定部、 40:歯切り工具の加工装置の制御装置、 41:回転制御部、 42:移動制御部

Claims (10)

  1. 円盤状に形成された砥石車を有し、周面に複数の刃を有する歯切り工具を研削対象として、前記歯切り工具の中心軸と前記砥石車の中心軸とを直交させた状態から交差角だけ傾斜させた状態で、前記砥石車で前記歯切り工具における刃側面を研削する制御を行う制御装置を備える歯切り工具の加工装置であって、
    前記歯切り工具は、前記歯切り工具の中心軸を前記歯切り工具による切削対象である歯車の中心軸に対して傾斜した状態で行うスカイビング加工に用いられる工具であり、
    前記制御装置は、
    前記歯切り工具を前記歯切り工具の中心軸周りに回転させると共に、前記砥石車を前記砥石車の中心軸周りに回転させる回転制御部と、
    前記砥石車を前記歯切り工具の中心軸方向に相対的に移動させる際に前記交差角を徐変すると共に、前記砥石車を前記歯切り工具の回転接線方向である並進方向に移動させる移動制御部と、
    を備える、歯切り工具の加工装置。
  2. 前記移動制御部は、前記砥石車を前記歯切り工具の一方の端面から他方の端面に向かって前記歯切り工具の中心軸方向に相対的に移動させる際に、前記交差角の変化量を徐々に増加させる制御を行う、請求項1に記載の歯切り工具の加工装置。
  3. 前記移動制御部は、前記砥石車を前記歯切り工具の回転接線方向である並進方向に移動させる際に前記並進方向の移動量を徐変する、請求項1又は2に記載の歯切り工具の加工装置。
  4. 前記移動制御部は、前記砥石車を前記歯切り工具の一方の端面から他方の端面に向かって前記歯切り工具の中心軸方向に相対的に移動させる際に、前記並進方向の移動量の変化量を徐々に増加させる制御を行う、請求項3に記載の歯切り工具の加工装置。
  5. 前記制御装置は、
    前記歯切り工具の再研毎の理想刃形を演算する理想刃形演算部と、
    前記砥石車による前記歯切り工具の再研毎の加工刃形を演算する加工刃形演算部と、
    前記再研毎の理想刃形で前記歯車を切削したときの歯形と、前記再研毎の加工刃形で前記歯車を切削したときの歯形との誤差を演算する歯形誤差演算部と、
    前記再研毎の歯形誤差を最適化する前記交差角の徐変量を演算する交差角徐変量演算部と、
    を備える、請求項1又は2に記載の歯切り工具の加工装置。
  6. 前記制御装置は、
    前記歯切り工具の再研毎の理想刃形を演算する理想刃形演算部と、
    前記砥石車による前記歯切り工具の再研毎の加工刃形を演算する加工刃形演算部と、
    前記再研毎の理想刃形で前記歯車を切削したときの歯形と、前記再研毎の加工刃形で前記歯車を切削したときの歯形との誤差を演算する歯形誤差演算部と、
    前記再研毎の理想刃形で前記歯車を切削したときの歯厚と、前記再研毎の加工刃形で前記歯車を切削したときの歯厚との誤差を演算する歯厚誤差演算部と、
    前記再研毎の歯形誤差を最適化する前記交差角の徐変量を演算する交差角徐変量演算部と、
    前記再研毎の歯厚誤差を最適化する前記並進方向の移動量の徐変量を演算する移動量徐変量演算部と、
    を備える、請求項3又は4に記載の歯切り工具の加工装置。
  7. 円盤状に形成された砥石車を有し、周面に複数の刃を有する歯切り工具を研削対象として、前記歯切り工具の中心軸と前記砥石車の中心軸とを直交させた状態から交差角だけ傾斜させた状態で、前記砥石車で前記歯切り工具における刃側面を研削する歯切り工具の加工方法であって、
    前記歯切り工具は、前記歯切り工具の中心軸を前記歯切り工具による切削対象である歯車の中心軸に対して傾斜した状態で行うスカイビング加工に用いられる工具であり、
    前記歯切り工具を前記歯切り工具の中心軸周りに回転させると共に、前記砥石車を前記砥石車の中心軸周りに回転させる回転制御工程と、
    前記砥石車を前記歯切り工具の中心軸方向に相対的に移動させる際に前記交差角を徐変すると共に、前記砥石車を前記歯切り工具の回転接線方向である並進方向に移動させる移動制御工程と、
    を備える、歯切り工具の加工方法。
  8. 前記移動制御工程は、前記砥石車を前記歯切り工具の回転接線方向である並進方向に移動させる際に前記並進方向の移動量を徐変する、請求項7に記載の歯切り工具の加工方法。
  9. 周面に複数の刃を有する歯切り工具の形状を決定するシミュレーション装置であって、
    前記歯切り工具は、前記歯切り工具の中心軸を前記歯切り工具による切削対象である歯車の中心軸に対して傾斜した状態で行うスカイビング加工に用いられる工具であり、且つ、前記歯切り工具の中心軸と円盤状に形成された砥石車の中心軸とを直交させた状態から交差角だけ傾斜させた状態で、前記歯切り工具を前記歯切り工具の中心軸周りに回転させると共に、前記砥石車を前記砥石車の中心軸周りに回転させ、前記砥石車を前記歯切り工具の中心軸方向に相対的に移動させると共に、前記砥石車を前記歯切り工具の回転接線方向である並進方向に相対的に移動させることで、前記砥石車で前記歯切り工具における刃側面を研削して製造される工具であり、
    前記歯切り工具の再研毎の理想刃形を演算する理想刃形演算部と、
    前記砥石車による前記歯切り工具の再研毎の加工刃形を演算する加工刃形演算部と、
    前記再研毎の理想刃形で前記歯車を切削したときの歯形と、前記再研毎の加工刃形で前記歯車を切削したときの歯形との誤差を演算する歯形誤差演算部と、
    前記再研毎の理想刃形で前記歯車を切削したときの歯厚と、前記再研毎の加工刃形で前記歯車を切削したときの歯厚との誤差を演算する歯厚誤差演算部と、
    前記再研毎の歯形誤差を最適化する前記交差角の徐変量を演算する交差角徐変量演算部と、
    前記再研毎の歯厚誤差を最適化する前記並進方向の移動量の徐変量を演算する移動量徐変量演算部と、
    前記再研毎の交差角の徐変量及び前記再研毎の並進方向の移動量の徐変量に基づいて、前記砥石車による前記歯切り工具の再研毎の修整加工刃形を演算する修整加工刃形演算部と、
    前記再研毎の修整加工刃形に基づいて前記歯切り工具の形状を決定する工具形状決定部と、
    を備え、
    前記歯形誤差演算部は、前記再研毎の理想刃形で前記歯車を切削したときの歯形と、前記再研毎の修整加工刃形で前記歯車を切削したときの歯形との修整誤差を演算し、
    前記歯厚誤差演算部は、前記再研毎の理想刃形で前記歯車を切削したときの歯厚と、前記再研毎の修整加工刃形で前記歯車を切削したときの歯厚との修整誤差を演算し、
    前記交差角徐変量演算部は、求めた前記再研毎の歯形の修整誤差が所定の許容範囲を超えているとき、前記再研毎の交差角の徐変量を再演算し、
    前記移動量徐変量演算部は、求めた前記再研毎の歯厚の修整誤差が所定の許容範囲を超えているとき、前記再研毎の並進方向の移動量の徐変量を再演算する、歯切り工具の工具形状シミュレーション装置。
  10. 周面に複数の刃を有する歯切り工具の形状を決定するシミュレーション方法であって、
    前記歯切り工具は、前記歯切り工具の中心軸を前記歯切り工具による切削対象である歯車の中心軸に対して傾斜した状態で行うスカイビング加工に用いられる工具であり、且つ、前記歯切り工具の中心軸と円盤状に形成された砥石車の中心軸とを直交させた状態から交差角だけ傾斜させた状態で、前記歯切り工具を前記歯切り工具の中心軸周りに回転させると共に、前記砥石車を前記砥石車の中心軸周りに回転させ、前記砥石車を前記歯切り工具の中心軸方向に相対的に移動させると共に、前記砥石車を前記歯切り工具の回転接線方向である並進方向に相対的に移動させることで、前記砥石車で前記歯切り工具における刃側面を研削して製造される工具であり、
    前記歯切り工具の再研毎の理想刃形を演算する理想刃形演算工程と、
    前記砥石車による前記歯切り工具の再研毎の加工刃形を演算する加工刃形演算工程と、
    前記再研毎の理想刃形で前記歯車を切削したときの歯形と、前記再研毎の加工刃形で前記歯車を切削したときの歯形との誤差を演算する歯形誤差演算工程と、
    前記再研毎の理想刃形で前記歯車を切削したときの歯厚と、前記再研毎の加工刃形で前記歯車を切削したときの歯厚との誤差を演算する歯厚誤差演算工程と、
    前記再研毎の歯形誤差を最適化する前記交差角の徐変量を演算する交差角徐変量演算工程と、
    前記再研毎の歯厚誤差を最適化する前記並進方向の移動量の徐変量を演算する移動量徐変量演算工程と、
    前記再研毎の交差角の徐変量及び前記再研毎の並進方向の移動量の徐変量に基づいて、前記砥石車による前記歯切り工具の再研毎の修整加工刃形を演算する修整加工刃形演算工程と、
    前記再研毎の修整加工刃形に基づいて前記歯切り工具の形状を決定する工具形状決定工程と、
    を備え、
    前記歯形誤差演算工程は、前記再研毎の理想刃形で前記歯車を切削したときの歯形と、前記再研毎の修整加工刃形で前記歯車を切削したときの歯形との修整誤差を演算し、
    前記歯厚誤差演算工程は、前記再研毎の理想刃形で前記歯車を切削したときの歯厚と、前記再研毎の修整加工刃形で前記歯車を切削したときの歯厚との修整誤差を演算し、
    前記交差角徐変量演算工程は、求めた前記再研毎の歯形の修整誤差が所定の許容範囲を超えているとき、前記再研毎の交差角の徐変量を再演算し、
    前記移動量徐変量演算工程は、求めた前記再研毎の歯厚の修整誤差が所定の許容範囲を超えているとき、前記再研毎の並進方向の移動量の徐変量を再演算する、歯切り工具の工具形状シミュレーション方法。
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