JP2009034662A - フッ素固定剤及びpfc分解処理剤並びにこれらの調製方法 - Google Patents

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Abstract

【解決課題】耐久性及びパーフルオロ化合物処理性能に優れ、効率的にフッ素を回収し得るフッ素固定剤及びその調製方法を提供する。
【解決手段】平均粒子径60μm以上160μm以下のAl(OH)3と、Ca(OH)2とのモル比が3:7〜5:5である混合物を430℃よりも高く890℃以下の温度範囲で、窒素流又は空気流中で焼成することを特徴とするフッ素固定剤の調製方法及び当該調製方法により得られるフッ素固定剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、フッ素含有化合物を含むガスの処理に関する。特に、本発明は、半導体工業において半導体製造装置の内面等をドライクリーニングする工程や、酸化膜等の各種成膜をエッチングする工程から排出されるフッ素含有化合物、特にパーフルオロ化合物(PFC)を含む排ガスを処理して、フッ素を回収するフッ素固定剤及びその調製方法並びにフッ素固定方法に関する。また、本発明は、PFCガス含有ガスを処理する際に用いるPFC分解処理剤及びその調製方法並びにフッ素含有化合物の処理方法に関する。
半導体工業においては、半導体製造工程中に多種類の有害ガスが使用されており、環境中への排気による環境汚染が懸念される。特に、半導体工業における半導体製造装置内面のクリーニング工程や、エッチング工程或いはCVD工程などにおいては、CHF3などのフッ化炭化水素や、CF4、C2F6、C3F8、C4F6、C4F8、C5F8、SF6、NF3などのパーフルオロ化合物(PFC)などのフッ素含有化合物が用いられており、これらのプロセスからの排ガス中に含まれるフッ素含有化合物は、地球温暖化ガスとしてその除去システムの確立が急務とされている。
フッ素含有化合物を含む排ガスの処理方法としては、例えば、酸化アルミニウム及びアルカリ土類金属の酸化物を含む処理剤を用いて排ガス中のフルオロカーボンを分解処理する方法(特許文献1);酸化アルミニウム及びアルカリ土類金属の酸化物を含む処理剤を用いて排ガス中のフッ化硫黄を分解処理する方法(特許文献2);アルミナ及びアルカリ土類金属化合物、及び場合によっては銅、錫、バナジウム等の金属の酸化物を含む処理剤を用いて排ガス中のフッ素化合物を分解処理する方法(特許文献3);水酸化アルミニウムと水酸化カルシウムとを含む処理剤を用いて排ガス中のPFCを分解処理する方法(特許文献4);などが提案されている。
しかしながら、上記のような従来の処理方法は、処理温度が800〜1000℃と高いため、処理装置の熱による劣化が速く、装置のエネルギー消費量も大きいという問題があった。また、従来の処理剤は、使用寿命が短くて交換頻度が高いという問題を包含していた。例えば、特許文献1〜3に開示されている方法では、PFCを酸化アルミニウム(アルミナ)と反応させてフッ化アルミニウムを生成させることによってPFCガスを分解している。しかしながら、酸化アルミニウムの反応活性が低いので、この反応を効率よく進行させるためには、高温の反応条件が必要である。更に、生成したフッ化アルミニウムが酸化アルミニウムの表面に層を形成し、これによって酸化アルミニウムが被毒されて短時間で触媒活性を失うために、処理剤の交換頻度が高くなってしまうという問題がある。
PFCガスを水酸化アルミニウムと反応させて、水酸化アルミニウムの水酸基の水素によってフッ素をフッ化水素とし、次に生成したフッ化水素を水酸化カルシウムと反応させてフッ化カルシウムを生成させることによって、PFCガスなどのフッ素含有化合物を従来法よりも低い温度で効率よく分解処理することができる方法が提案されている(特許文献4)。しかし、かかる方法は、小型の装置では効果があるものの、実機規模にスケールアップすると、アルミニウムの活性が阻害され、十分な除去効果を示さない場合があることが確認された。
更に、近年、フッ素の原料となる蛍石の資源枯渇が問題となっており、フッ素の回収・再利用が重要な課題となっているが、PFCガスを分解してフッ化アルミニウムを生成させる場合、フッ化アルミニウムは水にも酸にもアルカリにも溶解しない化合物であるため、フッ化アルミニウムからフッ素を回収するのは、コスト的、技術的に難しい。
特開2002−224565号公報 特開2002−370013号公報 特開2001−190959号公報 特開2005−262128号公報
そこで、本発明の目的は、かかる従来技術の課題を解決し、スケールアップした実機でも失活せずにPFCガスを効率よく分解し、分解した生成物からフッ素を効率よく回収して再利用に供することのできるフッ素固定剤、その調製方法及びフッ素固定方法を提供することにある。
別の目的は、スケールアップした実機でも失活せずにPFCガスを効率よく分解することができ、耐久性に優れたPFC分解処理剤及びその調製方法並びにPFCガス含有排ガスの処理方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決するべく鋭意研究を重ねた結果、特に特許文献4に記載の方法をスケールアップした実機に適用した場合、加熱によって装置内に発生する水分が蒸発せず水分過剰の状態になって、酸化アルミニウムがα化(結晶化)してアルミニウムの活性が低下すること(活性点での微細構造の変化、例えば、OH基が活性点に吸着することによる変質や活性点での局所的なα化が進み、不活性化すること)を確認し、焼成時に水分過剰の状態を回避して結晶化を阻止することでアルミニウムの活性を高く維持したフッ素固定剤及びPFC処理剤を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、平均粒子径(メディアン径)60μm以上160μm以下のAl(OH)3と、Ca(OH)2とのモル比が3:7〜5:5である混合物を430℃よりも高く890℃以下の温度範囲で、窒素流又は空気流中で焼成することを特徴とするフッ素固定剤又はPFC(パーフルオロカーボン)分解処理剤の調製方法及び当該調製方法により得られるフッ素固定剤又はPFC(パーフルオロカーボン)分解処理剤が提供される。また、本発明によれば、平均粒子径(メディアン径)55μm以上160μm以下のAl(OH)3と、Ca(OH)2とのモル比が3:7〜5:5である混合物を430℃よりも高く890℃以下の温度範囲で、窒素流又は空気流中で焼成することを特徴とするフッ素固定剤又はPFC(パーフルオロカーボン)分解処理剤の調製方法及び当該調製方法により得られるフッ素固定剤又はPFC(パーフルオロカーボン)分解処理剤が提供される。なお、本願明細書において「PFC分解処理」と「フッ素固定」とは、前者がPFC分解処理までを意味し、後者がさらにフッ素をCaF2などの固形物として回収することまでを包含する概念として使い分ける。ただし、「PFC分解処理剤」と「フッ素固定剤」との構成成分としては同一であるので、以後の説明では両者を特に使い分けず、「フッ素固定剤」との表現には「PFC分解処理剤」を包含させる。
本発明のフッ素固定剤の原材料であるAl(OH)3は、その平均粒子径が55μm以上、好ましくは60μm以上160μm以下、より好ましくは90μm以上120μm以下である。ここで、平均粒子径とは、メディアン径を意味し、粒子径ごとに頻度(含有量)を積算し、含有量の累積が最小粒子径からはじめて50%になる点での粒子径である。
平均粒子径が上記範囲外であると、フッ素固定剤としての所望の処理性能が得られず、実施例により後述するように、短時間でCF4除去率が95%以下に劣化してしまい、実用に耐えない。
本発明のフッ素固定剤の原材料であるCa(OH)2の平均粒子径はAl(OH)3の平均粒径によって変動するが、Al(OH)3よりもCa(OH)2の平均粒子径(メディアン径)は小さい方が好ましい。Ca(OH)2の平均粒子径(メディアン径)としては、好ましくは1μm以上10μm以下、より好ましくは3μm以上8μm以下、最も好ましくは4μm以上6μm以下である。
Al(OH)3とCa(OH)2とは、平均粒子径の大きいAl(OH)3を核にして、その表層にCa(OH)2が効率よく配置されることで活性が維持されると考えられる。よって、Ca(OH)2の粒径がAl(OH)3の平均粒径に比べて小さすぎるとAl(OH)3の表面全体を隙間なく覆い、PFCとの接触を阻止して結果的にPFCの分解を阻害し、逆にCa(OH)2の粒径がAl(OH)3の平均粒径に比べて大きすぎるとPFC分解時のFとの接触効率が低下し結果的に分解が不充分となり、何れの場合もPFCの分解効率を下げると考えられる。
上記混合物におけるAl(OH)3とCa(OH)2とのモル比は、3:7〜5:5、好ましくは3:7〜4:6である。Al(OH)3とCa(OH)2とのモル比が上記範囲外であると、PFC分解処理剤としての所望の処理性能が得られず、実施例により後述するように、短時間でCF4除去率が95%以下に劣化してしまい、実用に耐えない。
本発明のフッ素固定剤は、上記混合物を430℃よりも高く890℃以下の温度範囲、好ましくは580℃〜850℃、より好ましくは650℃〜780℃の温度範囲で、窒素流又は空気流中で焼成することにより得られる。
Al(OH)3とCa(OH)2との混合物の焼成温度は、脱水可能な温度であって且つ失活しない温度範囲であることが必要になる。Al(OH)3の脱水温度は約270℃であり、Ca(OH)2の脱水温度は約430℃であるから、少なくとも430℃を超えることが好ましい。温度範囲が890℃を超えると、実施例により後述するように、CF4除去率が低下する。このことから、高熱処理により酸化アルミニウムが結晶化してしまい、活性が劣化することによると考えられる。
Al(OH)3とCa(OH)2との混合物は、窒素流又は空気流中で焼成する。窒素流又は空気流は一定時間で流入方向を逆転させることが好ましい。焼成により進行する脱水反応の結果、発生する水分を混合物周囲に滞留させず、速やかに蒸発・退去させるためである。高熱高湿雰囲気でAl(OH)3とCa(OH)2との混合物を焼成し続けると、水分の存在により酸化アルミニウムが結晶化(活性点における微細構造レベルでの結晶化を意味する)してしまい、活性が劣化すると考えられる。よって、Al(OH)3や焼成により得られる酸化アルミニウムなどの周囲に不活性ガスを流すことによって、発生する水分を速やかに除去することが必要である。窒素流又は空気流の向流気流は、例えば、Al(OH)3とCa(OH)2との混合物をカラムに充填して、カラムの上下から窒素流又は空気流を送るなどして与えることができる。
焼成時間は特に限定されず、使用するAl(OH)3とCa(OH)2との量によっても変動するが、一般的に6〜12時間とするのが脱水効果やエネルギー消費効率の点で好ましく、8〜10時間とするのがさらに好ましい。技術的にはCa(OH)2が脱水する温度(約430℃)まで昇温した後、さらに1〜2時間焼成することで充分であると考えられる。焼成温度に達するまでの昇温速度が速すぎると脱水が不充分な場合が生じ、遅すぎると経済的理由(エネルギーや時間を消費する)から好ましくない。通常は、100℃/hrの昇温速度が最適である。また、焼成時間が長すぎると、フッ素固定剤が焼成中に燃料から発生するCO2を過吸着してしまい、フッ素吸着性能が低下するので好ましくない。
本発明の調製方法により得られるフッ素固定剤は、後述するXRD(X線回折)分析により示されるように非晶質Al2O3とCaOとの複合酸化物である。
上記複合酸化物における非晶質Al2O3とCaOとの含有比は、モル比でAl2O3:CaO=1:10.5〜1:12.5であるのが、フッ素固定剤としての活性維持の点で好ましく、1:10.5〜1:12であるのが更に好ましい。
また本発明のフッ素固定剤は、その水分含量が5wt%よりも低いことが好ましく、0.8wt%以上5wt%以下であることがより好ましく、1.5wt%以上3.5wt%以下であることが最も好ましい。水分含量が高くなると、実施例により後述するように、CF4除去率が低下する。従来、水分含量が高いほどCF4除去率は高くなると考えられており、フッ素含有被処理物の処理時には水分を添加していたことを考え合わせると、本発明のフッ素固定剤において水分含量が少ないほどCF4除去率が高くなるという知見は特異的である。
本発明のフッ素固定剤には、さらに耐熱性向上剤を混合することもできる。耐熱性向上剤としては、ZrO2、Laを好ましく挙げることができる。耐熱性向上剤の配合比率は、好ましくはAl(OH)31モルに対して0.01〜0.5モルであり、より好ましくはAl(OH)31モルに対して0.05〜0.4モルであり、最も好ましくはAl(OH)31モルに対して0.08〜0.35モルである。耐熱性向上剤の配合比率が上記範囲外であると、その使用温度においてフッ素固定剤の結晶化が徐々に進んで、長期に渡る活性の維持が困難となる。
本発明のフッ素固定剤は、Al(OH)3とCa(OH)2の混合物の焼成品のNa含有量が0.03wt%以下であることが好ましい。Naが多量に存在すると、PFC(パーフルオロカーボン)の分解作用を起こす活性点にNaが選択的に吸着してしまい、PFCの分解反応を阻害するので好ましくない。
本発明のフッ素固定剤には、さらに酸化力向上助剤を混合することもできる。酸化力向上助剤としては、Pd、Pt、Rh、Ruなどを好ましく挙げることができる。酸化力向上助剤の配合割合は、好ましくはAl(OH)31モルに対して0.005〜0.1モルであり、より好ましくはAl(OH)31モルに対して0.01〜0.07モルであり、最も好ましくはAl(OH)31モルに対して0.02〜0.05モルである。酸化力向上助剤の配合比率が上記範囲外であると、PFCのうち炭素数の多いC2F6やC4F8等の分解が進まず、比較的早期に除去性能の低下が始まる。
本発明のフッ素固定剤又はPFC分解処理剤により処理することのできるフッ素含有化合物としては,CHF3等のフッ化炭化水素、CF4、C2F6、C3F8、SF6、NF3などのパーフルオロ化合物(PFC)等を挙げることができる。このようなフッ素含有化合物を含むガスとしては、半導体工業で半導体製造装置の内面等をドライクリーニングする工程や、各種成膜をエッチングする工程で排出される排ガスなどを挙げることができる。
また、本発明のPFC分解処理剤は、PFCなどに加えて、酸化性ガス、酸性ガスなども分解処理することができる。半導体製造工程から排出される排ガス中には、PFCばかりでなく、他にF2、Cl2、Br2等の酸化性ガス、HF、SiF4、COF2、HCl、HBr、SiCl4、SiBr4等の酸性ガスなどが含まれる場合がある。従来、F2、Cl2、Br2等の酸化性ガスを湿式処理する方法があるが、水だけでは完全に処理することができず、アルカリ剤や還元剤を併用するため管理や装置が複雑になる上にコストがかかる等の問題点があった。本発明のPFC分解処理剤によれば、これらの酸化性ガスや酸性ガスも、PFC等のフッ素含有化合物と共に分解処理することができる。
本発明のフッ素固定剤又はPFC分解処理剤は、Al2O3とCaOとの複合酸化物であり、以下のように酸素を介して緩やかに結合していると考えられる。
Figure 2009034662
本発明のフッ素固定剤をフッ素化合物と接触させると、(Al_O)部分の触媒作用により
CF4→C+4F
の分解反応が進み、(O_Ca)部分からの酸素(O)とカルシウム(Ca)とにより
C+2O→CO2
4F+2Ca→2CaF2
の酸化還元反応が進むと考えられる。
このように、本発明のフッ素固定剤を用いてフッ素含有化合物を含む排ガスを処理すると、PFCが分解して、フッ化カルシウム(CaF2)が生成する。フッ化カルシウムは、フッ素製造の原料として知られる蛍石の主成分であり、酸で処理することによってフッ素ガスを発生させることができる。したがって、本発明のフッ素固定剤は、極めて効率的にフッ素含有化合物を含むガスからフッ素を再利用可能な形態で回収することができる。
また、本発明によれば上記フッ素固定剤と、フッ素含有化合物を含む被処理ガスとを接触させることを特徴とする、フッ素含有化合物を含む被処理ガスからのフッ素回収方法が提供される。このとき、フッ素固定剤と、フッ素含有化合物を含む被処理ガスとを550℃〜850℃の温度で接触させることが好ましく、より好ましくは600〜800℃の範囲であり、約650℃〜750℃が最も好ましい。
なお、本発明のフッ素固定剤をPFC分解処理剤として使用することもできる。
以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明する。以下の記載は、本発明の技術思想を具現化する幾つかの実施例を例示するものであり、本発明はこれらの記載によって限定されるものではない。
[フッ素固定剤1]
以下の調製例は、いずれも発生する水分を焼成容器内から速やかに排出させ、Al(OH)とCa(OH)との混合物と水分との接触を回避する調製方法を採用した。
図1に示すように、均一に加熱できるように外部ヒーターを全周に具備する小型のカラム(寸法:径150mm×高さ850mm)に、Al(OH)3とCa(OH)2との混合物(Al(OH)3の平均粒子径90μm、Ca(OH)2の平均粒子径5μm、Al(OH)3とCa(OH)2との配合割合3:7)14Lを充填して、カラム内部に多量の水蒸気が滞留しないようにN2流量:50L/minを上向流と下向流とで与えた。反応槽の温度を600℃に調整して、最初にN2上向流を5〜6時間流してAl(OH)とCa(OH)との混合物層のうち上層の半分を420℃以上で焼成し、次にN2下向流を2〜3時間流してAl(OH)3とCa(OH)2との混合物層のうち下層の半分を420℃以上に焼成した。
各焼成温度で得られたフッ素固定剤1について、水分含有量とCF4除去率を測定した結果を表1に示す。CF4除去率は、各フッ素固定剤(PFC分解処理剤)49mlを図4に示すガス処理システム(ただし、ミニカラムは第1筒目だけとした)のミニカラム(径22mm×高さ300mm)に充填して、CF4流入濃度:1.0%、ガス流量:410ml/min、処理温度:750℃で3時間、通ガスした後の除去率を求めた。なお、試料No.1−0は焼成前のAl(OH)3とCa(OH)2との混合物を意味する。
Figure 2009034662
表1より、420℃でも水分含有量が12wt%と低下しているが、Ca(OH)2の脱水温度は約430℃であるから、少なくとも430℃を超えることが好ましく、500℃以上がより好ましいことがわかる。910℃の焼成温度では、水分含有量が1.6wt%でCF4除去率が96.8%と低下していることがわかる。これは、熱劣化の影響と思われる。
表1より焼成温度は580℃〜780℃が好適であることがわかる。焼成処理コストを考慮して600℃の焼成温度で焼成したフッ素固定剤について、水分含有量とCF4除去率との関係をさらに検討した。
フッ素固定剤(Al(OH)3とCa(OH)2との混合物:Al(OH)3の平均粒子径90μm、Ca(OH)2の平均粒子径5μm、Al(OH)3とCa(OH)2との混合割合3:7)をミニカラム(径22mm×高さ300mm)に充填し、これをセラミックス製管状炉に装着させ、窒素を410ml/minで送り込みながら600℃に昇温した。水分調整は、焼成時間を調整することによって行った。具体的には、焼成時間5時間で水分含有量2.7wt%、焼成時間11時間で水分含有量1.6wt%、焼成時間24時間で水分含有量0.8wt%のフッ素固定剤が得られた。
こうして得たフッ素固定剤1−8〜1−10を各49ml、図4に示すガス処理システム(ただし、ミニカラムは第1筒目だけとした)のミニカラムに充填し、CF4流入濃度:1.0%、ガス流量:410ml/min、処理温度:750℃で5時間通ガスした後(CF4ガス出し3時間後にCF4の供給を一旦止め、窒素昇温(窒素のみで410ml/min、750℃加熱)を12時間行い、その後、CF4ガス出し(CF4流入濃度:1.0%、ガス流量:410ml/min、処理温度:750℃)を2時間再開した。この通ガス方法によれば、初期性能と寿命の両方を評価することができる。)のCF4除去率を求めた。結果を表1Aに示す。
Figure 2009034662
表1Aから、水分含有量が0.8wt%〜2.7wt%の間で有意差がなく、水分含有量1wt%以下でも高いCF4除去率が達成されることがわかる。
得られたフッ素固定剤又はPFC分解処理剤(表1の試料No.1−3)のXRD分析チャートを図5に示す。上段のピークデータは得られたフッ素固定剤又はPFC分解処理剤(試料No.1−3)の生データからの解析ピークであり、下段のカードピークはライブラリーデータからのCaOの特性ピークである。得られたフッ素固定剤又はPFC分解処理剤(試料No.1−3)のピークはCaOのライブラリーデータピークと完全に一致する。参考として図6に結晶性アルミナの標準X線回折スペクトルを示すが、本実施例で得られたフッ素固定剤又はPFC分解処理剤(試料No.1−3)にはAl2O3の特性ピークが見られない。また、後述する比較例のXRDチャートではCa(OH)2のピークが観察されることとの対比から、Ca(OH)2は全量が焼成によりCaOに変化しているといえる。これらのことから、本発明によるフッ素固定剤又はPFC分解処理剤には、焼成により発生する水分がすべて除かれ、水熱反応が進まないため、結晶性Al2O3が生じていないと考えられる。
[フッ素固定剤2]
図2に示すように、箱体の内部に収納棚を有する直接燃焼炉を用いて、各収納棚にAl(OH)3とCa(OH)2との混合物を厚さ10mmに広げて20kgとなるように充填し、空気を20m/minで流し、100℃/hrの昇温速度で6時間かけて600℃まで昇温させ、さらに600℃で6時間焼成し、フッ素固定剤2を得た。得られたフッ素固定剤2の水分含有率は2.8wt%であった。
このフッ素固定剤2の49mlを図4に示すガス処理システム(ただし、ミニカラムは第1筒目だけとした)のミニカラム(径22mm×高さ300mm)に充填し、CF4流入濃度:1.0%、ガス流量:410ml/min、処理温度:750℃で3時間、通ガスした後のCF4除去率を求めたところ99.9%以上と高い除去率を示した。
[フッ素固定剤3]
図11に示すようにロ−タリキルンは片側に投入口を設け、反対側に排出口を設けた円筒形の内筒(径約60cm×長さ4〜5m)を有し、これの下側の半周に内筒に接することなく、隙間を設けてヒ−タ−を設置している。内筒は投入口から排出口に向かって緩やかな下降傾斜があり、内筒を回転させることで、投入した剤を排出口に移動させている。移動する間に、剤はヒ−タで加熱された内筒の内側で、間接的に加熱される。内筒の中にはガスの強制送気は行わず、内部で発生したガスの上昇気流により、大気が排出口から自然吸引され、剤の流れとは逆方向に排気される構造となっている。このようなロ−タリ−キルンに、Al(OH)3とCa(OH)2との混合物(Al(OH)3の平均粒子径90μm、Ca(OH)2の平均粒子径5μm、Al(OH)3とCa(OH)2との混合割合3:7)を20kg/minの量で投入し、620℃±20℃で約1時間焼成して、フッ素固定剤3を得た。ロータリーキルンを用いて間接的に加熱することによって燃料から発生するCO2の過吸着を避けた。得られたフッ素固定剤3の水分含有率は2.6wt%であった。
このフッ素固定剤3の49mlを図4に示すガス処理システム(ただし、ミニカラムは第1筒目だけとした)のミニカラムに充填し、CF4流入濃度:1.0%、ガス流量:410ml/min、処理温度:750℃で3時間通ガスした後のCF4除去率を求めたところ99.9%以上と高い除去率を示した。
[フッ素固定試験]
実施例1でミニカラムにより焼成したフッ素固定剤(表1の試料No.1−3)を図3に示すガス処理装置に充填し、ここにCF4、C4F8、CHF3、CO、COF2、SiF4、HF、F2を含む模擬ガスを通ガスした。図3に示すガス処理装置は、カラム外周と中心部にヒーターを具備し、焼成カラム内に均一な温度に昇温しやすく構成されている。フッ素固定剤層の処理温度は750℃に制御し、排ガス流量は150L/minとした。入口ガス組成及び8時間処理後の出口ガス組成を表2に示す。
Figure 2009034662
表2より、8時間後のガス処理装置出口でPFC、CO、酸性ガスはすべて検出限界以下に良好に処理されていた。
上記ガスを処理した後に、フッ素固定剤(試料No.1−3)のXRD分析を行った。図7に示すXRDチャートから、CaOの特性ピークのほかにCaF2のX線回折ピークが出現しており、フッ素固定剤1にFが固定されたことが確認された。
比較例1
対照として、図3に示すガス処理装置(大型カラム。径350mm×高さ850mm)にAl(OH)3とCa(OH)2との混合物を94L充填して、N2流量:60L/minを下向流に流し、300℃で8時間、500℃で9時間、次いで750℃で8時間かけて焼成した。図3の大型カラム内の混合物を縦方向に9等分し、上からNo.1〜No.9とし、焼成後、図3に示す各層ごとに一定量を採取して、熱分析により水分含有量を測定し、XRD分析により結晶性化合物を同定した。図8に、試料No.5についてのXRD分析チャートの例を示す。CaOとCa(OH)2のピークが観察された。
また、得られた焼成体49mlを図4に示すガス処理システム(ただし、ミニカラムは第1筒目だけとした)のミニカラム(径22mm×高さ300mm)に充填して、CF4流入濃度:1.0%、ガス流量:410ml/min、処理温度:750℃で3時間、通ガスした後の除去率を求めた。結果を表3に示す。なお、表中、試料No.とは図3に示す採取した層の位置を示す。また、試料No.0は、未焼成のAl(OH)3とCa(OH)2との混合物を意味する。
Figure 2009034662
表3より、採取位置によって水分含有量及びXRD分析結果に差異が見られ、均一な焼成が行われていないことがわかる。特に中段層〜下段層から採取した焼成体のCF4除去率が非常に低くなっている。これは、750℃以上の高温条件下で焼成を行う際に発生する水分が混合物の周囲に滞留して高温多湿条件を創製し、水熱合成反応が生じ、結晶化を促進させ、活性を低下させたものと考えられる。
また、CF4除去後の試料についてXRD分析を行った。XRD分析チャートの例を図9に示す。図8のXRD分析チャートと比較すると、Ca(OH)2が消失し、代わりにCaF2のピークが観察される。
[CF4処理試験]
図4に示す構成のガス処理システムを用いて、750℃で1.5時間焼成した本発明のPFC分解処理剤(フッ素固定剤)の性能を調べた。外周にセラミックス製管状炉を取り付けたSUS製ミニカラム(径22mm×高さ300mm)2本を直列に接続させて、各ミニカラムに本発明のPFC分解処理剤49mlを充てんし、PFC分解処理剤層が750℃で安定したところでCF4流入濃度:1.0%、ガス流量:410ml/minでCF4の通ガスを開始した。性能の比較は、ミニカラムの2筒目の出口でCF4除去率が95%を下回るまでの処理時間を計測し、処理時間が長いほど性能が良好であると判断した。表4には、平均粒子径120μmのAl(OH)3を用いた場合のAl(OH)3対Ca(OH)2のモル比を変数として性能を比較した結果を示す。
Figure 2009034662
表4より、同じ平均粒子径であれば、Al(OH)3:Ca(OH)2のモル比が、3:7〜5:5の範囲で良好な処理性能を示し、3:7の時に処理性能が最大となることがわかる。
次に、図4に示すガス処理システムを用いて、同じ処理条件にて、Al(OH)3:Ca(OH)2のモル比を3:7として750℃で1.5時間焼成した場合のAl(OH)3の平均粒子径とCF4処理性能との関係を調べた。その際に、Ca(OH)2は平均粒子径(メディアン径)5μmのもの用いた。結果を表5に示す。
Figure 2009034662
表5より、Al(OH)の平均粒子径が大きいほど、処理性能が向上する傾向が認められた。
上述の各試験例の結果から、性能上はAl(OH)3:Ca(OH)2のモル比が3:7でAl(OH)3の平均粒子径が120μmである場合に最も高いCF4処理性能が得られることがわかる。しかし、工業ベースでこの組成を用いて量産すると、粉末品の回収率が悪く、コスト高になるため、同じモル比で平均粒子径を90μmにして製品化を図った。この組成で同じ条件で性能評価したところ、CF4除去率が95%時の処理時間は34.8時間となり、最適組成と比較して大きな差がないことを確認した。さらに、Al(OH)3を篩いにかけずに使用した場合には、平均粒子径が55μmであったが、CF4除去率が95%時の処理時間は31.2時間であることが確認できた。この処理時間は、Al(OH)3を篩いにかけて得られる平均粒子径60μmの処理時間31.5時間と差がない。CF4除去率が95%時の処理時間は30時間以上であれば実用に耐えることから、製造コスト(篩い分け)と性能とのバランスを考慮すれば、Al(OH)3は平均粒子径55μm以上でよいことになる。
また、CF4除去試験後のフッ素固定剤についてXRD分析を行った。XRDチャートを図10に示す。CaOのピークの他に、CaF2のピークが観察され、フッ素固定剤にFが固定されたことがわかる。
本発明のフッ素固定剤は、非晶質Al2O3とCaOとの複合酸化物であると考えられる。比較のため、市販のα型結晶質Al2O3(粒径20μmの粉末)とCaO(粉末)とのモル比3:7の単純混合物を圧縮成型して1〜4mmの粉砕品を調製し、図4に示すガス処理システム(ただし、ミニカラムは第1筒目だけとした)でCF4処理を行った。ガス処理システムのミニカラムに単純混合物49mlを充填し、650℃で安定したところでCF4流入濃度:1.0%、ガス流量:410ml/minでCF4の通ガスを開始し、処理時間によるCF4除去率の変化をみた。本発明のフッ素固定剤(試料No.1−3)を用いて650℃の処理温度で行った場合のCF4除去率と合わせて表6に示す。
Figure 2009034662
表6に示す結果から明らかなように、α−Al2O3とCaOの単純混合物では、本発明のフッ素固定剤とくらべて、活性が低いだけでなく、処理開始後短時間で実用に耐えない程度に性能が劣化してしまう。
実施例1で調製したフッ素固定剤(試料No.1−3)100Lを実機反応槽(直径350mm×高さ850mm、外部ヒーター及び内部ヒーター装備)に充填し、窒素ガス50L/minを流し込みながら750℃まで8時間かけて昇温し、フィールド評価を行った。実機反応槽で処理する実排ガスは、PFC(CF4、C2F4、C2F6、C3F6、C3F8、C4F8、CHF3、CH3F2、NF3)と酸性ガス(COF2、SiF4、F2、HF)とCO、CH4、N2O、H2を含んでいた。フィールド評価は、実排ガス流量150L/min、パージ用空気10L/minを導入し、反応槽内を750℃に制御して、PFC除去率が86〜88%になった時点で処理を終了し、処理終了時点でのフッ素固定剤のF吸着量を測定して行った。対照として、実機反応槽にAl(OH)3及びCa(OH)2を焼成せずにそのまま充填し、窒素ガス50L/minを流し込みながら300℃で8時間、ついで500℃で8時間、さらに750℃で8時間かけて昇温し、同様にフィールド評価を行った。結果を表7に示す。
Figure 2009034662
対照混合物の処理後のカラムからは、水がでてきた。
表7より、本発明のフッ素固定剤は、未焼成の対照混合物と異なり実排ガス処理中に水分を発生せず、F吸着量(CF処理量)で約2倍強の処理量を行うことができたことがわかる。
PFCの分解作用に対するNaの影響を調べた。
Na含有量とCF4処理性能の関係を求めるため、PFC分解処理剤を次の条件で焼成し、Na含有量の異なる処理剤を調製した。表8に、Na含有量の異なるPFC分解処理剤による処理能力の比較を示す。PFC分解処理剤は、Al(OH)3の平均粒子径90μm、Ca(OH)2の平均粒子径5μmを、Al(OH)3とCa(OH)2との配合比率3対7として混合し、ミニカラム(径22 mm×高さ300mm)に充てんし、これをセラミックス製管状炉に装着し、N2 410 mL/minを送気しながら、600℃で5 時間焼成した。これらPFC分解処理剤の各49 mLを図4に示すガス処理システム(ただし、ミニカラムは1筒目だけとした)のミニカラムに充てんし、CF4 流入濃度:1.0%,ガス流量:410 mL/min、処理温度:750℃で3〜4時間通ガスした後に、窒素のみで410mL/min、750℃で加熱し、再度CF4流入濃度:1.0%、ガス流量:410 mL/min、処理温度:750℃で、CF4除去率が95%に低下するまでの処理時間を求めた。Na含有量が少ないほど処理時間が長くなる傾向があり、Na含有量とCF4処理性能の間に相関がみられた。
Figure 2009034662
処理耐用時間は長い方が好ましいため、焼成品のNa含有量は、好ましくは0.03wt%以下、より好ましくは0.01wt%以下である。
このような処理剤を得るために、原料として、0.03wt%以下、好ましくは0.01wt%以下Naを含むAl(OH)3と、0.03wt%以下、好ましくは0.01wt%以下のNaを含むCa(OH)2を用いるとよい。
図1は、本発明のPFC分解処理剤を調製するために使用する焼成装置の概略図である。 図2は、本発明のPFC分解処理剤を調製するために使用する別の態様での焼成装置の概略図である。 図3は、比較例1で用いたガス処理装置における試料の採取箇所を示す模式図である。 図4は、CF4処理システムを示す概略図である。 図5は、本発明のフッ素固定剤のXRD分析データである。 図6は、XRD分析による結晶性Al2O3のライブラリーピークデータである。 図7は、フッ素固定剤のフッ素固定を示すXRD分析データである。 図8は、比較例1で用いた対照系のXRD分析データである。 図9は、CF4通ガス後の比較例1で用いた対照系のXRD分析データである。 図10は、CF4通ガス後の本発明のフッ素固定剤のXRD分析データである。 図11は、本発明のフッ素固定剤の製造に使用するロータリーキルンの概略図を示す。

Claims (21)

  1. 平均粒子径(メディアン径)60μm以上160μm以下のAl(OH)3と、Ca(OH)2とのモル比が3:7〜5:5である混合物を430℃よりも高く890℃以下の温度範囲で、窒素流又は空気流中で焼成することを特徴とするフッ素固定剤の調製方法。
  2. 平均粒子径(メディアン径)55μm以上160μm以下のAl(OH)3と、Ca(OH)2とのモル比が3:7〜5:5である混合物を430℃よりも高く890℃以下の温度範囲で、窒素流又は空気流中で焼成することを特徴とするフッ素固定剤の調製方法。
  3. 前記混合物を、燃料の燃焼により発生するCO2と直接接触しない状態で焼成する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記混合物を、ロータリーキルンを用いて、滞留時間1時間〜2時間、焼成温度600〜640℃で焼成する、請求項3に記載の方法。
  5. 平均粒子径(メディアン径)60μm以上160μm以下のAl(OH)3と、Ca(OH)2とのモル比が3:7〜5:5である混合物を430℃よりも高く890℃以下の温度範囲で、窒素流又は空気流中で焼成して得られることを特徴とするフッ素固定剤。
  6. 平均粒子径(メディアン径)55μm以上160μm以下のAl(OH)3と、Ca(OH)2とのモル比が3:7〜5:5である混合物を430℃よりも高く890℃以下の温度範囲で、窒素流又は空気流中で焼成して得られることを特徴とするフッ素固定剤。
  7. 前記焼成されたフッ素固定剤は、水含有量が5wt%よりも低い、請求項5又は6に記載のフッ素固定剤。
  8. 前記焼成されたフッ素固定剤は、非晶質アルミナを一部に含むAl2O3と、CaOとの複合酸化物である、請求項5〜7のいずれかに記載のフッ素固定剤。
  9. 前記焼成されたフッ素固定剤は、Na含有量が0.03wt%以下であることを特徴とする請求項5〜8に記載のフッ素固定剤。
  10. さらにZrO2、Laから選択される耐熱性向上剤を含む、請求項5〜9のいずれかに記載のフッ素固定剤。
  11. さらにPd、Pt、Rh、Ruから選択される酸化力向上助剤を含む、請求項5〜10のいずれかに記載のフッ素固定剤。
  12. 請求項5〜11のいずれかに記載のフッ素固定剤と、フッ素含有化合物を含む被処理ガスとを接触させることを特徴とする、フッ素固定方法。
  13. 請求項5〜11のいずれかに記載のフッ素固定剤と、フッ素含有化合物を含む被処理ガスとを550℃〜850℃の温度で接触させる、請求項12に記載の方法。
  14. 前記フッ素含有化合物を含む被処理ガスはPFC(パーフルオロカーボン)含有ガスである、請求項12又は13に記載の方法。
  15. 平均粒子径(メディアン径)60μm以上160μm以下のAl(OH)3と、Ca(OH)2とのモル比が3:7〜5:5である混合物を430℃よりも高く890℃以下の温度範囲で、窒素流又は空気流中で焼成することを特徴とするPFC(パーフルオロカーボン)分解処理剤の調製方法。
  16. 平均粒子径(メディアン径)55μm以上160μm以下のAl(OH)3と、Ca(OH)2とのモル比が3:7〜5:5である混合物を430℃よりも高く890℃以下の温度範囲で、窒素流又は空気流中で焼成することを特徴とするPFC(パーフルオロカーボン)分解処理剤の調製方法。
  17. 燃料の燃焼により発生するCO2と直接接触しない状態で焼成する、請求項15又は16に記載の方法。
  18. ロータリーキルンを用いて、滞留時間1時間〜2時間、焼成温度600〜640℃で焼成する、請求項17に記載の方法。
  19. 平均粒子径(メディアン径)60μm以上160μm以下のAl(OH)3と、Ca(OH)2とのモル比が3:7〜5:5である混合物を430℃よりも高く890℃以下の温度範囲で、窒素流又は空気流中で焼成して得られることを特徴とするPFC(パーフルオロカーボン)分解処理剤。
  20. 平均粒子径(メディアン径)55μm以上160μm以下のAl(OH)3と、Ca(OH)2とのモル比が3:7〜5:5である混合物を430℃よりも高く890℃以下の温度範囲で、窒素流又は空気流中で焼成して得られることを特徴とするPFC(パーフルオロカーボン)分解処理剤。
  21. 請求項19又は20に記載のPFC(パーフルオロカーボン)分解処理剤と、フッ素含有化合物を含む被処理ガスとを接触させることを特徴とする、フッ素含有化合物を含む被処理ガスの処理方法。
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