JP2009033780A - A/d変換回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】A/D変換を高精度に行うことができるA/D変換回路を提供する。
【解決手段】A/D変換回路51は、パイプライン接続構成の8ビットA/D変換回路であり、基本ユニット52a〜52dが直列に4段、サンプルホールド回路53a〜53d及びスイッチSW53a〜53dを介して接続されている。すなわち、1段目の基本ユニット52aの出力端子A〜Dはそれぞれサンプルホールド回路53a〜53dとスイッチSW53a〜53dとの直列回路を介して2段目の基本ユニット52bの入力端子INに接続されている。
【選択図】図26

Description

本発明は、半導体集積回路(LSI)においてデジタル信号とアナログ信号とを結ぶインターフェース回路として用いられるA/D変換回路に関するものである。
近年、LSIは、そのシステム化が進み、複数チップで実現していたアナログ回路やデジタル回路を1チップに集約したシステムLSIとして開発されている。そのLSIでは、デジタル信号とアナログ信号とを結ぶインターフェース回路としてA/D変換回路やD/A変換回路が設けられている。システムLSIでは、動作速度の高速化や制御の高精度化が求められてきており、それに用いられるインターフェース回路(A/D変換回路やD/A変換回路)においても、デジタル信号とアナログ信号との間の信号変換を高速に処理したり高精度に処理したりする技術が要求されている。
図45は、従来のD/A変換回路1を示す回路図である。D/A変換回路1は、抵抗ストリング式の4ビットD/A変換回路であり、高電位電源VRHと低電位電源VRLとの間には同一抵抗値の複数(16個)の抵抗素子R0〜R15が直列に接続されている。それら抵抗素子R0〜R15の接続点には、各接続点の分圧電圧(V0〜V15)を選択的に出力するためのスイッチSW0〜SW15が接続されている。該各スイッチSW0〜SW15の出力は出力端子OUTに接続されている。
このD/A変換回路1では、入力信号(4ビットのデジタル信号)に応じて、各スイッチSW0〜SW15のうちのいずれか1つがオン(他のスイッチはオフ)に制御され、オンしたスイッチを介して所定の分圧電圧が出力端子OUTから出力される。
D/A変換回路1において、各スイッチSW0〜SW15はMOSトランジスタからなるアナログスイッチが用いられている。それらスイッチSW0〜SW15を入力信号に応じて切り替えるとき、抵抗ストリング部(各抵抗素子の接続点)から各スイッチSW0〜SW15の寄生容量C0〜C15に電荷を供給して、切り替えに伴う出力電圧の変動を安定(収束)させる必要がある。
従来のD/A変換回路1では、全てのスイッチSW0〜SW15が出力端子OUTに接続されているため、電荷の移動量は各スイッチSW0〜SW15の寄生容量C0〜C15の総和になる。従って、出力端子OUTからみた寄生容量(各容量C0〜C15の総和)が大きいため、寄生容量C0〜C15の充電時間がかかり、変換スピードが遅くなるといった問題が生じてしまう。
上記のような抵抗ストリング式のD/A変換回路において、変換スピードを向上させるために出力端子OUTからみた寄生容量を削減する技術が特許文献1に開示されている。図46には、その特許文献1における3ビットD/A変換回路2を示している。このD/A変換回路2では、複数段(3段)のツリー構造となるように各スイッチSW0〜SW13が設けられている。このD/A変換回路2では、出力端子OUTからみた各スイッチSW0〜SW13の寄生容量を低減することができ、変換スピードが向上される。なお、図46のD/A変換回路2のように、複数段のツリー状にスイッチW0〜SW13を設けたD/A変換回路が特許文献2や特許文献3等にも開示されている。
図47は、従来の直並列型A/D変換回路3を示す回路図であり、図48は、その動作を示す説明図である。
A/D変換回路3は、2ビットの直並列型A/Dコンバータであり、複数のコンパレータCMP1,CMP2,CMP3を用い、上位ビットと下位ビットとに分けて順番にA/D変換を行う。A/D変換回路3において、高電位電源VRHと低電位電源VRLとの間には同一抵抗値の4つの抵抗素子R21〜R24が直列に接続されている。各コンパレータCMP1,CMP2,CMP3は、入力電圧VINを取り込み、その入力電圧VINと抵抗素子列により分圧された基準電圧V21,V22,V23との比較を行い、その比較の結果に応じたデジタル信号D0,D1を出力する。
詳述すると、抵抗素子R21,R22間には基準電圧V21を伝達するための第1のスイッチSW21が接続され、抵抗素子R23,R24間には基準電位V3を伝達するための第2のスイッチSW22が接続される。各スイッチSW21,SW22の出力は互いに接続され、その接続点は、第3のスイッチSW23を介してコンパレータCMP2に接続されるとともに、第4のスイッチSW24を介してコンパレータCMP3に接続されている。各スイッチSW21〜SW24の接続点は、容量C20を介して低電位電源VRLに接続されている。また、コンパレータCMP2の出力端子には第5のスイッチSW25が接続され、コンパレータCMP3の出力端子には第6のスイッチSW26が接続されている。
コンパレータCMP1は、入力電圧VINを取り込み、その入力電圧VINを抵抗素子R22,R23間の基準電圧V22と比較して、上位ビットの信号D1を出力する。コンパレータCMP2,CMP3は、入力電圧VINを取り込み、その入力電圧VINを抵抗素子R21,R22間の基準電圧V21又は抵抗素子R22,R23間の基準電圧V23と比較して、下位ビットの信号D0を出力する。
第1のスイッチSW21と第2のスイッチSW22とは、コンパレータCMP1の出力信号D1に基づいて動作する第1選択回路4によって相補的にオン・オフされる。また、第3のスイッチSW23,SW25と第4のスイッチSW24,SW26とは、外部クロックCLKに基づいて動作する第2選択回路5によって相補的にオン・オフされる。
図49には第1選択回路4の回路図を示し、図50には第2選択回路5とコンパレータCMP1の回路図を示す。
図49に示すように、第1選択回路4は、直列に接続された2つのインバータ回路4a,4bからなり、インバータ回路4aの入力端子にコンパレータCMP1の出力信号D1が入力されている。そして、インバータ回路4aの出力信号が第1のスイッチSW21へ供給され、インバータ回路4bの出力信号が第2のスイッチSW22へ供給される。
ここで、入力電圧VINが基準電圧V22よりも高い場合、コンパレータCMP1の出力信号D1はHレベルとなる。この場合、第1選択回路4のインバータ回路4aから第1のスイッチSW21にLレベルの信号が供給され、インバータ回路4bから第2のスイッチSW22にHレベルの信号が供給される。そのため、第1のスイッチSW21はオフされ、第2のスイッチSW22はオンされ、スイッチSW22を介して基準電圧V23がコンパレータCMP2又はコンパレータCMP3に入力される。逆に、入力電圧VINが基準電圧V22よりも低い場合、コンパレータCMP1の出力信号D1はLレベルとなる。この場合、第1選択回路4のインバータ回路4aから第1のスイッチSW21にHレベルの信号が供給され、インバータ回路4bから第2のスイッチSW22にLレベルの信号が供給される。そのため、第1のスイッチSW21はオンされ、第2のスイッチSW22はオフされ、スイッチSW21を介して基準電圧V21がコンパレータCMP2又はコンパレータCMP3に入力される。
図50に示すように、コンパレータCMP1は、インバータ回路7と容量C21とスイッチSWA,SWB,SWCとで構成されたチョッパ型コンパレータである。コンパレータCMP1において、容量C21の第1電極は、スイッチSWAを介して第1の入力端子IN1に接続されるとともに、スイッチSWBを介して第2の入力端子IN2に接続される。また、容量C21の第2電極は、インバータ回路7を介して出力端子OUT1に接続され、インバータ回路7の入力端子と出力端子はスイッチSWCを介して接続されている。
コンパレータCMP1は、第2選択回路5を介して供給されるクロックCLKに基づいて、入力電圧VINの取り込み動作と、該入力電圧VINと基準電圧V22の比較動作とを繰り返し実施する。
コンパレータCMP1が入力電圧VINを取り込む場合、スイッチSWAがオンされ、スイッチSWBがオフされ、スイッチSWCがオンされる。このとき、容量C21は、スイッチSWAを介して印加される入力電圧VINによって充電される。また、スイッチSWCがオンされるため、インバータ回路7の入出力端子が短絡され、インバータ回路7の入出力電圧はしきい値電圧にリセットされる。
その後、コンパレータCMP1が入力電圧VINと基準電圧V22とを比較する場合、スイッチSWAがオフされ、スイッチSWBがオンされ、スイッチSWCがオフされる。このとき、基準電圧V22がスイッチSWBを介して容量C21に入力される。そして、その基準電圧V22よりも前記入力電圧VINが高い場合(VIN>V22)、容量C21を介してインバータ回路7に入力される電圧がしきい値電圧よりも低くなり、インバータ回路7から出力される出力信号はHレベルとなる。逆に、基準電圧V22よりも入力電圧VINが低い場合(VIN<V22)、容量C21を介してインバータ回路7に入力される電圧がしきい値電圧よりも高くなり、インバータ回路7から出力される出力信号はLレベルとなる。
図示しないが、他のコンパレータCMP2,CMP3も図50のコンパレータCMP1と同様の回路構成であり、クロックCLKに基づいて動作する。
第2選択回路5は、複数のインバータ回路5a〜5cとD型のフリップフロップ回路(D−FF)5dとを備える。フリップフロップ回路5dのクロック端子CKにはインバータ回路5aを介してクロックCLKの反転信号が入力され、フリップフロップ回路5dの入力端子Dと反転出力端子XQとが接続されている。このフリップフロップ回路5dの出力端子Qから出力される出力信号は、スイッチSW23及びスイッチSW25に供給されるとともに、インバータ回路5cを介して反転されてスイッチSW24及びスイッチSW26に供給される。従って、クロックCLKの1周期毎に、フリップフロップ回路5dの出力信号は、HレベルとLレベルとで交互に変化される。
そして、フリップフロップ回路5dの出力信号がHレベルである場合、スイッチSW23,SW25がオンされスイッチSW24,SW26がオフされる。そして、コンパレータCMP2における電圧比較の結果に応じた出力信号D0がスイッチSW25を介して出力される。一方、フリップフロップ回路5dの出力信号がLレベルである場合、スイッチSW23,SW25がオフされスイッチSW24,SW26がオンされる。そして、コンパレータCMP3における電圧比較の結果に応じた出力信号D0がスイッチSW26を介して出力される。
次に、A/D変換回路3の動作を説明する。
図48に示すように、コンパレータCMP1は、クロックCLKに同期して、入力電圧VINの取り込み動作と電圧VIN,V22の比較動作とを繰り返し実施している。このコンパレータCMP1での取り込みと比較とを1期間として、第3のスイッチSW23(第5のスイッチSW5)と第4のスイッチSW24(第6のスイッチSW26)とのオン・オフが切り替えられる。
具体的には、時刻t1〜t3の期間では、第3のスイッチSW23(第5のスイッチSW5)がオフであり、第4のスイッチSW24(第6のスイッチSW26)がオンである。また、時刻t3〜t5の期間では、第3のスイッチSW23(第5のスイッチSW5)がオンであり、第4のスイッチSW24(第6のスイッチSW26)がオフである。さらに、時刻t5〜t7の期間では、第3のスイッチSW23(第5のスイッチSW5)がオフであり、第4のスイッチSW24(第6のスイッチSW26)がオンである。
時刻t1〜t2の区間において、コンパレータCMP1とコンパレータCMP2は、高電位電源VRHと等しい電圧値の入力電圧VINを取り込む。続く時刻t2〜t3の区間において、コンパレータCMP1は、その入力電圧VINと基準電圧V22とを比較し、Hレベルの信号D1を出力する。また、時刻t2〜t3の区間において、コンパレータCMP2は、前区間(t1〜t2)で取り込んだ入力電圧VINを保持する。
時刻t3では、コンパレータCMP1から出力されるHレベルの出力信号D1により、第1のスイッチSW21がオフされ第2のスイッチSW22がオンされる。そのため、時刻t3〜t5の区間では、基準電圧V23が第2のスイッチSW22及び第3のスイッチSW23を介してコンパレータCMP2に入力される。このとき、コンパレータCMP2は入力電圧VINと基準電圧V23とを比較してHレベルの信号D0を第5のスイッチSW25を介して出力する。
また、時刻t3〜t4の区間では、コンパレータCMP1とコンパレータCMP3とが入力電圧VINを取り込む。時刻t4〜t5の期間において、コンパレータCMP1は、その入力電圧VINと基準電圧V22とを比較し、Hレベルの信号D1を出力する。このとき、コンパレータCMP3は、前区間(t3〜t4)で取り込んだ入力電圧VINを保持する。
時刻t5では、コンパレータCMP1から出力されるHレベルの出力信号D1により、第1のスイッチSW21がオフされ第2のスイッチSW22がオンされている。そのため、時刻t5〜t7の区間では、基準電圧V23が第2のスイッチSW22及び第4のスイッチSW24を介してコンパレータCMP3に入力される。そして、コンパレータCMP3は入力電圧VINと基準電圧V23とを比較してHレベルの信号D0を第6のスイッチSW26を介して出力する。
このように、A/D変換回路3は、上記動作を繰り返し行うことで、連続したアナログ信号(入力電圧VIN)を2ビットのデジタル信号D0,D1に変換する。
また、A/D変換回路には、カレントミラー回路を用いた階層的なツリー構造によって入力電流を分散させてデジタル信号の出力を行うものが提案されている(例えば、特許文献4参照)。図51には、そのA/D変換回路8の回路図を示している。
A/D変換回路8の動作について説明する。先ず、アナログの入力電圧Vinをコンバータ8aによって電圧/電流変換し、変換したアナログ電流Iinを最初の電流加減算回路9に伝達する。次に、最初の電流加減算回路9の出力電流を2系統の電流加減算回路9に伝える。このとき、2系統に伝達される電流値は互いに等しい値である。電流を伝達された2つの電流加減算回路9a,9bは、各々異なる電流値を加減算する。前記2系統の電流加減算回路9a,9bで加減算処理が施された電流(各電流加減算回路9a,9bの出力電流)は、各々次の2系統の電流加減算回路9aa,9ab、9ba,9bbに伝達され、加減算処理が施される。このような加減算処理が順次繰り返されて、最終段の電流加減算回路の出力がコンパレータH1〜H16によってLo/Hi判定される。それらコンパレータH1〜H16の出力がエンコード回路10においてデジタルコードに変換され、該デジタルコードが出力される。
図52は、図51のA/D変換回路8の概念図である。図52において、分岐点の下部に記載されている数値が、その分岐点で加減算する電流値である。
特開平9−83369号公報 特開平3−206729号公報 特開昭55−60333号公報 特開平7−202698号公報
ところで、図46のD/A変換回路2において、各スイッチを複数段(3段)のツリー状に接続することで、出力端子OUTに接続される各スイッチの寄生容量が低減される。しかし、入力信号に応じて各段のスイッチが切り替えられ、その切り替えに伴い該各スイッチの寄生容量には出力電圧に応じた電荷の移動が生じるため、変換時間の短縮が困難となっている。
また、図47のA/D変換回路3では、上位ビットを変換するコンパレータCMP1の動作を休ませることなく、変換のロスタイムの発生が回避される。しかし、下位ビットを変換するために2つのコンパレータCMP2,CMP3が必要となるため、消費電力の増大を招くと行った問題が生じてしまう。
さらに、図51のA/D変換回路8では、電流の伝達先である2つの電流加減算回路9a,9b等にてそれぞれ異なる電流値を加減算処理する必要がある。そのため、A/D変換回路8のように多ビットの構成である場合には、同一構成の回路ブロックを繰り返し配設することができず、回路の複雑化や電流加減算回路間の相対精度の誤差を招くことになり、A/D変換の精度を低下させる要因となっている。
そして、上記のD/A変換回路1,2やA/D変換回路3をインターフェース回路として半導体集積回路(LSI)に組み込む場合には、そのLSIの動作速度の高速化、低電力化及び高精度化等が問題となってしまう。
本発明の目的は、A/D変換を高精度に行うことができるA/D変換回路を提供することにある。
本発明の第1の態様において、A/D変換回路が提供される。A/D変換回路は、パイプライン接続され、NビットのA/D変換結果を出力する複数の単位回路を含む。複数の単位回路の各々は、アナログ入力電流を入力する入力端子と、アナログ入力電流に応じた電流を複数の電流経路に伝達する電流伝達回路と、複数の電流経路に接続され、アナログ入力電流の振幅範囲について変換ビット数(N)に応じて均等分割された電流を供給する複数の定電流源と、複数の定電流源と電流伝達回路との間に接続され、該各定電流源から供給される電流から電流経路に伝達された電流を減算することにより得られた電流を出力する複数の電流出力端子と、減算により得られた電流に応じた出力信号をエンコードし、アナログ入力電流に応じたデジタル信号を生成するエンコード回路と、前段の単位回路の複数の電流出力端子と次段の単位回路の入力端子との間に接続されたサンプルホールド回路とを含む。
また、前記前段の単位回路におけるA/D変換結果に基づいて、次段の単位回路の入力端子に接続される前段の単位回路の電流出力端子を選択する選択回路を備えるようにしてもよい。
また、前記次段の単位回路の各定電流源から供給される電流は、前段の単位回路における各定電流源から供給される電流と実質的に同一であり、前記次段の単位回路の前記電流伝達回路は、前段の単位回路から供給される入力電流に対し前記Nビットに応じた値を乗算することにより得られた電流を伝達するようにしてもよい。
また、前記電流伝達回路及び複数の定電流源は電流減算回路を形成し、当該電流減算回路は、前記エンコード回路に接続される第1の減算回路と、前記電流出力端子に接続される第2の減算回路とを含むようにしてもよい。
また、前記エンコード回路は、前記各定電流源から供給される電流と前記電流経路に伝達された電流との電流減算結果をエンコードするために使用されるエンコード用のコンパレータを含み、前記単位回路は、エンコードのエラーを判定するために使用されるエラー判定用のコンパレータを含むようにしてもよい。
また、複数の単位回路に接続され、各単位回路のエンコード回路からデジタル信号を受け取り、前記エラー判定用のコンパレータの出力信号に基づいて、前記各デジタル信号に基づくA/D変換結果を訂正するエラー訂正回路を備えることを特徴とするA/D変換回路。
また、前記エラー訂正回路は、前段の単位回路のエラー判定用のコンパレータの出力信号を後段の単位回路がデジタル信号の出力する前に受け取り、そのエラー判定用のコンパレータの出力に基づいてA/D変換結果を訂正するようにしてもよい。
また、前記エラー訂正回路は、最後段の単位回路がデジタル信号を出力する前に、該最後段の単位回路よりも前段の各単位回路のエラー判定用のコンパレータの出力信号を受け取り、該各エラー判定用のコンパレータの出力信号に基づいてA/D変換結果を訂正するようにしてもよい。
また、前記エラー判定用のコンパレータは、前記エンコード用のコンパレータよりも遅い動作速度を有し、かつ高い変換精度を有するようにしてもよい。
また、前記エラー判定用のコンパレータは、電流減算回路から単一方向に供給される電流にのみ反応して動作するようにしてもよい。
また、前記各単位回路は、前記アナログ入力電流が前記均等分割された電流範囲においていずれの位置の電流であるかを識別する入力電流識別回路を含むようにしてもよい。
また、前記複数の定電流源と前記電流伝達回路は第1の電流減算回路を形成し、前記入力電流識別回路は、前記アナログ入力電流に応じた電流を複数の電流経路に伝達する別の電流伝達回路と、該別の電流伝達回路の各電流経路に接続され、前記複数の定電流源とは異なる電流を複数の電流経路に供給する別の複数の定電流源とを含む第2の電流減算回路を備えるようにしてもよい。
また、前記別の複数の定電流源における各電流の設定値は、前記アナログ入力電流の振幅範囲に対応して設定された前記複数の定電流源の設定値を細分化すべく設定されるようにしてもよい。
また、各単位回路は、前記アナログ入力電流の振幅範囲外の最大電流に分割電流を加算することにより得られた電流を供給する定電流源と、前記電流伝達回路とから形成される電流減算回路と、該電流減算回路にて得られた電流を出力する電流出力端子とを含むようにしてもよい。
また、前記入力電流識別回路は、前記第1の電流減算回路の出力信号と第2の電流減算回路の出力信号とに基づいて、各出力信号のレベルの差に応じた識別信号を生成する論理回路を含むようにしてもよい。
また、次段の単位回路へ出力電流を供給する前段の単位回路の前記複数の電流出力端子のうちの一つを前記識別信号のレベルに応じて切り替える選択回路を備えるようにしてもよい。
また、前記選択回路は、前記次段の単位回路への出力電流が周辺回路のノイズレベルよりも大きくなるように、前段の単位回路の複数の電流出力端子のうちの一つを選択するようにしてもよい。
また、前記次段の単位回路は、前段の単位回路から出力される前記識別信号を受け取り、前記次段の単位回路は、前記識別信号のレベルに応じて、前記複数の定電流源及び前記別の複数の定電流源の電流を調整する電流調整回路を含むようにしてもよい。
また、前記選択回路が前記識別信号に応じて電流出力端子を切り替えたとき、前記電流調整回路は、次段の単位回路の出力電流が変化するのを防止すべく電流出力端子の切り替えに伴う電流変化分を相殺するようにしてもよい。
開示のA/D変換回路によれば、A/D変換を高精度に行うことができるという効果を奏する。
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図面に従って説明する。
図1には、半導体集積回路(LSI)11の概略構成図を示す。
LSI11は大別して、デジタル信号を扱うデジタル部12と、アナログ信号を扱うアナログ部13と、デジタル部12とアナログ部13との間に設けられるインターフェース部14とを含む。
デジタル部12には、CPU15やメモリ16を含む周知の論理演算回路が設けられている。アナログ部13には、アクチュエータに駆動信号を出力するためのドライバ回路17や、そのアクチュエータの動作状態を検出するセンサからのセンサ信号を処理する検出回路18が設けられている。
インターフェース部14には、デジタル信号をアナログ信号に変換するD/A変換回路21とアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路22とが設けられている。D/A変換回路21は、CPU15から入力されるデジタル信号をアナログ信号に変換し、該アナログ信号をドライバ回路17に出力する。ドライバ回路17は、そのアナログ信号を増幅した駆動信号を出力することでアクチュエータを駆動する。A/D変換回路22は、検出回路18から入力されるアナログ信号(検出信号)をデジタル信号に変換し、該デジタル信号をCPU15に出力する。
また、CPU15は、メモリ16に格納されたプログラムに従って各種制御を実行し、A/D変換回路22からのデジタル信号に基づいてアクチュエータの動作状態を判断したり、アクチュエータを駆動するためにD/A変換回路21に入力するデジタル信号を調整したりする。
図2は、第1実施形態のD/A変換回路21を示す回路図であり、図3は、D/A変換回路21の各スイッチを制御する制御回路23を示す回路図である。
図2に示すように、D/A変換回路21は、抵抗ストリング式の4ビットD/A変換回路であり、高電位電源VRHと低電位電源VRLとの間に複数(4ビットの場合、16個)の抵抗素子R0〜R15が直列に接続されている。それら抵抗素子R0〜R15の接続点には、各接続点の電圧(V0〜V15)を選択的に出力するための第1のスイッチ群(スイッチSW0〜SW15)が接続されている。第1のスイッチ群の各スイッチSW0〜SW15は、隣接する4個毎にその出力が共通に接続され、その接続点(ノード)N0〜N3が第2のスイッチ群(スイッチSWA1〜SWD1)を介して出力端子OUTに接続されている。
詳しくは、スイッチSW0〜SW3がノードN0に接続され、そのノードN0がスイッチSWA1を介して出力端子OUTに接続される。スイッチSW4〜SW7がノードN1に接続され、そのノードN1がスイッチSWB1を介して出力端子OUTに接続される。スイッチSW8〜SW11がノードN2に接続され、そのノードN2がスイッチSWC1を介して出力端子OUTに接続される。スイッチSW12〜SW15がノードN3に接続され、そのノードN3がスイッチSWD1を介して出力端子OUTに接続される。
また、ノードN0はスイッチSWA2を介して抵抗素子R0と抵抗素子R1との接続点(電圧V1を出力する接続点)に接続されている。つまり、スイッチSWA2はスイッチSW1と並列接続となるよう該スイッチSW1の両端に接続されている。同様に、ノードN1はスイッチSWB2を介して抵抗素子R4と抵抗素子R5との接続点(電圧V5を出力する接続点)に接続され、ノードN2はスイッチSWC2を介して抵抗素子R8と抵抗素子R9との接続点(電圧V9を出力する接続点)に接続されている。さらに、ノードN3はスイッチSWD2を介して抵抗素子R12と抵抗素子R13との接続点(電圧V13を出力する接続点)に接続されている。つまり、スイッチSWB2はスイッチSW5と並列に接続され、スイッチSWC2はスイッチSW9と並列に接続され、スイッチSWD2はスイッチSW13と並列に接続されている。これら各スイッチSWA2,SWB2,SWC2,SWD2が第3のスイッチ群を構成している。
図3に示すように、制御回路23は、複数のノア回路24a〜24eと複数のインバータ回路25a〜25eとを含み、入力信号である4ビットのデジタル信号D0〜D3に基づいて各スイッチを制御する。なお、図3には、スイッチSW0〜SW3とスイッチSWA1,SWA2とを制御するための回路部分のみを示しており、他のスイッチを制御するための回路も同様に、複数のノア回路及びインバータ回路で構成されている。
具体的には、第1のノア回路24aには、第1入力端子にデジタル信号D0が入力され、第2入力端子にデジタル信号D1が入力され、第3入力端子にデジタル信号D2が入力され、第4入力端子にデジタル信号D3が入力されている。そして、第1のノア回路24aの出力端子からスイッチSW0を制御するための制御信号が出力される。
第2のノア回路24bには、第1入力端子にインバータ回路25aを介してデジタル信号D0の反転信号が入力され、第2入力端子にデジタル信号D1が入力され、第3入力端子にデジタル信号D2が入力され、第4入力端子にデジタル信号D3が入力されている。そして、第2のノア回路24bの出力端子からスイッチSW1を制御するための制御信号が出力される。
第3のノア回路24cには、第1入力端子にデジタル信号D0が入力され、第2入力端子にインバータ回路25bを介してデジタル信号D1の反転信号が入力され、第3入力端子にデジタル信号D2が入力され、第4入力端子にデジタル信号D3が入力されている。そして、第3のノア回路24cの出力端子からスイッチSW2を制御するための制御信号が出力される。
第4のノア回路24dには、第1入力端子にインバータ回路25cを介してデジタル信号D0の反転信号が入力され、第2入力端子にインバータ回路25dを介してデジタル信号D1の反転信号が入力され、第3入力端子にデジタル信号D2が入力され、第4入力端子にデジタル信号D3が入力されている。そして、第4のノア回路24dの出力端子からスイッチSW3を制御するための制御信号が出力される。
また、第1のノア回路24aの出力信号は、第5のノア回路24eの第1入力端子に入力され、第2のノア回路24bの出力信号は、第5のノア回路24eの第2入力端子に入力されている。さらに、第3のノア回路24cの出力信号は、第5のノア回路24eの第3入力端子に入力され、第4のノア回路24dの出力信号は、第5のノア回路24eの第4入力端子に入力されている。そして、第5のノア回路24eの出力信号がインバータ回路25eを介して反転され、スイッチSWA1を制御するための制御信号として出力される。また、第5のノア回路24eの出力信号がスイッチSWA2を制御するための制御信号として出力される。
ここで、例えば、制御回路23に入力されるデジタル信号D0〜D3が全てLレベルである場合、第1のノア回路24aの出力信号がHレベルとなり、第2〜第4のノア回路24b〜24dの出力信号はLレベルとなる。また、第5のノア回路24eの出力信号はLレベルとなり、インバータ回路25eから出力される制御信号はHレベルになる。この場合、図4に示すように、スイッチSW0がオオンされ、スイッチSW1〜SW3はオフされる。さらに、スイッチSWA1がオンされ、スイッチSWA2はオフされる。つまり、デジタル信号D0〜D3が全てLレベルである場合には、抵抗素子R0と低電位電源VRLとの接続点の電圧V0(低電位電源VRLの電圧=0)が選択され、その電圧V0がスイッチSW0及びスイッチSWA1を介して出力端子OUTから出力される。
またこのとき、スイッチSW4〜SW15はオフされ、スイッチSWB1,SWC1,SWD1もオフされる。さらに、スイッチSWB2,SWC2,SWD2はオンされる。従って、ノードN1には抵抗素子R4,R5間の電圧V5がスイッチSWB2を介して供給され、ノードN1に接続している各スイッチSW4〜SW7,SWB1の寄生容量C4〜C7,CB11には電圧V5に応じた電荷が充電される。また、ノードN2には抵抗素子R8,R9間の電圧V9がスイッチSWC2を介して供給され、ノードN2に接続している各スイッチSW8〜SW11,SWC1の寄生容量C8〜C11,CC11には電圧V9に応じた電荷が充電される。さらに、ノードN3には抵抗素子R12,R13間の電圧V13がスイッチSWD2を介して供給され、ノードN3に接続している各スイッチSW12〜SW15,SWD1の寄生容量C12〜C15,CD11には電圧V13に応じた電荷が充電される。
なお、図4において、各寄生容量C0〜C15,CA11〜CD11,CA12〜CD12,CA2〜CD2について(x)で示される数値xは、それら容量に電圧V1が印加されたときの充電電荷を基準電荷(1)とし該基準電荷に対する充電電荷を示している。
このように、電圧V0を出力端子OUTから出力する場合、該出力端子OUTには、スイッチSW0〜SW3,SWA1,SWB1,SWC1,SWD1,SWA2の合計9個のスイッチが接続されている。従って、それら9個のスイッチの寄生容量が出力側から見える(出力端子OUTの出力電圧に影響を及ぼす)ことになる。
その後、抵抗素子R7,R8間の電圧V8を選択する場合、デジタル信号D0〜D3に応じた制御信号が制御回路23から各スイッチに出力され、図5に示すように、スイッチSW8がオンされ、スイッチSW0〜SW7,SW9〜SW15がオフされる。また、スイッチSWC1がオンされ、スイッチSWA1,SWB1,SWD1がオフされる。さらに、スイッチSWA2,SWB2,SWD2がオンされ、スイッチSWC2がオフされる。
つまり、第2のスイッチ群のうちのスイッチSWA1,SWB1,SWD1がオフに制御され、それらスイッチSWA1,SWB1,SWD1に接続される第3のスイッチ群のスイッチSWA2,SWB2,SWD2はオンに制御される。また、第2のスイッチ群のうちのスイッチSWC1がオンに制御され、そのスイッチSWC1に接続される第3のスイッチ群のスイッチSWC2はオフに制御される。
この場合、スイッチSW8及びスイッチSWC1がオンされることにより、抵抗素子R7,R8間の電圧V8がスイッチSW8及びスイッチSWC1を介して出力端子OUTに伝達され、その電圧V8が出力端子OUTから出力される。また、電圧V8を伝達するノードN2にはスイッチSW8〜SW11,SWC1,SWC2が接続されており、該各スイッチSW8〜SW11,SWC1,SWC2(寄生容量)に加わる電圧は、変換前(電圧V0の出力時)の電圧V9から電圧V8になる。そして、各スイッチSW8〜SW11,SWC1,SWC2の寄生容量には電圧V8に応じた電荷が充電される。従って、各スイッチSW8〜SW11,SWC1,SWC2の寄生容量には、電圧V9から電圧V8への電圧変化量(=V9−V8)に応じた電荷が移動することとなる。
次に、第1実施形態のD/A変換回路21の特徴を以下に記載する。
D/A変換回路21では、各スイッチSW0〜SW15,SWA1〜SWD1の接続を2段のツリー構造としたので、出力側からみた各スイッチの寄生容量が図45の従来のD/A変換回路1と比較して低減されるため、変換スピードを向上することができる。
また、D/A変換回路21では、各ノードN0〜N3に所定電圧を印加するための第3のスイッチ群(スイッチSWA2〜SWD2)が設けられているので、各ノードN0〜N3に接続されるスイッチの寄生容量に予め所定の電荷を充電することができる。この構成によって、変換時の各スイッチの切り替え動作に伴う電荷の移動量が低減されるため、変換時間を短縮することができる。そして、このD/A変換回路21を用いることにより、LSI11における処理の高速化を実現することができる。
また、D/A変換回路21の制御回路23は、複数のノア回路24a〜24eとインバータ回路25a〜25eとによる論理回路で構成されており、各スイッチの切り替えタイミングを的確に制御することができる。
因みに、上記特許文献1では、抵抗ストリングで発生させたリセット電圧を、ツリー状に接続したスイッチ間の各ノードに印加することで、電荷の移動量を低減するよう構成したD/A変換回路が開示されている。そのD/A変換回路では、分割抵抗の中間タップ(2つの抵抗の接続点)からリセット電圧を供給する必要があるため、抵抗ストリングを構成する抵抗の素子数が増大してしまう。これに対し、第1実施形態のD/A変換回路21は、第1のスイッチ群のスイッチSW1,SW5,SW9,SW13に並列接続した第3のスイッチ群のスイッチSWA2〜SWD2により各ノードN0〜N3に所定電圧を印加するものである。よって、D/A変換回路21は、抵抗ストリングの抵抗素子数を増やす必要がないため、比較的簡素な回路構成となる。
図6は、本発明の第1実施形態のA/D変換回路22を示す回路図であり、図7は、その動作を示す説明図である。
図6に示すように、A/D変換回路22は、2ビットの直並列A/Dコンバータであり、2つのコンパレータCMP1,CMP2を用い、上位ビットと下位ビットとに分けて順番にA/D変換を行う。
A/D変換回路22において、高電位電源VRHと低電位電源VRLとの間には同一抵抗値の4つの抵抗素子R21〜R24が直列に接続されており、各電源VRH,VRL間の電圧が抵抗素子R21〜R24により分圧される。そして、その抵抗素子列で分圧された各基準電圧V21,V22,V23について、基準電圧V22がコンパレータCMP1に入力され、基準電圧V21が第1のスイッチSW21を介してコンパレータCMP2に入力され、基準電圧V23が第2のスイッチSW22を介してコンパレータCMP2に入力される。コンパレータCMP1は、入力電圧VINが基準電圧V22よりも低いか高いかを判定を判定し、その判定結果に基づきインバータ回路27を介して上位ビットの信号D1を出力する。
この上位ビットの信号D1は選択回路28に入力され、該選択回路28はその信号D1のレベルに応じて前記第1及び第2のスイッチSW21,SW22のいずれか一方を選択的にオンする。具体的には、上位ビットの信号D1がLレベルである場合、第1のスイッチSW21がオンされ、第2のスイッチSW22はオフされ、基準電圧V21が第1のスイッチSW21を介してコンパレータCMP2に入力される。また、上位ビットの信号D1がHレベルである場合、第1のスイッチSW21がオフされ、第2のスイッチSW22がオンされ、基準電圧V23が第2のスイッチSW22を介してコンパレータCMP2に入力される。
コンパレータCMP2は、入力電圧VINが基準電圧V21又はV23よりも低いか高いかを判定し、その判定結果に基づき下位ビットの信号D0を出力する。
図8には、コンパレータCMP1の判定表を示し、図9には、コンパレータCMP2の判定表を示す。また、図10には、A/D変換回路22の変換表を示している。
すなわち、入力電圧VINが基準電圧V22よりも小さい場合(VIN<V22)、コンパレータCMP1は、インバータ回路27を介してLレベル(=0)の出力信号D1を出力する。この場合、選択回路28は、第1のスイッチSW21を選択して該スイッチSW21をオンし、第2のスイッチSW22をオフする。一方、入力電圧VINが基準電圧V22以上である場合(VIN≧V22)、コンパレータCMP1は、インバータ回路27を介してHレベル(=1)の出力信号D1を出力する。この場合、選択回路28は、第2のスイッチSW22を選択して該スイッチSW22をオンし、第1のスイッチSW21をオフする。
第1のスイッチSW21が選択される場合(VIN<V22)、基準電圧V21がコンパレータCMP2に入力される。図9に示すように、コンパレータCMP2は、その基準電圧V21が入力電圧VINよりも高い場合(VIN<V21)、Lレベル(=0)の出力信号D0を出力する。また、コンパレータCMP2は、基準電圧V21が入力電圧VIN以上である場合(VIN≧V21)、Hレベル(=1)の出力信号D0を出力端子から出力する。
第2のスイッチSW22が選択される場合(VIN≧V22)、基準電圧V23がコンパレータCMP2に入力される。コンパレータCMP2は、その基準電圧V23が入力電圧VINよりも高い場合(VIN<V23)、Lレベル(=0)の出力信号D0を出力する。また、コンパレータCMP2は、基準電圧V23が入力電圧VIN以上である場合(VIN≧V23)、Hレベル(=1)の出力信号D0を出力する。
従って、図10に示すように、A/D変換回路22から出力される各信号D1,D0は、入力電圧VINが低電位電源VRLの電圧以上であり基準電圧V21よりも低い場合、D1=0,D0=0となり、入力電圧VINが基準電圧V21以上であり基準電圧V22よりも低い場合、D1=0,D0=1となる。また、入力電圧VINが基準電圧V22以上であり基準電圧V23よりも低い場合、D1=1,D0=0となり、入力電圧VINが基準電圧V23以上であり、高電位電源VRHの電圧以下である場合、D1=1,D0=1となる。
図11には、コンパレータCMP1,CMP2とその動作を制御するための制御回路29の回路図を示す。コンパレータCMP1,CMP2は、従来と同様の回路構成(図50参照)であり、インバータ回路7と容量C21とスイッチSWA,SWB,SWCとで構成されている。各コンパレータCMP1,CMP2は、サンプリングしたアナログ電圧をホールドするサンプリングホールド機能を有する。
制御回路29は、直列に接続された2つのインバータ回路29a,29bを備える。インバータ回路29aに外部クロックCLKが入力され、そのインバータ回路29aから制御信号CLxが出力され、インバータ回路29bから制御信号CLが出力される。つまり、制御回路29は、外部クロックCLKがHレベルであるとき、Lレベルの制御信号CLxとHレベルの制御信号CLを出力し、外部クロックCLKがLレベルであるとき、Hレベルの制御信号CLxとLレベルの制御信号CLを出力する。この制御信号CLxと制御信号CLは信号レベルを反転した相補信号である。
コンパレータCMP1において、スイッチSWAはHレベルの制御信号CLxによりオンし、スイッチSWB,SWCはHレベルの制御信号CLによりオンする。また、コンパレータCMP2において、スイッチSWA,SWCはHレベルの制御信号CLxによりオンし、スイッチSWBはHレベルの制御信号CLによりオンする。
図12には、コンパレータCMP1の動作を説明するための説明図を示し、図13には、コンパレータCMP2の動作を説明するための説明図を示す。
すなわち、コンパレータCMP1は、外部クロックCLKがHレベル(制御信号CLxがLレベル、制御信号CLがHレベル)であるとき、スイッチSWAがオフしスイッチSWB,SWCがオンして基準電圧V22の取り込み動作を行う。また、コンパレータCMP1は、外部クロックCLKがLレベル(制御信号CLxがHレベル、制御信号CLがLレベル)であるとき、スイッチSWAがオンしスイッチSWB,SWCがオフして基準電圧V22と入力電圧VINとの電圧比較を行う。
一方、コンパレータCMP2は、外部クロックCLKがLレベル(制御信号CLxがHレベル、制御信号CLがLレベル)であるとき、スイッチSWA,SWCがオンしスイッチSWBがオフして入力電圧VINの取り込み動作を行う。また、コンパレータCMP2は、外部クロックCLKがHレベル(制御信号CLxがLレベル、制御信号CLがHレベル)であるとき、スイッチSWA,SWCがオフし、スイッチSWBがオンして入力電圧VINと基準電圧V21(又は基準電圧V23)との電圧比較を行う。
次に、第1実施形態のA/D変換回路22の動作について図7を用いて説明する。なおこの動作例では、時刻t1〜t5の期間にて高電位電源VRHと等しい入力電圧VINが入力される。
時刻t1〜t2の区間では、コンパレータCMP1は、基準電圧V22の取り込み動作を行う。すなわち、コンパレータCMP1において、スイッチSWAがオフされスイッチSWB,SWCがオンされ、スイッチSWBを介して印加される基準電圧V22により容量C21が充電される。またこのとき、コンパレータCMP2は、時刻t1以前の区間(時刻t0〜t1の区間)でのコンパレータCMP1の比較結果(Lレベルの信号D1)に基づいて基準電圧V21と容量C21の電圧(低電位電源VRLの電圧)とを比較し、Lレベル(=0)の信号D0を出力している。
時刻t2〜t3の区間では、コンパレータCMP1は、容量C21に取り込んだ基準電圧V22と入力電圧VIN(高電位電源VRHの電圧)との比較動作を行う。すなわち、コンパレータCMP1において、スイッチSWAがオンされスイッチSWB,SWCがオフされ、スイッチSWAを介して入力電圧VINが容量C21に入力される。そして、入力電圧VINは基準電圧V22よりも高いため、容量C21を介してインバータ回路7に入力される電圧がしきい値電圧よりも高くなり、インバータ回路7の出力信号D1xはLレベル(=0)となる。このコンパレータCMP1の出力信号D1xは、インバータ回路27で反転され、Hレベル(=1)の信号D1として出力される。
また、時刻t2〜t3の区間において、コンパレータCMP2では、スイッチSWA,SWCがオンされスイッチSWBがオフされ、スイッチSWAを介して印加される入力電圧VINにより容量C21が充電される(電圧VINが容量C21に取り込まれる)。
時刻t2〜t3の区間におけるコンパレータCMP1の比較動作の完了とコンパレータCMP2の取り込み動作の完了は同じタイミングである。そして、そのコンパレータCMP1の比較動作の完了と同時に、選択回路28は、第1のスイッチSW21をオンからオフに、第2のスイッチSW22をオフからオンに切り替える。従って、時刻t3以降では、コンパレータCMP2に第2のスイッチSW22を介して基準電圧V23が入力される。
その後、時刻t3〜t4の区間において、コンパレータCMP1は、スイッチSWAがオフされスイッチSWB,SWCがオンされることで、基準電圧V22を取り込む。また、コンパレータCMP2は、スイッチSWA、SWCがオフされスイッチSWBがオンされることで、スイッチSWBを介して入力される基準電圧V23と容量C21に取り込んだ入力電圧VINとを比較し、Hレベル(=1)の信号D0を出力する。
上述した時刻t1〜t4での動作がA/D変換回路22で繰り返し行われることによって、連続したアナログ信号(入力電圧VIN)が2ビットのデジタル信号D0,D1に変換される。
次に、本発明の第1実施形態のA/D変換回路22の特徴を以下に記載する。
A/D変換回路22は、従来のA/D変換回路3と比較して、下位ビット用のコンパレータCMP2を1つに削減できることから、その消費電力を低減することができる。また、A/D変換回路22の回路規模を削減することができる。さらに、外部クロックCLKに同期して電圧の取り込み動作と電圧の比較動作とが繰り返し実施されるので、従来のA/D変換回路3と同等の変換スピードを確保することができる。
また、このA/D変換回路22を用いることにより、LSI11において処理速度を落とすことなく小型化及び低消費電力化を図ることができる。
以下、本発明をA/D変換回路に具体化した第2実施形態を説明する。
図14に示す第2実施形態のA/D変換回路31も、上記第1実施形態と同様に、LSI11のインターフェース部14に組み込まれ、アナログ部13から入力されるアナログ信号をデジタル信号に変換し、該デジタル信号をデジタル部12に出力する。
A/D変換回路31は、4ビットのA/D変換回路であり、複数の基本ユニット(単位回路)32,32a〜32dが2段のツリー状に接続されている。各基本ユニット32,32a〜32dには、1つの入力端子INと2つのデータ出力端子DO0,DO1と電流出力用の4つの出力端子(電流出力端子)A〜Dとが設けられている。1段目の基本ユニット32の出力端子Aは2段目の基本ユニット(Aユニット)32aの入力端子INに接続され、出力端子Bは2段目の基本ユニット(Bユニット)32bの入力端子INに接続されている。また、1段目の基本ユニット32の出力端子Cは2段目の基本ユニット(Cユニット)32cの入力端子INに接続され、出力端子Dは2段目の基本ユニット(Dユニット)32dの入力端子INに接続されている。
1段目の基本ユニット32のデータ出力端子DO0,DO1と2段目の各ユニット32a〜32dのデータ出力端子DO0,DO1は出力選択回路34に接続されている。出力選択回路34には4つのデータ出力端子DO0〜DO3が設けられており、各出力端子DO0〜DO3から4ビットの信号(デジタルコード)D0〜D3が出力される。
図15は、第2実施形態の原理説明図である。図15に示すように、1段目の基本ユニット32において、入力端子INと低電位電源VSとの間にはダイオード接続されたトランジスタN10が設けられており、入力端子INから供給される入力電流In1が該トランジスタN10を介して流れる。また、高電位電源VDと低電位電源VSとの間には、定電流源320〜323とトランジスタN20〜N23との直列回路が4系統設けられている。
トランジスタN10のゲートと各トランジスタN20〜N23のゲートは、互いに接続されるとともにトランジスタN10のドレインに接続されている。従って、トランジスタN10と各トランジスタN20〜N23とによりカレントミラー回路が構成される。第2実施形態では、このカレントミラー回路が電流伝達回路に相当する。すなわち、カレントミラー回路によって、トランジスタN10を流れる入力電流In1は、そのミラー比(具体的には、1:1)に応じて等倍に複写され、各トランジスタN20,N21,N22,N23を含む4系統の電流経路に伝達される。また、カレントミラー回路の出力となる各トランジスタN20〜N23のドレインに接続されている各定電流源320〜323はそれぞれ異なる基準電流I20〜I23を流す。
定電流源320〜323とトランジスタN20〜N23との接続点は、それぞれ出力端子A〜Dに接続されており、各トランジスタN20〜N23に伝達された電流(入力電流In1と等しい電流)が基準電流I20〜I23から減算され、減算結果に応じた電流が各出力端子A〜Dから出力される。
また、定電流源320〜323とトランジスタN20〜N23との接続点の電位レベルがコンパレータCO1〜CO3に入力されており該コンパレータCO1〜CO3によってLo/Hi判定される。各コンパレータCO1〜CO3の判定信号(出力信号)はエンコーダ35に入力されており、各コンパレータCO1〜CO3の判定信号がエンコーダ35によりエンコードされ、上位2ビット分の信号D3,D2が出力される。
1段目の基本ユニット32における各出力端子A〜Dは、2段目の各ユニット32a〜32dにおける入力端子INにそれぞれ接続される。なお、図15では、出力端子Bに接続されるBユニット32bのみを抜粋して記載している。2段目のBユニット32bにおいて、1段目の出力端子Bから供給された入力電流は1段目と同様に処理され、下位2ビット分の信号D1,D0がエンコーダ35から出力される。
図16は、第2実施形態における基本ユニット32の具体的構成を示す回路図である。4ビットのA/D変換回路31は、図16の基本ユニット32を2段接続することによって構成されている。
詳しくは、基本ユニット32において、高電位電源VDと低電位電源VSとの間に、定電流源320A,321A,321B,322A,322B,323A,323BとトランジスタN20A,N21A,N21B,N22A,N22B,N23A,N23Bとの直列回路が7系統設けられている。トランジスタN10のゲートと各トランジスタN20A〜N23Bのゲートは、互いに接続されるとともにトランジスタN10のドレインに接続されている。従って、トランジスタN10と各トランジスタN20A〜N23Bとによりカレントミラー回路が構成されている。このカレントミラー回路によって、トランジスタN10を流れる入力電流は、そのミラー比に応じて等倍に複写され、各トランジスタN20A,N21A,N21B,N22A,N22B,N23A,N23Bを含む7系統の電流経路に伝達される。
定電流源321Aが流す基準電流I21Aと定電流源321Bが流す基準電流I21Bとは同じ電流値であり、定電流源322Aが流す基準電流I22Aと定電流源322Bが流す基準電流I22Bとは同じ電流値である。また、定電流源323Aが流す基準電流I23Aと定電流源323Bが流す基準電流I23Bとは同じ電流値である。
第2実施形態において、基準電流I20Aは、A/D変換回路31に入力される入力電流範囲の最大電流値が設定される。また、基準電流I21A,I22A,I23A(I21B,I22B,I23B)は、入力電流範囲をA/D変換のビット数(N)で割り、それで得られた値(分割電流値)に基づき下記のように均等に割り振って設定される。すなわち、
I20Aは、”最大電流”
I21AとI21Bは、”最大電流−(入力電流範囲÷N[10進数])×1”
I22AとI22Bは、”最大電流−(入力電流範囲÷N[10進数])×2”
I23AとI23Bは、”最大電流−(入力電流範囲÷N[10進数])×3”
として設定される。
具体的に、入力電流範囲が0〜16である場合、各基準電流は、16を4(2ビット)で分割することで下記のように設定される。なおここで、電流値の「1」は、A/D変換の単位電流に相当する電流値である。
I20A=16
I21A=I21B=16−(16÷4)×1=12
I22A=I22B=16−(16÷4)×2=8
I23A=I23B=16−(16÷4)×3=4
第2実施形態では、最小入力電流である「0」はいずれの基準電流I20A〜I23Bとして割り振らない。
また、トランジスタN20Aには出力端子Aが、トランジスタN21Aには出力端子Bが、トランジスタN22Aには出力端子Cが、トランジスタN23Aには出力端子Dがそれぞれ接続されている。さらに、トランジスタN21BにはコンパレータCO1が、トランジスタN22BにはコンパレータCO2が、トランジスタN23BにはコンパレータCO3がそれぞれ接続されている。
この基本ユニット32では、3つのコンパレータCO1〜CO3とエンコーダ35とによってエンコード回路が構成されている。第2実施形態では、そのエンコード回路が接続する第1の減算回路(定電流源321B〜323BとトランジスタN21B〜N23Bとの直列回路)とは別に、次段に出力電流を出力するための第2の減算回路(定電流源320A〜323AとトランジスタN20A〜N23Aとの直列回路)が設けられている。
図17は、コンパレータCO1〜CO3の具体的構成を示す回路図である。各コンパレータCO1〜CO3は、差動型コンパレータであり、複数のMOSトランジスタN11,N12,P11,P12、スイッチSW31,SW32、インバータ回路37a,37b,37c、及び定電流源38により構成されている。
具体的には、基準電圧REFがNチャネルMOSトランジスタN11のゲートに供給され、入力電圧がNチャネルMOSトランジスタN12のゲートに供給されている。NチャネルMOSトランジスタN11のドレインは、PチャネルMOSトランジスタP11を介して高電位電源VDに接続され、NチャネルMOSトランジスタN12のドレインは、PチャネルMOSトランジスタP12を介して高電位電源VDに接続されている。PチャネルMOSトランジスタP11,P12のゲートは、互いに接続されるとともにPチャネルMOSトランジスタP11のドレインに接続されている。また、各NチャネルMOSトランジスタN11,N12のソースは互いに接続されるとともに定電流源38に接続されている。さらに、PチャネルMOSトランジスタP12とNチャネルMOSトランジスタN12との接続部がスイッチSW31を介してインバータ回路37aに接続される。このインバータ回路37aとインバータ回路37bとは直列に接続され、そのインバータ回路37bの出力端子とインバータ回路37aの入力端子とがスイッチSW32を介して接続されている。そして、インバータ回路37aの出力信号がインバータ回路37cで反転され、コンパレータCO1〜CO3の判定信号(出力信号)として出力される。
従って、コンパレータCO1〜CO3は、入力電圧が基準電圧REFよりも大きい場合にLレベルの信号を出力し、入力電圧が基準電圧REFよりも小さい場合にはHレベルの信号を出力する。なお、スイッチSW31がオン、スイッチSW32がオフである場合、その時の入力電圧に応じた判定信号が出力され、その状態からスイッチSW31がオフ、スイッチSW32がオンに切り替えられると、切り替え前の判定信号のレベルが保持される。
ここで、基本ユニット32に入力される入力電流In1の電流値が5.5である場合、各出力端子A〜Dは、下記のように基準電流I20A〜I23Aから5.5を減算した電流を出力する。
A=I20A−5.5=16−5.5=+10.5
B=I21A−5.5=12−5.5=+6.5
C=122A−5.5=8−5.5=+2.5
D=123A−5.5=4−5.5=−1.5
またこのとき、コンパレータCO1〜CO3には基準電流I21B〜I23Bから5.5を減算した電流が入力される。つまり、各コンパレータCO1〜CO3への入力電流は下記のようになる。
CO1の入力電流=I21B−5.5=12−5.5=+6.5
CO2の入力電流=122B−5.5=8−5.5=+2.5
CO3の入力電流=123B−5.5=4−5.5=−1.5
従って、コンパレータCO1の入力電圧はHレベルとなり、出力信号はLレベルとなる。また、コンパレータCO2の入力電圧はHレベルとなり、出力信号はLレベルとなる。さらに、コンパレータCO3の入力電圧はLレベルとなり、出力信号はHレベルとなる。
入力電流In1が5.5である場合、出力端子A=Hレベル、出力端子B=Hレベル、出力端子C=Hレベル、出力端子D=Lレベル、コンパレータCO1の出力=Lレベル、コンパレータCO2の出力=Lレベル、コンパレータCO3の出力=Hレベルとなる。従って、入力電流が5.5である場合、図18の真理値表に示されるように、エンコーダ35は、各コンパレータCO1〜CO3の出力レベル(CO1=L,CO2=L,CO3=H)に基づいて、Lレベルの信号を出力端子DO1から出力し、Hレベルの信号を出力端子DO0から出力する。
なお上記では、入力電流In1が5.5である場合について説明したが、それ以外の電流値である場合も同様に処理され、入力電流In1に応じたレベルの信号(上位2ビット分のデジタルコード)D3,D2が基本ユニット32のデータ出力端子D01,D00から出力される。
A/D変換回路31において、1段目の基本ユニット32の各出力端子A〜Dから出力される電流は、それぞれ2段目の基本ユニット32a〜32dの入力端子INに供給される(図14参照)。すなわち、1段目の基本ユニット32における出力端子Aの出力電流は2段目のAユニット32aに供給され、出力端子Bの出力電流はBユニット32bに供給される。また、出力端子Cの出力電流はCユニット32cに供給され、出力端子Dの出力電流はDユニット32dに供給される。
1段目と2段目とに用いられる各ユニット32,32a〜32dは同様の回路構成であるが、2段目の各ユニット32a〜32dにおいては、トランジスタN10とトランジスタN20A〜N23Aとからなるカレントミラー回路のミラー比が1:4(2ビット)となるよう設定されている。つまり、この2段目におけるミラー比は、基本ユニット32の変換ビット数に応じて設定されている。
また、1段目と2段目とのユニット32,32a〜32dでは、エンコーダ35におけるエンコードの論理が異なり、2段目のエンコーダ35の各出力端子DO1,DO0から出力される信号は、図19の真理値表に示すように、1段目のユニット32(図18の真理値表)に対して逆論理の信号レベルとなっている。
上述したように、1段目の基本ユニット32の入力電流In1が5.5である場合、その基本ユニット32の出力端子Aから2段目のAユニット32aの入力端子INに+10.5の電流が供給される。この場合、Aユニット32aにおいて、ミラー比が1:4であることからトランジスタN20A〜N23Bに流れる電流は、+10.5×4=+42.0となる。
また、Aユニット32aの各定電流源320A〜323Bの基準電流I20A〜I23Bは、1段目のユニットと同一の設定値である。すなわち、
I20A=16
I21A=I21B=16−(16÷4)×1=12
I22A=I22B=16−(16÷4)×2=8
I23A=I23B=16−(16÷4)×3=4
である。従って、カレントミラー回路の出力(各トランジスタN20A〜N23Bに流れる電流)である+42.0は、基準電流I21B,I22B,I23Bの設定値を全て越える。そのため、Aユニット32aはデータ出力端子DO1,DO0からLレベルの信号を出力する。
2段目のBユニット32bの入力端子INには、1段目の出力端子Bから+6.5の電流が供給される。Bユニット32bにおいて、Aユニット32aと同様にミラー比が1:4であることからトランジスタN20A〜N23Bに流れる電流は、+6.5×4=+26.0となる。また、Bユニット32bの各定電流源320A〜323Bの基準電流I20A〜I23Bは、1段目のユニット32と同一の設定値である。
従って、カレントミラー回路の出力(各トランジスタN20A〜N23Bに流れる電流)である+26.0は、基準電流I21B,I22B,I23Bの設定値を全て越える。そのため、Bユニット32bはデータ出力端子DO1,DO0からLレベルの信号を出力する。
2段目のCユニット32cの入力端子INには、1段目の出力端子Cから+2.5の電流が供給される。Cユニット32cにおいて、Aユニット32aと同様にミラー比が1:4であることからトランジスタN20A〜N23Bに流れる電流は、+2.5×4=+10.0となる。また、Cユニット32cの各定電流源320A〜323Bの基準電流I20A〜I23Bは、1段目のユニット32と同一の設定値である。
従って、カレントミラー回路の出力(各トランジスタN20A〜N23Bに流れる電流)が+10.0であることから、出力端子A〜Dは、下記のような電流を出力する。すなわち、
A=16−10.0=+6.0
B=12−10.0=+2.0
C=8−10.0=−2.0
D=4−10.0=−6.0
またこのとき、各コンパレータCO1〜CO3への入力電流は下記のようになる。
CO1の入力電流=12−10.0=+2.0
CO2の入力電流=8−10.0=−2.0
CO3の入力電流=4−10.0=−6.0
従って、コンパレータCO1の入力電圧はHレベルになり、出力信号はLレベルになる。また、コンパレータCO2の入力電圧はLレベルになり、出力信号はHレベルになる。さらに、コンパレータCO3の入力電圧はLレベルになり、出力信号はHレベルになる。その結果、Cユニット32cはデータ出力端子DO1からLレベルの信号を出力し、データ出力端子DO0からHレベルの信号を出力する。
2段目のDユニット32dの入力端子INには、1段目の出力端子Dから−1.5の電流が供給される。Dユニット32dにおいて、Aユニット32aと同様にミラー比が1:4であることからトランジスタN20A〜N23Bに流れる電流は、−1.5×4=−6.0となる。また、Dユニット32dの各定電流源320A〜323Bの基準電流I20A〜I23Bは、1段目のユニット32と同一の設定値である。
従って、カレントミラー回路の出力(各トランジスタN20A〜N23Bに流れる電流)である−6.0は、基準電流I21B,I22B,I23Bの設定値を全て下回る。そのため、Dユニット32dはデータ出力端子DO1,DO0からHレベルの信号を出力する。
A/D変換回路31の入力電流が5.5である場合、出力選択回路34は、1段目の基本ユニット32の出力信号(出力端子DO1のLレベルの信号D3と出力端子DO0のHレベルの信号D2)に基づいて、2段目の各ユニット32a〜32dの中からCユニット32cを選択する。そして、1段目の基本ユニット32のデータ出力端子DO1,DO0と2段目のCユニット32cのデータ出力端子DO1,DO0とを組み合わせた4ビットの出力信号D3〜D0を出力する。すなわち、
D3=L=0
D2=H=1
D1=L=0
D0=H=1
となる。
このように、A/D変換回路31において、アナログ信号である入力電流In1が5.5であるとき、2進数のデジタルコード=「0101」に変換される。
図20には、A/D変換回路31の真理値表を示している。A/D変換回路31において、入力電流の範囲が0〜4である場合、1段目の基本ユニット32は、Lレベルの出力信号D3,D2を出力する。出力選択回路34はそのLレベルの出力信号D3,D2を上位2ビット分の出力信号D3,D2として出力するとともに、各信号D3,D2に基づいてDユニット32dを選択し、Dユニット32dの出力信号D1d,D0dを下位2ビット分の出力信号D1,D0として出力する。なおここで、Dユニット32dは、入力電流の範囲が0〜1である場合、Lレベルの出力信号D1d,D0dを出力し、入力電流の範囲が1〜2である場合、Lレベルの出力信号D1dとHレベルの出力信号D0dを出力する。また、Dユニット32dは、入力電流の範囲が2〜3である場合、Hレベルの出力信号D1dとLレベルの出力信号D0dを出力し、入力電流の範囲が3〜4である場合、Hレベルの出力信号D1d,D0dを出力する。
入力電流の範囲が4〜8である場合、1段目の基本ユニット32は、Lレベルの出力信号D3とHレベルの出力信号D2を出力する。出力選択回路34はそのLレベルの出力信号D3とHレベルの出力信号D2に基づいてCユニット32cを選択し、Cユニット32cの出力信号D1c,D0cを下位2ビット分の出力信号D1,D0として出力する。なおここで、Cユニット32cは、入力電流の範囲が4〜5である場合、Lレベルの出力信号D1c,D0cを出力し、入力電流の範囲が5〜6である場合、Lレベルの出力信号D1cとHレベルの出力信号D0cを出力する。また、Cユニット32cは、入力電流の範囲が6〜7である場合、Hレベルの出力信号D1cとLレベルの出力信号D0cを出力し、入力電流の範囲が7〜8である場合、Hレベルの出力信号D1c,D0cを出力する。
入力電流の範囲が8〜12である場合、1段目の基本ユニット32は、Hレベルの出力信号D3とLレベルの出力信号D2を出力する。出力選択回路34はそのHレベルの出力信号D3とLレベルの出力信号D2に基づいてBユニット32bを選択し、Bユニット32bの出力信号D1b,D0bを下位2ビット分の出力信号D1,D0として出力する。なおここで、Bユニット32bは、入力電流の範囲が8〜9である場合、Lレベルの出力信号D1b,D0bを出力し、入力電流の範囲が9〜10である場合、Lレベルの出力信号D1bとHレベルの出力信号D0bを出力する。また、Bユニット32bは、入力電流の範囲が10〜11である場合、Hレベルの出力信号D1bとLレベルの出力信号D0bを出力し、入力電流の範囲が11〜12である場合、Hレベルの出力信号D1b,D0bを出力する。
入力電流の範囲が12〜16である場合、1段目の基本ユニット32は、Hレベルの出力信号D3,D2を出力する。出力選択回路34はそのHレベルの出力信号D3,D2に基づいてAユニット32aを選択し、Aユニット32aの出力信号D1a,D0aを下位2ビット分の出力信号D1,D0として出力する。なおここで、Aユニット32aは、入力電流の範囲が12〜13である場合、Lレベルの出力信号D1a,D0aを出力し、入力電流の範囲が13〜14である場合、Lレベルの出力信号D1aとHレベルの出力信号D0aを出力する。また、Aユニット32aは、入力電流の範囲が14〜15である場合、Hレベルの出力信号D1aとLレベルの出力信号D0aを出力し、入力電流の範囲が15〜16である場合、Hレベルの出力信号D1a,D0aを出力する。
次に、本発明の第2実施形態のA/D変換回路31の特徴を以下に記載する。
A/D変換回路31は、同一構成の単位回路である基本ユニット32,32a〜32dをツリー状に接続して構成されているため、その回路構成を簡素化することができる。また、各基準電流I20A〜I23Bの設定値を各基本ユニット32,32a〜32dにて同一とすることができるので、各基本ユニット間における相対精度誤差を抑えることができ、A/D変換の精度を向上することができる。さらに、回路構成を簡素化できることから、A/D変換回路31の製造コストを低減することができる。
そして、このA/D変換回路31を用いることにより、低コストのLSI11を実現することができる。また、LSI11の処理を的確に行うことも可能となる。
以下、本発明をA/D変換回路に具体化した第3実施形態を説明する。
第3実施形態のA/D変換回路は、A/D変換を行う基本的な回路構成は上記第2実施形態のA/D変換回路31と同じであるが、A/D変換の誤り訂正を行う機能が付加されている。
図21に示すように、第3実施形態のA/D変換回路41も4ビットのA/D変換回路であり、複数の基本ユニット42,42a〜42dが2段のツリー状に接続されている。各基本ユニット42,42a〜42dには、入力端子INとデータ出力端子DO0,DO1と出力端子A〜Dとに加え、誤り訂正用信号DW0〜DW4を出力するための出力端子W0〜W4が設けられている。A/D変換回路41において、1段目の基本ユニット42と2段目の基本ユニット42a〜42dとの接続関係は、図14に示すA/D変換回路31と同じである。また、1段目の基本ユニット42のデータ出力端子DO0,DO1、出力端子W0〜W4、及び2段目の各ユニット42a〜42dのデータ出力端子DO0,DO1は出力選択訂正回路44に接続されている。出力選択訂正回路44には4つのデータ出力端子DO0〜DO3が設けられており、各出力端子から4ビットの信号(デジタルコード)D0〜D3が出力される。
図22にはA/D変換回路41に用いられる基本ユニット42の回路構成を示し、図23にはその基本ユニット42の真理値表を示している。この基本ユニット42において、コンパレータCO20〜CO24以外の回路動作は図16の基本ユニット32の回路動作と同じである。そのため、以下にはコンパレータCO20〜CO24に関わる部分を中心に説明する。
図22に示すように、基本ユニット42は、上記第2実施形態と相違して、カレントミラー回路を構成するトランジスタN20B,N24Bと、誤り訂正用信号DW0〜DW4を出力するコンパレータCO20〜CO24と、基準電流I20B,I24Bを流す定電流源320B,324Bとが追加されている。
具体的には、定電流源320BとトランジスタN20Bとの直列回路、及び定電流源324BとトランジスタN24Bとの直列回路が高電位電源VDと低電位電源VSとの間に設けられている。また、各トランジスタN20B,N24Bのゲートは、トランジスタN10のゲートに接続されており、トランジスタN10を流れる入力電流が1:1のミラー比によって各トランジスタN20B,N24Bに伝達される。
定電流源320BとトランジスタN20Bとの接続点はコンパレータCO20の入力端子に接続され、定電流源321BとトランジスタN21Bとの接続点はコンパレータCO21の入力端子に接続されている。また、定電流源322BとトランジスタN22Bとの接続点はコンパレータCO22の入力端子に接続され、定電流源323BとトランジスタN23Bとの接続点はコンパレータCO23の入力端子に接続されている。さらに、定電流源324BとトランジスタN24Bとの接続点はコンパレータCO24の入力端子に接続されている。
図24は、コンパレータCO20〜CO24の具体的構成を示す回路図である。各コンパレータCO20〜CO24は、抵抗素子R40、スイッチSW41,SW42、及びインバータ回路46a〜46cにより構成されている。
コンパレータCO20〜CO24の入力端子Iwは、抵抗素子R40を介して高電位電源VDに接続されるとともに、スイッチSW41を介してインバータ回路46aに接続されている。このインバータ回路46aとインバータ回路46bとが直列に接続され、そのインバータ回路46bの出力端子とインバータ回路46aの入力端子とがスイッチSW42を介して接続されている。そして、インバータ回路46aの出力信号がインバータ回路46cで反転され、コンパレータCO20〜CO24の判定信号(出力信号)として出力される。
このように構成したコンパレータCO20〜CO24は、判定速度よりも判定精度に重点をおいた特性となる。コンパレータCO20〜CO24では、入力端子Iwから電流が引かれた場合(基準電流I20B〜I24BよりもトランジスタN20B〜N24Bに流れる電流が大きい場合)、スイッチSW41を介してインバータ回路46aに入力される入力電圧が該インバータ回路46aのスレッショルド電圧よりも低くなる。そのため、インバータ回路46cからLレベルの信号が出力される。逆に、入力端子Iwから電流が引かれない場合(基準電流I20B〜I24BよりもトランジスタN20B〜N24Bに流れる電流が小さい場合)、スイッチSW41を介してインバータ回路46aに入力される入力電圧が該インバータ回路46aのスレッショルド電圧よりも高くなる。そのため、インバータ回路46cからHレベルの信号が出力される。
コンパレータCO20〜CO24は、比較的にシンプルな構成であり、図17に示す差動型のコンパレータCO1〜CO3よりも遅い動作速度となるが、入力電流の有無に対する判定精度は、差動型のコンパレータCO1〜CO3と比較して高くなる。
次に、第3実施形態のA/D変換回路41の動作を説明する。なおここでは、コンパレータCO2が誤った判定信号を出力する場合を一例として説明する。
差動型のコンパレータCO2では、それを構成するトランジスタN11,N12の相対精度等が原因で入力端子間のオフセット電圧が生じる。そして、そのオフセット電圧が電流値に換算して±0.1となる場合、コンパレータCO2は、トランジスタN22Bの出力電流が7.9〜8.1の範囲である時に誤った判定をする可能性がある。
すなわち、トランジスタN22Bの出力電流が7.9を出力しているのにコンパレータCO2が8.1であると誤判定する場合、出力端子Cは+0.1の出力電流を正確に出力するにもかかわらず、コンパレータCO2がLレベルではなく、Hレベルの信号を出力してしまう。その結果、エンコーダ35は各出力端子DO1,DO0から誤ったコードを出力することになる。
このとき、コンパレータCO22には、定電流源322Bの基準電流I22BとトランジスタN22Bの出力電流との差電流が入力される。そして、各電流が8.0と7.9とであることから、コンパレータCO22の入力端子から電流は引かれない。そのため、コンパレータCO22は正しいHレベルの判定信号を誤り訂正用信号DW2として出力端子W2から出力する。
上述したように、コンパレータCO2は、コンパレータCO22よりも先に判定信号(出力信号)を確定することができるが、判定精度が低い。一方、コンパレータCO22は、その出力の確定時刻がコンパレータCO2よりも遅くなるが、その判定精度が高い。
従って、第3実施形態のように、複数の基本ユニット42,42a〜42dを多段(2段)に接続して構成したA/D変換回路41では、先ず、1段目の基本ユニット42と2段目の基本ユニット42a〜42dとは、動作速度の速いコンパレータCO1〜CO3の判定動作によって順次出力を確定する。そして、最終的な出力を確定する時に1段目のコンパレータCO20〜CO24から出力される誤り訂正用信号DW0〜DW4を用いて訂正処理を行う。その訂正処理により精度の高いA/D変換を実現することが可能となる。
図25には、A/D変換回路41の真理値表を示している。
アナログ信号である入力電流In1が7.9である場合に、1段目の基本ユニット42のコンパレータCO2が8.1と誤判定したとき、1段目のデジタル出力として、D3=H、D2=Lの信号レベルが出力される。そして、2段目の基本ユニット42bには正常な電流が伝わるため、2段目のデジタル出力として、D1=H、D0=Hの信号レベルが出力される。
従って、4ビットのデジタル出力は、1011(2進)=11(10進)となり、正しいコード(0111=7)ではない誤ったデジタルコードが出力されてしまう。このとき、1段目の基本ユニット42の出力端子W2から出力される誤り訂正用信号DW2は、正常レベルのHレベルとなっている。信号D3,D2のレベルから逆算すると、信号DW2はLレベルとなっていなければならない。出力選択訂正回路44は、それら信号レベルに基づいて、1段目の基本ユニット42で誤判定があることを判定することができ、1段目のデジタル出力の1コード分、すなわち10進数では4の値を信号D3〜D0のデジタルコードから減算するといった訂正処理を行う。その訂正処理で、各信号D3〜D0を、
D3=H → L
D2=L → H
D1=H → H
D0=H → H
の信号レベルとすることで、入力電流In1(=7.9)に応じた正しいA/D変換結果が得られる。
次に、本発明の第3実施形態のA/D変換回路41の特徴を以下に記載する。
A/D変換回路41では、1段目の基本ユニット42の出力信号D3,D2と誤り訂正用信号DW0〜DW4とに基づいて、該ユニット42における誤判定の有無を判定することができる。そして、誤判定があった場合、誤り訂正用信号DW3,DW2,DW1を参照し逆算することによって、出力信号D3,D2の信号レベルを訂正することができる。従って、A/D変換回路41を用いることにより、高精度なA/D変換を実現することができる。
以下、本発明をA/D変換回路に具体化した第4実施形態を説明する。
図26に示すように、第4実施形態のA/D変換回路51は、パイプライン接続構成の8ビットA/D変換回路であり、基本ユニット52a〜52dが直列に4段、サンプルホールド回路(S/H回路)53a〜53d及びスイッチSW53a〜SW53dを介して接続されている。なお、第4実施形態において、1段目〜4段目の各基本ユニット52a〜52dにおける回路構成及びその動作は、上記第3実施形態の基本ユニット42と同じであるので、その詳細な説明を省略する。以下には、第3実施形態との相違点を中心に説明する。
A/D変換回路51において、1段目の基本ユニット52aの出力端子A〜DはそれぞれS/H回路53a〜53dとスイッチSW53a〜SW53dとの直列回路を介して2段目の基本ユニット52bの入力端子INに接続されている。1段目の基本ユニット52aのデータ出力端子DO1,DO0には第1選択回路54aが接続され、該選択回路54aはそのデータ出力端子DO1,DO0の出力信号に基づいて、各スイッチSW53a〜SW53dのいずれか1つを選択的にオンする。これにより、1段目の基本ユニット52aにおいて、入力電流In1の範囲に応じた適切な出力端子が各出力端子A〜Dの中から選択され、その出力端子に流れる電流が2段目の基本ユニット52bに供給される。
また、2段目の基本ユニット52bの出力端子A〜DはそれぞれS/H回路53a〜53dとスイッチSW53a〜SW53dとの直列回路を介して3段目の基本ユニット52cの入力端子INに接続されている。2段目の基本ユニット52bのデータ出力端子DO1,DO0には第2選択回路54bが接続され、該選択回路54bはそのデータ出力端子DO1,DO0の出力信号に基づいて、各スイッチSW53a〜SW53dのいずれか1つを選択的にオンする。これにより、2段目の基本ユニット52bにおいて、入力電流の範囲に応じた適切な出力端子が各出力端子A〜Dの中から選択され、その出力端子に流れる電流が3段目の基本ユニット52cに供給される。
さらに、3段目の基本ユニット52cの出力端子A〜DはそれぞれS/H回路53a〜53dとスイッチSW53a〜SW53dとの直列回路を介して4段目の基本ユニット52dの入力端子INに接続されている。3段目の基本ユニット52cのデータ出力端子DO1,DO0には第3選択回路54cが接続され、該選択回路54cはそのデータ出力端子DO1,DO0の出力信号に基づいて、各スイッチSW53a〜SW53dのいずれか1つを選択的にオンする。これにより、3段目の基本ユニット52cにおいて、入力電流の範囲に応じた適切な出力端子が各出力端子A〜Dの中から選択され、その出力端子に流れる電流が4段目の基本ユニット52dに供給される。
各基本ユニット52a〜52dにおける誤り訂正用出力端子W4〜W0及びデータ出力端子DO1,DO0は制御回路55に接続されている。制御回路55は、外部クロックCLKに同期した所定のタイミングで各基本ユニット52a〜52dの出力信号をラッチし、それら信号に基づいて8ビットの出力信号(デジタルコード)D7〜D0を出力する。またこのとき、制御回路55は、各S/H回路53a〜53dに制御信号SIを出力し、該S/H回路53a〜53dのサンプリング(取り込み動作)とホールド(保持動作)とを制御する。
図27には、S/H回路53(53a〜53d)の具体的な回路構成を示し、図28にはその動作説明図を示す。
図27に示すように、S/H回路53は、スイッチSW51とNチャネルMOSトランジスタN51,N52と容量C51とにより構成されている。スイッチSW51は、ダイオード接続されたトランジスタN51と直列に接続されており、前記制御回路55からの制御信号SIによりオン・オフされる。また、トランジスタN51のゲートはトランジスタN52のゲートに接続されるとともに、トランジスタN51のソースはトランジスタN52のソースに接続されている。そして、トランジスタN51,N52のゲートとソースとの間に容量C51が設けられている。
図28に示すように、S/H回路53において、スイッチSW51がオンされて入力電流がトランジスタN51に供給されると、トランジスタN52は、その入力電流に応じた出力電流を流す。このとき、容量C51はトランジスタN51のゲート電圧によって充電される。その後、スイッチSW51がオフされた場合、容量C11に充電(サンプリング)された充電電圧によってトランジスタN52が駆動され、S/H回路53の出力電流は、スイッチSW51がオフされる以前の電流値に保持される。
次に、第4実施形態のA/D変換回路51の動作について図29を用いて説明する。なお、同図に記載されている「不」、「比」、「確」、「切」、「S」、「H」、「訂」は、それぞれ次に示す状態又は動作を表している。
不:不確定状態
比:コンパレータの比較動作
確:確定状態
切:スイッチ切り替え動作
S:サンプリング(取り込み動作)
H:ホールド(保持動作)
訂:デジタルコードの訂正動作
図29に示すように、この動作例では、時刻t0〜t2の期間においてアナログ入力である入力電流In1が一定値に保持され、時刻t2で変動されている。
時刻t1〜t2の期間において、1段目の基本ユニット52aは、入力電流In1に基づいてコンパレータCO1〜CO3の比較動作による判定を確定し、時刻t2〜t3の期間で判定に応じたデジタル出力を確定しデータ出力端子DO1,DO0から出力する。また、時刻t2において、第1選択回路54aは、その出力端子DO1,DO2のレベルに基づいて出力端子A〜Dの選択・切り替え動作を開始し、外部クロックCLKに依存しない所定タイミングでスイッチSW53(SW53a〜SW53d)の切り替えを完了するとともに、その状態を時刻t4まで確定・保持する。S/H回路53は、その出力端子A〜Dの選択・切り替え動作中に入力電流のサンプリングを行い、切り替えの確定・保持の期間では、サンプリングした入力電流をホールドして該入力電流に応じた電流を出力する。そして、その切り替えの確定・保持の期間(ホールド期間)では、第1選択回路54aが選択したスイッチSW53を介してS/H回路53の出力電流が2段目の基本ユニット52bに供給される。
時刻t3〜t4の期間において、2段目の基本ユニット52bは、1段目の基本ユニット52aから供給される入力電流に基づいてコンパレータCO1〜CO3の比較動作による判定を確定し、時刻t4〜t5の期間で判定に応じたデジタル出力を確定しデータ出力端子DO1,DO0から出力する。また、時刻t4において、第2選択回路54bは、その出力端子DO1,DO2のレベルに基づいて出力端子A〜Dの選択・切り替え動作を開始し、外部クロックCLKに依存しない所定タイミングでスイッチSW53の切り替えを完了するとともに、その状態を時刻t6まで確定・保持する。S/H回路53は、その出力端子A〜Dの選択・切り替え動作中に入力電流のサンプリングを行い、切り替えの確定・保持の期間では、サンプリングした入力電流をホールドし該入力電流に応じた電流を出力する。そして、その切り替えの確定・保持の期間(ホールド期間)では、第2選択回路54bが選択したスイッチSW53を介してS/H回路53の出力電流が3段目の基本ユニット52cに供給される。
時刻t5〜t6の期間において、3段目の基本ユニット52cは、2段目の基本ユニット52bから供給される入力電流に基づいてコンパレータCO1〜CO3の比較動作による判定を確定し、時刻t6〜t7の期間で判定に応じたデジタル出力を確定しデータ出力端子DO1,DO0から出力する。また、時刻t6において、第3選択回路54cは、その出力端子DO1,DO2のレベルに基づいて出力端子A〜Dの選択・切り替え動作を開始し、外部クロックCLKに依存しない所定タイミングでスイッチSW53の切り替えを完了するとともに、その状態を時刻t8まで確定・保持する。S/H回路53は、その出力端子A〜Dの選択・切り替え動作中に入力電流のサンプリングを行い、切り替えの確定・保持の期間では、サンプリングした入力電流をホールドし該入力電流に応じた出力電流を出力する。そして、その切り替えの確定・保持の期間(ホールド期間)では、第3選択回路54cが選択したスイッチSW53を介してS/H回路53の出力電流が4段目の基本ユニット52dに供給される。
時刻t7〜t8の期間において、4段目の基本ユニット52dは、3段目の基本ユニット52cから供給される入力電流に基づいてコンパレータCO1〜CO3の比較動作による判定を確定し、時刻t8〜t9の期間で判定に応じたデジタル出力を確定してデータ出力端子DO1,DO0から出力する。
1段目から3段目までの基本ユニット52a〜52cにおいて各誤り訂正用出力端子W0〜W4の出力を確定状態とする期間は、該各基本ユニット52a〜52cの出力に繋がるS/H回路53のホールド期間と同一期間である。そのため、コンパレータCO1〜CO3に比べて、コンパレータCO20〜CO24における判定に要する時間を長く確保することが可能となっている。
また、各誤り訂正用出力の確定期間では、各誤り訂正用出力端子W0〜W4からの出力信号DW0〜DW4が制御回路55に取り込まれる。また、各基本ユニット52a〜52dにおけるデジタル出力の確定期間においても、各データ出力端子DO1,DO1からの出力信号が制御回路55に取り込まれる。
制御回路55は、4段目のデジタル出力の確定期間である時刻t8〜t9の期間において、誤り訂正処理を行った後、時刻t9〜時刻10の期間において、A/D変換結果としての8ビットのデジタル出力(出力信号D7〜D0)を確定して各出力端子から出力する。
次に、本発明の第4実施形態のA/D変換回路51の特徴を以下に記載する。
A/D変換回路51は、同一構成の基本ユニッ52a〜52dを直列に4段接続して構成されているため、その回路構成の簡素化を実現できる。また、各基本ユニット52a〜52dにおける相対精度誤差を抑えることができ、A/D変換の精度を向上することができる。さらに、回路構成を簡素化できることから、A/D変換回路51の製造コストを低減することができる。
また、A/D変換回路51では、最終段の基本ユニット52dがデジタル出力をする前に、前段の基本ユニット52a〜52cの誤り訂正用信号(コンパレータCO20〜CO24の出力信号)DW0〜DW4がエラー訂正回路としての制御回路55に取り込まれる。そして、その制御回路55において、各誤り訂正用信号DW0〜DW4に基づいて前段の基本ユニット52a〜52cのA/D変換結果(各データ出力端子DO1,DO0の出力信号)を訂正する訂正処理が行われる。この訂正処理を行うことより、高精度なA/D変換を実現することができる。
上記第2実施形態のA/D変換回路31(図14参照)は、1段目の基本ユニット32から2段目の基本ユニット32a〜32dに供給される入力電流が「0」もしくは非常に小さな電流値となってしまうため、ノイズ源の近くに設けられると、A/D変換の精度を高精度に保つことが困難となる。
図30には、そのA/D変換回路31の動作説明図を示している。上述したように、入力電流In1の範囲が0〜4である場合、1段目の基本ユニット32から出力されるLレベルの信号D3,D2に基づいて、2段目の基本ユニット32a〜32dの中からDユニット32dが選択される。この場合、基準電流I23(=4)から入力電流In1を減算した電流が出力端子Dを介してDユニット32dに供給される。従って、2段目のDユニット32dへの入力電流の範囲は4〜0となる。
入力電流In1の範囲が4〜8である場合、Cユニット32cが選択され基準電流I22(=8)から入力電流In1を減算した電流がCユニット32cに供給されるため、2段目のCユニット32cへの入力電流の範囲は4〜0となる。また、入力電流In1の範囲が8〜12である場合、Bユニット32bが選択され基準電流I21(=12)から入力電流In1を減算した電流がBユニット32bに供給されるため、2段目のBユニット32bへの入力電流の範囲は4〜0となる。さらに、入力電流In1の範囲が12〜16である場合、Aユニット32aが選択され基準電流I20(=16)から入力電流を減算した電流がAユニット32aに供給されるため、2段目のAユニット32aへの入力電流の範囲は4〜0となる。
このように、2段目の各ユニット32a〜32dの入力電流が「0」もしくは非常に小さい値となる場合がある。この場合、2段目の各ユニット32a〜32dで入力電流を受ける回路(トランジスタN10,N20〜N23からなるカレントミラー回路)等の動作速度が非常に遅くなる等、正常な変換動作をすることが困難になる。またこの場合、1段目から2段目への入力電流が非常に小さくなると、電流信号が周辺回路のノイズ等によって埋没し、正確な信号伝達が困難となってしまう。
そこで、以下に説明する第5実施形態のA/D変換回路では、2段目の基本ユニットの入力電流が「0」もしくは非常に小さな電流値となることを回避するための回路構成が採用されている。
図31には、第5実施形態のA/D変換回路61を示している。
第5実施形態のA/D変換回路61は、上記第2実施形態と同様に、4ビットのA/D変換回路であり、複数の基本ユニット62,62a〜62dが2段のツリー状に接続されている。
各基本ユニット62,62a〜62dには、1つの入力端子INと2つのデータ出力端子DO0,DO1と電流出力用の5つの出力端子A〜Eとに加え、入力電流の識別信号DISを出力する出力端子CONOUTが設けられている。また、2段目の基本ユニット62a〜62dには、1段目の基本ユニット62からの識別信号DISを入力する入力端子CONINが設けられている。
1段目の基本ユニット62の出力端子A,BはスイッチSWA10を介して2段目のAユニット62aの入力端子INに接続され、出力端子B,CがスイッチSWB10を介して2段目のBユニット62bの入力端子INに接続されている。また、1段目の基本ユニット62の出力端子C,DはスイッチSWC10を介して2段目のCユニット62cの入力端子INに接続され、出力端子D,EがスイッチSWD10を介して2段目のBユニット62bの入力端子INに接続されている。
1段目の基本ユニット62のデータ出力端子DO0,DO1と2段目の各ユニット62a〜62dのデータ出力端子DO0,DO1は出力選択回路64に接続されている。出力選択回路64には4つのデータ出力端子DO0〜DO3が設けられており、各出力端子DO0〜DO3から4ビットの信号(デジタルコード)D0〜D3が出力される。
図32は、第5実施形態の原理説明図である。なお、図32において、上記第2実施形態と同等であるものについては図面に同一の符号を付している。
入力端子INには2つの電流バッファ65a,65bが接続されており、一方の電流バッファ65aはトランジスタN10に直列に接続され、他方の電流バッファ65bはトランジスタN11に直列に接続されている。各電流バッファ65a〜65bには、入力端子INからアナログ信号の入力電流In1が入力される。各電流バッファ65a,65bは、入力電流In1と等しい電流Ina,InbをトランジスタN10,N11に供給する。
また、基本ユニット62の下段の回路部では、トランジスタN10と各トランジスタN19〜N23とによりカレントミラー回路が構成されており、トランジスタN10に流れる電流Ina(=In1)が各トランジスタN19〜N23を含むそれぞれの電流経路に伝達される。また、基本ユニット62の上段の回路部では、トランジスタN11と各トランジスタN25〜N28とによりカレントミラー回路が構成されており、トランジスタN11に流れる電流Inb(=In1)が各トランジスタN25〜N28を含むそれぞれの電流経路に伝達される。
カレントミラー回路の出力となる各トランジスタN19〜N23,N25〜N28のドレインは各定電流源319〜323,325〜328に接続されている。各定電流源319〜323,325〜328はそれぞれ異なる基準電流I19〜I23,I25〜I28を流す。
具体的に、入力電流In1の範囲が0〜16である場合、各電流源の基準電流I19〜I23,I25〜I28を次のように設定する。すなわち、I19=20、I20=16、I21=12、I22=8、I23=4、I25=14、I26=10、I27=6、I28=2として設定している。
定電流源319〜323とトランジスタN19〜N23との接続点は、それぞれ出力端子A〜Eに接続されており、各トランジスタN19〜N23に伝達された電流が基準電流I19〜I23から減算され、減算結果に応じた電流が各出力端子A〜Eから出力される。
また、定電流源320〜323とトランジスタN20〜N23との接続点は、コンパレータCO0〜CO3の入力端子に接続され、定電流源325〜328とトランジスタN25〜N28との接続点は、コンパレータCO4〜CO7の入力端子に接続されている。各コンパレータCO0〜CO7は、図17に示す差動型のコンパレータである。
コンパレータCO1〜CO3の出力端子がエンコーダ35に接続されており、エンコーダ35は、コンパレータCO1〜CO3の判定信号(出力信号)に基づいて上位2ビットの信号D3,D2を出力する。
各コンパレータCO0〜CO7の出力端子は排他的論理和(EXOR)回路67に接続されており、EXOR回路67は、各コンパレータCO0〜CO7の判定信号(出力信号)に基づいて、出力端子CONOUTから識別信号DISを出力する。そして、その出力端子CONOUTの識別信号DISに基づいて、各出力端子A〜Eに接続されるスイッチSWA〜SWEが制御され、オンしたスイッチを介して2段目の基本ユニット62a〜62dに出力電流IOUTが供給される。
図33は、図32の回路動作を示す説明図である。図33には、入力電流In1の範囲に応じた各コンパレータCO0〜CO7の出力と、各出力端子A〜Eから出力される電流と、出力端子CONOUTの信号レベルと、オンされるスイッチと、1段目から2段目に供給される出力電流IOUTとを示している。
入力電流In1が0〜2である場合、下段のコンパレータCO0〜CO3の各出力はそれぞれ「LLLL」のレベルとなり、上段のコンパレータCO4〜CO7の各出力レベルの「LLLL」と一致するため、EXOR回路67の出力端子CONOUT(識別信号DIS)はLレベルになる。またこの場合、スイッチSWEがオンされて出力端子Eを介して2段目の基本ユニットに出力電流IOUTが供給されるため、その電流IOUTの範囲は4〜2となる。
入力電流In1が2〜4である場合、下段のコンパレータCO0〜CO3の各出力はそれぞれ「LLLL」のレベルとなり、上段のコンパレータCO4〜CO7の各出力レベルの「LLLH」と異なるため、EXOR回路67の出力端子CONOUT(識別信号DIS)はHレベルとなる。ここで、入力電流In1が0〜2である場合と同様にスイッチSWEをオンすると、2段目の基本ユニットに供給される出力電流IOUTの範囲が0〜2となってしまう。そのため、入力電流In1が2〜4の範囲であることを出力端子CONOUTの出力レベル(識別信号DIS=Hレベル)で判定し、出力端子Eではなく、出力端子Dに繋がるスイッチSWDをオンする。これにより、出力端子Eの出力電流よりも4だけ大きい出力端子Dの出力電流が2段目の基本ユニットに供給される。つまり、2段目の基本ユニットには、6〜4の出力電流IOUTが供給されることとなる。
同様に、入力電流In1が6〜8である場合、10〜12である場合、及び14〜16である場合においても、下段のコンパレータCO0〜CO3の出力と上段のコンパレータCO4〜CO7の出力とが異なるため、EXOR回路67の出力端子CONOUT(識別信号DIS)はHレベルになる。そして、この出力端子CONOUTの出力レベルに基づいて、2段目の基本ユニットへの出力電流IOUTの範囲が0〜2ではなく6〜4となるように各スイッチがオンされる。このようにして、1段目から2段目に供給される出力電流IOUTが、「0」もしくは非常に小さな電流とならないようにしている。
図34は、第5実施形態における1段目の基本ユニット62の具体的構成を示す回路図である。
基本ユニット62の下段の回路部には、高電位電源VDと低電位電源VSとの間に、定電流源319A〜323BとトランジスタN19A〜N23Bとの直列回路が9系統設けられている。トランジスタN10のゲートと各トランジスタN19A〜N23Bのゲートは、互いに接続されるとともにトランジスタN10のドレインに接続されている。トランジスタN10と各トランジスタN19A〜N23Bとにより第1の電流伝達回路としてのカレントミラー回路が構成されている。このカレントミラー回路によって、電流バッファ65aを介してトランジスタN10に供給される入力電流Inaは、そのミラー比(1:1)に応じて各トランジスタN19A,N20A,N20B,N21A,N21B,N22A,N22B,N23A,N23Bの9系統の電流経路に伝達される。
定電流源320Aが流す基準電流I20Aと定電流源320Bが流す基準電流I20Bとは同じ電流値であり、定電流源321Aが流す基準電流I21Aと定電流源321Bが流す基準電流I21Bとは同じ電流値である。また、定電流源322Aが流す基準電流I22Aと定電流源322Bが流す基準電流I22Bとは同じ電流値であり、定電流源323Aが流す基準電流I23Aと定電流源323Bが流す基準電流I23Bとは同じ電流値である。
ここで、基準電流I20A(I20B)は、A/D変換回路61に入力される入力電流範囲の最大電流値が設定される。また、基準電流I21A,I22A,I23A(I21B,I22B,I23B)は、入力電流範囲をビット数で割り、それで得られた値(分割電流値)に基づき各々下記のように均等に割り振って設定される。さらに、基準電流I19Aは、均等に分割して得られる分割電流値を最大電流値に加算した電流値が設定される。すなわち、
I19Aは、”最大電流+(入力電流範囲÷N[10進数])×1”
I20AとI20Bは、”最大電流”
I21AとI21Bは、”最大電流−(入力電流範囲÷N[10進数])×1”
I22AとI22Bは、”最大電流−(入力電流範囲÷N[10進数])×2”
I23AとI23Bは、”最大電流−(入力電流範囲÷N[10進数])×3”
として設定される。
従って、入力電流範囲が0〜16である場合、各基準電流は、下記のように設定される。
I19A=20
I20A=I20B=16
I21A=I21B=16−(16÷4)×1=12
I22A=I22B=16−(16÷4)×2=8
I23A=I23B=16−(16÷4)×3=4
また、トランジスタN19Aには出力端子Aが、トランジスタN20Aには出力端子Bが、トランジスタN21Aには出力端子Cが、トランジスタN22Aには出力端子Dが、トランジスタN23Aには出力端子Eがそれぞれ接続されている。さらに、トランジスタN20BにはコンパレータCO0が、トランジスタN21BにはコンパレータCO1が、トランジスタN22BにはコンパレータCO2が、トランジスタN23BにはコンパレータCO3がそれぞれ接続されている。
コンパレータCO0〜CO3は、図17に示す差動型のコンパレータであり、入力電圧が基準電圧REFよりも大きい場合にLレベルの信号を出力し、入力電圧が基準電圧REFよりも小さい場合にはHレベルの信号を出力する。
コンパレータCO0〜CO3の各出力端子はエンコーダ35に接続されており、該エンコーダ35は、各コンパレータCO0〜CO3の出力レベルに応じた出力信号を各出力端子DO1,出力端子DO0から出力する。
また、基本ユニット62の上段の回路部には、高電位電源VDと低電位電源VSとの間に、定電流源325〜328とトランジスタN25〜N28との直列回路が4系統設けられている。トランジスタN11のゲートと各トランジスタN25〜N28のゲートは、互いに接続されるとともにトランジスタN11のドレインに接続されている。トランジスタN11と各トランジスタN25〜N28とにより第2の電流伝達回路としてのカレントミラー回路が構成されている。このカレントミラー回路によって、電流バッファ65bを介してトランジスタN11に供給される入力電流Inbは、そのミラー比(1:1)に応じて各トランジスタN25,N26,N27,N28の4系統の電流経路に伝達される。
トランジスタN25に接続されている定電流源325の基準電流I25は、下段の基準電流I20AとI21Aとの間の電流値が設定され、トランジスタN26に接続されている定電流源326の基準電流I26は、下段の基準電流I21AとI22Aとの間の電流値が設定される。また、トランジスタN27に接続されている定電流源327の基準電流I27は、下段の基準電流I22AとI23Aとの間の電流値が設定され、トランジスタN28に接続されている定電流源328の基準電流I28は、下段の基準電流I23Aよりも小さな電流値が設定される。第5実施形態では、各基準電流I25〜I28は、I25=14、I26=10、I27=6、I28=2が設定される。
また、トランジスタN25にはコンパレータCO4が、トランジスタN26にはコンパレータCO5が、トランジスタN27にはコンパレータCO6が、トランジスタN28にはコンパレータCO7がそれぞれ接続されている。これらコンパレータCO4〜CO7も、図17に示す差動型のコンパレータであり、入力電圧が基準電圧REFよりも大きい場合にLレベルの信号を出力し、入力電圧が基準電圧REFよりも小さい場合にはHレベルの信号を出力する。
コンパレータCO0の出力信号はEXOR回路67aの第1入力端子に供給され、コンパレータCO4の出力信号はEXOR回路67aの第2入力端子に供給される。コンパレータCO1の出力信号はEXOR回路67bの第1入力端子に供給され、コンパレータCO5の出力信号はEXOR回路67bの第2入力端子に供給される。コンパレータCO2の出力信号はEXOR回路67cの第1入力端子に供給され、コンパレータCO6の出力信号はEXOR回路67cの第2入力端子に供給される。コンパレータCO3の出力信号はEXOR回路67dの第1入力端子に供給され、コンパレータCO7の出力信号はEXOR回路67dの第2入力端子に供給される。
EXOR回路67aの出力信号はOR回路67eの第1入力端子に供給され、EXOR回路67bの出力信号はOR回路67eの第2入力端子に供給される。さらに、EXOR回路67cの出力信号はOR回路67eの第3入力端子に供給され、EXOR回路67dの出力信号はOR回路67eの第4入力端子に供給される。OR回路67eは、各EXOR回路67a〜67dの出力信号、すなわち、各コンパレータCO0〜CO7の出力信号のレベルに応じた識別信号DISを出力端子CONOUTから出力する。
具体的には、図33に示しように、下段の各コンパレータCO0〜CO3の出力信号と上段の各コンパレータCO4〜CO7の出力信号とのレベルが一致するときには、出力端子CONOUTからLレベルの識別信号DISが出力される。また、下段の各コンパレータCO0〜CO3の出力信号と上段の各コンパレータCO4〜CO7の出力信号とのレベルが一致しないときには、出力端子CONOUTからHレベルの識別信号DISが出力される。
ここで、初段の基本ユニット62に入力される入力電流In1が4.5である場合、各出力端子A〜Eは、下記のように基準電流I19A〜I23Aから4.5を減算した電流を出力する。
A=I19A−4.5=20−4.5=+15.5
B=I20A−4.5=16−4.5=+11.5
C=I21A−4.5=12−4.5=+7.5
D=122A−4.5=8−4.5=+3.5
E=123A−4.5=4−4.5=−0.5
このとき、下段の各コンパレータCO0〜CO3には、基準電流I20B〜I23Bから4.5を減算した電流が入力される。つまり、各コンパレータCO0〜CO3への入力電流は下記のようになる。
CO0の入力電流=I20B−4.5=16−4.5=+11.5
CO1の入力電流=I21B−4.5=12−4.5=+7.5
CO2の入力電流=122B−4.5=8−4.5=+3.5
CO3の入力電流=123B−4.5=4−4.5=−0.5
従って、コンパレータCO0の入力電圧はHレベル、その出力信号はLレベルとなり、コンパレータCO1の入力電圧はHレベル、その出力信号はLレベルとなる。また、コンパレータCO2の入力電圧はHレベル、その出力信号はLレベルとなり、コンパレータCO3の入力電圧はLレベル、その出力信号はHレベルとなる。
またこのとき、上段の各コンパレータCO4〜CO7にも、基準電流I25〜I28から4.5を減算した電流が入力される。つまり、各コンパレータCO4〜CO7への入力電流は下記のようになる。
CO4の入力電流=I25−4.5=14−4.5=+9.5
CO5の入力電流=I26−4.5=10−4.5=+5.5
CO6の入力電流=127−4.5=6−4.5=+1.5
CO7の入力電流=128−4.5=2−4.5=−2.5
従って、コンパレータCO4の入力電圧はHレベル、その出力信号はLレベルとなり、コンパレータCO5の入力電圧はHレベル、その出力信号はLレベルとなる。また、コンパレータCO6の入力電圧はHレベル、その出力信号はLレベルとなり、コンパレータCO7の入力電圧はLレベル、その出力信号はHレベルとなる。
このように、入力電流が4.5である場合、出力端子A=H、出力端子B=H、出力端子C=H、出力端子D=H、出力端子E=Lのレベルとなる。また、下段のコンパレータCO0〜CO3の各出力は、CO0=L、CO1=L、CO2=L、CO3=Hのレベルとなる。さらに、上段のコンパレータCO4〜CO7の各出力は、CO4=L、CO5=L、CO6=L、CO7=Hのレベルとなる。
エンコーダ35は、各コンパレータCO0〜CO3の出力レベルに基づいて、Lレベルの信号D3を出力端子DO1から出力し、Hレベルの信号D2を出力端子DO0から出力する(図35の真理値表参照)。
EXOR回路67aにはコンパレータCO0及びコンパレータCO4からLレベルの信号が供給されるため、該EXOR回路67aはLレベルの信号を出力する。EXOR回路67bにはコンパレータCO1及びコンパレータCO5からLレベルの信号が供給されるため、該EXOR回路67bはLレベルの信号を出力する。EXOR回路67cにはコンパレータCO2及びコンパレータCO6からLレベルの信号が供給されるため、該EXOR回路67cはLレベルの信号を出力する。EXOR回路67dにはコンパレータCO3及びコンパレータCO7からHレベルの信号が供給されるため、該EXOR回路67dはLレベルの信号を出力する。従って、OR回路67eは、Lレベルの識別信号DISを出力端子CONOUTから出力する。
また、基本ユニット62に入力される入力電流In1が7.5である場合、各出力端子A〜Eは、下記のように基準電流I19A〜I23Aから7.5を減算した電流を出力する。
A=I19A−7.5=20−7.5=+12.5
B=I20A−7.5=16−7.5=+8.5
C=I21A−7.5=12−7.5=+4.5
D=122A−7.5=8−7.5=+0.5
E=123A−7.5=4−7.5=−3.5
このとき、各コンパレータCO0〜CO3への入力電流は下記のようになる。
CO0の入力電流=I20B−7.5=16−7.5=+8.5
CO1の入力電流=I21B−7.5=12−7.5=+4.5
CO2の入力電流=122B−7.5=8−7.5=+0.5
CO3の入力電流=123B−7.5=4−7.5=−3.5
従って、コンパレータCO0の出力信号はLレベルとなり、コンパレータCO1の出力信号はLレベルとなる。また、コンパレータCO2の出力信号はLレベルとなり、コンパレータCO3の出力信号はHレベルとなる。
またこのとき、上段の各コンパレータCO4〜CO7にも、基準電流I25〜I28から7.5を減算した電流が入力される。つまり、各コンパレータCO4〜CO7への入力電流は下記のようになる。
CO4の入力電流=I25−7.5=14−7.5=+6.5
CO5の入力電流=I26−7.5=10−7.5=+2.5
CO6の入力電流=127−7.5=6−7.5=−1.5
CO7の入力電流=128−7.5=2−7.5=−5.5
従って、コンパレータCO4の出力信号はLレベルとなり、コンパレータCO5の出力信号はLレベルとなる。また、コンパレータCO6の出力信号はHレベルとなり、コンパレータCO7の出力信号はHレベルとなる。
エンコーダ35は、各コンパレータCO0〜CO3の出力レベルに基づいて、Lレベルの信号D3を出力端子DO1から出力し、Hレベルの信号D2を出力端子DO0から出力する(図35の真理値表参照)。
EXOR回路67aにはコンパレータCO0及びコンパレータCO4からLレベルの信号が供給されるため、該EXOR回路67aはLレベルの信号を出力する。EXOR回路67bにはコンパレータCO1及びコンパレータCO5からLレベルの信号が供給されるため、該EXOR回路67bはLレベルの信号を出力する。EXOR回路67cには、コンパレータCO2からLレベルの信号が供給され、コンパレータCO6からHレベルの信号が供給されるため、該EXOR回路67cはHレベルの信号を出力する。EXOR回路67dにはコンパレータCO3及びコンパレータCO7からHレベルの信号が供給されるため、該EXOR回路67dはLレベルの信号を出力する。従って、OR回路67eは、Hレベルの識別信号DISを出力端子CONOUTから出力する。
上記では、入力電流In1が4.5である場合や7.5である場合を例にとって説明したが、入力電流In1が他の値である場合も同様に処理される。具体的には、入力電流In1の範囲と、各コンパレータCO0〜CO7の出力と、出力端子CONOUTの出力(識別信号DISのレベル)との関係が図33に示されている。同図では、1段目の基本ユニット62の出力電流も記載されている。
図30に示すように、上記第2実施形態において、1段目の入力電流In1が2〜4,6〜8,10〜12,14〜16の電流範囲に位置する場合、1段目の出力電流(2段目の入力電流)が2〜0となっている。図33に示すように、第5実施形態では、その入力電流範囲において、出力端子CONOUTの出力がHレベルとなり、それ以外の範囲にて出力端子CONOUTの出力がLレベルとなる。そのため、出力端子CONOUTの出力レベル(Hレベルの識別信号DIS)に基づいて、入力電流In1が2〜4、6〜8、10〜12、14〜16の電流範囲に位置することが判定され、出力端子CONOUTがLレベルの場合よりも1段分出力電流が大きい出力端子が選択される。
具体的には、図31に示すように、1段目の基本ユニット62と2段目のAユニット62aとの間に設けられたスイッチSWA10は、第1接点aが1段目のユニット62の出力端子Aに接続され、第2接点bが出力端子Bに接続されている。1段目の基本ユニット62と2段目のBユニット62bとの間に設けられたスイッチSWB10は、第1接点aが1段目のユニット62の出力端子Bに接続され、第2接点bが出力端子Cに接続されている。1段目の基本ユニット62と2段目のCユニット62cとの間に設けられたスイッチSWC10は、第1接点aが1段目のユニット62の出力端子Cに接続され、第2接点bが出力端子Dに接続されている。1段目の基本ユニット62と2段目のDユニット62dとの間に設けられたスイッチSWD10は、第1接点aが1段目のユニット62の出力端子Dに接続され、第2接点bが出力端子Eに接続されている。
そして、出力端子CONOUT(識別信号DIS)がLレベルである場合、各スイッチSWA10〜SWD10は第2接点b側に切り替えられ、各スイッチSWA1〜SWD1を介して出力端子B〜Eの出力電流が2段目の各ユニット62a〜62dに供給される。なおこの場合、2段目の各ユニット62a〜62dに供給される入力電流は、上記第2実施形態と同じ値になる。
一方、出力端子CONOUTがHレベルである場合、各スイッチSWA10〜SWD10は第1接点a側に切り替えられる。この場合、出力端子CONOUTがLレベルであるときの電流よりも1段上の出力電流、すなわち、出力端子A〜Eのうち端子A側に1つ近い出力端子の出力電流が2段目のユニット62a〜62dに供給されることとなる。
例えば、入力電流が2〜4である場合、スイッチSWD10では第1接点a側に切り替えられ、出力電流=2〜0を供給する出力端子Eではなく、出力電流6〜4を出力する上段の出力端子Dが選択される。そして、その出力端子Dの出力電流が2段目のDユニット62dに供給される。従って、「0」もしくは非常に小さい電流値が2段目のDユニット62dに供給されることが回避される。
図36は、第5実施形態における2段目の基本ユニット62a〜62dの具体的構成を示す回路図である。
2段目の基本ユニット62a〜62dにおいても、1段目と同様に、トランジスタN10と各トランジスタN19A〜N23Bとによりカレントミラー回路が構成され、トランジスタN11と各トランジスタN25〜N28とによりカレントミラー回路が構成されている。2段目のカレントミラー回路のミラー比も、第2実施形態と同様に4倍に設定されている。
2段目の各基本ユニット62a〜62dは、1段目の基本ユニット62と同様の回路構成である。つまり、電流バッファ65a,65b、各トランジスタ、定電流源319A〜323B,325〜328、コンパレータCO0〜CO7、エンコーダ35、EXOR回路67a〜67d、及びOR回路67eの回路構成は、1段目と同じである。
また、2段目の基本ユニット62a〜62dには、1段目の基本ユニット62と相違して、高電位電源VDに接続された複数の定電流源319AC〜323BC,325C〜328Cと、該各定電流源に直列接続されたスイッチSW60とが設けられている。スイッチSW60は、入力端子CONINから入力される識別信号DISに基づいて制御される。すなわち、入力端子CONINには、1段目の基本ユニット62の出力端子CONOUTからの識別信号DISが入力され、その識別信号DISがHレベルであるとき各スイッチSW60がオンされ、識別信号DISがLレベルであるとき各スイッチSW60がオフされる。
各スイッチSW60は、定電流源319A〜323B,325〜328とトランジスタN19A〜N23B,N25〜N28との間の各ノードPA〜PMにそれぞれ接続されている。そして、識別信号DISがHレベルであり各スイッチSW60がオンするとき、定電流源319AC〜323BC,325C〜328Cから流れる定電流が基準電流I19A〜I23B,I25〜I28に加算される。なおここで、各基準電流I19A〜I23B,I25〜I28は1段目の基本ユニット62における各基準電流と同じ値が設定されている。また、各基準電流に加算される定電流、つまり、定電流源319AC〜323BC,325C〜328Cから供給される定電流としては、16が設定される。
1段目の基本ユニット62の出力端子CONOUTからLレベルの識別信号DISが出力される場合、1段目から2段目の各ユニット62a〜62dへの出力電流は、上記第2実施形態と同じになる。またこのとき、2段目の各ユニット62a〜62dにおいて、スイッチSW60がオフされるため、定電流源319AC〜323BC,325C〜328Cからの定電流は各ノードPA〜PMに流れ込むことはない。従って、1段目の基本ユニット62の出力端子CONOUTがLレベルである場合、2段目の基本ユニット62a〜62dでは上記第2実施形態と同一の動作及び判定が行われる。
図37には、入力電流In1の範囲が0〜4である場合に各出力端子A〜Eから出力される出力電流を示している。但し、出力端子CONOUTがLレベルである場合、1段目から2段目の基本ユニット62a〜62dに供給される入力電流は2〜4の範囲となる。
出力端子CONOUTがHレベルである場合、2段目の基本ユニット62a〜62dに供給される入力電流は0〜2ではなく、1段分電流値が大きい4〜6の電流となる。
ここで、1段目から2段目に供給される入力電流が4.5である場合、スイッチSW60がオンされ、定電流源319AC〜323BC,325C〜328Cからの定電流(=16)が各ノードPA〜PMに流れ込む。従って、各出力端子A〜Eは、基準電流I19A〜I23Aに各定電流源319AC〜323BC,325C〜328Cの電流値(=16)を加算し、さらにその加算値から入力電流(=4.5)の4倍の値を減算した電流を出力する。すなわち、
A=(20−16)−4.5×4=+18.0
B=(16+16)−4.5×4=+14.0
C=(12+16)−4.5×4=+10.0
D=(8+16)−4.5×4=+6.0
E=(4+16)−4.5×4=+2.0
が各出力端子A〜Eから出力される。
またこの場合、下段の各コンパレータCO0〜CO3への入力電流は下記のようになる。
CO0の入力電流=(16+16)−4.5×4=+14.0
CO1の入力電流=(12+16)−4.5×4=+10.0
CO2の入力電流=(8+16)−4.5×4=+6.0
CO3の入力電流=(4+16)−4.5×4=+2.0
従って、コンパレータCO0の出力信号はLレベルとなり、コンパレータCO1の出力信号はLレベルとなる。また、コンパレータCO2の出力信号はLレベルとなり、コンパレータCO3の出力信号はLレベルとなる。そして、エンコーダ35は、各出力端子DO1,DO0からそれぞれLレベルの信号を出力する。
1段目から2段目に供給される入力電流が5.5である場合、各出力端子A〜Eは、下記のような電流を出力する。すなわち、
A=(20−16)−5.5×4=+14.0
B=(16+16)−5.5×4=+10.0
C=(12+16)−5.5×4=+6.0
D=(8+16)−5.5×4=+2.0
E=(4+16)−5.5×4=−2.0
が各出力端子A〜Eから出力される。
またこの場合、下段の各コンパレータCO0〜CO3への入力電流は下記のようになる。
CO0の入力電流=(16+16)−5.5×4=+10.0
CO1の入力電流=(12+16)−5.5×4=+6.0
CO2の入力電流=(8+16)−5.5×4=+2.0
CO3の入力電流=(4+16)−5.5×4=−2.0
従って、コンパレータCO0の出力信号はLレベルとなり、コンパレータCO1の出力信号はLレベルとなる。また、コンパレータCO2の出力信号はLレベルとなり、コンパレータCO3の出力信号はHレベルとなる。そして、エンコーダ35は、出力端子DO1からLレベルの信号を出力し、出力端子DO0からHレベルの信号を出力する。
上記では、入力電流が4.5である場合や5.5である場合を一例として説明したが、他の値でも同様に処理される。図38には、入力電流In1の範囲が4〜6である場合において各出力端子A〜Eから出力される出力電流を示している。同図に示されるように、各出力電流は、図37での入力電流が0〜2の場合と同一になる。
図35に示すように、A/D変換回路61の変換結果、すなわち、1段目の基本ユニット62から出力される上位2ビットの出力信号D3,D2と2段目の各ユニット62a〜62dから出力される下位2ビットの出力信号D1,D0(D1a〜D1d,D0a〜D0d)は、上記第2実施形態と同じになる。
次に、本発明の第5実施形態のA/D変換回路61の特徴を以下に記載する。
A/D変換回路61では、EXOR回路67a〜67d及びOR回路67eからなる論理回路と各コンパレータCO0〜CO7とによって入力電流識別回路が構成される。そして、その入力電流識別回路から出力される識別信号DISに基づいて、入力電流In1が、均等分割した電流範囲(0〜4,4〜8,8〜12,12〜16の電流範囲)においてどの位置の電流値であるかを識別することができる。そして、Hレベルの識別信号DISに基づいて、入力電流In1が2〜4、6〜8、10〜12、14〜16の電流範囲に位置することが判定されたとき、出力端子CONOUTがLレベルの場合よりも1段分出力電流が2段目の基本ユニットへの入力電流として供給される。その結果、1段目の基本ユニット62から2段目の基本ユニット62a〜62dに供給する入力電流が「0」もしくは非常に小さな電流値となることを回避することができる。従って、周辺ノイズに影響されることなく適切な入力電流を2段目の基本ユニット62a〜62dに供給することができ、ノイズに強い高精度なA/D変換回路61を実現することができる。
2段目の基本ユニット62a〜62dにおいて、各定電流源319AC〜323BC,325C〜328CとスイッチSW60とにより電流調整回路が構成される。そして、識別信号DISがHレベルである場合、1段分だけ出力電流が大きな出力端子に切り替えられ、その切り替えに伴う電流増大分を相殺するよう、各定電流源319AC〜323BC,325C〜328Cの定電流が基準電流I19A〜I23B,I25C〜I28Cに加算される。これにより、出力端子の切り替え前と切り替え後とで、2段目の基本ユニット62a〜62dの出力電流が変化しないように調整できる。
また、第5実施形態では、基本ユニット62の下段の回路部におけるカレントミラー回路(トランジスタN10,N19〜N23)と各定電流源319〜323とによって第1の電流減算回路が構成される。また、上段の回路部におけるカレントミラー回路(トランジスタN11,N25〜N228)と各定電流源325〜328とによって第2の電流減算回路が構成される。そして、入力電流In1の振幅範囲(0〜16)に対応して設定された第1の定電流源群(定電流源319〜323)の設定値を細分化するように、第2の定電流源群(定電流源325〜328)の各定電流が設定されている。このように、各定電流源群の定電流を設定する場合、入力電流In1の電流範囲を入力電流識別回路にて的確に認識することができ、実用上好ましいものとなる。
以下、本発明をA/D変換回路に具体化した第6実施形態を説明する。
図39に示すように、第6実施形態のA/D変換回路71は、パイプライン接続構成の8ビットA/D変換回路であり、基本ユニット72a〜72dが直列に4段、サンプルホールド回路(S/H回路)73及びスイッチSW73を介して接続されている。なお、第6実施形態において、1段目には図34の基本ユニットが、2〜4段目には図36の基本ユニット62a〜62cが接続され、それら各ユニット62,62a〜62cの動作は、上記第5実施形態と同じであるので、ここのでその詳細な説明を省略する。また、S/H回路73の構成は、第4実施形態と同一である(図27参照)。
本実施形態のA/D変換回路71において、1段目の基本ユニット62の出力端子A〜EはそれぞれS/H回路73及びスイッチSW73を介して2段目の基本ユニット62aの入力端子INに接続されている。また、1段目の基本ユニット62の出力端子CONOUTは2段目の基本ユニット62aの入力端子CONINに接続されている。1段目の基本ユニット62のデータ出力端子DO1,DO0及び出力端子CONOUTには第1選択回路74aが接続され、該選択回路74aはそれらデータ出力端子DO1,DO0の出力信号D7,D6及び出力端子CONOUTの識別信号DISに基づいて、複数のスイッチSW73のいずれか1つを選択的にオンする。これにより、1段目の基本ユニット62に入力される入力電流In1の範囲に応じた適切な出力端子が各出力端子A〜Eの中から選択され、その出力端子に流れる電流が2段目の基本ユニット62aに供給される。
また、2段目の基本ユニット62aの出力端子A〜EはそれぞれS/H回路73及びスイッチSW73を介して3段目の基本ユニット62bの入力端子INに接続されており、2段目の基本ユニット62aの出力端子CONOUTは3段目の基本ユニット62bの入力端子CONINに接続されている。2段目の基本ユニット62aのデータ出力端子DO1,DO0及び出力端子CONOUTには第2選択回路74bが接続され、該選択回路74bはそれらデータ出力端子DO1,DO0の出力信号D5,D4及び出力端子CONOUTの識別信号DISに基づいて、複数のスイッチSW73のいずれか1つを選択的にオンする。これにより、2段目の基本ユニット62aの入力電流範囲に応じた適切な出力端子が各出力端子A〜Eの中から選択され、その出力端子に流れる電流が3段目の基本ユニット62bに供給される。
さらに、3段目の基本ユニット62bの出力端子A〜EはそれぞれS/H回路73及びスイッチSW73を介して4段目の基本ユニット62cの入力端子INに接続されており、3段目の基本ユニット62bの出力端子CONOUTは4段目の基本ユニット62cの入力端子CONINに接続されている。3段目の基本ユニット62bのデータ出力端子DO1,DO0及び出力端子CONOUTには第3選択回路74cが接続され、該選択回路74cはそれらデータ出力端子DO1,DO0の出力信号D3,D2及び出力端子CONOUTの識別信号DISに基づいて、各スイッチSW73のいずれか1つを選択的にオンする。これにより、3段目の基本ユニット62bの入力電流範囲に応じた適切な出力端子が各出力端子A〜Eの中から選択され、その出力端子に流れる電流が4段目の基本ユニット62cに供給される。
また、A/D変換回路71には、上記第4実施形態と同様に制御回路75が設けられている。そして、その制御回路75は、所定のタイミングで各段の基本ユニット62,62a〜62cから出力される出力信号D7〜D0をラッチするとともに8ビットのデジタルコードとして出力する。またこのとき、制御回路75は、各S/H回路73に制御信号を出力し、該S/H回路73のサンプリング(取り込み動作)とホールド(保持動作)とを制御する。
次に、第6実施形態のA/D変換回路71の動作について図40を用いて説明する。
図40に示すように、時刻t0〜t2の期間においてアナログ入力である入力電流In1が一定値に保持され、時刻t2で変動されている。時刻t1〜t2の期間において、1段目の基本ユニット62は、入力電流In1に基づいてコンパレータCO0〜CO7の比較動作による判定を確定し、時刻t2〜t3の期間で判定に応じたデジタル出力を確定しデータ出力端子DO1,DO0から出力する。また、時刻t2において、第1選択回路74aは、出力端子DO1,DO2の及びCONOUTの出力レベルに基づいて出力端子A〜Eの選択・切り替え動作を開始し、外部クロックCLKに依存しない所定タイミングでスイッチSW73の切り替えを完了するとともに、その状態を時刻t4まで確定・保持する。S/H回路73は、その出力端子A〜Eの選択・切り替え動作中に入力電流のサンプリングを行い、切り替えの確定・保持の期間では、サンプリングした入力電流をホールドして該入力電流に応じた電流を出力する。そして、その切り替えの確定・保持の期間(ホールド期間)では、第1選択回路74aが選択したスイッチSW73を介してS/H回路73の出力電流が2段目の基本ユニット62aに供給される。
時刻t3〜t4の期間において、2段目の基本ユニット62aは、1段目の基本ユニット62から供給される入力電流に基づいてコンパレータCO0〜CO7の比較動作による判定を確定し、時刻t4〜t5の期間で判定に応じたデジタル出力を確定しデータ出力端子DO1,DO0から出力する。また、時刻t4において、第2選択回路74bは、出力端子DO1,DO2及びCONOUTの出力レベルに基づいて出力端子A〜Eの選択・切り替え動作を開始し、外部クロックCLKに依存しない所定タイミングでスイッチSW73の切り替えを完了するとともに、その状態を時刻t6まで確定・保持する。S/H回路73は、その出力端子A〜Eの選択・切り替え動作中に入力電流のサンプリングを行い、切り替えの確定・保持の期間では、サンプリングした入力電流をホールドし該入力電流に応じた電流を出力する。そして、その切り替えの確定・保持の期間(ホールド期間)では、第2選択回路74bが選択したスイッチSW73を介してS/H回路73の出力電流が3段目の基本ユニット62bに供給される。
時刻t5〜t6の期間において、3段目の基本ユニット62bは、2段目の基本ユニット62aから供給される入力電流に基づいてコンパレータCO0〜CO7の比較動作による判定を確定し、時刻t6〜t7の期間で判定に応じたデジタル出力を確定しデータ出力端子DO1,DO0から出力する。また、時刻t6において、第3選択回路74cは、出力端子DO1,DO2及びCONOUTの出力レベルに基づいて出力端子A〜Eの選択・切り替え動作を開始し、外部クロックCLKに依存しない所定タイミングでスイッチSW73の切り替えを完了するとともに、その状態を時刻t8まで確定・保持する。S/H回路73は、その出力端子A〜Eの選択・切り替え動作中に入力電流のサンプリングを行い、切り替えの確定・保持の期間では、サンプリングした入力電流をホールドし該入力電流に応じた電流を出力する。そして、その切り替えの確定・保持の期間(ホールド期間)では、第3選択回路74cが選択したスイッチSW73を介してS/H回路73の出力電流が4段目の基本ユニット62cに供給される。
時刻t7〜t8の期間において、4段目の基本ユニット62cは、3段目の基本ユニット62bから供給される入力電流に基づいてコンパレータCO1〜CO3の比較動作による判定を確定し、時刻t8〜t9の期間で判定に応じたデジタル出力を確定してデータ出力端子DO1,DO0から出力する。
時刻t9〜時刻10の期間において、制御回路75は、A/D変換結果として8ビットのデジタル出力(出力信号D7〜D0)を各出力端子から出力する。
次に、本発明の第6実施形態のA/D変換回路71の特徴を以下に記載する。
A/D変換回路71は、同一構成の基本ユニット62,62a〜62cを直列に4段接続して構成されているため、簡素な回路構成で高精度なA/D変換を実現することができる。また、回路構成を簡素化できることから、A/D変換回路71の製造コストを低減することができる。
上記各実施形態は、次に示すように変更することもできる。
・第1実施形態のD/A変換回路21では、第3のスイッチ群のスイッチSWA2,SWB2,SWC2,SWD2は、各ノードN0〜N3に接続される第1のスイッチ群のうちで2番目に低い電圧を選択するスイッチSW1,SW5,SW9,SW13に並列に接続されているが、これに限定されるものではない。例えば、スイッチSWA2,SWB2,SWC2,SWD2を、各ノードN0〜N3に接続される第1のスイッチ群のうちで一番低い電圧を選択するスイッチSW0,SW4,SW8,SW12に並列に接続してもよいし、一番高い電圧を選択するスイッチSW3,SW7,SW11,SW15に並列に接続してもよい。特に、スイッチSW0〜SW15についてオンされる順序が予め設定される場合には、その順序に応じて各スイッチSWA2,SWB2,SWC2,SWD2の接続を決定すると、各スイッチの切り替え時における電荷の移動量を低減することが可能となる。具体的には、低い電圧V0から高い電圧V15を順次出力するように各スイッチSW0〜SW15が順番に選択される場合、各スイッチSWA2,SWB2,SWC2,SWD2を、スイッチSW0,SW4,SW8,SW12に並列に接続する。この場合、例えば、出力端子OUTの出力電圧を電圧V3から電圧V4に切り替えるとき、ノードN1に接続される各スイッチSW4〜SW7,SWB1の寄生容量C4〜C7,CB11には、電圧の切り替え前と切り替え後では、同じ電圧V4が印加される。このようにすれば、各スイッチSW4〜SW7,SWB1の寄生容量の電荷移動がなく、変換スピードを向上できる。
・図41に示すD/A変換回路21aのように、第3のスイッチをノード毎に2つ設け、各ノードN0〜N3に印加する電圧を入力信号に応じて切り替えるよう構成してもよい。このD/A変換回路21aでは、その時々の入力信号D0〜D3(出力端子OUTの出力電圧)に基づき、制御回路23aにより第3のスイッチ群(スイッチSWA2、SWA3,SWB2,SWB3,SWC2,SWC3、SWD2,SWD3)が制御される。
詳しくは、Aグループを構成する各スイッチSW0〜SW3のうち一番低い電圧V0を選択するスイッチSW0にスイッチSWA2が並列接続され、一番高い電圧V3を選択するスイッチSW3にスイッチSWA3が並列接続されている。また、Bグループを構成する各スイッチSW4〜SW7のうち一番低い電圧V4を選択するスイッチSW4にスイッチSWB2が並列接続され、一番高い電圧V7を選択するスイッチSW7にスイッチSWB3が並列接続されている。さらに、Cグループを構成する各スイッチSW8〜SW11のうち一番低い電圧V8を選択するスイッチSW8にスイッチSWC2が並列接続され、一番高い電圧V11を選択するスイッチSW11にスイッチSWC3が並列接続されている。また、Dグループを構成する各スイッチSW12〜SW15のうち一番低い電圧V12を選択するスイッチSW12にスイッチSWD2が並列接続され、一番高い電圧V15を選択するスイッチSW15にスイッチSWD3が並列接続されている。
このD/A変換回路21aにおいて、制御回路23aは、例えば、入力信号D0〜D3に基づいて、選択している電圧(出力端子OUTの電圧)に近い電圧を各ノードN0〜N3に印加するよう各スイッチSWA2,SWA3,SWB2,SWB3,SWC2,SWC3,SWD2,SWD3を制御する。
ここで、出力電圧としてAグループの電圧(例えば、電圧V3)を選択している場合、制御回路23aは、第1スイッチ群を構成する各スイッチSW0〜SW15のうちのスイッチSW3のみをオンし、第2スイッチ群を構成する各スイッチSWA1〜SWD1のうちのスイッチSWA1のみをオンする。そして、制御回路23aは、第3スイッチ群を構成するスイッチについて、Aグループの各スイッチSWA2,SWA3を共にオフするとともに、BグループのスイッチSWB2をオンしスイッチSWB3をオフする。また、CグループのスイッチSWC2をオンしスイッチSWC3をオフするとともに、DグループのスイッチSWD2をオンしスイッチSWD3をオフする。
その後、出力端子OUTの出力電圧をBグループの電圧(例えば、電圧V4)に切り替える場合、第1スイッチ群を構成する各スイッチSW0〜SW15のうちのスイッチSW4のみをオンし、第2スイッチ群を構成する各スイッチSWA1〜SWD1のうちのスイッチSWB1のみをオンする。制御回路23aは、第3スイッチ群を構成するスイッチについて、Aグループの各スイッチSWA2をオフしスイッチSWA3をオンするとともに、BグループのスイッチSWB2,SWB3を共にオフする。また、CグループのスイッチSWC2をオンしスイッチSWC3をオフするとともに、DグループのスイッチSWD2をオンしスイッチSWD3をオフする。
この場合、電圧の切り替え前と切り替え後において、ノードN1に接続される各スイッチSW4〜SW7,SWB1の寄生容量C4〜C7,CB1には、同じ電圧V4が印加される。つまり、各寄生容量における電荷移動がないため、D/A変換を高速に行うことができる。
・上記第1実施形態のA/D変換回路22において、コンパレータCMP1は、基準電圧V22をサンプリング源(充電対象源)とし入力電圧VINを比較対象源とし、コンパレータCMP2は、入力電圧VINをサンプリング源とし基準電圧V21又はV23を比較対象源としていた。この構成に限定されるものではなく、図42のA/D変換回路22aのように、各コンパレータCMP1とコンパレータCMP2においてサンプリング源(充電対象源)を同じ入力電圧VINとしてもよい。
具体的に、A/D変換回路22aのコンパレータCMP1は、図6のA/D変換回路のコンパレータCMP1に対して、入力端子の接続(比較と取り込み)が逆になっている。また、コンパレータCMP1の出力信号が上位ビットの信号D1として直接出力される。A/D変換回路22aにおいて、他の回路構成は、図6のA/D変換回路22と同じである。
図43には、A/D変換回路22aの動作を説明するための説明図を示し、図44は、そのA/D変換回路22aにおける各コンパレータCMP1,CMP2の動作表を示す。なお、図43の動作例において、上記第1実施形態と同様に、時刻t1〜t5の区間で高電位電源VRHと等しい入力電圧VINが入力される。
時刻t1〜t2の区間において、各コンパレータCMP1,CMP2は、スイッチSWA,SWCがオンされスイッチSWBがオフされることで、スイッチSWAを介して印加される入力電圧VINを容量C21に取り込む。
時刻t2〜t3の区間において、コンパレータCMP1は、スイッチSWA,SWCがオフされスイッチSWBがオンされることで、スイッチSWBを介して容量C21に入力される基準電圧V22と入力電圧VINとを比較して、Hレベル(=1)の信号D1を出力する。またこのとき、コンパレータCMP2は、スイッチSWA,SWBがオフされることで、容量C21に取り込んだ入力電圧VINを保持している。なお、コンパレータCMP2において入力電圧VINを保持する場合、スイッチSWCはオンとオフのいずれに制御されていてもよい。
時刻t3では、コンパレータCMP1の比較結果(Hレベルの信号D1)に基づいて、選択回路28が第1のスイッチSW21をオンからオフに、第2のスイッチSW22をオフからオンに切り替える。従って、コンパレータCMP2には第2のスイッチSW22を介して基準電圧V23が入力される。
時刻t3〜t5の区間では、コンパレータCMP1は、前区間(時刻t2〜t3)での比較動作を継続して行いその比較結果を保持している。なおこのとき、コンパレータCMP1では、容量C21に保持した電圧との比較となるため、次の入力電圧VINの取り込み動作に移行するまでは比較結果が反転することはない。
また、時刻t3〜t5の区間において、コンパレータCMP2は、スイッチSWA,SWCがオフされスイッチSWBがオンされることで、スイッチSWBを介して容量C21に入力される基準電圧V23と入力電圧VINとを比較して、Hレベル(=1)の信号D0を出力する。
このように、時刻t1〜t5の区間の各動作がA/D変換回路22aで繰り返し行われることによって、連続したアナログ信号(入力電圧VIN)が2ビットのデジタル信号D0,D1に変換される。なお、A/D変換回路22aにおいて、コンパレータCMP2の比較動作を時刻t3〜t5の区間で行っているが、時刻t3〜t4の区間で行うようにしてもよい。
A/D変換回路22aでは、コンパレータCMP1とコンパレータCMP2は同じタイミングで入力電圧VINの取り込みを行うため、コンパレータCMP1は、コンパレータCMP2の比較動作が終了するまで待機する必要がある。従って、このA/D変換回路22aでは、従来のA/D変換回路3(図47参照)と比較すると、変換スピードが制限されることとなるが、下位ビットを1つのコンパレータCMP2で変換できる。よって、A/D変換回路22aにおける消費電流を低減することができる。
・上記第2〜6実施形態において、A/D変換回路31,41,51,61,71を構成する各基本ユニット32,42,52,62はA/D変換結果として2ビットの信号を出力する構成であるが、1ビットや3ビット以上のNビットの信号を出力する構成としてもよい。また、A/D変換回路31,41,61では、各基本ユニットを2段のツリー状に接続したツリー構造として具体化していたが、3段以上の複数段のツリー構造としてもよい。なお、Nビットの信号を出力する基本ユニットを用いる場合、2段目の基本ユニットにおけるカレントミラー回路のミラー比を1:2となるよう設定する。
・第5実施形態において、基本ユニット62における第2の定電流源群の各基準電流I25〜I28の設定値を、第1の定電流源群の各基準電流I20〜I23の中間電流値(14,10,6,2)に設定していたがこれに限定するものではない。例えば、トランジスタN11,N25〜N28からなるカレントミラー回路のミラー比を2:1に設定した場合、各基準電流I25〜I28の設定値を、7,5,3,1に変更してもよい。このようにしても、上記第5実施形態と同様に、入力電流In1の電流範囲を判定することが可能である。
半導体集積回路の概略構成図である。 本発明の第1実施形態のD/A変換回路を示す回路図である。 図1のD/A変換回路の制御回路を示す回路図である。 電圧V0を出力する動作状態を示す回路図である。 電圧V8を出力する動作状態を示す回路図である。 図6は、本発明の第1実施形態のA/D変換回路を示す回路図である。 図6のA/D変換回路の動作を示すタイムチャートである。 図6のA/D変換回路のコンパレータの判定表を示す説明図である。 図6のA/D変換回路のコンパレータの判定表を示す説明図である。 図6のA/D変換回路の変換表を示す説明図である。 図6のA/D変換回路のコンパレータと制御回路を示す回路図である。 図11のコンパレータの動作を説明するための説明図である。 図11のコンパレータの動作を説明するための説明図である。 本発明の第2実施形態のA/D変換回路を示す回路図である。 本発明の第2実施形態の原理説明図である。 図14のA/D変換回路の基本ユニットを示す回路図である。 図16の基本ユニットのコンパレータを示す回路図である。 1段目の基本ユニットの真理値表を示す説明図である。 2段目の基本ユニットの真理値表を示す説明図である。 図14のA/D変換回路の真理値表を示す説明図である。 本発明の第3実施形態のA/D変換回路を示す回路図である。 図21のA/D変換回路の基本ユニットを示す回路図である。 図22の基本ユニットの真理値表を示す説明図である。 図22の基本ユニットのコンパレータを示す回路図である。 図21のA/D変換回路の真理値表を示す説明図である。 本発明の第4実施形態のA/D変換回路を示す回路図である。 図26のA/D変換回路のS/H回路を示す回路図である。 図27のS/H回路の動作説明図である。 図26のA/D変換回路の動作を示すタイミングチャートである。 図14のA/D変換回路の動作を示す説明図である。 本発明の第5実施形態のA/D変換回路を示す回路図である。 第5実施形態の原理説明図である。 図32の回路動作を示す説明図である。 図31のA/D変換回路の1段目の基本ユニットを示す回路図である。 図31のA/D変換回路の真理値表を示す説明図である。 図31のA/D変換回路の2段目の基本ユニットを示す回路図である。 2段目基本ユニットへの各出力電流を示す説明図である。 2段目基本ユニットへの各出力電流を示す説明図である。 本発明の第6実施形態のA/D変換回路を示す回路図である。 図39のA/D変換回路の動作を示すタイミングチャートである。 別例のD/A変換回路を示す回路図である。 別例のA/D変換回路を示す回路図である。 図42のA/D変換回路の動作を説明する説明図である。 コンパレータの動作を説明するための説明図である。 従来のD/A変換回路を示す回路図である。 従来のD/A変換回路を示す回路図である。 従来のA/D変換回路を示す回路図である。 図47のA/D変換回路の動作を説明する説明図である。 図47のA/D変換回路の第1選択回路を示す回路図である。 図47のA/D変換回路の第2選択回路及びコンパレータを示す回路図である。 従来のA/D変換回路を示す回路図である。 図51のA/D変換回路の概念図である。
符号の説明
21,21a D/A変換回路
51,61,71 A/D変換回路
In1 入力電流(アナログ入力電流)

Claims (19)

  1. A/D変換回路は、
    パイプライン接続され、NビットのA/D変換結果を出力する複数の単位回路を備え、前記複数の単位回路の各々は、
    アナログ入力電流を入力する入力端子と、
    前記アナログ入力電流に応じた電流を複数の電流経路に伝達する電流伝達回路と、
    前記複数の電流経路に接続され、前記アナログ入力電流の振幅範囲について変換ビット数(N)に応じて均等分割された電流を供給する複数の定電流源と、
    前記複数の定電流源と電流伝達回路との間に接続され、該各定電流源から供給される電流から前記電流経路に伝達された電流を減算することにより得られた電流を出力する複数の電流出力端子と、
    前記減算により得られた電流に応じた出力信号をエンコードし、前記アナログ入力電流に応じたデジタル信号を生成するエンコード回路と、
    前段の単位回路の複数の電流出力端子と次段の単位回路の入力端子との間に接続されたサンプルホールド回路とを備えることを特徴とするA/D変換回路。
  2. 請求項1に記載のA/D変換回路において、前記前段の単位回路におけるA/D変換結果に基づいて、次段の単位回路の入力端子に接続される前段の単位回路の電流出力端子を選択する選択回路を備えたことを特徴とするA/D変換回路。
  3. 請求項1又は2に記載のA/D変換回路において、前記次段の単位回路の各定電流源から供給される電流は、前段の単位回路における各定電流源から供給される電流と実質的に同一であり、
    前記次段の単位回路の前記電流伝達回路は、前段の単位回路から供給される入力電流に対し前記Nビットに応じた値を乗算することにより得られた電流を伝達することを特徴とするA/D変換回路。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のA/D変換回路において、前記電流伝達回路及び複数の定電流源は電流減算回路を形成し、当該電流減算回路は、前記エンコード回路に接続される第1の減算回路と、前記電流出力端子に接続される第2の減算回路とを含むことを特徴とするA/D変換回路。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のA/D変換回路において、前記エンコード回路は、前記各定電流源から供給される電流と前記電流経路に伝達された電流との電流減算結果をエンコードするために使用されるエンコード用のコンパレータを含み、前記単位回路は、エンコードのエラーを判定するために使用されるエラー判定用のコンパレータを含むことを特徴とするA/D変換回路。
  6. 請求項5に記載のA/D変換回路は更に、複数の単位回路に接続され、各単位回路のエンコード回路からデジタル信号を受け取り、前記エラー判定用のコンパレータの出力信号に基づいて、前記各デジタル信号に基づくA/D変換結果を訂正するエラー訂正回路を備えることを特徴とするA/D変換回路。
  7. 請求項6に記載のA/D変換回路において、前記エラー訂正回路は、前段の単位回路のエラー判定用のコンパレータの出力信号を後段の単位回路がデジタル信号の出力する前に受け取り、そのエラー判定用のコンパレータの出力に基づいてA/D変換結果を訂正することを特徴とするA/D変換回路。
  8. 請求項6に記載のA/D変換回路において、前記エラー訂正回路は、最後段の単位回路がデジタル信号を出力する前に、該最後段の単位回路よりも前段の各単位回路のエラー判定用のコンパレータの出力信号を受け取り、該各エラー判定用のコンパレータの出力信号に基づいてA/D変換結果を訂正することを特徴とするA/D変換回路。
  9. 請求項5に記載のA/D変換回路において、前記エラー判定用のコンパレータは、前記エンコード用のコンパレータよりも遅い動作速度を有し、かつ高い変換精度を有することを特徴とするA/D変換回路。
  10. 請求項5に記載のA/D変換回路において、前記エラー判定用のコンパレータは、電流減算回路から単一方向に供給される電流にのみ反応して動作することを特徴とするA/D変換回路。
  11. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のA/D変換回路において、前記各単位回路は、前記アナログ入力電流が前記均等分割された電流範囲においていずれの位置の電流であるかを識別する入力電流識別回路を含むことを特徴とするA/D変換回路。
  12. 請求項11に記載のA/D変換回路において、前記複数の定電流源と前記電流伝達回路は第1の電流減算回路を形成し、
    前記入力電流識別回路は、
    前記アナログ入力電流に応じた電流を複数の電流経路に伝達する別の電流伝達回路と、該別の電流伝達回路の各電流経路に接続され、前記複数の定電流源とは異なる電流を複数の電流経路に供給する別の複数の定電流源とを含む第2の電流減算回路を備えたことを特徴とするA/D変換回路。
  13. 請求項12に記載のA/D変換回路において、前記別の複数の定電流源における各電流の設定値は、前記アナログ入力電流の振幅範囲に対応して設定された前記複数の定電流源の設定値を細分化すべく設定されることを特徴とするA/D変換回路。
  14. 請求項11〜13のいずれか1項に記載のA/D変換回路において、各単位回路は、前記アナログ入力電流の振幅範囲外の最大電流に分割電流を加算することにより得られた電流を供給する定電流源と、前記電流伝達回路とから形成される電流減算回路と、該電流減算回路にて得られた電流を出力する電流出力端子とを含むことを特徴とするA/D変換回路。
  15. 請求項14に記載のA/D変換回路において、前記入力電流識別回路は、前記第1の電流減算回路の出力信号と第2の電流減算回路の出力信号とに基づいて、各出力信号のレベルの差に応じた識別信号を生成する論理回路を含むことを特徴とするA/D変換回路。
  16. 請求項15に記載のA/D変換回路において、次段の単位回路へ出力電流を供給する前段の単位回路の前記複数の電流出力端子のうちの一つを前記識別信号のレベルに応じて切り替える選択回路を備えたことを特徴とするA/D変換回路。
  17. 請求項16に記載のA/D変換回路において、前記選択回路は、前記次段の単位回路への出力電流が周辺回路のノイズレベルよりも大きくなるように、前段の単位回路の複数の電流出力端子のうちの一つを選択することを特徴とするA/D変換回路。
  18. 請求項16に記載のA/D変換回路において、前記次段の単位回路は、前段の単位回路から出力される前記識別信号を受け取り、前記次段の単位回路は、前記識別信号のレベルに応じて、前記複数の定電流源及び前記別の複数の定電流源の電流を調整する電流調整回路を含むことを特徴とするA/D変換回路。
  19. 請求項18に記載のA/D変換回路において、前記選択回路が前記識別信号に応じて電流出力端子を切り替えたとき、前記電流調整回路は、次段の単位回路の出力電流が変化するのを防止すべく電流出力端子の切り替えに伴う電流変化分を相殺することを特徴とするA/D変換回路。
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