JP2009031796A - 光ファイバ増幅器の制御方法および光伝送システム - Google Patents

光ファイバ増幅器の制御方法および光伝送システム Download PDF

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Abstract

【課題】伝送路ファイバ上のランプロスに関係なく安定した性能が得られる双方向励起型ラマン増幅器の制御方法および光伝送システムを提供する。
【解決手段】伝送路ファイバ3に前方励起光および後方励起光を供給し、双方向励起された伝送路ファイバ3を伝搬する信号光をラマン増幅する光ファイバ増幅器について、後方励起光の供給を断った状態で前方励起光パワーの変化に対する信号光出力パワーの変化の割合を求め、その割合に従って前方励起光パワーの最適化を行い、その前方励起光のパワーに応じて後方励起光のパワーを制御する。
【選択図】図7

Description

本発明は、波長分割多重(Wavelength Division Multiplexing:WDM)伝送技術を適用した光伝送システムに用いられる光ファイバ増幅器の制御技術に関し、特に、希土類添加光ファイバ増幅器やラマン増幅器における励起光の制御方法と、それを適用した光伝送システムとに関する。
近年、WDM伝送技術を適用して大容量の光通信を実現した光伝送システムやフォトニックネットワークの構築が実用化されている。このような光伝送システム等においては、例えば、希土類添加光ファイバ増幅器やラマン増幅器などの光ファイバ増幅器を用いてWDM信号光を一括して増幅することにより、WDM信号光を長距離に亘って中継伝送することが可能である。
上記のような光ファイバ増幅器を利用した光伝送システム等に関しては、例えば、WDM信号光の波長帯域を拡張して伝送容量の増大を図るという要求や、各中継区間における光信号対雑音比(Optical Signal-to-Noise Ratio:OSNR)を改善して優れた伝送特性を実現するという共通の課題がある。
信号光帯域の拡張のための従来技術としては、例えば図15(A)に示すように一般にC−バンドと呼ばれる1530nm〜1565nmの波長帯域のWDM信号光が、C−バンドに対応した希土類添加光ファイバ増幅器を備えた複数の中継器4で増幅されながら伝送路ファイバ3上を送信端局(Tx)1から受信端局(Rx)2に中継伝送されるシステムについて、図15(B)に示すように一般にL−バンドと呼ばれる1565nm〜1625nmの波長帯域に対応した希土類添加光ファイバ増幅器4Lを各中継器4のC−バンド用希土類添加光ファイバ増幅器4Cに並列に設けることで、信号光帯域をC−バンドおよびL−バンドに拡張する技術が知られている。また、例えばラマン増幅器を利用したシステムについて、ラマン励起光源を増設して波長の異なる複数の励起光を増幅媒体に与えるようにすることで、信号光帯域の拡張を実現する技術も知られている(例えば、下記の特許文献1〜4、非特許文献1参照)。
各中継区間におけるOSNR改善のための従来技術としては、希土類添加光ファイバ増幅器を用いた複数の中継器が伝送路ファイバ上に配置されたシステムについて、各中継区間の伝送路ファイバを増幅媒体とした分布定数型のラマン増幅器(Distributed Raman Amplifier:DRA)を適用することによって、例えば図16のレベルダイヤ(点線)に示すように伝送路ファイバから中継器に入力されるWDM信号光のパワーをラマン増幅により増大させてOSNRを改善させるという技術が知られている。このようなシステムに適用されるDRAに関しては、伝送路ファイバに対して励起光を信号光の伝搬方向とは逆方向に与える後方励起型の構成が一般的である。また、上記のようなシステムにおけるOSNRの更なる改善を図るために、伝送路ファイバに対して励起光を信号光の伝搬方向と同じ方向に与える前方励起型のラマン増幅器を適用したシステムも検討されている。しかし、前方励起型ラマン増幅器については、励起光のもつ相対強度雑音(Relative Intensity Noise:RIN)が信号光に雑音として遷移するRINトランスファーの問題や、ラマン利得が信号光の偏波状態に大きく依存するPDG(Polarization Dependent Gain)の問題などが知られている(例えば、下記の非特許文献2,3参照)。そこで、上記のような前方励起型ラマン増幅器の問題を軽減するために、前方励起および後方励起の両方を適用した双方向励起型ラマン増幅器を利用することが研究されている(例えば、非特許文献4参照)。
特開平10−73852号公報 特開2000−98433号公報 特開2002−76482号公報 特開2002−303896号公報 M.Takeda et al.,"Active gain-tilt equalization by Preferentially 1.43μm - or 1.48 μm - Pumped Raman Amplification", ThA3, OAA1999. C.R.S.Fludger et al.,"Pump to Signal RIN Transfer in Raman Fiber Amplifier", Journal of Lightwave Technology Vol.19, No.8, 2001. J.Zhang et al.,"Dependence of Raman Polarization Dependent Gain on Pump Degree of Polarization at High Gain Levels", OMB4, OAA 2001 J.Bromage et al.,"Raman-enhanced pump-signal four-wave mixing in bidirectionally-pumped Raman amplifiers"OWA5, OAA 2002
しかしながら、上記のような信号光帯域の拡張のための従来技術や、各中継区間におけるOSNR改善のための従来技術については、次のような問題点がある。
すなわち、前述の図15に示したように、希土類添加光ファイバ増幅器を用いたシステムにおいて信号光帯域の拡張のために異なるバンドに対応した希土類添加光ファイバ増幅器を増設した場合、増設前と同等の中継器を並列に追加することになるため、例えばシステム敷設後に伝送容量需要が拡大したときなどにおける帯域拡大サービスが高コストなものになってしまうという問題点がある。また、ラマン増幅器を用いたシステムにおいて励起光源の増設により信号光帯域の拡張を実現した場合にも、一般的に高出力の励起光源は高価であるため帯域拡大サービスのコスト上昇を招いてしまう。帯域拡大サービスを最小限のコストで提供するためには、多くの光伝送システムに用いられている希土類添加光ファイバ増幅器の増幅帯域を簡易に拡張できるようにすることが望まれる。
また、上述したように双方向励起型ラマン増幅器を利用してOSNRの改善を図った場合には、増幅媒体となる伝送路ファイバ上に存在する損失の塊(ランプロス)の位置によって、ラマン増幅器の性能が大きく変動してしまうという問題点がある。このランプロスは、具体的には、伝送路ファイバを接続するコネクタ若しくは融着部の接続不良や、ファイバの曲げなどによって集中的に発生する比較的大きな損失のことである。
例えば、100kmの伝送路ファイバにおいて1dBのランプロスが信号光の入力端に存在する場合と出力端に存在する場合とを比較すると、図17に示すように信号光のレベルダイヤが各々の場合で大きく異なるようになる。このため、入力端にランプロスが存在する場合には、中継区間の全域に亘ってレベルダイヤが低くなりOSNRが劣化してしまう。一方、出力端にランプロスが存在する場合には、伝送路ファイバ内の信号光パワーが増加することにより様々な非線形現象が発生して信号波形が劣化してしまう可能性がある。
上記のようなランプロスに起因して発生するラマン増幅器の性能劣化を考慮して、ランプロスに対するマージンを大きく採ることは、双方向励起型ラマン増幅器のコスト上昇を招くことになってしまう。このため、ランプロスの影響によるラマン増幅器の性能の変動をできる限り抑えることが望まれる。
本発明は上記のような光ファイバ増幅器の制御技術に関する問題点に着目してなされたもので、信号光帯域の拡大サービスを低コストで実現可能にするための希土類添加光ファイバ増幅器の制御方法および光伝送システムを提供することを1つの目的とする。また、伝送路ファイバ上のランプロスに関係なく安定した性能を得ることのできる双方向励起型のラマン増幅器の制御方法および光伝送システムを提供することを他の目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明による光ファイバ増幅器の制御方法の1つの態様は、伝送路ファイバに前方励起光および後方励起光を供給し、双方向励起された伝送路ファイバを伝搬する信号光をラマン増幅する光ファイバ増幅器の制御方法であって、まず、信号光を伝送路ファイバに入力すると共に、伝送路ファイバへの後方励起光の供給を断った状態で、伝送路ファイバに供給する前方励起光のパワーを予め設定した範囲内で変化させ、前方励起された伝送路ファイバを伝搬してラマン増幅された信号光の出力パワーを前方励起光のパワーに対応させて測定する。次に、信号光出力パワーの測定結果を基に、前方励起光パワーの変化に対する信号光出力パワーの変化の割合を求め、その求めた割合に従って、前方励起された伝送路ファイバに関して予め設定した信号光出力パワーの目標値を実現するために必要な前方励起光パワーを算出する。そして、その算出結果に従って、システム運用時に伝送路ファイバに供給する前方励起光のパワーを制御すると共に、その前方励起光のパワーに応じて後方励起光のパワーを制御するようにしたものである。
また、本発明による光伝送システムの1つの態様は、伝送路ファイバに前方励起光および後方励起光を供給し、双方向励起された伝送路ファイバを伝搬する信号光をラマン増幅する光ファイバ増幅器を備えて構成された光伝送システムであって、信号光を伝送路ファイバに入力すると共に、伝送路ファイバへの後方励起光の供給を断った状態で、伝送路ファイバに供給する前方励起光のパワーを予め設定した範囲内で変化させ、該前方励起された伝送路ファイバを伝搬してラマン増幅された信号光の出力パワーを前方励起光のパワーに対応させて測定する測定部と、該測定部における信号光出力パワーの測定結果を基に、前方励起光パワーの変化に対する信号光出力パワーの変化の割合を求め、該求めた割合に従って、前方励起された伝送路ファイバに関して予め設定した信号光出力パワーの目標値を実現するために必要な前方励起光パワーを算出する演算部と、該演算部における算出結果に従って、システム運用時に伝送路ファイバに供給する前方励起光のパワーを制御すると共に、該前方励起光のパワーに応じて後方励起光のパワーを制御する制御部と、を備えて構成されるようにしたものである。
このような制御方法および光伝送システムによれば、後方励起光の供給を断った状態で前方励起光パワーの変化に対する信号光出力パワーの変化の割合が求められ、その割合に従って前方励起光パワーの最適化が行われるため、伝送路ファイバ上にランプロスが存在する場合でも、ランプロスが存在しないときと略同等のレベルダイヤが実現されるようになる。
上述したような本発明によれば、伝送路ファイバ上のランプロスに関係なく所望のレベルダイヤを得ることができるため、双方向励起された伝送路ファイバにおいて信号光を安定してラマン増幅することが可能になる。
以下、本発明に係る光ファイバ増幅器の制御方法を実施するための最良の形態について添付図面を参照しながら説明する。なお、全図を通して同一の符号は同一または相当部分を示すものとする。
図1は、本発明に関連した光ファイバ増幅器の制御方法を適用した光伝送システムの一実施形態の要部構成を示すブロック図である。
図1において、本実施形態の光伝送システムは、例えば、増幅用ファイバ11、励起光源12A,12B、増設励起光源13A,13B、合波器14A,14B,15A,15B、可変利得等化器(dynamic gain equalizer:DGEQ)16、光カプラ17、モニタ18および制御回路19を有する光増幅中継部10を備えて構成される。なお、光伝送システム全体の構成は、上述の図15(A)に示した従来の構成と同様であり、上記の光増幅中継部10が伝送路ファイバ3上の各中継器4に対応する。また、図中の点線で囲んだ部分は、従来の希土類添加光ファイバ増幅器の構成と同様の部分を示している。
具体的に、光増幅中継部10を構成する増幅用ファイバ11は、例えばエルビウム等の希土類元素がコア部に添加された公知の希土類添加光ファイバが使用される。
励起光源12A,12Bは、増幅用ファイバ11内の希土類元素を励起可能な所要の波長帯の励起光を発生する。例えば、増幅用ファイバ11としてエルビウム添加光ファイバ(EDF)が使用される場合には、励起光源12A,12Bの各波長帯が980nm帯または1480nm帯などに設定される。
増設励起光源13A,13Bは、後述するように増幅用ファイバ11における信号光の増幅帯域を短波長側に拡げて信号光帯域を拡張させるために増設される励起光源である。各増設励起光源13A,13Bは、励起光源12A,12Bに対して波長を僅かに異なられた励起光、若しくは、励起光源12A,12Bと同じ波長で偏波状態が異なる励起光を発生する。
合波器14Aは、励起光源12Aから出力される励起光を増幅用ファイバ11に前方(信号光入力側)から供給する。合波器14Bは、励起光源12Bから出力される励起光を増幅用ファイバ11に後方(信号光出力側)から供給する。これらの合波器14A,14Bとしては、一般的なWDMカプラ等を使用することができる。なお、ここでは双方向励起型の構成について説明するが、本発明はこれに限らず、前方励起型または後方励起型の構成の希土類添加光ファイバ増幅器にも適用することが可能である。
合波器15A,15Bは、励起光源12A,12Bから出力される励起光と増設励起光源13A,13Bから出力される励起光とを合波して合波器14A,14Bに与えるものである。各合波器15A,15Bは、励起光源12A,12Bおよび増設励起光源13A,13Bの波長が僅かに異なる場合にはWDMカプラを使用することができ、波長が同じで偏波状態が異なる場合には偏波合成器を使用することができる。
可変利得等化器16は、励起光の供給された増幅用ファイバ11を伝搬して増幅されたWDM信号光が入力され、その入力光を制御回路19からの制御信号に応じて制御された透過波長特性に従って透過することが可能な公知の光デバイスである。
光カプラ17は、可変利得等化器16を透過したWDM信号光の一部を分岐してモニタ18に送る。モニタ18は、光カプラ17からの分岐光のスペクトルを一般的な方法によって測定し、その結果を基に光増幅中継部10から出力されるWDM信号光パワーの波長特性をモニタする。
制御回路19は、光増幅中継部10に入力されるWDM信号光の波長帯域の設定と、モニタ18におけるモニタ結果とに応じて、増幅用ファイバに供給される励起光のパワーと可変利得等化器16の透過波長特性とを相互に関連させて制御するものである。
次に、上記のような構成を有する光伝送システムの動作について説明する。
本光伝送システムでは、送信端局1(図15)から伝送路ファイバ3に送信されたWDM信号光が、伝送路ファイバ3上に複数配置された光増幅中継部10で増幅されながら受信端局2まで中継伝送される。各光増幅中継部10では、伝送路ファイバ3を伝搬したWDM信号光が合波器14Aを介して増幅用ファイバ11に送られる。増幅用ファイバ11には、励起光源12Aおよび増幅励起光源13Aからの各励起光が合波器15Aで合波された後に合波器14Aを介して前方励起光として供給されると共に、励起光源12Bおよび増幅励起光源13Bからの各励起光が合波器15Bで合波された後に合波器14Bを介して後方励起光として供給され、これらの励起光によって増幅用ファイバ11内の希土類元素(ここではエルビウム)が励起される。
このとき増幅用ファイバ11に双方向から供給される励起光のパワーは、後述するように制御回路19から出力される制御信号に従って励起光源12A,12Bまたは増設励起光源13A,13Bの励起状態が調整されることにより、WDM信号光の波長帯域に応じたレベルに制御される。なお、制御回路19による励起光パワーの制御の詳細については後述する。
励起光が供給された増幅用ファイバ11を伝搬するWDM信号光は、エルビウムの誘導放出作用によって増幅され、その増幅されたWDM信号光が合波器14Bを介して可変利得等化器16に与えられる。可変利得等化器16では、制御回路19からの制御信号によって制御された透過波長特性に従ってWDM信号光に対する利得等化が行われる。なお、利得等化とは、WDM信号光の各波長に対応した光パワーが所望のレベルに一致するか若しくは近づくように調整することを意味する。そして、可変利得等化器6を透過したWDM信号光は、次の中継区間の伝送路ファイバ11に送られると共に、その一部が光カプラ17で分岐されモニタ18に与えられて出力光パワーの波長特性がモニタされる。
ここで、制御回路19による増設励起光源13A,13Bおよび可変利得等化器16の制御について、図2のフローチャートを参照しながら詳しく説明する。
例えば、本光伝送システムの敷設後に伝送容量需要が拡大して信号光の波長帯域を短波長側または長波長側に拡張することが要求された場合を想定すると、制御回路19は、図2(A)に例示した短波長側への帯域拡張のアルゴリズムまたは図2(B)に例示した長波長側への帯域拡張のアルゴリズムに従って、増幅用ファイバ11に供給する励起光パワーおよび可変利得等化器16の透過波長特性を相互に関連させて制御する。
具体的に、信号光の波長帯域を短波長側に拡張する場合には、まず、図2(A)のステップ10(図中S10で示し、以下同様とする)において、増幅用ファイバ11に供給する励起光パワーを増加させるための制御信号が制御回路19で生成され、増設励起光源13A,13Bにそれぞれ出力される。
ステップ11では、制御回路19からの制御信号に従って、各増設励起光源13A,13Bの駆動状態が制御され、各々から出力される励起光のパワーが所要のレベルとなるように調整される。これにより、EDFを用いた増幅用ファイバ11で発生する光増幅の利得波長特性は、図3のC−バンドを中心とした帯域拡張例および図4のL−バンドを中心とした帯域拡張例に示すように、励起光パワーが従来と同様の条件に設定された帯域拡張前の特性(太線)に比べて、有効な利得の生じる波長帯域が短波長側に拡がった特性(細線)となる。また、励起光パワーの増加に伴って利得波長特性の全体的なレベルが高くなると共に、利得波長特性の形状にも変化が生じる。この励起光パワーの増加による利得の上昇と波長形状の変化とは、次のステップ12において可変利得等化器16の透過波長特性を最適化することで吸収する。
具体的にステップ12では、励起光パワーの増加に対応させて可変利得等化器16の透過波長特性を最適化するための制御信号が制御回路19で生成され、可変利得等化器16に出力される。可変利得等化器16では、制御回路19からの制御信号に従って透過波長特性が可変制御され、増幅用ファイバ11から出力されるWDM信号光の利得等化とレベル調整が行われる。また、ここでは、可変利得等化器16で利得等化されたWDM信号光の波長特性が光カプラ17およびモニタ18によってモニタされ、その結果が制御回路19にフィードバックされて可変利得等化器16の最適化制御に反映される。
一方、信号光の波長帯域を長波長側に拡張する場合には、図2(B)のステップ20において、増幅用ファイバ11に供給する励起光パワーを減少させるための制御信号が制御回路19で生成され、励起光源12A,12Bにそれぞれ出力される。
ステップ21では、制御回路19からの制御信号に従って、各励起光源12A,12Bの駆動状態が制御されて各々から出力される励起光のパワーが所要のレベルとなるように調整される。これにより、増幅用ファイバ11で発生する光増幅の利得波長特性は、前述の図3および図4の帯域拡張例に示したように、励起光パワーが従来と同様の条件に設定された帯域拡張前の特性(太線)に比べて、有効な利得の生じる波長帯域が長波長側に拡がった特性(点線)となる。また、励起光パワーの減少に伴って利得波長特性の全体的なレベルが低くなると共に、利得波長特性の形状にも変化が生じる。
次のステップ22では、励起光パワーの減少に対応させて可変利得等化器16の透過波長特性を最適化するための制御信号が制御回路19で生成され、前述したステップ12の場合と同様にして、制御回路19からの制御信号に従って可変利得等化器16のフィードバック制御が実行される。
上記のように本実施形態の光伝送システムによれば、増幅用ファイバ11に供給する励起光のパワーを増減させると共に、その励起光パワーの増減によって生じる利得波長特性の変化に対応させて可変利得等化器16の透過波長特性を最適化することで、希土類添加光ファイバ増幅器の増幅帯域を短波長側または長波長側に容易に拡げることができる。これにより、上述の図15(B)に示した従来例のように異なるバンドの光ファイバ増幅器を並列に増設することなく信号光帯域を拡張することが可能になるため、システム敷設後に伝送容量需要が拡大したときなどに最小コストで帯域拡大サービスを提供することができる。また、本実施形態における信号光帯域の拡張は既設波長運用中(インサービス)に実施することができるため、システム運用面における利便性にも優れている。
なお、上記の実施形態では、希土類添加光ファイバ増幅器の後段に可変利得等化器16を配置した一例を示したが、本発明における希土類添加光ファイバ増幅器および可変利得等化器の位置関係は上記の一例に限定されるものではない。例えば、2段構成の希土類添加光ファイバ増幅器の段間に可変利得等化器を配置した構成など、光増幅中継部として想定し得る任意の構成について本発明を適用することが可能である。
また、希土類添加光ファイバ増幅器の一例としてエルビウム添加光ファイバ増幅器を挙げたが、エルビウム以外の他の希土類を添加した光ファイバ増幅器についても、励起光パワーの増減と可変利得等化器の最適化によって信号光帯域の拡張を実現することができる。
さらに、可変利得等化器から出力されるWDM信号光の波長特性をモニタして可変利得等化器をフィードバック制御するようにしたが、励起光パワーの設定に対応した可変利得等化器の最適条件を予め特定してメモリ等に記憶しておき、信号光帯域の拡張が必要になった場合に記憶データを参照して適合する条件を決定するようにしてもよい。このようにすれは、出力モニタを省略することができるためより低コストのシステムを提供することが可能になる。
次に、本発明に関連した光ファイバ増幅器の制御方法を適用した光伝送システムの他の実施形態について説明する。
図5は、上記他の実施形態の光伝送システムの要部構成を示すブロック図である。
図5において、本実施形態の光伝送システムは、上述の図1に示した光伝送システムについて、伝送路ファイバ3を増幅媒体とする分布定数型ラマン増幅器20を各光増幅中継部10に組み合わせ、各中継区間における雑音特性の改善を図るようにしたものである。上記のラマン増幅器20は、ここでは例えばラマン増幅用励起光源21、増設ラマン増幅用励起光源22および合波器23,24を備えて構成される。
具体的に、ラマン増幅用励起光源21は、伝送路ファイバ3を伝搬するWDM信号光に対してラマン増幅を発生することが可能な所要の波長およびパワーを有する励起光を発生する。ラマン増幅は、例えば伝送路ファイバ3(増幅媒体)として石英系の光ファイバが使用される場合、励起光の周波数よりも13.2THz低い周波数に利得ピークが発生する。このため、ラマン増幅用励起光源21の波長は、例えばC−バンドの信号光に対して約100nm短波長側の帯域に設定される。このラマン増幅用励起光源21の出力光パワーは、制御回路19からの制御信号に従って所要のレベルに制御される。
増設ラマン増幅用励起光源22は、後段の希土類添加光ファイバ増幅器における増幅帯域の拡大に対応してラマン増幅帯域を拡げるために増設される励起光源である。この増設ラマン増幅用励起光源22の波長は、拡張される信号光帯域に応じて設定され、ラマン増幅用励起光源21の波長とは基本的に異なる値に設定される。増設ラマン増幅用励起光源22の出力光パワーも、制御回路19からの制御信号に従って所要のレベルに制御される。
合波器23は、ラマン増幅用励起光源21から出力される励起光を伝送路ファイバ3に後方(信号光出力側)から供給する。また、合波器24は、ラマン増幅用励起光源21から出力される励起光と増設ラマン増幅用励起光源22から出力される励起光とを合波して合波器23に与えるものである。各合波器23,24の具体例としては、一般的なWDMカプラ等を使用することができる。
上記のような構成を有する光伝送システムでは、送信端局1(図15)で生成されたWDM信号光が伝送路ファイバ3に送信される。伝送路ファイバ3には、制御回路19により駆動状態の制御されたラマン増幅用励起光源21および増設ラマン増幅用励起光源22からの各励起光が合波器23,24を介して供給され、このラマン増幅用の励起光は信号光とは逆方向に伝送路ファイバ3中を伝搬する。これにより伝送路ファイバ3を伝搬するWDM信号光がラマン増幅されて光増幅中継部10に到達する。
伝送路ファイバ3でラマン増幅されたWDM信号光は、上述の図1に示した実施形態の場合と同様にして合波器14Aを介して増幅用ファイバ11に送られ、制御回路19により駆動状態の制御された励起光源12A,12Bおよび増幅励起光源13A,13Bからの励起光の供給を受けて励起されたエルビウム等の誘導放出作用によってWDM信号光が増幅される。増幅用ファイバ11を伝搬して増幅されたWDM信号光は、制御回路19からの制御信号に従って透過波長特性の制御された可変利得等化器16に与えられて利得等化される。そして、可変利得等化器16を透過したWDM信号光は、次の中継区間の伝送路ファイバ11に送られると共に、その一部が光カプラ17で分岐されモニタ18に与えられて出力光パワーの波長特性がモニタされる。
ここで、本実施形態における制御回路19の制御動作について、図6のフローチャートを参照しながら詳しく説明する。
上述の図2を参照して動作を説明した場合と同様に、例えば、本光伝送システムの敷設後に伝送容量需要が拡大して信号光の波長帯域を短波長側または長波長側に拡張することが要求された場合を想定すると、制御回路19は、図6(A)に例示した短波長側への帯域拡張のアルゴリズムまたは図6(B)に例示した長波長側への帯域拡張のアルゴリズムに従って、伝送路ファイバ3に供給するラマン増幅用の励起光パワー、増幅用ファイバ11に供給する励起光パワーおよび可変利得等化器16の透過波長特性を相互に関連させて制御する。
具体的に、信号光の波長帯域を短波長側に拡張する場合には、まず、図6(A)のステップ30において、増幅用ファイバ11に供給する励起光パワーを増加させるための制御信号が制御回路19で生成され、増設励起光源13A,13Bにそれぞれ出力される。そして、ステップ31では、制御回路19からの制御信号に従って、各増設励起光源13A,13Bの駆動状態が制御されて各々から出力される励起光のパワーが所要のレベルとなるように調整される。これにより、増幅用ファイバ11における光増幅の利得波長特性は、短波長側に拡大すると共に、利得のレベルが全体的に高くなって波長形状にも変化が生じる。
次に、ステップ32では、信号光帯域の短波長側への拡張に対応して伝送路ファイバ3におけるラマン増幅の波長帯域も短波長側に拡大するように、伝送路ファイバ3に供給されるラマン増幅用励起光の波長若しくはパワーが調整される。ここでは、例えばラマン増幅用励起光源21よりも波長の短いラマン増幅用励起光源22を増設することにより、ラマン増幅の波長帯域を短波長側に拡大させる。ラマン増幅用励起光源21および増設ラマン増幅用励起光源22の各出力光パワーは、次のステップ33で行われる可変利得等化器16の透過波長特性の制御と相互に関連させて、WDM信号光に対する所望の利得等化が実現され、かつ、WDM信号光に含まれる各波長の光信号についてのOSNRが最も平坦となるように、最適なレベルに設定される。このラマン増幅用励起光パワーと可変利得等化器16の透過波長特性との最適化は、具体的には、短波長側のラマン増幅用励起光パワーが長波長側よりも相対的に大きくなるように傾きをつけ、この傾きに応じて生じるラマン利得の波長偏差が可変利得等化器16で平坦化されるように、可変利得等化器16の透過波長特性を最適化するのが好ましい。
なお、ここではラマン増幅用励起光源を増設することによって信号光帯域の短波長側への拡張に対応するようにしたが、例えば、ラマン増幅用励起光源21として波長の異なる複数の励起光源が用いられている場合には、それらのうちの短波長側の励起光源の出力パワーを増加させることにより、ラマン増幅の波長帯域を短波長側に拡大させることも可能である。
一方、信号光の波長帯域を長波長側に拡張する場合には、図6(B)のステップ40において、増幅用ファイバ11に供給する励起光パワーを減少させるための制御信号が制御回路19で生成され、励起光源12A,12Bにそれぞれ出力される。そして、ステップ41では、制御回路19からの制御信号に従って、各励起光源12A,12Bの駆動状態が制御されて各々から出力される励起光のパワーが所要のレベルとなるように調整される。これにより、増幅用ファイバ11における光増幅の利得波長特性は、長波長側に拡大すると共に、利得のレベルが全体的に低く高くなって波長形状にも変化が生じる。
次に、ステップ42では、信号光帯域の長波長側への拡張に対応して伝送路ファイバ3におけるラマン増幅の波長帯域も長波長側に拡大するように、伝送路ファイバ3に供給されるラマン増幅用励起光の波長若しくはパワーが調整される。ここでは、例えばラマン増幅用励起光源21よりも波長の長いラマン増幅用励起光源22を増設することにより、ラマン増幅の波長帯域を長波長側に拡大させる。ラマン増幅用励起光源21および増設ラマン増幅用励起光源22の各出力光パワーは、次のステップ43で行われる可変利得等化器16の透過波長特性の制御と相互に関連させて、WDM信号光に対する所望の利得等化が実現され、かつ、WDM信号光に含まれる各波長の光信号についてのOSNRが最も平坦となるように、最適なレベルに設定される。このラマン増幅用励起光パワーと可変利得等化器16の透過波長特性との最適化についての好ましい具体例は、前述した短波長側への拡張の場合と同様である。
上記のように本実施形態の光伝送システムによれば、上述の図1に示した実施形態の場合と同様の効果を得ることができると共に、伝送路ファイバ3を増幅媒体とするラマン増幅器20を組み合わせ、信号光帯域の拡張に対応してラマン増幅用励起光の制御も同時に行うようにしたことで、各光増幅中継部10の増幅用ファイバ11に入力されるWDM信号光のレベルがラマン増幅によって高くなるため、各中継区間におけるOSNRの改善を図ることが可能になる。また、信号光帯域を拡張するために増幅用ファイバ11に供給する励起光パワーを増減させることで、希土類添加光ファイバ増幅器の利得が増減することになるが、その利得の増減が可変利得等化器16によって吸収できる範囲を超えてしまうような場合であっても、伝送路ファイバ3におけるラマン利得の制御と連携して可変利得等化器16の透過波長特性を制御することで、ラマン増幅器20を含めた光増幅中継ノード全体のレベルダイヤを再設定することができるため、信号光帯域をより広い範囲に亘って拡張することが可能である。
次に、本発明による光ファイバ増幅器の制御方法を適用した光伝送システムについて説明する。
図7は、本発明による光ファイバ増幅器の制御方法を適用した光伝送システムの一実施形態の要部構成を示すブロック図である。また、図8は、上記の光伝送システム全体の構成を示す図である。
本実施形態の光伝送システムは、例えば図8に示すように、送信端局(Tx)1および受信端局(Rx)2の間を接続する伝送路ファイバ3上に複数の中継器4が配置されると共に、各中継器4間の伝送路ファイバ3を増幅媒体として励起光を双方向から供給し、伝送路ファイバ3中を伝搬するWDM信号光をラマン増幅する双方向励起型ラマン増幅部30が中継区間ごとに配置される。各中継区間の双方向励起型ラマン部30は、例えば図7に示すように、ラマン増幅用励起光源(LD)31A,31B、合波器32A,32B、光カプラ33、モニタ34、演算回路35および制御回路36を有する。なお、各中継器4は、公知の光伝送システムに適用される一般的な中継器、または、上述の図1や図5に示したような光増幅中継部とすることができる。
具体的に、ラマン増幅用励起光源31A,31Bは、伝送路ファイバ3を伝搬するWDM信号光に対してラマン増幅を発生することが可能な所要の波長およびパワーを有する励起光をそれぞれ発生するものである。ここでは、各ラマン増幅用励起光源31A,31Bから出力される励起光はそれぞれ単一波長で構成されるものとする。
合波器32Aは、ラマン増幅用励起光源31Aから出力される励起光を伝送路ファイバ3に前方(信号光入力側)から供給するものである。また、合波器32Bは、ラマン増幅用励起光源31Bから出力される励起光を伝送路ファイバ3に後方(信号光出力側)から供給するものである。各合波器32A,32Bの具体例としては、一般的なWDMカプラ等を使用することができる。
光カプラ33は、伝送路ファイバ3を伝搬して中継器4に入力されるWDM信号光の一部を分岐してモニタ34に送るものである。モニタ34は、光カプラ33からの分岐光のパワーを測定し、伝送路ファイバ3を伝搬してラマン増幅されたWDM信号光の出力パワーをモニタする。
演算回路35は、モニタ34における信号光出力パワーのモニタ値に基づいて、後述するように伝送路ファイバ3上に存在するランプロスの影響を考慮した励起光パワーの設定値を演算し、その結果を示す信号を制御回路36に出力する。
制御回路36は、演算回路35からの出力信号に従ってラマン増幅用励起光源31A,31Bの駆動状態を制御するための信号を生成し、その制御信号を各ラマン増幅用励起光源31A,31Bにそれぞれ出力する。
次に、上記のような構成を有する光伝送システムの動作について説明する。
本光伝送システムでは、システムの立ち上げ時において、例えば図9のフローチャートに示すようなアルゴリズムに従って、各中継区間の伝送路ファイバ3に供給される前方励起光および後方励起光の各パワーが設定されることにより、伝送路ファイバ3上にランプロスが存在する場合でも所望のレベルダイヤに従って信号光が伝送されるようになる。
具体的には、まず図9のステップ100において、運用時に送受信端局間で伝送するWDM信号光と同等の信号光が、各中継区間の伝送路ファイバ3に対して送信側から順番に入力される。ステップ101では、伝送路ファイバ3への信号光の入力があった中継区間について、伝送路ファイバ3に供給される前方励起光および後方励起光の各パワーが0mWとなるように、すなわち、伝送路ファイバ3に励起光が供給されない状態となるように、各ラマン増幅用励起光源31A,31Bの動作が制御回路36によって制御される。
ステップ102では、伝送路ファイバ3を伝搬して中継器4に与えられる信号光出力パワーが光カプラ33およびモニタ34によって測定される。そして、ステップ103では、モニタ34で測定された信号光出力パワーの値が、その時の励起光パワーに対応させて演算回路35内の図示しないメモリ等に保存される。信号光出力パワーの測定値の保存が終わると、ステップ104で前方励起光パワーが励起光源31Aの最大値(出力リミット)に達しているか否かが判定される。前方励起光パワーが最大値に達していない場合には、ステップ105で前方励起光パワーが所要量(例えば、5mW)増加するように、ラマン増幅用励起光源31Aの駆動状態が制御回路36によって制御された後、ステップ102に戻って信号光出力パワーの測定とその保存が行われる。前方励起光パワーが最大値に達するまで上記の一連の処理が繰り返され、最大値に到達すると次のステップ106に移る。
なお、モニタ34で測定される信号光出力パワーは、信号光成分と雑音光(自然ラマン散乱光)成分を足し合わせたパワーになるが、例えば、本出願人の先願である特願2001−553962号に記載された技術を適用することで励起光パワーを基に自然ラマン散乱光パワーを見積ることが可能であり、その自然ラマン散乱光パワーをモニタ34の測定値から差し引くことで信号光成分のみの出力パワーを得ることができるようになる。
ステップ106では、演算回路35において、上記のステップ103で保存されたデータを用い、前方励起光パワーの増加に対する信号光出力パワーの増加の割合が演算される。この前方励起光パワーと信号光出力パワーの関係は、例えば図10の左側にプロットしたような測定点のデータを基に公知の近似式を適用するなどして求められる。なお、図10は、システム立ち上げ時の一連の処理の流れを横軸に時間、縦軸に信号光出力パワーをとって示したものである。
前方励起光パワーと信号光出力パワーの関係が演算されると、次のステップ107では、信号光出力パワーの目標値Pt1(図10参照)が実現されるようにするための前方励起光パワーの設定値がステップ106で求めた関係を利用して算出される。この信号光出力パワーの目標値Pt1は、前方励起光のみを伝送路ファイバ3に供給した状態で所望のレベルダイヤが実現可能になる信号光出力パワーを予め設計した値である。信号光出力パワーの目標値Pt1に対応した前方励起光パワーの設定値が演算回路35で求められると、その設定値を示す信号が制御回路36に伝えられる。この演算回路35からの信号に従って制御回路36によりラマン増幅用励起光源31Aの駆動状態が制御される。
前方励起光パワーが最適化されると、次のステップ109ではモニタ34で信号光出力パワーをモニタしながら後方励起光パワーが徐々に増加される。そして、ステップ110で信号光出力パワーが双方向励起状態における目標値Pt2(図10参照)に到達して略一定となることにより、システム立ち上げ時の制御が完了する。
上記のようにしてシステムの立ち上げ時に前方励起光パワーの最適化を行うことで、例えば図11に示すように、伝送路ファイバ3上の信号光入力側にランプロスが存在する場合でも、ランプロスが存在しないときと略同等のレベルダイヤが実現できるようになる。すなわち、従来のようにランプロスの存在に関係なく前方励起光パワーを所定値に設定する場合には、図11の破線で示したレベルダイヤCにあるように、ランプロスが入力側に存在すると伝送路ファイバ3への信号光の入力レベルが下がると同時に伝送路ファイバ3に供給できる前方励起光パワーも減少するため、前方励起光によって得られるラマン利得が減少し、その利得不足分が後方励起光によって補われることになる。その結果、伝送路ファイバ3上での信号光の最小レベルが低下することになってOSNRが劣化してしまう。一方、本システムの場合には、図11の実線で示したレベルダイヤAにあるように、前方励起光のみを伝送路ファイバ3に供給したときの信号光出力パワー(レベルダイヤA’参照)をランプロスが存在しない場合(レベルダイヤB参照)と略同等となるまで上昇させ、その後、後方励起光によるラマン利得を得ているため、信号光の最小レベルが改善されてランプロスの影響を小さく抑えることができる。したがって、伝送路ファイバ上のランプロスに関係なく、双方向励起型ラマン増幅部の性能を安定したものにすることが可能となる。
なお、上記の実施形態では、伝送路ファイバ3を伝搬してラマン増幅された信号光の出力パワーが目標値Pt2で略一定となるように、後方励起光のパワーが設定される一例を示したが、本発明はこれに限らず、例えば、伝送路ファイバ3を伝搬してラマン増幅された信号光のオンオフ利得が予め設定した値で略一定となるように、後方励起光のパワーが設定されるようにしてもよい。
次に、本発明に関連した光ファイバ増幅器の制御方法を適用した光伝送システムの他の実施形態について説明する。
前述の図7に示した光伝送システムでは、双方向励起された伝送路ファイバ3を伝搬してラマン増幅された信号光の出力パワーをモニタ34で測定し、その結果を利用して前方および後方励起光パワーの最適化を行うようにした。本実施形態では、モニタ34に光スペクトルアナライザとしての機能を付加して、該モニタ34での測定結果を基にOSNRを計算して、そのOSNRが所望の値になるように前方および後方励起光パワーの最適化を行うようにした変形例について説明する。なお、本実施形態の光伝送システムの構成は、前述した図7および図8と同様である。このため、ここではシステムの立ち上げ時の制御動作を図12のフローチャートを参照しながら詳しく説明することにする。
本光伝送システムの立ち上げ時には、まず図12のステップ120において、運用時に送受信端局間で伝送するWDM信号光と同等の信号光が各中継区間の伝送路ファイバ3に対して送信側から順番に入力される。ステップ121では、伝送路ファイバ3への信号光の入力があった中継区間について、伝送路ファイバ3に供給される前方励起光および後方励起光の各パワーが0mWとなるように、各ラマン増幅用励起光源31A,31Bの動作が制御回路36によって制御される。ステップ122では、伝送路ファイバ3を伝搬して中継器4に与えられる信号光の出力パワーが光カプラ33およびモニタ34によって測定される。そして、ステップ123では、後方励起光パワーがラマン増幅用励起光源31Bの最大出力(パワーリミット)に達しているか否かが判定され、最大値に達していない場合にはステップ124に進み、最大値に達している場合にはステップ126に移る。
ステップ124では、ステップ122で測定した信号光出力パワーの値が予め設定した双方向励起時における信号光出力パワーの目標値Pt2(図10参照)に達しているか否かの判定が行われる。測定値が目標値Pt2以下の場合には、ステップ125で後方励起光パワーが所要量(例えば、10mW)増加するように、ラマン増幅用励起光源31Aの駆動状態が制御回路36によって制御された後、ステップ122に戻って信号光出力パワーの測定が行われる。一方、ステップ124で測定値が目標値Pt2に達したと判定された場合には、後述するステップ129に移る。
ステップ126では、ステップ123で後方励起光パワーが最大値に達したことの判定結果を受けて、前方励起光パワーが所要量(例えば、10mW)増加するように、ラマン増幅用励起光源31Bの駆動状態が制御回路36によって制御される。ステップ127では、前方および後方励起光の供給を受けた伝送路ファイバ3を伝搬してラマン増幅された信号光の出力パワーが光カプラ33およびモニタ34によって測定される。そして、ステップ128では、上記ステップ124の場合と同様にして、ステップ127で測定した信号光出力パワーの値が目標値Pt2に達しているか否かの判定が行われ、測定値が目標値Pt2以下の場合には、ステップ126に戻って前方励起光パワーが増加されて再び信号光出力パワーの測定が行われる。一方、測定値が目標値Pt2に達した場合には、次のステップ129に進む。
ステップ129では、信号光出力パワーの測定値が目標値Pt2を超えた状態においてモニタ34で測定される光スペクトルを利用して、伝送路ファイバ3を伝搬した信号光についてのOSNRが演算回路35により求められる。そして、ステップ130では、ステップ129で求められたOSNRの測定値が、当該中継区間における損失(スパンロス)を基に想定されるOSNRの値(設計値)よりも大きくなっているかが判定される。OSNRの測定値が設計値以下の場合には、前方および後方励起光パワーの最適化が必要であると判断して、まず、ステップ131で前方励起光パワーが所要量(例えば、10mW)増加され、続いて、ステップ132でモニタ34で測定される信号光出力パワーが目標値Pt2に略一致するまで後方励起光パワーが下げられて、再度ステップ129に戻ってOSNRの計算が行われる。そして、OSNRの測定値が設計値よりも大きくなったことがステップ130で判定されることにより、システム立ち上げ時の制御が完了する。
上記のようにシステムの立ち上げ時にラマン増幅された信号光のOSNRを測定し、その測定結果に基づいて前方および後方励起光パワーの最適化を行うことによっても、伝送路ファイバ上のランプロスに関係なく、双方向励起型ラマン増幅部の性能を安定したものにすることが可能となる。
なお、上述の図7に示した双方向励起型ラマン増幅部30では、前方励起光および後方励起光がそれぞれ単一波長で構成される場合を例示したが、前方励起光または後方励起光が複数波長で構成されるような双方向励起型ラマン増幅部についても本発明を応用することが可能である。例えば図13に示すように、前方および後方のラマン増幅用励起光源31A,31Bが、それぞれ、波長の異なる2つの励起光源41,41’と、それらの励起光源41,41’から出力される各励起光を合波するWDMカプラ42とから構成されるようにしてもよい。また、この場合、モニタ34については、光カプラ33で分岐された信号光を光カプラ51でさらに2分岐し、各波長の励起光によるラマン利得のピーク波長に対応した透過帯域を有する2つの光フィルタ62,52’を通して受光素子63,53’で受光するような構成として、信号光のモニタを各励起光波長に対応させて個別に行い、各々のモニタ結果に基づいて対応する波長の励起光パワーを制御するようにしてもよい。このような構成とすることにより、前方および後方励起光パワーの最適化をより高い精度で行うことが可能になる。なお、上記のような複数波長の励起光パワーを制御する具体的なアルゴリズムに関しては、例えば特許文献:特開2002−72262号公報等に記載された技術を適用することが可能である。
また、上述の図7に示した光伝送システムの構成に関して、一中継区間の受信側に配置した制御回路36で生成される制御信号を、送信側に配置したラマン増幅用励起光源31Aまで伝達する具体的な手段としては、例えば図14に示すような対向回線を伝送される監視制御信号(OSC)を利用することが可能である。図14の構成例では、図で上側に示した上り回線の前方励起光パワーを制御するための制御信号が、制御回路36から同じ中継局内の下り回線側のOSC送信器71に伝えられる。そして、上り回線側の制御信号が下り回線を伝搬する監視制御信号に載せて伝送され、OSC受信器72で受信された制御信号が同じ中継局内の上り回線側のラマン増幅用励起光源31Aに送られる。なお、図14の一例では上り回線側の制御信号を伝達するための構成だけを示したが、下り回線側についても上り回線側と同様の構成により制御信号の伝達を行うことが可能である。
以上、本明細書で開示した主な発明について以下にまとめる。
(付記1)希土類添加光ファイバに励起光を供給し、該希土類添加光ファイバを伝搬する信号光を増幅する光ファイバ増幅器の制御方法であって、
前記希土類添加光ファイバに供給される励起光のパワーを調整すると共に、該励起光のパワー調整によって発生する利得波長特性の変化に応じて、前記希土類添加光ファイバを伝搬して増幅された信号光に生じる出力パワーの波長偏差を等化する可変利得等化器の透過波長特性を制御することにより、前記希土類添加光ファイバで増幅可能な信号光帯域を短波長側または長波長側に拡大することを特徴とする光ファイバ増幅器の制御方法。
(付記2)付記1に記載の光ファイバ増幅器の制御方法であって、
前記希土類添加光ファイバがエルビウム添加光ファイバであるとき、
該エルビウム添加光ファイバに供給される励起光のパワーを予め設定された基準パワーよりも減少させ、該励起光パワーの減少量に応じて前記可変利得等化器の透過波長特性を制御することにより、前記エルビウム添加光ファイバで増幅可能な信号光帯域を長波長側に拡大することを特徴とする光ファイバ増幅器の制御方法。
(付記3)付記1に記載の光ファイバ増幅器の制御方法であって、
前記希土類添加光ファイバがエルビウム添加光ファイバであるとき、
該エルビウム添加光ファイバに供給される励起光のパワーを予め設定された基準パワーよりも増加させ、該励起光パワーの増加量に応じて前記可変利得等化器の透過波長特性を制御することにより、前記エルビウム添加光ファイバで増幅可能な信号光帯域を短波長側に拡大することを特徴とする光ファイバ増幅器の制御方法。
(付記4)付記1に記載の光ファイバ増幅器の制御方法であって、
前記希土類添加光ファイバの信号光入力側に接続される伝送路ファイバに励起光を供給することにより、当該伝送路ファイバを伝搬する信号光をラマン増幅し、
前記希土類添加光ファイバで増幅可能な信号光帯域の拡大に対応させて、前記伝送路ファイバに供給される励起光の波長を増設することを特徴とする光ファイバ増幅器の制御方法。
(付記5)付記4に記載の光ファイバ増幅器の制御方法であって、
波長の異なる複数の励起光を前記伝送路ファイバに供給して信号光のラマン増幅を行い、
前記希土類添加光ファイバで増幅可能な信号光帯域の拡大に対応させて、前記伝送路ファイバに供給される複数の励起光のうちの少なくとも1つの励起光のパワーを調整することを特徴とする光ファイバ増幅器の制御方法。
(付記6)付記4に記載の光ファイバ増幅器の制御方法であって、
前記希土類添加光ファイバに供給される励起光のパワー調整によって発生した利得の減少分を、前記伝送路ファイバに供給されるラマン増幅用励起光のパワーを増加させることで補うことを特徴とする光ファイバ増幅器の制御方法。
(付記7)希土類添加光ファイバに励起光を供給し、該希土類添加光ファイバを伝搬する信号光を増幅する光ファイバ増幅器を備えて構成された光伝送システムであって、
前記希土類添加光ファイバを伝搬して増幅された信号光に生じる出力パワーの波長偏差を等化する可変利得等化器と、
前記希土類添加光ファイバに供給される励起光のパワーを調整すると共に、該励起光のパワー調整によって発生する利得波長特性の変化に応じて前記可変利得等化器の透過波長特性を制御することにより、前記希土類添加光ファイバで増幅可能な信号光帯域を短波長側または長波長側に拡大する制御回路と、を備えて構成されたことを特徴とする光伝送システム。
(付記8)付記7に記載の光伝送システムであって、
前記希土類添加光ファイバがエルビウム添加光ファイバであり、
前記制御回路は、前記エルビウム添加光ファイバに供給される励起光のパワーを予め設定された基準パワーよりも減少させ、該励起光パワーの減少量に応じて前記可変利得等化器の透過波長特性を制御することにより、前記エルビウム添加光ファイバで増幅可能な信号光帯域を長波長側に拡大することを特徴とする光伝送システム。
(付記9)付記7に記載の光伝送システムであって、
前記希土類添加光ファイバがエルビウム添加光ファイバであり、
前記制御回路は、前記エルビウム添加光ファイバに供給される励起光のパワーを予め設定された基準パワーよりも増加させ、該励起光パワーの増加量に応じて前記可変利得等化器の透過波長特性を制御することにより、前記エルビウム添加光ファイバで増幅可能な信号光帯域を短波長側に拡大することを特徴とする光伝送システム。
(付記10)付記7に記載の光伝送システムであって、
前記希土類添加光ファイバの信号光入力側に接続される伝送路ファイバと、
該伝送路ファイバに励起光を供給する励起光源を有し、前記伝送路ファイバを伝搬する信号光をラマン増幅するラマン増幅器と、を備え、
前記制御回路は、前記希土類添加光ファイバで増幅可能な信号光帯域の拡大に対応させて前記ラマン増幅器の励起光源を制御し、前記伝送路ファイバに供給される励起光の波長を増設することを特徴とする光伝送システム。
(付記11)付記10に記載の光伝送システムであって、
前記ラマン増幅器は、波長の異なる複数の励起光を前記伝送路ファイバに供給する複数の励起光源を有し、
前記制御回路は、前記希土類添加光ファイバで増幅可能な信号光帯域の拡大に対応させて前記複数の励起光源のうちの少なくとも1つの励起光源を制御し、当該励起光源から前記伝送路ファイバに供給される励起光のパワーを調整することを特徴とする光伝送システム。
(付記12)付記10に記載の光伝送システムであって、
前記制御回路は、前記希土類添加光ファイバに供給される励起光のパワー調整によって発生した利得の減少分を、前記伝送路ファイバに供給されるラマン増幅用励起光のパワーを増加させることで補うことを特徴とする光伝送システム。
(付記13)伝送路ファイバに前方励起光および後方励起光を供給し、双方向励起された伝送路ファイバを伝搬する信号光をラマン増幅する光ファイバ増幅器の制御方法であって、
信号光を伝送路ファイバに入力すると共に、伝送路ファイバへの後方励起光の供給を断った状態で、伝送路ファイバに供給する前方励起光のパワーを予め設定した範囲内で変化させ、該前方励起された伝送路ファイバを伝搬してラマン増幅された信号光の出力パワーを前方励起光のパワーに対応させて測定し、
該信号光出力パワーの測定結果を基に、前方励起光パワーの変化に対する信号光出力パワーの変化の割合を求め、該求めた割合に従って、前方励起された伝送路ファイバに関して予め設定した信号光出力パワーの目標値を実現するために必要な前方励起光パワーを算出し、
該算出結果に従って、システム運用時に伝送路ファイバに供給する前方励起光のパワーを制御すると共に、該前方励起光のパワーに応じて後方励起光のパワーを制御することを特徴とする光ファイバ増幅器の制御方法。
(付記14)付記13に記載の光ファイバ増幅器の制御方法であって、
前記後方励起光のパワーは、双方向励起された伝送路ファイバを伝搬してラマン増幅された信号光の出力パワーが予め設定した値で一定となるように制御されることを特徴とする光ファイバ増幅器の制御方法。
(付記15)付記13に記載の光ファイバ増幅器の制御方法であって、
前記後方励起光のパワーは、双方向励起された伝送路ファイバを伝搬してラマン増幅された信号光のオンオフ利得が予め設定した値で一定となるように制御されることを特徴とする光ファイバ増幅器の制御方法。
(付記16)伝送路ファイバに前方励起光および後方励起光を供給し、双方向励起された伝送路ファイバを伝搬する信号光をラマン増幅して出力する光ファイバ増幅器の制御方法であって、
信号光を伝送路ファイバに入力すると共に、少なくとも後方励起光を伝送路ファイバに供給して、該伝送路ファイバを伝搬してラマン増幅された信号光の出力パワーを測定し、
該測定した信号光出力パワーが、双方向励起された伝送路ファイバに関して予め設定した信号光出力パワーの目標値に到達した時点で、伝送路ファイバを伝搬した信号光の光信号対雑音比を求め、
該光信号対雑音比が所定値未満の場合に、信号光出力パワーが前記目標値で略一定となるように後方励起光のパワーを調整しながら前方励起光のパワーを増加させ、伝送路ファイバを伝搬した信号光の光信号対雑音比が所定値に到達した時点での前方励起光パワーおよび後方励起光パワーを判断し、該判断結果に従って、システム運用時に伝送路ファイバに供給する前方励起光および後方励起光の各パワーを制御することを特徴とする光ファイバ増幅器の制御方法。
(付記17)伝送路ファイバに前方励起光および後方励起光を供給し、双方向励起された伝送路ファイバを伝搬する信号光をラマン増幅する光ファイバ増幅器を備えて構成された光伝送システムであって、
信号光を伝送路ファイバに入力すると共に、伝送路ファイバへの後方励起光の供給を断った状態で、伝送路ファイバに供給する前方励起光のパワーを予め設定した範囲内で変化させ、該前方励起された伝送路ファイバを伝搬してラマン増幅された信号光の出力パワーを前方励起光のパワーに対応させて測定する測定部と、
該測定部における信号光出力パワーの測定結果を基に、前方励起光パワーの変化に対する信号光出力パワーの変化の割合を求め、該求めた割合に従って、前方励起された伝送路ファイバに関して予め設定した信号光出力パワーの目標値を実現するために必要な前方励起光パワーを算出する演算部と、
該演算部における算出結果に従って、システム運用時に伝送路ファイバに供給する前方励起光のパワーを制御すると共に、該前方励起光のパワーに応じて後方励起光のパワーを制御する制御部と、を備えて構成されたことを特徴とする光伝送システム。
(付記18)付記17に記載の光伝送システムであって、
前記制御部は、双方向励起された伝送路ファイバを伝搬してラマン増幅された信号光の出力パワーが予め設定した値で一定となるように、後方励起光のパワーを制御することを特徴とする光伝送システム。
(付記19)付記17に記載の光伝送システムであって、
前記制御部は、双方向励起された伝送路ファイバを伝搬してラマン増幅された信号光のオンオフ利得が予め設定した値で一定となるように、後方励起光のパワーを制御することを特徴とする光伝送システム。
(付記20)伝送路ファイバに前方励起光および後方励起光を供給し、双方向励起された伝送路ファイバを伝搬する信号光をラマン増幅して出力する光ファイバ増幅器を備えて構成された光伝送システムであって、
信号光を伝送路ファイバに入力すると共に、少なくとも後方励起光を伝送路ファイバに供給して、該伝送路ファイバを伝搬してラマン増幅された信号光の出力パワーを測定する測定部と、
該測定部において測定された信号光出力パワーが、双方向励起された伝送路ファイバに関して予め設定した信号光出力パワーの目標値に到達した時点で、伝送路ファイバを伝搬した信号光の光信号対雑音比を求める演算部と、
該演算部で求められた光信号対雑音比が所定値未満の場合に、信号光出力パワーが前記目標値で略一定となるように後方励起光のパワーを調整しながら前方励起光のパワーを増加させ、伝送路ファイバを伝搬した信号光の光信号対雑音比が所定値に到達した時点での前方励起光パワーおよび後方励起光パワーを判断し、該判断結果に従って、システム運用時に伝送路ファイバに供給する前方励起光および後方励起光の各パワーを制御する制御部と、を備えて構成されたことを特徴とする光伝送システム。
本発明に関連した光ファイバ増幅器の制御方法を適用した光伝送システムの一実施形態の要部構成を示すブロック図である。 図1の光伝送システムの動作を説明するフローチャートである。 図1の光伝送システムにおけるC−バンドを中心とした帯域拡張例を示す特性図である。 図1の光伝送システムにおけるL−バンドを中心とした帯域拡張例を示す特性図である。 本発明に関連した光ファイバ増幅器の制御方法を適用した光伝送システムの他の実施形態の要部構成を示すブロック図である。 図5の光伝送システムの動作を説明するフローチャートである。 本発明による光ファイバ増幅器の制御方法を適用した光伝送システムの一実施形態の要部構成を示すブロック図である。 図7の光伝送システム全体の構成を示す図である。 図7の光伝送システムにおける立ち上げ時の制御動作を説明するフローチャートである。 図7の光伝送システムにおける立ち上げ時の一連の処理の流れを横軸に時間、縦軸に信号光出力パワーをとって示した図である。 図7の光伝送システムにおける一中継区間の信号光のレベルダイヤを例示した図である。 本発明に関連した光ファイバ増幅器の制御方法を適用した光伝送システムの他の実施形態についての立ち上げ時の制御動作を説明するフローチャートである。 図7の光伝送システムに関連して、ラマン増幅用の励起光を複数波長で構成した応用例を示すブロック図である。 図7の光伝送システムに関連して、対向回線の監視制御信号を利用して制御信号を伝達するようにした応用例を示すブロック図である。 従来の信号光帯域を拡張するための技術を説明する図である。 ラマン増幅器を適用してOSNRの改善を図った従来のシステムにおけるレベルダイヤの一例を示す図である。 双方向励起型ラマン増幅器を利用してOSNRの改善を図った従来のシステムについて、伝送路ファイバ上のランプロスによる影響を説明するための図である。
符号の説明
1…送信端局
2…受信端局
3…伝送路ファイバ
4…中継器
10…光増幅中継部
11…増幅用ファイバ
12A,12B…励起光源
13A,13B…増設励起光源
14A,14B,15A,15B…合波器
16…可変利得等化器
17…光カプラ
18…モニタ
19…制御回路
20…ラマン増幅器
21…ラマン増幅用励起光源
22…増設ラマン増幅用励起光源
23,24…合波器
30…双方向励起型ラマン増幅部
31A,31B…ラマン増幅用励起光源
32A,32B…合波器
33…光カプラ
34…モニタ
35…演算回路
36…制御回路

Claims (6)

  1. 伝送路ファイバに前方励起光および後方励起光を供給し、双方向励起された伝送路ファイバを伝搬する信号光をラマン増幅する光ファイバ増幅器の制御方法であって、
    信号光を伝送路ファイバに入力すると共に、伝送路ファイバへの後方励起光の供給を断った状態で、伝送路ファイバに供給する前方励起光のパワーを予め設定した範囲内で変化させ、該前方励起された伝送路ファイバを伝搬してラマン増幅された信号光の出力パワーを前方励起光のパワーに対応させて測定し、
    該信号光出力パワーの測定結果を基に、前方励起光パワーの変化に対する信号光出力パワーの変化の割合を求め、該求めた割合に従って、前方励起された伝送路ファイバに関して予め設定した信号光出力パワーの目標値を実現するために必要な前方励起光パワーを算出し、
    該算出結果に従って、システム運用時に伝送路ファイバに供給する前方励起光のパワーを制御すると共に、該前方励起光のパワーに応じて後方励起光のパワーを制御することを特徴とする光ファイバ増幅器の制御方法。
  2. 請求項1に記載の光ファイバ増幅器の制御方法であって、
    前記後方励起光のパワーは、双方向励起された伝送路ファイバを伝搬してラマン増幅された信号光の出力パワーが予め設定した値で一定となるように制御されることを特徴とする光ファイバ増幅器の制御方法。
  3. 請求項1に記載の光ファイバ増幅器の制御方法であって、
    前記後方励起光のパワーは、双方向励起された伝送路ファイバを伝搬してラマン増幅された信号光のオンオフ利得が予め設定した値で一定となるように制御されることを特徴とする光ファイバ増幅器の制御方法。
  4. 伝送路ファイバに前方励起光および後方励起光を供給し、双方向励起された伝送路ファイバを伝搬する信号光をラマン増幅する光ファイバ増幅器を備えて構成された光伝送システムであって、
    信号光を伝送路ファイバに入力すると共に、伝送路ファイバへの後方励起光の供給を断った状態で、伝送路ファイバに供給する前方励起光のパワーを予め設定した範囲内で変化させ、該前方励起された伝送路ファイバを伝搬してラマン増幅された信号光の出力パワーを前方励起光のパワーに対応させて測定する測定部と、
    該測定部における信号光出力パワーの測定結果を基に、前方励起光パワーの変化に対する信号光出力パワーの変化の割合を求め、該求めた割合に従って、前方励起された伝送路ファイバに関して予め設定した信号光出力パワーの目標値を実現するために必要な前方励起光パワーを算出する演算部と、
    該演算部における算出結果に従って、システム運用時に伝送路ファイバに供給する前方励起光のパワーを制御すると共に、該前方励起光のパワーに応じて後方励起光のパワーを制御する制御部と、を備えて構成されたことを特徴とする光伝送システム。
  5. 請求項4に記載の光伝送システムであって、
    前記制御部は、双方向励起された伝送路ファイバを伝搬してラマン増幅された信号光の出力パワーが予め設定した値で一定となるように、後方励起光のパワーを制御することを特徴とする光伝送システム。
  6. 請求項4に記載の光伝送システムであって、
    前記制御部は、双方向励起された伝送路ファイバを伝搬してラマン増幅された信号光のオンオフ利得が予め設定した値で一定となるように、後方励起光のパワーを制御することを特徴とする光伝送システム。
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