JP2009031162A - 時計および機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】非導電性材料により形成された外装ケースと、外装ケースに設けられる金属製の裏蓋6と、外装ケースに収容される回路基板52と、外装ケース内における回路基板52の裏蓋6とは反対側に設けられ、金属製の基材41を有する太陽電池パネル4と、を備え、回路基板52には、太陽電池パネル4のプラスおよびマイナスの端子401,402にそれぞれ導通されるプラスおよびマイナスの導通ばね521,522が設けられ、これらの導通ばね521,522のいずれか一方が、基材41と導通されている。
【選択図】図8
Description
なお、カバーガラス側では静電気が放電しないため、静電気によって光発電セルがショートするおそれはない。また、外装ケースが金属製の場合は、主に外装ケースに放電電流が流れ、外装ケース内部には流れないため、実用上十分な耐静電気性がある。
そのうえ、太陽電池パネルと外装ケースとを介在する導通ばねが必要となるため、部品コストが高くなり、時計の小型化が阻害され、そのうえ組立も難しくなる。
本発明によれば、太陽電池単体によって静電気耐圧の向上を図ることができる。すなわち、前記のように太陽電池の基材自体に電荷が拡散されることにより、太陽電池に他の部材を付加せずに静電気対策をすることが可能となる。このため、静電気対策用の部品コストや組立コストが発生せず、しかも組立を簡単に行うことができる。
また、太陽電池と外装ケース等とを導通するばね部材等が不要となるため、時計の小型化が阻害されない。
さらに、太陽電池への他部材の付加が不要であって外装ケースの構造を問わないから、本発明は種々の時計モデルに汎用に適用できる。
なお、太陽電池の基材は、光発電セルの半導体層や電極などが設けられる部材のことをいう。
つまり、静電気耐圧の試験等を行った際にプラス端子が設けられた光発電セルやその近傍の光発電セルがショートした場合には第1の態様を選択し、他方、マイナス端子が設けられた光発電セルやその近傍の光発電セルがショートした場合には第2の態様を選択することが好ましい。
この発明によれば、太陽電池が有する複数の光発電セルのうちプラス端子が設けられた光発電セルやその近傍の光発電セルのショートを防止できる。
この発明によれば、太陽電池が有する複数の光発電セルのうちマイナス端子が設けられた光発電セルやその近傍の光発電セルのショートを防止できる。
ここで、絶縁端子部と接触端子部とは、一体でも別体でもよい。
本発明では他の導通部材が設けられるものの、太陽電池と外装ケース等とが導通されることなく静電気対策が実現するので、前述と略同様の効果が得られる。
また、太陽電池と外装ケース等とを導通するばね部材等が不要となるため、機器の小型化が阻害されない。
さらに、太陽電池への他部材の付加が不要であって外装ケースの構造を問わないから、本発明は種々の機器に適用できる。
〔第1実施形態〕
本実施形態は、前述した第1の態様(プラスの導通部材が基材に導通され、かつマイナスの導通部材が基材に導通されていない構成)に対応する。
図1は、本実施形態に係るデジタル表示の電子時計1の外観を示す。図2は、時計1の側断面図である。時計1は、プラスチック製の外装ケース2と、カバーガラス3(図2)と、太陽電池パネル(ソーラーパネル)4と、デジタルクォーツムーブメント5(図2)と、ステンレス鋼製の裏蓋6(図2)とを備えている。なお、時計1には複数の操作ボタン23が設けられている。
また、太陽電池パネル4は、図2に示すように、外装ケース2に形成された支持部21に配置され、太陽電池パネル4の外周部には環状部材40が配置されている。環状部材40は、外装ケース2の開口部22に沿って配置されている。この環状部材40に向かって開口部22からカバーガラス3が挿入されることにより、環状部材40と支持部21との間に太陽電池パネル4が固定されている。
これらのプラス端子401およびマイナス端子402は、太陽電池パネル4の左右に略線対称に、かつ太陽電池パネル4の対角線にほぼ沿って放射状に設けられている。
また、マイナス端子402には、回路基板52上のマイナス端子(図示省略)に設けられた導通ばねが当接される。この導通ばねも、ムーブメント5のケース55に設けられている。図1に、プラス端子401に当接される導通ばね521と、マイナス端子402に当接される導通ばね522とを破線で示す。
図4は、太陽電池パネル4の裏面側から見たプラス端子401を示す。また、図5は、図4のV−V´線断面図である。
太陽電池パネル4は、図5に示すように、ステンレス鋼により形成された薄板状の基材41と、基材41のカバーガラス3側に設けられる発電部43とを有している。
スルーホール422は、端子本体421と透明電極434とを導通している。スルーホール422の周りは絶縁部422Aとなっている。
絶縁層423および端子本体421は、基材41に絶縁層423、端子本体421の順でそれぞれ塗布されている。
図6は、太陽電池パネル4の裏面側から見たマイナス端子402を示す。また、図7は、図6のVII−VII´線断面図である。
スルーホール426は、端子本体425と金属電極432とを導通している。
図6に示すように、端子本体425は、絶縁層427が基材41に塗布された領域内に塗布されており、基材41とは絶縁されている。
このようにセットされた時計1の裏蓋6側から、高電圧の静電気を放電させて試験を行う。なお、図8において、裏蓋6と回路基板52との間に配置された電池53やばね541(図2)等の図示は省略した(図9、図12〜図14においても同様)。
1.裏蓋6に放電
2.電池53(図2)の正極531と裏蓋6とを接続するばね541を通じて、回路基板
52上のVDDへ
3.回路基板52上の回路を通って、太陽電池パネル4のプラス端子401に対応する回
路基板52上のパターン(図示省略)へ
4.導通ばね521
5.太陽電池パネル4の端子本体421
6.スルーホール422
7.透明電極434
8.半導体層433
9.金属電極432
このように、裏蓋6側からの放電電流がスルーホール422に流れることにより、スルーホール422に直結している光発電セル4Eの透明電極434および金属電極432間がショートし、太陽電池パネル4の光発電セル4Eが破壊されることがある。
(1)裏蓋6側から放電された電荷が一方の導通ばね521および端子本体421を通じて太陽電池パネル4の金属製の基材41に拡散されるので、太陽電池パネル4単体によって静電気耐圧の向上を図ることができる。このため、静電気対策用の部品コストや組立コストが発生せず、組立を簡単に行うことができる。
また、太陽電池パネル4と外装ケース2等とを導通するばね部材等が不要となるため、時計1の小型化が阻害されない。
さらに、太陽電池パネル4への他部材の付加が不要であって外装ケース2の構造を問わないから、種々の時計モデルに汎用に適用可能となる。
次に、本発明の第2実施形態について図10〜図12を参照して説明する。
本実施形態は、前述した第2の態様(プラスの導通部材が基材に導通されておらず、かつマイナスの導通部材が基材に導通されている構成)に対応する。
本実施形態に示す太陽電池パネル7では、第1実施形態とは逆に、マイナス端子について静電気対策がなされている。
図10は、プラス端子701の位置における太陽電池パネル7の断面図である。端子本体425は、絶縁層427が基材41に塗布された範囲内に塗布されており、絶縁層427によって基材41と絶縁されている。
図11は、マイナス端子702の位置における太陽電池パネル7の断面図である。端子本体421は、絶縁端子部421Aと接触端子部421Bとを含んでいる。
本実施形態では、端子本体421に当接された導通ばね522が接触端子部421Bによって基材41に導通されているため、導通ばね522から基材41へと電荷が拡散される。このため、マイナス端子702のスルーホール426に直結する光発電セル4Aのショートが未然に防止される。
このように、太陽電池パネル7の光発電セルが保護されることから、静電気対策無しの場合と比べて静電気耐圧を約2倍にできる。
なお、本実施形態では、マイナスの導通ばね522が基材41に導通されているので、マイナス端子702のスルーホール426が設けられた光発電セル4Aやその近傍の光発電セル4Bなどのショートを防止できる。
図13は、本発明の第3実施形態を示す。本実施形態における太陽電池パネル8のプラス端子801は、端子本体821と、スルーホール422と、絶縁層427とを有している。
ここで、端子本体821は、絶縁層427により基材41と絶縁される絶縁端子部821Aと、基材41と接触する接触端子部821Bとを含んでいる。
絶縁端子部821Aは、導電性塗料Pおよび銅箔Fにより形成され、接触端子部821Bは、銅箔Fにより形成されている。本実施形態では、絶縁端子部821Aおよび接触端子部821Bに跨って銅箔Fが配置されている。
なお、接触端子部821Bには、銅箔F以外に、アルミニウム箔などの金属箔や、導電性のシート部材等を使用できる。
本実施形態では、端子本体821に当接された導通ばね521が接触端子部821Bによって基材41に導通されているため、導通ばね521から基材41へと電荷が拡散される。このため、プラス端子801のスルーホール422に直結する光発電セル4Eのショートが未然に防止される。
このように、太陽電池パネル8の光発電セルが保護されることから、静電気対策無しの場合と比べて静電気耐圧を約2倍にできる。
本実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
図14は、本発明の第4実施形態を示す。本実施形態における太陽電池パネル9は、基材41に当接される他の導通ばねとしての導通ばね920を有している。
この導通ばね920は、回路基板52上に形成された太陽電池パネル9のプラス端子901に対応するパターン524に導通ばね521と共に設けられている。
本実施形態においても、時計の裏蓋6側から、高電圧の静電気を放電させて試験を行う。静電気の侵入経路を図14に破線で示す。
本実施形態では、導通ばね920が基材41に導通されているため、導通ばね920から基材41へと電荷が拡散される。このため、プラス端子901のスルーホール422に直結する光発電セル4Eのショートが未然に防止される。
このように、太陽電池パネル9の光発電セルが保護されることから、静電気対策無しの場合と比べて静電気耐圧を約2倍にできる。
本実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での改良、変形等は本発明に含まれるものである。
例えば、第1〜第3実施形態の太陽電池の端子は、端子本体と基材との間に介在する絶縁層423や絶縁層427を有していたが、基材と導通される一方の導通端子に導通される太陽電池の端子に関しては、これらの絶縁層を無くすことが可能である。すなわち、当該端子の端子本体と基材との間に絶縁層が介在配置されず、端子本体が基材に接触導通した状態となる。このようにしても第1〜第3実施形態と同様の効果が得られ、また、絶縁材料を節約できる。
また、太陽電池の端子が有するスルーホールの構造は、基材を貫通し、端子本体と、基材の端子本体が設けられた側と反対側とを導通する限り、特に限定されない。なお、スルーホールと端子本体とが一体化されていてもよい。
前記各実施形態で示した回路基板に設けられる導通部材の構成は、金属製コイルばねには限定されず、例えば、金属製ねじ、鋼線などであってよい。
さらに、第4実施形態では、2つの導通ばねにそれぞれ、太陽電池の端子への導通と、太陽電池の基材への導通とを分担させていたが、この応用例として、例えば、二股状の導通部材のいずれか一方の枝を端子に当接させ、他方の枝を基材に当接させることも考えられる。
本発明は、要するに、回路基板に設けられ太陽電池のプラスおよびマイナスの端子にそれぞれ対応する導通部材のうち、いずれか一方の導通部材が基材に導通されるものであればよい。例えば、前記各実施形態で示した導通ばね521等よりも大径の導通ばねが、太陽電池の端子と基材との両方に当接される構成も本発明に含まれる。
さらに、本発明は、外装ケース、裏蓋、回路基板、および太陽電池を備える各種機器への適用が可能であり、これらの各機器においても、前述の時計と同様の効果を奏する。
これらの機器としては、例えば情報通信機器やディジタルカメラ、計測器などがある。
上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (8)
- 非導電性材料により形成された外装ケースと、
前記外装ケースに設けられる金属製の裏蓋と、
前記外装ケースに収容される回路基板と、
前記外装ケース内における前記回路基板の前記裏蓋側とは反対側に設けられ、金属製の基材を有する太陽電池と、を備え、
前記回路基板は、前記太陽電池のプラスおよびマイナスの端子にそれぞれ導通されるプラスの導通部材およびマイナスの導通部材を有し、
前記プラスの導通部材および前記マイナスの導通部材のいずれか一方が、前記基材と導通されている
ことを特徴とする時計。 - 請求項1に記載の時計において、
前記基材に導通されるいずれか一方の導通部材は、前記太陽電池のプラス端子に導通されている
ことを特徴とする時計。 - 請求項1に記載の時計において、
前記基材に導通されるいずれか一方の導通部材は、前記太陽電池のマイナス端子に導通されている
ことを特徴とする時計。 - 請求項1から3のいずれかに記載の時計において、
前記太陽電池のプラスおよびマイナスの端子のそれぞれは、前記基材の前記回路基板側に設けられる端子本体と、前記基材を貫通して前記端子本体と前記基材の前記回路基板とは反対側とを導通するスルーホールと、前記端子本体と前記基材との間に介在してこれら端子本体と基材とを絶縁する絶縁部材と、を有し、
前記一方の導通部材に導通される前記端子の前記端子本体は、前記スルーホールの前記回路基板側の端部に前記絶縁部材により前記基材と絶縁された状態で設けられる絶縁端子部と、前記基材に接触する接触端子部と、を含む
ことを特徴とする時計。 - 請求項1から3のいずれかに記載の時計において、
前記一方の導通部材に導通される前記太陽電池の一方の端子は、前記基材の前記回路基板側に設けられ、前記基材と接触する端子本体と、前記基材を貫通して前記端子本体と前記基材の前記回路基板とは反対側とを導通するスルーホールと、を有し、
前記太陽電池の他方の端子は、前記基材の前記回路基板側に設けられる端子本体と、前記基材を貫通して前記端子本体と前記基材の前記回路基板とは反対側とを導通するスルーホールと、前記端子本体と前記基材との間に介在してこれら端子本体と基材とを絶縁する絶縁部材と、を有する
ことを特徴とする時計。 - 非導電性材料により形成された外装ケースと、
前記外装ケースに設けられる金属製の裏蓋と、
前記外装ケースに収容される回路基板と、
前記外装ケース内における前記回路基板の前記裏蓋側とは反対側に設けられ、金属製の基材を有する太陽電池と、を備え、
前記回路基板は、前記太陽電池のプラスおよびマイナスの端子にそれぞれ導通されるプラスの導通部材およびマイナスの導通部材を有し、
前記プラスの導通部材および前記マイナスの導通部材のいずれか一方の導通部材が設けられる前記回路基板のパターンには、前記基材に導通される他の導通部材が設けられている
ことを特徴とする時計。 - 請求項1から6のいずれかに記載の時計において、
前記基材は、ステンレス鋼により形成されている
ことを特徴とする時計。 - 非導電性材料により形成された外装ケースと、
前記外装ケースに設けられる金属製の蓋部材と、
前記外装ケースに収容される回路基板と、
前記外装ケース内における回路基板の前記蓋部材とは反対側に設けられ、金属製の基材を有する太陽電池と、を備え、
前記回路基板は、前記太陽電池のプラスおよびマイナスの端子にそれぞれ導通されるプラスの導通部材およびマイナスの導通部材を有し、
前記プラスの導通部材および前記マイナスの導通部材のいずれか一方が、前記基材と導通されている
ことを特徴とする機器。
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