JP2009031047A - 車両評価システム - Google Patents

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博史 紀村
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Abstract

【課題】適正かつ明確な評価基準と評価方法に基づく、車両性能の評価システムの提供。
【解決手段】本発明に係わる車両評価システムは、車内ネットワークを介して得られる車両情報を収集する車両情報収集部101と、前記車両情報に基づき車両性能を評価するための評価指標を算出する評価指標算出部102と、前記評価指標を記録し、蓄積する評価指標記録部103と、前記蓄積された評価指標の記録データを用いて車両性能をランク付けするデータ処理部104とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の性能を評価する車両評価システムに関する。
中古車市場における売買価格は、中古車販売業者によって異なる。中古車両の売買価格には、型式、年式、走行距離、および整備記録などの数値化(文書化)された車両状態が反映される。この中でも年式および走行距離は、車両性能、例えば燃費、レスポンス、静粛性などに関する基本情報である。車両性能は、中古車両の売買価格の設定において重要だが、年式および走行距離だけから正確に評価するのは困難である。このため、中古車販売業者が独自基準で性能査定を行い、ユーザーには不明確な形で車両性能が決定され、売買価格が設定される。
車両の性能を評価する方法として、車両情報を収集して評価する方法が知られている。例えば、特許文献1には、車両に取り付けられたセンサーから得られる車両データを収集し、これを車両状態の評価データとする方法が提案されている。また、特許文献2には、車両の動力発生手段や動力伝達手段の劣化を各種センサーにより検知し、この劣化情報に基づき車両性能を評価する装置が提案されている。
特開2006−107409号公報 特開2004−243924号公報
しかし、従来技術では、車両性能の評価基準や評価指標の算出方法が不明確であり、評価結果が適正であるかどうかユーザーには分かりにくい。また、過去に故障または事故などの異常が発生したかどうか、あるいは適切なメンテナンスを実施したかどうかが考慮されない。このような評価結果に基づき車両価格が算出される中古車売買では、ユーザーに不利益を与える場合もある。
本発明は、このような事情を鑑みなされたもので、適正かつ明確な評価基準と評価方法に基づく車両性能の評価システムを提供し、ユーザーにも明確で納得感を与える車両評価を実現することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明に係わる車両評価システムは、基本的には、車内ネットワークを介して得られる車両情報を収集する車両情報収集部と、前記車両情報に基づき車両性能を評価するための評価指標を算出する評価指標算出部と、前記評価指標を記録し、蓄積する評価指標記録部と、前記蓄積された評価指標の記録データを用いて車両性能をランク付けするデータ処理部とを備えたことを特徴とする。また、その具体的構成として、次のようなものを提案する。
前記車両情報収集部、評価指標算出部、評価指標記録部、およびデータ処理部は、車載コンピュータにより構成され、前記データ処理部でのランク付けは、車両性能の初期状態の評価指標を基準にしたランク判定用データを設定して、このランク判定用データと運転履歴に伴い蓄積される前記評価指標の記録データとを用いて自車の車両性能をランク付けする。
または、前記車両情報収集部、評価指標算出部、評価指標記録部、およびデータ処理部は、車載コンピュータにより構成され、前記データ処理部でのランク付けは、車外の情報提供センタからランク判定用のデータを取得して、このランク判定用データと運転履歴に伴い蓄積される前記評価指標の記録データとを用いて自車の車両性能をランク付けする。
または、前記評価指標記録部および前記データ処理部のうち、少なくとも前記データ処理部は車外の情報提供センタのコンピュータにより構成され、残りのシステム構成要素が複数の車両に搭載され、前記データ処理部は、複数車両のそれぞれの評価指標の蓄積記録データを取得して、それらのデータを用いて複数車両の車両性能のランク付けを実行する。
さらに、前記評価指標は、車両の初期状態の性能を基準として算出し、車両の走行時間と走行距離のうち少なくとも一つと共に記録し、蓄積してもよい。
さらに、本発明に係わる車両評価システムは、前記車両性能のランク付け結果に基づき、当該車両の価格を算出する。
前記車両情報は、例えば、燃費、レスポンス、静粛性のうち、少なくとも一つに関する情報である。
本発明では、車両情報に基づき算出された評価指標の記録値を用いることで、様々な運転状況を加味した正確な車両性能の評価が実現できる。また、ユーザーは、ランクという明確な値で車両性能を評価できる。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
図1から図4を用いて、本発明の車両評価システムの一例について説明する。
図1は、本発明の構成の一例である。
本例の車両評価システム105は、例えば車載コンピュータ、カーナビゲーション装置が利用され、車両の車内ネットワークと接続される。そして、車両性能に応じて車両を評価およびランク付けし、上記ネットワークを介して、本システムと接続されたナビゲーション画面(図示せず)や本システムと通信するディーラの端末(図示せず)などに表示する。車両評価システム105を構成する各部を以下に示す。
車両情報収集部101は、車内ネットワークで伝送される車両情報を、一定走行時間ごとまたは一定走行距離ごとに定期的に収集する。本実施例での車両情報は、燃費、レスポンス、静粛性のうち少なくとも一つに関する情報で、具体的には、燃料噴射量、トルク、回転数、アクセル開度、パワー、車速、上下・前後の加速度などである。これらの情報は、車両に設置された各種センサーにより収集され、車内ネットワークで伝送される。
評価指標算出部102は、収集された車両情報に基づいて、後述の方法で評価指標を算出する。
評価指標記録部103は、ハードディスクやメモリなどの記録媒体であり、算出された評価指標を記録、蓄積する。
ランク判定部104は、記録された評価指標(記録指標)に基づいて、後述の方法でランク付けを実施し、ランク付け結果を出力する。
異常判定部106は、上記記録指標などに基づき、車両の性能低下が故障または事故によるものかどうかを判定する。
この車両評価システム105は、単体モジュールまたはナビゲーションなど既存モジュールのプログラムとして、新車時に実装することが好ましい。また、後述の実施例3に示すように、車外との通信を行うことにより、上記各部のうち一部を車外のコンピュータに実装することもできる。
図2は、車両の初期状態(初期不良を除く出荷直後の状態)の性能を評価基準とした場合の、性能評価方法の一例である。
図2−Aを用いて、燃費性能の評価方法を説明する。横軸は燃料噴射量を示し、縦軸はトルクと回転数から算出されたパワーを示す。同じ燃料噴射量に対し、パワーが大きいほど燃費性能が良いことになる。運転状況により燃料噴射量とパワーの相関にはバラツキがあるが、現在の相関分布曲線(実線)と初期状態の相関分布曲線(点線)とを比較することで、現在の車両の燃費性能を評価できる。図2−Aの現在の相関分布曲線は、初期状態の相関分布曲線と比較して全体的にパワーが小さくなっているので、現在の車両は、燃費性能が低下していることが分かる。
図2−Bにはレスポンスの評価方法、図2−Cには静粛性の評価方法を示す。これらの評価も、燃費性能評価と同様に、現在の相関分布曲線と初期状態の相関分布曲線とを比較することで、実施することができる。レスポンスは、アクセル開度変化とパワー変化の相関で評価できる。図2−Bの例では、現在の状態は初期状態に比べ全体的にパワー変化が小さく、レスポンスが悪くなっていることが分かる。静粛性は、車速と振動(上下・前後加速度)の相関で評価できる。図2−Cでは、現在の状態は初期状態に比べ全体的に振動が大きく、静粛性に劣っていることが分かる。なお、車両の初期状態が不明な場合などは、初期状態を基にしたモデル(例えば、該当する車両と同種の車両の一般的な初期状態)を初期状態として用いても良い。
このように、車両性能評価の評価基準を車両の初期状態の性能とすることで、車両の評価ひいてはランク判定の基準が明確になるという利点がある。また、車両に改造などを施した場合、性能が向上していたとしても、改造後の車両の状態は初期状態とは異なる。したがって、本実施例のように車両の初期状態の性能を評価基準とすれば、車両に改造を施したかどうかも判別でき、車両売買のときなどに考慮に入れることもできる。
図3は、評価指標の一例である。評価指標は、車両が初期状態と比べてどれだけ異なっているかを、距離という概念で数値化したものであり、評価指標算出部102で算出する。評価指標が大きいほど、車両性能が低下していると判断する。本例では、評価指標としてマハラノビス距離を用いる。マハラノビス距離は、基準空間に対して対象がどの程度離れているかを表す距離である。基準空間は、初期状態の車両情報から生成する。したがって、本例でのマハラノビス距離は、対象となる現在の車両状態が、当該車両の初期状態と比較してどの程度異なっているか、すなわち、どの程度性能が低下しているかを示す指標となる。図3の上図に示した、車両の初期状態および現在の状態における燃料噴射量とパワーとの相関を、マハラノビス距離で指標化して表した例が、図3の下図である。初期状態の相関分布曲線は、点線で示したような円状の形になるが、現在の状態の相関分布曲線は、実線で示したような楕円に近い形になる。原点(初期状態の平均値)からの距離がマハラノビス距離であり、性能低下に伴い大きくなる。このマハラノビス距離を評価指標として算出することで、現在の状態が初期状態からどの程度性能が低下しているかを算出することができる。なお、本例では、評価指標としてマハラノビス距離を用いたが、マハラノビス距離以外の距離を用いても良い。
図4は、評価指標に応じたランク付け方法の一例である。ランク付けは、ランク判定部104で実施する。図4−Aの横軸は評価指標であり、縦軸は評価指標の出現頻度である。評価指標は、上述したように、性能低下にしたがって大きくなる。この出現頻度分布は、一定走行時間ごとまたは一定走行距離ごとに車両情報を収集し評価指標を算出することで、求めることができる。出現頻度を用いることで、外乱やノイズなどの影響を受けにくく、正確な性能評価ができる。ランクは、出現頻度が最も大きい評価指標の値に応じて判定する。本例では、ランク判定部104に予め記憶させておいた、車両の初期状態の評価指標を基準としたランク判定用データV1、V2、およびV3にしたがい、AからDまでの4段階に判定する。Aランクは、評価指標がV1以下の値において出現頻度が最も大きい分布の車両に対するランクである。以下、Bランクは評価指標がV1より大きくV2以下の分布、Cランクは評価指標がV2より大きくV3以下の分布、Dランクは評価指標がV3より大きい分布というように、分布に応じて車両のランク付けを実施する。Aランクは、評価指標の小さい値において出現頻度が大きい分布であるので、性能低下が小さいと評価できる。以下、評価指標の値が大きいところで出現頻度が大きくなる、すなわち性能低下が大きくなるにしたがい、図中の点線で区切られたように、ランクはB、C、Dと低くなっていく。
本例では、実線で描いた車両Xの評価指標分布は、評価指標の小さい値(Aランクに相当)での出現頻度が多い。一方、一点鎖線で描いた車両Yの評価指標分布は、車両Xのものより大きい値の評価指標(Bランクに相当)での出現頻度が多い。以上より、車両Xの評価はAランク、車両Yの評価はBランクとなり、車両Xの方が性能が良いと評価される。
また、出現頻度分布は、同一の車両に対しても、走行距離や走行時間の増加に伴い変化していき、評価指標の大きい値での出現頻度が多くなっていく。すなわち、走行距離や走行時間の増加と共に性能が低下していき、低いランクに判定されるようになっていく。図4−Bは、車両Xの出現頻度分布であるが、走行距離や走行時間の増加に伴い、実線で描いた分布から一点鎖線で描いた分布へと変化していき、性能が低下していく様子が分かる。ランクも、AからBへと1ランク低く判定され、車両評価が異なる。この出現頻度分布の変化が、通常の劣化による変化に比べて急激である場合は、故障または事故などの異常が発生したと判定することができる。評価指標の記録に基づく異常判定の他の例は、図5の説明と共に後述する。
走行距離や走行時間を評価指標と共に記録することにより、さらに適正な性能評価を実現できる。図4−Cにその例を示す。本例では、ランク判定部104に予め記憶させておいたランク判定用データとして、走行時間または走行距離に対する評価指標の増加割合(性能の低下割合)を用いる。図の横軸は走行時間または走行距離であり、縦軸は評価指標である。この図では、縦軸の上から下に向かって、評価指標の値が大きくなっていき、車両の性能が低下する。上記のランク判定用データを用いると、ランクは、評価指標にしたがい一律に決まるのではなく、走行時間または走行距離に応じて異なる。評価指標が同じ値でも、走行時間または走行距離が少ないと、ランクが低く評価される場合もある。この理由は、短時間または短距離の走行で評価指標が変化した車両は、より長時間または長距離の走行で評価指標が同じ値まで変化した車両と比較し、ストレスの大きい状態で使用され、将来に著しい性能低下を起こす可能性が高いと考えられるからである。本例では、図中の点線で区切られたようにAからDまでの4段階にランク付けするものとする。評価指標の増加割合(性能の低下割合)、すなわち図中の点線の傾きが最も小さいのがAランクで、最も大きいのがDランクである。
図4−Cに示した例では、車両Xと車両Yの評価指標の値は同程度である。しかし、車両Yは車両Xよりも、少ない走行時間または走行距離で評価指標が増加している。すなわち、車両Yは車両Xよりも、性能低下速度が大きいことが分かる。このため、車両Yは、Cランクと判定され、車両XのBランクよりも低い評価となる。このように、評価指標と共に走行時間や走行距離を記録し、それに応じたランク付けを実施することで、中古車両の正確な性能評価を実施できる。また、本評価システムをナビゲーション装置に実装した場合、ナビゲーション操作により、図4−Cのような評価指標の記録図や整備記録を画面に表示することもできる。この場合、整備により車両性能が維持されており、その性能に応じてランク判定をしていることなどをユーザーに示すことができるので、車両評価に対するユーザーの信頼感を得ることができる。
次に、異常判定部106において実施される、評価指標の記録に基づく異常判定の一例を説明する。
図5は、故障または事故などの異常が発生した車両の評価指標記録の一例である。横軸は走行時間または走行距離、縦軸は評価指標である。評価指標の値は、縦軸の上から下に向かって大きくなっていき、これに伴い車両の性能が低下する。故障や事故などの車両異常は、評価指標の急変により判定できる。通常の劣化による性能低下に比べて、故障や事故による性能低下は大きい。このため、評価指標は、故障や事故が発生すると通常よりも大きく増加する(図5の円で囲んだ箇所。本図では、評価指標が大きくなると、すなわち性能が低下すると、グラフの曲線が下降する)。そこで、評価指標が予め定めた所定値よりも大きく変化した場合は、故障または事故などの車両異常が発生したと判定する。この判定結果と整備記録とを照合することで、故障または事故が発生した車両であるか、適切な修理やメンテナンスが実施されているか、などを判断できる。
なお、評価指標が大きく変化した後、元の値に戻る場合も考えられる。そこで、ある時点の変化だけで判定せず、その後、評価指標の値の増加速度(すなわち性能低下速度)が大きくなっていないかなど、評価指標のその後の変化動向を考慮して故障や事故の発生を判定するようにしても良い。例えば、評価指標の値が、一旦大きく変化して元の値に戻ったものの、その後の増加速度が以前より大きくなっている場合、故障または事故の影響を受けて、その後の性能低下が激しくなっていると考えられる。
図6は、本発明の車両評価システムの他の構成例を示す。本例では、上記ランク付けに必要なランク判定用データを車外から取得する。本実施例では、情報管理会社(情報提供センタ)920からランク判定用データを取得する。情報管理会社920は、同種の複数車両から評価指標を集計、蓄積することができ、蓄積した評価指標の統計処理から、車両性能をランク分けすることができる。また、このランク分けの指標を用いて、ランク判定用データを決定することができる。情報管理会社920からランク判定用データを取得するには、車両に搭載された通信機901や車外に設置された通信機912により、ネットワーク910を介して情報管理会社920と通信し、データを受信する。車両評価システム105における、車両情報の収集、評価指標の算出、評価指標の記録、および取得したランク判定用データを用いたランク判定などは、実施例1と同様に実施することができる。
本例での各車両のランク付けは、図7に示したように、情報管理会社920から取得した評価指標の車両台数分布に応じて実施する。車両台数分布は、評価指標を集計した車両全数のランク分けに相当する。図7の横軸は評価指標、縦軸は車両の台数である。ランク判定部104は、車両台数の分布割合に応じて、評価指標の値が小さい方から順にA、B、C、Dとランク分けする。例えば、分布を集計した全車両に対し、評価指標の小さい方から車両台数の累計を求めていき、この累計が全車両台数の15%に達したとき、そのときの評価指標の値をV1とする。以後、累計が全車両台数の50%に達したときの評価指標の値をV2、85%に達したときの評価指標の値をV3とする。そして、評価指標の値がV1以下であればAランク、V1より大きくV2以下であればBランク、V2より大きくV3以下であればCランク、V3より大きければDランクとランク分けする。評価対象車両は、このランク分けの判定値V1〜V3と比較してランク分けされる。
本実施例で用いるランク判定用データは、同種の複数車両から集計した評価指標を統計処理して得られるランク分けに基づくデータなので、本実施例のような構成をとる車両評価システムでは、車両性能を相対的に評価でき、複数車両の中での当該車両の位置付けが明確に分かる。したがって、同種の車両の中での当該車両の相対的なランクが決定されるので、車両の評価をユーザーに納得してもらうことができるという利点がある。
図8は、本発明における車両評価システム105の機能の一部を、車外に設置した構成の一例を示す。本例では、車両情報収集部101と評価指標算出部102が、車両900に搭載した車両評価システムの車載側装置902に設置される。車両情報収集部101および評価指標算出部102の動作は、既述した実施例1、2と同様である。また、評価指標記録部103、ランク判定部104、異常判定部106、および価格算出部107が、車外の情報管理会社920内に設置される。
車両900に搭載された評価指標算出部102で算出された評価指標は、車両を特定する車両IDや走行時間等の情報と共に、車載通信機901により車外に設置された通信機912へ送信される。車外通信機912で受信された評価指標や上記各種情報は、ネットワーク910およびファイアウォール911を介して、情報管理会社920に送られる。
情報管理会社920では、受信した評価指標や上記各種情報を、情報管理会社920内に設けられた評価指標記録部103に蓄積する。
情報管理会社920内に設けられたランク判定部104では、評価指標記録部103に蓄積された多数の車両の評価指標を用いて、評価対象車両全数のランク分けを行う。このランク分けは、実施例2と同様に行われる。このランク分けに基づいて、各車両のランク付けが行われる。情報管理会社920内に設けられた価格算出部107では、上記ランク付けの結果から各車両の中古価格を算出する。
ここで、ランク付け(ランク分け)に応じた車両の価格算出方法の例をいくつか説明する。本例では、基本的には複数の車両から集計した評価指標に基づきランク付けをし、価格を算出する。
図9は、ランク付けに応じた価格設定の一例である。本価格設定は、Dランクを基準としてランクが良くなるほど価格を高く算出する。基準となるDランクの価格や他のランクの価格は、中古車市場で売買される同種の車両の価格を基にして決めることができる。
以上のようなランク付け方法と価格設定を用いることで、例えば次のような運用ができる。まず、本発明の車両評価システムを用いて、車両性能を評価して評価指標を算出する。車両に本車両評価システムの車載側装置(車両情報収集部、評価指標算出部)が装備されていない場合は、ユーザーがその車両を中古車として売買することを決めてから、車載側装置を装備して性能を評価することも可能である。この場合、評価指標算出の基準となる初期状態としては、該当する車両と同種の車両の一般的な初期状態を用いる。評価指標を算出した後、図7に示した例で説明したような方法で当該車両をランク付けする。このランク付け方法は、中古車市場で売買されている車両全体の中での相対評価に基づいているので、中古車市場内での当該車両の位置付けが明確に分かるという利点がある。価格設定は、上記ランク付けの結果に基づき、図9に示すような方法を用いる。以上により、当該車両の、中古車市場全体の中での相対的なランクが決定され、それに応じた適正な売買価格が決定されるので、車両の評価およびその価格をユーザーに納得してもらうことができる。
図10を用いて、価格設定の第2の例を説明する。
図10は、車両評価システムにおける価格設定処理のフローチャートの一例である。本例では、記録された評価指標のデータ数が所定の値よりも大きい場合のみに、ランク付けを実施する。ステップS801では、車両情報収集部101において、車内ネットワークにより車両情報を定期的に収集する。ステップS802では、評価指標算出部102において、上記車両情報から、初期状態を基準とした性能(燃費、レスポンス、静粛性)の評価指標を算出する。ステップS803では、評価指標記録部103において、上記評価指標を記録媒体に記録する。ステップS804では、異常判定部106において、上記記録した評価指標の値と前回記録時の値との変化量を、予め定められた所定値Aと比較する。評価指標の変化量が所定値A以上の場合は、事故または故障により性能が低下したと判断し、ステップS808に進んでから、ステップS805に進む。評価指標の変化量が所定値Aより小さい場合は、直接ステップS805に進む。
ステップS808では、引き続き異常判定部106において、異常判定を行う。ここでは、性能低下が事故によるものなのか、あるいは故障によるものなのかを判定する。この判定は、加速度センサーやアクセルペダルセンサーや車速などから実施できる。例えば、アクセル開度に対して突然大きな加速度変化が発生した場合は、事故と判定する。突然の大きな加速度変化が発生していないなど、通常の走行をしていたと考えられる場合は、故障と判定する。
ステップS805では、記録された評価指標のデータ数と所定値Bを比較する。記録されたデータ数が、所定値Bよりも大きい場合はステップS806に進み、所定値B以下の場合は、本処理を終了する。ステップS806では、ランク判定部104において、記録された評価指標に基づいてランク判定を行う。ステップS807では、図9に示したような方法で、上記ランク判定の結果に基づき車両の価格を算出する。
このように、記録された評価指標のデータ数が所定値Bよりも大きい場合にのみランク付けを実施することで、統計的に十分なデータ数の評価指標に基づき、正確な車両評価が実施できる。
第3の価格設定例は、年式や型番など、複数車両の車検証記載事項を蓄積した車検証情報データベース921のデータと、中古車両の市場価格を蓄積した中古車価格データベース922のデータと、上記ランク付け(ランク分け)の結果から、各車両の中古価格を算出する。
本構成により、情報管理会社920は、走行中の車両の価格を逐次把握できる。また、ユーザーは、情報管理会社920に問い合わせることで、車両を使用しながら、その車両の中古車としての売買価格や売買時期を把握することができる。さらに、情報管理会社920は、上述したデータベースに蓄積された情報、ランク判定部および価格算出部を保持しているので、中古車販売価格を決定する第三者機関となることができる。そのため、本実施例のように情報管理会社を仲介すれば、より公正な中古車取引が実施できる。
なお、実施例1および実施例2における価格算出は、中古車両の市場価格を蓄積した中古車価格データベースを、CDやDVDなどの記録媒体により、ディーラ、中古車販売業者、または情報管理会社920などから提供してもらうことにより実施できる。また、実施例2の構成の場合では、上記記録媒体の他に、情報管理会社920からランク判定用データと共に、中古車価格データベースのデータを通信により取得することによっても実施できる。
図11に、本発明を実施した際における出力結果の一例を示す。出力対象は、本システムと接続されたナビゲーション画面でも良いし、本システムと通信するディーラの端末でも良い。図11−Aは、事故が発生した車両の評価指標記録の一例であり、当該車両の性能データを示している。横軸は走行時間、縦軸は評価指標である。評価指標の値は、縦軸の上から下に向かって大きくなり、これに伴い車両の性能が低下する。評価指標が新車登録時から記録されていることは、車検証に記載されている登録日時と評価指標の算出を開始した日時とを照合することにより、確認できる。事故は、異常判定部106において、評価指標の急変(性能の急低下)などにより判定され、図11−Aに示したように、画面上に事故判定の結果が表示される。本例では、図5に示した例とは異なり、評価指標の値は、事故により一旦大きく変化したが、その後の増加速度に大きな変化が見られない。そこで、本例の車両は、適切な修理やメンテナンスが実施されたと判断できる。図11−Bは、図11−Aの事故判定に対応する事故の記録である。ユーザーの操作により、事故の発生日時、事故発生時の走行距離、および事故と判断した根拠となるデータ(最大の加速度変化量や性能低下の割合など)が、ナビゲーション画面またはディーラの端末に表示される。図11−Cは、図11−Bの事故記録に対応する車両整備記録である。修理日時、修理時の走行距離、および修理内容(部品交換内容など)と性能向上の結果が、ナビゲーション画面またはディーラの端末に表示される。本発明により、ユーザーは、事故車の車両性能を明確に判断でき、中古車取引を安心して行える。
本発明による車両評価システムの構成の一例。 初期状態を評価基準とした車両評価方法の一例(燃費性能評価)。 初期状態を評価基準とした車両評価方法の一例(レスポンス評価)。 初期状態を評価基準とした車両評価方法の一例(静粛性評価)。 評価指標の一例。 評価指標の出現頻度によるランク付け方法の一例。 走行距離または走行時間の増加に伴い、出現頻度分布が変化する一例。 走行距離または走行時間を考慮したランク付け方法の一例。 故障または事故が発生した車両の評価指標記録の一例。 ランク判定用データを車外から取得する車両評価システムの構成の一例 複数車両の中での相対評価に基づくランク付け方法の一例。 本発明における車両評価システムの機能の一部を、車外に設置した構成例。 ランク付けに応じた価格設定方法の一例。 評価指標のデータ数によりランク付けを実施する車両評価システムのフローチャートの一例。 事故が発生した車両の評価指標記録の一例。 図11−Aの事故判定に対応する事故記録の一例。 図11−Bの事故記録に対応する車両整備記録の一例。
符号の説明
101…車両情報収集部、102…評価指標算出部、103…評価指標記録部、104…ランク判定部、105…車両評価システム、106…異常判定部、107…価格算出部、900…車両、901…車載通信機、902…車両評価システムの車載側装置、910…ネットワーク、911…ファイアウォール、912…車外通信機、920…情報管理会社、921…車検証情報データベース、922…中古車価格データベース。

Claims (8)

  1. 車内ネットワークを介して得られる車両情報を収集する車両情報収集部と、
    前記車両情報に基づき車両性能を評価するための評価指標を算出する評価指標算出部と、
    前記評価指標を記録し、蓄積する評価指標記録部と、
    前記蓄積された評価指標の記録データを用いて車両性能をランク付けするデータ処理部と、を備え、
    前記車両情報収集部、評価指標算出部、評価指標記録部、およびデータ処理部は、車載コンピュータにより構成され、
    前記データ処理部でのランク付けは、車両性能の初期状態の評価指標を基準にしたランク判定用データを設定して、このランク判定用データと運転履歴に伴い蓄積される前記評価指標の記録データとを用いて自車の車両性能をランク付けすることを特徴とする車両評価システム。
  2. 請求項1記載の車両評価システムにおいて、
    前記データ処理部でのランク付けは、車外の情報提供センタからランク判定用のデータを取得して、このランク判定用データと運転履歴に伴い蓄積される前記評価指標の記録データとを用いて自車の車両性能をランク付けすることを特徴とする車両評価システム。
  3. 請求項1記載の車両評価システムにおいて、
    前記評価指標記録部および前記データ処理部のうち、少なくとも前記データ処理部は車外の情報提供センタのコンピュータにより構成され、
    前記データ処理部は、複数車両のそれぞれの評価指標の蓄積記録データを取得して、それらのデータを用いて複数車両の車両性能のランク分けを実行することを特徴とする車両評価システム。
  4. 請求項1記載の車両評価システムにおいて、
    前記評価指標は、車両の走行時間と走行距離のうち少なくとも一つと共に記録し、蓄積することを特徴とする車両評価システム。
  5. 請求項1記載の車両評価システムにおいて、
    前記評価指標の記録データの変化に基づいて、事故や故障を判定する異常判定装置を備えたことを特徴とする車両評価システム。
  6. 請求項1記載の車両評価システムにおいて、
    前記データ処理部は、車両性能のランク付け結果に基づき、当該車両の価格を算出することを特徴とする車両評価システム。
  7. 請求項1記載の車両評価システムにおいて、
    前記車両情報は、燃費、レスポンス、静粛性のうち、少なくとも一つに関する情報であることを特徴とする車両評価システム。
  8. 請求項1記載の車両評価システムにおいて、
    前記データ処理部でのランク付けは、前記評価指標記録部によって蓄積された評価指標の記録データ数が、予め定められた所定値以下である場合はランク分けを禁止することを特徴とする車両評価システム。
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