JP2009030723A - 皿ボルト付金具及びその製造方法 - Google Patents

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達也 白石
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崇 長谷川
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Abstract

【課題】皿ボルト付金具において、抵抗溶接によらないで皿ボルトとプレート金具とを良好にシール状態に固定できるようにし、抵抗溶接により生じる問題を解決する。
【解決手段】皿ボルト付金具10において、皿ボルト14をセレーション付ボルトとなし、セレーション部24を固定孔30の内面に喰い込ませることによってプレート金具12に固定し、また皿ボルト14の外周テーパ面20による押圧にてプレート金具12の固定孔30周りのコーナー部を外周テーパ面20の形状に倣って塑性変形させて、これにより生じたテーパ面36と外周テーパ面20とを全周に亘り圧接状態に密着させて、皿ボルト14とプレート金具12との間をシールする。
【選択図】 図1

Description

この発明は防振ゴム製品その他に用いられるボルト付金具、特に頭部が皿形状をなす皿ボルト付金具及びその製造方法に関する。
従来、頭部が皿形状をなす皿ボルトをプレート金具に固定してなる皿ボルト付金具が防振ゴム製品その他の構成部品として用いられている。
皿ボルトは、プレート金具の板面からの頭部の突出しを小さくでき、そこでプレート金具の板面からの頭部の突出しを小さく抑えたいときに(例えば突出しを2mm以下に抑えたいとき)この種皿ボルトが使用される。
例えば、プレート金具のボルトの頭部側の板面に、頭部を内部に埋め込むようにしてゴム弾性体が直接加硫接着される形態の防振ゴム製品の場合、頭部がプレート金具の板面から大きく突出していると、頭部周りでゴム弾性体に応力集中が生じてゴム弾性体がそこから損傷し易く、このことが耐久性を低下させる要因となってしまう。
そこでこうした場合に、ボルトとして皿ボルトを用いたボルト付金具が好適に用いられる。
図9はこのような皿ボルト付金具226を用いた防振ゴム製品の一例を示している(下記特許文献1に開示)。
同図において、200はその防振ゴム製品としてのエンジンマウントで第1取付金具(皿ボルト付金具)202,第2取付金具204及び円筒金具206を有している。
ここで第2取付金具204にはボルト208が固設されており、また円筒金具206には図中下端部にかしめ部210が設けてあって、このかしめ部210において円筒金具206が第2取付金具204に固定されている。
そしてこの円筒金具206の上部と第1取付金具202とが、断面略ハ字状をなすゴム弾性体212にて連結されている。
ここでゴム弾性体212は、円筒金具206及び第1取付金具202に対し加硫接着により一体に固着されている。
このエンジンマウント200には内部に液室214が形成されていて、そこに液体Lが封入されている。
この液室214は、仕切部材216によってゴム弾性体212側の主液室214Aと、液室214を閉鎖する閉鎖部材217側の副液室214Bとに仕切られている。
仕切部材216はまたオリフィス形成部材も兼ねていて、その仕切部材216により環状のオリフィス通路214Cが形成されており、オリフィス通路214Cを介して主液室214Aと副液室214Bとが連通させられている。
このエンジンマウント200の場合、エンジンから発生する高周波数領域の振動を主としてゴム弾性体212の弾性変形により吸収し、またエンジンシェイク等の低周波数領域の振動を主液室214A及び副液室214Bの容積変化に伴ってオリフィス通路214Cを流動する液体Lの液柱共振作用により効果的に吸収する。
ところでこのような皿ボルト232とプレート金具230との間、詳しくはプレート金具230の固定孔234との間に隙間が生じていると、ゴム弾性体212の加硫成形の際にゴム材の一部がその隙間を通じて外部にはみ出し、これがゴムばりとなってしまう問題を生ずる。
防振ゴム製品によっては、このゴムばりがプレート金具230の図中上面に対して別の金具を組み付ける際の障害となることがあり、このような場合にはプレート金具230の図中上面側にはみ出したゴムばりを除去する工程が必要となる。
この場合防振ゴム製品の製造工程数が多くなって、コスト上昇の要因となる。
従ってこの場合には皿ボルト232とプレート金具230との間を隙間無くシールした状態としておくことが必要となる。
通例そのための手段として、皿ボルト232の頭部236を全周に亘りプレート金具230に抵抗溶接することが行われる。
詳しくは、その抵抗溶接によって皿ボルト232とプレート金具230とを固定すると同時に、全周に亘る溶接によって皿ボルト232とプレート金具230との間を隙間無くシールした状態とする。
従ってこの場合の抵抗溶接は固定のための手段とシールのための手段とを兼ねている。
抵抗溶接は、通常溶接対象物の一方に突起を形成しておいて、その突起を他方の溶接対象物に当接させ、そして一対の電極にてそれら溶接対象物を強く加圧した状態の下で電圧印加して大電流を通し、溶接部をジュール熱により溶融させて接合する。
従来、皿ボルト232の全周抵抗溶接に際しては、図10(I)に示しているように、プレート金具230の固定孔234周り且つ頭部236側の角部238を突起として利用し、この角部238を皿ボルト232の頭部236の外周テーパ面248に当てた状態で、一対の電極(電極は通常銅製である)240,242にて皿ボルト232の頭部236とプレート金具230とを強く挟み込んで加圧し、その状態で電圧印加して皿ボルト232とプレート金具230とを全周溶接し、両者の固定とシールとを行う。
ところがこの皿ボルト232の全周抵抗溶接では、次のような困難な問題が生ずる。
即ちこの抵抗溶接では図10(II)に示しているように、溶接時にプレート金具230の固定孔234周りの部分が強い加圧力で図中下側に押されて変形を生じ、変形部分244が図中下側の電極242を下向きに押圧して、電極242の図中上面側に凹み246を生ぜしめてしまう。
電極242は多数の皿ボルト232の抵抗溶接のために繰り返して使用されるものであり、そしてその繰返し使用によって電極242の凹み246が次第に大きく成長してしまう。
そしてこれに倣って、抵抗溶接時のプレート金具230の固定孔234周りの変形部分244もまた変形量が大となってしまう。
而して抵抗溶接によりプレート金具230の固定孔234周りの部分が図中下向きに大きく変形してしまうと、皿ボルト付金具226におけるプレート金具230の板面上に相手側部材を重ねて締結する際、変形部分244によって相手側部材がプレート金具230に対し浮上りを生じてしまい、皿ボルト付金具226と相手側部材との締結を良好に行えなくなってしまう。
こうした問題は防振ゴム製品における皿ボルト付金具226だけでなく、他の各種製品における皿ボルト付金具、即ちプレート金具に対して皿ボルトを抵抗溶接する際に共通して従来生じている問題であって、皿ボルトの抵抗溶接における大きな且つ解決が困難な課題となっていた。
尚、本発明に関連する文献として下記特許文献2,特許文献3がある。
但しこれら特許文献に開示のものは本発明とは異なった技術的思想に係るものである。
実開昭63−9537号公報 特開2002−130239号公報 特表2005−530106号公報
本発明は以上のような事情を背景とし、皿ボルト付金具において抵抗溶接によらないで皿ボルトとプレート金具とを良好にシール状態で固定できるようにし、抵抗溶接によって生じる問題を解決することを目的とする。
而して請求項1は皿ボルト付金具に関するもので、雄ねじ部を有する軸部と、該軸部よりも大径の頭部とを備え、該頭部には、該軸部の側に向って漸次小径となる外周テーパ面の形成された皿ボルトをプレート金具の貫通の固定孔に挿入し固定して成る皿ボルト付金具であって、前記皿ボルトを、前記軸部の前記頭部側の基端側に前記雄ねじ部よりも大径のセレーション部を有するセレーション付ボルトとなし、該セレーション部を前記固定孔の内面に喰い込ませることによって該皿ボルトを前記プレート金具に固定してあるとともに、前記皿ボルトの前記外周テーパ面による押圧にて前記プレート金具における前記固定孔周りの頭部側のコーナー部が該外周テーパ面の形状に倣って塑性変形させてあり、該塑性変形により生じた該プレート金具側のテーパ面と前記頭部の外周テーパ面とが全周に亘り圧接状態に密着させてあって、該テーパ面同士の密着により前記皿ボルトと前記プレート金具との間がシールされていることを特徴とする。
請求項2のものは、請求項1において、前記塑性変形により生じた前記プレート金具側の余剰の肉が前記セレーション部の前記頭部側の部分の隙間に全周に亘り入り込んでおり、該セレーション部の該頭部側の部分と前記固定孔の内面との間をシールしていることを特徴とする。
請求項3のものは、防振ゴム用製品の構成部品としての請求項1〜2の何れかに記載の皿ボルト付金具であることを特徴とする。
請求項4は皿ボルト付金具の製造方法に関するもので、前記皿ボルトを前記固定孔に軸方向に挿入して前記セレーション部を前記固定孔に圧入し、該圧入により該セレーション部を該固定孔の内面に喰い込ませるとともに、該圧入時に、圧入力で前記皿ボルトの外周テーパ面により前記プレート金具における前記固定孔周りの前記頭部側のコーナー部を該外周テーパ面に倣って塑性変形させ、該塑性変形により生じた前記プレート金具側のテーパ面と該外周テーパ面とを全周に亘り圧接状態に密着させて前記皿ボルトとプレート金具との間をシールすることを特徴とする。
請求項5の製造方法は、請求項4において、前記皿ボルトの前記外周テーパ面の軸方向に対するテーパ角度が55〜65°の範囲内であることを特徴とする。
発明の作用・効果
以上のように請求項1のものは、皿ボルト付金具において、皿ボルトをセレーション付ボルトとなし、そのセレーション部をプレート金具の固定孔の内面に喰い込ませることによって皿ボルトをプレート金具に固定し、また皿ボルトの外周テーパ面による押圧にてプレート金具における固定孔周りの且つ頭部側のコーナー部を、その外周テーパ面の形状に倣って塑性変形させ、そして塑性変形により生じたプレート金具側のテーパ面と、ボルト頭部の外周テーパ面とを全周に亘り圧接状態に密着させ、両者の間を全周に亘りシールした形態で皿ボルト付金具を構成したものである。
この請求項1の皿ボルト付金具では、プレート金具に対する皿ボルトの固定を、皿ボルトに設けたセレーション部にて行い、また皿ボルトとプレート金具との間のシールを、皿ボルトのテーパ面と塑性変形により生じたプレート金具側のテーパ面との圧接により行い、固定とシールとをそれぞれで役割分担するようになしたものである。
この請求項1において、塑性変形により生じたプレート金具側のテーパ面と皿ボルトの頭部の外周テーパ面との圧接は、セレーション部の固定孔内面への喰込みによる固定によって良好に保持される。
この請求項1によれば、皿ボルトとプレート金具との固定とシールとを、従来のように抵抗溶接による全周溶接によらないで実現することができる。
従って抵抗溶接により生じる困難且つ固有の問題を解決することができる。
即ち、皿ボルトとプレート金具との固定のために専用の特殊の溶接設備を必要とせず、また皿ボルトとプレート金具との固定及びシールのために大きな電力を消費してしまう問題も生じず、とりわけ皿ボルトとプレート金具との固定及びシールによって、プレート金具の固定孔周りの部分が変形を生じてしまい、相手部材との組付けないし締結を良好に行えなくなるといった問題を解決することができる。
次に請求項2は、プレート金具の塑性変形により生じた余剰の肉を、皿ボルトのセレーション部における頭部側の隙間に入り込ませて、セレーション部の頭部側の部分と固定孔の内面との間を全周に亘りシールしたもので、この請求項2によれば、皿ボルトとプレート金具との間のシール性をより一層高めることができる。
また塑性変形によりセレーション部に入り込んで隙間を埋めたプレート金具の余剰の肉が、固定孔内面との間で大きな摩擦抵抗力を発生するため、皿ボルトとプレート金具との結合強度をより高強度となすことができる。
本発明は様々な製品構成用のボルト付金具に適用することが可能であるが、特に防振ゴム製品の構成部材となる皿ボルト付金具に好適に適用可能である(請求項3)。
次に請求項4は、上記の皿ボルト付金具を製造するに際し、セレーション付の皿ボルトをプレート金具の固定孔に圧入して、セレーション部を固定孔の内面に喰い込ませるとともに、その際の圧入力で、皿ボルトの外周テーパ面にてプレート金具における固定孔周りのボルト頭部側のコーナー部を押圧して、ボルト頭部の外周テーパ面に倣って塑性変形させ、その塑性変形により生じたプレート金具側のテーパ面と、ボルト頭部の外周テーパ面とを全周に亘り圧接状態に密着させて両者の間をシールするもので、この製造方法によれば、単に皿ボルトをプレート金具の固定孔に圧入操作するだけで、プレート金具に対する皿ボルトの固定とシールとを一挙に実現することができる。
従ってこの製造方法によれば極めて簡単にプレート金具に対する皿ボルトの固定と、それらの間のシールとを併せて行うことができる。
この場合において、皿ボルトの外周テーパ面の軸方向に対するテーパ角度を55〜65°の範囲内としておくことが望ましい(請求項5)。
次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1において、10は例えば防振ゴム製品に用いられる、図9の取付金具226と同様の取付金具(皿ボルト付金具)で、プレート金具12と、これに固定された皿ボルト14とで構成されている。
ここで皿ボルト14は、プレート金具12よりも硬い材料からなっている。具体的にはここでは皿ボルト14はJIS S45C鋼材からなっており、またプレート金具12はJIS SPHC鋼材からなっている。
皿ボルト14は、図2に示しているように(図2は皿ボルト14をプレート金具12の固定孔30に圧入し固定する前の状態を表している)セレーション付のもので、軸部16とこれよりも大径の頭部18とを有している。
頭部18は、その頂面が軸直角方向の円形の平坦面をなしており、その頂面と軸部16との間に外周テーパ面20を有している。
即ち頂面と軸部16との間の外周面が軸部16側に漸次小径となるテーパ面とされている。
ここで外周テーパ面20の軸方向に対するテーパ角度θは、ここでは60°とされている。即ち角度2θが120°とされている。
軸部16は、先端側が雄ねじ部22として、頭部18に続く基端側がセレーション部24として構成されている。
また雄ねじ部22とセレーション部24との間の部分が、外周面が平滑な円形で雄ねじ部22と同径をなす中間部26とされている。
セレーション部24は、雄ねじ部22及び中間部26よりも僅かに大径とされており、外周面に図1(B)に示しているように軸方向に延びる突条形態の喰込歯28を有しており、その喰込歯28が周方向に沿って全周に亘り一定ピッチで連設されている。
図2に示しているように、皿ボルト14の圧入前においてプレート金具12の固定孔30は、同径で軸方向即ちプレート金具12の板厚方向に延びており、その内面が軸方向と平行な面をなしている。
この実施形態において、固定孔30の内径dはここではφ12.2mmである。
一方皿ボルト14は、雄ねじ部22及び中間部26ともにその外径dがφ12mmであり、またセレーション部24は外径dがφ13mmである。
またセレーション部24の図中下端から頭部18の頂面までの軸方向寸法aは、プレート金具12の板厚寸法aに対して僅かに大(ここでは1mm)とされている。即ち図2中のα=1mmとされている。
尚、セレーション部24の軸方向寸法a,頭部18の軸方向寸法aは、ここではそれぞれ2mm,2.2mmである。
この実施形態において、皿ボルト14はセレーション部24を固定孔30の内面に喰い込ませる状態に、雄ねじ部16側から固定孔30に挿入された上圧入され、プレート金具12に固定されている。
またその後において、セレーション部24のプレート金具12から図中下向きに突き出した部分がプレート金具12に対し下方からかしめられ、セレーション部24の固定孔30内面への喰込みとそのかしめとによって、皿ボルト14がプレート金具12に対し回止め及び抜止状態に強固に一体化されている。
図1中32は、そのかしめ部を表している。
この皿ボルト14の圧入により、プレート金具12の固定孔30周りの部分且つ皿ボルト14の頭部18側のコーナー部34(図5(II)参照)が、頭部18の外周テーパ面20の押圧により、外周テーパ面20の形状に倣って塑性変形し、図1に示す固定状態において、塑性変形により生じたプレート金具12のテーパ面36と頭部18の外周テーパ面20とが全周に亘り圧接状態で密着している。そしてそれら外周テーパ面20とテーパ面36同士の密着により、それらテーパ面間が気密にシールされている。
このときの塑性変形に伴って、頭部18により排除されたプレート金具12の余剰の肉(材料)の一部が、セレーション部24の頭部18側の部分の隙間に入り込んでおり、セレーション部24と固定孔30の内面との間を、全周に亘りシールしている。
即ちこの実施形態では、皿ボルト14における頭部18の外周テーパ面20とプレート金具12側のテーパ面36との圧接による密着と、塑性変形の際にセレーション部24の隙間、詳しくはセレーション部24と固定孔30の内面との間の隙間に入り込んだプレート金具12の余剰の肉の一部とによって、皿ボルト14とプレート金具12との間が気密にシールされている。
図3〜図5は、図1に示す取付金具10の製造方法の要部を表している。
この実施形態の製造方法では、皿ボルト14をプレート金具12の固定孔30に、雄ねじ部22側から挿入し、その状態でプレート金具12を加圧型38で受けて、図3(II)に示しているように加圧型40により皿ボルト14を下向きに押し込み、固定孔30に圧入する。
このとき、図4(III)に示しているように皿ボルト14の頭部18の頂面が、プレート金具12の図中上側の板面とほぼ面一となるまで(頭部18のプレート金具12の板面からの突出しが2mm以下となる位置まで)、皿ボルト14を固定孔30に圧入する。
この圧入状態の下で、皿ボルト14のセレーション部24が固定孔30内面に喰い込んだ状態となり、皿ボルト14がプレート金具12に対し回転方向にもまた抜け方向にも固定される。
尚図4(III)に示す状態において、セレーション部24の図中下部が、プレート金具12の図中下側の面よりも僅かに突き出した状態となる。
下記皿ボルト14の圧入により、プレート金具12の図5(II)に示すコーナー部34、即ち固定孔30周り且つ皿ボルト14の頭部20側のコーナー部34が、頭部18の外周テーパ面20による押圧によって塑性変形を生じる。
このとき、頭部18にて排除されたプレート金具12の余剰の肉は、その大部分が図5(III)中矢印で示しているように径方向外方に押し出されるが、その一部はセレーション部24の頭部18側の部分の隙間に入り込んで、セレーション部24と固定孔20内面との間を全周に亘りシール状態とする。
尚、図5(III)に示しているようにプレート金具12の塑性変形時に排除された余剰の肉が径方向外方に押し出されることによって、プレート金具12の外周寸法が僅かに大きくなる現象を生じる。
プレート金具12のコーナー部34は、図5(II)→(III)に示す状態変化の際に、皿ボルト14の頭部18の外周テーパ面20に倣って塑性変形し、そこに外周テーパ面20に対応したテーパ面36(図1参照)が形成される。
そして頭部18の外周テーパ面20と、塑性変形により生じたプレート金具12側のテーパ面36とが圧接状態に密着し、両者の間を気密にシールする。
この実施形態の製造方法では、以上の工程の後にセレーション部24のプレート金具12の下面より下側に突き出した部分が、図4(IV)のかしめ治具40によりプレート金具12側にかしめられる。このかしめによって、皿ボルト14とプレート金具12との固定がより強固なものとなる。
この実施形態では、図2に示す皿ボルト14における頭部18の外周テーパ面20のテーパ角度θが60°となしてあるが、このテーパ角度θは55〜65°の範囲内としておくことが望ましい。その理由は次のようなものである。
テーパ角度が55°よりも小さい場合、図6(イ)(図6は模式図である)に示しているように固定孔30内面へのセレーション部24のかかり代(軸方向のかかり代)を確保しようとすると、頭部(皿部)18の厚み(軸方向長)が一定以下に制限されるために、皿ボルト14の圧入時に、プレート金具12における固定孔30周りの十分な塑性変形量を確保できず、従って均一なシールを確保することが難しくなることに加え、頭部18のプレート金具12に対する軸方向(図中上下方向)の引っ掛り面積を確保することが難しくなる。
一方で同じテーパ角度を保ったまま図6(ロ)に示しているように頭部18の径を大きくすると、頭部18の厚み(軸方向長)が大となって、セレーション部24が固定孔30内面にかからなくなってしまう。
逆に図6(ハ)に示すようにテーパ角度が65度よりも大きい場合、皿ボルト14の圧入時にプレート金具12の固定孔30周りの塑性変形量が大となり過ぎて、その塑性変形により生じた余剰の肉が入り込むスペースがなくなってしまう。
また頭部18の面積が大きくなり過ぎてしまう。
一方、図6(ニ)に示すように同じテーパ角度を保ったまま頭部18の面積を通常の面積とすると頭部18の厚みを確保することが難しくなり、その結果頭部18が変形し易くなり、強度上の問題が発生する。
<実施例>
上記製造方法にて得た取付金具10のシール性の確認試験(気密性試験)を以下のようにして行った。
即ち、図7に示しているように取付金具10に対し、皿ボルト14の頭部18を覆うようにしてキャップ金具42を開口端側で気密に全周溶接して接合し、ホース44を通じてキャップ金具42内部に圧力4.0MPaの加圧エアを供給し、その状態で取付金具10をキャップ金具42とともに図8に示す容器46内の水中に投入し、そこから泡が発生するか否かを観察する気密性試験を行った。
その結果が表1に示してある。
尚、試験は取付金具10の5個について全部で5回試験を行った。
Figure 2009030723
表1に示しているようにこの試験の結果泡の噴出し、即ちエアの噴出しは全く認められず、皿ボルト14とプレート金具12とが良好に気密シールされていることを確認した。
以上のような本実施形態によれば、皿ボルト14とプレート金具12との固定とシールとを、従来のように抵抗溶接による全周溶接によらないで実現することができる。
従って抵抗溶接により従来生じていた困難且つ固有の問題を解決することができる。
また本実施形態では、皿ボルト14の頭部18の外周テーパ面20とプレート金具12のテーパ面36の圧接によるシールの他、プレート金具12側の塑性変形により生じた余剰の肉を皿ボルト14のセレーション部26の隙間に入り込ませて、固定孔30の内面との間でシールしているため、皿ボルト14とプレート金具12との間のシール性能をより高めることができる。
加えて塑性変形によりセレーション部26に入り込んだプレート金具12側の余剰の肉が、固定孔30内面との間で大きな摩擦抵抗力を発生するため、皿ボルト14とプレート金具12との結合強度を高強度となすことができる。
また本実施形態の製造方法によれば、単に皿ボルト14をプレート金具12の固定孔30に圧入操作するだけで、プレート金具12に対する皿ボルト14の固定とシールとを一挙に実現することができる。
以上本発明の実施形態を詳述したがこれはあくまで一例示である。
例えば本発明はアキュムレータ等の圧力容器の底部への皿ボルトの固定に際して適用したり、或いは防振ゴム製品以外のその他様々な製品における皿ボルトの固定及びシール手段として適用することが可能である等、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態,態様で構成,実施可能である。
本発明の一実施形態の皿ボルト付金具の図である。 同実施形態の皿ボルト付金具の皿ボルトを圧入前の状態でプレート金具とともに示した図である。 本発明の実施形態の皿ボルト付金具の製造方法の要部工程を示す図である。 図3に続く要部工程の図である。 同実施形態の作用説明図である。 同実施形態における皿ボルトのテーパ角度の意味を説明する説明図である。 皿ボルト付金具の気密性試験の方法の説明図である。 同気密性試験の実施状況を示した図である。 従来の皿ボルト付金具を用いたエンジンマウントを示した図である。 皿ボルト付金具を抵抗溶接する際の不具合の説明図である。
符号の説明
10 取付金具(皿ボルト付金具)
12 プレート金具
14 皿ボルト
16 軸部
18 頭部
20 外周テーパ面
22 雄ねじ部
24 セレーション部
30 固定孔
34 コーナー部
36 テーパ面

Claims (5)

  1. 雄ねじ部を有する軸部と、該軸部よりも大径の頭部とを備え、該頭部には、該軸部の側に向って漸次小径となる外周テーパ面の形成された皿ボルトをプレート金具の貫通の固定孔に挿入し固定して成る皿ボルト付金具であって
    前記皿ボルトを、前記軸部の前記頭部側の基端側に前記雄ねじ部よりも大径のセレーション部を有するセレーション付ボルトとなし、該セレーション部を前記固定孔の内面に喰い込ませることによって該皿ボルトを前記プレート金具に固定してあるとともに
    前記皿ボルトの前記外周テーパ面による押圧にて前記プレート金具における前記固定孔周りの頭部側のコーナー部が該外周テーパ面の形状に倣って塑性変形させてあり、該塑性変形により生じた該プレート金具側のテーパ面と前記頭部の外周テーパ面とが全周に亘り圧接状態に密着させてあって、該テーパ面同士の密着により前記皿ボルトと前記プレート金具との間がシールされていることを特徴とする皿ボルト付金具。
  2. 請求項1において、前記塑性変形により生じた前記プレート金具側の余剰の肉が前記セレーション部の前記頭部側の部分の隙間に全周に亘り入り込んでおり、該セレーション部の該頭部側の部分と前記固定孔の内面との間をシールしていることを特徴とする皿ボルト付金具。
  3. 防振ゴム用製品の構成部品としての請求項1〜2の何れかに記載の皿ボルト付金具。
  4. 請求項1〜3の何れかの皿ボルト付金具の製造方法であって
    前記皿ボルトを前記固定孔に軸方向に挿入して前記セレーション部を前記固定孔に圧入し、該圧入により該セレーション部を該固定孔の内面に喰い込ませるとともに、該圧入時に、圧入力で前記皿ボルトの外周テーパ面により前記プレート金具における前記固定孔周りの前記頭部側のコーナー部を該外周テーパ面に倣って塑性変形させ、該塑性変形により生じた前記プレート金具側のテーパ面と該外周テーパ面とを全周に亘り圧接状態に密着させて前記皿ボルトとプレート金具との間をシールすることを特徴とする皿ボルト付金具の製造方法。
  5. 請求項4において、前記皿ボルトの前記外周テーパ面の軸方向に対するテーパ角度が55〜65°の範囲内であることを特徴とする皿ボルト付金具の製造方法。
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