JP2009030443A - 内燃機関の吸気装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】スワール流を弱めることを抑えつつ冷却損失の増加を抑制できる内燃機関の吸気装置を提供する。
【解決手段】シリンダ2内にスワールFswとこれに対向する向きの成分を持つ対向流Freとを二つの吸気ポート4、5にて形成する。一方の吸気ポート4はシリンダ2内に流出させる流れF1が周壁面2aに近い側の流速よりも周壁面2aから遠い側の流速が大きい速度分布を持つように構成され、他方の吸気ポート5はシリンダ2内に流出させる流れF2が周壁面2aに近い側の流速よりも周壁面2aから遠い側の流速が小さく、かつその近い側の流速の大きさが吸気ポート4が流出させる流れF1の近い側の流速の大きさよりも大きい速度分布を持つように構成されている。
【選択図】図4
【解決手段】シリンダ2内にスワールFswとこれに対向する向きの成分を持つ対向流Freとを二つの吸気ポート4、5にて形成する。一方の吸気ポート4はシリンダ2内に流出させる流れF1が周壁面2aに近い側の流速よりも周壁面2aから遠い側の流速が大きい速度分布を持つように構成され、他方の吸気ポート5はシリンダ2内に流出させる流れF2が周壁面2aに近い側の流速よりも周壁面2aから遠い側の流速が小さく、かつその近い側の流速の大きさが吸気ポート4が流出させる流れF1の近い側の流速の大きさよりも大きい速度分布を持つように構成されている。
【選択図】図4
Description
本発明は、シリンダ内にスワールを形成できる内燃機関の吸気装置に関する。
ディーゼル機関の吸気ポートに隣接してシリンダヘッドに開口する補助吸気ポートを設けた内燃機関の吸気装置がある(特許文献1)。この吸気装置は、シリンダ内にスワールが発生しているときに補助吸気ポートから縦流をシリンダ内に導入し、スワールと縦流とを混ぜることにより吸気の乱れエネルギを増加させる。その他、本発明に関連する先行技術文献として、特許文献2及び3が存在する。
シリンダ内に形成されるスワールが強くなると流速が大きくなるため、シリンダの内周面やピストンの頂面等のスワールと接触する壁面からの放熱量が増加して、冷却損失が増加する問題がある。また、特許文献1の吸気装置のようにスワールに縦流を混ぜただけでは、補助吸気ポートから導入される縦流とシリンダ内のスワールとが干渉し合いスワールが弱められるおそれがある。
そこで、本発明は、スワール流を弱めることを抑えつつ冷却損失の増加を抑制できる内燃機関の吸気装置を提供することを目的とする。
本発明の内燃機関の吸気装置は、内燃機関のシリンダ内にスワールと前記シリンダの周壁面に沿いかつスワールと対向する向きの成分を持つ対向流とを、スワールの進行方向と同方向でかつ前記周壁面に沿う方向の成分を持つ流れを前記シリンダ内に流出させるスワール生成ポートと、スワールの進行方向と逆方向でかつ前記周壁面に沿う方向の成分を持つ流れをシリンダ内に流出させる対向流生成ポートとを利用して形成できる内燃機関の吸気装置であって、前記スワール生成ポートは前記シリンダ内に流出させる前記流れが前記周壁面に近い側の流速よりも前記周壁面から遠い側の流速が大きい速度分布を持つように構成され、前記対向流生成ポートは前記シリンダ内に流出させる前記流れが前記周壁面に近い側の流速よりも前記周壁面から遠い側の流速が小さく、かつ前記近い側の流速の大きさが前記スワール生成ポートが流出させる前記流れの前記近い側の流速の大きさよりも大きい速度分布を持つように構成されていることにより、上述した課題を解決する(請求項1)。
この吸気装置によれば、所要の速度分布を持つ異種の流れを流出させる二つの吸気ポートによって、スワールとこれに対向する向きの成分を持つ対向流とをそれぞれ形成することができる。このため、対向流を形成する補助通路等の手段を吸気ポートの他に設ける必要がない。スワール生成ポートが流出させる流れはスワールと同方向の成分を持ち、かつシリンダの周壁面に近い側の流速よりも遠い側の流速が大きい速度分布を持つ。そして、対向流生成ポートが流出させる流れはスワールと反対方向の成分を持ち、かつシリンダの周壁面に近い側の流速よりも遠い側の流速が小さい速度分布を持つ。そのため、これらの流れがシリンダに流出して発展することにより、シリンダの周壁面に近い側を対向流が流れ、かつその内側をスワールが流れる流れ場が形成される。対向流生成ポートが流出させる流れは、シリンダの周壁面に近い側の流速の大きさがスワール生成ポートが流出させる流れの周壁面に近い側の流速の大きさよりも大きい。そのため、シリンダの周壁面に近い位置で対向流の高流速部分とスワールの高流速部分とが真正面から衝突することが回避されるからスワールが弱められることが抑制される。その代りに、スワールと対向流との境界においてこれらの低流速部分が互いに干渉して、その境界における流れが流速を相互に打ち消し合うことにより、シリンダの周壁面から離れたシリンダの内部に流速が略0の部分を含みかつ周方向に延びる筒状の停滞領域が形成される。この停滞領域が生じることによって、シリンダ内に空気の断熱層を設けることと略同等な効果が発揮される。即ち、停滞領域によってシリンダの内部から周壁面への熱伝達が減少する。その結果、シリンダ内のスワールによる燃料の混合及び拡散効果を保持したまま、シリンダの周壁面からの冷却損失を低減することができる。よって、低燃費及び低スモークな燃焼の両立が可能となる。
本発明の一態様においては、前記スワール生成ポート及び前記対向流生成ポートは前記シリンダの上下方向の下方に向かって開口する開口部をそれぞれ備えており、前記スワール生成ポートの前記開口部の位置が、前記対向流生成ポートの前記開口部の位置に比べて前記シリンダの中心側に偏っていてもよい(請求項2)。この場合、スワール生成ポートの開口部の位置が対向流生成ポートの開口部の位置よりもシリンダの周壁面から離れることになる。このため、周壁面に近い側の流速よりも遠い側の流速が大きい速度分布を持つ流れをスワール生成ポートから、周壁面に近い側の流速よりも遠い側の流速が小さい速度分布を持つ流れを対向流生成ポートから、それぞれ容易に流出させることができる。
本発明の一態様においては、前記対向流生成ポートは、前記シリンダの上下方向の下方に向かって開口する開口部と前記開口部の周方向に沿って湾曲しながら前記開口部に続くヘリカル部と、前記開口部及び前記ヘリカル部のそれぞれに続き、前記シリンダの上下方向の上方に位置する上層部と下方に位置する下層部とを有する導入部とを備えるとともに、前記上層部が前記ヘリカル部に続いてスワールと同方向回りの旋回流を生成し、かつ前記下層部が前記開口部に対して直線的に続いて前記周壁面に沿う方向の接線流を生成できるように構成されていてもよい(請求項3)。この態様によれば、対向流生成ポートが流出させる流れが接線流と旋回流とが合成された流れとなる。接線流の影響を強く受けた成分が発展して対向流が生成される。旋回流はスワールと同方向回りの旋回流であるので、スワールの形成を助力しつつ流量確保に貢献できる。
この態様においては、前記ヘリカル部は、前記接線流を前記周壁面に接近する側に前記旋回流にて押し付け可能な位置に湾曲の終端部が設けられていてもよい(請求項4)。この場合には、湾曲の終端部から流出した旋回流にて接線流がシリンダの周壁面に押されるため、接線流をシリンダの周壁面に近づけ易くできる。
本発明の一態様においては、前記対向流生成ポートを流れる空気の流量を全閉位置から全開位置までの間で開度を変化させることにより調整可能な弁手段を備え、前記弁手段は、前記全閉位置のときに前記下層部に対応する位置を空気が通過できる空気通過部を有していてもよい(請求項5)。この態様によれば、弁手段の開度を適宜調整することによってスワール生成ポート側の流量が変化する。その変化によって、スワール生成ポートから流出する流れが持つ周壁面に沿う方向の成分が変化するため、スワールの強さを変化させることができる。弁手段の開度が絞られるほど、スワール生成ポート側の流量が増加するためスワールを強くできる。また、弁手段が全閉位置のときには対向流生成ポートの下層部に対応する位置を空気が通過できる。即ち、弁手段が全閉位置にされてスワールが最強となった場合でも、対向流生成ポートから対向流に発展する接線流を流出させることができる。これにより、弁手段の開度が全閉位置になっている場合でも対向流の形成が維持されるため、上述した冷却損失の低減効果が失われることがない。
以上説明したように、本発明によれば、所要の速度分布を持つ異種の流れを流出させる二つの吸気ポートによってスワールと対向流とをそれぞれ形成することができる。このため、対向流を形成する補助通路等の手段を吸気ポートの他に設ける必要がない。二つの吸気ポートからシリンダ内に流出する流れが発展することにより、対向流がシリンダの周壁面に近い側に、スワールが対向流よりもシリンダの中心側にそれぞれ位置する流れ場が形成されるとともに、スワール及び対向流のそれぞれの高流速部分が真正面から衝突することが回避されてスワールが弱められることが抑制される。そして、スワールと対向流との境界においてこれらの低流速部分が互いに干渉し、その境界における流れが流速を相互に打ち消し合うことによりシリンダの内部に停滞領域が形成される。この停滞領域が生じることによりシリンダの内部から周壁面への熱伝達が減少する結果、シリンダ内のスワールによる燃料の混合及び拡散効果を保持したまま、シリンダの周壁面からの冷却損失を低減することができる。よって、低燃費及び低スモークな燃焼の両立が可能となる。
(第1の形態)
図1は本発明の一形態に係る吸気装置が適用された内燃機関の要部を模式的に示した平面図である。なお、図1及びその他の図においては理解を容易にするため通路や穴等の内面を外形線で図示する場合がある。図1に示した内燃機関1は、複数(図では1つのみ示す)のシリンダ2が一方向に並べられた直列型のディーゼルエンジンとして構成されている。シリンダ2には空気を吸入するための吸気通路3が接続されており、その吸気通路3は各シリンダ2に空気を導くための二つの吸気ポート4、5を含んでいる。これらの吸気ポート4、5のうち、一方の吸気ポート4が本発明に係るスワール生成ポートに、他方の吸気ポート5が本発明に係る対向流生成ポートにそれぞれ相当する。各吸気ポート4、5はシリンダ2の上下方向の下方に向かってシリンダ2に対して開口する開口部6、7を有しており、それらの開口部6、7は吸気バルブ8にてそれぞれ開閉される。各開口部6、7には吸気バルブ8が着座するバルブシート(不図示)が嵌め込まれている。各開口部6、7の開口面積は同一である。吸気ポート4の開口部6の位置は吸気ポート5の開口部7の位置に比べてシリンダ2の中心側に偏っている。なお、シリンダ2には排気を導くための排気ポート9が接続されている。また、シリンダ2の中心Cの上にはシリンダ2内に燃料を噴射する燃料噴射弁が設けられているが図示を省略した。
図1は本発明の一形態に係る吸気装置が適用された内燃機関の要部を模式的に示した平面図である。なお、図1及びその他の図においては理解を容易にするため通路や穴等の内面を外形線で図示する場合がある。図1に示した内燃機関1は、複数(図では1つのみ示す)のシリンダ2が一方向に並べられた直列型のディーゼルエンジンとして構成されている。シリンダ2には空気を吸入するための吸気通路3が接続されており、その吸気通路3は各シリンダ2に空気を導くための二つの吸気ポート4、5を含んでいる。これらの吸気ポート4、5のうち、一方の吸気ポート4が本発明に係るスワール生成ポートに、他方の吸気ポート5が本発明に係る対向流生成ポートにそれぞれ相当する。各吸気ポート4、5はシリンダ2の上下方向の下方に向かってシリンダ2に対して開口する開口部6、7を有しており、それらの開口部6、7は吸気バルブ8にてそれぞれ開閉される。各開口部6、7には吸気バルブ8が着座するバルブシート(不図示)が嵌め込まれている。各開口部6、7の開口面積は同一である。吸気ポート4の開口部6の位置は吸気ポート5の開口部7の位置に比べてシリンダ2の中心側に偏っている。なお、シリンダ2には排気を導くための排気ポート9が接続されている。また、シリンダ2の中心Cの上にはシリンダ2内に燃料を噴射する燃料噴射弁が設けられているが図示を省略した。
図2は吸気ポート4の詳細を示し、シリンダ2の上方から見た平面図とa〜gの各断面図とがそれぞれ示されている。吸気ポート4は、吸気バルブ8のステム部の周りに沿って湾曲しながら開口部6に続くヘリカル部10と、ヘリカル部10の上流側(シリンダ2から離れる側)に接続された導入部11とを更に有している。
導入部11は、図2のb−b線〜e−e線の各断面図に示すように、シリンダ2の上下方向に関して上側に位置する上層部11aと下側に位置する下層部11bとを有する。これら上層部11a及び下層部11bはシリンダ2の上下方向に関して上下に隣接するようにして吸気ポート4内に形成されている。導入部11は上層部11aの横幅W1が下層部11bの横幅W2よりも狭く、かつヘリカル部10に近付くに従ってこれらの横幅の差が徐々に拡大するように構成されている。つまり、上層部11aはヘリカル部10に近づくに従って徐々に絞り込まれるように構成されている。また、下層部11bはe−e線の断面において開口部6に続くまで略直線的に延びている。ヘリカル部10は、図2のf−f線及びg−g線の各断面図に示すように、開口部6に向かって湾曲する過程でシリンダ2の上下方向に関する高さhが漸次低くなるように構成されている。
この吸気ポート4によれば、これに導かれる空気が導入部11の下層部11bを通過することで接線流Ftが生成され、かつ空気が導入部11の上層部11a及びこれに続くヘリカル部10を通過することで旋回流Frが生成される。
図3は吸気ポート5の詳細を示し、シリンダ2の上方から見た平面図と、a〜gの各断面図とがそれぞれ示されている。吸気ポート5は、吸気バルブ8のステム部の回りに沿って湾曲しながら開口部7に続くヘリカル部20と、ヘリカル部20の上流側に接続された導入部21とを更に有している。
導入部21は、図3のb−b線〜d−d線の各断面図に示すように、シリンダ2の上下方向に関して上側に位置する上層部21aと下側に位置する下層部21bとを有する。これら上層部21a及び下層部21bはシリンダ2の上下方向に関して上下に隣接するようにして吸気ポート5内に形成されている。また、導入部21は、d−d線及びe−e線の各断面に示すように、ヘリカル部20との境界において上層部21aと下層部21bとが互いに交差する交差部22を更に有している。
図3のb−b線〜e−e線の各断面に示すように、導入部21は交差部22に至るまで、上層部21aの横幅W1が下層部21bの横幅W2よりも狭く、かつ交差部22に近づくに従ってこれらの横幅の差が徐々に拡大するように構成されている。つまり、この区間では、上層部21bは交差部22に近づくに従って徐々に絞り込まれるように構成されている。交差部22においては、上層部21aが吸気バルブ8の一方の側(図3の右側)へ向かってヘリカル部20に続き、かつ下層部21bが上層部21aの向かう方向の反対側、即ち吸気バルブ8の他方の側(図3の左側)へ向かって直線的に延びて開口部7に続いている。ヘリカル部20は、図3のf−f線及びg−g線の各断面図に示すように、開口部7に向かって湾曲する過程でシリンダ2の上下方向に関する高さhが漸次低くなるように構成されている。
この吸気ポート5によれば、これに導かれる空気が導入部21の下層部21bを通過することで接線流Ftが生成され、かつ空気が導入部21の上層部21a及びこれに続くヘリカル部20を通過することで旋回流Frが生成される。ヘリカル部20の終端部20aは下層部21にて生成された接線流Ftがシリンダ2の周壁面2aに接近する側(図3の左側)に旋回流Frによって押し付け可能な位置に設けられている。これにより、接線流Ftをシリンダ2の周壁面2aに近づけ易くできる。
図4はこれらの吸気ポート4、5によって形成されるシリンダ2内の流れを説明する平面図である。図5及び図6は、図4のA部における流れの状態(速度分布)を示しており、図5は吸気行程初期の状態を、図6は吸気行程後期から圧縮行程初期の状態をそれぞれ示している。図4に示すように、吸気ポート4は空気を導く過程で接線流Ft及び旋回流Frを生成するので、一点鎖線に示す速度分布を持ちそれらの流れが合成された流れF1をシリンダ2内に流出させる。流れF1は、図4から明らかなように、シリンダ2の周壁面2aに沿う方向の成分を持っていて、周壁面2aに近い側の流速よりも遠い側の流速が大きな速度分布を持つ。一方、吸気ポート5は空気を導く過程で接線流Ft及び旋回流Frを生成するので、実線に示す速度分布を持ちそれらの流れが合成された流れF2をシリンダ内に流出させる。流れF3は、図4から明らかなように、シリンダ2の周壁面2aに沿う方向の成分を持っていて、周壁面2aに近い側の流速よりも遠い側の流速が小さい速度分布を持つ。しかも、その速度分布は周壁面2aに近い側の流速の大きさが隣の吸気ポート4が流出させる流れF1のシリンダ2の周壁面2aに近い側の流速の大きさよりも大きくなっている。
図5に示すように、吸気行程の初期においては、流れF1、F2が各吸気ポート4、5から流出することにより、シリンダ2の周壁面2aに近い領域で流れF1、F2が互いに反対向きに流れる。その後、吸気行程後期から圧縮行程の初期においてはシリンダ2内の流れが図5の状態から落ち着いて、図4及び図6に示すようにシリンダ2内にスワールFswとスワールFswと対向する向きの成分を持つ対向流Freとが形成される。スワールFswは周知のようにシリンダ2の周壁面2aに沿ってシリンダ2の中心線と交差する面内を旋回する流れのことである。図示のスワールFswはその進行方向と同方向の成分を持ち吸気ポート4が流出させる流れF1が主に発展して形成されたものである。一方、対向流FreはスワールFswの進行方向と逆方向の成分を持ち吸気ポート5が流出させる流れF2が主に発展して形成されたものである。
スワールFsw及び対向流Freがシリンダ2内に形成されることによりシリンダ2の周壁面2aに近い側に対向流Freが流れ、かつその内側をスワールFswが流れる流れ場が形成される。そのため、図4及び図6に示すように、スワールFswと対向流Freとの境界においてこれらの低流速部分が互いに干渉し、その境界における流れが流速を相互に打ち消し合うことによりシリンダ2の周壁面2aから少し離れたシリンダ2の内部に周方向に延びる筒状の停滞領域ARが形成される。停滞領域ARは流速が略0の部分を含んでいるため、シリンダ2内に空気の断熱層を設けることと略同等な効果が発揮される。即ち、停滞領域ARによって、シリンダ2の内部から周壁面2aへの熱伝達が減少する。なお、図6の破線は対向流reが存在しない比較例を示す。
二つの吸気ポート4、5はそれぞれヘリカル部10、20を有しており、これらのヘリカル部10、20は互いにスワールFswと同方向に旋回する旋回流Frを生成する。このため、スワールFswの形成を助力しつつ流量確保に貢献できる。つまりスワールFswの強さを十分に確保しながら必要な空気流量を確保することが可能となる。それにより、スワールFswを弱めることを抑えつつ冷却損失の増加を抑制できる。その結果、シリンダ2内のスワールFswによる燃料の混合及び拡散効果を保持したまま、シリンダ2の周壁面2aからの冷却損失を低減することができる。よって、低燃費及び低スモークな燃焼の両立が可能となる。
(第2の形態)
次に、本発明の第2の形態を図7及び図8を参照して説明する。図7は第2の形態に係る吸気装置が適用された内燃機関の要部を模式的に示した平面図であり、図8は図7の矢印VIII方向から見た状態を示した図である。以下、第1の形態と同一構成については、これらの図に同一符号を付して説明を省略する。
次に、本発明の第2の形態を図7及び図8を参照して説明する。図7は第2の形態に係る吸気装置が適用された内燃機関の要部を模式的に示した平面図であり、図8は図7の矢印VIII方向から見た状態を示した図である。以下、第1の形態と同一構成については、これらの図に同一符号を付して説明を省略する。
これらの図に示すように、第2の形態に係る内燃機関1には、吸気ポート5の入口側にスワールの強さを調整するためのバルブユニット30が設けられている。バルブユニット30は吸気ポート5の一部として機能する円筒状の支持部材31と、その支持部材31に回転自在に支持された弁手段としてのスワールコントロールバルブ(SCV)32とを備えている。支持部材は不図示の吸気マニホールドとシリンダヘッドとの間に介在する。SCV32は支持部材31に収まる弁体33と、弁体33と一体回転可能に取付けられて支持部材31にて支持された弁軸34とを有する。弁軸34の一端は支持部材31の外部に延びており、不図示の駆動装置に接続されている。SCV32は図7の実線で示す全閉位置から想像線で示す全開位置までの間でその開度を任意に調整することができる。SCV32の開度が絞られると、他方の吸気ポート4に導かれる空気の流量が増加するため、スワールFsw(図4参照)はその強さが強まる方向に変化する。
図8に示すように、SCV32の弁体33には空気通過部としての貫通孔33aが所定位置に形成されている。そのため、SCV32が全閉位置にされてスワールが強化されている場合でも、空気が貫通孔33aを通過することができる。貫通孔33aは吸気ポート5が有する導入部21の下層部21bに対応する位置で、かつシリンダ2の中心Cに近い側に偏って設定されている。それにより、図7に示すように、SCV32が全閉位置の際には、貫通孔33aを通過した空気にて流れfxが生成され、それによって接線流Ftが生成される。この接線流Ftは上述したように対向流Fre(図4参照)に発展することができる。即ち、SCV32が全閉位置にされてスワールが最強となった場合でも対向流Freの形成が維持される。従って、SCV32の開度が全閉位置になっている場合でも冷却損失の低減効果が失われることがない。
なお、図7及び図8に示した貫通孔33aは一例であって、他の形態で空気通過部を実現してもよい。図9は空気通過部の他の形態を示した説明図であり図8に対応する。図9に示すように、この弁体33′には貫通孔33aと同様の位置に、空気通過部としての切り欠き33a′が設けられている。この切り欠き33a′によっても図8の貫通孔33aと略同一の効果を得ることができる。
本発明は以上の形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の形態にて実現可能である。スワール生成ポートとして、対向流生成ポートとしてそれぞれ機能する二つ吸気ポート4、5の組み合わせは一例にすぎない。例えば、スワール生成ポートとして機能する吸気ポートを周知のタンジェンシャルポートとして、又は周知のヘリカルポートとして構成することもできる。これらタンジェンシャルポート又はヘリカルポートにてスワール生成ポートを構成した場合であっても、図1等の示した形態と同様に、シリンダに開口する開口部の位置を対向流生成ポートの開口部の位置よりもシリンダの中心側に偏らせるとよい。こうすることにより、スワール生成ポートの開口部の位置が対向流生成ポートの開口部の位置よりもシリンダの周壁面から離れることになる。そのため、周壁面に近い側の流速よりも遠い側の流速が大きい速度分布を持つ流れをスワール生成ポートから、周壁面に近い側の流速よりも遠い側の流速が小さい速度分布を持つ流れを対向流生成ポートから、それぞれ容易に流出させることができる。
1 内燃機関
2 シリンダ
2a 周壁面
4 吸気ポート(スワール生成ポート)
5 吸気ポート(対向流生成ポート)
6 開口部
7 開口部
20 ヘリカル部
20a 終端部
21 導入部
21a 上層部
21b 下層部
32 SCV(弁手段)
33 弁体
33a 貫通孔(空気通過部)
33′ 弁体
33a′ 切り欠き(空気通過部)
C シリンダの中心
Fsw スワール
Fre 対向流
Ft 接線流
Fr 旋回流
F1、F2 流れ
2 シリンダ
2a 周壁面
4 吸気ポート(スワール生成ポート)
5 吸気ポート(対向流生成ポート)
6 開口部
7 開口部
20 ヘリカル部
20a 終端部
21 導入部
21a 上層部
21b 下層部
32 SCV(弁手段)
33 弁体
33a 貫通孔(空気通過部)
33′ 弁体
33a′ 切り欠き(空気通過部)
C シリンダの中心
Fsw スワール
Fre 対向流
Ft 接線流
Fr 旋回流
F1、F2 流れ
Claims (5)
- 内燃機関のシリンダ内にスワールと前記シリンダの周壁面に沿いかつスワールと対向する向きの成分を持つ対向流とを、スワールの進行方向と同方向でかつ前記周壁面に沿う方向の成分を持つ流れを前記シリンダ内に流出させるスワール生成ポートと、スワールの進行方向と逆方向でかつ前記周壁面に沿う方向の成分を持つ流れをシリンダ内に流出させる対向流生成ポートとを利用して形成できる内燃機関の吸気装置であって、
前記スワール生成ポートは前記シリンダ内に流出させる前記流れが前記周壁面に近い側の流速よりも前記周壁面から遠い側の流速が大きい速度分布を持つように構成され、
前記対向流生成ポートは前記シリンダ内に流出させる前記流れが前記周壁面に近い側の流速よりも前記周壁面から遠い側の流速が小さく、かつ前記近い側の流速の大きさが前記スワール生成ポートが流出させる前記流れの前記近い側の流速の大きさよりも大きい速度分布を持つように構成されていることを特徴とする内燃機関の吸気装置。 - 前記スワール生成ポート及び前記対向流生成ポートは前記シリンダの上下方向の下方に向かって開口する開口部をそれぞれ備えており、
前記スワール生成ポートの前記開口部の位置が、前記対向流生成ポートの前記開口部の位置に比べて前記シリンダの中心側に偏っていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の吸気装置。 - 前記対向流生成ポートは、前記シリンダの上下方向の下方に向かって開口する開口部と前記開口部の周方向に沿って湾曲しながら前記開口部に続くヘリカル部と、前記開口部及び前記ヘリカル部のそれぞれに続き、前記シリンダの上下方向の上方に位置する上層部と下方に位置する下層部とを有する導入部とを備えるとともに、前記上層部が前記ヘリカル部に続いてスワールと同方向回りの旋回流を生成し、かつ前記下層部が前記開口部に対して直線的に続いて前記周壁面に沿う方向の接線流を生成できるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の吸気装置。
- 前記ヘリカル部は、前記接線流を前記周壁面に接近する側に前記旋回流にて押し付け可能な位置に湾曲の終端部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の吸気装置。
- 前記対向流生成ポートを流れる空気の流量を全閉位置から全開位置までの間で開度を変化させることにより調整可能な弁手段を備え、
前記弁手段は、前記全閉位置のときに前記下層部に対応する位置を空気が通過できる空気通過部を有していることを特徴とする請求項3又は4に記載の内燃機関の吸気装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007191952A JP2009030443A (ja) | 2007-07-24 | 2007-07-24 | 内燃機関の吸気装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2007191952A JP2009030443A (ja) | 2007-07-24 | 2007-07-24 | 内燃機関の吸気装置 |
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JP2009030443A true JP2009030443A (ja) | 2009-02-12 |
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ID=40401226
Family Applications (1)
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JP2007191952A Pending JP2009030443A (ja) | 2007-07-24 | 2007-07-24 | 内燃機関の吸気装置 |
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-
2007
- 2007-07-24 JP JP2007191952A patent/JP2009030443A/ja active Pending
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