JP2009029987A - 加工油浄化システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】使用済みの圧延油を粗分離機15の液体収容槽14に供給し、油と水の比重差を利用した重力分離により、該圧延油を粗分離する。次に、粗分離された圧延油を精密濾過機21の各濾過室18aに圧送し、ここで圧延油を濾材20に通して精密濾過する。よって、低コストでかつ効率良く再生後の圧延油の清浄度が高まり、圧延製品の品質の向上も図れる。
【選択図】図1
Description
従って、要求される濾過性能を満足し、しかも精密濾過機における濾材の更新時間を延長させることができる比較的低コストな加工油浄化システムの開発が必要とされている。
すなわち、本発明は、低コストでかつ効率良く再生後の加工油の純度が高まり、加工油が圧延油の場合には圧延製品の品質の向上も図ることができる加工油浄化システムを提供することを目的としている。
また、使用済み加工油に含まれる不純物としては、スカム、金属微粉、スラッジなどが挙げられる。
すなわち、粗分離機の傾斜板群では、上層油を概ね、スカム、金属微粉を含む粗分離油、スラッジの三相に分離することができる。
また、スラッジは、上層油に含まれる加工時に生ずる比較的粗大な粒子の金属粉や上記化合物とそれらの結合物で、上層油より比重が重く、沈降しやすい。
さらに、粗分離後の粗分離油は、上記のスカムとスラッジが分離された粗分離機の液体収容槽内の中層の部分で、主に微粒子の金属粉などの固形分が液中に留まっている状態にある。この粗分離機の液体収容槽を経た粗分離油と、新たに流入する使用済みの加工油とが、不純物含有加工油貯留槽内で混合されたものが、後記の精密濾過機に供給されることになる。
一方、スラッジは、沈降し傾斜板表面に沿ってスムーズにスラッジ室へ滑り込む。
傾斜板群は、例えば吊り金具によりSUS304製フレームに入れられ、容易に取り付けおよび取り外しができるように構成されている。
開閉装置は、アクチュエータの動力により、各濾板どうしを近接かつ離間させる構成を有している。
濾材の素材としては、例えば濾紙、濾布などを採用することができる。
濾材の濾過室への供給は、例えばフィーダに装填された複数の濾材ロールからの自動供給巻き取りを採用することができる。
圧延油タンク13は、周辺環境を考慮して密閉されたタンクで、密閉された槽を上部で連通する仕切板によって内部空間が2槽に区画され、一方の槽を不純物含有加工油貯槽としての汚れた圧延油を貯留するダーティセクション11と、他方の槽を浄化加工油槽としての濾過後の浄化された加工油を貯留するクリーンセクション12として設けられている。ダーティセクション11の液面直下には、上層油を、上層油供給流路としての供給管22の途中に設けられた供給ポンプ23により、後述の液体収容槽14の供給口14aへ供給する吸い上げ用のトランプオイルスキマー24が配置されている。また、ダーティセクション11の下部には、下層油を一対の粗分離油圧送ポンプ25により精密濾過機21へ供給する下層油供給流路としての粗分離油供給管26が接続されている。
粗分離機15は、多数本の支柱36により水平に支持され、かつ横長な矩形容器状の液体収容槽14を有している。液体収容槽14には、その長さ方向の上流側板14cの上部に圧延油の供給口14aが形成され、液体収容槽14の下流側板14dの下部に粗分離後の粗分離油の排出口14bが形成されている。液体収容槽14の上流部の底部14eは漏斗状に形成され、その最下部にはスラッジを排出する排出口14fが設けられている。排出口14fには排出管37が接続され、排出管の先端にはドレンコック38が取り付けられている。このドレンコック38を開くことでスラッジが排出される。
各傾斜板53は、上面側に位置するステンレス鋼板と、ステンレス鋼板に接着され下面側に位置する板状の分離板とによって形成されている。ステンレス鋼板は、剛性が高くかつ表面が滑らかで低摩擦の部材によって形成され、分離板は親油性を有するポリプロピレン材によって形成されている。不純物含有の圧延油を傾斜板群43に通すことで、エマルジョン状態の油が脱離して油相となった微粒油分を主体とするスカムが傾斜板53に付着する。この付着したスカムは、互いに隣接するものどうしが順次結合して除々に粗粒化する。これにより、スカムの浮力が除々に増大し、各傾斜板53を上昇することで、分離される。
図4〜図7において、精密濾過機21は、濾板枠55を有する複数の濾板18を多段に積み重ね、加圧ジャッキ(開閉装置)19により濾板を昇降させて開閉可能とされ、濾過室18aを形成する上下の濾板18間に濾材(濾布または濾紙)20をそれぞれ挟み、各濾材20を通して圧延油を濾過する水平濾板式の濾過機である。
濾材20の濾過抵抗が増加して濾過操作が困難となった際には、加圧ジャッキ19を駆動して濾板18を離開し、濾材引出し装置により濾板18上に新しい濾材20を引き入れ、次の濾過操作を行う。
熱間圧延機より排出された圧延油は、使用済み油供給管27を通して圧延油タンク13のダーティセクション11に貯留される。ダーティセクション11の不純物含有圧延油は、供給ポンプ23により、トランプオイルスキマー24から上層油が抜き出され粗分離機15の供給口14aへ供給され、ここで粗分離される。
具体的には、液体収容槽14に供給されたダーティセクション11の不純物含有圧延油は、まず入口流路40から漏斗状の底部14eへ流れ込む。このとき、沈降した固形分のスラッジが、排出口14fから排出管を経て外部排出される。この底部14eに流れ込んだ圧延油は、上昇流となって上方の傾斜板群収納部41の傾斜板群43に下方から供給される。粗分離時、圧延油を傾斜板群43に通すことで、エマルジョン状態の油が脱離して油相となった微粒油分を主体とするスカムが傾斜板53に付着する。この付着したスカムは、互いに隣接するものどうしが順次結合して除々に粗粒化する。これにより、スカムの浮力が除々に増大し、各傾斜板53を上昇することで、分離される。
一方、圧延油中のスラッジは底部14eに沈降し、ドレンコック38を開くことでスラッジが排出口14fから排出される。
精密濾過機21では、図4に示すように、濾材20の展張およびかけ回しを行い、その後、濾板枠55を一斉に閉枠する。精密濾過時は、加圧ジャッキ19で積層濾板18全体を締めつけ、この状態で、処理する原液をポンプ圧送し、原液供給ヘッダおよびこれに接続した耐圧ホースを経て各濾板18へ供給する。このようして、濾板18内で濾材20により濾過された浄化圧延油は、再生油排出管30を経てクリーンセクション12に排出される。一方、精密濾過機21から排出された浄化圧延油の一部は、精密濾過機21に導入される直前に分岐管32を経て分岐された粗分離後の粗分離とともに、再生油排出管30から分岐された再生油戻し用分岐管29を経てダーティセクション11に戻される。
濾過時には、第1の電磁弁CV2を開放する。その後、弁を操作して精密濾過機21の内部に残った圧延油をエアにより押し出す。この状態で2つの粗分離油圧送ポンプ25により、ダーティセクション11下層から粗分離油供給管26を経て精密濾過機21へ不純物含有圧延油が供給される。ここで再生された浄化圧延油は、再生油排出管30を経てクリーンセクション12へ排出される。
このようにして、精密濾過機21で濾過された浄化圧延油は、金属粉などが濾過されて清淨液となっているので、供給管31を通して、再度、圧延油として用いられる。
このように、使用済み圧延油を粗分離機15および精密濾過機21を使用して浄化するので、低コストでかつ効率良く再生後の加工油の清浄度が高まり、圧延製品の品質の向上も図ることができる。
13 圧延油タンク
14 液体収容槽
15 粗分離機
55 濾板枠
18 濾板
19 加圧ジャッキ(開閉装置)
18a 濾過室
20 濾材
21 精密濾過機
53 傾斜板
43 傾斜板群
Claims (5)
- スカム、金属微粉およびスラッジを不純物として含む使用済みの加工油から不純物を除去する加工油浄化システムにおいて、
使用済みの加工油が供給される不純物含有加工油貯槽と、
該不純物含有加工油貯槽に使用済みの加工油を供給する使用済み加工油供給流路と、
親油性で疎水性の複数枚の傾斜板を互いに平行な離間状態で並設した傾斜板群が収納された液体収容槽を有し、かつ該液体収容槽内で、上記不純物と粗分離油とを比重差を利用した重力分離により粗分離する傾斜板式の粗分離機と、
該粗分離機により分離された粗分離油を、上記不純物含有加工油貯槽に循環する粗分離油循環流路と、
上記不純物含有加工油貯槽の上層油を上記粗分離機に供給する上層油供給流路と、
濾板枠を有した複数の濾板を多段に積み重ねて濾過室を形成し、開閉装置により上記濾板を昇降させて上記濾過室を開閉し、上下の該各濾板間に濾材をそれぞれ挟み、該各濾材を通過させることで加工油を濾過して浄化する水平濾板式の精密濾過機と、
上記不純物含有加工油貯槽の下層油を上記精密濾過機に供給する下層油供給流路と、
上記精密濾過機により浄化された加工油を貯留する浄化加工油槽と、
上記精密濾過機により浄化された加工油を浄化加工油槽に排出する浄化加工油排出流路、
とを備えたことを特徴とする加工油浄化システム。 - 内部空間がその上部を除いて仕切板により両側の2室に区分された密閉式の槽において、一方の室を上記不純物含有加工油槽としてのダーティセクションとし、他方の室を上記浄化加工油槽としてのクリーンセクションとし、
上記ダーティセクションには、使用済みの加工油を上記ダーティセクションに供給する使用済み加工油供給流路と、上記粗分離機で分離された粗分離油を上記ダーティセクションに循環する循環流路と、上記ダーティセクションの上層油を上記粗分離機に供給する上層油供給流路と、上記ダーティセクションの下層油を上記精密濾過機に供給する下層油供給流路がそれぞれ接続され、
上記クリーンセクションには、上記精密濾過機により浄化された加工油を排出する浄化加工油排出流路が接続された請求項1に記載の加工油浄化システム。 - 上記精密濾過機での濾過後、上記各濾板間に残った浄化加工油を、エアにより押し出して上記不純物含有加工油貯槽に戻す浄化加工油戻し流路を設けた請求項1または請求項2に記載の加工油浄化システム。
- 上記不純物含有加工油貯槽には、該不純物含有加工油貯槽内の上層油を上記粗分離機に供給する吸い上げ用のトランプオイルスキマーが配置された請求項1〜請求項3のうち、何れか1項に記載の加工油浄化システム。
- スカム、金属微粉およびスラッジを不純物として含む使用済みの加工油から不純物を除去する加工油浄化方法において、
上記使用済みの加工油は使用済み加工油供給流路を経るとともに、粗分離機によって分離された粗分離油は粗分離油循環流路を経ることでそれぞれ不純物含有加工油貯槽に供給する工程と、
親油性で疎水性の複数枚の傾斜板を互いに平行な離間状態で並設した傾斜板群が収納された液体収容槽に、上層油供給流路を通して、上記不純物含有加工油貯槽の上層油を供給する工程と、
濾水平濾板式の精密濾過機に搭載された板枠を有する複数の濾板を多段に積み重ねて濾過室を形成し、開閉装置により上記濾板を昇降させて上記濾過室を開閉し、上下の該各濾板間に濾材をそれぞれ挟み、下層油供給流路を通して、上記不純物含有加工油貯槽の下層油を上記各濾材によって濾過することで浄化する工程と、
上記精密濾過機により浄化された加工油を、浄化加工油排出流路を経て上記浄化加工油槽に排出して貯留する工程、
とを備えたことを特徴とする加工油浄化方法。
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