JP2009029654A - 光学素子の製造方法、製造装置、及び成型用型、並びに光学素子 - Google Patents

光学素子の製造方法、製造装置、及び成型用型、並びに光学素子 Download PDF

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Abstract

【課題】軟化状態の光学ガラス材料に加圧型の型面を転写させて光学素子を製造する際、空気溜まりを生じ難くできる光学素子の製造方法を提供する。
【解決手段】対向配置される一対の加圧型32、33の型面34に、凹状型面部35を設けると共に凹状型面部35に有効領域型面部位35aを設け、一対の加圧型32、33の型面34間に光学ガラス材料50を配置し、軟化状態の光学ガラス材料50を型面34間で加圧して凹状型面部35の形状を光学ガラス材料50に転写するにあたり、一対の加圧型32、33間の有効領域型面部位35aの外側となる位置に気体逃げ部37を設け、有効領域型面部位35aと光学ガラス材料50との間に存在する気体を気体逃げ部37に逃がしつつ、凹状型面部35により光学ガラス材料50を加圧して有効領域型面部位35aの形状を転写する。
【選択図】 図2

Description

この発明は、軟化状態の光学ガラス材料を加圧型で加圧することにより、加圧型の型面を転写して光学素子を製造する方法、その製造装置、及び、その成形用型、並びに、これにより製造される光学素子に関する。
従来、光学ガラス材料を用いて凸面を有する光学素子を製造する方法として、対向配置された一対の加圧型の型面の少なくとも一方に、凹状に凹んだ凹状型面部を設け、この一対の加圧型の型面間に光学ガラス材料を配置し、この光学ガラス材料を軟化状態で一対の加圧型の型面間で加圧することにより、凹状型面部の形状を光学ガラス材料に転写することが行われている。
例えば、下記特許文献1では、高精度研磨された複数の凹面パターンを有する一対の加圧型を用い、軟化状態の光学ガラス材料を加圧して複数の凹面パターンを光学ガラス材料に転写することで、棒状のレンズを多数用いることなく、フライアイレンズを製造していた。ここでは、軟化状態の光学ガラス材料の表面が酸化されることを防止するなどの目的で、加圧型の周囲の空気を排気した状態で加圧転写することが行われていた。
特開平6−144842号公報
しかしながら、軟化状態の光学ガラス材料を加圧型で加圧して型面を転写させる場合、光学素子の凸面の表面に微細な凹み状の空気溜まりが形成され易かった。この微細な空気溜まりは、上記特許文献1のように加圧型の周囲の空気を排気した状態で加圧転写を行う場合でも形成されることがあった。
光学素子には、所定の光が照射された際に所定の光学的機能を得るための光学的有効領域が設けられているが、この光学的有効領域に微細な空気溜まりが生じると、光学素子の光学特性が低下し易い。
そこで、この発明は、軟化状態の光学ガラス材料を加圧型の型面で加圧して光学素子を製造する際、空気溜まりを生じ難くできる光学素子の製造方法及び製造装置を提供することを課題とすると共に、光学特性が優れた光学素子を提供することを他の課題とする。
上記課題を解決するこの発明の光学素子の製造方法は、対向配置される一対の加圧型の型面の少なくとも一方に、凹状型面部を設けると共に該凹状型面部に光学素子の光学的有効領域を形成するための有効領域型面部位を設け、前記一対の加圧型の前記型面間に光学ガラス材料を配置し、軟化状態の前記光学ガラス材料を前記一対の加圧型の前記型面間で加圧して前記凹状型面部の形状を前記光学ガラス材料に転写する光学素子の製造方法において、前記一対の加圧型間の前記光学素子の光学的有効領域の外側となる位置に気体逃げ部を設け、前記有効領域型面部位と前記光学ガラス材料との間に存在する気体を前記気体逃げ部に逃がしつつ、前記凹状型面部により前記光学ガラス材料を加圧して前記有効領域型面部位の形状を転写することを特徴とする。
このような光学素子の製造方法によれば、有効領域型面部位と光学ガラス材料との間に存在する気体を気体逃げ部に逃がしつつ、有効領域型面部位の形状を転写するので、軟化状態の光学ガラス材料と有効領域型面部位との間で気体が圧縮されて、光学素子の光学的有効領域に空気溜まりが生じることを防止し易い。
また、この発明の光学素子の製造装置は、対向配置される一対の加圧型を有する成形用型を備え、前記一対の加圧型の型面の少なくとも一方には、凹状型面部を有すると共に該凹状型面部に光学素子の光学的有効領域を形成するための有効領域型面部位を有し、軟化状態の光学ガラス材料が前記一対の加圧型の前記型面間で加圧されることにより、前記凹状型面部の形状が前記光学ガラス材料に転写される光学素子の製造装置において、前記凹状型面部を有する前記加圧型には、前記有効領域型面部位の外側となる位置に、該凹状型面部から前記加圧型の周縁まで連続する溝部が設けられ、前記光学ガラス材料が前記一対の加圧型の前記型面間に配置されることにより、前記溝部と前記光学ガラス材料との間に気体逃げ部が形成され、前記有効領域型面部位と前記光学ガラス材料との間に存在する気体が前記気体逃げ部に逃がされつつ、前記凹状型面部により前記光学ガラス材料が加圧されて前記有効領域型面部位の形状が転写されるように構成されていることを特徴とする。
このような光学素子の製造装置によれば、凹状型面部を有する加圧型に、凹状型面部から加圧型の周縁まで連続する溝部が設けられ、この溝部と光学ガラス材料との間に形成される気体逃げ部に、有効領域型面部位と光学ガラス材料との間に存在する気体が逃がされつつ、有効領域型面部位の形状が転写されるので、軟化状態の光学ガラス材料と有効領域型面部位との間で気体が圧縮されて、光学素子の光学的有効領域に空気溜まりが生じることを防止し易い。
また、この発明の光学素子の成形用型は、対向配置される一対の加圧型を備え、該一対の加圧型の型面の少なくとも一方には、凹状型面部を有すると共に、前記凹状型面部には、光学素子の光学的有効領域を形成するための有効領域型面部位を有する成形用型であって、前記凹状型面部を有する前記加圧型には、前記有効領域型面部位の外側となる位置に、該凹状型面部から前記加圧型の周縁まで連続する溝部からなる気体逃げ部が設けられていることを特徴とする。
このような光学素子の成形用型によれば、凹状型面部を有する加圧型に、凹状型面部から加圧型の周縁まで連続する溝部からなる気体逃げ部が設けられているので、軟化状態の光学ガラス材料を一対の加圧型の型面間で加圧する際、光学ガラス材料と有効領域型面部位との間の気体を気体逃げ部に逃がすことができ、軟化状態の光学ガラス材料と有効領域型面部位との間で圧縮されることを防止して、光学素子の光学的有効領域に空気溜まりが生じることを防止し易い。
更に、この発明の光学素子は、上記光学素子の製造方法により製造されたことを特徴としている。
このような光学素子によれば、光学素子の光学的有効領域に空気溜まりが生じることを防止し易いため、優れた光学特性を有する。
この発明によれば、有効領域型面部位と光学ガラス材料との間に存在する気体を、光学素子の光学的有効領域の外側となる位置に設けられた気体逃げ部に逃がしつつ、有効領域型面部位の形状を転写するので、軟化状態の光学ガラス材料と有効領域型面部位との間で気体が圧縮され難く、光学素子の光学的有効領域に空気溜まりが生じることを防止し易い。
以下、この発明の実施の形態について説明する。
[実施の形態1]
図1乃至図5はこの実施の形態1を示す。
まず、製造対象の光学素子は、少なくとも一方の面に凸面を有し、その凸面の少なくとも一部に光学的有効領域が形成されたものであればよく、例えば、片面又は両面に、単数又は複数の凸面を有するレンズなどが挙げられる。ここで光学的有効領域とは、所定の光が照射された際に各種の光学的機能を得るために設定されている領域であり、形状や表面粗さなどが所定のものに形成されている。この実施の形態1では、図1(a)(b)に示すように、球面状の球状凸面10a、10bが縦横に多数配列して両面に設けられているフライアイレンズ10を対象としている。
このフライアイレンズ10は、外周囲に設けられた平坦部10dと、この平坦部10dの内側に隣接して配列された複数の球状凸面10aと、この球状凸面10aの内側に隣接して配列された複数の球状凸面10bとを各面に備えている。このフライアイレンズ10の光学的有効領域10cは、図1(a)(b)中の仮想線L1で囲まれる範囲であり、球状凸面10aの外周側を除く表面と、球状凸面10bの全面とが含まれている。この光学的有効領域10cは、外周側の平坦部10dより突出した位置に設けられている。なお、光学的有効領域10c以外の領域は、フライアイレンズ10を使用する段階では、除去されていても残留されていてもよい。
次に、このようなフライアイレンズ10を製造するための製造装置について説明する。
この製造装置は、図2に示すように、下部ベース11a及び上部ベース11bの間に石英ガラス管12が配置されることで内部に成形用空間13を有するチャンバー部15が構成され、このチャンバー部15の下部側に配設された加圧部21と上部側に配設された固定部22とにより加圧手段20が構成されており、成形用型30が加圧部21と固定部22との間に配置されて成形用空間13内に収容されるようになっている。
また、チャンバー部15の周囲には赤外線ヒータ等からなる加熱ランプ41が配設され、成形用空間13に不活性ガスを供給可能な不活性ガス導入路42と、成形用空間13内の気体を図示しない真空ポンプ等により排気可能な気体排出路43とが接続されている。
成形用型30は、図3に示すように、筒状の胴型31と、胴型31内に配置されて互いに対向する一対の下型32及び上型33を備えている。胴型31は、円柱状の外形を呈し、内部に横断面四角形の中空の筒状部31aが設けられている。筒状部31aに下型32及び上型33が収容されており、図4に示すように、筒状部31aの内周面に下型32及び上型33の側周面が摺接することで、下型32と上型33との横方向の相対位置が所定の精度で維持されている。
下型32及び上型33は、図4及び図5に示すように、それぞれ互いに対向する面の全面に、フライアイレンズ10の形状に対応した型面34が設けられている。各型面34は、フライアイレンズ10の外周縁側の平坦部10dに対応する平面部36と、平面部36から凹状に凹んで形成された凹状型面部35とを有している。凹状型面部35には、フライアイレンズ10の球状凸面10a、10bに対応する複数の凹状単面35bが縦横に配列して設けられている。
この凹状型面部35には、図4及び図5に仮想線L2で示されるように、フライアイレンズ10の光学的有効領域10cを形成するための有効領域型面部位35aが設けられている。この有効領域型面部位35aは、複数の凹状単面35bに連続して凹状型面部35の底部全体に形成されており、有効領域型面部位35a内の各凹状単面35bの表面の形状及び表面粗さが、それぞれ所定のものとなっている。
各平面部36には、凹状型面部35から下型32又は上型33の周縁まで連続する溝部37が設けられている。この溝部37の一端側は、有効領域型面部位35aより外側の凹状型面部35の内表面に開口され、他端側は下型32又は上型33の側周面に開口されている。この実施の形態1では、溝部37が凹状型面部35の四隅に複数設けられているが、有効領域型面部位35aより外側に開口する限り、その数や位置は適宜選択することが可能である。
これらの溝部37は、胴型31と下型32及び上型33が組合わされた状態では、下型32又は上型33と胴型31の筒状部31aの内周面との間の間隙を介して成形用型30の周囲の成形用空間13まで連通されている。ここでは、各型32、33の型面34周縁に設けられた周縁面取り部34aと、周縁面取り部34aと連続して型面34の四隅に厚さ方向に設けられた角部面取り部34bとにより連通間隙38が形成されており、この連通間隙38を介して、各溝部37と成形用型30の周囲とが確実に連通されるようになっている。
このような成形用型30は、成形対象の光学ガラス材料50に応じて適宜選択された材料により構成することが可能であり、例えば、炭化タングステン、炭素鋼、快削鋼、セラミックス等を用いることができる。また、この成形用型30として、上型33及び下型33の各型面34を複雑な形状に加工可能にするため、例えば、特開2003-277078号公報に記載されたように、金属母材上の型面34を形成する部位を無電解メッキ層により形成したような金型を用いることができる。
製造装置の加圧部21及び固定部22からなる加圧手段20は、成形用型30の下型32及び上型33を互いに近接させる方向に加圧可能に構成されている。
固定部22は、上部ベース11bに固定された支持架台23と、この支持架台23に固定されて上型33を加圧可能な上部押し子24とを備えている。支持架台23は成形対象の光学ガラス材料50の厚さや加圧面積等に応じて適宜選択可能である。
上部押し子24には、上型33の背面に当接して加圧可能な加圧当接部24aが設けられている。この加圧当接部24aは上型33の背面側に向けて球面等の曲面形状に突出して形成されており、加圧当接部24aの頂部により上型33の背面の中央部を加圧するようになっている。ここでは、曲面状の加圧当接部24aが平面状に形成された上型33の背面に当接することで、上部押し子24に対して上型33が傾倒自在となっている。
また、この加圧当接部24aは、成形完了時まで加圧当接部24aの周囲24bが胴型31と当接しない程度に突出して形成されており、加圧当接部24aの周囲24bからの突出量を成形完了時の胴型31の端部から上型33の背面までの間隔と一致させるのが好適である。このようにすれば、加圧当接部24aの周囲24bが胴型31の端部に当接することで上型33による加圧を終了することができ、軟化状態の光学ガラス部材50の過剰な加圧による成形用型30の内圧の過剰な上昇を防止することができる。
一方、加圧部21は、下部ベース11aに固定された油圧シリンダ等の加圧具26と、加圧具26の加圧ロッド26aに固定された可動架台27と、可動架台27に固定された下部押し子28と、成形用型30の胴型31及び下型32の背面を支持して、下部押し子28に載置可能な搬送治具29とを備えている。搬送治具29は、チャンバー部15の外部で成形用型30に光学ガラス材料50をセットする場合に使用されるものであり、胴型31及び下型32の背面を安定して支持可能な構成であればよい。下部押し子28にそのような構造を設けることも可能である。
この加圧部21では、成形用型30を搬送治具29と共に下部押し子28上に載置し、加圧具26の加圧ロッド26aを上昇させることで、上部押し子24の加圧当接部24aに上型33の背面を当接させて、下型32と上型33とにより内部の光学ガラス部材50を加圧するようになっている。
次に、このような構成の製造装置を用いて、光学ガラス材料50からフライアイレンズ10を製造する方法について説明する。
この製造方法では、まず、光学ガラス材料50のプリフォームを予め作製する。この製造方法を適用する光学ガラス材料としては、予め成形されたプリフォームを軟化状態で成形用型30により加圧することで、成形可能な光学ガラス材料であればよい。特に、加熱して軟化状態とすることにより、内部に含有されている気体成分が気体として放出され易い材料に適している。具体的には、例えば、ほう珪酸クラウンガラス、リン酸等が挙げられる。
光学ガラス材料50のプリフォームは、表面に下型32及び上型33の型面34を当接させた際、下型32及び上型33の傾きを少なく抑えられる形状に形成されているのが好ましい。この実施の形態1では、側周面が胴部31の筒状部31aに略等しく、下型32及び上型33の型面34に対向する面が加圧方向に対して直交する平面となる概略直方体形状に成形されたものを使用している。
このような光学ガラス材料50のプリフォームを、胴部31の筒状部31a内の下型32と上型33との型面34間となる位置に配置して、成形用型30を組立て、この成形用型30を搬送治具29に装着する。この組立及び装着はチャンバー部15の外部で行ってチャンバー部15内に搬入してもよく、チャンバー部15内で行ってもよい。
この成形用型30を搬送治具29と共に、加圧部21の下部押し子28上に載置し、チャンバー部15を閉鎖することで、成形用型30及び光学ガラス材料50を成形用空間13内に収容する。
このようにして準備が完了した後、成形用型30内の光学ガラス材料50を軟化状態にする。
ここでは、まず、収容後に気体排出路43から成形用空間13内を減圧して不活性ガス導入路42から窒素ガス等の不活性ガスを導入することを繰り返し、成形用空間13内を不活性ガスにより十分に置換する。
この状態で、加熱ランプ41により石英ガラス管12の周囲から成形用型30を加熱し、光学ガラス材料50を加熱する。このとき、熱電対45により上部押し子24、下部押し子28の温度を測定し、成形用型30と共にこれらの温度が所定温度となるように加熱制御される。そして、所定温度に到達後、所定時間以上保持し、光学ガラス材料50を所定の軟化温度に昇温して軟化状態とする。
このように成形用空間13内を不活性ガスで置換してから加熱して光学ガラス材料50を軟化状態とすると、光学ガラス材料50の表面の酸化を防止することができ、また、成形用空間13内の気体を排出した状態で成形用型30を加熱して光学ガラス材料50を加熱するような場合に比べ、成形用型30から光学ガラス材料50への熱伝達率を向上させることができ、より短時間で光学ガラス材料50を軟化状態にすることができる。
光学ガラス材料50を軟化状態とするための軟化温度は、使用される材料に応じて適宜設定することができる。例えば、ほう珪酸ガラスでは550℃〜650℃、リン酸ガラスでは480℃〜600℃としてもよい。この軟化温度を高めに設定すると、加圧時に光学ガラス材料50が変形し易くなり、炭素鋼や快削鋼等からなる成形用型30を用いる場合には、成形用型30等の設備を安価にできる。一方、この軟化温度を低めに設定すると、炭化タングステン等の超硬合金からなる成形用型30を用いる場合には、転写により光学素子をより高精度に成形できる。
このようにして光学ガラス材料を軟化状態とした後、図示しない真空ポンプ等を用いて、気体排出路43から成形用空間13内を真空引きすることにより、内部の気体を十分に排気する。この排気状態では、成形用空間13内の圧力を、例えば5.0×10−1Pa以下とする。
このような排気状態とすると、下型32及び上型33の各型面34に設けられた凹状型面部35と光学ガラス材料50との間の間隙に存在する気体も排出される。この凹状型面部35と光学ガラス材料50との間の間隙に存在する気体には、成形用空間13内を置換した不活性ガスや、不活性ガスにより置換した際に残留した空気が含まれる。
更に、これらの気体の他に、光学ガラス材料50を軟化させることにより、光学ガラス材料50から放出されるガスが含まれている。この光学ガラス材料50から放出されるガスは、例えば光学ガラス材料50中に微細な気泡として残留している気体、溶存している微量の気体や揮発成分など、加熱軟化された光学ガラス材料50の温度において気体となる各種の成分が含まれる。このガスの種類や量は、使用される光学ガラス材料の種類、光学ガラス材料50の成分や組成等により異なる。例えば、ほう珪酸ガラスの場合には、ナトリウムガス、アルミガス、カリウムガス等が含まれる。
このような凹状型面部35と光学ガラス材料50との間の間隙に存在する気体は、成形用空間13内が減圧されることで、光学ガラス材料50と下型32及び上型33の各型面34との間の間隙や溝部37、下型32及び上型33と胴型31の筒状部31aとの間の間隙や連通間隙38を通して、成形用空間13内に引き抜かれて排気される。
そして、このように成形用空間13内の気体を排気しつつ、又は、成形用空間13内を十分に排気状態とした後で、加圧具26の加圧ロッド26aを伸長させて、上部押し子24及び下部押し子28で、下型32及び上型33を加圧し、各型面34間で光学ガラス材料50の加圧を開始する。
この加圧開始時点では、凹状型面部35の周縁と軟化状態の光学ガラス材料50とが接触することで、凹状型面部35と光学ガラス材料50との間の間隙が成形用型30の周囲の成形用空間13と隔離され易い。特に、各型面34に平面部36が設けられていると共に光学ガラス材料50の型面34との対向面が平面状に形成されているため、これらが密着することで、凹状型面部35と光学ガラス材料50との間の間隙が成形用型30の周囲の成形用空間13と隔離され易い。しかも、凹状型面部35と光学ガラス材料50との間の間隙では、容積に対して接触する光学ガラス材料50の表面積が大きいため、光学ガラス材料50から放出されるガスが滞留し易く、例えばほう珪酸クラウンガラスでは、590℃以上の温度の軟化状態で加圧する場合、放出されるガスが多く、凹状型面部35と光学ガラス材料50との間の間隙にガスが滞留し易い。
ところが、この成形用型30では、下型32及び上型33の間のフライアイレンズ10の光学的有効領域10cの外側となる位置に溝部37が設けられているため、この溝部37に各型面34の有効領域型面部位35aと光学ガラス材料50との間に存在する気体を溝部37に逃がしつつ、凹状型面部により光学ガラス材料50を加圧することができる。
このとき、溝部37が下型32及び上型33と胴型31との間の連通間隙38を介して、成形用型30の周囲の成形用空間13と確実に連通された状態で維持されている。そのため、有効領域型面部位35aと光学ガラス材料50との間の気体は、有効領域型面部位35aと光学ガラス材料50との間の空間が収縮されると、成形用型30の周囲の減圧状態の成形用空間13に引き抜かれて除去される。
従って、この成形用型30では、凹状型面部35による光学ガラス材料50の加圧開始時及びその後にも、有効領域型面部位35aと光学ガラス材料50との間の気体を排気することができ、最終的にこの部位に残留する気体を十分に少なく抑えることが可能である。
そして、このようにして凹状型面部35により光学ガラス材料50の加圧を続けると、凹状型面部35の形状が光学ガラス材料50に転写される。
この加圧時の圧力は、光学ガラス材料50の形状や大きさに応じて適宜設定できるが、例えば、20kgf/cm〜100kgf/cmとすることができる。この加圧時には、設定された圧力まで昇圧した後、その圧力を維持しつつ、光学ガラス材料50を徐々に変形させて転写させることが好ましい。
そして、下型32及び上型33の移動が停止した時点で加圧を終了する。ここでは、下型32及び上型33が胴型31の端部に当接することで、移動を停止するようにしていてもよい。これにより、凹状型面部35の形状が十分に光学ガラス材料50に転写され、有効領域型面部位35aの形状や表面粗さが精度良く光学ガラス材料50に転写される。
このようにして加圧を完了した後、光学ガラス材料50を取り出し可能な温度まで冷却する。冷却時には、加圧完了後の高温状態の成形用空間13内に少量の不活性ガスを導入して徐冷し、例えば転移点温度より低い温度まで低下させた段階で、多量の不活性ガスを導入して十分に冷却することにより行ってもよい。
更に、このようにして成形を完了した後、そのまま、フライアイレンズ10として使用に供してもよいが、外周研削や研磨等各種の加工を施してから、使用に供してもよい。
以上のようにして光学ガラス材料50を用いてフライアイレンズ10を製造すれば、下型32及び上型33間のフライアイレンズ10の光学的有効領域10cの外側となる位置に溝部37を設け、有効領域型面部位35aと光学ガラス材料50との間に存在する気体を溝部37に逃がしつつ、凹状型面部35により光学ガラス材料50を加圧して有効領域型面部位35aの形状を転写するので、軟化状態の光学ガラス材料50が有効領域型面部位35aで加圧される際に、光学ガラス材料50と有効領域型面部位35aとの間で気体が圧縮されてフライアイレンズ10の光学的有効領域10cに空気溜まりが生じることを防止し易い。
そして、このようにして得られたフライアイレンズ10は、光学的有効領域10cに空気溜まりが存在しないので、優れた光学特性を実現することができ、例えば、投影型表示装置の光学系等に好適に使用することができる。より具体的には、例えば、特開2000−47115号公報などに記載されたように、投影型表示装置の照明装置の光源の後段に複数のフライアイレンズ10を配列させてフライアイインテグレータを構成することができ、これにより、矩形照明領域をより均一に照明し易くできる。また、特開平07−5469号公報などに記載されたように、色分解光学系或いは色合成光学系の中で、光源とマスクとの間にフライアイレンズ10を配置することができ、これにより、より明るく高コントラストの表示画像を得易くできる。
また、このようなフライアイレンズ10を上述のように製造すれば、成形用型30及び光学ガラス材料50を成形用空間13に収容し、この成形用空間13内の気体を排気して溝部37内の気体を除去しつつ、光学ガラス材料50を凹状型面部35で加圧するので、光学ガラス材料50と有効領域型面部位35aとの間に存在する気体をより少なくすることができ、光学ガラス材料50と有効領域型面部位35aとの間で気体が圧縮されることをより確実に防止し易い。
更に、凹状型面部35を有する下型32及び上型33に、凹状型面部35から周縁まで連続する溝部37を設けているので、加圧初期の段階で凹状型面部35の周縁が軟化状態の光学ガラス材料50に接触しても、溝部37を開口状態に維持でき、凹状型面部35と光学ガラス材料50との間に存在する気体を逃がしやすくすることができる。しかも、溝部37の形状が光学ガラス材料50に転写されても、フライアイレンズ10の光学的有効領域10cの外側となるため、フライアイレンズ10の光学特性を低下させることがない。
また、加圧手段20が上型33の背面の中央部を加圧可能な加圧当接部24aを有し、この加圧当接部24aが上型33に当接した状態で上型33が傾倒自在に構成されているので、型面34に対向する軟化状態の光学ガラス材料50の表面が不均一に突出しているような場合であっても、上型33が傾倒することで、型面34が光学ガラス材料50の表面にバランスよく当接することができる。そのため、凹状型面部35の一部に光学ガラス材料50が偏って当接した状態で加圧されることがなく、凹状型面部35で光学ガラス材料50の全体を無理なく加圧することができると共に、有効領域型面部位35aと光学ガラス材料50との間の気体を溝部37に逃がし易くすることができる。
更に、凹状型面部35を有する下型32及び上型33が胴型31の筒状部31aに摺動可能に収容され、下型32及び上型33の溝部37が下型32及び上型33と胴型31との間の連通間隙38を介して外部と連通されているので、軟化状態の光学ガラス材料50を凹状型面部35で加圧する際、凹状型面部35を有する下型32及び上型33が胴型31の筒状部31a内で摺動することで案内され、フライアイレンズ10の両面の位置を精度良く合わせることができる上、加圧時に、溝部37に逃がされた気体を連通間隙38から外部に排気できるため、光学ガラス材料50と有効領域型面部位35aとの間で気体が圧縮されることを防止し易い。
また、この成形用型30では、凹状型面部35を有する下型32及び上型33が凹状型面部35を囲むように平面部36を有するので、軟化状態の光学ガラス材料50を凹状型面部35で加圧する際、加圧されることにより移動した軟化状態の光学ガラス部材の一部が下型32及び上型33と胴型31との間に入り込んで下型32及び上型33の周縁に損傷を与えることを防止し易い。
なお、上記実施の形態1では、一対の加圧型を有する成形用型として、胴型31、下型32、及び上型33からなるものについて説明したが、その構成は適宜変更可能である
例えば、下型32及び上型33との両方に凹状型面部35を設けた例について説明したが、下型32又は上型33の一方のみに凹状型面部35が設られていてもよい。
凹状型面部35として、複数の凹状単面35bを設けたが、凹状型面部35が一つの球面又は非球面からなる凹みであってもよい。
胴型31、下型32及び上型33をそれぞれ一つ用いたが、何れか一部又は全てを複数用いることも可能である。胴型31を用いることなく加圧することで、十分な型面34の転写が可能であれば、胴型31を用いなくてもよい。
胴型31内に下型32及び上型33を収容したが、一方だけが光学ガラス材料50と共に収容されていてもよい。
また、加圧型の気体逃げ部として、溝部37を設けた例について説明したが、溝部37の形状、大きさ、数、位置などは、任意に形成可能である。更に、溝部37の代わりに、凹状型面部35と連続する孔や凹部等を設けることも可能である。
更に、加圧手段として、チャンバー部15の下部側に配設された加圧部21と上部側に配設された固定部22とにより構成した例について説明したが、下部側に固定部22を設けて上部側に加圧部21を設けたり、上下両側に加圧部21を設ける等、他の構成であってもよい。また、加圧具26も適宜選択可能である。
また、加熱手段として、チャンバー部15の周囲に配置された加熱ランプ41を用いた例について説明したが、チャンバー部15内に配置したり、他の加熱方法により加熱する加熱器具を用いる等、他の構成とすることが可能である。
そして、上記製造方法では、光学ガラス材料50を成形用空間13内に収容した後で、加熱して軟化状態とした例について説明したが、成形用空間13内に収容する前に光学ガラス材料50を加熱して適宜昇温しておいてもよく、更に、酸化防止状態に維持できれば、収容前に加熱して軟化状態としておいてもよい。
また、不活性ガス雰囲気下で光学ガラス材料50を軟化状態とした後、成形用空間13内の気体を排気した例について説明したが、先に成形用空間13内の気体を排気した後で光学ガラス材料50を加熱して軟化状態とすることも可能である。
[実施の形態2]
図6及び7は、この実施の形態2に用いる下型32及び上型33を示している。
この実施の形態2の成形用型30では、下型32及び上型33の型面34に設けられた凹状型面部35の形状が異なる他は、実施の形態1と同様の構成となっている。
この凹状型面部35では、縦長形状の凹状単面35bが一方向に複数配列して設けられており、両端部に設けられた凹状単面35bに隣接する平面部36に、凹状型面部35と側周面との間を連通する溝部37が形成されている。ここでは、有効領域型面部位35aは、図6に仮想線L3で示されるように、凹状型面部35の底部に設けられており、溝部37は凹状型面部35の有効領域型面部位35aの外側に開口して設けられている。
このような成形用型30を用いても、実施の形態1と同様の作用効果を得ることが可能である。
なお、この実施の形態2では、実施の形態1と同様に、隣接する凹状単面35b間の境界部分が平面部36より凹んで形成されている例について説明したが、隣接する凹状単面35b間の境界を平面部36と同一面上に形成されていてもよい。その場合、より多くの凹状単面35bに、好ましくは、全ての凹状単面35bに、溝部37が開口して設けられているのが好適である。
[実施の形態3]
図8は、この実施の形態3の製造方法に用いる成形用型30及び光学ガラス材料50を示す。
この実施の形態3の成形用型30では、実施の形態1、2のように下型32及び上型33の凹部型面部35に開口した溝部37は設けられておらず、凹部型面部35が全周囲で平面部36に囲まれている。
この実施の形態3の製造方法では、その代わりとして、光学ガラス材料50の周縁に面取り部51を設けている。この面取り部51は、光学ガラス材料50が下型32及び上型33の型面34間に配置されたとき、凹状型面部35の有効領域型面部位35aの外側となる位置から平面部36の位置まで連続して型面34に対向できる大きさに形成されている。
そのため、面取り部51を型面34に対向させて光学ガラス材料50を下型32及び上型33の型面34間に配置することで、成形用型30を組立てた状態では、光学ガラス材料50の面取り部51と型面34の平面部36との間に気体逃げ用間隙53を形成することができる。この気体逃げ用間隙53は、凹状型面部35と光学ガラス材料50との間の空間と連通されていると共に、更に、下型32又は上型33に設けられた周縁面取り部34aや角部面取り部34b等の連通間隙38を介して成形用型30の周囲の成形用空間13と連通されている。
この実施の形態3の製造方法により光学ガラス材料50を型面34間で加圧する際には、凹状型面部35の周縁が軟化状態の光学ガラス材料50に接触しても、凹状型面部35と光学ガラス材料50との間の空間を気体逃げ用間隙53と連通した状態で維持することができ、凹状型面部35と光学ガラス材料50との間に存在する気体を気体逃げ用間隙53に逃がすことが可能である。更に、この気体逃げ用間隙53の気体を成形用型30の周囲の成形用空間13に除去することが可能である。従って、実施の形態1、2と同様の作用効果を得ることができ、光学ガラス材料50と有効領域型面部位35aとの間で気体が圧縮されて、フライアイレンズ10の光学的有効領域10cに空気溜まりが生じることを防止し易い。そして、このようにして得られたフライアイレンズ10であっても実施の形態1と同様に使用することができる。
なお、この実施の形態3では、実施の形態1、2のような溝部37が設けられていない下型32及び上型33を用いた例について説明したが、面取り部51を設けた光学ガラス材料50であっても、実施の形態1、2と同様の溝部37が設けられた下型32及び上型33を用いることは可能であり、これにより、凹状型面部35と光学ガラス材料50との間に存在する気体をより逃がしやすくすることが可能である。
また、上記では、面取り部51が、光学ガラス材料50の周縁部に傾斜面形状に形成された例について説明したが、面取り部51の形状は、光学ガラス材料50が型面34間に配置された際、凹状型面部35の有効領域型面部位35aの外側に対向する位置から平面部36と対向する位置まで連通可能な形状であれば特に限定されるものではなく、段差状等、他の形状に形成することができる。
以下、実施例について説明する。
この実施例では、溝部37や気体逃げ用間隙53などの気体逃げが全く設けられていない場合には、空気溜まりの発生を防止するための作用効果が得られないことから、実施の形態1のように下型32及び上型33に溝部37を設けた場合(実施例1)と、実施の形態3のように光学ガラス材料50に面取り部51を設けた場合(実施例2)とを確認した。
[実施例1]
実施の形態1に示すような成形用型30及び製造装置を用いてフライアイレンズ10を製造した。フライアイレンズ10は、両面に球状凸面10a、10bが4面×4面で縦横に配列して設けられ、光学的有効領域10c内に配置された各球状凸面10a、10bの大きさが何れも4mm×4mmで、曲率半径が5mmのものとした。
また、用いた成形用型30は、下型32及び上型33の各型面34にフライアイレンズ10に対応する表面形状が形成され、各型面34の外形形状と胴型31の筒状部31aの断面形状とが20mm×20mmの略正方形のものとした。各型面34の凹状型面部35の最大深さを1.0mmとし、4隅の凹状単面35bには、深さ8.4mmの半円形の溝部37をそれぞれ2本づつ設けた。
この実施例1では、まず、光学ガラス材料50として、ほう珪酸クラウンガラス(BK7)を予め胴型31の筒状部31内に収容可能で、下型32及び上型33の型面34の略全面と対向可能な直方体形状に成形することにより、プリフォームを作製した。
この光学ガラス材料50のプリフォームを下型32及び上型33の型面34間に配置して成形用型30を組立て、搬送治具29に装着し、チャンバー部15内の下部押し子28上に載置し、チャンバー部15を閉鎖して成形用空間13を形成した。
次に、不活性ガス導入路42及び気体排出路43を用いて成形用空間13内を窒素ガスで置換して、加熱ランプ41により成形用型30を加熱して光学ガラス材料50を加熱した。加熱により、下部押し子28の温度が580℃となった時点で、8分間その状態を維持し、光学ガラス材料50を軟化状態とした。ここでは、下部押し子28の制御温度は580℃であるが、加熱ランプ位置よりプリフォームはこれより高い温度になっており、この時点でのプリフォーム温度は約595℃〜605℃であった。
その後、気体排出路43を用いて成形用空間13内を真空引きし、真空度を10×10−2Pa以下とし、その状態で90秒間維持した。
そして、加圧具26を駆動して下型32及び上型33を加圧し、圧力を1.1KN/cmとし、その状態を維持した。加圧具26の加圧ロッド26aが所定のストローク値に達した時点で、不活性ガス導入路42を用いて成形用空間13内に窒素ガスを導入し、徐冷を開始した。
下部押し子28の温度が530℃まで低下した後、加圧ロッド26aを下降させて、加圧を終了し、大量の窒素ガスを成形用空間13内に通気し、取り出し可能な温度まで低下させ、成形品を取り出した。
このようにして製造したフライアイレンズ10では、光学的有効領域10cに空気溜まりが発生せず、良好な光学特性が得られた。
[実施例2]
実施の形態3に示すような成形用型30及び製造装置を用いて、実施例1と同様のフライアイレンズ10を製造した。この製造では、各型面34に溝部37を設けない成形用型30を用い、周縁に面取り部51を設けた光学ガラス材料50のプリフォームを用いた。ここでは、成形用空間13内で光学ガラス材料50を軟化状態とした後で、成形用空間13内を真空引きした際、その状態で240秒間維持した他は、全て実施の形態1と同様にして、成形品を製造した。
このようにして製造したフライアイレンズ10では、実施例1に比べ、光学的有効領域10cに空気溜まりの発生を防止する効果がやや劣り、加圧条件によっては空気溜まりが発生する場合があった。
この発明の実施の形態1の光学素子のフライアイレンズの正面図である。 この発明の実施の形態1の光学素子のフライアイレンズの側面図である。 この発明の実施の形態1の光学素子の製造装置を示す断面図であり、中心線より左側が加圧前の状態を示し、左側が加圧後の状態を示す。 同実施の形態1の光学素子の成形用型の縦断面図であり、中心線より左側が加圧前の状態を示し、左側が加圧後の状態を示す。 光学ガラス材料を除去した状態の図3のA−A断面図である。 同実施の形態1の光学素子の加圧型を示す図4のB−B断面相当図である。 この発明の実施の形態2の光学素子の加圧型を示す正面図である。 同実施の形態2の光学素子の加圧型を示す図6のC−C断面図である。 この発明の実施の形態3の光学素子の成形用型の縦断面図である。
符号の説明
10 フライアイレンズ
10c 光学的有効領域
13 成形用空間
20 加圧手段
30 成形用型
32 下型
33 上型
34 型面
35 凹状型面部
35a 有効領域型面部位
35b 凹状単面
36 平面部
37 溝部
38 連通間隙
50 光学ガラス材料
51 面取り部
53 気体逃げ用間隙

Claims (17)

  1. 対向配置される一対の加圧型の型面の少なくとも一方に、凹状型面部を設けると共に該凹状型面部に光学素子の光学的有効領域を形成するための有効領域型面部位を設け、前記一対の加圧型の前記型面間に光学ガラス材料を配置し、軟化状態の前記光学ガラス材料を前記一対の加圧型の前記型面間で加圧して前記凹状型面部の形状を前記光学ガラス材料に転写する光学素子の製造方法において、
    前記一対の加圧型間の前記光学素子の光学的有効領域の外側となる位置に気体逃げ部を設け、
    前記有効領域型面部位と前記光学ガラス材料との間に存在する気体を前記気体逃げ部に逃がしつつ、前記凹状型面部により前記光学ガラス材料を加圧して前記有効領域型面部位の形状を転写することを特徴とする光学素子の製造方法。
  2. 前記一対の加圧型及び前記光学ガラス材料を収容部内に収容し、該収容部内の気体を排気して前記気体逃げ部内の気体を除去しつつ、前記光学ガラス材料を前記凹状型面部により加圧することを特徴とする請求項1に記載の光学素子の製造方法。
  3. 前記気体逃げ部は、前記凹状型面部を有する加圧型に該凹状型面部から前記加圧型の周縁まで連続する溝部を設け、前記光学ガラス材料を前記一対の加圧型の前記型面間に配置することにより、前記溝部と前記光学ガラス材料との間に形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の光学素子の製造方法。
  4. 前記気体逃げ部は、前記光学ガラス材料の周縁に面取り部を設け、該面取り部が前記凹状型面部の前記有効領域型面部位の外側に対向するように前記光学ガラス材料を前記一対の加圧型の前記型面間に配置することにより、前記面取り部と前記型面との間に形成することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一つに記載の光学素子の製造方法。
  5. 前記光学ガラス材料は、ほう珪酸クラウンガラスからなり、該光学ガラス材料を590℃以上の軟化状態で加圧することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一つに記載の光学素子の製造方法。
  6. 対向配置される一対の加圧型を有する成形用型を備え、前記一対の加圧型の型面の少なくとも一方には、凹状型面部を有すると共に該凹状型面部に光学素子の光学的有効領域を形成するための有効領域型面部位を有し、軟化状態の光学ガラス材料が前記一対の加圧型の前記型面間で加圧されることにより、前記凹状型面部の形状が前記光学ガラス材料に転写される光学素子の製造装置において、
    前記凹状型面部を有する前記加圧型には、前記有効領域型面部位の外側となる位置に、該凹状型面部から前記加圧型の周縁まで連続する溝部が設けられ、
    前記光学ガラス材料が前記一対の加圧型の前記型面間に配置されることにより、前記溝部と前記光学ガラス材料との間に気体逃げ部が形成され、前記有効領域型面部位と前記光学ガラス材料との間に存在する気体が前記気体逃げ部に逃がされつつ、前記凹状型面部により前記光学ガラス材料が加圧されて前記有効領域型面部位の形状が転写されるように構成されていることを特徴とする光学素子の製造装置。
  7. 前記一対の加圧型を互いに近接方向に加圧する加圧手段を備えることを特徴とする請求項6に記載の光学素子の製造装置。
  8. 前記加圧手段は、前記加圧型の背面の中央部を加圧可能な加圧当接部を有し、該加圧当接部が前記加圧型に当接した状態で前記加圧型が傾倒自在に構成されていることを特徴とする請求項7に記載の光学素子の製造装置。
  9. 前記成形型及び前記光学ガラス材料を収容可能な収容部と、前記収容部内の気体を排気可能な排気手段とを備え、該排気手段により前記収容部内の気体が排気されることで前記溝部の気体が除去されるように構成されていることを特徴とする請求項6乃至8の何れか一つに記載の光学素子の製造装置。
  10. 前記凹状型面部を有する前記加圧型は、胴型の筒状部に摺動可能に収容され、前記加圧型の前記溝部は、前記加圧型と前記胴型との間の連通間隙を介して外部と連通されていることを特徴とする請求項6乃至9の何れか一つに記載の光学素子の製造装置。
  11. 前記凹状型面部を有する前記加圧型は、前記凹状型面部を囲むように平面部を有し、該平面部に前記溝部が設けられていることを特徴とする請求項10に記載の光学素子の製造装置。
  12. 前記光学素子は、フライアイレンズであり、
    前記凹状型面部は、複数の凹状単面を有し、前記有効領域型面部位は、前記複数の凹状単面に連続するように前記凹状型面部の底部に設けられていることを特徴とする請求項6乃至11の何れか一つに記載の光学素子の製造装置。
  13. 対向配置される一対の加圧型を備え、該一対の加圧型の型面の少なくとも一方には、凹状型面部を有すると共に、前記凹状型面部には、光学素子の光学的有効領域を形成するための有効領域型面部位を有する成形用型であって、
    前記凹状型面部を有する前記加圧型には、前記有効領域型面部位の外側となる位置に、該凹状型面部から前記加圧型の周縁まで連続する溝部からなる気体逃げ部が設けられていることを特徴とする光学素子の成形用型。
  14. 前記凹状型面部を有する前記加圧型は、胴型の筒状部に摺動可能に収容され、前記加圧型の前記溝部は、前記加圧型と前記胴型との間の連通間隙を介して外部と連通されていることを特徴とする請求項13に記載の光学素子の成形用型。
  15. 前記凹状型面部を有する前記加圧型は、前記凹状型面部を囲むように平面部を有し、該平面部に前記溝部が設けられていることを特徴とする請求項14に記載の光学素子の成形用型。
  16. 前記光学素子は、フライアイレンズであり、
    前記凹状型面部は、複数の凹状単面を有し、前記有効領域型面部位は、前記複数の凹状単面に連続するように前記凹状型面部の底部に設けられていることを特徴とする請求項13乃至15の何れか一つに記載の光学素子の成形用型。
  17. 請求項1乃至5の何れか一つに記載の光学素子の製造方法により製造されたことを特徴とする光学素子。
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