JP2009029284A - 車両用操舵制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 継続的な異常が発生しているにもかかわらず、正常との誤診断によりバックアップ制御からステア・バイ・ワイヤ(SBW)制御へと復帰するのを防止しつつ、一時的な異常が解消した場合には、SBW制御への復帰を可能とする。
【解決手段】 故障診断部11b,12bは、システムの一時的な故障である一時故障と、システムの継続的な故障である確定故障とをそれぞれ診断し、転舵制御コントローラ11および反力制御コントローラ12は、SBW制御を実行中に一時故障と診断された場合には、バックアップ制御へと移行し、その後、当該一時故障が解消したと診断されたとき、SBW制御へと復帰する一方、SBW制御を実行中に確定故障と診断された場合には、その後、当該確定故障が解消したと診断された場合であっても、バックアップ制御を継続する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、転舵機構とハンドルとが機械的に切り離された、いわゆるステア・バイ・ワイヤシステムを採用した車両用操舵制御装置に関する。
従来のステア・バイ・ワイヤ(SBW)システムでは、システムが正常に動作している場合、ハンドルの操舵状態に応じて前輪に転舵トルクを付与すると共に、前輪の転舵状態に応じてハンドルに操舵反力トルクを付与するSBW制御を行っている。
このSBW制御中、システム異常と診断された場合には、SBW制御から、バックアップクラッチを締結して転舵機構とハンドルとを機械的に連結するバックアップ制御へと移行することにより、異常発生時における運転者の操舵を可能としている。また、バックアップ制御中に正常と診断された場合には、バックアップクラッチを開放してSBW制御へと復帰している(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−145098号公報
しかしながら、上記従来技術にあっては、システムの異常が一時的なものではなく、継続的なものであっても、バックアップ制御中に正常と誤診断された場合には、SBW制御へ復帰する可能性があった。そこで、一旦システム異常と診断された場合には、その後、当該異常が解消したか否かを診断結果にかかわらず、SBW制御への復帰を禁止する構成とした場合、一時的な異常が解消した場合であっても、SBW制御へ復帰できない。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、継続的な異常が発生しているにもかかわらず、正常との誤診断によりバックアップ制御からステア・バイ・ワイヤ制御へと復帰するのを防止しつつ、一時的な異常が解消した場合には、ステア・バイ・ワイヤ制御への復帰を可能とすることができる車両用操舵制御装置を提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明では、システムの一時的な故障である一時故障と、システムの継続的な故障である確定故障とをそれぞれ診断し、ステア・バイ・ワイヤ制御を実行中に一時故障と診断された場合には、バックアップ制御へと移行し、その後、当該一時故障が解消したと診断されたとき、ステア・バイ・ワイヤ制御へと復帰する一方、ステア・バイ・ワイヤ制御を実行中に確定故障と診断された場合には、その後、当該確定故障が解消したと診断された場合であっても、バックアップ制御を継続することを特徴とする。
本発明にあっては、一時故障であると診断された際、その後、当該一時故障が解消したと診断された場合には、バックアップ制御からステア・バイ・ワイヤ制御へと復帰することができる。一方、確定故障であると診断された場合には、その後、当該確定故障が解消したと判断された場合であってもステア・バイ・ワイヤ制御へと移行せず、バックアップ制御が継続される。
この結果、継続的な異常である確定故障が発生しているにもかかわらず、正常との誤診断によりバックアップ制御からステア・バイ・ワイヤ制御へと復帰するのを防止しつつ、一時的な異常である一時故障が解消した場合には、ステア・バイ・ワイヤ制御への復帰を可能とすることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1〜3に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は、本発明の車両用操舵制御装置を適用した実施例1のステア・バイ・ワイヤ(SBW)システムの構成図である。
実施例1のSBWシステムは、操向輪である左右前輪1a,1bを転舵する転舵機構2と、運転者に操作されるハンドル3とが機械的に切り離されている。
転舵機構2のピニオンシャフト4には、転舵機構2に転舵トルクを付与する転舵アクチュエータ(転舵モータ)5と、転舵機構2のラック軸2aに作用するラック軸力を検出する軸力センサ6a,6bが設けられている。
ハンドル3が取り付けられたコラムシャフト7には、ハンドル3に反力トルクを付与する反力アクチュエータ(反力モータ)8と、操舵トルクを検出するトルクセンサ9が設けられている。また、コラムシャフト7とピニオンシャフト4との間には、開放・締結により両者の機械的な分離・連結を可能とするバックアップ手段として、バックアップクラッチ(以下、クラッチ)10が介装されている。
転舵モータ5は、転舵制御コントローラ(転舵制御手段)11によって制御され、反力モータ8は、反力制御コントローラ(反力制御手段)12によって制御される。両コントローラ11,12は、相互通信線13により情報の相互伝達を行う。
図2は、実施例1の制御ブロック図である。
転舵制御コントローラ11は、転舵制御部11aと故障診断部(異常診断部)11bとを備えている。転舵制御部11aは、反力モータ8の回転角から求まるハンドル3の操舵角、車速等に基づいて目標転舵角を設定し、転舵モータ5の回転角から求まる前輪1a,1bの実転舵角が目標転舵角となるように転舵モータ5をサーボ制御する転舵制御を実施する。
故障診断部11bは、上記転舵制御系の一時的な故障である一時故障と、この一時故障に対し永続的な故障である確定故障とをそれぞれ診断する。転舵制御部11aは、故障診断部11bにより転舵制御系に故障が発生したと診断された場合、上記転舵制御を停止する。
反力制御コントローラ12は、反力制御部12aと故障診断部(異常診断部)12bとクラッチ制御部12cとを備えている。反力制御部12aは、前輪1a,1bの実転舵角、軸力センサ6a,6bにより検出されたラック軸力および車速等に基づいて目標操舵反力トルクを設定し、トルクセンサ9により検出された操舵トルクが目標操舵反力トルクとなるように反力モータ8をサーボ制御する反力制御を実施する。
故障診断部12bは、上記反力制御系の一時的な故障である一時故障と、この一時故障に対し永続的な故障である確定故障とをそれぞれ診断する。反力制御部12aは、故障診断部12bにより反力制御系に故障が発生したと診断された場合、上記反力制御を停止する。クラッチ制御部12cは、各故障診断部11b,12bにより転舵制御系または反力制御系に故障が発生したと診断された場合、クラッチ12に対し締結指令(連結指令)を出力し、故障が発生していないと診断された場合には、クラッチ12に対し開放指令を出力する。
ここで、転舵制御系における一時故障の一例としては、相互通信線13の故障、転舵モータの回転角センサの故障、電流センサの故障、温度センサの故障、電圧低下などが挙げられる。もしくは、一時故障の考え方として、故障発生からの時間によって、ある時間未満は一時故障として扱い、ある時間を越えると確定故障として扱うということも可能である。
また、反力制御系における一時故障の一例としては、タイヤの軸力を測定する軸力センサ6a,6bの故障、相互通信線13の故障、反力モータの回転角センサの故障、電流センサの故障、温度センサの故障、電圧低下などが挙げられる。もしくは、一時故障の考え方として、故障発生からの時間によって、ある時間未満は一時故障として扱い、ある時間を越えると確定故障として扱うということも可能である。
実施例1では、転舵制御コントローラ11および反力制御コントローラ12により、異常診断部11b,12bによりシステムが正常と診断された場合、転舵機構2とハンドル3とを機械的に分離し、ハンドル3の操舵状態に応じた前輪1a,1bの転舵状態となるように転舵モータ5を駆動するとともに、転舵機構2の転舵状態に応じた操舵反力となるように反力モータ8を駆動するSBW制御(転舵制御+反力制御)を行い、システムが異常と診断された場合、転舵機構2とハンドル3とを機械的に連結するバックアップ制御を行う操舵制御手段が構成される。
次に、実施例1のSBWシステムにおける各故障発生時の動作について説明する。
[転舵制御系に故障が生じた場合]
(a) 一時故障
転舵制御系に一時故障が発生した場合は、転舵制御を停止し、クラッチ10を締結し、反力制御を停止することによって、バックアップモード(バックアップ制御を実行するモード)としてマニュアルステアに移行する。その後、転舵制御系の故障診断結果が正常に戻った場合には、転舵制御および反力制御を再開し、クラッチ10を開放することによってSBWモード(SBW制御を実行するモード)に復帰する。
(b) 確定故障
転舵制御系に確定故障が起こった場合は、転舵制御を停止し、クラッチ10を締結し、反力制御を停止することによって、バックアップモードとしてマニュアルステアに移行する。ここで、マニュアルステアとは、運転者の操舵力のみで前輪1a,1bを転舵することをいう。その後、転舵制御系の故障診断結果が正常に戻った場合でも、マニュアルステアのバックアップモードを保持する。
[反力制御系に故障が生じた場合]
(a) 一時故障
反力制御系に一時故障が発生した場合は、クラッチ10を締結し、反力制御を停止することによって、バックアップモードとして転舵モータ5によるパワーアシスト制御を行う。ここで、パワーアシスト制御とは、前輪1a,1bの転舵負荷に応じてアクチュエータを駆動し、運転者の操舵力を補助する制御をいう。その後、反力制御系の故障診断結果が正常に戻った場合には、反力制御を再開し、クラッチ10を開放することによってSBWモードに復帰する。
(b) 確定故障
反力制御系に確定故障が発生した場合は、クラッチ10を締結し、反力制御を停止することによって、バックアップモードとして転舵モータ5によるパワーアシスト制御を行う。その後、反力制御系の故障診断結果が正常に戻った場合でも、転舵モータ5によるパワーアシスト制御のバックアップモードを保持する。
ここで、反力制御コントローラ12の電源OFFとなる異常時には、連動してクラッチ10の締結指令が出力されるように構成しておく。これにより、SBWモードで制御中に反力制御コントローラ12の電源が切れてしまった場合のように、反力制御コントローラ12のクラッチ制御部12cが締結指令を出すことができない状況であっても、クラッチ10を締結してバックアップモードへと移行できる。
以上説明したように、実施例1のSBWシステムでは、一時故障であると診断された際、その後、当該一時故障が解消したと診断された場合には、バックアップ制御からSBW制御へと復帰できる。よって、一時故障が実際に解消している場合、または一時故障と誤診断された場合であっても、バックアップ制御が継続され、操舵性が悪化するのを防止することができる。
一方、確定故障であると診断された場合には、その後、当該確定故障が解消したと判断された場合であってもSBW制御へと移行せず、バックアップ制御が継続されるため、走行中には解消しない継続的な異常が発生しているにもかかわらず、正常との誤判断によりバックアップ制御が解除されてしまう可能性を抑制することができる。
また、実施例1では、クラッチ10は、反力制御コントローラ12からの連結指令により、転舵機構2とハンドル3とを連結する。すなわち、反力制御系の故障を判断した場合には、反力制御を停止し、バックアップモードに移行する必要があり、反力制御コントローラ12がクラッチ締結指令を出すことによって、確実かつ即座にクラッチ10を締結しバックアップモードに移行することが可能となる。
次に、効果を説明する。
実施例1のSBWシステムにあっては、以下に列挙する効果を奏する。
(1) 故障診断部11b,12bは、システムの一時的な故障である一時故障と、システムの継続的な故障である確定故障とをそれぞれ診断し、操舵制御手段(転舵制御コントローラ11および反力制御コントローラ12)は、SBW制御を実行中に一時故障と診断された場合には、バックアップ制御へと移行し、その後、当該一時故障が解消したと診断されたとき、SBW制御へと復帰する一方、SBW制御を実行中に確定故障と診断された場合には、その後、当該確定故障が解消したと診断された場合であっても、バックアップ制御を継続する。これにより、継続的な異常である確定故障が発生しているにもかかわらず、正常との誤診断によりバックアップ制御からSBW制御へと復帰するのを防止しつつ、一時的な異常である一時故障が解消した場合には、SBW制御への復帰を可能とすることができる。
(2)クラッチ10は、反力制御コントローラ12への電力供給が停止した場合に締結されるため、反力制御コントローラ12がクラッチ10へ締結指令を出力できなくなった場合であっても、バックアップモードへと移行することができる。
(3) クラッチ10は、反力制御コントローラ12からの締結指令により、転舵機構2とハンドル3とを連結するため、確実かつ即座にクラッチ10を締結しバックアップモードに移行することが可能となる。
実施例2は、転舵制御系を二重系とした例である。
図3は、実施例2のSBWシステムの構成図であり、実施例2では、2つの転舵モータ5A,5Bと、2つの転舵制御コントローラ11A,11Bを備えており、転舵モータ5Aは転舵制御コントローラ11Aにより制御され、転舵モータ5Bは転舵制御コントローラ11Bにより制御される。
実施例2において、2つの転舵制御コントローラ11A,11Bと反力制御コントローラ12の制御ブロックは、図2に示した実施例1と同様であるが、実施例2の両転舵制御コントローラ11A,11Bと、反力制御コントローラ12は、相互監視を行っており、例えば反力制御コントローラ12の反力制御部12aの演算結果を両転舵制御コントローラ11A,11Bの故障診断部11b,11bが監視し、反力制御部12aを異常と診断すると、両転舵制御コントローラ11A,11Bから反力制御コントローラ12に繋がっている相互診断実行線(信号線)14A,14Bで停止信号を送り、故障診断部11b,11bが共に異常と診断した場合、反力制御コントローラ12の制御を強制的に停止させると共に、クラッチ10を締結させる。
また、この相互診断実行線14A,14Bの結果は、確定故障として保持するものとする。例えば、相互診断実行線14の入力部に、図外のラッチ回路(保持手段)を設けることで、診断結果を保持することができる。
なお、図3では、説明の簡単のため、両転舵制御コントローラ11A,11Bから反力制御コントローラ12に向かって相互診断実行線14A,14Bを設けた例のみを図示したが、相互診断実行線14A,14Bは、1つの制御コントローラに向かって他の2つのコントローラからそれぞれ配設されている。また、確定故障を保持するラッチ回路も、制御コントローラ毎に設けられている。
実施例2では、実施例1と異なり、通常のSBW制御時には2つの転舵モータ5A,5Bを駆動して転舵制御を行い、反力モータ8を駆動し路面反力を生成する。また、一方の転舵制御系に故障が発生した場合には、クラッチ10を締結しバックアップモードに移行せずに、正常な1つの転舵制御系と反力制御系でSBWモードを継続することが可能である。
[制御モード切り替え処理]
図4〜図6は、実施例2の転舵制御コントローラ11A,11Bおよび反力制御コントローラ12で実行される制御モータ切り替え処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
まず、ステップS1では、2つの転舵モータ11A,11Bと反力モータ8によりSBWモードを実行し、ステップS2へ移行する。
ステップS2では、反力制御系の異常を診断する。正常と診断された場合にはステップS3へ移行し、異常と診断された場合にはステップS21へ移行する。
ステップS3では、転舵制御系1の異常を診断する。正常と診断された場合にはステップS1へ移行し、一時故障と診断された場合にはステップS4へ移行し、確定異常と診断された場合にはステップS12へ移行する。
ステップS4では、転舵モータ11Aを停止して転舵モータ11Bと反力モータ8によりSBW制御を実行し、ステップS5へ移行する。
ステップS5では、転舵制御系1の診断が異常から正常に復帰したか否かを判定する。YESの場合にはステップS1へ移行し、NOの場合にはステップS6へ移行する。
ステップS6では、反力制御系の異常を診断する。正常と診断された場合にはステップS7へ移行し、異常と診断された場合にはステップS41へ移行する。
ステップS7では、転舵制御系2の異常を診断する。正常と診断された場合にはステップS4へ移行し、一時故障と診断された場合にはステップS8へ移行し、確定故障と診断された場合にはステップS10へ移行する。
ステップS8では、転舵制御および反力制御を停止してクラッチ10を締結し、バックアップモードとしてマニュアルステアを実行し、ステップS9へ移行する。
ステップS9では、転舵制御系2の診断が異常から正常に復帰したか否かを判定する。YESの場合にはステップS4へ移行し、NOの場合にはステップS8へ移行する。
ステップS10では、転舵制御コントローラ11Bにおいて転舵制御系2の確定故障をラッチ回路に保持し、ステップS11へ移行する。
ステップS11では、転舵制御および反力制御を停止してクラッチ10を締結し、バックアップモードとしてマニュアルステアを実行し、リターンへと移行する。
ステップS12では、転舵制御コントローラ11Aにおいて転舵制御系1の確定故障をラッチ回路に保持し、ステップS13へ移行する。
ステップS13では、転舵モータ11Aを停止し、転舵モータ11Bと反力モータ8によりSBW制御を実行し、ステップS14へ移行する。
ステップS14では、反力制御系の異常を診断する。正常と診断された場合にはステップS15へ移行し、異常と診断された場合にはステップS41へ移行する。
ステップS15では、転舵制御系2の異常を診断する。正常と診断された場合にはステップS13へ移行し、一時故障と診断された場合にはステップS16へ移行し、確定故障と診断された場合にはステップS18へ移行する。
ステップS16では、転舵制御および反力制御を停止してクラッチ10を締結し、バックアップモードとしてマニュアルステアを実行し、ステップS17へ移行する。
ステップS17では、転舵制御系2の診断が異常から正常に復帰したか否かを判定する。YESの場合にはステップS13へ移行し、NOの場合にはステップS16へ移行する。
ステップS18では、転舵制御コントローラ11Bにおいて転舵制御系2の確定故障をラッチ回路に保持し、ステップS19へ移行する。
ステップS19では、転舵制御および反力制御を停止してクラッチ10を締結し、バックアップモードとしてマニュアルステアを実行し、リターンへと移行する。
ステップS21では、反力制御系の異常が一時故障であるか確定故障であるかを判定する。一時故障であると診断された場合にはステップS22へ移行し、確定故障であると診断された場合にはステップS29へ移行する。
ステップS22では、反力モータ8を停止してクラッチ10を締結し、2つの転舵モータ5A,5Bによりバックアップモードとしてパワーアシスト制御を実行し、ステップS23へ移行する。
ステップS23では、反力制御系の診断が異常から正常に復帰したか否かを判定する。YESの場合にはステップS1へ移行し、NOの場合にはステップS24へ移行する。
ステップS24では、転舵制御系1の異常を診断する。正常と診断された場合にはステップS22へ移行し、一時故障と診断された場合にはステップS25へ移行し、確定故障と診断された場合にはステップS27へ移行する。
ステップS25では、転舵モータ5Aを停止して転舵モータ5Bによりパワーアシスト制御を継続し、ステップS26へ移行する。
ステップS26では、転舵制御系1の診断が異常から正常に復帰したか否かを判定する。YESの場合にはステップS22へ移行し、NOの場合にはステップS23へ移行する。
ステップS27では、転舵制御コントローラ11Aにおいて転舵制御系1の確定故障をラッチ回路に保持し、ステップS28へ移行する。
ステップS28では、転舵モータ5Aを停止して転舵モータ5Bによりパワーアシスト制御を継続し、ステップS23へ移行する。
ステップS29では、反力制御コントローラ12において反力制御系の確定故障をラッチ回路に保持し、ステップS30へ移行する。
ステップS30では、反力モータ8を停止してクラッチ10を締結し、2つの転舵モータ5A,5Bによりバックアップモードとしてパワーアシスト制御を実行し、ステップS31へ移行する。
ステップS31では、転舵制御系1の異常を診断する。正常と診断された場合にはステップS30へ移行し、一時故障と診断された場合にはステップS32へ移行し、確定故障と診断された場合にはステップS34へ移行する。
ステップS32では、転舵モータ5Aを停止して転舵モータ5Bによりパワーアシスト制御を継続し、ステップS33へ移行する。
ステップS33では、転舵制御系1の診断が異常から正常に復帰したか否かを判定する。YESの場合にはステップS30へ移行し、NOの場合にはリターンへ移行する。
ステップS34では、転舵制御コントローラ11Aにおいて転舵制御系1の確定故障をラッチ回路に保持し、ステップS35へ移行する。
ステップS35では、転舵モータ5Aを停止して転舵モータ5Bによりパワーアシスト制御を継続し、リターンへ移行する。
ステップS41では、反力制御系の異常が一時故障であるか確定故障であるかを判定する。一時故障であると診断された場合にはステップS42へ移行し、確定故障であると診断された場合にはステップS49へ移行する。
ステップS42では、転舵モータ5Aと反力モータ8を停止してクラッチ10を締結し、転舵モータ5Bによりバックアップモードとしてパワーアシスト制御を実行し、ステップS43へ移行する。
ステップS43では、反力制御系の診断が異常から正常に復帰したか否かを判定する。YESの場合にはステップS4(またはステップS13)へ移行し、NOの場合にはステップS44へ移行する。
ステップS44では、転舵制御系2の異常を診断する。正常と診断された場合にはステップS42へ移行し、一時故障と診断された場合にはステップS45へ移行し、確定故障と診断された場合にはステップS47へ移行する。
ステップS45では、転舵モータ5Bを停止してマニュアルステアを実行し、ステップS46へ移行する。
ステップS46では、転舵制御系1の診断が異常から正常に復帰したか否かを判定する。YESの場合にはステップS42へ移行し、NOの場合にはステップS43へ移行する。
ステップS47では、転舵制御コントローラ11Bにおいて転舵制御系2の確定故障をラッチ回路に保持し、ステップS48へ移行する。
ステップS48では、転舵モータ5Bを停止してマニュアルステアを実行し、ステップS43へ移行する。
ステップS49では、反力制御コントローラ12において反力制御系の確定故障をラッチ回路に保持し、ステップS50へ移行する。
ステップS50では、転舵モータ5Aと反力モータ8を停止してクラッチ10を締結し、転舵モータ5Bによりバックアップモードとしてパワーアシスト制御を実行し、ステップS51へ移行する。
ステップS51では、転舵制御系2の異常を診断する。正常と診断された場合にはステップS50へ移行し、一時故障と診断された場合にはステップS52へ移行し、確定故障と診断された場合にはステップS54へ移行する。
ステップS52では、転舵モータ5Bを停止してマニュアルステアを実行し、ステップS53へ移行する。
ステップS53では、転舵制御系1の診断が異常から正常に復帰したか否かを判定する。YESの場合にはステップS50へ移行し、NOの場合にはリターンへ移行する。
ステップS54では、転舵制御コントローラ11Bにおいて転舵制御系2の確定故障をラッチ回路に保持し、ステップS55へ移行する。
ステップS55では、転舵モータ5Bを停止してマニュアルステアを実行し、リターンへ移行する。
次に、実施例2のSBWシステムにおける各故障発止時に動作について説明する。
[反力制御系に故障が発生した場合]
(a)一時故障
反力制御系に一時故障が発生した場合は、図4〜図6のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS21→ステップS22へと進み、反力制御を停止すると同時にクラッチ10を締結し、転舵制御系1(転舵制御コントローラ11Aに係る制御系)および転舵制御系2(転舵制御コントローラ11Bに係る制御系)によってパワーアシスト制御を行うバックアップモードに移行する。その後、反力制御系の故障診断結果が正常に戻った場合には、ステップS23→ステップS1へと進んで反力制御を再開し、クラッチ10を開放することによってSBWモードに復帰する。
(b) 確定故障
反力制御系に確定故障が発生した場合は、ステップS1→ステップS2→ステップS21→ステップS29→ステップS30へと進み、反力制御を停止すると同時にクラッチ10を締結し、転舵制御系1および転舵制御系2によってパワーアシスト制御を行うバックアップモードに移行すると同時に、反力制御コントローラ12のラッチ回路において異常診断結果をラッチする。その後、は、反力制御系の診断結果は確定故障に維持されるため、バックアップモードを保持する。
[転舵制御系に故障が生じた場合]
(1次故障目)
(a) 一時故障
転舵制御系に一時故障が発生した場合は、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4へと進み、異常の発生した転舵制御系を停止し、異常の発生していない1つの転舵制御系と反力制御系にて、SBWモードを継続する。その後、転舵制御系の故障診断結果が正常に戻った場合には、ステップS5→ステップS1へと進み、制御停止していた転舵制御系を再開し、2つの転舵制御系と反力制御系によるSBWモードに復帰する。
(b) 確定故障
転舵制御系に確定故障が発生した場合は、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS12→ステップS13へと進み、異常の発生した転舵制御系を停止し、異常の発生していない転舵制御系と反力制御系にて、SBWモードを継続する、と同時に確定故障が発生した転舵制御コントローラにおいて異常診断結果をラッチ回路に保持する。その後、転舵制御系の故障診断結果が正常に戻った場合でも、1つの転舵制御系でのSBWモードを保持する。
(2次故障目)
(a)一時故障→一時故障
転舵制御系に一時故障が発生した場合は、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4へと進み、異常の発生した転舵制御系を停止し、異常の発生していない1つの転舵制御系と反力制御系にて、SBWモードを継続する。その後、正常に制御中の転舵制御系に一時故障が発生した場合には、ステップS7→ステップS8へと進んで転舵制御を停止し、クラッチ10を締結し、反力制御を停止することによって、バックアップモードとしてマニュアルステアに移行する。その後、転舵制御系の故障診断結果が正常に戻った場合には、ステップS9→ステップS4へと進んで転舵制御および反力制御を再開し、クラッチ10を開放することによってSBWモードに復帰する。
(b) 一時故障→確定故障
転舵制御系に一時故障が発生した場合は、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4へと進み、異常の発生した転舵制御系を停止し、異常の発生していない1つの転舵制御系と反力制御系にて、SBWモードを継続する。その後、正常に制御中の転舵制御系に確定故障が発生した場合には、ステップS7→ステップS10→ステップS11へと進んで転舵制御を停止し、クラッチ10を締結し、反力制御を停止することによって、バックアップモードとしてマニュアルステアに移行する、と同時に確定故障が発生した転舵制御コントローラにおいて異常診断結果をラッチ回路に保持する。その後、転舵制御系の故障診断結果が正常に戻った場合でも、マニュアルステアのバックアップモードを保持する。
(c) 確定故障→一時故障
転舵制御系に確定故障が発生した場合は、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS12→ステップS13へと進み、異常の発生した転舵制御系を停止し、異常の発生していない転舵制御系と反力制御系にて、SBWモードを継続する、と同時に確定故障が発生した転舵制御コントローラにおいて異常診断結果をラッチ回路に保持する。その後、に正常に制御中の転舵制御系に一時故障が発生した場合には、ステップS15→ステップS16→ステップS17へと進んで転舵制御を停止し、クラッチ10を締結し、反力制御を停止することによって、バックアップモードとしてマニュアルステアに移行する。その後、転舵制御系の故障診断結果が正常に戻った場合には、ステップS17→ステップS13へと進んで転舵制御および反力制御を再開し、クラッチ10を開放することによってSBWモードに復帰する。
(d) 確定故障→確定故障
転舵制御系に確定故障が発生した場合は、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS12→ステップS13へと進み、異常の発生した転舵制御系を停止し、異常の発生していない転舵制御系と反力制御系にて、SBWモードを継続する、と同時に確定故障が発生した転舵制御コントローラにおいて異常診断結果をラッチ回路に保持する。その後、に正常に制御中の転舵制御系に確定故障が発生した場合には、ステップS15→ステップS18→ステップS19へと進んで転舵制御を停止し、クラッチ10を締結し、反力制御を停止することによって、バックアップモードとしてマニュアルステアに移行する、と同時に確定故障が発生した転舵制御コントローラにおいて異常診断結果をラッチ回路に保持する。その後、転舵制御系の故障診断結果が正常に戻った場合でも、マニュアルステアのバックアップモードを保持する。
[転舵制御系の故障後、反力制御系に故障が発生した場合]
(2次故障目)
(a) 転舵一時故障→反力一時故障
転舵制御系に一時故障が発生した場合は、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4へと進み、異常の発生した転舵制御系を停止し、異常の発生していない1つの転舵制御系と反力制御系にて、SBWモードを継続する。その後、反力制御系に一時故障が発生した場合には、ステップS6→ステップS41→ステップS42へと進んでクラッチ10を締結し、反力制御を停止することによって、バックアップモードとして1つの転舵モータによるパワーアシスト制御に移行する。その後、反力制御系の故障診断結果が正常に戻った場合には、ステップS43→ステップS4へと進んで転舵制御および反力制御を再開し、クラッチ10を開放することによってSBWモードに復帰する。
(b) 転舵一時故障→反力確定故障
転舵制御系に一時故障が発生した場合は、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4へと進み、異常の発生した転舵制御系を停止し、異常の発生していない1つの転舵制御系と反力制御系にて、SBWモードを継続する。その後、反力制御系に確定故障が発生した場合には、ステップS6→ステップS49→ステップS50へと進んでクラッチ10を締結し、反力制御を停止することによって、バックアップモードとして1つの転舵モータによるパワーアシスト制御に移行する、と同時に確定故障が発生した反力制御コントローラ12において故障診断結果をラッチ回路に保持する。その後、反力制御系の故障診断結果が正常に戻った場合でも、1つの転舵モータによるパワーアシスト制御のバックアップモードを保持する。
(c) 転舵確定故障→反力一時故障
転舵制御系に確定故障が発生した場合は、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS12→ステップS13へと進み、異常の発生した転舵制御系を停止し、異常の発生していない転舵制御系と反力制御系にて、SBWモードを継続する、と同時に確定故障が発生した転舵制御コントローラにおいて異常診断結果を保持する。その後、反力制御系に一時故障が発生した場合には、ステップS14→ステップS41→ステップS42へと進んでクラッチ10を締結し、反力制御を停止することによって、バックアップモードとして1つの転舵モータによるパワーアシスト制御に移行する。その後、反力制御系の故障診断結果が正常に戻った場合には、ステップS43→ステップS13へと進んで転舵制御および反力制御を再開し、クラッチ10を開放することによってSBWモードに復帰する。
(d) 転舵確定故障→反力確定故障
転舵制御系に確定故障が発生した場合は、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS12→ステップS13へと進み、異常の発生した転舵制御系を停止し、異常の発生していない転舵制御系と反力制御系にて、SBWモードを継続する、と同時に確定故障が発生した転舵制御コントローラにおいて異常診断結果をラッチ回路に保持する。その後、反力制御系に一時故障が発生した場合には、ステップS14→ステップS41→ステップS49→ステップS50へと進んでクラッチ10を締結し、反力制御を停止することによって、バックアップモードとして1つの転舵モータによるパワーアシスト制御に移行する、と同時に反力制御コントローラ12において故障診断結果をラッチ回路に保持する。その後、転舵の故障診断結果が正常に戻った場合でも、1つの転舵モータによるパワーアシスト制御のバックアップモードを保持する。
[反力制御系の故障後、転舵制御系に故障が発生した場合]
(2次故障目)
(a) 反力一時故障→転舵一時故障
反力制御系に一時故障が発生した場合は、ステップS1→ステップS2→ステップS21→ステップ22へと進み、クラッチ10を締結し、反力制御を停止することによって、バックアップモードとして2つの転舵モータによるパワーアシスト制御を行う。その後、転舵制御系に一時故障が発生した場合には、ステップS24→ステップS25へと進んで故障が発生した転舵制御系を停止し、1つの転舵モータでのパワーアシスト制御を行う。その後、転舵の故障診断結果が正常に戻った場合には、ステップS26→ステップS22へと進んで転舵制御を再開し、2つの転舵モータによるバックアップモードに復帰する。
(b) 反力一時故障→転舵確定故障
反力制御系に一時故障が発生した場合は、ステップS1→ステップS2→ステップS21→ステップ22へと進み、クラッチ10を締結し、反力制御を停止することによって、バックアップモードとして2つの転舵モータによるパワーアシスト制御を行う。その後、転舵制御系に確定故障が発生した場合には、ステップS24→ステップS27→ステップS28へと進んで故障が発生した転舵制御系を停止し、1つの転舵モータでのパワーアシスト制御を行う、と同時に確定故障が発生した転舵制御コントローラにおいて異常診断結果をラッチ回路に保持する。その後、転舵の故障診断結果が正常に戻った場合でも、1つの転舵モータでのパワーアシスト制御のバックアップモードを保持する。
(c) 反力確定故障→転舵一時故障
反力制御系に確定故障が発生した場合は、ステップS1→ステップS2→ステップS21→ステップS29へと進み、クラッチ10を締結し、反力制御を停止することによって、バックアップモードとして2つの転舵モータによるパワーアシスト制御を行う、と同時に反力制御コントローラ12において異常診断結果をラッチ回路に保持する。その後、転舵制御系に一時故障が発生した場合には、ステップS31→ステップS32へと進んで故障が発生した転舵制御系を停止し、1つの転舵モータでのパワーアシスト制御を行う。その後、転舵の故障診断結果が正常に戻った場合には、ステップS33→ステップS30へと進んで転舵制御を再開し、2つの転舵モータによるパワーアシスト制御を行うバックアップモードに復帰する。
(d) 反力確定故障→転舵確定故障
反力制御系に確定故障が発生した場合は、ステップS1→ステップS2→ステップS21→ステップS29へと進み、クラッチ10を締結し、反力制御を停止することによって、バックアップモードとして2つの転舵モータによるパワーアシスト制御を行う、と同時に反力制御コントローラ12において異常診断結果をラッチ回路に保持する。その後、転舵制御系に確定故障が発生した場合には、ステップS31→ステップS34→ステップS35へと進んで故障が発生した転舵制御系を停止し、1つの転舵モータでのパワーアシスト制御を行う、と同時に確定故障が発生した転舵制御コントローラにおいて異常診断結果をラッチ回路に保持する。その後、転舵の故障診断結果が正常に戻った場合でも、1つの転舵モータでのバックアップモードを保持する。
実施例2では、相互診断の結果を他の制御コントローラへと送信する相互診断実行線14A,14Bと、各制御コントローラの相互診断実行線14A,14Bの入力部に設けられ、他の制御コントローラの相互診断結果を保持するラッチ回路と、を備え、1つの制御コントローラに対して他の制御コントローラの全てが異常と診断した場合、当該制御コントローラの確定故障と診断する。
例えば、1つの制御コントローラのみで異常診断する場合、当該制御コントローラに異常が発生した場合に、他の制御コントローラに対して正常であるにもかかわらず異常と診断する可能性がある。これに対し実施例2では、相互診断を行うことによって診断を行う制御コントローラの全てが異常と診断しない限り、1つの制御コントローラに異常が発生して他の制御コントローラを異常と診断しても、診断結果が実行されることがない。
また、1つの制御コントローラに異常が発生したとき、相互診断で異常と判断してバックアップモードに移行するが、この状態で正常な制御コントローラに異常が発生する二重故障が発生した場合、異常診断を解除してしまい、バックアップモードからSBWモードへと変わってしまう可能性がある。そこで、実施例2では、確定故障が発生した制御コントローラのラッチ回路に相互診断結果を確定故障として保持し、バックアップモードを保持することにより、二重故障が発生した場合であっても、バックアップモードを維持することができる。
また、実施例2では、クラッチ10は、反力制御コントローラ12に対する他の転舵制御コントローラ11A,11Bの診断結果が全て異常である場合、反力制御コントローラ12からクラッチ10へ締結指令が出力されているか否かにかかわらず、転舵機構2とハンドル3とを連結する。すなわち、反力制御コントローラ12に異常が発生した場合には、反力制御コントローラ12から出力されるクラッチ締結指令は信頼性が低いため、反力制御コントローラ12に対する相互診断結果をクラッチ締結指令として用いることで、異常が発生した反力制御コントローラ12の制御を停止し、かつ、異常が発生した反力制御コントローラ12の指令にかかわらずクラッチ10を締結してバックアップモードへ移行することが可能となる。
次に、効果を説明する。
実施例2のSBWシステムにあっては、実施例1の効果(1)〜(3)に加え、以下に列挙する効果を奏する。
(4) 各故障診断部11b,11b,12bは、他の制御コントローラの異常を診断する相互診断を行い、1つの制御コントローラに対して他の制御コントローラの全てが異常と診断した場合、当該制御コントローラの確定故障と診断する。これにより、1つの制御コントローラに異常が発生した場合であっても、他の正常な制御コントローラが異常と誤診断されることがない。
(5) 各異常診断部11b,11b,12bは、他の制御コントローラの演算結果に基づいて、異常を診断するため、センサ故障などの影響を受けることなく、制御コントローラの異常を確実、かつ、早急に診断することが可能である。
(6) クラッチ10は、反力制御コントローラ12に対する他の転舵制御コントローラ11A,11Bの診断結果が全て異常である場合、反力制御コントローラ12からクラッチ10へ締結指令が出力されているか否かにかかわらず、転舵機構2とハンドル3とを連結する。これにより、反力制御コントローラ12に異常が発生した場合であっても、クラッチ10を締結してバックアップモードへ移行することが可能となる。
(7) 相互診断の結果を他の制御コントローラへと送信する相互診断実行線14A,14Bと、各制御コントローラの相互診断実行線14A,14Bの入力部に設けられ、他の制御コントローラの相互診断結果を保持するラッチ回路と、を備える。これにより、異常診断を行っている正常な制御コントローラに異常が発生する二重故障が発生した場合であっても、バックアップモードを維持できる。
実施例3は、転舵制御系および反力制御系を共に二重系とした例である。
図7は、実施例3のSBWシステムの構成図であり、実施例3では、2つの反力モータ8A,8Bと2つの反力制御コントローラ12A,12Bを備えており、反力モータ8Aは反力制御コントローラ12Aにより制御され、反力制御モータ12Bは反力制御コントローラ12Bにより制御される。
他の構成は、実施例2と同様であるため、図示並びに説明を省略する。
実施例3では、転舵制御系と反力制御系を共に二重系としたため、その故障パターンは、実施例2で挙げた例に加えて、以下の例が挙げられる。
[反力制御系の故障後、反力制御系に故障が発生した場合]
(2次故障目)
(a) 反力一時故障→反力一時故障
反力制御系に一時故障が発生した場合は、故障の発生した反力制御を停止し、正常な反力制御系を用いて2つの転舵モータ5A,5Bと1つの反力モータによるSBWモードを行う。その後、に正常な反力制御系に一時故障が発生した場合には、反力制御を停止し、クラッチ10を締結し、2つの転舵モータ5A,5Bでのパワーアシスト制御を行う。その後、反力の故障診断結果が正常に戻った場合には、反力制御を再開し、2つの転舵モータ5A,5Bと1つの反力モータによるSBWモードに復帰する。
(b) 反力一時故障→反力確定故障
反力制御系に一時故障が発生した場合は、故障の発生した反力制御を停止し、正常な反力制御系を用いて2つの転舵モータ5A,5Bと1つの反力モータによるSBWモードを行う。その後、に正常な反力制御系に確定故障が発生した場合には、反力制御を停止し、クラッチ10を締結し、2つの転舵モータ5A,5Bでのパワーアシスト制御を行う、と同時に確定故障が発生した反力制御コントローラにおいて異常診断結果をラッチ回路に保持する。その後、反力の故障診断結果が正常に戻った場合でも、2つの転舵モータ5A,5Bでのバックアップモードを保持する。
(c) 反力確定故障→反力一時故障
反力制御系に一時故障が発生した場合は、故障の発生した反力制御を停止し、正常な反力制御系を用いて2つの転舵モータと1つの反力モータによるSBWモードを行う、と同時に確定故障が発生した反力制御コントローラにおいて異常診断結果をラッチ回路に保持する。その後、正常な反力制御系に一時故障が発生した場合には、反力制御を停止し、クラッチ10を締結し、2つの転舵モータでのパワーアシスト制御を行う。その後、反力の故障診断結果が正常に戻った場合には、反力制御を再開し、2つの転舵モータ5A,5Bと1つの反力モータによるSBWモードに復帰する。
(d) 反力確定故障→反力確定故障
反力制御系に一時故障が発生した場合は、故障の発生した反力制御を停止し、正常な反力制御系を用いて2つの転舵モータと1つの反力モータによるSBWモードを行う、と同時に確定故障が発生した反力制御コントローラにおいて異常診断結果をラッチ回路に保持する。その後、に正常な反力制御系に確定故障が発生した場合には、反力制御を停止し、クラッチ10を締結し、2つの転舵モータでのパワーアシスト制御を行う、と同時に確定故障が発生した反力制御コントローラにおいて異常診断結果をラッチ回路に保持する。その後、反力の故障診断結果が正常に戻った場合でも、2つの転舵モータ5A,5Bでのバックアップモードを保持する。
以上説明したように、実施例3のSBWシステムにあっては、実施例1および実施例2と同様の作用効果を得ることができる。
(他の実施例)
以上、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1〜3に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例1〜3に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
実施例2では転舵制御系のみを二重系とし、実施例3では転舵制御系と反力制御系をそれぞれ二重系とした例を示したが、転舵制御系と反力制御系の数は任意であり、例えば、反力制御系のみを二重系とする構成や、転舵制御系を三重系とする構成としてもよい。
本発明の車両用操舵制御装置を適用した実施例1のステア・バイ・ワイヤシステムの構成図である。 実施例1の制御ブロック図である。 実施例2のステア・バイ・ワイヤシステムの構成図である。 実施例2の転舵制御コントローラ11A,11Bおよび反力制御コントローラ12で実行される制御モード切り替え処理の流れを示すフローチャートである。 実施例2の転舵制御コントローラ11A,11Bおよび反力制御コントローラ12で実行される制御モード切り替え処理の流れを示すフローチャートである。 実施例2の転舵制御コントローラ11A,11Bおよび反力制御コントローラ12で実行される制御モード切り替え処理の流れを示すフローチャートである。 実施例3のステア・バイ・ワイヤシステムの構成図である。
符号の説明
1a 左前輪
1b 右前輪
2 転舵機構
2a ラック軸
3 ハンドル
4 ピニオンシャフト
5 転舵モータ
6a,6b 軸力センサ
7 コラムシャフト
8 反力モータ
9 トルクセンサ
10 バックアップクラッチ
11 転舵制御コントローラ
12 反力制御コントローラ
13 相互通信線
14A,14B 相互診断実行線

Claims (7)

  1. 運転者により操作されるハンドルと、
    操向輪を転舵する転舵機構と、
    この転舵機構に転舵トルクを付与する転舵アクチュエータと、
    前記ハンドルに操舵反力を付与する反力アクチュエータと、
    前記転舵機構と前記ハンドルとの間に設けられ、両者の機械的な分離・連結を可能とするバックアップ手段と、
    システムの異常を診断する異常診断部を有し、この異常診断部によりシステムが正常と診断された場合、前記バックアップ手段に対し前記転舵機構と前記ハンドルとを機械的に分離する非連結指令を出力し、前記ハンドルの操舵状態に応じた前記操向輪の転舵状態となるように前記転舵アクチュエータを駆動するとともに、前記転舵機構の転舵状態に応じた操舵反力となるように前記反力アクチュエータを駆動するステア・バイ・ワイヤ制御を実行し、システムが異常と診断された場合、前記バックアップ手段に対し前記転舵機構と前記ハンドルとを機械的に連結する連結指令を出力するバックアップ制御を実行する操舵制御手段と、
    を備えた車両用操舵制御装置において、
    前記異常診断部は、システムの一時的な故障である一時故障と、システムの継続的な故障である確定故障とをそれぞれ診断し、
    前記操舵制御手段は、前記ステア・バイ・ワイヤ制御を実行中に前記一時故障と診断された場合には、前記バックアップ制御へと移行し、その後、当該一時故障が解消したと診断されたとき、前記ステア・バイ・ワイヤ制御へと復帰する一方、前記ステア・バイ・ワイヤ制御を実行中に前記確定故障と診断された場合には、その後、当該確定故障が解消したと診断された場合であっても、前記バックアップ制御を継続することを特徴とする車両用操舵制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両用操舵制御装置において、
    前記操舵制御手段として、前記転舵アクチュエータを制御する転舵制御手段と、前記反力アクチュエータを制御する反力制御手段とをそれぞれ1つまたは複数設定し、
    各異常診断部は、他の制御手段の異常を診断する相互診断を行い、1つの制御手段に対して他の制御手段の全てが異常と診断した場合、当該制御手段の確定故障と診断することを特徴とする車両用操舵制御装置。
  3. 請求項2に記載の車両用操舵制御装置において、
    各異常診断部は、他の制御手段の演算結果に基づいて、異常を診断することを特徴とする車両用操舵制御装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載の車両用操舵制御装置において、
    前記バックアップ手段は、前記反力制御手段からの前記連結指令により、前記転舵機構と前記ハンドルとを連結することを特徴とする車両用操舵制御装置。
  5. 請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載の車両用操舵制御装置において、
    前記バックアップ手段は、前記反力制御手段への電力供給が停止した場合、前記転舵機構と前記ハンドルとを連結することを特徴とする車両用操舵制御装置。
  6. 請求項2ないし請求項5のいずれか1項に記載の車両用操舵制御装置において、
    前記バックアップ手段は、1つの反力制御手段に対する他の制御手段の診断結果が全て異常である場合、当該反力制御手段から前記連結指令が出力されているか否かにかかわらず、前記転舵機構と前記ハンドルとを連結することを特徴とする車両用操舵制御装置。
  7. 請求項2ないし請求項6のいずれか1項に記載の車両用操舵制御装置において、
    相互診断の結果を他の制御手段へと送信する信号線と、
    各制御手段の前記信号線入力部に設けられ、他の制御手段の相互診断結果を保持する保持手段と、
    を備えることを特徴とする車両用操舵制御装置。
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