JP2009029284A - 車両用操舵制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 故障診断部11b,12bは、システムの一時的な故障である一時故障と、システムの継続的な故障である確定故障とをそれぞれ診断し、転舵制御コントローラ11および反力制御コントローラ12は、SBW制御を実行中に一時故障と診断された場合には、バックアップ制御へと移行し、その後、当該一時故障が解消したと診断されたとき、SBW制御へと復帰する一方、SBW制御を実行中に確定故障と診断された場合には、その後、当該確定故障が解消したと診断された場合であっても、バックアップ制御を継続する。
【選択図】 図2
Description
この結果、継続的な異常である確定故障が発生しているにもかかわらず、正常との誤診断によりバックアップ制御からステア・バイ・ワイヤ制御へと復帰するのを防止しつつ、一時的な異常である一時故障が解消した場合には、ステア・バイ・ワイヤ制御への復帰を可能とすることができる。
図1は、本発明の車両用操舵制御装置を適用した実施例1のステア・バイ・ワイヤ(SBW)システムの構成図である。
転舵機構2のピニオンシャフト4には、転舵機構2に転舵トルクを付与する転舵アクチュエータ(転舵モータ)5と、転舵機構2のラック軸2aに作用するラック軸力を検出する軸力センサ6a,6bが設けられている。
転舵制御コントローラ11は、転舵制御部11aと故障診断部(異常診断部)11bとを備えている。転舵制御部11aは、反力モータ8の回転角から求まるハンドル3の操舵角、車速等に基づいて目標転舵角を設定し、転舵モータ5の回転角から求まる前輪1a,1bの実転舵角が目標転舵角となるように転舵モータ5をサーボ制御する転舵制御を実施する。
[転舵制御系に故障が生じた場合]
(a) 一時故障
転舵制御系に一時故障が発生した場合は、転舵制御を停止し、クラッチ10を締結し、反力制御を停止することによって、バックアップモード(バックアップ制御を実行するモード)としてマニュアルステアに移行する。その後、転舵制御系の故障診断結果が正常に戻った場合には、転舵制御および反力制御を再開し、クラッチ10を開放することによってSBWモード(SBW制御を実行するモード)に復帰する。
転舵制御系に確定故障が起こった場合は、転舵制御を停止し、クラッチ10を締結し、反力制御を停止することによって、バックアップモードとしてマニュアルステアに移行する。ここで、マニュアルステアとは、運転者の操舵力のみで前輪1a,1bを転舵することをいう。その後、転舵制御系の故障診断結果が正常に戻った場合でも、マニュアルステアのバックアップモードを保持する。
(a) 一時故障
反力制御系に一時故障が発生した場合は、クラッチ10を締結し、反力制御を停止することによって、バックアップモードとして転舵モータ5によるパワーアシスト制御を行う。ここで、パワーアシスト制御とは、前輪1a,1bの転舵負荷に応じてアクチュエータを駆動し、運転者の操舵力を補助する制御をいう。その後、反力制御系の故障診断結果が正常に戻った場合には、反力制御を再開し、クラッチ10を開放することによってSBWモードに復帰する。
反力制御系に確定故障が発生した場合は、クラッチ10を締結し、反力制御を停止することによって、バックアップモードとして転舵モータ5によるパワーアシスト制御を行う。その後、反力制御系の故障診断結果が正常に戻った場合でも、転舵モータ5によるパワーアシスト制御のバックアップモードを保持する。
実施例1のSBWシステムにあっては、以下に列挙する効果を奏する。
図3は、実施例2のSBWシステムの構成図であり、実施例2では、2つの転舵モータ5A,5Bと、2つの転舵制御コントローラ11A,11Bを備えており、転舵モータ5Aは転舵制御コントローラ11Aにより制御され、転舵モータ5Bは転舵制御コントローラ11Bにより制御される。
図4〜図6は、実施例2の転舵制御コントローラ11A,11Bおよび反力制御コントローラ12で実行される制御モータ切り替え処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
[反力制御系に故障が発生した場合]
(a)一時故障
反力制御系に一時故障が発生した場合は、図4〜図6のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS21→ステップS22へと進み、反力制御を停止すると同時にクラッチ10を締結し、転舵制御系1(転舵制御コントローラ11Aに係る制御系)および転舵制御系2(転舵制御コントローラ11Bに係る制御系)によってパワーアシスト制御を行うバックアップモードに移行する。その後、反力制御系の故障診断結果が正常に戻った場合には、ステップS23→ステップS1へと進んで反力制御を再開し、クラッチ10を開放することによってSBWモードに復帰する。
反力制御系に確定故障が発生した場合は、ステップS1→ステップS2→ステップS21→ステップS29→ステップS30へと進み、反力制御を停止すると同時にクラッチ10を締結し、転舵制御系1および転舵制御系2によってパワーアシスト制御を行うバックアップモードに移行すると同時に、反力制御コントローラ12のラッチ回路において異常診断結果をラッチする。その後、は、反力制御系の診断結果は確定故障に維持されるため、バックアップモードを保持する。
(1次故障目)
(a) 一時故障
転舵制御系に一時故障が発生した場合は、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4へと進み、異常の発生した転舵制御系を停止し、異常の発生していない1つの転舵制御系と反力制御系にて、SBWモードを継続する。その後、転舵制御系の故障診断結果が正常に戻った場合には、ステップS5→ステップS1へと進み、制御停止していた転舵制御系を再開し、2つの転舵制御系と反力制御系によるSBWモードに復帰する。
転舵制御系に確定故障が発生した場合は、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS12→ステップS13へと進み、異常の発生した転舵制御系を停止し、異常の発生していない転舵制御系と反力制御系にて、SBWモードを継続する、と同時に確定故障が発生した転舵制御コントローラにおいて異常診断結果をラッチ回路に保持する。その後、転舵制御系の故障診断結果が正常に戻った場合でも、1つの転舵制御系でのSBWモードを保持する。
(a)一時故障→一時故障
転舵制御系に一時故障が発生した場合は、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4へと進み、異常の発生した転舵制御系を停止し、異常の発生していない1つの転舵制御系と反力制御系にて、SBWモードを継続する。その後、正常に制御中の転舵制御系に一時故障が発生した場合には、ステップS7→ステップS8へと進んで転舵制御を停止し、クラッチ10を締結し、反力制御を停止することによって、バックアップモードとしてマニュアルステアに移行する。その後、転舵制御系の故障診断結果が正常に戻った場合には、ステップS9→ステップS4へと進んで転舵制御および反力制御を再開し、クラッチ10を開放することによってSBWモードに復帰する。
転舵制御系に一時故障が発生した場合は、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4へと進み、異常の発生した転舵制御系を停止し、異常の発生していない1つの転舵制御系と反力制御系にて、SBWモードを継続する。その後、正常に制御中の転舵制御系に確定故障が発生した場合には、ステップS7→ステップS10→ステップS11へと進んで転舵制御を停止し、クラッチ10を締結し、反力制御を停止することによって、バックアップモードとしてマニュアルステアに移行する、と同時に確定故障が発生した転舵制御コントローラにおいて異常診断結果をラッチ回路に保持する。その後、転舵制御系の故障診断結果が正常に戻った場合でも、マニュアルステアのバックアップモードを保持する。
転舵制御系に確定故障が発生した場合は、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS12→ステップS13へと進み、異常の発生した転舵制御系を停止し、異常の発生していない転舵制御系と反力制御系にて、SBWモードを継続する、と同時に確定故障が発生した転舵制御コントローラにおいて異常診断結果をラッチ回路に保持する。その後、に正常に制御中の転舵制御系に一時故障が発生した場合には、ステップS15→ステップS16→ステップS17へと進んで転舵制御を停止し、クラッチ10を締結し、反力制御を停止することによって、バックアップモードとしてマニュアルステアに移行する。その後、転舵制御系の故障診断結果が正常に戻った場合には、ステップS17→ステップS13へと進んで転舵制御および反力制御を再開し、クラッチ10を開放することによってSBWモードに復帰する。
転舵制御系に確定故障が発生した場合は、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS12→ステップS13へと進み、異常の発生した転舵制御系を停止し、異常の発生していない転舵制御系と反力制御系にて、SBWモードを継続する、と同時に確定故障が発生した転舵制御コントローラにおいて異常診断結果をラッチ回路に保持する。その後、に正常に制御中の転舵制御系に確定故障が発生した場合には、ステップS15→ステップS18→ステップS19へと進んで転舵制御を停止し、クラッチ10を締結し、反力制御を停止することによって、バックアップモードとしてマニュアルステアに移行する、と同時に確定故障が発生した転舵制御コントローラにおいて異常診断結果をラッチ回路に保持する。その後、転舵制御系の故障診断結果が正常に戻った場合でも、マニュアルステアのバックアップモードを保持する。
(2次故障目)
(a) 転舵一時故障→反力一時故障
転舵制御系に一時故障が発生した場合は、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4へと進み、異常の発生した転舵制御系を停止し、異常の発生していない1つの転舵制御系と反力制御系にて、SBWモードを継続する。その後、反力制御系に一時故障が発生した場合には、ステップS6→ステップS41→ステップS42へと進んでクラッチ10を締結し、反力制御を停止することによって、バックアップモードとして1つの転舵モータによるパワーアシスト制御に移行する。その後、反力制御系の故障診断結果が正常に戻った場合には、ステップS43→ステップS4へと進んで転舵制御および反力制御を再開し、クラッチ10を開放することによってSBWモードに復帰する。
転舵制御系に一時故障が発生した場合は、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4へと進み、異常の発生した転舵制御系を停止し、異常の発生していない1つの転舵制御系と反力制御系にて、SBWモードを継続する。その後、反力制御系に確定故障が発生した場合には、ステップS6→ステップS49→ステップS50へと進んでクラッチ10を締結し、反力制御を停止することによって、バックアップモードとして1つの転舵モータによるパワーアシスト制御に移行する、と同時に確定故障が発生した反力制御コントローラ12において故障診断結果をラッチ回路に保持する。その後、反力制御系の故障診断結果が正常に戻った場合でも、1つの転舵モータによるパワーアシスト制御のバックアップモードを保持する。
転舵制御系に確定故障が発生した場合は、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS12→ステップS13へと進み、異常の発生した転舵制御系を停止し、異常の発生していない転舵制御系と反力制御系にて、SBWモードを継続する、と同時に確定故障が発生した転舵制御コントローラにおいて異常診断結果を保持する。その後、反力制御系に一時故障が発生した場合には、ステップS14→ステップS41→ステップS42へと進んでクラッチ10を締結し、反力制御を停止することによって、バックアップモードとして1つの転舵モータによるパワーアシスト制御に移行する。その後、反力制御系の故障診断結果が正常に戻った場合には、ステップS43→ステップS13へと進んで転舵制御および反力制御を再開し、クラッチ10を開放することによってSBWモードに復帰する。
転舵制御系に確定故障が発生した場合は、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS12→ステップS13へと進み、異常の発生した転舵制御系を停止し、異常の発生していない転舵制御系と反力制御系にて、SBWモードを継続する、と同時に確定故障が発生した転舵制御コントローラにおいて異常診断結果をラッチ回路に保持する。その後、反力制御系に一時故障が発生した場合には、ステップS14→ステップS41→ステップS49→ステップS50へと進んでクラッチ10を締結し、反力制御を停止することによって、バックアップモードとして1つの転舵モータによるパワーアシスト制御に移行する、と同時に反力制御コントローラ12において故障診断結果をラッチ回路に保持する。その後、転舵の故障診断結果が正常に戻った場合でも、1つの転舵モータによるパワーアシスト制御のバックアップモードを保持する。
(2次故障目)
(a) 反力一時故障→転舵一時故障
反力制御系に一時故障が発生した場合は、ステップS1→ステップS2→ステップS21→ステップ22へと進み、クラッチ10を締結し、反力制御を停止することによって、バックアップモードとして2つの転舵モータによるパワーアシスト制御を行う。その後、転舵制御系に一時故障が発生した場合には、ステップS24→ステップS25へと進んで故障が発生した転舵制御系を停止し、1つの転舵モータでのパワーアシスト制御を行う。その後、転舵の故障診断結果が正常に戻った場合には、ステップS26→ステップS22へと進んで転舵制御を再開し、2つの転舵モータによるバックアップモードに復帰する。
反力制御系に一時故障が発生した場合は、ステップS1→ステップS2→ステップS21→ステップ22へと進み、クラッチ10を締結し、反力制御を停止することによって、バックアップモードとして2つの転舵モータによるパワーアシスト制御を行う。その後、転舵制御系に確定故障が発生した場合には、ステップS24→ステップS27→ステップS28へと進んで故障が発生した転舵制御系を停止し、1つの転舵モータでのパワーアシスト制御を行う、と同時に確定故障が発生した転舵制御コントローラにおいて異常診断結果をラッチ回路に保持する。その後、転舵の故障診断結果が正常に戻った場合でも、1つの転舵モータでのパワーアシスト制御のバックアップモードを保持する。
反力制御系に確定故障が発生した場合は、ステップS1→ステップS2→ステップS21→ステップS29へと進み、クラッチ10を締結し、反力制御を停止することによって、バックアップモードとして2つの転舵モータによるパワーアシスト制御を行う、と同時に反力制御コントローラ12において異常診断結果をラッチ回路に保持する。その後、転舵制御系に一時故障が発生した場合には、ステップS31→ステップS32へと進んで故障が発生した転舵制御系を停止し、1つの転舵モータでのパワーアシスト制御を行う。その後、転舵の故障診断結果が正常に戻った場合には、ステップS33→ステップS30へと進んで転舵制御を再開し、2つの転舵モータによるパワーアシスト制御を行うバックアップモードに復帰する。
反力制御系に確定故障が発生した場合は、ステップS1→ステップS2→ステップS21→ステップS29へと進み、クラッチ10を締結し、反力制御を停止することによって、バックアップモードとして2つの転舵モータによるパワーアシスト制御を行う、と同時に反力制御コントローラ12において異常診断結果をラッチ回路に保持する。その後、転舵制御系に確定故障が発生した場合には、ステップS31→ステップS34→ステップS35へと進んで故障が発生した転舵制御系を停止し、1つの転舵モータでのパワーアシスト制御を行う、と同時に確定故障が発生した転舵制御コントローラにおいて異常診断結果をラッチ回路に保持する。その後、転舵の故障診断結果が正常に戻った場合でも、1つの転舵モータでのバックアップモードを保持する。
実施例2のSBWシステムにあっては、実施例1の効果(1)〜(3)に加え、以下に列挙する効果を奏する。
図7は、実施例3のSBWシステムの構成図であり、実施例3では、2つの反力モータ8A,8Bと2つの反力制御コントローラ12A,12Bを備えており、反力モータ8Aは反力制御コントローラ12Aにより制御され、反力制御モータ12Bは反力制御コントローラ12Bにより制御される。
他の構成は、実施例2と同様であるため、図示並びに説明を省略する。
(2次故障目)
(a) 反力一時故障→反力一時故障
反力制御系に一時故障が発生した場合は、故障の発生した反力制御を停止し、正常な反力制御系を用いて2つの転舵モータ5A,5Bと1つの反力モータによるSBWモードを行う。その後、に正常な反力制御系に一時故障が発生した場合には、反力制御を停止し、クラッチ10を締結し、2つの転舵モータ5A,5Bでのパワーアシスト制御を行う。その後、反力の故障診断結果が正常に戻った場合には、反力制御を再開し、2つの転舵モータ5A,5Bと1つの反力モータによるSBWモードに復帰する。
反力制御系に一時故障が発生した場合は、故障の発生した反力制御を停止し、正常な反力制御系を用いて2つの転舵モータ5A,5Bと1つの反力モータによるSBWモードを行う。その後、に正常な反力制御系に確定故障が発生した場合には、反力制御を停止し、クラッチ10を締結し、2つの転舵モータ5A,5Bでのパワーアシスト制御を行う、と同時に確定故障が発生した反力制御コントローラにおいて異常診断結果をラッチ回路に保持する。その後、反力の故障診断結果が正常に戻った場合でも、2つの転舵モータ5A,5Bでのバックアップモードを保持する。
反力制御系に一時故障が発生した場合は、故障の発生した反力制御を停止し、正常な反力制御系を用いて2つの転舵モータと1つの反力モータによるSBWモードを行う、と同時に確定故障が発生した反力制御コントローラにおいて異常診断結果をラッチ回路に保持する。その後、正常な反力制御系に一時故障が発生した場合には、反力制御を停止し、クラッチ10を締結し、2つの転舵モータでのパワーアシスト制御を行う。その後、反力の故障診断結果が正常に戻った場合には、反力制御を再開し、2つの転舵モータ5A,5Bと1つの反力モータによるSBWモードに復帰する。
反力制御系に一時故障が発生した場合は、故障の発生した反力制御を停止し、正常な反力制御系を用いて2つの転舵モータと1つの反力モータによるSBWモードを行う、と同時に確定故障が発生した反力制御コントローラにおいて異常診断結果をラッチ回路に保持する。その後、に正常な反力制御系に確定故障が発生した場合には、反力制御を停止し、クラッチ10を締結し、2つの転舵モータでのパワーアシスト制御を行う、と同時に確定故障が発生した反力制御コントローラにおいて異常診断結果をラッチ回路に保持する。その後、反力の故障診断結果が正常に戻った場合でも、2つの転舵モータ5A,5Bでのバックアップモードを保持する。
以上、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1〜3に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例1〜3に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
1b 右前輪
2 転舵機構
2a ラック軸
3 ハンドル
4 ピニオンシャフト
5 転舵モータ
6a,6b 軸力センサ
7 コラムシャフト
8 反力モータ
9 トルクセンサ
10 バックアップクラッチ
11 転舵制御コントローラ
12 反力制御コントローラ
13 相互通信線
14A,14B 相互診断実行線
Claims (7)
- 運転者により操作されるハンドルと、
操向輪を転舵する転舵機構と、
この転舵機構に転舵トルクを付与する転舵アクチュエータと、
前記ハンドルに操舵反力を付与する反力アクチュエータと、
前記転舵機構と前記ハンドルとの間に設けられ、両者の機械的な分離・連結を可能とするバックアップ手段と、
システムの異常を診断する異常診断部を有し、この異常診断部によりシステムが正常と診断された場合、前記バックアップ手段に対し前記転舵機構と前記ハンドルとを機械的に分離する非連結指令を出力し、前記ハンドルの操舵状態に応じた前記操向輪の転舵状態となるように前記転舵アクチュエータを駆動するとともに、前記転舵機構の転舵状態に応じた操舵反力となるように前記反力アクチュエータを駆動するステア・バイ・ワイヤ制御を実行し、システムが異常と診断された場合、前記バックアップ手段に対し前記転舵機構と前記ハンドルとを機械的に連結する連結指令を出力するバックアップ制御を実行する操舵制御手段と、
を備えた車両用操舵制御装置において、
前記異常診断部は、システムの一時的な故障である一時故障と、システムの継続的な故障である確定故障とをそれぞれ診断し、
前記操舵制御手段は、前記ステア・バイ・ワイヤ制御を実行中に前記一時故障と診断された場合には、前記バックアップ制御へと移行し、その後、当該一時故障が解消したと診断されたとき、前記ステア・バイ・ワイヤ制御へと復帰する一方、前記ステア・バイ・ワイヤ制御を実行中に前記確定故障と診断された場合には、その後、当該確定故障が解消したと診断された場合であっても、前記バックアップ制御を継続することを特徴とする車両用操舵制御装置。 - 請求項1に記載の車両用操舵制御装置において、
前記操舵制御手段として、前記転舵アクチュエータを制御する転舵制御手段と、前記反力アクチュエータを制御する反力制御手段とをそれぞれ1つまたは複数設定し、
各異常診断部は、他の制御手段の異常を診断する相互診断を行い、1つの制御手段に対して他の制御手段の全てが異常と診断した場合、当該制御手段の確定故障と診断することを特徴とする車両用操舵制御装置。 - 請求項2に記載の車両用操舵制御装置において、
各異常診断部は、他の制御手段の演算結果に基づいて、異常を診断することを特徴とする車両用操舵制御装置。 - 請求項2または請求項3に記載の車両用操舵制御装置において、
前記バックアップ手段は、前記反力制御手段からの前記連結指令により、前記転舵機構と前記ハンドルとを連結することを特徴とする車両用操舵制御装置。 - 請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載の車両用操舵制御装置において、
前記バックアップ手段は、前記反力制御手段への電力供給が停止した場合、前記転舵機構と前記ハンドルとを連結することを特徴とする車両用操舵制御装置。 - 請求項2ないし請求項5のいずれか1項に記載の車両用操舵制御装置において、
前記バックアップ手段は、1つの反力制御手段に対する他の制御手段の診断結果が全て異常である場合、当該反力制御手段から前記連結指令が出力されているか否かにかかわらず、前記転舵機構と前記ハンドルとを連結することを特徴とする車両用操舵制御装置。 - 請求項2ないし請求項6のいずれか1項に記載の車両用操舵制御装置において、
相互診断の結果を他の制御手段へと送信する信号線と、
各制御手段の前記信号線入力部に設けられ、他の制御手段の相互診断結果を保持する保持手段と、
を備えることを特徴とする車両用操舵制御装置。
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