JP2009029222A - 自動二輪車のウインドスクリーン構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アッパーカウル41の下方に配置されるレール61と、このレール61に係合してスライドするスライダ62とを備え、アッパーカウル41には、スライダ62が通過する開口部56を設けてスライダ62の上部にウインドスクリーン51を連結し、アッパーカウル41の開口部56にその両側から延びてスライダ62に摺接するシールラバー63を配置し、この開口部56から下方へ延びてシールラバー63の基部の変形を抑えるリブ90を設けた。
【選択図】図11
Description
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、シールラバーの隙間を小さくすることができる自動二輪車のウインドスクリーン構造を提供することにある。
この発明によれば、アッパーカウルの開口部にその両側から延びてスライダに摺接するシールラバーを配置し、この開口部から下方へ延びてシールラバーの基部の変形を抑えるリブを設けたので、スライダによりシールラバーが拡げられた際にこのシールラバーの基部の変形をリブで抑えてシールラバーの隙間を小さくすることができる。
また、シールラバーの基部から延びる一対のリップ部の先端を上下に重なり合うように設けたので、スライダに摺接しない領域のシールラバーの隙間を確実に閉じることができ、かつ、スライダにより拡げられた際のシールラバーの隙間をより小さくすることができる。
また、シールラバーの基部から延びる一対のリップ部をレールに沿うように配置し、このリップ部をスライダのレールに近い位置に摺接させたので、リップ部の変形形状を安定させることができ、また、リップ部をスライドのレールに近い幅狭の位置に摺接させてスライダにより拡げられた際のシールラバーの隙間をより小さくすることができる。
また、スライダのスライド方向端部に、当該スライダによって形成されるシールラバーの隙間と略同形状の隙間塞ぎ部を設けたので、シールラバーとスライダとの間の隙間を極めて小さくすることができる。
図1は本発明の実施形態に係る自動二輪車の側面図である。
自動二輪車10は、車体フレーム11と、車体フレーム11の前端部に取り付けられたヘッドパイプ12に回動自在に支持された左右一対のフロントフォーク13と、フロントフォーク13の上端部を支持するトップブリッジ14に取り付けられた操舵用のハンドル15と、フロントフォーク13に回転自在に支持された前輪16と、車体フレーム11に支持されたエンジン17と、エンジン17に排気管18を介して連結された排気マフラー19と、車体フレーム11の後下部のピボット20に上下に揺動自在に支持されたリアスイングアーム21と、このリアスイングアーム21の後端部に回転自在に支持された後輪22とを備え、リアスイングアーム21と車体フレーム11との間にリアクッション23が配設されている。
また、シートレール29には乗員用シート33、グラブレール34及びトランクボックス35が支持され、ダウンチューブ27にはラジエータ36が支持されている。
このウインドスクリーン51には、後述する可動機構60によってその高さを調整可能な可動式スクリーンに構成されている。このため、例えば、ウインドスクリーンを高い位置に調整した場合には、高速走行時に適した高いウインドプロテクション効果(運転者への風圧や風切り音の低減、空気の流れを整流する効果)を発揮させることができ、また、ウインドスクリーン51を低い位置に調整した場合には、中低速時に適した運転者が適度な風圧を感じるウインドプロテクション効果に調整することができ、走行時の快適性を高めることができる。
また、リアシートカウル43には、左右一対のサドルバック44が一体に形成される。すなわち、この自動二輪車10は、これらサドルバック44及びトランクボックス35によって大容量の積載空間を確保すると共に、比較的大型の車体カバー40及びウインドスクリーン51によって優れたウインドプロテクション効果を確保し、長距離走行に適した車両(いわゆるツアラータイプ)として構成されている。
図2に示すように、アッパーカウル41は、上記ブラケット50に固定されてハンドル15の前方を覆うインナーカウル55を備えており、このインナーカウル55の前面側にウインドスクリーン51が上下に移動自在に配置される。
このインナーカウル55は、アッパーカウル41の一部を構成すると共に、ハンドル15前方に配置される計器類の前側を覆うカバーとして機能し、図3に示すように、左右一対の開口部56、56が形成される。この一対の開口部56、56は、インナーカウル55の下側に配設された後述する左右一対のレール61、61に沿って上下に延出し、これらレール61、61に係合してスライドするスライダ62、62が通過するようになっている。
この可動機構60は、ブラケット50に固定されて後ろ上がりに延出する左右一対のレール61、61と、各レール61、61に係合する左右一対のスライダ62、62と、上記開口部56、56を覆ってスライダ62、62の左右に各々摺接する左右一対のシールラバー63、63とを備えて構成されている。
なお、これら左右一対のレール61、61、スライダ62、62及びシールラバー63、63は左右で略同様に構成されるため、以下、左側のレール61、スライダ62及びシールラバー63を用いて説明し、右側のレール61、スライダ62及びシールラバー63の説明は省略する。
図5に示すように、レール61は、左右二分割して構成され、鋳造成形した左レール半体62Lと右レール半体62Rとから形成される。左レール半体62Lと右レール半体62Rとは、略左右対称形状を有し、略コ字状断面のレール部63L、63Rと、このレール部63L、63Rの一端から延出する基端部64L、64Rとを一体に備え、各基端部64L、64Rを互いに重ねた状態でブラケット50に設けられた連結部材53にボルト66で固定される。
スライダ62は、図5に示すように、レール61のレール部63L、63R間に介挿される基端部62Aと、この基端部62Aから延びる延長部62Bとを有し、この延長部62Bに、連結ねじ67を介して連結板52が取り付けられ、この連結板52に連結ねじ68及びナット69を介してウインドスクリーン51が取り付けられる。なお、図中符号70A、70Bは座金である。
また、基端部62Aの車体外側(左側)には、ガイド板72Lの前後に当該スライダ62をレール61にロックするロック機構75、75が設けられている。このロック機構75は、基端部62Aの前後に設けられた孔部62C、62Cに収容される圧縮コイルばね76、76と、この圧縮コイルばね76、76によって車体外側に付勢される硬球77、77とから構成され、これら硬球77、77が、レール61内の位置決め板67に形成された位置決め孔68、68、・・・に各々係合することによってスライダ62をレール61にロックする。
このスライダ62を移動すれば、このスライダ62に連結されたウインドスクリーン51も移動し、これによってウインドスクリーン51を様々な高さに調整してロックすることができる。
なお、ロック機構75を車体外側に設ける構成に限らず、車体内側に設けてもよいし、両側に設けてもよく、また、これ以外のロック機構を使用してもよい。さらに、手動操作する構成に限らず、電動モータ等の駆動源を用いてウインドスクリーン51を上下動させるようにしてもよい。
左右一対のシールラバー部80L、80Rは、図7(A)に示すように、上面視で、シールラバー63の幅方向略中央(図中、一点鎖線Cで示す)を境にして車体左側(車体外側)と車体右側(車体内側)とに設けられ、全体として、上面視で開口部56の開口形状と略一致する形状に形成されている。
ところで、インナーカウル55とレール61との間隔は常に一定とはならず、図10に示すように、インナーカウル55とレール61とが近接する部分も存在する。その理由は、インナーカウル55が、車体のスタイリングや整流性能向上の観点から図3に示すように車体後方に向かって緩やかに傾斜する形状に形成されるのに対し、レール61は、図4に示すように、ウインドスクリーン51が高い位置ほどウインドスクリーン51が立つように(傾斜角が小さくなるように)車体後方に向かって急傾斜となる形状にしているからである。
本構成のシールラバー63は、図10に示すように、インナーカウル55とレール61との間隔が変動しても、図9と同様に、左右のシールラバー部80L、80Rのリップ部82L、82Rがレール61の上面近傍に位置するようにシールラバー63が形成され、すなわち、リップ部82L、82Rがレール61に沿って配置されており、このリップ部82L、82Rとレール61との距離が常に一定距離とされる。
ここで、これらリブ90、90は、基本的にはシールラバー部80L、80Rの基部81L、81Rに沿ってその長手方向に渡って形成されるものであるが、図10に示すように、インナーカウル55とレール61とが近接してリブ90を配置するスペースがない場合は、リブ90を省略し、該スペースが存在する一方側にのみリブ90を形成するようにしている。
このようなシールラバー部80L、80Rの基部81L、81R外側に沿って延出するリブ90、90を設けることによって、図11に示すように、シールラバー部80L、80Rがスライダ62により押し拡げられた際に、各リブ90、90によってシールラバー部80L、80Rの基部81L、81Rの各々の変形が抑えられ、リップ部82R、82Lだけを変形させることができる。
仮に上記リブ90、90を設けない場合、シールラバー部80L、80Rが幅広のスライダ62で押し拡げられると、シールラバー部80L、80Rのリップ部82R、82Lだけでなく、基部81L、81Rも含めた全体が大きく変形するため、スライダ62のスライド方向前後の隙間S1、S2は大きくなってしまうことになる。
また、このリブ90によってインナーカウル55の特に開口部56周りの剛性を向上することができ、かつ、このリブ90がインナーカウル55の前後に渡って配設されるので、インナーカウル55全体の剛性も容易に確保することができる。
しかも、シールラバー63のリップ部82R、82Lがスライダ62のレール61近傍に摺接するようにしたので、スライダ62における基端部62Aと延長部62B先端(連結板52の連結部分)との間の幅狭の部分にリップ部82R、82Lが摺接し、これによってもシールラバー63の上記隙間S1、S2を小さくことができる。
そこで、本実施形態では、図14に示すように、金型のコア側100を、シールラバー部80L側を成形するコア部101と、他方のシールラバー部80R側を成形する突き出し部102とに分割することにより、キャビネット部110とコア部101とを分離した後、突き出し部102のみが残り、シールラバー63をアンダーカット部もなく容易に取り出しすることができる。これにより、リップ部82R、82Lの先端部Y、Yが金型に残ってしまう事態を回避でき、また、コア側100をコア部101と突き出し部102とに二分割するため、金型加工も容易にすることができる。
40 車体カバー
41 アッパーカウル
50 ブラケット
51 ウインドスクリーン
55 インナーカウル
56 開口部
60 可動機構
61 レール
62 スライダ
62X 隙間塞ぎ部
63 シールラバー
80L、80R シールラバー部
81L、81R 基部
82L、82R リップ部
83 外周縁部
85 係止部
90 リブ
X 屈曲部
Y 先端部
S1、S2 隙間
Claims (4)
- 車体前部を覆うアッパーカウルにウインドスクリーンをスライド自在に支持した自動二輪車のウインドスクリーン構造において、
前記アッパーカウルの下方に配置されるレールと、このレールに係合してスライドするスライダとを備え、前記アッパーカウルには、前記スライダが通過する開口部を設けて前記スライダの上部に前記ウインドスクリーンを連結し、
前記開口部には、その両側から延びて前記スライダに摺接するシールラバーを配置し、この開口部から下方へ延びて前記シールラバーの基部の変形を抑えるリブを設けたことを特徴とする自動二輪車のウインドスクリーン構造。 - 前記シールラバーの前記基部から延びる一対のリップ部の先端を上下に重なり合うように設けたことを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車のウインドスクリーン構造。
- 前記シールラバーの前記基部から延びる一対のリップ部を前記レールに沿うように配置し、前記リップ部を前記スライダの前記レール近傍に摺接させたことを特徴とする請求項1又は2に記載の自動二輪車のウインドスクリーン構造。
- 前記スライダのスライド方向端部に、当該スライダによって形成される前記シールラバーの隙間と略同形状の隙間塞ぎ部を設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の自動二輪車のウインドスクリーン構造。
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