JP2009028647A - 排ガス処理方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
半導体や液晶製造工場から排出されるフッ素化合物を低ランニングコスト,高分解性能で処理できる方法を提供する。
【解決手段】
フッ素化合物を含む被処理ガスを分解するフッ素化合物含有ガスの処理方法であって、前記被処理ガスより酸性ガスまたは固形物の少なくともいずれかを除去する湿式除去工程と、被処理ガス中のフッ素化合物を触媒で分解するフッ素化合物分解工程とを有し、前記湿式除去前の被処理ガスに、もしくは前記湿式除去された被処理ガスに炭化水素を供給する炭化水素供給工程を有するフッ素化合物含有ガスの処理方法とする。つまり、フッ素化合物を触媒式分解法で処理する際、メタン,エチレンに代表される炭化水素を添加し、同時に処理することで低温活性が向上し、また、炭化水素の燃焼熱を利用することで昇温に必要なエネルギーを削減することができるためランイングコストの低減に繋がる。
【選択図】図2
半導体や液晶製造工場から排出されるフッ素化合物を低ランニングコスト,高分解性能で処理できる方法を提供する。
【解決手段】
フッ素化合物を含む被処理ガスを分解するフッ素化合物含有ガスの処理方法であって、前記被処理ガスより酸性ガスまたは固形物の少なくともいずれかを除去する湿式除去工程と、被処理ガス中のフッ素化合物を触媒で分解するフッ素化合物分解工程とを有し、前記湿式除去前の被処理ガスに、もしくは前記湿式除去された被処理ガスに炭化水素を供給する炭化水素供給工程を有するフッ素化合物含有ガスの処理方法とする。つまり、フッ素化合物を触媒式分解法で処理する際、メタン,エチレンに代表される炭化水素を添加し、同時に処理することで低温活性が向上し、また、炭化水素の燃焼熱を利用することで昇温に必要なエネルギーを削減することができるためランイングコストの低減に繋がる。
【選択図】図2
Description
本発明は、排ガス処理方法と処理装置に関し、詳しくは、半導体,液晶製造工場から排出されるフッ素化合物を含むガスを処理するための処理方法と処理装置に関する。
半導体或いは液晶の製造プロセスでは、エッチング或いはクリーニングを行うにあたり、通常、フッ素化合物ガス、特にパーフルオロコンパウンド(Perfluorocompound、以下PFCという)を用いる。PFCの一例を示すと、CF4,C2F6,C3F8,CHF3,C4F8,SF6、及びNF3等がある。PFCは二酸化炭素(CO2)の数千倍から数万倍の赤外線吸収度を持つ地球温暖化ガスであり、2005年2月に発行された京都議定書で全世界的に排出が制限された。エッチング或いはクリーニング工程では、導入したPFCの一部しか使用されず、大部分は排ガスとして排出される。このように大気に排出されるPFCは除去或いは分解してから排気されることが必要になる。
PFCの分解処理方法としては、触媒法,燃焼法,プラズマ法,薬剤法等が知られている。燃焼法、及びプラズマ法では特開2005−205330号公報(特許文献1)にあるように1300℃以上の高温処理がされる。一方、触媒法では特開2004−82013号公報(特許文献2)にあるように、約500〜700℃で処理がされる。
低温での分解が可能という点で、触媒法は燃焼法,プラズマ法より優位である。また、薬剤法に比べ、メンテナンスが容易で大量のPFC分解処理が可能である。しかし、更なるランニングコスト低減,利便性向上の点から、さらに低温での高効率なPFCの分解処理が求められている。
そこで本発明の目的は、低温条件下で高いPFC分解性能を達成する方法を提供することにある。
上記課題を解決する本発明は、フッ素化合物を含む被処理ガスを分解するフッ素化合物含有ガスの処理方法であって、前記被処理ガスより酸性ガスまたは固形物を除去する湿式除去工程と、被処理ガス中のフッ素化合物を触媒で分解するフッ素化合物分解工程とを有するフッ素化合物含有ガスの処理方法であって、前記湿式除去前の被処理ガスに、もしくは前記湿式除去された被処理ガスに炭化水素を供給する炭化水素供給工程を有することにある。上記の方法によれば、フッ素化合物含有ガスを触媒によって処理する際、被処理ガス中に含まれる炭化水素により分解性能を向上させ、低温で高効率なフッ素化合物の分解が可能となる。添加される炭化水素は、メタン,エタン,エチレン,プロパン,プロピレン,ブタン等の炭化水素ガスが好ましい。炭化水素ガスのC−H結合エネルギーは、水(H2O)のH−O結合よりも乖離しやすく、フッ素化合物の分解生成物(HF)が生成しやすい。その結果、炭化水素を添加することで、低温でのフッ素化合物処理が進行しやすくなり、分解効率も向上する。
上記のフッ素化合物分解工程は、加水分解,燃焼分解等のいずれでもよい。従って、フッ素化合物分解工程で、被処理ガス中に水または水蒸気の添加工程や、酸素または空気の添加工程を設けることも好ましい。さらに、フッ素化合物分解工程は、加水分解及び燃焼分解を併用してもよい。その場合には、加水分解触媒の後段に酸化触媒を設けることが好ましい。酸化触媒を前段とすると、酸化触媒により炭化水素が燃焼して、加水分解触媒に供給されないためである。また、炭化水素の発熱反応を利用して、酸化触媒分解効率を高めるので、酸化触媒を加熱するヒータの負荷を低減できる。
また、上記課題を解決する本発明の特徴は、フッ素化合物を含む被処理ガスを分解するフッ素化合物分解処理装置であって、被処理ガスより酸性ガスや固形分等を除去する固形物除去装置と、被処理ガスを分解する分解装置と、被処理ガスを冷却する冷却装置と、フッ素化合物の分解により生じる被処理ガス中の酸性ガスを除去する酸性ガス除去装置とを有し、前記被処理ガス分解装置の前段に炭化水素供給装置を設けたことにある。前記被処理ガス分解装置はフッ素化合物を分解する触媒を有する。上述の通り、加水分解触媒と酸化分解触媒とを併用する場合には、加水分解触媒を前段に設けることが好ましい。
前記固形物除去装置は、湿式除去装置とすることにより併せて被処理ガス中の酸性ガスを併せて除去することが可能である。また、前記酸性ガス除去装置も湿式除去装置とすることが好ましい。
上記本発明のフッ素化合物分解処理方法によれば、PFCを低温で効率良く分解することができる。また、上記のフッ素化合物分解処理装置によれば、ヒータ負荷が少なく、耐久性が向上するとともに、ランニングコストを低減できる。
上記本発明をさらに詳細に説明する。図1に本発明の処理方法の一例を示したシステムフローを示す。本システムは、半導体製造装置,液晶表示装置の製造ライン後段に設けられ、これらの製造ラインより排出されるPFCなどのフッ素化合物を処理するものである。製造ラインで被処理ガスに混入した固形物や酸性ガスを水と接触させて除去する湿式除去工程と、湿式除去装置で酸性ガス・固形物を除去された被処理ガス中のフッ素化合物を分解するフッ素化合物分解工程と、フッ素化合物分解工程で処理された被処理ガスを大気に放出するために冷却する排ガス冷却工程と、フッ素化合物の分解により生じる酸性ガス、特にHFを被処理ガスより除去する酸性ガス除去工程から構成される。
被処理ガスにはフッ素化合物分解処理工程の前段で炭化水素を混入させる。半導体製造工程や、液晶表示装置製造工程で炭化水素を使用する場合には、必要に応じて同じ炭化水素を追加することができる。炭化水素ガスに固形分や酸性ガス成分が含まれる場合には、被処理ガスと同様にガスを洗浄するため、湿式除去工程の前段で添加することが好ましい。
半導体或いは液晶の製造プロセスから排出されたPFCを含む被処理ガスは、湿式除去工程に送られ、ガス中に含まれるHF,SiO2,SiF4,BCl3等の固形物及び酸性ガスが除去される。湿式除去工程は、被処理ガスと水またはアルカリ性の溶液等が充分に接触する方式であればどのようなものでもよい。固形物及び酸性ガスが除去されたガスは、PFC分解工程に送られてPFCを触媒により分解除去される。触媒は、加水分解触媒,酸化触媒がよい。PFCと触媒とが接触する際に炭化水素が存在しうるよう、PFC分解工程には炭化水素を流入させる。炭化水素もPFCとともにPFC分解工程中に触媒によって分解される。フッ素化合物の分解後のPFC及び炭化水素の排ガスは、排ガス冷却工程で冷却される。最後に、PFCの分解によって生成したHF等の酸性ガスは酸性ガス除去工程で除去され、被処理ガスが無害化された後に、大気中に排出される。
PFCは加水分解触媒により水と反応し、触媒上で加水分解される。下記に代表的なPFCの分解反応を示す。加水分解の過程でPFC中のF原子はH2O中のH原子と結合してHFとなって触媒から脱離する。
CF4+2H2O→CO2+4HF (1)
C2F6+3H2O→CO+CO2+6HF (2)
C4F8+4H2O→4CO+8HF (3)
CHF3+H2O→CO+3HF (4)
SF6+3H2O→SO3+6HF (5)
2NF3+3H2O→NO+NO3+6HF (6)
式(2),(3),(4)の反応ではCOが生成するが、反応助剤として空気を供給することでCO2となる。
C2F6+3H2O→CO+CO2+6HF (2)
C4F8+4H2O→4CO+8HF (3)
CHF3+H2O→CO+3HF (4)
SF6+3H2O→SO3+6HF (5)
2NF3+3H2O→NO+NO3+6HF (6)
式(2),(3),(4)の反応ではCOが生成するが、反応助剤として空気を供給することでCO2となる。
炭化水素をPFCと同伴させることでPFC分解性能が向上する。その理由は、炭化水素を供給することにより、Fのカウンター原子であるH原子を供給でき、HFが生成しやすくなることによりPFC分解効率が向上するためである。PFC分解過程では、HFの生成,脱離過程が反応サイクルの律速段階であると考えられる。炭化水素の結合解離エネルギーは、水(H2O)の結合解離エネルギーよりも低い。例えば0K(−273℃)におけるC2H6のC−H結合解離エネルギーは101.1kJ/molであるのに対し、H2OのO−H結合解離エネルギーは493.4kJ/molであり、水よりも炭化水素のC−H結合エネルギーが非常に小さい。従って、炭化水素をPFCと同時に供給することで、フッ素化合物の分解生成物であるフッ素原子のカウンター原子となる水素原子の生成が促進され、それによりフッ素化合物の分解サイクルが加速し、低温活性が向上すると考えられる。炭化水素は、PFC分解工程に直接流入させたり、PFC分解工程の上流側でPFCガスや水と混合して流入させる。特に、PFC分解工程の上流側から、PFCガスと同伴させて流入させることが好ましい。
また、炭化水素をPFCと同時に供給することでPFC分解反応を促進させるだけではなく、炭化水素の燃焼熱を利用することでヒータの出力を従来よりも低減することができる。
炭化水素を半導体、及び液晶製造工程で使用する場合は既設のラインから装置に流入させることができる。製造工程に用いる炭化水素のラインが無い場合等は、ボンベ等から直接装置に流入させることができる。既設のラインから炭化水素を流入させる場合は固形物等の不純物を同伴する可能性がある。不純物の同伴の可能性がある場合は、炭化水素を触媒式反応槽の前段や、反応槽に直接流入させず、湿式除去装置前段から流入させることが望ましい。湿式除去装置を通過させることで、PFCガスに不純物を同伴して触媒槽に流入することが防止されるので、触媒層の目詰まり、及び不純物の触媒被毒による活性低下が生じる危険性が低減される。
既設のラインから炭化水素を流入させる場合、例えばエッチング工程で炭化水素を使用し、排ガスに炭化水素が含まれる場合には、エッチングの周期に応じて装置に流入する炭化水素の量が変動する。炭化水素量の変動により、PFC分解助剤としての炭化水素の効果が発揮できなくなる場合は、炭化水素量を調整する装置を配置することがよい。例えば触媒式反応槽前段に炭化水素濃縮装置を設置し、PFC流入に合わせて炭化水素を供給できるようなシステムにすることが望ましい。
供給する炭化水素、及びその分解反応の一例を下記に示す。
CH4+2O2→CO2+2H2O (7)
C2H4+3O2→2CO2+2H2O (8)
C2H6+3.5O2→2CO2+3H2O (9)
C3H6+4.5O2→3CO2+3H2O (10)
C3H8+10O2→3CO2+4H2O (11)
C4H10+6.5O2→4CO2+5H2O (12)
炭化水素の分解反応は酸化反応である。PFC分解触媒と共に酸化触媒を設置することが望ましい。触媒反応槽では上流部にPFC分解触媒、下流部に酸化触媒を設置することが望ましい。上流部に酸化触媒を設置すると炭化水素がPFC分解助剤として機能する前にCO2とH2Oに酸化されてしまうためである。
C2H4+3O2→2CO2+2H2O (8)
C2H6+3.5O2→2CO2+3H2O (9)
C3H6+4.5O2→3CO2+3H2O (10)
C3H8+10O2→3CO2+4H2O (11)
C4H10+6.5O2→4CO2+5H2O (12)
炭化水素の分解反応は酸化反応である。PFC分解触媒と共に酸化触媒を設置することが望ましい。触媒反応槽では上流部にPFC分解触媒、下流部に酸化触媒を設置することが望ましい。上流部に酸化触媒を設置すると炭化水素がPFC分解助剤として機能する前にCO2とH2Oに酸化されてしまうためである。
上記反応式に示したように炭化水素を分解するためには少なくともモル比で2倍以上の酸素を供給する必要がある。酸化効率、及びPFC分解によって生成したCOの酸化に使われる酸素を考慮すると、少なくとも供給した炭化水素の当量比で3倍以上の酸素を供給することが望ましい。
以下、実施例によりさらに詳細を説明する。
図2は本発明の処理装置の一例を示したシステム構成図である。本システムは湿式除去装置100,触媒式反応槽110,ガス冷却装置120,酸性ガス除去装置130、及び排気設備140から構成される。PFC含有ガス10は、湿式除去装置100に送られ、固形物及び酸性ガスが除去される。湿式除去装置100から排出されたガスは触媒式反応槽110に送られ、被処理ガス中のPFCが分解除去される。その際、反応助剤として反応水21,空気11、及び炭化水素12を供給する。PFCを分解すると、酸性ガスのHF,SOx及びNOxが生成する。これらのガスはガス冷却装置120で冷却された後、酸性ガスが酸性ガス除去装置130で除去され、無害化された後排出される。
本実施例では湿式除去装置として充填塔型除去装置を例示しているが、充填塔型以外の湿式処理装置として、スプレー型,棚段型気液接触装置,スクラバなどがある。いずれも気液の接触が十分であることが望ましい。また、装置の内径が小さいと、装置内のガス線速度が大きくなり、ガスに同伴するミスト量も多くなる。したがって、装置内のガス流速が10m/min以上18m/min以下となるように設計することが望ましい。また、湿式処理装置への流入水として、水道水或いは装置内の循環水を使用することができるが、循環水のみを使用すると、循環水に溶解した固形物や酸性成分がミストとして多く排出される可能性がある。したがって、充填塔やスプレー塔に設置する場合、最上段のノズルからは水道水を流入し、棚段,スクラバからの流入水には水道水も流入させ、流入水中の酸性成分、及び固形物の濃度を低くすることが望ましい。また、流入水としては、水道水,循環水以外に、アルカリ水溶液等を用いてもよい。
PFCの分解に使用される触媒は、加水分解用あるいは酸化分解用の触媒であり、例えばAlとZn,Ni,Ti,Fe,Sn,Co,Zr,Ce,Si,W,Pt,Pdから選ばれた少なくとも1種を含む触媒である。触媒成分は酸化物,金属,複合酸化物などの形で含まれる。特にAlとNi,Zn,Ti,W,Co,Pdから選ばれた少なくとも1種との触媒が高いPFC分解性能を持つので好ましい。
PFCの加水分解に際して反応塔に添加される水蒸気の量は、加水分解に必要とされる理論水蒸気量の2〜50倍、通常は3〜30倍が好ましい。
PFCの加水分解温度は500〜850℃が好ましい。PFC濃度が高い場合には反応温度を高めにし、PFC濃度が1%以下の場合には反応温度を低めにするのがよい。反応温度が850℃よりも高くなると触媒が劣化しやすくなり、反応塔材料も腐食しやすくなる。反対に反応温度が500℃よりも低くなるとPFCの分解率が低下する。
実施例1では触媒式反応槽110の下流にガス冷却装置120を設置している。ガス冷却装置120ではノズル121により例えば水を噴霧してガス温度を所定温度に下げる。この方法の他、水冷方式あるいはガス冷却方式の一般的な熱交換器を使用してもよい。また、ガス中に圧縮空気などを導入して所定温度に制御してもよい。
酸性ガス除去装置としては一般的な湿式及び乾式除去装置を使用することができる。湿式の例としてはスプレー塔のほか、充填塔,スクラバ,棚段型気液接触装置がある。また、乾式の例として、酸性ガス除去剤による固定層,移動層,流動層型乾式除去装置がある。また、バグフィルタ方式もよい。酸性ガス除去剤としては、アルカリ金属,アルカリ土類金属の塩基性塩、例えば水酸化カルシウム,水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,水酸化マグネシウム,炭酸水素ナトリウム,炭酸ナトリウム,炭酸カルシウム,酸化カルシウムが使用できる。
酸性ガス除去装置の後段に排気設備140を設置することが望ましい。多流量のPFCを処理する際はできるだけ線速度を大きくすることが望ましいが、線速度を大きくする為にガス流量を増やすと装置内の圧力損失が大きくなる。排気設備としては一般的なエジェクタ、及びブロアが使用できるが、これ以外でも装置系内を負圧に保てるものであればどのような方法でもよい。
実施例1、及び後述の参考例1の結果から、触媒層を通過させるガスの線速度は、多流量のPFCを処理するためには2m/min以上に設定しないと触媒の耐久性能が著しく低くなることが分かった。また、線速度を上げすぎるとレイノルズ数が大きくなり、偏流が生じる可能性がある。線速度を上げる為にガス量を増加させると装置系内の圧力損失が上昇し、さらに安全な運転を行うための装置等が必要となる。従って触媒層を通過させるガスの線速度は2−15m/minとすることが望ましい。更に望ましくは2−10m/minとすることがよい。
〔参考例1〕
炭化水素の大気中放出を避けるため、まず、参考例1では、触媒による炭化水素分解性能を評価した。炭化水素としてはCH4,C2H4を供給して評価した。試験装置の構成を図3に示す。
炭化水素の大気中放出を避けるため、まず、参考例1では、触媒による炭化水素分解性能を評価した。炭化水素としてはCH4,C2H4を供給して評価した。試験装置の構成を図3に示す。
N2,Air,CH4及びC2H4をマスフローコントローラー20で調節して反応管50に供給した。N2,Air,CH4及びC2H4の流量をそれぞれ600,720,40、及び20ml/minに設定して供給した。触媒層入口におけるCH4及びC2H4濃度はそれぞれ2.90、及び1.45%とした。また、炭化水素流量と供給酸素流量の相対比は[O2]/[CH4]=3.8、[O2]/[C2H4]=7.6とした。また、H2Oを反応管50の上部へマイクロチューブポンプ80を用いて供給し、ガス化させた。尚、供給水量は0.13ml/minとした。この反応ガスをPFC分解触媒55、及び酸化触媒54と接触させた。触媒層にはPFC分解触媒100ml,酸化触媒10mlを充填した。反応管50は電気炉51によりPFC分解触媒55が700〜800℃となるように加熱した。反応管50は内径32mmのインコネル製である。反応管50から排出されたガスは水800mlを入れた酸性ガス吸収槽60で洗浄し、ミストキャッチャ70を通過させてミスト分を除去した。ミストキャッチャ70の後段に赤外分光高度計を設置し出口排ガス中のCH4、及びC2H4量を測定した。炭化水素の分解率は次式で求めた。
炭化水素分解率(%)=(1−(出口の炭化水素/供給した炭化水素))×100(13)
試験はPFC分解触媒のみを充填した場合とPFC分解触媒の下段に酸化触媒を設置した場合の二通りについて評価した。試験結果を図4に示す。酸化触媒有の条件ではC2H4では450℃以上、CH4では650℃以上の温度域で分解率が99%以上となることが確認された。しかし、酸化触媒無の条件では分解率99%以上を得る為にはCH4では800℃以上、C2H4では700℃以上の温度が必要であることが分かった。したがって、PFC分解触媒の下段には酸化触媒を設置することが推奨された。
試験はPFC分解触媒のみを充填した場合とPFC分解触媒の下段に酸化触媒を設置した場合の二通りについて評価した。試験結果を図4に示す。酸化触媒有の条件ではC2H4では450℃以上、CH4では650℃以上の温度域で分解率が99%以上となることが確認された。しかし、酸化触媒無の条件では分解率99%以上を得る為にはCH4では800℃以上、C2H4では700℃以上の温度が必要であることが分かった。したがって、PFC分解触媒の下段には酸化触媒を設置することが推奨された。
〔比較例1〕
本例は参考例1の比較として、CH4、及びC2H4分解において触媒を設置しない場合の挙動を評価した。試験装置は図3と同様とし、実験条件は参考例1記載の条件と同様とする。試験結果を図5に示す。
本例は参考例1の比較として、CH4、及びC2H4分解において触媒を設置しない場合の挙動を評価した。試験装置は図3と同様とし、実験条件は参考例1記載の条件と同様とする。試験結果を図5に示す。
触媒無の条件ではCH4,C2H4共に99%以上の分解率を得る為には800℃以上での運転が必要となる。また、図4との比較から、PFC分解触媒はCH4、及びC2H4の分解には寄与しておらず、酸化触媒を充填することで炭化水素分解性能は向上することが判った。
本実施例ではCH4、及びC2H4存在下でPFCの一種であるCF4を分解させた。試験装置は図3と同様とし、CF4以外のガス供給条件は参考例1と同様とした。CF4は6.0ml/min供給した。触媒層入口におけるCF4濃度は0.5%となる。また、触媒層の空間速度(=供給ガス量/触媒充填量)は1220h-1となる。試験結果を図6に示す。
CF4と共に炭化水素を供給した場合は650℃まで分解率99%以上を維持し、450℃における分解率でも72%を維持していた。しかし、炭化水素を供給しない場合は650℃において分解率が95%にまで低下し、550℃において29%にまで低下した。炭化水素を供給することで反応速度が増加し、反応温度の低減化だけでなく、温度依存性も小さくなることが判った。
これまでの実施例では炭化水素としてCH4、及びC2H4を同時に供給していた。本実施例では炭化水素としてCH4のみを流入させた場合のCF4分解性能の挙動を調べた。試験装置は図3と同様とし、N2,Air、及びCH4の供給量、及び触媒充填量は参考例1と同様とした。CF4供給量は実施例2に記載の条件とした。試験結果を図7に示す。
CF4とともにCH4を流入させた場合、CH4供給無しの条件に比べ、650℃では約1ポイント、600℃では約12ポイント、分解率が向上した。しかし、実施例3では650℃における分解率が99%を達成したにもかかわらず、本例では達成できなかった。この原因として炭化水素量が足りない為であると考え、供給するCH4量を変動させてCF4分解性能を評価した。CH4供給量を本例(3.0%)の半分である1.5%、1.5倍である4.5%供給した条件で評価した。650℃におけるCF4分解率を比較したものを図8に示す。
供給量を増やすにしたがい、CF4分解率は若干向上するが、CH4供給量1.5%と4.5%における分解率の差が1.0%以内であるため、CH4供給量の依存性は無いと判断される。C2H4においても同様の試験を実施したが、CH4供給条件と同様にCH4との同時供給よりも性能は低下し、且つ供給量依存性は確認されなかった。したがってこれらから、炭化水素一種類を供給することでCF4の低温活性は向上するが、二種類の炭化水素を同時に供給することで性能は更に向上すると考えられる。
本発明により、半導体や液晶工場で使用されたPFCガスの低温活性を向上させることができ、且つ、ランニングコストを低減することができる。地球温暖化ガスであるPFCを効率良く分解除去できることで環境負荷の低減に貢献できる。
20 マスフローコントローラー
53 酸化触媒
60 酸性ガス吸収槽
70 ミストキャッチャ
80 マイクロチューブポンプ
90 気体用FT−IR
100 充填塔
101 スプレーノズル
111 電気炉
113 PFC分解触媒
130 酸性ガス除去装置
140 排気設備
53 酸化触媒
60 酸性ガス吸収槽
70 ミストキャッチャ
80 マイクロチューブポンプ
90 気体用FT−IR
100 充填塔
101 スプレーノズル
111 電気炉
113 PFC分解触媒
130 酸性ガス除去装置
140 排気設備
Claims (11)
- フッ素化合物を含む被処理ガスを分解するフッ素化合物含有ガスの処理方法であって、
前記被処理ガスより酸性ガスまたは固形物の少なくともいずれかを除去する湿式除去工程と、被処理ガス中のフッ素化合物を触媒で分解するフッ素化合物分解工程とを有し、前記湿式除去前の被処理ガスに、もしくは前記湿式除去された被処理ガスに炭化水素を供給する炭化水素供給工程を有することを特徴とするフッ素化合物含有ガスの処理方法。 - 請求項1に記載されたフッ素化合物含有ガスの処理方法であって、前記フッ素化合物分解工程は、加水分解触媒による加水分解工程であることを特徴とするフッ素化合物含有ガスの処理方法。
- 請求項1または2に記載されたフッ素化合物含有ガスの処理方法であって、
前記フッ素化合物は、パーフルオロコンパウンド(PFC)を含むことを特徴とするフッ素化合物含有ガスの処理方法。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載されたフッ素化合物含有ガスの処理方法であって、
前記炭化水素は、メタン,エタン,エチレン,プロパン,プロピレン,ブタンの少なくともいずれかの炭化水素ガスを含むことを特徴とするフッ素化合物含有ガスの処理方法。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載されたフッ素化合物含有ガスの処理方法であって、
前記炭化水素は、メタン及びエチレンを含有することを特徴とするフッ素化合物含有ガスの処理方法。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載されたフッ素化合物含有ガスの処理方法であって、
前記フッ素化合物分解工程の前段に空気又は酸素供給工程と、水または水蒸気供給工程とを有することを特徴とするフッ素化合物含有ガスの処理方法。 - 請求項1ないし6のいずれかに記載されたフッ素化合物含有ガスの処理方法であって、
前記フッ素化合物分解工程は、フッ素化合物を加水分解しうる加水分解触媒による処理工程と、炭化水素を酸化分解しうる酸化触媒による処理工程を有し、前記加水分解触媒による処理工程を上流側に設けられていることを特徴とするフッ素化合物含有ガスの処理方法。 - フッ素化合物を含む被処理ガスを分解するフッ素化合物分解処理装置であって、
被処理ガスより酸性ガスや固形分等を除去する固形物除去装置と、被処理ガス中のフッ素化合物を触媒により分解するフッ素化合物分解装置と、被処理ガスを冷却する冷却装置と、フッ素化合物の分解により生じる被処理ガス中の酸性ガスを除去する酸性ガス除去装置とを有し、前記被処理ガス分解装置の前段に炭化水素供給装置を設けたことを特徴とするフッ素化合物分解処理装置。 - 請求項8に記載されたフッ素化合物分解処理装置であって、
前記固形物除去装置は被処理ガスと水またはアルカリ溶液を接触させる湿式処理装置であることを特徴とするフッ素化合物分解処理装置。 - 請求項8または9に記載されたフッ素化合物分解処理装置であって、
前記フッ素化合物分解装置は、フッ素化合物分解触媒及び酸化触媒を有し、前記フッ素化合物分解触媒は前記酸化触媒よりも前段側に設けられていることを特徴とするフッ素化合物分解処理装置。 - 請求項8ないし10のいずれかに記載されたフッ素化合物分解処理装置であって、
前記フッ素化合物処理装置の前段側に空気または酸素供給装置を備えたことを特徴とするフッ素化合物分解処理装置。
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