実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、本実施の形態のパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域(図43等参照)がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における下部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、「1」〜「9」の数字と「−」の記号を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、「1」〜「9」の数字と「−」の記号を可変表示するように構成されている。遊技盤6における下部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、「1」〜「9」の数字と「−」の記号を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、「1」〜「9」の数字と「−」の記号を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに「1」〜「9」の数字と「−」の記号)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、単色のLEDと7セグメントLEDとの組み合わせによって構成されていていもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、第1特別図柄の可変表示の実行条件である第1始動条件、または第2特別図柄の可変表示の実行条件である第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。
なお、この実施の形態において、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を停止表示させることである(いわゆる再変動の前の仮停止を除く。)。この実施の形態では、図柄の可変表示が開始されてから図柄の表示結果(停止図柄)が導出表示されるまでに複数回の演出図柄の仮停止が行われることがある(図111等参照)。
また、この実施の形態では、第1始動入賞口13への入賞と第2始動入賞口14への入賞のうち、第2始動入賞口14への入賞を優先させて可変表示の開始条件を成立させるようにしている。例えば第2始動入賞口14への入賞を優先させる場合には、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態であれば、第1保留記憶数が0でない場合でも、第2保留記憶数が0になるまで、第2特別図柄の可変表示を続けて実行する。なお、第1始動入賞口13への入賞を優先させて可変表示の開始条件を成立させるようにしてもよい。また、第1始動入賞口13への入賞および第2始動入賞口14への入賞に関わりなく、始動入賞が生じた順に可変表示の開始条件を成立させるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aの近傍には、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての第1飾り図柄の可変表示を行う第1飾り図柄表示器9aが設けられている。この実施の形態では、第1飾り図柄表示器9aは、2つのLEDで構成されている。第1飾り図柄表示器9aは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。また、第2特別図柄表示器8bの近傍には、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての第2飾り図柄の可変表示を行う第2飾り図柄表示器9bが設けられている。第2飾り図柄表示器9bは、2つのLEDで構成されている。第2飾り図柄表示器9bは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。
なお、第1飾り図柄と第2飾り図柄とを、飾り図柄と総称することがあり、第1飾り図柄表示器9aと第2飾り図柄表示器9bを、飾り図柄表示器と総称することがある。
また、第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bは、設けられていなくてもよい。
飾り図柄の変動(可変表示)は、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1飾り図柄表示器9aにおける第1飾り図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2飾り図柄表示器9bにおける第2飾り図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1飾り図柄表示器9aにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2飾り図柄表示器9bにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、所定条件が成立したときにソレノイド16によって開状態とされる。この実施の形態では、後述するように、普通図柄の可変表示結果が当りとなったときに、可変入賞球装置15が所定時間開状態とされる。なお、この実施の形態では、遊技状態が確変状態(確率変動状態)または時短状態(時間短縮状態)であるときには、通常状態であるときと比較して可変入賞球装置15が長い時間開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第1飾り図柄表示器9aの側方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2飾り図柄表示器9bの側方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
図1には示していないが、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(以下、合算保留記憶表示領域という。図77参照。)が設けられている。合計数を表示する合算保留記憶表示領域が設けられているので、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、合算保留記憶表示領域が設けられているので、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bは、設けられていなくてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技領域6には、遊技球の入賞にもとづいてあらかじめ決められている所定数の景品遊技球の払出を行うための入賞口(普通入賞口)29,30,33,39も設けられている。入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで検出される。
遊技盤6の右側方下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に(所定条件が成立したときに)、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。なお、普通図柄の可変表示結果が当りとなった場合に限らず、例えば、遊技球がゲート32を通過したことにもとづいて所定条件が成立したと判断して、可変入賞球装置15を開状態に制御するようにしてもよい。この場合、例えば、遊技球がゲート32を通過すると、普通図柄の可変表示を行うことなく、直ちに可変入賞球装置15を開状態に制御するようにしてもよい。また、例えば、遊技球がゲート32を通過すると、普通図柄の可変表示は行うものの、普通図柄の可変表示結果を当りとするか否かを判定することなく、無条件に可変入賞球装置15を開状態に制御するようにしてもよい。この場合、普通図柄の当りを示す当りフラグを格納する領域が不要となり、RAM容量を削減することができる。
普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
さらに、通常状態および時短状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、普通図柄の可変表示時間が短縮され、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)においても、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、普通図柄の可変表示時間が短縮され、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。なお、通常状態と比較して可変入賞球装置15の開放期間が延長された状態は、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められた状態を意味する。確変状態または時短状態であるときに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数のいずれも高める必要はなく、可変入賞球装置15の開放時間のみを長くするようにしてもよく、開放回数のみを増やしてもよい。
この実施の形態では、確変状態において特別図柄の停止図柄が大当り図柄となる確率が通常状態および時短状態よりも高いことを除いて、確変状態と時短状態とは同じように制御される。すなわち、確変状態および時短状態のいずれの状態においても、特別図柄の可変表示時間が短縮され、普通図柄の可変表示結果の当りとなる確率が高められ、普通図柄の可変表示時間が短縮され、可変入賞球装置15の開放延長が行われる。このように、この実施の形態では、確変状態においても特別図柄の可変表示時間が短縮されるので、この実施の形態における確変状態を確変時短状態といってもよい。なお、確変状態と時短状態とで異なる制御を行うようにしてもよい。例えば、時短状態のときにのみ、特別図柄の可変表示時間を短縮するようにしてもよい。
なお、確変状態や時短状態のときのように、普通図柄の可変表示結果の当りとなる確率が高められ、普通図柄の可変表示時間が短縮され、可変入賞球装置15の開放延長が行われている遊技状態を高ベース状態といい、通常状態のときのように高ベース状態でない遊技状態を低ベース状態という。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。また、左枠ランプ28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第1飾り図柄表示器9aにおいて第1飾り図柄の可変表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄、第1飾り図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第2飾り図柄表示器9bにおいて第2飾り図柄の可変表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄、第2飾り図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
次に、大当りの種別および小当りについて説明する。
特別図柄の停止図柄が大当り図柄のうちの確変図柄(後述する突然確変図柄を除く。)になると、大当り遊技状態(以下、確変大当りという。)に移行する。すなわち、一定時間(例えば29.5秒)が経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで特別可変入賞装置20が開放される。なお、特別可変入賞装置20が開放されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の打球が大入賞口に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。この実施の形態では、停止図柄が確変図柄(後述する突然確変図柄を除く。)になったことにもとづいて大当り遊技状態に移行されたときは、大当り遊技状態が15ラウンド継続される。
また、特別図柄の停止図柄が大当り図柄のうちの非確変図柄になると、大当り遊技状態(以下、非確変大当りまたは通常大当りという。)に移行する。すなわち、一定時間(例えば29.5秒)が経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで特別可変入賞装置20が開放される。この実施の形態では、停止図柄が非確変図柄になったことにもとづいて大当り遊技状態に移行されたときも、大当り遊技状態が15ラウンド継続される。
また、特別図柄の停止図柄が特別な確変図柄(以下、突然確変図柄という。)になると、遊技状態が確変状態に突然移行されたように遊技者に認識させる特別な大当り遊技状態(以下、突然確変大当りという。)に移行する。突然確変大当りでは、特別可変入賞装置20が短い期間(例えば5秒)だけ2回開放される。突然確変大当りにおいて、特別可変入賞装置20が開放されてから閉鎖されるまでが1ラウンドであり、突然確変大当りの遊技状態が2ラウンドだけ継続されることになる。突然確変大当りが発生したときは、15ラウンドの大当りの場合と異なり、演出表示装置9において各ラウンドの演出が順に進行していくのではなく、突然、遊技状態が確変状態に移行したように遊技者に見せるための特別な演出が実行される。
また、特別図柄の停止図柄が小当り図柄になると、大当り遊技状態よりも遊技者に付与される遊技価値が小さい小当り遊技状態に移行する。すなわち、短い期間(例えば5秒)だけ特別可変入賞装置20が2回開放される遊技状態に移行する。このように、小当り遊技状態では、突然確変大当りが発生したときに遊技者に付与される遊技価値と同じ遊技価値が付与されることになる。しかし、突然確変大当りの場合と異なり、小当り遊技状態の終了後に遊技状態が確変状態に移行されない。このことから、遊技者は、小当りよりも突然確変大当りの発生を期待する。なお、小当りが発生したときも、突然確変大当りのときと同様の特別な演出が実行される。このような特別な演出を2ラウンド用演出という。
次に、遊技状態の遷移について説明する。
(1)通常状態または時短状態のときに確変図柄(突然確変図柄を除く)で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、遊技状態が通常状態または時短状態から確変状態に移行される。これによって、特別図柄および普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、特別図柄および普通図柄等の変動時間が短縮され、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められる。また、演出表示装置9の表示画面の背景(背景画像および背景色のいずれか一方または双方)が確変状態中であることを示す背景に変更される。
(2)確変状態のときに確変図柄(突然確変図柄を除く)で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、確変状態が変化しないで維持される。これによって、継続して、特別図柄および普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮され、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められる。また、演出表示装置9の表示画面の背景が確変状態中であることを示す背景に変更される。
(3)通常状態または時短状態のときに突然確変図柄で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、遊技状態が通常状態または時短状態から確変状態に移行される。これによって、特別図柄および普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮され、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められる。なお、突然確変大当り遊技の終了後は、演出モードが確変状態に移行されたことを期待させる演出モードに変更される。
(4)確変状態のときに突然確変図柄で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、確変状態が変化しないで維持される。これによって、継続して、特別図柄および普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮され、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められる。なお、突然確変大当り遊技の終了後は、演出モードが確変状態に移行されたことを期待させる演出モードに変更される。
(5)通常状態または時短状態のときに非確変図柄で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、大当り終了後の所定の変動回数(例えば100回)だけ時短状態に制御される。すなわち、遊技状態が通常状態であったときは通常状態から時短状態に所定の変動回数だけ移行され、遊技状態が時短状態であったときは所定の変動回数だけ時短状態が継続される。このとき、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮され、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められる。また、演出表示装置9の表示画面の背景が時短状態中であることを示す背景に変更される。そして、所定の変動回数の変動が開始されるときに遊技状態が時短状態から通常状態に移行される。このとき、演出表示装置9の表示画面の背景が通常状態中であることを示す背景に変更される。
(6)確変状態のときに非確変図柄で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、大当り終了後の所定の変動回数(例えば100回)だけ時短状態に制御される。すなわち、確変状態から時短状態に所定の変動回数だけ移行される。このとき、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮され、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められる。また、演出表示装置9の表示画面の背景が時短状態中であることを示す背景に変更される。そして、所定の変動回数の変動が開始されるときに遊技状態が時短状態から通常状態に移行される。このとき、演出表示装置9の表示画面の背景が通常状態中であることを示す背景に変更される。
(7)通常状態、時短状態または確変状態のときに小当り図柄で小当りになり、その小当り遊技が終了すると、通常状態、時短状態または確変状態が変化しないで継続される。なお、小当り遊技の終了後は、演出モードが確変状態に移行されたことを期待させる演出モードに変更される。
なお、以上のような遊技状態の遷移は一例であって、このような構成に限られるわけではない。
なお、この実施の形態では、演出図柄の確変図柄を「1」「3」「5」「7」のいずれかの奇数の同一図柄が揃った組み合わせとし、非確変図柄を「2」「4」「6」「8」のいずれかの偶数の同一図柄が揃った組み合わせとしているが、例えば、演出図柄の確変図柄を「3」「5」「7」のいずれかの奇数の同一図柄が揃った組み合わせとし、非確変図柄を「4」「6」「8」のいずれかの偶数の同一図柄が揃った組み合わせとし、「1」「2」のいずれかの同一図柄が揃った組み合わせを確変図柄でも非確変図柄でもない大当り図柄(確変か否かを認識できない大当り図柄)としてもよい。この場合、通常大当りおよび確変大当りが決定されたときに所定の割合(例えば乱数抽選等により決定する)で大当り図柄を、確変図柄でなく非確変図柄でもない大当り図柄(「1」または「2」)とすることにより、遊技状態が時短状態に移行されたか確変状態に移行されたかをわからなくすることができる。
次に、演出表示装置9における演出図柄の表示(可変表示、停止表示、仮停止表示)、停止図柄等について説明する。
演出表示装置9の演出図柄表示領域では、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の可変表示に対応して、演出図柄の可変表示が行われる。すなわち、演出表示装置9の演出図柄表示領域では、第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が成立したことに基づいて、演出図柄表示領域における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアにて演出図柄の変動を開始させ、例えば「左」→「右」→「中」といった所定順序で演出図柄の可変表示結果となる確定演出図柄を停止表示(導出表示)する。なお、確定演出図柄を停止表示する手順としては、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにおいて所定順序で演出図柄を停止表示するものに限定されず、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアにおいて同時に確定演出図柄となる演出図柄を停止表示するものが含まれていてもよい。
演出図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアにおける確定演出図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、演出図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、演出表示装置9にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにおける一部(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリアなど)では予め定められた大当り組合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの演出図柄表示エリア(例えば「中」の演出図柄表示エリアなど)では演出図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにおける全部または一部で演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。また、リーチ状態となったことに対応して、演出表示装置9に演出図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、演出図柄の変動態様を変化させたりすることがある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、演出図柄の変動態様の変化を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。
また、演出図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを、演出図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための特定演出が実行されることがある。この実施の形態では、「滑り」、「擬似連(チャンス目)」、「メイン予告」、「発展チャンス目」、「発展チャンス目終了」といった特定演出が実行可能に設定されている。なお、この実施の形態における特定演出は、対応する演出動作が実行されるか否か応じて特図変動時間が変化するものであればよい。例えば、特定演出が実行される場合には、特定演出が実行されない場合に比べて、特図変動時間が長くなるものであればよい。
「滑り」の特定演出では、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにおける全部にて演出図柄を変動させてから、2つ以上の演出図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリアなど)にて演出図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した演出図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」または「2」)の演出図柄表示エリア(例えば「左」の演出図柄表示エリアと「右」の演出図柄表示エリアのいずれか一方または双方)にて演出図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する演出図柄を変更させる演出表示が行われる。なお、仮停止表示では、演出図柄が停留して表示される一方で、例えば揺れ変動表示を行うことや短時間の停留だけで直ちに演出図柄を再変動させることなどによって、遊技者に停止表示された演出図柄が確定しない旨を報知すればよい。あるいは、仮停止表示でも、停止表示された演出図柄が確定したと遊技者が認識する程度に演出図柄を停留させてから、演出図柄を再変動させるようにしてもよい。
「擬似連(チャンス目)」の特定演出では、特図ゲーム(可変表示ゲームの一例)の第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに基づき、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにおける全部にて演出図柄を変動させてから、全部の演出図柄表示エリアにて演出図柄を仮停止表示させた後、全部の演出図柄表示エリアにて演出図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大4回まで)行うことができる。一例として、「擬似連(チャンス目)」の特定演出では、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにて、図2(A)に示す擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれかを構成する演出図柄が仮停止表示される。ここで、「左図柄」は「左」の演出図柄表示エリアに表示(停止表示または仮停止表示)される演出図柄であり、「中図柄」は「中」の演出図柄表示エリアに表示される演出図柄であり、「右図柄」は「右」の演出図柄表示エリアに表示される演出図柄である。なお、擬似連チャンス目GC1〜GC8は、特殊組合せに含まれる演出図柄の組合せとして、予め定められていればよい。
「メイン予告」の特定演出では、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアにおける全部にて演出図柄を変動させてから、全部の演出図柄表示エリアにて確定演出図柄が停止表示(最終停止表示)される以前に、例えばリーチ演出と予め関連づけられた演出表示あるいは予め関連づけられた演出表示とは異なる演出表示により、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを、遊技者に報知するための演出表示が、メイン予告演出となる演出動作として行われる。
「発展チャンス目」の特定演出では、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアにおける全部にて演出図柄を変動させてから、全部の演出図柄表示エリアにて、予め定められた特殊組合せに含まれる発展チャンス目を構成する演出図柄を仮停止表示させた後、演出図柄の可変表示状態をリーチ状態として所定のリーチ演出が開始される。一例として、「発展チャンス目」の特定演出では、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにて、図2(B)に示す発展チャンス目HC1〜HC8のいずれかを構成する演出図柄が仮停止表示される。そのため、発展チャンス目HC1〜HC8のいずれかが仮停止表示されることにより、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となることや、リーチ状態となった後に可変表示結果が「大当り」となることに対する、遊技者の期待感が高められる。
「発展チャンス目終了」の特定演出では、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアにおける全部にて演出図柄を変動させてから、全部の演出図柄表示エリアにて、発展チャンス目として予め定められた組合せの演出図柄を、確定演出図柄として停止表示(最終停止表示)させる演出表示が行われる。一例として、「発展チャンス目終了」の特定演出では、「発展チャンス目」の特定演出で仮停止表示される発展チャンス目HC1〜HC8のいずれかが、確定演出図柄として停止表示される。
さらに、演出図柄の可変表示中には、リーチ演出や特定演出とは異なり、例えば所定のキャラクタ画像やメッセージ画像を表示することなどといった、演出図柄の可変表示態様以外の表示態様により、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを、遊技者に報知するためのサブ予告演出が実行されることがある。この実施の形態では、「キャラクタ表示」、「ステップアップ画像」、「メール表示」といったサブ予告演出が実行可能に設定されている。なお、この実施の形態におけるサブ予告演出は、対応する演出動作が実行されるか否かによっては特別図柄の変動時間に変化が生じないものであればよい。
「キャラクタ表示」のサブ予告演出では、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアにおける全部にて演出図柄を変動させてから、2つ以上の演出図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリアなど)にて演出図柄を仮停止表示させる以前に、演出表示装置9の表示領域における所定位置に予め用意されたキャラクタ画像を表示させる演出表示が行われる。
「ステップアップ画像」のサブ予告演出では、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアにおける全部にて演出図柄を変動させてから、2つ以上の演出図柄表示エリアにて演出図柄を仮停止表示させる以前に、演出表示装置9の表示領域にて、予め用意された複数種類の演出画像を所定の順番に従って切り替えて表示させる演出表示が行われることがある。なお、「ステップアップ画像」のサブ予告演出では、予め用意された複数種類の演出画像のうちいずれか1つ(例えば所定の順番において最初に表示される演出画像など)が表示された後、演出画像が切り替えられることなく、サブ予告演出における演出表示を終了させることがあるようにしてもよい。
「メール表示」のサブ予告演出では、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアにおける全部にて演出図柄を変動させてから、2つ以上の演出図柄表示エリアにて演出図柄を仮停止表示させる以前に、例えば演出表示装置9の表示領域における演出画像の表示を変更させるといった、演出動作が変化する演出表示が行われる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定演出図柄、あるいは、特殊組合せのうち発展チャンス目HC1〜HC8のいずれかとなる確定演出図柄が、停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、15ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち通常大当り図柄(例えば「3」の数字を示す特別図柄)が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定の通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示される。ここで、通常大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。このように通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。そして、特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、通常大当り組合せの確定演出図柄が停止表示される演出図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「通常」(「通常大当り」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、15ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち確変大当り図柄(例えば「7」の数字を示す特別図柄)が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、演出図柄の可変表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定の確変大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。ここで、確変大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。このように確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である演出図柄は、確変図柄と称される。そして、特図ゲームにおける確定特別図柄が確変大当り図柄となることに対応して、演出図柄の可変表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、確変大当り組合せの確定演出図柄が停止表示される演出図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「第1確変」の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、15ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち確変大当り図柄(例えば「7」の数字を示す特別図柄)が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、可変表示態様が「通常」である場合とは異なるリーチ演出が実行された後に、所定の確変大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このように特図ゲームにおける確定特別図柄が確変大当り図柄となることに対応して、演出図柄の可変表示態様が「通常」である場合とは異なるリーチ演出が実行された後に、確変大当り組合せの確定演出図柄が停止表示される演出図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「第2確変」の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、15ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち確変大当り図柄(例えば「7」の数字を示す特別図柄)が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、演出図柄の可変表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、通常大当り組合せの確定演出図柄が停止表示されることがある。このように特図ゲームにおける確定特別図柄が確変大当り図柄となることに対応して、演出図柄の可変表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、通常大当り組合せの確定演出図柄が停止表示される演出図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「第3確変」の可変表示態様と称される。
このように、演出図柄の可変表示態様が「第1確変」や「第2確変」となる場合には、演出図柄の可変表示にて確変大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることで、15ラウンド大当り状態に制御された後に確変状態となることが確定する。その一方で、演出図柄の可変表示態様が「第3確変」となる場合には、可変表示態様が「通常」となる場合と同様に、演出図柄の可変表示にて通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示される。そのため、可変表示態様が「第3確変」となる場合には、確変状態となるか否かを、演出図柄の可変表示結果からは遊技者が認識することはできない。すなわち、確変大当り組合せとなる確定演出図柄は、大当り遊技状態に制御されることが確定する特定表示結果に含まれるとともに、確変状態に制御されることが確定する特別表示結果に含まれる。その一方で、通常大当り組合せとなる確定演出図柄は、確変状態に制御されることが確定しない特別表示結果以外の特定表示結果に含まれる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、2ラウンド大当り図柄(例えば「5」の数字を示す特別図柄)が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されること、あるいは、図2(B)に示す発展チャンス目HC1〜HC8のいずれかとなる確定演出図柄が停止表示されること、あるいは、図2(C)に示す突確チャンス目TC1〜TC4のいずれかとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。なお、突確チャンス目TC1〜TC4は、特殊組合せに含まれる演出図柄の組合せとして、予め定められていればよい。また、特図ゲームにおける確定特別図柄として、2ラウンド大当り図柄(例えば「5」の数字を示す特別図柄)が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このように特図ゲームにおける確定特別図柄が2ラウンド大当り図柄である「5」の数字を示す特別図柄となることに対応して、各種の確定演出図柄が停止表示される演出図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「突確」(「突確大当り」あるいは「突然確変大当り」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、小当り図柄(例えば「1」の数字を示す特別図柄)が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示態様が「突確」である場合と同様にして演出図柄の可変表示が行われた後、所定の非リーチ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されること、あるいは、図2(B)に示す発展チャンス目HC1〜HC8のいずれかとなる確定演出図柄が停止表示されること、あるいは、所定のリーチ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このように特図ゲームにおける確定特別図柄が小当り図柄である「1」の数字を示す特別図柄となることに対応して、各種の確定演出図柄が停止表示される演出図柄の可変表示態様は、「小当り」の可変表示態様と称される。ここで、図2(C)に示す突確チャンス目TC1〜TC4のいずれかとなる確定演出図柄は、演出図柄の可変表示態様が「突確」となる場合に限り停止表示され、可変表示態様が「小当り」となる場合などには確定演出図柄として停止表示されない。すなわち、演出図柄の可変表示にて突確チャンス目TC1〜TC4のいずれかとなる確定演出図柄が停止表示された場合には、「突確」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となることが確定する。可変表示結果が「小当り」となった後には、2ラウンド大当り状態と同様の可変入賞動作が行われる小当り遊技状態に制御され、その小当り遊技状態が終了すると、遊技状態が変更されないことから、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態が継続する。
可変表示結果が「大当り」となる場合における演出図柄の可変表示態様が「通常」、「第1確変」、「第3確変」のいずれかである場合には、演出図柄の可変表示中に、特定変動表示としての変動中昇格演出が実行されることがある。変動中昇格演出では、演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアの有効ライン上に通常大当り組合せとなる演出図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアにて同一の演出図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる演出図柄と、通常大当り組合せとなる演出図柄のうちいずれかを、確定演出図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、演出図柄の可変表示態様が「通常」や「第3確変」であることに対応して変動中昇格演出が実行される場合には、その変動中昇格演出として、仮停止表示させた演出図柄を再変動させた後に通常大当り組合せとなる確定演出図柄を停止表示する変動中昇格失敗演出が行われる。これに対して、可変表示態様が「第1確変」であることに対応して変動中昇格演出が実行される場合には、その変動中昇格演出として、仮停止表示させた演出図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定演出図柄を停止表示する変動中昇格成功演出が行われる。
可変表示結果が「大当り」となる場合における演出図柄の可変表示態様が「通常」と「第3確変」のいずれかである場合には、可変表示結果が停止表示されてから、15ラウンド大当り状態に制御された後、その15ラウンド大当り状態が終了するまでの期間にて、確変状態に制御するか否かの大当り中昇格演出が実行される。ここで、大当り中昇格演出が実行されるタイミングは、可変表示結果が停止表示されてから、15ラウンド大当り状態における最初のラウンドが開始される以前の期間であってもよいし、15ラウンド大当り状態においていずれかのラウンドが実行中の期間であってもよいし、15ラウンド大当り状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間であってもよいし、15ラウンド大当り状態において最終のラウンドが終了してから、次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間であってもよい。あるいは、15ラウンド大当り状態の終了後における最初の特別図柄や演出図柄の変動中に、大当り中昇格演出に相当する演出動作が行われるようにしてもよい。15ラウンド大当り状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
大当り中昇格演出には、確定演出図柄が通常大当り組合せであるにもかかわらず遊技状態が確変状態となる昇格がある旨を報知する大当り中昇格成功演出と、確変状態となる昇格がない旨を報知する大当り中昇格失敗演出とがある。一例として、大当り中昇格演出では、演出表示装置9にて演出図柄を可変表示させ、通常図柄と、確変図柄のうちいずれかを、演出表示結果として停止表示させる。このとき、大当り中昇格失敗演出では通常図柄を演出表示結果として停止表示させる一方、大当り中昇格成功演出では確変図柄を演出表示結果として停止表示させればよい。他の一例として、大当り中昇格演出では、演出表示装置9にてルーレットゲームを示す演出画像の表示を行う。このとき、大当り中昇格失敗演出では回転するルーレットに投入されたボールが「偶数」に入って「残念!」という演出画像の表示を行う一方、大当り中昇格成功演出では回転するルーレットに投入されたボールが「奇数」に入って「確変!」という演出画像の表示を行う。特図ゲームにおける確定特別図柄として「7」の数字を示す特別図柄が停止表示されることに対応して、「第3確変」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となった後には、大当り遊技状態が終了するまでに、大当り中昇格成功演出を実行することにより、確変状態となる昇格がある旨を報知する。特図ゲームにおける確定特別図柄として「3」の数字を示す特別図柄が停止表示されることに対応して、「通常」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となった後には、大当り遊技状態が終了するまでに、大当り中昇格成功演出を実行せず、確変状態となる昇格がある旨の報知は行われない。
演出表示装置9では、第1特別図柄表示器8aによる第1特図を用いた特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して「左」の色図柄表示エリアにおける色図柄の可変表示が行われ、第2特別図柄表示器8bによる第2特図を用いた特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して「右」の色図柄表示エリアにおける図柄の可変表示が行われる。そして、第1特別図柄表示器8aによる第1特図を用いた特図ゲームにて確定特別図柄が停止表示されるときには、「左」の色図柄表示エリアにて確定色図柄が停止表示される。一例として、第1特図を用いた特図ゲームにおける確定特別図柄として2ラウンド大当り図柄となる「5」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、「左」の色図柄表示エリアでは確定色図柄として「黄色」を示す色図柄が停止表示される。また、第1特図を用いた特図ゲームにおける確定特別図柄として15ラウンド大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかが停止表示される場合には、「左」の色図柄表示エリアでは確定色図柄として「赤色」を示す色図柄が停止表示される。さらに、第1特図を用いた特図ゲームにおける確定特別図柄としてハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄が停止表示される場合には、「左」の色図柄表示エリアでは確定色図柄として「青色」を示す色図柄が停止表示される。その一方で、第1特図を用いた特図ゲームにおける確定特別図柄として小当り図柄となる「1」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、「左」の色図柄表示エリアでは確定色図柄として「緑色」を示す色図柄が停止表示される。第2特図を用いた特図ゲームにおける確定特別図柄として15ラウンド大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかが停止表示される場合には、「右」の色図柄表示エリアでは確定色図柄として「赤色」を示す色図柄が停止表示される。第2特図を用いた特図ゲームにおける確定特別図柄としてハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄が停止表示される場合には、「右」の色図柄表示エリアでは確定色図柄として「青色」を示す色図柄が停止表示される。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや合算保留記憶数カウンタの値、時短回数カウンタの値、遊技状態を示すフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bと、演出図柄を可変表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
図4は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図4に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、出力ポート106を介して第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bの表示制御を行うとともに、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図4には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図3に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾ランプ25に供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図5は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。なお、ルーチンとは、プログラムにおいて、特定の処理を実行するための命令(コード)の集まりのことである。ある処理を行うための一連の命令を手順として記述したプロシージャや、与えられた情報に演算処理を加えて処理の結果を返す機能であるファンクション(関数)などがルーチンに分類される。特に個別のプログラムコードとして独立していなくても、ある分量のコードが特定の処理のために集中して配置されていれば、その部分はルーチンであるとみなすことができる。ルーチンはプログラム内での立場によって大きく2つに分けられ、プログラムを開始する際に最初に呼び出され、プログラム全体の進行を管理するルーチンを「メインルーチン」、プログラムの実行中に他のルーチンから呼び出されて動作するルーチンを「サブルーチン」と呼ぶ。
遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜S15。S44,S45を含む。)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグ、合算保留記憶数カウンタの値、時短回数カウンタの値など)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧に関するコマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。ここで、停電復旧に関するコマンドとしては、停電復旧画面を表示することを指定する停電復旧指定コマンド、停電発生時の遊技状態を指定する停電時遊技状態指定コマンド、停電発生時の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドが設けられている。なお、合算保留記憶数指定コマンドを送信する代わりに、第1保留記憶数をカウントする第1保留記憶数カウンタの値にもとづいて、第1保留記憶数を指定するコマンド(第1保留記憶数指定コマンド)を送信し、第2保留記憶数をカウントする第2保留記憶数カウンタの値にもとづいて、第2保留記憶数を指定するコマンド(第2保留記憶数指定コマンド)を送信するようにしてもよい。また、第1保留記憶数カウンタの値や第2保留記憶数カウンタの値が0のときは、それらのコマンドを送信しないようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
さらに、CPU56は、異常報知禁止フラグをセットするとともに(ステップS44)、禁止期間タイマに禁止期間値に相当する値を設定する(ステップS45)。禁止期間値は、後述する異常入賞の報知を禁止する期間を示す値である。また、異常報知禁止フラグは、異常入賞の報知が禁止されていることを示すフラグであり、禁止期間タイマがタイムアウトするまでセット状態に維持される。よって、演出表示装置9において初期化報知が開始されてから所定期間は、異常入賞の報知の開始が禁止される。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行う。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図6に示すステップS20〜S35のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS33,S34で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、CPU56は、正規の時期以外の時期において大入賞口に遊技球が入賞したことを検出した場合に異常入賞の報知を行わせるための処理を行う(ステップS23:異常入賞報知処理)。
次に、遊技制御に用いられる大当り図柄決定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS24)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS25,S26)。
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)MR1:第1特別図柄および第2特別図柄のはずれ図柄(停止図柄)を決定する(はずれ図柄決定用)
(2)MR2−1:大当りを発生させるときの大当りの種別(「通常」「第1確変」「第2確変」「第3確変」「突確」)を決定する(大当り種別決定用)
(3)MR2−2:大当りの判定結果がはずれの場合に演出図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否か(リーチを発生させるか否か)を決定する(リーチ判定用)
(4)MR3:演出図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)の変動パターン種別を、予め用意された複数種類のいずれかに決定する(変動パターン種別決定用)
(5)MR4:演出図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)の変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン決定用)
(6)MR5:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(7)MR6:MR5の初期値を決定する(MR5初期値決定用)
図6に示された遊技制御処理におけるステップS24では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(2)の大当り種別決定用乱数、および(6)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(7)の乱数以外の乱数も用いるようにしてもよい。例えば、大当り種別決定用乱数の初期値を決定するためのMR2−1初期値用乱数を設けてもよい。そして、MR5初期値用乱数に加えてMR2−1初期値用乱数もステップS18,S25の初期値用乱数更新処理で更新するようにしてもよい。そのようにすれば、大当り決定時の大当り種別(特別図柄の大当り図柄)をよりランダムに決定することができ、特に確変図柄(例えば、「7」)や突然確変図柄(例えば、「5」)をよりランダムに発生させることができる。そのため、確変大当りをよりランダムに発生させることができ、遊技の興趣を高めることができる。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(乱数回路503)が生成する乱数であるが、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560によってプログラムにもとづいて生成されるソフトウェア乱数を用いてもよい。なお、乱数回路503を遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵させずに、遊技制御用マイクロコンピュータ560とは別の回路であってもよい(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外付けであってもよい)。
また、この実施の形態では、第1特別図柄の変動に関しても第2特別図柄の変動に関しても図7に示された乱数(特に、MR1,MR2−1,MR2−2,MR3,MR4)を用いるが、第1特別図柄の変動に関する乱数と第2特別図柄の変動に関する乱数とを別にしてもよい。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態および可変入賞球装置15の開閉状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS29)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS32:出力処理)。
また、CPU56は、後述する変動パターン設定処理でセットされる開始フラグや特別図柄プロセスフラグの値に応じて、特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理で開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。なお、開始フラグおよび終了フラグを用いずに、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて表示制御データの値を更新するようにしてもよい。例えば、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が変動パターン設定処理に対応した値(この実施の形態では1)となると、特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄停止処理に対応した値(この実施の形態では4)となるまで、0.2秒が経過する毎に表示制御データの値を+1するようにしてもよい。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示を実行する。
なお、CPU56は、例えば、後述する特別図柄ポインタを確認し、第1特別図柄と第2特別図柄のうち特別図柄ポインタが示す特別図柄に対応する方の特別図柄表示器8a,8bにおける可変表示を実行する。このとき、第2特別図柄の可変表示を第1特別図柄の可変表示に優先して実行するので、CPU56は、合算保留記憶数が0でない場合に、第2保留記憶数が0であるかどうかを確認し、第2保留記憶数が0でなければ特別図柄ポインタに「第1」を設定し、第2保留記憶数が0であれば特別図柄ポインタに「第2」を設定する。なお、始動入賞順に特別図柄の可変表示を行う場合には、例えば、後述する保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)を確認し、保留特定領域の1つ目の領域にセットされているデータが「第1」であるか「第2」であるかにもとづいて、特別図柄ポインタに「第1」または「第2」を設定する。そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータにもとづいて、第1特別図柄の可変表示であるか第2特別図柄の可変表示であるかを特定して、特定した特別図柄に対応する方の特別図柄表示器8a,8bにおける可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS34)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。なお、開始フラグおよび終了フラグを用いずに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値にもとづいて表示制御データの値を切り替えるようにしてもよい。例えば、普通図柄プロセス処理において、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値にもとづいて、ゲート通過記憶数を確認して普通図柄を当りとするか否かや普通図柄の停止図柄を決定する普通図柄通常処理、普通図柄の変動中の各種処理を実行する普通図柄変動処理、普通図柄を停止表示する普通図柄停止処理、普通図柄が当りとなった後に普通電動役物(可変入賞球装置15)の開閉制御を行う普通電動役物作動処理を実行する。この場合、例えば、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄変動処理に対応した値(例えば1)となると、普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄停止処理に対応した値(例えば2)となるまで、0.2秒が経過する毎に表示制御データの値を+1するようにしてもよい。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS35)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S34(ステップS30を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図8は、大当り判定テーブルおよび大当り種別決定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、0〜65535の数値範囲内で更新されるランダムR(大当り判定用乱数)と比較される大当り判定値および小当り判定値が設定されているテーブルである(図8(A)(B))。大当り判定テーブルには、通常状態または時短状態において用いられる通常時大当り判定テーブル(図8(A)参照)と、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブル(図8(B)参照)とがある。図8(A),(B)の左欄に記載されている数値が大当り判定値および小当り判定値である。CPU56は、ランダムRの値と大当り判定値とを比較し、ランダムRの値がいずれかの大当り判定値と一致すると、大当りとすることに決定する。また、CPU56は、ランダムRの値と小当り判定値とを比較し、ランダムRの値がいずれかの小当り判定値と一致すると、小当りとすることに決定する。
また、大当り種別決定テーブルとは、大当り種別決定用乱数(MR2−1)と比較される各大当り種別(「通常」「第1確変」「第2確変」「第3確変」「突確」)に割り振られる判定値が設定されているテーブルである(図8(C))。ランダムRにもとづいて大当りとすることに決定された場合には、大当り種別決定用乱数にもとづいて大当り種別が決定される。ここで、大当り種別と特別図柄の大当り図柄とは対応している。具体的には、大当り種別として「通常大当り」が決定されたときは、特別図柄の停止図柄(確定特別図柄)が「3」となる。大当り種別として「確変大当り(第1確変大当り、第2確変大当り、第3確変大当り)」が決定されたときは、特別図柄の停止図柄(確定特別図柄)が「7」となる。大当り種別として「突然確変大当り」が決定されたときは、特別図柄の停止図柄(確定特別図柄)が「5」となる。なお、この実施の形態では、図8(C)に示すように、第1特別図柄用の大当り種別決定テーブルと、第2特別図柄用の大当り種別決定テーブルとが別々に設けられており、第1特別図柄用の大当り種別決定テーブルには、大当り種別「突確」(突然確変大当り)に判定値が割り振られているが、第2特別図柄用の大当り種別決定テーブルには、大当り種別「突確」(突然確変大当り)に判定値が割り振られていない。したがって、第2始動入賞の発生にもとづき大当りが発生したときは、大当り種別として「突確」が決定されないことになる。つまり、この実施の形態では、第1始動入賞の発生にもとづき大当りが発生したときは、大当り遊技状態が2ラウンド継続する大当り(突然確変大当り)に決定されることがあるが、第2始動入賞の発生にもとづき大当りが発生したときは、大当り遊技状態が15ラウンド継続する大当り(通常大当りまたは確変大当り(第1確変大当り、第2確変大当り、第3確変大当り))のいずれかに決定され、大当り遊技状態が2ラウンド継続する大当り(突然確変大当り)に決定されないことになる。ただし、第2始動入賞の発生にもとづき大当りが発生したときも、大当り種別として「突確」が決定されるように判定値を割り振るようにしてもよい。つまり、第2始動入賞の発生にもとづき大当りが発生したときも、大当り遊技状態が2ラウンド継続する大当りに決定されるように判定値を割り振るようにしてもよい。また、第1特別図柄用のテーブルと第2特別図柄用のテーブルに分けずに、一つの大当り種別決定テーブルを用いて第1特別図柄および第2特別図柄の大当り種別を決定するようにしもよい。また、大当り遊技状態が継続するラウンド数は、2ラウンドおよび15ラウンドの2種類に限定されるものではなく、2ラウンド、8ラウンドおよび15ラウンドの3種類であってもよいし、4種類以上であってもよい。そして、例えば、大当り遊技状態が継続するラウンド数が、2ラウンド、8ラウンドまたは15ラウンドである場合に、第2始動入賞の発生にもとづき大当りが発生したときには、2ラウンドおよび8ラウンド継続する大当りである割合が、第1始動入賞の発生にもとづき大当りが発生したときよりも低い割合であるように構成されていてもよい。
なお、ランダムRにもとづいて小当りとすることに決定された場合には、自動的に(大当り種別決定用乱数を用いることなく)特別図柄の停止図柄は「1」と決定される。また、ランダムRにもとづいてはずれとすることに決定された場合には、はずれ図柄決定用乱数にもとづいて特別図柄の停止図柄として「2」「4」「6」「8」「9」「−」のいずれかが決定される。
なお、飾り図柄の停止図柄は、2つのLEDのうち、いずれか一方が大当り図柄・小当り図柄(大当り・小当り共通の図柄)であり、他方がはずれ図柄である。また、演出図柄の停止図柄は、CPU56にて決定された表示結果(第1確変大当り、第2確変大当り、第3確変大当り、通常大当り、突然確変大当り、小当り、はずれ)を指定する表示結果特定コマンドにもとづいて演出制御用CPU101によって決定される。
このように、この実施の形態では、特別図柄および飾り図柄の変動表示の表示結果として、第1確変大当り、第2確変大当り、第3確変大当り、通常大当り、突然確変大当り、小当りまたははずれのいずれかに決定される。CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図8に示す大当り判定値または小当り判定値に一致すると、第1特別図柄および第2特別図柄に関して大当りまたは小当りとすることに決定する。
図9および図10は、この実施の形態で用いられる演出図柄の変動パターン(変動時間)の一例を示す説明図である。図9および図10において、「特図変動時間」は特別図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。なお、変動パターンは、特別図柄の変動時間等を示すものであるが、演出図柄の変動は特別図柄の変動と同期しているので、「特図変動時間」は演出図柄の変動時間も示す。以下、単に、特別図柄の変動パターン、演出図柄の変動パターンのように表現することがある。
図9では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して予め用意された図柄の変動パターンを例示する。図9に示すように、この実施の形態では、図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−7、非リーチPB1−1〜非リーチPB1−2、非リーチPC1−1〜非リーチPC1−2の変動パターンが用意されている。また、図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−4、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−8、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−5、スーパーPC3−1〜スーパーPC3−4の変動パターンが用意されている。
また、図10では、可変表示結果が「大当り」または「小当り」となる場合に対応して予め用意された図柄の変動パターンを例示する。図10に示すように、この実施の形態では、図柄の可変表示結果が「大当り」または「小当り」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−5〜ノーマルPA2−8、スーパーPA4−1〜スーパーPA4−8、スーパーPA5−1〜スーパーPA5−4、スーパーPB4−1〜スーパーPB4−4、スーパーPB5−1〜スーパーPB5−4、スーパーPC4−1及びスーパーPC4−2、スーパーPD1−1及びスーパーPD1−2、スーパーPE1−1及びスーパーPE1−2、スーパーPF1−1〜スーパーPF1−3、特殊PG1−1〜特殊PG1−4、特殊PG2−1〜特殊PG2−3、特殊PG3−1〜特殊PG3−3の変動パターンが用意されている。
ここで、「擬似連続変動」とは、1回の図柄の変動中に図柄の仮停止と再変動(変動再開)を連続的に所定回実行することによって複数回の変動が実行されたように見せる変動(つまり擬似的に複数回の変動があるように認識させる変動)である。「擬似連(チャンス目)」の変動パターン(非リーチPA1−5など)は、1回の図柄の変動中にチャンス目(図2(A))を1回〜3回仮停止させることにより、大当りの可能性が高いことを予告(報知)するための変動パターンである。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄の可変表示が行われるときにも第2特別図柄の可変表示が行われるときにも同じ変動パターンが用いられるが、第1特別図柄の可変表示が行われるときと第2特別図柄の可変表示が行われるときとで異なる変動パターンを用いるようにしてもよい。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンを示す演出制御コマンドを受信すると、受信した演出制御コマンドが示す変動パターンに応じた時間、飾り図柄表示器で飾り図柄の可変表示を行い演出表示装置9で演出図柄の可変表示を行うとともに、演出表示装置9で、受信した演出制御コマンドが示す変動パターンに応じた種類の表示演出を行う。同時に、ランプやLEDおよびスピーカ27などの演出用部品を用いた演出を行う。すなわち、変動パターンとは、変動時間を示すとともに、演出の態様を示すものである。
なお、図3に示す遊技制御用マイクロコンピュータ560が備えるROM54には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM54には、CPU56が各種の判定や決定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。また、ROM54には、CPU56が主基板31から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、演出図柄の変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが記憶されている。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図11は、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの信号線を示す説明図である。図11に示すように、この実施の形態では、演出制御コマンドは、演出制御信号CD0〜CD7の8本の信号線で主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、取込信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
図12に示すように、演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みの契機となる信号(取り込みの指示信号)に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ100が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、演出制御INT信号は図12に示された極性と逆極性であってもよい。
図13および図14は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図13に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して飾り図柄表示器および演出表示装置9において可変表示される飾り図柄および演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)のいずれかを受信すると、飾り図柄表示器および演出表示装置9において飾り図柄および演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C07(H)は、大当り、小当りまたははずれのいずれとするか、および大当り遊技の種類(大当りの種別)を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C07(H)の受信に応じて飾り図柄および演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C07(H)を表示結果特定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。
コマンド8F00(H)は、飾り図柄および演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、飾り図柄および演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。なお、この実施の形態では、第1特別図柄に対応する飾り図柄および演出図柄の変動表示を停止する場合と、第2特別図柄に対応する飾り図柄および演出図柄の変動表示を停止する場合とで共通の図柄確定指定コマンドを送信する場合を示すが、第1特別図柄に対応する変動表示を停止する場合と第2特別図柄に対応する変動表示を終了する場合とで別々の図柄確定指定コマンド(例えば、第1図柄確定指定コマンド、第2図柄確定指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される、初期画面を表示することを指定する演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される、停電復旧画面を表示することを指定する演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
なお、CPU56は、停電から復旧したときに電源バックアップされている遊技状態を示すフラグ(確変フラグ、時短フラグなど)を確認し、遊技状態に応じて異なる停電復旧画面を表示することを指定する停電復旧指定コマンドを送信するようにしてもよい。具体的には、停電から復旧したときの遊技状態が通常状態であればコマンド9200(H)が送信され、停電から復旧したときの遊技状態が確変状態であればコマンド9201(H)が送信され、停電から復旧したときの遊技状態が時短状態であればコマンド9202(H)が送信されるようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU101は、CPU56からの停電復旧指定コマンドにもとづいて遊技状態に応じて異なる停電復旧画面を演出表示装置9に表示する。
コマンド93XX(H)は、停電発生時の遊技状態を指定する停電時遊技状態指定コマンドである。CPU56は、停電から復旧したときに電源バックアップされている遊技状態を示すフラグ(確変フラグ、時短フラグなど)を確認し、遊技状態に応じた停電時遊技状態指定コマンドを送信する。なお、XXには、遊技状態に応じた値が設定される。具体的には、停電から復旧したときの遊技状態が通常状態であればコマンド9300(H)が送信され、停電から復旧したときの遊技状態が確変状態であればコマンド9301(H)が送信され、停電から復旧したときの遊技状態が時短状態であればコマンド9302(H)が送信される。この場合、演出制御用CPU101は、CPU56からの停電時遊技状態指定コマンドにもとづいて遊技状態に応じた背景(背景画像、背景色など)を演出表示装置9に表示する。
コマンド9500(H)は、遊技状態が通常状態であるときの背景を表示することを指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンド9501(H)は、遊技状態が確変状態であるときの背景を表示することを指定する演出制御コマンド(確変状態背景指定コマンド)である。コマンド9502(H)は、遊技状態が時短状態であるときの背景を表示することを指定する演出制御コマンド(時短状態背景指定コマンド)である。なお、コマンド9500(H)〜9503(H)を背景指定コマンドという。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
図14に示す例において、コマンドA001〜A004(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技(または小当り遊技)の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じて、大当り開始1指定〜大当り開始4指定コマンドがある。なお、このうち、大当り開始1指定コマンドA001(H)は、通常大当り(非確変大当り)遊技の開始を指定する演出制御コマンドである。大当り開始2指定コマンドA002(H)は、小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンドである。大当り開始3指定コマンドA003(H)は、確変大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンドである。大当り開始4指定コマンドA004(H)は、突然確変大当り(2ラウンド大当り)遊技の開始を指定する演出制御コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、非確変大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、非確変大当り(通常大当り)であったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、確変大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、突然確変大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、突然確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了3指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、小当り終了画面を表示すること、すなわち小当り遊技の終了を指定する演出制御コマンドを設けていないが、そのようなコマンドを設けてもよい。
コマンドC000(H)は、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを、始動入賞指定コマンドと総称することがある。
コマンドC2XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。なお、この実施の形態では、合算保留記憶数指定コマンドコマンドC2XX(H)が遊技制御の実行中のみならず停電復旧時にも送信される(ステップS43参照)。コマンドC300(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を合算保留記憶数指定コマンドで指定するようにしてもよい。
コマンドD001(H)は、異常入賞の報知を指示する演出制御コマンド(異常入賞指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図13および図14に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
図13に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果特定コマンドを、第1飾り図柄表示器9aでの識別情報の可変表示と第2飾り図柄表示器9bでの識別情報の可変表示とで共通に使用でき、第1飾り図柄表示器9aと第2飾り図柄表示器9bとを演出制御用マイクロコンピュータ100が制御するように構成されている場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。また、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う演出表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図15は、演出制御コマンドの送信タイミングの例を示す説明図である。図15(A)は、始動入賞(第1始動入賞または第2始動入賞)が生じたときの例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動入賞指定コマンド(または第2始動入賞指定コマンド)を送信した後、合算保留記憶数指定コマンドを続けて送信する。具体的には、タイマ割込にもとづく遊技制御処理で第1始動入賞指定コマンド(または第2始動入賞指定コマンド)を送信し、次いで、合算保留記憶数指定コマンドを送信する。
また、図15(B)に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動開始時に、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、特別図柄特定コマンド、表示結果特定コマンドおよび合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する。そして、可変表示時間が経過すると、図柄確定指定コマンドを送信する。
なお、これらのコマンドを送信する順序は図15(A)(B)に示す順序に限られるわけではなく、適宜変更することが可能である。
図16は、情報端子盤34の構成例を示すブロック図である。図16に示す例では、情報端子盤34には、ケーブル343およびコネクタ341を介して主基板31から信号が入力される。そして、ケーブル343を介して入力された信号は、ドライバ回路345、コネクタ347およびケーブル349を介して、例えばホールコンピュータに対して出力される。
従来は、主基板31からの信号を入力してホールコンピュータなどの外部装置に出力するための情報端子盤(盤用外部端子基板)と払出制御基板37からの信号を入力して外部装置に出力するための情報端子盤(枠用外部端子基板)とが別々に設けられていたり、または主基板31からの信号と払出制御基板37からの信号とを入力して外部装置に出力するための1つの情報端子盤(枠盤兼用外部端子基板)が設けられていた。これに対し、この実施の形態では、図16に示すように、主基板31のみと接続され、主基板31から入力した信号を外部装置に出力するための1つの情報端子盤(盤用外部端子基板)34だけが設けられている。そして、払出制御基板37からの信号は主基板31に入力され、主基板31から情報端子盤34に出力されるようにしている。このような構成によれば、主基板31と払出制御基板37とは予め接続されているため、作業者は情報端子盤34に対する配線を行うときに情報端子盤34と主基板31を接続するだけでよく、情報端子盤34に対する配線処理作業が容易化されることになる。
図17および図18は、遊技制御手段における出力ポートの割り当ての例を示す説明図である。図17に示すように、出力ポート0は、払出制御基板37に送信される払出指令信号(賞球個数信号、賞球REQ信号)および電源確認信号の出力ポートである。賞球個数信号のハイレベル「1」がオン状態に対応し、電源確認信号のハイレベル「1」がオン状態(電力供給が行われている状態)に対応する。また、賞球REQ信号のローレベル「0」がオン状態(払出要求が行われている状態)に対応する。
出力ポート1から、大入賞口を開閉する可変入賞球装置20を開閉するためのソレノイド(大入賞口扉ソレノイド)21および可変入賞球装置15を開閉するためのソレノイド(普通電動役物ソレノイド)16に対する駆動信号が出力される。
図18に示すように、出力ポート2,3は、情報端子盤34(を介してホールコンピュータ)に出力される信号の出力ポートである。出力ポート2から、図柄確定回数信号、始動口1信号、始動口2信号、大当り1信号、大当り2信号、時短信号、確率変動信号が出力される。なお、出力ポート2から出力される信号は、遊技制御処理の実行中に発生する制御情報の信号である。
また、出力ポート3から、賞球情報信号(賞球信号、払出情報ともいう。)が出力される。なお、出力ポート3から出力される信号は、払出制御基板37から主基板31に入力された信号である。
なお、出力ポート1〜3は、図3に示されたI/Oポート部57の一部である。また、信号がオン状態になっているときが、「信号が出力されている」状態に相当する。
図19は、遊技制御手段における入力ポートのビット割り当ての例を示す説明図である。図19に示すように、入力ポート0のビット0〜7には、それぞれ、カウントスイッチ23、ゲートスイッチ32a、入賞口スイッチ33a,39a,29a,30a、第2始動口スイッチ14a、第1始動口スイッチ13aの検出信号が入力される。
また、入力ポート1のビット0〜3には、それぞれ、払出制御基板37からの賞球カウント信号、満タン信号、球切れ信号、払出エラー信号が入力される。賞球カウント信号のハイレベル「1」がオン状態(払出個数カウントスイッチ301がオンした状態)に対応する。満タン信号のハイレベル「1」がオン状態(満タンスイッチ48がオンした状態)に対応する。球切れ信号のハイレベル「1」がオン状態(球切れスイッチ187がオンした状態)に対応する。払出エラー信号のハイレベル「1」がオン状態(払出エラーが生じた状態)に対応する。
また、入力ポート1のビット7には、開放検出センサ120からの大入賞口開信号が入力される。大入賞口開信号のハイレベル「1」がオン状態(大入賞口20が開放されている状態)に対応する。すなわち、開放検出センサ120は、大入賞口20の開放時には大入賞口開信号をハイレベルに維持しているが、閉鎖時には大入賞口開信号をローレベルに変化させる。
入力ポート2のビット1には、電源基板からのクリアスイッチの検出信号(クリア信号)が入力される。クリアスイッチは遊技店員等が操作可能なスイッチであり、RAM55を初期化したいときに操作されるスイッチである。入力ポート2のビット2には、払出制御基板37からの賞球BUSY信号が入力される。賞球BUSY信号は、賞球払出が行われているときに出力される信号である。なお、入力ポート0〜2は、図3に示されたI/Oポート部57の一部である。また、信号がオン状態になっているときが、「信号が入力されている」状態に相当する。
なお、図17〜図19に示された「論理」と逆の論理を用いてもよい。例えば、1がオン状態である入力信号を0をオン状態である入力信号にしてもよい。なお、図17〜図19に示されたポート(出力ポート、入力ポート)は、一時にアクセス可能なポート、すなわち、同一割込みでアクセス可能なポートである。
図20は、大入賞口の近傍に設置された開放検出センサ120が、大入賞口が開放されたことを検出する構成を示す説明図である。なお、開放検出センサ120は、発光部120aと、当該発光部120aに対向する向きに設置され、発光部120aが発した光を受光する受光部120bとを備えているとして説明する。
図20(A)は、特別可変入賞球装置20が、閉鎖状態であることを示している。図20(A)に示すように、ソレノイド21のソレノイドアーム21bは、スプリング21cによって、当該ソレノイド21の本体から離れる方向に押し出された位置で停止している。また、軸140aを中心に回転するリンク130は、凸部130a,130b,130cを有し、凸部130bの端部でソレノイドアーム21bに連結されている。そして、図20(A)に示すように、特別可変入賞球装置20の扉の端部に設けられた凸部20aが、リンク130の凸部130aと凸部130cとによって、特別可変入賞球装置20が閉鎖状態となる位置で係止されている。
そして、図20(A)に示すように、特別可変入賞球装置20の閉鎖状態では、リンク130に設けられた凸部130aが、開放検出センサ120の発光部120aと受光部120bとの間に位置する。したがって、開放検出センサ120の受光部120bは、発光部120aが発した光を受光できない。開放検出センサ120の受光部120bは、発光部120aが発した光を受光できない場合には、大入賞口開信号を出力しない。
そして、ソレノイド21が通電された場合に、プランジャ21aに結合されたソレノイドアーム21bは、ソレノイド21の本体に近づく方向に移動する。ソレノイドアーム21bがソレノイド21の本体に近づく方向に移動すると、凸部130bの端部でソレノイドアーム21bに連結されているリンク130は、軸140aを中心に回転し、凸部130aが、特別可変入賞球装置20の扉の端部に設けられた凸部20aを押上げて、特別可変入賞球装置20を開放するように、当該特別可変入賞球装置20を軸140bを中心に回転させる。
そして、図20(B)に示すように、特別可変入賞球装置20の開放状態で、リンク130に設けられた凸部130aは、開放検出センサ120の発光部120aと受光部120bとの間に位置せず、開放検出センサ120の受光部120bは、発光部120aが発した光を受光することができる。開放検出センサ120の受光部120bは、発光部120aが発した光を受光した場合に、大入賞口開信号を出力する。
なお、特別可変入賞球装置20が開状態であるか否かは他の方法で検出してもよい。具体的には、例えば、特別可変入賞球装置20の開放状態で、リンク130に設けられた凸部のいずれかによって押下される位置に設置されたスイッチによって、特別可変入賞球装置20が開状態であるか否かを検出してもよい。また、例えば、特別可変入賞球装置20の開放状態で、ソレノイドアーム21bによって押下される位置に設置されたスイッチによって、特別可変入賞球装置20が開状態であるか否かを検出してもよい。また、開放検出センサ120が反射型のフォトセンサによって実現されてもよい。また、開放検出センサ120が、他の位置(具体的には、例えば、特別可変入賞球装置20の天面)に設置されていてもよい。つまり、開放検出センサ120は、特別可変入賞球装置20が物理的に開放したことを検出できるのであれば、設置される場所やセンサの種類はどのようなものであってもよい。なお、遊技球が開放検出センサ120に衝突して当該開放検出センサ120が破損することを防止するため、本実施の形態の説明で図20に例示したように、開放検出センサ120は、直接遊技球に接触しない場所に設けられることが好ましい。
図21および図22は、主基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS27)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。
なお、この実施の形態では、特別図柄プロセス処理は、第1特別図柄と第2特別図柄とで兼用されている。すなわち、特別図柄プロセス処理も共通化されている。
特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13a、または第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち第1始動入賞または第2始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する。具体的には、入力ポート0(図17参照)のデータを読み出して、例えばレジスタやRAM55の所定領域にロードする(ステップS311)。そして、ロードした内容(ロードしたデータ)とC0(H)とのビット毎の論理積演算を行い演算結果が0でない場合には(ステップS312)、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS313)。より具体的には、演算結果が1になった状態に変化した場合(直前の2ms前の判定では0であり、今回の判定で1になった場合)に、始動口スイッチ通過処理を実行する。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。また、C0(H)は、入力ポート0の第1始動口スイッチ13aおよび第2始動口スイッチ14aからの検出信号の入力ビットに対応する値である。また、この実施の形態では、入力ポート0の内容を直接ロードしているが、スイッチ処理(ステップS21)で入力ポート0の内容をRAM55の所定の領域に設定している場合には、その領域の内容をロードするようにしてもよい(なお、ノイズによる誤判定を防止するため、RAM55の所定領域に入力ポート0の内容が複数回のタイマ割込みに亘って設定されたときにスイッチオンとするフラグをセットし、そのフラグがセットされたときに始動口スイッチ通過処理を実行するようにしてもよい)。また、ステップS312の処理を、ロードした内容(ロードしたデータ)のビット0〜5をマスク(0にすること)した後、00(H)との排他的論理和をとる演算に代えてもよい。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数(始動入賞記憶数)を確認する。保留記憶数は保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。保留記憶数が0でない場合には、大当りとするか否か決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に対応した値(この例では1)に更新する。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。特別図柄の可変表示後の停止図柄を決定する。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果が導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果特定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、タイマ(停止時間タイマ)によって特別図柄の停止図柄を停止させる時間(図柄停止時間)を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、図柄停止時間が経過すると、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグ、時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。小当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図23および図24は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。ステップS311に示されたように入力ポート0からロードした内容(ロードされたデータ)とC0(H)との論理積演算を行い演算結果が0でない場合に、すなわち第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとのうちの少なくとも一方がオン状態の場合に実行される始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、ロードされたデータのビット6が1であるか否か確認する(ステップS211)。図16に示すように、第2始動口スイッチ14aがオン状態の場合には、ロードされたデータのビット6に入力される検出信号は1(ハイレベル)である。すなわち、ロードされたデータのビット6が1であるということは、入力ポート0のビット6の方が0から1に変化したことを意味する。すなわち、第2始動口スイッチ14aがオン状態になったことを意味する。
また、ロードされたデータのビット6が1でないということは、入力ポート0のビット7の方が0から1に変化したことを意味する。すなわち、第1始動口スイッチ13aがオン状態になったことを意味する。
CPU56は、入力ポート0のビット6が1である場合には、始動口ポインタに「第2」を示すデータを設定する(ステップS212)。また、入力ポート0のビット6が1でない場合には、始動口ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS213)。
この実施の形態では、第1保留記憶数(第1始動入賞口13に入った有効入賞球数)をカウントする保留記憶数カウンタ(第1保留記憶数カウンタ)と、第2保留記憶数(第2始動入賞口14に入った有効入賞球数)をカウントする保留記憶数カウンタ(第2保留記憶数カウンタ)とが設けられている。そして、始動口ポインタには、第1保留記憶数カウンタのアドレスまたは第2保留記憶数カウンタのアドレスを示すデータが設定される。すなわち、始動口ポインタに設定される「第1」を示すデータは第1保留記憶数カウンタのアドレスを示し、「第2」を示すデータは第2保留記憶数カウンタのアドレスを示す。始動口ポインタはRAM55に形成されている。また、第1保留記憶数カウンタおよび第2保留記憶数カウンタもRAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。なお、始動口ポインタの代わりに、遊技制御用マイクロコンピュータ560内部のレジスタに「第1」または「第2」を示すデータを設定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、始動口ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値が4であるか否かを確認する(ステップS214A)。保留記憶数カウンタの値が4であれば、ステップS239に移行する。保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、始動口ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS214B)。具体的には、始動口ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数を示す第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、始動口ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数を示す第2保留記憶数カウンタの値を1増やす。そして、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合算保留記憶数を示す合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS215)。なお、CPU56は、始動口ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値が4である場合に(ステップS214AのY)、第1始動口スイッチがオンしているか否かを確認してもよい。そのように構成されている場合には、第1始動口スイッチおよび第2始動口スイッチのいずれもがオンしている場合であって、第2保留記憶数が上限値(この実施の形態では4)であるときであっても、第1保留記憶数が上限値(この実施の形態では4)でなければ、第1保留記憶数カウンタの値を1増やすことができる。
また、CPU56は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、始動口ポインタが示すデータをセットする(ステップS216)。具体的には、始動口ポインタが「第1」を示している場合には「第1」を示すデータをセットし、始動口ポインタが「第2」を示している場合には「第2」を示すデータをセットする。この場合、対応する保留記憶がない場合には(「第1」を示すデータも「第2」を示すデータもセットされていない場合には)、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。なお、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、始動口ポインタが示すデータ(アドレスデータ)に対応するデータをセットするようにしてもよい。例えば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、始動口ポインタが「第1」を示している場合には「第1」を示すデータに対応するデータとして01(H)をセットし、始動口ポインタが「第2」を示している場合には「第2」を示すデータに対応するデータとして02(H)をセットする。
図25(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図25(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図25(A)には、合算保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図25(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞にもとづき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
なお、第2特別図柄の変動表示を常に第1特別図柄の変動表示に優先して実行するようにする場合には、第2保留記憶が1つでもあれば第1保留記憶の有無にかかわらず常に第2特別図柄の変動表示を実行し、第2保留記憶がなく第1保留記憶のみがあるときに限って第1特別図柄の変動表示を実行するように制御するのであるから、第1始動入賞口13単独の入賞順と第2始動入賞口14単独の入賞順さえ特定できれば、必ずしも第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を特定する必要はない。そのため、第2特別図柄の変動表示を常に優先して実行する場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)を設けないようにしてもよい。
図25(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図25(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
CPU56は、ソフトウェア乱数(大当り種別決定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)、およびランダムR(大当り判定用乱数)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として、第1保留記憶バッファと第2保留記憶バッファとのうちの始動口ポインタが示す方の保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS217)。具体的には、CPU56は、始動口ポインタが「第1」を示している場合には、ソフトウェア乱数およびランダムRを第1保留記憶バッファの第1保留記憶数カウンタが示す値に対応する保存領域に格納し、始動口ポインタが「第2」を示している場合には、ソフトウェア乱数およびランダムRを第2保留記憶バッファの第2保留記憶数カウンタが示す値に対応する保存領域に格納する。
なお、第1保留記憶数バッファにおいて、第1保留記憶数に対応する各保存領域は連続するアドレスの領域とされ、また、第2保留記憶数バッファにおいても、第2保留記憶数に対応する各保存領域は連続するアドレスの領域とされている。この場合、CPU56は、始動口ポインタが示すデータによって保留記憶数バッファ(第1保留記憶数バッファまたは第2保留記憶数バッファ)の先頭アドレスを認識する。そして、1つの保留記憶あたりのデータ数(各乱数の数)に保留記憶数(保留記憶数カウンタが示す値)を乗算した値をオフセット値として保存領域にソフトウェア乱数およびランダムRを格納する。
なお、ステップS217では、CPU56は、ソフトウェア乱数としてMR1〜MR4(図7参照)の値を抽出し、乱数回路503のカウント値を読み出すことによってランダムRを抽出する。また、図25(A)に例示された保留特定領域における第1〜第8の領域のそれぞれに、さらに、抽出した乱数値を格納する2つの保存領域(第1保留記憶に対応する保存領域と第2保留記憶に対応する保存領域)を形成してもよい。そのように構成した場合には、CPU56は、ステップS217の処理では、合算保留記憶数カウンタの値を確認し、そのカウント値(合算保留記憶数)に対応する保留特定領域における領域(第1〜第8の領域のいずれか)において、入賞があったと特定した始動入賞口に対応する(始動口ポインタのデータに対応する)保存領域に乱数値を保存する。または、合算保留記憶数カウンタを設けずに、ステップS217の処理の実行ごとに、第1保留記憶数カウンタの値と第2保留記憶数カウンタの値を足し合わせ、その合計値に対応する保留特定領域における領域(第1〜第8の領域のいずれか)において、入賞があったと特定した始動入賞口に対応する保存領域に乱数値を保存する。合算保留記憶数カウンタを設ける構成では、第1保留記憶数カウンタの値と第2保留記憶数カウンタの値を足し合わせる処理(演算処理)が不要となり、処理数を削減することができ、合算保留記憶数カウンタを設けない構成では、RAM55の容量を削減することができる。
次いで、CPU56は、始動口ポインタが示す方の始動入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS218)。具体的には、始動口ポインタが「第1」を示している場合には第1始動入賞指定コマンドを送信し、始動口ポインタが「第2」を示している場合には第2始動入賞指定コマンドを送信する。また、合算保留記憶数指定コマンドを送信する(ステップS219)。なお、合算保留記憶数指定コマンドを、第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンドの前に送信してもよい。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS29)において演出制御コマンドを送信する。また、合算保留記憶数指定コマンドのEXTデータには合算保留記憶数カウンタの値が設定される。
なお、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする処理をステップS212の処理の前または後や、ステップS213の処理の前または後に実行するようにしてもよい。
なお、ステップS219では、合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するように構成されているが、このような構成に限られず、始動口ポインタが示す方の保留記憶数を示す保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。また、ステップS218にて始動入賞指定コマンドのみ送信するようにし、ステップS219では合算保留記憶数指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
また、始動口ポインタが「第2」を示している場合には(ステップS221)、ロードされたデータのビット7が1であるか否か確認する(ステップS222)。ロードされたデータのビット7が1である場合には、始動口ポインタに「第1」を示すデータをセットし(ステップS223)、ステップS214Aに移行する。ステップS221〜S223の処理によって、ロードされたデータのビット6とビット7とがともに1である場合、すなわち、第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとがともにオン状態になった場合には、ビット7に対応する第2始動口スイッチ14aについてステップS214A〜S219の処理が実行された後、直ちに、ビット6に対応する第1始動口スイッチ13aについてステップS214A〜S219の処理が実行されることになる。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとがともにオン状態になった場合には、2ms内で実行される処理によって、双方のスイッチがオン状態になったことにもとづく処理が実行される。よって、例えば、遊技球を検出したスイッチが検出信号をオン状態にする期間が極めて短くなったような状況が生じても、確実にスイッチがオン状態になったことにもとづく処理を完了できる。また、2ms内(1タイマ割込処理内)で、双方のスイッチがオン状態になったことにもとづくステップS214A〜S219の処理が完了するので、ソフトウェア乱数の値が1増えないうちに乱数が抽出される。そのため、入賞タイミングに対応した正確なソフトウェア乱数の値を抽出することができる。
始動口ポインタが「第2」を示していない場合、または始動口ポインタが「第2」を示しているがロードされたデータのビット7が1でない場合には、ステップS231に移行する。
ステップS231では、ロードされたデータのビット6とビット7とがともに1であるか否か確認する。ロードされたデータのビット6とビット7とがともに1である場合には、始動口ポインタをクリアして(ステップS239)、処理を終了する。つまり、第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとがともにオン状態になっていた場合にはステップS232以降の処理を実行しない。すなわち、第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとがともにオン状態であるということは、特定処理(いずれの始動入賞口13,14への入賞が生じたのかを特定する処理)において誤判定されたという事態は生じないのであるから、特定処理の結果と入力ポートに入力されている検出信号の状態とが整合しているか否かの確認処理(ステップS232〜S238)を行うことなく、始動口ポインタをクリアして処理を終了する。
ロードされたデータのビット6とビット7とがともに1でない場合(ビット6とビット7とのうちの一方のみが1である場合)には、CPU56は、始動口ポインタが「第2」を示しているか否か確認する(ステップS232)。始動口ポインタが「第2」を示している場合には、第2始動口スイッチ14aの検出信号が入力されている入力ポート0のビット6が1であるか否か確認する(ステップS233)。ステップS211,S212の処理で、入力ポート0のビット6が1であるときに始動口ポインタに「第2」が設定されている。よって、始動口ポインタが「第2」を示している場合には、入力ポート0のビット6が1であるはずである。入力ポート0のビット6が1である場合には、入力ポートの入力検出に関して正常であった判断し、ステップS239に移行する。
入力ポート0のビット6が1でない場合には、ステップS211における判定結果と整合していないことになるので、あらためてステップS211の判定処理を実行し直すために、始動口ポインタをクリアし(ステップS237)、入力ポート0(図16参照)のデータを読み出して、例えばレジスタやRAM55の所定領域にロードした後(ステップS238)、ステップS211に移行する。なお、ステップS214Bで第2保留記憶数カウンタの値を+1し、ステップS219で合算保留記憶数カウンタの値を+1しているので、+1する前の値に戻しておく。すなわち、第2保留記憶数カウンタの値および合算保留記憶数カウンタの値を−1しておく(ステップS234)。
始動口ポインタが「第2」を示していない場合すなわち「第1」を示している場合には、第1始動口スイッチ13aの検出信号が入力されている入力ポート0のビット7が1であるか否か確認する(ステップS235)。ステップS211,S213の処理で、入力ポート0のビット7が1であるときに始動口ポインタに「第1」が設定されている。よって、始動口ポインタが「第1」を示している場合には、入力ポート0のビット7が1であるはずである。入力ポート0のビット7が1である場合には、入力ポートの入力検出に関して正常であった判断し、ステップS239に移行する。
入力ポート0のビット7が1でない場合には、ステップS211における判定結果と整合していないことになるので、あらためてステップS211の判定処理を実行し直すためにステップS237,S238の処理を実行し、ステップS211に移行する。なお、ステップS214Bで第1保留記憶数カウンタの値を+1し、ステップS219で合算保留記憶数カウンタの値を+1しているので、+1する前の値に戻しておく。すなわち、第1保留記憶数カウンタの値および合算保留記憶数カウンタの値を−1しておく(ステップS236)。
この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、入力ポート0に入力された検出信号にもとづいて特定処理(いずれの始動口への入賞が生じたのかを特定する処理)を実行した後、特定処理の結果と入力ポートに入力されている検出信号の状態とが整合していないときには、再度特定処理を実行するので、第1始動口13への入賞が生じたのか第2始動口14への入賞が生じたのかが確実に判定される。例えば、第1保留記憶数が上限値である4であるときに第1始動口13への入賞が生じた場合には、その入賞は有効な始動入賞とは見なされないが、その第1始動口13への入賞が誤って第2始動口14への入賞であると判定された場合には、第2保留記憶数の値が増やされる(第2保留記憶数が上限値である4でない場合)。つまり、有効な始動入賞とされるべきではないのに、有効な始動入賞とされてしまう。この実施の形態では、そのような状況が生ずる可能性が低減する。
ただし、再度特定処理を実行するように構成しなくてもよい。そのように構成する場合に、ステップS231〜S238の処理を実行しないようにしてもよい。その場合には、プログラム容量が、再度特定処理を実行する場合に比べて削減される。なお、再度特定処理を実行しないように構成する場合には、図24におけるステップS231に移行する処理に代えてステップS239に移行するようにプログラムを構成する。
また、特定処理を際限なく繰り返し実行してしまう事態を防止するため、特定処理を所定回数(例えば2回)繰り返し実行した後には、ステップS231〜S238の処理を実行せずに、保留記憶特定情報記憶領域に記憶したデータや、保留記憶数バッファに格納した乱数値をクリアして、始動口スイッチ通過処理を終了するようにしてもよい。そのようにすれば、ノイズなどの影響によって特定処理を際限なく繰り返し実行してしまい、遊技機が動作しなくなってしまうような事態を防止することができる。
また、ステップS231〜S238の処理を実行した後に、再度特定処理を実行しないようにしてもよい。その場合には、ステップS238の処理を実行したら始動口スイッチ通過処理を終了する。なお、ステップS234,S236の処理で減算される前の保留記憶数カウンタの値に対応する保存領域の内容は、以後にステップS214B,S216の処理が実行されるときに新たに抽出された乱数値で上書きされるが、ステップS238の処理を実行して始動口スイッチ通過処理を終了する場合に(この実施の形態のようにステップS238の処理を実行してステップS211に移行する場合も同様)、念のため、ステップS234,S236の処理で減算される前の保留記憶数カウンタの値に対応する保存領域の内容をクリアするようにしてもよい。
なお、再度ステップS211以降の処理が実行される場合に、再びステップS218,S219の処理が実行されと、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドが二重に送信されることになる。そのような状況になることを避けるには、第1始動口13への入賞が生じたのか第2始動口14への入賞が生じたのかが確実に判定された時点で、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを送信するように構成すればよい。
また、この実施の形態では、ステップS311,S312の処理の実行後にステップS313のサブルーチンを実行するように構成したが、ステップS313のサブルーチンを実行するのではなく、ステップS311,S312の処理に続けて、ステップS312でN(すなわち、始動入賞あり)と判定したときにステップS211〜S239の処理を実行するように構成してもよい。
始動口スイッチ通過処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが始動口ポインタに設定される。そして、以降の処理では、始動口ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。例えば、ステップS214Bの処理を例にすると、具体的には、第1保留記憶数カウンタと第2保留記憶数カウンタとをRAM55において連続アドレスに形成しておき、ステップS214Bの処理の最初で第1保留記憶数カウンタのアドレスをレジスタに設定し、そのレジスタに始動口ポインタに設定されている値(例えば、「第1」を示すデータが「0」で、「第2」を示すデータが「1」)を加算し、加算後のレジスタの値をRAM55のアドレスとして、そのアドレスのデータに1を加算する処理を行う。そのような処理によれば、加算処理の対象は、始動口ポインタに「第1」を示すデータが設定されているときには第1保留記憶数カウンタであり、始動口ポインタに「第2」を示すデータが設定されているときには第2保留記憶数カウンタである。つまり、一の加算処理で、自動的に、オン状態になった始動入賞口に対応する保留記憶数カウンタの値が+1される。換言すれば、双方の始動入賞口についての処理が共通化されている。
なお、ここでは、ステップS214Bの処理を例にしたが、ステップS216およびステップS218の処理についても処理を共通化できる。例えばレジスタに第1始動入賞口に対応するデータ(第1保留記憶数バッファのアドレスや第1始動入賞指定コマンドのコマンド送信テーブルのアドレス)を設定し、そのレジスタに始動口ポインタに設定されている値をオフセットとして加算し、加算後のレジスタの値にもとづいてデータをセットする処理(ステップS216の場合)やコマンド送信テーブルのアドレスの指定(ステップS218の場合)を行うことによって、一の処理で、データをセットする処理やコマンド送信テーブルのアドレスの指定を行うことができる。
また、この実施の形態では、第1保留記憶数バッファと第2保留記憶数バッファとを別々に備える場合を例にしたが、第1保留記憶数と第2保留記憶数とに対して共通の保留記憶数バッファを備えるようにしてもよい。図26は、第1保留記憶数と第2保留記憶数とに対して共通に備える共通保留記憶数バッファの構成例を示す説明図である。図26に示すように、共通保留記憶数バッファは、保留記憶特定情報保存領域と乱数値保存領域とを組み合わせた領域を8つ含む。また、共通保留記憶数バッファにおいて、保留記憶特定情報保存領域および乱数値保存領域の各領域には連続したアドレスが割り当てられている。
共通保留記憶数バッファを用いる場合、CPU56は、ステップS214Bで始動口ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値を1増やし、ステップS215で合算保留記憶数カウンタの値を1増やした後、ステップS216の処理に代えて、共通保留記憶数バッファの空き領域の先頭の保留記憶特定情報保存領域に、始動口ポインタが示すデータをセットする処理を実行する。具体的には、CPU56は、合算保留記憶数(第1保留記憶数と第2保留記憶数とを毎回加算して求めてもよい)にもとづいてデータ格納先のアドレスを指定するポインタの位置を更新することによって、共通保留記憶数バッファの空き領域の先頭の保留記憶特定情報保存領域にデータをセットする。
共通保留記憶数バッファの空き領域の先頭を特定する場合、例えば、1つの保留記憶あたりに対して共通保留記憶数バッファに格納するデータ数を合算保留記憶数に乗算した値に1(すなわち、保留記憶特定情報保存領域1領域分)を加えた値をアドレスのオフセット値として求め、求めたオフセット値に従ってポインタを更新する。例えば、図26に示す例では、共通保留記憶数バッファに、1つの保留記憶あたり保留記憶特定情報保存領域と乱数値保存領域との2つのデータ格納領域が設けられている。そのため、合算保留記憶数を2倍した値に1(すなわち、保留記憶特定情報保存領域1領域分)を加えた値をアドレスのオフセット値として求め、求めたオフセット値に従ってポインタを更新する。例えば、合算保留記憶数が3である場合には、図26に示すように、オフセット値+7(合算保留記憶数3を2倍して1を加えた値)に対応する保留記憶特定情報保存領域にデータをセットする。この場合、始動口ポインタが「第1」を示している場合には「第1」を示すデータを保留記憶特定情報保存領域にセットし、始動口ポインタが「第2」を示している場合には「第2」を示すデータを保留記憶特定情報保存領域にセットする。なお、例えば、共通保留記憶数バッファに、1つの保留記憶あたり保留記憶特定情報保存領域と2つの乱数値保存領域(例えば、大当り種別決定用乱数用と大当り判定用乱数用)との合計3つのデータ格納領域が設けられている場合には、合算保留記憶数を3倍した値に1(すなわち、保留記憶特定情報保存領域1領域分)を加えた値をアドレスのオフセット値として求め、求めたオフセット値に従ってポインタを更新するようにすればよい。
また、データ格納先のアドレスを指定するポインタの初期位置を共通保留記憶数バッファの1つ目の領域(図26に示す保留記憶1用の保留記憶特定情報保存領域)とする場合には、CPU56は、1つの保留記憶あたりに対して共通保留記憶数バッファに格納するデータ数を合算保留記憶数に乗算した値をアドレスのオフセット値として求めるようにしてもよい。例えば、図26に示す例では、合算保留記憶数を2倍した値をアドレスのオフセット値として求めるようにしてもよい。そして、CPU56は、ポインタの位置を初期位置からオフセット値の分だけ移動した位置とすることによって、ポインタを更新するように制御してもよい。なお、例えば、共通保留記憶数バッファに、1つの保留記憶あたり保留記憶特定情報保存領域と2つの乱数値保存領域(例えば、大当り種別決定用乱数用と大当り判定用乱数用)との合計3つのデータ格納領域が設けられている場合には、合算保留記憶数を3倍した値をアドレスのオフセット値として求めるようにすればよい。
また、CPU56は、ステップS217の処理に代えて、ソフトウェア乱数(大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)、およびランダムR(大当り判定用乱数)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として、共通保留記憶数バッファの空き領域の先頭の乱数値保存領域に格納する処理を実行する。具体的には、CPU56は、保留記憶特定情報保存領域にデータをセットした後に、アドレスを指定するポインタの位置を1つ更新して、更新後のポインタが指すアドレスの乱数値保存領域に乱数値を格納する。なお、CPU56は、格納する乱数値の種類の数分だけ同様の処理を行ってもよい。
図27および図28は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶数の値を確認する(ステップS52)。具体的には、第2保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。第2保留記憶数が0であれば、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第1」を示すデータを設定する(ステップS53)。第2保留記憶数が0でなければ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定する(ステップS54)。ステップS52〜S54の処理によって、第2保留記憶数が0でないことを条件として、第2特別図柄の変動表示を、第1特別図柄の変動表示に優先して実行するように制御される。
なお、遊技状態が時短状態や確変状態のときにのみ(時短状態のときのみ、確変状態のときのみ、または時短状態または確変状態のときのみ)、第2特別図柄の変動表示を第1特別図柄の変動表示に優先して実行するように制御してもよい。すなわち、遊技状態を確認し、遊技状態が通常状態のときは、始動入賞が発生した順序で第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を実行し(上記のステップS52〜S54の処理を実行し)、遊技状態が時短状態や確変状態のときは、第2特別図柄の変動表示を第1特別図柄の変動表示に優先して実行するように制御する。この場合、時短状態や確変状態のときは、可変入賞球装置15が高い頻度で開放し、第2始動入賞口14に数多くの遊技球が入賞する可能性が高いため、第2始動入賞口14への無効始動入賞(第2保留記憶数が4に達した後に発生する第2始動入賞の発生)の発生確率が高くなるが、時短状態や確変状態のときに第2特別図柄の変動表示を優先して実行することにより、第2始動入賞口14への無効始動入賞の発生を低減させることができる。
なお、この実施の形態では、第2保留記憶数が0でないことを条件として、常に第2特別図柄の変動表示を優先して実行する場合を説明するが、第1保留記憶数と第2保留記憶数とのいずれの保留記憶数が多いかを判断し、保留記憶数が多い方に対応する特別図柄を優先して実行するようにしてもよい。例えば、ステップS52で第1保留記憶数が第2保留記憶数より多いか否かを確認し、第1保留記憶数が第2保留記憶数より多ければ、ステップS53に移行して第1特別図柄の変動表示を優先して実行するようにし、第1保留記憶数が第2保留記憶数より多くなければ、ステップS54に移行して第2特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。なお、この場合、第1保留記憶数と第2保留記憶数とが同数であった場合には、第1特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよいし、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。そのように構成すれば、第1保留記憶数と第2保留記憶数のうち多い方の保留記憶数に対応する特別図柄の変動表示を優先して実行することができる。また、保留記憶数が多い方の始動入賞口への入賞にもとづく変動を優先的に開始できるので、始動入賞口への無効始動入賞の発生を低減することができる。
CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納するとともに、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)のm(m=2〜8)番目の領域に格納されているデータを、それぞれm−1番目の領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納するとともに、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)のm(m=2〜8)番目の領域に格納されているデータを、それぞれm−1番目の領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
なお、図26に示すような共通保留記憶数バッファを用いる場合、ステップS52において、CPU52は、第2保留記憶数カウンタのカウント値を確認することによって第2保留記憶数が0であるか否かを確認してもよいし、共通保留記憶数バッファの各保留記憶特定情報保存領域に「第2」を示すデータがセットされているか否かを確認することによって第2保留記憶数が0であるか否かを確認してもよい。そして、第2保留記憶数が0であれば、CPU56は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS53参照)。また、第2保留記憶数が0でなければ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定する(ステップS54参照)。
次いで、例えば、特別図柄ポインタが「第1」を示しているときには、ステップS55において、CPU56は、共通保留記憶数バッファの「第1」を示すデータが格納されている最初の保留記憶特定情報保存領域を特定し、特定した保留記憶特定情報保存領域の次のアドレスに対応する乱数値保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAMの乱数バッファ領域に格納してもよい。また、例えば、特別図柄ポインタが「第2」を示しているときには、ステップS55において、CPU56は、共通保留記憶数バッファの「第2」を示すデータが格納されている最初の保留記憶特定情報保存領域を特定し、特定した保留記憶特定情報保存領域の次のアドレスに対応する乱数値保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAMの乱数バッファ領域に格納してもよい。そして、ステップS56において、特定した保留記憶特定情報保存領域およびその次のアドレスに対応する乱数値保存領域以降の保留記憶特定情報保存領域および乱数値保存領域の内容をシフトするようにしてもよい。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S310の処理も、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
その後、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS57)。その後、CPU56は、遊技状態を示すフラグ(確変フラグ、時短フラグ)の設定状況にもとづいて現在の遊技状態を確認し、現在の遊技状態に応じた背景指定コマンドを送信する制御を実行する(ステップS58)。具体的には、確変フラグおよび時短フラグがセットされているときは、確変状態背景指定コマンドが送信され、時短状態がセットされているときは、時短状態背景指定コマンドが送信され、いずれのフラグもセットされていないときは、通常状態背景指定コマンドが送信される。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し(ステップS61)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS62)。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値(図8参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当り(通常大当りまたは確変大当り)または小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。
なお、CPU56は、遊技状態が確変状態であるときには、図8(B)に示すような大当り判定値が設定されているテーブルにおける大当り判定値を使用し、遊技状態が通常状態または時短状態(すなわち非確変状態)であるときには、図8(A)に示すような大当り判定値が設定されているテーブルにおける大当り判定値を使用する。
大当りとすることに決定した場合には(ステップS63)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aにおける停止図柄または第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
ステップS71では、CPU56は、大当りフラグをセットする。そして、乱数バッファ領域から大当り種別決定用乱数を読み出し(ステップS72)、大当り種別決定用乱数にもとづいて、図8(C)に示す大当り種別決定テーブルを用いて大当り種別(「通常」「第1確変」「第2確変」「第3確変」「突確」)を決定する(ステップS73)。大当り種別が決定されると、大当り種別に対応した特別図柄の停止図柄としての大当り図柄(「3」「5」「7」のいずれか)のいずれかが決定される。この実施の形態では、上述したように、確変大当り(「第1確変」「第2確変」「第3確変」)が決定された場合には、停止図柄が確変図柄(「7」)となる。また、通常大当り(「通常」)が決定された場合には、停止図柄が非確変図柄(「3」)となる。突然確変大当り(「突確」)が決定された場合には、停止図柄が突然確変図柄(「5」)となる。なお、大当り種別決定テーブルは第1特別図柄用のテーブルと第2特別図柄用のテーブルに分けられているので、CPU56は、ステップS73の処理を実行する前に、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」であるか「第2」であるかを確認し、大当り種別を決定するテーブルを選択する。
CPU56は、確変大当りとすることに決定された場合には、確変大当りの種別(「第1確変」「第2確変」「第3確変」)に応じた確変大当りフラグ(「第1確変大当りフラグ」「第2確変大当りフラグ」「第3確変大当りフラグ」)をセットする(ステップS74,S75)。また、突然確変大当りに決定された場合には、突然確変大当りフラグをセットする(ステップS76,S77)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS83)。
大当りとしない場合において(ステップS63のN)、小当りとすることに決定された場合には、CPU56は、小当りフラグをセットする(ステップS78,S79)。また、特別図柄の停止図柄を小当り図柄(「1」)に決定する(ステップS80)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS83)。
小当りとしない場合には(ステップS78のN)、CPU56は、乱数バッファ領域からはずれ図柄決定用乱数を読み出し(ステップS81)、はずれ図柄決定用乱数にもとづいて停止図柄を決定する(ステップS82)。この場合には、はずれ図柄(「2」「4」「6」「8」「9」「−」のいずれか)を決定する。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS83)。
なお、この実施の形態では、ステップS55〜S82に示すように、第1特別図柄の変動表示を行う場合と第2特別図柄の変動表示を行う場合とで、各乱数値の読み出し処理や各カウンタの更新処理(ステップS55〜S57参照)、大当りや小当りの判定処理(ステップS61〜S82参照)を共通化する場合を示したが、別々の処理として構成するようにしてもよい。この場合、例えば、CPU56は、ステップS53で特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定すると、ステップS55〜S82の処理を実行する。また、CPU56は、ステップS54で特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定すると、別処理としてステップS55〜S82と同様の処理を実行する。なお、乱数値の読み出し処理や各カウンタの更新処理、大当りや小当りの判定処理を別処理として構成する場合に、一部の処理のみを共通のサブルーチンとして構成するようにしてもよい。例えば、ステップS61〜S82の大当りや小当りの判定処理のみを共通のサブルーチンとして構成し、ステップS53で特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定すると、ステップS55〜S58の処理を実行した後に、大当りや小当りの判定を行うサブルーチンを呼び出すようにしてもよい。また、ステップS54で特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定すると、別処理としてステップS55〜S58と同様の処理を実行した後に、大当りや小当りの判定を行うサブルーチンを呼び出すようにしてもよい。
また、この実施の形態では、大当り判定用乱数にもとづいて大当りとするか否かを決定し、大当りとすることに決定された場合に大当り種別決定用乱数にもとづいて所定の大当り種別(すなわち、非確変大当り、第1確変大当り、第2確変大当り、第3確変大当り、突然確変大当りの種別)を決定しているが、大当り判定用乱数にもとづいて、大当りとするか否かと大当りの種類とを決定するようにしてもよい。
次に、CPU56において変動パターンを選択するために用いる決定テーブル(図29〜図38)について説明する。
ROM54が記憶する決定テーブルには、図29(A)〜(F)及び図30(A)〜(C)に示す大当り用変動パターン種別決定テーブル132A〜132Iが含まれている。大当り用変動パターン種別決定テーブル132A〜132Iは、可変表示結果を「大当り」とする旨の決定がなされたときに、大当り種別の決定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各大当り用変動パターン種別決定テーブル132A〜132Iは、例えば図30(D)に示すようなテーブル選択設定に従い、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態、確変状態及び時短状態のいずれであるかや、大当り種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。各大当り用変動パターン種別決定テーブル132A〜132Iは、大当り種別の決定結果が「通常」、「第1確変」〜「第3確変」、「突確」のいずれであるかに応じて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を、ノーマルCA3−1、スーパーCA3−2〜スーパーCA3−8、スーパーCB3−1〜スーパーCB3−5、特殊CA4−1、特殊CA4−2、特殊CB4−1、特殊CB4−2、特殊CC4−1、特殊CC4−2の変動パターン種別のいずれかに割り当てる決定用データなどから構成されている。
ここで、一例として、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態である場合に着目すれば、大当り種別が「通常」または「第3確変」である場合に用いられる図29(A)に示す大当り用変動パターン種別決定テーブル132Aと、大当り種別が「第1確変」である場合に用いられる図25(B)に示す大当り用変動パターン種別決定テーブル132Bとでは、ノーマルCA3−1やスーパーCA3−2の変動パターン種別に対する変動パターン種別決定用の乱数値MR3の割当てが異なっている。また、大当り用変動パターン種別決定テーブル132AではスーパーCA3−3の変動パターン種別に対して変動パターン種別決定用の乱数値MR3が割り当てられている一方で、大当り用変動パターン種別決定テーブル132BではスーパーCA3−3の変動パターン種別に対して変動パターン種別決定用の乱数値MR3が割り当てられていない。他方、大当り用変動パターン種別決定テーブル132AではスーパーCA3−4の変動パターン種別に対して変動パターン種別決定用の乱数値MR3が割り当てられていない一方で、大当り用変動パターン種別決定テーブル132BではスーパーCA3−4の変動パターン種別に対して変動パターン種別決定用の乱数値MR3が割り当てられている。このように、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態、確変状態及び時短状態のいずれかである場合に着目して、その遊技状態において大当り種別に応じて選択される大当り用変動パターン種別決定テーブル132A〜132Dや(通常状態のときに選択)、大当り用変動パターン種別決定テーブル132E〜132H(確変状態のときに選択)、大当り用変動パターン種別決定テーブル132A〜132C、132I(時短状態のときに選択)を互いに比較すると、大当り種別に応じて各変動パターン種別に対する変動パターン種別決定用の乱数値MR3の割当てが異なっており、また、大当り種別に応じて異なる変動パターン種別に対して変動パターン種別決定用の乱数値MR3が割り当てられている。これにより、大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果に応じて、異なる変動パターン種別に決定することが可能となり、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
特に、大当り種別が「突確」である場合に用いられる大当り用変動パターン種別決定テーブル132D、132H、132Iでは、例えば特殊CA4−1、特殊CA4−2、特殊CB4−1、特殊CB4−2、特殊CC4−1、特殊CC4−2といった、大当り種別が「突確」以外である場合には変動パターン種別決定用の乱数値MR3が割り当てられない変動パターン種別に対して、変動パターン種別決定用の乱数値MR3が割り当てられている。これにより、可変表示結果が「大当り」となり大当り種別が「突確」となることに応じて2ラウンド大当り状態に制御する場合には、15ラウンド大当り状態に制御する場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。
また、他の一例として、大当り種別が「通常」に決定された場合に着目すれば、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や時短状態である場合に用いられる図29(A)に示す大当り用変動パターン種別決定テーブル132Aと、遊技状態が確変状態である場合に用いられる図29(E)に示す大当り用変動パターン種別決定テーブル132Eとでは、ノーマルCA3−1やスーパーCA3−2の変動パターン種別に対する変動パターン種別決定用の乱数値MR3の割当てが異なっている。また、大当り用変動パターン種別決定テーブル132AではスーパーCA3−3の変動パターン種別に対して変動パターン種別決定用の乱数値MR3が割り当てられている一方で、大当り用変動パターン種別決定テーブル132EではスーパーCA3−3の変動パターン種別に対して変動パターン種別決定用の乱数値MR3が割り当てられていない。このように、大当り種別が「通常」、「第1確変」〜「第3確変」、「突確」のいずれかに決定された場合に着目して、パチンコ遊技機1における遊技状態に応じて選択される大当り用変動パターン種別決定テーブル132A、132E(「通常」または「第3確変」のときに選択)、大当り用変動パターン種別決定テーブル132B、132F(「第1確変」のときに選択)、大当り用変動パターン種別決定テーブル132C、132G(「第2確変」のときに選択)、大当り用変動パターン種別決定テーブル132D、132H、132I(「突確」のときに選択)を互いに比較すると、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や時短状態であるか確変状態であるかなどに応じて各変動パターン種別に対する変動パターン種別決定用の乱数値MR3の割当てが異なっており、また、遊技状態に応じて異なる変動パターン種別に対して変動パターン種別決定用の乱数値MR3が割り当てられることがある。これにより、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や時短状態であるか確変状態であるかなどに応じて、異なる変動パターン種別に決定することが可能となり、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
ROM54が記憶する決定テーブルには、図31(A)〜(C)に示す小当り用変動パターン種別決定テーブル133A〜133Cが含まれている。小当り用変動パターン種別決定テーブル133A〜133Cは、可変表示結果を「小当り」とする旨の決定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各小当り用変動パターン種別決定テーブル133A〜133Cは、例えば図31(D)に示すようなテーブル選択設定に従い、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態、確変状態及び時短状態のいずれであるかに応じて、使用テーブルとして選択される。各小当り用変動パターン種別決定テーブル133A〜133Cは、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を、特殊CA4−1、特殊CB4−1、特殊CC4−1の変動パターン種別のいずれかに割り当てる決定用データなどから構成されている。
ここで、図31(A)に示す小当り用変動パターン種別決定テーブル133Aにて変動パターン種別決定用の乱数値MR3が割り当てられた特殊CA4−1の変動パターン種別には、図29(D)に示す大当り用変動パターン種別決定テーブル132Dにおいても変動パターン種別決定用の乱数値MR3が割り当てられている。図31(B)に示す小当り用変動パターン種別決定テーブル133Bにて変動パターン種別決定用の乱数値MR3が割り当てられた特殊CB4−1の変動パターン種別には、図30(B)に示す大当り用変動パターン種別決定テーブル132Hにおいても変動パターン種別決定用の乱数値MR3が割り当てられている。図31(C)に示す小当り用変動パターン種別決定テーブル133Cにて変動パターン種別決定用の乱数値MR3が割り当てられた特殊CC4−1の変動パターン種別には、図30(C)に示す大当り用変動パターン種別決定テーブル132Iにおいても変動パターン種別決定用の乱数値MR3が割り当てられている。このように、特殊CA4−1、特殊CB4−1、特殊CC4−1の変動パターン種別は、大当り種別が「突確」となる場合と、可変表示結果が「小当り」となる場合で共通の変動パターン種別となっている。すなわち、大当り種別が「突確」である場合に用いられる図29(D)に示す大当り用変動パターン種別決定テーブル132Dや、図30(B)に示す大当り用変動パターン種別決定テーブル132H、図30(C)に示す大当り用変動パターン種別決定テーブル132Iと、可変表示結果が「小当り」となる場合に用いられる図31(A)に示す小当り用変動パターン種別決定テーブル133Aや、図31(B)に示す小当り用変動パターン種別決定テーブル133B、図31(C)に示す小当り用変動パターン種別決定テーブル133Cとには、共通の変動パターン種別が含まれるように設定されている。
ROM54が記憶する決定テーブルには、図32(A)〜(C)に示すリーチ決定テーブル134A〜134Cが含まれている。リーチ決定テーブル134A〜134Cは、可変表示結果を「ハズレ」とする旨の決定がなされたときに、演出図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを、リーチ決定用の乱数値MR2−2に基づいて決定するために参照されるテーブルである。各リーチ決定テーブル134A〜134Cは、例えば図32(D)に示すようなテーブル選択設定に従い、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態、確変状態及び時短状態のいずれであるかに応じて、使用テーブルとして選択される。各リーチ決定テーブル134A〜134Cは、リーチ決定用の乱数値MR2−2を、非リーチHA1−1〜非リーチHA1−5、非リーチHB1−1、非リーチHB1−2、非リーチHC1−1、非リーチHC1−2といったリーチ状態としない旨の決定結果や、リーチHA2−1〜リーチHA2−3、リーチHB2−1、リーチHC2−1といったリーチ状態とする旨の決定結果のいずれかに割り当てる決定用データなどから構成されている。
ここで、例えば図32(A)に示すリーチ決定テーブル134Aの設定では、合算保留記憶数(合計保留記憶数)が「0」である場合に対応して、リーチ決定用の乱数値MR2−2のうち「1」〜「204」の範囲の値を非リーチHA1−1の決定結果に割り当てる一方で「205」〜「239」の範囲の値をリーチHA2−1の決定結果に割り当てる。また、合算保留記憶数が「1」である場合に対応して、リーチ決定用の乱数値MR2−2のうち非リーチHA1−1に割り当てる乱数値の個数よりも多い「1」〜「217」の範囲の値を、非リーチHA1−2の決定結果に割り当てる。さらに、合算保留記憶数が「2」である場合に対応して、リーチ決定用の乱数値MR2−2のうち非リーチHA1−1や非リーチHA1−2に割り当てる乱数値の個数よりも多い「1」〜「220」の範囲の値を、非リーチHA1−3の決定結果に割り当てる。合算保留記憶数が「3」または「4」である場合や「5」〜「8」のいずれかである場合のそれぞれに対応して、リーチ決定用の乱数値MR2−2のうち非リーチHA1−1〜非リーチHA1−3の決定結果のそれぞれに割り当てる乱数値の個数よりも多い「1」〜「230」の範囲の値を、非リーチHA1−4や非リーチHA1−5の決定結果に割り当てる。このような設定により、合算保留記憶数が所定数(例えば「3」)以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、演出図柄の可変表示状態をリーチ状態とする旨の決定がなされる割合が低くなる。そして、「非リーチ」に対応した変動パターンにおける平均的な特図変動時間が「リーチ」に対応した変動パターンにおける平均的な特図変動時間に比べて短くなるように設定されていれば、合算保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、平均的な特図変動時間を短縮することができる。
ROM54が記憶する決定テーブルには、図33(A)〜(C)に示すリーチ用変動パターン種別決定テーブル135A〜135Cが含まれている。リーチ用変動パターン種別決定テーブル135A〜135Cは、演出図柄の可変表示状態をリーチ状態とする旨の決定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各リーチ用変動パターン種別決定テーブル135A〜135Cは、リーチHA2−1〜リーチHA2−3、リーチHB2−1、リーチHC2−1といったリーチ状態とする旨の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、リーチHA2−1〜リーチHA2−3の決定結果に応じてリーチ用変動パターン種別決定テーブル135Aが使用テーブルとして選択され、リーチHB2−1の決定結果に応じてリーチ用変動パターン種別決定テーブル135Bが使用テーブルとして選択され、リーチHC2−1の決定結果に応じてリーチ用変動パターン種別決定テーブル135Cが使用テーブルとして選択される。各リーチ用変動パターン種別決定テーブル135A〜135Cは、リーチ状態とする旨の決定結果がリーチHA2−1〜リーチHA2−3、リーチHB2−1、リーチHC2−1のいずれであるかに応じて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を、ノーマルCA2−1、スーパーCA2−2、スーパーCA2−3、スーパーCB2−1、スーパーCB2−2の変動パターン種別のいずれかに割り当てる決定用データなどから構成されている。
ここで、例えば図33(A)に示すリーチ用変動パターン種別決定テーブル135Aの設定では、リーチHA2−1の決定結果に対応して、変動パターン種別決定用の乱数値MR3のうち「1」〜「128」の範囲の値をノーマルCA2−1の変動パターン種別に割り当てる一方で、それ以外の乱数値をスーパーCA2−2やスーパーCA2−3の変動パターン種別に割り当てる。また、リーチHA2−2の決定結果に対応して、変動パターン種別決定用の乱数値MR3のうち「1」〜「170」の範囲の値をノーマルCA2−1の変動パターン種別に割り当てる。さらに、リーチHA2−3の決定結果に対応して、変動パターン種別決定用の乱数値MR3のうち「1」〜「182」の範囲の値をノーマルCA2−1の変動パターン種別に割り当てる。リーチHA2−1の決定結果は、図32(A)に示すリーチ決定テーブル134Aの設定により、合算保留記憶数が「0」である場合に対応して、リーチ決定用の乱数値MR2−2が割り当てられている。リーチHA2−2の決定結果は、合算保留記憶数が「1」である場合や「2」である場合に対応して、リーチ決定用の乱数値MR2−2が割り当てられている。リーチHA2−3の決定結果は、合算保留記憶数が「3」、「4」のいずれかである場合や「5」〜「8」のいずれかである場合に対応して、リーチ決定用の乱数値MR2−2が割り当てられている。これらの設定により、合算保留記憶数が所定数(例えば「1」)以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、「ノーマル」のリーチ演出が実行されるノーマルCA2−1の変動パターン種別に決定される割合が高くなる。そして、「ノーマル」のリーチ演出を実行する変動パターンにおける平均的な特図変動時間が「ノーマル」以外のリーチ演出を実行する変動パターンにおける平均的な特図変動時間に比べて短くなるように設定されていれば、合算保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、平均的な特図変動時間を短縮することができる。
ROM54が記憶する決定テーブルには、図34(A)〜(C)に示す非リーチ用変動パターン種別決定テーブル136A〜136Cが含まれている。非リーチ用変動パターン種別決定テーブル136A〜136Cは、演出図柄の可変表示状態をリーチ状態としない旨の決定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各非リーチ用変動パターン種別決定テーブル136A〜136Cは、非リーチHA1−1〜非リーチHA1−5、非リーチHB1−1、非リーチHB1−2、非リーチHC1−1、非リーチHC1−2といったリーチ状態としない旨の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、非リーチHA1−1〜非リーチHA1−5の決定結果に応じて非リーチ用変動パターン種別決定テーブル136Aが使用テーブルとして選択され、非リーチHB1−1、非リーチHB1−2の決定結果に応じて非リーチ用変動パターン種別決定テーブル136Bが使用テーブルとして選択され、非リーチHC1−1、非リーチHC1−2の決定結果に応じて非リーチ用変動パターン種別決定テーブル136Cが使用テーブルとして選択される。各非リーチ用変動パターン種別決定テーブル136A〜136Cは、リーチ状態としない旨の決定結果が非リーチHA1−1〜非リーチHA1−5、非リーチHB1−1、非リーチHB1−2、非リーチHC1−1、非リーチHC1−2のいずれであるかに応じて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を、非リーチCA1−1〜非リーチCA1−4、非リーチCB1−1〜非リーチCB1−3、非リーチCC1−1〜非リーチCC1−3の変動パターン種別のいずれかに割り当てる決定用データなどから構成されている。
ROM54が記憶する決定テーブルには、図35、図36(A)及び(B)に示す当り変動パターン決定テーブル137A〜137Cが含まれている。当り変動パターン決定テーブル137A〜137Cは、可変表示結果を「大当り」または「小当り」とする旨の決定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターンを、変動パターン決定用の乱数値MR4に基づいて複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各当り変動パターン決定テーブル137A〜137Cは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1、スーパーCA3−2〜スーパーCA3−8のいずれかとする旨の決定結果に応じて当り変動パターン決定テーブル137Aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別をスーパーCB3−1〜スーパーCB3−5のいずれかとする旨の決定結果に応じて当り変動パターン決定テーブル137Bが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別を特殊CA4−1、特殊CA4−2、特殊CB4−1、特殊CB4−2、特殊CC4−1、特殊CC4−2のいずれかとする旨の決定結果に応じて当り変動パターン決定テーブル137Cが使用テーブルとして選択される。各当り変動パターン決定テーブル137A〜137Cは、変動パターン種別に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4を、演出図柄の可変表示結果が「大当り」または「小当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに割り当てる決定用データなどから構成されている。
ROM54が記憶する決定テーブルには、図37及び図38に示すハズレ変動パターンテーブル138A、138Bが含まれている。ハズレ変動パターン決定テーブル138A、138Bは、可変表示結果を「ハズレ」とする旨の決定がなされたときに、リーチ状態とするか否かや変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターンを、変動パターン決定用の乱数値MR4に基づいて複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各ハズレ変動パターン決定テーブル138A、138Bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別を非リーチCA1−1〜非リーチCA1−4、非リーチCB1−1〜非リーチCB1−3、非リーチCC1−1〜非リーチCC1−3のいずれかとする旨の決定結果に応じてハズレ変動パターン決定テーブル138Aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別をノーマルCA2−1、スーパーCA2−2、スーパーCA2−3、スーパーCB2−1、スーパーCB2−2のいずれかとする旨の決定結果に応じてハズレ変動パターン決定テーブル138Bが使用テーブルとして選択される。ハズレ変動パターン決定テーブル138Aは、変動パターン種別に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4を、演出図柄の可変表示結果が「ハズレ」であり可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに割り当てる決定用データなどから構成されている。ハズレ変動パターン決定テーブル138Bは、変動パターン種別に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4を、演出図柄の可変表示結果が「ハズレ」であり可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに割り当てる決定用データなどから構成されている。
ここで、図37に示すハズレ変動パターン決定テーブル138Aの設定では、非リーチCA1−4や非リーチCC1−2といった非リーチの変動パターン種別となる場合に対応して、非リーチPA1−4〜非リーチPA1−7といった特定演出を実行する変動パターンに、変動パターン決定用の乱数値MR4が割り当てられている。また、非リーチCB1−2の変動パターン種別に対応して、変動パターン決定用の乱数値MR4のうち、「1」〜「100」の範囲の値が「発展チャンス目終了」の特定演出を実行する非リーチPA1−7の変動パターンに割り当てられている。このような設定により、可変表示結果を「ハズレ」とする旨の決定、及び、演出図柄の可変表示状態をリーチ状態としない旨の決定に対応して、変動パターンを非リーチPA1−4〜非リーチPA1−7のいずれかに決定し、特定演出となる演出動作を実行することができる。
そして、非リーチCA1−4の変動パターン種別に対しては、図34(A)に示す非リーチ用変動パターン種別変動パターンの136Aにおいて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3のうち、非リーチHA1−1に対応して「217」〜「241」の範囲の値が割り当てられており、非リーチHA1−2に対応して「230」〜「241」の範囲の値が割り当てられており、非リーチHA1−3に対応して「231」〜「241」の範囲の値が割り当てられており、非リーチHA1−4と非リーチHA1−5のそれぞれに対応して「237」〜「241」の範囲の値が割り当てられている。ここで、非リーチHA1−1の決定結果に対しては、図32(A)に示すリーチ決定テーブル134Aにおいて、合算保留記憶数が「0」である場合に対応して、リーチ決定用の乱数値MR2−2のうち「1」〜「204」の範囲の値が割り当てられている。非リーチHA1−2の決定結果に対しては、リーチ決定テーブル134Aにおいて、合算保留記憶数が「1」に対応して、リーチ決定用の乱数値MR2−2のうち「1」〜「217」の範囲の値が割り当てられている。非リーチHA1−3の決定結果に対しては、リーチ決定テーブル134Aにおいて、合算保留記憶数が「2」に対応して、リーチ決定用の乱数値MR2−2のうち「1」〜「220」の範囲の値が割り当てられている。非リーチHA1−4の決定結果に対しては、リーチ決定テーブル134Aにおいて、合算保留記憶数が「3」、「4」に対応して、リーチ決定用の乱数値MR2−2のうち「1」〜「230」の範囲の値が割り当てられている。非リーチHA1−5の決定結果に対しては、リーチ決定テーブル134Aにおいて、合算保留記憶数が「5」〜「8」に対応して、リーチ決定用の乱数値MR2−2のうち「1」〜「230」の範囲の値が割り当てられている。したがって、合算保留記憶数が「1」や「2」である場合には、合算保留記憶数が「0」である場合に比べて、非リーチCA1−4の変動パターン種別に決定される割合が低くなる。また、合算保留記憶数が「3」、「4」あるいは「5」〜「8」のいずれかである場合には、合算保留記憶数が「0」である場合や、「1」または「2」である場合に比べて、非リーチCA1−4の変動パターン種別に決定される割合が低くなる。
図9に示す変動パターンの一例では、特定演出が実行されない非リーチPA1−1の変動パターンにおける特図変動時間が5.75秒であり、非リーチPA1−2の変動パターンにおける特図変動時間が3.75秒であり、非リーチPA1−3の変動パターンにおける特図変動時間が1.50秒である。これに対して、「滑り」の特定演出が実行される非リーチPA1−4の変動パターンにおける特図変動時間は8.25秒であり、「擬似連」の特定演出が実行される非リーチPA1−5の変動パターンにおける特図変動時間は16.70秒であり、「メイン予告」の特定演出が実行される非リーチPA1−6の変動パターンにおける特図変動時間は7.75秒であり、「発展チャンス目終了」の特定演出が実行される非リーチPA1−7の変動パターンにおける特図変動時間は9.25秒である。すなわち、「非リーチ」に対応して特定演出が実行される変動パターンにおける特図変動時間はいずれも、特定演出が実行されない変動パターンにおける特図変動時間に比べて長くなっている。そして、合算保留記憶数が「1」以上である場合には、「0」である場合に比べて特定演出を実行する非リーチCA1−4の変動パターン種別に決定される割合が低くなっており、また、合算保留記憶数が「3」以上である場合には、「3」未満である場合に比べて非リーチCA1−4の変動パターン種別に決定される割合が低くなっている。こうして、合算保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、平均的な特図変動時間を短縮することができる。
図38に示すハズレ変動パターン決定テーブル138Bの設定では、ノーマルCA2−1の変動パターン種別となる場合に対応して、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−4といった「ノーマル」のリーチ演出を実行する変動パターンに、変動パターン決定用の乱数値MR4が割り当てられている。また、スーパーCA2−2の変動パターン種別となる場合に対応して、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−4といったリーチ演出α1を実行する変動パターンや、スーパーPA3−5〜スーパーPA3−8といったリーチ演出α2を実行する変動パターンに、変動パターン決定用の乱数値MR4が割り当てられている。スーパーCA2−3やスーパーCB2−1の変動パターン種別となる場合に対応して、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−5といったリーチ演出β1を実行する変動パターンに、変動パターン決定用の乱数値MR4が割り当てられている。
加えて、例えばスーパーPA3−4、スーパーPA3−8、スーパーPB3−4の変動パターンのように、「擬似連」の特定演出を実行する変動パターンについては、擬似連変動が行われた後に演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに基づいて実行されるリーチ演出における演出動作の種類により変動パターン種別が分類されている。すなわち、スーパーPA3−4の変動パターンは、リーチ演出α1を実行する変動パターンであることから、図38に示すハズレ変動パターン決定テーブル138Bにおいて、スーパーCA2−2の変動パターン種別となる場合に対応して、変動パターン決定用の乱数値MR4が割り当てられている。スーパーPA3−8の変動パターンは、リーチ演出α2を実行する変動パターンであることから、ハズレ変動パターン決定テーブル138Bにおいて、スーパーCA2−2の変動パターン種別となる場合に対応して、変動パターン決定用の乱数値MR4が割り当てられている。スーパーPB3−4の変動パターンは、リーチ演出β1を実行する変動パターンであることから、ハズレ変動パターン決定テーブル138Bにおいて、スーパーCA2−3やスーパーCB2−1の変動パターン種別となる場合に対応して、変動パターン決定用の乱数値MR4が割り当てられている。
そして、ノーマルCA2−1やスーパーCA2−2の変動パターン種別に対しては、図33(A)〜(C)に示すリーチ用変動パターン種別決定テーブル135A〜135Cのいずれにおいても、変動パターン種別決定用の乱数値MR3が割り当てられている。また、スーパーCA2−3の変動パターン種別に対しては、図33(A)及び(C)に示すリーチ用変動パターン種別決定テーブル135A、135Cにおいて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3が割り当てられている。スーパーCB2−1の変動パターン種別に対しては、図33(B)に示すリーチ用変動パターン種別決定テーブル135Bにおいて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3が割り当てられている。このように、図33(A)〜(C)に示すリーチ用変動パターン種別決定テーブル135A〜135Cでは、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに基づいて実行されるリーチ演出における演出動作の種類により分類された変動パターン種別のいずれかに決定できるように、テーブルデータ(決定用データ)が構成されている。また、リーチ用変動パターン種別決定テーブル135A〜135Cでは、「擬似連」の特定演出を実行した後に演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに基づいて実行されるリーチ演出における演出動作の種類により分類された変動パターン種別のいずれかに決定できるように、テーブルデータが構成されている。
図39および図40は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS91)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS91;Yes)、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態、確変状態及び時短状態のいずれであるかに基づき、図30(D)に示すテーブル選択設定に従い、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り用変動パターン種別決定テーブル132A〜132Iのいずれかを選択してセットする(ステップS92)。
ステップS91にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS261;No)、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS93)。このとき、小当りフラグがオンであれば(ステップS93;Yes)、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態、確変状態及び時短状態のいずれであるかに基づき、図31(D)に示すテーブル選択設定に従い、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、小当り用変動パターン種別決定テーブル133A〜133Cのいずれかを選択してセットする(ステップS94)。
ステップS93にて小当りフラグがオフである場合には(ステップS93;No)、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態、確変状態及び時短状態のいずれであるかに基づき、図32(D)に示すテーブル選択設定に従い、演出図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを判定するための使用テーブルとして、リーチ決定テーブル134A〜134Cのいずれかを選択してセットする(ステップS95)。このときには、例えば合算保留記憶数カウント値を読み取ることなどにより、合算保留記憶数を特定する(ステップS96)。続いて、リーチ決定用の乱数値MR2−2を読み出す(ステップS97)。そして、ステップS97にて読み出したリーチ決定用の乱数値MR2−2に基づき、ステップS95にてセットしたリーチ決定テーブル134A〜134Cのいずれかを参照することにより、リーチ状態の有無を決定する(ステップS98)。
ステップS98においてリーチ状態ありとする旨のリーチ決定結果が得られた場合には(ステップS99;Yes)。ステップS98におけるリーチHA2−1〜リーチHA2−3、リーチHB2−1、リーチHC2−1の決定結果といったリーチ状態ありの各決定結果に応じて、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図33(A)〜(C)に示すリーチ用変動パターン種別決定テーブル135A〜135Cのいずれかを選択してセットする(ステップS100A)。これに対して、ステップS98においてリーチ状態なしとする旨のリーチ決定結果が得られた場合には(ステップS99;No)、ステップS98における非リーチHA1−1〜非リーチHA1−5、非リーチHB1−1、非リーチHB1−2、非リーチHC1−1、非リーチHC1−2の決定結果といったリーチ状態なしの各決定結果に応じて、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図34(A)〜(C)に示す非リーチ用変動パターン種別決定テーブル136A〜136Cのいずれかを選択してセットする(ステップS100B)。
ステップS92、S94、S100A、S2100Bの処理のいずれかを実行した後には、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を読み出す(ステップS101A)。そして、ステップS101Aにて読み出した変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づき、ステップS92、S94、S100A、S100Bのいずれかにてセットした使用テーブルを参照することにより、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS101B)。
ここで、ステップS101A、S101Bの処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示器8aにより第1特別図柄を用いて実行される特図ゲームに対応した演出図柄の変動パターン種別を決定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示器8bにより第2特別図柄を用いて実行される特図ゲームに対応した演出図柄の変動パターン種別を決定するかに関わりなく、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン種別決定用となる共通の乱数値MR3を示す数値データを用いて、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する。また、ステップS101A、S101Bの処理では、ステップS98におけるリーチ状態の有無の決定結果に関わりなく、変動パターン種別決定用となる共通の乱数値MR3を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定することができる。一例として、ステップS101Bの処理では、決定テーブルポインタにセットされたROM54のアドレスに記憶された決定テーブルを参照して変動パターン種別の決定を行うようにすればよい。
こうしてステップS101Bにて変動パターン種別が決定された後には、その変動パターン種別の決定結果に基づき、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図35、図36(A)及び(B)に示す当り変動パターン決定テーブル137A〜137Cや図37、図38に示すハズレ変動パターン決定テーブル138A、138Bといった複数種類の変動パターン決定テーブルのいずれかを選択してセットする(ステップS101C)。続いて、変動パターン決定用の乱数値MR4を読み出す(ステップS101D)。そして、ステップS101Dにて読み出した変動パターン決定用の乱数値MR4に基づき、ステップS101Cにてセットした変動パターン決定テーブルを参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(ステップS101E)。
ここで、ステップS101D、S101Eの処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示器8aにより第1特別図柄を用いて実行される特図ゲームに対応した演出図柄の変動パターンを決定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示器8bにより第2特別図柄を用いて実行される特図ゲームに対応した演出図柄の変動パターンを決定するかに関わりなく、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン決定用となる共通の乱数値MR4を示す数値データを用いて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する。また、ステップS101D、S101Eの処理では、ステップS98におけるリーチ状態の有無の決定結果に関わりなく、変動パターン決定用となる共通の乱数値MR4を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができる。一例として、ステップS101Eの処理では、決定テーブルポインタにセットされたROM54のアドレスに記憶された決定テーブルを参照して変動パターンが決定されればよい。
その後、CPU56は、特別図柄の変動を示す図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS102)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には、第1特別図柄の変動を示す第1図柄変動指定コマンドを送信し、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には、第2特別図柄の変動を示す第2図柄変動指定コマンドを送信する。なお、ステップS53,S54の処理の実行後に、図柄変動指定コマンド送信テーブルをセットする処理を実行するようにしてもよい。その場合、ステップS102において、特別図柄の変動が第1特別図柄の変動であるか第2特別図柄の変動であるかを判定する必要がないので、遊技制御用マイクロコンピュータ560の判定処理の負担が軽減され、かつプログラム数を削減することができる。
また、CPU56は、ステップS101Eで決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンド(図13参照)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS103)。なお、ステップS101Eの処理によって、特別図柄の変動時間(可変表示時間)が決定されたことになる。
なお、ステップS103の処理を実行した後にステップS102の処理を実行するようにしてもよい。つまり、変動パターンコマンドを送信する制御を実行した後に、図柄変動指定コマンドを送信する制御を実行するようにしてもよい。
そして、特別図柄ポインタの設定に応じて、第1特別図柄または第2特別図柄の変動を開始する(ステップS104)。例えば、ステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される開始フラグをセットする。なお、開始フラグや終了フラグを用いずに、ステップS33の特別図柄表示制御処理において、特別図柄プロセスフラグの値のみにもとづいて特別図柄の変動を制御する場合には、ステップS106において、CPU56は、第1特別図柄または第2特別図柄のいずれの変動であるかを示すフラグをセットするようにしてもよい。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS105)。なお、第1特別図柄の変動が実行される場合も、第2特別図柄の変動が実行される場合も、変動時間が設定される領域(変動時間タイマ)は共通である。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS106)。
この実施の形態では、特別図柄プロセス処理は、第1特別図柄と第2特別図柄とで兼用されている。すなわち、特別図柄プロセス処理も共通化されている。よって、ROM54において特別図柄プロセス処理のプログラムを格納する領域も節減されている。また、例えば、ステップS105で設定される変動時間タイマ(RAM55に形成されている)は、第1特別図柄と第2特別図柄とで兼用されるので、RAM55の容量節減にもつながる。
なお、リーチ判定用乱数値、変動パターン種別判定用乱数値、変動パターン決定用乱数値は、始動入賞の発生時に抽出されて保存領域(図25、図26参照)に格納され、それぞれ、ステップS97,S101A,S101Dにおいて読み出されるように構成されているが、ステップS97,S101A,S101Dにおいて各々の乱数値を抽出するように構成されていてもよい。大当りの判定や大当り種別の判定に関係しないからである。
図41は、表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果特定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されているはずれ・大当り・小当り、または大当りの種類に応じて、表示結果1指定〜表示結果7指定のいずれかの演出制御コマンド(図13参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、小当りフラグがセットされているか否かを確認し(ステップS116)、小当りフラグもセットされていなければ、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS118)。また、小当りフラグがセットされているときには、表示結果7指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS116,S117)。大当りフラグがセットされている場合、確変大当りフラグがセットされているときには、表示結果3〜5指定コマンドのいずれかを送信する制御を行う(ステップS111,S112)。すなわち、第1確変大当りフラグがセットされているときは表示結果3指定コマンドを送信する制御を行い、第2確変大当りフラグがセットされているときは表示結果4指定コマンドを送信する制御を行い、第3確変大当りフラグがセットされているときは表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う。また、確変大当りフラグがセットされておらず、突然確変大当りフラグもセットされていないときは、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113,S114)。突然確変大当りフラグがセットされているときは、表示結果6指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS115)。
次いで、合算保留記憶数を1減算することを指定する合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する(ステップS119)。なお、合算保留記憶数減算指定コマンドを送信せずに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信してもよい。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS120)。
図42は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS121)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS122)、停止時間タイマに図柄停止時間(特別図柄の停止図柄の停止時間;例えば1秒)をセットしスタートさせる(ステップS123)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS124)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図43は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、ステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS130)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS131)。
なお、図柄確定指定コマンドは第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの停止を指定する場合にも用いる共通のコマンドとされているが、第1特別図柄の停止(確定)を指定する第1図柄確定指定コマンドと第2特別図柄の停止(確定)を指定する第2図柄確定指定コマンドを設けてもよい。この場合、例えば、ステップS122のYのときに、特別図柄ポインタが「第1」を示すか「第2」を示すかを特定し、対応する図柄確定指定コマンドを送信するようにしてもよい。また、ステップS131の処理において、特別図柄ポインタが「第1」を示すか「第2」を示すかを特定し、対応する図柄確定指定コマンドを送信するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、停止時間タイマの値を1減算し(ステップS132A)、停止時間タイマの値が0になったか(タイムアウトしたか)どうか確認する(ステップS132B)。停止時間タイマの値が0になっていないとき(タイムアウトしていないとき)は、そのまま処理を終了する。停止時間タイマの値が0になったときは、ステップS133A以降の処理を実行する。なお、図柄確定指定コマンドは、停止図柄の導出表示のときに1回だけ送信されるように(ステップS131参照)、図柄確定指定コマンドを送信したときに送信済みフラグをセットし、そのフラグがセットされた後は、ステップS131の処理を実行しないようにする。
次いで、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS133A)。セットされていれば、大当り開始2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS133B)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS133C)。
小当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS133D)。セットされていれば、CPU56は、確変フラグおよび時短フラグをリセットし(ステップS134)、大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。具体的には、確変大当りフラグがセットされている場合には大当り開始3指定コマンドを送信し、突然確変大当りフラグがセットされている場合には大当り4指定コマンドを送信し、確変大当りフラグおよび突然確変大当りフラグがセットされていない場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを例えば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS136)。なお、大当り表示時間は、15ラウンドの大当りの場合と2ラウンドの大当りの場合とで異なる時間とされている。また、CPU56は、開放回数カウンタに、開放回数をセットする(ステップS138)。具体的には、15ラウンドの大当りの場合には、開放回数カウンタに「15」をセットする。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS139)。
大当りフラグもセットされていない場合には(ステップS133DのN)、CPU56は、時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS139A)。セットされていれば、時短状態における特別図柄および飾り図柄の変動表示の回数をカウントするための時短回数カウンタを1減算し(ステップS139B)、減算後の時短回数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS139C)。時短回数カウンタの値が0であれば、時短フラグをリセットする(ステップS139D)。なお、この実施の形態では、時短状態に移行されてから100回の特別図柄の変動が終了するまで時短状態が継続される。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS140)。
なお、ステップS133A〜S133Cの処理をステップS140の処理の直前にて実行するようにしてもよい。このような構成によれば、時短回数を正確にカウント(減算)することができる。すなわち、この実施の形態では、小当りが発生してから小当り遊技が終了した場合であっても、遊技状態が変更されない。従って、小当りが発生したときの遊技状態が時短状態であれば、小当り遊技の終了後の遊技状態も時短状態になる。そして、仮に、小当り遊技の終了後における時短状態が継続可能な変動回数を、小当りが発生する前の時短状態の残り変動回数であるとすると、図39に示す構成では、小当りが発生したときの変動において時短回数を減算する処理が行われないことになってしまう。しかし、ステップS133A〜S133Cの処理をステップS140の処理の直前にて実行するようにすれば、小当りが発生したときの変動において時短回数を減算する処理が行われることになり、時短回数を正確に減算することができる。
図44は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(ステップS305)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS401)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認し(ステップS402)、大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ、処理を終了する。
大入賞口制御タイマの値が0になっている場合には、CPU56は、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A1XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS403)。なお、CPU56は、ラウンド数を、大当り遊技中のラウンド数をカウントするための開放回数カウンタの値を確認することにより認識する。そして、CPU56は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(特別可変入賞球装置20)を開放する制御を行うとともに(ステップS404)、開放回数カウンタの値を−1する(ステップS405)。
また、大入賞口制御タイマに、各ラウンドにおいて大入賞口が開放可能な最大時間に応じた値を設定する(ステップS406)。例えば、15ラウンド大当りの場合には最大時間は29秒であり、突然確変大当りまたは小当りの場合には最大時間は0.5秒である。そして、特別図柄プロセスフラグの値をステップ大入賞口開放中処理(ステップS306)に応じた値に更新する(ステップS415)。
図45および図46は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放中処理(ステップS306)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS420)。
そして、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0になったか否か確認する(ステップS421)。大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは、カウントスイッチ23がオンしたか否か確認し(ステップS432)、カウントスイッチ23がオンしていなければ、処理を終了する。カウントスイッチ23がオンした場合には、大入賞口への遊技球の入賞個数をカウントするための入賞個数カウンタの値を+1する(ステップS433)。そして、CPU56は、入賞個数カウンタの値が所定数(例えば10)になっているか否か確認する(ステップS434)。入賞個数カウンタの値が所定数になっていなければ、処理を終了する。なお、S421とS432の判定順は逆でもよい。
大入賞口制御タイマの値が0になっているとき、または入賞個数カウンタの値が所定数になっているときには、CPU56は、ソレノイド21を駆動して大入賞口を閉鎖する制御を行う(ステップS435)。そして、入賞個数カウンタの値をクリアする(0にする)(ステップS436)。
次いで、CPU56は、開放回数カウンタの値を確認する(ステップS438)。開放回数カウンタの値が0でない場合には、CPU56は、大入賞口の開放後(ラウンドの終了後)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A2XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS439)。そして、大入賞口制御タイマに、ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(インターバル期間)に相当する値を設定し(ステップS440)、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に応じた値に更新する(ステップS441)。なお、インターバル期間は、例えば5秒である。突然確変大当りや小当りのときは15R大当りより短い期間としてもよい。
開放回数カウンタの値が0である場合には、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS307)に応じた値に更新する(ステップS450)。
図47は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS150)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS154に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS151)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS152)。ここで、確変大当りフラグがセットされている場合には大当り終了2指定コマンドを送信し、突然確変大当りフラグがセットされている場合には大当り終了3指定コマンドを送信し、確変大当りフラグおよび突然確変大当りフラグがセットされていない場合には大当り終了1指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS153)、処理を終了する。なお、図47に示されているカウントスイッチ検出時間とは、遊技球が大入賞口に入賞してから、カウントスイッチ23で検出されるのに十分な時間である。例えば、遊技球が大入賞口に入賞してからカウントスイッチ23で検出されるまでに最長1.0秒かかるとすると、カウントスイッチ検出時間は1.0秒よりも長い時間である。
ステップS154では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS155)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、確変大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS156)。
確変大当りフラグがセットされている場合は、セットされているフラグ(確変大当りフラグ)をリセットし(ステップS157)、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS158)。次いで、CPU56は、時短フラグをセットする(ステップS159)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS160)。
確変大当りフラグがセットされていないときは(ステップS156のN)、突然確変大当りフラグがセットされているかどうかを確認する(ステップS161)。突然確変大当りフラグがセットされている場合は、セットされているフラグ(突然確変大当りフラグ)をリセットする(ステップS162)。確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS158)。次いで、CPU56は、時短フラグをセットする(ステップS159)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS160)。
突然確変大当りフラグがセットされていないときは(ステップS161のN)、CPU56は、時短回数カウンタに所定値(この実施の形態では100)をセットする(ステップS164)。また、時短フラグをセットする(ステップS159)。すなわち、この実施の形態では、大当り遊技状態を終了後に、所定回数(例えば100回)の変動表示が終了するまで、遊技状態が時短状態に制御される。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS160)。
ステップS308の小当り開放前処理では、大入賞口開放前処理(ステップS305)と同様の処理を行う。ただし、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放中処理に対応した値に更新することに代えて、小当り開放中処理に対応した値に更新する。また、ステップS309の小当り開放中処理では、大入賞口開放中処理(ステップS306)と同様の処理を行う。ただし、最終ラウンドでない場合には、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(ステップS308)に対応した値に更新し、最終ラウンド(第2ラウンド)であれば、特別図柄プロセスフラグの値を小当り終了処理(ステップS310)に対応した値に更新する。
図48は、特別図柄プロセス処理における小当り終了処理(ステップS310)を示すフローチャートである。小当り終了処理において、CPU56は、小当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS170)、小当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS174に移行する。小当り終了表示タイマが設定されていない場合には、小当りフラグをリセットする(ステップS171)。そして、小当り終了表示タイマに、演出表示装置9において小当り終了表示が行われている時間(小当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を小当り終了表示タイマが設定し(ステップS173)、処理を終了する。なお、図48に示されているカウントスイッチ検出時間とは、遊技球が大入賞口に入賞してから、カウントスイッチ23で検出されるのに十分な時間である。
ステップS174では、小当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、小当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち小当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS175)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS177)。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する普通図柄プロセス処理(ステップS28)について説明する。図49は、普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。普通図柄プロセス処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート32を遊技球が通過してゲートスイッチ32aがオン状態となったことを検出すると(ステップS1411)、ゲートスイッチ通過処理(ステップS1412)を実行する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値に応じてステップS1400〜S1403に示された処理のうちのいずれかの処理を実行する。
ゲートスイッチ通過処理(ステップS1412):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート通過記憶カウンタのカウント値(ゲート通過記憶数)が最大値(この例では「4」)に達しているか否か確認する。最大値に達していなければ、ゲート通過記憶カウンタのカウント値を+1する。なお、ゲート通過記憶カウンタの値に応じて普通図柄保留記憶表示器41のLEDが点灯される。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄当り判定用乱数(ランダム4)の値を抽出し、ゲート通過記憶数の値に対応した保存領域(普通図柄判定用バッファ)に格納する処理を行う。
普通図柄通常処理(ステップS1400):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄の変動を開始することができる状態(例えば普通図柄プロセスフラグの値がステップS1400を示す値となっている場合、具体的には、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示がなされておらず、かつ、普通図柄表示器10に当たり図柄が導出表示されたことにもとづく可変入賞球装置15の開閉動作中でもない場合)には、ゲート通過記憶数の値を確認する。具体的には、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認する。ゲート通過記憶数が0でなければ、当りとするか否か(普通図柄の停止図柄を当り図柄とするか否か)を決定する。そして、普通図柄プロセスタイマに普通図柄の変動時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(ステップS1401)を示す値(具体的には「1」)に更新する。
普通図柄変動処理(ステップS1401):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止し、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(ステップS1402)を示す値(具体的には「2」)に更新する。
普通図柄停止処理(ステップS1402):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうかを確認する。当り図柄でなければ(はずれ図柄であれば)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS1400)を示す値(具体的には「0」)に更新する。一方、普通図柄の停止図柄が当り図柄であれば、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間をセットし、タイマをスタートさせる。また、現在の遊技状態が高ベース状態であるか否かを確認し、高ベース状態であれば、高ベース状態のときの普通電動役物(可変入賞球装置15)の開放パターンを選択し、低ベース状態であれば、低ベース状態のときの普通電動役物(可変入賞球装置15)の開放パターンを選択し、選択した開放パターンを設定する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理(ステップS1403)を示す値(具体的には「3」)に更新する。
普通電動役物作動処理(ステップS1403):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていないことを条件に、普通電動役物(可変入賞球装置15)への遊技球の入賞個数(第2始動入賞口14への入賞個数)をカウントする普通電動役物入賞カウント処理を実行し、また、設定された開放パターンで普通電動役物の開放を行う(可変入賞球装置15の開閉動作を実行する)普通電動役物開放パターン処理を実行する。そして、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトすると、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS1400)を示す値(具体的には「0」)に更新する。
図50は、普通図柄通常処理(ステップS1400)を示すフローチャートである。普通図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認することにより、ゲート通過記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS1421)。ゲート通過記憶数が0であれば(ステップS1421のY)、そのまま処理を終了する。ゲート通過記憶数が0でなければ(ステップS1421のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート通過記憶数=1に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS1422)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート通過記憶数カウンタの値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS1423)。すなわち、ゲート通過記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値を、ゲート通過記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各ゲート通過記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値が抽出された順番は、常に、ゲート通過記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファから普通図柄当り判定用乱数を読み出し(ステップS1424)、読み出した乱数値にもとづいて当りとするかはずれとするかを決定する(ステップS1425)。具体的には、普通図柄当り判定用乱数の値が当り判定値と一致するか否かが判定され、一致する当り判定値があれば当りと決定される。例えば、時短フラグがセットされているとき、すなわち高ベース状態(時短状態、確変時短状態)のときには、当り判定値を1〜10のいずれかとし、低ベース状態のときには、当り判定値を3または7としている。普通図柄当り判定用乱数が0〜10の数値範囲で更新されるとすると、高ベース状態のときの当選確率は10/11となり、低ベース状態のときの当選確率は2/11となる。このように、高ベース状態のときは高確率で当りとなり、低ベース状態のときは低確率でしか当りとならない。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマに普通図柄変動時間をセットし(ステップS1426)、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を開始させる(ステップS1427)。なお、この実施の形態では、図53に示すように、低ベース時の普通図柄の変動時間は30.0秒とされ、高ベース時の普通図柄の変動時間は1.0秒とされている。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(ステップS1401)を示す値(具体的には「1」)に更新する(ステップS1428)。
図51は、普通図柄変動処理(ステップS1401)を示すフローチャートである。普通図柄変動処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(ステップS1431)。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ(ステップS1431のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS1435)。
普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたとき、すなわち、普通図柄の変動時間が経過したときは(ステップS1431のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止させる(ステップS1432)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットする(ステップS1433)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(ステップS1402)を示す値(具体的には「2」)に更新する(ステップS1434)。
図52は、普通図柄停止処理(ステップS1402)を示すフローチャートである。普通図柄停止処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(ステップS1441)。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ(ステップS1441のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS1442)。
普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたとき、すなわち、普通図柄停止図柄表示時間が経過したときは(ステップS1441のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうか(ステップS1425にて当りと判定されたかどうか)を確認する(ステップS1443)。なお、普通図柄の停止図柄が当り図柄かどうかは、例えば、ステップS1425にて当りと判定されたときに普通図柄当り判定フラグをセットすることとして、そのフラグがセットされているかどうかによって確認することができる。
普通図柄の停止図柄が当り図柄であるときは(ステップS1443のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間をセットする(ステップS1444)。普通電動役物作動時間は、普通電動役物(可変入賞球装置15)が動作可能な最大時間である。普通電動役物作動時間は、高ベース状態のときの方が低ベース状態のときよりも長い時間に設定されている。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技状態が高ベース状態であるか低ベース状態であるかを確認する(ステップS1445)。高ベース状態であるか低ベース状態であるかは、時短フラグがセットされているかどうかによって確認することができる。時短フラグがセットされているときは高ベース状態であると判断し、時短フラグがセットされていないときは低ベース状態であると判断することができる。なお、高ベース状態のときに、高ベース状態であることを示す高ベース状態フラグをセットし、そのフラグがセットされているかどうかによって、高ベース状態であるか低ベース状態であるかを判断するようにしてもよい。
高ベース状態であるときは(ステップS1445のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物の開放パターンとして図53に示す高ベース時テーブルに設定されている開放パターンを選択する(ステップS1446)。一方、低ベース状態であるときは(ステップS1445のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物の開放パターンとして図53に示す低ベース時テーブルに設定されている開放パターンを選択する(ステップS1447)。図53に示す例では、低ベース時テーブルには、開放時間が0.5秒で、開放回数が1回の開放パターンのデータが設定されている。また、高ベース時テーブルには、開放時間が2.5秒で、開放回数が2回の開放パターンのデータが設定されている。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS1446またはS1447で選択した開放パターンを開放パターンバッファにセットする(ステップS1448)。なお、開放パターンを開放パターンバッファにセットする際に、普通電動役物開放パターンタイマ(普通電動役物の開放時間および閉鎖時間を計測するタイマ)に開放パターン時間(ここでは可変入賞球装置15が最初に開放されるまでの閉鎖時間)をセットする処理も行われる。その後、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理(ステップS1403)を示す値(具体的には「3」)に更新する(ステップS1449)。
ステップS1443において、普通図柄の停止図柄が当り図柄でなく、はずれ図柄であると判定されたときは(ステップS1443のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS1400)を示す値(具体的には「0」)に更新する(ステップS1450)。
図54は、普通電動役物作動処理(ステップS1403)を示すフローチャートである。普通電動役物作動処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(ステップS1461)。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ(ステップS1461のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS1462)。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、スイッチオンバッファをレジスタにロードする(ステップS1463)。スイッチオンバッファは、スイッチのオンが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて1が設定され、スイッチのオフが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて0が設定されるバッファである。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2始動口スイッチ入力ビット(第2始動口スイッチ14aの対応ビット)において1がセットされているかどうかを確認する(ステップS1464)。つまり、第2始動口スイッチ14aがオンになったかどうか(第2始動入賞口14に遊技球が入賞したかどうか)を確認する。第2始動口スイッチ入力ビットにおいて1がセットされていなければ(ステップS1464のN)、ステップS1468の処理に移行する。第2始動口スイッチ入力ビットにおいて1がセットされていれば(ステップS1464のY)、第2始動口スイッチ14aがオンしたことになるので、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物(可変入賞球装置15)に入賞した遊技球の個数をカウントする普通電動役物入賞個数カウンタを+1する(ステップS1465)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物入賞個数カウンタの値が8未満であるかどうかを確認する(ステップS1466)。普通電動役物入賞個数カウンタの値が8未満でない場合(ステップS1466のN)、つまり8以上である場合は、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値をクリア(0に)し(ステップS1467)、ソレノイド16を駆動して普通電動役物(可変入賞球装置15)を閉鎖する。この処理によって、普通電動役物作動処理が終了することになる(ステップS1461のY、S172参照)。このように、この実施の形態では、普通電動役物作動時間内において8個以上の遊技球が可変入賞球装置15に入賞したときは、普通電動役物作動処理を終了するようにしている。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物開放パターンタイマの値を−1する(ステップS1468)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物開放パターンタイマの値が0であるかどうか、すなわち、普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(ステップS1469)。タイムアウトしていなければ(ステップS1469のN)、そのまま処理を終了する。タイムアウトしていれば(ステップS1469のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間をセットする(ステップS1470)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド16を駆動して普通電動役物(可変入賞球装置15)を開放または閉鎖する(ステップS1471)。
具体的には、可変入賞球装置15が閉状態のときに普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップすると、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間として開放時間をセットし、出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物ソレノイド出力ビットを反転させて可変入賞球装置15を開放する。可変入賞球装置15が開状態のときに普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップすると、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間として閉鎖時間をセットし、出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物ソレノイド出力ビットを反転させて可変入賞球装置15を閉鎖する。
以上のステップS1468〜S1471の処理によって、低ベース状態のときの開放パターンと高ベース状態のときの開放パターンとが実現される。遊技状態が低ベース状態のときは、開放時間が0.5秒であり開放回数が1回となる開放パターンであるので、例えば、普通電動役物作動処理が開始されてから1.0秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開状態となり、その後に0.5秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となる。また、遊技状態が高ベース状態のときは、開放時間が2.5秒であり開放回数が2回となる開放パターンであるので、例えば、普通電動役物作動処理が開始されてから2.5秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開状態となり、その後に2.5秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となり、再び2.5秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開状態となり、さらに2.5秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となる。
ステップS1461において、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたときは(ステップS1461のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS1400)を示す値(具体的には「0」)に更新する(ステップS1472)。
なお、この実施の形態では、ゲート32を遊技球が通過してゲートスイッチ32aがオン状態となり、その後普通図柄表示器10に当り図柄が表示された場合に、ソレノイド16を駆動して普通電動役物(可変入賞球装置15)を開放するように構成されているが、普通図柄表示器10を備えずに、ゲート32を遊技球が通過してゲートスイッチ32aがオン状態となったら、ソレノイド16を駆動して普通電動役物(可変入賞球装置15)を開放するように構成されていてもよい。
次に、主基板31と払出制御基板37との間で送受信される制御信号について説明する。図55は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から払出制御用マイクロコンピュータ370に対して送信される払出指令信号等の内容の一例を示す説明図である。
電源確認信号は、主基板31の立ち上がり時にハイレベル(オン状態)になり、電源断検出時にローレベル(オフ状態)になる信号である。賞球REQ信号は、賞球の払出要求時(賞球個数コマンドの送信時)にローレベル(オン状態)になる信号(すなわち賞球払出要求のトリガ信号)である。また、賞球REQ信号は、払出制御用マイクロコンピュータ370から賞球BUSY信号がオン状態になった後にオフ状態になると、ハイレベル(オフ状態)になる。4ビットの賞球個数信号は、払出要求を行う遊技球の個数(1個〜15個)を指定するために出力される信号(賞球個数コマンド)である。
賞球BUSY信号は、払出制御用マイクロコンピュータ370が賞球REQ信号のオン状態を確認するとハイレベル(オン状態)にされ、あらかじめ決められている所定期間後にオフ状態になる信号である。すなわち、賞球REQ信号に対する受付確認信号に相当する。従って、賞球BUSY信号がオフである状態は、賞球個数コマンド受信待ちの状態に相当する。払出エラー信号は、賞球払出のエラーが生じたときにハイレベル(オン状態)になる信号である。球切れ信号は、球切れスイッチ187がオンしたときにハイレベル(オン状態)になる信号である。満タン信号は、満タンスイッチ48がオンしたときにハイレベル(オン状態)になる信号である。賞球カウント信号は、払出制御用マイクロコンピュータ370から遊技制御用マイクロコンピュータ560に対して送信される払出制御信号であり、払出個数カウントスイッチ301の検出信号に相当する信号である。
なお、賞球REQ信号を、賞球の払出要求時(賞球個数コマンドの送信時)にローレベル(オン状態)になり、賞球の払出の完了受信時(賞球BUSY信号のオフ時)にハイレベル(オフ状態)になる信号とし、賞球BUSY信号を、賞球の払出の要求受信時(賞球REQ信号のオン時)にハイレベル(オン状態)になり、払出完了時にローレベル(オフ状態)になる信号としてもよい。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球の払出要求時に賞球REQ信号をオン状態にし、払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球REQ信号がオン状態になると、賞球BUSY信号をオン状態にするとともに賞球の払出制御を実行し、要求された個数の賞球払出が完了すると、賞球BUSY信号をオフ状態にし、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球BUSY信号がオフ状態になると賞球REQ信号をオフ状態にするようにしてもよい。
図56は、図55に示す各制御信号の送受信に用いられる信号線等を示すブロック図である。図56には、払出に関する異常を示す信号(払出エラー信号、球切れ信号、満タン信号)も、払出制御用マイクロコンピュータ370から遊技制御用マイクロコンピュータ560に対して送信されることが示されている。
また、払出制御用マイクロコンピュータ370から遊技制御用マイクロコンピュータ560に対して、賞球払出時の払出個数カウントスイッチ301の検出信号の状態を示す賞球カウント信号も送信される。図56に示すように、電源確認信号、賞球REQ信号および賞球個数信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって出力回路67を介して出力され、入力回路373Aを介して払出制御用マイクロコンピュータ370に入力される。また、払出制御用マイクロコンピュータ370から遊技制御用マイクロコンピュータ560に対する信号は、払出制御用マイクロコンピュータ370によって出力回路373Bを介して出力され、入力回路68を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力される。
図57は、払出指令信号等の出力の仕方の一例を示すタイミング図である。図67に示すように、入賞検出スイッチ(第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a)が遊技球の入賞を検出したことにもとづいて、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球REQ信号をオン状態にするとともに、賞球個数信号の出力状態を、入賞に応じて払い出される賞球数に応じた状態にする。なお、具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技球が遊技機に設けられている入賞領域に入賞したことを入賞検出スイッチの検出信号によって検知すると、あらかじめ決められた賞球数を総賞球数格納バッファの内容に加算する。そして、総賞球数格納バッファの内容が0でない値になったら、賞球REQ信号をオン状態にするとともに、賞球個数信号の出力状態を、入賞に応じて払い出される賞球数に応じた状態にする。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aで遊技球が検出されると5個の賞球払出を行い、カウントスイッチ23で遊技球が検出されると15個の賞球払出を行う。入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで遊技球が検出されると7個の賞球払出を行う。また、上述したように、賞球個数信号は4ビットで構成されているので、8ビットで表現されている00(H)〜0F(H)の賞球個数信号のうち、下位の4ビットが賞球個数信号によって主基板31から払出制御基板37に伝達される。以下、「00(H)〜0F(H)の賞球個数信号」のように表現することがあるが、実際には、賞球個数信号は、8ビットで表現されている00(H)〜0F(H)のうちの下位の4ビットに相当する。
払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球REQ信号がオン状態になると、所定時間(賞球BUSY信号オン時間)だけ賞球BUSY信号のオン状態を継続し、所定時間が経過すると、賞球BUSY信号をオフ状態にする。そして、払出制御用マイクロコンピュータ370において、球払出装置97を動作させることによって賞球払出の処理が実行される。具体的には、払出モータ289を賞球個数信号で指定された個数分回転させて、賞球個数信号で指定された個数の賞球の払出を行う。払出個数カウントスイッチ301が、賞球の払出を検出し、賞球が払出を検出する毎に検出信号を払出制御用マイクロコンピュータ370に出力する。また、払出制御用マイクロコンピュータ370は、払出個数カウントスイッチ301からの検出信号を入力する毎に賞球カウント信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に出力する。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球BUSY信号がオフ状態に変化したことを確認すると所定時間(賞球REQ信号オフ待ち時間)の経過後に、賞球BUSY信号をオフ状態にする。そのとき、賞球個数信号の出力状態をクリアしてオフ状態にする。すなわち、賞球個数信号が0個を示す状態(無効コマンドを出力する状態)にする。
次に、メイン処理におけるスイッチ処理(ステップS21)を説明する。この実施の形態では、入賞検出またはゲート通過に関わる各スイッチの検出信号のオン状態が所定時間継続すると、確かにスイッチがオンしたと判定される。具体的には、スイッチ処理は2ms毎に起動されるのであるが、現時点において起動されたスイッチ処理と2ms前に起動されたスイッチ処理との双方において、スイッチのオンを検出すると、確かにスイッチがオンしたと判定される。
図58は、スイッチ処理で使用されるRAM55に形成される各1バイトのバッファを示す説明図である。前々回ポートバッファは、前々回(4ms前とする)のスイッチオン/オフの判定結果が格納されるバッファである。前回ポートバッファは、前回(2ms前とする)のスイッチオン/オフの判定結果が格納されるバッファである。スイッチオンバッファは、上述したように、スイッチのオンが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて1が設定され、スイッチのオフが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて0が設定されるバッファである。また、前回データは、スイッチ処理の実行時に一時的に用いられるバッファ領域である。前々回ポートバッファ、前回ポートバッファ、スイッチオンバッファおよび前回データは、RAM55に形成されている。また、前々回ポートバッファ、前回ポートバッファおよびスイッチオンバッファのビット配列は、入力ポート0のビット配列に対応している。つまり、入力ポート0のビット0〜7に割り当てられているスイッチの検出信号のそれぞれに対応する情報が、前々回ポートバッファ、前回ポートバッファおよびスイッチオンバッファのビット0〜7に設定される。
図59は、遊技制御処理におけるステップS21のスイッチ処理の処理例を示すフローチャートである。スイッチ処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、前回ポートバッファの内容を、前回データに設定する(ステップS331)。また、前々回ポートバッファの内容と前回データとの排他的論理和をとる(ステップS332)。そして、排他的論理和演算の結果を前回データに設定する(ステップS333)。この段階で、前回データにおいて、前々回ポートバッファの8ビットと前回ポートバッファの8ビットとのうちで、値が異なるビットが「1」になっている。また、前回ポートバッファの内容を前々回ポートバッファに設定する(ステップS334)。
そして、入力ポート0のデータを入力し(ステップS335)、入力したデータを前回ポートバッファに設定する(ステップS336)。ステップS334,S336の処理は、次回(2ms後)にスイッチ処理が実行されるときの準備処理に相当する。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入力ポート0から入力したデータと前回データの論理積をとる(ステップS337)。この段階で、前回データにおいて、前々回ポートバッファの8ビットと前回ポートバッファの8ビットとのうちで値が異なるビットが「1」になっている。つまり、7つのスイッチの検出信号のうちで、2ms前の状態が4ms前の状態から変化した(「0」から「1」に、または「1」から「0」に)検出信号に対応するビットが「1」になっている。よって、ステップS337で前回データと入力ポート0から入力したデータとの論理積をとると、入力ポート0から入力したデータのうちで「1」になっているビットであって、かつ、2ms前の状態が4ms前の状態から変化したビットが、「1」になる。すなわち、論理積演算の結果、現時点の状態がオン状態であって、かつ、前回(2ms前)のスイッチ処理時にオフ状態からオン状態に変化したことが検出された検出信号に対応したビットが「1」になる。換言すれば、オフ状態からオン状態に変化し、その後、2回連続してオン状態が検出された検出信号に対応するビットが「1」になっている。なお、「2回連続して」とは、「ある時点で実行されたスイッチ処理と、そのスイッチ処理の2ms後に実行されるスイッチ処理との双方で」という意味である。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、論理積演算の結果をスイッチオンバッファに格納する(ステップS338)。スイッチオンバッファにおいて、オフ状態からオン状態に変化した後、2回連続してオン状態が検出された検出信号に対応するビットが「1」になっている。よって、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、スイッチオンバッファにおいて「1」になっているビットに対応するスイッチの検出信号が確実にオン状態になったと確認できる。なお、「確実に」とは、2回連続してオン状態が検出されたので、すなわち4ms間オン状態が継続していると見なせるので、検出信号のオン状態がノイズ等によるものではないと判断できるということである。
図60は、ステップS31の賞球処理の一例を示すフローチャートである。賞球処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球個数加算処理(ステップS1201)と賞球制御処理(ステップS1202)とを実行する。そして、RAM55に形成されるポート0バッファの内容をポート0に出力する(ステップS1203)。なお、ポート0バッファの内容は、賞球制御処理において更新される。
賞球個数加算処理では、図61に示す賞球個数テーブルが使用される。賞球個数テーブルは、ROM54に設定されている。賞球個数テーブルの先頭アドレスには処理数(この例では「7」)が設定され、その次のアドレスから、入賞により賞球を払い出すことになる入賞口の各スイッチについてのスイッチ入力ビット判定値、および賞球数が、入賞口の各スイッチのそれぞれに対応して順次設定されている。なお、スイッチ入力ビット判定値は、入力ポート0における各スイッチの検出信号が入力されるビットに対応した値である(図19参照)。
なお、図61に示す例では、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれに入賞したときも、賞球個数は5個とされているが、第1始動入賞口13に入賞したときと第2始動入賞口14に入賞したときとで、賞球個数を異ならせてもよい。例えば、第2始動入賞口14への入賞に対する賞球個数を、第1始動入賞口13への入賞に対する賞球個数よりも多くする。このような場合、時短状態のときのベースをさらに高くすることができる。
図62は、ステップS1201の賞球個数加算処理を示すフローチャートである。賞球個数加算処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球個数テーブルの先頭アドレスをポインタにセットする(ステップS351)。そして、ポインタが指すアドレスのデータ(この場合には処理数)をロードする(ステップS352)。次に、スイッチオンバッファをレジスタにロードする(ステップS353)。
そして、ポインタの値を1増やし(ステップS354)、スイッチオンバッファの内容と、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合にはスイッチ入力ビット判定値)との論理積をとる(ステップS355)。また、ポインタの値を1増やす(ステップS356)。
ステップS355における演算結果が0でなければ(ステップS361のN)、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオン状態であれば、ステップS362Aに移行する。ステップS355における演算結果が0であれば(ステップS361のY)、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオン状態でなければ、処理数を1減らし(ステップS359)、処理数が0であれば処理を終了し、処理数が0でなければステップS354に戻る(ステップS360)。
ステップS362Aでは、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS355の処理で使用されたスイッチ入力ビット判定値がカウントスイッチ入力ビット判定値であったか否か確認する。すなわち、ステップS361でカウントスイッチ23がオンしたことが確認されたか否か(検査対象のスイッチがカウントスイッチ23であったか否か)確認する。
スイッチ入力ビット判定値がカウントスイッチ入力ビット判定値であった場合には(ステップS362AのY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるか否か確認する(ステップS362B)。特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるということは、特別図柄プロセス処理において、ステップS304の大入賞口開放前処理以後の処理が実行されていることを意味する。すなわち、大当り遊技中または小当り遊技中であることを意味する。なお、ここでは、大当り遊技中は、大当り表示が開始されてから大当り終了処理が終了するまでの期間とする。また、小当り遊技中は、小当り表示が開始されてから小当り終了処理が終了するまでの期間とする。つまり、特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるということは、遊技制御が正常に実行されている場合において、大入賞口が開放される制御がなされる可能性がある状態であることを示す。
特別図柄プロセスフラグの値が5以上である場合には(ステップS362BのY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合には賞球個数)を賞球加算値に設定し(ステップS364)、賞球加算値を、RAM55に形成されている16ビットの総賞球数格納バッファの内容に加算する(ステップS365)。加算の結果、桁上げが発生した場合には、総賞球数格納バッファの内容を65535(=FFFF(H))に設定する(ステップS357,S358)。そして、ステップS359の処理に移行する。
特別図柄プロセスフラグの値が5未満である状態は、大当り遊技および小当り遊技は実行されず、大入賞口を開放する制御は実行されない状態である。そのような状態においてカウントスイッチ23がオンしたことが検出されたということは、大入賞口に異常入賞が生じたこと、またはカウントスイッチ23からの検出信号に長期間(4msを越える)に亘るノイズが乗ったことを意味する。そこで、特別図柄プロセスフラグの値が5未満である状態でカウントスイッチ23がオンしたことが検出された場合には(ステップS362BのN)、総賞球数格納バッファに賞球加算値を加算する制御を実行しないようにする。すなわち、カウントスイッチ23がオンしたことにもとづく賞球払出を実行しないようにする(ステップS364,S365の処理をスキップする)。そして、ステップS359の処理に移行する。
スイッチ入力ビット判定値がカウントスイッチ入力ビット判定値でない場合は(ステップS362AのN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS355の処理で使用されたスイッチ入力ビット判定値が第2始動口スイッチ入力ビット判定値であったか否か確認する(ステップS363A)。すなわち、ステップS361で第2始動口スイッチ14aがオンしたことが確認されたか否か(検査対象のスイッチが第2始動口スイッチ14aであったか否か)確認する。
スイッチ入力ビット判定値が第2始動口スイッチ入力ビット判定値であった場合には(ステップS363AのY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値が3であるか否か確認する(ステップS363B)。普通図柄プロセスフラグの値が3であるということは、普通図柄プロセス処理において、ステップS103の普通電動役物作動処理が実行されていることを意味する。すなわち、普通電動役物(可変入賞球装置15)の開閉動作中であることを意味する。
スイッチ入力ビット判定値が第2始動口スイッチ入力ビット判定値でなかった場合(ステップS363AのN)、および普通図柄プロセスフラグの値が3である場合(ステップS363BのY)には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合には賞球個数)を賞球加算値に設定し(ステップS364)、賞球加算値を、RAM55に形成されている16ビットの総賞球数格納バッファの内容に加算する(ステップS365)。加算の結果、桁上げが発生した場合には、総賞球数格納バッファの内容を65535(=FFFF(H))に設定する(ステップS357,S358)。そして、ステップS359の処理に移行する。
普通図柄プロセスフラグの値が3でない状態は、可変入賞球装置15が動作しておらず、可変入賞球装置15を開放する制御は実行されない状態である。そのような状態において第2始動口スイッチ14aがオンしたことが検出されたということは、第2始動入賞口14に異常入賞が生じたこと、または第2始動口スイッチ14aからの検出信号に長期間(4msを越える)に亘るノイズが乗ったことを意味する。そこで、普通図柄プロセスフラグの値が3でない状態で第2始動口スイッチ14aがオンしたことが検出された場合には(ステップS363BのN)、総賞球数格納バッファに賞球加算値を加算する制御を実行しないようにする。すなわち、第2始動口スイッチ14aがオンしたことにもとづく賞球払出を実行しないようにする(ステップS364,S365の処理をスキップする)。そして、ステップS359の処理に移行する。
なお、上記の処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて大入賞口への異常入賞が生じたか否か判定するようにしたが、実際に大入賞口を開放していないときにカウントスイッチ23がオンしたことが検出された場合に、カウントスイッチ23がオンしたことにもとづく賞球払出を実行しないようにしてもよい。しかし、この実施の形態のように、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて異常入賞が生じたか否か判定するように構成する場合には、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理が簡素化される。大入賞口は複数ラウンドに亘って開放されたり閉鎖されたりされるので、実際に大入賞口を開放する制御を行っているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定すると、処理が複雑化する。
また、大入賞口の入口からカウントスイッチ23の設置位置までの間にはある程度の距離があるので、実際に大入賞口を開放する制御を行っているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定する場合には、大入賞口を閉鎖する制御を行ってから、閉鎖直前に大入賞口に入賞した可能性がある遊技球を考慮する必要がある。すなわち、大入賞口の入口からカウントスイッチ23の設置位置までの間を遊技球が流れる時間を考慮しなければならない。つまり、実際に大入賞口を閉鎖する制御を行ってからある程度の期間をおいてから、異常入賞が生じたか否かの判定を開始する必要がある。そのことからも、処理が複雑化する。
しかし、この実施の形態のように、大当り終了処理または小当り終了処理が終了してから、大入賞口への異常入賞が生じたか否か判定するように構成されている場合には、大入賞口の入口からカウントスイッチ23の設置位置までの間を遊技球が流れる時間を考慮する必要はない。大入賞口が閉鎖されてから、大当り終了処理または小当り終了処理の処理期間中に、閉鎖直前に大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23の設置位置まで到達しているからである。なお、この実施の形態では、大当り終了処理または小当り終了処理の処理期間、すなわち可変表示装置9において大当り終了表示または小当り終了表示がなされている期間は、大入賞口に入賞した遊技球がカウントスイッチ23の設置位置に到達するまでの時間よりも長く設定されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、普通図柄プロセスフラグの値にもとづいて第2始動入賞口14への異常入賞が生じたか否か判定するようにしたが(ステップS363B参照)、実際に可変入賞球装置15を開放していないとき(すなわち、図54に示す普通電動役物作動処理において遊技状態に応じた開放パターンにもとづいて可変入賞球装置15が開閉動作を繰り返すときの可変入賞球装置15が閉鎖状態のとき)に第2始動口スイッチ14aがオンしたことが検出された場合に、第2始動口スイッチ14aがオンしたことにもとづく賞球払出を実行しないようにしてもよい。しかし、この実施の形態のように、普通図柄プロセスフラグの値にもとづいて異常入賞が生じたか否か判定するように構成する場合には、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理が簡素化される。例えば、高ベース状態のときのように可変入賞球装置15が複数回(実施の形態では2回)に亘って開放されたり閉鎖されたりする場合には、実際に可変入賞球装置15を開放する制御を行っているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定すると、処理が複雑化するが、普通図柄プロセスフラグにより判定することで処理を簡素化することができる。
また、第2始動入賞口14の入口から第2始動口スイッチ14aの設置位置までの間にはある程度の距離があるので、実際に可変入賞球装置15を開放する制御を行っているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定する場合には、可変入賞球装置15を閉鎖する制御を行ってから、閉鎖直前に第2始動入賞口14に入賞した可能性がある遊技球を考慮する必要がある。すなわち、第2始動入賞口14の入口から第2始動口スイッチ14aの設置位置までの間を遊技球が流れる時間を考慮しなければならない。そこで、この実施の形態では、異常入賞を判定するタイミングを可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせている。
具体的には、可変入賞球装置15が最後に閉鎖してから普通図柄プロセスタイマがタイムアウトするまで(つまりステップS171で可変入賞球装置15が閉鎖してからステップS161のYとなるまで)の時間を、第2始動入賞口14に入賞した遊技球が第2始動口スイッチ14aの設置位置に到達するまでの時間よりも長く設定している。すなわち、ステップS170で普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間として閉鎖時間(例えば5秒)をセットし、ステップS171で普通電動役物を最後に閉鎖させてから普通図柄プロセスタイマがタイムアウトするまでの時間を閉鎖時間(例えば5秒)よりも短い時間(例えば3秒)になるように普通電動役物作動時間をセットする(ステップS144)。普通電動役物を最後に閉鎖させてから普通図柄プロセスタイマがタイムアウトするまでの時間(例えば3秒)は、第2始動入賞口14に入賞した遊技球が第2始動口スイッチ14aの設置位置に到達するまでの時間よりも十分長い時間である。このようにしておけば、可変入賞球装置15の閉鎖直前に遊技球が入賞したことによって、異常入賞が発生したと誤検出してしまうことを防止することができる。
異常入賞を判定するタイミングを可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせる方法として、上記の例では、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わる所定時間前に可変入賞球装置15を閉鎖し、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わった時点で異常入賞の判定を行うようにしていたが、可変入賞球装置15を閉鎖すると同時に普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替え、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わってから所定時間経過後に異常入賞の判定を行うようにしてもよい。具体的には、普通図柄プロセスフラグの値が3から0になった時点(例えば、図54のステップS1472の直前あるいは直後)でカウントタイマに所定時間をセットし、そして、タイマ割込み毎(2ms毎)にカウントタイマをカウントダウンしていく。そして、賞球個数加算処理において普通図柄プロセスフラグの値が3でないと判定されたときに(ステップS363BのN)、カウントタイマが0かどうかを判定し、カウントタイマが0のときにステップS364,S365の処理をスキップしてステップS359の処理に移行するようにする。このような構成によっても、異常入賞を判定するタイミングを可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせることができる。
なお、大入賞口への異常入賞の判定においても、同様の方法により異常入賞を判定するタイミングを大入賞口(特別可変入賞球装置20)を閉鎖するタイミングよりも遅らせることができる。具体的には、特別図柄プロセスフラグの値が7から0に又は10から0になった時点でカウントタイマに所定時間をセットし、そして、タイマ割込み毎(2ms毎)にカウントタイマをカウントダウンしていく。そして、賞球個数加算処理において特別図柄プロセスフラグの値が4以上でないと判定されたときに(ステップS362BのN)、カウントタイマが0かどうかを判定し、カウントタイマが0のときにステップS364,S365の処理をスキップしてステップS359の処理に移行するようにする。
なお、ステップS362Bにおいて特別図柄プロセスフラグの値が4未満である場合(ステップS362BのN)やステップS363Bにおいて普通図柄プロセスフラグの値が3でない場合(ステップS363BのN)に、賞球払い出しを禁止する制御を行わないようにしてもよい。後述するように、異常入賞が発生したと判定された場合は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が異常入賞報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100が異常入賞の発生を報知するように構成されているので、異常入賞にもとづく賞球払い出しは最小限に食い止めることができると考えられるからである。
図63は、ステップS1202の賞球制御処理を示すフローチャートである。賞球制御処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、総賞球数格納バッファの内容を確認する(ステップS371)。その値が0であれば処理を終了する。0でなければ、総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値(この例では「15」)よりも小さいか否か確認する(ステップS372)。総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値以上であれば、賞球コマンド最大値を賞球個数バッファに設定する(ステップS373)。また、総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値よりも小さい場合には、総賞球数格納バッファの内容を賞球個数バッファに設定する(ステップS374)。そして、賞球個数バッファの内容を、賞球個数信号を出力するための出力ポートにセットする(ステップS375)。また、賞球REQ信号を出力するための出力ポートの賞球REQ信号のビットに「1」をセットする(ステップS376)。
ステップS376の処理によって、賞球REQ信号が出力される。すなわち、賞球REQ信号がオン状態になる(図57参照)。また、ステップS375の処理によって、賞球個数信号(賞球制御信号)が出力される(図57参照)。なお、この実施の形態では、賞球コマンド最大値は「15」である。従って、最大で「15」の払出数を指定する賞球個数信号が払出制御基板37に送信される。
賞球個数信号を送信すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、総賞球数格納バッファの内容から、賞球個数バッファの内容(払出制御手段に指令した賞球払出個数)を減算する(ステップS377)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球REQ信号のオン期間を設定する。具体的には、ウェイトカウンタに、初期値をセットする(ステップS378)。そして、ウェイトカウンタの値が0になるまでウェイトカウンタの値を1ずつ減算する(ステップS379,S380)。ウェイトカウンタの値が0になったら、オン期間を終了させる。
すなわち、賞球REQ信号を出力するための出力ポートの賞球REQ信号のビットに「0」をセットし(ステップS381)、賞球個数信号を出力するための出力ポートに00(H)をセットする(ステップS382)。
払出基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数信号を受信すると、賞球個数信号で指定された数の遊技球が払い出されるように払出装置97を駆動する。
図64および図65は、ステップS23の異常入賞報知処理を示すフローチャートである。異常入賞報知処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、異常報知禁止フラグがセットされているか否か確認する(ステップS251)。異常報知禁止フラグは、遊技機への電力供給が開始されたときに実行されるメイン処理でセットされている(図5におけるステップS44参照)。異常報知禁止フラグがセットされていない場合には、ステップS255Aに移行する。異常報知禁止フラグがセットされている場合には、ステップS45で設定された禁止期間タイマの値を−1する(ステップS252)。そして、禁止期間タイマの値が0になったら、すなわち禁止期間タイマがタイムアウトしたら、異常報知禁止フラグをリセットする(ステップS253,S254)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるか否か確認する(ステップS255A)。特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるときは(ステップS255AのY)、大当り遊技中または小当り遊技中の状態である。そのような状態で、大入賞口開信号がオン状態でない場合には(ステップS255DのN)、大入賞口に異常が発生している可能性がある。具体的には、大当り遊技中または小当り遊技中の状態であるにもかかわらず、大入賞口が開放されていない異常が発生していると考えられる。そこで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御基板80に、異常開放報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS255E)。そして、大当り遊技中または小当り遊技中の状態では、大入賞口に遊技球が入賞する可能性があるので、大入賞口への異常入賞の確認処理を行わずに、ステップS261の処理に移行する。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口開放前処理(ステップS305)におけるステップS404の処理で大入賞口を開放したことを示す大入賞口開放フラグをセットし、大入賞口開放中処理(ステップS306)におけるステップS435の処理で大入賞口開放フラグをリセットする処理を行い、当該大入賞口開放フラグがセットされている場合にのみ、ステップS255D,S255Eの処理を実行するようにしてもよい。
また、特別図柄プロセスフラグの値が5以上でないときは(ステップS255AのN)、大当り遊技も小当り遊技も行われていない状態である。そのような状態で、大入賞口開信号がオン状態である場合には(ステップS255BのY)、大入賞口に異常が発生している可能性がある。具体的には、大当り遊技も小当り遊技も行われていない状態であるにもかかわらず、大入賞口が開放されている異常が発生していると考えられる。そこで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御基板80に、異常開放報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS255C)。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口開放前処理(ステップS305)におけるステップS404の処理で大入賞口を開放したことを示す大入賞口開放フラグをセットし、大入賞口開放中処理(ステップS306)におけるステップS435の処理で大入賞口開放フラグをリセットする処理を行い、当該大入賞口開放フラグがセットされている場合にのみ、ステップS255B,S255Cの処理を実行するようにしてもよい。
なお、大当り遊技中または小当り遊技中の状態(特に、前述した大入賞口開放フラグがセットされている場合)で大入賞口が開放されていないこと、および大当り遊技も小当り遊技も行われていない状態で大入賞口が開放されていることを、異常開放と記す。
ここで、ステップS255Cの処理は、大当り遊技も小当り遊技も行われていない状態において、大入賞口が開放された場合に実行される処理である。つまり、不正行為がなされたと考えられる場合に実行される処理である。一方、ステップS255Eの処理は、大当り遊技または小当り遊技が行われている状態において、大入賞口が開放されない場合に実行される処理である。つまり、不正行為がなされていないと考えられる場合に実行される処理である。したがって、不正行為がなされていないと考えられる場合にも、不正行為発生時と同様な異常報知が行われる。そこで、ステップS255Eの処理では、ステップS255Cで送信されるコマンドと異なるコマンドを送信し、ステップS255Cでコマンドが送信された場合とは異なる態様で異常の発生を報知するように構成されていてもよい。そのような構成によれば、不正行為がなされていないと考えられる場合に、不正行為発生時と同様な異常報知を行うことによる遊技興趣の低下や、遊技者とのトラブル発生を防止することができる。
特別図柄プロセスフラグの値が5以上でない状態は、大当り遊技も小当り遊技も行われていない状態である。このような状態のときに大入賞口に遊技球の入賞があれば、その入賞は異常入賞であると判断することができる。従って、以下に示す大入賞口への異常入賞の確認処理を行う。
すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードする(ステップS256)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ロードしたスイッチオンバッファの内容とカウントスイッチ入力ビット判定値(01(H)、図61参照)との論理積をとる(ステップS257)。スイッチオンバッファの内容が01(H)であったとき、すなわちカウントスイッチ23がオンしているときには、論理積の演算結果は01(H)になる。カウントスイッチ23がオンしていないときには、論理積の演算結果は、0(00(H))になる。
論理積の演算結果が0でない場合には(ステップS258のN)、大入賞口への異常入賞が生じたと判定し、演出制御基板80に、異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS259)。一方、論理積の演算結果が0である場合には(ステップS258のY)、大入賞口への異常入賞が生じていないと判定し、ステップS261の処理に移行する。
ステップS261では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値が3であるか否か確認する(ステップS261)。普通図柄プロセスフラグの値が3である状態は、普通電動役物(可変入賞球装置15)が開閉動作している状態である。そのような状態であれば(ステップS261のY)、第2始動入賞口14に遊技球が入賞する可能性があるので、第2始動入賞口14への異常入賞の確認処理を行わずに異常入賞報知処理を終了する。
普通図柄プロセスフラグの値が3でない状態は(ステップS261のN)、普通電動役物(可変入賞球装置15)が開閉動作していない状態である。このような状態のときに第2始動入賞口14に遊技球の入賞があれば、その入賞は異常入賞であると判断することができる。従って、以下に示す第2始動入賞口14への異常入賞の確認処理を行う。
すなわち、普通図柄プロセスフラグの値が3でなければ(ステップS261のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードする(ステップS262)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ロードしたスイッチオンバッファの内容と第2始動口スイッチ入力ビット判定値(80(H)、図61参照)との論理積をとる(ステップS263)。スイッチオンバッファの内容が80(H)であったとき、すなわち第2始動口スイッチ14aがオンしているときには、論理積の演算結果は80(H)になる。第2始動口スイッチ14aがオンしていないときには、論理積の演算結果は、0(00(H))になる。
論理積の演算結果が0でない場合には(ステップS264のN)、第2始動入賞口14への異常入賞が生じたと判定し、演出制御基板80に、異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS265)。一方、論理積の演算結果が0である場合には(ステップS261のY)、第2始動入賞口14への異常入賞が生じていないと判定し、異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行わずに異常入賞報知処理を終了する。
なお、この実施の形態では、大入賞口に異常入賞が発生した場合に送信されるコマンド(異常入賞報知指定コマンド)と、普通電動役物(可変入賞球装置15)に異常入賞が発生した場合に送信されるコマンド(異常入賞報知指定コマンド)とは同じコマンドであるが(ステップS259およびS265参照)、異なるコマンドを送信するように構成されていてもよい。そのように構成されている場合には、異常入賞が発生した場所に応じて異なる異常報知を実行することが可能になる。
以上のような処理によって、大当り遊技も小当り遊技も行われていない状態においてカウントスイッチ23がオンした場合には、異常入賞報知指定コマンドが送信される。また、大当り遊技も小当り遊技も行われていない状態において大入賞口開信号がオン状態である場合には、異常開放報知指定コマンドが送信される。また、大当り遊技または小当り遊技が行われている状態において大入賞口開信号がオン状態でない場合には、異常開放報知指定コマンドが送信される。また、可変入賞球装置15が開閉動作していない状態において第2始動口スイッチ14aがオンした場合にも、異常入賞報知指定コマンドが送信される。
また、ステップS251〜S253の処理によって、演出制御用マイクロコンピュータ100が初期化報知を行っているときに、異常報知が開始されることが禁止される。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化報知を開始してから禁止期間に相当する期間が経過するまで、初期化報知を継続して実行している。
なお、この実施の形態では、電源投入後の禁止期間において、大入賞口への異常入賞にもとづく異常入賞報知を禁止する(ステップS255〜S260の処理を実行しない)ように構成されているが、第2始動入賞口14への異常入賞にもとづく異常入賞報知についても、電源が投入されてから所定期間は禁止するようにしてもよい。すなわち、異常報知禁止フラグがセットされ(ステップS251のY)、禁止期間タイマが0でないときは(ステップS253のN)、ステップS261〜S266の処理についても実行せずに、処理を終了するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、電源投入後の禁止期間は、異常入賞報知指定コマンドを送信しない(ステップS259,S260を実行しない)ように構成することによって、電源投入の禁止期間における異常入賞の報知を行わないようにしているが、このような構成に限られず、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、電源投入後の期間においても異常入賞指定コマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100が、電源投入後の期間に異常入賞指定コマンドを受信しても、その異常入賞指定コマンドにもとづく報知処理を実行しないように構成してもよい。具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、電源が投入されたとき(電源投入指定コマンドや停電復旧指定コマンドを受信したとき)に、異常入賞の報知を禁止する禁止期間の計測を開始し、禁止期間内に異常入賞指定コマンドを受信したときは、その異常入賞指定コマンドにもとづく報知処理を実行しないように構成する。
なお、ステップS255Aの処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて大入賞口への異常入賞が生じたか否か判定するようにしているので、ステップS362Bの処理と同様に、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理を簡素化することができる。また、上述したように、特別可変入賞球装置20が閉鎖した後に大当り終了処理または小当り終了処理が所定時間実行されるので、特別可変入賞球装置(開閉羽根20)が閉鎖する直前に大入賞口に入賞した遊技球が、特別図柄プロセスフラグの値が0に戻った後にカウントスイッチ23で検出されてしまうということが防止され、正規の入賞であるにもかかわらずエラーが報知されてしまうようなことはない。
また、ステップS261の処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、普通図柄プロセスフラグの値にもとづいて第2始動入賞口14への異常入賞が生じたか否か判定するようにしているので、ステップS363Bの処理と同様に、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理を簡素化することができる。また、上述したように、異常入賞を判定するタイミングを可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせる方法として、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わる所定時間前に可変入賞球装置15を閉鎖し、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わった時点で異常入賞の判定を行うようにしているので、可変入賞球装置15が閉鎖する直前に第2始動入賞口14に入賞した遊技球が、普通図柄プロセスフラグの値が0に戻った後に第2始動口スイッチ14aで検出されてしまうということが防止され、正規の入賞であるにもかかわらずエラーが報知されてしまうようなことはない。
なお、上述したように、可変入賞球装置15を閉鎖すると同時に普通図柄プロセスフラグの値を3から0に切り替え、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わってから所定時間経過後に異常入賞の判定を行うようにしてもよい。また、大入賞口への異常入賞の判定においても、同様の方法により異常入賞を判定するタイミングを大入賞口(特別可変入賞球装置20)を閉鎖するタイミングよりも遅らせるようにしてもよい。
なお、異常入賞報知処理において、ステップS251〜S254の処理を実行しないように構成されていてもよい。そのように構成された場合には、遊技機の電源投入時に、図5に示すメイン処理のステップS44でセットされる異常報知禁止フラグによって、所定の禁止期間が経過するまでステップS255A以降の大入賞口に関する異常入賞報知処理が実行されないことを防ぐことができる。具体的には、不正に遊技機への電力供給を中断させて電力供給が再開されたタイミング等を狙った不正行為を防ぐことができる。
図66は、情報端子盤34に出力される各種信号を示すブロック図である。図66に示すように、この実施の形態では、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から情報端子盤34に対して、始動口1信号、始動口2信号、図柄確定回数信号、大当り1信号、大当り2信号、時短信号、確率変動信号、異常状態信号、および賞球情報信号(賞球信号)が情報出力処理(ステップS30)によって出力される。
図柄確定回数信号は、特別図柄の変動回数を通知するための信号であり、始動口1信号は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞個数を通知するための信号、始動口2信号は、第1始動入賞口13への入賞個数を通知するための信号である。大当り1信号は、大当り遊技中または小当り遊技中(特別可変入賞球装置の動作中)であることを通知するための信号であり、大当り2信号は、15ラウンドまたは2ラウンドの大当り遊技中であることを通知するための信号であり、時短信号は、特別図柄の変動時間短縮機能が作動中(時短状態中)であることを通知するための信号であり、確率変動信号は、確率変動機能が作動中(確変状態中)であることを通知するための信号である。異常状態信号は、大入賞口に異常が発生したことを通知するための信号である。具体的には、異常状態信号は、大入賞口が所定の開放タイミング以外のタイミングで開放された場合、大入賞口が所定の開放タイミングで開放されなかった場合、および大入賞口に異常入賞が発生した場合に、大入賞口に異常が発生したことを通知するための信号である。なお、大入賞口が大当り遊技中または小当り遊技中に閉鎖する(開放しない)異常が発生した場合には、不正行為は行われていないので、異常状態信号は送信されなくてもよい。
これらの信号のうち、始動口1信号、始動口2信号、図柄確定回数信号、大当り1信号、大当り2信号、時短信号、異常状態信号、および確率変動信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する遊技制御処理の実行中に発生する制御情報の信号である。他方、賞球情報信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が払出制御基板37から出力される信号(賞球カウント信号)にもとづいて生成した制御情報の信号である。
図67は、賞球個数カウントスイッチの賞球払出検出と賞球信号との関係を示す説明図である。図67に示すように、賞球払出時に払出個数カウントスイッチ301が10個の遊技球の通過を検出する度に(具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560に賞球カウント信号のパルスが10回入力される度に)賞球信号(賞球情報信号)が0.100秒間オン状態となる。なお、賞球信号が0.100秒間オン状態となった後は、少なくとも0.100秒間オフ状態となる。
図68〜図75は、ステップS30の情報出力処理を示すフローチャートである。なお、図68〜図75に示す処理のうち、ステップS1001〜S1030が始動口1信号を出力するための処理であり、ステップS1031〜S1052が始動口2信号を出力するための処理であり、ステップS1053〜S1058が図柄確定回数信号を出力するための処理であり、ステップS1059〜S1071が大当り1信号、大当り2信号、時短信号、および確率変動信号を出力するための処理であり、ステップS1085〜S1108が賞球信号(賞球情報信号)を出力するための処理であり、ステップS1161〜S1184が異常状態信号を出力するための処理である。
情報出力処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、初期値(00(H))をRAM55に形成されている情報バッファにセットする(ステップS1001)。そして、始動口1情報設定テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS1002)、ポインタの指す処理数をロードする(ステップS1003)。始動口1情報設定テーブルには、処理数(=2)と始動口1スイッチ入力ビット(第1始動口スイッチ入力ビット判定値(40(H)))と始動口2スイッチ入力ビット(第2始動口スイッチ入力ビット判定値(80(H)))とが設定されている。ステップS1003では、ポインタが始動口1情報設定テーブルの処理数のアドレスを指しているので、始動口1情報設定テーブルにおける処理数(=2)のデータがロードされることになる。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードし(ステップS1004)、スイッチオンバッファをスイッチ入力データにセットする(ステップS1005)。そして、ポインタを1加算し(ステップS1006)、ポインタの指す始動口スイッチ入力ビット(このときは始動口1スイッチ入力ビット)をレジスタにロードし(ステップS1007)、始動口1スイッチ入力ビットとスイッチ入力データの論理積をとる(ステップS1008)。スイッチオンバッファの内容が40(H)であったとき、すなわち第1始動口スイッチ13aがオンしているときは、論理積の演算結果は40(H)になる。第1始動口スイッチ13aがオンしていないときは、論理積の演算結果は、00(H)になる。
論理積の演算結果が0の場合には(ステップS1009のY)、ステップS1015の処理に移行する。論理積の演算結果が0でない場合には(ステップS1009のN)、第1始動入賞口13への入賞が生じたと判定し、始動口1情報記憶カウンタをレジスタにロードする(ステップS1010)。始動口1情報記憶カウンタは、始動口1信号の残り出力回数をカウントするカウンタである。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動口1情報記憶カウンタを1加算する(ステップS1011)。そして、演算結果(加算した結果)が0でないかどうかを確認する(ステップS1012)。演算結果が0のときは(ステップS1012のN)、演算結果を1減算する(ステップS1013)。そして、演算結果を始動口1情報記憶カウンタにストアする(ステップS1014)。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、処理数を1減算し(ステップS1015)、処理数が0でないかどうかを判定する(ステップS1015)。処理数が0でないときは(ステップS1015のY)、ステップS1004の処理に移行する。そして、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードし(ステップS1004)、スイッチオンバッファをスイッチ入力データにセットする(ステップS1005)。そして、ポインタを1加算し(ステップS1006)、ポインタの指す始動口スイッチ入力ビット(このときは始動口2スイッチ入力ビット)をレジスタにロードし(ステップS1007)、始動口2スイッチ入力ビットとスイッチ入力データの論理積をとる(ステップS1008)。スイッチオンバッファの内容が80(H)であったとき、すなわち第2始動口スイッチ14aがオンしているときは、論理積の演算結果は80(H)になる。第2始動口スイッチ14aがオンしていないときは、論理積の演算結果は、00(H)になる。その後、上述したステップS1009〜S1016の処理が実行される。
ステップS1016で処理数が0であると判定されると(ステップS1016のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動口1情報記憶タイマをロードし(ステップS1017)、始動口1情報記憶タイマの状態をフラグレジスタに反映させて(ステップS1018)、始動口1信号が出力中であるか否かを判定する(ステップS1019)。始動口1情報記憶タイマは、始動口1信号のオン時間およびオフ時間(後述するオン時間200msとオフ時間200ms)を計測するためのタイマである。始動口1情報記憶タイマの値が0でなければ始動口1信号が出力中であると判定され、始動口1情報記憶タイマの値が0であれば始動口1信号が出力中でないと判定される。
始動口1信号が出力中であれば(ステップS1019のY)、ステップS1026の処理に移行する。始動口1信号が出力中でなければ(ステップS1019のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動口1情報記憶カウンタをロードし(ステップS1020)、始動口1情報記憶カウンタの状態をフラグレジスタに反映させて(ステップS1021)、始動口1信号の出力回数の残数があるかどうかを判定する(ステップS1022)。なお、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしたときは(ステップS1009のN)、始動口1情報記憶カウンタが1加算されるので、始動口1信号の出力回数の残数があると判定されることになる。
始動口1信号の出力回数の残数がなければ(ステップS1022のY)、ステップS1031の処理に移行する。始動口1信号の出力回数の残数があれば(ステップS1023のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動口1情報記憶カウンタを1減算し(ステップS1023)、演算結果(1減算した結果)を始動口1情報記憶カウンタにストアする(ステップS1024)。そして、入賞情報動作時間(200)をレジスタにセットする(ステップS1025)。なお、入賞情報動作時間(200)は、2msのタイマ割込みが200回実行される時間、すなわち、0.400秒(400ms)の時間となっている。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS1025で入賞情報動作時間がセットされていなければ始動口1情報記憶タイマを1減算し、ステップS1025で入賞情報動作時間がセットされていれば入賞情報動作時間を1減算する(ステップS1026)。そして、演算結果(1減算した結果)を始動口1情報記憶タイマにストアする(ステップS1027)。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演算結果と入賞情報オン時間(100)を比較し(ステップS1029)、演算結果が入賞情報オン時間よりも短い時間であるかどうかを判定する(ステップS1030)。なお、入賞情報オン時間(100)は、2msのタイマ割込みが100回実行される時間、すなわち、0.200秒(200ms)の時間となっている。
演算結果が入賞情報オン時間よりも短い時間でない場合、つまり、演算結果(始動口1情報記憶タイマの残り時間)が入賞情報オン時間(200ms)よりも長い時間である場合は(ステップS1029のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、情報バッファの始動口1出力ビット位置(図18に示す例では出力ポート2のビット1)をセットする(ステップS1030)。情報バッファの始動口1出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1186で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1187で出力値を出力ポート2に出力することによって、始動口1信号が出力ポート2から出力されることになる。
以上に示したステップS1001〜S1030の処理によって、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞(第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aのオン)が発生すると、始動口1信号が出力される。すなわち、始動口1信号が200ms間オン状態となった後、200ms間オフ状態になる。この始動口1信号がホールコンピュータに入力されることによって、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞個数を認識させることができる。
第2始動入賞口14への異常入賞(可変入賞球装置15の閉鎖状態における第2始動入賞口14への入賞)が発生したときや、無効入賞(保留記憶数が4のときの第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞)が発生したときでも、始動口1信号はホールコンピュータに出力される。すなわち、異常入賞や無効入賞を含め、全ての始動入賞に対して始動口1信号が出力される。
始動口1信号は、200ms間オン状態となった後、200ms間オフ状態になるので、短時間に連続して始動入賞が発生した場合であっても、200ms間のオフ状態の後に次の始動口1信号が出力される。すなわち、始動口1信号は少なくとも200msの間隔をあけて出力される。
このように、異常入賞や無効入賞を含め、全ての始動入賞に対して始動口1信号が出力され、また、始動口1信号は少なくとも200msの間隔をあけて出力されるので、ホールコンピュータは、全始動入賞数を確実に把握することができる。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードし(ステップS1031)、始動口1スイッチ入力ビットの状態をフラグレジスタに反映させて(ステップS1032)、スイッチオンバッファの第1始動口スイッチ13aの入力ビットがセットされているかどうか、つまり、第1始動口スイッチ13aがオンしたかどうかを判定する(ステップS1033)。第1始動口スイッチ13aがオンしていなければ(ステップS1033のN)、ステップS1039の処理に移行する。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば(ステップS1033のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動口2情報記憶カウンタをレジスタにロードする(ステップS1034)。始動口2情報記憶カウンタは、始動口2信号の残り出力回数をカウントするカウンタである。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動口2情報記憶カウンタを1加算する(ステップS1035)。そして、演算結果(加算した結果)が0でないかどうかを確認する(ステップS1036)。演算結果が0のときは(ステップS1036のN)、演算結果を1減算する(ステップS1037)。そして、演算結果を始動口2情報記憶カウンタにストアする(ステップS1038)。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動口2情報記憶タイマをロードし(ステップS1039)、始動口2情報記憶タイマの状態をフラグレジスタに反映させて(ステップS1040)、始動口2信号が出力中であるか否かを判定する(ステップS1041)。始動口2情報記憶タイマは、始動口2信号のオン時間およびオフ時間を計測するためのタイマである。始動口2情報記憶タイマの値が0でなければ始動口2信号が出力中であると判定され、始動口2情報記憶タイマの値が0であれば始動口2信号が出力中でないと判定される。
始動口2信号が出力中であれば(ステップS1041のY)、ステップS1048の処理に移行する。始動口2信号が出力中でなければ(ステップS1041のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動口2情報記憶カウンタをロードし(ステップS1042)、始動口2情報記憶カウンタの状態をフラグレジスタに反映させて(ステップS1043)、始動口2信号の出力回数の残数があるかどうかを判定する(ステップS1044)。なお、第1始動口スイッチ13aがオンしたときは(ステップS1033のY)、始動口2情報記憶カウンタが1加算されるので、始動口2信号の出力回数の残数があると判定されることになる。
始動口2信号の出力回数の残数がなければ(ステップS1044のY)、ステップS1053の処理に移行する。始動口2信号の出力回数の残数があれば(ステップS1044のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動口2情報記憶カウンタを1減算し(ステップS1045)、演算結果(1減算した結果)を始動口2情報記憶カウンタにストアする(ステップS1046)。そして、入賞情報動作時間(200)をレジスタにセットする(ステップS1047)。なお、入賞情報動作時間(200)は、上述したように0.400秒(400ms)の時間となっている。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS1047で入賞情報動作時間がセットされていなければ始動口2情報記憶タイマを1減算し、ステップS1047で入賞情報動作時間がセットされていれば入賞情報動作時間を1減算する(ステップS1048)。そして、演算結果(1減算した結果)を始動口2情報記憶タイマにストアする(ステップS1049)。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演算結果(始動口2情報記憶タイマの残り時間)と入賞情報オン時間(100)を比較し(ステップS1050)、演算結果が入賞情報オン時間よりも短い時間であるかどうかを判定する(ステップS1051)。なお、入賞情報オン時間(100)は、上述したように0.200秒(200ms)の時間となっている。
演算結果が入賞情報オン時間よりも短い時間でない場合、つまり、演算結果(始動口2情報記憶タイマの残り時間)が入賞情報オン時間(200ms)よりも長い時間である場合は(ステップS1051のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、情報バッファの始動口2出力ビット位置(図18に示す例では出力ポート2のビット2)をセットする(ステップS1052)。情報バッファの始動口2出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1186で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1187で出力値を出力ポート2に出力することによって、始動口2信号が出力ポート2から出力されることになる。
以上に示したステップS1031〜S1052の処理によって、第1始動入賞口13への入賞が発生すると(第1始動口スイッチ13aがオンすると)、始動口2信号が出力される。すなわち、始動口2信号が200ms間オン状態となった後、200ms間オフ状態になる。この始動口2信号がホールコンピュータに入力されることによって、第1始動入賞口13への入賞個数を認識させることができる。上記のように、始動口1信号が第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞個数を示すので、始動口1信号と始動口2信号がホールコンピュータに入力されることによって、ホールコンピュータは第1始動入賞口13への入賞個数と、第2始動入賞口14への入賞個数と、第1始動入賞口13への入賞個数と第2始動入賞口14への入賞個数の合計とを認識することができる。
なお、無効入賞(保留記憶数が4のときの第1始動入賞口13への入賞)が発生したときでも、始動口2信号はホールコンピュータに出力される。また、始動口2信号は、200ms間オン状態となった後、200ms間オフ状態になるので、短時間に連続して第1始動入賞が発生した場合であっても、200ms間のオフ状態の後に次の始動口2信号が出力される。すなわち、始動口2信号は少なくとも200msの間隔をあけて出力される。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄停止情報タイマをレジスタにロードし(ステップS1053)、特別図柄停止情報タイマの状態をフラグレジスタに反映させて(ステップS1054)、特別図柄停止情報タイマがタイムアウトしているかどうかを判定する(ステップS1055)。特別図柄変動中処理(ステップS302)のステップS227において、特別図柄停止情報タイマに図柄確定回数出力時間がセットされ、その図柄確定回数出力時間が経過していないときは、特別図柄停止情報タイマがタイムアウトしていないと判定され、図柄確定回数出力時間が経過したとき(特別図柄停止情報タイマの値が0のとき)に、特別図柄停止情報タイマがタイムアウトしたと判定される。
特別図柄停止情報タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS1055のN)、特別図柄停止情報タイマを1減算し(ステップS1056)、演算結果を特別図柄停止情報タイマにストアする(ステップS1057)。そして、情報バッファの図柄確定回数1出力ビット位置(図18に示す例では出力ポート2のビット0)をセットする(ステップS1058)。情報バッファの図柄確定回数1出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1186で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1187で出力値を出力ポート2に出力することによって、図柄確定回数信号が出力ポート2から出力される(オン状態となる)。なお、特別図柄停止情報タイマがタイムアウトすれば(ステップS1055のY)、ステップS1058の処理が実行されない結果、図柄確定回数信号はオフ状態となる。
以上に示したステップS1053〜S1058の処理によって、特別図柄の変動が停止(停止図柄が確定)する度に、図柄確定回数信号が図柄確定回数出力時間(例えば500ms)オン状態となる。
なお、第2始動入賞口14への異常入賞が発生した場合であっても、始動口1信号が情報端子盤34を介してホールコンピュータに出力されるが、第2始動入賞口14への異常入賞が発生すると、図41のステップS316でNとなり、始動入賞自体が無効にされるので、異常入賞にもとづく図柄の変動は開始されず、その結果、異常入賞にもとづく図柄確定回数信号もホールコンピュータに出力されない。従って、実際に行われた可変表示制御に合った図柄確定回数信号をホールコンピュータに出力することができることとなる。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグをロードし(ステップS1059)、特別図柄プロセスフラグの値と大入賞口開放前処理指定値(「4」)を比較し(ステップS1060)、特別図柄プロセスフラグの値が4未満であるかどうかを判定する(ステップS1061)。特別図柄プロセスフラグの値が4未満であるときは(ステップS1061のY)、ステップS1065の処理に移行する。特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるときは(ステップS1061のN)、情報バッファの大当り1出力ビット位置をセットする(ステップS1062)。そして、特別図柄プロセスフラグの値が8未満であるかどうかを判定する(ステップS1063)。特別図柄プロセスフラグの値が8以上であるときは(ステップS1063のN)、ステップS1065の処理に移行する。特別図柄プロセスフラグの値が8未満であるときは(ステップS1063のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、情報バッファの大当り2出力ビット位置をセットする(ステップS1064)。情報バッファの大当り1出力ビット位置および大当り2出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1186で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1187で出力値を出力ポート2に出力することによって、大当り1信号および大当り2信号が出力ポート2から出力される(オン状態となる)。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、高確率状態であるか否かを確認する特別図柄高確率チェック処理を実行し(ステップS1065)、高確率状態であるか否かを判定する(ステップS1066)。高確率状態であるときは(ステップS1066のY)、情報バッファの確率変動出力ビット位置をセットする(ステップS1067)。情報バッファの確率変動出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1186で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1187で出力値を出力ポート2に出力することによって、確率変動信号が出力ポート2から出力される(オン状態となる)。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、時短状態であるか否かを確認する時短チェック処理を実行し(ステップS1068)、時短状態であるか否かを判定する(ステップS1069)。時短状態であるときは(ステップS1069のY)、情報バッファの時短出力ビット位置をセットする(ステップS1071)。時短出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1186で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1187で出力値を出力ポート2に出力することによって、時短信号が出力ポート2から出力される(オン状態となる)。
以上に示したステップS1059〜S1071の処理によって、大当りの種別や遊技状態に応じた大当り1信号、大当り2信号、確率変動信号、および時短信号が出力される(オン状態になる)。
ホールコンピュータは、大当り1信号および大当り2信号を入力し、これらの信号によって、15ラウンドの大当り、2ラウンドの大当り(突然確変大当りまたは小当り)のいずれが発生したかを把握することができる。具体的には、大当り1信号がオン状態、大当り2信号もオン状態であるとき(いずれの大当り信号もオン状態のとき)は、15ラウンドの大当りが発生していると判断することができ、大当り1信号がオン状態、大当り2信号がオフ状態であるときは、2ラウンドの大当り(突然確変大当り)または小当りが発生していると判断することができる。なお、突然確変大当りが発生したか小当りが発生したかを区別できるように、大当り1信号および大当り2信号とは別の大当り信号(例えば大当り3信号)をホールコンピュータに出力するようにしてもよい。
また、ホールコンピュータは、確率変動信号および時短信号を入力し、これらの信号によって、遊技状態を把握することができる。具体的には、確率変動信号がオン状態で、時短信号がオフ状態であるときは、遊技状態が確変状態であると判断することができ、確率変動信号がオン状態で、時短信号もオン状態であるときは、遊技状態が確変時短状態であると判断することができ、確率変動信号がオフ状態で、時短信号がオン状態であるときは、遊技状態が時短状態であると判断することができ、確率変動信号がオフ状態で、時短信号もオフ状態であるときは、遊技状態が通常遊技状態であると判断することができる。
なお、以上の信号の定義(信号がオン状態であるときに意味する内容)は一例であって、大当りの種別や遊技状態の違いがホールコンピュータにおいて認識可能であれば、異なる定義としてもよい。また、信号の数や種類も上記したものに限られるわけではない。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球払出個数カウンタのアドレスをポインタにセットする(ステップS1085)。賞球払出個数カウンタは、払出制御用マイクロコンピュータ370からの賞球カウント信号のパルスをカウントするカウンタである。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入力ポート1の賞球カウント信号のビットのデータを読み込む(ステップS1086)。そして、賞球カウント信号タイマをロードする(ステップS1087A)。賞球カウント信号タイマは、賞球カウント信号のオン状態の時間を判定するタイマである。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球カウント信号のビットのデータが「1」であるかどうかを判定し(ステップS1087B)、「1」であれば、賞球カウント信号タイマを1加算し(ステップS1087C)、「1」でなければ(「0」であれば)、賞球カウント信号タイマを0クリアする(ステップS1087D)。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球カウント信号タイマとスイッチオン判定値(2)を比較し(ステップS1088)、賞球カウント信号タイマの値がスイッチオン判定値(2)と一致するかどうかを判定する(ステップS1089)。賞球カウント信号タイマの値がスイッチオン判定値(2)と一致しなければ(ステップS1089のY)、ステップS1095の処理に移行する。一致すれば(ステップS1089のN)、確かに賞球カウント信号が入力されたと判断して(4ms連続して賞球カウント信号が入力されたと判断して)、賞球払出個数カウンタを1加算する(ステップS1090)。なお、ステップS1087〜S1088の処理は、確実に賞球カウント信号が入力されたことを確認する処理であるが、払出制御用マイクロコンピュータ370においても、ステップS1087〜S1088と同様の処理で、確実に払出個数カウントスイッチ301からの検出信号が入力されたことを確認するようにしてもよい。
そして、賞球払出個数カウンタの値が10であるかどうかを判定する(ステップS1091)。賞球払出個数カウンタの値が10でなければ(ステップS1091のN)、ステップS1095の処理に移行する。賞球払出個数カウンタの値が10であれば(ステップS1091のY)、クリアデータを賞球払出個数カウンタにストアする(ステップS1092)。これにより、賞球払出個数カウンタがクリアされる。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球信号出力回数カウンタをロードし(ステップS1093)、賞球信号出力回数カウンタを1加算する(ステップS1094)。賞球信号出力回数カウンタは、賞球信号の残り出力回数をカウントするカウンタである。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球信号出力タイマをロードし(ステップS1095)、賞球信号出力タイマの状態をフラグレジスタに反映させて(ステップS1096)、賞球信号が出力中であるかどうかを判定する(ステップS1097)。賞球信号出力タイマは、賞球信号のオン時間およびオフ時間(後述するオン時間100msとオフ時間100ms)を計測するためのタイマである。賞球信号出力タイマの値が0でなければ賞球信号が出力中であると判定され、賞球信号出力タイマの値が0であれば賞球信号が出力中でないと判定される。
賞球信号が出力中であれば(ステップS1097のY)、ステップS1106の処理に移行する。賞球信号が出力中でなければ(ステップS1097のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球信号出力回数カウンタをロードし(ステップS1098)、賞球信号出力回数カウンタの状態をフラグレジスタに反映させて(ステップS1099)、賞球信号の出力回数の残数があるかどうかを判定する(ステップS1101)。
賞球信号の出力回数の残数がなければ(ステップS1101のY)、ステップS1161の処理に移行する。賞球信号の出力回数の残数があれば(ステップS1101のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球信号出力回数カウンタを1減算し(ステップS1102)、演算結果(1減算した結果)を賞球信号出力回数カウンタにストアする(ステップS1103)。そして、遊技情報信号動作動作時間(100)をレジスタにセットする(ステップS1104)。なお、遊技情報信号動作時間(100)は、2msのタイマ割込みが100回実行される時間、すなわち、0.200秒(200ms)の時間となっている。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS1104で遊技情報信号動作時間がセットされていなければ賞球信号出力タイマを1減算し、ステップS1104で遊技情報信号動作時間がセットされていれば遊技情報信号動作時間を1減算する(ステップS1105)。そして、演算結果(1減算した結果)を賞球信号出力タイマにストアする(ステップS1106)。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演算結果(賞球信号出力タイマの残り時間)と遊技情報信号出力時間判定値(50)を比較し(ステップS1107)、賞球信号出力タイマの残り時間が遊技情報信号出力時間判定値(50)よりも短い時間であるかどうかを判定する(ステップS1108)。なお、遊技情報信号出力時間判定値(50)は、2msのタイマ割込みが50回実行される時間、すなわち、0.100秒(100ms)の時間となっている。
賞球信号出力タイマの残り時間が遊技情報信号出力時間判定値よりも短い時間でない場合、つまり、賞球信号出力タイマの残り時間が遊技情報信号出力時間判定値(100ms)よりも長い時間である場合は(ステップS1108のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、情報バッファの賞球出力ビット位置(図18に示す例では出力ポート3のビット2)をセットする(ステップS1109)。
以上に示したステップS1085〜S1111の処理によって、賞球カウント信号を10回カウントする度に賞球信号がホールコンピュータに出力される。すなわち、10個の賞球払出が行われる度に賞球信号がホールコンピュータに出力される(10個1パルス)。よって、ホールコンピュータは遊技機で払い出された遊技球数を認識することができる。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるか否か確認する(ステップS1161)。特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるときは(ステップS1161のY)、大当り遊技中または小当り遊技中の状態である。そのような状態で、大入賞口開信号がオン状態でない場合には(ステップS1162のN)、大入賞口に異常が発生している可能性がある。具体的には、大当り遊技中または小当り遊技中の状態であるにもかかわらず、大入賞口が開放されていない異常が発生していると考えられる。そこで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS1167の処理に移行する。
また、特別図柄プロセスフラグの値が5以上でないときは(ステップS1161のN)、大当り遊技も小当り遊技も行われていない状態である。そのような状態で、大入賞口開信号がオン状態である場合には(ステップS1163のY)、大入賞口に異常が発生している可能性がある。具体的には、大当り遊技も小当り遊技も行われていない状態であるにもかかわらず、大入賞口が開放されている異常が発生していると考えられる。そこで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS1167の処理に移行する。
また、特別図柄プロセスフラグの値が5以上でない状態は(ステップS1161のN)、大当り遊技も小当り遊技も行われていない状態である。このような状態のときに、大入賞口開信号がオン状態でない場合に(ステップS1163のN)、大入賞口に遊技球の入賞があれば、その入賞は異常入賞であると判断することができる。従って、以下に示す大入賞口への異常入賞の確認処理を行う。
すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードする(ステップS1164)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ロードしたスイッチオンバッファの内容とカウントスイッチ入力ビット判定値(01(H)、図61参照)との論理積をとる(ステップS1165)。スイッチオンバッファの内容が01(H)であったとき、すなわちカウントスイッチ23がオンしているときには、論理積の演算結果は01(H)になる。カウントスイッチ23がオンしていないときには、論理積の演算結果は、0(00(H))になる。
論理積の演算結果が0でない場合には(ステップS1166のN)、大入賞口への異常入賞が生じたと判定し、ステップS1167の処理に移行する。一方、論理積の演算結果が0である場合には(ステップS1166のY)、大入賞口への異常入賞が生じていないと判定し、ステップS1186の処理に移行する。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口開放前処理(ステップS305)におけるステップS404の処理で大入賞口を開放したことを示す大入賞口開放フラグをセットし、大入賞口開放中処理(ステップS306)におけるステップS435の処理で大入賞口開放フラグをリセットする処理を行い、当該大入賞口開放フラグがセットされている場合にのみ、ステップS1161〜S1185の処理を実行するようにし、当該大入賞口開放フラグがセットされていない場合には、特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるときに(ステップS1161のY)、ステップS1186の処理に移行するようにしてもよい。
ステップS1167の処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、異常状態情報記憶カウンタをレジスタにロードする(ステップS1167)。異常状態情報記憶カウンタは、異常状態信号の残り出力回数をカウントするカウンタである。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、異常状態情報記憶カウンタを1加算する(ステップS1168)。そして、演算結果(加算した結果)が0でないかどうかを確認する(ステップS1169)。演算結果が0のときは(ステップS1169のN)、演算結果を1減算する(ステップS1170)。そして、演算結果を異常状態情報記憶カウンタにストアする(ステップS1171)。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、異常状態情報記憶タイマをロードし(ステップS1172)、異常状態情報記憶タイマの状態をフラグレジスタに反映させて(ステップS1173)、異常状態信号が出力中であるか否かを判定する(ステップS1174)。異常状態情報記憶タイマは、異常状態信号のオン時間およびオフ時間(後述するオン時間200msとオフ時間200ms)を計測するためのタイマである。異常状態情報記憶タイマの値が0でなければ異常状態信号が出力中であると判定され、異常状態情報記憶タイマの値が0であれば異常状態信号が出力中でないと判定される。
異常状態信号が出力中であれば(ステップS1174のY)、ステップS1181の処理に移行する。異常状態信号が出力中でなければ(ステップS1174のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、異常状態情報記憶カウンタをロードし(ステップS1175)、異常状態情報記憶カウンタの状態をフラグレジスタに反映させて(ステップS1176)、異常状態信号の出力回数の残数があるかどうかを判定する(ステップS1177)。
異常状態信号の出力回数の残数がなければ(ステップS1177のY)、ステップS1186の処理に移行する。異常状態信号の出力回数の残数があれば(ステップS1177のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、異常状態情報記憶カウンタを1減算し(ステップS1178)、演算結果(1減算した結果)を異常状態情報記憶カウンタにストアする(ステップS1179)。そして、異常状態情報動作時間(200)をレジスタにセットする(ステップS1180)。なお、異常状態情報動作時間(200)は、例えば、0.400秒(400ms)の時間である。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS1180で、異常状態情報動作時間がセットされていなければ異常状態情報記憶タイマを1減算し、ステップS1180で異常状態情報動作時間がセットされていれば異常状態情報動作時間を1減算する(ステップS1181)。そして、演算結果(1減算した結果)を異常状態情報記憶タイマにストアする(ステップS1182)。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演算結果(異常状態情報記憶タイマの残り時間)と異常状態情報オン時間(100)とを比較し(ステップS1183)、演算結果が異常状態情報オン時間よりも短い時間であるかどうかを判定する(ステップS1184)。なお、異常状態情報オン時間(100)は、例えば、0.200秒(200ms)の時間である。
演算結果が異常状態情報オン時間よりも短い時間でない場合、つまり、演算結果(異常状態情報記憶タイマの残り時間)が異常状態情報オン時間(200ms)よりも長い時間である場合は(ステップS1084のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、情報バッファの異常状態出力ビット位置(図18に示す例では出力ポート2のビット7)をセットする(ステップS1185)。情報バッファの異常状態出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1186で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1187で出力値を出力ポート2に出力することによって、異常状態信号が出力ポート2から出力されることになる。
以上に示したステップS1171〜S1184の処理によって、異常開放または異常入賞が発生すると、異常状態信号が出力される。すなわち、異常状態信号が200ms間オン状態となった後、200ms間オフ状態になる。この異常状態信号がホールコンピュータに入力されることによって、異常開放および異常入賞の発生を認識させることができる。
異常状態信号は、200ms間オン状態となった後、200ms間オフ状態になるので、短時間に連続して異常開放および異常入賞が発生した場合であっても、200ms間のオフ状態の後に次の異常状態信号が出力される。すなわち、異常状態信号は少なくとも200msの間隔をあけて出力される。そのため、ホールコンピュータは、異常開放の発生および異常入賞の発生を確実に把握することができる。
なお、ステップS1162で大入賞口開信号がオンでないと判断した場合に出力される異常状態信号と、ステップS1163で大入賞口開信号がオンであると判断した場合に出力される異常状態信号とのオン時間が異なっていてもよい。ここで、ステップS1162で、大入賞口開信号がオンでないと判断した場合におけるステップS1167以降の処理は、大当り遊技または小当り遊技が行われている状態において、大入賞口が開放されない場合に実行される処理である。つまり、不正行為がなされていないと考えられる場合に実行される処理である。一方、ステップS1163で、大入賞口開信号がオンであると判断した場合におけるステップS1167以降の処理は、大当り遊技または小当り遊技が行われていない状態において、大入賞口が開放された場合に実行される処理である。つまり、不正行為がなされたと考えられる場合に実行される処理である。したがって、ステップS1162で大入賞口開信号がオンでないと判断した場合に出力される異常状態信号と、ステップS1163で大入賞口開信号がオンであると判断した場合に出力される異常状態信号とのオン時間を異ならせることにより、遊技機の管理者に的確に状況を認識させることができる。
なお、ステップS1163で大入賞口開信号がオンであるとの判断が継続した場合(具体的には、例えば、ステップS1163で大入賞口開信号がオンであると判断した回数を計数するカウンタの計数値が所定の値を超えた場合)、ステップS1164以降の処理に移行してもよい。
なお、上述した情報出力処理では、払出制御用マイクロコンピュータ370から出力されるエラー信号(払出エラー信号、球切れ信号、満タン信号)についてはホールコンピュータなどの外部装置に出力するように構成されていないが、それらの信号についても外部装置に出力するようにしてもよい。
演出制御基板80では、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。図76は、演出制御基板80の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図76に示すように、この実施の形態では、演出制御基板80の側において、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1〜SR1−3、昇格演出時仮停止図柄決定用の乱数値SR2、滑り・発展チャンス目時仮停止図柄決定用の乱数値SR3、第1〜第3擬似連時仮停止図柄決定用の乱数値SR4−1〜SR4−3、昇格演出実行決定用の乱数値SR5、第1〜第3特定演出パターン決定用の乱数値SR6−1〜SR6−3、サブ予告パターン種別決定用の乱数値SR7、第1〜第3サブ予告パターン決定用の乱数値SR8−1〜SR8−3、リーチ演出パターン決定用の乱数値SR9、報知演出実行決定用の乱数値SR10−1、報知パターン決定用の乱数値SR10−2のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。演出制御用CPU101は、これらの乱数値SR1−1〜SR1−3、SR2、SR3、SR4−1〜SR4−3、SR5、SR6−1〜SR6−3、SR7、SR8−1〜SR8−3、SR9、SR10−1、SR10−2の全部または一部を示す数値データをカウントするものであればよい。
第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1〜SR1−3は、演出図柄の可変表示結果となる確定演出図柄として、演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに停止表示される演出図柄(最終停止図柄)を決定するために用いられる乱数値である。なお、ここでの最終停止図柄は、演出図柄の可変表示が終了する時点で「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアそれぞれにて最終的に停止表示される3つの演出図柄のことである。一例として、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1は「1」〜「80」の範囲の値をとり、第2最終停止図柄決定用の乱数値SR1−2は「1」〜「70」の範囲の値をとり、第3最終停止図柄決定用の乱数値SR1−3は「1」〜「96」の範囲の値をとる。
昇格演出時仮停止図柄決定用の乱数値SR2は、変動中昇格演出を実行する場合に、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアにて仮停止表示させる通常大当り組合せの演出図柄を決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「80」の範囲の値をとる。滑り・発展チャンス目時仮停止図柄決定用の乱数値SR3は、「滑り」の特定演出を実行する場合や「発展チャンス目」の特定演出を実行する場合に、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにおける全部または一部にて仮停止表示させる演出図柄を決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「101」の範囲の値をとる。
第1〜第3擬似連時仮停止図柄決定用の乱数値SR4−1〜SR4−3は、「擬似連」の特定演出を実行する場合に、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアにて仮停止表示させる仮停止図柄の組合せを、擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。一例として、第1擬似連時仮停止図柄決定用の乱数値SR4−1は「1」〜「211」の範囲の値をとり、第2擬似連時仮停止図柄決定用の乱数値SR4−2は「1」〜「229」の範囲の値をとり、第3擬似連時仮停止図柄決定用の乱数値SR4−3は「1」〜「311」の範囲の値をとる。
昇格演出実行決定用の乱数値SR5は、可変表示結果が「大当り」であり大当り種別が「通常」、「第1確変」〜「第3確変」のいずれかである場合に、変動中昇格演出や大当り中昇格演出を実行するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「100」の範囲の値をとる。
第1〜第3特定演出パターン決定用の乱数値SR6−1〜SR6−3は、「滑り」、「擬似連」、「メイン予告」といった特定演出を実行する場合における演出動作の内容に対応した特定演出パターンを、複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。一例として、第1特定演出パターン決定用の乱数値SR6−1は、「滑り」の特定演出を実行する場合における特定演出パターンを決定するために用いられ、「1」〜「71」の範囲の値をとる。第2特定演出パターン決定用の乱数値SR6−2は、「擬似連」の特定演出を実行する場合における特定演出パターンを決定するために用いられ、「1」〜「150」の範囲の値をとる。第3特定演出パターン決定用の乱数値SR6−3は、「メイン予告」の特定演出を実行する場合における特定演出パターンを決定するために用いられ、「1」〜「60」の範囲の値をとる。
サブ予告パターン種別決定用の乱数値SR7は、サブ予告演出を実行するか否かを決定し、サブ予告演出を実行する場合におけるサブ予告パターン種別を予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「191」の範囲の値をとる。第1〜第3サブ予告パターン決定用の乱数値SR8−1〜SR8−3は、サブ予告パターンを予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。一例として、第1サブ予告パターン決定用の乱数値SR8−1は、「キャラクタ表示」のサブ予告演出におけるサブ予告パターンを決定するために用いられ、「1」〜「499」の範囲の値をとる。第2サブ予告パターン決定用の乱数値SR8−2は、「ステップアップ画像」のサブ予告演出におけるサブ予告パターンを決定するために用いられ、「1」〜「1009」の範囲の値をとる。第3サブ予告パターン決定用の乱数値SR8−3は、「メール表示」のサブ予告演出におけるサブ予告パターンを決定するために用いられ、「1」〜「200」の範囲の値をとる。
リーチ演出パターン決定用の乱数値SR9は、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに基づき実行されるリーチ演出における演出動作に対応したリーチ演出パターンを予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「80」の範囲の値をとる。
報知演出実行決定用の乱数値SR10−1は、報知演出を実行するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、「0」〜「99」の範囲の値をとる。報知パターン決定用の乱数値SR10−2は、報知パターンを予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「0」〜「99」の範囲の値をとる。
演出制御基板80に搭載されたROMには、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROMには、演出制御用CPU101が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、制御パターンテーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。
ROMが記憶する決定テーブルには、所定の非リーチ組合せや発展チャンス目HC1〜HC8のいずれかとなる確定演出図柄を決定するためのテーブルとして、例えば図77(A)〜(D)に示す最終停止図柄決定テーブル160A〜160Dが含まれている。図77(A)に示す最終停止図柄決定テーブル160Aは、所定の非リーチ組合せとなる確定演出図柄のうち、「左」の演出図柄表示エリアにて停止表示される確定演出図柄となる左最終停止図柄FZ1−1を、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。最終停止図柄決定テーブル160Aは、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1を、左最終停止図柄FZ1−1となる演出図柄の図柄番号「1」〜「8」に割り当てる決定用データなどから構成されている。図77(B)に示す最終停止図柄決定テーブル160Bは、所定の非リーチ組合せとなる確定演出図柄のうち、「右」の演出図柄表示エリアにて停止表示される確定演出図柄となる右最終停止図柄FZ1−2を、左最終停止図柄FZ1−1や第2最終停止図柄決定用の乱数値SR1−2に基づいて決定するために参照されるテーブルである。最終停止図柄決定テーブル160Bは、左最終停止図柄FZ1−1として決定された演出図柄の図柄番号「1」〜「8」に応じて、第2最終停止図柄決定用の乱数値SR1−2を、右最終停止図柄FZ1−2となる演出図柄の図柄番号「1」〜「8」に割り当てる決定用データなどから構成されている。図77(C)に示す最終停止図柄決定テーブル160Cは、所定の非リーチ組合せとなる確定演出図柄のうち、「中」の演出図柄表示エリアにて停止表示される確定演出図柄となる中最終停止図柄FZ1−3を、左最終停止図柄FZ1−1や右最終停止図柄FZ1−2、第3最終停止図柄決定用の乱数値SR1−3などに基づいて決定するために参照されるテーブルである。
ここで、ROMが記憶する判定テーブルには、図78に示すような左右出目判定テーブル161が含まれており、左最終停止図柄FZ1−1と右最終停止図柄FZ1−2との組合せから、左右出目タイプDC1−1がLR0、LR11〜LR18、LR31〜LR38のいずれに該当するかの判定が行われる。最終停止図柄決定テーブル160Cは、左右出目タイプDC1−1がLR0、LR11〜LR18、LR31〜LR38のいずれに該当するかの判定結果に応じて、第3最終停止図柄決定用の乱数値SR1−3を、中最終停止図柄FZ1−3となる演出図柄の図柄番号「1」〜「8」に割り当てる決定用データなどから構成されている。
図77(B)に示す最終停止図柄決定テーブル160Bでは、左最終停止図柄FZ1−1となる演出図柄の図柄番号と右最終停止図柄FZ1−2となる演出図柄の図柄番号とが同一となる部分には、第2最終停止図柄決定用の乱数値SR1−2が割り当てられていない。このような割当てにより、最終停止図柄として所定の非リーチ組合せとなる確定演出図柄を決定する場合に、その確定演出図柄の組合せがリーチ組合せや大当り組合せ(突確チャンス目TC1〜TC4を除く)とはならないようにすることができる。また、図77(C)に示す最終停止図柄決定テーブル160Cでは、左最終停止図柄FZ1−1、右最終停止図柄FZ1−2、中最終停止図柄FZ1−3の組合せが、予め定められた演出図柄の組合せとなる部分には、第3最終停止図柄決定用の乱数値SR1−3が割り当てられていない。例えば、リーチ組合せや大当り組合せ以外であっても、図2(A)に示す擬似連チャンス目GC1〜GC8となる部分や、図2(B)に示す発展チャンス目HC1〜HC8となる部分、図2(C)に示す突確チャンス目TC1〜TC4となる部分、さらには、図79に示すような一定の非リーチ組合せとなる部分には、第3最終停止図柄決定用の乱数値SR1−3が割り当てられていない。このような割当てにより、最終停止図柄として所定の非リーチ組合せとなる確定演出図柄を決定する場合に、その確定演出図柄が擬似連チャンス目GC1〜GC8や発展チャンス目HC1〜HC8、突確チャンス目TC1〜TC4、さらには、これらのチャンス目と類似する一定の非リーチ組合せとはならないようにすることができる。
図77(D)に示す最終停止図柄決定テーブル160Dは、「発展チャンス目終了」の特定演出が実行される場合に「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアでの最終停止図柄FZ1−4、FZ1−5、FZ1−6となる確定演出図柄の組合せを、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1に基づいて発展チャンス目HC1〜HC8のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。最終停止図柄決定テーブル160Dは、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1を、発展チャンス目HC1〜HC8に割り当てる決定用データなどから構成されている。
ROMが記憶する決定テーブルには、リーチハズレ組合せとなる確定演出図柄を決定するためのテーブルとして、例えば図80(A)及び(B)に示す最終停止図柄決定テーブル162A、162Bが含まれている。図80(A)に示す最終停止図柄決定テーブル162Aは、リーチハズレ組合せとなる確定演出図柄のうち、「左」の演出図柄表示エリアにて停止表示される確定演出図柄となる左最終停止図柄FZ2−1と、「右」の演出図柄表示エリアにて停止表示される確定演出図柄となる右最終停止図柄FZ2−2とを、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。最終停止図柄決定テーブル162Aは、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1を、左最終停止図柄FZ2−1及び右最終停止図柄FZ2−2として同一になる演出図柄(左右最終停止図柄FZ2−1、FZ2−2)の図柄番号「1」〜「8」に割り当てる決定用データなどから構成されている。図80(B)に示す最終停止図柄決定テーブル162Bは、リーチハズレ組合せとなる確定演出図柄のうち、「中」の演出図柄表示エリアにて停止表示される確定演出図柄となる中最終停止図柄FZ2−3を、第3最終停止図柄決定用の乱数値SR1−3に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
ここで、リーチハズレ組合せを構成する中最終停止図柄FZ2−3は、左最終停止図柄FZ2−1や右最終停止図柄FZ2−2となる演出図柄の図柄番号との差分値である図柄差により特定される。すなわち、演出図柄の可変表示において、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアにて演出図柄の変動を開始させ、「左」→「右」→「中」といった所定順序で演出図柄の可変表示結果となる確定演出図柄を停止表示する場合に、最後に演出図柄が停止表示される「中」の演出図柄表示エリア以外の「左」及び「右」の演出図柄表示エリアに停止表示される左右最終停止図柄FZ2−1、FZ2−2が最終停止図柄決定テーブル162Aを用いて決定された後、最終停止図柄決定テーブル162Bを用いて「中」の演出図柄表示エリアに停止表示される中最終停止図柄FZ2−3と左右最終停止図柄FZ2−1、FZ2−2との差分(図柄差)を決定する。このとき決定された図柄差に応じて、「中」の演出図柄表示エリアに停止表示される中最終停止図柄FZ2−3となる確定演出図柄が決定される。最終停止図柄決定テーブル162Bは、ノーマルPA2−1、ノーマルPA2−2、特殊PG2−1、特殊PG2−2の変動パターンのいずれかである場合や、ノーマルPA2−3、ノーマルPA2−4のいずれかである場合、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−1〜PB3−5、スーパーPC3−1〜スーパーPC3−4、特殊PG2−3の変動パターンのいずれかである場合、スーパーPA3−5〜スーパーPA3−8の変動パターンのいずれかである場合に応じて、第3最終停止図柄決定用の乱数値SR1−3を、図柄差「−2」、「−1」、「+1」、「+2」に割り当てる決定用データなどから構成されている。
ROMが記憶する決定テーブルには、大当り組合せや突確チャンス目TC1〜TC4のいずれかとなる確定演出図柄を決定するためのテーブルとして、例えば図81(A)〜(C)に示す最終停止図柄決定テーブル163A〜163Cが含まれている。図81(A)に示す最終停止図柄決定テーブル163Aは、通常大当り組合せとなる確定演出図柄として、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアにて停止表示される左中右最終停止図柄FZ3−1、FZ3−2、FZ3−3を、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。最終停止図柄決定テーブル163Aは、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1を、左中右最終停止図柄FZ3−1、FZ3−2、FZ3−3として同一になる通常図柄の図柄番号「2」、「4」、「6」、「8」に割り当てる決定用データなどから構成されている。図81(B)に示す最終停止図柄決定テーブル163Bは、確変大当り組合せとなる確定演出図柄として、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアにて停止表示される左中右最終停止図柄FZ3−1、FZ3−2、FZ3−3を、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。最終停止図柄決定テーブル163Bは、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1を、左中右最終停止図柄FZ3−1、FZ3−2、FZ3−3として同一になる確変図柄の図柄番号「1」、「3」、「5」、「7」に割り当てる決定用データなどから構成されている。図81(C)に示す最終停止図柄決定テーブル163Cは、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアでの左中右最終停止図柄FZ4−1、FZ4−2、FZ4−3となる確定演出図柄の組合せを、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1に基づいて突確チャンス目TC1〜TC4のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。最終停止図柄決定テーブル163Cは、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1を、突確チャンス目TC1〜TC4に割り当てる決定用データなどから構成されている。
ROMが記憶する決定テーブルには、特定演出パターンを複数種類のいずれかに決定するためのテーブルとして、例えば図82(A)及び(B)に示す特定演出パターン決定テーブル164A、164Bが含まれている。図82(A)に示す特定演出パターン決定テーブル164Aは、「滑り」の特定演出が実行される場合に、第1特定演出パターン決定用の乱数値SR6−1に基づき、特定演出パターンを滑りTP1−1〜滑りTP1−4のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。特定演出パターン決定テーブル164Aは、非リーチPA1−4、ノーマルPA2−2、ノーマルPA2−4、ノーマルPA2−6、ノーマルPA2−8、スーパーPA3−2、スーパーPA3−6、スーパーPA4−2、スーパーPA5−2、スーパーPB3−2、スーパーPB4−2、スーパーPB5−2、スーパーPC3−2、スーパーPC3−4、スーパーPD1−2、スーパーPE1−2、スーパーPF1−3、特殊PG1−2、特殊PG2−2、特殊PG3−3の変動パターンといった、「滑り」の特定演出が実行される変動パターン(図9及び図10を参照)に応じて、第1特定演出パターン決定用の乱数値SR6−1を、滑りTP1−1〜滑りTP1−4の特定演出パターンに割り当てる決定用データなどから構成されている。
ここで、滑りTP1−1の特定演出パターンでは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにおける全部にて演出図柄を変動させてから、「左」及び「右」の演出図柄表示エリアにて演出図柄を仮停止表示させた後、「右」の演出図柄表示エリアにて演出図柄を高速に再変動させた後に停止表示させることで、「右」の演出図柄表示エリアにて停止表示する演出図柄を変更させる演出表示が行われる。滑りTP1−2の特定演出パターンでは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにおける全部にて演出図柄を変動させてから、「左」及び「右」の演出図柄表示エリアにて演出図柄を仮停止表示させた後、「左」の演出図柄表示エリアにて演出図柄を高速に再変動させた後に停止表示させることで、「左」の演出図柄表示エリアにて停止表示する演出図柄を変更させる演出表示が行われる。滑りTP1−3の特定演出パターンでは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにおける全部にて演出図柄を変動させてから、「左」及び「右」の演出図柄表示エリアにて演出図柄を仮停止表示させた後、「右」の演出図柄表示エリアにて演出図柄を低速に再変動させた後に停止表示させることで、「右」の演出図柄表示エリアにて停止表示する演出図柄を変更させる演出表示が行われる。滑りTP1−4の特定演出パターンでは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにおける全部にて演出図柄を変動させてから、「左」及び「右」の演出図柄表示エリアにて演出図柄を仮停止表示させた後、「左」の演出図柄表示エリアにて演出図柄を低速に再変動させた後に停止表示させることで、「左」の演出図柄表示エリアにて停止表示する演出図柄を変更させる演出表示が行われる。
図82(B)に示す特定演出パターン決定テーブル164Bは、「擬似連(チャンス目)」の特定演出が実行される場合に、第2特定演出パターン決定用の乱数値SR6−2に基づき、特定演出パターンを擬似連TP2−1〜擬似連TP2−3のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。特定演出パターン決定テーブル164Bは、非リーチPA1−5、スーパーPA3−4、スーパーPA3−8、スーパーPB3−4、スーパーPA4−4、スーパーPA4−8、スーパーPB4−4、スーパーPB5−4、スーパーPF1−1、特殊PG1−3の変動パターンといった、「擬似連」の特定演出が実行される変動パターン(図9及び図10を参照)に応じて、第2特定演出パターン決定用の乱数値SR6−2を、擬似連TP2−1〜擬似連TP2−3の特定演出パターンに割り当てる決定用データなどから構成されている。
ここで、擬似連TP2−1の特定演出パターンでは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにおける全部にて演出図柄を仮停止表示させてから再変動(擬似連変動)させる全再変動表示動作が、最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでに1回行われる。擬似連TP2−2の特定演出パターンでは、確定演出図柄が停止表示されるまでに全再変動表示動作が2回行われる。擬似連TP2−3の特定演出パターンでは、確定演出図柄が停止表示されるまでに全再変動表示動作が3回行われる。したがって、この実施の形態では、特定演出パターン決定テーブル164Bを用いて特定演出パターンを擬似連TP2−1〜擬似連TP2−3のいずれかに決定することにより、擬似連変動の実行回数を決定することができる。
加えて、ROMが記憶する決定テーブルには、「メイン予告」の特定演出における演出動作に対応した特定演出パターンを複数種類のうちから選択して決定するための特定演出パターン決定テーブルが含まれている。「メイン予告」の特定演出が実行される場合に特定演出パターンを決定するためのテーブルの一例として、図83(A)〜(C)に示すような特定演出パターン決定テーブル164C〜164Eが、ROMに記憶されていればよい。図83(A)〜(C)に示す特定演出パターン決定テーブル164C〜164Eは、「メイン予告」の特定演出が実行される場合に、第3特定演出パターン決定用の乱数値SR6−3に基づき、特定演出パターンをメイン予告TP3−1−1、メイン予告TP3−1−2、メイン予告TP3−2−1、メイン予告TP3−2−2、メイン予告TP3−3−1、メイン予告TP3−3−2のうちから選択して決定するために参照されるテーブルである。特定演出パターン決定テーブル164C〜164Eはそれぞれ、例えば図83(D)に示すようなテーブル選択設定に従い、メイン予告用テーブル指定バッファの値(メイン予告用テーブル指定バッファ値)に応じて、使用テーブルとして特定されて設定される。特定演出パターン決定テーブル164C〜164Eはそれぞれ、非リーチPA1−6、スーパーPA3−3、スーパーPA3−7、スーパーPB3−3、スーパーPA4−3、スーパーPA4−7、スーパーPA5−3、スーパーPB4−3、スーパーPB5−3の変動パターンといった、「メイン予告」の特定演出が実行される変動パターン(図9及び図10を参照)に応じて、第3特定演出パターン決定用の乱数値SR6−3を、メイン予告TP3−1−1、メイン予告TP3−1−2、メイン予告TP3−2−1、メイン予告TP3−2−2、メイン予告TP3−3−1、メイン予告TP3−3−2の特定演出パターンに割り当てる選択用データなどから構成されている。また、特定演出パターン決定テーブル164C〜164Eのそれぞれには、メイン予告用テーブル指定バッファ値を、第3特定演出パターン決定用の乱数値SR6−3に基づいて決定された特定演出パターンに対応して“1”〜“3”のいずれかに更新するためのメイン予告用テーブル指定バッファ更新設定値を示すテーブルデータ(更新用データ)が含まれている。
ここで、図83(A)に示す特定演出パターン決定テーブル164Cは、メイン予告用テーブル指定バッファ値が“1”であるときに使用テーブルとして特定されて設定され、変動パターンが非リーチPA1−6である場合には、特定演出パターンがメイン予告TP3−2−1とメイン予告TP3−3−1のうちから選択されて決定されるように、第3特定演出パターン決定用の乱数値SR6−3を割り当てる選択用データが設定されている。その一方で、特定演出パターン決定テーブル164Cでは、変動パターンが非リーチPA1−6である場合に、メイン予告TP3−1−1の特定演出パターンを選択して決定することができない。そして、特定演出パターンがメイン予告TP3−2−1に決定された場合には、メイン予告用テーブル指定バッファ値が“2”に更新されることにより、次回の「メイン予告」の特定演出を実行するための特定演出パターン選択時には、特定演出パターン決定テーブル164Dが使用テーブルとして特定されて設定されることになる。これに対して、特定演出パターンがメイン予告TP3−3−1に決定された場合には、メイン予告用テーブル指定バッファ値が“3”に更新されることにより、次回の「メイン予告」の特定演出を実行するための特定演出パターン選択時には、特定演出パターン決定テーブル164Eが使用テーブルとして特定されて設定されることになる。
図83(B)に示す特定演出パターン決定テーブル164Dは、メイン予告用テーブル指定バッファ値が“2”であるときに使用テーブルとして特定されて選択され、変動パターンが非リーチPA1−6である場合には、特定演出パターンがメイン予告TP3−1−1とメイン予告TP3−3−1のうちから選択されて決定されるように、第3特定演出パターン決定用の乱数値SR6−3を割り当てる選択用データが設定されている。その一方で、特定演出パターン決定テーブル164Dでは、変動パターンが非リーチPA1−6である場合に、メイン予告TP3−2−1の特定演出パターンを選択して決定することができない。そして、特定演出パターンがメイン予告TP3−1−1に決定された場合には、メイン予告用テーブル指定バッファ値が“1”に更新されることにより、次回の「メイン予告」の特定演出を実行するための特定演出パターン選択時には、特定演出パターン決定テーブル164Cが使用テーブルとして特定されて設定されることになる。これに対して、特定演出パターンがメイン予告TP3−3−1に決定された場合には、メイン予告用テーブル指定バッファ値が“3”に更新されることにより、次回の「メイン予告」の特定演出を実行するための特定演出パターン選択時には、特定演出パターン決定テーブル164Eが使用テーブルとして特定されて設定されることになる。
図83(C)に示す特定演出パターン決定テーブル164Eは、メイン予告用テーブル指定バッファ値が“3”であるときに使用テーブルとして特定されて設定され、変動パターンが非リーチPA1−6である場合には、特定演出パターンがメイン予告TP3−1−1とメイン予告TP3−2−1のうちから選択されて決定されるように、第3特定演出パターン決定用の乱数値SR6−3を割り当てる選択用データが設定されている。その一方で、特定演出パターン決定テーブル164Eでは、変動パターンが非リーチPA1−6である場合に、メイン予告TP3−3−1の特定演出パターンを選択して決定することができない。そして、特定演出パターンがメイン予告TP3−1−1に決定された場合には、メイン予告用テーブル指定バッファ値が“1”に更新されることにより、次回の「メイン予告」の特定演出を実行するための特定演出パターン選択時には、特定演出パターン決定テーブル164Cが使用テーブルとして特定されて設定されることになる。これに対して、特定演出パターンがメイン予告TP3−2−1に決定された場合には、メイン予告用テーブル指定バッファ値が“2”に更新されることにより、次回の「メイン予告」の特定演出を実行するための特定演出パターン選択時には、特定演出パターン決定テーブル164Dが使用テーブルとして特定されて設定されることになる。
こうして、変動パターンが非リーチPA1−6である場合には、特定演出パターン決定テーブル164D、164Eのいずれかを用いてメイン予告TP3−1−1の特定演出パターンが選択されると、メイン予告用テーブル指定バッファ値が“1”に更新され、次回の「メイン予告」の特定演出を実行するための特定演出パターン選択時には、変動パターンが非リーチPA1−6であれば今回選択されたメイン予告TP3−1−1の特定演出パターンを選択することができないようにテーブルデータが構成された特定演出パターン決定テーブル164Cが、使用テーブルとして特定されて設定されることになる。また、変動パターンが非リーチPA1−6である場合に、特定演出パターン決定テーブル164C、164Eのいずれかを用いてメイン予告TP3−2−1の特定演出パターンが選択されると、メイン予告用テーブル指定バッファ値が“2”に更新され、次回の「メイン予告」の特定演出を実行するための特定演出パターン選択時には、変動パターンが非リーチPA1−6であれば今回選択されたメイン予告TP3−2−1の特定演出パターンを選択することができないようにテーブルデータが構成された特定演出パターン決定テーブル164Dが、使用テーブルとして特定されて設定されることになる。さらに、変動パターンが非リーチPA1−6である場合に、特定演出パターン決定テーブル164C、164Dのいずれかを用いてメイン予告TP3−3−1の特定演出パターンが選択されると、メイン予告用テーブル指定バッファ値が“3”に更新され、次回の「メイン予告」の特定演出を実行するための特定演出パターン選択時には、変動パターンが非リーチPA1−6であれば今回選択されたメイン予告TP3−3−1の特定演出パターンを選択することができないようにテーブルデータが構成された特定演出パターン決定テーブル164Eが、使用テーブルとして特定されて設定されることになる。このように、特定演出パターン決定テーブル164C〜164Eはそれぞれ、今回実行する「メイン予告」の特定演出における演出動作に対応した特定演出パターンを、次回では選択しないように設定された選択用データを含むように構成されている。
加えて、特定演出パターン決定テーブル164C〜164Eはそれぞれ、変動パターンがスーパーPA3−3である場合には特定演出パターンがメイン予告TP3−1−1とメイン予告TP3−1−2のうちから選択されて決定され、変動パターンがスーパーPA3−7である場合には特定演出パターンがメイン予告TP3−2−1とメイン予告TP3−2−2のうちから選択されて決定され、変動パターンがスーパーPB3−3である場合には特定演出パターンがメイン予告TP3−3−1とメイン予告TP3−3−2のうちから選択されて決定されるように、第3特定演出パターン決定用の乱数値SR6−3を割り当てる選択用データが設定されている。ここで、スーパーPA3−3、スーパーPA3−7、スーパーPB3−3の変動パターンはいずれも、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応して用意された変動パターンであり、図9に示すように、スーパーPA3−3の変動パターンであればリーチ演出α1が実行され、スーパーPA3−7の変動パターンであればリーチ演出α2が実行され、スーパーPB3−3の変動パターンであればリーチ演出β1が実行される。
このような特定演出パターン決定テーブル164C〜164Eの設定によれば、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、変動パターンがリーチ演出α1を実行するためのスーパーPA3−3の変動パターンであれば、特定演出パターンがメイン予告TP3−1−1とメイン予告TP3−1−2のうちから選択され、リーチ演出α1と関連づけられた演出動作のうちから「メイン予告」の特定演出における演出動作が選択されることになる。また、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、変動パターンがリーチ演出α2を実行するためのスーパーPA3−7の変動パターンであれば、特定演出パターンがメイン予告TP3−2−1とメイン予告TP3−2−2のうちから選択され、リーチ演出α2と関連づけられた演出動作のうちから「メイン予告」の特定演出における演出動作が選択されることになる。さらに、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、変動パターンがリーチ演出β1を実行するためのスーパーPB3−3の変動パターンであれば、特定演出パターンがメイン予告TP3−3−1とメイン予告TP3−3−2のうちから選択され、リーチ演出β1と関連づけられた演出動作のうちから「メイン予告」の特定演出における演出動作が選択されることになる。
また、特定演出パターン決定テーブル164C〜164Eはそれぞれ、変動パターンがスーパーPA4−3である場合には特定演出パターンがメイン予告TP3−1−1とメイン予告TP3−1−2のうちから選択されて決定される割合が高いながらも、メイン予告TP3−2−1、メイン予告TP3−2−2、メイン予告TP3−3−1、メイン予告TP3−3−2のうちからも選択されて決定されることができるように、第3特定演出パターン決定用の乱数値SR6−3を割り当てる選択用データが設定されている。特定演出パターン決定テーブル164C〜164Eはそれぞれ、変動パターンがスーパーPA4−7やスーパーPA5−3である場合には特定演出パターンがメイン予告TP3−2−1とメイン予告TP3−2−2のうちから選択されて決定される割合が高いながらも、メイン予告TP3−1−1、メイン予告TP3−1−2、メイン予告TP3−3−1、メイン予告TP3−3−2のうちからも選択されて決定されることができるように、第3特定演出パターン決定用の乱数値SR6−3を割り当てる選択用データが設定されている。特定演出パターン決定テーブル164C〜164Eはそれぞれ、変動パターンがスーパーPB4−3やスーパーPB5−3である場合には特定演出パターンがメイン予告TP3−3−1とメイン予告TP3−3−2のうちから選択されて決定される割合が高いながらも、メイン予告TP3−1−1、メイン予告TP3−1−2、メイン予告TP3−2−1、メイン予告TP3−2−2のうちからも選択されて決定されることができるように、第3特定演出パターン決定用の乱数値SR6−3を割り当てる決定用データが設定されている。
ここで、スーパーPA4−3、スーパーPA4−7、スーパーPA5−3、スーパーPB4−3、スーパーPB5−3の変動パターンはいずれも、可変表示結果が「大当り」となる場合に対応して用意された変動パターンである。そして、図10に示すように、スーパーPA4−3の変動パターンであればリーチ演出α1が実行され、スーパーPA4−7の変動パターンであればリーチ演出α2が実行され、スーパーPA5−3の変動パターンであればリーチ演出α3が実行され、スーパーPB4−3の変動パターンであればリーチ演出β1が実行され、スーパーPB5−3の変動パターンであればリーチ演出β2が実行される。
このような特定演出パターン決定テーブル164C〜164Eの設定によれば、可変表示結果が「大当り」となる場合に、変動パターンがリーチ演出α1を実行するためのスーパーPA4−3の変動パターンであれば、特定演出パターンがメイン予告TP3−1−1とメイン予告TP3−1−2のうちから選択されることで、リーチ演出α1と関連づけられた演出動作のうちから「メイン予告」の特定演出における演出動作が選択される一方で、特定演出パターンがメイン予告TP3−2−1、メイン予告TP3−2−2、メイン予告TP3−3−1、メイン予告TP3−3−2のうちから選択されることもあり、リーチ演出α1と関連づけられていない演出動作のうちからも「メイン予告」の特定演出における演出動作を選択することができる。また、可変表示結果が「大当り」となる場合に、変動パターンがリーチ演出α2を実行するためのスーパーPA4−7の変動パターンやリーチ演出α3を実行するためのスーパーPA5−3の変動パターンであれば、特定演出パターンがメイン予告TP3−2−1とメイン予告TP3−2−2のうちから選択されることで、リーチ演出α2と関連づけられた演出動作のうちから「メイン予告」の特定演出における演出動作が選択される一方で、特定演出パターンがメイン予告TP3−1−1、メイン予告TP3−1−2、メイン予告TP3−3−1、メイン予告TP3−3−2のうちから選択されることもあり、リーチ演出α2と関連づけられていない演出動作のうちからも「メイン予告」の特定演出における演出動作を選択することができる。ここで、リーチ演出α3にはリーチ演出α2における演出動作が含まれるように構成することで、リーチ演出α2と関連づけられた演出動作は、リーチ演出α3とも関連づけられた演出動作となる。さらに、可変表示結果が「大当り」となる場合に、変動パターンがリーチ演出β1を実行するためのスーパーPB4−3の変動パターンやリーチ演出β2を実行するためのスーパーPB5−3の変動パターンであれば、特定演出パターンがメイン予告TP3−3−1とメイン予告TP3−3−2のうちから選択されることで、リーチ演出β1と関連づけられた演出動作のうちから「メイン予告」の特定演出における演出動作が選択される一方で、特定演出パターンがメイン予告TP3−1−1、メイン予告TP3−1−2、メイン予告TP3−2−1、メイン予告TP3−2−2のうちから選択されることもあり、リーチ演出β1と関連づけられていない演出動作のうちからも「メイン予告」の特定演出における演出動作を選択することができる。ここで、リーチ演出β2にはリーチ演出β1における演出動作が含まれるように構成することで、リーチ演出β1と関連づけられた演出動作は、リーチ演出β2とも関連づけられた演出動作となる。
こうした特定演出パターン決定テーブル164C〜164Eの設定により、可変表示結果が「大当り」となる場合には、変動パターンに応じて実行されるリーチ演出α1〜リーチ演出α3、リーチ演出β1〜リーチ演出β3のそれぞれと関連づけられていない演出動作を含む複数種類のうちから、「メイン予告」の特定演出における演出動作を選択することができる。ただし、変動パターンに応じて実行されるリーチ演出α1〜リーチ演出α3、リーチ演出β1〜リーチ演出β3のそれぞれと関連づけられている演出動作は、関連づけられていない演出動作に比べて、「メイン予告」の特定演出における演出動作として選択される割合が高くなる。
特定演出パターン決定テーブル164C〜164Eにおいて、メイン予告TP3−1−2、メイン予告TP3−2−2、メイン予告TP3−3−2の特定演出パターンには、メイン予告TP3−1−1、メイン予告TP3−2−1、メイン予告TP3−3−1の特定演出パターンに比べて、可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンよりも可変表示結果が「大当り」となる場合の変動パターンの方が、より多くの第3特定演出パターン決定用の乱数値SR6−3が割り当てられている。一例として、メイン予告TP3−1−2の特定演出パターンには、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に用いられるスーパーPA3−3の変動パターンに対応して「41」〜「60」の範囲の値が割り当てられている一方で、可変表示結果が「大当り」となる場合に用いられるスーパーPA4−3の変動パターンに対応して「21」〜「50」の範囲の値が割り当てられている。これに対して、メイン予告TP3−1−1の特定演出パターンには、スーパーPA3−3の変動パターンに対応して「1」〜「40」の範囲の値が割り当てられている一方で、スーパーPA4−3の変動パターンに対応して「1」〜「20」の値が割り当てられている。また、変動パターンが非リーチPA1−6である場合には、メイン予告TP3−1−1の特定演出パターンが選択されることもある一方で、メイン予告TP3−1−2の特定演出パターンが選択されることはない。このような特定演出パターン決定テーブル164C〜164Eの設定により、メイン予告TP3−1−2、メイン予告TP3−2−2、メイン予告TP3−3−2の特定演出パターンに対応した演出動作が行われた場合には、メイン予告TP3−1−1、メイン予告TP3−2−1、メイン予告TP3−3−1の特定演出パターンに対応した演出動作が行われた場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が高くなる。
また、特定演出パターン決定テーブル164C〜164Eではいずれも、変動パターンが非リーチPA1−6である場合に、メイン予告TP3−1−2、メイン予告TP3−2−2、メイン予告TP3−3−2の特定演出パターンが選択されることはないように、選択用データが設定されている。このような特定演出パターン決定テーブル164C〜164Eの設定により、メイン予告TP3−1−2、メイン予告TP3−2−2、メイン予告TP3−3−2の特定演出パターンに対応した演出動作が行われた場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となることを、遊技者が認識することができる。
「メイン予告」の特定演出が実行される場合における特定演出パターンを決定するためのテーブルの他の一例として、図84に示すような特定演出パターン決定テーブル164Fが、ROMに記憶されてもよい。図84に示す特定演出パターン決定テーブル164Fは、非リーチPA1−6、スーパーPA3−3、スーパーPA3−7、スーパーPB3−3、スーパーPA4−3、スーパーPA4−7、スーパーPA5−3、スーパーPB4−3、スーパーPB5−3の変動パターンといった、「メイン予告」の特定演出が実行される変動パターン(図9及び図10を参照)に応じて、第3特定演出パターン決定用の乱数値SR6−3を、メイン予告TP3−1−1、メイン予告TP3−1−2、メイン予告TP3−2−1、メイン予告TP3−2−2、メイン予告TP3−3−1、メイン予告TP3−3−2の特定演出パターンに割り当てる選択用データなどから構成されている。
ここで、図84に示す特定演出パターン決定テーブル164Fは、変動パターンが非リーチPA1−6である場合に、特定演出パターンがメイン予告TP3−1−1とメイン予告TP3−2−1とメイン予告TP3−3−1のうちから選択されて決定されるように、第3特定演出パターン決定用の乱数値SR6−3を割り当てる選択用データが設定されている。これに対して、変動パターンがスーパーPA3−3、スーパーPA3−7、スーパーPB3−3、スーパーPA4−3、スーパーPA4−7、スーパーPA5−3、スーパーPB4−3、スーパーPB5−3のいずれかである場合には、特定演出パターン決定テーブル164C〜164Eと同様に特定演出パターンが選択されて決定されるように、第3特定演出パターン決定用の乱数値SR6−3を割り当てる選択用データが設定されている。これにより、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、変動パターンに応じて実行されるリーチ演出α1、リーチ演出α2、リーチ演出β1のそれぞれと関連づけられた演出動作のうちから「メイン予告」の特定演出における演出動作が選択されることになる。また、可変表示結果が「大当り」となる場合には、変動パターンに応じて実行されるリーチ演出α1〜リーチ演出α3、リーチ演出β1〜リーチ演出β3のそれぞれと関連づけられていない演出動作を含む複数種類のうちから、「メイン予告」の特定演出における演出動作を選択することができる。
こうした特定演出パターン決定テーブル164C〜164Eあるいは特定演出パターン決定テーブル164Fの設定によれば、リーチ演出α1〜リーチ演出α3、リーチ演出β1〜リーチ演出β3といった複数種類のリーチ演出のいずれかが実行される場合に、そのリーチ演出の種類に応じて異なる割合で、「メイン予告」の特定演出における演出動作を複数種類のうちから選択することができる。
特定演出パターン決定テーブル164Fにおいても、メイン予告TP3−1−2、メイン予告TP3−2−2、メイン予告TP3−3−2の特定演出パターンには、メイン予告TP3−1−1、メイン予告TP3−2−1、メイン予告TP3−3−1の特定演出パターンに比べて、可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンよりも可変表示結果が「大当り」となる場合の変動パターンの方が、より多くの第3特定演出パターン決定用の乱数値SR6−3が割り当てられている。このような特定演出パターン決定テーブル164Fの設定により、メイン予告TP3−1−2、メイン予告TP3−2−2、メイン予告TP3−3−2の特定演出パターンに対応した演出動作が行われた場合には、メイン予告TP3−1−1、メイン予告TP3−2−1、メイン予告TP3−3−1の特定演出パターンに対応した演出動作が行われた場合に比べて、大当り信頼度が高くなる。また、特定演出パターン決定テーブル164Fでは、変動パターンが非リーチPA1−6である場合に、メイン予告TP3−1−2、メイン予告TP3−2−2、メイン予告TP3−3−2の特定演出パターンが選択されることはないように、選択用データが設定されている。このような特定演出パターン決定テーブル164Fの設定により、メイン予告TP3−1−2、メイン予告TP3−2−2、メイン予告TP3−3−2の特定演出パターンに対応した演出動作が行われた場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となることを、遊技者が認識することができる。
ROMが記憶する決定テーブルには、図85(A)に示す変動中昇格演出実行決定テーブル165Aや、図85(B)に示す大当り中昇格演出実行決定テーブル165Bが含まれている。図85(A)に示す変動中昇格演出実行決定テーブル165Aは、可変表示結果が「大当り」であり大当り種別が「通常」、「第1確変」〜「第3確変」(「突確」以外)である場合に、変動中昇格演出を実行するか否かを、昇格演出実行決定用の乱数値SR5に基づいて決定するために参照されるテーブルである。変動中昇格演出実行決定テーブル165Aは、大当り種別が「通常」、「第1確変」〜「第3確変」のいずれであるかに応じて、昇格演出実行決定用の乱数値SR5を、変動中昇格演出の有無を示す決定結果に割り当てる決定用データなどから構成されている。ここで、大当り種別が「通常」または「第3確変」である場合には、昇格演出実行決定用の乱数値SR5のうち、「1」〜「99」の範囲の値が変動中昇格演出ありの決定結果に割り当てられ、「100」の値が変動中昇格演出なしの決定結果に割り当てられている。この場合、変動中昇格演出ありの決定結果となれば、変動中昇格失敗演出が実行される。また、大当り種別が「第1確変」である場合には、昇格演出実行決定用の乱数値SR5のうち、「1」〜「70」の範囲の値が変動中昇格演出ありの決定結果に割り当てられ、「71」〜「100」の範囲の値が変動中昇格演出なしの決定結果に割り当てられている。この場合、変動中昇格演出ありの決定結果となれば、変動中昇格成功演出が実行されることになる。さらに、大当り種別が「第2確変」である場合には、昇格演出実行決定用の乱数値SR5が全て変動中昇格演出なしの決定結果に割り当てられており、変動中昇格成功演出と変動中昇格失敗演出がいずれも実行されないことになる。
図85(B)に示す大当り中昇格演出実行決定テーブル165Bは、可変表示結果が「大当り」であり大当り種別が「通常」、「第1確変」〜「第3確変」(「突確」以外)である場合に、大当り中昇格演出を実行するか否かを、昇格演出実行決定用の乱数値SR5に基づいて決定するために参照されるテーブルである。大当り中昇格演出実行決定テーブル165Bは、大当り種別が「通常」、「第1確変」〜「第3確変」のいずれであるかに応じて、昇格演出実行決定用の乱数値SR5を、大当り中昇格成功演出や大当り中昇格失敗演出の有無を示す決定結果に割り当てる決定用データなどから構成されている。ここで、大当り種別が「通常」である場合には、昇格演出実行決定用の乱数値SR5が全て大当り中昇格失敗演出ありの決定結果に割り当てられており、大当り中昇格失敗演出が実行されることになる。また、大当り種別が「第1確変」または「第2確変」である場合には、昇格演出実行決定用の乱数値SR5が全て大当り中昇格演出なしの決定結果に割り当てられており、大当り中昇格成功演出と大当り中昇格失敗演出がいずれも実行されないことになる。さらに、大当り種別が「第3確変」である場合には、昇格演出実行決定用の乱数値SR5の一部が大当り中昇格成功演出ありの決定結果に割り当てられ、残りが大当り中昇格失敗演出ありの決定結果に割り当てられている。この場合には、決定結果に応じて、大当り中昇格成功演出と大当り中昇格失敗演出のいずれかが実行されることになる。
ROMが記憶する決定テーブルには、「滑り」の特定演出が実行される場合に仮停止表示させる演出図柄を決定するためのテーブルとして、例えば図86(A)〜(D)に示す仮停止図柄決定テーブル166A〜166Dが含まれている。各仮停止図柄決定テーブル166A〜166Dは、例えば図86(E)に示すようなテーブル選択設定に従い、特定演出パターンが滑りTP1−1〜滑りTP1−4のいずれであるかに応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、特定演出パターンが滑りTP1−1である場合には仮停止図柄決定テーブル166Aが使用テーブルとして選択され、滑りTP1−2である場合には仮停止図柄決定テーブル166Bが使用テーブルとして選択され、滑りTP1−3である場合には仮停止図柄決定テーブル166Cが使用テーブルとして選択され、滑りTP1−4である場合には仮停止図柄決定テーブル166Dが使用テーブルとして選択される。各仮停止図柄決定テーブル166A〜166Dは、演出図柄を再変動させる演出図柄表示エリアにおいて最終停止図柄となる演出図柄の図柄番号「1」〜「8」に応じて、滑り・発展チャンス目時仮停止図柄決定用の乱数値SR3を、仮停止図柄となる演出図柄の図柄番号「1」〜「8」に割り当てる決定用データなどから構成されている。すなわち、仮停止図柄決定テーブル166Aは、滑りTP1−1の特定演出パターンに従い演出図柄が仮停止表示される「右」の演出図柄表示エリアにおける最終停止図柄としての右最終停止図柄となる演出図柄の図柄番号「1」〜「8」に応じて、滑り・発展チャンス目時仮停止図柄決定用の乱数値SR3を、右仮停止図柄KZ1−1となる演出図柄の図柄番号「1」〜「8」に割り当てる決定用データを含んでいる。仮停止図柄決定テーブル166Bは、滑りTP1−2の特定演出パターンに従い演出図柄が仮停止表示される「左」の演出図柄表示エリアにおける最終停止図柄としての左最終停止図柄となる演出図柄の図柄番号「1」〜「8」に応じて、滑り・発展チャンス目時仮停止図柄決定用の乱数値SR3を、左仮停止図柄KZ1−2となる演出図柄の図柄番号「1」〜「8」に割り当てる決定用データを含んでいる。仮停止図柄決定テーブル166Cは、滑りTP1−3の特定演出パターンに従い演出図柄が仮停止表示される「右」の演出図柄表示エリアにおける最終停止図柄としての右最終停止図柄となる演出図柄の図柄番号「1」〜「8」に応じて、滑り・発展チャンス目時仮停止図柄決定用の乱数値SR3を、右仮停止図柄KZ1−3となる演出図柄の図柄番号「1」〜「8」に割り当てる決定用データを含んでいる。仮停止図柄決定テーブル166Dは、滑りTP1−4の特定演出パターンに従い演出図柄が仮停止表示される「左」の演出図柄表示エリアにおける最終停止図柄としての左最終停止図柄となる演出図柄の図柄番号「1」〜「8」に応じて、滑り・発展チャンス目時仮停止図柄決定用の乱数値SR3を、左仮停止図柄KZ1−4となる演出図柄の図柄番号「1」〜「8」に割り当てる決定用データを含んでいる。
ROMが記憶する決定テーブルには、「擬似連」の特定演出が実行される場合に仮停止表示される演出図柄を決定するためのテーブルとして、例えば図87(A)〜(D)に示す仮停止図柄決定テーブル167A〜167Dが含まれている。各仮停止図柄決定テーブル167A〜167Dは、「擬似連」の特定演出が実行される場合に、変動パターンが非リーチPA1−5であるか、スーパーPA3−4、スーパーPA3−8、スーパーPA4−4、スーパーPA4−8、スーパーPB3−4、スーパーPB4−4、スーパーPB5−4、スーパーPF1−1、特殊PG1−3のいずれかであるかや、最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでに実行される全再変動表示動作の残り回数などに応じて、使用テーブルとして選択される。ここで、全再変動表示動作の残り回数は、例えば最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示される演出図柄の変動(擬似連変動)では「0」となり、その1回前に仮停止図柄が停止表示される演出図柄の変動(擬似連変動)では「1」となり、2回前に仮停止図柄が停止表示される演出図柄の変動(擬似連変動)では「2」となり、3回前に仮停止図柄が停止表示される演出図柄の変動(擬似連変動)では「3」となるように、最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示される擬似連変動が実行されるまでに、あと何回の擬似連変動(仮停止図柄が停止表示される変動)が実行されるかに対応している。
一例として、仮停止図柄決定テーブル167Aは、変動パターンが非リーチPA1−5であることに応じて、最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでに実行される全再変動表示動作の残り回数が「1」である場合に、「左」の演出図柄表示エリアにて仮停止表示させる左図柄となる左仮停止図柄KZ2−1、「右」の演出図柄表示エリアにて仮停止表示させる右図柄となる右仮停止図柄KZ2−2、「中」の演出図柄表示エリアにて仮停止表示させる中図柄となる中仮停止図柄KZ2−3を決定するための使用テーブルとして選択される。仮停止図柄決定テーブル167Bは、変動パターンがスーパーPA3−4、スーパーPA3−8、スーパーPA4−4、スーパーPA4−8、スーパーPB3−4、スーパーPB4−4、スーパーPB5−4、スーパーPF1−1、特殊PG1−3のいずれかであることに応じて、最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでに実行される全再変動表示動作の残り回数が「1」である場合に、「左」の演出図柄表示エリアにて仮停止表示させる左図柄となる左仮停止図柄KZ2−1、「右」の演出図柄表示エリアにて仮停止表示させる右図柄となる右仮停止図柄KZ2−2、「中」の演出図柄表示エリアにて仮停止表示させる中図柄となる中仮停止図柄KZ2−3を決定するための使用テーブルとして選択される。
また、仮停止図柄決定テーブル167Cは、変動パターンがスーパーPA3−4、スーパーPA3−8、スーパーPA4−4、スーパーPA4−8、スーパーPB3−4、スーパーPB4−4、スーパーPB5−4、スーパーPF1−1、特殊PG1−3のいずれかであることに応じて、最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでに実行される全再変動表示動作の残り回数が「2」である場合に、「左」の演出図柄表示エリアにて仮停止表示させる左図柄となる左仮停止図柄KZ3−1、「右」の演出図柄表示エリアにて仮停止表示させる右図柄となる右仮停止図柄KZ3−2、「中」の演出図柄表示エリアにて仮停止表示させる中図柄となる中仮停止図柄KZ3−3を決定するための使用テーブルとして選択される。仮停止図柄決定テーブル167Dは、変動パターンがスーパーPA3−4、スーパーPA3−8、スーパーPA4−4、スーパーPA4−8、スーパーPB3−4、スーパーPB4−4、スーパーPB5−4、スーパーPF1−1のいずれかであることに応じて、最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでに実行される全再変動表示動作の残り回数が「3」である場合に、「左」の演出図柄表示エリアにて仮停止表示させる左図柄となる左仮停止図柄KZ4−1、「右」の演出図柄表示エリアにて仮停止表示させる右図柄となる右仮停止図柄KZ4−2、「中」の演出図柄表示エリアにて仮停止表示させる中図柄となる中仮停止図柄KZ4−3を決定するための使用テーブルとして選択される。なお、変動パターンが非リーチPA1−5である場合には、図82(B)に示す特定演出パターン決定テーブル164Bの設定に基づき特定演出パターンが擬似連TP2−1に決定され、演出図柄を仮停止表示させてから再変動させる全再変動表示動作の実行回数が1回だけであることから、仮停止図柄決定テーブル167Cや仮停止図柄決定テーブル167Dを使用テーブルとして選択する必要はない。変動パターンが特殊PG1−3である場合には、図82(B)に示す特定演出パターン決定テーブル164Bの設定に基づき特定演出パターンが擬似連TP2−1または擬似連TP2−2に決定され、演出図柄を仮停止表示させてから再変動させる全再変動表示動作の実行回数が多くとも2回であることから、仮停止図柄決定テーブル167Dを使用テーブルとして選択する必要はない。
図87(A)に示す仮停止図柄決定テーブル167Aと図87(B)に示す仮停止図柄決定テーブル167Bはそれぞれ、「左」の演出図柄表示エリアにおける最終停止図柄としての左最終停止図柄となる演出図柄の図柄番号「1」〜「8」に応じて、第1擬似連時仮停止図柄決定用の乱数値SR4−1を、左中右仮停止図柄KZ2−1、KZ2−2、KZ2−3の組合せによって構成される擬似連チャンス目GC1〜GC8に割り当てる決定用データなどから構成されている。図87(C)に示す仮停止図柄決定テーブル167Cは、仮停止図柄決定テーブル167Bを用いて決定された左仮停止図柄KZ2−1、右仮停止図柄KZ2−2、中仮停止図柄2−3の組合せが擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれであるかに応じて、第2擬似連時仮停止図柄決定用の乱数値SR4−2を、左中右仮停止図柄KZ3−1、KZ3−2、KZ3−3の組合せによって構成される擬似連チャンス目GC1〜GC8に割り当てる決定用データなどから構成されている。図87(D)に示す仮停止図柄決定テーブル167Dは、仮停止図柄決定テーブル167Cを用いて決定された左仮停止図柄KZ3−1、右仮停止図柄3−2、中仮停止図柄KZ3−3の組合せが擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれであるかに応じて、第3擬似連時仮停止図柄決定用の乱数値SR4−3を、左中右仮停止図柄KZ4−1、KZ4−2、KZ4−3の組合せによって構成される擬似連チャンス目GC1〜GC8に割り当てる決定用データなどから構成されている。
このような仮停止図柄決定テーブル167A〜167Dを用いて仮停止図柄を決定することにより、例えば図88に示すように、擬似連TP2−1〜擬似連TP2−3の各特定演出パターンによる擬似連変動の実行回数に応じて、各回の変動で「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにおける全部にて仮停止表示させる演出図柄を、擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれかに決定することができる。
ROMが記憶する決定テーブルには、「発展チャンス目」の特定演出が実行される場合に仮停止表示される演出図柄を決定するためのテーブルとして、例えば図89に示す仮停止図柄決定テーブル168が含まれている。仮停止図柄決定テーブル168は、「左」の演出図柄表示エリアにおける最終停止図柄としての左最終停止図柄となる演出図柄の図柄番号「1」〜「8」に応じて、滑り・発展チャンス目時仮停止図柄決定用の乱数値SR3を、左中右仮停止図柄KZ6−1、KZ6−2、KZ6−3の組合せによって構成される発展チャンス目HC1〜HC8に割り当てる決定用データなどから構成されている。
ROMが記憶する決定テーブルには、変動中昇格演出が実行される場合に仮停止表示される演出図柄を決定するためのテーブルとして、例えば図90に示す仮停止図柄決定テーブル169が含まれている。仮停止図柄決定テーブル169は、大当り組合せとなる確定演出図柄として「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアに揃って停止表示される同一の左中右最終停止図柄FZ3−1、FZ3−2、FZ3−3となる演出図柄の図柄番号「1」〜「8」に応じて、昇格演出時仮停止図柄決定用の乱数値SR2を、左中右仮停止図柄KZ7−1、KZ7−2、KZ7−3として同一になる通常図柄の図柄番号「2」、「4」、「6」、「8」に割り当てる決定用データなどから構成されている。
ROMが記憶する決定テーブルには、図91に示すサブ予告パターン種別決定テーブル170が含まれている。サブ予告パターン種別決定テーブル170は、サブ予告パターン種別決定用の乱数値SR7に基づき、サブ予告パターン種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。サブ予告パターン種別決定テーブル170は、変動パターンが非リーチPA1−1、非リーチPA1−2、非リーチPB1−1、非リーチPC1−1のいずれかである場合や、非リーチPA1−3である場合、非リーチPA1−4である場合、非リーチPA1−6、非リーチPB1−2、非リーチPC1−2、スーパーPA3−3、スーパーPA3−7、スーパーPA4−3、スーパーPA4−7、スーパーPA5−3、スーパーPB3−3、スーパーPB4−3、スーパーPB5−3のいずれかである場合、これらの変動パターン以外の変動パターンである場合に応じて、サブ予告パターン種別決定用の乱数値SR7を、サブ予告なし、あるいは、サブ予告CY1〜サブ予告CY3のサブ予告パターン種別に割り当てる決定用データなどから構成されている。
ここで、サブ予告パターン種別決定テーブル170では、変動パターンが非リーチPA1−6、スーパーPA3−3、スーパーPA3−7、スーパーPB3−3、スーパーPA4−3、スーパーPA4−7、スーパーPA5−3、スーパーPB4−3、スーパーPB5−3といった、「メイン予告」の特定演出が実行される変動パターン(図9及び図10を参照)である場合に対応して、サブ予告パターン種別決定用の乱数値SR7が全てサブ予告なしに割り当てられている。そのため、「メイン予告」の特定演出が実行される場合には、サブ予告演出となる演出動作の実行が制限される。ここで、「メイン予告」の特定演出では、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアにて演出図柄の変動を開始させた後、短時間のうちに特定演出における演出表示が開始され、サブ予告演出が行われる場合には、実行期間に重複が生じる。そこで、サブ予告パターン種別決定テーブル170では、「メイン予告」の特定演出が実行される変動パターンである場合には常にサブ予告なしとなるようにサブ予告パターン種別決定用の乱数値SR7を割り当てることで、「メイン予告」の特定演出と実行期間が重複するサブ予告演出は実行しないようにすることができる。
ROMが記憶する決定テーブルには、サブ予告パターンを複数種類のいずれに決定するためのテーブルとして、例えば図92〜図94に示すサブ予告パターン決定テーブル171A〜171Cが含まれている。サブ予告パターン決定テーブル171Aは、サブ予告パターン種別がサブ予告CY1に決定されたときに、第1サブ予告パターン決定用の乱数値SR8−1に基づき、サブ予告なし、あるいは、サブ予告パターンをサブ予告YP1−1〜サブ予告YP1−4のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。サブ予告パターン決定テーブル171Aは、変動パターンに応じて、第1サブ予告パターン決定用の乱数値SR8−1を、サブ予告なし、あるいは、サブ予告YP1−1〜サブ予告YP1−4のサブ予告パターンに割り当てる決定用データなどから構成されている。
ここで、サブ予告YP1−1〜サブ予告YP1−4のサブ予告パターンでは、互いに異なる演出表示態様で、「キャラクタ表示」のサブ予告演出における演出表示が行われる。「キャラクタ表示」のサブ予告演出では、サブ予告YP1−1〜サブ予告YP1−4の各サブ予告パターンに対応するキャラクタ画像を、演出表示装置9の表示領域に表示させる。
サブ予告パターン決定テーブル171Bは、サブ予告パターン種別がサブ予告CY2に決定されたときに、第2サブ予告パターン決定用の乱数値SR8−2に基づき、サブ予告なし、あるいは、サブ予告パターンをサブ予告YP2−1〜サブ予告YP2−4のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。サブ予告パターン決定テーブル171Bは、変動パターンに応じて、第2サブ予告パターン決定用の乱数値SR8−2を、サブ予告なし、あるいは、サブ予告YP2−1〜サブ予告YP2−4のサブ予告パターンに割り当てる決定用データなどから構成されている。
ここで、サブ予告YP2−1〜サブ予告YP2−4のサブ予告パターンでは、互いに異なる演出表示態様で、「ステップアップ画像」のサブ予告演出における演出表示が行われる。「ステップアップ画像」のサブ予告演出では、予め用意された複数種類の演出画像のいずれかを演出表示装置9の表示領域に表示させた後、サブ予告YP2−1〜サブ予告YP2−4の各サブ予告パターンに対応して、所定の順番に従い複数種類の演出画像を切り替えて表示すること、あるいは、演出画像の切り替えが行われないことがある。
サブ予告パターン決定テーブル171Cは、サブ予告パターン種別がサブ予告CY3に決定されたときに、第3サブ予告パターン決定用の乱数値SR8−3に基づき、サブ予告なし、あるいは、サブ予告パターンをサブ予告YP3−1〜サブ予告YP3−3のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。サブ予告パターン決定テーブル171Cは、変動パターンに応じて、第3サブ予告パターン決定用の乱数値SR8−3を、サブ予告なし、あるいは、サブ予告YP3−1〜サブ予告YP3−3のサブ予告パターンに割り当てる決定用データなどから構成されている。
ここで、サブ予告YP3−1〜サブ予告YP3−3のサブ予告パターンでは、互いに異なる演出表示態様で、「メール表示」のサブ予告演出における演出表示が行われる。
図94に示すサブ予告パターン決定テーブル171Cでは、特定演出が実行される非リーチPA1−4、PA1−5、PA1−7の変動パターンに対応して、第3サブ予告パターン決定用の乱数値SR8−3のうち「1」〜「170」の範囲の値がサブ予告なしに割り当てられている。他方、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となる変動パターンに対応して、非リーチPA1−4、PA1−5、PA1−7の変動パターンよりも少ない個数の乱数値SR8−3が、サブ予告なしに割り当てられている。例えば、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−4の変動パターンに対応して、「1」〜「160」の範囲の値がサブ予告なしに割り当てられている。その他のリーチ状態となる変動パターンでは、可変表示結果が「大当り」や「小当り」となるか否かや、リーチの種類(ノーマルまたはスーパー)により、第3サブ予告パターン決定用の乱数値SR8−3の割当てが異なっている。これに対して、特定演出が実行されない非リーチPA1−1〜非リーチPA1−3、非リーチPB1−1、非リーチPC1−1の変動パターンに対応して、非リーチPA1−4、PA1−5、PA1−7の変動パターンよりも多い個数の乱数値SR8−3が、サブ予告なしに割り当てられている。すなわち、「1」〜「190」の範囲の値がサブ予告なしに割り当てられている。このような設定により、「非リーチ」に対応した変動パターンであって特定演出が実行される変動パターンであるときには、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となる変動パターンであるときに比べてサブ予告演出を実行する割合が低くなるとともに、「非リーチ」に対応した変動パターンであって特定演出が実行されない変動パターンであるときに比べてサブ予告演出を実行する割合が高くなる。また、「非リーチ」に対応した変動パターンであって特定演出が実行される変動パターンであるときには、「非リーチ」に対応した変動パターンであって特定演出が実行されない変動パターンであるときに比べて大当り信頼度の高いサブ予告演出を実行する割合が高くなる一方で、演出図柄の可変表示態様がリーチ状態となる変動パターンであるときに比べて大当り信頼度の高いサブ予告演出を実行する割合が低くなる。
ROMが記憶する決定テーブルには、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに基づき実行されるリーチ演出における演出動作に対応したリーチ演出パターンを複数種類のうちから選択して決定するためのリーチ演出パターン決定テーブルが含まれている。リーチ演出パターン決定テーブルの一例として、図95(A)及び(B)に示すリーチ演出パターン決定テーブル172A、172Bや、図96(A)及び(B)に示すリーチ演出パターン決定テーブル173A、173Bが、ROMに記憶されていればよい。図95(A)及び(B)に示すリーチ演出パターン決定テーブル172A、172Bは、可変表示結果が「大当り」となる場合に、リーチ演出パターン決定用の乱数値SR9に基づき、リーチ演出パターンを大当りAPA1−1〜大当りAPA1−3、大当りAPB1−1〜大当りAPB1−3、大当りAPA2−1〜大当りAPA2−3、大当りAPB2−1〜大当りAPB2−3のうちから選択して決定するために参照されるテーブルである。図96(A)及び(B)に示すリーチ演出パターン決定テーブル173A、173Bは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、リーチ演出パターン決定用の乱数値SR9に基づき、リーチ演出パターンをハズレHPA1−1〜ハズレHPA1−3、ハズレHPB1−1〜ハズレHPB1−3のうちから選択して決定するために参照されるテーブルである。リーチ演出パターン決定テーブル172A、172B、173A、173Bはそれぞれ、例えば図96(C)に示すようなテーブル選択設定に従い、可変表示結果が「大当り」と「ハズレ」のいずれであるか、及び、リーチ演出用テーブル指定バッファの値(リーチ演出用テーブル指定バッファ値)に応じて、使用テーブルとして特定されて設定される。
リーチ演出パターン決定テーブル172A、172Bはそれぞれ、可変表示結果が「大当り」となる場合の変動パターンに応じて実行されるリーチ演出α1〜リーチ演出α3、リーチ演出β1〜リーチ演出β3に応じて、リーチ演出パターン決定用の乱数値SR9を、大当りAPA1−1〜大当りAPA1−3、大当りAPB1−1〜大当りAPB1−3、大当りAPA2−1〜大当りAPA2−3、大当りAPB2−1〜大当りAPB2−3のリーチ演出パターンに割り当てる選択用データなどから構成されている。リーチ演出パターン決定テーブル173A、173Bはそれぞれ、可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンに応じて実行されるリーチ演出α1、リーチ演出α2、リーチ演出β1に応じて、リーチ演出パターン決定用の乱数値SR9を、ハズレHPA1−1〜ハズレHPA1−3、ハズレHPB1−1〜ハズレHPB1−3のリーチ演出パターンに割り当てる選択用データなどから構成されている。また、リーチ演出パターン決定テーブル172A、172B、173A、173Bのそれぞれには、リーチ演出用テーブル指定バッファ値を、リーチ演出パターン決定用の乱数値SR9に基づいて決定されたリーチ演出パターンに対応して“1”または“2”のいずれかに更新するためのリーチ演出用テーブル指定バッファ更新設定値を示すテーブルデータ(更新用データ)が含まれている。
ここで、リーチ演出パターン決定テーブル172Aでは、リーチ演出α1に対応して、大当りAPA1−1のリーチ演出パターンを選択する割合が大当りAPB1−1のリーチ演出パターンを選択する割合よりも高いながらも、大当りAPB1−1のリーチ演出パターンを選択することができ、リーチ演出α2に対応して、大当りAPA1−2のリーチ演出パターンを選択する割合が大当りAPB1−2のリーチ演出パターンを選択する割合よりも高いながらも、大当りAPB1−2のリーチ演出パターンを選択することができ、リーチ演出α3に対応して、大当りAPA1−3のリーチ演出パターンを選択する割合が大当りAPB1−3のリーチ演出パターンを選択する割合よりも高いながらも、大当りAPB1−3のリーチ演出パターンを選択することができるように、リーチ演出パターン決定用の乱数値SR9を割り当てる選択用データが設定されている。また、リーチ演出パターン決定テーブル172Aでは、リーチ演出β1に対応して、大当りAPA2−1のリーチ演出パターンを選択する割合が大当りAPB2−1のリーチ演出パターンを選択する割合よりも高いながらも、大当りAPB2−1のリーチ演出パターンを選択することができ、リーチ演出β2に対応して、大当りAPA2−2のリーチ演出パターンを選択する割合が大当りAPB2−2のリーチ演出パターンを選択する割合よりも高いながらも、大当りAPB2−2のリーチ演出パターンを選択することができ、リーチ演出β3に対応して、大当りAPA2−3のリーチ演出パターンを選択する割合が大当りAPB2−3のリーチ演出パターンを選択する割合よりも高いながらも、大当りAPB2−3のリーチ演出パターンを選択することができるように、リーチ演出パターン決定用の乱数値SR9を割り当てる選択用データが設定されている。
他方、リーチ演出パターン決定テーブル172Bでは、リーチ演出α1に対応して、大当りAPB1−1のリーチ演出パターンを選択する割合が大当りAPA1−1のリーチ演出パターンを選択する割合よりも高いながらも、大当りAPA1−1のリーチ演出パターンを選択することができ、リーチ演出α2に対応して、大当りAPB1−2のリーチ演出パターンを選択する割合が大当りAPA1−2のリーチ演出パターンを選択する割合よりも高いながらも、大当りAPA1−2のリーチ演出パターンを選択することができ、リーチ演出α3に対応して、大当りAPB1−3のリーチ演出パターンを選択する割合が大当りAPA1−3のリーチ演出パターンを選択する割合よりも高いながらも、大当りAPA1−3のリーチ演出パターンを選択することができるように、リーチ演出パターン決定用の乱数値SR9を割り当てる選択用データが設定されている。また、リーチ演出パターン決定テーブル172Aでは、リーチ演出β1に対応して、大当りAPB2−1のリーチ演出パターンを選択する割合が大当りAPA2−1のリーチ演出パターンを選択する割合よりも高いながらも、大当りAPA2−1のリーチ演出パターンを選択することができ、リーチ演出β2に対応して、大当りAPB2−2のリーチ演出パターンを選択する割合が大当りAPA2−2のリーチ演出パターンを選択する割合よりも高いながらも、大当りAPA2−2のリーチ演出パターンを選択することができ、リーチ演出β3に対応して、大当りAPB2−3のリーチ演出パターンを選択する割合が大当りAPA2−3のリーチ演出パターンを選択する割合よりも高いながらも、大当りAPA2−3のリーチ演出パターンを選択することができるように、リーチ演出パターン決定用の乱数値SR9を割り当てる選択用データが設定されている。
このようなリーチ演出パターン決定テーブル172A、172Bの設定によれば、可変表示結果が「大当り」となる場合に、前回実行した演出動作と同一である演出動作を含む複数種類のうちから、今回のリーチ演出として実行する演出動作を選択することができる。
リーチ演出パターン決定テーブル173Aは、可変表示結果が「ハズレ」でありリーチ演出用テーブル指定バッファ値が“1”であるときに使用テーブルとして特定されて設定され、リーチ演出α1に対応してハズレHPA1−1のリーチ演出パターンのみを選択することができ、リーチ演出α2に対応してハズレHPA1−2のリーチ演出パターンのみを選択することができ、リーチ演出β1に対応してハズレHPA1−3のリーチ演出パターンのみを選択することができるように、リーチ演出パターン決定用の乱数値SR9を割り当てる選択用データが設定されている。また、リーチ演出パターン決定テーブル173Bは、可変表示結果が「ハズレ」でありリーチ演出用テーブル指定バッファ値が“2”であるときに使用テーブルとして特定されて設定され、リーチ演出α1に対応してハズレHPB1−1のリーチ演出パターンのみを選択することができ、リーチ演出α2に対応してハズレHPB1−2のリーチ演出パターンのみを選択することができ、リーチ演出β1に対応してハズレHPB1−3のリーチ演出パターンのみを選択することができるように、リーチ演出パターン決定用の乱数値SR9を割り当てる選択用データが設定されている。そして、リーチ演出パターンがハズレHPA1−1〜ハズレHPA1−3のいずれかに決定された場合には、リーチ演出用テーブル指定バッファ値が“2”に更新されることにより、次回のリーチ演出を実行するためのリーチ演出パターン選択時には、リーチ演出パターン決定テーブル173Bが使用テーブルとして特定されて設定されることになる。これに対して、リーチ演出パターンがハズレHPB1−1〜ハズレHPB1−3のいずれかに決定された場合には、リーチ演出用テーブル指定バッファ値が“1”に更新されることにより、次回のリーチ演出を実行するためのリーチ演出パターン選択時には、リーチ演出パターン決定テーブル173Aが使用テーブルとして特定されて設定されることになる。
こうして、可変表示結果が「ハズレ」である場合には、リーチ演出パターン決定テーブル173Aを用いてリーチ演出パターンがハズレHPA1−1〜ハズレHPA1−3のうちから選択されると、リーチ演出用テーブル指定バッファ値が“2”に更新され、次回のリーチ演出を実行するためのリーチ演出パターン選択時には、可変表示結果が「ハズレ」であればハズレHPA1−1〜ハズレHPA1−3のうちから今回選択されたリーチ演出パターンはいずれも選択することができないようにテーブルデータが構成されたリーチ演出パターン決定テーブル173Bが、使用テーブルとして特定されて設定されることになる。また、可変表示結果が「ハズレ」である場合に、リーチ演出パターン決定テーブル173Bを用いてリーチ演出パターンがハズレHPB1−1〜ハズレHPB1−3のうちから選択されると、リーチ演出用テーブル指定バッファ値が“1”に更新され、次回のリーチ演出を実行するためのリーチ演出パターン選択時には、可変表示結果が「ハズレ」であればハズレHPB1−1〜ハズレHPB1−3のうちから今回選択されたリーチ演出パターンはいずれも選択することができないようにテーブルデータが構成されたリーチ演出パターン決定テーブル173Aが、使用テーブルとして特定されて設定されることになる。このように、リーチ演出パターン決定テーブル173A、173Bはいずれも、今回実行するリーチ演出における演出動作に対応したリーチ演出パターンを、次回では選択しないように設定された選択用データを含むように構成されている。
リーチ演出パターン決定テーブルの他の一例として、図97に示すリーチ演出パターン決定テーブル174が、ROMに記憶されてもよい。図97に示すリーチ演出パターン決定テーブル174は、可変表示結果が「大当り」であるか「ハズレ」であるかや、リーチ演出α1〜リーチ演出α3、リーチ演出β1〜リーチ演出β3(可変表示結果が「大当り」の場合)あるいはリーチ演出α1、リーチ演出α2、リーチ演出β1(可変表示結果が「ハズレ」の場合)に応じて、リーチ演出パターン決定用の乱数値SR9を、大当りAPA1−1〜大当りAPA1−3、大当りAPB1−1〜大当りAPB1−3(可変表示結果が「大当り」の場合)あるいはハズレHPA1−1〜ハズレHPA1−3、ハズレHPB1−1〜ハズレHPB1−3(可変表示結果が「ハズレ」の場合)のリーチ演出パターンに割り当てる選択用データなどから構成されている。
ここで、図97に示すリーチ演出パターン決定テーブル174は、可変表示結果が「ハズレ」である場合に、リーチ演出α1に対応してリーチ演出パターンがハズレHPA1−1とハズレHPB1−1のうちから選択され、リーチ演出α2に対応してリーチ演出パターンがハズレHPA1−2とハズレHPB1−2のうちから選択され、リーチ演出β1に対応してリーチ演出パターンがハズレHPA1−3とハズレHPB1−3のうちから選択されて決定されるように、リーチ演出パターン決定用の乱数値SR9を割り当てる選択用データが設定されている。また、可変表示結果が「大当り」である場合には、リーチ演出α1に対応してリーチ演出パターンが大当りAPA1−1と大当りAPB1−1のうちから選択され、リーチ演出α2に対応してリーチ演出パターンが大当りAPA1−2と大当りAPB1−2のうちから選択され、リーチ演出α3に対応してリーチ演出パターンが大当りAPA1−3と大当りAPB1−3のうちから選択されて決定されるように、リーチ演出パターン決定用の乱数値SR9を割り当てる選択用データが設定されている。さらに、可変表示結果が「大当り」である場合には、リーチ演出β1に対応してリーチ演出パターンが大当りAPA2−1と大当りAPB2−1のうちから選択され、リーチ演出β2に対応してリーチ演出パターンが大当りAPA2−2と大当りAPB2−2のうちから選択され、リーチ演出β3に対応して大当りAPA2−3と大当りAPB2−3のうちから選択されて決定されるように、リーチ演出パターン決定用の乱数値SR9を割り当てる選択用データが設定されている。これにより、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、変動パターンに応じて実行されるリーチ演出α1、リーチ演出α2、リーチ演出β1における演出動作を、複数種類のうちから選択することができる。また、可変表示結果が「大当り」となる場合には、変動パターンに応じて実行されるリーチ演出α1〜リーチ演出α3、リーチ演出β1〜リーチ演出β3における演出動作を、複数種類のうちから選択することができる。
ROMが記憶する制御パターンテーブルには、例えば図98に示す図柄変動制御パターンテーブル180が含まれている。図98に示す図柄変動制御パターンテーブル180には、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置9の表示領域における演出図柄の可変表示動作や、リーチ演出における演出表示動作、特定演出における演出表示動作といった、各種の演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されていればよい。各図柄変動制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、終了コードといった、演出図柄の可変表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切替タイミング等が設定されていればよい。
また、ROMが記憶する制御パターンテーブルには、例えば図99(A)に示すメイン予告演出制御パターンテーブル181A、図99(B)に示すサブ予告演出制御パターンテーブル181B、図99(C)に示すリーチ演出制御パターンテーブル181Cが含まれている。
図99(A)に示すメイン予告演出制御パターンテーブル181Aには、「メイン予告」の特定演出における演出動作に応じたメイン予告TP3−1−1、メイン予告TP3−1−2、メイン予告TP3−2−1、メイン予告TP3−2−2、メイン予告TP3−3−1、メイン予告TP3−3−2といった複数種類の特定演出パターンのそれぞれに対応して、例えば「メイン予告」の特定演出における演出表示動作といった、「メイン予告」の特定演出に対応した演出動作の制御内容を示すデータが、予告演出制御パターンとして複数種類格納されていればよい。「メイン予告」の特定演出に対応した各予告演出パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、終了コードといった、演出図柄の可変表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切替タイミング等が設定されていればよい。
一例として、メイン予告演出制御パターンテーブル181Aには、メイン予告TP3−1−1、メイン予告TP3−1−2、メイン予告TP3−2−1、メイン予告TP3−2−2、メイン予告TP3−3−1、メイン予告TP3−3−2の特定演出パターンのそれぞれに対応して、メイン予告CMP1−1、メイン予告CMP1−2、メイン予告CMP2−1、メイン予告CMP2−2、メイン予告CMP3−1、メイン予告CMP3−2の予告演出制御パターンが格納されている。ここで、メイン予告CMP1−1の予告演出制御パターンは、リーチ演出α1と関連づけられた演出動作として、ポンポンを持ったキャラクタ画像CH1を表示させる。なお、キャラクタ画像CH1は、リーチ演出α1において出現する演出画像であればよい。メイン予告CMP1−2の予告演出制御パターンは、リーチ演出α1と関連づけられた演出動作として、ポンポンを持ったキャラクタ画像CH1を表示させた後、ポンポンが5kgハンマーに変化するような演出画像を表示させる。メイン予告CMP2−1の予告演出制御パターンは、リーチ演出α2、リーチ演出α3と関連づけられた演出動作として、茶色の100kgハンマーを持ったキャラクタ画像CH1を表示させる。なお、キャラクタ画像CH1は、リーチ演出α1だけでなくリーチ演出α2、リーチ演出α3においても出現する演出画像であればよい。メイン予告CMP2−2の予告演出制御パターンは、リーチ演出α2、リーチ演出α3と関連づけられた演出動作として、金色の100kgハンマーを持ったキャラクタ画像CH1を表示させる。メイン予告CMP3−1の予告演出制御パターンは、リーチ演出β1、β2と関連づけられた演出動作として、青色服を着たキャラクタ画像CH2を表示させる。なお、キャラクタ画像CH2は、リーチ演出β1、β2において出現する演出画像であればよい。メイン予告CMP3−2の予告演出制御パターンは、リーチ演出β1、β2と関連づけられた演出動作として、赤色服を着たキャラクタ画像CH2を表示させる。
なお、リーチ演出と関連づけられた演出動作は、遊技者が関連性を認識できる任意の演出動作であればよい。例えば、リーチ演出における演出動作として出力される楽曲と同一の楽曲や、一部の楽曲、別フレーズの楽曲が出力されるものであればよい。また、リーチ演出で展開されるストーリーに関連すると遊技者が認識できるような演出表示が行われるものであってもよい。具体的な一例として、リーチ演出として桃太郎のストーリーが展開される場合には、それに関連づけられた演出動作として、きびだんごを示す演出画像を表示させればよい。その一方で、リーチ演出として浦島太郎のストーリーが展開される場合には、それに関連づけられた演出動作として、かめを示す演出画像を表示させればよい。リーチ演出と関連づけられた演出動作は、リーチ演出を実行する際に用いられるデータ(例えば画像データなど)と共通のデータを用いて実行されるものであってもよいし、共通のデータを用いていなくても、演出動作の動作態様が、リーチ演出との関連性を遊技者が認識できるものであってもよい。
図99(B)に示すサブ予告演出制御パターンテーブル181Bには、複数種類のサブ予告パターンのそれぞれに対応して、例えばサブ予告演出における演出表示動作といった、サブ予告演出に対応した演出動作の制御内容を示すデータが、予告演出制御パターンとして複数種類格納されていればよい。サブ予告演出に対応した各予告演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、終了コードといった、演出図柄の可変表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切替タイミング等が設定されていればよい。
一例として、サブ予告演出制御パターンテーブル181Bには、サブ予告YP1−1〜サブ予告YP1−4のサブ予告パターンのそれぞれに対応して、サブ予告CYP1−1〜サブ予告CYP1−4の予告演出制御パターンが格納されている。ここで、サブ予告CYP1−1の予告演出制御パターンは、サブ予告YP1−1のサブ予告パターンに対応して、キャラクタ画像MC101を表示させる。サブ予告CYP1−2の予告演出制御パターンは、サブ予告YP1−2のサブ予告パターンに対応して、キャラクタ画像MC101とキャラクタ画像MC102を表示させる。サブ予告CYP1−3の予告演出制御パターンは、サブ予告YP1−3のサブ予告パターンに対応して、キャラクタ画像MC101とキャラクタ画像MC103を表示させる。サブ予告CYP1−4の予告演出制御パターンは、サブ予告YP1−4のサブ予告パターンに対応して、キャラクタ画像MC101〜MC103を表示させる。
また、サブ予告演出制御パターンテーブル181Bには、サブ予告YP2−1〜サブ予告YP2−4のサブ予告パターンのそれぞれに対応して、サブ予告CYP2−1〜サブ予告CYP2−4の予告演出制御パターンが格納されている。ここで、サブ予告CYP2−1の予告演出制御パターンは、サブ予告YP2−1のサブ予告パターンに対応して、第1ステップの演出画像を表示させ、演出画像の切り替えを行わずに、サブ予告演出を終了する。サブ予告CYP2−2の予告演出制御パターンは、サブ予告YP2−2のサブ予告パターンに対応して、第2ステップの演出画像を表示させ、演出画像の切り替えを行わずに、サブ予告演出を終了する。サブ予告CYP2−3の予告演出制御パターンは、サブ予告YP2−3のサブ予告パターンに対応して、第1ステップの演出画像を表示させ、その演出画像を第2ステップの演出画像に切り替えた後に、サブ予告演出を終了する。サブ予告CYP2−4の予告演出制御パターンは、サブ予告YP2−4のサブ予告パターンに対応して、第1ステップの演出画像を表示させ、その演出画像を第2ステップの演出画像に切り替え、さらに第3ステップの演出画像に切り替えた後に、サブ予告演出を終了する。
加えて、サブ予告演出制御パターンテーブル181Bには、サブ予告YP3−1のサブ予告パターンに対応してサブ予告CYP3−1−1及びサブ予告CYP3−1−2の予告演出制御パターンが格納され、サブ予告YP3−2のサブ予告パターンに対応してサブ予告CYP3−2−1及びサブ予告CYP3−2−2の予告演出制御パターンが格納され、サブ予告YP3−3のサブ予告パターンに対応してサブ予告CYP3−3−1及びサブ予告CYP3−3−2の予告演出制御パターンが格納されている。ここで、サブ予告CYP3−1−1の予告演出制御パターンは、サブ予告YP3−1のサブ予告パターンに対応して、キャラクタ画像MC201を表示させる。サブ予告CYP3−1−2の予告演出制御パターンは、サブ予告YP3−1のサブ予告パターンに対応して、キャラクタ画像MC202を表示させる。サブ予告CYP3−2−1の予告演出制御パターンは、サブ予告YP3−2のサブ予告パターンに対応して、キャラクタ画像MC203を表示させる。サブ予告CYP3−2−2の予告演出制御パターンは、サブ予告YP3−2のサブ予告パターンに対応して、キャラクタ画像MC204を表示させる。サブ予告CYP3−3−1の予告演出制御パターンは、サブ予告YP3−3のサブ予告パターンに対応して、キャラクタ画像MC205を表示させる。サブ予告CYP3−3−2の予告演出制御パターンは、サブ予告YP3−3のサブ予告パターンに対応して、キャラクタ画像MC206を表示させる。
図99(C)に示すリーチ演出制御パターンテーブル181Cには、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに基づき実行されるリーチ演出における演出動作に応じた大当りAPA1−1〜大当りAPA1−3、大当りAPB1−1〜大当りAPB1−3、大当りAPA2−1〜大当りAPA2−3、大当りAPB1−1〜大当りAPB1−3、ハズレHPA1−1〜ハズレHPA1−3、ハズレHPB1−1〜ハズレHPB1−3といった複数種類のリーチ演出パターンのそれぞれに対応して、例えばリーチ演出における演出表示動作や音声出力動作、ランプ点灯動作といった、リーチ演出に対応した演出動作の制御内容を示すデータが、リーチ演出制御パターンとして複数種類格納されていればよい。各リーチ演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、終了コードといった、演出図柄の可変表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切替タイミング等が設定されていればよい。
一例として、リーチ演出制御パターンテーブル181Cには、大当りAPA1−1〜大当りAPA1−3、大当りAPB1−1〜大当りAPB1−3、大当りAPA2−1〜大当りAPA2−3、大当りAPB1−1〜大当りAPB1−3、ハズレHPA1−1〜ハズレHPA1−3、ハズレHPB1−1〜ハズレHPB1−3のリーチ演出パターンのそれぞれに対応して、大当りCAA1−1〜大当りCAA1−3、大当りCAB1−1〜大当りCAB1−3、大当りCAA2−1〜大当りCAA2−3、大当りCAB2−1〜大当りCAB2−3、ハズレCHA1−1〜ハズレCHA1−3、ハズレCHB1−1〜ハズレCHB1−3のリーチ演出制御パターンが格納されている。
ここで、大当りCAA1−1と大当りCAB1−1のリーチ演出制御パターンは、可変表示結果が「大当り」となる場合に、リーチ演出α1となる演出動作を実行するための演出制御パターンであり、大当りCAA1−1であればリーチ演出α1A(大当り)の演出動作が実行され、大当りCAB1−1であればリーチ演出α1B(大当り)の演出動作が実行される。リーチ演出α1A(大当り)とリーチ演出α1B(大当り)では、いずれもキャラクタ画像CH1が出現する一方で、例えば異なるストーリーが展開されるといった、互いに演出態様が異なる演出動作が行われるものであればよい。一例として、リーチ演出α1A(大当り)とリーチ演出α1B(大当り)では、リーチ演出を実行する際に用いられるデータ(例えば画像データなど)が互いに全く異なる構成を有していることによって、互いに異なるストーリーが展開されればよい。その一方で、リーチ演出α1A(大当り)とリーチ演出α1B(大当り)のいずれが実行される場合であっても、変動パターンが同一であれば、特別図柄や演出図柄の変動時間は同一となる。すなわち、少なくとも特別図柄や演出図柄の変動時間は、変動パターンが決定されることによって決定され、リーチ演出パターンの決定結果によって変動時間が変化することはないように設定されていればよい。大当りCAA1−2と大当りCAB1−2のリーチ演出制御パターンは、可変表示結果が「大当り」となる場合に、リーチ演出α2となる演出動作を実行するための演出制御パターンであり、大当りCAA1−2であればリーチ演出α2A(大当り)の演出動作が実行され、大当りCAB1−2であればリーチ演出α2B(大当り)の演出動作が実行される。リーチ演出α2A(大当り)とリーチ演出α2B(大当り)では、いずれもキャラクタ画像CH1が出現する一方で、例えば異なるストーリーが展開されるといった、互いに演出態様が異なる演出動作が行われるものであればよい。一例として、リーチ演出α2A(大当り)とリーチ演出α2B(大当り)では、リーチ演出を実行する際に用いられるデータ(例えば画像データなど)が互いに全く異なる構成を有していることによって、互いに異なるストーリーが展開されればよい。大当りCAA1−3と大当りCAB1−3のリーチ演出制御パターンは、可変表示結果が「大当り」となる場合に、リーチ演出α3となる演出動作を実行するための演出制御パターンであり、大当りCAA1−3であればリーチ演出α3A(大当り)の演出動作が実行され、大当りCAB1−3であればリーチ演出α3B(大当り)の演出動作が実行される。リーチ演出α3A(大当り)とリーチ演出α3B(大当り)では、いずれもキャラクタ画像CH1が出現する一方で、例えば異なるストーリーが展開されるといった、互いに演出態様が異なる演出動作が行われるものであればよい。一例として、リーチ演出α3A(大当り)とリーチ演出α3B(大当り)では、リーチ演出を実行する際に用いられるデータ(例えば画像データなど)が互いに全く異なる構成を有していることによって、互いに異なるストーリーが展開されればよい。
大当りCAA2−1と大当りCAB2−1のリーチ演出制御パターンは、可変表示結果が「大当り」となる場合に、リーチ演出β1となる演出動作を実行するための演出制御パターンであり、大当りCAA2−1であればリーチ演出β1A(大当り)の演出動作が実行され、大当りCAB2−1であればリーチ演出β1B(大当り)の演出動作が実行される。リーチ演出β1A(大当り)とリーチ演出β1B(大当り)では、いずれもキャラクタ画像CH2が出現する一方で、例えば異なるストーリーが展開されるといった、互いに異なる演出態様の演出動作が実行されるものであればよい。一例として、リーチ演出β1A(大当り)とリーチ演出β1B(大当り)では、リーチ演出を実行する際に用いられるデータ(例えば画像データなど)が互いに全く異なる構成を有していることによって、互いに異なるストーリーが展開されればよい。大当りCAA2−2と大当りCAB2−2のリーチ演出制御パターンは、可変表示結果が「大当り」となる場合に、リーチ演出β2となる演出動作を実行するための演出制御パターンであり、大当りCAA2−2であればリーチ演出β2A(大当り)の演出動作が実行され、大当りCAB2−2であればリーチ演出β2B(大当り)の演出動作が実行される。リーチ演出β2A(大当り)とリーチ演出β2B(大当り)では、いずれもキャラクタ画像CH2が出現する一方で、例えば異なるストーリーが展開されるといった、互いに異なる演出態様の演出動作が実行されるものであればよい。一例として、リーチ演出β2A(大当り)とリーチ演出β2B(大当り)では、リーチ演出を実行する際に用いられるデータ(例えば画像データなど)が互いに全く異なる構成を有していることによって、互いに異なるストーリーが展開されればよい。大当りCAA2−3と大当りCAB2−3のリーチ演出制御パターンは、可変表示結果が「大当り」となる場合に、リーチ演出β3となる演出動作を実行するための演出制御パターンであり、大当りCAA2−3であればリーチ演出β3A(大当り)の演出動作が実行され、大当りCAB2−3であればリーチ演出β3B(大当り)の演出動作が実行される。リーチ演出β3A(大当り)とリーチ演出β3B(大当り)では、いずれもキャラクタ画像CH3が出現する一方で、例えば異なるストーリーが展開されるといった、互いに異なる演出態様の演出動作が実行されるものであればよい。一例として、リーチ演出β3A(大当り)とリーチ演出β3B(大当り)では、リーチ演出を実行する際に用いられるデータ(例えば画像データなど)が互いに全く異なる構成を有していることによって、互いに異なるストーリーが展開されればよい。
ハズレHPA1−1とハズレHPB1−1のリーチ演出制御パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、リーチ演出α1となる演出動作を実行するための演出制御パターンであり、ハズレHPA1−1であればリーチ演出α1A(ハズレ)の演出動作が実行され、ハズレHPB1−1であればリーチ演出α1B(ハズレ)の演出動作が実行される。リーチ演出α1A(ハズレ)では、リーチ演出における演出動作が開始されてから所定時間が経過するまでの共通演出期間にてリーチ演出α1A(大当り)と同様の演出動作が行われた後、可変表示結果が「ハズレ」となることに対応して、リーチ演出α1A(大当り)とは演出態様が異なる演出動作が実行されるものであればよい。一例として、リーチ演出α1A(ハズレ)では、リーチ演出α1A(大当り)と共通のデータ(例えば画像データなど)を用いることによって、共通演出期間にてリーチ演出α1A(大当り)と同様の演出動作が行われた後、リーチ演出α1A(大当り)とは異なるデータを用いることによって、リーチ演出α1A(大当り)とは演出態様が異なる演出動作が実行されればよい。リーチ演出α1B(ハズレ)では、共通演出期間にてリーチ演出α1B(大当り)と同様の演出動作が行われた後、可変表示結果が「ハズレ」となることに対応して、リーチ演出α1B(大当り)とは演出態様が異なる演出動作が実行されるものであればよい。一例として、リーチ演出α1B(ハズレ)では、リーチ演出α1B(大当り)と共通のデータ(例えば画像データなど)を用いることによって、共通演出期間にてリーチ演出α1B(大当り)と同様の演出動作が行われた後、リーチ演出α1B(大当り)とは異なるデータを用いることによって、リーチ演出α1B(大当り)とは演出態様が異なる演出動作が実行されればよい。ハズレHPA1−2とハズレHPB1−2のリーチ演出制御パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、リーチ演出α2となる演出動作を実行するための演出制御パターンであり、ハズレHPA1−2であればリーチ演出α2A(ハズレ)の演出動作が実行され、ハズレHPB1−2であればリーチ演出α2B(ハズレ)の演出動作が実行される。リーチ演出α2A(ハズレ)では、共通演出期間にてリーチ演出α2A(大当り)と同様の演出動作が行われた後、可変表示結果が「ハズレ」となることに対応して、リーチ演出α2A(大当り)とは演出態様が異なる演出動作が実行されるものであればよい。一例として、リーチ演出α2A(ハズレ)では、リーチ演出α2A(大当り)と共通のデータ(例えば画像データなど)を用いることによって、共通演出期間にてリーチ演出α2A(大当り)と同様の演出動作が行われた後、リーチ演出α2A(大当り)とは異なるデータを用いることによって、リーチ演出α2A(大当り)とは演出態様が異なる演出動作が実行されればよい。リーチ演出α2B(ハズレ)では、共通演出期間にてリーチ演出α2B(大当り)と同様の演出動作が行われた後、可変表示結果が「ハズレ」となることに対応して、リーチ演出α2B(大当り)とは演出態様が異なる演出動作が実行されるものであればよい。一例として、リーチ演出α2B(ハズレ)では、リーチ演出α2B(大当り)と共通のデータ(例えば画像データなど)を用いることによって、共通演出期間にてリーチ演出α2B(大当り)と同様の演出動作が行われた後、リーチ演出α2B(大当り)とは異なるデータを用いることによって、リーチ演出α2B(大当り)とは演出態様が異なる演出動作が実行されればよい。ハズレHPA1−3とハズレHPB1−3のリーチ演出制御パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、リーチ演出β1となる演出動作を実行するための演出制御パターンであり、ハズレHPA1−3であればリーチ演出β1A(ハズレ)の演出動作が実行され、ハズレHPB1−3であればリーチ演出β1B(ハズレ)の演出動作が実行される。リーチ演出β1A(ハズレ)では、共通演出期間にてリーチ演出β1A(大当り)と同様の演出動作が行われた後、可変表示結果が「ハズレ」となることに対応して、リーチ演出β1A(大当り)とは演出態様が異なる演出動作が実行されるものであればよい。一例として、リーチ演出β1A(ハズレ)では、リーチ演出β1A(大当り)と共通のデータ(例えば画像データなど)を用いることによって、共通演出期間にてリーチ演出β1A(大当り)と同様の演出動作が行われた後、リーチ演出β1A(大当り)とは異なるデータを用いることによって、リーチ演出β1A(大当り)とは演出態様が異なる演出動作が実行されればよい。リーチ演出β1B(ハズレ)では、共通演出期間にてリーチ演出β1B(大当り)と同様の演出動作が行われた後、可変表示結果が「ハズレ」となることに対応して、リーチ演出β1B(大当り)とは演出態様が異なる演出動作が実行されるものであればよい。一例として、リーチ演出β1B(ハズレ)では、リーチ演出β1B(大当り)と共通のデータ(例えば画像データなど)を用いることによって、共通演出期間にてリーチ演出β1B(大当り)と同様の演出動作が行われた後、リーチ演出β1B(大当り)とは異なるデータを用いることによって、リーチ演出β1B(大当り)とは演出態様が異なる演出動作が実行されればよい。なお、共通演出期間は、リーチ演出制御パターンに関わりなく同一の時間長であってもよいし、リーチ演出制御パターンに応じて異なる時間長であってもよい。
さらに、ROMが記憶する制御パターンテーブルには、図100に示す各種演出制御パターンテーブル182が含まれている。図100に示す各種演出制御パターンテーブル182には、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間における、各種の演出制御の内容を示すデータが、演出制御パターンとして複数種類格納されていればよい。各演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、終了コードといった、大当り遊技状態や小当り遊技状態における演出動作の進行に応じた各種の演出制御の内容や、演出制御の切替タイミング等が、時系列的に設定されていればよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図101は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、第1飾り図柄表示制御処理を行う(ステップS706)。第1飾り図柄表示制御処理では、第1飾り図柄表示器9aの表示制御を実行する。また、第2飾り図柄表示制御処理を行う(ステップS707)。第2飾り図柄表示制御処理では、第2飾り図柄表示器9bの表示制御を実行する。また、合算保留記憶表示領域の表示状態の制御を行う保留記憶表示制御処理を実行する(ステップS708)。また、図柄や演出などを決定するための各乱数を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS709)。さらに、演出表示装置9等の演出装置を用いて報知を行う報知制御処理を実行する(ステップS710)。その後、ステップS702に移行する。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する特別図柄プロセス処理のように、第1飾り図柄表示制御処理と第2飾り図柄表示制御処理とを共通化して、すなわち一つのプログラムモジュールで実現するようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するプログラム容量を減らすようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、共通の飾り図柄表示制御処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した図柄変動指定コマンドにもとづいて第1飾り図柄または第2飾り図柄いずれの変動であるかを特定し、特定した飾り図柄に対応する飾り図柄表示器9a,9bに表示信号を出力するように制御する。
図102は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図13および図14参照)であるのか解析する。
図103〜図105は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが、演出表示装置9における背景を指定する演出制御コマンド(背景指定コマンド:9500(H)〜9503(H))であれば(ステップS614のY)、背景指定コマンドの内容に応じた背景表示状態フラグをセットする(ステップS615A)。具体的には、背景指定コマンドが通常状態背景指定コマンドであれば通常状態のときの背景表示状態フラグをセットし、背景指定コマンドが確変状態背景指定コマンドであれば確変状態のときの背景表示状態フラグをセットし、背景指定コマンドが時短状態背景指定コマンドであれば時短状態のときの背景表示状態フラグをセットする。次いで、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の背景として背景指定コマンドにもとづいて確認した遊技状態に応じた背景を表示する制御を実行する(ステップS615B)。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS616)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS617)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが表示結果特定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、その表示結果特定コマンドを、RAMに形成されている表示結果特定コマンド格納領域に格納する(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1〜4指定コマンドのいずれかであれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、大当り開始1〜4指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(ステップS625)、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS626)。受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(ステップS627)、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS628)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS629)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS630)。初期画面には、あらかじめ決められている演出図柄の初期表示が含まれる。また、初期報知フラグをセットし(ステップS631)、期間タイマに、初期報知期間値に相当する値を設定する(ステップS632)。初期報知期間は、初期化指定コマンドの受信に応じて初期化報知を行っている期間である。演出制御用CPU101は、初期報知期間が経過すると、初期化報知を終了させる。なお、初期報知期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560がステップS45の処理で設定する禁止期間と同じである。よって、初期化報知が行われているときに、異常報知指定コマンドを受信することはない。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(ステップS633)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行い(ステップS634)、停電復旧フラグをセットする(ステップS635)。
また、受信した演出制御コマンドが停電時遊技状態指定コマンドであれば(ステップS636)、演出制御用CPU101は、停電時遊技状態指定コマンドで指定されている遊技状態が高ベース状態(時短状態または確変状態)であるかどうかを確認する(ステップS637)。高ベース状態であれば、復旧時背景変更フラグをセットする(ステップS638)。上述したように、復旧時背景変更フラグをセットすると、その後に遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信される背景指定コマンドで指定される遊技状態にかかわらず、演出表示装置9の背景が時短状態のときの背景に制御される(ステップS615A,S615B参照)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了1〜3指定コマンドのいずれかであれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、大当り終了1〜3指定コマンド受信フラグのいずれかをセットする(ステップS642)。
受信した演出制御コマンドが異常入賞報知指定コマンドであれば(ステップS645)、演出制御用CPU101は、異常入賞報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS646)。
受信した演出制御コマンドが異常開放報知指定コマンドであれば(ステップS647)、演出制御用CPU101は、異常開放報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS648)。
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数指定コマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、その合算保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を合算保留記憶数保存領域に格納する(ステップS652)。なお、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信することなく、同じ合算保留記憶数指定コマンドを2回受信した場合には、1回目に受信した合算保留記憶数指定コマンドを破棄し(例えば、合算保留記憶数保存領域を一旦クリアし)、2回目に受信した合算保留記憶数指定コマンドのEXTデータを合算保留記憶数保存領域に格納するようにしてもよい。
受信した演出制御コマンドが第1始動入賞指定コマンドであれば(ステップS653)、演出制御用CPU101は、第1始動入賞フラグをセットする(ステップS654)。受信した演出制御コマンドが第2始動入賞指定コマンドであれば(ステップS655)、演出制御用CPU101は、第2始動入賞フラグをセットする(ステップS656)。受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS657)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS658)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS659)。そして、ステップS611に移行する。
なお、図23のステップS219において、合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する処理の代わりに、始動口ポインタが示す方の保留記憶数を示す保留記憶数指定コマンドを送信するように構成されている場合は、ステップS651において、その保留記憶数指定コマンドを所定の保存領域(保留記憶数保存領域)に格納する処理が行われる。
また、図23のステップS219において、合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する処理を行わないように構成された場合には、ステップS645のNの場合にステップS653の処理に移行する。そして、演出制御用CPU101は、始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンド)の内容にもとづいて第1始動入賞が発生したか第2始動入賞が発生したかを認識し(ステップS653、S655)、第1始動入賞が発生したと認識したときは、合算保留記憶数保存領域のデータを更新(現在の合算保留記憶数を示す値に対応するデータに更新)するとともに、第1始動入賞カウンタの値を+1する。また、第2始動入賞が発生したと認識したときは、合算保留記憶数保存領域のデータを更新するとともに、第2始動入賞カウンタの値を+1する。このような構成によれば、合算保留記憶数指定コマンドの送信が不要となり、コマンド数を削減することができるとともに、CPU56および演出制御用CPU101の処理負担を軽減することが可能となる。
図106は、合算保留記憶表示領域の表示状態の例を示す説明図である。図106(A),(B)に示すように、合算保留記憶表示領域には、合算保留記憶数に応じた数の丸印(最大8個)が表示される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、VDP109に、第1保留記憶と第2保留記憶とを区別可能に丸印を表示させる。例えば、第1保留記憶に対応する丸印を赤色で表示させ、第2保留記憶に対応する丸印を緑色で表示させる。なお、第1保留記憶と第2保留記憶とを同じ態様で(例えば、同じ形および同じ色で)表示するようにしてもよい。
図106(C)には、停電復旧時の合算保留記憶表示領域の表示状態の例が示されている。図106(C)に示すように、停電復旧時には、合算保留記憶数に応じた数の星印が合算保留記憶表示領域に表示される。図106(D)には、遊技制御用マイクロコンピュータ560から合算保留記憶数指定コマンドを受信したが始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合の合算保留記憶表示領域の表示状態の例が示されている。図106(D)に示すように、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合に、青色の丸印が合算保留記憶表示領域に表示される。
図106(C)に示すように、停電復旧時には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、本来の第1保留記憶(第1始動入賞記憶)に対応する表示(この例では、赤色の丸印の表示)および第2保留記憶(第2始動入賞記憶)に対応する表示(この例では、緑色の丸印の表示)とは異なる態様で、合算保留記憶数指定コマンドで指定された数の表示(この例では、星印)を、合算保留記憶表示領域に表示させる。よって、合算保留記憶表示領域の表示を利用して、遊技状態が復帰したことを容易に把握させることができるようになる。なお、停電復旧時の合算保留記憶表示領域の表示態様は、本来の第1保留記憶に対応する表示の態様および第2保留記憶に対応する表示の態様と異なるのであれば、この実施の形態のように表示される画像の形状を変えることに限られない。例えば、形状を変えずに色を変えるようにしたり、大きさを変えるようにしてもよい。
また、図106(D)に示すように、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、本来の第1保留記憶に対応する表示(この例では、赤色の丸印の表示)および第2保留記憶に対応する表示(この例では、緑色の丸印の表示)とは異なる態様で、増加した保留記憶に対応する画像を表示させる。従って、演出制御コマンド(この例では、始動入賞指定コマンド)の送受信に関して異常が生じたことを容易に把握できるようになる。
なお、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合の合算保留記憶表示領域の表示態様は、本来の第1保留記憶に対応する表示の態様および第2保留記憶に対応する表示の態様と異なるのであれば、この実施の形態のように表示される画像の色を変えることに限られない。例えば、色を変えずに形状(例えば、星印)を変えるようにしたり、大きさを変えるようにしてもよい。
また、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合、赤色または緑色の丸印のうち、あらかじめ定めたいずれか一方の色の丸印を表示するようにしてもよい。例えば、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合に、合算保留記憶表示領域に常に赤色の丸印を表示してもよいし、常に緑色の丸印を表示してもよい。
また、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合、赤色または緑色の丸印のいずれを表示するかをランダムに決定してもよい。例えば、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合、乱数を用いた抽選処理により赤色または緑色の丸印のいずれを表示するかを決定して、合算保留記憶表示領域に表示するようにしてもよい。
また、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合、保留記憶数にもとづいて赤色または緑色の丸印のいずれを表示するかを決定してもよい。例えば、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合に、第1保留記憶数が上限値(4)である場合には、第2始動入賞指定コマンドを受信するはずであるから、緑色の丸印を合算保留記憶表示領域に表示するようにしてもよい。逆に、例えば、第2保留記憶数が上限値(4)である場合には、第1始動入賞指定コマンドを受信するはずであるから、赤色の丸印を合算保留記憶表示領域に表示するようにしてもよい。また、第1保留記憶数や第2保留記憶数が上限値でなくても、第1保留記憶数と第2保留記憶数とのいずれが多いかを判定し、少ない方の保留記憶に対応する色の丸印を表示するようにしてもよい。例えば、第1保留記憶数(例えば2)が第2保留記憶数(例えば3)より少なければ、赤色の丸印を合算保留記憶表示領域に表示するようにしてもよい。また、逆に、第1保留記憶数と第2保留記憶数とのいずれが多いかを判定し、多い方の保留記憶に対応する色の丸印を表示するようにしてもよい。
また、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合、合算保留記憶数にもとづいて赤色または緑色の丸印のいずれを表示するかを決定してもよい。例えば、合算保留記憶数が多いということは、可変入賞球装置15が開状態となり第2始動入賞口14への入賞がしやすい状態(トータルで第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞がしやすい状態)になっていることが多い。この場合、合算保留記憶数が所定値(例えば4)以上であるか否かを判断し、所定値以上であれば緑色の丸印を合算保留記憶表示領域に表示するようにし、所定値未満であれば赤色の丸印を合算保留記憶表示領域に表示するようにしてもよい。
また、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合、遊技状態にもとづいて赤色または緑色の丸印のいずれを表示するかを決定してもよい。例えば、遊技状態が高ベース状態になっているということは、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められ第2始動入賞口14への入賞がしやすい状態(トータルで第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞がしやすい状態)になっていることが多い。この場合、遊技状態が高ベース状態であるか低ベース状態であるかを判断し、高ベース状態であれば緑色の丸印を合算保留記憶表示領域に表示するようにし、低ベース状態であれば赤色の丸印を合算保留記憶表示領域に表示するようにしてもよい。
図108は、図101に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):飾り図柄(第1飾り図柄または第2飾り図柄)および演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、飾り図柄(第1飾り図柄または第2飾り図柄)および演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(ステップS805):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
大当り終了処理(ステップS806):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図108は、演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。
図109は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS820)。
次いで、演出制御用CPU101は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS822)。第1図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS823)、第1飾り図柄の変動を開始させることを示す第1飾り図柄変動要求フラグをセットする(ステップS824)。そして、点灯LEDの切替タイミングを決めるための飾り図柄切替タイマに例えば0.5秒に相当する値を設定する(ステップS825)。その後、ステップS828に移行する。
第1図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされていない場合には、第2図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされているはずである。そこで、演出制御用CPU101は、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS826A)、第2飾り図柄の変動を開始させることを示す第2飾り図柄変動要求フラグをセットする(ステップS826B)とともに、第2保留記憶数を1減算することを示す第2保留記憶数減算フラグをセットする(ステップS826C)。そして、点灯LEDの切替タイミングを決めるための飾り図柄切替タイマに例えば0.5秒に相当する値を設定する(ステップS827)。その後、ステップS828に移行する。
ステップS828では、演出制御用CPU101は、演出図柄変動設定処理を実行する(ステップS828)。なお、演出図柄変動設定処理の内容については後述する(図110、図111)。
次いで、演出制御用CPU101は、ステップS518で設定(セット)された演出制御パターンに応じたプロセステーブル(図98に示す図柄変動制御パターンテーブルのうちの一のテーブル)を選択する(ステップS831)。そして、演出制御用CPU101は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ(プロセステーブルを構成するデータ)におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS834)。
演出制御用CPU101は、異常入賞の報知を行っていることを示す異常報知中フラグがセットされていないことを条件に、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS835A,S835B)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプの点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
異常報知中フラグがセットされている場合には、音番号データ1を除くプロセスデータ1の内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS835A,S835C)。つまり、異常報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じた音演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた音出力が継続される。
また、ステップS835Cの処理を行うときに、演出制御用CPU101は、単に表示制御実行データ1にもとづく指令をVDP109に出力するのではなく、「重畳表示」を行うための指令もVDP109に出力する。つまり、演出表示装置9におけるそのときの表示(異常開放または異常入賞の報知がなされている。)と、演出図柄の可変表示の表示演出の画像とが、同時に演出表示装置9において表示されるように制御する。すなわち、異常報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じた表示演出のみが実行されるのではなく、異常開放または異常入賞の報知に応じた報知も継続される。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(ステップS836)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS837)。
図110および図111は、図109のステップS828にて実行される演出図柄変動設定処理の一例を示すフローチャートである。この演出図柄変動設定処理において、演出制御用CPU101は、まず、例えば表示結果特定コマンドのEXTデータを読み取ることなどにより、可変表示結果が「ハズレ」であるか否かを判定する(ステップS501)。このとき、可変表示結果が「ハズレ」であれば(ステップS501;Yes)、例えば変動パターン指定コマンドのEXTデータを読み取ることなどにより、指定された変動パターンが演出図柄の可変表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS502)。
ステップS502にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS502;Yes)、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンが、「発展チャンス目終了」の特定演出を実行する変動パターンであるか否かを判定する(ステップS503)。一例として、ステップS502にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンが非リーチPA1−7の変動パターンであれば(図9を参照)、「発展チャンス目終了」の特定演出を実行する変動パターンであると判定する。
ステップS503にて「発展チャンス目終了」の特定演出を実行する変動パターンであると判定された場合には(ステップS503;Yes)、発展チャンス目HC1〜HC8のいずれかを構成する最終停止図柄となる確定演出図柄の組合せを決定する(ステップS504)。一例として、ステップS504の処理では、図77(D)に示す最終停止図柄決定テーブル160Dを、使用テーブルとして選択してセットする。続いて、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値SR1−1を示す数値データに基づき、最終停止図柄決定テーブル160Dを参照することにより、発展チャンス目HC1〜HC8のいずれかとなる左中右最終停止図柄FZ1−4、FZ1−5、FZ1−6の組合せを、確定演出図柄として決定する。
ステップS503にて「発展チャンス目終了」の特定演出を実行する変動パターンではないと判定された場合には(ステップS503;No)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定演出図柄の組合せを決定する(ステップS505)。一例として、ステップS505の処理では、まず、図77(A)に示す最終停止図柄決定テーブル160Aを、使用テーブルとして選択してセットする。続いて、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値SR1−1を示す数値データに基づき、最終停止図柄決定テーブル160Aを参照することにより、左最終停止図柄FZ1−1となる演出図柄を決定する。次に、図77(B)に示す最終停止図柄決定テーブル160Bを、使用テーブルとして選択してセットする。続いて、第2最終停止図柄決定用の乱数値SR1−2を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値SR1−2を示す数値データに基づき、最終停止図柄決定テーブル160Bを参照することにより、右最終停止図柄FZ1−2となる演出図柄を決定する。このときには、左最終停止図柄FZ1−1と右最終停止図柄FZ1−2との組合せに基づき、図49に示すような左右出目判定テーブル161を参照することにより、左右出目タイプDC1−1が複数種類のいずれとなるかを判定する。その後、図77(C)に示す最終停止図柄決定テーブル160Cを、使用テーブルとして選択してセットする。続いて、第3最終停止図柄決定用の乱数値SR1−3を抽出する。そして、抽出した乱数値SR1−3と、左右出目タイプDC1−1とに基づき、最終停止図柄決定テーブル160Cを参照することにより、中最終停止図柄FZ1−3となる演出図柄を決定する。
こうして、ステップS505の処理では、最終停止図柄決定テーブル160A〜160Cや、左右出目判定テーブル161を参照して、左中右最終停止図柄FZ1−1〜FZ1−3となる演出図柄を決定することで、確定演出図柄の組合せがリーチ組合せや大当り組合せとなることがなく、また、リーチ組合せや大当り組合せ以外であっても、図2(A)に示す擬似連チャンス目GC1〜GC8や、図2(B)に示す発展チャンス目HC1〜HC8、図2(C)に示す突確チャンス目TC1〜TC4、さらには、図50に示すような一定の非リーチ組合せとなることもない。
ステップS502にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS502;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定演出図柄の組合せを決定する(ステップS506)。一例として、ステップS506の処理では、まず、図80(A)に示す最終停止図柄決定テーブル162Aを、使用テーブルとして選択してセットする。続いて、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値SR1−1を示す数値データに基づき、最終停止図柄決定テーブル162Aを参照することにより、左最終停止図柄FZ2−1と右最終停止図柄FZ2−2となる同一の演出図柄を決定する。次に、図80(B)に示す最終停止図柄決定テーブル162Bを、使用テーブルとして選択してセットする。続いて、第3最終停止図柄決定用の乱数値SR1−3を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値SR1−3を示す数値データに基づき、最終停止図柄決定テーブル162Bを参照することにより、左右最終停止図柄FZ2−1、FZ2−2となる演出図柄と中最終停止図柄FZ2−3となる演出図柄との図柄差を決定する。こうして決定された図柄差に応じて、中最終停止図柄FZ2−3となる演出図柄が決定される。
このように、ステップS506の処理では、まず、最終停止図柄決定テーブル162Aを用いて、最後に演出図柄が停止表示される「中」の演出図柄表示エリア以外の「左」及び「右」の演出図柄表示エリアに停止表示される左右最終停止図柄FZ2−1、FZ2−2となる演出図柄が決定される。その後、最終停止図柄決定テーブル162Bを用いて、最後に演出図柄が停止表示される「中」の演出図柄表示エリアにおける中最終停止図柄FZ2−3となる演出図柄と、左右最終停止図柄FZ2−1、FZ2−2となる演出図柄との図柄差を決定し、決定された図柄差に応じて、中最終停止図柄FZ2−3となる演出図柄が決定される。
ステップS501にて可変表示結果が「ハズレ」以外である場合には(ステップS501;No)、可変表示結果が「小当り」であること、もしくは、可変表示結果が「大当り」であり大当り種別が「突確」であることのうち、いずれか一方であるか、または、それら以外であるかを判定する(ステップS507)。このとき、可変表示結果が「小当り」である場合、もしくは、可変表示結果が「大当り」であり大当り種別が「突確」である場合には(ステップS507;Yes)、例えば変動パターン指定コマンドのEXTデータを読み取ることなどにより、指定された変動パターンが特殊PG1−1〜特殊PG1−4の変動パターンのいずれかであるか、または、それら以外であるかを判定する(ステップS508)。ここで、図9に示すように、特殊PG1−1〜特殊PG1−4の変動パターンはいずれも、演出図柄の可変表示態様を「非リーチ」とすることを指定している。そのため、ステップS508にて特殊PG1−1〜特殊PG1−4の変動パターンのいずれかであると判定された場合には(ステップS508;Yes)、ステップS503の処理に進み、ステップS504、S505の処理のいずれかにより、最終停止図柄となる確定演出図柄を決定する。なお、ステップS508にて特殊PG1−1〜特殊PG1−4の変動パターンのいずれかであると判定された場合には、ステップS503の処理にて、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンが特殊PG1−4の変動パターンであれば(図9を参照)、「発展チャンス目終了」の特定演出を実行する変動パターンであると判定されることになる。
ステップS508にて特殊PG1−1〜特殊PG1−4の変動パターン以外であると判定された場合には(ステップS508;No)、指定された変動パターンが特殊PG2−1〜特殊PG2−3の変動パターンのいずれかであるか、または、それら以外であるかを判定する(ステップS509)。ここで、図9に示すように、特殊PG2−1〜特殊PG2−3の変動パターンはいずれも、演出図柄の可変表示状態をリーチ状態とした後に「ノーマル」のリーチ演出を行うことを指定している。そのため、ステップS509にて特殊PG2−1〜特殊PG2−3の変動パターンのいずれかであると判定された場合には(ステップS509;Yes)、ステップS506の処理に進み、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定演出図柄を決定する。
ステップS509にて特殊PG2−1〜特殊PG2−3の変動パターン以外であると判定された場合には(ステップS509;No)、指定された変動パターンが特殊PG3−1〜特殊PG3−3の変動パターンのいずれかとなる。ここで、図9に示すように、特殊PG3−1〜特殊PG3−3の変動パターンはいずれも、演出図柄の可変表示結果となる確定演出図柄の組合せを、突確チャンス目TC1〜TC4のいずれかとすることを指定している。こうした特殊PG3−1〜特殊PG3−3の変動パターンのいずれかが指定されたことに対応して、突確チャンス目TC1〜TC4のいずれかを構成する最終停止図柄となる確定演出図柄の組合せを決定する(ステップS510)。一例として、ステップS510の処理では、図81(C)に示す最終停止図柄決定テーブル163Cを、使用テーブルとして選択してセットする。続いて、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値SR1−1を示す数値データに基づき、最終停止図柄決定テーブル163Cを参照することにより、突確チャンス目TC1〜TC4のいずれかとなる左中右最終停止図柄FZ4−1、FZ4−2、FZ4−3の組合せを、確定演出図柄として決定する。
ステップS507にて可変表示結果が「小当り」ではなく、大当り種別が「突確」でもない場合には(ステップS507;No)、可変表示結果が「大当り」となる場合のうち、大当り種別が「通常大当り」と「第3確変」のうち、いずれか一方であるか、または、それら以外であるかを判定する(ステップS511)。このとき、大当り種別が「通常大当り」である場合、もしくは、大当り種別が「第3確変」である場合には(ステップS511;Yes)、通常大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定演出図柄の組合せを決定する(ステップS512)。一例として、ステップS512の処理では、図81(A)に示す最終停止図柄決定テーブル163Aを、使用テーブルとして選択してセットする。続いて、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値SR1−1を示す数値データに基づき、最終停止図柄決定テーブル163Aを参照することにより、通常大当り組合せのいずれかとなる左中右最終停止図柄FZ3−1、FZ3−2、FZ3−3の組合せを、確定演出図柄として決定する。
ステップS511にて大当り種別が「通常」でも「第3確変」でもない場合には(ステップS511;No)、大当り種別が「第1確変」と「第2確変」のいずれかであることに対応して、確変大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定演出図柄の組合せを決定する(ステップS513)。一例として、ステップS513の処理では、図81(B)に示す最終停止図柄決定テーブル163Bを、使用テーブルとして選択してセットする。続いて、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値SR1−1を示す数値データに基づき、最終停止図柄決定テーブル163Bを参照することにより、確変大当り組合せのいずれかとなる左中右最終停止図柄FZ3−1、FZ3−2、FZ3−3の組合せを、確定演出図柄として決定する。
ステップS504、S505、S506の処理のいずれかを実行した後、あるいは、ステップS510、S512、S513の処理のいずれかを実行した後には、特定演出設定処理を実行する(ステップS514)。図112は、ステップS514にて実行される特定演出設定処理の一例を示すフローチャートである。この特定演出設定処理では、まず、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンが特定演出のない変動パターンであるか否かを判定する(ステップS551)。このとき、特定演出のない変動パターンであれば(ステップS551;Yes)、そのまま特定演出設定処理を終了する。
ステップS551にて特定演出のある変動パターンと判定された場合には(ステップS551;No)、メイン予告設定処理を実行する(ステップS552)。続いて、特定演出が「滑り」及び「擬似連(チャンス目)」のいずれかであるか、または、それら以外の特定演出であるかを判定する(ステップS553)。このとき、「滑り」及び「擬似連」の特定演出のいずれかであれば(ステップS553;Yes)、その特定演出に応じた特定演出パターン決定テーブルを、使用テーブルとして選択してセットする(ステップS554)。一例として、「滑り」の特定演出である場合には図53(A)に示す特定演出パターン決定テーブル164Aをセットし、「擬似連」の特定演出である場合には図82(B)に示す特定演出パターン決定テーブル164Bをセットする。
ステップS554の処理に続いて、特定演出パターンを複数種類のうちから選択して決定する(ステップS555)。一例として、「滑り」の特定演出である場合には、第1特定演出パターン決定用の乱数値SR6−1を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値SR6−1を示す数値データに基づき、ステップS554にてセットした特定演出パターン決定テーブル164Aを参照することにより、特定演出パターンを滑りTP1−1〜滑りTP1−4のいずれかに決定する。「擬似連」の特定演出である場合には、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、第2特定演出パターン決定用の乱数値SR6−2を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値SR6−2を示す数値データに基づき、ステップS554にてセットした特定演出パターン決定テーブル164Bを参照することにより、特定演出パターンを擬似連TP2−1〜擬似連TP2−3のいずれかに決定する。
ステップS553にて特定演出が「滑り」及び「擬似連」以外であると判定された場合や(ステップS553;No)、ステップS555の処理を実行した後には、特定演出が「滑り」、「擬似連」、「発展チャンス目」のいずれかであるか、または、それら以外の特定演出であるかを判定する(ステップS556)。このとき、「滑り」、「擬似連(チャンス目)」、「発展チャンス目」以外の特定演出であれば(ステップS556;No)、特定演出設定処理を終了する。これに対して、「滑り」、「擬似連(チャンス目)」、「発展チャンス目」の特定演出のいずれかであれば(ステップS556;Yes)、特定演出にて仮停止表示させる仮停止図柄を決定してから(ステップS557)、特定演出設定処理を終了する。
ステップS557の処理では、一例として、「滑り」の特定演出である場合に、ステップS555にて決定された特定演出パターンに基づき、図86(E)に示すテーブル選択設定に従い、仮停止図柄決定テーブル166A〜166Dのいずれかを、使用テーブルとして選択してセットする。続いて、滑り・発展チャンス目時仮停止図柄決定用の乱数値SR3を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値SR3に基づき、セットした仮停止図柄決定テーブル166A〜166Dのいずれかを参照することにより、右仮停止図柄KZ1−1、左仮停止図柄KZ1−2、右仮停止図柄1−3、左仮停止図柄KZ1−4のいずれかとなる演出図柄を決定する。
他の一例として、「擬似連」の特定演出である場合には、まず、ステップS555にて決定された特定演出パターンに基づき、擬似連変動の実行回数を定数Mにセットする。例えば、擬似連TP2−1の特定演出パターンである場合には、定数Mを「1」に設定し、擬似連TP2−2の特定演出パターンである場合には、定数Mを「2」に設定し、擬似連TP2−3の特定演出パターンである場合には定数Mを「3」に設定する。このときには、決定した仮停止図柄の組合せ数を示す変数Nを「0」に設定しておく。また、変動パターンが非リーチPA1−5である場合には、図87(A)に示す仮停止図柄決定テーブル167Aを使用テーブルとして選択してセットする一方で、変動パターンがスーパーPA3−4、スーパーPA3−8、スーパーPA4−4、スーパーPA4−8、スーパーPB3−4、スーパーPB4−4、スーパーPB5−4、スーパーPF1−1、特殊PG1−3のいずれかである場合には、図87(B)に示す仮停止図柄決定テーブル167Bを使用テーブルとして選択してセットする。続いて、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、第1擬似連時仮停止図柄決定用の乱数値SR4−1を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値SR4−1を示す数値データに基づき、セットした仮停止図柄決定テーブル167Aと仮停止図柄決定テーブル167Bのいずれかを参照することにより、擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれかとなる左中右仮停止図柄KZ2−1、KZ2−2、KZ2−3の組合せを決定する。このときには、変数Nを1加算して更新し、更新後の変数Nが定数Mと合致するか否かを判定する。
こうして更新後の変数Nが定数Mと合致すれば、ステップS557の処理を終了する。これに対して、更新後の変数Nが定数Mと合致しなければ、図87(C)に示す仮停止図柄決定テーブル167Cを使用テーブルとして選択してセットする。続いて、第2擬似連時仮停止図柄決定用の乱数値SR4−2を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値SR4−2を示す数値データに基づき、仮停止図柄決定テーブル167Cを参照することにより、擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれかとなる左中右仮停止図柄KZ3−1、KZ3−2、KZ3−3の組合せを決定する。このときには、変数Nを1加算して更新し、更新後の変数Nが定数Mと合致するか否かを判定する。
こうして更新後の変数Nが定数Mと合致すれば、ステップS557の処理を終了する。これに対して、更新後の変数Nが定数Mと合致しなければ、図87(D)に示す仮停止図柄決定テーブル167Dを使用テーブルとして選択してセットする。続いて、第3擬似連時仮停止図柄決定用の乱数値SR4−3を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値SR4−3を示す数値データに基づき、仮停止図柄決定テーブル167Dを参照することにより、擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれかとなる左中右仮停止図柄KZ4−1、KZ4−2、KZ4−3の組合せを決定する。こうして左中右仮停止図柄KZ4−1、KZ4−2、KZ4−3の組合せを決定した後には、ステップS557の処理を終了する。
さらに他の一例として、「発展チャンス目」の特定演出である場合には、図89に示す仮停止図柄決定テーブル168を、使用テーブルとして選択してセットする。続いて、滑り・発展チャンス目時仮停止図柄決定用の乱数値SR3を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値SR3に基づき、仮停止図柄決定テーブル168を参照することにより、発展チャンス目HC1〜HC8のいずれかとなる左中右仮停止図柄KZ6−1、KZ6−2、KZ6−3の組合せを決定する。
ステップS552にて実行されるメイン予告設定処理の一例として、図113のフローチャートに示すような処理が実行されるとよい。この例では、図83(A)〜(C)に示す特定演出パターン決定テーブル164C〜164EがROMに記憶され、RAMにはメイン予告用テーブル指定バッファが設けられていればよい。図113に示すメイン予告設定処理では、まず、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンが「メイン予告」の特定演出のある変動パターンであるか否かを判定する(ステップS711)。このとき、「メイン予告」の特定演出のない変動パターンであれば(ステップS711;No)、そのままメイン予告設定処理を終了する。
ステップS711にて「メイン予告」の特定演出のある変動パターンと判定された場合には(ステップS711;Yes)、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、第3特定演出パターン決定用の乱数値SR6−3を示す数値データを抽出する(ステップS712)。また、図83(D)に示すテーブル選択設定に従い、メイン予告用テーブル指定バッファ値に応じた特定演出パターン決定テーブル164C〜164Eのいずれかを、使用テーブルとして特定してセットする(ステップS713)。そして、ステップS702にて抽出した乱数値SR6−3に基づき、ステップS713にてセットした特定演出パターン決定テーブル164C〜164Eのいずれかを参照することにより、「メイン予告」の特定演出における演出動作に対応したメイン予告用の特定演出パターンを選択して決定する(ステップS714)。
ステップS714にてメイン予告用の特定演出パターンを決定した後には、その特定演出パターンに応じたメイン予告用テーブル指定バッファ更新設定値によって、メイン予告用テーブル指定バッファ値を更新する設定を行う(ステップS715)。例えば、ステップS714にて特定演出パターンがメイン予告TP3−1−1とメイン予告3−1−2のうちから選択されて決定された場合には、メイン予告用テーブル指定バッファ値を“1”に更新する。これに対して、ステップS704にて特定演出パターンがメイン予告TP3−2−1とメイン予告TP3−2−2のうちから選択されて決定された場合には、メイン予告用テーブル指定バッファ値を“2”に更新する。また、ステップS704にて特定演出パターンがメイン予告TP3−3−1とメイン予告TP3−3−2のうちから選択されて決定された場合には、メイン予告用テーブル指定バッファ値を“3”に更新する。
こうしてステップS715の処理を実行することにより、「メイン予告」の特定演出を実行する変動パターンに対応して、演出動作の種類ごとに用意されたメイン予告TP3−1−1、メイン予告TP3−1−2、メイン予告TP3−2−1、メイン予告TP3−2−2、メイン予告TP3−3−1、メイン予告TP3−3−2の特定演出パターンのいずれかが選択されるごとに、その選択された特定演出パターンに対応するメイン予告用テーブル指定バッファ値が設定されるように更新することができる。すなわち、「メイン予告」の特定演出における演出動作を複数種類のうちから選択して決定するごとに、その決定された演出動作の種類に応じて、次回に「メイン予告」の特定演出を実行するための特定演出パターン選択時における使用テーブルを特定できるように、メイン予告用テーブル指定バッファ値が設定される。そして、ステップS713の処理では、非リーチPA1−6の変動パターンである場合に、メイン予告用テーブル指定バッファ値に対応する特定演出パターン決定テーブル164C〜164Eのいずれかを特定して使用テーブルとして設定することで、「メイン予告」の特定演出として前回実行した演出動作を今回では選択しないように、特定演出パターン決定テーブル164C〜164Eのいずれかをセットすることができる。
ステップS552にて実行されるメイン予告設定処理の他の一例として、図114のフローチャートに示すような処理が実行されてもよい。この例では、図84に示す特定演出パターン決定テーブル164FがROMに記憶され、RAMはメイン予告用特定演出パターン記憶バッファが設けられていればよい。図114に示すメイン予告設定処理では、まず、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンが「メイン予告」の特定演出のある変動パターンであるか否かを判定する(ステップS751)。このとき、「メイン予告」の特定演出のない変動パターンであれば(ステップS751;No)、そのままメイン予告設定処理を終了する。
ステップS751にて「メイン予告」の特定演出のある変動パターンと判定された場合には(ステップS751;Yes)、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、第3特定演出パターン決定用の乱数値SR6−3を示す数値データを抽出する(ステップS752)。このときには、特定演出パターン決定テーブル164Fを、使用テーブルとしてセットする(ステップS753)。そして、ステップS752にて抽出した乱数値SR6−3に基づき、ステップS753にてセットした特定演出パターン決定テーブル164Fを参照することにより、「メイン予告」の特定演出における演出動作に対応したメイン予告用の特定演出パターンを選択して決定する(ステップS754)。
ステップS754にてメイン予告用の特定演出パターンを決定した後には、その特定演出パターンが前回の「メイン予告」の特定演出における演出動作と同一の演出動作が含まれる特定演出パターンであるか否かを判定する(ステップS755)。一例として、演出制御用CPU101は、メイン予告用特定演出パターン記憶バッファに記憶されている特定演出パターンと、ステップS754にて決定された特定演出パターンが、同一の演出動作を含む特定演出パターンであるか否かを判定すればよい。ここで、メイン予告TP3−1−1とメイン予告TP3−1−2の特定演出パターンは、図99(A)に示すメイン予告CMP1−1やメイン予告CMP1−2の予告演出制御パターンにより、ポンポンを持ったキャラクタ画像CH1を表示させるものであることから、同一の演出動作を含む特定演出パターンであると判定されればよい。また、メイン予告TP3−2−1とメイン予告TP3−2−2の特定演出パターンは、図99(A)に示すメイン予告CMP2−1やメイン予告CMP1−2の予告演出制御パターンにより、100kgハンマーを持ったキャラクタ画像CH1を表示させるものであることから、同一の演出動作を含む特定演出パターンであると判定されればよい。さらに、メイン予告TP3−3−1とメイン予告TP3−3−2の特定演出パターンは、図99(A)に示すメイン予告CMP3−1やメイン予告CMP3−2の予告演出制御パターンにより、キャラクタ画像CH2を表示させるものであることから、同一の演出動作を含む特定演出パターンであると判定されればよい。このように、大当り信頼度が異なる特定演出パターンであっても、同一のリーチ演出と関連づけられた「メイン予告」の特定演出における演出動作に対応する特定演出パターンについては、同一の演出動作を含む特定演出パターンであると判定されればよい。なお、変動パターンが非リーチPA1−6以外であれば、ステップS755の判定を行わずにステップS757の処理に進めばよい。
ステップS755にて同一の演出動作が含まれる特定演出パターンであると判定された場合には(ステップS755;Yes)、特定演出パターンを差し替えるための設定を行う(ステップS756)。一例として、ステップS756の処理では、変動パターンが非リーチPA1−6であれば、メイン予告TP3−1−1、メイン予告TP3−2−1、メイン予告TP3−3−1のうちで、ステップS754にて決定した特定演出パターンとは異なるものに変更することにより、特定演出パターンを差し替える。このときには、第3特定演出パターン決定用の乱数値SR6−3と特定演出パターン決定テーブル164Fのいずれかを、予備用として予め用意されたものに変更して、ステップS752〜S754に対応する処理を実行するようにしてもよい。あるいは、第3特定演出パターン決定用の乱数値SR6−3を示す数値データが更新されるまで待機してから、ステップS752〜S754に対応する処理を実行するようにしてもよい。
ステップS755にて同一の演出動作が含まれる特定演出パターンではないと判定された場合や(ステップS755;No)、ステップS756の処理を実行した後などには、メイン予告用の特定演出パターンに対応する記憶データをメイン予告用特定演出パターン記憶バッファに記憶させることなどにより、特定演出パターンをセットする(ステップS757)。
図110に示すステップS514にて特定演出設定処理を実行した後には、変動中昇格演出設定処理を実行する(ステップS515)。図115は、ステップS515にて実行される変動中昇格演出設定処理の一例を示すフローチャートである。この変動中昇格演出設定処理では、まず、可変表示結果が「大当り」であり、なおかつ、大当り種別が「突確」以外である場合に該当するか、または、そうした場合には該当しないかを判定する(ステップS571)。このとき、可変表示結果が「大当り」であり、なおかつ、大当り種別が「突確」以外である場合に該当しなければ(ステップS571;No)、そのまま変動中昇格演出設定処理を終了する。
ステップS571にて、可変表示結果が「大当り」であり、なおかつ、大当り種別が「突確」以外である場合に該当すると判定されたときには(ステップS571;Yes)、図56(A)に示す変動中昇格演出実行決定テーブル165Aを、使用テーブルとして選択してセットする(ステップS572)。続いて、昇格演出実行決定用の乱数値SR5を示す数値データを抽出する(ステップS573)。そして、ステップS573にて抽出した乱数値SR5を示す数値データに基づき、ステップS572にてセットした変動中昇格演出実行決定テーブル165Aを参照することにより、大当り種別が「通常」、「第1確変」〜「第3確変」のいずれであるかに応じて、変動中昇格演出の有無を決定する(ステップS574)。このとき、変動中昇格演出なしと判定された場合には(ステップS575;No)、変動中昇格演出設定処理を終了する。
これに対して、ステップS574にて変動中昇格演出ありと判定された場合には(ステップS575;Yes)、変動中昇格演出にて仮停止表示させる仮停止図柄を決定してから(ステップS576)、変動中昇格演出設定処理を終了する。ステップS576の処理では、一例として、図90に示す仮停止図柄決定テーブル169を、使用テーブルとして選択してセットする。続いて、昇格演出時仮停止図柄決定用の乱数値SR2を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値SR2を示す数値データに基づき、仮停止図柄決定テーブル169を参照することにより、左中右最終停止図柄FZ3−1、FZ3−2、FZ3−3として決定された演出図柄の図柄番号に応じて、左中右仮停止図柄KZ7−1、KZ7−2、KZ7−3の組合せを決定する。
図111に示すステップS515にて以上のような変動中昇格演出設定処理を実行した後には、サブ予告演出設定処理を実行する(ステップS516)。図116は、ステップS516にて実行されるサブ予告演出設定処理の一例を示すフローチャートである。このサブ予告演出設定処理では、まず、図91に示すサブ予告パターン種別決定テーブル170を、使用テーブルとして選択してセットする(ステップS591)。続いて、サブ予告パターン種別決定用の乱数値SR7を示す数値データを抽出する(ステップS592)。そして、ステップS592にて抽出した乱数値SR7を示す数値データに基づき、サブ予告パターン種別決定テーブル170を参照することにより、変動パターンに応じて、サブ予告なし、あるいは、サブ予告CY1〜サブ予告CY3のサブ予告パターン種別のいずれかに決定する(ステップS593)。このとき、サブ予告なしと決定されれば(ステップS594;Yes)、サブ予告演出設定処理を終了する。
ステップS593にてサブ予告CY1〜サブ予告CY3のサブ予告パターン種別のいずれかに決定された場合には(ステップS594;No)、決定されたサブ予告パターン種別に応じて、図92に示すサブ予告パターン決定テーブル171Aと、図64に示すサブ予告パターン決定テーブル171Bと、図94に示すサブ予告パターン決定テーブル171Cとのうち、いずれかを使用テーブルとして選択してセットする(ステップS595)。すなわち、ステップS593にてサブ予告CY1のサブ予告パターン種別に決定された場合にはサブ予告パターン決定テーブル171Aをセットし、サブ予告CY2のサブ予告パターン種別に決定された場合にはサブ予告パターン決定テーブル171Bをセットし、サブ予告CY3のサブ予告パターン種別に決定された場合にはサブ予告パターン決定テーブル171Cをセットする。その後、サブ予告パターンを複数種類のいずれかに決定してから(ステップS596)、サブ予告演出設定処理を終了する。
ステップS596の処理では、一例として、サブ予告パターン種別がサブ予告CY1に決定された場合に、第1サブ予告パターン決定用の乱数値SR8−1を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値SR8−1を示す数値データに基づき、ステップS595にてセットしたサブ予告パターン決定テーブル171Aを参照することにより、サブ予告なし、あるいは、サブ予告YP1−1〜サブ予告YP1−4のサブ予告パターンのいずれかに決定する。
他の一例として、サブ予告パターン種別がサブ予告CY2に決定された場合には、第2サブ予告パターン決定用の乱数値SR8−2を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値SR8−2を示す数値データに基づき、ステップS595にてセットしたサブ予告パターン決定テーブル171Bを参照することにより、サブ予告なし、あるいは、サブ予告YP2−1〜サブ予告YP2−4のサブ予告パターンのいずれかに決定する。
さらに他の一例として、サブ予告パターン種別がサブ予告CY3に決定された場合には、第3サブ予告パターン決定用の乱数値SR8−3を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値SR8−3を示す数値データに基づき、ステップS595にてセットしたサブ予告パターン決定テーブル171Cを参照することにより、サブ予告なし、あるいは、サブ予告YP3−1〜サブ予告YP3−3のサブ予告パターンのいずれかに決定する。
図111に示すステップS516にて以上のようなサブ予告演出設定処理を実行した後には、リーチ演出設定処理を実行する(ステップS517)。ステップS517にて実行されるリーチ演出設定処理の一例として、図117のフローチャートに示すような処理が実行されるとよい。この例では、図95(A)及び(B)に示すリーチ演出パターン決定テーブル172A、172Bと図96(A)及び(B)に示すリーチ演出パターン決定テーブル173A、173BとがROMに記憶され、RAMにはリーチ演出用テーブル指定バッファが設けられていればよい。図93に示すリーチ演出設定処理では、まず、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンが「非リーチ」または「ノーマル」の変動パターンであるか、それら以外の変動パターンであるかを判定する(ステップS721)。このとき、「非リーチ」または「ノーマル」の変動パターンであれば(ステップS721;Yes)、そのままリーチ演出設定処理を終了する。
ステップS721にて「非リーチ」または「ノーマル」の変動パターン以外であると判定された場合には(ステップS721;No)、リーチ演出パターン決定用の乱数値SR9を示す数値データを抽出する(ステップS722)。また、図96(C)に示すテーブル選択設定に従い、可変表示結果が「大当り」であるか「ハズレ」であるか、及び、リーチ演出用テーブル指定バッファ値に応じて、リーチ演出パターン決定テーブル172A、172B、173A、173Bのいずれかを、使用テーブルとして特定してセットする(ステップS723)。そして、ステップS722にて抽出した乱数値SR9に基づき、ステップS723にてセットしたリーチ演出パターン決定テーブル172A、172B、173A、173Bのいずれかを参照することにより、リーチ演出における演出動作に対応したリーチ演出パターンを選択して決定する(ステップS724)。
ステップS724にてリーチ演出パターンを決定した後には、そのリーチ演出パターンに応じたリーチ演出用テーブル指定バッファ更新設定値によって、リーチ演出用テーブル指定バッファ値を更新する設定を行う(ステップS725)。例えば、ステップS724にてリーチ演出パターンが大当りAPA1−1〜大当りAPA1−3、大当りAPA2−1〜大当りAPA2−3、ハズレHPA1−1〜ハズレHPA1−3、ハズレHPA2−1〜ハズレHPA2−3のうちから選択されて決定された場合には、リーチ演出用テーブル指定バッファ値を“2”に更新する。これに対して、ステップS724にてリーチ演出パターンが大当りAPB1−1〜大当りAPB1−3、大当りAPB2−1〜大当りAPB2−3、ハズレHPB1−1〜ハズレHPB1−3、ハズレHPB2−1〜ハズレHPB2−3のうちから選択されて決定された場合には、リーチ演出用テーブル指定バッファ値を“1”に更新する。
こうしてステップS725の処理を実行することにより、リーチ演出パターンが選択されるごとに、その選択されたリーチ演出パターンに対応するリーチ演出用テーブル指定バッファ値が設定されるように更新することができる。すなわち、リーチ演出における演出動作を複数種類のうちから選択して決定するごとに、その決定された演出動作の種類に応じて、次回にリーチ演出を実行するためのリーチ演出パターン選択時における使用テーブルを特定できるように、リーチ演出用テーブル指定バッファ値が設定される。そして、ステップS723の処理では、可変表示結果が「ハズレ」である場合に、リーチ演出パターン決定テーブル173A、173Bのいずれかを特定して使用テーブルとして設定することで、リーチ演出として前回実行した演出動作を今回では選択しないように、リーチ演出パターン決定テーブル173A、173Bのいずれかをセットすることができる。
ステップS517にて実行されるリーチ演出設定処理の他の一例として、図118のフローチャートに示すような処理が実行されてもよい。この例では、図97に示すリーチ演出パターン決定テーブル174がROMに記憶され、RAMにはリーチ演出パターン記憶バッファが設けられていればよい。図118に示すリーチ演出設定処理では、まず、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンが「非リーチ」または「ノーマル」の変動パターンであるか、それら以外の変動パターンであるかを判定する(ステップS771)。このとき、「非リーチ」または「ノーマル」の変動パターンであれば(ステップS771;Yes)、そのままリーチ演出設定処理を終了する。
ステップS771にて「非リーチ」または「ノーマル」の変動パターン以外であると判定された場合には(ステップS771;No)、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、リーチ演出パターン決定用の乱数値SR9を示す数値データを抽出する(ステップS772)。このときには、リーチ演出パターン決定テーブル174を、使用テーブルとしてセットする(ステップS773)。そして、ステップS772にて抽出した乱数値SR9に基づき、ステップS773にてセットしたリーチ演出パターン決定テーブル174を参照することにより、リーチ演出における演出動作に対応したリーチ演出パターンを選択して決定する(ステップS774)。
ステップS774にてリーチ演出パターンを決定した後には、可変表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS775)。このとき、可変表示結果が「大当り」ではないと判定されると(ステップS775;No)、ステップS774にて決定したリーチ演出パターンが前回のリーチ演出における演出動作と同一の演出動作に対応したリーチ演出パターンであるか否かを判定する(ステップS776)。一例として、演出制御用CPU101は、リーチ演出パターン記憶バッファに記憶されているリーチ演出パターンと、ステップS774にて決定されたリーチ演出パターンとが合致するか否かを判定すればよい。このときには、「メイン予告」の特定演出における演出動作などには関わりなく、リーチ演出パターンが合致するか否かを判定すればよい。
ステップS776にて同一の演出動作に対応したリーチ演出パターンであると判定された場合には(ステップS776;Yes)、リーチ演出パターンを差し替えるための設定を行う(ステップS777)。一例として、ステップS777の処理では、可変表示結果が「ハズレ」であれば、リーチ演出α1を実行する場合にはハズレHPA1−1、ハズレHPB1−1のうちでステップS774にて決定したリーチ演出パターンとは異なるものに変更し、リーチ演出α2を実行する場合にはハズレHPA1−2、ハズレHPB1−2のうちでステップS774にて決定したリーチ演出パターンとは異なるものに変更し、リーチ演出β1を実行する場合にはハズレHPA1−3、ハズレHPB1−3のうちでステップS774にて決定したリーチ演出パターンとは異なるものに変更することにより、リーチ演出パターンを差し替える。
ステップS775にて可変表示結果が「大当り」であると判定された場合や(ステップS775;Yes)、ステップS776にて同一の演出動作に対応したリーチ演出パターンではないと判定された場合(ステップS776;No)、あるいは、ステップS777の処理を実行した後には、リーチ演出パターンに対応する記憶データをリーチ演出パターン記憶バッファに記憶させることなどにより、リーチ演出パターンをセットする(ステップS778)。
図110に示すステップS517にてリーチ演出設定処理を実行した後には、演出制御パターンを複数種類のいずれかに決定する(ステップS518)。このとき、演出制御用CPU101は、例えば変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンや、図112に示すステップS555にて決定された特定演出パターン、図115に示すステップS574にて決定された変動中昇格演出の有無、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンが「メイン予告」の特定演出を実行する変動パターンであるか否かなどに対応して、図98に示す図柄変動制御パターンテーブル180に格納された複数種類の図柄変動制御パターンのいずれか(プロセステーブル)を、使用パターンとして選択してセットする。また、例えば図113に示すステップS714や図114に示すステップS754にて決定された特定演出パターン、あるいは、図114に示すステップS756における差替後の特定演出パターンに対応して、図99(A)に示すメイン予告演出制御パターンテーブル181Aに格納された複数種類の予告演出制御パターンのいずれか(プロセステーブル)を、使用パターンとして選択してセットする。加えて、例えば図92に示すステップS596にて決定されたサブ予告パターンに対応して、図116(B)に示すサブ予告演出制御パターンテーブル181Bに格納された複数種類の予告演出制御パターンのいずれかを、使用パターンとして選択してセットする。さらに、例えば図117に示すステップS724や図118に示すステップS774にて決定されたリーチ演出パターン、あるいは、図118に示すステップS777における差替後のリーチ演出パターンに対応して、図99(C)に示すリーチ演出制御パターンテーブル181Cに格納された複数種類のリーチ演出パターンのいずれかを、使用パターンとして選択してセットする。
なお、図110には示していないが、ステップS518の処理に続いて、例えばステップS518にてセットした図柄変動制御パターンに示される演出制御プロセスタイマ設定値(プロセスタイマで計測される時間)に対応して、プロセスタイマの初期値を設定する。
その後、上述したように、図柄変動制御パターンに含まれる演出表示制御データ(プロセスデータ)に対応した表示制御指令をVDPに供給することなどにより、演出表示装置9の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアにて演出図柄の変動を開始させるとともに、「左」及び「右」の色図柄表示エリアのいずれかにて色図柄の変動を開始させるといった、演出表示装置9における各種図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS835A〜S835C)。
図119および図120は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS841)、変動時間タイマの値を−1(1減算)する(ステップS842)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS843)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS844)。また、異常報知中フラグがセットされていないことを条件に、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS845A,S845B)。
異常報知中フラグがセットされている場合には、プロセスデータi(iは2〜nのいずれか)の内容(ただし、音番号データiを除く。)に従って演出装置の制御を実行する(ステップS845A,S845C)。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、飾り図柄の可変表示に応じた音演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた音出力が継続される。
また、ステップS845Cの処理が行われるときに、演出制御用CPU101は、単に表示制御実行データiにもとづく指令をVDP109に出力するのではなく、「重畳表示」を行うための指令もVDP109に出力する。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の可変表示に応じた表示演出演出のみが実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた報知も継続される。
また、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS846)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS848)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS847)、ステップS848に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、飾り図柄の変動を終了させることができる。
なお、表示結果特定コマンドで「第2確変」が指定されていれば(すなわち、変動中に非確変図柄を確変図柄に昇格させることが指定されていれば)、ステップS845B,S845Cにて昇格演出が実行される。
図121は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS851)、確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、確定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS852)、演出図柄表示結果格納領域に格納されているデータ(停止図柄を示すデータ)に従って停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS853)。また、演出図柄変動終了フラグをセットする(ステップS854)。そして、演出制御用CPU101は、大当りまたは小当りとすることに決定されているか否か確認する(ステップS855)。大当りまたは小当りとすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果特定コマンド格納領域に格納されている表示結果特定コマンドによって確認される。なお、この実施の形態では、決定されている停止図柄によって、大当りまたは小当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。
大当りまたは小当りとすることに決定されている場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS856)。
大当りとしないことに決定されている場合には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS857)。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信したことを条件に、演出図柄および演出図柄の変動(可変表示)を終了させる(ステップS851,S853参照)。しかし、受信した変動パターンコマンドにもとづく変動時間タイマがタイムアウトしたら、図柄確定指定コマンドを受信しなくても、演出図柄および演出図柄の変動を終了させるように制御してもよい。その場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変表示の終了を指定する図柄確定指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
図122は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS804)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、大当り開始1〜4指定コマンドのいずれかを受信したことを示す大当り開始1〜4指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS871)。大当り開始1〜4指定コマンド受信フラグのいずれかがセットされていた場合には、セットされているフラグに応じた遊技開始画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS872)。また、セットされているフラグ(大当り開始1〜4指定コマンド受信フラグのいずれか)をリセットする(ステップS873)。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS805)に応じた値に更新する(ステップS874)。
ステップS872では、演出制御用CPU101は、大当り開始2指定コマンドを受信している場合には、小当り遊技の開始を報知する画面を演出表示装置9に表示する制御を行う。そして、大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始3指定コマンドを受信している場合には、大当り遊技の開始を報知する画面(小当り遊技の開始を報知する画面とは異なる。)を演出表示装置9に表示する制御を行う。そして、大当り開始4指定コマンドを受信している場合には、突然確変大当り遊技の開始を報知する画面を演出表示装置9に表示する制御を行う。なお、この実施の形態では、小当り遊技の開始を報知する画面と突然確変大当り遊技の開始を報知する画面とは同じ画面であるものとする。
なお、表示結果特定コマンドで「第3確変」が指定されていれば(すなわち、大当り遊技中に非確変図柄を確変図柄に昇格させることが指定されていれば)、大当り遊技中処理において昇格演出が実行される。なお、例えば、図122に示す大当り表示処理において、大当り種別として「第3確変」が指定されているかどうかを確認し、「第3確変」が指定されている場合は、大当り遊技中処理において昇格演出の実行を禁止する制御を行うようにしてもよい。このような構成によって、大当り遊技中の昇格演出で確変大当りの発生が報知されなくなり、確変状態への移行を潜伏させる(隠す)ことができる。
図123は、演出制御プロセス処理における大当り終了処理(ステップS806)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマが設定されているか否か確認する(ステップS880)。大当り終了演出タイマが設定されている場合には、ステップS885に移行する。大当り終了演出タイマが設定されていない場合には、大当り終了指定コマンドを受信したことを示す大当り終了指定コマンド受信フラグ(大当り終了1〜3指定コマンド受信フラグのいずれか)がセットされているか否か確認する(ステップS881)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS882)、大当り終了演出タイマに大当り終了表示時間に相当する値を設定して(ステップS883)、演出表示装置9に、大当り終了画面(大当り遊技の終了を報知する画面)を表示する制御を行う(ステップS884)。具体的には、VDP109に、大当り終了画面を表示させるための指示を与える。
なお、小当りである場合には、大当り終了指定コマンドを受信しないので、演出制御用CPU101は、ステップS881,S882を実行することなく、そのまま大当り終了演出タイマに小当り終了表示時間に相当する値を設定して(ステップS883参照)、演出表示装置9に、小当り終了画面(小当り遊技の終了を報知する画面)を表示する制御を行う(ステップS884参照)。そして、小当り終了表示の演出期間が経過したことにもとづいて、演出制御プロセスフラグの値が変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新されることになる(ステップS894参照)。
ステップS885では、大当り終了演出タイマの値を1減算する。そして、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了演出時間が経過したか否か確認する(ステップS886)。経過していなければ処理を終了する。大当り終了演出時間が経過している場合であって、大当り終了1指定コマンドを受信している場合(ステップS889のY)、つまり、通常大当りの終了を指定する演出制御コマンドを受信した場合には、演出制御用CPU101は、演出用時短回数カウンタに所定値(100回)をセットする(ステップS890)。演出用時短回数カウンタは、演出制御用CPU101側で通常大当りの終了後における時短回数(100回)をカウントするカウンタである。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS894)。
大当り終了1指定コマンドを受信している場合には(ステップS889のN)、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS894)。
図123には示していないが、復旧時背景変更フラグがセットされている場合は、大当り終了処理において、復旧時背景変更フラグをリセットする処理も実行される。なお、時短状態の終了時(時短状態に移行されてから100回の変動終了時)に復旧時背景変更フラグをリセットするようにしてもよい。
図124は、図101に示された演出制御メイン処理におけるステップS706の第1飾り図柄表示制御処理を示すフローチャートである。第1飾り図柄表示制御処理において、演出制御用CPU101は、第1飾り図柄変動中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS781)。第1飾り図柄変動中フラグがセットされている場合には、ステップS785に移行する。第1飾り図柄変動中フラグがセットされていない場合には、第1飾り図柄変動要求フラグがセットされているか否か確認する(ステップS782)。第1飾り図柄変動要求フラグがセットされている場合には、第1飾り図柄変動要求フラグをリセットし(ステップS783)、第1飾り図柄変動中フラグをセットする(ステップS784)。
ステップS785では、飾り図柄変動終了フラグがセットされているか否か確認する。飾り図柄変動終了フラグがセットされている場合には、飾り図柄変動終了フラグをリセットし(ステップS786)、飾り図柄表示結果格納領域に格納されているデータに従って第1飾り図柄表示器9aに表示結果を導出表示し(ステップS791)、第1飾り図柄変動中フラグをリセットする(ステップS792)。
飾り図柄変動終了フラグがセットされていない場合には、飾り図柄切替タイマの値を−1する(ステップS787)。飾り図柄切替タイマの値が0になっていれば(ステップS788)、すなわち点灯LEDの切替タイミングになっていれば、第1飾り図柄表示器9aにおいて点灯するLEDを切り替え(ステップS789)、飾り図柄切替タイマに例えば0.5秒に相当する値を再設定する(ステップS790)。なお、ステップS824,S827では、飾り図柄切替タイマに0.5秒に相当する値を再設定する処理を実行しなくてもよい。
以上のような制御によって、第1飾り図柄表示器9aにおいて点灯するLEDが例えば0.5秒ごとに切り替えられ、第1飾り図柄の可変表示が実現される。
なお、第2飾り図柄表示制御処理(ステップS707)のプログラムも第1飾り図柄表示制御処理と同様に構成される。すなわち、上記の第1飾り図柄表示制御処理の説明において、「第1」を「第2」と読み替えれば、第2飾り図柄表示制御処理が説明されることになる。
なお、第1飾り図柄表示制御処理(ステップS706)と第2飾り図柄表示制御処理(ステップS707)を共通の処理としてもよい。この場合、第1飾り図柄変動中フラグ等のフラグをリセットする処理(ステップS781〜S784,S786)については、第1飾り図柄用の処理と第2飾り図柄用の処理とを別々に設ける必要があるが、ステップS785,S787〜S792の処理は共通にすることが可能である。例えば、第1飾り図柄変動中フラグがセットされているか、第2飾り図柄変動中フラグがセットされているかによって、対応するLED(第1飾り図柄表示器9aまたは第2飾り図柄表示器9b)に表示制御信号を出力する制御を実行する。
図125は、演出表示装置9に表示される報知画面の例を示す説明図である。図125(A)には、演出制御用CPU101が、初期化指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する初期画面の例が示されている。図125(B)には、演出制御用CPU101が、停電復旧指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する停電復旧画面の例が示されている。なお、後述するように、図126に示す報知制御処理において、この実施の形態では、異常開放が発生した場合には、音のみによる異常報知が行われるが、図125(C)に例示するように、演出制御用CPU101が、異常開放報知指定コマンドの受信に応じて異常報知画面を演出表示装置9に表示し、かつ、演出図柄の変動が開始されても、異常報知画面の表示が継続されるように構成されていてもよい(図125(C)の右側参照)。図125(D)には、演出制御用CPU101が、異常入賞報知指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する異常報知画面の例が示され、かつ、演出図柄の変動が開始されても、異常報知画面の表示が継続されることが示されている(図125(D)の右側参照)。
図126は、ステップS707の報知制御処理を示すフローチャートである。報知制御処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期報知フラグがセットされているか否か確認する(ステップS971)。初期報知フラグは、遊技制御用マイクロコンピュータ560から電源投入指定コマンドを受信した場合にセットされている(図104におけるステップS631参照)。初期報知フラグがセットされていない場合には、ステップS976に移行する。初期報知フラグがセットされている場合には、ステップS632で設定された期間タイマの値を−1する(ステップS972)。そして、期間タイマの値が0になったら、すなわち初期報知期間が経過したら、初期報知フラグをリセットする(ステップS973,S974)。
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出表示装置9において初期画面または停電復旧画面を消去させるための指令をVDP109に出力する(ステップS975)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9から初期画面または停電復旧画面を消去する。
ステップS976では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常開放報知指定コマンドを受信したことを示す異常開放報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。セットされていなければ、ステップS978に移行する。異常開放報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、異常開放報知指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS977)、ステップS982に移行する。
異常開放報知指定コマンドを受信したということは、大入賞口の異常開放が検出された場合である。この場合、ステップS982を実行することによって音出力のみによる異常開放報知が実行される。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常開放の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS982)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、異常開放の報知に応じた音出力(異常報知音の出力)が行われる。
ステップS978では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知指定コマンドを受信したことを示す異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。セットされていなければ、そのまま処理を終了する。異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、異常入賞報知指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS979)、異常入賞報知受信カウンタの値を1加算する(ステップS980)。異常入賞報知受信カウンタは、異常入賞報知指定コマンドの受信回数をカウントするためのカウンタである。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知受信カウンタの値が1であるか否か(すなわち、異常入賞報知指定コマンドを1回だけ受信したか否か)を確認する(ステップS983)。異常入賞報知受信カウンタの値が1であれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS984)。なお、異常入賞の報知に応じた音出力を示す音データは、異常開放の報知に応じた音出力を示す音データと異なる内容および音量の音出力を示す音データであってもよい。具体的には、異常入賞の報知に応じた音出力を示す音データは、例えば、異常開放の報知に応じた音出力を示す音データにもとづいて出力される音よりも、大きな音量の音を出力するための音データである。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、異常入賞の報知に応じた音出力(異常報知音の出力)が行われる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞の報知に応じたランプ表示を示すランプ制御実行データをランプドライバ基板35に出力する(ステップS985)。よって、以後、異常入賞の報知に応じたランプ表示が行われる。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常報知を行っていることを示す異常報知中フラグをセットする(ステップS989)。
異常入賞報知受信カウンタの値が1でなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知受信カウンタの値が2であるか否か(すなわち、異常入賞報知指定コマンドを2回受信したか否か)を確認する(ステップS983)。異常入賞報知受信カウンタの値が2以上であれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS986)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞の報知に応じたランプ表示を示すランプ制御実行データをランプドライバ基板35に出力する(ステップS987)。さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、異常報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS988)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に異常報知画面を重畳表示する(図125(D)参照)。よって、以後、異常入賞の報知に応じたランプ表示および音出力(異常報知音の出力)が行われるとともに、演出表示装置9に異常報知画面が重畳表示される。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常報知を行っていることを示す異常報知中フラグをセットする(ステップS989)。
以上の処理が実行されることによって、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常開放報知指定コマンドまたは異常入賞報知指定コマンドを受信したことにもとづいて、異常開放報知または異常入賞報知を実行する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100が、異常開放報知指定コマンドを受信したことにもとづいて異常開放報知を開始した後にさらに異常入賞報知指定コマンドを受信した場合には、異常報知(異常が発生したことの報知)の報知態様が切り替えられることになる。すなわち、この実施の形態では、異常開放報知指定コマンドを受信した場合には、音出力のみを用いた異常報知が実行される。そして、その後、さらに異常入賞報知指定コマンドを受信した場合には、音出力に加えてランプ表示を用いた異常報知が実行される。さらに、異常入賞報知指定コマンドを2回以上受信した場合には、ランプ表示および音出力に加えて、異常報知画面を重畳表示する異常報知が実行される。
なお、この実施の形態で示した異常開放報知および異常入賞報知の報知態様は一例であり、例えば、異常開放報知を開始した後にさらに異常入賞報知指定コマンドを受信した場合に、出力する異常報知音を変化させたり、ランプの表示パターン(例えば、点灯や点滅)を変化させてもよい。また、音出力の内容や音量を変更してもよいし、音出力のみによる異常報知から、音出力に加えて異常報知画面表示およびランプ表示の全てを用いた異常報知に切り替えたりしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常開放報知指定コマンドを受信したことにもとづいて異常開放報知を開始した後にさらに異常入賞報知指定コマンドを受信すると、スピーカ27を用いた異常報知音の出力制御を行うとともに、演出表示装置9に異常報知画面を重畳表示させ、各ランプ25,28a,28b,28cを用いた異常表示の表示制御を行う。
また、この実施の形態では、異常開放報知指定コマンドを受信した場合に音出力のみを用いて異常報知を実行する場合を示したが、異常開放報知の態様は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、異常開放報知指定コマンドを受信した場合に、演出表示装置9に異常報知画面を重畳表示させてもよく(図125(D)参照)、各ランプ25,28a,28b,28cを用いた異常表示の表示制御を行ってもよい。また、異常報知画面の重畳表示、音出力または各ランプ25,28a,28b,28cを用いた異常表示のうちのいずれか2つまたは全てを用いて異常報知演出を行ってもよい。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常開放報知指定コマンドを受信したことにもとづいて異常開放報知を開始した後にさらに異常入賞報知指定コマンドを受信すると、スピーカ27を用いた異常報知音の音量を大きくしてもよい。
また、例えば、異常開放報知指定コマンドを受信した場合に、各ランプ25,28a,28b,28cを用いた異常表示の表示制御を行い、さらに異常入賞報知指定コマンドを受信した場合に、さらに演出表示装置9に異常報知画面を重畳表示させ、さらに2回目の異常入賞報知指定コマンドを受信した場合に、さらに音出力を用いて異常報知を実行したりして、報知態様を組み合わせて、段階的な異常報知を行ってもよい。
図127は、演出表示装置9における表示演出およびスピーカ27による音演出の状況の例を示す説明図である。図127(A)には、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が行われているときの例が示されている。図127(B)には、演出表示装置9において初期化報知が行われている場合の例が示されている。
図127(C)には、演出表示装置9において異常報知が行われ、スピーカ27によって異常報知音の出力がなされている場合の例が示されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から異常入賞報知指定コマンドを受信すると、演出表示装置9に異常報知画面を表示する制御を行うとともに、スピーカ27から異常報知音を出力させる制御を行う。また、変動パターンコマンドの受信に応じて演出図柄の可変表示が開始されても、演出表示装置9における異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とを継続させる。また、演出図柄の可変表示が終了しても、演出表示装置9における異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とを継続させる。
演出制御用マイクロコンピュータ100は異常報知画面を消去する制御および異常報知音の出力を停止する制御を実行しないので、演出表示装置9における異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とは、遊技機に対する電力供給が停止するまで継続する。ただし、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常報知画面の表示と異常報知音の出力とが開始されてから所定時間が経過すると、異常報知画面の表示と異常報知音の出力とを停止するように制御してもよい。また、この実施の形態では、異常報知は、演出表示装置9とスピーカ27とによってなされるが、ランプ・LEDも用いて異常報知を行うように構成してもよい。その場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知指定コマンドを受信すると、ランプ・LEDを、通常状態(異常入賞が発生していないとき)における態様とは異なる態様で点滅させるように制御する。また、ランプ・LEDも用いて異常報知を行うように構成する場合にも、変動パターンコマンドの受信に応じて演出図柄の可変表示が開始されても、ランプ・LEDを用いた異常報知を継続する。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されてから所定期間(初期化報知が実行されている期間)、異常入賞の検出を行わず、遊技制御用マイクロコンピュータ560から異常入賞報知指定コマンドが送信されることはない。しかし、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値が所定値(この実施の形態では5)未満のときには常時異常入賞の検出を行うようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100が、遊技機に対する電力供給が開始されてから所定期間の間に異常入賞報知指定コマンドを受信した場合には、異常入賞の報知を行わないようにしてもよい。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、初期化報知が実行されている期間であるか否かに関わらず、異常入賞が生じたことを検出したら異常入賞報知指定コマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100が、初期化報知が実行されている期間では異常入賞報知指定コマンドを受信しても異常報知の処理を行わずに初期化報知を継続することによって、初期化報知を異常報知よりも優先させるようにしてもよい。その場合、初期化報知が実行されている期間中に異常入賞報知指定コマンドを受信したら、初期化報知が実行されている期間が終了したときに異常報知を行うようにしてもよい。
図128〜図130は、演出制御メイン処理における保留記憶表示制御処理(ステップS710)を示すフローチャートである。保留記憶表示制御処理において、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)が保存されている合算保留記憶数保存領域のデータが、合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっているか否か確認する(ステップS901)。合算保留記憶数保存領域のデータが合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっていない場合には、ステップS941に移行する。
合算保留記憶数保存領域のデータが合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっているということは、新たな合算保留記憶数指定コマンドを受信したことを意味する。なお、電源投入時(電力供給が停止した後に再開されたときも含む)には、ステップS701の初期化処理によって、合算保留記憶数カウンタの値は0になっている。従って、ステップS43にて電力供給復帰時に送信される合算保留記憶数指定コマンドの受信にもとづき合算保留記憶数保存領域のデータが更新されると(ステップS652参照)、ステップS901において、合算保留記憶数保存領域のデータが合算保留記憶数カウンタの値よりも大きいと判断されることになる。
合算保留記憶数保存領域のデータが合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっている場合、演出制御用CPU101は、停電復旧指定コマンドを受信したことを示す停電復旧フラグがセットされているか否か確認する(ステップS902)。停電復旧フラグがセットされている場合には、停電復旧フラグをリセットし(ステップS903)、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じた数の星印を、合算保留記憶表示領域に表示させる(ステップS904)。すなわち、合算保留記憶数保存領域に保存されている個数の星印の画像を表示させる(図106(C)参照)。
また、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数保存領域のデータを、不明始動入賞記憶数カウンタに設定する(ステップS905)。不明始動入賞記憶数カウンタは、RAMに形成されたカウンタであり、第1始動入賞に応じた保留記憶か第2始動入賞に応じた保留記憶か不明である保留記憶の数を計数するためのカウンタである。以下、第1始動入賞に応じた保留記憶か第2始動入賞に応じた保留記憶か不明である保留記憶を不明保留記憶という。
さらに、合算保留記憶テーブルにおいて、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じた個数分のデータを「不明」を示すデータにする(ステップS906)。合算保留記憶テーブルは、RAMに形成されたテーブルであり、各保留記憶が、第1始動入賞に応じた保留記憶であるのか、第2始動入賞に応じた保留記憶であるのか、不明であるのかを示すデータが設定されるテーブルである。
そして、合算保留記憶数保存領域のデータを、合算保留記憶数カウンタにセットする(ステップS907)。
停電復旧フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、第1始動入賞指定コマンドを受信したことを示す第1始動入賞フラグがセットされているか否か確認する(ステップS909)。第1始動入賞フラグがセットされていれば、第1始動入賞フラグをリセットし(ステップS910)、合算保留記憶表示領域における丸印の表示個数を1増やし、かつ、増やした丸印を赤色表示するように制御する(ステップS911)。また、第1始動入賞カウンタの値を+1し(ステップS912)、合算保留記憶テーブルにおいて、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じたデータを「第1」を示すデータにする(ステップS913)。例えば、合算保留記憶数保存領域のデータが「5」であれば、合算保留記憶テーブルにおける5番目のデータを「第1」を示すデータにする。つまり、増えた保留記憶に対応したデータを「第1」を示すデータにする。
そして、第1始動入賞カウンタの値が上限値である「4」になったか否か確認する(ステップS914)。「4」になっていなければ、ステップS907に移行する。「4」になっている場合には、不明始動入賞カウンタの値が0であるか否か確認する(ステップS915)。不明始動入賞カウンタの値が0であれば、ステップS907に移行する。この段階で不明始動入賞カウンタの値が0でないということは、不明始動入賞カウンタの値が示す数の不明保留記憶が、実は、第2始動入賞にもとづく保留記憶であったことを意味する。なぜなら、第1保留記憶数の上限数は4であり、第1始動入賞カウンタの値が4であるということは、他の保留記憶(4を越える数の保留記憶)は、第1始動入賞にもとづく保留記憶ではないからである。つまり、他の保留記憶は、第2始動入賞にもとづく保留記憶である。
そこで、不明始動入賞カウンタの値が0でない場合には、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示領域に表示されている星印を、第2始動入賞に応じた緑色の丸印に変更させる(ステップS916)。また、合算保留記憶テーブルにおける「不明」を示すデータを「第2」を示すデータに変更する(ステップS917)。さらに、不明始動入賞カウンタの値を0にし(ステップS918)、第2始動入賞カウンタの値を更新する(ステップS919)。ステップS919では、0にされる前の不明始動入賞カウンタの値を、第2始動入賞カウンタの値に加算する。そして、ステップS907に移行する。
このような制御を行うことによって、演出制御コマンドの送受信に関して異常が生じて不明保留記憶が生じ、合算保留記憶表示領域に不明保留記憶に応じた表示がなされている場合に、その表示を正常な表示に戻すことができる。
第1始動入賞フラグがセットされていない場合には、第2始動入賞フラグがセットされているか否か確認する(ステップS921)。第2始動入賞フラグがセットされていない場合には、ステップS931に移行する。第2始動入賞フラグがセットされている場合には、第2始動入賞フラグをリセットし(ステップS922)、合算保留記憶表示領域における丸印の表示個数を1増やし、かつ、増やした丸印を緑色表示するように制御する(ステップS923)。また、第2始動入賞カウンタの値を+1し(ステップS924)、合算保留記憶テーブルにおいて、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じたデータを「第2」を示すデータにする(ステップS925)。
そして、第2始動入賞カウンタの値が上限値である「4」になったか否か確認する(ステップS926)。「4」になっていなければ、ステップS935に移行する。「4」になっている場合には、不明始動入賞カウンタの値が0であるか否か確認する(ステップS927)。不明始動入賞カウンタの値が0である場合には、ステップS935に移行する。不明始動入賞カウンタの値が0でない場合には、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示領域に表示されている星印を、第1始動入賞に応じた赤色の丸印に変更させる(ステップS928)。また、合算保留記憶テーブルにおける「不明」を示すデータを「第1」を示すデータに変更する(ステップS929)。さらに、不明始動入賞カウンタの値を0にし(ステップS930)、第1始動入賞カウンタの値を更新する(ステップS934)。ステップS934では、0にされる前の不明始動入賞カウンタの値を、第1始動入賞カウンタの値に加算する。そして、ステップS935に移行する。
ステップS935では、合算保留記憶数保存領域のデータを、合算保留記憶数カウンタにセットする。
ステップS931では、合算保留記憶表示領域における表示の個数を1増やし、かつ、増やした表示を青色で表示するように制御する。また、不明始動入賞カウンタの値を+1し(ステップS932)、合算保留記憶テーブルにおいて、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じたデータを「不明」を示すデータにする(ステップS933)。そして、ステップS935に移行する。
ステップS941では、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS942)、第2保留記憶数減算フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS942A)。セットされていれば、第2保留記憶数減算フラグをリセットする(ステップS942B)とともに、合算保留記憶表示領域における最も前に表示された緑色の丸印(第2保留記憶数に対応する表示)を消去し、各丸印または星印を、消去された丸印または星印の側にシフトとして表示するように制御する(ステップS942C)。また、第2始動入賞カウンタの値を−1する(ステップS942D)。さらに、合算保留記憶テーブルにおける最も古い第2保留記憶数に対応したデータを消去し、合算保留記憶テーブルのデータをシフトする(ステップS942E)。そして、ステップS952に移行する。
第2保留記憶数減算フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示領域における最も前に表示された丸印または星印を消去し、各丸印または星印を、消去された丸印または星印の側にシフトして表示するように制御する(ステップS943)。そして、合算保留記憶テーブルにおける最も古いデータが「第1」を示すデータであるか否か確認し(ステップS944)、「第1」を示すデータであれば、第1始動入賞カウンタの値を−1し(ステップS945)ステップS951に移行する。合算保留記憶テーブルにおける最も古いデータが「第1」を示すデータでなければ(すなわち、「不明」を示すデータであれば)、不明始動入賞カウンタの値を−1し(ステップS948)、ステップS951に移行する。
さらに、演出制御用CPU101は、合算保留記憶テーブルにおける最も古いデータを消去するために、合算保留記憶テーブルのデータをシフトする(ステップS951)。また、合算保留記憶数カウンタの値を−1し(ステップS952)、合算保留記憶数カウンタの値を合算保留記憶数保存領域にセットする(ステップS953)。
以上のような制御によって、合算保留記憶表示領域において、第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに赤色の丸印を1増加させ、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに緑色の丸印を1増加させる制御が実現される。また、合算保留記憶数指定コマンドを受信したが第1始動入賞指定コマンドも第2始動入賞指定コマンドも受信しなかった場合には、青色の丸印を1増加させる制御が実現される。そして、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信したときに、合算保留記憶表示領域において表示されている丸印または星印が1つ減る。
なお、図23のステップS219において、合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する処理の代わりに、始動口ポインタが示す方の保留記憶数を示す保留記憶数指定コマンドを送信する処理が実行された場合は、演出制御用CPU101は、保留記憶数指定コマンドの内容(2バイト目のデータ(EXTデータ))にもとづいて第1保留記憶数または第2保留記憶数を認識する。そして、演出制御用CPU101は、現在の第2始動入賞カウンタまたは第1始動入賞カウンタの値(例えば保留記憶数指定コマンドで第1保留記憶数が指定されているときは第2始動入賞カウンタの値)を確認する。そして、演出制御用CPU101は、それらの値を足し合わせることによって、合算保留記憶数を認識する。それ以外の処理については、図128〜図130に示した処理と同じ処理で実行可能である。
また、図23のステップS218にて始動入賞指定コマンドのみ送信するようにし、ステップS219では合算保留記憶数指定コマンドを送信しないように構成されている場合には、演出制御用CPU101は、始動入賞指定コマンドの内容にもとづいて第1始動入賞が発生したか第2始動入賞が発生したかを認識し、第1始動入賞が発生したと認識したときは、合算保留記憶数カウンタの値を+1するとともに、第1始動入賞カウンタの値を+1する。また、第2始動入賞が発生したと認識したときは、合算保留記憶数カウンタの値を+1するとともに、第2始動入賞カウンタの値を+1する。このような構成によれば、コマンド数を削減することができるとともに、CPU56および演出制御用CPU101の処理負担を軽減することが可能となる。
図131〜図134は、合算保留記憶テーブルに設定されるデータの例および合算保留記憶表示領域の表示例を示す説明図である。
図131(A)は、ステップS913の処理が実行される場合の例を示す。すなわち、第1始動入賞記憶にもとづく保留記憶が増えた場合の例を示す。図131(B)は、ステップS933の処理が実行される場合の例を示す。すなわち、第1始動入賞記憶にもとづくのか第2始動入賞記憶にもとづくのか不明であるが保留記憶が増えた場合の例を示す。図131(C)は、ステップS913,S916の処理が実行される場合の例を示す。すなわち、第1始動入賞記憶にもとづく保留記憶が増え、かつ、第1始動入賞カウンタの値が「4」になった場合の例を示す。
図132(D)は、ステップS951の処理が実行される場合の例を示す。すなわち、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信したとともに、第1図柄変動指定コマンドを受信した(すなわち、第2保留記憶数減算フラグがセットされていない)ことにもとづいて、合算保留記憶テーブルにおける最も古いデータ(図132(D)に示す例では第1保留記憶数に対応したデータ)を消去するために合算保留記憶テーブルのデータがシフトされる場合の例を示す。図132(E)は、ステップS942Eの処理が実行される場合の例を示す。すなわち、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信したとともに、第2図柄変動指定コマンドを受信して第2保留記憶数減算フラグをセットしたことにもとづいて、合算保留記憶テーブルにおける最も古い第2保留記憶数に対応したデータを消去するために合算保留記憶テーブルのデータがシフトされる場合の例を示す。
図133(F)は、ステップS904,S906の処理が実行される場合の例を示す。すなわち、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信したことにもとづいて、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じた数の星印が合算保留記憶表示領域に表示され、合算保留記憶テーブルにおいて合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じた個数分のデータが「不明」を示すデータに設定される場合の例を示す。なお、第1保留記憶と第2保留記憶とを同じ態様(例えば、同じ形および同じ色)で表示する場合(例えば、赤色の丸印で表示する場合)には、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信したことにもとづいて、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じた数を第1保留記憶および第2保留記憶と同じ態様(例えば赤色の丸印)で合算保留記憶表示領域に表示することが可能である。この場合、合算保留記憶テーブルにおいて合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じた個数分のデータとして「不明」を示すデータを設定する必要はない。
図133(G)は、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信した後、合算保留記憶数指定コマンドを受信した場合の例を示す。図133(G)に示す例は、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信した後、第2始動入賞指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信してステップS923,S925の処理が実行された場合の例である。
停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに、合算保留記憶テーブルには、図133(G)の左側に示すようなデータが設定され、合算保留記憶表示領域には、図133(G)の左側に示すような表示がなされるが、その後、第2始動入賞指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに、合算保留記憶表示領域において、正規の第2始動入賞についての表示(NO5の表示)がなされる。
図134(H)は、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信した後、合算保留記憶数指定コマンドを受信した場合の例を示す。図134(H)に示す例は、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信した後、第1始動入賞指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信してステップS911,S913の処理が実行された場合の例である。
停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに、合算保留記憶テーブルには、図134(H)の左側に示すようなデータが設定され、合算保留記憶表示領域には、図134(H)の左側に示すような表示がなされるが、その後、第1始動入賞指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに、合算保留記憶表示領域において、正規の第1始動入賞についての表示(NO5の表示)がなされる。
図134(I)は、図134(I)の左側に示す状態(図134(I)の右側に示す状態と同じ。)において、第2始動入賞指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信した場合の例を示す。その場合、図134(I)の右側に示すように、正規の第2始動入賞についての表示(NO6の表示)がなされる。
以上のように、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドが送信された後では、第1保留記憶数および第2保留記憶数を特定可能な表示を正常に行うことができる。なお、第1始動入賞に対応するものか第2始動入賞に対応するものか不明である表示(星印)を、いずれの始動入賞に対応するものか判明した時点で、正規の表示(赤丸または緑丸)に変更してもよい。例えば、図柄変動指定コマンド(特別図柄特定コマンド)の受信に応じて変更するようにしてもよい。
次に、演出表示装置9の表示領域における演出図柄の可変表示を中心とした、各種の演出画像を表示することによる演出動作の具体例について説明する。演出制御基板80では、主基板31から伝送された第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドを受信したことに対応して、変動パターン指定コマンドにて指定された変動パターンなどにもとづき、演出制御用CPU101が所定の表示制御指令をVDP(表示制御部)に供給することなどにより、演出表示装置9の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにて、演出図柄の変動を開始させる。
以下ではまず、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合における具体例について説明する。図135は、演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合のうち、特定演出が実行されない場合や、「擬似連」の特定演出が実行される場合、「滑り」の特定演出が実行される場合、「発展チャンス目終了」の特定演出が実行される場合の表示動作例を示している。例えば、変動パターン指定コマンドにより非リーチPA1−1の変動パターンが指定されたときには、図135(C1)および(C2)に示すような特定演出が実行されない場合となり、非リーチPA1−4の変動パターンが指定されたときには図135(E1)〜(E4)に示すような「滑り」の特定演出が実行される場合となり、非リーチPA1−5の変動パターンが指定されたときには図135(D1)〜(D6)に示すような「擬似連」の特定演出が実行される場合となり、非リーチPA1−7の変動パターンが指定されたときには図135(F1)〜(F6)に示すような「発展チャンス目終了」の特定演出が実行される場合となる。図111(A)では、例えば特図ゲームにおける特別図柄の変動開始などに対応して、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアの全部にて演出図柄の変動が開始される。その後、例えば図135(B)に示すように、「左」の演出図柄表示エリアにて「6」の数字を示す演出図柄が停止表示(仮停止表示)される。
特定演出が実行されない場合や「滑り」の特定演出が実行される場合には、図110に示すステップS505にて図77(A)に示す最終停止図柄決定テーブル160Aを参照することにより、左最終停止図柄FZ1−1として「6」の数字を示す演出図柄が決定されたことに対応して、図135(B)に示すような演出図柄の停止表示が行われることになる。なお、演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に「滑り」の特定演出が実行される非リーチPA1−4の変動パターンであれば、図82(A)に示すように、特定演出パターンが常に滑りTP1−1のみに決定され、「右」の演出図柄表示エリアにて演出図柄を高速に再変動させる「滑り」の特定演出が実行されることから、「左」の演出図柄表示エリアに停止表示する演出図柄は、「滑り」の特定演出によっては変更されない。また、「発展チャンス目終了」の特定演出が実行される場合には、図77(D)に示す最終停止図柄決定テーブル160Dを参照することにより、発展チャンス目HC6を構成する演出図柄の組合せが左中右最終停止図柄FZ1−4、FZ1−5、FZ1−6として決定されたことに対応して、図111(B)に示すような演出図柄の停止表示が行われることになる。「擬似連」の特定演出が実行される場合には、左最終停止図柄FZ1−1として「6」の数字を示す演出図柄が決定され、その左最終停止図柄FZ1−1にもとづき図87(A)に示す仮停止図柄決定テーブル167Aを参照することにより、擬似連チャンス目GC6を構成する演出図柄の組合せが左中右仮停止図柄KZ2−1、KZ2−2、KZ2−3として決定されたことに対応して、図135(B)に示すような演出図柄の停止表示が行われることになる。
その後、特定演出が実行されない場合には、一例として、図135(C1)に示すように「右」の演出図柄表示エリアにて「7」の数字を示す演出図柄を停止表示(仮停止表示)してから、図135(C2)に示すように「中」の演出図柄表示エリアにて「4」の数字を示す演出図柄を停止表示(仮停止表示)した後、非リーチ組合せとなる確定演出図柄が停止表示(最終停止表示)される。このとき「右」の演出図柄表示エリアや「中」の演出図柄表示エリアにて停止表示される確定演出図柄は、図110に示すステップS505にて図77(B)に示す最終停止図柄決定テーブル160Bを参照することや、図78に示す左右出目判定テーブル161とともに図77(C)に示す最終停止図柄決定テーブル160Cを参照することにより、右最終停止図柄FZ1−2や中最終停止図柄FZ1−3として決定される。
これに対して、「擬似連」の特定演出が実行される場合には、一例として、図135(D1)に示すように「右」の演出図柄表示エリアにて「7」の数字を示す演出図柄を停止表示(仮停止表示)してから、図135(D2)に示すように「中」の演出図柄表示エリアにて「6」の数字を示す演出図柄を停止表示(仮停止表示)することにより、擬似連チャンス目GC6となる演出図柄が停止表示される。このときには、例えば演出図柄の揺れ変動表示といった仮停止表示を行ってから、図135(D3)に示すように全部の演出図柄表示エリアにて演出図柄を再び変動させればよい。その後、例えば図135(D4)〜(D6)に示すように、「左」→「右」→「中」といった所定順序で、「6」、「7」、「4」の数字を示す演出図柄を順次に停止表示(仮停止表示)した後、非リーチ組合せとなる確定演出図柄が停止表示(最終停止表示)される。
「滑り」の特定演出が実行される場合には、一例として、図135(E1)に示すように「右」の演出図柄表示エリアにて「5」の数字を示す演出図柄を停止表示(仮停止表示)してから、図135(E2)に示すように「右」の演出図柄表示エリアにて演出図柄を高速に再変動させる。その後、図135(E3)に示すように「右」の演出図柄表示エリアにて「7」の数字を示す演出図柄となるように、停止表示させる演出図柄を変更させる。ここで、図135(E1)に示すように「右」の演出図柄表示エリアにて仮停止表示される演出図柄は、例えば右最終停止図柄FZ1−2にもとづき、図86(A)に示す仮停止図柄決定テーブル166Aを参照することにより、決定される。その後、例えば図135(E4)に示すように、「中」の演出図柄表示エリアにて「4」の数字を示す演出図柄を停止表示(仮停止表示)した後、非リーチ組合せとなる確定演出図柄が停止表示(最終停止表示)される。
「発展チャンス目終了」の特定演出が実行される場合には、一例として、図135(F1)に示すように「右」の演出図柄表示エリアにて「7」の数字を示す演出図柄を停止表示(仮停止表示)してから、図135(F2)に示すように「中」の演出図柄表示エリアにも「7」の数字を示す演出図柄を停止表示(仮停止表示)する。これにより、発展チャンス目HC6を構成する演出図柄が仮停止表示される。このときには、例えば図135(F3)に示すように、仮停止表示された演出図柄が一定方向に回転するような演出表示が行われ、続いて図135(F4)に示すように、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となる発展が生じることを遊技者に期待させるような演出表示が行われる。ここで、図135(F4)に示すような演出表示から仮停止表示されている演出図柄が反転する方向に回転すれば、リーチ状態となる発展が生じることになる。この例では、リーチ状態となる発展が生じることなく、例えば図135(F5)にしめすように、回転状態にあった仮停止表示された演出図柄が元に戻るような演出表示が行われてから、発展チャンス目HC6を構成する確定演出図柄が停止表示(最終停止表示)される。
図136は、演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合のうち、「メイン予告」の特定演出が実行される場合の表示動作例を示している。例えば、変動パターン指定コマンドにより非リーチPA1−6の変動パターンが指定されたときには図136に示すような「メイン予告」の特定演出が実行される場合となる。図136(A)では、例えば特図ゲームにおける特別図柄の変動開始などに対応して、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアの全部にて演出図柄の変動が開始される。その後、例えば図136(B)に示すように、「左」の演出図柄表示エリアにて「3」の数字を示す演出図柄が停止表示(仮停止表示)され、「右」の演出図柄表示エリアにて「2」の数字を示す演出図柄が停止表示(仮停止表示)されるとともに、「中」の演出図柄表示エリアに相当する表示位置に、キャラクタ画像CH1が表示される。なお、キャラクタ画像CH1は、後に演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった場合に実行されるリーチ演出にて、演出画像として出現するものであればよい。
続いて、例えば図136(C)に示すように、「左」および「右」の演出図柄表示エリアにて仮停止表示された演出図柄を更新させるような演出表示が行われてから、例えば図136(D)に示すように、キャラクタ画像CH1の変化に伴って、「左」の演出図柄表示エリアでは「4」の数字を示す演出図柄への更新表示が、「右」の演出図柄表示エリアでは「3」の数字を示す演出図柄への更新表示が、それぞれ行われる。また、例えば図136(E)に示すように、「左」および「右」の演出図柄表示エリアにて更新表示された演出図柄をさらに更新させるような演出表示が行われてから、例えば図136(F)に示すように、キャラクタ画像CH1の変化に伴って、「左」の演出図柄表示エリアでは「2」の数字を示す演出図柄への更新表示が、「右」の演出図柄表示エリアでは「1」の数字を示す演出図柄への更新表示が、それぞれ行われる。そして、例えば図112(G)に示すように、キャラクタ画像CH1の変化に伴って、「左」および「右」の演出図柄表示エリアにて仮停止表示された演出図柄を更新させるような演出表示が行われてから、例えば図136(H)〜(K)に示すように、「左」の演出図柄表示エリアでは「2」の数字を示す演出図柄が仮停止表示される一方で、「右」の演出図柄表示エリアでは「1」〜「3」の数字を示す演出図柄が所定順序で更新表示される。その後、「右」の演出図柄表示エリアでは、例えば図136(L)に示すように演出図柄を更新させるような演出表示が行われてから、図136(M)に示すように「3」の数字を示す演出図柄が仮停止表示される。こうして「メイン予告」の特定演出が終了すると、例えば図136(N)に示すように、キャラクタ画像CH1が消去されてから、非リーチ組合せとなる確定演出図柄が停止表示(最終停止表示)される。
図137は、演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合のうち、「メイン予告」の特定演出が実行される場合の表示動作例を示している。例えば、変動パターン指定コマンドによりスーパーPA3−3、スーパーPA3−7、スーパーPB3−3、スーパーPA4−3、スーパーPA4−7、スーパーPA5−3、スーパーPB4−3、スーパーPB5−3の変動パターンのいずれかが指定されたときなどには図137に示すような「メイン予告」の特定演出が実行される場合となる。図137に示す表示動作例では、図137(A)〜(L)の部分において、図136(A)〜(L)と同様の演出表示が行われる。その後、「右」の演出図柄表示エリアでは、例えば図137(M)に示すように「2」の数字を示す演出図柄が仮停止表示されることにより、「左」の演出図柄表示エリアにて仮停止表示されている演出図柄と揃って、可変表示状態がリーチ状態となる。こうして「メイン予告」の特定演出が終了すると、例えば図137(N)に示すように、キャラクタ画像CH1が消去されてから、可変表示状態がリーチ状態となったことに対応したリーチ演出などが開始され、その後にリーチ組合せとなる確定演出図柄や、大当り組合せとなる確定演出図柄などが、停止表示(最終停止表示)される。
図138〜図140は、可変表示結果が「大当り」であり大当り種別が「突確」以外である場合の表示動作例を示している。図138(A)では、例えば特図ゲームにおける特別図柄の変動開始などに対応して、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアの全部にて演出図柄の変動が開始される。その後、例えば図114(B)に示すように、「左」の演出図柄表示エリアにて「6」の数字を示す演出図柄が停止表示(仮停止表示)される。
そして、例えば変動パターンがスーパーPA4−2であるときなどのように、「滑り」の特定演出が実行される場合には、一例として、図138(C1)〜(C3)に示すように、「左」および「右」の演出図柄表示エリア、にて演出図柄を仮停止表示させた後、「右」の演出図柄表示エリアにて演出図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となるように、停止表示する演出図柄を変更させる演出表示が行われる。また、例えば変動パターンがスーパーPA4−4であるときなどのように、「擬似連」の特定演出が実行される場合には、一例として、図138(D1)〜(D5)に示すように、全部の演出図柄表示エリアにて演出図柄を仮停止表示させた後、全部の演出図柄表示エリアにて演出図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示が行われる。その後、「左」および「右」の演出図柄表示エリア、にて「6」の数字を示す演出図柄が揃って停止表示(仮停止表示)されることにより、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となる。さらに、例えば変動パターンがスーパーPC4−1であるときなどのように、「発展チャンス目」の特定演出が実行される場合には、一例として、図138(E1)〜(E6)に示すように、全部の演出図柄表示エリアにて、発展チャンス目HC6となる演出図柄の組合せを停止表示(仮停止表示)した後、仮停止表示されている演出図柄が反転する方向に回転するような演出表示が行われた後に、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となる。
図138(C3)や図138(D5)に示すようにしてリーチ状態となった後には、例えば図139(A)に示すように、「中」の演出図柄表示エリアにおける演出図柄の変動速度が低下する。そして、例えば変動パターンがノーマルPA2−5〜ノーマルPA2−8のいずれかであるときなどには、図139(B)に示すように「中」の演出図柄表示エリアにて「6」を示す数字が「左」および「右」の演出図柄表示エリア、と揃って停止表示(仮停止表示)される「ノーマル」のリーチ演出が行われる。なお、図139(B)に示す例では、可変表示結果が「大当り」である場合に対応して、大当り組合せを構成する演出図柄が停止表示されているが、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、例えば図115(H)に示すように「5」を示す数字が「中」の演出図柄表示エリアにて停止表示されることを示す演出画像を表示させてから「中」の演出図柄表示エリアにて「5」を示す数字の演出図柄を停止表示させるといった、「中」の演出図柄表示エリアにて「6」を示す数字以外の演出図柄を停止表示させることなどにより、リーチハズレ組合せを構成する確定演出図柄を停止表示させ、演出図柄の可変表示を終了すればよい。リーチ演出α1〜リーチ演出α3やリーチ演出β1〜リーチ演出β3のいずれかが実行される場合には、例えば図139(C)に示すように、低下していた「中」の演出図柄表示エリアにおける演出図柄の変動速度が再び上昇し、各種のリーチ演出表示が開始される。例えば、リーチ演出β1では、図139(D)に示すようなキャラクタ画像CH2が表示された後、対応するリーチ演出表示が進行する。また、リーチ演出α1〜リーチ演出α3のいずれかである場合には、図139(E)に示すようなキャラクタ画像CH1が表示された後、図115(F)に示すようなリーチ演出表示が進行する。そして、リーチ演出α1では、例えば図139(G)に示すように、1段階目の演出表示で停止表示(仮停止表示)される演出図柄が出現する。図139(G)に示す例では、可変表示結果が「大当り」である場合に対応して、大当り組合せを構成する演出図柄が停止表示されているが、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、リーチハズレ組合せを構成する確定演出図柄を停止表示させ、演出図柄の可変表示を終了すればよい。これに対して、リーチ演出α2やリーチ演出α3では、例えば図139(H)および(I)に示すように、2段階目の演出表示に進むことになる。他方、リーチ演出β2やリーチ演出β3では、図139(J)に示すようなキャラクタ画像CH3が表示された後、対応するリーチ演出表示が進行する。
図139(I)に示すようにして2段階目の演出表示が進行すると、リーチ演出α2であれば、例えば図140(A)に示すように、2段階目の演出表示で停止表示(仮停止表示)される演出図柄が出現する。なお、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、例えば図140(B)に示すように、表示されている演出図柄が変更されず、リーチハズレ組合せを構成する確定演出図柄を停止表示させ、演出図柄の可変表示を終了させればよい。これに対して、リーチ演出α3では、例えば図140(B)〜(D)に示すように、3段階目の演出表示(「救済演出」ともいう)に進むことになる。そして、3段階目の演出表示で停止表示(仮停止表示)される演出図柄が出現する。ここで、例えば図115に示すステップS574にて変動中昇格演出を実行しないことに決定された場合には、図140(E)に示すように、仮停止表示された演出図柄がそのまま最終停止図柄となる確定演出図柄として停止表示(最終停止表示)される。これに対して、変動中昇格演出を実行することに決定された場合には、図140(F)に示すようにして通常大当り組合せとなる演出図柄を仮停止表示した後に、図140(G)に示すように「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアにて同一の演出図柄が揃った状態で再び変動させる。そして、大当り種別が「第1確変」であることに対応して変動中昇格演出が実行される場合には、例えば図140(H)に示すように、仮停止表示させた演出図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定演出図柄を停止表示する変動中昇格成功演出が行われる。なお、変動中昇格失敗演出が実行される場合には、図140(G)に示すような演出図柄の再変動を行った後、例えば図140(F)と同様に、通常大当り組合せとなる確定演出図柄を停止表示させればよい。
図141は、「メール表示」の予告演出が実行される場合の表示動作例を示している。この表示動作例では、まず、例えば特図ゲームにおける特別図柄の変動開始などに対応して、図141(A)に示すように「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアにて停止表示されていた演出図柄が、図141(B)に示すように「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアの全部にて変動を開始する。その後、例えば図116に示すステップS596にて決定された予告YP3−2の予告パターンに対応して図110に示すステップS517にて決定された予告CYP3−2−1の予告演出制御パターンから読み出した演出表示制御データなどに従い、例えば図141(C)に示すように、遊技者に操作ボタン(図示せず)の操作を促す演出画像YH1を表示させる。そして、遊技者が所定期間内に操作ボタンを操作し、それに応じて操作ボタンから演出制御基板80へと伝送される操作検出信号がオン状態となった場合には、例えば演出制御用CPU101が予告CYP3−2−1の予告演出制御パターンを予告CYP3−2−2に切り替えることなどにより、図141(D)に示すようなメールメッセージを示す演出画像YH2を表示させることで、予告演出における演出動作を変化させる。これに対して、所定期間内に操作ボタンの操作がなされなかった場合には、予告演出制御パターンが切り替えられずに、例えば図141(E)に示すように演出画像YH1が消去されて、予告演出が終了する。その後、例えば図141(F)に示すように「左」の演出図柄表示エリアにて演出図柄を仮停止表示するなど、演出図柄の可変表示が進行していく。
図142は、可変表示結果が「大当り」であり大当り種別が「突確」である場合の表示動作例を示している。図142(A)では、例えば特図ゲームにおける特別図柄の変動開始などに対応して、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアの全部にて演出図柄の変動が開始される。その後、例えば図142(B)〜(D)に示すように、「左」→「右」→「中」といった所定順序で、「1」、「5」、「3」の数字を示す演出図柄を順次に停止表示(仮停止表示)した後、突確チャンス目TC1となる確定演出図柄が停止表示(最終停止表示)される。このときには、2ラウンド大当り状態における大当り中演出として、例えば図142(E)に示すようにLIVEモードといった特別な演出モードに移行することを報知する演出画像を表示させる。そして、2ラウンド大当り状態が終了することに応じたエンディング演出として、例えば図142(F)に示すような演出画像を表示させ、LIVEモードであることを認識可能とする表示については、例えば図118(G)に示すように、次の演出図柄の変動が開始された後にも、表示させたままにしておく。LIVEモードのときにも、報知演出を実行するように構成することによって確変状態に対する期待を遊技者に抱かせることができる。
この実施の形態によれば、大当り遊技状態および小当り遊技状態でない状態で、大入賞口が開放された場合に、異常報知を行うように構成されているので、不正行為を未然に報知して、不正行為の発見を早期化し、不正に対する報知の効果を向上させることができる。また、不正行為者に利益を与える前に不正行為の発生を報知するので、不正行為に対する抑止効果を生ずる。
さらに、この実施の形態によれば、大当り遊技状態または小当り遊技状態である状態で、大入賞口が開放されていない場合に(ステップS255A,S255D,S255E参照)、異常報知を行うように構成されているので、大当り遊技中および小当り遊技中に何らかの異常で大入賞口が開放していないことを検出したときには異常が報知され、遊技者の不利益を低減することができる。
この実施の形態によれば、第1保留記憶と第2保留記憶が存在する場合に、第1特別図柄の変動よりも第2特別図柄の変動を優先して実行するように構成されているので、始動入賞が発生しやすい第2始動入賞にもとづく第2特別図柄の変動を優先して実行させることができ、保留記憶を効率的に消化することができる。
この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、第1始動入賞口13への入賞にもとづく第1特別図柄の変動開始から停止図柄の停止までの処理と第2始動入賞口14への入賞にもとづく第2特別図柄の変動開始から停止図柄を停止するまでの処理とを共通の処理ルーチン(特別図柄プロセス処理におけるステップS300〜S304)で実行するとともに、共通の処理ルーチンにおいて、第1特別図柄の変動が開始されるときと第2特別図柄の変動が開始されるときとで異なる領域に記憶されたデータ(例えば、第1特別図柄用のデータと第2特別図柄用のデータとしてROM54における異なる領域に記憶されたコマンド(例えば図柄変動指定コマンド、始動入賞指定コマンド)、変動パターンテーブルなど)にもとづく処理を実行するときに、いずれの特別図柄の変動が開始されたのかを特定し(ステップS52)、特定した図柄の変動に対応するデータにもとづく処理を共通のプログラムに従って実行する。このため、第1特別図柄の変動が開始されたときと第2特別図柄の変動が開始されたときとで同じ処理を実行する命令(例えばサブルーチン等)を重複してプログラムする必要がなくなり、遊技制御に必要なプログラム容量を最小限まで圧縮することができる。
さらに、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞指定コマンドを受信できなかったとしても、合算保留記憶数指定コマンドさえ受信すれば、合算保留記憶表示領域に、合算保留記憶数を特定可能に表示する。そのため、第1保留記憶数に対応する表示であるか第2保留記憶数に対応する表示であるかまでは特定できなくても、遊技者が少なくとも合計の保留記憶数を特定することができる。従って、保留記憶数について最低限の表示をすることができ、遊技者に不信感を与えるのを防止することができるとともに、円滑な遊技を継続して行うことができる。
また、この実施の形態によれば、制御状態の復帰時に、遊技制御用マイクロコンピュータ560が停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100が、合算保留記憶表示領域に、合算保留記憶数を特定可能に表示する。そのため、制御状態が復帰したときに合算保留記憶数を遊技者に認識可能に表示することができ、遊技者に不信感を与えるのを防止することができる。
また、合算保留記憶表示領域において、演出制御用マイクロコンピュータ100が、第1保留記憶と第2保留記憶とを同じ態様(例えば同じ形および同じ色)で表示させるとともに、始動入賞指定コマンドを受信せずに合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに、第1保留記憶および第1保留記憶に対応する態様で、合算保留記憶数を特定可能に表示するように構成した場合でも、確実に遊技者に合算保留記憶数を認識させることができ、不信感を与えることもない。さらに表示態様も変化しないので、遊技者に違和感を与えることもない。
また、合算保留記憶表示領域において、演出制御用マイクロコンピュータ100が、第1保留記憶と第2保留記憶とを異なる態様(例えば異なる形、異なる色など)で表示させるとともに(例えば、第1保留記憶に対応する丸印を赤色で表示させ、第2保留記憶に対応する丸印を緑色で表示させるとともに)、始動入賞指定コマンドを受信せずに合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに、第1保留記憶に対応する態様、第2保留記憶に対応する態様、または第1保留記憶および第2保留記憶のいずれにも対応しない特別の態様で、合算保留記憶数を特定可能に表示するように構成した場合でも、確実に遊技者に合算保留記憶数を認識させることができるため、不信感を与えることはない。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞が生じたときに、ソフトウェア乱数およびランダムR(大当り判定用乱数)を抽出し、第1始動入賞口13への入賞が生じたときはソフトウェア乱数およびランダムRを第1記憶領域(図25に示す第1保留記憶数バッファ)に格納し、第2始動入賞口14への入賞が生じたときはソフトウェア乱数およびランダムRを第2記憶領域(図25に示す第2保留記憶数バッファ)に格納する。このような構成によれば、作業領域(第1保留記憶数バッファ、第2保留記憶数バッファ)の構成の変更をほとんど要さず、プログラム作成時の作業の簡易化を図ることができる。1つの特別図柄を可変表示させる制御を実行させるプログラムの作業領域の後ろの方に第2特別図柄用の乱数格納バッファ(第2保留記憶数バッファ)や入賞順序の記憶領域(図25(A)に示す保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域))を設けるだけで実現可能であるためである。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞が生じたときに、ソフトウェア乱数およびランダムR(大当り判定用乱数)を抽出し、いずれの始動入賞口への入賞が生じたかを示すデータ(始動口ポインタに設定されたデータ、つまり保留記憶特定情報)とともにソフトウェア乱数およびランダムRを、いずれの始動入賞口への入賞が生じたときにおいても共通の記憶領域(図26に示す共通保留記憶数バッファ)に格納する処理を実行するように構成されている。そのため、いずれの始動入賞口への入賞が生じたかによって異なる記憶領域を指定して乱数を格納させる必要がなくなり、より一層、処理ルーチンの共通化を図ることができ、プログラム容量を削減することができる。
図143は、本実施の形態の変形例のパチンコ遊技機1Bを正面からみた正面図である。
図143に示すように、パチンコ遊技機1Bは、額縁状に形成されたガラス扉枠2Bを有する。ガラス扉枠2Bの背面には、遊技盤6Bが着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6Bは、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6Bの前面には誘導レールで区画され、可変入賞球装置20Bが設置されている遊技領域7Bが形成されている。
可変入賞球装置20Bの下方には、複数の始動入賞口38B,39B,40Bが設けられ、遊技球の始動入賞口38B,39B,40Bへの入賞は、それぞれ始動口スイッチによって検出される。遊技球がいずれかの始動入賞口スイッチで検出されると、可変入賞球装置20Bが所定期間開放する始動動作が実行される。なお、始動入賞口38B,39B,40Bは、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する入賞領域も構成し、可変入賞球装置20B(大入賞口)の内部にも入賞領域が設けられている。入賞領域に遊技球が入賞すると、所定個の遊技球が景品(賞球)として遊技者に払い出される。なお、大入賞口の内部に設けられた入賞領域には、大入賞口が開放状態になったときに、遊技球が進入可能になる。
このように構成されたパチンコ遊技機1Bに対して、大入賞口を開放状態にして、遊技球を大入賞口の内部に設けられた入賞領域に進入させる不正行為が行われることが考えられる。
しかし、この実施の形態では、大入賞口の開放を検出する開放検出センサ120を備え、遊技状態に応じて、大入賞口が開放されたことにもとづいて異常報知を行うように構成されているので(図64および図65に示す異常入賞報知処理参照)、遊技球の異常入賞を未然に防ぎ、不正行為を防止することができる。なお、大当り遊技中に開放される大入賞口を遊技領域の下部に設け、当該大入賞口に開放検出センサを設置してもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560には、ハードウェア乱数を発生する乱数回路が接続されていてもよい。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数値を抽出するための条件が成立すると、乱数回路から乱数値を読み出す。乱数回路は、所定周波数のクロック信号を計数するカウンタであり、カウンタのカウント値が乱数値になる。乱数回路に供給されている所定周波数のクロック信号は、監視回路(ウォッチドッグタイマ(WDT))のクリア端子に入力されている。監視回路は、クリア端子に入力されるクロック信号の周波数よりも高い周波数のクロック信号を計数するカウンタであるが、クリア端子に入力されるクロック信号が例えばハイレベルになるとカウント値がリセットされる。よって、クリア端子に入力されるクロック信号が何らかの理由で停止した場合には、監視回路はカウントアップする。監視回路がカウントアップしたということは、乱数回路にクロック信号が供給されていないことを示す。監視回路は、カウントアップすると、乱数回路が正常に動作していないことを示す乱数エラー信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に出力する。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機への電力供給開始時に、乱数回路が正常に動作していないことを示す乱数エラー信号が入力されているか否かを確認する処理を実行してもよい。そして、遊技機への電力供給開始時に、乱数回路が正常に動作していないことを示す乱数エラー信号が入力されている場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路が正常に動作していないことを示す入力ポートデータ指定コマンドを演出制御基板80に送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技枠側の全ランプ(皿ランプおよび賞球ランプを除く)を点灯させるとともに、所定のエラー音(例えばビープ音)を出力させる制御を行う。また、演出表示装置9に「エラー」と表示させる制御を行う。この場合、演出表示装置9において遊技演出による表示(例えば、飾り図柄の可変表示)が行われている場合には、演出表示装置9に「エラー」という文字列を重畳表示させる。なお、乱数エラー報知は、遊技機の電源投入の際に乱数エラーを検出してから電源がオフされるまで実行される。
また、パチンコ遊技機1には、前面枠に対してガラス扉枠2または機構板が開放されたことを検出するためのドア開放スイッチ(1)が取り付けられていてもよいし、機構板の右側方には、外枠に対して遊技枠自体が開放されたことを検出するためのドア開放スイッチ(2)が取り付けられていてもよい。そして、ガラス扉枠2または機構板の少なくとも一方が前面枠に対して開放されると、ドア開放スイッチ(1)は、ドア開放状態を検出してドア開放1信号を出力する。また、遊技枠が外枠に対して開放されると、ドア開放スイッチ(2)は、遊技枠の開放状態を検出してドア開放2信号を出力する。そして、ドア開放スイッチ(1)からのドア開放1信号およびドア開放スイッチ(2)からのドア開放2信号の信号線が、主基板31のバックアップ電源回路506を経由して情報端子盤34に物理的に接続されているように構成されている場合には、遊技機への電力供給が停止された場合であっても、ドア開放スイッチ(1)からのドア開放1信号およびドア開放スイッチ(2)1からのドア開放2信号が情報端子盤34に供給される。また、バックアップ電源回路506が搭載するバックアップ電源505からの電力が情報端子盤34に供給されるので、遊技機への電力供給が停止された場合であっても、情報端子盤34は、バックアップ電源回路506を経由してドア開放1信号およびドア開放2信号を外部装置(例えば、ホールコンピュータ)に出力することができる。したがって、ガラス扉枠2、機構板または遊技枠を開放して行われる不正行為を有効に防止することができる。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートに入力された大入賞口開信号や、カウントスイッチ23の検出信号にもとづく異常入賞報知指定コマンドや、異常開放報知指定コマンドが、演出制御基板80に送信されて、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100が演出表示装置9等を制御して異常報知を実行するように構成されているが、大入賞口開信号や、カウントスイッチ23の検出信号が、演出制御基板80に直接入力され、演出制御用マイクロコンピュータ100が演出表示装置9等を制御して異常報知を実行するように構成されていてもよい。そして、演出制御基板80と外部装置とが信号線で接続され、演出制御基板80が、入力された信号を示す情報を当該信号線を介して当該外部装置に送信するように構成されていてもよい。
また、開放検出センサ120は、大入賞口開信号を、演出制御基板80に直接入力するように構成されていてもよい。そのような構成において、異常開放が発生したことを主基板31が外部装置に通知するために、開放検出センサ120は、大入賞口開信号を演出制御基板80と主基板31とに入力してもよい。なお、異常開放が発生したことを外部装置に通知しない場合には、開放検出センサ120は、大入賞口開信号を主基板31に入力しなくてもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、異常開放が発生したことを、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27を直接制御して報知するように構成されていてもよい。
実施の形態2.
本発明の第2の実施の形態について説明する。図144は、図1に示すパチンコ遊技機1を示す背面図である。なお、以下の説明において、図1の手前側をパチンコ遊技機の前面(表面)側、奥側を背面(裏面)側として説明する。パチンコ遊技機の前面(表面)とは、遊技者側からパチンコ遊技機1を見たときに遊技者と対向する面である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠100(図144参照)と、外枠100に開閉可能に取り付けられた前面枠101(図144参照)と、で主に構成されている。前面枠101の前面には、ガラス扉枠102および上皿扉枠103がそれぞれ一側を中心に開閉可能に設けられているとともに、下皿枠104が取り付けられている。また、前面枠101の背面側には、機構部品等が取り付けられる機構板105(図144参照)が一側を中心にして開閉可能に取り付けられている。
さらに、図144に示すように、パチンコ遊技機1裏面側では、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ110が搭載された演出制御基板80を含む変動表示制御ユニット49、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、音声出力基板70、LEDドライバ基板(図示せず)、および球払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている。なお、遊技制御基板31は基板収納ケース200に収納されている。
さらに、パチンコ遊技機1裏面側には、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板910やタッチセンサ基板91Aが設けられている。電源基板910には、パチンコ遊技機1における遊技制御基板31および各電気部品制御基板(演出制御基板80および払出制御基板37)やパチンコ遊技機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチが設けられている。さらに、電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
なお、電気部品制御基板には、電気部品制御用マイクロコンピュータを含む電気部品制御手段が搭載されている。電気部品制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)に従ってパチンコ遊技機1に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、演出表示装置9、LEDなどの発光体、スピーカ27等)を制御する。以下、遊技制御基板31を電気部品制御基板に含めて説明を行うことがある。その場合には、電気部品制御基板に搭載される電気部品制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号に従ってパチンコ遊技機1に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、遊技制御基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。
パチンコ遊技機1裏面において、上方には、各種情報をパチンコ遊技機1の外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板159が設置されている。ターミナル基板159には、少なくとも、球切れ検出スイッチ167の出力を導入して外部出力するための球切れ用端子、賞球情報(賞球個数信号)を外部出力するための賞球用端子および球貸し情報(球貸し個数信号)を外部出力するための球貸し用端子が設けられている。また、中央付近には、遊技制御基板31からの各種情報をパチンコ遊技機1外部に出力するための各端子を備えた情報端子板(盤用外部端子板)36が設置されている。
貯留タンク38に貯留された遊技球は誘導レール(図示せず)を通り、カーブ樋を経て払出ケース40Aで覆われた球払出装置97に至る。球払出装置97の上方には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチ187が設けられている。球切れスイッチ187が球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止する。球切れスイッチ187は遊技球通路内の遊技球の有無を検出するスイッチであるが、貯留タンク38内の補給球の不足を検出する球切れ検出スイッチ167も誘導レールにおける上流部分(貯留タンク38に近接する部分)に設けられている。球切れ検出スイッチ167が遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構からパチンコ遊技機1に対して遊技球の補給が行われる。
入賞にもとづく景品としての遊技球や球貸し要求にもとづく遊技球が多数払出されて打球供給皿3が満杯になると、遊技球は、余剰球誘導通路を経て余剰球受皿4に導かれる。さらに遊技球が払出されると、感知レバー(図示せず)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチ48を押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチ48がオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。
ここで、各制御基板には、配線束(ハーネス)側コネクタが接続される基板側コネクタが設けられているが、基板側コネクタからハーネス側コネクタを容易に外すことができると、正規部品が接続されたハーネスを抜いて、不正部品が接続されたハーネスが接続されるおそれがある。そこで、以下、主基板31における基板側コネクタからハーネス側コネクタを容易に外すことができないようにして不正行為を防止するとともに、主基板31以外の他の制御基板またはスイッチ等の電気部品の側のコネクタ接続(ハーネス側コネクタと基板側コネクタとの接続)を外して不正基板に接続することによって主基板31に対してハーネスを介して不正基板を接続するような不正行為を防止するための構造を説明する。
まず、主基板31を収納する基板収納ケース200の構造を説明する。図145は、基板収納ケースを示す分解斜視図であり、図146(a)は、図145に示された基板収納ケース200の要部を示す拡大斜視図であり、図146(b)は、図146(a)に示されたケース本体の要部を示す平面図である。図147は、基板収納ケース200および主基板31の組み付け状態を示す分解斜視図である。図148は、ケースカバー202に対する主基板31の取り付け状態を示す斜視図である。図149は、配線側コネクタの接続状況を示す斜視図である。図150は、コネクタ規制部材の取り付け状況を示す斜視図である。図151は、ケース本体201とケースカバー202とを閉鎖した状態を示す縦断面図である。図152は、基板収納ケース200の封止状態を示す斜視図である。図153は、図152に示す基板収納ケース200のA−A断面を示す断面図である。図154は、基板収納ケース200を示す一部破断側面図である。図155(a)は、図154に示す基板収納ケース200のB−B断面を示す断面図である。図155(b)は、図154に示す基板収納ケース200のC−C断面を示す断面図である。
基板収納ケース200は、図145に示すように、主基板31の裏面側を覆うケース本体201と、主基板31の実装面31a(図151参照)側を覆うケースカバー202とを含み、主基板31を挟持するように組み付けられる。なお、主基板31の実装面31aには、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の電子部品や、他の基板から延出された配線の一端に設けられた配線側コネクタ等が接続される基板側コネクタ238a〜238c等が実装されている。なお、この実施の形態では、3つの基板側コネクタ238a〜238cが例示されているが、実装されるコネクタの数は任意であり、実際には3つ以上のコネクタが実装されることがある。
また、基板収納ケース200は、ケースカバー201の外側に装着され、基板側コネクタ238a〜238cに接続される配線側コネクタ(ハーネス側コネクタ)290a〜290cの抜脱を防止するためのコネクタ規制部材500を備えている。なお、主基板31は、ケースカバー202の裏面側に取り付けられた状態で基板収納ケース200の内部に封止状態で収納される。
ケース本体201は、透明な合成樹脂からなり、略長方形状に形成される底板201aと、底板201aの周囲を囲むように形成された側壁203〜206とで、上面が開放する直方体状に成形されている。側壁205、206の内面には、図12に示す封止状態(閉鎖状態)において主基板31の裏面周囲を支持する上下方向を向く支持リブ207が複数形成されている。また、側壁203および閉塞壁216の内面における長手方向の中央位置には、ケースカバー202を位置決めするための上下方向を向く位置決め用リブ270が形成されている。
一方の短辺の側壁203は、図146(a)に示すように、長手方向の略中央に位置する中央側壁203aと、中央側壁203aの左右側方に位置する膨出壁203b,203cと、中央側壁203aと膨出壁203b,203cとを連接する連接壁203dとで、略凹状に形成されている。つまり、膨出壁203b,203cと連接壁203dとで、中央側壁203aの長手方向の左右側に、本体内部側から外側に向けて膨出する略長方形状の膨出部208a,208bが形成されている。
膨出部208a,208bの内部は、ケース本体201の内部に形成される略長方形状の基板収納空間S1(図146(b)において2点鎖線で囲まれる領域)にそれぞれ連通する膨出空間S2,S3が形成されている。つまり、内部が中空状に構成されている。一方の膨出部208aの膨出空間S2内には、複数(この実施の形態では3本)の予備用ワンウェイねじ281を収納するねじ収納部209が設けられている。
ねじ収納部209は、図146(b)に示すように、ケース本体201の底板201aから立設される側壁203よりも若干低い板状部209aと、板状部209aの長手方向に向けて所定間隔おきに形成される複数の筒状部209bとで構成される。各筒状部209bには、予備用ワンウェイねじ281のねじ部の直径よりも若干大径で、かつ、頭部の直径よりも小径の所定深さの挿入孔209cが形成されている。挿入孔209cには、上面開口から予備用ワンウェイねじ281を挿通して収納できる(図155(a)参照)。
板状部209aは、長手方向の両端が、それぞれ側壁206および連接壁203dの内面に連設されている。また、板状部209aは、膨出壁203bに対して平行に、基板収納空間S1と膨出空間S2とを区画するように配設されている。また、膨出壁203b,203cの下部には、ケースカバー202の係止爪251を係止可能な係止穴210がそれぞれ形成されている(図155(a)参照)。
予備用ワンウェイねじ281は、一方向の回転によってねじ止めされる。しかし、他方向に回転させようとしても回転させることができない、すなわち、そのねじを緩めることができない機能を有するねじである(図146参照)。具体的には、外周に雄ねじ部が形成されたねじ部283と、ねじ部283の上端に設けられる頭部284とで構成され、ねじ部283の直径よりも頭部284の直径の方が大径になっている(図155(a)参照)。なお、ワンウェイねじ280も予備用ワンウェイねじ281と同様に構成されている。
中央側壁203aの外側には、ワンウェイねじ280がねじ止めされる複数(この実施の形態では4つ)のねじ穴211a〜211dが形成される第2被固着部212が形成されている。被固着部212は、図146および図154に示すように、中央側壁203aの外側における両連接壁203d,203d間に架設されるとともに、ねじ穴211a〜211dが長手方向に向けて所定間隔おきに形成された固着片212aと、固着片212aの下面における各ねじ穴211a〜211dに対応する箇所から垂下される筒状部212bとで構成され、ねじ穴211a〜211dは、固着片212aから筒状部212bにかけて所定深さに形成されている。
固着片212aは、側壁203に連設されている。固着片212aにおける3辺が、側壁203における中央側壁203aおよび両連接壁203dに接している。また、固着片212aにおける中央側壁203aの反対側の長辺が、膨出壁203b,203dと同じ平面上にくるように形成されている。つまり、両サイドの膨出部208a,208bよりも外側に突出しないように形成されている。よって、誤ってケース本体201を落下した場合でも、第2被固着部212が両サイドの膨出部208a,208bによって保護されて損傷しない。
他方の短寸の側壁204には、図145および図151に示すように、その上端から内向きに連設される内向片204aと、内向片204aの先端から下方に垂れ下がるように形成されている垂下片204bとが連設されている。側壁204、内向片204aおよび垂下片204bの内面によって、ケースカバー202の回動枢支片を係止する下向きに開口する被係止凹部215(図151参照)が長手方向に向けて形成されている。
また、図151に示すように、底板201aにおける被係止凹部215の下方には開口が形成されている。そして、開口端縁部から、側壁204よりも高さが低い閉塞壁216が立ち上がるように設けられ、封止状態においてケースカバー202の側壁下端と底板201aの上面との間が外側から被覆される。
底板201aの下面には、ケース本体201をパチンコ遊技機1に設けられる基板収納ケース取付板(図示略)に取り付ける際に、基板収納ケース取付板に係止可能な複数の取付板用係止爪217と、取り付けの際における位置決め用の位置決め片218とが突出するように設けられている。
ケースカバー202は、透明な合成樹脂で形成され、図145および図146(a)に示すように、略長方形状に形成される上板220と、上板220の周縁辺のうちの3つの縁辺を囲むように形成された側壁230〜232とによって下面が開放する直方体状に形成されている。上板220における2つの長辺のうち一方側は、長手方向に向けて下方に凹設され、上板220の一部に所定幅を有する帯状の凹部234が形成されている。
具体的には、上板220は、図147および図153に示すように、実装面31aとの対向面(裏面)が実装面31にほぼ当接する位置に設けられている低被覆面部220aと、低被覆面部220aよりも実装面31aから離間した位置に設けられる高被覆面部220bと、低被覆面部220aと高被覆面部220bとを連設する傾斜被覆面部220cとで構成され、低被覆面部220aおよび傾斜被覆面部220cによって凹部234が形成されている。
低被覆面部220aは、図147に示すように、平面視略長方形状に形成された主基板31の実装面31aにおける一方の長辺に沿うように形成された帯状のコネクタ実装領域S10(図147において斜線で示される領域)を被覆するとともに、コネクタ実装領域S10に実装された複数の基板側コネクタ238a〜238cの接続口238dおよび本体上部を通してケースカバー202の外部に通過させるためのコネクタ用開口236a〜236cが形成されている。
また、低被覆面部220aの裏面は、主基板31が取り付けられた状態で、図153に示すように主基板31の実装面31aにほぼ当接する。なお、各コネクタ用開口236a〜236cにおいて、開口端縁と各種コネクタ238a〜238cの本体側面との間から針金等の異物や配線等が容易に入れないように、開口端縁と各種コネクタ238a〜238cの本体側面との間は、例えば約1mm以内の隙間となるように形成されている。
高被覆面部220bは、主基板31の実装面31aにおけるコネクタ実装領域S10以外のメイン部品実装領域(図中斜線で示される領域以外の領域)すなわち遊技制御用マイクロコンピュータ560等の電子部品や各種回路等が実装される領域の上方を被覆するために、低被覆面部220aよりも高い位置、つまり低被覆面部220aに比べて実装面31aから離れた位置に配置される。
傾斜被覆面部220cは、高被覆面部220bの一側縁から低被覆面部220aの一側縁に向けて下方に傾斜するように設けられている。高被覆面部220b側の上部には、コネクタ規制部材500に形成された複数の係止爪501が係合される複数の係合穴502が長手方向に向けて所定間隔おきに形成されている。
上板220の裏面四隅には、図148に示すように、主基板31を取り付けるための基板取付ねじ239が取り付けられるねじ穴240aを有する取付用支柱240が一方の対角線上に2つ突出するように設けられている。また、取り付けの際の位置決め用の位置決め用凸部241が他方の対角線上に2つ突出するように設けられ、ケースカバー202の裏面側に主基板31を取り付けできるようになっている。
主基板31を取り付けるときには、主基板31の実装面31aをケースカバー202の裏面に対向させた状態、つまり実装面31aを上方に向けた状態でケースカバー202の裏面側に主基板31を押し当てる。そして、各コネクタ用開口236a〜236cから各コネクタ238a〜238cが通過するように、主基板31における位置決め用凸部241に対応する2つの角部に形成された位置決め孔243をそれぞれ位置決め用凸部241内に挿通して位置決めした状態で、主基板31の取付用支柱240に対応する2つの角部に形成されたねじ取付孔242に基板取付ねじ239を取り付け、ねじ穴240aに基板取付ねじ239をねじ止めする。
ケースカバー202に主基板31を取り付けた状態において、上板220における低被覆面220aの裏面と実装面31aとが対向してほぼ当接した状態となる(図153参照)。よって、各コネクタ用開口236a〜236cの開口端縁と各種コネクタ238a〜238cの本体側面との間から針金等の異物や配線等を差し込んでも、遊技制御用マイクロコンピュータ等が実装されている主基板31の中央部に向けて進入することが困難であり、不正行為が効果的に防止される。
また、高被覆面220bの裏面所定箇所には、ワンウェイねじ280の頭部284を被覆するキャップ244が複数繋げられたキャップ吊支体245(図147における拡大図参照)を保持する四角柱状のキャップ保持部(図示略)が下向きに設けられている。キャップ吊支体245におけるキャップ244は、封止の際に使用するワンウェイねじ280および予備用ワンウェイねじ281の頭部284を被覆するものであり、ワンウェイねじ280および予備用ワンウェイねじ281の合計数(4個)のキャップを有している。
なお、各キャップ244には下端に係止爪が形成された一対の係止片が設けられている。係止爪を被固着部255a〜255dの内面に形成された段部に係止することによって、キャップ244は、被固着部255a〜255dの上面開口を閉塞するように保持される。
上板220の上面には、図145に示すように、パチンコ遊技機1の機種名を記した機種名シール(図示略)を貼着するための機種名表示用凹部247と、主基板31を検査した際に書き込む「検査者」や「検査日」等の各項目が記された検査履歴シール(図示略)を貼着するための検査名表示用凹部248が設けられている。
側壁230におけるケース本体201側の膨出部208a,208bに対応する箇所には、膨出部208a,208bよりも一回り小さい膨出部カバー250a,250bが外側に向けて膨出するように形成されている。膨出部カバー250a,250bは、封止状態において膨出部208a,208bを構成する膨出壁203b,203cおよび連接壁203dよりも内側に入り込み、膨出空間S2,S3の上方を閉塞する。
膨出部カバー250a,250bは、内部が中空状に形成され、一方の膨出部カバー250bの内部空間は、側壁230によりケースカバー202における基板収納空間と区画されて独立した空間となっている(図146参照)。他方の膨出部カバー250aの内部空間は、側壁230における膨出部カバー250aに対応する箇所が切り欠かれ、ケースカバー202の基板収納空間と連通する(図155(a)参照)。
膨出部カバー250a,250bにおける膨出部208a,208bに形成された係止穴210に対応する壁部には、下端から上方に向けて切り欠かれた2本のスリットを介して弾性変形自在に構成された係止片252が形成されている。係止片252の下端には、係止穴210に係止可能な外向きの係止爪251が形成され、ケース本体201の上面をケースカバー202により閉鎖した状態、つまり封止状態において係止爪251が係止穴210に係止される。
また、図155(a)に示すように、ねじ収納部209に対応する膨出部カバー250aの上壁裏面254には、膨出部カバー250aの長手方向に向けて延びるねじ規制用リブ253が下方に向かって設けられている(図146参照)。具体的には、ねじ規制用リブ253は、ケース本体201の上面をケースカバー202により閉鎖した状態、つまり封止状態において、ねじ収納部209の板状部209aの直上に板状部209aと平行になるように配置されるように、膨出部カバー250aの上壁裏面254における板状部209aとの対向位置から下方に向かって設けられている。つまり、上壁裏面254における挿入孔209cの上面開口との対向位置から、挿入孔209cの上面開口に向けて所定長さ延設されている。具体的には、その下端が挿入孔209c内に挿入された各予備用ワンウェイねじ281の頭部284に近接する長さを有している。
封止状態において、膨出部カバー250aの上壁裏面254から下方に向けて延設されたねじ規制用リブ253によって、ねじ収納部209内に収納された予備用ワンウェイねじ281のねじ収納部209からの逸脱が防止される。すなわち、ねじ収納部209から予備用ワンウェイねじ281が逸脱して基板収納空間S1内に入り込み、基板を損傷させてしまうこと等が確実に防止される。
図146に示すように、側壁203における両膨出部カバー250a,250bの間には、複数(この実施の形態では4つ)の四角筒状の被固着部255a〜255dが、ケース本体201の各ねじ穴211a〜211dに対向する箇所に複数形成されている。それらの固着部によって第1被固着部255が構成されている。
各被固着部255a〜255dは、図154および図155(b)に示すように、ワンウェイねじ280および予備用ワンウェイねじ281を挿通可能な四角柱状の筒状部256と、筒状部256と側壁230とを連接する連接部257とで構成されている。そして、連接部257を介して筒状部256が側壁230から所定距離離間した状態で配置されている。よって、連接部257をニッパ等の工具で切断できる。また、連接部257は、ケースカバー202の一側縁である側壁230の外面から外方に向けて複数設けられ、各連接部257の先端に被固着部255a〜255dが設けられている。
筒状部256は、上面が開口する有底の筒体であり、内部にワンウェイねじ280を収納可能な大きさを有しているとともに、底板258には、ワンウェイねじ280の頭部284の直径よりも小径の取付孔259が形成されている。取付孔259は、封止状態において、各ねじ穴211a〜211dの対向位置に配置される。
図145および図151に示すように、ケース本体201側の被係止凹部215が形成されている側壁204に対応する側壁231には、先端に被係止凹部215に係止可能な上向きの係止条260が長手方向に設けられた係止片261が、外方に向けて設けられている。
このように構成されたケース本体201およびケースカバー202は、ケース本体201の上面開口がケースカバー202で塞がれた状態において、ケース本体201の側壁205の内面と、ケースカバー202の低被覆面部220aにおける側壁205の内面との対向辺である長辺220d(図149参照)端面との間に、垂直板500bを挿通可能な間隙部505が、側壁205の内面に沿って形成される(図153参照)。
次に、コネクタ規制部材500の構造について説明する。コネクタ規制部材500は、透明な合成樹脂材からなる板部材で形成され、図150に示すように、ケースカバー202の外側に装着可能に構成されている。板材の幅寸法は、ケースカバー202の長辺202dにおける長手方向の幅寸法よりも若干短い。コネクタ規制部材500は、装着時においてケースカバー202における低被覆面220aよりも若干大きめに形成される上板500aと、上板500aの外端から下方に向けて設けられる垂直板500bと、垂直板500bの下端から上板500aと平行になるように同方向に設けられる下板500cとで、略コ字形に形成されている。
上板500aにおける長辺500dには、複数の係合穴502のそれぞれに差し込み可能に、かつ、弾性変形可能に構成される。また、先端に上向きの係止爪501が形成された係止片が上板500aとほぼ平行になるように突出して設けられ、係止片を係合穴502からケースカバー202内に通した状態において、ケースカバー202の裏面における係合穴502の上縁に係止爪501が係止されるように形成されている。
上板500aには、各配線側コネクタ290a〜290cから延びる配線291a〜291cを通過させることが可能な細長長方形状の配線挿通用開口503a〜503cが長手方向に向けて形成されている。各配線挿通用開口503a〜503cから長辺500dに向けて、各配線291a〜291cを通すことが可能な配線挿通用スリット504a〜504cが設けられている。
各配線291a〜291cは、いわゆるフラットケーブルである。よって、配線挿通用開口503a〜503cおよび配線挿通用スリット504a〜504cは、横長長方形状に形成されている。すなわち、配線挿通用開口503a〜503cは、長辺および短辺が、配線側コネクタ290a〜290c本体の長辺および短辺よりも短く形成され、配線側コネクタ290a〜290cを通過させることは不可能であり、かつ、配線291a〜291cを通過させることが可能に形成されている。また、配線挿通用スリット504a〜504cは、配線291a〜291cを配線挿通用スリット504a〜504cに対して平行にした状態で長辺500d側から差し込み可能な幅寸法に形成されている。
よって、各配線291a〜291cを、長辺500d側から配線挿通用スリット504a〜504c内に差し込んで配線挿通用開口503a〜503cまで引き込むことによって、配線挿通用開口503a〜503c内に配置することができる。
また、これら配線挿通用スリット504a〜504cは、配線挿通用開口503a〜503cの開口長縁辺に対して傾斜するように、かつ、互いに平行に形成されているとともに、開口長縁辺における長手方向の中央位置から長辺500d側に向けて斜めに延設されている。これにより、配線挿通用スリット504a〜504cを介して引き込んだ配線291a〜291cを、配線挿通用開口503a〜503c内に斜めに進入させることができるため、配線挿通用開口503a〜503c内にスムーズに進入させることができる。
また、開口長縁辺の長手方向の中央位置から配線挿通用スリット504a〜504cが設けられているので、配線挿通用開口503a〜503c内に配線291a〜291cを配置した状態において、配線291a〜291cの列方向の両端が配線挿通用スリット504a〜504cとの連接部から離れ、配線291a〜291cが配線挿通用スリット504a〜504c内に逆戻りすることがない。すなわち、配線挿通用スリット504a〜504cの幅は、配線挿通用開口503a〜503cの一辺よりも狭い。
下板500cは、垂直板500bの下端から上板500aと同方向に向けて設けられ、その幅は、主基板31の短辺の幅寸法よりも若干短い。つまり、主基板31の裏面31b(実装面31aの反対面)ほぼ全域を被覆可能な長さである(図153参照)。
このように形成されたコネクタ規制部材500は、基板側コネクタ238a〜238cに接続された配線側コネクタ290a〜290cからの各配線291a〜291cを、配線挿通用スリット504a〜504cを介して配線挿通用開口503a〜503c内を通過させた後、ケースカバー202に対して側方から近接させ、係止爪501を係合穴502に差し込んで一端をケースカバー202に係止させることによって、ケースカバー202に対して仮止めすることができる。
この状態において、上板500aにより低被覆面部220aの上方および外側方が上板500aおよび垂直板500bにより被覆されるとともに、主基板31の裏面31bが下板500cにより被覆される。
次に、このように構成されたケース本体201とケースカバー202とで、主基板31を内部に収納して封止状態とするとともに、コネクタ規制部材500により配線側コネクタ290a〜290cを抜くことを規制する状況を説明する。
主基板31を封止状態で収納するときには、まず、ケースカバー202の裏面に設けられたキャップ保持部(図示略)に、キャップ吊支体245を取り付けた後、主基板31をケースカバー202の裏面側に取り付ける。具体的には、図148に示すように、主基板31の実装面31aをケースカバー202の裏面に対向させた状態、つまり実装面31aを上方に向けた状態でケースカバー202の裏面側に押し当てる。そして、各コネクタ用開口236a〜236cに各基板側コネクタ238a〜238cが通るように、主基板31における位置決め用凸部241に対応する2つの角部に形成された位置決め孔243をそれぞれ位置決め用凸部241内に通して位置決めした状態で、主基板31の取付用支柱240に対応する2つの角部に形成されたねじ取付孔242に基板取付ねじ239を取り付け、ねじ穴240aに基板取付ねじ239をねじ止めする。
図149に示すように、主基板31をケースカバー202の裏面側に取り付けた状態において、各コネクタ用開口236a〜236cから、各基板側コネクタ238a〜238c本体上部がケースカバー202の外部に露出される。つまり、各基板側コネクタ238a〜238cの本体上面に形成された接続口238dがケースカバー202の外部に上向きに開放されるため、ケースカバー202に配線側コネクタ290a〜290cを通すことなく、各基板側コネクタ238a〜238cの接続口238dに各配線側コネクタ290a〜290cを差し込んで接続することができる。
次いで、図150に示すように、各基板側コネクタ238a〜238cに接続された各配線側コネクタ290a〜290cからの各配線291a〜291cを、長辺500d側から配線挿通用スリット504a〜504c内に差し込み、配線挿通用開口503a〜503c内を通した後、ケースカバー202に対して側方から近接させ、係止爪501を係合穴502に差し込んで一端をケースカバー202に係止させることによって、ケースカバー202に対して仮止めする。
このように、各基板側コネクタ238a〜238cに各配線291a〜291cの配線側コネクタ290a〜290cを接続した状態で、各配線291a〜291cを配線挿通用開口503a〜503cに簡単に通すことができる。また、配線291a〜291cにおける配線側コネクタ290a〜290cとは反対側の端部に設けられる配線側コネクタ(図示略)等を、配線挿通用開口503a〜503cを通過させる必要がない上に、例えば、配線291a〜291cにおける配線側コネクタ290a〜290cとは反対側の端部が図示しない他の基板に対してコネクタ等を介さずに直接接続されている場合であっても、配線側コネクタ290a〜290cを配線挿通用開口503a〜503cを通過させる必要がなく、上板500aに大きな開口を形成しなくて済む。よって、コネクタ規制部材500の強度低下が防止される。
ケース本体201において、図147に示すように、ねじ収納部209の挿入孔209c内に、予備用ワンウェイねじ281を収納しておく。このとき、各挿入孔209cの上面開口の上方からねじ部283を挿入孔209c(図146(b)参照)内に通すだけで、簡単に収納することができる。この収納状態において、ねじ部283は挿入孔209c内に完全に収納され、頭部284のみが挿入孔209cの上面開口から外部に突出された状態で保持されている(図155(a)参照)。よって、収納された予備用ワンウェイねじ281を使用する際に、頭部284を手で摘むだけで簡単に取り出すことができる。
次いで、主基板31が一体的に取り付けられるとともに、コネクタ規制部材500が外側に仮止めされたケースカバー202で、ケース本体201の上面開口を閉鎖する。具体的には、図151に示すように、ケースカバー202の一方の短辺から外方に向けて突設された係止片260が下を向くようにケースカバー202を傾斜させた状態、すなわち、主基板31の裏面31bをケース本体201に対向させた状態で、ケース本体201における閉塞壁216の上端と垂下片204bの下端との間に係止片260を差し込む。そして、係止条260を被係止凹部215内に係止させた状態で、係止部を中心としてケースカバー202を図中矢印方向に向けて向けて回転させ、ケースカバー202をケース本体201の側壁203〜206により囲まれた空間内に嵌め込む。
ケース本体201の膨出部208a,208bの膨出空間S2,S3内に膨出部カバー250a,250bが嵌め込まれて、両係止爪251がそれぞれ係止穴210の開口上端縁に係止される。その結果、ケースカバー202の一方の短辺側が係止条260と被係止凹部215とにより係止されるとともに、他方の短辺側が係止爪251と係止孔251とにより係止され、ケースカバー202がケース本体201に対して仮止めされる。なお、この状態では、係止穴210の外方からそれぞれの係止爪251を内側に向けて押し込んで係止状態を解除すれば、ケースカバー202を簡単に開放させることができる。
この状態において、膨出部カバー250aの上壁裏面254から下方に向かって設けられているねじ規制用リブ253の下端が、ねじ収納部209に収納された3本の予備用ワンウェイねじ281の頭部284に近接した状態で配置される。従って、予備用ワンウェイねじ281がねじ収納部209から逸脱して基板収納空間S1内に入り込み、主基板31の配線パターン等を傷つけて断線させてしまうこと等が防止される。
また、ケースカバー202の各側壁230〜233の下端が、ケース本体201の側壁203〜206の上端よりも下方に深く入り込んだ状態になるので、ケース本体201とケースカバー202との間から針金等の異物を進入しにくくなる。
また、ねじ収納部209は、膨出部208aの膨出空間S2内に設けられているので、主基板31が基板収納空間S1内におけるねじ収納部209の上端よりも下方位置に配置された状態でも(図155(b)参照)、ねじ収納部209と干渉することがない。
また、図153に示されるように、ケース本体201の側壁205の内面とケースカバー202の低被覆面部220aの長辺220dとの間に形成される間隙部505に、コネクタ規制部材500の垂直板500bが差し込まれた状態で配置される。また、下板500cの下面全域がケース本体201の底板201a上面に載置される。コネクタ規制部材500は、ケース本体201に対して安定的に保持されるとともに、主基板31の裏面31bが下板500cにより被覆される。
つまり、ケースカバー202に対して係止爪501を介して一端側が係止されたコネクタ規制部材500は、その一部を構成する他端側の下板500cおよび垂直板500bの下部がケース内部に配置される。
さらに、この状態において、ケース本体201の第2被固着部212の上方に、ケースカバー202の第1被固着部255が配置される。すなわち、固着片212aの上面に各被固着部255a〜255dが載置されると、各ねじ穴211a〜211dと各取付孔259とが合致し、ワンウェイねじ280を通すことが可能な状態になる。ここで、4つの被固着部255a〜255dのうち、いずれか1つの筒状部256の上面開口からワンウェイねじ280を挿入し、ねじ部283の先端を取付孔259に差し込んだ状態で、マイナスドライバー等の工具によりワンウェイねじ280を時計回りにねじ込む(図146参照)。
すると、図154に示すように、ねじ部283の外周に形成された雄ねじのねじ切り作用によって、ねじ部283が取付孔259を貫通して、固着片212aおよび筒状部212b内に貫通形成されたねじ穴211a内にねじ止めされ、固着片212aおよび被固着部255d、つまり第2被固着部212と第1被固着部255とがワンウェイねじ280を介して固着(かしめ)される。
すなわち、ケースカバー202は、一方の短辺側が係止条260が被係止凹部215により係止され、他方の短辺側がワンウェイねじ280を介して固着されていることにより、ケース本体201に対してケースカバー202が開放不能に固着され、主基板31は、実装面31aおよび裏面31bがこれらケース本体201およびケースカバー202により被覆された状態で、基板収納ケース200内に封止状態で収納される。
なお、ワンウェイねじ280を完全にねじ込んだ後、その上方から、所定の色に着色された色付接着剤Zを筒状部256内に注入した後、キャップ244を筒状体255dの上面開口に嵌め込んで、頭部284の上面に形成された溝等を被覆することにより、ワンウェイねじ280を取り外しにくくすることができる。
さらに、透明な合成樹脂材からなる筒状部256内に色付接着剤Zが注入されることによって、ワンウェイねじ280に対する何らかのアクセスがあった場合において、色付接着剤Zが抉り取られた痕跡等が色により視認しやすくなるため、透明な筒状部256外部からでも不正行為の痕跡を発見しやすくなる。
なお、色付接着剤を注入することに代えて、有色のキャップ244を用いるようにしてもよい。その場合、最初に装着されるワンウェイねじ280に対して用いられるキャップ244のみを有色にして、予備用ワンウェイねじ281に対して用いられるキャップ244は透明であるようにしてもよい。また、キャップ244に接着剤を注入することに代えて、熱溶着や超音波溶着によってキャップ244を固着する用にしてもよい。溶着で固着する場合には、接着剤で固着する場合に比べて、より強固に固着される。
また、この封止状態を解除してケースカバー202を開放しようとする場合、ワンウェイねじ280を反時計回りに回して取り外すことができないので、ケース本体201またはケースカバー202の一部を破壊するか、あるいは、連接部257をニッパ等の工具により切断し、固着片212aにワンウェイねじ280を介して固着されている被固着部255aの筒状部256をケースカバー202から切り離すしかない。
つまり、破壊または切断のいずれの方法をとるにせよ、封止状態を解除してケースカバー202を開放した場合には、破壊または切断の痕跡が残る。その結果、例えば不正行為によりケースカバー202が開放された場合でも、早期のうちに不正行為が行われたことを発見することができる。よって、万が一不正な遊技制御プログラムが格納されたROMを有する主基板等にすりかえられた場合でも、早期に発見して対処することができる。従って、その状態で遊技が行われて遊技店が不利益を被ることを回避することができる。
また、ワンウェイねじ280によりケース本体201に対してケースカバー202が開放不能に固着された封止状態にされるので、ケースカバー202の外側に仮止めされたコネクタ規制部材500が、ケースカバー202から離脱不能に保持されるとともに、基板側コネクタ238a〜238cに接続された配線側コネクタ290a〜290cの抜脱が上板500aとの当接により規制される。
具体的には、図153に示すように、ケース本体201に対してケースカバー202が開放不能に固着された封止状態において、コネクタ規制部材500は、下板500cが主基板31の裏面31bを被覆するようにその下方に配置されることによって、その上方への移動が、ケース本体201に固着されたケースカバー202の裏面側に取り付けられた主基板31との当接により規制される。
また、下板500cから上向きに連設された垂直板500bが、ケースカバー202の長辺220dとケース本体201の側壁205内面とに挟持されるとともに、係止爪501が係合穴502に係止されることによって、ケース本体201の底板201a上でのスライド移動が規制されるとともに、上板500aの変形も防止される。特に、垂直板500bの外面が側壁205の内面に上下方向にわたり密着した状態で保持されるので、垂直板500bの外側への変形も防止される。つまり、下板500c,垂直板500b,ケースカバー202の長辺220dおよび側壁205によって、規制部材保持手段が構成されている。
コネクタ規制部材500の上方および水平方向の移動が規制されることによって、コネクタ規制部材500のケースカバー202からの離脱が防止され、安定して基板収納ケース200に保持される。そして、基板収納ケース200に保持されたコネクタ規制部材500の上板500aによって、ケースカバー202における低被覆面部220aの上面が被覆されるとともに、垂直板500bの上部,傾斜被覆面部220c,ケースカバー202の一部により低被覆面部220aの上方側周面が被覆される。よって、基板側コネクタ238a〜238cおよび配線側コネクタ290a〜290cが外部から遮断される。従って、コネクタの接続部に対する不正行為が防止される。
また、図153に示すように、基板側コネクタ238a〜238cに接続された配線側コネクタ290a〜290cの上方近傍に上板500aが配置されるので、配線側コネクタ290a〜290cを基板側コネクタ238a〜238cから抜脱しようとする際に、配線側コネクタ290a〜290cの本体上面における配線291a〜291cの延出部周囲が、上板500aの裏面における配線挿通用開口503a〜503cの周囲(当接規制部)に当接される。すなわち、配線側コネクタ290a〜290cの抜脱方向への移動が上板500aにより当接規制されるため、基板側コネクタ238a〜238cに正規以外の不正部品が接続された配線が接続されることを効果的に防止できる。
また、下板500cは主基板31の裏面31bを被覆可能な大きさに形成されているので、封止状態において、裏面31bに形成された配線パターン等に対する不正行為も抑制できるとともに、安定性も向上する。なお、この実施の形態では、下板500cは主基板31の裏面31bを被覆可能な大きさに形成されていたが、コネクタ規制部材500の上方への移動を主基板31の裏面31bとの当接により規制可能な長さを有していれば、裏面31b全域を被覆可能な大きさに形成されていなくてもよい。
次に、第2被固着部212と第1被固着部255とをワンウェイねじ280を介して固着して封止状態を構成した後、主基板31の故障や検査等により主基板31を取り出すために封止状態を解除し、再度封止状態とする場合について説明する。
なお、ねじ穴211a〜211dおよび被固着部255a〜255dを複数形成し、繰り返し封止状態とすることができるようにするのは、例えばメーカが主基板31を遊技店等に出荷する際に、主基板31を基板収納ケース200内に封止状態で収納するために、1つのねじ穴211a〜211dおよび被固着部255a〜255dを使用した後、遊技店において、上記のように主基板31が故障して交換する場合や検査等を行うために主基板31を取り出す場合等において、封止状態を解除することがあるからである。その後再度封止状態にする際に他のねじ穴211a〜211dおよび被固着部255a〜255dを使用するので、これらが第2被固着部212および第1被固着部255が複数必要となる。
再度封止状態にする場合には、ケースカバー202を開放したときに、キャップ吊支体245からキャップ244を1つ分離して取り出しておくとともに、ねじ収納部209から予備用ワンウェイねじ281を1本取り出しておく。そして、ケース本体201の上面開口をケースカバー202により閉鎖する。ここで、まだ連接部257が切断されていない被固着部255b〜255dのうちいずれかの筒状部に予備用ワンウェイねじ281を挿入し、ねじ穴211bにねじ止めして、第2被固着部212と第1被固着部255とを固着して封止状態を構成することができる。
このように、第2被固着部212としてのねじ穴211a〜211dおよび第1被固着部255としての被固着部255a〜255dが複数設けられているので、ケース本体201やケースカバー202の一部を破壊することなく連接部257を切断するだけで、基板収納ケース200を交換すること等なく、封止状態を解除した後でも、封止状態を複数回繰り返し構成することができる。
以上説明したように、この実施の形態では、主基板31をケースカバー202の裏面に取り付けることにより、基板側コネクタ238a〜238cがコネクタ用開口236a〜236cを介してケースカバー202の外部に開放される。また、開放された基板側コネクタ238a〜238cに配線側コネクタ290a〜290cを接続した状態で、ケースカバー202の外側にコネクタ規制部材500を仮止めして基板収納ケース200に保持することによって、配線側コネクタ290a〜290cの抜き取りが、当接規制部としての上板500aで規制される。ケースカバー202に、基板側コネクタ238a〜238cに接続された配線側コネクタ290a〜290cと反対側の配線側コネクタ(図示略)を通過させるための大きな挿通口等を形成しなくても、ケースカバー202の外側にコネクタ規制部材500を装着することができるので、コネクタ規制部材500の強度低下が防止される。
また、下板500cは、封止状態とされたケース本体201およびケースカバー202により被覆されるので、封止状態を解除するかコネクタ規制部材500または基板収納ケース200の一部を破壊しない限りコネクタ規制部材500の保持状態を解除することができなくなる。よって、基板収納ケース200の一部を破壊したり封止状態を解除して配線側コネクタ290a〜290cを抜脱したときには、その痕跡が残り、不正が行われた可能性があることを確実に発見することができる。
また、この実施の形態では、封止状態においてケース内部に配置される下板500cが規制部材保持手段として機能するので、例えばワンウェイねじ等の特殊な保持部材等を用いてコネクタ規制部材500をケースカバー202に保持したり、保持構造を複雑化することなく、ケースカバー202およびケース本体201を封止状態とするだけでケースカバー202に簡単に装着できる。よって、基板側コネクタ238a〜238cに正規以外の不正部品が接続された配線が接続されることを効果的に防止できる。
また、コネクタ規制部材500の一部は、複数の配線側コネクタ290a〜290cを当接規制することが可能な1枚の上板500aで構成されているので、複数の配線側コネクタ290a〜290cそれぞれに対応する複数の当接規制部を個別に形成する必要がない。また、複数の配線側コネクタ290a〜290cをまとめて規制することができるため、保持作業の手間が軽減される。
さらに、配線側コネクタ290a〜290cを抜き取る方向への移動を規制するだけでなく、配線側コネクタ290a〜290cの上方が被覆されるので、基板側コネクタ238a〜238cと配線側コネクタ290a〜290cとの接続部に対する不正行為が困難になる。また、コネクタ規制部材500に配線側コネクタ290a〜290cを挿通するための大きな挿通口等を形成する必要がないので、強度低下が防止される。
また、コネクタ規制部材500の一部は、封止状態において間隙部505に配置される垂直板500bと、離脱方向への移動が主基板31により当接規制される下板500cとで構成されるので、ねじ等の保持部材を使用することなく、垂直板500bを間隙部505に差し込んだ状態で封止状態とするだけで、係止部としての下板500cの係止作用により垂直板500bの抜脱方向への移動が規制されてケースに保持される。よって、コネクタ規制部材500の装着作業が容易になる。
コネクタ規制部材500には、ケースカバー202に形成された係止穴502に係合可能な係止爪501が形成されているので、係止爪501が係合穴502に係合されることによって、コネクタ規制部材500の上板500aが変形や破損しにくくなる。その結果、上板500aを変形させて配線側コネクタ290a〜290cをケースカバー202との間に形成される隙間から抜脱すること等を確実に防止することができる。
また、主基板31の実装面31aにおけるコネクタ用開口236a〜236c近傍が低被覆面220aにより被覆されるので、コネクタ用開口236a〜236cと基板側コネクタ238a〜238cとの間に形成される隙間から不正器具等を挿入しにくくなる。その結果、主基板31に対する不正行為を防止することができる。
また、ケースカバー202に凹部234が形成され、コネクタ規制部材500は凹部234に装着されるようにしたので、装着状態においてコネクタ規制部材500がケースカバー202から大きく突出することがない。よって、パチンコ遊技機1に配設された状態等において、コネクタ規制部材500が邪魔になることがない。
また、コネクタ規制部材500は、透明な合成樹脂材にて構成されているので、基板収納ケース200内の視認性がコネクタ規制部材500により損なわれることがないので、主基板31の監視に支障を来すことがない。
また、複数のうち少なくとも一対の第1被固着部としてのねじ穴211a〜211dおよび第2被固着部としての被固着部255a〜255d同士を固着部材としてのワンウェイねじ280により固着することによって、主基板31を封止状態とすることができる。また、基板収納ケース200を破壊するかもしくは固着されたねじ穴211a〜211dの連接部257を切断することで、封止状態を解除してケースカバー202を開放することができる。さらに、連接部を切断するなどして封止状態を解除した後でも、未使用の一対のねじ穴211a〜211dおよび被固着部255a〜255d同士を予備用ワンウェイねじ281によって固着して、再度主基板31を封止状態でケース内部に収納することができる。
また、基板収納ケース200を開放することによって、ねじ収納部209の挿入孔209cの上面開口が開放されるので、予備用ワンウェイねじ281をねじ収納部209に簡単に収納および取り出すことができる。また、主基板31の封止状態において、ねじ収納部209に収納された予備用ワンウェイねじ281のねじ収納部209からの逸脱が、規制部としてのねじ規制用リブ253の下端との当接により規制される。よって、逸脱した予備用ワンウェイねじ281により主基板31が損傷することを防止できる。
さらに、ねじ規制用リブ253が、膨出部カバー250aの上壁裏面254からねじ収納部209の挿入孔209cの上面開口に向かって下方に設けられているので、ねじ収納部209の配設位置が、ケースカバー202やケース本体201の形状により制限されたり、ケースカバー202やケース本体201の形状をねじ収納部209の配設位置に合わせて形成する必要がない。よって、基板収納ケース200の設計が煩雑になることを回避できる。
具体的は、例えばねじ収納部209に収納された予備用ワンウェイねじ281の頭部284からケースカバー202の裏面までの距離が、予備用ワンウェイねじ281の長さよりも大きい場合には、予備用ワンウェイねじ281がねじ収納部209から逸脱するおそれがある。そこで、例えばケースカバー202におけるねじ収納部209に対応する箇所をねじ収納部209の挿入孔209cの上面開口に極力近接させようとすると、ケースカバー202全体の形状、あるいはねじ収納部209の配設位置を設計変更しなければならない。しかし、ケースカバー202の裏面の所定箇所からねじ規制用リブ253が延びるように設けられることによって、ケースカバー202全体の形状やねじ収納部209の配設位置を設計変更しないで済む。
また、3つの予備用ワンウェイねじ281の逸脱を規制できるように、ねじ規制用リブ253が、上壁裏面254の長手方向にわたって延設されているので、膨出部カバー250aの強度が高まる。よって例えばケースカバー202を過って床等に落下させてしまった場合等に、膨出部カバー250aが破壊されにくくなり、その側方に設けられる第1被固着部255の保護作用が効果的に高まる。
また、第2被固着部212および第1被固着部255の前後側方に膨出部208a,208bが設けられているので、いずれか一側方のみに設けられている場合に比べて、これら第2被固着部212および第1被固着部255がより効果的に保護される。
また、膨出部208aの膨出空間S2内に設けられたねじ収納部209は、複数本の予備用ワンウェイねじ281をまとめて収納可能であるから、各ねじ穴211a〜211dや各被固着部255a〜255dそれぞれの近傍に予備用ワンウェイねじ281を収納しておくよりも、ケース本体201の構造を簡素化することができるばかりか、予備用ワンウェイねじ281の管理が容易になる。
また、ケース本体201の側壁203の一部に膨出部208aが形成され、膨出部208aの側方に第2被固着部212が設けられているので、過って基板収納ケース200を床等に落下させた場合等に、ねじ穴211a〜211dや被固着部255a〜255dが容易に破損することが防止される。また、膨出部208aの内部に形成された膨出空間S2内に設けられたねじ収納部209に予備用ワンウェイねじ281を収納しておくことができるので、膨出部208aを有効に利用することができるばかりか、主基板31を内部に収納または取り出す際に予備用ワンウェイねじ281が邪魔になることがないように収納しておくことができる。
つまり、膨出部208aと第2被固着部212とが、ケース本体201における一側辺の長手方向に向けて直線状に配設されるとともに、特にねじ穴211a〜211dとねじ収納部209とが一側辺に沿うように配置されることによって、ケース本体201外形に凹凸部が形成されることがない。その結果、ケース本体201の構造を簡素化できる上に、保管や輸送時における収納性が向上する。
また、ねじ収納部209は、ケース本体201の内部における基板収納空間S1から外側に張り出すように設けられた膨出空間S2内、すなわち、主基板31の封止状態において主基板31と上下方向に重合しない位置に配設されているとともに、主基板31は、膨出空間S2内に張り出さないように設けられているので、予備用ワンウェイねじ281の収納および取り出しの際に主基板31と干渉することがない。
さらに、予備用ワンウェイねじ281は、ねじ収納部209の挿入孔209cの上面開口を介して内部に挿入される挿入部であるねじ部283と、ねじ部283の一端に設けられる頭部284とで構成され、ねじ収納部209は、予備用ワンウェイねじ281を収納した状態において、頭部284が挿入孔209cの上面開口の外部に突出した状態で保持されるように構成されているので、予備用ワンウェイねじ281のねじ収納部209からの取り出しが容易になる。
また、主基板31が、複数の電子部品および基板側コネクタ238a〜238cが実装される実装面31aと実装面31aと反対側の裏面31bとを有し、ケースカバー202が、コネクタ238a〜238cに対応する箇所に、コネクタ238a〜238cの接続口238dをケース外部に開放するためのコネクタ用開口236a〜236cが形成されるとともに、主基板31を取り付け可能に構成され、主基板31が、実装面31aをケースカバー202により被覆し、かつ、裏面31bをケース本体201に対向させた状態で基板収納ケース200の内部に封止状態で収納されるので、基板収納ケース200を開放しても、ケースカバー202からの主基板31の取り外しに時間がかかり、電子部品や基板側コネクタ238a〜238c等に対する不正行為を行いにくくなる。
次に、コネクタ規制部材520の他の態様を、図156〜図158を参照して説明する。図156は、他の実施の形態のコネクタ規制部材およびケースカバーを示す斜視図である。図157は、図156に示すコネクタ規制部材が装着された基板収納ケース200を示す平面図である。図158は、図157に示す基板収納ケース200のD−D断面を示す断面図である。
上記の実施の形態のコネクタ規制部材500は、ケース本体201およびケースカバー202の封止状態においてケース内部に配置される下板500cおよび間隙部505に配置される垂直板500bにより基板収納ケース200に保持されていたが、この実施の形態のコネクタ規制部材520は、固定ねじ522によりケースカバー202に保持される。
以下、この実施の形態のコネクタ規制部材520において、上記の実施の形態のコネクタ規制部材500と相違する点を説明する。なお、この実施の形態において、上記の実施の形態のコネクタ規制部材500と同様の構成部位および基板収納ケースについては、図156〜図158において同様の符号を付して、詳細な説明を省略する。
コネクタ規制部材520は、透明な合成樹脂材からなる板部材にて形成されている。図156に示すように、コネクタ規制部材520は、低被覆面部220aの上方を被覆可能な上板520aと、上板520aの外端から下方に向けて延設される垂直板520bとにより側面視略L字形に形成されている。つまり、上記の実施の形態のコネクタ規制部材500における下板500cがない形状に形成されているとともに、垂直板520bの上下幅寸法は、垂直板500bの上下幅寸法よりも短くなるように形成されている。
上板520aには、配線挿通用開口503a〜503cおよび配線挿通用スリット504a〜504cが形成されている。垂直板520bには、固定ねじ522が取り付けられる複数の取り付け孔521が、ケースカバー202の長辺202d端面における長手方向にわたり所定間隔おきに形成された複数(この実施の形態では3つ)のねじ穴523に対応する箇所に形成されている。
このように形成されたコネクタ規制部材520は、上記の実施の形態のバイト道央に、配線挿通用開口503a〜503cに配線291a〜291cを通し、かつ、垂直板520bの外側から各取り付け孔521に固定ねじ522を取り付けた状態で、垂直板520bの内面下部を長辺220d端面に当接させてケースカバー202の外側に配置し、固定ねじ522をねじ穴523にねじ止めすることによって、ケースカバー202の外側に装着される。
この状態において、コネクタ規制部材520は、ケースカバー202に対して離脱不能に保持される。従って、配線側コネクタ290a〜290cの上方が上板520aにより被覆され、かつ、基板側コネクタ238a〜238cからの配線側コネクタ290a〜290cの抜き取りが規制される。
また、コネクタ規制部材520が装着されたケースカバー202によって、ケース本体201の開口を閉鎖した状態(封止状態)において、図157および図158に示すように、各取り付け孔521にねじ止めされた固定ねじ522の頭部が、ケース本体201の側壁205により被覆される。よって、ケース本体201およびケースカバー202の封止状態を解除するかケースの一部を破壊しない限り固定ねじ522を取り外すことができない。
このように、この実施の形態のコネクタ規制部材520も、上記の実施の形態のコネクタ規制部材500と同様の作用を果たす。また、コネクタ規制部材520は、ケースカバー202に対して固定ねじ522により直接固定され、ケースカバー202に対して安定的に保持されるので、ケースカバー202に対するガタツキ等がコネクタの規制に支障を来すこと等が防止される。
また、封止状態において側壁205により保持部材としての固定ねじ522の頭部が被覆されるので、固定ねじ522の取り付け孔523からの取り出しができなくなるため、固定ねじ522に前述したワンウェイねじ等の特殊な部材を用いなくても、取り付け孔523からの取り出しを困難とすることができる。
また、図158に示すように、上板520aの端面520cは、必ずしもケースカバー202に当接したり係止されていなくてもよい。例えば、傾斜被覆面部220cに沿うように近接されていてもよい。
次に、さらに他の実施の形態のコネクタ規制部材550を、図159および図160を参照して説明する。図159は、この実施の形態のコネクタ規制部材およびケースカバーを示す斜視図である。図160は、図159に示すコネクタ規制部材が装着された基板収納ケースの要部を示す拡大縦断面図である。
上記の各実施の形態のコネクタ規制部材500,520は、ケース本体201およびケースカバー202の封止状態において形成される間隙部505に、垂直板500b,520bが配置されていたが、この実施の形態のコネクタ規制部材550は、垂直板550bの下端が低被覆面部220aの上面に配置される。
以下、この実施の形態のコネクタ規制部材550において、上記の実施の形態のコネクタ規制部材500と相違する点を説明する。なお、この実施の形態において、コネクタ規制部材500と同様の構成部位および基板収納ケースについては、図159,図160において同様の符号を付して、詳細な説明を省略する。
コネクタ規制部材550は、透明な合成樹脂材からなる板部材で形成されている。図159に示されるように、コネクタ規制部材550は、低被覆面部220aの上方を被覆可能な上板550aと、上板550aの外端から下方に向けて延設される垂直板550bとで略L字形に形成されている。つまり、上記のコネクタ規制部材520とほぼ同形状に形成されている。しかし、垂直板550bの下部が若干肉厚に形成されている。
上板550aには、配線挿通用開口503a〜503cおよび配線挿通用スリット504a〜504cが形成されている。垂直板550bの下端面には、固定ねじ552が螺入される複数のねじ穴551が、ケースカバー202の低被覆面部202aの端縁側に設けられた凹条220eの長手方向に亘って所定間隔おきに形成された複数(この実施の形態では3つ)の取り付け孔220fに対応する箇所に形成されている。
このように形成されたコネクタ規制部材550は、配線挿通用開口503a〜503cに配線291a〜291cを通し、かつ、ケースカバー202の裏面側から各取り付け孔220fに固定ねじ552を取り付けた状態で、垂直板550bの下端面を凹条220eの上面に当接させてケースカバー202の外側に配置し、固定ねじ552がねじ穴551にねじ止めされることによって、ケースカバー202の外側に装着される。
この状態において、コネクタ規制部材550は、ケースカバー202に対して離脱不能に保持されるので、配線側コネクタ290a〜290cの上方が上板550aにより被覆され、かつ、配線側コネクタ290a〜290cの基板側コネクタ238a〜238cからの抜き取りが規制される。
また、コネクタ規制部材550が装着されたケースカバー202によってケース本体201の開口を閉鎖した状態(封止状態)において、図160に示すように、各ねじ穴551に螺入された固定ねじ552の頭部がケース内部に配置され、ケース本体201およびケースカバー202により被覆される。よって、ケース本体201およびケースカバー202の封止状態を解除するかケースの一部を破壊しない限り固定ねじ552を取り外すことができない。
このように、この実施の形態のコネクタ規制部材550も、上記のコネクタ規制部材500と同様の作用を果たす。また、ケースカバー202に対して固定ねじ552により直接固定され、ケースカバー202に対して安定的に保持されるので、ケースカバー202に対するがたつき等がコネクタの規制に支障を来すこと等が防止される。
また、封止状態において固定ねじ552の頭部がケース本体201およびケースカバー202により被覆されるので、固定ねじ552のねじ穴551からの取り出しができなくなり、固定ねじ552に前述したワンウェイねじ等の特殊な部材を用いなくても、ねじ穴551からの取り出しが困難になる。
なお、上記の各実施の形態では、基板収納ケースは主基板31を内部に収納可能なケースであったが、内部に収納する制御基板は主基板31に限られず、例えば払出制御基板37や演出制御基板80等を収納するケースであってもよい。
図161は、さらに他の実施の形態の基板収納ケース200Aを示す分解斜視図である。図162(a)は、基板収納ケース200Aを示す平面図であり、図162(b)は基板収納ケースを示す斜視図である。図163は、ケースカバー202をスライドさせて閉鎖する状況における基板収納ケースを示す要部斜視図である。
図161に示すように、基板収納ケース200Aにおいて、ケース本体201の側壁205,206には、ケースカバー202側に設けられるガイド片355をガイドするガイド溝350が、長手方向に渡って一定間隔おきに複数(この実施の形態では3つ)形成されている。ガイド溝350は、ガイド片355を側壁205,206の長手方向に向けて平行にガイドする直線状の水平溝350aと、水平溝350aの一端から側壁205,206の上端に向けて形成される水平溝350aよりも幅広の垂直溝350bとが、略L字形をなすように形成されているものである。
また、側壁205,206の内側には、側壁205,206に沿って長手方向に、底板201aの上面から立ち上がるように閉塞壁358が形成されている。閉塞壁358と側壁205,206との間に形成される上向きに開口する凹溝内には、ケースカバー202のガイドカバー部354における内板354bの下端が嵌るようになっている。そのような構造によって、内板354bの下端と底板201aの上面との間からの異物の進入が防止される。
側壁203側には、上記の基板収納ケース200と同様に、内部に膨出空間S2,S3を有する膨出部208a,208b、第2被固着部212、ねじ収納部209が形成されている。なお、第2被固着部212の固着片212aは、中央側壁203aの上端と同高さで形成されている。また、固着片212aの長手方向の一端側が膨出部208bの上方まで設けられ、膨出部208bの膨出空間S3の上方を被覆するカバー部351を形成している。
側壁203と反対側の短辺には側壁204に相当する側壁はなく、側壁203と反対側の短辺は開放され、そこは、ケースカバー202の側壁で閉鎖される。底板201aにおける側壁203と反対側の短辺から、ケースカバー202の側壁231の下部に設けられた横長のスリット(図示せず)に差し込み可能な差込片352を先端に有する水平片353が形成されている。
ケースカバー202には、側壁232,233のさらに外側に、ケース本体201の側壁205,206の上端にそれぞれ嵌合可能なガイドカバー部354が形成されている。ガイドカバー部354は内部空間を有する。よって、ケースカバー202がケース本体201を閉鎖するときに、ガイドカバー部354の内部空間の一部にケース本体201の側壁205,206の上端が嵌まった状態で、ケース本体201に対してケースカバー202を長手方向に向けてスライド移動できる。
ガイドカバー部354の内部における上記各ガイド溝350に対応する箇所には、ガイド溝350における水平溝350a内に嵌合可能な水平方向を向くガイド片355が、その両端を外板354aおよび内板354bの内面における上板354cの下方所定箇所に固着されて設けられている。つまりガイド片355は、上板354cから離間した下方位置に配置されている。なお、上板354cにおける各ガイド片355の直上位置には、ガイド片355を成形するための成形用開口356が形成されている。
側壁230には、4つの被固着部255a〜255dからなる第1被固着部255が設けられているとともに、膨出部208aに対応する箇所には、膨出部208aの上方を被覆するための膨出部カバー357が設けられている。膨出部カバー357は、庇片357aと、その前後両端から垂れ下がるように設けられている垂下片357bとで構成され、ケースカバー202をスライドさせる際に、先端開口からねじ収納部209を挿入できるようになっている。
側壁231は、ケース本体201の一方の短辺開口を閉塞可能な上下幅を有している。その下部には、差込片352が差し込まれるスリット(図示せず)が2箇所に形成されている。ケースカバー202の閉鎖状態において、ケースカバー202の側壁231側が差込片352により係止されて浮き上がりが防止される。
ケース本体201の上面開口をケースカバー202で閉鎖するときに、主基板31をケースカバー202の裏面側に取り付け、ケース本体201に対して主基板31の裏面31bを対向させた姿勢で、かつ、各ガイド片355を各ガイド溝300の開口直上に配置した状態で、ケースカバー202をケース本体201に向けて下降させる。なお、このときにケースカバー202の上方から各ガイド片355を見ることはできないが、その直上に配置される成形用開口356を目安にしてガイド片355をガイド溝300の開口直上に配置することができる。
そして、ガイド溝350の開口からガイド片355が垂直溝350b内に挿入された状態で、ケースカバー202は、ケース本体201に対して長手方向に若干ずれた位置に配置される。この状態で、側壁205,206の上端にガイドカバー部354が嵌る。
この状態から、ケースカバー202を側壁230側に向けて水平に押し込む(図163参照)。すなわち、スライド移動させる。このとき、ケースカバー202は、側壁205,206の上端に嵌合されたガイドカバー部354によって、移動方向に対する左右方向のずれが防止される。そして、ケースカバー202の側壁231に形成されたスリットに差込片352が差し込まれて水平片353の端面が側壁231の内面に当接し、かつ、膨出部カバー357の庇片357aの先端がケース本体201の膨出壁203bの内面に当接し、ケース本体201に対するケースカバー202のスライド移動が規制され、ケースカバー202が閉鎖位置に位置決めされる。
また、ガイド片355は、ケースカバー202のスライド移動に伴って、垂直溝350bから直線溝350a内に入り込む。よって、閉鎖位置において、直線溝350aの上方の側壁206により上方への移動、つまり浮き上がりが確実に防止される。
また、膨出部208aの膨出空間内に設けられたねじ収納部209に収納されている予備用ワンウェイねじ281の頭部284の直上に膨出部カバー357が近接配置されるので、ねじ収納部209からの予備用ワンウェイねじ281の逸脱が防止される。
その後、4つの被固着部255a〜255dのうちいずれか1つの筒状部(ここでは被固着部255a)の上面開口からワンウェイねじを挿入し、ねじ部の先端を取付孔に差し込んだ状態で、スクリュードライバ等の工具でワンウェイねじを時計回りにねじ込み、第2被固着部と第1被固着部255とをワンウェイねじ280を介して固着(かしめ)する。
ケース本体201の長手方向の側壁205,206の内側において、カバー部351の近傍には、規制部359が突出するように形成されている。ケース本体201に対してケースカバー202を長手方向に向けてスライドさせるようにしてケース本体201とケースカバー202とを嵌め合わせることができるが、そのままでは、製造工程等において、ケース本体201とケースカバー202とが嵌め合わされた状態で移動されるときに、ケース本体201とケースカバー202とが長手方向でずれる可能性がある。規制部359は、側壁230の動きを規制して、すなわち、側壁230が動いても規制部359の設置位置で停止させる役割を果たす。
また、各被固着部255a〜255dは、ワンウェイねじおよび予備用ワンウェイねじを通すことが可能な四角柱状の筒状部と、筒状部と側壁230とを連接する連接部257とで構成されているが(図163参照)、図164に示すように、4つの連接部257のうちの少なくとも1つ(例えば、被固着部255d)は、上部255xが下部255yよりも幅広に形成されている。図164に示すように、上部255xの幅1001はW1であり、従来構造では上部255xは存在せず、各被固着部255a〜255dの幅1002はW2であり、また、W1>W2である。上述したように、連接部257はニッパ等の工具で切断可能であるが、幅広の上部255xでは切断面の面積が大きくなり、切断跡が目立つ。すなわち、切断されたことを容易に視認できるようになる。なお、ここでは、図163に示されたように、最初にワンウェイねじがねじ止めされる被固着部255dに対する連接部257のみが幅広の上部255xを有するようにしたが、他の被固着部255ab〜255dに対しても幅広の上部255xを有するようにしてもよい。被固着部255a〜255dの全てにおいて、上部255xを有するようにしてもよい。
次に、ハーネス側コネクタが基板側コネクタに差し込まれると、部材を破壊しない限りハーネス側コネクタを抜くことが不能になるような構造例を説明する。図165〜図169は、第1の構造例を示す図である。図165は、ハーネス側コネクタが差し込まれた後、カバー部材が取り付けられる前の状態を示す斜視図である。図166は、カバー部材が取り付けられた後の状態を示す斜視図である。図167は、ハーネス側コネクタを抜くためにカバー部材を破壊する状態を示す斜視図である。図168は、カバー部材が破壊された後、ハーネス側コネクタが抜かれた状態を示す斜視図である。図169は、カバー部材を示す図である。図169において、(a)はカバー部材を底面側から見た底面図であり、(b)はカバー部材の上面を示す上面図であり、(c)はカバー部材の正面(穴部が視認される面)を示す正面図であり、(d)はカバー部材を裏面(正面の反対側の面)側から見た裏面図であり、(e)はカバー部材の側面を示す側面図である。
図169に示すように、カバー部材613の底面および裏面(特に、被覆部634の底面および裏面)は開放している。すなわち、底面および裏面は存在しない。従って、カバー部材613は、ハーネス側コネクタ602と基板側コネクタ601とを覆うことができるとともに、ハーネス側コネクタ602に繋がるハーネスを外部に出すことができる。
図165に示すように、基板収納ケース200におけるケースカバー202には、中央に穴部610を有する矩形の立ち板部611,612が設けられている。図165には、ハーネス側コネクタ602が基板側コネクタ601に差し込まれた状態が示されている。カバー部材613は、ハーネス側コネクタ602と基板側コネクタ601とを覆う被覆部614と、左右の係合ピン固定部615,616とを有する。係合ピン固定部615,616には、カバー部材が設置されたときに、立ち板部611,612における穴部610の位置に相対する位置に穴部619が設けられている。また、図169に示すように、被覆部614と左右の係合ピン固定部615,616との間には、仕切部620が存在する。
図166に示すように、カバー部材613が設置された後、係合ピン621,622が穴部610,619に挿入される。係合ピン621,622の先端側は、弾性を有し、傘状に形成されている。従って、係合ピン621,622の先端側は、穴部610,619を通るときに窄まり、穴部610,619を通過すると広がって、係合ピン固定部615,616の内壁に傘部における縁が当接する。よって、係合ピン621,622は抜けない状態になる。その結果、ケースカバー202に設けられている立ち板部611,612と係合ピン621,622とによって、カバー部材613はケースカバー202から抜けない状態になる。なお、仕切部620は、係合ピン621,622の先端側(爪部)が切り取られないようにするための防護用の壁の役割を果たす。
カバー部材613において、被覆部614と左右の係合ピン固定部615,616との間に、複数の切り込み部617と複数の切り込み部618とが設けられている。
ハーネス側コネクタ602を基板側コネクタ601から抜くには、カバー部材613を破壊する必要がある。例えば、図167に示すように、ニッパ等の工具625を切り込み部617,618に差し入れ、切り込み部617の間、および切り込み部618の間を切断する。すると、被覆部614が左右の係合ピン固定部615,616から切り離される。よって、被覆部614を取り外すことが可能になる。図168には、被覆部614が取り外された後、ハーネス側コネクタ602が基板側コネクタ601から抜かれた状態が示されている。
以上のように、ハーネス側コネクタ602が基板側コネクタ601に差し込まれ、カバー部材613が装着されると、カバー部材613を破壊しない限りハーネス側コネクタ602を抜くことが不能になる。また、カバー部材613を破壊することによって、ハーネス側コネクタ602を基板側コネクタ601から外すことが可能になるが、図168に示す状態において、左右の係合ピン固定部615,616の破断面には破断の際の傷跡が残る。よって、ハーネス側コネクタ602を基板側コネクタ601から外した後、ハーネス側コネクタ602に不正基板(例えば、不正ROMを含むマイクロコンピュータを搭載した不正な主基板)を装着する目的で不正にカバー部材613を破壊しても、容易にそのことがわかる。従って、不正行為を抑止することができる。
また、図168に示す被覆部614が取り外された状態では、係合ピン固定部615,616の内部に存在する係合ピン621,622の先端部分を工具等で切断することができる。そして、係合ピン固定部615,616をケースカバー202から外すことができる。
カバー部材613を破壊した後、係合ピン固定部615,616を基板から外すことができるので、新たなカバー部613を装着することができる。つまり、ハーネス側コネクタ602を基板側コネクタ601に再装着した後、再度カバー部613を取り付けることができる。従って、検査等の目的でカバー部材613を破壊した後に、再度、カバー部材613を破壊しない限りハーネス側コネクタ602を抜くことが不能になるような構造を適用することができる。よって、基板収納ケース200自体を無駄にすることがない。
図170〜図174は、第2の構造例を示す図である。図170は、ハーネス側コネクタが差し込まれた後、カバー部材が取り付けられる前の状態を示す斜視図である。図171は、ハーネス側コネクタを抜くためにカバー部材を破壊する状態を示す斜視図である。図172は、カバー部材が破壊された後、ハーネス側コネクタが抜かれた状態を示す斜視図である。図173は、係合ピン固定部を取り外す様子を示す斜視図である。図174は、カバー部材を示す図である。図174において、(a)はカバー部材を底面から見た底面図であり、(b)はカバー部材の上面を示す上面図であり、(c)はカバー部材の正面(穴部が視認される面)を示す正面図であり、(d)はカバー部材を裏面(正面の反対側の面)から見た裏面図であり、(e)はカバー部材の側面を示す側面図である。
図174に示すように、カバー部材633の底面(特に、被覆部634の底面)および裏面は開放している。すなわち、底面および裏面は存在しない。従って、カバー部材633は、ハーネス側コネクタ602と基板側コネクタ601とを覆うことができるとともに、ハーネス側コネクタ602に繋がるハーネスを外部に出すことができる。
図170に示すように、基板収納ケース200におけるケースカバー202には、2つの傘部631,632が設けられている。傘部631,632は、合成樹脂等で形成されるケースカバー202と一体に形成される。ただし、ケースカバー202とは別に傘部631,632を形成し、形成した傘部631,632をケースカバー202に取り付けるようにしてもよい。傘部631,632は、図166に示された係合ピン621,622の機能と同様の機能を果たす。図170には、ハーネス側コネクタ602が基板側コネクタ601に差し込まれた状態が示されている。カバー部材633は、ハーネス側コネクタ602と基板側コネクタ601とを覆う被覆部634と、左右の係合ピン固定部635,636とを有する。係合ピン固定部635,636には、カバー部材633が設置されたときに、傘部631,632の位置に相対する位置に穴部639が設けられている。また、図174に示すように、被覆部634と左右の係合ピン固定部635,636との間には、仕切部640が存在する。仕切部640は、傘部631,632の先端側(爪部)が切り取られないようにするための防護用の壁の役割を果たす。また、図174に示すように、穴部639の平面形状は、略楕円における曲率が緩い方の縁部に凸状部分が付加されたような形状である。傘部631,632を上(先端側)から見た形状は、穴部639における凸状部分に合うような形状である。
図170に示すように、カバー部材633が設置されるときに、傘部631,632が穴部639に挿入される。傘部631,632は弾性を有する。従って、傘部631,632の先端側は、穴部639における凸状部分を通るときに窄まり、穴部639を通過すると広がって、係合ピン固定部635,636の内壁に傘部631,632における縁が当接する。よって、カバー部材633は傘部631,632から抜けない状態になる。すなわち、カバー部材633はケースカバー202から抜けない状態になる。
カバー部材633において、被覆部634と左右の係合ピン固定部635,636との間に、内部に向かう複数の切り込み部637および複数の切り込み部638が設けられている。
ハーネス側コネクタ602を基板側コネクタ601から抜くには、カバー部材633を破壊する必要がある。例えば、図171に示すように、ニッパ等の工具625を切り込み部637,638に差し入れ、切り込み部637の間、および切り込み部638の間を切断する。すると、被覆部634が左右の係合ピン固定部635,636から切り離される。よって、被覆部634を取り外すことが可能になる。図172には、被覆部634が取り外された後、ハーネス側コネクタ602が基板側コネクタ601から抜かれた状態が示されている。
以上のように、ハーネス側コネクタ602が基板側コネクタ601に差し込まれ、カバー部材633が装着されると、カバー部材633を破壊しない限りハーネス側コネクタ602を抜くことが不能になる。また、カバー部材633を破壊することによって、ハーネス側コネクタ602を基板側コネクタ601から外すことが可能になるが、図172に示す状態において、左右の係合ピン固定部635,636の破断面には破断の際の傷跡が残る。よって、ハーネス側コネクタ602を基板側コネクタ601から外した後、ハーネス側コネクタ602に不正基板(例えば、不正ROMを含むマイクロコンピュータを搭載した不正な主基板)を装着する目的で不正にカバー部材633を破壊しても、容易にそのことがわかる。従って、不正行為を抑止することができる。
また、図173に示すように、穴部639の平面形状は、略楕円における曲率が緩い方の縁部に凸状部分が付加されたような形状である。そして、傘部631,632を上(先端側)から見た形状は、穴部639における凸状部分に合うような形状である。六面体(例えば、略立方体)である係合ピン固定部635,636を90゜回転させると(例えば、図173に示すa方向に回転させる)、傘部631,632は、略楕円の穴部639から抜け出すことが可能になる。すなわち、係合ピン固定部635,636を傘部631,632から抜き出して(例えば、図173に示すb方向に抜き出して)、基板から外すことが可能になる。なお、被覆部634が取り外されない限り、係合ピン固定部635,636を回転させることはできない。つまり、カバー部材633を破壊しない限り、係合ピン固定部635,636を回転させることはできない。
カバー部材633を破壊した後、係合ピン固定部635,636を基板から外すことができるので、新たなカバー部633を装着することができる。つまり、ハーネス側コネクタ602を基板側コネクタ601に再装着した後、再度カバー部633を取り付けることができる。従って、検査等の目的でカバー部材633を破壊した後に、再度、カバー部材633を破壊しない限りハーネス側コネクタ602を抜くことが不能になるような構造を適用することができる。よって、基板収納ケース200自体を無駄にすることがない。
また、図170、図172および図173に示すように、係合ピン固定部635,636の底面は、ケースカバー202における高くなっている部分(直立している部分)の側が円弧状に切り取られたような形状になっている。従って、係合ピン固定部635,636を回転させるときに、ケースカバー202における直立している部分に当たることなく円滑に回転させることができる。
図175〜図177は、第3の構造例を示す図である。図175は、ハーネス側コネクタが差し込まれた後、カバー部材が取り付けられる前の状態を示す斜視図である。図176は、カバー部材の取り外しを規制するための処理が施されている状態を示す斜視図である。図177は、カバー部材の取り外しを規制するための処理が施された後の状態を示す斜視図である。
カバー部材653の底面および裏面における上部は開放している。すなわち、底面は存在せず、裏面における上部は存在しない。従って、カバー部材653は、ハーネス側コネクタ602と基板側コネクタ601とを覆うことができるとともに、ハーネス側コネクタ602に繋がるハーネスを外部に出すことができる。
また、カバー部材653の裏面の下部には、外側に突出する2つの係止部655が設けられている。基板収納ケース200において、係止部655に対応する位置に、穴部652が設けられている。また、カバー部材653の正面側には、中央に挿入穴657が開けられたインシュロック係合部654が設けられている。また、基板収納ケース200において、インシュロック係合部654に対応する位置に、中央に挿入穴651が開けられたインシュロック係合部650が設けられている。
図176に示すように、カバー部653が装着されると、カバー部材653側のインシュロック係合部654と基板収納ケース200側のインシュロック係合部650とが当接する。その状態では、挿入穴657と挿入穴651とが相対する。そして、図177に示すように、挿入穴657と挿入穴651とに紐状物(インシュロック)661が挿入され、その先端が、インシュロック661の中途に設けられている紐止め用穴662に挿入されて固定される。
図177に示された状態では、インシュロック661を解かない限り、カバー部653を基板側から外すことができない。よって、ハーネス側コネクタ602を基板側コネクタ601から引き抜くことはできない。なお、インシュロック661は、汎用品ではなく特注品である。すなわち、一般には入手困難なものである。また、インシュロック661の一つ一つにタグが形成されている。そして、タグに固有の識別番号(ID)が付されている。固有のID(メーカ等で管理されている。)によって、インシュロック661を偽造することを困難にすることができる。偽造をより困難にするために、IDは、印字されるのではなく、金型成型時に形成される。また、インシュロック661を解いた後では、再度、先端を紐止め用穴662に挿入しても固定不能な構造を有することが好ましい。よって、一度インシュロック661を解くと、新たなインシュロック661を入手しない限り、元の状態(図177に示された状態)に戻すことはできない。
よって、ハーネス側コネクタ602を基板側コネクタ601から外した後、ハーネス側コネクタ602に不正基板(例えば、不正ROMを含むマイクロコンピュータを搭載した不正な主基板)を装着する目的で不正にカバー部材653を外しても、容易にそのことがわかる。固定されたインシュロック661が存在しなくなるからである。
図178〜図181は、第4の構造例を示す図である。図178は、ハーネス側コネクタが差し込まれた後、カバー部材が取り付けられる前の状態を示す斜視図である。図179は、カバー部材の取り外しを規制するための処理が施されている状態を示す斜視図である。図180は、カバー部材の取り外しを規制するための処理が施された後の状態を示す斜視図である。図181は、ハーネス側コネクタを抜くためにカバー部材を破壊する状態を示す斜視図である。
カバー部材673の底面および裏面における上部は開放している。すなわち、底面は存在せず、裏面における上部は存在しない。従って、カバー部材673は、ハーネス側コネクタ602と基板側コネクタ601とを覆うことができるとともに、ハーネス側コネクタ602に繋がるハーネスを外部に出すことができる。
カバー部材673の正面側には、中央に穴部672を有する取付部材674,675が設けられている。また、基板収納ケース200において、内部にねじ溝が切られた穴部678を有するねじ受け部材670,671が設けられている。
図179に示すように、カバー部材673がハーネス側コネクタ602と基板側コネクタ601とに被せられると、取付部材674,675がねじ受け部材670,671に当接する。また、穴部672は穴部678に相対する。その状態で、2カ所の穴部672,678の一方にワンウェイねじ679が差し込まれ、ねじ止めされる。図180には、ねじ受け部材670にねじ止めされた様子が示されている。なお、ねじ受け部材670,671のうちの一方(例えば、ねじ受け部材671)は予備用である。後述するように、ねじ受け部材670が破壊された後、新たなカバー部材673を被せて、予備用のねじ受け部材671に新たなワンウェイねじ679をねじ止めすることによって、再度コネクタ封止構造を実現することができる。また、ケースカバー202等に、予備のワンウェイねじ679を保管しておく箇所を設け、そこに、予備のワンウェイねじ679を保管してもよい。
図180に示す状態では、ワンウェイねじ679をスクリュードライバで外すことはできないので、カバー部材673を破壊しない限りハーネス側コネクタ602を抜くことが不能になる。また、カバー部材673を破壊することによって、ハーネス側コネクタ602を基板側コネクタ601から外すことが可能になる。図178に示すように、取付部材674,675の根元部(略直方体のカバー部材673の本体に近い側)677は、扁平に形成されている。よって、図181に示すように、ニッパ等の工具625で、根元部677を切断すると、カバー部材673が基板収納ケース200から切り離され、ハーネス側コネクタ602を基板側コネクタ601から引き抜くことが可能になる。
根元部677が切断されると、根元部677の破断面には破断の際の傷跡が残る。よって、ハーネス側コネクタ602を基板側コネクタ601から外した後、ハーネス側コネクタ602に不正基板(例えば、不正ROMを含むマイクロコンピュータを搭載した不正な主基板)を装着する目的で不正にカバー部材673を破壊しても、容易にそのことがわかる。従って、不正行為を抑止することができる。
以上に説明したように、ハーネス側コネクタ602を基板側コネクタ601に装着した後、カバー部材613,633,653,673を被せて、カバー部材613,633,653,673を取り外せないような構造にすることによって不正行為を効果的に防止することができる。
また、適用する場合に、主基板31にケーブルで直接電気的に接続される他の基板におけるコネクタ設置位置(主基板31と他の基板の双方において)において適用されることが好ましいが、主基板31(第1基板とする。)に接続される他の基板(第2基板とする。)と、第2基板に接続されるさらに他の基板(第3基板とする。)との双方におけるコネクタ設置位置(第1基板および第2基板を接続するケーブルが接続されるコネクタの設置位置)においても、上述したコネクタ封止構造(基板側コネクタ601とハーネス側コネクタ602との封止)が適用されることがより好ましい。第3基板におけるコネクタ接続を外して、第1基板を不正基板に換えて(第2基板も含めて交換して、または第2基板で実現される機能も含む不正基板に交換して)第3基板に接続するような不正行為がなされることも考えられるからである。なお、第1基板に相当するものは主基板31に限られず、他の基板であってもよい。
図145や図150等に示されたコネクタ規制部材500によるコネクタ封止構造、図156〜図158に示されたコネクタ規制部材520によるコネクタ封止構造、および図159および図160に示されたコネクタ規制部材550によるコネクタ封止構造でも、コネクタ規制部材500,520,550または基板収納ケース200の一部を破壊しない限りコネクタ規制部材500の保持状態を解除することができなくなる。よって、第1基板と第2基板と第3基板の各々に上記の第1〜第4の構造例をコネクタ封止構造として適用できるが、図145や図150等に示されたコネクタ規制部材500によるコネクタ封止構造を適用してもよい。
なお、第2基板や第3基板にもコネクタ封止構造を採用して、主基板31を第2基板や第3基板に接続不能にした場合には、第2基板や第3基板が演出制御基板80や図柄基板411である場合には、主基板31を不正基板に換えても、正規の演出が実行されない。また、第2基板や第3基板が払出制御基板37である場合には、正規の払出制御が実行されない。その他の基板についても、正規の機能を果たさなくなる。その結果、外部から遊技機を観察すると、異常な動作を行っていることが容易に把握される。つまり、第2基板や第3基板にもコネクタ封止構造を採用すれば、主基板31が不正基板に換えられても、容易にそのことを発見できる。換言すれば、不正基板を第2基板や第3基板に接続できなくすると、例えば、第2基板や第3基板が演出制御基板80である場合には、画像表示、音、発光等の演出が実行されない、第2基板や第3基板が払出制御基板37である場合には、入賞があっても払出が実行されない、第2基板や第3基板が図柄基板411である場合には、始動入賞しても図柄が変動しない、第2基板や第3基板がその他の基板である場合にも、演出や報知が正常になされない、といった現象が生ずる。よって、現象により不正基板が外部から容易に認識されてしまうことになるので、不正行為者は主基板31と接続される基板に対しては極力全部の基板と不正基板とを接続することが予想される。よって、第2基板や第3基板のコネクタを封止することに意義がある。
なお、上記の各構造では、1つのカバー部材613,633,653,673を用いたが、カバー部材は1つに限られない。例えば、ハーネス側コネクタ602を基板側コネクタ601に装着した後、コネクタを複数のカバー部材で覆うようにして、それらのカバー部材を、破壊しない限り、開けられないような構造を用いてもよい。また、コネクタをカバー部材で覆うようにした後、そのカバー部材を他の部材(例えば、上記のカバー部材613,633,653,673の構造を有するもの)で覆うようにしてもよい。
また、以上の説明では、ハーネス側コネクタ602を基板側コネクタ601から取り外すことができない構造(引き抜き不能化手段)としてカバー部材613,633,653,673を用いた構造を例にしたが、ハーネス側コネクタ602を基板側コネクタ601から取り外すことができない構造(基板や電気部品に設けられているコネクタ(例えば、雌型コネクタ)に差し込まれたコネクタ(例えば、雄型コネクタ)を抜けないようにするための構造)は、そのような構造に限られない。以下のような構造による引き抜き不能化手段を用いてもよい。
(A)コネクタ自体を、一度他のコネクタが装着されたら、引き抜き不能な構造を有するものにする。
(B)例えば、両コネクタが接続されたら、内部的に(人手で操作できないように)、両コネクタをロックする解除不能化部材を設ける。
(C)ロック付きのコネクタを用いる。通行、ロック部分を人手で操作することによって、両コネクタの接続を解除することができるが、ロック部分に対して、一度他のコネクタが装着されたら、ロック部分を人手で操作してもロック解除されないような解除不能化部材を設ける。
また、以上の説明では、ハーネス側コネクタ602と基板側コネクタ601との接合部分を開放できないようにするための封止手段(基板側コネクタ601に差し込まれたハーネス側コネクタ602を抜けないようにするための手段)として、係合ピン、インシュロック、係合ピンまたはワンウェイねじを例示したが、封止手段はそれらに限られない。例えば、以下のようなものを使用することができる。
(1)リベット
(2)熱溶着や高周波溶着で接合される部材
(3)紫外線硬化樹脂などによる接着剤
(4)係合部品(この場合には、係合部分に接着剤を塗布したり、接着剤を注入したり、溶着したりする。)
また、上記の(1)〜(4)のものや係合ピンを用いる場合に、基板側コネクタ601からハーネス側コネクタ602を外す際に、上記の各構造のようにコネクタ自体を破壊するのではなく、上記の(1)〜(4)のものや係合ピンを破壊したり、それらの一部を破壊するような構造にしてもよい。
なお、上記の(A)〜(C)およびカバー部材613,633,653,673を用いた構造のうちのいずれかの構造と、上記の(1)〜(4)、係合ピン、インシュロックおよびねじのうちのいずれかの封止手段とを、任意に組み合わせることができる。
また、以上の説明では、ハーネス側コネクタ602と基板側コネクタ601との接合部分を開放できないようにするための封止手段の材質として、金属を用いてもよいし、合成樹脂を用いてもよい。
また、以上の説明では、封止可能回数(カバー部材613,633,653,673の利用可能回数)は1回であったが、複数回利用できるような構造を採用してもよい。例えば、基板収納ケース200において採用されたかしめ(ワンウェイねじによる)回数を複数回にするためにワンウェイねじの装着箇所を複数(例えば4つ)設ける。複数回利用できるような構造を採用する場合には、再封止のための予備部材を用意しなくてよい。
封止可能回数を複数回にした場合には、開封(破壊等によって封止を解除すること)したことが容易に確認できるようにする構造を有していることが好ましい。例えば、切断によって開封するような構造では、切断部を直ちに視認できるように、上面側に切断面がくるような構造を採用することが好ましい。
また、封止可能回数を複数回にした場合には、正規の開封に対応するために、基板側コネクタの近傍に、履歴シールを貼付しておくことが好ましい。履歴シールには、例えば、開封の際に記入される「検査者」の欄と「検査日」の欄とが設けられている。検査者等が検査等の目的で開封したときには、「検査者」の欄に自身の名前を記入し「検査日」の欄に破壊した日を記入する。それらの記入がないにも関わらず、開封されているときには、不正行為がなされたと判定することができる。
さらに、封止に用いる部材は、開封されたことが容易に確認できるように、特殊な形状であることが好ましい。
なお、上記の第1〜第4の構造例では、ハーネス側コネクタ602と基板側コネクタ601との接合部分を開放できないように封止する封止手段が用いられたが、基板収納ケース200に、コネクタに関する封止機能を持たせると、封止手段の数が少なくなってコストが増大しない。
また、上記の第1〜第4の構造、またはカバー部材を用いる他の構造において、封止されているコネクタに対して万一不正行為がなされても容易に不正行為を発見できるように、カバー部材は透明の材質で形成されていることが好ましい。
また、封止手段の色を、蛍光色等の目立つような色にして、開封されていないか否かに注目させるようにしておくことが好ましい。
実施の形態3.
次に、基板収納ケース200を覆うことによって基板収納ケース200を開放することをより困難にする構造を、図182〜図184を参照して説明する。図182は、少なくとも基板収納ケース200における被固着部255a〜255dを含む第1被固着部255と、基板側コネクタ238a,238b,238cとを覆うカバー部材(被覆部材)950を、基板収納ケース200とともに示す斜視図である。なお、基板収納ケース200の構造は、図145〜図151等に示された構造と同じである。ただし、図145〜図151等にはコネクタ規制部材500も示されているが、図182〜図184に示す構造では、コネクタ規制部材500は使用されない。
図182に示すように、カバー部材950には、カバー部材950が基板収納ケース200に装着されたときに基板側コネクタ238a,238b,238cを覆う第1被覆部951と、カバー部材950が基板収納ケース200に装着されたときに第1被固着部255(そのうちで、少なくとも連接部257)を覆う第2被覆部952とを有する。
第1被覆部951には、カバー部材950が基板収納ケース200に装着されたときに、基板側コネクタ238a〜238cに装着された配線側コネクタから延びる配線291a〜291cを通過させることが可能なスリット933a〜933cが設けられている。
また、第1被覆部951には、カバー部材950が基板収納ケース200に装着されたときに、ケースカバー202における傾斜被覆面部220cに設けられている複数の係合穴502のそれぞれに係合する係止爪936が設けられている。
また、第1被覆部951の側壁951aには、ワンウェイねじ931が挿入される4つの被固着部930a〜930dを含む第1被固着部930が突出するように設けられている。ワンウェイねじ931は、4つの被固着部930a〜930dのうちの1つ(例えば、被固着部930a)に挿入される。ワンウェイねじ931が挿入された被固着部930aには、キャップ932が被せられる。
なお、図182に示す例では、第1被覆部951の側壁951aに第1被固着部930が設けられているが、第1被固着部930は、第2被覆部952の側壁に設けられていてもよい。また、カバー部材950における第1被覆部951および第2被覆部952以外の位置に設けられていてもよい。また、基板収納ケース200におけるケース本体201の側壁205には、複数(この実施の形態では3本)の予備用ワンウェイねじ935を収納するねじ収納部935aが設けられている。さらに、ケース本体201の側壁205には、カバー部材950が基板収納ケース200に装着されたときに被固着部930a〜930dに当接する位置に、被固着部930a〜930dに挿入されたワンウェイねじ931をねじ止めするためのねじ穴938a〜938dが所定間隔で形成された第2被固着部937が設けられている。
図183(a)は、カバー部材950が基板収納ケース200に装着された状態を示す斜視図である。図183(b)は、図183(a)に示す基板収納ケース200およびカバー部材950のA−A断面図である。図183に示すように、各被固着部930bには、ワンウェイねじ931を挿通可能な四角柱状の筒状部930fと、筒状部930fと側壁951aとを連接する連接部930eとで構成されている。そして、連接部930eを介して筒状部930fが側壁951aから所定距離離間した状態で配置されている。よって、連接部930eをニッパ等の工具で切断できる。なお、被固着部930a,930c,930dの構造も、被固着部930bの構造と同様である。
カバー部材950におけるそれぞれの係止爪936がケースカバー202におけるそれぞれの係合穴502に差し込まれて、係止爪936における爪部(凸部)によって係止爪936が係合穴502に係止されると、第1被覆部951は、基板側コネクタ238a,238b,238cを覆って、基板側コネクタ238a,238b,238cを露出させない状態にする。また、第2被覆部952は、ケースカバー202における第1被固着部255を覆って、第1被固着部255を露出させない状態にする。
その状態で、ワンウェイねじ931が、一方向の回転によってねじ止めされる。図183には、被固着部930bに挿入されたワンウェイねじ931がねじ穴938bにねじ止めされた例が示されているが、一般には、最初に、被固着部930aを介してねじ穴938aにねじ止めされる。ワンウェイねじ931は、ねじ止めされたる差異に回転された方向と他方向に回転させようとしても回転させることができない、すなわち、そのねじを緩めることができない機能を有するねじである。具体的には、ワンウェイねじ931は、外周に雄ねじ部が形成されたねじ部と、ねじ部の上端に設けられる頭部とで構成される。なお、予備用ワンウェイねじ935も予備用ワンウェイねじ931と同様に構成されている。
また、4つの被固着部255a〜255dのうちの1つ(例えば、被固着部255a)についてワンウェイねじ931を装着するのではなく、複数の被固着部についてワンウェイねじ931を装着するようにしてもよい。
図184(a),(b)は、図183(a)におけるA−A断面と直交する方向でのカバー部材950および基板収納ケース200の断面を示す断面図である。図184(a)は、ケースカバー202における膨出部208aを通過する切断面で切断した場合の断面図を示し、図184(b)は、ケースカバー202における第1被固着部255を通過する切断面で切断した場合の断面図を示す。
膨出部208aの内部には、複数の予備用ワンウェイねじ281が収納されているが、図184(a)に示すように、カバー部材950における第2被覆部952は、カバー部材950が基板収納ケース200に装着されたときに、膨出部208aも覆って、膨出部208aを露出させない状態にする。
また、図184(b)に示すように、カバー部材950における第2被覆部952は、カバー部材950が基板収納ケース200に装着されたときに、ワンウェイねじ280の装着箇所を覆って、ワンウェイねじ280を露出させない状態にする。
図182〜図184に示すように、カバー部材950は、基板側コネクタ238a,238b,238c、ワンウェイねじ280による封止部を含む第1被固着部255、および予備用ワンウェイねじ281が収納されている膨出部208aを露出させないようにし、かつ、それらをワンウェイねじ931によって内部空間に封止する。封止された状態では、基板側コネクタ238a,238b,238c第1被固着部255、および膨出部208aに接触することはできない。
被固着部930aがワンウェイねじ930を介して第2被固着部937に固着されている場合を例にすると、封止状態を解除してカバー部材950を開放しようとする場合には、ワンウェイねじ931を反時計回りに回して取り外すことができないので、カバー部材950の一部を破壊するか、または、連接部930eをニッパ等の工具で切断し、ワンウェイねじ930を介して第2被固着部937に固着されている被固着部930aの筒状部930fをカバー部材950の本体側から切り離す必要がある。
破壊または切断のいずれの方法をとるにせよ、封止状態を解除してカバー部材950を開放した場合には、破壊または切断の痕跡が残る。その結果、カバー部材950が不正に開放された場合でも、早期に不正行為が行われたことを発見することができる。
さらに、基板収納ケース200内に収納されている主基板31等に接触する場合には、ワンウェイねじ280を反時計回りに回して取り外すことができないので、ケース本体201またはケースカバー202の一部を破壊するか、または、連接部257をニッパ等の工具で切断し、固着片212aにワンウェイねじ280を介して固着されている被固着部255aの筒状部256をケースカバー202から切り離す必要がある。
つまり、主基板31等に接触する場合には、切断や破壊によってカバー部材950の封止を解除し、さらに、基板収納ケース200の封止を解除する必要がある。また、基板側コネクタ238a,238b,238cに接触する場合には、切断や破壊によってバー部材950の封止を解除する必要がある。上記のように、カバー部材950の封止を解除する場合には、破壊または切断の痕跡が残る。よって、万が一不正な遊技制御プログラムが格納されたROMを有する主基板等にすりかえられたり、基板側コネクタ238a,238b,238cに接続された配線側コネクタ290a〜290cを抜いて不正基板に差し替えられた場合でも、それらの不正行為を早期に発見して対処することができる。従って、その状態で遊技が行われて遊技店が不利益を被ることを回避することができる。
また、主基板31等に接触する場合には、切断や破壊によってカバー部材950の封止を解除し、さらに、基板収納ケース200の封止を解除する必要があるので、ROMの交換等を目的とした不正行為を完了するまでに時間がかかる。よって、不正行為の実行を抑制することも可能になる。
図185は、少なくとも基板収納ケース200における被固着部255a〜255dを含む第1被固着部255と、基板側コネクタ238a,238b,238cとを覆うカバー部材の他の例を、基板収納ケース200とともに示す斜視図である。基板収納ケース200の構造は、図145〜図151等に示された構造と同じである。ただし、図145〜図151等にはコネクタ規制部材500も示されているが、図182〜図184に示す構造では、コネクタ規制部材500は使用されない。
図185に示すように、カバー部材960には、カバー部材960が基板収納ケース200に装着されたときに基板側コネクタ238a,238b,238cを覆う第1被覆部961と、カバー部材960が基板収納ケース200に装着されたときに第1被固着部255を覆う第2被覆部962とを有する。
図185に示す例では、第1被覆部961の側壁961aには、鍵穴966を有する第1被固着部963が突出するように設けられている。また、基板収納ケース200におけるケース本体201の側壁205には、カバー部材960が基板収納ケース200に装着されたときに第1被固着部963が凹部965に挿入されるように第2被固着部964が設けられている。
第1被固着部963の内部には、鍵によって突出させられるロック部(図示せず)が設けられている。また、第2被固着部964における凹部965の内壁部において、ロック部が嵌り込む穴部(図示せず)が設けられている。
カバー部材960におけるそれぞれの係止爪936がケースカバー202におけるそれぞれの係合穴502に差し込まれて、係止爪936における爪部(凸部)によって係止爪936が係合穴502に係止されると、第1被覆部961は、基板側コネクタ238a,238b,238cを覆って、基板側コネクタ238a,238b,238cを露出させない状態にする。また、第2被覆部962は、ケースカバー202における第1被固着部255を覆って、第1被固着部255を露出させない状態にする。
その状態で、第1被固着部963は、凹部965に挿入されている。そして、鍵穴966に鍵を差し込み所定方向に回転させると、ロック部が突出して、第2被固着部964における穴部に嵌り込む。その状態では、カバー部材960は、基板側コネクタ238a,238b,238c、ワンウェイねじ280による封止部を含む第1被固着部255、および予備用ワンウェイねじ281が収納されている膨出部208aを露出させないようにし、かつ、それらをロック機構(第1被固着部963におけるロック部および第2被固着部964における穴部)によって内部空間に封止する。封止された状態では、基板側コネクタ238a,238b,238c第1被固着部255、および膨出部208aに接触することはできない。
図182等に示された例の場合と同様に、封止状態を解除してカバー部材950を開放しようとする場合には、鍵穴966に挿入可能でロック解除可能な鍵がない限り、また、ロック機構を破壊しない限り、カバー部材960の一部を破壊するか、または、連接部930eをニッパ等の工具で切断する必要がある。よって、図182等に示された例の場合と同様に、主基板31等に対する不正行為を早期に発見して対処することができる。また、主基板31等に接触する場合には、切断や破壊によってカバー部材960の封止を解除し、さらに、基板収納ケース200の封止を解除する必要があるので、ROMの交換等を目的とした不正行為を完了するまでに時間がかかる。よって、不正行為の実行を抑制することも可能になる。
実施の形態4.
図186は、不正行為の実行を抑制可能な主基板31の構成例を示す斜視図である。図186に示す例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が装着されるソケット560aにおける複数箇所(例えば2箇所)に、ねじが切られたねじ部を有する受け部561,562が設けられている。ソケット560aは、主基板31に半田付け等で固定されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ560がソケット560aに装着された後、遊技制御用マイクロコンピュータ560に、透明なカバー560bが被せられる。カバー560bには、カバー560bが遊技制御用マイクロコンピュータ560に被せられたときに、受け部561,562におけるねじ部に当接するように穴部が設けられたねじ挿入部565が設けられている。遊技制御用マイクロコンピュータ560にカバー560bが被せられた後、ねじ563,564がねじ挿入部565を介して受け部561,562にねじ止めされる。
その状態では、カバー560bを外さない限り、遊技制御用マイクロコンピュータ560をソケット560aから外すことはできない。すなわち、ROM54を内蔵する遊技制御用マイクロコンピュータ560を外して不正ROMを内蔵するマイクロコンピュータに交換することはできない。つまり、不正ROMに交換するのに時間がかかる。
なお、基板収納ケース200の構成は、上記の各実施の形態における構成と同様である(図148等参照)。従って、遊技制御用マイクロコンピュータ560をソケット560aから外す場合には、基板収納ケース200の封止を解除する必要がある。
また、図182や図185に示されたカバー部材950,960をさらに用いてもよい。カバー部材950,960も用いる場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560をソケット560aから外すときにさらに時間がかかるので、不正行為の実行の抑制効果がより大きくなる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560に、透明なカバー560bを装着した後に封止するためにねじ止めを用いるのではなく、他の手段(例えば、基板収納ケース200やカバー部材950の場合と同様にワンウェイねじを用いた封止機構)を用いてもよい。
実施の形態5.
図187は、不正行為の実行を抑制可能な遊技機の構成例を示す平面図である。図187に示す例では、遊技盤の裏面が透明なカバー970で覆われている。遊技盤の裏面には、主基板31を内蔵した基板収納ケース200(図示せず)が取り付けられているので、基板収納ケース200は、カバー970で覆われることになる。
カバー970は、基板収納ケース200における第1被固着部255やカバー部材950における第1被固着部951の構造と同様の構造の第1被固着部が設けられている。すなわち、4つの被固着部975a〜975dを含む第1被固着部975が設けられている。また、遊技盤には、基板収納ケース200における第2被固着部212や第2被固着部937と同様の構造の第2被固着部(図示せず)が設けられている。
よって、基板収納ケース200やカバー部材950の場合と同様に、ワンウェイねじによってカバー970を封止することができる。また、封止状態を解除してカバー970を開放しようとする場合には、ワンウェイねじを反時計回りに回して取り外すことができないので、カバー970の一部を破壊するか、または、連接部をニッパ等の工具で切断し、ワンウェイねじを介して第2被固着部に固着されている被固着部の筒状部をカバー970の本体側から切り離す必要がある。
つまり、基板収納ケース200に接触する場合には、切断や破壊によってカバー970の封止を解除する必要がある。カバー970の封止を解除する場合には、破壊または切断の痕跡が残る。よって、万が一不正な遊技制御プログラムが格納されたROMを有する主基板等にすりかえられたり、基板側コネクタ238a,238b,238cに接続された配線側コネクタ290a〜290cを抜いて不正基板に差し替えられた場合でも、それらの不正行為を早期に発見して対処することができる。従って、その状態で遊技が行われて遊技店が不利益を被ることを回避することができる。
なお、基板収納ケース200の構成は、上記の各実施の形態における構成と同様である(図148等参照)。従って、遊技制御用マイクロコンピュータ560をソケット560aから外す場合には、基板収納ケース200の封止を解除する必要がある。
また、図182や図185に示されたカバー部材950,960をさらに用いてもよい。カバー部材950,960も用いる場合には、不正行為を完了するのにさらに時間がかかるので、不正行為の実行の抑制効果がより大きくなる。
また、カバー970の封止手段として、基板収納ケース200における第1被固着部255やカバー部材950における第1被固着部951の構造と同様の構造の第1被固着部975や第2被固着部を用いるのではなく、図185に示されたようなロック機構を用いてもよい、その場合には、カバー部材950に鍵穴972を有する第1被固着部971が突出するように設けられる。そして、第1被固着部971には、鍵によって突出させられるロック部が設けられる。また、遊技盤の側において、ロック部が嵌り込む穴部が設けられる。そのような構造によっても、4つの被固着部975a〜975dを含む第1被固着部が設けられた場合と同様の効果を得ることができる。
なお、図187には、4つの被固着部975a〜975dを含む第1被固着部975と、鍵穴972を有する第1被固着部971とがともに示されているが、少なくとも一方が設けられていればよい。
また、ここでは、遊技盤の裏面を覆うカバー970を例示したが、少なくとも基板収納ケース200を覆って封止できるのであれば、覆う箇所は遊技盤の裏面でなくてもよく、また、遊技機1の裏面全体であってもよい。
また、遊技機の裏面において、基板収納ケース200自体を、基板収納ケース200やカバー部材950の場合と同様にワンウェイねじを用いた封止機構と同様の機構や、鍵を利用するロック機構によって、遊技機の本体(例えば、遊技盤や遊技枠)に固着するようにしてもよい。
なお、上記の第2〜第5の実施の形態では、以下のように構成されている遊技機について開示されている。
技媒体を用いて所定の遊技を行い、特定条件が成立したときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に移行させる遊技機であって、遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560)が搭載された基板(例えば、主基板31)を収容可能な収納ケース(例えば、基板収納ケース200)内に基板を封止する基板封止手段(例えば、被固着部255a〜255d)を備え、基板封止手段は、収納ケースの一部を破壊しない限り開封不能に構成され(図154、図155等参照)、基板に、他の基板と電気的に接続される配線に接続された配線側コネクタ(例えば、配線側コネクタ290a〜290c)を装着可能な基板側コネクタ(例えば、基板側コネクタ238a〜238c)が搭載され、少なくとも基板封止手段と基板側コネクタとを被覆する被覆部材(例えば、カバー部材950)と、一部を破壊しない限り被覆部材で被覆された基板封止手段と基板側コネクタとを露出不能にする被覆部材封止手段(例えば、被固着部930a〜930dを含む第1被固着部930およびねじ穴938a〜938dが形成された第2被固着部937)とを備えたことを特徴とする遊技機。そのような構成によれば、遊技機が、少なくとも基板封止手段と基板側コネクタとを被覆する被覆部材と、一部を破壊しない限り被覆部材で被覆された基板封止手段と基板側コネクタとを露出不能にする被覆部材封止手段とを備えているので、基板側コネクタを抜いて行われる不正行為を防止するとともに、基板や基板上の部品を交換するような不正行為を防止することができる。
被覆部材封止手段は、収納ケースを被覆部材内に封止する封止部(例えば、被固着部930a〜930dを含む第1被固着部930およびねじ穴938a〜938dが形成された第2被固着部937)を含み、封止部は、複数の固着部材(例えば、4つの被固着部930a〜930d)を有するように構成された遊技機。そのような構成によれば、被覆部材封止手段が、収納ケースを被覆部材内に封止する封止部を含み、封止部が、複数の固着部材を有するように構成されているので、被覆部材による被覆を解消するのに時間がかかり、その結果、不正行為を抑制することができる。
被覆部材封止手段は、収納ケースを被覆部材内に封止する封止部(例えば、第1被固着部963および第2被固着部964)を含み、封止部は、鍵によって開閉可能なロック機構(例えば、第1被固着部963におけるロック部および第2被固着部964における穴部)を有するように構成されている遊技機。そのような構成によれば、被覆部材封止手段が、収納ケースを被覆部材内に封止する封止部を含み、封止部は、鍵によって開閉可能なロック機構を有するように構成されているので、被覆部材による被覆を解消するためにロック機構を破壊すること等が必要であり、被覆部材による被覆を解消するのに時間がかかり、その結果、不正行為を抑制することができる。