以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
実施の形態1.
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図である。なお、以下の実施の形態では、パチンコ遊技機を例に説明を行うが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、スロット機などの他の遊技機に適用することもできる。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、所定の始動条件の成立(例えば、打球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の演出用の飾り図柄を可変表示し表示結果を導出表示する可変表示装置9が配置されている。この実施の形態では、可変表示装置9は液晶表示装置(LCD)により構成され、左・中・右の3つの表示領域(飾り図柄表示エリア)に飾り図柄が表示制御されるように構成されている。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄を停止表示させることである(いわゆる再変動の前の仮停止を除く。)。
この実施の形態では、可変表示装置9の3つの表示領域に表示される飾り図柄として、「0」〜「9」の数字の図柄を用いている。飾り図柄の可変表示(変動)中、原則として、「0」〜「9」の飾り図柄が番号順に表示される。
可変表示装置9の上部には、識別情報としての特別図柄を可変表示する特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8が設けられている。この実施の形態では、特別図柄表示器8は、例えば「0」〜「9」の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。特別図柄表示器8は、遊技者に特定の停止図柄を把握しづらくさせるために、「0」〜「99」など、より多種類の数字を可変表示するように構成されていてもよい。
可変表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の可変表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。飾り図柄の可変表示を行う可変表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示器8は、遊技制御基板に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。
可変表示装置9の下部には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)数を表示する4つの表示器からなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。有効始動入賞がある毎に、1つの表示器の表示色を変化させる。そして、特別図柄表示器8の可変表示が開始される毎に、1つの表示器の表示色をもとに戻す。この例では、特別図柄表示器8と特別図柄保留記憶表示器18とが別個に設けられているので、可変表示中も保留記憶数が表示された状態にすることができる。なお、可変表示装置9の表示領域内に、保留記憶数を表示する4つの表示領域からなる特別図柄保留記憶表示領域を設けるようにしてもよい。また、この実施の形態では、保留記憶数の上限値を4とするが、上限値をより大きい値にしてもよい。さらに、上限値を、遊技状態に応じて変更可能であるようにしてもよい。
可変表示装置9の下方には、遊技球が入賞可能な第1始動入賞口13が形成されている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口13の真下には、第2始動入賞口14が形成されている。そして、第2始動入賞口14には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15が閉状態のときは第2始動入賞口14に遊技球が入賞せず、可変入賞球装置15が開状態のときに第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能となる。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開閉される。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。
始動入賞口14の下方には、大当り遊技状態または小当り遊技状態においてソレノイド21によって開状態とされる特別可変入賞装置が設けられている。特別可変入賞装置は、開閉板20を備え、大入賞口を形成する。大入賞口に入った遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
可変表示装置9の真上には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
ゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6には、複数の入賞口29,30,33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,33,39への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aによって検出される。各入賞口29,30,33,39は、遊技球を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、第1始動入賞口13や第2始動入賞口14、大入賞口も、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
また、左側のスピーカ27の下方には、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、右側のスピーカ27の下方には、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。さらに、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニットが、パチンコ遊技機1に隣接して設置されている(図示せず)。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入り第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aで検出されると、特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了または前回の可変表示の終了)、特別図柄表示器8において特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、可変表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始される。特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、特別図柄保留記憶表示器18についての保留記憶数を1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄および可変表示装置9の飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の停止図柄が大当り図柄のうちの確変図柄(後述する突然確変図柄を除く。)または非確変図柄になると、大当り遊技状態(確変大当りまたは非確変大当り(通常大当りともいう))に移行する。すなわち、一定時間(例えば29秒)が経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで特別可変入賞装置が開放される。なお、特別可変入賞装置が開放されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の打球が大入賞口に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。この実施の形態では、停止図柄が確変図柄(後述する突然確変図柄を除く。)または非確変図柄になったことにもとづいて大当り遊技状態に移行されたときは、大当り遊技状態が15ラウンド継続される。
また、停止時の停止図柄が特別な確変図柄(以下、突然確変図柄という。)になると、遊技状態が確変状態に突然移行されたように遊技者に認識させる特別な大当り遊技状態(以下、突然確変大当りという。)に移行する。突然確変大当りでは、特別可変入賞装置が短い期間(例えば5秒)だけ2回開放される。突然確変大当りにおいて、特別可変入賞装置が開放されてから閉鎖されるまでが1ラウンドであり、突然確変大当りの遊技状態が2ラウンドだけ継続されることになる。なお、突然確変大当りでは、特別可変入賞装置が開放される期間が短く、特別可変入賞装置の開放中に10個の遊技球が入賞しないので、10個の遊技球が大入賞口に入賞するまでを1ラウンドと定義する必要はない。突然確変大当りが発生したときは、15ラウンドの大当りの場合と異なり、可変表示装置9において各ラウンドの演出が順に進行していくのではなく、突然、遊技状態が確変状態に移行したように遊技者に見せるための特別な演出が実行される。
また、停止時の停止図柄が小当り図柄になると、大当り遊技状態よりも遊技者に付与される遊技価値が小さい小当り遊技状態に移行する。すなわち、短い期間(例えば5秒)だけ特別可変入賞装置が2回開放される遊技状態に移行する。このように、小当り遊技状態では、突然確変大当りが発生したときに遊技者に付与される遊技価値と同じ遊技価値が付与されることになる。しかし、突然確変大当りの場合と異なり、小当り遊技状態の終了後に遊技状態が確変状態に移行されない。このことから、遊技者は、小当りよりも突然確変大当りの発生を期待する。なお、小当りが発生したときも、突然確変大当りのときと同様の特別な演出が実行される。このような特別な演出を2ラウンド用演出という。
この実施の形態では、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示と、可変表示装置9における飾り図柄の可変表示とは同期している。ここで、同期とは、可変表示の期間(可変表示時間)が同じであることをいう。また、特別図柄表示器8における表示結果(特別図柄の停止図柄)と可変表示装置9における表示結果(飾り図柄の停止図柄)とは対応している。なお、両図柄の対応関係については後述する。
次に、遊技状態の種類および遊技状態の遷移について説明する。
確変状態(確率変動状態)とは、大当り(つまり図柄が大当り図柄)となる確率が通常遊技状態および時短状態よりも高い遊技者にとって有利な遊技状態のことをいう。
また、時短状態(時間短縮状態)とは、特別図柄表示器8における特別図柄および可変表示装置9における飾り図柄の可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態および確変状態(確変時短状態を除く)よりも短縮される遊技状態のことをいう。このように可変表示時間が短縮されることにより、頻繁に図柄の可変表示が実行され、単位時間当たりの大当りの発生確率が向上する結果、遊技者にとって有利な状態となる。また、時短状態では、普通図柄表示器10において、停止図柄が当り図柄になる確率が通常遊技状態および確変状態(確変時短状態を除く)より高められるとともに、可変入賞球装置15における開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が通常遊技状態および確変状態(確変時短状態を除く)よりも高められ、遊技者にとってさらに有利な状態になる。また、時短状態では、普通図柄表示器10における普通図柄の可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態および確変状態(確変時短状態を除く)よりも短縮されることによって、遊技者にとってさらに有利な状態になる。なお、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率が向上し、可変入賞球装置15における開放時間と開放回数の一方または双方が高められ、普通図柄の可変表示時間が短縮された状態を高ベース状態といい、高ベース状態以外の通常の状態を低ベース状態という。
確変時短状態とは、確変状態でかつ時短状態である遊技状態のことをいう。確変時短状態は、遊技者にとってきわめて有利な状態である。
この実施の形態では、以下のように遊技状態が遷移する。
(1)通常遊技状態および時短状態のときに確変図柄(突然確変図柄を除く)で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、遊技状態が通常遊技状態および時短状態から確変時短状態に移行される。これによって、特別図柄および普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、特別図柄および普通図柄等の変動時間が短縮され、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められる。
(2)確変状態および確変時短状態のときに確変図柄(突然確変図柄を除く)で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、遊技状態が確変状態であったときは確変時短状態に移行され、遊技状態が確変時短状態であったときは確変時短状態が変化しないで維持される。これによって、特別図柄および普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮され、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められる。
(3)通常遊技状態および時短状態のときに突然確変図柄で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、遊技状態が通常遊技状態および時短状態から確変状態に移行される。このとき、特別図柄の停止図柄が当り図柄になる確率は高められるが、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率は高められず、特別図柄および普通図柄の変動時間も短縮されず、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められない。なお、突然確変大当り遊技の終了後は、演出モードが確変状態に移行されたことを期待させる演出モード(チャンスモード)に変更される。
(4)確変状態および確変時短状態のときに突然確変図柄で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、遊技状態が確変状態であったときは確変状態が変化しないで継続され、遊技状態が確変時短状態であったときは確変状態に移行される。このとき、特別図柄の停止図柄が当り図柄になる確率は高められるが、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率は高められず、特別図柄および普通図柄の変動時間も短縮されず、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められない。また、突然確変大当り遊技の終了後は、演出モードが確変状態に移行されたことを期待させる演出モード(チャンスモード)に変更される。
(5)通常遊技状態および時短状態のときに非確変図柄で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、大当り終了後の所定の変動回数(例えば100回)だけ時短状態に制御される。すなわち、遊技状態が通常遊技状態であったときは通常遊技状態から時短状態に所定の変動回数だけ移行され、遊技状態が時短状態であったときは所定の変動回数だけ時短状態が継続される。このとき、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮され、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められる。そして、所定の変動回数の変動が開始されるときに遊技状態が時短状態から通常遊技状態に移行される。
(6)確変状態および確変時短状態のときに非確変図柄で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、大当り終了後の所定の変動回数(例えば100回)だけ時短状態に制御される。すなわち、確変状態および確変時短状態から時短状態に所定の変動回数だけ移行される。このとき、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮され、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められる。そして、所定の変動回数の変動が開始されるときに遊技状態が時短状態から通常遊技状態に移行される。
(7)通常遊技状態および確変状態のときに小当り図柄で小当りになり、その小当り遊技が終了すると、通常遊技状態および確変状態が変化しないで継続される。なお、小当り遊技の終了後は、演出モードが確変状態に移行されたことを期待させる演出モード(チャンスモード)に変更される。
(8)時短状態および確変時短状態のときに小当り図柄で小当りになり、その小当り遊技が終了すると、時短状態および確変時短状態が変化しないで継続される。なお、小当り遊技の終了後は、演出モードが確変状態に移行されたことを期待させる演出モード(チャンスモード)に変更される。
なお、以上のような遊技状態の遷移は一例であって、このような構成に限られるわけではない。
次に、特別図柄の停止図柄と飾り図柄の停止図柄の対応関係(両図柄のはずれ図柄、確変図柄、非確変図柄、突然確変図柄および小当り図柄)について説明する。
上述したように、特別図柄表示器8にて可変表示される特別図柄は「0」〜「9」である。このうち、「0」〜「3」,「8」,「9」がはずれ図柄であり、「7」が確変図柄であり、「6」が非確変図柄であり、「5」が突然確変図柄であり、「4」が小当り図柄である。
また、上述したように、可変表示装置9にて可変表示される左中右の飾り図柄は、それぞれ、「0」〜「9」である。ここで、飾り図柄のはずれ図柄は、左中右の飾り図柄が同一図柄で揃っていない状態の図柄(例えば、「358」など:なお後述する突然確変図柄および小当り図柄を除く。)である。なお、左右の飾り図柄が同一図柄で揃っているが(リーチとなっているが)、中の飾り図柄だけ揃っていない状態もはずれ図柄である。
飾り図柄の大当り図柄は、左中右の飾り図柄が同一図柄で揃った状態の図柄である。具体的には、「000」,「111」,「222」,「333」,「444」,「555」,「666」,「777」,「888」,「999」である。このうち、奇数の飾り図柄で揃った状態の図柄(「111」,「333」,「555」,「777」,「999」)が確変図柄であり、偶数の飾り図柄で揃った状態の図柄(「000」,「222」,「444」,「666」,「888」)が非確変図柄である。
飾り図柄の突然確変図柄は、左中右の飾り図柄が連続した数字になった状態の図柄である。具体的には、「123」,「234」,「345」,「456」,「567」,「678」,「789」である。突然確変図柄も大当り図柄の一種であるが、確変状態に突然移行されたように見せるためには、突然確変図柄によって大当りの発生を容易に認識させないようにするのが望ましい。このため、上記のように、突然確変図柄を大当り図柄とは異なる図柄としている。なお、上記の図柄は突然確変図柄の一例であって、例えば「135」「357」のように左中右の飾り図柄の各々が異なる奇数の図柄となった場合を突然確変図柄としてもよい。
飾り図柄の小当り図柄は、左中右の飾り図柄が連続した数字になった状態の図柄である。すなわち、飾り図柄の突然確変図柄と同じ図柄(「123」,「234」,「345」,「456」,「567」,「678」,「789」)である。このように、飾り図柄の小当り図柄を突然確変図柄と同じ図柄としたことにより、遊技者が飾り図柄の停止図柄から突然確変大当りが発生したのか小当りが発生したのかを認識できないことになる。また、上述したように、突然確変大当り状態のときと小当り状態のときは同じ特別な演出が実行されるので、遊技者は演出の内容からも突然確変大当りが発生したのか小当りが発生したのかを認識できないことになる。さらに、突然確変大当りおよび小当りの終了後は確変状態または通常遊技状態のいずれかに制御されるが、確変状態および通常遊技状態のいずれの場合も、特別図柄および飾り図柄の変動時間は短縮されず、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も向上されず、普通図柄の変動時間も短縮されないため、遊技者は遊技状態がどの状態に移行されたかについて認識することもできない。よって、突然確変大当りまたは小当りの終了後に、遊技者による確変状態への移行に対する期待を持続させることができることとなる。なお、特別図柄に関しては、突然確変図柄が「5」で小当り図柄が「4」であり、異なる図柄である。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。この実施の形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、停止した飾り図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない飾り図柄については可変表示(変動表示)が行われていること、および全てまたは一部の飾り図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
例えば、可変表示装置9における左、中、右の表示領域のうち左、右の表示領域には大当り図柄の一部になる飾り図柄(例えば、「7」)が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行われている状態、および表示領域の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(例えば、可変表示装置9における左、中、右の表示領域の全てに変動表示が行われ、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行われている状態)がリーチ表示態様またはリーチになる。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行われる。その演出と可変表示装置9におけるリーチ表示態様とをリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(飾り図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、可変表示装置9の背景の表示態様(例えば、色等)を変化させたりすることがある。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数を発生する乱数回路503が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する特別図柄表示器8、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18および普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する可変表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤に設けられている装飾ランプ25の表示制御を行うとともに、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、賞球ランプ51および球切れランプ52の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAM(図示せず)を含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に可変表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して可変表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して可変表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、可変表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ25に供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜S15。S44,S45を含む。)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、可変表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
さらに、CPU56は、異常報知禁止フラグをセットするとともに(ステップS44)、停止期間タイマに禁止期間値に相当する値を設定する(ステップS45)。禁止期間値は、後述する異常入賞の報知を禁止する期間を示す値である。また、異常報知禁止フラグは、異常入賞の報知が禁止されていることを示すフラグであり、停止期間タイマがタイムアウトするまでセット状態に維持される。よって、可変表示装置9において初期化報知が開始されてから所定期間は、異常入賞の報知の開始が禁止される。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムR(大当り判定用乱数)の値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている可変表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S35のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、ステップS33,S34で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、CPU56は、正規の時期以外の時期において大入賞口に遊技球が入賞したことを検出した場合や、正規の時期以外の時期において第2始動入賞口に遊技球が入賞したことを検出した場合に、異常入賞の報知を行わせるための処理を行う(ステップS23:異常入賞報知処理)。
次に、遊技制御に用いられる大当り図柄決定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS24)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS25,S26)。
図5に示された遊技制御処理におけるステップS24では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別決定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(5)の乱数以外の乱数も用いるようにしてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(乱数回路503)が生成する乱数であるが、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560によってプログラムにもとづいて生成されるソフトウェア乱数を用いてもよい。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。特別図柄プロセス処理では、特別図柄表示器8および大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、可変表示装置9における飾り図柄の表示制御に関する演出制御コマンドなどを送出する処理を行う(飾り図柄コマンド制御処理:ステップS29)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS32:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS34)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS35)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S34(ステップS30を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図6および図7は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では特別図柄表示器8や大入賞口を制御するための処理が実行される。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち遊技球が第1始動入賞口13に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、保留記憶数(始動入賞記憶数)が上限値(保留記憶数=4)に達しているかどうかを確認する(ステップS312)。
保留記憶数が上限値に達していないときは(ステップS312のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソフトウェア乱数(大当り種別決定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)およびランダムR(大当り判定用乱数)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS313)。ステップS313では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソフトウェア乱数としてランダム1〜ランダム3を抽出するとともに、ハードウェア乱数として乱数回路503のカウント値を読み出すことによってランダムRを抽出する。また、保留記憶バッファにおいて、保存領域は、保留記憶数の上限値と同数確保されている。また、大当り種別決定用乱数等を生成するためのカウンタや保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保留記憶数を示す保留記憶カウンタの値を1増やす(ステップS314)。なお、図6には示していないが、保留記憶数カウンタの値を1増やしたときは、始動入賞記憶指定コマンド(このときの始動入賞記憶指定コマンドは始動入賞が発生したことにより始動入賞記憶数が+1されたことを示すコマンドである)が送信される。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技盤6に設けられている第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち遊技球が第2始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS315)、保留記憶数(始動入賞記憶数)が上限値(保留記憶数=4)に達しているかどうかを確認する(ステップS316)。
保留記憶数が上限値に達していないときは(ステップS316のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソフトウェア乱数(大当り種別決定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)およびランダムR(大当り判定用乱数)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS317)。ステップS317においても、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソフトウェア乱数としてランダム1〜ランダム3を抽出するとともに、ハードウェア乱数として乱数回路503のカウント値を読み出すことによってランダムRを抽出する。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保留記憶数を示す保留記憶カウンタの値を1増やす(ステップS318)。なお、このときも、始動入賞記憶指定コマンド(このときの始動入賞記憶指定コマンドは始動入賞が発生したことにより始動入賞記憶数が+1されたことを示すコマンドである)が送信される。
その後、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値0〜10)に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
特別図柄通常処理(ステップS300):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は保留記憶カウンタのカウント値により確認できる。そして、保留記憶カウンタのカウント値が0でなければ、大当りとするか否か(特別図柄の可変表示の表示結果を特定表示結果とするか否か)を決定する。大当りとする場合には、大当りフラグをセットし、大当りの種別(非確変大当り、確変大当り、突然確変大当りなど)を決定する。大当りとしない場合には、小当りとするか否かを決定する。小当りとする場合には、小当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(具体的には「1」)に更新する。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄の可変表示の変動パターン(図柄変動中の演出態様:なお、変動パターンによって変動時間も特定される。)を、始動入賞発生時に抽出した変動パターン決定用乱数(表示用乱数の一つ)の値に応じてあらかじめ定められた複数種類の変動パターンの中から選択する。また、決定された変動パターンにもとづいて、特別図柄が可変表示され導出表示されるまでの可変表示時間(変動時間)を特別図柄プロセスタイマにセットした後、特別図柄プロセスタイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に応じた値(具体的には「2」)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS302):変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされた特別図柄プロセスタイマがタイムアウト)すると、特別図柄表示器8における可変表示を停止して停止図柄を表示させる。また、可変表示装置9における飾り図柄の可変表示の停止を指定する演出制御コマンド(飾り図柄停止指定コマンド:図柄確定指定コマンドともいう)を演出制御基板80に送信する。特別図柄が停止表示される時間(図柄停止時間)を特別図柄プロセスタイマにセットした後、特別図柄プロセスタイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に応じた値(具体的には「3」)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS303):特別図柄変動中処理でセットされた図柄停止時間が経過すると、大当りフラグがセットされているかどうかを確認する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り図柄を停止表示してから大当り遊技を開始するまでの時間(大当り表示時間)を大入賞口制御タイマにセットした後、大入賞口制御タイマをスタートさせる。また、大当り図柄を停止表示した後に大当り遊技が開始されることを示す合図の演出(ファンファーレ演出)を演出制御用マイクロコンピュータ100に実行させるための演出制御コマンド(ファンファーレコマンド)を演出制御基板80に送信する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に応じた値(具体的には「4」)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、小当りフラグがセットされているかどうかを確認する。小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄を停止表示してから小当り遊技を開始するまでの時間(小当り表示時間)を大入賞口制御タイマにセットした後、大入賞口制御タイマをスタートさせる。また、小当り図柄を停止表示した後に小当り遊技における特別な演出(2ラウンド用演出)を演出制御用マイクロコンピュータ100に実行させるための演出制御コマンド(ファンファーレコマンド)を演出制御基板80に送信する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に応じた値(具体的には「8」)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグがセットされていない場合には、内部状態をステップS300に応じた値(具体的には「0」)に更新する。
大入賞口開放前処理(ステップS304):大当り表示時間が経過したときに、大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞装置を開状態にして大入賞口を開放する。また、カウンタによってラウンド数をカウントする。また、大入賞口制御タイマに大入賞口開放中処理の実行時間(ラウンド時間)を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に応じた値(具体的には「5」)に更新する。
大入賞口開放中処理(ステップS305):大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立したら、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞装置を閉状態にして大入賞口を閉鎖する。また、ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(インターバル時間)を大入賞口制御タイマに設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に応じた値(具体的には「6」)に更新する。
大入賞口開放後処理(ステップS306):インターバル時間が経過したときに、残りラウンドがあるかどうかを確認する。残りラウンドがある場合には、大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞装置を開状態にして大入賞口を開放する。また、カウンタによってラウンド数をカウントする。また、大入賞口制御タイマに大入賞口開放中処理の実行時間(ラウンド時間)を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に応じた値(具体的には「5」)に更新する。一方、全てのラウンドを終えた場合には、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する演出(エンディング演出)を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための演出制御コマンド(エンディングコマンド)を演出制御基板80に送信し、大入賞口制御タイマに大当り終了処理の実行時間(大当り終了時間)を設定した後、内部状態をステップS307に応じた値(具体的には「7」)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):大当り遊技状態を終了させるための所定のフラグのセット・リセットの処理等を行う。そして、内部状態をステップS300に応じた値(具体的には「0」)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):小当り表示時間またはインターバル時間が経過したときに、残りラウンドがあるかどうかを確認する。残りラウンドがある場合には、大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞装置を開状態にして大入賞口を開放する。また、カウンタによってラウンド数をカウントする。また、大入賞口制御タイマに小当り開放中処理の実行時間(ラウンド時間)を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に応じた値(具体的には「9」)に更新する。一方、全てのラウンドを終えた場合には、小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する演出(エンディング演出)を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための演出制御コマンド(エンディングコマンド)を演出制御基板80に送信し、大入賞口制御タイマに小当り終了処理の実行時間(小当り終了時間)を設定した後、内部状態をステップS310に応じた値(具体的には「10」)に更新する。
小当り開放中処理(ステップS309):大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立したら、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞装置を閉状態にして大入賞口を閉鎖する。そして、ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(インターバル時間)を大入賞口制御タイマに設定し、内部状態をステップS308に応じた値(具体的には「8」)に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):小当り遊技状態を終了させるための所定のフラグのセット・リセットの処理等を行う。そして、内部状態をステップS300に応じた値(具体的には「0」)に更新する。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図8は、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの信号線を示す説明図である。図8に示すように、この実施の形態では、演出制御コマンドは、演出制御信号D0〜D7の8本の信号線で主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、取込信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。
図9に示すように、演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みの契機になる信号に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ100が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、演出制御INT信号は図9に示された極性と逆極性であってもよい。
図10および図11は、演出制御基板80に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成である。1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」とされる。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
図10に示す例において、コマンド8000(H)〜800F(H)は、特別図柄の可変表示に対応して可変表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。
コマンド8C00(H)〜8C06(H)は、可変表示装置9における飾り図柄の停止図柄(表示結果)の内容を指定する演出制御コマンドである。なお、この実施の形態では、コマンド8C00(H)〜8C06(H)を図柄情報指定コマンドという。
コマンド8C00(H)は、特別図柄の停止図柄(表示結果)がはずれ図柄と決定されたことを指定する演出制御コマンド(はずれ指定コマンド)である。コマンド8C01(H)は、特別図柄の停止図柄が非確変図柄と決定されたこと(つまり非確変大当り(通常大当りともいう。)と決定されたこと)を指定する演出制御コマンド(通常大当り指定コマンド)である。
コマンド8C02(H)は、特別図柄の停止図柄が確変図柄と決定され(つまり確変大当りと決定され)、かつ大当り遊技開始後に再抽選演出を実行しないと決定されたことを指定する演出制御コマンド(確変大当り1指定コマンド)である。コマンド8C03(H)は、特別図柄の停止図柄が確変図柄と決定され、かつ大当り遊技中に再抽選演出を実行すると決定されたことを指定する演出制御コマンド(確変大当り2指定コマンド)である。コマンド8C04(H)は、特別図柄の停止図柄が確変図柄と決定され、かつ大当り遊技の終了後(エンディング演出中)に再抽選演出を実行すると決定されたことを指定する演出制御コマンド(確変大当り3指定コマンド)である。
コマンド8C05(H)は、特別図柄の停止図柄が突然確変図柄と決定されたこと(つまり突然確変大当りと決定されたこと)を指定する演出制御コマンド(突然確変大当り指定コマンド)である。コマンド8C06(H)は、特別図柄の停止図柄が小当り図柄と決定されたこと(つまり小当りと決定されたこと)を指定する演出制御コマンド(小当り指定コマンド)である。
ここで、「再抽選演出」とは、可変表示装置9において大当り図柄を停止表示させた後に大当り図柄を再抽選して導出表示するように見せかける演出のことをいう。具体的には、可変表示装置9に大当り図柄(非確変図柄または確変図柄)が導出表示されることが事前に決定されている場合において、可変表示装置9において左中右の飾り図柄を同一の非確変図柄で停止表示し、その後に非確変図柄を再変動させてから大当り図柄(非確変図柄または確変図柄)を導出表示する演出である(図74参照)。再抽選演出としては、非確変図柄から確変図柄に昇格させる場合(非確変図柄を停止表示した後に確変図柄を導出表示する場合)と、非確変図柄から確変図柄に昇格させない場合(非確変図柄を停止表示した後に再び非確変図柄を導出表示する場合)とがあるが、この実施の形態では、非確変図柄から確変図柄に昇格させる場合のみ示している。従って、再抽選演出のことを「昇格演出」または「成り上がり演出」ということもある。
コマンド8F00(H)は、可変表示装置9における飾り図柄の可変表示(変動)の停止を指定する演出制御コマンド(飾り図柄停止指定コマンド、図柄確定指定コマンド)である。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9500(H)〜9503(H)は、可変表示装置9における遊技状態に応じた背景表示を指定する演出制御コマンド(背景指定コマンド)である。コマンド9500(H)は、可変表示装置9における通常遊技状態のときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンド9501(H)は、可変表示装置9における確変状態(高確率状態)のときの背景表示を指定する演出制御コマンド(高確率状態背景指定コマンド)である。コマンド9502(H)は、可変表示装置9における時短状態のときの背景表示を指定する演出制御コマンド(時短状態背景指定コマンド)である。コマンド9503(H)は、可変表示装置9におけるチャンスモード状態のときの背景表示を指定する演出制御コマンド(チャンス状態背景指定コマンド)である。なお、チャンスモードは、突然確変大当りおよび小当りの終了後に確変状態への移行に対する期待を持たせる演出モードである。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーション時の表示を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
図11に示す例において、コマンドA000(H)〜A004(H)は、大当り遊技が開始されることを指定する演出制御コマンド(ファンファーレ指定コマンド)である。コマンドA000(H)は、通常大当り(非確変大当り)が決定されたときの大当りの開始を指定する演出制御コマンド(ファンファーレ1指定コマンド)である。コマンドA001(H)は、確変大当りが決定され、かつ大当り遊技開始後に再抽選演出を実行しないと決定されたときの大当りの開始を指定する演出制御コマンド(ファンファーレ2指定コマンド)である。コマンドA002(H)は、確変大当りが決定され、かつ大当り遊技中に再抽選演出を実行すると決定されたときの大当りの開始を指定する演出制御コマンド(ファンファーレ3指定コマンド)である。コマンドA003(H)は、確変大当りが決定され、かつ大当り遊技の終了後(エンディング演出中)に再抽選を実行すると決定されたときの大当りの開始を指定する演出制御コマンド(ファンファーレ4指定コマンド)である。コマンドA004(H)は、突然確変大当りの開始を指定する演出制御コマンド(ファンファーレ5指定コマンド)である。
コマンドA1XX(H)は、15ラウンド大当り遊技におけるラウンド中の表示を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。コマンドA2XX(H)は、15ラウンド大当り遊技におけるラウンド後の表示(ラウンド間のインターバルの表示)を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、「XX」に表示するラウンド数が設定される。
コマンドA301(H)〜A305(H)は、大当り遊技が終了することを指定する演出制御コマンド(エンディング指定コマンド)である。コマンドA301(H)は、通常大当り遊技の終了(大当り遊技の終了後に時短状態に移行する旨を表示すること)を指定する演出制御コマンド(エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、確変大当りが決定され、かつ大当り遊技開始後に再抽選演出を実行しないと決定されたときの大当りの終了を指定する演出制御コマンド(エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、確変大当りが決定され、かつ大当り遊技中に再抽選を実行すると決定されたときの大当りの終了を指定する演出制御コマンド(エンディング3指定コマンド)である。コマンドA304(H)は、大当り遊技の終了後(エンディング演出中)の再抽選演出にて確変図柄に昇格させ、確変大当りになることを指定する演出制御コマンド(エンディング4指定コマンド)である。コマンドA305(H)は、突然確変大当りの終了を指定する演出制御コマンド(エンディング5指定コマンド)である。
コマンドA4XX(H)は、2ラウンド大当り遊技(突然確変大当り遊技)におけるラウンド中の表示を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。コマンドA5XX(H)は、2ラウンド大当り遊技(突然確変大当り遊技)におけるラウンド後の表示(ラウンド間のインターバルの表示)を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、「XX」にはラウンド数が設定される。
コマンドA600(H)は、小当り遊技が開始されることを指定する演出制御コマンド(小当り用ファンファーレ指定コマンド)である。
コマンドC0XX(H)は、XXで示される数の始動入賞記憶数を指定する演出制御コマンド(始動入賞記憶指定コマンド)である。
コマンドD001(H)は、異常入賞の報知を指示する演出制御コマンド(異常入賞報知指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると図10および図11に示された内容に応じて可変表示装置9の表示状態を変更するとともに、ランプの表示状態を変更し、音声出力基板70に対して音番号データを出力する。なお、図10および図11に示された演出制御コマンド以外の演出制御コマンドも主基板31から演出制御基板80に送信される。例えば、可変表示装置9に大当り中の入賞球数を表示する場合はカウントスイッチ23のカウント数を指定する演出制御コマンドなども主基板31から演出制御基板80に送信される。
図12は、この実施の形態で用いられる変動パターンの一例を示す説明図である。図12において、「EXT」とは、2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「時間」は特別図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。
この例では、特別図柄の各変動パターンは、飾り図柄の停止図柄が「はずれ図柄」となる場合の変動パターン(はずれ専用の変動パターン)と、飾り図柄の停止図柄(大当り前の変動停止時の停止図柄)が「非確変図柄」または「確変図柄」となる場合の変動パターン(通常大当り/確変大当り兼用の変動パターン)と、飾り図柄の停止図柄(大当り前の変動停止時の停止図柄)が「確変図柄」となる場合の変動パターン(確変大当り専用の変動パターン)と、飾り図柄の停止図柄(大当り前の変動停止時の停止図柄)が「非確変図柄」となる場合の変動パターン(通常大当り専用の変動パターン)と、飾り図柄の停止図柄が「突然確変図柄」となる場合の変動パターン(突然確変大当り専用の変動パターン)と、飾り図柄の停止図柄が「小当り図柄」となる場合の変動パターン(小当り専用の変動パターン)とに区別されている。
はずれ専用の変動パターンは、通常遊技状態のときのリーチを伴わない通常変動の変動パターンと、時短状態(確変時短状態を含む)のときのリーチを伴わない時短時通常変動の変動パターンと、ノーマルリーチ(単純なリーチ態様)を伴う変動パターンと、ロングリーチを伴う変動パターンと、スーパーリーチAを伴う変動パターンと、スーパーリーチBを伴う変動パターンと、スーパーリーチCを伴う変動パターンとに分けられている。
通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンは、ノーマルリーチを伴う変動パターンと、ロングリーチを伴う変動パターンと、スーパーリーチAを伴う変動パターンと、スーパーリーチBを伴う変動パターンと、スーパーリーチCを伴う変動パターンとに分けられている。
確変大当り専用の変動パターンは、スーパーリーチDを伴う変動パターンだけである。通常大当り専用の変動パターンは、スーパーリーチEを伴う変動パターンだけである。
突然確変大当り専用の変動パターンは、突然確変用の特別変動の変動パターンだけである。小当り専用の変動パターンは、小当り用の特別変動の変動パターンだけである。
図13〜図15は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動を開始することができる状態(特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値(具体的には「0」)となっている場合、つまり、特別図柄表示器8において特別図柄の変動表示がなされておらず、かつ、大当り遊技中でも小当り中でもない場合)には(ステップS51)、始動入賞記憶数(保留記憶数)を確認する(ステップS52)。具体的には、始動入賞カウンタのカウント値を確認する。
始動入賞記憶数が0でなければ、始動入賞記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS53)、始動入賞記憶数の値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS54)。すなわち、始動入賞記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、始動入賞記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、現在の遊技状態(通常遊技状態、確変状態、時短状態など)を確認し、遊技状態に応じた背景指定コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(ステップS55)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述するコマンドセット処理(図27)を実行する(ステップS56)。なお、現在の遊技状態が通常遊技状態であれば、通常状態背景指定コマンドを送信し、現在の遊技状態が確変時短状態であれば、確変状態背景指定コマンドを送信し、現在の遊技状態が時短状態であれば、時短状態背景指定コマンドを送信する。また、この実施の形態では、突然確変大当りや小当りの遊技の終了後にチャンスモードに移行したときは、チャンス状態背景指定コマンドを送信する。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファから大当り判定用乱数を読み出し(ステップS57)、大当り判定処理モジュールを実行する(ステップS58)。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値と大当り判定用乱数値とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。ここで、大当り判定では、遊技状態が確変状態(確変時短状態を含む)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている高確率大当り判定テーブルと、大当り判定値の数が高確率大当り判定テーブルよりも少なく設定されている低確率大当り判定テーブルとを設けておく。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技状態が確変状態(および確変時短状態)であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、高確率大当り判定テーブルを使用して大当りの判定処理を行い、遊技状態が通常遊技状態および時短状態であるときは、低確率大当り判定テーブルを使用して大当りの判定処理を行う。このような構成により、確変状態(および確変時短状態)のときの方が通常遊技状態および時短状態のときよりも大当りとなる確率が高くなる。
なお、現在の遊技状態が確変状態(確変時短状態も含む)であるか否かの確認は、遊技状態が確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かにより行われる。
大当り判定モジュールで大当りとしないことに決定した場合には(ステップS59のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、図14のステップS64の処理に移行する。
大当り判定モジュールで大当りとすることに決定した場合には(ステップS59のY)、大当りフラグをセットする(ステップS60)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファから大当り種別決定用乱数を読み出し(ステップS61)、大当りの種別(通常大当り、確変大当り、大当り遊技中に再抽選演出を実行する確変大当り、大当り遊技終了後に再抽選演出を実行する確変大当り、突然確変大当り)を決定する処理を実行する(ステップS62)。
大当り種別の決定処理は、図16に示すような大当り種別決定テーブルを用いて行う。大当り種別決定テーブルには、大当りの種別ごとに所定数の大当り種別決定用乱数値が予め振り分けられている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS61で読み出した大当り種別決定用乱数値がどの範囲に属するかによって、大当り種別、すなわち、通常大当り、確変大当り、確変大当り(大当り中昇格)、確変大当り(エンディング昇格)および突然確変大当りのいずれかを決定する。このように、大当り種別の決定処理によって、大当りを通常大当り、確変大当り、突然確変大当りにするかだけでなく、再抽選演出(昇格演出)を実行するかどうかと、再抽選演出をどのようなタイミングで実行するかについても決定されることになる。
図13には示していないが、大当り図柄は大当り種別に応じて各々一種類しか設けられていないので、大当りの種別が決定されることによって、大当り図柄も自動的に決定される。具体的には、通常大当り(非確変大当り)のときは非確変図柄「6」が決定され、確変大当りのときは確変図柄「7」が決定され、突然確変大当りのときは突然確変図柄「5」が決定されることになる。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS62にて決定した大当り種別に応じた飾り図柄情報を飾り図柄情報バッファにストア(格納)し(ステップS63)、図15のステップS72の処理に移行する。
なお、ステップS63において、飾り図柄情報バッファに大当り種別に応じた飾り図柄情報がストアされた後に、タイマ割込みの発生に応じて飾り図柄コマンド制御処理(ステップS29、図28)が実行され、コマンドセット処理(図29)が実行され、コマンド送信処理(図30)が実行される。これにより、大当り種別に応じた図柄情報指定コマンド(通常大当り指定コマンド、確変大当り1指定コマンド、確変大当り2指定コマンド、確変大当り3指定コマンド、突然確変大当り指定コマンド)が送信される。詳しい内容は後述する。
図14のステップS64において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS57で読み出した大当り判定用乱数の値にもとづいて小当りとするか否かを決定する小当り判定モジュールを実行する(ステップS64)。小当り判定モジュールは、あらかじめ決められている判定値と大当り判定用乱数値とを比較し、それらが一致したら小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。
小当り判定モジュールで小当りとすることに決定した場合には(ステップS65のY)、小当りに応じた飾り図柄情報を飾り図柄情報バッファにストアし(ステップS66)、小当りフラグをセットする(ステップS67)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値(具体的には「1」)に更新する(ステップS68)。なお、図14には示していないが、小当りになると決定されたときは小当り図柄「4」が自動的に決定されることになる。
なお、ステップS66において、飾り図柄情報バッファに小当りに応じた飾り図柄情報がストアされた後に、タイマ割込みの発生に応じて飾り図柄コマンド制御処理(ステップS29、図28)が実行され、コマンドセット処理(図29)が実行され、コマンド送信処理(図30)が実行される。これにより、小当りを指定する図柄情報指定コマンド(小当り指定コマンド)が送信される。詳しい内容は後述する。
小当り判定モジュールで小当りとしないことに決定した場合には(ステップS65のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファからはずれ図柄決定用乱数(表示用乱数の一つ)を読み出し(ステップS69)、読み出したはずれ図柄決定用乱数の値にもとづいて、特別図柄のはずれ図柄を決定する処理を実行する(ステップS70)。特別図柄のはずれ図柄として、「0」〜「3」,「8」,「9」のいずれかの図柄が決定される。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、はずれに応じた飾り図柄情報を飾り図柄情報バッファにストアする(ステップS71)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値(具体的には「1」)に更新する(ステップS68)。
図15のステップS72において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS62で決定した大当り種別が確変大当りであるかどうかを確認し、確変大当りでなかったときは(ステップS72のN)、大当りの種別を示すフラグのセットを行わずに、ステップS82の処理に移行する。
確変大当りであったときは(ステップS72のY)、確変大当りが発生することを示す確変大当りフラグをセットする(ステップS73)。そして、確変大当りが突然確変大当りであるかどうかを確認する(ステップS74)。突然確変大当りであったときは(ステップS74のY)、突然確変大当りが発生することを示す突然確変フラグをセットし(ステップS75)、ステップS82の処理に移行する。
突然確変大当りでなかったときは(ステップS74のN)、再抽選演出が実行されるかどうかを確認する(ステップS76)。再抽選演出が実行されないときは(ステップS76のN)、ステップS82の処理に移行し、再抽選演出が実行されるときは(ステップS76のY)、再抽選演出が実行されることを示す再抽選実行フラグをセットして(ステップS77)、再抽選演出が大当り中に実行されるかどうかを確認する(ステップS78)。大当り中に再抽選演出が実行されるときは(ステップS78のY)、大当り中に再抽選演出が実行されることを示す大当り中実行フラグをセットし(ステップS79)、ステップS82の処理に移行する。大当り中に実行されないときは(ステップS78のN)、再抽選演出がエンディング中に実行されるかどうかを確認する(ステップS80)。エンディング中に再抽選演出が実行されるときは(ステップS80のY)、エンディング中に再抽選演出が実行されることを示すエンディング実行フラグをセットし(ステップS81)、ステップS82の処理に移行する。ステップS82では、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値(具体的には「1」)に更新する(ステップS82)。
図17は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS201)。大当りフラグがセットされているときは(ステップS201のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS202)。突然確変フラグがセットされているときは(ステップS202のY)、突然確変大当りが発生することになるので、突然確変用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS203)。そして、ステップS207の処理に移行する。
突然確変用変動パターン決定テーブルには、予め図12に示した突然確変大当りのときに選択される変動パターン(「0EH」)のみ設定されている。
突然確変フラグがセットされていないときは(ステップS202のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS204A)。確変大当りフラグがセットされているときは(ステップS204AのY)、再抽選実行フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS204B)。再抽選実行フラグがセットされていないときは(ステップS204BのN)、確変大当りが発生することになるので、確変大当り用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS205)。
確変大当り用変動パターン決定テーブルには、予め図12に示した確変大当りのときに選択される変動パターン(「07H」〜「0CH」)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。
再抽選実行フラグがセットされているときは(ステップS204BのY)、非確変大当りが発生し、大当り遊技中あるいは大当り遊技後に確変大当りに昇格する(非確変図柄が確変図柄に昇格する)ことになるので、通常大当り用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS206)。
ステップS204Aにおいて、確変大当りフラグがセットされていないときは(ステップS204AのN)、通常大当り(非確変大当り)が発生することになるので、通常大当り用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS206)。
通常大当り用変動パターン決定テーブルには、予め図12に示した通常大当りのときに選択される変動パターン(「07H」〜「0BH」,「0DH」)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。
ステップS207では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファから変動パターン決定用乱数を読み出し、読み出した変動パターン決定用乱数の値にもとづいて、突然確変用変動パターン決定テーブル、確変大当り用変動パターン決定テーブルまたは通常大当り用変動パターン決定テーブルを用いて図柄の変動パターンを決定する(ステップS207)。具体的には、変動パターン決定用乱数値と一致する判定値に対応した変動パターンが次に可変表示される図柄の変動パターンと決定される。そして、ステップS213の処理に移行する。
ステップS201において、大当りフラグがセットされていないと判定されたときは(ステップS201のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS208)。小当りフラグがセットされているときは(ステップS208のY)、小当りが発生することになるので、小当り用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS209)。
小当り用変動パターン決定テーブルには、予め図12に示した小当りのときに選択される変動パターン(「0FH」)のみ設定されている。
小当りフラグがセットされていないときは(ステップS208のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS210)。時短フラグがセットされていないときは(ステップS210のN)、通常遊技状態のときに使用する通常時はずれ用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS211)。
通常時はずれ用変動パターン決定テーブルには、予め図12に示した通常遊技状態においてはずれのときに選択される変動パターン(「00H」,「02H」〜「06H」)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。
一方、時短フラグがセットされているときは(ステップS210のY)、時短状態のときに使用する時短時はずれ用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS212)。
時短時はずれ用変動パターン決定テーブルには、予め図12に示した時短状態(確変時短状態も含む)においてはずれのときに選択される変動パターン(「01H」〜「06H」)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、上述したように、乱数格納バッファから変動パターン決定用乱数を読み出し、読み出した変動パターン決定用乱数の値にもとづいて、通常時はずれ用変動パターン決定テーブルまたは時短時はずれ用変動パターン決定テーブルを用いて図柄の変動パターンを決定する(ステップS207)。そして、ステップS213の処理に移行する。
なお、確変状態のときは、通常遊技状態のときと同様に、通常時はずれ用変動パターン決定テーブルが用いられ、確変時短状態のときは、時短状態のときと同様に、時短時はずれ用変動パターン決定テーブルが用いられて、変動パターンが決定される。
ステップS213では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS207において決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドデータを変動パターンバッファにストアする(ステップS213)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスタイマに変動時間をセットする(ステップS214)。次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動コマンド送信テーブルのアドレスを飾り図柄コマンド送信ポインタにストアする(ステップS215)。この処理が行われたことに応じて、飾り図柄コマンド制御処理(図5のステップS29、図28)において変動パターンコマンドを送信する制御が実行される。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動回数監視処理を実行する(ステップS216)。
変動回数監視処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り遊技の終了後に時短状態(確変時短状態を除く)に移行された場合(時短フラグがセットされた場合)、大当り遊技終了後の特別図柄の変動回数を変動回数カウンタでカウントする。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動回数カウンタのカウント値が時短状態を継続可能な所定の変動回数(例えば100回)を示す値となったかどうかを確認し、カウント値が所定の変動回数を示す値になったときに、時短フラグをリセットする。これにより、大当り遊技終了後の特別図柄の変動回数が所定の変動回数になったときに時短状態から通常遊技状態に移行されることになる。
その後、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS302)に対応した値(具体的には「2」)に更新する(ステップS217)。
図18は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS302)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、まず、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS221)。そして、特別図柄プロセスタイマがタイムアップしているかどうかを確認(すなわち特別図柄プロセスタイマの値が0であるか否かを確認)し(ステップS222)、タイムアップしていなければ(ステップS222のN)、そのまま処理を終了する。特別図柄プロセスタイマがタイムアップしていれば(ステップS222のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄表示器8における特別図柄の変動を止めて、停止図柄を導出表示する(ステップS223)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、飾り図柄停止指定コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS224)、コマンドセット処理を実行する(ステップS225)。これによって、飾り図柄停止指定コマンドを送信する制御が実行される。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスタイマに特別図柄の停止図柄を停止表示させる図柄停止時間をセットし、タイマをスタートさせる(ステップS226)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS303)に対応した値(具体的には「3」)に更新する(ステップS227)。
図19は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS231)。そして、特別図柄プロセスタイマがタイムアップしているかどうかを確認(すなわち特別図柄プロセスタイマの値が0であるか否かを確認)する(ステップS232)。タイムアップしていなければ(ステップS232のN)、そのまま処理を終了する。
特別図柄プロセスタイマがタイムアップしていれば(ステップS232のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS233)。大当りフラグがセットされていれば(ステップS233のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口の開放/閉鎖を制御するための時間を計測する大入賞口制御タイマに、大当り図柄を停止表示してから大入賞口を開放するまでの時間(大当り表示時間)をセットする(ステップS234)。なお、大当り表示時間において、大当り遊技が開始されることを遊技者に報知する演出(ファンファーレ演出)が実行される。
なお、15ラウンドの大当りのときと2ラウンドの大当りのときとで異なる大当り表示時間をセットするように構成されていてもよい。この場合、例えば、15ラウンドの大当りのときは大当り表示時間が3秒で、2ラウンドの大当りのときは大当り表示時間が5秒とされる。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り種別に応じたファンファーレコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS235)、コマンドセット処理を実行する(ステップS236)。これによって、大当り種別に応じたファンファーレコマンドを送信する制御が実行される。なお、大当り種別は、確変大当りフラグがセットされているか、突然確変フラグがセットされているか、再抽選実行フラグがセットされているか、大当り中実行フラグがセットされているか、エンディング実行フラグがセットされているかどうかにもとづいて確認することができる。その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS304)に対応した値(具体的には「4」)に更新する(ステップS237)。
大当りフラグがセットされていなければ(ステップS233のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS238)。小当りフラグがセットされていれば(ステップS238のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマに、小当り図柄を停止表示してから大入賞口を開放するまでの時間(小当り表示時間)をセットする(ステップS239)。なお、上述したように、飾り図柄の小当り図柄は突然確変図柄と同じ図柄である。また、小当り遊技が開始されると、突然確変大当りが開始されたときと同じ2ラウンド用演出が開始される。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、小当りのファンファーレコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS240)、コマンドセット処理を実行する(ステップS241)。これによって、小当り用のファンファーレコマンドを送信する制御が実行される。その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(ステップS308)に対応した値(具体的には「8」)に更新する(ステップS242)。
小当りフラグがセットされていなければ(ステップS238のN)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値(具体的には「0」)に更新する(ステップS243)。
図20は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(ステップS304)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマの値を−1し(ステップS401)、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認する(ステップS402)。大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ(ステップS402のN)、そのまま処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっていれば(ステップS402のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りのラウンド数が15ラウンドであるか2ラウンドであるかを判定する(ステップS403)。なお、確変大当りフラグがセットされていない場合および確変大当りフラグがセットされているが突然確変フラグがセットされていない場合は、15ラウンドの大当りであると判断することができ、確変大当りフラグおよび突然確変フラグがセットされている場合は、2ラウンドの大当りであると判断することができる。
15ラウンドの大当りであれば(ステップS403のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、15ラウンド大当り用の大入賞口開放中コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS404)、コマンドセット処理を実行する(ステップS405)。これによって、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する15ラウンド用の大入賞口開放中コマンドを送信する制御が実行される。なお、ラウンド数は、大当り遊技中のラウンド数をカウントするラウンド数カウンタの値を確認することにより認識する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(開閉板20)を開放する制御を行うとともに(ステップS406)、ラウンド数カウンタの値を+1する(ステップS407)。
なお、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられており、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS406において出力ポートのRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を、駆動するソレノイドの開閉状態に応じて設定する。そして、ステップS32の出力処理において出力ポートのRAM領域に設定された内容を出力ポートに出力する。これにより、駆動指令の信号が出力ポートからソレノイド回路59に出力される。ソレノイド回路59は、駆動指令の信号に応じてソレノイドを駆動するための駆動信号をソレノイドに出力して、ソレノイドを駆動させる。以下、ソレノイドを開閉駆動させる処理では、このような動作が行われる。
また、大入賞口制御タイマに、15ラウンドの大当りにおける各ラウンドにおいて大入賞口が開放可能な最大時間(15ラウンド用のラウンド時間)をセットする(ステップS408)。なお、15ラウンド用のラウンド時間は、例えば29.5秒とされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(ステップS305)に対応した値(具体的には「5」)に更新する(ステップS414)。
ステップS403において2ラウンドの大当りであったときは(ステップS403のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、2ラウンド大当り用の大入賞口開放中コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS409)、コマンドセット処理を実行する(ステップS410)。これによって、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する2ラウンド用の大入賞口開放中コマンドを送信する制御が実行される。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放するとともに(ステップS411)、ラウンド数カウンタの値を+1する(ステップS412)。また、大入賞口制御タイマに、2ラウンドの大当りにおける各ラウンドにおいて大入賞口が開放可能な最大時間(2ラウンド用のラウンド時間)をセットする(ステップS413)。なお、2ラウンド用のラウンド時間は短い時間であり、例えば5秒とされている。従って、2ラウンドの大当りでは、ラウンド中に大入賞口へ10個の遊技球(入賞可能な最大個数の遊技球)が入賞することはない。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(ステップS305)に対応した値(具体的には「5」)に更新する(ステップS414)。
図21は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放中処理(ステップS305)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS421)。そして、大当りのラウンド数が15ラウンドであるかどうか(15ラウンドの大当りであるか2ラウンドの大当りであるか)を確認する(ステップS422)。
15ラウンドの大当りであれば(ステップS422のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマの値が0であるかどうかを確認する(ステップS423)。大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは(ステップS423のN)、カウントスイッチ23がオンしたか否かを確認することにより、大入賞口への遊技球の入賞があったかどうかを確認する(ステップS424)。カウントスイッチ23がオンしていなければ(ステップS424のN)、そのまま処理を終了する。カウントスイッチ23がオンしていれば(ステップS424のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口への遊技球の入賞個数をカウントする入賞個数カウンタの値を+1する(ステップS425)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入賞個数カウンタの値が所定数(例えば10個)になっているか否かを確認する(ステップS426)。入賞個数カウンタの値が所定数になっていなければ(ステップS426のN)、そのまま処理を終了する。
大入賞口制御タイマの値が0になっているとき(ステップS424のY)、または入賞個数カウンタの値が所定数になっているとき(ステップS426のY)は、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(開閉板20)を閉鎖する制御を行う(ステップS427)。そして、入賞個数カウンタの値をクリアする(0にする)(ステップS428)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、15ラウンド大当り用の大入賞口開放後コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS429)、コマンドセット処理を実行する(ステップS430)。これによって、大入賞口の開放後(ラウンドの終了後)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する15ラウンド用の大入賞口開放後コマンドを送信する制御が実行される。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマに、15ラウンドの大当り中においてラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(15ラウンド用のインターバル時間)をセットし(ステップS431)、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS306)に応じた値(具体的には「6」)に更新する(ステップS432)。なお、15ラウンド用のインターバル時間は、例えば5秒とされる。
2ラウンドの大当りであれば(ステップS422のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマの値が0であるかどうかを確認し(ステップS433)、大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは(ステップS433のN)、そのまま処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっているときは(ステップS433のY)、ソレノイド21を駆動して大入賞口(開閉板20)を閉鎖する制御を行う(ステップS434)。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、2ラウンド用の大入賞口開放後表示コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS435)、コマンドセット処理を実行する(ステップS436)。これによって、大入賞口の開放後(ラウンドの終了後)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する2ラウンド用の大入賞口開放後コマンドを送信する制御が実行される。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマに、2ラウンドの大当り中においてラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(2ラウンド用のインターバル時間)をセットし(ステップS437)、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放後処理(ステップS306)に応じた値(具体的には「6」)に更新する(ステップS432)。なお、2ラウンド用のインターバル時間は、15ラウンド用のインターバル時間と同じで、例えば5秒とされている。
図22および図23は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放後処理(ステップS306)を示すフローチャートである。大入賞口開放後処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大入賞口制御タイマの値を−1し(ステップS441)、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認する(ステップS442)。大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ(ステップS442のN)、そのまま処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっていれば(ステップS442のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りのラウンド数が15ラウンドであるかどうか(15ラウンドの大当りか2ラウンドの大当りか)を判定する(ステップS443)。
15ラウンドの大当りであれば(ステップS443のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ラウンド数カウンタの値が15になっているかどうかを確認する(ステップS444)。ラウンド数カウンタの値が15になっていなければ(ステップS444のN)、15ラウンド大当り用の大入賞口開放中コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS445)、コマンドセット処理を実行する(ステップS446)。これによって、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する15ラウンド用の大入賞口開放中コマンドを送信する制御が実行される。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(開閉板20)を開放する制御を行うとともに(ステップS447)、ラウンド数カウンタの値を+1する(ステップS448)。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマに15ラウンド用のラウンド時間をセットする(ステップS449)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(ステップS305)に対応した値(具体的には「5」)に更新する(ステップS450)。
ラウンド数カウンタの値が15になっていれば(ステップS444のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り種別に応じたエンディングコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS451)、コマンドセット処理を実行する(ステップS452)。これによって、大当り種別に応じたエンディングコマンドを送信する制御が実行される。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマに、大当り終了を遊技者に報知する大当り終了時間(エンディング演出の実行時間)をセットし(ステップS453)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS307)に応じた値(具体的には「7」)に更新する(ステップS454)。
ステップS443において2ラウンドの大当りであったときは(ステップS443のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ラウンド数カウンタの値が2になっているかどうかを確認する(図23のステップS455)。ラウンド数カウンタの値が2になっていなければ(ステップS455のN)、2ラウンド大当り用の大入賞口開放中コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS456)、コマンドセット処理を実行する(ステップS457)。これによって、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する2ラウンド用の大入賞口開放中コマンドを送信する制御が実行される。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放するとともに(ステップS458)、ラウンド数カウンタの値を+1する(ステップS459)。また、大入賞口制御タイマに2ラウンド用のラウンド時間をセットする(ステップS460)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(ステップS305)に対応した値(具体的には「5」)に更新する(ステップS461)。
ラウンド数カウンタの値が2になっていれば(ステップS455のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然確変大当り用のエンディングコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS462)、コマンドセット処理を実行する(ステップS463)。これによって、突然確変大当り用のエンディングコマンドを送信する制御が実行される。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマに大当り終了時間をセットし(ステップS464)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS307)に応じた値(具体的には「7」)に更新する(ステップS465)。
図24は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS471)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認する(ステップS472)。大入賞口制御タイマの値が0でなければ(ステップS472のN)、そのまま処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっていれば(ステップS472のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り後遊技状態設定処理を実行する(ステップS473)。
大当り後遊技状態設定処理では、大当り遊技終了後の遊技状態に応じた確変フラグ・時短フラグのセット・リセットの処理が実行される。具体的には、大当り遊技終了後に遊技状態が時短状態に移行されるときは、時短フラグのみセットし、大当り遊技終了後に遊技状態が確変状態に移行されるときは、確変フラグのみセットし、大当り遊技終了後に遊技状態が確変時短状態に移行されるときは、確変フラグおよび時短フラグをセットする。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りフラグをリセットし(ステップS474)、確変大当りフラグがセットされている場合は確変大当りフラグをリセットし(ステップS475)、突然確変フラグがセットされている場合は突然確変フラグをリセットし(ステップS476)、再抽選実行フラグがセットされている場合は再抽選実行フラグをリセットし(ステップS477)、大当り中実行フラグがセットされている場合は大当り中実行フラグをリセットする(ステップS478)。さらに、エンディング実行フラグがセットされている場合はエンディング実行フラグをリセットする(ステップS479)。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応する値(具体的には「0」)に更新する(ステップS480)。
図25は、特別図柄プロセス処理における小当り開放前処理(ステップS308)を示すフローチャートである。小当り開放前処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマの値を−1し(ステップS501)、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認する(ステップS502)。大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ(ステップS502のN)、そのまま処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっていれば(ステップS502のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ラウンド数カウンタの値が2になっているかどうかを確認する(ステップS503)。ラウンド数カウンタの値が2になっていなければ(ステップS503のN)、ソレノイド21を駆動して大入賞口(開閉板20)を開放する制御を行うとともに(ステップS504)、ラウンド数カウンタの値を+1する(ステップS505)。
また、大入賞口制御タイマに、小当りにおける各ラウンドにおいて大入賞口が開放可能な最大時間(小当り用のラウンド時間)をセットする(ステップS506)。なお、小当り用のラウンド時間は、2ラウンド用のラウンド時間と同じ時間(例えば5秒)とされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放中処理(ステップS309)に対応した値(具体的には「9」)に更新する(ステップS507)。
ラウンド数カウンタの値が2になっていれば(ステップS503のY)、560は、大入賞口制御タイマに、小当り終了を遊技者に報知する小当り終了時間をセットし(ステップS508)、特別図柄プロセスフラグの値を小当り終了処理(ステップS310)に応じた値(具体的には「10」)に更新する(ステップS509)。
なお、小当り遊技中では、大入賞口開放中コマンドを送信するための制御は実行されない。
図26は、特別図柄プロセス処理における小当り開放中処理(ステップS309)を示すフローチャートである。小当り開放中処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS511)。大入賞口制御タイマの値が0であるかどうかを確認する(ステップS512)。大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは(ステップS512のN)、そのまま処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっているときは(ステップS512のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(開閉板20)を閉鎖する制御を行う(ステップS513)。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマに、2ラウンドの小当り中においてラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(小当り用のインターバル時間)をセットし(ステップS514)、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(ステップS308)に応じた値(具体的には「8」)に更新する(ステップS515)。なお、小当り用のインターバル時間は、例えば5秒とされる。
なお、小当り遊技中では、大入賞口開放後コマンドを送信するための制御は実行されない。
図27は、特別図柄プロセス処理における小当り終了処理(ステップS310)を示すフローチャートである。小当り終了処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS531)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認する(ステップS532)。大入賞口制御タイマの値が0でなければ(ステップS532のN)、そのまま処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっていれば(ステップS532のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、小当りフラグをリセットし(ステップS533)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応する値(具体的には「0」)に更新する(ステップS534)。
図28は、飾り図柄コマンド制御処理(ステップS28)を示すフローチャートである。飾り図柄コマンド制御処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、飾り図柄コマンド送信ポインタをポインタにロードし(ステップS551)、ポインタの指すデータをロードする(ステップS552)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、飾り図柄コマンド(変動パターンコマンド、図柄情報指定コマンド、始動入賞記憶指定コマンド)の送信タイミングであるかどうかを判定する(ステップS553)。このとき、変動パターンコマンドを送信するタイミングであれば、特別図柄プロセス処理(ステップS26)における変動パターン設定処理(ステップS301)のステップS215において、変動コマンド送信テーブルのアドレスが飾り図柄コマンド送信ポインタにストアされ、ポインタの指すデータは変動コマンド送信テーブルのアドレスとなっている。従って、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタの指すデータが変動コマンド送信テーブルのアドレスであるか否かで、変動パターンコマンドを送信するタイミングであるかどうかを判定することができる。
変動パターンコマンドを送信するタイミングであるときは(ステップS553のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、コマンドセット処理を実行する(ステップS554)。これによって、変動パターンコマンドを送信する制御が実行される。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタを飾り図柄コマンド送信ポインタにストアする(ステップS555)。
このとき、ステップS554で実行されるコマンドセット処理(図29)のステップS572において、コマンド送信テーブルのアドレスが1加算されることにより、ポインタの指すアドレスが変動コマンド送信テーブルのアドレスから図柄情報指定コマンド送信テーブルのアドレスとなっている。従って、ステップS555では、図柄情報指定コマンド送信テーブルのアドレスが飾り図柄コマンド送信ポインタにストアされる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、次のタイマ割込みが発生したとき(2ms後)の飾り図柄コマンド制御処理において、再び、飾り図柄コマンド送信ポインタをポインタにロードし(ステップS551)、ポインタの指すデータをロードし(ステップS552)、飾り図柄コマンド(変動パターンコマンド、図柄情報指定コマンド、始動入賞記憶指定コマンド)の送信タイミングであるかどうかを判定する(ステップS553)。このとき、図柄情報指定コマンドを送信するタイミングであれば、ステップS555において、図柄情報指定コマンド送信テーブルのアドレスが飾り図柄コマンド送信ポインタにストアされ、ポインタの指すデータは図柄情報指定コマンド送信テーブルのアドレスとなっている。従って、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタの指すデータが図柄情報指定コマンド送信テーブルのアドレスであるか否かで、図柄情報指定コマンドを送信するタイミングであるかどうかを判定することができる。
図柄情報指定コマンドを送信するタイミングであるときは(ステップS553のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、コマンドセット処理を実行する(ステップS554)。これによって、図柄情報指定コマンドを送信する制御が実行される。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタを飾り図柄コマンド送信ポインタにストアする(ステップS555)。
このとき、ステップS554で実行されるコマンドセット処理(図29)のステップS572において、コマンド送信テーブルのアドレスが1加算されることにより、ポインタの指すアドレスが図柄情報指定コマンド送信テーブルのアドレスから始動入賞記憶指定コマンド送信テーブルのアドレスとなっている。従って、ステップS555では、始動入賞記憶指定コマンド送信テーブルのアドレスが飾り図柄コマンド送信ポインタにストアされる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、次のタイマ割込みが発生したとき(2ms後)の飾り図柄コマンド制御処理において、再び、飾り図柄コマンド送信ポインタをポインタにロードし(ステップS551)、ポインタの指すデータをロードし(ステップS552)、飾り図柄コマンド(変動パターンコマンド、図柄情報指定コマンド、始動入賞記憶指定コマンド)の送信タイミングであるかどうかを判定する(ステップS553)。このとき、始動入賞記憶指定コマンドを送信するタイミングであれば、ステップS555において、始動入賞記憶指定コマンド送信テーブルのアドレスが飾り図柄コマンド送信ポインタにストアされ、ポインタの指すデータは始動入賞記憶指定コマンド送信テーブルのアドレスとなっている。従って、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタの指すデータが始動入賞記憶指定コマンド送信テーブルのアドレスであるか否かで、始動入賞記憶指定コマンドを送信するタイミングであるかどうかを判定することができる。
始動入賞記憶指定コマンドを送信するタイミングであるときは(ステップS553のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、コマンドセット処理を実行する(ステップS554)。これによって、始動入賞記憶指定コマンドを送信する制御が実行される。なお、始動入賞記憶指定コマンドは、現在の始動入賞記憶数(保留記憶数)を指定(通知)する演出制御コマンドであるが、始動入賞記憶数は記憶処理(ステップS33)で確認されて、その数が始動入賞記憶指定コマンドで指定される値として設定される。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタを飾り図柄コマンド送信ポインタにストアする(ステップS555)。
この場合は、ステップS554で実行されるコマンドセット処理(図29)のステップS572において、コマンド送信テーブルのアドレスが1加算されると、ポインタの指すアドレスが飾り図柄コマンドを送信するためのコマンド送信テーブルのアドレスを示さないようになっている。従って、次のタイマ割込みが発生したとき(2ms後)の飾り図柄コマンド制御処理において、再び、飾り図柄コマンド送信ポインタをポインタにロードし(ステップS551)、ポインタの指すデータをロードし(ステップS552)、飾り図柄コマンドの送信タイミングであるかどうかを判定するが(ステップS553)、ステップS553において、飾り図柄コマンドの送信タイミングでないと判定されることになる。
図29は、コマンドセット処理を示すフローチャートである。上述したように、コマンドセット処理は、ステップS56,S225,S236,S241,S405,S410,S430,S436,S446,S452,S457,S463,S554において実行される。コマンドセット処理は、コマンド出力処理とINT信号出力処理とを含む処理である。
コマンドセット処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、コマンド送信テーブルのアドレスの指すコマンドデータ1をロードし(ステップS561)、図30に示すコマンド送信処理を実行(コール)する(ステップS562)。
図30に示すコマンド送信処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、送信コマンド(演出制御コマンド)を出力ポート1に出力する(ステップS581)。これにより、2バイト構成の演出制御コマンドにおける1バイト目のMODEデータが出力ポート1から出力される。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御信号INT出力ビットをポートバッファにセットし(ステップS582)、ポート2バッファをロードする(ステップS583)。この実施の形態では、例えば、演出制御信号INT出力ビットとしてポートバッファに「1」がセットされ、ポート2バッファのデータ「0」がロードされる。そして、ポート2バッファとポートバッファの論理和をとり(ステップS584)、演算結果を出力ポート2に出力する(ステップS585)。この実施の形態では、演算結果が「1」となることにより、オン状態(ハイレベル)の演出制御INT信号が出力ポート2から出力される。オン状態の演出制御INT信号が出力されたことに応じて、演出制御用マイクロコンピュータ100が送信コマンドを受信する(取り込む)処理を実行する。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ウェイトカウンタに所定値をセットし(ステップS586)、その値が0になるまで1ずつ減算する(ステップS587,S588)。この処理は、演出制御INT信号のオン期間(ハイレベル期間)を設定するための処理である。ウェイトカウンタの値が0になると(ステップS588のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポート2バッファをロードし(ステップS589)、ポート2バッファを出力ポート2に出力する(ステップS590)。これにより、オフ状態(ローレベル)の演出制御INT信号が出力ポート2から出力される。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ウェイトカウンタに所定値をセットし(ステップS591)、その値が0になるまで1ずつ減算する(ステップS592,S593)。この処理は、演出制御INT信号のオフ期間(ローレベル期間)を設定するための処理である。ウェイトカウンタの値が0になると(ステップS593のY)、図29のコマンドセット処理に戻る。
図29の説明に戻ると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、コマンド送信テーブルのアドレスを1加算する(ステップS563)。そして、コマンド送信テーブルのアドレスをスタック等に退避する(ステップS564)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、コマンドデータ2のワークエリア参照指定ビット(ビット7)をテストし(ステップS565)、コマンドデータ2のワークエリア参照指定ビットの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS566)。0でなければ(ステップS566のN)、コマンド拡張データアドレステーブルの先頭アドレスをポインタにセットし(ステップS567)、そのポインタにコマンドデータ2のビット6〜ビット0の値を加算してアドレスを算出する(ステップS568)。そして、そのアドレス(ポインタ)の指すエリアのデータ(コマンド拡張データ)をロードする(ステップS569)。
コマンド拡張データアドレステーブルには、演出制御用マイクロコンピュータ100に送出されうるEXTデータ(2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のデータ)が順次設定されている。よって、以上の処理によって、ワークエリア参照指定ビットの値が「1」であれば、コマンドデータ2の内容に応じたコマンド拡張データアドレステーブル内のEXTデータがロードされ、ワークエリア参照指定ビットの値が「0」であれば、コマンドデータ2の内容がそのままロードされる。なお、コマンド拡張データアドレステーブルからEXTデータが読み出される場合でも、そのデータのビット7は「0」である。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、コマンド送信処理ルーチンを実行(コール)する(ステップS570)。従って、図30に示した処理によって、MODEデータの送出の場合と同様のタイミングでEXTデータが送出される。その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、コマンド送信テーブルのアドレスを復帰し(ステップS571)、コマンド送信テーブルのアドレスを1加算する(ステップS572)。なお、コマンド送信テーブルのアドレスが1加算されたときに、そのアドレスが飾り図柄コマンドを送信するためのコマンド送信テーブルのアドレスであれば、上述したように、飾り図柄コマンド制御処理において飾り図柄コマンドの送信処理(コマンドセット処理)が実行され、飾り図柄コマンドを送信するためのコマンド送信テーブルのアドレスでなければ、飾り図柄コマンド制御処理において飾り図柄コマンドの送信処理(コマンドセット処理)が実行されない。
以上のようにして、2バイト構成の演出制御コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100では、取込信号としての演出制御INT信号の立ち上がりを検出すると演出制御コマンドの取り込み処理を開始するのであるが、取り込み処理が完了する前に遊技制御用マイクロコンピュータ560からの新たな信号が信号線に出力されることはない。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100において、確実なコマンド受信処理が行われる。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号の立ち下がりで演出制御コマンドの取り込み処理を開始してもよい。また、演出制御INT信号の極性を逆にしてもよい(コマンドの取り込みを指示するときにローレベルとしてもよい)。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される各演出制御コマンドの送信タイミングについて説明する。
図31は、15ラウンドの大当り遊技が実行されるときの演出制御コマンドの送信タイミングを示すタイミング図である。図31に示すように、始動入賞が発生して、特別図柄表示器8において特別図柄の可変表示が開始される度に、特別図柄通常処理(ステップS300)において、遊技状態に応じた背景指定コマンドが送信される。また、特別図柄通常処理(ステップS300)において、はずれとするか、大当りとするか、小当りとするか、大当りとするときは大当りの種別が決定される。また、変動パターン設定処理(ステップS301)において、変動パターンが決定され、決定された変動パターンを指定する変動パターンコマンドが飾り図柄コマンド制御処理(ステップS29)にて送信される。続いて、飾り図柄コマンド制御処理(ステップS29)において、特別図柄通常処理で決定されたはずれ、大当り(大当り種別)、小当りに応じた図柄情報指定コマンドが送信され、さらに、始動入賞記憶指定コマンド(このときの始動入賞記憶指定コマンドは変動開始により始動入賞記憶数が−1されたことを示すコマンドである)が送信される。なお、図31に示す例では、変動パターンコマンドとして大当り用の変動パターンを指定する演出制御コマンドが送信され、図柄情報指定コマンドとして15ラウンドの大当りを指定する演出制御コマンド(突然確変大当りおよび小当りを指定するコマンド以外の演出制御コマンド)が送信されたものとする。そして、特別図柄変動中処理(ステップS302)で特別図柄の変動時間が計測される。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの変動パターンコマンドが、はずれ専用の変動パターン、確変大当り専用の変動パターン、確変大当り専用の変動パターン、通常大当り専用の変動パターンを示す変動パターンコマンドであれば、そのコマンドにもとづいて、可変表示装置9において停止表示する飾り図柄の停止図柄を決定する。一方、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの変動パターンコマンドが、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンを示す変動パターンコマンドであれば、その後に受信する図柄情報指定コマンドにもとづいて、可変表示装置9において停止表示する飾り図柄の停止図柄を決定する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの変動パターンコマンドの受信にもとづいて、可変表示装置9において飾り図柄の変動を開始する。
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの図柄情報指定コマンドにもとづいて、はずれか大当りか小当りかを確認し、大当りであるときは大当り種別を確認し、再抽選演出の実行の有無および実行タイミングも確認する。
特別図柄変動中処理(ステップS302)において、特別図柄の変動時間が経過すると、特別図柄表示器8において特別図柄の停止図柄を導出表示するとともに、飾り図柄停止指定コマンド(図柄確定指定コマンド)が送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの飾り図柄停止指定コマンドを受信すると、既に決定されている飾り図柄の停止図柄を導出表示する。
特別図柄停止処理(ステップS303)において、図柄停止時間が経過すると、特別図柄の停止図柄が確認され、特別図柄の停止図柄が大当り図柄であれば、大当り種別に応じたファンファーレコマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からのファンファーレコマンドにもとづいて、可変表示装置9において大当り遊技の開始を報知するファンファーレ演出を実行する。
大入賞口開放前処理(ステップS304)において、大当り表示時間が経過すると、大入賞口が開放されるとともに、第1ラウンドのラウンド表示を指定する15ラウンド用の大入賞口開放中コマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの大入賞口開放中コマンドにもとづいて、可変表示装置9において第1ラウンドのラウンド表示を表示する。
大入賞口開放中処理(ステップS305)において、ラウンド時間が経過すると、大入賞口が閉鎖されるとともに、第1ラウンド後のインターバル表示を指定する15ラウンド用の大入賞口開放後コマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの大入賞口開放後コマンドにもとづいて、次のラウンド(第2ラウンド)が開始されるまで可変表示装置9においてインターバル表示を表示する。
大入賞口開放後処理(ステップS306)において、インターバル時間が経過すると、大入賞口が開放されるとともに、第2ラウンドのラウンド表示を指定する15ラウンド用の大入賞口開放中コマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの大入賞口開放中コマンドにもとづいて、可変表示装置9において第2ラウンドのラウンド表示を表示する。
以上のような大入賞口開放中処理および大入賞口開放後処理が繰り返し実行されることにより、各ラウンドのラウンド表示およびラウンド間のインターバル表示が表示され、ラウンドが順に進んでいく。なお、特別図柄通常処理(ステップS300)において、大当り遊技中に再抽選演出を実行すると決定されていたときは、予め定められた所定のラウンド中(図31の例では第15ラウンド中)に再抽選演出が実行される。再抽選演出を実行するラウンドは、第15ラウンドに限られるわけではなく、例えば第7ラウンドなどであってもよい。
第15ラウンド目の大入賞口開放後処理(ステップS306)において、インターバル時間が経過すると、大当り種別に応じたエンディングコマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からのエンディングコマンドにもとづいて、可変表示装置9において大当り遊技が終了したことを報知するエンディング演出を実行する。なお、特別図柄通常処理(ステップS300)において、エンディング中に再抽選演出を実行すると決定されていたときは、エンディング中に(エンディング演出において)再抽選演出が実行される。図31に示す例では、エンディング演出においても再抽選演出が実行されている。なお、再抽選演出は、大当り遊技開始後に複数回実行してもよいが、この実施の形態では、再抽選演出が実行されると常に確変大当りに昇格するようにしているので、1回だけ実行されることになる。従って、大当り中に再抽選演出が実行されたときは、エンディング中には再抽選演出が実行されない。
その後、大当り終了処理(ステップS307)において、大当り終了時間が経過すると、フラグのセット・リセット等の処理が実行された後に、再び、特別図柄通常処理(ステップS300)に戻って特別図柄の変動が開始される。
図32は、2ラウンドの大当り遊技(突然確変大当りの遊技)および小当りの遊技が実行されるときの演出制御コマンドの送信タイミングを示すタイミング図である。図31に示した場合と同様に、始動入賞が発生して、特別図柄表示器8において特別図柄の可変表示が開始される度に、特別図柄通常処理(ステップS300)において、遊技状態に応じた背景指定コマンドが送信される。また、特別図柄通常処理(ステップS300)において、はずれとするか、大当りとするか、小当りとするか、大当りとするときは大当りの種別が決定される。また、変動パターン設定処理(ステップS301)において、変動パターンが決定され、決定された変動パターンを指定する変動パターンコマンドが飾り図柄コマンド制御処理(ステップS29)にて送信される。続いて、飾り図柄コマンド制御処理(ステップS29)において、特別図柄通常処理で決定されたはずれ、大当り(大当り種別)、小当りに応じた図柄情報指定コマンドが送信され、さらに、始動入賞記憶指定コマンドが送信される。なお、図32に示す例では、変動パターンコマンドとして突然確変用または小当り用の変動パターンを指定する演出制御コマンドが送信され、図柄情報指定コマンドとしての突然確変大当りまたは小当りを指定する演出制御コマンドが送信されたものとする。そして、特別図柄変動中処理(ステップS302)で特別図柄の変動時間が計測される。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの突然確変大当り専用の変動パターンまたは小当り専用の変動パターンを示す変動パターンコマンドにもとづいて、可変表示装置9において停止表示する飾り図柄の停止図柄を決定する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの変動パターンコマンドの受信にもとづいて、可変表示装置9において飾り図柄の変動を開始する。さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの図柄情報指定コマンドにもとづいて、突然確変大当りまたは小当りを確認する。なお、この実施の形態では、突然確変大当りおよび小当りのときは、再抽選演出が実行されることはない。
特別図柄変動中処理(ステップS302)において、特別図柄の変動時間が経過すると、特別図柄表示器8において特別図柄の停止図柄を導出表示するとともに、飾り図柄停止指定コマンド(図柄確定指定コマンド)が送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの飾り図柄停止指定コマンドを受信すると、既に決定されている飾り図柄の停止図柄を導出表示する。
特別図柄停止処理(ステップS303)において、図柄停止時間が経過すると、特別図柄の停止図柄が確認され、特別図柄の停止図柄が突然確変図柄であれば、突然確変大当りの開始を指定するファンファーレコマンドが送信される。また、特別図柄の停止図柄が小当り図柄であれば、小当りの開始を指定するファンファーレコマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からのファンファーレコマンドにもとづいて、突然確変大当り遊技または小当り遊技を開始する。なお、突然確変大当り遊技が開始されたときも、小当り遊技が開始されたときも、同じ2ラウンド用演出が実行される。2ラウンド用演出は、突然確変大当り遊技または小当り遊技の開始から終了までの間に実行される一連の特別な演出である。例えば、飾り図柄の停止図柄として突然確変図柄または小当り図柄(突然確変図柄も小当り図柄の同じ図柄である)が停止表示されると、突然、キャラクタを登場させたりムービー画像を再生したりするような特別な2ラウンド用演出が開始される。そして、2ラウンド用演出が終了すると、演出モードが確変状態の移行を期待させるチャンスモードに移行する。
突然確変大当り遊技が開始された場合は、大入賞口開放前処理(ステップS304)において、大当り表示時間が経過すると、大入賞口が開放されるとともに、第1ラウンドのときの表示状態を指定する2ラウンド大当り用の大入賞口開放中コマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの大入賞口開放中コマンドにもとづいて、可変表示装置9において実行されている2ラウンド用演出の表示画面の切り替えなどを行う。
大入賞口開放中処理(ステップS305)において、ラウンド時間が経過すると、大入賞口が閉鎖されるとともに、第1ラウンド後における表示状態を指定する2ラウンド大当り用の大入賞口開放後コマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの大入賞口開放後コマンドにもとづいて、可変表示装置9において実行されている2ラウンド用演出の表示画面の切り替えなどを行う。
大入賞口開放後処理(ステップS306)において、インターバル時間が経過すると、大入賞口が開放されるとともに、第2ラウンドのときの表示状態を指定する2ラウンド大当り用の大入賞口開放中コマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの大入賞口開放中コマンドにもとづいて、可変表示装置9において実行されている2ラウンド用演出の表示画面の切り替えなどを行う。
第2ラウンド目の大入賞口開放中処理(ステップS305)において、ラウンド時間が経過すると、大入賞口が閉鎖されるとともに、第2ラウンド後における表示状態を指定する2ラウンド大当り用の大入賞口開放後コマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの大入賞口開放後コマンドにもとづいて、可変表示装置9において実行されている2ラウンド用演出の表示画面の切り替えなどを行う。
第2ラウンド後の大入賞口開放後処理(ステップS306)において、インターバル時間が経過すると、突然確変大当りの終了を指定するエンディングコマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からのエンディングコマンドにもとづいて、可変表示装置9において実行されている2ラウンド用演出の表示画面の切り替えなどを行う。
その後、大当り終了処理(ステップS307)において、大当り終了時間が経過すると、大当り後遊技状態設定処理等が実行された後に、再び、特別図柄通常処理(ステップS300)に戻って特別図柄の変動が開始される。
また、小当り遊技が開始された場合は、小当り開放前処理(ステップS308)において、小当り表示時間が経過すると、大入賞口が開放される。
小当り開放中処理(ステップS309)において、ラウンド時間が経過すると、大入賞口が閉鎖される。
小当り開放前処理(ステップS308)において、インターバル時間が経過すると、大入賞口が開放される。
第2ラウンド目の小当り開放中処理(ステップS309)において、ラウンド時間が経過すると、大入賞口が閉鎖される。
第2ラウンド後の小当り開放前処理(ステップS308)において、インターバル時間が経過すると、小当り終了処理に移行される。
その後、小当り終了処理(ステップS310)において、小当り終了時間が経過すると、小当りフラグのリセットの処理が実行された後に、再び、特別図柄通常処理(ステップS300)に戻って特別図柄の変動が開始される。
なお、小当り遊技(突然確変大当り遊技でも同様であるが)におけるラウンド中は大入賞口の開放時間(ラウンド時間)が短い。このため、大入賞口に10個の遊技球が入賞しないので、ラウンド時間内に大入賞口が閉鎖されることがない。従って、遊技の開始から終了までの時間が一定であるので、演出制御用マイクロコンピュータ100が大入賞口開放中コマンドや大入賞口開放後コマンドの受信にもとづかずに、2ラウンド用演出の表示状態を切り替えていくことができる。よって、小当り遊技では、遊技制御用マイクロコンピュータ560による大入賞口開放中コマンドや大入賞口開放後コマンドを送信する処理を行わない。なお、突然確変大当りの場合も、遊技制御用マイクロコンピュータ560が大入賞口開放中コマンドや大入賞口開放後コマンドを送信する処理を行わないようにしてもよい。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する普通図柄プロセス処理(ステップS28)について説明する。図33は、普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。普通図柄プロセス処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート32を遊技球が通過してゲートスイッチ32aがオン状態となったことを検出すると(ステップS111)、ゲートスイッチ通過処理(ステップS112)を実行する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値に応じてステップS100〜S103に示された処理のうちのいずれかの処理を実行する。
ゲートスイッチ通過処理(ステップS112):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート通過記憶カウンタのカウント値(ゲート通過記憶数)が最大値(この例では「4」)に達しているか否か確認する。最大値に達していなければ、ゲート通過記憶カウンタのカウント値を+1する。なお、ゲート通過記憶カウンタの値に応じて普通図柄保留記憶表示器41のLEDが点灯される。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄当り判定用乱数(ランダム4)の値を抽出し、ゲート通過記憶数の値に対応した保存領域(普通図柄判定用バッファ)に格納する処理を行う。
普通図柄通常処理(ステップS100):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄の変動を開始することができる状態(例えば普通図柄プロセスフラグの値がステップS100を示す値となっている場合、具体的には、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示がなされておらず、かつ、普通図柄表示器10に当たり図柄が導出表示されたことにもとづく可変入賞球装置15の開閉動作中でもない場合)には、ゲート通過記憶数の値を確認する。具体的には、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認する。ゲート通過記憶数が0でなければ、当りとするか否か(普通図柄の停止図柄を当り図柄とするか否か)を決定する。そして、普通図柄プロセスタイマに普通図柄の変動時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(ステップS101)を示す値(具体的には「1」)に更新する。
普通図柄変動処理(ステップS101):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止し、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(ステップS102)を示す値(具体的には「2」)に更新する。
普通図柄停止処理(ステップS102):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうかを確認する。当り図柄でなければ(はずれ図柄であれば)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(具体的には「0」)に更新する。一方、普通図柄の停止図柄が当り図柄であれば、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間をセットし、タイマをスタートさせる。また、現在の遊技状態が高ベース状態であるか否かを確認し、高ベース状態であれば、高ベース状態のときの普通電動役物(可変入賞球装置15)の開放パターンを選択し、低ベース状態であれば、低ベース状態のときの普通電動役物(可変入賞球装置15)の開放パターンを選択し、選択した開放パターンを設定する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理(ステップS103)を示す値(具体的には「3」)に更新する。
普通電動役物作動処理(ステップS103):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていないことを条件に、普通電動役物(可変入賞球装置15)への遊技球の入賞個数(第2始動入賞口14への入賞個数)をカウントする普通電動役物入賞カウント処理を実行し、また、設定された開放パターンで普通電動役物の開放を行う(可変入賞球装置15の開閉動作を実行する)普通電動役物開放パターン処理を実行する。そして、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトすると、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(具体的には「0」)に更新する。
図34は、普通図柄通常処理(ステップS100)を示すフローチャートである。普通図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認することにより、ゲート通過記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS121)。ゲート通過記憶数が0であれば(ステップS121のY)、そのまま処理を終了する。ゲート通過記憶数が0でなければ(ステップS121のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート通過記憶数=1に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS122)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート通過記憶数カウンタの値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS123)。すなわち、ゲート通過記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値を、ゲート通過記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各ゲート通過記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値が抽出された順番は、常に、ゲート通過記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファから普通図柄当り判定用乱数を読み出し(ステップS124)、読み出した乱数値にもとづいて当りとするかはずれとするかを決定する(ステップS125)。具体的には、普通図柄当り判定用乱数の値が当り判定値と一致するか否かが判定され、一致する当り判定値があれば当りと決定される。例えば、時短フラグがセットされているとき、すなわち高ベース状態(時短状態、確変時短状態)のときには、当り判定値を1〜10のいずれかとし、低ベース状態のときには、当り判定値を3または7としている。普通図柄当り判定用乱数が0〜10の数値範囲で更新されるとすると、高ベース状態のときの当選確率は10/11となり、低ベース状態のときの当選確率は2/11となる。このように、高ベース状態のときは高確率で当りとなり、低ベース状態のときは低確率でしか当りとならない。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマに普通図柄変動時間をセットし(ステップS126)、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を開始させる(ステップS127)。なお、この実施の形態では、図37に示すように、低ベース時の普通図柄の変動時間は30.0秒とされ、高ベース時の普通図柄の変動時間は1.0秒とされている。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(ステップS101)を示す値(具体的には「1」)に更新する(ステップS128)。
図35は、普通図柄変動処理(ステップS101)を示すフローチャートである。普通図柄変動処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(ステップS131)。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ(ステップS131のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS135)。
普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたとき、すなわち、普通図柄の変動時間が経過したときは(ステップS131のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止させる(ステップS132)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットする(ステップS133)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(ステップS102)を示す値(具体的には「2」)に更新する(ステップS134)。
図36は、普通図柄停止処理(ステップS102)を示すフローチャートである。普通図柄停止処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(ステップS141)。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ(ステップS141のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS142)。
普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたとき、すなわち、普通図柄停止図柄表示時間が経過したときは(ステップS141のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうか(ステップS125にて当りと判定されたかどうか)を確認する(ステップS143)。なお、普通図柄の停止図柄が当り図柄かどうかは、例えば、ステップS125にて当りと判定されたときに普通図柄当り判定フラグをセットすることとして、そのフラグがセットされているかどうかによって確認することができる。
普通図柄の停止図柄が当り図柄であるときは(ステップS143のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間をセットする(ステップS144)。普通電動役物作動時間は、普通電動役物(可変入賞球装置15)が動作可能な最大時間である。普通電動役物作動時間は、高ベース状態のときの方が低ベース状態のときよりも長い時間に設定されている。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技状態が高ベース状態であるか低ベース状態であるかを確認する(ステップS145)。高ベース状態であるか低ベース状態であるかは、時短フラグがセットされているかどうかによって確認することができる。時短フラグがセットされているときは高ベース状態であると判断し、時短フラグがセットされていないときは低ベース状態であると判断することができる。なお、高ベース状態のときに、高ベース状態であることを示す高ベース状態フラグをセットし、そのフラグがセットされているかどうかによって、高ベース状態であるか低ベース状態であるかを判断するようにしてもよい。
高ベース状態であるときは(ステップS145のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物の開放パターンとして図37に示す高ベース時テーブルに設定されている開放パターンを選択する(ステップS146)。一方、低ベース状態であるときは(ステップS145のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物の開放パターンとして図37に示す低ベース時テーブルに設定されている開放パターンを選択する(ステップS147)。図37に示す例では、低ベース時テーブルには、開放時間が0.5秒で、開放回数が1回の開放パターンのデータが設定されている。また、高ベース時テーブルには、開放時間が2.5秒で、開放回数が2回の開放パターンのデータが設定されている。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS146またはS147で選択した開放パターンを開放パターンバッファにセットする(ステップS148)。なお、開放パターンを開放パターンバッファにセットする際に、普通電動役物開放パターンタイマ(普通電動役物の開放時間および閉鎖時間を計測するタイマ)に開放パターン時間(ここでは可変入賞球装置15が最初に開放されるまでの閉鎖時間)をセットする処理も行われる。その後、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理(ステップS103)を示す値(具体的には「3」)に更新する(ステップS149)。
ステップS143において、普通図柄の停止図柄が当り図柄でなく、はずれ図柄であると判定されたときは(ステップS143のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(具体的には「0」)に更新する(ステップS150)。
図38は、普通電動役物作動処理(ステップS103)を示すフローチャートである。普通電動役物作動処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(ステップS161)。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ(ステップS161のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS162)。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、スイッチオンバッファをレジスタにロードする(ステップS163)。スイッチオンバッファは、スイッチのオンが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて1が設定され、スイッチのオフが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて0が設定されるバッファである。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2始動口スイッチ入力ビット(第2始動口スイッチ14aの対応ビット)において1がセットされているかどうかを確認する(ステップS164)。つまり、第2始動口スイッチ14aがオンになったかどうか(第2始動入賞口14に遊技球が入賞したかどうか)を確認する。第2始動口スイッチ入力ビットにおいて1がセットされていなければ(ステップS164のN)、ステップS168の処理に移行する。第2始動口スイッチ入力ビットにおいて1がセットされていれば(ステップS164のY)、第2始動口スイッチ14aがオンしたことになるので、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物(可変入賞球装置15)に入賞した遊技球の個数をカウントする普通電動役物入賞個数カウンタを+1する(ステップS165)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物入賞個数カウンタの値が8未満であるかどうかを確認する(ステップS166)。普通電動役物入賞個数カウンタの値が8未満でない場合(ステップS166のN)、つまり8以上である場合は、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値をクリア(0に)する(ステップS167)。この処理によって、普通電動役物作動処理が終了することになる(ステップS161のY、S172参照)。このように、この実施の形態では、普通電動役物作動時間内において8個以上の遊技球が可変入賞球装置15に入賞したときは、普通電動役物作動処理を終了するようにしている。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物開放パターンタイマの値を−1する(ステップS168)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物開放パターンタイマの値が0であるかどうか、すなわち、普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(ステップS169)。タイムアウトしていなければ(ステップS169のN)、そのまま処理を終了する。タイムアウトしていれば(ステップS169のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間をセットする(ステップS170)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド16を駆動して普通電動役物(可変入賞球装置15)を開放または閉鎖する(ステップS171)。
具体的には、可変入賞球装置15が閉状態のときに普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップすると、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間として開放時間をセットし、出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物ソレノイド出力ビットを反転させて可変入賞球装置15を開放する。可変入賞球装置15が開状態のときに普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップすると、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間として閉鎖時間をセットし、出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物ソレノイド出力ビットを反転させて可変入賞球装置15を閉鎖する。
以上のステップS168〜S171の処理によって、低ベース状態のときの開放パターンと高ベース状態のときの開放パターンとが実現される。遊技状態が低ベース状態のときは、開放時間が0.5秒であり開放回数が1回となる開放パターンであるので、例えば、普通電動役物作動処理が開始されてから1.0秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開状態となり、その後に0.5秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となる。また、遊技状態が高ベース状態のときは、開放時間が2.5秒であり開放回数が2回となる開放パターンであるので、例えば、普通電動役物作動処理が開始されてから2.5秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開状態となり、その後に2.5秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となり、再び2.5秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開状態となり、さらに2.5秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となる。
ステップS161において、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたときは(ステップS161のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(具体的には「0」)に更新する(ステップS172)。
図39は、遊技制御用マイクロコンピュータにおける遊技球を検出するスイッチに関わる入力ポートのビット割り当ての例を示す説明図である。図39に示すように、入力ポート0のビット0〜7には、それぞれ、カウントスイッチ23、ゲートスイッチ32a、入賞口スイッチ33a,39a,29a,30a、第1始動口スイッチ13a、および第2始動口スイッチ14aの検出信号が入力される。なお、入力ポート0は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。
次に、主基板31と払出制御基板37との間で送受信される払出制御コマンド(払出制御信号)について説明する。図40は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から払出制御用マイクロコンピュータに対して出力される払出制御信号の内容の一例を示す説明図である。
賞球REQ信号は、賞球個数コマンドの送信時に出力状態(=オン状態)になる信号(すなわち賞球払出要求のトリガ信号)である。賞球個数信号は、払出要求を行う遊技球の個数(0〜15個)を指定するために出力される信号(賞球個数コマンド)である。
図41は、図40に示す各制御信号の送受信に用いられる信号線等を示すブロック図である。図41に示すように、賞球REQ信号および4ビットの賞球個数信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって出力回路67を介して出力され、入力回路373Aを介して払出制御用マイクロコンピュータ370に入力される。出力回路67は、主基板31において、図2に示されたI/Oポート部57の外側に設置されている(図2では図示せず)。また、払出制御基板37において、払出制御用マイクロコンピュータにおける入力ポートの前段に出力回路67が設置されている。
図42は、払出制御信号の出力の仕方の一例を示すタイミング図である。図42に示すように、入賞検出スイッチ(カウントスイッチ23、入賞口スイッチ33a,39a,29a,30a、第1始動口スイッチ13a、および第2始動口スイッチ14a)が遊技球の入賞を検出したことにもとづいて、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球REQ信号をオン状態にするとともに、賞球個数信号の出力状態を、入賞に応じて払い出される賞球数に応じた状態にする。なお、具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技球が遊技機に設けられている入賞領域に入賞したことが入賞検出スイッチの検出信号によって検知すると、あらかじめ決められた賞球数をバックアップRAMに形成されている総賞球数格納バッファの内容に加算する。そして、総賞球数格納バッファの内容が0でない値になったら、賞球REQ信号をオン状態にするとともに、賞球個数信号の出力状態を、入賞に応じて払い出される賞球数に応じた状態にする。
また、この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aおよび第2始動口スイッチ14aで遊技球が検出されると4個の賞球払出を行い、入賞口スイッチ33a,39a,29a,30aのいずれかで遊技球が検出されると7個の賞球払出を行い、カウントスイッチ23で遊技球が検出されると15個の賞球払出を行う。また、上述したように、賞球個数信号は4ビットで構成されているので、8ビットで表現されている00(H)〜0F(H)の賞球個数信号のうち、下位の4ビットが賞球個数信号によって主基板31から払出制御基板37に伝達される。以下、「00(H)〜0F(H)の賞球個数信号」のように表現することがあるが、実際には、賞球個数信号は、8ビットで表現されている00(H)〜0F(H)のうちの下位の4ビットに相当する。
また、この実施の形態では、賞球個数信号は、主基板31から払出制御基板37に向かう方にしか信号が伝達されない単方向通信によって賞球個数信号が送信されるが、双方向通信によって、主基板31から払出制御基板37に賞球個数信号が送信されるようにしてもよい。双方向通信を行う場合に、払出制御用マイクロコンピュータは、例えば、賞球REQ信号の受信に応じてACK信号(応答信号)を遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信したり、賞球個数信号を受信したことを示すACK信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信する。
次に、メイン処理におけるスイッチ処理(ステップS21)を説明する。この実施の形態では、入賞検出またはゲート通過に関わる各スイッチの検出信号のオン状態が所定時間継続すると、確かにスイッチがオンしたと判定される。具体的には、スイッチ処理は2ms毎に起動されるのであるが、現時点において起動されたスイッチ処理と2ms前に起動されたスイッチ処理との双方において、スイッチのオンを検出すると、確かにスイッチがオンしたと判定される。
図43は、スイッチ処理で使用されるRAM55に形成される各1バイトのバッファを示す説明図である。前々回ポートバッファは、前々回(4ms前とする。)のスイッチオン/オフの判定結果が格納されるバッファである。前回ポートバッファは、前回(2ms前とする。)のスイッチオン/オフの判定結果が格納されるバッファである。スイッチオンバッファは、上述したように、スイッチのオンが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて1が設定され、スイッチのオフが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて0が設定されるバッファである。また、前回データは、スイッチ処理の実行時に一時的に用いられるバッファ領域である。前々回ポートバッファ、前回ポートバッファ、スイッチオンバッファおよび前回データは、RAM55に形成されている。また、前々回ポートバッファ、前回ポートバッファおよびスイッチオンバッファのビット配列は、入力ポート0のビット配列に対応している。つまり、図39に示すビット0〜7に割り当てられているスイッチの検出信号のそれぞれに対応する情報が、前々回ポートバッファ、前回ポートバッファおよびスイッチオンバッファのビット0〜7に設定される。
図44は、遊技制御処理におけるステップS21のスイッチ処理の処理例を示すフローチャートである。スイッチ処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、前回ポートバッファの内容を、前回データに設定する(ステップS331)。また、前々回ポートバッファの内容と前回データとの排他的論理和をとる(ステップS332)。そして、排他的論理和演算の結果を前回データに設定する(ステップS333)。この段階で、前回データにおいて、前々回ポートバッファの8ビットと前回ポートバッファの8ビットとのうちで、値が異なるビットが「1」になっている。また、前回ポートバッファの内容を前々回ポートバッファに設定する(ステップS334)。
そして、入力ポート0のデータを入力し(ステップS335)、入力したデータを前回ポートバッファに設定する(ステップS336)。ステップS334,S336の処理は、次回(2ms後)にスイッチ処理が実行されるときの準備処理に相当する。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入力ポート0から入力したデータと前回データの論理積をとる(ステップS337)。この段階で、前回データにおいて、前々回ポートバッファの8ビットと前回ポートバッファの8ビットとのうちで値が異なるビットが「1」になっている。つまり、7つのスイッチの検出信号のうちで、2ms前の状態が4ms前の状態から変化した(「0」から「1」に、または「1」から「0」に)検出信号に対応するビットが「1」になっている。よって、ステップS337で前回データと入力ポート0から入力したデータとの論理積をとると、入力ポート0から入力したデータのうちで「1」になっているビットであって、かつ、2ms前の状態が4ms前の状態から変化したビットが、「1」になる。すなわち、論理積演算の結果、現時点の状態がオン状態であって、かつ、前回(2ms前)のスイッチ処理時にオフ状態からオン状態に変化したことが検出された検出信号に対応したビットが「1」になる。換言すれば、オフ状態からオン状態に変化し、その後、2回連続してオン状態が検出された検出信号に対応するビットが「1」になっている。なお、「2回連続して」とは、「ある時点で実行されたスイッチ処理と、そのスイッチ処理の2ms後に実行されるスイッチ処理との双方で」という意味である。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、論理積演算の結果をスイッチオンバッファに格納する(ステップS338)。スイッチオンバッファにおいて、オフ状態からオン状態に変化した後、2回連続してオン状態が検出された検出信号に対応するビットが「1」になっている。よって、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、スイッチオンバッファにおいて「1」になっているビットに対応するスイッチの検出信号が確実にオン状態になったと確認できる。なお、「確実に」とは、2回連続してオン状態が検出されたので、すなわち4ms間オン状態が継続していると見なせるので、検出信号のオン状態がノイズ等によるものではないと判断できるということである。
図45は、ステップS31の賞球処理の一例を示すフローチャートである。賞球処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球個数加算処理(ステップS341)と賞球制御処理(ステップS342)とを実行する。
賞球個数加算処理では、図46に示す賞球個数テーブルが使用される。賞球個数テーブルは、ROM54に設定されている。賞球個数テーブルの先頭アドレスには処理数(この例では「7」)が設定され、その次のアドレスから、入賞により賞球を払い出すことになる入賞口の各スイッチについてのスイッチ入力ビット判定値、および賞球数が、入賞口の各スイッチのそれぞれに対応して順次設定されている。なお、スイッチ入力ビット判定値は、入力ポート0における各スイッチの検出信号が入力されるビットに対応した値である(図39参照)。
図47は、ステップS341の賞球個数加算処理を示すフローチャートである。賞球個数加算処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球個数テーブルの先頭アドレスをポインタにセットする(ステップS351)。そして、ポインタが指すアドレスのデータ(この場合には処理数)をロードする(ステップS352)。次に、スイッチオンバッファをレジスタにロードする(ステップS353)。
そして、ポインタの値を1増やし(ステップS354)、スイッチオンバッファの内容と、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合にはスイッチ入力ビット判定値)との論理積をとる(ステップS355)。また、ポインタの値を1増やす(ステップS356)。
ステップS355における演算結果が0でなければ(ステップS361のN)、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオン状態であれば、ステップS362Aに移行する。ステップS355における演算結果が0であれば(ステップS361のY)、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオン状態でなければ、処理数を1減らし(ステップS359)、処理数が0であれば処理を終了し、処理数が0でなければステップS354に戻る(ステップS360)。
ステップS362Aでは、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS355の処理で使用されたスイッチ入力ビット判定値がカウントスイッチ入力ビット判定値であったか否か確認する。すなわち、ステップS361でカウントスイッチ23がオンしたことが確認されたか否か(検査対象のスイッチがカウントスイッチ23であったか否か)確認する。
スイッチ入力ビット判定値がカウントスイッチ入力ビット判定値であった場合には(ステップS362AのY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値が4以上であるか否か確認する(ステップS362B)。特別図柄プロセスフラグの値が4以上であるということは、特別図柄プロセス処理において、ステップS304の大入賞口開放前処理以後の処理が実行されていることを意味する。すなわち、大当り遊技中または小当り遊技中であることを意味する。なお、ここでは、大当り遊技中は、大当り表示が開始されてから大当り終了処理が終了するまでの期間とする。また、小当り遊技中は、小当り表示が開始されてから小当り終了処理が終了するまでの期間とする。つまり、特別図柄プロセスフラグの値が4以上であるということは、遊技制御が正常に実行されている場合において、大入賞口が開放される制御がなされる可能性がある状態であることを示す。
特別図柄プロセスフラグの値が4以上である場合には(ステップS362BのY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合には賞球個数)を賞球加算値に設定し(ステップS364)、賞球加算値を、RAM55に形成されている16ビットの総賞球数格納バッファの内容に加算する(ステップS365)。加算の結果、桁上げが発生した場合には、総賞球数格納バッファの内容を65535(=FFFF(H))に設定する(ステップS357,S358)。そして、ステップS359の処理に移行する。
特別図柄プロセスフラグの値が4未満である状態は、大当り遊技および小当り遊技は実行されず、大入賞口を開放する制御は実行されない状態である。そのような状態においてカウントスイッチ23がオンしたことが検出されたということは、大入賞口に異常入賞が生じたこと、またはカウントスイッチ23からの検出信号に長期間(4msを越える)に亘るノイズが乗ったことを意味する。そこで、特別図柄プロセスフラグの値が4未満である状態でカウントスイッチ23がオンしたことが検出された場合には(ステップS362BのN)、総賞球数格納バッファに賞球加算値を加算する制御を実行しないようにする。すなわち、カウントスイッチ23がオンしたことにもとづく賞球払出を実行しないようにする(ステップS364,S365の処理をスキップする)。そして、ステップS359の処理に移行する。
スイッチ入力ビット判定値がカウントスイッチ入力ビット判定値でない場合は(ステップS362AのN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS355の処理で使用されたスイッチ入力ビット判定値が第2始動口スイッチ入力ビット判定値であったか否か確認する(ステップS363A)。すなわち、ステップS361で第2始動口スイッチ14aがオンしたことが確認されたか否か(検査対象のスイッチが第2始動口スイッチ14aであったか否か)確認する。
スイッチ入力ビット判定値が第2始動口スイッチ入力ビット判定値であった場合には(ステップS363AのY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値が3であるか否か確認する(ステップS363B)。普通図柄プロセスフラグの値が3であるということは、普通図柄プロセス処理において、ステップS103の普通電動役物作動処理が実行されていることを意味する。すなわち、普通電動役物(可変入賞球装置15)の開閉動作中であることを意味する。
スイッチ入力ビット判定値が第2始動口スイッチ入力ビット判定値でなかった場合(ステップS363AのN)、および普通図柄プロセスフラグの値が3である場合(ステップS363BのY)には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合には賞球個数)を賞球加算値に設定し(ステップS364)、賞球加算値を、RAM55に形成されている16ビットの総賞球数格納バッファの内容に加算する(ステップS365)。加算の結果、桁上げが発生した場合には、総賞球数格納バッファの内容を65535(=FFFF(H))に設定する(ステップS357,S358)。そして、ステップS359の処理に移行する。
普通図柄プロセスフラグの値が3でない状態は、可変入賞球装置15が動作しておらず、可変入賞球装置15を開放する制御は実行されない状態である。そのような状態において第2始動口スイッチ14aがオンしたことが検出されたということは、第2始動入賞口14に異常入賞が生じたこと、または第2始動口スイッチ14aからの検出信号に長期間(4msを越える)に亘るノイズが乗ったことを意味する。そこで、普通図柄プロセスフラグの値が3でない状態で第2始動口スイッチ14aがオンしたことが検出された場合には(ステップS363BのN)、総賞球数格納バッファに賞球加算値を加算する制御を実行しないようにする。すなわち、第2始動口スイッチ14aがオンしたことにもとづく賞球払出を実行しないようにする(ステップS364,S365の処理をスキップする)。そして、ステップS359の処理に移行する。
なお、上記の処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて大入賞口への異常入賞が生じたか否か判定するようにしたが、実際に大入賞口を開放していないときにカウントスイッチ23がオンしたことが検出された場合に、カウントスイッチ23がオンしたことにもとづく賞球払出を実行しないようにしてもよい。しかし、この実施の形態のように、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて異常入賞が生じたか否か判定するように構成する場合には、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理が簡素化される。大入賞口は複数ラウンドに亘って開放されたり閉鎖されたりされるので、実際に大入賞口を開放する制御を行っているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定すると、処理が複雑化する。
また、大入賞口の入口からカウントスイッチ23の設置位置までの間にはある程度の距離があるので、実際に大入賞口を開放する制御を行っているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定する場合には、大入賞口を閉鎖する制御を行ってから、閉鎖直前に大入賞口に入賞した可能性がある遊技球を考慮する必要がある。すなわち、大入賞口の入口からカウントスイッチ23の設置位置までの間を遊技球が流れる時間を考慮しなければならない。つまり、実際に大入賞口を閉鎖する制御を行ってからある程度の期間をおいてから、異常入賞が生じたか否かの判定を開始する必要がある。そのことからも、処理が複雑化する。
しかし、この実施の形態のように、大当り終了処理または小当り終了処理が終了してから、大入賞口への異常入賞が生じたか否か判定するように構成されている場合には、大入賞口の入口からカウントスイッチ23の設置位置までの間を遊技球が流れる時間を考慮する必要はない。大入賞口が閉鎖されてから、大当り終了処理または小当り終了処理の処理期間中に、閉鎖直前に大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23の設置位置まで到達しているからである。なお、この実施の形態では、大当り終了処理または小当り終了処理の処理期間、すなわち可変表示装置9において大当り終了表示または小当り終了表示がなされている期間は、大入賞口に入賞した遊技球がカウントスイッチ23の設置位置に到達するまでの時間よりも長く設定されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、普通図柄プロセスフラグの値にもとづいて第2始動入賞口14への異常入賞が生じたか否か判定するようにしたが(ステップS363B参照)、実際に可変入賞球装置15を開放していないとき(すなわち、図38に示す普通電動役物作動処理において遊技状態に応じた開放パターンにもとづいて可変入賞球装置15が開閉動作を繰り返すときの可変入賞球装置15が閉鎖状態のとき)に第2始動口スイッチ14aがオンしたことが検出された場合に、第2始動口スイッチ14aがオンしたことにもとづく賞球払出を実行しないようにしてもよい。しかし、この実施の形態のように、普通図柄プロセスフラグの値にもとづいて異常入賞が生じたか否か判定するように構成する場合には、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理が簡素化される。例えば、高ベース状態のときのように可変入賞球装置15が複数回(実施の形態では2回)に亘って開放されたり閉鎖されたりする場合には、実際に可変入賞球装置15を開放する制御を行っているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定すると、処理が複雑化するが、普通図柄プロセスフラグにより判定することで処理を簡素化することができる。
また、第2始動入賞口14の入口から第2始動口スイッチ14aの設置位置までの間にはある程度の距離があるので、実際に可変入賞球装置15を開放する制御を行っているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定する場合には、可変入賞球装置15を閉鎖する制御を行ってから、閉鎖直前に第2始動入賞口14に入賞した可能性がある遊技球を考慮する必要がある。すなわち、第2始動入賞口14の入口から第2始動口スイッチ14aの設置位置までの間を遊技球が流れる時間を考慮しなければならない。そこで、この実施の形態では、異常入賞を判定するタイミングを可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせている。
具体的には、可変入賞球装置15が最後に閉鎖してから普通図柄プロセスタイマがタイムアウトするまで(つまりステップS171で可変入賞球装置15が閉鎖してからステップS161のYとなるまで)の時間を、第2始動入賞口14に入賞した遊技球が第2始動口スイッチ14aの設置位置に到達するまでの時間よりも長く設定している。すなわち、ステップS170で普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間として閉鎖時間(例えば5秒)をセットし、ステップS171で普通電動役物を最後に閉鎖させてから普通図柄プロセスタイマがタイムアウトするまでの時間を閉鎖時間(例えば5秒)よりも短い時間(例えば3秒)になるように普通電動役物作動時間をセットする(ステップS144)。普通電動役物を最後に閉鎖させてから普通図柄プロセスタイマがタイムアウトするまでの時間(例えば3秒)は、第2始動入賞口14に入賞した遊技球が第2始動口スイッチ14aの設置位置に到達するまでの時間よりも十分長い時間である。このようにしておけば、可変入賞球装置15の閉鎖直前に遊技球が入賞したことによって、異常入賞が発生したと誤検出してしまうのを防止することができる。
異常入賞を判定するタイミングを可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせる方法として、上記の例では、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わる所定時間前に可変入賞球装置15を閉鎖し、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わった時点で異常入賞の判定を行うようにしていたが、可変入賞球装置15を閉鎖すると同時に普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替え、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わってから所定時間経過後に異常入賞の判定を行うようにしてもよい。具体的には、普通図柄プロセスフラグの値が3から0になった時点(例えば、図38のステップS172の直前あるいは直後)でカウントタイマに所定時間をセットし、そして、タイマ割込み毎(2ms毎)にカウントタイマをカウントダウンしていく。そして、賞球個数加算処理において普通図柄プロセスフラグの値が3でないと判定されたときに(ステップS363BのN)、カウントタイマが0かどうかを判定し、カウントタイマが0のときにステップS364,S365の処理をスキップしてステップS359の処理に移行するようにする。このような構成によっても、異常入賞を判定するタイミングを可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせることができる。
なお、大入賞口への異常入賞の判定においても、同様の方法により異常入賞を判定するタイミングを大入賞口(特別可変入賞球装置20)を閉鎖するタイミングよりも遅らせることができる。具体的には、特別図柄プロセスフラグの値が7から0に又は10から0になった時点でカウントタイマに所定時間をセットし、そして、タイマ割込み毎(2ms毎)にカウントタイマをカウントダウンしていく。そして、賞球個数加算処理において特別図柄プロセスフラグの値が4以上でないと判定されたときに(ステップS362BのN)、カウントタイマが0かどうかを判定し、カウントタイマが0のときにステップS364,S365の処理をスキップしてステップS359の処理に移行するようにする。
なお、ステップS362Bにおいて特別図柄プロセスフラグの値が4未満である場合(ステップS362BのN)やステップS363Bにおいて普通図柄プロセスフラグの値が3でない場合(ステップS363BのN)に、賞球払い出しを禁止する制御を行わないようにしてもよい。後述するように、異常入賞が発生したと判定された場合は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が異常入賞報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100が異常入賞の発生を報知するように構成されているので、異常入賞にもとづく賞球払い出しは最小限に食い止めることができると考えられるからである。
図48は、ステップS342の賞球制御処理を示すフローチャートである。賞球制御処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、総賞球数格納バッファの内容を確認する(ステップS371)。その値が0であれば処理を終了する。0でなければ、総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値(この例では「15」)よりも小さいか否か確認する(ステップS372)。総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値以上であれば、賞球コマンド最大値を賞球個数バッファに設定する(ステップS373)。また、総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値よりも小さい場合には、総賞球数格納バッファの内容を賞球個数バッファに設定する(ステップS374)。そして、賞球個数バッファの内容を、賞球個数信号を出力するための出力ポートにセットする(ステップS375)。また、賞球REQ信号を出力するための出力ポートの賞球REQ信号のビットに「1」をセットする(ステップS376)。
ステップS376の処理によって、賞球REQ信号が出力される。すなわち、賞球REQ信号がオン状態になる(図42参照)。また、ステップS375の処理によって、賞球個数信号が出力される(図42参照)。なお、この実施の形態では、賞球コマンド最大値は「15」である。従って、最大で「15」の払出数を指定する賞球個数信号が払出制御基板37に送信される。
賞球個数信号を送信すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、総賞球数格納バッファの内容から、賞球個数バッファの内容(払出制御手段に指令した賞球払出個数)を減算する(ステップS377)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球REQ信号のオン期間を設定する。具体的には、ウェイトカウンタに、初期値をセットする(ステップS378)。そして、ウェイトカウンタの値が0になるまでウェイトカウンタの値を1ずつ減算する(ステップS379,S380)。ウェイトカウンタの値が0になったら、オン期間を終了させる。
すなわち、賞球REQ信号を出力するための出力ポートの賞球REQ信号のビットに「0」をセットし(ステップS381)、賞球個数信号を出力するための出力ポートに00(H)をセットする(ステップS382)。
払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数信号を受信すると、賞球個数信号で指定された数の遊技球が払い出されるように球払出装置97を駆動する。
図49は、ステップS23の異常入賞報知処理を示すフローチャートである。異常入賞報知処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、異常報知禁止フラグがセットされているか否か確認する(ステップS251)。異常報知禁止フラグは、遊技機への電力供給が開始されたときに実行されるメイン処理でセットされている(図4におけるステップS44参照)。異常報知禁止フラグがセットされていない場合には、ステップS255に移行する。異常報知禁止フラグがセットされている場合には、ステップS45で設定された禁止期間タイマの値を−1する(ステップS252)。そして、禁止期間タイマの値が0になったら、すなわち禁止期間タイマがタイムアウトしたら、異常報知禁止フラグをリセットする(ステップS253,S254)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値が4以上であるか否か確認する(ステップS255)。特別図柄プロセスフラグの値が4以上であるときは(ステップS255のY)、大当り遊技中または小当り遊技中である状態である。そのような状態であれば、大入賞口に遊技球が入賞する可能性があるので、大入賞口への異常入賞の確認処理を行わずに、ステップS261の処理に移行する。
特別図柄プロセスフラグの値が4未満である状態は、大当り遊技も小当り遊技も行われていない状態である。このような状態のときに大入賞口に遊技球の入賞があれば、その入賞は異常入賞であると判断することができる。従って、以下に示す大入賞口への異常入賞の確認処理を行う。
すなわち、特別図柄プロセスフラグの値が4未満であれば(ステップS255のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードする(ステップS256)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ロードしたスイッチオンバッファの内容とカウントスイッチ入力ビット判定値(01(H)、図46参照)との論理積をとる(ステップS257)。スイッチオンバッファの内容が01(H)であったとき、すなわちカウントスイッチ23がオンしているときには、論理積の演算結果は01(H)になる。カウントスイッチ23がオンしていないときには、論理積の演算結果は、0(00(H))になる。
論理積の演算結果が0でない場合には(ステップS258のN)、大入賞口への異常入賞が生じたと判定し、演出制御基板80に、異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS259,S260)。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、異常入賞報知指定コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS259)、コマンドセット処理を実行する(ステップS260)。一方、論理積の演算結果が0である場合には(ステップS258のY)、大入賞口への異常入賞が生じていないと判定し、ステップS261の処理に移行する。
ステップS261では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値が3であるか否か確認する(ステップS261)。普通図柄プロセスフラグの値が3である状態は、普通電動役物(可変入賞球装置15)が開閉動作している状態である。そのような状態であれば(ステップS261のY)、第2始動入賞口14に遊技球が入賞する可能性があるので、第2始動入賞口14への異常入賞の確認処理を行わずに異常入賞報知処理を終了する。
普通図柄プロセスフラグの値が3でない状態は(ステップS261のN)、普通電動役物(可変入賞球装置15)が開閉動作していない状態である。このような状態のときに第2始動入賞口14に遊技球の入賞があれば、その入賞は異常入賞であると判断することができる。従って、以下に示す第2始動入賞口14への異常入賞の確認処理を行う。
すなわち、普通図柄プロセスフラグの値が3でなければ(ステップS261のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードする(ステップS262)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ロードしたスイッチオンバッファの内容と第2始動口スイッチ入力ビット判定値(80(H)、図46参照)との論理積をとる(ステップS263)。スイッチオンバッファの内容が80(H)であったとき、すなわち第2始動口スイッチ14aがオンしているときには、論理積の演算結果は80(H)になる。第2始動口スイッチ14aがオンしていないときには、論理積の演算結果は、0(00(H))になる。
論理積の演算結果が0でない場合には(ステップS264のN)、第2始動入賞口14への異常入賞が生じたと判定し、演出制御基板80に、異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS265,S266)。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、異常入賞報知指定コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS265)、コマンドセット処理を実行する(ステップS266)。一方、論理積の演算結果が0である場合には(ステップS261のY)、第2始動入賞口14への異常入賞が生じていないと判定し、異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行わずに異常入賞報知処理を終了する。
以上のような処理によって、大当り遊技も小当り遊技も行われていない状態においてカウントスイッチ23がオンした場合には、異常入賞報知指定コマンドが送信される。また、可変入賞球装置15が開閉動作していない状態において第2始動口スイッチ14aがオンした場合にも、異常入賞報知指定コマンドが送信される。
また、ステップS251〜S253の処理によって、演出制御用マイクロコンピュータ100が初期化報知を行っているときに、異常報知が開始されることが禁止される。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常報知を開始してから禁止期間に相当する期間が経過するまで、初期化報知を継続して実行している。
なお、ステップS255の処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて大入賞口への異常入賞が生じたか否か判定するようにしているので、ステップS362Bの処理と同様に、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理を簡素化することができる。また、上述したように、特別可変入賞球装置20が閉鎖した後に大当り終了処理または小当り終了処理が所定時間実行されるので、特別可変入賞球装置20が閉鎖する直前に大入賞口に入賞した遊技球が、特別図柄プロセスフラグの値が0に戻った後にカウントスイッチ23で検出されてしまうということが防止され、正規の入賞であるにもかかわらずエラーが報知されてしまうようなことはない。
また、ステップS261の処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、普通図柄プロセスフラグの値にもとづいて第2始動入賞口14への異常入賞が生じたか否か判定するようにしているので、ステップS363Bの処理と同様に、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理を簡素化することができる。また、上述したように、異常入賞を判定するタイミングを可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせる方法として、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わる所定時間前に可変入賞球装置15を閉鎖し、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わった時点で異常入賞の判定を行うようにしているので、可変入賞球装置15が閉鎖する直前に第2始動入賞口14に入賞した遊技球が、普通図柄プロセスフラグの値が0に戻った後に第2始動口スイッチ14aで検出されてしまうということが防止され、正規の入賞であるにもかかわらずエラーが報知されてしまうようなことはない。
なお、上述したように、可変入賞球装置15を閉鎖すると同時に普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替え、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わってから所定時間経過後に異常入賞の判定を行うようにしてもよい。また、大入賞口への異常入賞の判定においても、同様の方法により異常入賞を判定するタイミングを大入賞口(特別可変入賞球装置20)を閉鎖するタイミングよりも遅らせるようにしてもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図50は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を実行する(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して可変表示装置9の表示制御等を実行する。また、所定の乱数(例えば、停止図柄を決定するための乱数)を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS706)。さらに、可変表示装置9等の演出装置を用いて報知を行う報知制御処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
図51は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図10、図11参照)であるのか解析する。
図52〜図55は、メイン処理におけるコマンド解析処理(ステップS704)を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。
受信した演出制御コマンドが、可変表示装置9における背景を指定する演出制御コマンド(背景指定コマンド:9500(H)〜9503(H))であれば(ステップS613のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、背景指定コマンドの内容にもとづいて遊技状態を確認し、確認した遊技状態をRAMの所定領域に設定する(ステップS614)。そして、遊技状態に応じた背景画像を可変表示装置9に表示する制御を実行する(ステップS615)。
受信した演出制御コマンドが、変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド:8000(H)〜800F(H))であれば(ステップS616)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのコマンドのEXTデータをRAMにおける変動パターンデータ格納領域に格納し(ステップS617)、変動パターン受信フラグをセットする(ステップS618)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドが通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンを指定する変動パターンコマンドであるかどうかを確認し(ステップS619)、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンを指定する変動パターンコマンドでなければ(ステップS619のN)、第1の飾り図柄決定処理を実行する(ステップS620)。第1の飾り図柄決定処理は、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターン以外の変動パターン(はずれを指定する変動パターン等の専用の変動パターン)を指定する変動パターンコマンドにもとづいて、飾り図柄の停止図柄を決定する処理である。なお、第1の飾り図柄決定処理の詳しい内容については後述する(図56、図57参照)。通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンを指定する変動パターンコマンドであれば(ステップS619のY)、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンであることを示す兼用フラグをセットする(ステップS621)。
受信した演出制御コマンドが、図柄情報を指定する演出制御コマンド(図柄情報指定コマンド:8C00(H)〜8C06(H))であれば(ステップS622のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄情報指定コマンドを受信したことを示す図柄情報コマンド受信フラグをセットする(ステップS623)。なお、図柄情報コマンド受信フラグは、図柄の変動終了時、大当りの終了時または小当りの終了時にリセットされる(ステップS866,S974,S987参照)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、飾り図柄の停止図柄が既に決定されているかどうかを確認する(ステップS624)。ここで、変動パターンコマンドが通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンを指定するコマンドでなければ、第1の飾り図柄決定処理において既に飾り図柄の停止図柄が決定されている。従って、兼用フラグがセットされているかどうかによって、飾り図柄の停止図柄が既に決定されているかどうかを確認することができる。
飾り図柄の停止図柄が未だ決定されていないときは(ステップS624のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第2の飾り図柄決定処理を実行する(ステップS625)。第2の飾り図柄決定処理は、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンを指定する変動パターンコマンドを受信した場合に、図柄情報指定コマンドにもとづいて、飾り図柄の停止図柄として確変図柄または非確変図柄を決定する処理である。なお、第2の飾り図柄決定処理の詳しい内容については後述する(図58参照)。飾り図柄の停止図柄が既に決定されているときは(ステップS624のY)、再抽選演出を実行する必要があるかどうかを確認する(ステップS626)。ここで、図柄情報指定コマンドは、大当り種別として大当り遊技開始後の再抽選演出の実行の有無も特定しているので、図柄情報指定コマンドの内容によって再抽選演出の実行の必要性を確認することができる。再抽選演出を実行する必要があるときは(ステップS626のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、再抽選後停止図柄決定処理を実行する(ステップS627)。再抽選後停止図柄とは、再抽選演出が実行された後に停止表示(導出表示)される停止図柄(この実施の形態では確変図柄)のことをいう。なお、再抽選演出が実行される前に停止表示される停止図柄(この実施の形態では非確変図柄)のことを仮停止図柄ということがある。なお、再抽選後図柄決定処理の詳しい内容については後述する(図59参照)。
受信した演出制御コマンドが、始動入賞記憶数を指定する演出制御コマンド(始動入賞記憶指定コマンド:C0XX(H))であれば(ステップS628)、始動入賞記憶表示制御処理を実行する(ステップS629)。始動入賞記憶表示制御処理は、始動入賞記憶数を特定可能な表示(始動入賞記憶表示)を可変表示装置9の所定領域に表示する制御を行う処理である。当該処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞記憶指定コマンドにもとづいて、始動入賞記憶数を確認し、確認した数の始動入賞記憶表示を可変表示装置9に表示する。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞記憶指定コマンドが変動開始時に送信される始動入賞記憶数−1を指定する始動入賞記憶指定コマンドであるかどうか、つまり、飾り図柄コマンド制御処理において、図柄情報指定コマンドの次に送信される始動入賞記憶指定コマンドであるかどうかを判定する(ステップS630)。ここで、始動入賞記憶数−1を指定する始動入賞記憶指定コマンドであるかどうかは、例えば、始動入賞記憶表示制御処理において、始動入賞記憶指定コマンドで指定された始動入賞記憶数を記憶しておき、次に受信した始動入賞記憶指定コマンドで指定された始動入賞記憶数が−1となっているかどうかを確認することにより判定可能である。始動入賞記憶数−1を指定する始動入賞記憶指定コマンドでなければ(ステップS630のN)、ステップS611の処理に戻る。始動入賞記憶数−1を指定する始動入賞記憶指定コマンドであれば(ステップS630のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄情報コマンド受信フラグがセットされているかどうかを確認し(ステップS631)、そのフラグがセットされていれば(ステップS631のY)、図柄情報指定コマンドが始動入賞記憶指定コマンドの前に正常に受信されたことを示しているので、ステップS611の処理に戻る。
図柄情報コマンド受信フラグがセットされていなければ(ステップS631のN)、図柄情報指定コマンドが始動入賞記憶指定コマンドの前に正常に受信されていないことを示している。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100において、図柄情報指定コマンドを取りこぼしたことを意味する。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS620で既に飾り図柄の停止図柄が決定されているかどうかを確認する(ステップS632)。このとき、既に飾り図柄の停止図柄が決定されているということは、変動パターンコマンドが、はずれ専用の変動パターン、確変大当り専用の変動パターン、通常大当り専用の変動パターン、突然確変大当り専用の変動パターン、または小当り専用の変動パターンを指定するコマンドであって、第1の飾り図柄決定処理(ステップS620)が実行されていることを示している。一方、未だ飾り図柄の停止図柄が決定されていないということは、変動パターンコマンドが、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンを指定するコマンドであって、第1の飾り図柄決定処理(ステップS620)が実行されていないことを示している。
既に飾り図柄の停止図柄が決定されていれば(ステップS632のY)、ステップS611の処理に戻る。未だ飾り図柄の停止図柄が決定されていなければ(ステップS632のN)、仮決定図柄決定処理を実行する(ステップS633)。仮決定図柄決定処理は、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンコマンドを受信したが図柄情報指定コマンドを取りこぼした場合には非確変図柄を仮決定する処理である。仮決定図柄決定処理の詳しい内容については後述する(図60参照)。
なお、図柄情報指定コマンドを取りこぼした場合として、図柄情報指定コマンドを完全に受信し損なった場合、つまり、図柄情報指定コマンドのMODEデータおよびEXTデータを双方または一方を受信できなかった場合のほかに、データ化けしたコマンド等であって図柄情報指定コマンドでないコマンドを受信した場合も含まれる。例えば、図柄情報指定コマンドのMODEデータがデータ化けしたことによって、図柄情報指定コマンドでないコマンド(演出制御用マイクロコンピュータ100において認識不可能なコマンドも含む)を受信した場合や、図柄情報指定コマンドのEXTデータがデータ化けしたことによって、図柄情報指定コマンドとして定義されていないEXTデータのコマンド(図10参照)を受信した場合などである。
なお、図柄情報指定コマンドのEXTデータがデータ化けしたが、図柄情報指定コマンドとして定義されているコマンドを受信したときは、図柄情報指定コマンドであるが制御処理上、不整合な図柄情報指定コマンドを受信したことになる。この場合は、演出制御用マイクロコンピュータ100が図柄情報指定コマンドを受信したと認識することにより図柄情報コマンド受信フラグがセットされ(ステップS622)、ステップS631でフラグのセットが確認されることにより(ステップS631のY)、仮決定図柄決定処理が実行されないおそれもある(ステップS633)。しかし、データ化けした図柄情報指定コマンドが、通常大当り指定コマンド(8C01(H))や確変大当り指定コマンド(8C02(H)〜8C04(H)以外のコマンドであれば、飾り図柄がまだ決定されていないにもかかわらず(ステップS632のN)、そのような図柄情報指定コマンドを受信したことによって、変動パターンコマンドと図柄情報指定コマンドが整合していないと判断することができる。よって、このような場合は、仮決定図柄決定処理(ステップS633)を実行するようにするのが好ましい。
受信した演出制御コマンドが、大当りまたは小当りの開始(ファンファーレ)を指定する演出制御コマンド(ファンファーレコマンド:A000(H)〜A004(H),A600(H))であれば(図54のステップS634のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ファンファーレコマンドの内容に応じたファンファーレ受信フラグをセットする(ステップS635)。例えば、ファンファーレコマンドの内容(大当り種別等)に応じて、通常大当りの開始を示すファンファーレ受信フラグ、確変大当り(再抽選演出なし)の開始を示すファンファーレ受信フラグ、確変大当り(大当り中に再抽選演出実行)の開始を示すファンファーレ受信フラグ、確変大当り(エンディングで再抽選演出実行)の開始を示すファンファーレ受信フラグ、突然確変大当りの開始を示すファンファーレ受信フラグ、小当りの開始を示すファンファーレ受信フラグをセットする。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄情報指定コマンドを受信していないことを示すコマンド未受信フラグがセットされているかどうかを確認する(ステップS636)。コマンド未受信フラグは、仮決定図柄決定処理においてセットされる(図60のステップS633A参照)。このとき、コマンド未受信フラグがセットされているということは、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンコマンドを受信したが、図柄情報指定コマンドを正常に受信しておらず、確変大当りか通常大当りかを判断できないため、飾り図柄の停止図柄(大当り図柄)を決定していない状態であることを意味する。
コマンド未受信フラグがセットされていないときは(ステップS626のN)、ステップS611の処理に戻る。コマンド未受信フラグがセットされているときは(ステップS636のY)、ファンファーレ受信フラグなどにもとづいて大当りが確変大当りであるかどうかを確認する(ステップS637)。確変大当りでない場合は(ステップS637のN)、ステップS611の処理に戻る。確変大当りである場合は(ステップS637のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変図柄決定用乱数を抽出し(ステップS638)、抽出した乱数値に従って飾り図柄の確変図柄を決定し格納する(ステップS639)。このように決定し格納した確変図柄が再抽選演出にて導出表示される再抽選後停止図柄である。飾り図柄の確変図柄は、左中右の飾り図柄が同一図柄(「1」「3」「5」「7」「9」)であるので、確変図柄決定用テーブルにおいて、それらの図柄に対し判定値を割り当てておき、確変図柄決定用乱数値と一致する判定値の図柄を再抽選後停止図柄である確変図柄と決定する。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ファンファーレ受信フラグにもとづいて大当り遊技の開始後に再抽選演出を実行する必要があるかどうかを確認する(ステップS640)。再抽選演出を実行する必要がない場合、すなわち、大当り中あるいはエンディングにおいて再抽選演出の実行を指定するファンファーレコマンドを受信していなかった場合であっても(ステップS640のN)、再抽選演出を実行しなければならない。なぜなら、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンコマンドを受信したが、図柄情報指定コマンドを受信していない場合は、仮決定図柄決定処理において仮の大当り図柄として非確変図柄が決定され(図60参照)、その非確変図柄が既に導出表示されているから、本当の大当りの種別が確変大当りであったときは、遊技者に不利益を与えないように確変図柄を再抽選演出で導出表示する必要があるからである。そこで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、実行タイミング決定用乱数を抽出し(ステップS641)、抽出した実行タイミング決定用乱数の値に従って、再抽選演出の実行タイミングを決定する(ステップS642)。そして、決定した実行タイミングに応じた再抽選実行フラグをセットする(ステップS644)。具体的には、再抽選演出が大当り中に実行すると決定されたときは、大当り中再抽選実行フラグがセットされ、再抽選演出がエンディングにおいて実行されると決定されたときは、エンディング再抽選実行フラグがセットされる。
一方、再抽選演出を実行する必要がある場合、すなわち、大当り中あるいはエンディングにおいて再抽選演出の実行を指定するファンファーレコマンドを受信していた場合は(ステップS640のY)、ファンファーレコマンドで指定されたタイミングを再抽選演出の実行タイミングに決定する(ステップS643)。そして、決定した実行タイミングに応じた再抽選実行フラグをセットする(ステップS644)。
受信した演出制御コマンドが、大当りまたは小当りの終了(エンディング)を指定する演出制御コマンド(エンディングコマンド:A301(H)〜A305(H),A700(H))であれば(ステップS645のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、エンディングコマンドの内容に応じたエンディング受信フラグをセットする(ステップS646)。例えば、エンディングコマンドの内容(大当り種別等)に応じて、通常大当りの終了を示すエンディング受信フラグ、確変大当り(再抽選演出なし)の終了を示すエンディング受信フラグ、確変大当り(大当り中に再抽選演出実行)の終了を示すエンディング受信フラグ、確変大当り(エンディングで再抽選演出実行)の終了を示すエンディング受信フラグ、突然確変大当りの終了を示すエンディング受信フラグをセットする。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド:9000(H))であれば(ステップS645のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を可変表示装置9に表示する制御を行う(ステップS646A)。初期画面には、あらかじめ決められている演出図柄の初期表示が含まれる。また、初期報知フラグをセットし(ステップS646B)、期間タイマに、初期報知期間値に相当する値を設定する(ステップS646C)。初期報知期間は、初期化指定コマンドの受信に応じて初期化報知を行っている期間である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期報知期間が経過すると、初期化報知を終了させる。なお、初期報知期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560がステップS45の処理で設定する禁止期間と同じである。よって、初期化報知が行われているときに、異常報知指定コマンドを受信することはない。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンド(9200(H))であれば(ステップS647AのY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行う(ステップS647B)。
受信した演出制御コマンドが異常入賞報知指定コマンド(D000(H))であれば(ステップS648)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS649)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば(ステップS648のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS650)。そして、ステップS611に移行する。
図56および図57は、第1の飾り図柄決定処理(ステップS620)を示すフローチャートである。第1の飾り図柄決定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、受信した変動パターンコマンドがはずれ専用の変動パターンコマンドであるときは(ステップS651のY)、はずれが決定されたことを示すはずれ決定フラグをセットするとともに(ステップS652)、変動パターンがリーチを伴う変動パターンであるか否かを確認する(ステップS653)。リーチを伴う変動パターンでなければ(ステップS653のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、左中右の飾り図柄決定用乱数を抽出し(ステップS654)、抽出した乱数値に従って左中右の飾り図柄を決定し格納する(ステップS655)。なお、左右の飾り図柄が同一図柄になったときは、リーチが発生しないように、左右いずれかの図柄を1コずれの図柄に変更する。
リーチを伴う変動パターンであれば(ステップS653のY)、左の飾り図柄決定用乱数を抽出し(ステップS656)、抽出した乱数値に従って左右の同一飾り図柄を決定し格納する(ステップS657)。そして、中の飾り図柄決定用乱数を抽出し(ステップS658)、抽出した乱数値に従って中の飾り図柄を決定し格納する(ステップS659)。なお、左中右の飾り図柄が同一図柄になったときは、大当りが発生しないように、左右の図柄か中の図柄のいずれかを1コずれの図柄に変更する。
はずれ専用の変動パターンコマンドでなく(ステップS651のN)、確変大当り専用の変動パターンコマンドであるときは(ステップS660のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変大当りが決定されたことを示す確変大当り決定フラグをセットする(ステップS661)。そして、確変図柄決定用乱数を抽出し(ステップS662)、抽出した乱数値に従って、飾り図柄の確変図柄を決定し格納する(ステップS663)。
確変大当り専用の変動パターンコマンドでなく(ステップS660のN)、通常大当り専用の変動パターンコマンドであるときは(ステップS664のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常大当りが決定されたことを示す通常大当り決定フラグをセットする(ステップS665)。そして、非確変図柄決定用乱数を抽出し(ステップS666)、抽出した乱数値に従って、飾り図柄の非確変図柄を決定し格納する(ステップS667)。
通常大当り専用の変動パターンコマンドでなく(ステップS664のN)、突然確変大当り専用の変動パターンコマンドであるときは(ステップS668のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、突然確変大当りが決定されたことを示す突然確変大当り決定フラグをセットする(ステップS669)。そして、突然確変図柄決定用乱数を抽出し(ステップS670)、抽出した乱数値に従って、飾り図柄の突然確変図柄を決定し格納する(ステップS671)。
突然確変大当り専用の変動パターンコマンドでなく(ステップS668のN)、小当り専用の変動パターンコマンドであるときは、演出制御用マイクロコンピュータ100は、小当りが決定されたことを示す小当り決定フラグをセットする(ステップS672)。そして、小当り図柄決定用乱数を抽出し(ステップS673)、抽出した乱数値に従って、飾り図柄の小当り図柄を決定し格納する(ステップS674)。
なお、この実施の形態では、飾り図柄の突然確変図柄と小当り図柄は同じ図柄であるので、同じ乱数値を用いて飾り図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
図58は、第2の飾り図柄決定処理(ステップS625)を示すフローチャートである。第2の飾り図柄決定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、図柄情報指定コマンドの内容にもとづいて、大当りが確変大当りであるかどうか(変動停止時の停止図柄が確変図柄であることを指定する確変大当り1指定コマンドであるかどうか)を確認し(ステップS681)、確変大当りであるときは(ステップS681のY)、確変大当りが決定されたこと(変動停止時の大当り図柄が確変図柄であること)を示す確変大当り決定フラグをセットする(ステップS682)。そして、確変図柄決定用乱数を抽出し(ステップS683)、抽出した乱数値に従って、飾り図柄の確変図柄を決定し格納する(ステップS684)。このように決定した飾り図柄の確変図柄が図柄の変動終了時に導出表示される停止図柄となる。
確変大当りでないとき(ステップS681のN)、すなわち、変動停止時の停止図柄が非確変図柄であることを指定する通常大当り指定コマンド、変動停止時の停止図柄が非確変図柄であって大当り遊技中の再抽選演出で確変図柄に昇格することを指定する確変大当り2指定コマンド、または変動停止時の停止図柄が非確変図柄であってエンディング中の再抽選演出で確変図柄に昇格することを指定する確変大当り3指定コマンドであるときは、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常大当りが決定されたこと(変動停止時の大当り図柄が非確変図柄であること)を示す通常大当り決定フラグをセットする(ステップS685)。そして、非確変図柄決定用乱数を抽出し(ステップS686)、抽出した乱数値に従って、飾り図柄の非確変図柄を決定し格納する(ステップS687)。このように決定した飾り図柄の非確変図柄が図柄の変動終了時に導出表示される停止図柄となる。
図59は、再抽選後停止図柄決定処理(ステップS627)を示すフローチャートである。再抽選後停止図柄決定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、図柄情報指定コマンドの内容にもとづいて、大当り中に再抽選演出を実行することが指定されているかどうかを確認し(ステップS627A)、大当り中に再抽選演出を実行することが指定されているときは(ステップS627AのY)、大当り中再抽選実行フラグをセットし(ステップS627B)、大当り中に再抽選演出を実行することが指定されていないときは(ステップS627AのN)、エンディング再抽選実行フラグをセットする(ステップS627C)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変図柄決定用乱数を抽出し(ステップS627D)、抽出した乱数値に従って、飾り図柄の確変図柄を決定し格納する(ステップS628E)。このように決定した飾り図柄の確変図柄が再抽選演出の実行後に導出表示される再抽選後停止図柄となる。
図60は、仮決定図柄決定処理(ステップS633)を示すフローチャートである。仮決定図柄決定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄情報指定コマンドが未受信であることを示すコマンド未受信フラグをセットする(ステップS633A)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、非確変図柄決定用乱数を抽出し(ステップS633B)、抽出した乱数値に従って、飾り図柄の非確変図柄を決定し格納する(ステップS633C)。このように決定した飾り図柄の非確変図柄が再抽選演出の実行前(大当り遊技の開始前)における図柄の変動終了時に導出表示される仮決定図柄となる。
図61は、メイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S808のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):コマンド受信割込処理によって、変動パターン指定の演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンドが受信されたことを示す変動パターン受信フラグがセットされたか否か確認する。変動パターン受信フラグは、演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するコマンド解析処理におけるステップS618で設定される。
飾り図柄変動開始処理(ステップS801):飾り図柄の変動が開始されるように制御する。また、変動時間タイマに変動時間に相当する値を設定し、使用するプロセステーブルを選択するとともに、プロセステーブルの最初に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する。
飾り図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。
飾り図柄変動停止処理(ステップS803):変動時間タイマがタイムアウトしたことに応じて、飾り図柄の変動を停止し停止図柄(確定図柄)を導出表示する制御を行う。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、大当り表示の制御を行う。例えば、大当りの開始を指定するファンファーレコマンドを受信したら、ファンファーレ演出を実行する。また、突然確変大当りの開始を指定するファンファーレコマンドを受信したら、2ラウンド用演出を実行する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放中であることを示す大入賞口開放中コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。なお、所定のラウンド中に再抽選演出を実行することもある。この実施の形態では、再抽選演出を実行するラウンドは予め決められているものとする(例えば第7ラウンドあるいは第15ラウンド)。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放後(閉鎖中)であることを示す大入賞口開放後コマンドを受信したら、インターバル表示等を行う。
大当り終了演出処理(ステップS807):大当り遊技の終了後の大当り終了表示の制御を行う。例えば、大当りの終了を指定するエンディングコマンドを受信したら、エンディング演出を実行する。なお、エンディング演出中に再抽選演出を実行することもある。
小当り演出処理(ステップS808):変動時間の終了後、小当りの開始を指定するファンファーレコマンドを受信したら、小当り中の演出である2ラウンド用演出を実行する。
図62は、プロセステーブルの一構成例を示す説明図である。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、変動パターンを構成する各変動態様が記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動態様での変動時間が設定されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動態様で飾り図柄を変動表示させる制御を行う。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示制御実行データにもとづく制御と同様に、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけランプ制御実行データにもとづいて各種ランプの点灯状態を制御し、音番号データを音声出力基板70に出力する。
図62に示すプロセスデータは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンのそれぞれに応じて用意されている。
図63は、演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターン受信フラグがセットされたか否か確認する(ステップS811)。セットされていたら、そのフラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドで指定された内容(変動パターン、変動時間)にもとづいて、飾り図柄の変動パターンを決定する(ステップS813)。その後、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する(ステップS814)。
図64は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS821)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS822)。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞の報知を行っていることを示す異常報知中フラグがセットされていないことを条件に(ステップS823のN)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての可変表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS824)。例えば、可変表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
異常報知中フラグがセットされている場合には(ステップS823のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、音番号データ1を除くプロセスデータ1の内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS825)。つまり、異常報知中フラグがセットされている場合には、飾り図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じた音演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた音出力が継続される。なお、可変表示に応じた音演出の効果音と異常入賞の報知に応じた警報音(報知音)とが別チャンネルに設定され、それらの音を同時に音出力することが可能であれば、ステップS824とステップS825の処理を分ける必要はない。
また、ステップS825の処理を行うときに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、単に表示制御実行データ1にもとづく指令をVDP109に出力するのではなく、「重畳表示」を行うための指令もVDP109に出力する。つまり、可変表示装置9におけるそのときの表示(異常入賞の報知がなされている。)と、飾り図柄の可変表示の表示演出の画像とが、同時に可変表示装置9において表示されるように制御する。すなわち、異常報知中フラグがセットされている場合には、飾り図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じた表示演出のみが実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた報知も継続される。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(ステップS826)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する(ステップS827)。
図65は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。飾り図柄変動中処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS841)、変動時間タイマの値を−1(1減算)する(ステップS842)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS843)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS844)。また、異常報知中フラグがセットされていないことを条件に、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS845A,S845B)。
異常報知中フラグがセットされている場合には、プロセスデータi(iは2〜nのいずれか)の内容(ただし、音番号データiを除く。)に従って演出装置の制御を実行する(ステップS845A,S845C)。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、飾り図柄の可変表示に応じた音演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた音出力が継続される。
また、ステップS845Cの処理が行われるときに、演出制御用CPU101は、単に表示制御実行データiにもとづく指令をVDP109に出力するのではなく、「重畳表示」を行うための指令もVDP109に出力する。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、飾り図柄の可変表示に応じた表示演出のみが実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた報知も継続される。
また、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS846)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS848)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS847)、ステップS848に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、飾り図柄の変動を終了させることができる。
図66は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。飾り図柄変動停止処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS851)。確定コマンド受信フラグがセットされている場合には(ステップS851のY)、確定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS852)、コマンド解析処理において決定され格納されている飾り図柄の停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS853)。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの図柄確定指定コマンド(飾り図柄停止指定コマンド)の受信に応じて飾り図柄を停止表示する制御を行うが、このような構成に限られず、変動時間タイマがタイムアップしたことにもとづいて飾り図柄を停止表示する制御を行うようにしてもよい。
ステップS853で導出表示された飾り図柄の停止図柄が小当り図柄である場合(ステップS854のY)は、演出制御用マイクロコンピュータ100は、小当り用のファンファーレ受信フラグがセットされたか否か確認する(ステップS855)。小当り用のファンファーレ受信フラグがセットされたときは(ステップS855のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、格納されたファンファーレコマンドの内容にもとづいて、2ラウンド用演出を選択する(ステップS856)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、選択した2ラウンド用演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS857)。そして、プロセスタイマをスタートさせるとともに(ステップS858)、2ラウンド用演出の実行時間を計測する2R用演出時間タイマをスタートさせる(ステップS859)。そして、演出制御プロセスフラグの値を小当り演出処理(ステップS808)に対応した値に更新する(ステップS860)。
ステップS853で導出表示された飾り図柄の停止図柄が小当り図柄でなく大当り図柄(非確変図柄、確変図柄、突然確変図柄)である場合は(ステップS861のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ファンファーレ受信フラグがセットされたか否か確認する(ステップS862)。ファンファーレ受信フラグがセットされたときは(ステップS862のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、格納されたファンファーレコマンドの内容にもとづいて、ファンファーレ演出または2ラウンド用演出のいずれかを選択する(ステップS863)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、選択したファンファーレ演出または2ラウンド用演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS864)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS865)、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に対応した値に更新する(ステップS866)。
ステップS861で導出表示された飾り図柄の停止図柄が大当り図柄(非確変図柄、確変図柄、突然確変図柄)でない場合、すなわち、はずれ図柄である場合(ステップS861のN)は、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定のフラグをリセットする(ステップS867)。例えば、図柄情報コマンド受信フラグなどをリセットする。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する(ステップS868)。
図67は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS804)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、大入賞口開放中コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS901)。なお、大入賞口開放中フラグは、コマンド解析処理でセットされる(ステップS650参照)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS901のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS902)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、スピーカ27、ランプ28a〜28c等)の制御を実行する(ステップS903)。例えば、15ラウンド大当りの場合は、可変表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、大当りが発生したことを示す文字やキャラクタなどを表示する演出が実行される。また、例えば、2ラウンド用演出では、特殊な文字やキャラクタなどを表示させる演出が実行される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS904)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS905)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS906)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS901のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、15ラウンド用の大入賞口開放中コマンドの内容にもとづいてラウンド中演出(ラウンド数に応じたラウンド表示を実行する演出)を選択する(ステップS907)。なお、2ラウンド用の大入賞口開放中コマンドを受信したときは、ラウンド中も継続して2ラウンド用演出が実行されているので、新たに演出を選択する必要はないが、ラウンド毎に2ラウンド用演に含まれる演出を切り替えたりするとき(例えば2ラウンド用演出の表示画面を切り替えたりするとき)は、2ラウンド用演出に含まれる演出をラウンド毎に新たに選択するようにしてもよい。次いで、大入賞口開放中フラグをリセットし(ステップS908)、ラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS909)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS910)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に設定する(ステップS911)。
図68は、演出制御プロセス処理におけるラウンド中処理(ステップS805)を示すフローチャートである。ラウンド中処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放後コマンドを受信したことを示す大入賞口開放後フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS921)。なお、大入賞口開放後フラグはコマンド解析処理でセットされる(ステップS650参照)。大入賞口開放後フラグもセットされていないときは(ステップS921のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS922)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、スピーカ27、ランプ28a〜28c等)の制御を実行する(ステップS923)。例えば、可変表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、ラウンド数を示す文字やその他のキャラクタなどを表示する演出が実行される。また、2ラウンド用演出では、特殊な文字やキャラクタなどを表示させる演出が実行される。なお、大当り遊技中に再抽選演出を実行することとされているとき(大当り中再抽選実行フラグがセットされているとき)は、所定のラウンド(例えば第7ラウンドや第15ラウンドなど)のラウンド中演出において再抽選演出が実行される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS924)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS925)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS926)。
ステップS921において大入賞口開放後フラグがセットされているときは(ステップS921のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放後コマンドの内容にもとづいてインターバル演出(ラウンド数に応じたインターバル表示を行う演出)を選択する(ステップS928)。なお、2ラウンド用の大入賞口開放後コマンドを受信したときは、ラウンド後も継続して2ラウンド用演出が実行されているので、新たに演出を選択する必要はないが、ラウンド後に2ラウンド用演出に含まれる演出を切り替えたりするとき(例えば2ラウンド用演出の表示画面を切り替えたりするとき)は、2ラウンド用演出に含まれる演出をラウンド後に新たに選択するようにしてもよい。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放後フラグをリセットし(ステップS928)、選択したインターバル演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS929)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS930)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に設定する(ステップS931)。
図69および図70は、演出制御プロセス処理におけるラウンド後処理(ステップS806)を示すフローチャートである。ラウンド後処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、エンディングフラグがセットされているかどうかを確認する(ステップS940)。エンディングフラグがセットされていないときは(ステップS940のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放中コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS941)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS941のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS942)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、スピーカ27、ランプ28a〜28c等)の制御を実行する(ステップS943)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS944)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS945)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS946)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS941のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り中(ラウンド中)に再抽選演出を実行する必要があるかどうかを判定する(ステップS947)。具体的には、大当り中再抽選実行フラグがセットされているときは、大当り中に再抽選演出を実行する必要があると判断する。
大当り中に再抽選演出を実行する必要があると判断したときは(ステップS947のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、再抽選演出を実行するラウンド中演出を選択する(ステップS948)。そして、再抽選実行済フラグをセットする(ステップS949)。一方、大当り中に再抽選演出を実行する必要がないと判断したときは(ステップS947のN)、再抽選演出を実行しないラウンド中演出を選択する(ステップS950)。
次いで、大入賞口開放中フラグをリセットし(ステップS951)、ラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS952)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS953)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に設定する(ステップS954)。
ステップS940においてエンディング受信フラグがセットされたときは(ステップS941のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、エンディング演出中に再抽選演出を実行する必要があるかどうかを判定する(ステップS955)。具体的には、エンディング再抽選実行フラグがセットされているときや、大当り中再抽選実行フラグがセットされているにもかかわらず、再抽選演出を大当り中(ラウンド中)に実行したことを示す再抽選実行済フラグがセットされていないときは(ステップS949参照)、エンディング演出中に再抽選演出を実行する必要があると判断する。
エンディング演出中に再抽選演出を実行する必要があると判断したときは(ステップS955のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、再抽選演出を実行するエンディング演出を選択する(ステップS956)。一方、エンディング演出中に再抽選演出を実行する必要がないと判断したときは(ステップS955のN)、再抽選演出を実行しないエンディング演出を選択する(ステップS957)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、エンディング受信フラグをリセットし(ステップS958)、エンディング演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS959)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS960)、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(ステップS807)に対応した値に設定する(ステップS961)。
図71は、演出制御プロセス処理における大当り終了演出処理(ステップS807)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS971)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、スピーカ27等)を制御する処理を実行する(ステップS972)。例えば、大当りが終了することを表示したり、エンディング演出において再抽選演出が含まれているときは、再抽選演出を実行する。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS973)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、所定のフラグ(確変大当り決定フラグ、通常大当り決定フラグ、突然確変大当り決定フラグ、大当り中再抽選実行フラグ、エンディング再抽選実行フラグ、図柄情報コマンド受信フラグなど)をリセットし(ステップS974)、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に設定する(ステップS975)。
図72は、演出制御プロセス処理における小当り演出処理(ステップS808)を示すフローチャートである。小当り演出処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS981)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、スピーカ27等)を制御する処理を実行する(ステップS982)。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、2R用演出時間タイマがタイムアウトしていないかどうかを確認する(ステップS983)。タイムアウトしていなければ、そのまま処理を終了する。タイムアウトしていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS984)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切り替えを行う(ステップS985)。そして、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS986)。
2R用演出時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS983のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定のフラグ(小当りフラグ、図柄情報コマンド受信フラグなど)をリセットし(ステップS987)、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に設定する(ステップS988)。
図73は、可変表示装置9に表示される報知画面の例を示す説明図である。図73(A)には、演出制御用マイクロコンピュータ100が、初期化指定コマンドの受信に応じて可変表示装置9に表示する初期画面の例が示されている。図73(B)には、演出制御用マイクロコンピュータ100が、停電復旧指定コマンドの受信に応じて可変表示装置9に表示する停電復旧画面の例が示されている。図73(C)には、演出制御用マイクロコンピュータ100が、異常入賞報知指定コマンドの受信に応じて可変表示装置9に表示する異常報知画面の例が示され、かつ、飾り図柄の変動が開始されても、異常報知画面の表示が継続されることが示されている(図73(C)の右側参照)。
次に、可変表示装置9において実行される大当り図柄の再抽選演出の演出態様について説明する。図74は、可変表示装置において実行される大当り図柄の再抽選演出の表示例を示す説明図である。図74に例示するような表示演出は、演出制御用マイクロコンピュータ100によって遊技制御用マイクロコンピュータ560から送られる演出制御コマンドにもとづいて実行される。なお、図74における表示例は、エンディング演出中に再抽選演出が実行される場合を示す。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンコマンド以外の変動パターンコマンドを受信した場合は(ステップS619のN)、受信した変動パターンコマンドにもとづいて、はずれ、大当り、小当り、および大当り種別を判定して、それに応じた飾り図柄の停止図柄を決定する(ステップS620、図56および図57)。一方、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンコマンドを受信した場合は(ステップS619のY)、その後に受信する図柄情報指定コマンドにもとづいて、確変大当りか通常大当りかを判定し、それに応じた飾り図柄の停止図柄を決定する(ステップS625、図58)。
しかし、演出制御用マイクロコンピュータ100が、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンコマンドを受信したにもかかわらず、図柄情報指定コマンドを取りこぼしてしまうこともある。この場合は、演出制御用マイクロコンピュータ100が、確変大当りか通常大当りかを判断することができず、大当り種別に応じた飾り図柄の停止図柄を決定することができないことになってしまう。そこで、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンコマンドを受信したにもかかわらず、図柄情報指定コマンドを取りこぼしてしまった場合は(ステップS630のY、S631のN、S632のN)、仮に停止表示する飾り図柄の停止図柄として非確変図柄を決定する(ステップS633、図60)。このように非確変図柄を決定するようにしたのは、飾り図柄の変動終了時に非確変図柄を導出表示した後に、大当り種別が確変大当りであったと判別したときは、その後の再抽選演出で非確変図柄を確変図柄に昇格させればよいが、飾り図柄の変動終了時に確変図柄を導出表示した後に、大当り種別が通常大当りであったと判別したときは、確変図柄を非確変図柄に降格させなければならず、このような演出は遊技者を落胆させ、遊技の興趣を低下させてしまうおそれがあるからである。
図74の例では、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンコマンドを受信したにもかかわらず、図柄情報指定コマンドを取りこぼしてしまった場合、飾り図柄の停止図柄として非確変図柄「444」を仮に決定し、飾り図柄の変動終了時に非確変図柄「444」を導出表示(仮停止表示)している。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ファンファーレコマンドの内容にもとづいて、再抽選演出を実行すべきかどうかを判断し(ステップS636,S637)、再抽選演出を実行すべきであると判断したときは、飾り図柄の再抽選後停止図柄である確変図柄を決定し(ステップS638,S639)、再抽選演出を実行するタイミングを決定する(ステップS640〜S644)。なお、図74の例では、エンディング演出中に再抽選演出を実行することに決定されたものとする。
図74に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ファンファーレコマンドの受信にもとづいて大当り遊技を開始し、そして大入賞口開放中コマンドの受信にもとづいて各ラウンドの演出(ラウンド中演出)を順に実行し、また大入賞口開放後コマンドの受信にもとづいてラウンド間の演出(インターバル演出)を順に実行していく。そして、エンディングコマンドの受信にもとづいて大当り終了を報知するエンディング演出を実行する。図74に示す例では、エンディング演出において再抽選演出が実行される。具体的には、左中右の飾り図柄が同一図柄で揃った状態で再変動が開始され、その後に確変図柄(図74の例では「777」)が導出表示される演出が実行されている。そして、確変状態に突入(移行)することが遊技者に報知されている。
図75は、ステップS707の報知制御処理を示すフローチャートである。報知制御処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期報知フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1001)。初期報知フラグは、遊技制御用マイクロコンピュータ560から初期化指定コマンドを受信した場合にセットされている(図55におけるステップS646B参照)。初期報知フラグがセットされていない場合には、ステップS1006に移行する。初期報知フラグがセットされている場合には、ステップS646Cで設定された期間タイマの値を−1する(ステップS1002)。そして、期間タイマの値が0になったら、すなわち初期報知期間が経過したら、初期報知フラグをリセットする(ステップS1003,S1004)。
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示装置9において初期画面または停電復旧画面を消去させるための指令をVDP109に出力する(ステップS1005)。VDP109は、指令に応じて、可変表示装置9から初期画面または停電復旧画面を消去する。
ステップS1006では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知指定コマンドを受信したことを示す異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。セットされていなければ、処理を終了する。異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、異常入賞報知指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS1007)、可変表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、異常報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS1008)。VDP109は、指令に応じて、可変表示装置9に異常報知画面を重畳表示する(図73(C)参照)。
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS1009)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、異常入賞の報知に応じた音出力(異常報知音の出力)が行われる。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常報知を行っていることを示す異常報知中フラグをセットする(ステップS1010)。
図76は、可変表示装置9における表示演出およびスピーカ27による音演出の状況の例を示す説明図である。図76(A)には、可変表示装置9において飾り図柄の可変表示が行われているときの例が示されている。図76(B)には、可変表示装置9において初期化報知が行われている場合の例が示されている。
図76(C)には、可変表示装置9において異常報知が行われ、スピーカ27によって異常報知音の出力がなされている場合の例が示されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から異常入賞報知指定コマンドを受信すると、可変表示装置9に異常報知画面を表示する制御を行うとともに、スピーカ27から異常報知音を出力させる制御を行う。また、変動パターンコマンドの受信に応じて飾り図柄の可変表示が開始されても、可変表示装置9における異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とを継続させる。また、飾り図柄の可変表示が終了しても、可変表示装置9における異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とを継続させる。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は異常報知画面を消去する制御および異常報知音の出力を停止する制御を実行しないので、可変表示装置9における異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とは、遊技機に対する電力供給が停止するまで継続する。ただし、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常報知画面の表示と異常報知音の出力とが開始されてから所定時間が経過すると、異常報知画面の表示と異常報知音の出力とを停止するように制御してもよい。
また、この実施の形態では、異常報知は、可変表示装置9とスピーカ27とによってなされるが、ランプ・LEDも用いて異常報知を行うようにしてもよい。その場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知指定コマンドを受信すると、ランプ・LEDを、通常状態(異常入賞が発生していないとき)における態様とは異なる態様で点滅させるように制御する。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されてから所定期間(初期化報知が実行されている期間)、異常入賞の検出を行わず、遊技制御用マイクロコンピュータ560から異常入賞報知指定コマンドが送信されることはない。しかし、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値が所定値(この実施の形態では4)未満のとき、または普通図柄プロセスフラグの値が所定値(この実施の形態では3)以外のときには常時異常入賞の検出を行うようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100が、遊技機に対する電力供給が開始されてから所定期間の間に異常入賞報知指定コマンドを受信した場合には、異常入賞の報知を行わないようにしてもよい。
以上に説明したように、この実施の形態では、初期化報知が異常報知に対して優先されるので、初期化報知が認識しにくくなるような事態が生ずることが防止される。すなわち、目立つように初期化報知が行われる。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたとき以外でも、プログラムを先頭番地(例えば、0000番地)から実行開始させるユーザリセットが発生したときには、初期化指定コマンドを送信する。ユーザリセットが発生する原因として、例えば、ウォッチドッグタイマを使用するように構成されている場合において、プログラムの円滑な進行を妨げるような不正行為によってウォッチドッグタイマがタイムアウトしたような場合がある。そのような不正行為は、特に、大当り図柄決定用乱数にもとづいて所定の大当り図柄(あらかじめ決められている確変大当り図柄や突然確変大当り図柄)が決定されたときに確変状態に制御するように構成されている場合に生じやすい。つまり、遊技制御用マイクロコンピュータ560を初期化して大当り図柄決定用乱数を生成するためのカウンタを初期化させ、そのカウンタのカウント値を把握しやすくするような不正行為を受けやすい。この実施の形態のように、初期化報知を目立つようにすることによって、遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化されたことを遊技機の外部から容易に把握できるので、不正行為がなされた可能性があることが容易に認識される。
また、上記の実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定期間が経過すると初期化報知を終了させたが(ステップS1001〜S1005参照)、他のタイミングで初期化報知を終了させるようにしてもよい。例えば、初期化報知が開始されてから最初に飾り図柄の可変表示が開始されるときに初期化報知を終了させたり、飾り図柄の可変表示が開始される前に異常入賞報知指定コマンドを受信したときに初期化報知を終了させたりしてもよい。また、客待ちデモ指定コマンドを受信したり、初期化報知が開始されてから客待ちデモ指定コマンド以外の最初の演出制御コマンドを受信したときに初期化報知を終了させてもよい。つまり、遊技店員等が、初期化報知を認識することができるのに十分な期間だけ、初期化報知が継続されることが好ましい。
また、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンコマンドを受信したにもかかわらず、図柄情報指定コマンドを取りこぼしてしまった場合は(ステップS630のY、S631のN、S632のN)、仮に停止表示する飾り図柄の停止図柄として非確変図柄を決定し(ステップS633)、決定した飾り図柄を導出表示する(ステップS853)ように構成した。このような構成によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100が図柄情報指定コマンドを取りこぼしても大当り遊技が発生するか否かを遊技者に認識させることができるとともに、飾り図柄の指定に関する演出制御コマンドのコマンド数が削減されることにより遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担を軽減させることができる。
また、他の演出制御コマンドについても、同様の制御を行うようにしてもよい。例えば、特定遊技状態の開始を特定可能なファンファーレコマンド(大当り開始指定コマンド)を受信した場合に、既に受信している図柄情報指定コマンドと整合しない場合(例えば、通常大当りを示す通常大当り指定コマンドが格納されているときに、確変大当りの開始を示すファンファーレ2指定コマンドを受信したような場合)に、ファンファーレコマンドにもとづく演出制御(例えば、確変大当りであることを演出装置で報知)を実行したり、特定遊技状態の終了を特定可能なエンディングコマンド(大当り終了指定コマンド)を受信した場合に、既に受信しているファンファーレコマンドと整合しない場合(例えば、通常大当りの開始を示すファンファーレ1指定コマンドを受信した後、確変大当りの終了を示すエンディング2コマンドを受信した場合)に、エンディングコマンドにもとづく演出制御(例えば、可変表示装置9の背景を確変状態に対応した背景にする)を実行する。そのように構成されている場合には、演出制御手段の制御が、遊技制御手段の制御とできるだけ食い違わないようにすることができる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、飾り図柄の停止図柄を仮に決定して表示した場合に、ファンファーレコマンドの内容にもとづいて、再抽選演出を実行すべきかどうかを判断し(ステップS636,S637)、再抽選演出を実行すべきであると判断したときは、飾り図柄の再抽選後停止図柄である確変図柄を決定し(ステップS638,S639)、再抽選演出を実行するタイミングを決定し(ステップS640〜S644)、決定した実行タイミングで再抽選演出を実行して(ステップS957,S958,S924,S933,S934,S972)、再抽選後停止図柄である確変図柄を導出表示するように構成した。このような構成によれば、遊技機内部の制御状態と可変表示装置9に表示される飾り図柄の停止図柄との整合をとることができる。
なお、上記の実施の形態では、図47のステップS362Bおよび図49のステップS255において特別図柄プロセスフラグの値が4以上であるかどうかで大入賞口への異常入賞の発生タイミングであるかどうか判定するようにしていたが、特別図柄プロセスフラグの値が4のとき(大入賞口開放前処理の実行時)は、特別可変入賞球装置20が未だ開放されていない状態であるので、特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるかどうかで異常入賞の発生タイミングであるかどうか判定するようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、異常入賞の発生タイミング(特別図柄プロセスフラグの値が4以上、普通図柄プロセスフラグの値が3以外)のときに1個の遊技球が大入賞口または第2始動入賞口14に入賞すれば、異常入賞が発生したと判定していたが、このような構成に限られず、異常入賞の発生タイミングのときに所定個数の遊技球が大入賞口または第2始動入賞口14に入賞すれば、異常入賞が発生したと判定するようにしてもよい。例えば、大当り遊技中および小当り遊技中以外のときに累積して5個の遊技球が大入賞口に入賞したと判定された場合に異常入賞が発生したと判定する。また、可変入賞球装置15の開閉動作中以外のときに累積して2個の遊技球が第2始動入賞口14に入賞したと判定された場合に異常入賞が発生したと判定する。
なお、上記の実施の形態では、再抽選演出の実行タイミングは、大当り遊技中(ラウンド中)または大当り遊技終了後のエンディング演出中とされていたが、大当り遊技が開始された後から大当り遊技が終了して新しく変動が開始されるまでの間であれば、どのようなタイミングであってもよい。例えば、ファンファーレ演出中であってもよいし、インターバル表示中であってもよい。そして、そのような再抽選演出の実行タイミングを図柄情報指定コマンドで指定するように構成されていてもよい。
また、上記の実施の形態では、図柄情報指定コマンドを取りこぼしてしまった場合において、非確変図柄を決定して表示し、その後に受信するファンファーレコマンドの内容に応じて再抽選演出の実行の有無および実行タイミングを確認していたが(ステップS636,S637)、エンディングコマンドを受信したときに、エンディングコマンドの内容に応じて再抽選演出の実行の有無を確認するように構成されていてもよい。この場合、図34のステップS636〜639の処理をエンディングコマンドを受信したときに実行すればよい。なお、エンディングコマンドを受信したときに再抽選演出を実行する必要があるときは、エンディング演出中に再抽選演出を実行しなければならないので、再抽選演出の実行タイミングを決定する処理(ステップS640〜S644)は不要である。
また、上記の実施の形態では、図柄情報指定コマンドで再抽選演出の実行の有無および実行タイミングを指定するように構成されていたが、図柄情報指定コマンドでは再抽選演出の実行の有無等を指定しないように構成してもよい。このような構成であれば、図柄情報指定コマンドの種類を少なくすることができ、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担を軽減させることができる。このような構成の場合、演出制御用マイクロコンピュータ100が独自に再抽選演出の実行の有無および実行タイミングを決定することになる。具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄情報指定コマンドで確変大当りが指定されているときは、所定の乱数を用いて再抽選演出の実行の有無および実行タイミングを決定し、決定結果にもとづいて再抽選演出を所定のタイミングで実行する。
また、図柄情報指定コマンドで再抽選演出の実行の有無および実行タイミングを指定するとともに、演出制御用マイクロコンピュータ100が独自に再抽選演出の実行の有無および実行タイミングを決定するように構成されていてもよい。このような構成では、図柄情報指定コマンドでエンディング中に再抽選演出を実行することが指定され、演出制御用マイクロコンピュータ100は大当り中に再抽選演出を実行すると独自に決定することや、逆に、図柄情報指定コマンドで大当り中に再抽選演出を実行することが指定され、演出制御用マイクロコンピュータ100はエンディング中に再抽選演出を実行すると独自に決定することが考えられる。この場合、大当り中に再抽選演出が実行され確変図柄に昇格したにもかかわらず、エンディングでも再抽選演出が実行されてしまうと、再抽選演出の実行タイミングの整合が取れなくなってしまう。そこで、大当り中に再抽選演出が実行されたときは、エンディング中での再抽選演出の実行を禁止する処理が実行される。具体的には、大当り中に再抽選演出を実行したときに、そのことを示すフラグをセットし、当該フラグがセットされたことにもとづいて、エンディング中に再抽選演出を実行することに決定されていても、再抽選演出を実行しないように制御する。
また、上記の実施の形態では、再抽選演出が実行されたときは常に非確変図柄から確変図柄に昇格するように構成されていたが、確変図柄に昇格させない再抽選演出を所定の割合で実行するようにしてもよい。例えば、図柄情報指定コマンドで通常大当りが指定されている場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100が独自に再抽選演出を実行することを所定の乱数を用いて決定するように構成されていてもよい。
なお、上記の実施の形態では、大入賞口への異常入賞が発生した場合も第2始動入賞口14への異常入賞が発生した場合も同じ内容の異常入賞報知を行っていたが、異なる異常入賞報知を行うようにしてもよい。具体的には、大入賞口への異常入賞が発生した場合に送信する異常入賞報知指定コマンドと第2始動入賞口14への異常入賞が発生した場合に送信する異常入賞報知指定コマンドとを別コマンドとする(ステップS259でセットするコマンド送信テーブルのアドレスとステップS265でセットするコマンド送信テーブルのアドレスを別アドレスにする)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの異常入賞報知指定コマンドの種類に応じて異なる異常入賞報知を実行する。例えば、大入賞口への異常入賞が発生した場合と第2始動入賞口14への異常入賞が発生した場合とで異なる報知音を鳴らす。または大入賞口への異常入賞が発生した場合の方が大きな音で異常報知を行う。
実施の形態2.
上記の実施の形態1では、第2始動入賞口14への異常入賞が生じたことが検出されたときでも、特別図柄表示器8における特別図柄の変動や可変表示装置9における飾り図柄の変動は継続して実行されるように構成されていた。従って、不正に第2始動入賞口14に遊技球を入賞させた場合(例えば、普通図柄が当り図柄になっていないのに不正に可変入賞球装置15を開放させ、第2始動入賞口14に遊技球を入賞させたような場合)であっても、その始動入賞により大当りが発生してしまい、不正に出球が獲得させてしまうことが生じ得る。そこで、この実施の形態2では、第2始動入賞口14への異常入賞が生じたことが検出されたときに、所定のタイミングで特別図柄の変動および飾り図柄の変動を停止するように構成している。
図77は、実施の形態2における特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、第2始動入賞口14への異常入賞が検出されたことを示す異常入賞検出フラグがセットされたかどうか確認する(ステップS319A)。ここで、異常入賞検出フラグは、第2始動入賞口14への異常入賞が検出されたとき、つまり、図49のステップS264のNのときにセットされる。
異常入賞検出フラグがセットされているときは(ステップS319AのY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄表示器8において特別図柄の変動が行われているかどうか、具体的には特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄変動中処理(ステップS302)を示す値(「2」)であるかどうかを判定する(ステップS319B)。特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄変動中処理を示す値(「2」)であるときは(ステップS319BのY)、ステップS311以降の処理を実行する。すなわち、特別図柄表示器8において特別図柄の変動を継続して実行させる。一方、特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄変動中処理を示す値(「2」)でないときは(ステップS319BのN)、特別図柄プロセス処理を終了させる。すなわち、特別図柄表示器8において特別図柄の変動制御を停止させる。このような構成により、第2始動入賞口への異常入賞が検出された時点で、特別図柄の変動中でないときは、直ちに特別図柄の変動が禁止され、特別図柄の変動中であったときは、特別図柄の変動を継続させ、次の特別図柄の変動が禁止されることになる。
図78は、実施の形態2における演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされたかどうか確認する(ステップS809A)。異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされているときは(ステップS809AのY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示装置9において飾り図柄の変動が行われているかどうか、具体的には演出制御プロセスフラグの値が飾り図柄変動中処理(ステップS802)を示す値(「2」)であるかどうかを判定する(ステップS809B)。演出制御プロセスフラグの値が飾り図柄変動中処理を示す値(「2」)であるときは(ステップS809BのY)、飾り図柄変動中処理(ステップS802)を実行する。すなわち、可変表示装置9において飾り図柄の変動を継続して実行させる。一方、演出制御プロセスフラグの値が飾り図柄変動中処理を示す値(「2」)でないときは(ステップS809BのN)、演出制御プロセス処理を終了させる。すなわち、可変表示装置9において飾り図柄の変動制御を停止させる。このような構成により、異常入賞報知指定コマンドを受信した時点で、飾り図柄の変動中でないときは、直ちに飾り図柄の変動が禁止され、飾り図柄の変動中であったときは、飾り図柄の変動を継続させ、次の飾り図柄の変動が禁止されることになる。
以上のように、この実施の形態2によれば、第2始動入賞口14への異常入賞の検出にもとづいて特別図柄表示器8における特別図柄の変動および可変表示装置9における飾り図柄の変動を禁止する制御を実行するので、不正行為によって第2始動入賞口14への入賞を発生させたような場合(例えば、普通図柄が当り図柄になっていないのに可変入賞球装置15を開放させて遊技球を第2始動入賞口14に入賞させるような場合)であっても、その入賞にもとづいて大当りが発生するのを確実に防止することができる。
なお、上記の実施の形態2では、特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄変動中処理を示す値になっているかどうか、および演出制御プロセスフラグの値が飾り図柄変動中処理を示す値になっていないかどうかを確認して、図柄の変動を禁止する制御を実行していたが、このような構成に限られるわけではなく、例えば、異常入賞検出フラグがセットされたとき、および異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされたときに、直ちに図柄の変動を禁止する制御を行うようにしてもよい。また、第2始動入賞口14への異常入賞が検出された時点の保留記憶数を確認し、その保留記憶数分の図柄の変動が終了するまで、図柄の変動を継続し、保留記憶数分の図柄の変動が終了すると、図柄の変動を禁止する制御を行うようにしてもよい。具体的には、異常入賞検出フラグがセットされたときに保留記憶数を確認し、確認した保留記憶数分の変動が実行されたかどうかをカウンタでカウントし、保留記憶数分の変動が終了したときに変動を禁止する制御を実行する。このような構成によれば、正常な第2始動入賞口14への始動入賞にもとづく変動については継続させ、異常入賞にもとづく変動について禁止することができる。なお、上記の構成において、正確に異常入賞にもとづく図柄の変動を禁止させる場合には、異常入賞が検出された時点の保留記憶数−1分の変動が終了した時点で図柄の変動を禁止するようにしてもよい。
実施の形態3.
上記の実施の形態1では、普通図柄プロセスフラグの値が普通電動役物作動処理を示す値(「3」)であるかどうかを確認することによって、正常なタイミングで第2始動入賞口14への入賞が発生したかどうかを判断するようにしていた(図49のステップS261〜S264参照)。しかし、このような構成に限られるわけではなく、可変入賞球装置15が閉鎖されているタイミングで第2始動入賞口14への入賞が生じたかどうかを確認することによって、正常なタイミングで第2始動入賞口14への入賞が発生したかどうかを判断するようにしてもよい。
図79は、実施の形態3における普通電動役物作動処理を示すフローチャートである。普通電動役物作動処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(ステップS161)。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ(ステップS161のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS162)。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物開放パターンタイマの値を−1する(ステップS181)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物開放パターンタイマの値が0であるかどうか、すなわち、普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(ステップS182)。タイムアウトしていなければ(ステップS182のN)、そのまま処理を終了する。タイムアウトしていれば(ステップS182のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間をセットする(ステップS183)。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、例えば出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物ソレノイド出力ビットを確認することによって、可変入賞球装置15が閉鎖中であるかどうか確認する(ステップS184)。
可変入賞球装置15が閉鎖中であるときは(ステップS184のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド16を駆動して可変入賞球装置15を開放する制御を行う(ステップS185)。そして、このタイミングは第2始動入賞口14に正常に遊技球が入賞するタイミングではないので、第2始動入賞口14への異常入賞が生じていないかどうか確認する処理を行う。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、スイッチオンバッファをレジスタにロードする(ステップS187)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2始動口スイッチ入力ビットにおいて1がセットされているかどうかを確認する(ステップS188)。つまり、第2始動口スイッチ14aがオンになったかどうか(第2始動入賞口14に遊技球が入賞したかどうか)を確認する。
第2始動口スイッチ入力ビットにおいて1がセットされていなければ(ステップS188のN)、処理を終了する。第2始動口スイッチ入力ビットにおいて1がセットされていれば(ステップS188のY)、不正なタイミングで第2始動口スイッチ14aがオンしたことになるので、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、異常入賞報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS189,S190)。すなわち、異常入賞報知指定コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS189)、コマンドセット処理を実行する(ステップS190)。
ステップS184において可変入賞球装置15が開放中であるときは(ステップS184のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド16を駆動して可変入賞球装置15を閉鎖する制御を行う(ステップS186)。このタイミングは第2始動入賞口14に正常に遊技球が入賞するタイミングであるので、第2始動入賞口14への異常入賞が生じていないかどうか確認する処理を行わない。
ステップS161において、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたときは(ステップS161のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(具体的には「0」)に更新する(ステップS172)。
なお、図79に示す普通電動役物作動処理において、図38に示す普通電動役物作動処理のステップS164〜S167の処理(普通電動役物入賞カウント処理)に相当する処理を示していないが、図79に示す普通電動役物作動処理においても同様に実行するようにしてもよい。また、図79に示す普通電動役物作動処理で第2始動入賞口14への異常入賞を検出するようにした場合には、図49に示す異常入賞報知処理のステップS261〜S266を実行する必要はない。
以上のような構成によれば、可変入賞球装置15の閉鎖タイミングで第2始動入賞口14への異常入賞を検出するようにしているので、より正確なタイミングで第2始動入賞口14への異常入賞を検出することができるようになる。
なお、上記の実施の形態1で説明したのと同様に、この実施の形態3においても、異常入賞を判定するタイミングを可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせるようにしてもよい。例えば、可変入賞球装置15が開放している状態から閉鎖した状態に変化した時点(すなわちステップS184のNからYになった時点)でタイマをスタートさせ、そのタイマがタイムアウトしたときにステップS187〜S190の処理を実行するようにする。このような方法によれば、正規のタイミングで第2始動入賞口14に遊技球が入賞したにもかかわらず誤って異常入賞が発生したと判定してしまうことを防止することができる。
実施の形態4.
上記の実施の形態1では、図47に示す賞球個数加算処理で、第2始動入賞口14への遊技球の入賞があり(ステップS363AのY)、普通図柄プロセスフラグの値が普通電動役物作動処理を示す値(「3」)であるときに、総賞球数格納バッファに賞球個数を加算しないように構成することにより、異常入賞にもとづいて賞球の払い出しが行われないように構成していた。しかし、このような構成に限られるわけではなく、スイッチ処理において、第2始動入賞口14への異常入賞を検出した場合には、その入賞自体を無効にするように構成されていてもよい。
図80は、実施の形態4におけるスイッチ処理を示すフローチャートである。スイッチ処理において、ステップS331〜S338は、図44で説明した処理と同様である。ステップS338の処理の実行後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物(可変入賞球装置15)が開放中であるかどうかを確認する(ステップS339)。ここで、可変入賞球装置15が開放中であるかどうかは、例えば、出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物ソレノイド出力ビットを確認することによって判断することができる。
可変入賞球装置15が開放中であるときは(ステップS339のY)、そのまま処理を終了する。可変入賞球装置15が開放中でなく閉鎖中であるときは(ステップS339のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、スイッチオンバッファの第2始動口スイッチ入力ビット(第2始動口スイッチ14aに対応するビット)をクリア(0)にする(ステップS340)。これによって、第2始動入賞口14への異常入賞が生じた場合は、その始動入賞自体を無効にすることができる。この場合は、賞球個数加算処理で、第2始動入賞口14への異常入賞が生じたときに、総賞球数格納バッファに賞球個数を加算しないようにする処理を実行する必要はない。
なお、ステップS339では、普通電動役物が開放中かどうかを確認していたが、普通図柄プロセスフラグの値が普通電動役物作動処理を示す値(「3」)かどうかを確認して、第2始動入賞を無効にするようにしてもよい。
また、上記の実施の形態3で説明したように、異常入賞を判定するタイミングを可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせるようにしてもよい。
実施の形態5.
上記の実施の形態4では、第2始動入賞口14への異常入賞が生じた場合には、スイッチ処理において、その始動入賞自体を無効としていたが、この実施の形態5では、第2始動入賞口14への異常入賞が生じた場合には、特別図柄プロセス処理において、その始動入賞自体を無効にするようにしている。
図81は、実施の形態5における特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、図6で説明したのと同様に第1始動口通過処理(ステップS311〜S314の処理)を実行する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2始動口通知処理(ステップS315〜S318の処理)を実行する前に、無効フラグがセットされているかどうか確認する(ステップS320)。ここで、無効フラグは、第2始動入賞口14への異常入賞が検出された場合にセットされる。具体的には、実施の形態1の場合は、普通図柄プロセスフラグの値が「3」であるときに第2始動口スイッチ14aがオンしたとき、実施の形態3の場合は、可変入賞球装置15の閉鎖中に第2始動口スイッチ14aがオンしたときである。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、無効フラグがセットされているときは(ステップS320のY)、第2始動口通知処理(ステップS315〜S318の処理)を実行せず、無効フラグがセットされていないときに(ステップS320のN)、第2始動口通知処理(ステップS315〜S318の処理)を実行する。このような構成によれば、異常な第2始動入賞にもとづく乱数の抽出などを行わないようにすることができ、異常入賞にもとづく変動が禁止され、異常入賞にもとづく大当りの発生を確実に防止することができる。
なお、この実施の形態5の場合は、異常入賞にもとづく賞球払い出しを禁止することはできないので、実施の形態1(図47の賞球個数加算処理)および実施の形態4(図80のスイッチ処理)で説明したような異常入賞にもとづく賞球払い出しを禁止する制御を同時に実行するようにするのが好ましい。
なお、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、可変表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、可変表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
なお、上記の各実施の形態において、特別図柄表示器8に表示される大当り図柄および小当り図柄を共通の図柄(例えば「7」)としてもよい。このようにすれば、特別図柄表示器8に表示される図柄によって、大当りか小当りかや、大当り種別などを遊技者に悟られることがない。従って、再抽選演出における確変状態への移行に対する期待感を損なうことがない。また、突然確変大当りか小当りかに対する期待感も損なうことがない。
また、上記の各実施の形態では、変動パターンコマンドが専用の変動パターンコマンド(通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンコマンドでない変動パターンコマンド)であるときは、その専用の変動パターンコマンドにもとづいて飾り図柄の停止図柄を決定するように構成されていた。しかし、通常時には図柄情報指定コマンドにもとづいて飾り図柄の停止図柄を決定し、図柄情報指定コマンドを取りこぼした場合にのみ変動パターンコマンドの内容を参照し、飾り図柄の停止図柄を決定するように構成されていてもよい。
また、確変大当り専用の変動パターンコマンド、通常大当り専用の変動パターンコマンド、はずれ専用の変動パターンコマンドのうちのいずれかのコマンドを受信したときに、図柄情報指定コマンドを受信できなかった場合は、変動パターンコマンドの内容にもとづいて飾り図柄の停止図柄を決定するように構成されていてもよい。
なお、上記の各実施の形態では、再抽選演出において、図柄を再変動させた後、確変図柄を導出表示させるようにしていたが、図柄を用いずに「確変」というような文字を表示することにより確変大当りになったこと(確変状態に移行されること)を遊技者に報知するようにしてもよい。
次に、前記実施の形態1〜5に記載されたパチンコ遊技機1に適用される主基板31を収納する基板収納ケースの実施の形態6〜8を、以下の図82〜図114に基づいて説明する。
実施の形態6.
まず、本実施の形態6における基板収納ケース200の詳細な構造について説明する。図82は、実施の形態6における基板収納ケースを示す分解斜視図であり、図83は、(a)は図82の要部拡大斜視図であり、(b)は(a)のケース本体の要部を示す平面図であり、図84は、基板収納ケース及び遊技制御基板の組み付け状態を示す分解斜視図であり、図85は、ケースカバーに対する遊技制御基板の取り付け状態を示す斜視図であり、図86は、(a)は配線側コネクタ及び基板側コネクタの接続状況を示す斜視図であり、(b)は(a)の縦断面図であり、図87は、配線側コネクタの接続状況を示す斜視図であり、図88は、コネクタ規制部材の取り付け状況を示す斜視図であり、図89は、ケース本体とケースカバーとを閉鎖した状態を示す縦断面図であり、図90は、基板収納ケースの封止状態を示す斜視図であり、図91は、図90のA−A断面図であり、図92は、基板収納ケースを示す一部破断側面図であり、図93は、(a)は図92のB−B断面図であり、(b)は図92のC−C断面図である。
基板収納ケース200は、図82に示されるように、主基板31の裏面側を覆うケース本体としてのケース本体201と、主基板31の実装面31a(図89参照)側を覆うケースカバー202と、から構成され、主基板31を挟持するように組み付けられるものである。尚、主基板31の実装面31aには、特に詳細な図示はしないが、CPU56、RAM55、ROM54等の電子素や、他の基板から延出された配線の一端に設けられた配線側コネクタ等が接続される基板側コネクタ238a〜238c等が多数実装されている。尚、本実施の形態においては、3つの基板側コネクタ238a〜238cが記載されているが、これら実装されるコネクタの実装数量は任意であり、実際には3つ以上のコネクタが実装されることがある。
また、基板収納ケース200は、ケースカバー201の外側に装着され、後述する基板側コネクタ238a〜238cに接続される配線側コネクタ290a〜290cの抜脱を防止するためのコネクタ規制部材500を備えている。尚、主基板31は、後述するようにケースカバー202の裏面側に取り付けられた状態で基板収納ケース200の内部に封止状態で収納されるようになっている。
ケース本体201は、透明な合成樹脂からなり、略長方形状に形成される底板201aと、該底板201aの周囲を囲むように形成された側壁203〜206と、により上面が開放する直方体状に成形されている。側壁205、206の内面には、図90に示される封止状態(閉鎖状態)において主基板31の裏面周囲を支持する上下方向を向く支持リブ207が複数形成されている。また、側壁203及び後述する閉塞壁216の内面における長手方向の中央位置には、ケースカバー202を位置決めするための上下方向を向く位置決め用リブ270が形成されている。
一方の短辺の側壁203は、特に図83(a)に示されるように、長手方向の略中央に位置する中央側壁203aと、該中央側壁203aの左右側方に位置する膨出壁203b,203cと、中央側壁203aと膨出壁203b,203cとを連接する連接壁203dと、により、平面視で略凹状に形成されている。つまり、これら膨出壁203b,203c及び連接壁203dにより、中央側壁203aの長手方向の左右側には、本体内部側から外側に向けて膨出する平面視略長方形状をなす膨出部208a,208bが形成されている。
膨出部208a,208bの内部は、ケース本体201の内部に形成される平面視略長方形状の基板収納空間S1(図83(b)中2点鎖線で囲まれる領域)にそれぞれ連通する膨出空間S2,S3が形成されており、つまり内部が中空状に構成されており、一方の膨出部208aの膨出空間S2内には、後述する複数(本実施の形態では3本)の予備用ワンウェイネジ281を収納するネジ収納部209が設けられている。
ネジ収納部209は、図83(b)に示されるように、ケース本体201の底板201aから立設される側壁203よりも若干低い板状部209aと、該板状部209aの長手方向に向けて所定間隔おきに形成される複数の筒状部209bと、から構成される。各筒状部209bには、予備用ワンウェイネジ281のネジ部の直径よりも若干大径で、かつ、頭部の直径よりも小径の挿入孔209cが上方から所定深さ形成されており、挿入孔209cの上面開口から予備用ワンウェイネジ281を挿通して収納できるようになっている(図93(a)参照)。
板状部209aは、その長手方向の両端が、それぞれ側壁206及び連接壁203dの内面に連設されているとともに、膨出壁203bに対して平行に、基板収納空間S1と膨出空間S2とを区画するように配設されている。また、膨出壁203b,203cの下部には、後述するケースカバー202の係止爪251を係止可能な係止穴210がそれぞれ形成されている(図93(a)参照)。
予備用ワンウェイネジ281は、周知のように、一方向の回転によってネジを螺着することができるが、他方向に回転させようとしても回転させることができない、すなわち、そのネジを緩めることができない機能を有するネジである(図83(a)参照)。具体的には、外周に雄ねじ部が形成されたネジ部283と、該ネジ部283の上端に設けられる頭部284と、から構成され、ネジ部283の直径よりも頭部284の直径の方が大径になっている(図93(a)参照)。尚、ワンウェイネジ280も予備用ワンウェイネジ281と同様に構成されているため、ここでの詳細な説明及び図示は省略することとする。
中央側壁203aの外側には、後述するワンウェイネジ280が螺入される複数(本実施の形態では4つ)のネジ孔211a〜211dが形成される第2被固着部212が形成されている。被固着部212は、図83及び図92に示されるように、中央側壁203aの外側における両連接壁203d,203d間に架設されるとともに、ネジ孔211a〜211dが長手方向に向けて所定間隔おきに形成された固着片212aと、該固着片212aの下面における各ネジ孔211a〜211dに対応する箇所から垂下される筒状部212bと、から構成され、ネジ孔211a〜211dは、固着片212aから筒状部212bにかけて所定深さに形成されている。
固着片212aは、中央側壁203a及び両連接壁203dに対向する3辺がそれぞれ側壁203に連設されているとともに、中央側壁203aの反対側の長辺が、膨出壁203b,203dと面一になるように形成されている。つまり、両サイドの膨出部208a,208bよりも外側に突出しないように形成されているため、誤ってケース本体201を落下した場合でも、第2被固着部212が両サイドの膨出部208a,208bにより保護されて損傷しないようになっている。
他方の短寸の側壁204は、図82及び図89に示されるように、その上端から内向きに連設される内向片204aと、該内向片204aの先端から下方に垂設される垂下片204bとが連設されており、これら側壁204、内向片204a及び垂下片204bの内面により、後述するケースカバー202の回動枢支片を係止する下向きに開口する被係止凹部215(図89参照)が長手方向に向けて形成されている。
また、図89に示されるように、底板201aにおける被係止凹部215の鉛直下方位置には開口が形成されているとともに、該開口端縁部からは、側壁204よりも高さが低い閉塞壁216が立設されており、封止状態においてケースカバー202の側壁下端と底板201aの上面との間を外側から被覆できるようになっている。
底板201aの下面には、パチンコ遊技機1に設けられる基板収納ケース取付板400(図113,114参照)に取り付ける際に、該基板収納ケース取付板に係止可能な複数の取付板用係止爪217a,217bと、取り付けの際における位置決め用の位置決め片218とが突設されている。
ケースカバー202は、透明な合成樹脂からなり、図82及び図83(a)に示されるように、略長方形状に形成される上板220と、該上板220の周縁辺のうち3つの縁辺を囲むように形成された側壁230〜232とにより下面が開放する直方体状に形成されている。上板220における2つの長辺のうち一方側は、長手方向に向けて下方に凹設されており、上板220の一部に所定幅を有する帯状の凹部234が形成されている。
具体的には、上板220は、図84及び図91に示されるように、実装面31aとの対向面(裏面)が該実装面31にほぼ当接する位置に設けられる低被覆面部220aと、該低被覆面部220aよりも実装面31aから離間した位置に設けられる高被覆面部220bと、低被覆面部220aと高被覆面部220bとを連設する傾斜被覆面部220cと、から構成されており、低被覆面部220a及び傾斜被覆面部220cにより前記凹部234が形成されている。
低被覆面部220aは、図84に示されるように、平面視略長方形状に形成された主基板31の実装面31aにおける一方の長辺に沿うように形成された帯状のコネクタ実装領域S10(図84中斜線で示される領域)を被覆するとともに、該コネクタ実装領域S10に実装された複数の基板側コネクタ238a〜238cの接続口238d及び本体上部をそれぞれ挿通して外部に露呈(開放)可能とするコネクタ用開口236a〜236cが形成されている。
また、低被覆面部220aの裏面は、後述するように主基板31が取り付けられた状態で、図86及び図91に示されるように該主基板31の実装面31aにほぼ当接するようになっており、コネクタ用開口236a〜236cを介して各種基板側コネクタ238a〜238cの接続口238d及び本体側面の上部がケースカバー202の外部に露出するようになっている。つまりケースカバー202には、基板側コネクタ238a〜238cに配線側コネクタ290a〜290cを接続するためのコネクタ用開口236a〜236cが形成されている。
また、各コネクタ用開口236a〜236cは、これらの開口端縁と各基板側コネクタ238a〜238cに接続された配線側コネクタ290a〜290cの本体側周面との間から針金等の異物や配線等が容易に進入されることがないように、開口端縁と各種配線側コネクタ290a〜290cの本体側周面(外周面)との間が例えば約1mm以内の隙間となるように、つまり嵌合されるように形成されている。
具体的には、低被覆面部220aの裏面における各コネクタ用開口236a〜236cの開口端縁からは、図86に示されるように、所定長さの環状片600が下方に向けて垂設されており、この環状片600により、各コネクタ用開口236a〜236cの内側に各配線側コネクタ290a〜290cが嵌合可能な筒状のコネクタ嵌合部が形成されている。
高被覆面部220bは、主基板31の実装面31aにおけるコネクタ実装領域S10以外のメイン部品実装領域(図中斜線で示される領域以外の領域)、つまり遊技制御用マイクロコンピュータ560等の電子部品や各種回路等が実装される領域の上方を被覆するため、低被覆面部220aよりも高い位置、つまり低被覆面部220aに比べて実装面31aから離れた位置に配置される。
傾斜被覆面部220cは、高被覆面部220bの一側縁から低被覆面部220aの一側縁に向けて下方に傾斜するように設けられているとともに、高被覆面部220b側の上部位置には、後述するコネクタ規制部材500に形成された複数の係止爪501それぞれが係合される複数の係合穴502が長手方向に向けて所定間隔おきに形成されている。
上板220の裏面四隅には、図85に示されるように、主基板31を取り付けるための基板取付ネジ239が取り付けられるネジ孔240aを有する取付用支柱240が一方の対角線上に2つ突設されているとともに、取り付けの際に位置決め用の位置決め用凸部241が他方の対角線上に2つ突設されており、ケースカバー202の裏面側に主基板31を取り付けできるようになっている。つまり、これら位置決め用凸部241及び取付用支柱240は基板取付部を構成している。
主基板31を取り付けるには、主基板31の実装面31aをケースカバー202の裏面に対向させた状態、つまり実装面31aを上方に向けた状態でケースカバー202の裏面側に押し当てる。そして、各コネクタ用開口236a〜236cに対応する各コネクタ238a〜238cが臨むように、主基板31における位置決め用凸部241に対応する2つの角部に形成された位置決め孔243をそれぞれ位置決め用凸部241内に挿通して位置決めした状態で、主基板31の取付用支柱240に対応する2つの角部に形成されたネジ取付孔242に基板取付ネジ239を取り付け、ネジ孔240aに基板取付ネジ239を螺入して取り付ける。つまり、これら位置決め用凸部241及び取付用支柱240は基板取付部を構成している。
このようにケースカバー202に主基板31を取り付けた状態において、前述したように、上板220における低被覆面220aの裏面と実装面31aとが対向して近接した状態となる(図91参照)。これにより、各コネクタ用開口236a〜236cの開口端縁と各種配線側コネクタ238a〜238cの本体側面との間から進入された針金等の異物や配線等を、遊技制御用マイコン等が実装されている主基板31の中央部に向けて差し込むことが困難となるため、ROM54等への不正行為が効果的に防止される。
ここで、配線側コネクタ290a〜290cの詳細を、図86に基づいて説明する。尚、配線側コネクタ290a〜290cは大きさが異なるが主要な構造は同一であるため、図86においては、配線側コネクタ290bを一例として説明し、他の配線側コネクタ290a,290cの説明は省略することとする。
配線側コネクタ290bは、配線291bが接続される本体部610と、該本体部610の下面から下向きに突設され、基板側コネクタ238bに接続される接続凸部611と、から主に構成される。本体部610は、コネクタ用開口236bに嵌合可能な直方体形状をなし、その側周面における上下方向の略中央位置には、外方に向けて延びる板状のフランジ部612(外側閉塞部)が環状に形成されている。よって、本体部610におけるフランジ部612よりも下方の下半部がコネクタ用開口236bに嵌合されるようになっている。
また、本体部610の下面における一対の長縁辺からは、コネクタ用開口236bへの嵌合時において環状片600の下端に弾性係止される一対の弾性係止爪613が下方に向けて垂下されている。
このように構成される配線側コネクタ290bは、接続凸部611を下方に向けた状態でケースカバー202の外側からコネクタ用開口236b内に差し込むことにより、コネクタ用開口236b内に嵌合される(図86(b)中2点鎖線参照)。尚、基板側コネクタ238bの側周面と環状片600の内面との間には所定の隙間が形成されているので、弾性係止爪613はコネクタ用開口236b内において内向きに弾性変形される。
そして、フランジ部612の下面がケースカバー202の上板220の上面に当接されることにより嵌合方向への移動が規制されるとともに、外向きの弾性係止爪613は、環状片600の下端よりも下方に位置した段階で弾性復帰力により該環状片600の下端縁に係止され、これにより配線側コネクタ290bがケースカバー202に装着されるとともに、コネクタ用開口236bからの抜脱が規制される。
また、弾性係止爪613が環状片600の下端縁に係止されたときに、接続凸部611が基板側コネクタ238b内に嵌合され、該基板側コネクタ238bと配線側コネクタ290bとが電気的に接続されたコネクタ接続状態となる。
このようなコネクタ接続状態において、配線側コネクタ290bは、コネクタ用開口236b内に嵌合されていることで、コネクタ用開口236bの開口端縁と本体部610の側周面(外周面)との間に隙間が生じないとともに、さらに、上板220(低被覆面部220a)の上面とフランジ部612の下面とが互いに密接され、コネクタ用開口236bの開口端縁と本体部610の側周面(外周面)との間がフランジ部612によりケースカバー202の外側から閉塞されるため、コネクタ用開口236bの開口端縁と本体部610の側周面(外周面)との間から針金やセル等の不正器具の進入が確実に防止される。
さらに、弾性係止爪613によりコネクタ用開口238bからの配線側コネクタ290bの抜脱が規制されることで、上板220の上面からのフランジ部612の浮き上がりが確実に防止されるため、上板220の上面とフランジ部612の下面との間からコネクタ用開口238b内に不正器具を進入させることもできなくなる。
また、配線側コネクタ290bは、弾性係止爪613を介してケースカバー202に係止(装着)されているため、基板側コネクタ238bと配線側コネクタ290bとの接続状態を解除するには、ケース本体201とケースカバー202との封止状態を解除して開放し、ケースカバー202から主基板31を取り外すことで、弾性係止爪613の係止状態をケースカバー202の裏面側から解除することが可能となる。
尚、本実施の形態6では、弾性係止爪613がケースカバー202の環状片600に係止されることで基板側コネクタ238bからの配線側コネクタ290bの抜脱が規制されるようになっていたが、弾性係止爪613の替わりに接続時において基板側コネクタ238bの本体に係止される弾性係止爪(図示略)等を適用してもよい。
ケースカバー202に戻って、高被覆面220bの裏面所定箇所には、後述するワンウェイネジ280の頭部284を被覆するキャップ244が複数吊支されたキャップ吊支体245(図84中拡大図参照)を保持する四角柱状のキャップ保持部(図示略)が下向きに凸設されている。キャップ吊支体245に吊支されているキャップ244は、封止の際に使用するワンウェイネジ280及び予備用ワンウェイネジ281の頭部284を被覆するものであり、ワンウェイネジ280及び予備用ワンウェイネジ281の合計数(4個)のキャップを有している。
尚、各キャップ244には下端に係止爪が形成された一対の係止片が設けられており、該係止爪を後述する被固着部255a〜255dの内面に形成された段部に係止することで、被固着部255a〜255dの上面開口を閉塞するように保持されるようになっている。
上板220の上面には、図82に示されるように、パチンコ遊技機1の機種名を記した機種名シール(図示略)を貼着するための機種名表示用凹部247が凹設されているとともに、主基板31を検査した際に書き込む「検査者」や「検査日」等の各項目が記された検査履歴シール(図示略)を貼着するための検査名表示用凹部248が凹設されている。
また、上板220表面には、各被固着部255a〜255dそれぞれに対応する箇所に、後述するようにワンウェイネジ280及びワンウェイネジ281を用いて第1被固着部255及び第2被固着部212とを固着する順番、つまり、各被固着部255a〜255d及び各ネジ孔211a〜211dの使用順序を示す使用順番号(図82、図83中に示す「1,2,3,4」の白抜き数字参照)が印刷等により表示されている。
側壁230におけるケース本体201側の膨出部208a,208bに対応する箇所には、膨出部208a,208bよりもそれぞれ一回り小さい膨出部カバー250a,250bが外側に向けて膨出するように形成されている。つまり、これら膨出部カバー250a,250bは、封止状態において膨出部208a,208bを構成する膨出壁203b,203c及び連接壁203dよりも内側に入り込み、膨出空間S2,S3の上方を閉塞するように構成されている。
これら膨出部カバー250a,250bは、内部が中空状に形成されており、一方の膨出部カバー250bの内部空間は、側壁230によりケースカバー202における基板収納空間と区画されて独立した空間となっているとともに(図83参照)、他方の膨出部カバー250aの内部空間は、側壁230における膨出部カバー250aに対応する箇所が切り欠かれていることにより、ケースカバー202の基板収納空間と連通している(図93(a)参照)。
膨出部カバー250a,250bにおける膨出部208a,208bに形成された係止穴210に対応する壁部には、下端から上方に向けて切り欠かれた2本のスリットを介して弾性変形自在に構成された係止片252が形成されており、該係止片252の下端には、係止穴210に係止可能な外向きの係止爪251が形成されており、ケース本体201の上面をケースカバー202により閉鎖した状態、つまり封止状態において係止爪251が係止穴210に係止されるようになっている。
また、図93(a)に示されるように、前述したネジ収納部209に対応する膨出部カバー250aの上壁裏面254には、膨出部カバー250aの長手方向に向けて延びるネジ規制用リブ253が下方に向けて垂設されている(図83参照)。詳しくは、ネジ規制用リブ253は、ケース本体201の上面をケースカバー202により閉鎖した状態、つまり封止状態において、ネジ収納部209の板状部209aの直上に該板状部209aと平行をなすように配置されるように、膨出部カバー250aの上壁裏面254における板状部209aとの対向位置から下方に向けて垂設されている。つまり、上壁裏面254における挿入孔209cの上面開口との対向位置から、該挿入孔209cの上面開口に向けて鉛直方向に向けて所定長さ延設されており、その下端が挿入孔209c内に挿入された各予備用ワンウェイネジ281の頭部284に近接する長さを有している。
このように、上記封止状態において、膨出部カバー250aの上壁裏面254から下方に向けて延設されたネジ規制用リブ253により、ネジ収納部209内に収納された予備用ワンウェイネジ281のネジ収納部209からの逸脱が防止されるようになっているため、ネジ収納部209から予備用ワンウェイネジ281が逸脱して基板収納空間S1内に入り込み、基板を損傷させてしまうこと等が確実に防止される。
図83に示されるように、側壁203における両膨出部カバー250a,250bの間には、複数(本実施の形態では4つ)の四角筒状の被固着部255a〜255dが、ケース本体201の各ネジ孔211a〜211dに対向する箇所に複数形成されており、これら固着部により第1被固着部255が構成されている。
各被固着部255a〜255dは、図92,図93(b)に示されるように、ワンウェイネジ280及び予備用ワンウェイネジ281を挿通可能な四角柱状の筒状部256と、該筒状部256と側壁230とを連接する連接部257と、から構成されており、連接部257を介して筒状部256が側壁230から所定距離離間した状態で配置されているため、連接部257をニッパ等の工具で切断できるようになっている。また、連設部257は、ケースカバー202の一側縁である側壁230の外面から外方に向けて複数突設されており、各連設部257の先端に被固着部255a〜255dが設けられている。
筒状部256は、上面が開口する有底の筒体であり、内部にワンウェイネジ280を収納可能な大きさを有しているとともに、底板258には、ワンウェイネジ280の頭部284の直径よりも小径の取付孔259が形成されている。この取付孔259は、封止状態において、各ネジ孔211a〜211dの対向位置に配置されるようになっている。
図82及び図89に示されるように、ケース本体201側の被係止凹部215が形成されている側壁204に対応する側壁231には、先端に被係止凹部215に係止可能な上向きの係止条260が長手方向に向けて延設された係止片261が外方に向けて延設されている。
このように構成されたケース本体201及びケースカバー202は、ケース本体201の上面開口をケースカバー202により閉塞した状態において、ケース本体201の側壁205の内面と、ケースカバー202の低被覆面部220aにおける側壁205の内面との対向辺である長辺220d(図87参照)端面との間に、後述する垂直板500bが挿通可能な間隙部505が、側壁205の内面に沿って形成されるようになっている(図91参照)。
次に、コネクタ規制部材500の構造について説明する。図88に示されるように、コネクタ規制部材500は、透明な合成樹脂材からなる板部材にて形成されており、ケースカバー202の外側に装着可能に構成されている。板材の幅寸法は、ケースカバー202の長辺202dにおける長手方向の幅寸法よりも若干短寸の幅寸法を有している。具体的に説明すると、コネクタ規制部材500は、装着時においてケースカバー202における低被覆面220aよりも若干大きめに形成される上板500aと、該上板500aの外端から下方に向けて延設される垂直板500bと、該垂直板500bの下端から上板500aと平行をなすように同方向に延設される下板500cと、から側面視略コ字形に形成されている。
上板500aにおける長辺500dには、前述した複数の係合穴502それぞれに差し込み可能に、かつ、弾性変形可能に構成されるとともに、先端に上向きの係止爪501が形成された係止片が該上板500aとほぼ平行をなすように突設されており、該係止片を係合穴502からケースカバー202内に挿通した状態において、ケースカバー202の裏面における係合穴502の上縁に係止爪501が係止されるようになっている。
上板500aには、前述した各配線側コネクタ290a〜290cから延出された配線291a〜291cを挿通可能な細長長方形状の配線挿通用開口503a〜503cが長手方向に向けて形成されているとともに、各配線挿通用開口503a〜503cからは、各配線291a〜291cを挿通可能な配線挿通用スリット504a〜504cが長辺500dに向けて延設されている。
各配線291a〜291cは、複数本のケーブルを列状に並設することにより帯状に束ねて形成されてなるいわゆるフラットケーブルであるため、配線挿通用開口503a〜503c及び配線挿通用スリット504a〜504cは横長長方形状に形成されている。詳しくは、配線挿通用開口503a〜503cは、長辺及び短辺が、配線側コネクタ290a〜290c本体の長辺及び短辺よりも短寸に形成され、配線側コネクタ290a〜290cを挿通不可能であり、かつ、配線291a〜291cを挿通可能に形成されている。また、配線挿通用スリット504a〜504cは、配線291a〜291cを該配線挿通用スリット504a〜504cに対して平行な姿勢とした状態で長辺500d側から差し込み可能な幅寸法に形成されている。
よって、各配線291a〜291cは、長辺500d側から配線挿通用スリット504a〜504c内に差し込んで配線挿通用開口503a〜503cまで引き込むことで、配線挿通用開口503a〜503c内に配置することができるようになっている。
また、これら配線挿通用スリット504a〜504cは、配線挿通用開口503a〜503cの開口長縁辺に対して傾斜するように、かつ、互いに平行に形成されているとともに、該開口長縁辺における長手方向の中央位置から長辺500d側に向けて斜めに延設されている。これにより、配線挿通用スリット504a〜504cを介して引き込んだ配線291a〜291cを、配線挿通用開口503a〜503c内に斜めに進入させることができるため、配線挿通用開口503a〜503c内にスムーズに進入させることができる。
また、開口長縁辺の長手方向の中央位置から配線挿通用スリット504a〜504cが延設されていることで、配線挿通用開口503a〜503c内に配線291a〜291cを配置した状態において、該配線291a〜291cの列方向の両端が配線挿通用スリット504a〜504cとの連設部から離れるため、配線291a〜291cが配線挿通用スリット504a〜504c内に逆戻りすることがない。すなわち、配線挿通用スリット504a〜504cは、配線挿通用開口503a〜503cの一辺よりも幅狭であることが望ましい。
下板500cは、垂直板500bの下端から上板500aと同方向に向けて延設されており、その延設幅は、主基板31の短辺の幅寸法よりも若干短寸とされている。つまり、主基板31の裏面31b(実装面31aの反対面)ほぼ全域を被覆可能な長さとされている(図91参照)。
このように形成されたコネクタ規制部材500は、上記のように、基板側コネクタ238a〜238cに接続された配線側コネクタ290a〜290cから延設される各配線291a〜291cを、配線挿通用スリット504a〜504cを介して配線挿通用開口503a〜503c内を挿通させた後、ケースカバー202に対して側方から近接させ、係止爪501を係合穴502に差し込んで一端をケースカバー202に係止させることで、ケースカバー202に対して仮止めすることができる。
この状態において、上板500aにより低被覆面部220aの上方および外側方が上板500a及び垂直板500bにより被覆されるとともに、主基板31の裏面31bが下板500cにより被覆される。
次に、このように構成されたケース本体201及びケースカバー202により、主基板31を内部に収納して封止状態とするとともに、コネクタ規制部材500により配線側コネクタ290a〜290cの抜脱を規制する状況を説明する。
主基板31を封止状態で収納するには、まず、ケースカバー202の裏面に設けられたキャップ保持部(図示略)に、キャップ吊支体245を取り付けた後、主基板31をケースカバー202の裏面側に取り付ける。具体的には、図85に示されるように、主基板31の実装面31aをケースカバー202の裏面に対向させた状態、つまり実装面31aを上方に向けた状態でケースカバー202の裏面側に押し当てる。そして、主基板31における位置決め用凸部241に対応する2つの角部に形成された位置決め孔243をそれぞれ位置決め用凸部241内に挿通して位置決めした状態で、主基板31の取付用支柱240に対応する2つの角部に形成されたネジ取付孔242に基板取付ネジ239を取り付け、ネジ孔240aに基板取付ネジ239を螺入して取り付けることで、各コネクタ用開口236a〜236cに各基板側コネクタ238a〜238cが対応して臨む。
図87に示されるように、主基板31をケースカバー202の裏面側に取り付けた状態において、各コネクタ用開口236a〜236cに各基板側コネクタ238a〜238c本体上部が臨んだ状態となる。つまり、各基板側コネクタ238a〜238cの本体上面に形成された接続口238dがケースカバー202の外部に上向きに開放されるため、ケースカバー202に配線側コネクタ290a〜290cを挿通させたりすることなく、各基板側コネクタ238a〜238cの接続口238dに各配線側コネクタ290a〜290cをケースカバー202の外側から差し込んで接続することができる。
図86(b)に示されるように、コネクタ接続状態において、配線側コネクタ290bは、コネクタ用開口236b内に嵌合されることで、コネクタ用開口236bの開口端縁と本体部610の側周面(外周面)との間に隙間がないとともに、さらに、上板220の上面とフランジ部612の下面とが互いに密接され、コネクタ用開口236bの開口端縁と本体部610の側周面(外周面)との間がフランジ部612によりケースカバー202の外側から閉塞され、コネクタ用開口236bの開口端縁と本体部610の側周面(外周面)との間から針金やセル等の不正器具の進入が確実に防止される。
さらに、弾性係止爪613によりコネクタ用開口238bからの配線側コネクタ290bの抜脱が規制されることで、上板220の上面からのフランジ部612の浮き上がりが確実に防止されるため、ケースカバー202の外側から、上板220の上面とフランジ部612の下面との間に不正器具を挿通してコネクタ用開口238b内に進入させることもできなくなる。
次いで、図88に示されるように、各基板側コネクタ238a〜238cに接続された各配線側コネクタ290a〜290cから延設される各配線291a〜291cを、長辺500d側から配線挿通用スリット504a〜504c内に差し込み、配線挿通用開口503a〜503c内を挿通させた後、ケースカバー202に対して側方から近接させ、係止爪501を係合穴502に差し込んで一端をケースカバー202に係止させることで、ケースカバー202に対して仮止めする。
このように、各基板側コネクタ238a〜238cに各配線291a〜291cの配線側コネクタ290a〜290cを接続した状態で、各配線291a〜291cを配線挿通用開口503a〜503cに簡単に挿通させることができる。また、配線291a〜291cにおける配線側コネクタ290a〜290cとは反対側の端部に設けられる配線側コネクタ(図示略)等を、配線挿通用開口503a〜503cに挿通させる必要がないばかりか、例えば、配線291a〜291cにおける配線側コネクタ290a〜290cとは反対側の端部が図示しない他の基板に対してコネクタ等を介さずに直接接続されている場合であっても、配線側コネクタ290a〜290cを配線挿通用開口503a〜503cに挿通させる必要がなく、上板500aに大きな開口を形成しなくて済むため、コネクタ規制部材500の強度低下が防止される。
一方、ケース本体201の方は、図84に示されるように、ネジ収納部209の挿入孔209c内に、予備用ワンウェイネジ281を収納しておく。このとき、各挿入孔209cの上面開口の上方からネジ部283を挿入孔209c(図83(b)参照)内に挿通するだけで、簡単に収納することができる。この収納状態において、ネジ部283は挿入孔209c内に完全に収納され、頭部284のみが挿入孔209cの上面開口から外部に突出された状態で保持されているため(図93(a)参照)、これら収納された予備用ワンウェイネジ281を使用する際において、頭部284を手で摘むだけで簡単に取り出すことができる。
次いで、主基板31が一体的に取り付けられるとともに、コネクタ規制部材500が外側に仮止めされたケースカバー202により、ケース本体201の上面開口を閉鎖する。具体的には、図89に示されるように、ケースカバー202の一方の短辺から外方に向けて突設された係止片260が下を向くようにケースカバー202を傾斜させた状態、すなわち、主基板31の裏面31bをケース本体201に対向させた状態で、ケース本体201における閉塞壁216の上端と垂下片204bの下端との間に係止片260を差し込む。そして、係止条260を被係止凹部215内に係止させた状態で、該係止部を中心としてケースカバー202を図中矢印方向に向けて回転させ、ケースカバー202をケース本体201の側壁203〜206により囲まれた空間内に嵌め込む。
ここで、ケース本体201の膨出部208a,208bの膨出空間S2,S3内に膨出部カバー250a,250bが嵌め込まれて、両係止爪251がそれぞれ係止穴210の開口上端縁に係止される。これにより、ケースカバー202の一方の短辺側が係止条260と被係止凹部215とにより係止されるとともに、他方の短辺側が係止爪251と係止孔251とにより係止され、ケースカバー202がケース本体201に対して仮止めされる。尚、この状態では、係止穴210の外方からそれぞれの係止爪251を内側に向けて押し込むことで係止状態を解除することで、ケースカバー202を簡単に開放させることができる。
この状態において、膨出部カバー250aの上壁裏面254から下方に向けて延設されたネジ規制用リブ253の下端が、ネジ収納部209に収納された3本の予備用ワンウェイネジ281の頭部284に近接した状態で配置されるため、予備用ワンウェイネジ281がネジ収納部209から逸脱して基板収納空間S1内に入り込み、主基板31の配線パターン等を傷つけて断線させてしまうこと等が防止される。
また、ケースカバー202の各側壁230〜233の下端が、ケース本体201の側壁203〜206の上端よりも下方に深く入り込んだ状態となるため、ケース本体201とケースカバー202との間から針金等の異物を進入しにくくなる。
また、ネジ収納部209は、膨出部208aの膨出空間S2内に設けられているため、主基板31が基板収納空間S1内におけるネジ収納部209の上端よりも下方位置に配置された状態においても(図93(b)参照)、ネジ収納部209と干渉することがない。
また、図91に示されるように、ケース本体201の側壁205の内面とケースカバー202の低被覆面部220aの長辺220dとの間に形成される間隙部505に、コネクタ規制部材500の垂直板500bが差し込まれた状態で配置されるとともに、下板500cの下面全域がケース本体201の底板201a上面に載置される。これにより、コネクタ規制部材500がケース本体201に対して安定的に保持されるとともに、主基板31の裏面31bが下板500cにより被覆される。
つまり、ケースカバー202に対して係止爪501を介して一端側が係止されたコネクタ規制部材500は、その一部を構成する他端側の下板500c及び垂直板500bの下部がケース内部に配置されることになる。
さらにこの状態において、ケース本体201の第2被固着部212の上方に、ケースカバー202の第1被固着部255が配置される。詳しくは、固着片212aの上面に各被固着部255a〜255dが載置されると、各ネジ孔211a〜211dと各取付孔259とが合致し、ワンウェイネジ280を挿通可能な状態となる。ここで、4つの被固着部255a〜255dのうち、いずれか1つの筒状部256(ここでは前述したようにケースカバー202に表示されている使用順番号「1」に対応する被固着部255dの筒状部256)の上面開口からワンウェイネジ280を挿入し、ネジ部283の先端を取付孔259に差し込んだ状態で、マイナスドライバー等の工具によりワンウェイネジ280を時計回りにねじ込む(図83参照)。
これにより、図92に示されるように、ネジ部283の外周に形成された雄ねじのねじ切り作用により、ネジ部283が取付孔259を貫通して、固着片212a及び筒状部212b内に貫通形成されたネジ孔211a内に螺入され、固着片212a及び被固着部255d、つまり第2被固着部212と第1被固着部255とがワンウェイネジ280を介して固着(カシメ)される。
すなわち、ケースカバー202は、一方の短辺側が係止条260が被係止凹部215により係止され、他方の短辺側がワンウェイネジ280を介して固着されていることにより、ケース本体201に対してケースカバー202が開放不能に固着され、主基板31は、実装面31a及び裏面31bがこれらケース本体201及びケースカバー202により被覆された状態で、基板収納ケース200内に封止状態で収納される。
尚、ワンウェイネジ280を完全にねじ込んだ後、その上方から、所定の色に着色された色付接着剤Zを筒状部256内に注入した後、キャップ244を筒状体255dの上面開口に嵌め込んで、頭部284の上面に形成された溝等を被覆することにより、ワンウェイネジ280を取り外しにくくすることができる。
さらに、透明な合成樹脂材からなる筒状部256内に色付接着剤Zが注入されることで、ワンウェイネジ280に対する何らかのアクセスがあった場合において、色付接着剤Zが抉り取られた痕跡等が色により視認しやすくなるため、透明な筒状部256外部からでも不正行為の痕跡を発見しやすくなる。
また、この封止状態を解除してケースカバー202を開放しようとする場合、前述したようにワンウェイネジ280を反時計回りに回して取り外すことはできないため、ケース本体201またはケースカバー202の一部を破壊するか、あるいは、連接部257をニッパ等の工具により切断し、固着片212aにワンウェイネジ280を介して固着されている被固着部255aの筒状部256をケースカバー202から切り離すしかない。
つまり、破壊または切断のいずれの方法をとるにせよ、封止状態を解除してケースカバー202を開放した場合には、破壊または切断の痕跡が残ることになるため、例えば不正行為によりケースカバー202が開放された場合でも、早期のうちに不正行為が行われたことを発見することができる。これにより、万が一不正な遊技プログラムが格納されたROMを有する遊技制御基板等にすりかえられた場合でも、早期に発見して対処することができるため、その状態で遊技が行われて遊技店が不利益を被ることを回避することができる。
また、ワンウェイネジ280によりケース本体201に対してケースカバー202が開放不能に固着された封止状態とされることで、ケースカバー202の外側に仮止めされたコネクタ規制部材500が、ケースカバー202から離脱不能に保持されるとともに、基板側コネクタ238a〜238cに接続された配線側コネクタ290a〜290cの抜脱が上板500aとの当接により規制される。
具体的には、図91に示されるように、ケース本体201に対してケースカバー202が開放不能に固着された封止状態において、コネクタ規制部材500は、下板500cが主基板31の裏面31bを被覆するようにその下方に配置されることにより、その上方への移動が、ケース本体201に固着されたケースカバー202の裏面側に取り付けられた主基板31との当接により規制される。
また、下板500cから上向きに連設された垂直板500bが、ケースカバー202の長辺220dとケース本体201の側壁205内面とに挟持されるとともに、係止爪501が係合穴502に係止されることで、ケース本体201の底板201a上でのスライド移動が規制されるとともに、上板500aの変形も防止される。特に、垂直板500bの外面が側壁205の内面に上下方向にわたり密着した状態で保持されるため、垂直板500bの外側への変形も防止される。つまり、下板500c,垂直板500b,ケースカバー202の長辺220d及び側壁205は、本発明の規制部材保持手段を構成している。
このように、コネクタ規制部材500の上方及び水平方向の移動が規制されることで、コネクタ規制部材500のケースカバー202からの離脱が防止され、安定して基板収納ケース200に保持される。そして、このように基板収納ケース200に保持されたコネクタ規制部材500の上板500aにより、ケースカバー202における低被覆面部220aの上面が被覆されるとともに、垂直板500bの上部,傾斜被覆面部220c,ケースカバー202の一部により低被覆面部220aの上方側周面が被覆されることで、基板側コネクタ238a〜238c及び配線側コネクタ290a〜290cが外部から遮断されるため、これらコネクタの接続部に対する不正行為が防止される。
また、図91に示されるように、基板側コネクタ238a〜238cに接続された配線側コネクタ290a〜290cの上方近傍に上板500aが配置されることで、配線側コネクタ290a〜290cを基板側コネクタ238a〜238cから抜脱しようとする際に、配線側コネクタ290a〜290cの本体上面における配線291a〜291cの延出部周囲が、上板500aの裏面における配線挿通用開口503a〜503cの周囲(当接規制部)に当接される。すなわち、配線側コネクタ290a〜290cの抜脱方向への移動が上板500aにより当接規制されるため、基板側コネクタ238a〜238cに正規以外の不正部品が接続された配線が接続されることを効果的に防止できる。
また、封止状態において、下板500cは主基板31の裏面31bを被覆可能な大きさに形成されていることで、裏面31bに形成された配線パターン等に対する不正行為も抑制できるとともに、安定性も向上する。尚、このように本実施の形態では、下板500cは主基板31の裏面31bを被覆可能な大きさに形成されていたが、コネクタ規制部材500の上方への移動を主基板31の裏面31bとの当接により規制可能な長さを有していれば、裏面31b全域を被覆可能な大きさに形成されていなくてもよい。
次に、第2被固着部212と第1被固着部255とをワンウェイネジ280を介して固着して封止状態を構成した後、主基板31の故障や検査等により主基板31を取り出すために封止状態を解除し、再度封止状態とする場合について説明する。
尚、このようにネジ孔211a〜211d及び被固着部255a〜255dを複数形成し、繰り返し封止状態とすることができるようにするのは、例えばメーカーが主基板31を遊技店等に出荷する際に、主基板31を基板収納ケース200内に封止状態で収納するために、1つのネジ孔211a〜211d及び被固着部255a〜255dを使用した後、遊技店において、上記のように主基板31が故障して交換する場合や検査等を行うために主基板31を取り出す場合等において、封止状態を解除することがある。その後再度封止状態とする際に他のネジ孔211a〜211d及び被固着部255a〜255dを使用するため、これらが第2被固着部212及び第1被固着部255が複数必要となる。
まず、ケースカバー202を開放したときに、キャップ吊支体245からキャップ244を1つ分離して取り出しておくとともに、ネジ収納部209から予備用ワンウェイネジ281を1本取り出しておく。そして、前述と同様に、ケース本体201の上面開口をケースカバー202により閉鎖する。ここで、まだ連接部257が切断されていない被固着部255b〜255dのうちいずれかの筒状部(例えば前述した使用順番号「2」に対応する被固着部255b)に予備用ワンウェイネジ281を挿入し、ネジ孔211bに螺入することで、前述と同様に第2被固着部212と第1被固着部255とを固着して封止状態を構成することができる。
このように、第2被固着部212としてのネジ孔211a〜211d及び第1被固着部255としての被固着部255a〜255dが複数設けられているため、ケース本体201やケースカバー202の一部を破壊することなく連接部257を切断するだけで、基板収納ケース200を交換すること等なく、封止状態を解除した後でも、封止状態を複数回繰り返し構成することができる。
以上説明したように、基板収納ケース200にあっては、主基板31をケースカバー202の裏面に取り付けることにより、基板側コネクタ238a〜238cがコネクタ用開口236a〜236cを介してケースカバー202の外部に開放されるとともに、該開放された基板側コネクタ238a〜238cに配線側コネクタ290a〜290cをケースカバー202の外側から差し込んで接続することができる。
このように配線側コネクタ290a〜290cをケースカバー202の外側からコネクタ用開口236a〜236cに差し込んで基板側コネクタ238a〜238cに接続するだけで、該接続した配線側コネクタ290a〜290cとコネクタ用開口236a〜236cとの間の隙間がケースカバー202の外側から外側閉塞部であるフランジ部612により閉塞されるとともに、コネクタ用開口236a〜236cの内側に形成されたコネクタ嵌合部内に配線側コネクタ290a〜290cの側周面(外周面)が嵌合されるため、配線側コネクタ290a〜290cとコネクタ用開口236a〜236cとの間の隙間から針金やセル等の不正器具を進入させることが困難となるばかりか、主基板31がケースカバー202の基板取付部(位置決め用凸部241及び取付用支柱240)に取り付けられることで、基板収納ケース200の封止状態を不正に解除してケースカバー202を開放するだけでは実装面31aの被覆状態を解除することはできず、前記基板取付部から主基板31を取り外す必要があり、手間と時間がかかることになるため、不正器具による主基板31に対する不正行為を効果的に防止できる。
基板側コネクタ238a〜238cに配線側コネクタ290a〜290cを接続した状態で、ケースカバー202の外側にコネクタ規制部材500を仮止めして基板収納ケース200に保持することで、配線側コネクタ290a〜290cの抜脱が当接規制部としての上板500aにより当接規制される。このように、ケースカバー202に、基板側コネクタ238a〜238cに接続された配線側コネクタ290a〜290cと反対側の配線側コネクタ(図示略)を挿通するための大きな挿通口等を形成しなくても、ケースカバー202の外側にコネクタ規制部材500を装着することができるため、コネクタ規制部材500の強度低下が防止される。
また、下板500cは、封止状態とされたケース本体201及びケースカバー202により被覆されることで、封止状態を解除するかコネクタ規制部材500またはケース200の一部を破壊しない限りコネクタ規制部材500の保持状態を解除することができなくなり、これにより基板収納ケース200の一部を破壊したり封止状態を解除して配線側コネクタ290a〜290cを抜脱した際にはその痕跡が残り、不正が行われた可能性があることを確実に発見することができるようになる。
また、本実施の形態では、封止状態においてケース内部に配置される下板500cが規制部材保持手段として機能するため、例えば前述したワンウェイネジ等の特殊な保持部材等を用いてコネクタ規制部材500をケースカバー202に保持したり、保持構造を複雑化することなく、ケースカバー202及びケース本体201を封止状態とするだけでケースカバー202に簡単に装着できるため、基板側コネクタ238a〜238cに正規以外の不正部品が接続された配線が接続されることを効果的に防止できる。
また、コネクタ規制部材500の一部は、複数の配線側コネクタ290a〜290cを当接規制することが可能な1枚の上板500aにて構成されているため、複数の配線側コネクタ290a〜290cそれぞれに対応する複数の当接規制部を個別に形成する必要がないとともに、複数の配線側コネクタ290a〜290cをまとめて当接規制することができるため、保持作業の手間が軽減される。
さらに、配線側コネクタ290a〜290cの抜脱方向への移動を当接規制するだけでなく、これらの上方が被覆されるため、基板側コネクタ238a〜238cと配線側コネクタ290a〜290cとの接続部に対する不正行為が困難となるとともに、コネクタ規制部材500に配線側コネクタ290a〜290cを挿通するための大きな挿通口等を形成する必要がないので、強度低下が防止される。
また、コネクタ規制部材500の一部は、封止状態において間隙部505に配置される垂直板500bと、離脱方向への移動が主基板31により当接規制される下板500cと、から構成されることで、ネジ等の保持部材を使用することなく、垂直板500bを間隙部505に差し込んだ状態で封止状態とするだけで、係止部としての下板500cの係止作用により垂直板500bの抜脱方向への移動が規制されてケースに保持されるため、コネクタ規制部材500の装着作業が容易になる。
コネクタ規制部材500には、ケースカバー202に形成された係止穴502に係合可能な係止爪501が形成されているため、係止爪501が係合穴502に係合されることで、コネクタ規制部材500の上板500aが変形や破損しにくくなるので、上板500aを変形させて配線側コネクタ290a〜290cをケースカバー202との間に形成される隙間から抜脱すること等を確実に防止することができる。
また、主基板31の実装面31aにおけるコネクタ用開口236a〜236c近傍が低被覆面220aにより被覆されることで、コネクタ用開口236a〜236cと基板側コネクタ238a〜238cとの間に形成される隙間から不正器具等を挿入しにくくなるので、主基板31に対する不正行為を防止することができる。
また、ケースカバー202に凹部234が形成され、コネクタ規制部材500は該凹部234に装着されるようにしたことで、装着状態においてコネクタ規制部材500がケースカバー202から大きく突出することがないので、パチンコ遊技機1に配設された状態等において、コネクタ規制部材500が邪魔になることがない。
また、コネクタ規制部材500は、透明な合成樹脂材にて構成されているため、基板収納ケース200内の視認性がコネクタ規制部材500により損なわれることがないので、主基板31の監視に支障をきたすことがない。
また、複数のうち少なくとも一対の第1被固着部としてのネジ孔211a〜211d及び第2被固着部としての被固着部255a〜255d同士を固着部材としてのワンウェイネジ280により固着することで、主基板31を封止状態とすることができるとともに、基板収納ケース200を破壊するかもしくは固着されたネジ孔211a〜211dの連接部257を切断することで、封止状態を解除してケースカバー202を開放することができる。さらに連接部を切断するなどして封止状態を解除した後でも、未使用の一対のネジ孔211a〜211d及び被固着部255a〜255d同士を予備用ワンウェイネジ281により固着することで、再度主基板31を封止状態でケース内部に収納することができる。
また、基板収納ケース200を開放することにより、ネジ収納部209の挿入孔209cの上面開口が開放されるため、予備用ワンウェイネジ281をネジ収納部209に簡単に収納及び取り出すことができるとともに、ネジ収納部209に収納された予備用ワンウェイネジ281は、主基板31の封止状態においてネジ収納部209からの逸脱が、規制部としてのネジ規制用リブ253の下端との当接により規制されるため、逸脱した予備用ワンウェイネジ281により主基板31が損傷することを防止できる。
さらに、ネジ規制用リブ253が、膨出部カバー250aの上壁裏面254からネジ収納部209の挿入孔209cの上面開口に向けて下方に延設されていることで、ネジ収納部209の配設位置が、ケースカバー202やケース本体201の形状により制限されたり、あるいはケースカバー202やケース本体201の形状をネジ収納部209の配設位置に合わせて形成する必要がないので、基板収納ケース200の設計が煩雑になることを回避できる。
具体的は、例えばネジ収納部209に収納された予備用ワンウェイネジ281の頭部284からケースカバー202の裏面までの距離が、予備用ワンウェイネジ281の長さよりも大きい場合には、予備用ワンウェイネジ281がネジ収納部209から逸脱する虞がある。そこで、例えばケースカバー202におけるネジ収納部209に対応する箇所を該ネジ収納部209の挿入孔209cの上面開口に極力近接させようとすると、ケースカバー202全体の形状、あるいはネジ収納部209の配設位置を設計変更しなければならないが、ケースカバー202の裏面所定箇所からネジ規制用リブ253を延設することで、ケースカバー202全体の形状やネジ収納部209の配設位置を設計変更しないで済む。
また、ネジ規制用リブ253は、3つの予備用ワンウェイネジ281の逸脱を規制できるように、上壁裏面254の長手方向にわたって延設されていることで、膨出部カバー250aの強度が高まる。これにより、例えばケースカバー202を過って床等に落下させてしまった場合等において、膨出部カバー250aが破壊されにくくなるので、その側方に設けられる第1被固着部255の保護作用が効果的に高まる。
また、第2被固着部212及び第1被固着部255の前後側方に膨出部208a,208bが設けられることで、いずれか一側方のみに設けられている場合に比べて、これら第2被固着部212及び第1被固着部255がより効果的に保護される。
また、膨出部208aの膨出空間S2内に設けられたネジ収納部209は、複数本の予備用ワンウェイネジ281をまとめて収納可能であるため、各ネジ孔211a〜211dや各被固着部255a〜255dそれぞれの近傍に予備用ワンウェイネジ281を収納しておくよりも、ケース本体201の構造を簡素化することができるばかりか、予備用ワンウェイネジ281の管理が容易になる。
また、ケース本体201の側壁203の一部に膨出部208aが形成され、該膨出部208aの側方に第2被固着部212が設けられることにより、過って基板収納ケース200を床等に落下させた場合等においても、ネジ孔211a〜211dや被固着部255a〜255dが容易に破損することが防止されるとともに、膨出部208aの内部に形成された膨出空間S2内に設けられたネジ収納部209に予備用ワンウェイネジ281を収納しておくことができるため、膨出部208aを有効に利用することができるばかりか、主基板31を内部に収納または取り出す際に予備用ワンウェイネジ281が邪魔になることがないように収納しておくことができる。
つまり、膨出部208aと第2被固着部212とが、ケース本体201における一側辺の長手方向に向けて直線状に配設されるとともに、特にネジ孔211a〜211dとネジ収納部209とが一側辺に沿うように配置されることで、ケース本体201外形に凹凸部が形成されることがないので、ケース本体201の構造を簡素化できるばかりか、保管や輸送時における収納性が向上する。
また、ネジ収納部209は、ケース本体201の内部における基板収納空間S1から外側に張り出すように設けられた膨出空間S2内、すなわち、主基板31の封止状態において主基板31と上下方向に重合しない位置に配設されているとともに、主基板31は、膨出空間S2内に張り出さないように設けられていることで、予備用ワンウェイネジ281の収納及び取り出しの際に主基板31と干渉することがない。
さらに、予備用ワンウェイネジ281は、ネジ収納部209の挿入孔209cの上面開口を介して内部に挿入される挿入部であるネジ部283と、該ネジ部283の一端に設けられる頭部284と、から構成され、ネジ収納部209は、予備用ワンウェイネジ281を収納した状態において、頭部284が挿入孔209cの上面開口の外部に突出した状態で保持されるように構成されていることで、予備用ワンウェイネジ281のネジ収納部209からの取り出しが容易になる。
また、主基板31は、複数の電子部品及び基板側コネクタ238a〜238cが実装される実装面31aと該実装面31aと反対側の裏面31bとを有し、ケースカバー202は、コネクタ238a〜238cに対応する箇所に、該コネクタ238a〜238cの接続口238dをケース外部に開放するためのコネクタ用開口236a〜236cが形成されるとともに、主基板31を取り付け可能に構成され、主基板31は、実装面31aをケースカバー202により被覆し、かつ、裏面31bをケース本体201に対向させた状態で基板収納ケース200の内部に封止状態で収納されるため、基板収納ケース200を開放しても、実装面31aがケースカバー202により覆われた状態で主基板31が取り付けられていることで、ケースカバー202からの主基板31の取り外しに時間がかかり、電子部品や基板側コネクタ238a〜238c等に対する不正行為を行いにくくなる。
実施の形態7.
次に、本発明の実施の形態7における主基板31を収納する基板収納ケース200’の詳細な構造について説明する。図94は、本発明の実施の形態7における基板収納ケースを示す分解斜視図であり、図95は、(a)は図94の要部拡大斜視図であり、(b)は(a)のケース本体の要部を示す平面図であり、図96は、基板収納ケース及び遊技制御基板の組み付け状態を示す分解斜視図であり、図97は、ケースカバーに対する遊技制御基板の取り付け状態を示す斜視図であり、図98は、(a)は配線側コネクタ及び基板側コネクタの接続状況を示す斜視図であり、(b)は(a)の縦断面図であり、(c)は配線側コネクタの接続状況を示す斜視図であり、図99は、ケース本体とケースカバーとを閉鎖した状態を示す縦断面図であり、図100は、遊技制御基板の封止状態を示す断面図であり、図101は、基板収納ケースを示す一部破断側面図であり、図102は、(a)は図101のB−B断面図であり、(b)は図101のC−C断面図である。
基板収納ケース200’は、図94に示されるように、主基板31の裏面側を覆うケース本体としてのケース本体201と、主基板31の実装面31a(図99参照)側を覆うケースカバー202’と、から構成され、主基板31を挟持するように組み付けられるものである。尚、主基板31の実装面31aには、特に詳細な図示はしないが、CPU56、RAM55、ROM54等の電子素や、他の基板から延出された配線の一端に設けられた配線側コネクタ等が接続される基板側コネクタ238a〜238c等が多数実装されている。尚、本実施の形態においては、3つの基板側コネクタ238a〜238cが記載されているが、これら実装されるコネクタの実装数量は任意であり、実際には3つ以上のコネクタが実装されることがある。尚、主基板31は、後述するようにケースカバー202’の裏面側に取り付けられた状態で基板収納ケース200’の内部に封止状態で収納されるようになっている。
ケース本体201は、透明な合成樹脂からなり、略長方形状に形成される底板201aと、該底板201aの周囲を囲むように形成された側壁203〜206と、により上面が開放する直方体状に成形されている。側壁205、206の内面には、封止状態(閉鎖状態)において主基板31の裏面周囲を支持する上下方向を向く支持リブ207が複数形成されている。また、側壁203及び後述する閉塞壁216の内面における長手方向の中央位置には、ケースカバー202’を位置決めするための上下方向を向く位置決め用リブ270が形成されている。
一方の短辺の側壁203は、特に図95(a)に示されるように、長手方向の略中央に位置する中央側壁203aと、該中央側壁203aの左右側方に位置する膨出壁203b,203cと、中央側壁203aと膨出壁203b,203cとを連接する連接壁203dと、により、平面視で略凹状に形成されている。つまり、これら膨出壁203b,203c及び連接壁203dにより、中央側壁203aの長手方向の左右側には、本体内部側から外側に向けて膨出する平面視略長方形状をなす膨出部208a,208bが形成されている。
膨出部208a,208bの内部は、ケース本体201の内部に形成される平面視略長方形状の基板収納空間S1(図95(b)中2点鎖線で囲まれる領域)にそれぞれ連通する膨出空間S2,S3が形成されており、つまり内部が中空状に構成されており、一方の膨出部208aの膨出空間S2内には、後述する複数(本実施の形態では3本)の予備用ワンウェイネジ281を収納するネジ収納部209が設けられている。
ネジ収納部209は、図95(b)に示されるように、ケース本体201の底板201aから立設される側壁203よりも若干低い板状部209aと、該板状部209aの長手方向に向けて所定間隔おきに形成される複数の筒状部209bと、から構成される。各筒状部209bには、予備用ワンウェイネジ281のネジ部の直径よりも若干大径で、かつ、頭部の直径よりも小径の挿入孔209cが上方から所定深さ形成されており、挿入孔209cの上面開口から予備用ワンウェイネジ281を挿通して収納できるようになっている(図102(a)参照)。
板状部209aは、その長手方向の両端が、それぞれ側壁206及び連接壁203dの内面に連設されているとともに、膨出壁203bに対して平行に、基板収納空間S1と膨出空間S2とを区画するように配設されている。また、膨出壁203b,203cの下部には、後述するケースカバー202’の係止爪251を係止可能な係止穴210がそれぞれ形成されている(図102(a)参照)。
予備用ワンウェイネジ281は、周知のように、一方向の回転によってネジを螺着することができるが、他方向に回転させようとしても回転させることができない、すなわち、そのネジを緩めることができない機能を有するネジである(図95(a)参照)。具体的には、外周に雄ねじ部が形成されたネジ部283と、該ネジ部283の上端に設けられる頭部284と、から構成され、ネジ部283の直径よりも頭部284の直径の方が大径になっている(図102(a)参照)。尚、ワンウェイネジ280も予備用ワンウェイネジ281と同様に構成されているため、ここでの詳細な説明及び図示は省略することとする。
中央側壁203aの外側には、後述するワンウェイネジ280が螺入される複数(本実施の形態では4つ)のネジ孔211a〜211dが形成される第2被固着部212が形成されている。被固着部212は、図95及び図101に示されるように、中央側壁203aの外側における両連接壁203d,203d間に架設されるとともに、ネジ孔211a〜211dが長手方向に向けて所定間隔おきに形成された固着片212aと、該固着片212aの下面における各ネジ孔211a〜211dに対応する箇所から垂下される筒状部212bと、から構成され、ネジ孔211a〜211dは、固着片212aから筒状部212bにかけて所定深さに形成されている。
固着片212aは、中央側壁203a及び両連接壁203dに対向する3辺がそれぞれ側壁203に連設されているとともに、中央側壁203aの反対側の長辺が、膨出壁203b,203dと面一になるように形成されている。つまり、両サイドの膨出部208a,208bよりも外側に突出しないように形成されているため、誤ってケース本体201を落下した場合でも、第2被固着部212が両サイドの膨出部208a,208bにより保護されて損傷しないようになっている。
他方の短寸の側壁204は、図94及び図99に示されるように、その上端から内向きに連設される内向片204aと、該内向片204aの先端から下方に垂設される垂下片204bとが連設されており、これら側壁204、内向片204a及び垂下片204bの内面により、後述するケースカバー202’の回動枢支片を係止する下向きに開口する被係止凹部215(図99参照)が長手方向に向けて形成されている。
また、図99に示されるように、底板201aにおける被係止凹部215の鉛直下方位置には開口が形成されているとともに、該開口端縁部からは、側壁204よりも高さが低い閉塞壁216が立設されており、封止状態においてケースカバー202’の側壁下端と底板201aの上面との間を外側から被覆できるようになっている。
底板201aの下面には、パチンコ遊技機1に設けられる基板収納ケース取付板400(図113,114参照)に取り付ける際に、該基板収納ケース取付板400に係止可能な複数の取付板用係止爪217a,217bと、取り付けの際における位置決め用の位置決め片218とが突設されている。
ケースカバー202’は、透明な合成樹脂からなり、図94及び図95(a)に示されるように、略長方形状に形成される上板220と、該上板220の周縁辺を囲むように形成された側壁230〜233とにより下面が開放する直方体状に形成されている。
上板220には、図96に示されるように、平面視略長方形状に形成された主基板31の実装面31aにおける一方の長辺に沿うように形成された帯状のコネクタ実装領域S10(図96中斜線で示される領域)を被覆するとともに、該コネクタ実装領域S10に実装された複数の基板側コネクタ238a〜238cの接続口238d及び本体上部をそれぞれ挿通して外部に露呈(開放)可能とするコネクタ用開口236a〜236cが形成されている。つまりケースカバー202’には、基板側コネクタ238a〜238cに配線側コネクタ1290a〜1290cを接続するためのコネクタ用開口236a〜236cが形成されている。
各コネクタ用開口236a〜236cは、これらの開口端縁と各基板側コネクタ238a〜238cに接続された配線側コネクタ1290a〜1290cの本体側周面との間から針金等の異物や配線等が容易に進入されることがないように、開口端縁と各種配線側コネクタ1290a〜1290cの本体側周面(外周面)との間が例えば約1mm以内の隙間となるように、つまり嵌合されるように形成されている。
具体的には、上板220の裏面(内側)における各コネクタ用開口236a〜236cの開口端縁からは、図98に示されるように、所定長さの環状片800が下方に向けて垂設されており、この環状片800により、各配線側コネクタ1290a〜1290cが嵌合可能な筒状のコネクタ嵌合部800aが形成されている。
環状片800は、基板側コネクタ238a〜238cの上半部を被覆可能な長さに延設されている。また、上板220の表面における各コネクタ用開口236a〜236cの周囲には、後述するフランジ部812が嵌合される段部801が環状に形成されている。
上板220は、主基板31の実装面31aにおけるコネクタ実装領域S10以外のメイン部品実装領域(図中斜線で示される領域以外の領域)、つまり遊技制御用マイクロコンピュータ560等の電子部品や各種回路等が実装される領域の上方を被覆する。
上板220の裏面四隅には、図97に示されるように、主基板31を取り付けるための基板取付ネジ239が取り付けられるネジ孔240aを有する取付用支柱240が一方の対角線上に2つ突設されているとともに、取り付けの際に位置決め用の位置決め用凸部241が他方の対角線上に2つ突設されており、ケースカバー202’の裏面側に主基板31を取り付けできるようになっている。
主基板31を取り付けるには、主基板31の実装面31aをケースカバー202’の裏面に対向させた状態、つまり実装面31aを上方に向けた状態でケースカバー202’の裏面側に押し当てる。そして、各コネクタ用開口236a〜236cに対応する各コネクタ238a〜238cが臨むように、主基板31における位置決め用凸部241に対応する2つの角部に形成された位置決め孔243をそれぞれ位置決め用凸部241内に挿通して位置決めした状態で、主基板31の取付用支柱240に対応する2つの角部に形成されたネジ取付孔242に基板取付ネジ239を取り付け、ネジ孔240aに基板取付ネジ239を螺入して取り付ける。つまり、これら位置決め用凸部241及び取付用支柱240は基板取付部を構成している。
ここで、配線側コネクタ1290a〜1290cの詳細を、図98に基づいて説明する。尚、配線側コネクタ1290a〜1290cは大きさが異なるが主要な構造は同一であるため、図98においては、配線側コネクタ1290bを一例として説明し、他の配線側コネクタ1290a,1290cの説明は省略することとする。
配線側コネクタ1290bは、配線291bが接続される本体部810と、該本体部810の下面から下向きに突設され、基板側コネクタ238bに接続される接続凸部811と、から主に構成される。本体部810は、コネクタ用開口236bに嵌合可能な直方体形状をなし、その上部には、外方に向けて延びる板状のフランジ部812が環状に形成されている。よって、フランジ部812よりも下方の本体部810がコネクタ用開口236bに嵌合されるようになっている。
また、本体部810の下面における一対の長縁辺からは、コネクタ用開口236bへの嵌合時において環状片800の下端に弾性係止される一対の弾性係止爪813が下方に向けて垂下されている。
このように構成される配線側コネクタ1290bは、接続凸部811を下方に向けた状態でケースカバー202’の外側からコネクタ用開口236b内に差し込むことにより、コネクタ嵌合部800a内に嵌合される(図98(c)中2点鎖線参照)。尚、基板側コネクタ238bの側周面と環状片800の内面との間には所定の隙間が形成されているので、弾性係止爪813はコネクタ用開口236b内において内向きに弾性変形される。
そして、フランジ部812の下面がケースカバー202’の上板220の上面に形成された段部801内に嵌合されることにより、嵌合方向への移動が規制されるとともに、外向きの弾性係止爪813は、環状片800の下端よりも下方に位置した段階で弾性復帰力により該環状片800の下端縁に係止され、これにより配線側コネクタ1290bがケースカバー202’に装着されるとともに、コネクタ用開口236bからの抜脱が規制される。
また、弾性係止爪813が環状片800の下端縁に係止されたときに、接続凸部811が基板側コネクタ238b内に嵌合され、該基板側コネクタ238bと配線側コネクタ1290bとが電気的に接続されたコネクタ接続状態となる。
このようなコネクタ接続状態において、配線側コネクタ1290bは、コネクタ用開口236bの内側に形成されたコネクタ嵌合部800a内に嵌合されていることで、コネクタ用開口236bの開口端縁やコネクタ嵌合部800aの内面と本体部810の側周面(外周面)との間に隙間が生じないとともに、さらに、段部801の上面及び側面とフランジ部812の下面及び側端面とが互いに密接され、コネクタ用開口236bの開口端縁と本体部810の側周面(外周面)との間がフランジ部812によりケースカバー202’の外側から閉塞されるため、コネクタ用開口236bの開口端縁と本体部810の側周面との間から針金やセル等の不正器具の進入が確実に防止される。
さらに、弾性係止爪813によりコネクタ用開口238bからの配線側コネクタ1290bの抜脱が規制されることで、上板220の上面からのフランジ部812の浮き上がりが確実に防止されるため、上板220の上面とフランジ部812の下面との間からコネクタ用開口238b内に不正器具を進入させることもできなくなる。
また、配線側コネクタ1290bは、弾性係止爪813を介してケースカバー202’に係止(装着)されているため、基板側コネクタ238bと配線側コネクタ1290bとの接続状態を解除するには、ケース本体201とケースカバー202’との封止状態を解除して開放してケースカバー202’から主基板31を取り外すことで、弾性係止爪813の係止状態をケースカバー202’の裏面側から解除することが可能となる。
尚、本実施の形態7では、弾性係止爪813がケースカバー202’の環状片800に係止されることで基板側コネクタ238bからの配線側コネクタ1290bの抜脱が規制されるようになっていたが、弾性係止爪813の替わりに接続時において基板側コネクタ238bの本体に係止される弾性係止爪(図示略)等を適用してもよい。
ケースカバー202’に戻って、高被覆面220bの裏面所定箇所には、後述するワンウェイネジ280の頭部284を被覆するキャップ244が複数吊支されたキャップ吊支体245(図96中拡大図参照)を保持する四角柱状のキャップ保持部(図示略)が下向きに凸設されている。キャップ吊支体245に吊支されているキャップ244は、封止の際に使用するワンウェイネジ280及び予備用ワンウェイネジ281の頭部284を被覆するものであり、ワンウェイネジ280及び予備用ワンウェイネジ281の合計数(4個)のキャップを有している。
尚、各キャップ244には下端に係止爪が形成された一対の係止片が設けられており、該係止爪を後述する被固着部255a〜255dの内面に形成された段部に係止することで、被固着部255a〜255dの上面開口を閉塞するように保持されるようになっている。
上板220の上面には、図94に示されるように、パチンコ遊技機1の機種名を記した機種名シール(図示略)を貼着するための機種名表示用凹部247が凹設されているとともに、主基板31を検査した際に書き込む「検査者」や「検査日」等の各項目が記された検査履歴シール(図示略)を貼着するための検査名表示用凹部248が凹設されている。
また、上板220表面には、各被固着部255a〜255dそれぞれに対応する箇所に、後述するようにワンウェイネジ280及びワンウェイネジ281を用いて第1被固着部255及び第2被固着部212とを固着する順番、つまり、各被固着部255a〜255d及び各ネジ孔211a〜211dの使用順序を示す使用順番号(図94、図95中に示す「1,2,3,4」の白抜き数字参照)が印刷等により表示されている。
側壁230におけるケース本体201側の膨出部208a,208bに対応する箇所には、膨出部208a,208bよりもそれぞれ一回り小さい膨出部カバー250a,250bが外側に向けて膨出するように形成されている。つまり、これら膨出部カバー250a,250bは、封止状態において膨出部208a,208bを構成する膨出壁203b,203c及び連接壁203dよりも内側に入り込み、膨出空間S2,S3の上方を閉塞するように構成されている。
これら膨出部カバー250a,250bは、内部が中空状に形成されており、一方の膨出部カバー250bの内部空間は、側壁230によりケースカバー202’における基板収納空間と区画されて独立した空間となっているとともに(図95参照)、他方の膨出部カバー250aの内部空間は、側壁230における膨出部カバー250aに対応する箇所が切り欠かれていることにより、ケースカバー202’の基板収納空間と連通している(図102(a)参照)。
膨出部カバー250a,250bにおける膨出部208a,208bに形成された係止穴210に対応する壁部には、下端から上方に向けて切り欠かれた2本のスリットを介して弾性変形自在に構成された係止片252が形成されており、該係止片252の下端には、係止穴210に係止可能な外向きの係止爪251が形成されており、ケース本体201の上面をケースカバー202’により閉鎖した状態、つまり封止状態において係止爪251が係止穴210に係止されるようになっている。
また、図102(a)に示されるように、前述したネジ収納部209に対応する膨出部カバー250aの上壁裏面254には、膨出部カバー250aの長手方向に向けて延びるネジ規制用リブ253が下方に向けて垂設されている(図95参照)。詳しくは、ネジ規制用リブ253は、ケース本体201の上面をケースカバー202’により閉鎖した状態、つまり封止状態において、ネジ収納部209の板状部209aの直上に該板状部209aと平行をなすように配置されるように、膨出部カバー250aの上壁裏面254における板状部209aとの対向位置から下方に向けて垂設されている。つまり、上壁裏面254における挿入孔209cの上面開口との対向位置から、該挿入孔209cの上面開口に向けて鉛直方向に向けて所定長さ延設されており、その下端が挿入孔209c内に挿入された各予備用ワンウェイネジ281の頭部284に近接する長さを有している。
このように、上記封止状態において、膨出部カバー250aの上壁裏面254から下方に向けて延設されたネジ規制用リブ253により、ネジ収納部209内に収納された予備用ワンウェイネジ281のネジ収納部209からの逸脱が防止されるようになっているため、ネジ収納部209から予備用ワンウェイネジ281が逸脱して基板収納空間S1内に入り込み、基板を損傷させてしまうこと等が確実に防止される。
図95に示されるように、側壁203における両膨出部カバー250a,250bの間には、複数(本実施の形態では4つ)の四角筒状の被固着部255a〜255dが、ケース本体201の各ネジ孔211a〜211dに対向する箇所に複数形成されており、これら固着部により第1被固着部255が構成されている。
各被固着部255a〜255dは、図101,図102(b)に示されるように、ワンウェイネジ280及び予備用ワンウェイネジ281を挿通可能な四角柱状の筒状部256と、該筒状部256と側壁230とを連接する連接部257と、から構成されており、連接部257を介して筒状部256が側壁230から所定距離離間した状態で配置されているため、連接部257をニッパ等の工具で切断できるようになっている。また、連設部257は、ケースカバー202’の一側縁である側壁230の外面から外方に向けて複数突設されており、各連設部257の先端に被固着部255a〜255dが設けられている。
筒状部256は、上面が開口する有底の筒体であり、内部にワンウェイネジ280を収納可能な大きさを有しているとともに、底板258には、ワンウェイネジ280の頭部284の直径よりも小径の取付孔259が形成されている。この取付孔259は、封止状態において、各ネジ孔211a〜211dの対向位置に配置されるようになっている。
図94及び図99に示されるように、ケース本体201側の被係止凹部215が形成されている側壁204に対応する側壁231には、先端に被係止凹部215に係止可能な上向きの係止条260が長手方向に向けて延設された係止片261が外方に向けて延設されている。
次に、このように構成されたケース本体201及びケースカバー202’により、主基板31を内部に収納して封止状態とする状況を説明する。
主基板31を封止状態で収納するには、まず、ケースカバー202’の裏面に設けられたキャップ保持部(図示略)に、キャップ吊支体245を取り付けた後、主基板31をケースカバー202’の裏面側に取り付ける。具体的には、図97に示されるように、主基板31の実装面31aをケースカバー202’の裏面に対向させた状態、つまり実装面31aを上方に向けた状態でケースカバー202’の裏面側に押し当てる。そして、主基板31における位置決め用凸部241に対応する2つの角部に形成された位置決め孔243をそれぞれ位置決め用凸部241内に挿通して位置決めした状態で、主基板31の取付用支柱240に対応する2つの角部に形成されたネジ取付孔242に基板取付ネジ239を取り付け、ネジ孔240aに基板取付ネジ239を螺入して取り付けることで、各コネクタ用開口236a〜236cに各基板側コネクタ238a〜238cが対応して臨む。
このように主基板31をケースカバー202’の裏面側に取り付けた状態において、各コネクタ用開口236a〜236cに各基板側コネクタ238a〜238cが臨むことになる。つまり、各基板側コネクタ238a〜238cの本体上面に形成された接続口238dがケースカバー202’の外部に上向きに開放されるため、ケースカバー202’に配線側コネクタ1290a〜1290cを挿通させたりすることなく、各基板側コネクタ238a〜238cの接続口238dに各配線側コネクタ1290a〜1290cをケースカバー202’の外側から差し込んで接続することができる。
図98に示されるように、コネクタ接続状態において、配線側コネクタ1290bは、コネクタ用開口236b内に嵌合されていることで、コネクタ用開口236bの開口端縁と本体部810の側周面(外周面)との間に隙間がないとともに、さらに、上板220の上面及び側面とフランジ部812の下面及び側端面とが互いに密接され、コネクタ用開口236bの開口端縁と本体部810の側周面(外周面)との間がフランジ部812によりケースカバー202’の外側から閉塞され、コネクタ用開口236bの開口端縁と本体部810の側周面(外周面)との間から針金やセル等の不正器具の進入が確実に防止される。
さらに、弾性係止爪813によりコネクタ用開口238bからの配線側コネクタ1290bの抜脱が規制されることで、上板220の上面からのフランジ部812の浮き上がりが確実に防止されるため、上板220の上面及び側面とフランジ部812の下面及び側端面との間からコネクタ用開口238b内に不正器具を進入させることもできなくなる。
一方、ケース本体201の方は、図96に示されるように、ネジ収納部209の挿入孔209c内に、予備用ワンウェイネジ281を収納しておく。このとき、各挿入孔209cの上面開口の上方からネジ部283を挿入孔209c(図95(b)参照)内に挿通するだけで、簡単に収納することができる。この収納状態において、ネジ部283は挿入孔209c内に完全に収納され、頭部284のみが挿入孔209cの上面開口から外部に突出された状態で保持されているため(図102(a)参照)、これら収納された予備用ワンウェイネジ281を使用する際において、頭部284を手で摘むだけで簡単に取り出すことができる。
次いで、主基板31が一体的に取り付けられたケースカバー202’により、ケース本体201の上面開口を閉鎖する。具体的には、図99に示されるように、ケースカバー202’の一方の短辺から外方に向けて突設された係止片260が下を向くようにケースカバー202’を傾斜させた状態、すなわち、主基板31の裏面31bをケース本体201に対向させた状態で、ケース本体201における閉塞壁216の上端と垂下片204bの下端との間に係止片260を差し込む。そして、係止条260を被係止凹部215内に係止させた状態で、該係止部を中心としてケースカバー202’を図中矢印方向に向けて回転させ、ケースカバー202’をケース本体201の側壁203〜206により囲まれた空間内に嵌め込む(図100参照)。
ここで、ケース本体201の膨出部208a,208bの膨出空間S2,S3内に膨出部カバー250a,250bが嵌め込まれて、両係止爪251がそれぞれ係止穴210の開口上端縁に係止される。これにより、ケースカバー202’の一方の短辺側が係止条260と被係止凹部215とにより係止されるとともに、他方の短辺側が係止爪251と係止孔251とにより係止され、ケースカバー202’がケース本体201に対して仮止めされる。尚、この状態では、係止穴210の外方からそれぞれの係止爪251を内側に向けて押し込むことで係止状態を解除することで、ケースカバー202’を簡単に開放させることができる。
この状態において、膨出部カバー250aの上壁裏面254から下方に向けて延設されたネジ規制用リブ253の下端が、ネジ収納部209に収納された3本の予備用ワンウェイネジ281の頭部284に近接した状態で配置されるため、予備用ワンウェイネジ281がネジ収納部209から逸脱して基板収納空間S1内に入り込み、主基板31の配線パターン等を傷つけて断線させてしまうこと等が防止される。
また、ケースカバー202’の各側壁230〜233の下端が、ケース本体201の側壁203〜206の上端よりも下方に深く入り込んだ状態となるため、ケース本体201とケースカバー202’との間から針金等の異物を進入しにくくなる。
また、ネジ収納部209は、膨出部208aの膨出空間S2内に設けられているため、主基板31が基板収納空間S1内におけるネジ収納部209の上端よりも下方位置に配置された状態においても(図102(b)参照)、ネジ収納部209と干渉することがない。
さらにこの状態において、図101に示されるように、ケース本体201の第2被固着部212の上方に、ケースカバー202’の第1被固着部255が配置される。詳しくは、固着片212aの上面に各被固着部255a〜255dが載置されると、各ネジ孔211a〜211dと各取付孔259とが合致し、ワンウェイネジ280を挿通可能な状態となる。ここで、4つの被固着部255a〜255dのうち、いずれか1つの筒状部256(ここでは前述したようにケースカバー202’に表示されている使用順番号「1」に対応する被固着部255dの筒状部256)の上面開口からワンウェイネジ280を挿入し、ネジ部283の先端を取付孔259に差し込んだ状態で、マイナスドライバー等の工具によりワンウェイネジ280を時計回りにねじ込む(図95参照)。
これにより、図101に示されるように、ネジ部283の外周に形成された雄ねじのねじ切り作用により、ネジ部283が取付孔259を貫通して、固着片212a及び筒状部212b内に貫通形成されたネジ孔211a内に螺入され、固着片212a及び被固着部255d、つまり第2被固着部212と第1被固着部255とがワンウェイネジ280を介して固着(カシメ)される。
すなわち、ケースカバー202’は、一方の短辺側が係止条260が被係止凹部215により係止され、他方の短辺側がワンウェイネジ280を介して固着されていることにより、ケース本体201に対してケースカバー202’が開放不能に固着され、主基板31は、実装面31a及び裏面31bがこれらケース本体201及びケースカバー202’により被覆された状態で、基板収納ケース200’内に封止状態で収納される。
尚、ワンウェイネジ280を完全にねじ込んだ後、その上方から、所定の色に着色された色付接着剤Zを筒状部256内に注入した後、キャップ244を筒状体255dの上面開口に嵌め込んで、頭部284の上面に形成された溝等を被覆することにより、ワンウェイネジ280を取り外しにくくすることができる。
さらに、透明な合成樹脂材からなる筒状部256内に色付接着剤Zが注入されることで、ワンウェイネジ280に対する何らかのアクセスがあった場合において、色付接着剤Zが抉り取られた痕跡等が色により視認しやすくなるため、透明な筒状部256外部からでも不正行為の痕跡を発見しやすくなる。
また、この封止状態を解除してケースカバー202’を開放しようとする場合、前述したようにワンウェイネジ280を反時計回りに回して取り外すことはできないため、ケース本体201またはケースカバー202’の一部を破壊するか、あるいは、連接部257をニッパ等の工具により切断し、固着片212aにワンウェイネジ280を介して固着されている被固着部255aの筒状部256をケースカバー202’から切り離すしかない。
つまり、破壊または切断のいずれの方法をとるにせよ、封止状態を解除してケースカバー202’を開放した場合には、破壊または切断の痕跡が残ることになるため、例えば不正行為によりケースカバー202’が開放された場合でも、早期のうちに不正行為が行われたことを発見することができる。これにより、万が一不正な遊技プログラムが格納されたROMを有する遊技制御基板等にすりかえられた場合でも、早期に発見して対処することができるため、その状態で遊技が行われて遊技店が不利益を被ることを回避することができる。
次に、第2被固着部212と第1被固着部255とをワンウェイネジ280を介して固着して封止状態を構成した後、主基板31の故障や検査等により主基板31を取り出すために封止状態を解除し、再度封止状態とする場合について説明する。
尚、このようにネジ孔211a〜211d及び被固着部255a〜255dを複数形成し、繰り返し封止状態とすることができるようにするのは、例えばメーカーが主基板31を遊技店等に出荷する際に、主基板31を基板収納ケース200’内に封止状態で収納するために、1つのネジ孔211a〜211d及び被固着部255a〜255dを使用した後、遊技店において、上記のように主基板31が故障して交換する場合や検査等を行うために主基板31を取り出す場合等において、封止状態を解除することがある。その後再度封止状態とする際に他のネジ孔211a〜211d及び被固着部255a〜255dを使用するため、これらが第2被固着部212及び第1被固着部255が複数必要となる。
まず、ケースカバー202’を開放したときに、キャップ吊支体245からキャップ244を1つ分離して取り出しておくとともに、ネジ収納部209から予備用ワンウェイネジ281を1本取り出しておく。そして、前述と同様に、ケース本体201の上面開口をケースカバー202’により閉鎖する。ここで、まだ連接部257が切断されていない被固着部255b〜255dのうちいずれかの筒状部(例えば前述した使用順番号「2」に対応する被固着部255b)に予備用ワンウェイネジ281を挿入し、ネジ孔211bに螺入することで、前述と同様に第2被固着部212と第1被固着部255とを固着して封止状態を構成することができる。
このように、第2被固着部212としてのネジ孔211a〜211d及び第1被固着部255としての被固着部255a〜255dが複数設けられているため、ケース本体201やケースカバー202’の一部を破壊することなく連接部257を切断するだけで、基板収納ケース200’を交換すること等なく、封止状態を解除した後でも、封止状態を複数回繰り返し構成することができる。
以上説明したように、基板収納ケース200’にあっては、主基板31をケースカバー202’の裏面に取り付けることにより、基板側コネクタ238a〜238cがコネクタ用開口236a〜236cを介してケースカバー202’の外部に開放されるとともに、該開放された基板側コネクタ238a〜238cに配線側コネクタ1290a〜1290cをケースカバー202’の外側から差し込んで接続することができる。
このように配線側コネクタ1290a〜1290cをケースカバー202’の外側からコネクタ用開口236a〜236cに差し込んでコネクタ嵌合部800a内に嵌合させ、基板側コネクタ238a〜238cに接続するだけで、該接続した配線側コネクタ1290a〜1290cとコネクタ用開口236a〜236cとの間の隙間が生じなくなるため、配線側コネクタ1290a〜1290cとコネクタ用開口236a〜236cとの間の隙間から針金やセル等の不正器具を進入させることが困難となるとともに、さらに前記隙間の上方がケースカバー202’の外側から外側閉塞部であるフランジ部812により閉塞されるため、針金やセル等の不正器具の進入がより困難となる。
また、主基板31がケースカバー202’の基板取付部(位置決め用凸部241及び取付用支柱240)に取り付けられることで、基板収納ケース200’の封止状態を不正に解除してケースカバー202’を開放するだけでは実装面31aの被覆状態を解除することはできず、前記基板取付部から主基板31を取り外す必要があり、手間と時間がかかることになるため、不正器具による主基板31に対する不正行為を効果的に防止できる。
また、基板側コネクタ238a〜238cに配線側コネクタ1290a〜1290cを接続した状態で、弾性係止爪813が環状片800の下端に形成されることで、配線側コネクタ1290a〜1290cの抜脱が当接規制される。
また、複数のうち少なくとも一対の第1被固着部としてのネジ孔211a〜211d及び第2被固着部としての被固着部255a〜255d同士を固着部材としてのワンウェイネジ280により固着することで、主基板31を封止状態とすることができるとともに、基板収納ケース200’を破壊するかもしくは固着されたネジ孔211a〜211dの連接部257を切断することで、封止状態を解除してケースカバー202’を開放することができる。さらに連接部を切断するなどして封止状態を解除した後でも、未使用の一対のネジ孔211a〜211d及び被固着部255a〜255d同士を予備用ワンウェイネジ281により固着することで、再度主基板31を封止状態でケース内部に収納することができる。
また、基板収納ケース200’を開放することにより、ネジ収納部209の挿入孔209cの上面開口が開放されるため、予備用ワンウェイネジ281をネジ収納部209に簡単に収納及び取り出すことができるとともに、ネジ収納部209に収納された予備用ワンウェイネジ281は、主基板31の封止状態においてネジ収納部209からの逸脱が、規制部としてのネジ規制用リブ253の下端との当接により規制されるため、逸脱した予備用ワンウェイネジ281により主基板31が損傷することを防止できる。
さらに、ネジ規制用リブ253が、膨出部カバー250aの上壁裏面254からネジ収納部209の挿入孔209cの上面開口に向けて下方に延設されていることで、ネジ収納部209の配設位置が、ケースカバー202’やケース本体201の形状により制限されたり、あるいはケースカバー202’やケース本体201の形状をネジ収納部209の配設位置に合わせて形成する必要がないので、基板収納ケース200’の設計が煩雑になることを回避できる。
具体的は、例えばネジ収納部209に収納された予備用ワンウェイネジ281の頭部284からケースカバー202’の裏面までの距離が、予備用ワンウェイネジ281の長さよりも大きい場合には、予備用ワンウェイネジ281がネジ収納部209から逸脱する虞がある。そこで、例えばケースカバー202’におけるネジ収納部209に対応する箇所を該ネジ収納部209の挿入孔209cの上面開口に極力近接させようとすると、ケースカバー202’全体の形状、あるいはネジ収納部209の配設位置を設計変更しなければならないが、ケースカバー202’の裏面所定箇所からネジ規制用リブ253を延設することで、ケースカバー202’全体の形状やネジ収納部209の配設位置を設計変更しないで済む。
また、ネジ規制用リブ253は、3つの予備用ワンウェイネジ281の逸脱を規制できるように、上壁裏面254の長手方向にわたって延設されていることで、膨出部カバー250aの強度が高まる。これにより、例えばケースカバー202’を過って床等に落下させてしまった場合等において、膨出部カバー250aが破壊されにくくなるので、その側方に設けられる第1被固着部255の保護作用が効果的に高まる。
また、第2被固着部212及び第1被固着部255の前後側方に膨出部208a,208bが設けられることで、いずれか一側方のみに設けられている場合に比べて、これら第2被固着部212及び第1被固着部255がより効果的に保護される。
また、膨出部208aの膨出空間S2内に設けられたネジ収納部209は、複数本の予備用ワンウェイネジ281をまとめて収納可能であるため、各ネジ孔211a〜211dや各被固着部255a〜255dそれぞれの近傍に予備用ワンウェイネジ281を収納しておくよりも、ケース本体201の構造を簡素化することができるばかりか、予備用ワンウェイネジ281の管理が容易になる。
また、ケース本体201の側壁203の一部に膨出部208aが形成され、該膨出部208aの側方に第2被固着部212が設けられることにより、過って基板収納ケース200’を床等に落下させた場合等においても、ネジ孔211a〜211dや被固着部255a〜255dが容易に破損することが防止されるとともに、膨出部208aの内部に形成された膨出空間S2内に設けられたネジ収納部209に予備用ワンウェイネジ281を収納しておくことができるため、膨出部208aを有効に利用することができるばかりか、主基板31を内部に収納または取り出す際に予備用ワンウェイネジ281が邪魔になることがないように収納しておくことができる。
つまり、膨出部208aと第2被固着部212とが、ケース本体201における一側辺の長手方向に向けて直線状に配設されるとともに、特にネジ孔211a〜211dとネジ収納部209とが一側辺に沿うように配置されることで、ケース本体201外形に凹凸部が形成されることがないので、ケース本体201の構造を簡素化できるばかりか、保管や輸送時における収納性が向上する。
また、ネジ収納部209は、ケース本体201の内部における基板収納空間S1から外側に張り出すように設けられた膨出空間S2内、すなわち、主基板31の封止状態において主基板31と上下方向に重合しない位置に配設されているとともに、主基板31は、膨出空間S2内に張り出さないように設けられていることで、予備用ワンウェイネジ281の収納及び取り出しの際に主基板31と干渉することがない。
さらに、予備用ワンウェイネジ281は、ネジ収納部209の挿入孔209cの上面開口を介して内部に挿入される挿入部であるネジ部283と、該ネジ部283の一端に設けられる頭部284と、から構成され、ネジ収納部209は、予備用ワンウェイネジ281を収納した状態において、頭部284が挿入孔209cの上面開口の外部に突出した状態で保持されるように構成されていることで、予備用ワンウェイネジ281のネジ収納部209からの取り出しが容易になる。
また、主基板31は、複数の電子部品及び基板側コネクタ238a〜238cが実装される実装面31aと該実装面31aと反対側の裏面31bとを有し、ケースカバー202’は、コネクタ238a〜238cに対応する箇所に、該コネクタ238a〜238cの接続口238dをケース外部に開放するためのコネクタ用開口236a〜236cが形成されるとともに、主基板31を取り付け可能に構成され、主基板31は、実装面31aをケースカバー202’により被覆し、かつ、裏面31bをケース本体201に対向させた状態で基板収納ケース200’の内部に封止状態で収納されるため、基板収納ケース200’を開放しても、実装面31aがケースカバー202’により覆われた状態で主基板31が取り付けられていることで、ケースカバー202’からの主基板31の取り外しに時間がかかり、電子部品や基板側コネクタ238a〜238c等に対する不正行為を行いにくくなる。
実施の形態8.
次に、本発明の実施の形態8における主基板31を収納する基板収納ケース200’’の詳細な構造について説明する。図103は、本発明の実施の形態8における基板収納ケースを示す分解斜視図であり、図104は、(a)は図103の要部拡大斜視図であり、(b)は(a)のケース本体の要部を示す平面図であり、図105は、基板収納ケース及び遊技制御基板の組み付け状態を示す分解斜視図であり、図106は、ケースカバーに対する遊技制御基板の取り付け状態を示す斜視図であり、図107は、配線側コネクタ及び基板側コネクタの接続状況を示す斜視図であり、図108は、(a)(b)は配線側コネクタの接続状況を示す断面図であり、図109は、ケース本体とケースカバーとを閉鎖した状態を示す縦断面図であり、図110は、基板収納ケースを示す一部破断側面図であり、図111は、(a)は図110のB−B断面図であり、(b)は図110のC−C断面図である。
基板収納ケース200’’は、図103に示されるように、主基板31の裏面側を覆うケース本体としてのケース本体201と、主基板31の実装面31a(図109参照)側を覆うケースカバー202’’と、から構成され、主基板31を挟持するように組み付けられるものである。尚、主基板31の実装面31aには、特に詳細な図示はしないが、CPU56、RAM55、ROM54等の電子素や、他の基板から延出された配線の一端に設けられた配線側コネクタ等が接続される基板側コネクタ238a〜238c等が多数実装されている。尚、本実施の形態においては、3つの基板側コネクタ238a〜238cが記載されているが、これら実装されるコネクタの実装数量は任意であり、実際には3つ以上のコネクタが実装されることがある。
尚、主基板31は、後述するようにケースカバー202’’の裏面側に取り付けられた状態で基板収納ケース200’’の内部に封止状態で収納されるようになっている。
ケース本体201は、透明な合成樹脂からなり、略長方形状に形成される底板201aと、該底板201aの周囲を囲むように形成された側壁203〜206と、により上面が開放する直方体状に成形されている。側壁205、206の内面には、封止状態(閉鎖状態)において主基板31の裏面周囲を支持する上下方向を向く支持リブ207が複数形成されている。また、側壁203及び後述する閉塞壁216の内面における長手方向の中央位置には、ケースカバー202’’を位置決めするための上下方向を向く位置決め用リブ270が形成されている。
一方の短辺の側壁203は、特に図104(a)に示されるように、長手方向の略中央に位置する中央側壁203aと、該中央側壁203aの左右側方に位置する膨出壁203b,203cと、中央側壁203aと膨出壁203b,203cとを連接する連接壁203dと、により、平面視で略凹状に形成されている。つまり、これら膨出壁203b,203c及び連接壁203dにより、中央側壁203aの長手方向の左右側には、本体内部側から外側に向けて膨出する平面視略長方形状をなす膨出部208a,208bが形成されている。
膨出部208a,208bの内部は、ケース本体201の内部に形成される平面視略長方形状の基板収納空間S1(図104(b)中2点鎖線で囲まれる領域)にそれぞれ連通する膨出空間S2,S3が形成されており、つまり内部が中空状に構成されており、一方の膨出部208aの膨出空間S2内には、後述する複数(本実施の形態では3本)の予備用ワンウェイネジ281を収納するネジ収納部209が設けられている。
ネジ収納部209は、図104(b)に示されるように、ケース本体201の底板201aから立設される側壁203よりも若干低い板状部209aと、該板状部209aの長手方向に向けて所定間隔おきに形成される複数の筒状部209bと、から構成される。各筒状部209bには、予備用ワンウェイネジ281のネジ部の直径よりも若干大径で、かつ、頭部の直径よりも小径の挿入孔209cが上方から所定深さ形成されており、挿入孔209cの上面開口から予備用ワンウェイネジ281を挿通して収納できるようになっている(図111(a)参照)。
板状部209aは、その長手方向の両端が、それぞれ側壁206及び連接壁203dの内面に連設されているとともに、膨出壁203bに対して平行に、基板収納空間S1と膨出空間S2とを区画するように配設されている。また、膨出壁203b,203cの下部には、後述するケースカバー202’’の係止爪251を係止可能な係止穴210がそれぞれ形成されている(図111(a)参照)。
予備用ワンウェイネジ281は、周知のように、一方向の回転によってネジを螺着することができるが、他方向に回転させようとしても回転させることができない、すなわち、そのネジを緩めることができない機能を有するネジである(図104(a)参照)。具体的には、外周に雄ねじ部が形成されたネジ部283と、該ネジ部283の上端に設けられる頭部284と、から構成され、ネジ部283の直径よりも頭部284の直径の方が大径になっている(図111(a)参照)。尚、ワンウェイネジ280も予備用ワンウェイネジ281と同様に構成されているため、ここでの詳細な説明及び図示は省略することとする。
中央側壁203aの外側には、後述するワンウェイネジ280が螺入される複数(本実施の形態では4つ)のネジ孔211a〜211dが形成される第2被固着部212が形成されている。被固着部212は、図104及び図110に示されるように、中央側壁203aの外側における両連接壁203d,203d間に架設されるとともに、ネジ孔211a〜211dが長手方向に向けて所定間隔おきに形成された固着片212aと、該固着片212aの下面における各ネジ孔211a〜211dに対応する箇所から垂下される筒状部212bと、から構成され、ネジ孔211a〜211dは、固着片212aから筒状部212bにかけて所定深さに形成されている。
固着片212aは、中央側壁203a及び両連接壁203dに対向する3辺がそれぞれ側壁203に連設されているとともに、中央側壁203aの反対側の長辺が、膨出壁203b,203dと面一になるように形成されている。つまり、両サイドの膨出部208a,208bよりも外側に突出しないように形成されているため、誤ってケース本体201を落下した場合でも、第2被固着部212が両サイドの膨出部208a,208bにより保護されて損傷しないようになっている。
他方の短寸の側壁204は、図103及び図109に示されるように、その上端から内向きに連設される内向片204aと、該内向片204aの先端から下方に垂設される垂下片204bとが連設されており、これら側壁204、内向片204a及び垂下片204bの内面により、後述するケースカバー202’’の回動枢支片を係止する下向きに開口する被係止凹部215(図109参照)が長手方向に向けて形成されている。
また、図109に示されるように、底板201aにおける被係止凹部215の鉛直下方位置には開口が形成されているとともに、該開口端縁部からは、側壁204よりも高さが低い閉塞壁216が立設されており、封止状態においてケースカバー202’’の側壁下端と底板201aの上面との間を外側から被覆できるようになっている。
底板201aの下面には、パチンコ遊技機1に設けられる基板収納ケース取付板400(図113,114参照)に取り付ける際に、該基板収納ケース取付板400に係止可能な複数の取付板用係止爪217a,217bと、取り付けの際における位置決め用の位置決め片218とが突設されている。
ケースカバー202’’は、透明な合成樹脂からなり、図103及び図104(a)に示されるように、略長方形状に形成される上板220と、該上板220の周縁辺を囲むように形成された側壁230〜233とにより下面が開放する直方体状に形成されている。
上板220には、図105に示されるように、平面視略長方形状に形成された主基板31の実装面31aにおける一方の長辺に沿うように形成された帯状のコネクタ実装領域S10(図105中斜線で示される領域)を被覆するとともに、該コネクタ実装領域S10に実装された複数の基板側コネクタ238a〜238cの接続口238dが臨むコネクタ用開口236a〜236cが形成されている。つまりケースカバー202’’には、基板側コネクタ238a〜238cに配線側コネクタ1290a〜1290cを接続するためのコネクタ用開口236a〜236cが形成されている。
図107及び図108に示されるように、コネクタ用開口236a〜236cは、配線291a〜291cにおける配線側コネクタ2290a〜2290cとは反対側の端部に設けられる配線側コネクタ2290a’〜2290c’を挿通可能な大きさに形成されている。また、上板220の裏面(内側)における各コネクタ用開口236a〜236cの開口端縁からは、所定長さの環状片900が下方に向けて垂設されている。
上板220は、主基板31の実装面31aにおけるコネクタ実装領域S10以外のメイン部品実装領域(図中斜線で示される領域以外の領域)、つまり遊技制御用マイクロコンピュータ560等の電子部品や各種回路等が実装される領域の上方を被覆する。
上板220の裏面四隅には、図106に示されるように、主基板31を取り付けるための基板取付ネジ239が取り付けられるネジ孔240aを有する取付用支柱240が一方の対角線上に2つ突設されているとともに、取り付けの際に位置決め用の位置決め用凸部241が他方の対角線上に2つ突設されており、ケースカバー202’’の裏面側に主基板31を取り付けできるようになっている。
主基板31を取り付けるには、主基板31の実装面31aをケースカバー202’’の裏面に対向させた状態、つまり実装面31aを上方に向けた状態でケースカバー202’’の裏面側に押し当てる。そして、各コネクタ用開口236a〜236cに対応する各コネクタ238a〜238cが臨むように、主基板31における位置決め用凸部241に対応する2つの角部に形成された位置決め孔243をそれぞれ位置決め用凸部241内に挿通して位置決めした状態で、主基板31の取付用支柱240に対応する2つの角部に形成されたネジ取付孔242に基板取付ネジ239を取り付け、ネジ孔240aに基板取付ネジ239を螺入して取り付ける。つまり、これら位置決め用凸部241及び取付用支柱240は基板取付部を構成している。
ここで、配線側コネクタ2290a〜2290cの詳細を、図107及び図108に基づいて説明する。尚、配線側コネクタ2290a〜2290cは大きさが異なるが主要な構造は同一であるため、図107及び図108においては、配線側コネクタ2290bを一例として説明し、他の配線側コネクタ2290a,2290cの説明は省略することとする。
配線側コネクタ2290bは、配線291bが接続される本体部910と、該本体部910の下面から下向きに突設され、基板側コネクタ238bに接続される接続凸部911と、から主に構成される。本体部910は、コネクタ用開口236bに嵌合可能な直方体形状をなし、その上部には、外方に向けて延びる板状のフランジ部912が環状に形成されている。フランジ部912は、環状片900の下端開口を下方から閉塞可能な大きさを有しており、その周縁からは上向きの嵌合片912aが環状に突設されている。
このように構成される配線側コネクタ2290bは、接続凸部911を下方に向けた状態で基板側コネクタ238bに直接接続されるようになっている。つまり、配線側コネクタ2290bは、図106に示されるように、ケースカバー202’’の裏面側に主基板31を取り付ける前に基板側コネクタ238bに接続されるとともに、反対側の配線側コネクタ2290b’をコネクタ用開口236bの裏面側からケースカバー202’’の外方に向けて挿通した状態で、ケースカバー202’’の裏面側の基板取付部に主基板31を取り付けるようになっている。
具体的には、図108(a)に示されるように、まず基板側コネクタ238bに配線側コネクタ2290b’を接続し、この状態で、図108(b)に示されるように、ケースカバー202’’の裏面側の基板取付部に主基板31を取り付ける。これにより、環状片900の下端にフランジ部912が嵌合され、該環状片900の下端開口、つまりコネクタ用開口236bがケースカバー202’’の裏面側(内側)から閉塞されることになるため、ケースカバー202’’の外部から、コネクタ用開口236bを介して針金やセル等の不正器具の進入させることが困難となる。
また、環状片900の下端にフランジ部912が嵌合され、この状態でケースカバー202’’がケース本体201に固着されて開放不能となることで、基板側コネクタ238bからの配線側コネクタ2290bの抜脱が規制される。
また、基板側コネクタ238bと配線側コネクタ2290bとの接続状態を解除するには、ケース本体201とケースカバー202’’との封止状態を解除して開放してケースカバー202’’から主基板31を取り外すことで、簡単に接続状態を解除することができる。
また、フランジ部912の周縁から上向きに突設された環状の嵌合片912aが、環状片900の下端開口に嵌合されることで、環状片900の下端面とフランジ部912の上面とを単に付き合わせる場合に比べて隙間が生じにくくなるため、不正器具の進入を効果的に防止することができる。
ケースカバー202’’に戻って、高被覆面220bの裏面所定箇所には、後述するワンウェイネジ280の頭部284を被覆するキャップ244が複数吊支されたキャップ吊支体245(図105中拡大図参照)を保持する四角柱状のキャップ保持部(図示略)が下向きに凸設されている。キャップ吊支体245に吊支されているキャップ244は、封止の際に使用するワンウェイネジ280及び予備用ワンウェイネジ281の頭部284を被覆するものであり、ワンウェイネジ280及び予備用ワンウェイネジ281の合計数(4個)のキャップを有している。
尚、各キャップ244には下端に係止爪が形成された一対の係止片が設けられており、該係止爪を後述する被固着部255a〜255dの内面に形成された段部に係止することで、被固着部255a〜255dの上面開口を閉塞するように保持されるようになっている。
上板220の上面には、図103に示されるように、パチンコ遊技機1の機種名を記した機種名シール(図示略)を貼着するための機種名表示用凹部247が凹設されているとともに、主基板31を検査した際に書き込む「検査者」や「検査日」等の各項目が記された検査履歴シール(図示略)を貼着するための検査名表示用凹部248が凹設されている。
また、上板220表面には、各被固着部255a〜255dそれぞれに対応する箇所に、後述するようにワンウェイネジ280及びワンウェイネジ281を用いて第1被固着部255及び第2被固着部212とを固着する順番、つまり、各被固着部255a〜255d及び各ネジ孔211a〜211dの使用順序を示す使用順番号(図103、図104中に示す「1,2,3,4」の白抜き数字参照)が印刷等により表示されている。
側壁230におけるケース本体201側の膨出部208a,208bに対応する箇所には、膨出部208a,208bよりもそれぞれ一回り小さい膨出部カバー250a,250bが外側に向けて膨出するように形成されている。つまり、これら膨出部カバー250a,250bは、封止状態において膨出部208a,208bを構成する膨出壁203b,203c及び連接壁203dよりも内側に入り込み、膨出空間S2,S3の上方を閉塞するように構成されている。
これら膨出部カバー250a,250bは、内部が中空状に形成されており、一方の膨出部カバー250bの内部空間は、側壁230によりケースカバー202’’における基板収納空間と区画されて独立した空間となっているとともに(図104参照)、他方の膨出部カバー250aの内部空間は、側壁230における膨出部カバー250aに対応する箇所が切り欠かれていることにより、ケースカバー202’’の基板収納空間と連通している(図111(a)参照)。
膨出部カバー250a,250bにおける膨出部208a,208bに形成された係止穴210に対応する壁部には、下端から上方に向けて切り欠かれた2本のスリットを介して弾性変形自在に構成された係止片252が形成されており、該係止片252の下端には、係止穴210に係止可能な外向きの係止爪251が形成されており、ケース本体201の上面をケースカバー202’’により閉鎖した状態、つまり封止状態において係止爪251が係止穴210に係止されるようになっている。
また、図111(a)に示されるように、前述したネジ収納部209に対応する膨出部カバー250aの上壁裏面254には、膨出部カバー250aの長手方向に向けて延びるネジ規制用リブ253が下方に向けて垂設されている(図104参照)。詳しくは、ネジ規制用リブ253は、ケース本体201の上面をケースカバー202’’により閉鎖した状態、つまり封止状態において、ネジ収納部209の板状部209aの直上に該板状部209aと平行をなすように配置されるように、膨出部カバー250aの上壁裏面254における板状部209aとの対向位置から下方に向けて垂設されている。つまり、上壁裏面254における挿入孔209cの上面開口との対向位置から、該挿入孔209cの上面開口に向けて鉛直方向に向けて所定長さ延設されており、その下端が挿入孔209c内に挿入された各予備用ワンウェイネジ281の頭部284に近接する長さを有している。
このように、上記封止状態において、膨出部カバー250aの上壁裏面254から下方に向けて延設されたネジ規制用リブ253により、ネジ収納部209内に収納された予備用ワンウェイネジ281のネジ収納部209からの逸脱が防止されるようになっているため、ネジ収納部209から予備用ワンウェイネジ281が逸脱して基板収納空間S1内に入り込み、基板を損傷させてしまうこと等が確実に防止される。
図104に示されるように、側壁203における両膨出部カバー250a,250bの間には、複数(本実施の形態では4つ)の四角筒状の被固着部255a〜255dが、ケース本体201の各ネジ孔211a〜211dに対向する箇所に複数形成されており、これら固着部により第1被固着部255が構成されている。
各被固着部255a〜255dは、図110,図111(b)に示されるように、ワンウェイネジ280及び予備用ワンウェイネジ281を挿通可能な四角柱状の筒状部256と、該筒状部256と側壁230とを連接する連接部257と、から構成されており、連接部257を介して筒状部256が側壁230から所定距離離間した状態で配置されているため、連接部257をニッパ等の工具で切断できるようになっている。また、連設部257は、ケースカバー202’’の一側縁である側壁230の外面から外方に向けて複数突設されており、各連設部257の先端に被固着部255a〜255dが設けられている。
筒状部256は、上面が開口する有底の筒体であり、内部にワンウェイネジ280を収納可能な大きさを有しているとともに、底板258には、ワンウェイネジ280の頭部284の直径よりも小径の取付孔259が形成されている。この取付孔259は、封止状態において、各ネジ孔211a〜211dの対向位置に配置されるようになっている。
図103及び図109に示されるように、ケース本体201側の被係止凹部215が形成されている側壁204に対応する側壁231には、先端に被係止凹部215に係止可能な上向きの係止条260が長手方向に向けて延設された係止片261が外方に向けて延設されている。
次に、このように構成されたケース本体201及びケースカバー202’’により、主基板31を内部に収納して封止状態とする状況を説明する。
主基板31を封止状態で収納するには、まず、図106に示されるように、各配線291a〜291cの配線側コネクタ2290a〜2290cを各基板側コネクタ238a〜238cに接続するとともに、各配線291a〜291cにおける他方の端部側に設けられた配線側コネクタ2290a’〜2290c’を、ケースカバー202’’の裏面側からコネクタ用開口236a〜236cに挿通し、ケースカバー202’’の外方に取り出しておく。
そして、ケースカバー202’’の裏面に設けられたキャップ保持部(図示略)に、キャップ吊支体245を取り付けた後、主基板31をケースカバー202’’の裏面側に取り付ける。次いで、図106に示されるように、主基板31の実装面31aをケースカバー202’’の裏面に対向させた状態、つまり実装面31aを上方に向けた状態でケースカバー202’’の裏面側に押し当てる。これにより、各コネクタ用開口236a〜236cの内側に形成された各環状片900の下端開口に、各基板側コネクタ238a〜238cに接続された配線側コネクタ2290a〜2290cの上部に設けられたフランジ部912の上面が当接し、各環状片900の下端開口、つまりコネクタ用開口236a〜236cがケースカバー202’’の内側から閉塞される。尚、各配線291a〜291cはコネクタ用開口236a〜236cを介してケース外部に挿通される。
さらに、主基板31における位置決め用凸部241に対応する2つの角部に形成された位置決め孔243をそれぞれ位置決め用凸部241内に挿通して位置決めした状態で、主基板31の取付用支柱240に対応する2つの角部に形成されたネジ取付孔242に基板取付ネジ239を取り付け、ネジ孔240aに基板取付ネジ239を螺入して取り付ける。
このように、ケースカバー202’’の裏面側に主基板31を取り付けた状態において配線側コネクタ2290bは、図108(b)に示されるように、基板側コネクタ238bに接続されたコネクタ接続状態となるとともに、各環状片900の下端開口にフランジ部912及び嵌合部912aが嵌合されることで、コネクタ用開口236a〜236cがケースカバー202’’の内側から閉塞され、これによりコネクタ用開口236a〜236cからの針金やセル等の不正器具の進入が確実に防止される。さらに、フランジ部912により基板側コネクタ238bからの配線側コネクタ2290bの抜脱が規制される。
一方、ケース本体201の方は、図105に示されるように、ネジ収納部209の挿入孔209c内に、予備用ワンウェイネジ281を収納しておく。このとき、各挿入孔209cの上面開口の上方からネジ部283を挿入孔209c(図104(b)参照)内に挿通するだけで、簡単に収納することができる。この収納状態において、ネジ部283は挿入孔209c内に完全に収納され、頭部284のみが挿入孔209cの上面開口から外部に突出された状態で保持されているため(図111(a)参照)、これら収納された予備用ワンウェイネジ281を使用する際において、頭部284を手で摘むだけで簡単に取り出すことができる。
次いで、主基板31が一体的に取り付けられたケースカバー202’’により、ケース本体201の上面開口を閉鎖する。具体的には、図109に示されるように、ケースカバー202’’の一方の短辺から外方に向けて突設された係止片260が下を向くようにケースカバー202’’を傾斜させた状態、すなわち、主基板31の裏面31bをケース本体201に対向させた状態で、ケース本体201における閉塞壁216の上端と垂下片204bの下端との間に係止片260を差し込む。そして、係止条260を被係止凹部215内に係止させた状態で、該係止部を中心としてケースカバー202’’を図中矢印方向に向けて回転させ、ケースカバー202’’をケース本体201の側壁203〜206により囲まれた空間内に嵌め込む。
ここで、ケース本体201の膨出部208a,208bの膨出空間S2,S3内に膨出部カバー250a,250bが嵌め込まれて、両係止爪251がそれぞれ係止穴210の開口上端縁に係止される。これにより、ケースカバー202’’の一方の短辺側が係止条260と被係止凹部215とにより係止されるとともに、他方の短辺側が係止爪251と係止孔251とにより係止され、ケースカバー202’’がケース本体201に対して仮止めされる。尚、この状態では、係止穴210の外方からそれぞれの係止爪251を内側に向けて押し込むことで係止状態を解除することで、ケースカバー202’’を簡単に開放させることができる。
この状態において、膨出部カバー250aの上壁裏面254から下方に向けて延設されたネジ規制用リブ253の下端が、ネジ収納部209に収納された3本の予備用ワンウェイネジ281の頭部284に近接した状態で配置されるため、予備用ワンウェイネジ281がネジ収納部209から逸脱して基板収納空間S1内に入り込み、主基板31の配線パターン等を傷つけて断線させてしまうこと等が防止される。
また、ケースカバー202’’の各側壁230〜233の下端が、ケース本体201の側壁203〜206の上端よりも下方に深く入り込んだ状態となるため、ケース本体201とケースカバー202’’との間から針金等の異物を進入しにくくなる。
また、ネジ収納部209は、膨出部208aの膨出空間S2内に設けられているため、主基板31が基板収納空間S1内におけるネジ収納部209の上端よりも下方位置に配置された状態においても(図111(b)参照)、ネジ収納部209と干渉することがない。
さらにこの状態において、図110に示されるように、ケース本体201の第2被固着部212の上方に、ケースカバー202’’の第1被固着部255が配置される。詳しくは、固着片212aの上面に各被固着部255a〜255dが載置されると、各ネジ孔211a〜211dと各取付孔259とが合致し、ワンウェイネジ280を挿通可能な状態となる。ここで、4つの被固着部255a〜255dのうち、いずれか1つの筒状部256(ここでは前述したようにケースカバー202’’に表示されている使用順番号「1」に対応する被固着部255dの筒状部256)の上面開口からワンウェイネジ280を挿入し、ネジ部283の先端を取付孔259に差し込んだ状態で、マイナスドライバー等の工具によりワンウェイネジ280を時計回りにねじ込む(図104参照)。
これにより、図110に示されるように、ネジ部283の外周に形成された雄ねじのねじ切り作用により、ネジ部283が取付孔259を貫通して、固着片212a及び筒状部212b内に貫通形成されたネジ孔211a内に螺入され、固着片212a及び被固着部255d、つまり第2被固着部212と第1被固着部255とがワンウェイネジ280を介して固着(カシメ)される。
すなわち、ケースカバー202’’は、一方の短辺側の係止条260が被係止凹部215により係止され、他方の短辺側がワンウェイネジ280を介して固着されていることにより、ケース本体201に対してケースカバー202’’が開放不能に固着され、主基板31は、実装面31a及び裏面31bがこれらケース本体201及びケースカバー202’’により被覆された状態で、基板収納ケース200’’内に封止状態で収納される。
尚、ワンウェイネジ280を完全にねじ込んだ後、その上方から、所定の色に着色された色付接着剤Zを筒状部256内に注入した後、キャップ244を筒状体255dの上面開口に嵌め込んで、頭部284の上面に形成された溝等を被覆することにより、ワンウェイネジ280を取り外しにくくすることができる。
さらに、透明な合成樹脂材からなる筒状部256内に色付接着剤Zが注入されることで、ワンウェイネジ280に対する何らかのアクセスがあった場合において、色付接着剤Zが抉り取られた痕跡等が色により視認しやすくなるため、透明な筒状部256外部からでも不正行為の痕跡を発見しやすくなる。
また、この封止状態を解除してケースカバー202’’を開放しようとする場合、前述したようにワンウェイネジ280を反時計回りに回して取り外すことはできないため、ケース本体201またはケースカバー202’’の一部を破壊するか、あるいは、連接部257をニッパ等の工具により切断し、固着片212aにワンウェイネジ280を介して固着されている被固着部255aの筒状部256をケースカバー202’’から切り離すしかない。
つまり、破壊または切断のいずれの方法をとるにせよ、封止状態を解除してケースカバー202’’を開放した場合には、破壊または切断の痕跡が残ることになるため、例えば不正行為によりケースカバー202’’が開放された場合でも、早期のうちに不正行為が行われたことを発見することができる。これにより、万が一不正な遊技プログラムが格納されたROMを有する遊技制御基板等にすりかえられた場合でも、早期に発見して対処することができるため、その状態で遊技が行われて遊技店が不利益を被ることを回避することができる。
次に、第2被固着部212と第1被固着部255とをワンウェイネジ280を介して固着して封止状態を構成した後、主基板31の故障や検査等により主基板31を取り出すために封止状態を解除し、再度封止状態とする場合について説明する。
尚、このようにネジ孔211a〜211d及び被固着部255a〜255dを複数形成し、繰り返し封止状態とすることができるようにするのは、例えばメーカーが主基板31を遊技店等に出荷する際に、主基板31を基板収納ケース200’’内に封止状態で収納するために、1つのネジ孔211a〜211d及び被固着部255a〜255dを使用した後、遊技店において、上記のように主基板31が故障して交換する場合や検査等を行うために主基板31を取り出す場合等において、封止状態を解除することがある。その後再度封止状態とする際に他のネジ孔211a〜211d及び被固着部255a〜255dを使用するため、これらが第2被固着部212及び第1被固着部255が複数必要となる。
まず、ケースカバー202’’を開放したときに、キャップ吊支体245からキャップ244を1つ分離して取り出しておくとともに、ネジ収納部209から予備用ワンウェイネジ281を1本取り出しておく。そして、前述と同様に、ケース本体201の上面開口をケースカバー202’’により閉鎖する。ここで、まだ連接部257が切断されていない被固着部255b〜255dのうちいずれかの筒状部(例えば前述した使用順番号「2」に対応する被固着部255b)に予備用ワンウェイネジ281を挿入し、ネジ孔211bに螺入することで、前述と同様に第2被固着部212と第1被固着部255とを固着して封止状態を構成することができる。
このように、第2被固着部212としてのネジ孔211a〜211d及び第1被固着部255としての被固着部255a〜255dが複数設けられているため、ケース本体201やケースカバー202’’の一部を破壊することなく連接部257を切断するだけで、基板収納ケース200’’を交換すること等なく、封止状態を解除した後でも、封止状態を複数回繰り返し構成することができる。
以上説明したように、基板収納ケース200’’にあっては、主基板31をケースカバー202’’の裏面に取り付ける前に、配線側コネクタ2290a〜2290cを基板側コネクタ238a〜238cに接続するだけで、該接続した配線側コネクタ2290a〜2290cと環状片900の下端開口との間、つまりコネクタ用開口236a〜236cとの間の隙間が内側閉塞部としてのフランジ部912及び嵌合部912aによりケースカバー202’’の内側から閉塞されることで、配線側コネクタ2290a〜2290cとコネクタ用開口236a〜236cとの間の隙間から不正器具を進入させることが困難となる。
このように配線側コネクタ2290a〜2290cをケースカバー202’’の内側で基板側コネクタ238a〜238cに接続した状態で、ケースカバー202’’の裏面側の基板取付部に主基板31を取り付けるだけで、該接続した配線側コネクタ2290a〜2290cとコネクタ用開口236a〜236cとの間の隙間が生じなくなるため、配線側コネクタ2290a〜2290cとコネクタ用開口236a〜236cとの間の隙間から針金やセル等の不正器具を進入させることが困難となるとともに、さらに前記隙間の上方がケースカバー202’’の内側から内側閉塞部であるフランジ部912により閉塞されるため、針金やセル等の不正器具の進入がより困難となる。
また、主基板31がケースカバー202’’の基板取付部(位置決め用凸部241及び取付用支柱240)に取り付けられることで、基板収納ケース200’’の封止状態を不正に解除してケースカバー202’’を開放するだけでは実装面31aの被覆状態を解除することはできず、前記基板取付部から主基板31を取り外す必要があり、手間と時間がかかることになるため、不正器具による主基板31に対する不正行為を効果的に防止できる。
また、基板側コネクタ238a〜238cに配線側コネクタ2290a〜2290cを接続した状態で、ケースカバー202’’に主基板31を取り付けることで、配線側コネクタ2290a〜2290cの基板側コネクタ238a〜238cからの抜脱が当接規制される。
また、複数のうち少なくとも一対の第1被固着部としてのネジ孔211a〜211d及び第2被固着部としての被固着部255a〜255d同士を固着部材としてのワンウェイネジ280により固着することで、主基板31を封止状態とすることができるとともに、基板収納ケース200’’を破壊するかもしくは固着されたネジ孔211a〜211dの連接部257を切断することで、封止状態を解除してケースカバー202’’を開放することができる。さらに連接部を切断するなどして封止状態を解除した後でも、未使用の一対のネジ孔211a〜211d及び被固着部255a〜255d同士を予備用ワンウェイネジ281により固着することで、再度主基板31を封止状態でケース内部に収納することができる。
また、基板収納ケース200’’を開放することにより、ネジ収納部209の挿入孔209cの上面開口が開放されるため、予備用ワンウェイネジ281をネジ収納部209に簡単に収納及び取り出すことができるとともに、ネジ収納部209に収納された予備用ワンウェイネジ281は、主基板31の封止状態においてネジ収納部209からの逸脱が、規制部としてのネジ規制用リブ253の下端との当接により規制されるため、逸脱した予備用ワンウェイネジ281により主基板31が損傷することを防止できる。
さらに、ネジ規制用リブ253が、膨出部カバー250aの上壁裏面254からネジ収納部209の挿入孔209cの上面開口に向けて下方に延設されていることで、ネジ収納部209の配設位置が、ケースカバー202’’やケース本体201の形状により制限されたり、あるいはケースカバー202’’やケース本体201の形状をネジ収納部209の配設位置に合わせて形成する必要がないので、基板収納ケース200’’の設計が煩雑になることを回避できる。
具体的は、例えばネジ収納部209に収納された予備用ワンウェイネジ281の頭部284からケースカバー202’’の裏面までの距離が、予備用ワンウェイネジ281の長さよりも大きい場合には、予備用ワンウェイネジ281がネジ収納部209から逸脱する虞がある。そこで、例えばケースカバー202’’におけるネジ収納部209に対応する箇所を該ネジ収納部209の挿入孔209cの上面開口に極力近接させようとすると、ケースカバー202’’全体の形状、あるいはネジ収納部209の配設位置を設計変更しなければならないが、ケースカバー202’’の裏面所定箇所からネジ規制用リブ253を延設することで、ケースカバー202’’全体の形状やネジ収納部209の配設位置を設計変更しないで済む。
また、ネジ規制用リブ253は、3つの予備用ワンウェイネジ281の逸脱を規制できるように、上壁裏面254の長手方向にわたって延設されていることで、膨出部カバー250aの強度が高まる。これにより、例えばケースカバー202’’を過って床等に落下させてしまった場合等において、膨出部カバー250aが破壊されにくくなるので、その側方に設けられる第1被固着部255の保護作用が効果的に高まる。
また、第2被固着部212及び第1被固着部255の前後側方に膨出部208a,208bが設けられることで、いずれか一側方のみに設けられている場合に比べて、これら第2被固着部212及び第1被固着部255がより効果的に保護される。
また、膨出部208aの膨出空間S2内に設けられたネジ収納部209は、複数本の予備用ワンウェイネジ281をまとめて収納可能であるため、各ネジ孔211a〜211dや各被固着部255a〜255dそれぞれの近傍に予備用ワンウェイネジ281を収納しておくよりも、ケース本体201の構造を簡素化することができるばかりか、予備用ワンウェイネジ281の管理が容易になる。
また、ケース本体201の側壁203の一部に膨出部208aが形成され、該膨出部208aの側方に第2被固着部212が設けられることにより、過って基板収納ケース200’’を床等に落下させた場合等においても、ネジ孔211a〜211dや被固着部255a〜255dが容易に破損することが防止されるとともに、膨出部208aの内部に形成された膨出空間S2内に設けられたネジ収納部209に予備用ワンウェイネジ281を収納しておくことができるため、膨出部208aを有効に利用することができるばかりか、主基板31を内部に収納または取り出す際に予備用ワンウェイネジ281が邪魔になることがないように収納しておくことができる。
つまり、膨出部208aと第2被固着部212とが、ケース本体201における一側辺の長手方向に向けて直線状に配設されるとともに、特にネジ孔211a〜211dとネジ収納部209とが一側辺に沿うように配置されることで、ケース本体201外形に凹凸部が形成されることがないので、ケース本体201の構造を簡素化できるばかりか、保管や輸送時における収納性が向上する。
また、ネジ収納部209は、ケース本体201の内部における基板収納空間S1から外側に張り出すように設けられた膨出空間S2内、すなわち、主基板31の封止状態において主基板31と上下方向に重合しない位置に配設されているとともに、主基板31は、膨出空間S2内に張り出さないように設けられていることで、予備用ワンウェイネジ281の収納及び取り出しの際に主基板31と干渉することがない。
さらに、予備用ワンウェイネジ281は、ネジ収納部209の挿入孔209cの上面開口を介して内部に挿入される挿入部であるネジ部283と、該ネジ部283の一端に設けられる頭部284と、から構成され、ネジ収納部209は、予備用ワンウェイネジ281を収納した状態において、頭部284が挿入孔209cの上面開口の外部に突出した状態で保持されるように構成されていることで、予備用ワンウェイネジ281のネジ収納部209からの取り出しが容易になる。
また、主基板31は、複数の電子部品及び基板側コネクタ238a〜238cが実装される実装面31aと該実装面31aと反対側の裏面31bとを有し、ケースカバー202’’は、基板側コネクタ238a〜238cに配線側コネクタ2290a〜2290cを接続するためのコネクタ用開口236a〜236cが形成されるとともに、主基板31を取り付け可能に構成され、主基板31は、実装面31aをケースカバー202’’により被覆し、かつ、裏面31bをケース本体201に対向させた状態で基板収納ケース200’’の内部に封止状態で収納されるため、基板収納ケース200’’を開放しても、実装面31aがケースカバー202’’により覆われた状態で主基板31が取り付けられていることで、ケースカバー202’’からの主基板31の取り外しに時間がかかり、電子部品や基板側コネクタ238a〜238c等に対する不正行為を行いにくくなる。
図112には、実施の形態8における変形例としての配線側コネクタ3290a〜3290cが示されている。図112は、実施の形態8における変形例としての配線側コネクタ及び基板側コネクタの接続状況を示す斜視図である。
上記実施の形態8では、フランジ部912が配線側コネクタ2290a〜2290cの上部に一体的に形成されていたが、図112に示されるように、嵌合部912a’を有するフランジ部912’が、配線側コネクタ3290a〜3290cの本体部910とは別個に設けられていてもよい。この場合、このフランジ部912’を配線291bに装着するために、フランジ部912’の中央に配線挿通口912cを形成するとともに、該配線挿通口912cからフランジ部912の周縁に向けて配線挿通用スリット912bを連設し、配線291bを配線挿通用スリット912bを介して配線挿通口912c内に挿通することで、フランジ部912’を配線に直接装着できるようにしてもよい。
このようにフランジ部912’を配線側コネクタ3290a〜3290cの本体部910とは別個に形成することで、配線側コネクタ3290a〜3290cの構造が簡素化され、特殊な形状のコネクタを製造することなく、汎用の配線側コネクタを利用することができるため、製造コストを効果的に低減することができる。
つまり、本発明の内側閉塞部は、ケース本体201及びケースカバー202の封止状態において該ケースカバー202の内側に配置されるものであればよく、上記実施の形態8に記載のフランジ部912のように配線側コネクタに一体的に設けられていてもよいし、変形例のフランジ部912’のように配線側コネクタとは別個に設けられるものでもよい。
また、上記ケース本体201及びケースカバー202の封止状態において該ケースカバー202の内側に配置されるとは、具体的には、ケース本体201及びケースカバー202の封止状態において、前述したフランジ部912,912’のように、基板側コネクタに接続された配線側コネクタにより、該配線側コネクタとコネクタ用開口との間の隙間をケースカバー201の内側から閉塞した状態で保持されるように配置されることが好ましい。
さらに、本発明の内側閉塞部が閉塞する配線側コネクタとコネクタ用開口との間の隙間とは、配線側コネクタの上面とコネクタ用開口との間、または配線側コネクタの側周面(外周面)とコネクタ用開口との間の隙間等を含む。
次に、上記実施の形態6〜8における基板収納ケース200,200’、200’’のパチンコ遊技機1への取付構造について、図113及び図114に基づいて説明する。図113は、基板収納ケース及び基板収納ケース取付板を示す斜視図であり、図114は、(a)は基板収納ケース取付板に対する基板収納ケースの取付状況を示す横断面図であり、(b)は基板収納ケース取付板に基板収納ケースが取り付けられた状態を示す横断面図であり、(c)は(b)のD−D断面図である。尚、ここでは基板収納ケース200を一例に説明するが、他の基板収納ケース200’、200’’も同様に取り付けることができる。
図113に示される基板収納ケース取付板400(以下、ケース取付板400と略称する)は、一面が開口する四角箱状に形成された本体部401と、本体部401における開口の左右一対の短辺から外向きに連設された取付片402と、から構成されており、パチンコ遊技機1の遊技盤6の背面側所定箇所に、該遊技盤6の裏面に対して開口を対向させた状態で取り付けられるようになっている。尚、実施の形態6〜8では、ケース取付板400は遊技盤6の背面に取り付けられるようになっているが、取付位置は特に限定されるものではなく、例えばパチンコ遊技機1の背面側の任意の位置に取り付け可能である。
左右の取付片402,402には、遊技盤6の背面に螺入されるケース取付ネジ404,704を取り付けるための取付孔403,403が上下2箇所にそれぞれ取り付けられており、遊技盤6の背面側からネジ止めできるようになっている。
本体部401の背面側には、基板収納ケース200を取り付けるための平坦状のケース取付面401aが形成されており、該ケース取付面401aには、2つの上向きフック形状の取付板用係止爪217aを内部に向けて挿通可能な挿通部405cと、該挿通部405cから側方に向けて連設された横向きのスリット溝405dとからなる係止穴705aと、2つの上向きフック形状の取付板用係止爪217bを内部に向けて挿通可能な挿通部405cと、該挿通部405cから側方に向けて連設された横向きのスリット溝405dとからなる係止穴405bと、縦向きの位置決め片218が挿通可能な挿通口406と、が形成されている。
また、ケース取付面401aの裏面側における挿通口406の近傍位置には、基板収納ケース200のスライド移動を規制して、ケース取付面401aに対して基板収納ケース200を結合するための結合手段を構成する回動レバー407が、回動軸407aを中心として回動自在に設けられている。回動レバー407の先端には、挿通口406内に挿通された位置決め片218の側面に当接可能な当接面407bが形成されているとともに、該当接面407bの上部には、位置決め片218の上端縁に当接して逸脱方向への回転を規制するためのストッパ片407cが突設されている。
ここで、基板収納ケース200のケース取付板400への取り付け状況について、図114に基づいて説明する。基板収納ケース200を遊技盤6の背面に取り付ける場合、まず、図114(a)に示されるように、ケース取付板400が遊技盤6から取り外されている状態で、ケース取付板400に基板収納ケース200を取り付け、該基板収納ケース200が取り付けられたケース取付板400を遊技盤6の背面に取り付ける。
具体的には、まず、回動レバー407を図114(c)中2点鎖線で示すように垂直姿勢に保持しておく。そして、基板収納ケース200の各取付板用係止爪217a,217bを各係止穴705a,705bの挿通部405cに、位置決め片218を挿通口406に対向させた状態で、基板収納ケース200の底面をケース取付面401aに当接させる。これにより各取付板用係止爪217a,217bが挿通部405c内に挿通されるとともに、位置決め片218が挿通口406に挿通される。そしてこの状態で、基板収納ケース200を図中向かって左側にスライド移動させることで、各取付板用係止爪217a,217bの基部が挿通部405cからスリット溝405d内に入り込むとともに、位置決め片218が挿通口406の右側から左側に移動し、左側の開口端縁に当接される。
上向き及び下向きの取付板用係止爪217a,217bの基部が挿通部405cからスリット溝405d内に入り込むことで、上下の取付板用係止爪217a,217bの先端がそれぞれケース取付面401aの背面に係止され、基板収納ケース200のケース取付面401aからの離脱が規制される。さらに、この状態で垂直姿勢に保持されている回動レバー407を手動により位置決め片218側に倒伏(回転)させて水平姿勢とすることで(図114(c)参照)、当接面407bが位置決め片218の側面に当接され、これにより挿通口406内における位置決め片218の左右方向の移動が規制される。
つまり、回動レバー407の突っ張り作用により基板収納ケース200の左右移動が規制されることで、スリット溝405d内に位置する各取付板用係止爪217a,217bの挿通部405c側への移動が規制され、これにより基板収納ケース200のケース取付板400からの離脱が規制される。つまり、基板収納ケース200がケース取付板400に結合された状態となる。
尚、この状態において、ストッパ片407cが位置決め片218の上端縁に当接されることで、回動レバー407の下方への回転が規制されるため、回動レバー407が水平姿勢から回転して当接面407bが位置決め片218の側面から離脱することが防止される。尚、このような水平姿勢での回動規制は、例えば本体部401の背面から突設したストッパピン(図示略)等により行うようにしてもよい。
そして、このように基板収納ケース200をケース取付板400に取り付けた(結合した)状態で、図114(b)に示されるように、ケース取付板400を、その本体部401の開口を遊技盤6の背面に対向させた状態で取付片402を所定の取付位置に配置した状態で当接させ、各取付孔403に取り付けたケース取付ネジ404を遊技盤6に螺入し、遊技盤6に取り付けることで、ケース取付板400を介して基板収納ケース200が遊技盤6の背面に取り付けられる。
このようにケース取付板400が遊技盤6の背面に取り付けられた状態において、各取付板用係止爪217a,217bや位置決め片218及び回動レバー407はケース取付板400の本体部401の内部に収容された状態で隠蔽されるため、外部から触れることができない。つまり、ケース取付板400を遊技盤6から取り外さない限り、回動レバー407を回動して結合状態を解除することができないため、基板収納ケース200をパチンコ遊技機1から取り出すのに手間と時間がかかることになるので、主基板31を不正な制御基板にすり替えられることを抑制できる。
また、スリット溝701dと各取付板用係止爪217a,217bとの間及び挿通部701cや、位置決め片218と挿通口406の開口端縁との間に形成される隙間は、取り付けられた基板収納ケース200により閉塞されてしまうため、これらの間から不正器具等を進入させることも困難となる。
逆に基板収納ケース200を遊技盤6から取り外すには、まずケース取付板400を遊技盤6から取り外し、本体部401の開口を開放して回動レバー407を回転させて結合(取り付け)状態を解除すればよい。
尚、ここでは位置決め片218のスライド移動を規制して基板収納ケース200をケース取付板400に対して結合した状態で維持することが可能な回動レバー407が本体部401の内部に設けられ、ケース取付板400を遊技盤6から取り外さない限り基板収納ケース200をパチンコ遊技機1から取り外すことができないようになっていたが、基板収納ケース200をケース取付板400に結合及び解除可能な結合手段は、上記回動レバー407のみに限定されるものではなく、基板収納ケース200をケース取付板400に対して取り付け、つまり結合できるものであれば種々に変更可能である。
また、回動レバー407は、遊技盤6への取り付け状態において本体部401内に隠蔽されるようになっていたが、ケース取付板400を遊技機の一部を構成する遊技盤6から取り外さない限り結合及び解除操作ができない状態とされるようになっていれば、ケース取付板400は上記のように必ずしも一面が開口する箱状に形成されていなくてもよい。
以上、本発明の実施の形態を図面により説明してきたが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
例えば、上記実施の形態6〜8では、1つの基板収納ケースに対して1種類の配線側コネクタが基板側コネクタに接続される場合のケースカバーが適用されていたが、1つの基板収納ケースに対して複数種類の配線側コネクタが基板側コネクタに接続される場合のケースカバーが適用されていてもよい。
このような場合、例えば基板側コネクタ238a〜238cに接続可能な配線側コネクタとして、配線側コネクタ290a〜290c,1290a〜1290c,2290a〜2290c,3290a〜3290cのうちいずれか2種類以上のコネクタが基板側コネクタに接続可能とされていてもよい。
また、上記実施の形態7においては、実施の形態6に記載のコネクタ規制部材500が設けられていないが、上記実施の形態7における基板収納ケース200’を、コネクタ規制部材500を配設可能な構成としてもよい。
また、上記実施の形態6〜8におけるケース本体201には、予備用ワンウェイネジ281を収納するネジ収納部209が設けられていたが、必ずしもケース本体201に設けられていなくてもよい。
また、上記実施の形態6〜8の基板収納ケース200,200’,200’’は、必ずしもケース取付板700を介して遊技盤6に取り付けられていなくてもよく、遊技盤6や他の場所に直接取り付けるようにしてもよい。
また、前記実施の形態6〜8では、主基板31の実装面31aに対して基板側コネクタ238a〜238cが垂直に、つまり、接続口238cを上向きに開口した状態で実装され、コネクタ用開口236a〜236cがケースカバー202の上板220に形成されていたが、接続口238cが側方に向けた状態で実装され、コネクタ用開口236a〜236cがケースカバー202の側面に形成されていてもよい。
また、前記実施の形態6では、ケースカバー202に形成された凹部234にコネクタ用開口236a〜236cが形成されていたが、必ずしも凹部234にコネクタ用開口236a〜236cを形成しなくてもよい。
また、前記実施の形態6のコネクタ規制部材500は、複数の配線側コネクタ290a〜290cを当接規制及び被覆可能に構成されているが、各コネクタを個別に当接規制可能に装着できるようにしてもよい。
また、前記実施の形態6のコネクタ規制部材500は、配線側コネクタ290a〜290cの本体上面に当接して抜脱を規制するようになっていたが、当接する部位は本体上面に限定されるものではなく、例えばコネクタの本体であれば、該本体の側面等であってもよい。
また、前記実施の形態6のコネクタ規制部材500は、ケース本体201及びケースカバー202の封止状態においてケース内部に配置される下板500c及び間隙部505に配置される垂直板500bにより基板収納ケース200に保持されるようになっていたが、例えばコネクタ規制部材の所定箇所をネジ等によりケースカバー202に直接取り付けることで保持されるようにしてもよい。
この場合、ケースカバー202にコネクタ規制部材を取り付けるネジが、ケース本体201及びケースカバー202の封止状態において、ケース本体201またはケースカバー202により被覆されるようにすることで、コネクタ規制部材を取り外せないようにする(取り外す場合にはその痕跡が残るようにする)ことが好ましい。また、前記ネジとして前述したワンウェイネジ等を適用することでコネクタ規制部材を取り外せないようにしてもよい。
また、前記実施の形態6の基板収納ケース200では、封止状態において、ケース本体201の側壁205の内面とケースカバー202の長辺220dとの間に、該側壁205に沿うように間隙部505が直線状に延設されていたが、側壁205の一部または複数の間隙部505が所定間隔おきに形成されるようにしてもよい。さらに、これら間隙部505に変えて、コネクタ規制部材500の一部である差込片部をケース内部に配置可能とする差込孔等を、ケースカバー202に形成してもよい。
また、前記実施の形態6のコネクタ規制部材500は、下板500cが主基板31の裏面31bに当接することにより上方への移動が規制されるようになっていたが、封止状態においてケース内部に配置される下板500cや垂直板500bの一部を、ケース内部における主基板31以外の所定箇所、例えばケース本体201の側壁205内面やケースカバー202の裏面等に当接されることにより上方への移動が規制されるようにしてもよい。
また、前記実施の形態6〜8では、ネジ収納部209からの予備用ワンウェイネジ281の逸脱を当接規制する規制部としてのネジ規制用リブ253は、封止状態においてケースカバー202におけるネジ収納部209の直上位置、すなわち収納口との対向面から下方に向けて延設されていたが、封止状態においてネジ収納部209からの予備用ワンウェイネジ281の逸脱を当接規制可能であれば、ネジ規制用リブ253の端部とケースカバー202の内面との連接位置は収納口との対向面に限定されるものではなく、対向面以外の箇所、例えば膨出部カバー250aの内面側方から水平方向に延設されていてもよい。
また、前記実施の形態6〜8では、ネジ規制用リブ253が、膨出部カバー250aの内面における長手方向にわたって延びる板状に構成されていたが、各予備用ワンウェイネジ281をそれぞれ個別に当接規制可能な柱状部材にて構成されていてもよい。
また、前記実施の形態6〜8では、ネジ収納部209が予備用ワンウェイネジ281のネジ部283を挿入可能な挿入孔209cにて形成され、収納時において頭部284が外部に突出するようになっていたが、予備用ワンウェイネジ281全体が収納されるように構成されていてもよい。
また、前記実施の形態6〜8では、膨出部208aは、平面視略長方形状に形成されていたが、形状は種々に変形可能であり、例えば半円形状等に形成されていてもよい。
また、前記実施の形態6〜8では、膨出部カバー250aは膨出部208aの周壁内側に嵌まり込むように構成されていたが、周壁の外側に嵌まり込むようにしてもよい。
また、前記実施の形態6〜8の基板収納ケースは、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1に設けられるものであったが、スロットマシン等の他の遊技機にも適用可能である。
また、前記実施の形態6〜8では、基板収納ケースは主基板31を内部に収納可能なケースとして説明してきたが、内部に収納する制御基板は上記遊技制御基板に限定されるものではなく、例えば払出制御基板37や演出制御基板80等を収納するケースであってもよく、これらにもコネクタ規制部材を適用可能である。
また、前記実施の形態6〜8では、主に基板収納ケースが開放されて主基板31が不正な制御基板に交換されること等を防止するための構造を記載してきたが、例えば制御基板を含む基板収納ケースごと遊技機から取り外されて制御基板や基板収納ケースが交換されることを防止することを目的として、例えばケース本体201及びケースカバー202,202’、202’’のうちの一方または双方の所定箇所に、製造番号や固有の識別番号(ID)等が記憶されたICタグ等を設けておき、該ICタグに記憶されている正規な製造番号や固有の識別番号(ID)等を所定の読み取り装置により適宜読み出して遊技店側等で確認できるようにすることで、制御基板を含む基板収納ケースそのものが不正に交換されることを防止するようにしてもよい。
さらにこの場合、このようなICタグを、例えばケース本体201とケースカバー202,202’、202’’とを跨ぐように貼着され、ケースカバーを開放したときには破断して再封印することができない脆性体からなるいわゆる封印シールに一体的に設けたり、あるいは該封印シールによりケース本体やケースカバーに貼着することが好ましい。このようにすれば、ICタグ自体が不正なICタグに交換されたり、紛失していることを読み取り装置により判定できるため、早期のうちに対処できる。また、製造番号や固有の識別番号(ID)等をこのような封印シールに視認可能に印刷してもよい。
上記の実施の形態のパチンコ遊技機は、主として、始動入賞にもとづいて可変表示部に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄になると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機であったが、始動入賞にもとづいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機や、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続するパチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。さらに、遊技メダルを投入して賭け数を設定し遊技を行うスロット機や、遊技メダルではなく遊技球を投入して賭け数を設定し遊技を行う遊技機などにも本発明を適用できる。