以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図であり、図2はパチンコ遊技機を示す背面図である。なお、以下の説明において、図1の手前側をパチンコ遊技機の前面(表面)側、奥側を背面(裏面)側として説明する。パチンコ遊技機の前面(表面)とは、遊技者側からパチンコ遊技機1を見たときに遊技者と対向する面である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠100(図2参照)と、外枠100に開閉可能に取り付けられた前面枠101(図2参照)と、で主に構成されている。前面枠101の前面には、ガラス扉枠102および上皿扉枠103がそれぞれ一側を中心に開閉可能に設けられているとともに、下皿枠104が取り付けられている。また、前面枠101の背面側には、機構部品等が取り付けられる機構板105(図2参照)が一側を中心にして開閉可能に取り付けられている。
図1に示すように、ガラス扉枠102の下方に取り付けられた上皿扉枠103の前面には、遊技媒体(遊技球)としての遊技球(打球)を貯留可能な打球供給皿(上皿)3が設けられている。打球供給皿3の下方には、打球供給皿3から溢れた遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)4が設けられている。その側方には、遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠102の背面には、前面枠101に対して着脱可能に取り付けられた遊技盤6が配置されている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の飾り図柄を変動表示する複数の変動表示領域を含む演出表示装置(可変表示装置)9が設けられている。また、演出表示装置9の上部には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての特別図柄を変動表示する特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8が設けられている。演出表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの変動表示領域(図柄表示エリア)がある。演出表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄であって、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての飾り図柄の変動表示を行なう。演出表示装置9は、後述する演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ110(図3参照)によって制御される。特別図柄表示器8は表示部が小型であるので、変動表示の態様および変動表示の表示結果は、演出表示装置9の表示結果に比べて見づらい。よって、遊技者は主として演出表示装置9の方に注目する。
特別図柄表示器8は、例えば0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。特別図柄表示器8は、遊技者に当りの種類を把握しづらくさせるために、0〜99など、より多種類の数字を変動表示するように構成されていてもよい。また、演出表示装置9は、例えば、液晶表示装置で実現される。演出表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、飾り図柄の変動表示を行なう。
演出表示装置9の下方には、遊技球を受け入れ可能な入賞領域としての第1始動口15aおよび第2始動口15bを有する始動入賞装置15が設けられている。始動入賞装置15において、上部に第1始動口15aが設けられ、その下部に第2始動口15bが設けられている。第2始動口15bの左右には、開閉動作をすることが可能な態様で一対の可動片13が設けられている。第1始動口15aは、常に遊技球の進入(受け入れ)が可能な状態になっている。第2始動口15bの上方に第1始動口15aの周囲の構造物が設けられ、左右に可動片13が設けられているので、第2始動口15bは、可動片13が閉状態であるときに遊技球の進入(受け入れ)が不可能な状態になり、可動片13が開状態であるときに遊技球の進入(受け入れ)が可能な状態になる。
なお、始動入賞装置15は、可動片13が閉状態になっている状態において、第2始動口15bに入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。また、始動口として、入賞のしやすさが変化しない第1始動口15aのみが設けられていてもよく、可動片13の開閉動作によって入賞のしやすさが変化する第2始動口15bのみが設けられていてもよい。
始動入賞装置15の可動片13は、所定の開放条件が成立したときに、ソレノイド(普通電動役物ソレノイド)16によって駆動されることによって閉状態から所定期間開状態にされた後、閉状態にされる。始動入賞装置15の可動片13が開状態になることによって、遊技球が第2始動口15bに入賞し易くなる(始動入賞し易くなり)。また、始動入賞装置15の可動片13が閉状態になることによって、遊技球が第2始動口15bに入賞しなくなる(始動入賞しにくくなり)。第1始動口15aに入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ14aによって検出される。また、第2始動口15bに入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14bによって検出される。
演出表示装置9の下部には、第1始動口15aまたは第2始動口15bに入った有効入賞球の記憶数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう)数を表示する4つの特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。特別図柄保留記憶表示器18は、保留記憶数を入賞順に4個まで表示する。特別図柄保留記憶表示器18は、第1始動口15aまたは第2始動口15bに始動入賞があるごとに、点灯状態のLEDの数を1増やす。そして、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、点灯状態のLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。具体的には、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、点灯状態をシフトする。なお、この例では、第1始動口15aまたは第2始動口15bへの入賞による保留記憶数に上限数(4個まで)が設けられているが、保留記憶数の上限数を、4個以上の値にしてもよく、4個よりも少ない値にしてもよい。
始動入賞装置15の下部には、ソレノイド(大入賞口扉ソレノイド)21によって開閉される開閉板を用いた特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、開閉板によって開閉される大入賞口を形成する。大当り遊技状態において開閉板が遊技者にとって有利な開状態(第1の状態)に制御され、大当り遊技状態以外の状態において開閉板が遊技者にとって不利な閉状態(第2の状態)に制御される。大入賞口に入賞した遊技球は、カウントスイッチ23で検出される。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10における変動表示が開始される。この実施の形態では、左右のLED(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、例えば、変動表示の終了時に左側のLEDが点灯すれば当りになる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)になると、始動入賞装置15の可動片13の開放条件が成立し、始動入賞装置15における可動片13が所定回数、所定時間だけ開状態になる。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した有効通過球の記憶数、すなわち、始動通過記憶数を表示する4つのLEDによる普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過があるごとに、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10における変動表示が開始されるごとに、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6には、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞領域として、第1通常入賞口29および第2通常入賞口30が設けられる。第1通常入賞口29への遊技球の入賞は、入賞口スイッチ(第1通常入賞口スイッチ)29aによって検出される。第2通常入賞口30への遊技球の入賞は、入賞口スイッチ(第2通常入賞口スイッチ)30aによって検出される。なお、第1始動口15a、第2始動口15b、および、大入賞口も、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。また、遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を回収するアウト口26がある。
遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠LED28a(図3参照)が内蔵される天枠発光部28Hと、左枠LED28b(図3参照)が内蔵される左発光部28Lおよび右枠LED28c(図3参照)が内蔵される右発光部28Rが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。これら天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾用LEDは、パチンコ遊技機1に設けられている装飾発光体の一例である。なお、上述した演出用(装飾用)の各種LEDの他にも演出のためのLEDやランプが設置されている。
そして、この例では、左発光部28Lの所定箇所に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの所定箇所に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。さらに、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、「カードユニット」という。)50が、パチンコ遊技機1に隣接して設置されている。
上皿扉枠103の前面における打球供給皿3の左右側方から打球供給皿3の左右側面にかけて、供給皿左LED300aを有する供給皿左発光部300Lと、供給皿右LED300bを有する供給皿右発光部300Rとが設けられている。打球供給皿3の前面には、打球供給皿3の内部に設けられた供給皿前LED301aを有する供給皿前発光部301が設けられている。さらに、余剰球受皿4の周縁上面には、受皿発光部302が設けられている。受皿発光部302は、余剰球受皿4の内部に設けられた受皿LED302aを含む。
装飾LED25、天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28c、供給皿左LED300a、供給皿右LED300b、供給皿左右外LED300c、供給皿前LED301a、受皿LED302a等の各種発光手段には、LEDドライバ基板35から点灯のための駆動信号が供給される。また、スピーカ27には、音声出力基板70から音声出力信号が供給される。
遊技者の操作に応じて打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が、第1始動口15aに入り第1始動口スイッチ14aで検出されるか、または、第2始動口15bに入り第2始動口スイッチ14bで検出されると、特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8において特別図柄が変動表示を始める。特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、保留記憶数を1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示は、所定の変動時間(変動開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄であると、大当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20による大入賞口が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するまで開放する開放制御が行われる。開放制御は、所定回(所定ラウンド:例えば15ラウンド)継続する。なお、大入賞口の開放中に大入賞口内に設けられているV入賞領域に入賞したことを条件に、次ラウンドが開始されるようにしてもよい。
停止時の特別図柄表示器8における特別図柄が大当り図柄のうちのあらかじめ定められた特別な大当り図柄(確変大当り図柄)である場合には、大当り遊技状態後に大当りとすると判定される確率が、通常状態であるときに比べて高くなる確率変動状態(確変状態:高確率状態ともいう。)という遊技者にとってさらに有利な状態になる。
また、高確率状態では、普通図柄表示器10の変動時間(変動開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御も行われる。さらに、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、始動入賞装置15の可動片13の開放時間が長くされ、かつ、開放回数が増加する。また、大当り遊技が終了すると、所定期間、時短状態(特別図柄および飾り図柄の変動時間が短縮される状態)に制御される。時短状態は、特別図柄の変動(可変表示)が所定回数(100回)行なわれるまで継続する。
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図2を参照して説明する。図2に示すように、パチンコ遊技機1裏面側では、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ110が搭載された演出制御基板80を含む変動表示制御ユニット49、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、音声出力基板70、LEDドライバ基板(図示せず)、および、球払出制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている。なお、遊技制御基板31は基板収納ケース200に収納されている。
さらに、パチンコ遊技機1裏面側には、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板910やタッチセンサ基板91Aが設けられている。電源基板910には、パチンコ遊技機1における遊技制御基板31および各電気部品制御基板(演出制御基板80および払出制御基板37)やパチンコ遊技機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチが設けられている。さらに、電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
なお、電気部品制御基板には、電気部品制御用マイクロコンピュータを含む電気部品制御手段が搭載されている。電気部品制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)に従ってパチンコ遊技機1に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、演出表示装置9、LEDなどの発光体、スピーカ27等)を制御する。以下、遊技制御基板31を電気部品制御基板に含めて説明を行なうことがある。その場合には、電気部品制御基板に搭載される電気部品制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号に従ってパチンコ遊技機1に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、遊技制御基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。
パチンコ遊技機1裏面において、上方には、各種情報をパチンコ遊技機1の外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板159が設置されている。ターミナル基板159には、少なくとも、球切れ検出スイッチ167の出力を導入して外部出力するための球切れ用端子、賞球情報(賞球個数信号)を外部出力するための賞球用端子および球貸し情報(球貸し個数信号)を外部出力するための球貸し用端子が設けられている。また、中央付近には、遊技制御基板31からの各種情報をパチンコ遊技機1外部に出力するための各端子を備えた情報端子板(盤用外部端子板)36が設置されている。
貯留タンク38に貯留された遊技球は誘導レール(図示せず)を通り、カーブ樋を経て払出ケース40Aで覆われた球払出装置97に至る。球払出装置97の上方には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチ187が設けられている。球切れスイッチ187が球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止する。球切れスイッチ187は遊技球通路内の遊技球の有無を検出するスイッチであるが、貯留タンク38内の補給球の不足を検出する球切れ検出スイッチ167も誘導レールにおける上流部分(貯留タンク38に近接する部分)に設けられている。球切れ検出スイッチ167が遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構からパチンコ遊技機1に対して遊技球の補給が行なわれる。
入賞にもとづく景品としての遊技球や球貸し要求にもとづく遊技球が多数払出されて打球供給皿3が満杯になると、遊技球は、余剰球誘導通路を経て余剰球受皿4に導かれる。さらに遊技球が払出されると、感知レバー(図示せず)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチ48(図3参照)を押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチ48がオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。
図3は、遊技制御基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、パチンコ遊技機1に搭載されている払出制御基板37、LEDドライバ基板35、音声出力基板70、インタフェース基板66、中継基板(周辺コマンド中継基板)177、および、演出制御基板80も示されている。主基板(遊技制御基板)31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路(遊技制御手段に相当)に相当する遊技制御用マイクロコンピュータ560と、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ(普通入賞口スイッチ)29a,30aを遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58と、始動入賞装置15の可動片13を開閉するソレノイド16、および特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59と、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って各種の情報信号をホール管理コンピュータ等のパチンコ遊技機1の外部に設けられた装置に出力する情報出力回路53とが搭載されている。情報出力回路53から出力された情報信号は、情報端子基板36を介して、パチンコ遊技機1の外部(例えば、遊技機の遊技データを収集するホールコンピュータ)に出力される。
情報出力回路53から出力される情報信号として、例えば、大当り1情報信号、大当り2情報信号、大当り3情報信号、高確率情報信号、時短情報信号、第1始動情報信号、第2始動情報信号がある。
大当り1情報信号、大当り2情報信号および大当り3情報信号は、大当りの発生を示す信号であるが、それぞれ、確変大当り、非確変大当り等の大当りの種類を示す情報を含む。高確率情報信号は、確変状態であるか否かを示す信号である。時短情報信号は、時短状態であるか否かを示す信号である。第1始動情報信号は、第1始動口15aに遊技球が入賞したことを示す信号である。第2始動情報信号は、第2始動口15bに遊技球が入賞したことを示す信号である。
なお、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、遊技球を検出できる遊技媒体検出手段(この例では遊技球検出手段)であれば、その名称を問わない。入賞検出を行なう第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30aは、遊技球の入賞を検出する入賞検出手段でもある。
なお、ゲート32のような通過ゲートであっても、賞球の払出しが行なわれるものであれば、通過ゲートへ遊技球が進入することが入賞になる。その場合には、通過ゲートに設けられているスイッチ(例えばゲートスイッチ32a)が入賞検出手段になる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する変動データ記憶手段)としてのRAM55、およびプログラムに従って制御動作を行なうプロセッサであるCPU56、および、I/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。なお、1チップマイクロコンピュータは、CPU56の他に少なくともRAM55が内蔵されていればよい。また、ROM54およびI/Oポート部57は、外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
主基板31には、ホワイトノイズにもとづくハードウェア乱数を発生する乱数発生回路506が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、所定の時期に乱数発生回路506が出力するデータを入力し、入力したデータを、乱数を生成するためのカウンタ(RAM55の領域)に設定する。
遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、CPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行する。従って、以下に説明するような遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的にはCPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、遊技制御基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。また、遊技制御手段は、CPU56を含む遊技制御用マイクロコンピュータ560で実現されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電源電力の供給が停止したときである電源断時でも、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップデータとして、RAM55に保存される。制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを、遊技の進行状態を示すデータと定義する。この実施の形態では、RAM55の全部の記憶領域が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板910からのリセット信号が入力される。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560は動作停止状態になる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(遊技制御基板31を含む)に搭載してもよいし、複数の電気部品制御基板のうち一つまたは複数にリセット回路を搭載し、そこからリセット信号を他の電気部品制御基板に供給するようにしてもよい。
さらに、電源基板910からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力される。電源断信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートに入力される。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力される。
図3に示すように、主基板31には、照合機365を接続することが可能である。照合機365は、主基板31が正規の基板であるか否かを、主基板31に一意に付与されている基板ID(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560固有のIDナンバ)にもとづいて判定し、判定結果を表示する機器である。主基板31が備えるROM54には、主基板31自身に一意に与えられている基板IDが登録されている。照合機365には、主基板31に一意に付与されている基板IDがあらかじめ格納されている。照合機365は、主基板31から照合端子364(図46参照)を介して送られてきた基板IDと、自己が保存している主基板31の基板IDとを照合し、一致すれば照合OK側のランプを点灯させ、一致しなければ照合NG側のランプを点灯させる。
図4は、中継基板177、演出制御基板80、LEDドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図4に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、LEDドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。また、ここでは、LEDドライバ基板35を例示するが、遊技機に設けられているLED以外の発光体(ランプ等)を駆動する回路も搭載されている場合には、ランプドライバ基板とも表現される。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、ROMおよびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ110を搭載している。なお、ROMおよびRAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板177を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に、演出表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板177から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板177への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
さらに、中継基板177には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板177への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路177Aが搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図4には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板177から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板177からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図3に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板177側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してLEDドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
LEDドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ381を介してLEDドライバ382に入力される。LEDドライバ382は、LEDを駆動する信号を増幅して天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28c、供給皿左LED300a、供給皿右LED300b、供給皿左右外LED300c、供給皿前LED301a、受皿LED302aなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾LED25に供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(飾り図柄、背景図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ110と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ110とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
実施の形態1.
各制御基板には、配線束(ハーネス)側コネクタが接続される基板側コネクタが設けられているが、基板側コネクタからハーネス側コネクタを容易に外すことができると、正規部品が接続されたハーネスを抜いて、不正部品が接続されたハーネスが接続されるおそれがある。そこで、以下、主基板31における基板側コネクタからハーネス側コネクタを容易に外すことができないようにして不正行為を防止するとともに、主基板31以外の他の制御基板またはスイッチ等の電気部品の側のコネクタ接続(ハーネス側コネクタと基板側コネクタとの接続)を外して不正基板に接続することによって主基板31に対してハーネスを介して不正基板を接続するような不正行為を防止するための構造を説明する。
まず、主基板31を収納する基板収納ケース200の構造を説明する。図5は、基板収納ケースを示す分解斜視図であり、図6(a)は、図5に示された基板収納ケース200の要部を示す拡大斜視図であり、図6(b)は、図6(a)に示されたケース本体の要部を示す平面図である。図7は、基板収納ケース200および主基板31の組み付け状態を示す分解斜視図である。図8は、ケースカバー202に対する主基板31の取り付け状態を示す斜視図である。図9は、配線側コネクタの接続状況を示す斜視図である。図10は、コネクタ規制部材の取り付け状況を示す斜視図である。図11は、ケース本体201とケースカバー202とを閉鎖した状態を示す縦断面図である。図12は、基板収納ケース200の封止状態を示す斜視図である。図13は、図12に示す基板収納ケース200のA−A断面を示す断面図である。図14は、基板収納ケース200を示す一部破断側面図である。図15(a)は、図14に示す基板収納ケース200のB−B断面を示す断面図である。図15(b)は、図14に示す基板収納ケース200のC−C断面を示す断面図である。
基板収納ケース200は、図5に示すように、主基板31の裏面側を覆うケース本体201と、主基板31の実装面31a(図11参照)側を覆うケースカバー202とを含み、主基板31を挟持するように組み付けられる。なお、主基板31の実装面31aには、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の電子部品や、他の基板から延出された配線の一端に設けられた配線側コネクタ等が接続される基板側コネクタ238a〜238c等が実装されている。なお、この実施の形態では、3つの基板側コネクタ238a〜238cが例示されているが、実装されるコネクタの数は任意であり、実際には3つ以上のコネクタが実装されることがある。
また、基板収納ケース200は、ケースカバー201の外側に装着され、基板側コネクタ238a〜238cに接続される配線側コネクタ(ハーネス側コネクタ)290a〜290cの抜脱を防止するためのコネクタ規制部材500を備えている。なお、主基板31は、ケースカバー202の裏面側に取り付けられた状態で基板収納ケース200の内部に封止状態で収納される。
ケース本体201は、透明な合成樹脂からなり、略長方形状に形成される底板201aと、底板201aの周囲を囲むように形成された側壁203〜206とで、上面が開放する直方体状に成形されている。側壁205、206の内面には、図12に示す封止状態(閉鎖状態)において主基板31の裏面周囲を支持する上下方向を向く支持リブ207が複数形成されている。また、側壁203および閉塞壁216の内面における長手方向の中央位置には、ケースカバー202を位置決めするための上下方向を向く位置決め用リブ270が形成されている。
一方の短辺の側壁203は、図6(a)に示すように、長手方向の略中央に位置する中央側壁203aと、中央側壁203aの左右側方に位置する膨出壁203b,203cと、中央側壁203aと膨出壁203b,203cとを連接する連接壁203dとで、略凹状に形成されている。つまり、膨出壁203b,203cと連接壁203dとで、中央側壁203aの長手方向の左右側に、本体内部側から外側に向けて膨出する略長方形状の膨出部208a,208bが形成されている。
膨出部208a,208bの内部は、ケース本体201の内部に形成される略長方形状の基板収納空間S1(図6(b)において2点鎖線で囲まれる領域)にそれぞれ連通する膨出空間S2,S3が形成されている。つまり、内部が中空状に構成されている。一方の膨出部208aの膨出空間S2内には、複数(この実施の形態では3本)の予備用ワンウェイねじ281を収納するねじ収納部209が設けられている。
ねじ収納部209は、図6(b)に示すように、ケース本体201の底板201aから立設される側壁203よりも若干低い板状部209aと、板状部209aの長手方向に向けて所定間隔おきに形成される複数の筒状部209bとで構成される。各筒状部209bには、予備用ワンウェイねじ281のねじ部の直径よりも若干大径で、かつ、頭部の直径よりも小径の所定深さの挿入孔209cが形成されている。挿入孔209cには、上面開口から予備用ワンウェイねじ281を挿通して収納できる(図15(a)参照)。
板状部209aは、長手方向の両端が、それぞれ側壁206および連接壁203dの内面に連設されている。また、板状部209aは、膨出壁203bに対して平行に、基板収納空間S1と膨出空間S2とを区画するように配設されている。また、膨出壁203b,203cの下部には、ケースカバー202の係止爪251を係止可能な係止穴210がそれぞれ形成されている(図15(a)参照)。
予備用ワンウェイねじ281は、一方向の回転によってねじ止めされる。しかし、他方向に回転させようとしても回転させることができない、すなわち、そのねじを緩めることができない機能を有するねじである(図6参照)。具体的には、外周に雄ねじ部が形成されたねじ部283と、ねじ部283の上端に設けられる頭部284とで構成され、ねじ部283の直径よりも頭部284の直径の方が大径になっている(図15(a)参照)。なお、ワンウェイねじ280も予備用ワンウェイねじ281と同様に構成されている。
中央側壁203aの外側には、ワンウェイねじ280がねじ止めされる複数(この実施の形態では4つ)のねじ穴211a〜211dが形成される第2被固着部212が形成されている。被固着部212は、図6および図14に示すように、中央側壁203aの外側における両連接壁203d,203d間に架設されるとともに、ねじ穴211a〜211dが長手方向に向けて所定間隔おきに形成された固着片212aと、固着片212aの下面における各ねじ穴211a〜211dに対応する箇所から垂下される筒状部212bとで構成され、ねじ穴211a〜211dは、固着片212aから筒状部212bにかけて所定深さに形成されている。
固着片212aは、側壁203に連設されている。固着片212aにおける3辺が、側壁203における中央側壁203aおよび両連接壁203dに接している。また、固着片212aにおける中央側壁203aの反対側の長辺が、膨出壁203b,203dと同じ平面上にくるように形成されている。つまり、両サイドの膨出部208a,208bよりも外側に突出しないように形成されている。よって、誤ってケース本体201を落下した場合でも、第2被固着部212が両サイドの膨出部208a,208bによって保護されて損傷しない。
他方の短寸の側壁204には、図5および図11に示すように、その上端から内向きに連設される内向片204aと、内向片204aの先端から下方に垂れ下がるように形成されている垂下片204bとが連設されている。側壁204、内向片204aおよび垂下片204bの内面によって、ケースカバー202の回動枢支片を係止する下向きに開口する被係止凹部215(図11参照)が長手方向に向けて形成されている。
また、図11に示すように、底板201aにおける被係止凹部215の下方には開口が形成されている。そして、開口端縁部から、側壁204よりも高さが低い閉塞壁216が立ち上がるように設けられ、封止状態においてケースカバー202の側壁下端と底板201aの上面との間が外側から被覆される。
底板201aの下面には、ケース本体201をパチンコ遊技機1に設けられる基板収納ケース取付板(図示略)に取り付ける際に、基板収納ケース取付板に係止可能な複数の取付板用係止爪217と、取り付けの際における位置決め用の位置決め片218とが突出するように設けられている。
ケースカバー202は、透明な合成樹脂で形成され、図5および図6(a)に示すように、略長方形状に形成される上板220と、上板220の周縁辺のうちの3つの縁辺を囲むように形成された側壁230〜232とによって下面が開放する直方体状に形成されている。上板220における2つの長辺のうち一方側は、長手方向に向けて下方に凹設され、上板220の一部に所定幅を有する帯状の凹部234が形成されている。
具体的には、上板220は、図7および図13に示すように、実装面31aとの対向面(裏面)が実装面31にほぼ当接する位置に設けられている低被覆面部220aと、低被覆面部220aよりも実装面31aから離間した位置に設けられる高被覆面部220bと、低被覆面部220aと高被覆面部220bとを連設する傾斜被覆面部220cとで構成され、低被覆面部220aおよび傾斜被覆面部220cによって凹部234が形成されている。
低被覆面部220aは、図7に示すように、平面視略長方形状に形成された主基板31の実装面31aにおける一方の長辺に沿うように形成された帯状のコネクタ実装領域S10(図7において斜線で示される領域)を被覆するとともに、コネクタ実装領域S10に実装された複数の基板側コネクタ238a〜238cの接続口238dおよび本体上部を通してケースカバー202の外部に通過させるためのコネクタ用開口236a〜236cが形成されている。
また、低被覆面部220aの裏面は、主基板31が取り付けられた状態で、図13に示すように主基板31の実装面31aにほぼ当接する。なお、各コネクタ用開口236a〜236cにおいて、開口端縁と各種コネクタ238a〜238cの本体側面との間から針金等の異物や配線等が容易に入れないように、開口端縁と各種コネクタ238a〜238cの本体側面との間は、例えば約1mm以内の隙間になるように形成されている。
高被覆面部220bは、主基板31の実装面31aにおけるコネクタ実装領域S10以外のメイン部品実装領域(図中斜線で示される領域以外の領域)すなわち遊技制御用マイクロコンピュータ560等の電子部品や各種回路等が実装される領域の上方を被覆するために、低被覆面部220aよりも高い位置、つまり低被覆面部220aに比べて実装面31aから離れた位置に配置される。
傾斜被覆面部220cは、高被覆面部220bの一側縁から低被覆面部220aの一側縁に向けて下方に傾斜するように設けられている。高被覆面部220b側の上部には、コネクタ規制部材500に形成された複数の係止爪501が係合される複数の係合穴502が長手方向に向けて所定間隔おきに形成されている。
上板220の裏面四隅には、図8に示すように、主基板31を取り付けるための基板取付ねじ239が取り付けられるねじ穴240aを有する取付用支柱240が一方の対角線上に2つ突出するように設けられている。また、取り付けの際の位置決め用の位置決め用凸部241が他方の対角線上に2つ突出するように設けられ、ケースカバー202の裏面側に主基板31を取り付けできるようになっている。
主基板31を取り付けるときには、主基板31の実装面31aをケースカバー202の裏面に対向させた状態、つまり実装面31aを上方に向けた状態でケースカバー202の裏面側に主基板31を押し当てる。そして、各コネクタ用開口236a〜236cから各コネクタ238a〜238cが通過するように、主基板31における位置決め用凸部241に対応する2つの角部に形成された位置決め孔243をそれぞれ位置決め用凸部241内に挿通して位置決めした状態で、主基板31の取付用支柱240に対応する2つの角部に形成されたねじ取付孔242に基板取付ねじ239を取り付け、ねじ穴240aに基板取付ねじ239をねじ止めする。
ケースカバー202に主基板31を取り付けた状態において、上板220における低被覆面220aの裏面と実装面31aとが対向してほぼ当接した状態になる(図13参照)。よって、各コネクタ用開口236a〜236cの開口端縁と各種コネクタ238a〜238cの本体側面との間から針金等の異物や配線等を差し込んでも、遊技制御用マイクロコンピュータ等が実装されている主基板31の中央部に向けて進入することが困難であり、不正行為が効果的に防止される。
また、高被覆面220bの裏面所定箇所には、ワンウェイねじ280の頭部284を被覆するキャップ244が複数繋げられたキャップ吊支体245(図7における拡大図参照)を保持する四角柱状のキャップ保持部(図示略)が下向きに設けられている。キャップ吊支体245におけるキャップ244は、封止の際に使用するワンウェイねじ280および予備用ワンウェイねじ281の頭部284を被覆するものであり、ワンウェイねじ280および予備用ワンウェイねじ281の合計数(4個)のキャップを有している。
なお、各キャップ244には下端に係止爪が形成された一対の係止片が設けられている。係止爪を被固着部255a〜255dの内面に形成された段部に係止することによって、キャップ244は、被固着部255a〜255dの上面開口を閉塞するように保持される。
上板220の上面には、図5に示すように、パチンコ遊技機1の機種名を記した機種名シール(図示略)を貼着するための機種名表示用凹部247と、主基板31を検査した際に書き込む「検査者」や「検査日」等の各項目が記された検査履歴シール(図示略)を貼着するための検査名表示用凹部248が設けられている。
側壁230におけるケース本体201側の膨出部208a,208bに対応する箇所には、膨出部208a,208bよりも一回り小さい膨出部カバー250a,250bが外側に向けて膨出するように形成されている。膨出部カバー250a,250bは、封止状態において膨出部208a,208bを構成する膨出壁203b,203cおよび連接壁203dよりも内側に入り込み、膨出空間S2,S3の上方を閉塞する。
膨出部カバー250a,250bは、内部が中空状に形成され、一方の膨出部カバー250bの内部空間は、側壁230によりケースカバー202における基板収納空間と区画されて独立した空間となっている(図6参照)。他方の膨出部カバー250aの内部空間は、側壁230における膨出部カバー250aに対応する箇所が切り欠かれ、ケースカバー202の基板収納空間と連通する(図15(a)参照)。
膨出部カバー250a,250bにおける膨出部208a,208bに形成された係止穴210に対応する壁部には、下端から上方に向けて切り欠かれた2本のスリットを介して弾性変形自在に構成された係止片252が形成されている。係止片252の下端には、係止穴210に係止可能な外向きの係止爪251が形成され、ケース本体201の上面をケースカバー202により閉鎖した状態、つまり封止状態において係止爪251が係止穴210に係止される。
また、図15(a)に示すように、ねじ収納部209に対応する膨出部カバー250aの上壁裏面254には、膨出部カバー250aの長手方向に向けて延びるねじ規制用リブ253が下方に向かって設けられている(図6参照)。具体的には、ねじ規制用リブ253は、ケース本体201の上面をケースカバー202により閉鎖した状態、つまり封止状態において、ねじ収納部209の板状部209aの直上に板状部209aと平行になるように配置されるように、膨出部カバー250aの上壁裏面254における板状部209aとの対向位置から下方に向かって設けられている。つまり、上壁裏面254における挿入孔209cの上面開口との対向位置から、挿入孔209cの上面開口に向けて所定長さ延設されている。具体的には、その下端が挿入孔209c内に挿入された各予備用ワンウェイねじ281の頭部284に近接する長さを有している。
封止状態において、膨出部カバー250aの上壁裏面254から下方に向けて延設されたねじ規制用リブ253によって、ねじ収納部209内に収納された予備用ワンウェイねじ281のねじ収納部209からの逸脱が防止される。すなわち、ねじ収納部209から予備用ワンウェイねじ281が逸脱して基板収納空間S1内に入り込み、基板を損傷させてしまうこと等が確実に防止される。
図6に示すように、側壁203における両膨出部カバー250a,250bの間には、複数(この実施の形態では4つ)の四角筒状の被固着部255a〜255dが、ケース本体201の各ねじ穴211a〜211dに対向する箇所に複数形成されている。それらの固着部によって第1被固着部255が構成されている。
各被固着部255a〜255dは、図14および図15(b)に示すように、ワンウェイねじ280および予備用ワンウェイねじ281を挿通可能な四角柱状の筒状部256と、筒状部256と側壁230とを連接する連接部(ケースカバー202の一部)257とで構成されている。そして、連接部257を介して筒状部256が側壁230から所定距離離間した状態で配置されている。よって、連接部257をニッパ等の工具で切断できる。また、連接部257は、ケースカバー202の一側縁である側壁230の外面から外方に向けて複数設けられ、各連接部257の先端に被固着部255a〜255dが設けられている。
筒状部256は、上面が開口する有底の筒体であり、内部にワンウェイねじ280を収納可能な大きさを有しているとともに、底板258には、ワンウェイねじ280の頭部284の直径よりも小径の取付孔259が形成されている。取付孔259は、封止状態において、各ねじ穴211a〜211dの対向位置に配置される。
図5および図11に示すように、ケース本体201側の被係止凹部215が形成されている側壁204に対応する側壁231には、先端に被係止凹部215に係止可能な上向きの係止条260が長手方向に設けられた係止片261が、外方に向けて設けられている。
このように構成されたケース本体201およびケースカバー202は、ケース本体201の上面開口がケースカバー202で塞がれた状態において、ケース本体201の側壁205の内面と、ケースカバー202の低被覆面部220aにおける側壁205の内面との対向辺である長辺220d(図9参照)端面との間に、垂直板500bを挿通可能な間隙部505が、側壁205の内面に沿って形成される(図13参照)。
次に、コネクタ規制部材500の構造について説明する。コネクタ規制部材500は、透明な合成樹脂材からなる板部材で形成され、図10に示すように、ケースカバー202の外側に装着可能に構成されている。板材の幅寸法は、ケースカバー202の長辺202dにおける長手方向の幅寸法よりも若干短い。コネクタ規制部材500は、装着時においてケースカバー202における低被覆面220aよりも若干大きめに形成される上板500aと、上板500aの外端から下方に向けて設けられる垂直板500bと、垂直板500bの下端から上板500aと平行になるように同方向に設けられる下板500cとで、略コ字形に形成されている。
上板500aにおける長辺500dには、複数の係合穴502のそれぞれに差し込み可能に、かつ、弾性変形可能に構成される。また、先端に上向きの係止爪501が形成された係止片が上板500aとほぼ平行になるように突出して設けられ、係止片を係合穴502からケースカバー202内に通した状態において、ケースカバー202の裏面における係合穴502の上縁に係止爪501が係止されるように形成されている。
上板500aには、各配線側コネクタ290a〜290cから延びる配線291a〜291cを通過させることが可能な細長長方形状の配線挿通用開口503a〜503cが長手方向に向けて形成されている。各配線挿通用開口503a〜503cから長辺500dに向けて、各配線291a〜291cを通すことが可能な配線挿通用スリット504a〜504cが設けられている。
各配線291a〜291cは、いわゆるフラットケーブルである。よって、配線挿通用開口503a〜503cおよび配線挿通用スリット504a〜504cは、横長長方形状に形成されている。すなわち、配線挿通用開口503a〜503cは、長辺および短辺が、配線側コネクタ290a〜290c本体の長辺および短辺よりも短く形成され、配線側コネクタ290a〜290cを通過させることは不可能であり、かつ、配線291a〜291cを通過させることが可能に形成されている。また、配線挿通用スリット504a〜504cは、配線291a〜291cを配線挿通用スリット504a〜504cに対して平行にした状態で長辺500d側から差し込み可能な幅寸法に形成されている。
よって、各配線291a〜291cを、長辺500d側から配線挿通用スリット504a〜504c内に差し込んで配線挿通用開口503a〜503cまで引き込むことによって、配線挿通用開口503a〜503c内に配置することができる。
また、これら配線挿通用スリット504a〜504cは、配線挿通用開口503a〜503cの開口長縁辺に対して傾斜するように、かつ、互いに平行に形成されているとともに、開口長縁辺における長手方向の中央位置から長辺500d側に向けて斜めに延設されている。これにより、配線挿通用スリット504a〜504cを介して引き込んだ配線291a〜291cを、配線挿通用開口503a〜503c内に斜めに進入させることができるため、配線挿通用開口503a〜503c内にスムーズに進入させることができる。
また、開口長縁辺の長手方向の中央位置から配線挿通用スリット504a〜504cが設けられているので、配線挿通用開口503a〜503c内に配線291a〜291cを配置した状態において、配線291a〜291cの列方向の両端が配線挿通用スリット504a〜504cとの連接部から離れ、配線291a〜291cが配線挿通用スリット504a〜504c内に逆戻りすることがない。すなわち、配線挿通用スリット504a〜504cの幅は、配線挿通用開口503a〜503cの一辺よりも狭い。
下板500cは、垂直板500bの下端から上板500aと同方向に向けて設けられ、その幅は、主基板31の短辺の幅寸法よりも若干短い。つまり、主基板31の裏面31b(実装面31aの反対面)ほぼ全域を被覆可能な長さである(図13参照)。
このように形成されたコネクタ規制部材500は、基板側コネクタ238a〜238cに接続された配線側コネクタ290a〜290cからの各配線291a〜291cを、配線挿通用スリット504a〜504cを介して配線挿通用開口503a〜503c内を通過させた後、ケースカバー202に対して側方から近接させ、係止爪501を係合穴502に差し込んで一端をケースカバー202に係止させることによって、ケースカバー202に対して仮止めすることができる。
この状態において、上板500aにより低被覆面部220aの上方および外側方が上板500aおよび垂直板500bにより被覆されるとともに、主基板31の裏面31bが下板500cにより被覆される。
次に、このように構成されたケース本体201とケースカバー202とで、主基板31を内部に収納して封止状態とするとともに、コネクタ規制部材500により配線側コネクタ290a〜290cを抜くことを規制する状況を説明する。
主基板31を封止状態で収納するときには、まず、ケースカバー202の裏面に設けられたキャップ保持部(図示略)に、キャップ吊支体245を取り付けた後、主基板31をケースカバー202の裏面側に取り付ける。具体的には、図8に示すように、主基板31の実装面31aをケースカバー202の裏面に対向させた状態、つまり実装面31aを上方に向けた状態でケースカバー202の裏面側に押し当てる。そして、各コネクタ用開口236a〜236cに各基板側コネクタ238a〜238cが通るように、主基板31における位置決め用凸部241に対応する2つの角部に形成された位置決め孔243をそれぞれ位置決め用凸部241内に通して位置決めした状態で、主基板31の取付用支柱240に対応する2つの角部に形成されたねじ取付孔242に基板取付ねじ239を取り付け、ねじ穴240aに基板取付ねじ239をねじ止めする。
図9に示すように、主基板31をケースカバー202の裏面側に取り付けた状態において、各コネクタ用開口236a〜236cから、各基板側コネクタ238a〜238c本体上部がケースカバー202の外部に露出される。つまり、各基板側コネクタ238a〜238cの本体上面に形成された接続口238dがケースカバー202の外部に上向きに開放されるため、ケースカバー202に配線側コネクタ290a〜290cを通すことなく、各基板側コネクタ238a〜238cの接続口238dに各配線側コネクタ290a〜290cを差し込んで接続することができる。
次いで、図10に示すように、各基板側コネクタ238a〜238cに接続された各配線側コネクタ290a〜290cからの各配線291a〜291cを、長辺500d側から配線挿通用スリット504a〜504c内に差し込み、配線挿通用開口503a〜503c内を通した後、ケースカバー202に対して側方から近接させ、係止爪501を係合穴502に差し込んで一端をケースカバー202に係止させることによって、ケースカバー202に対して仮止めする。
このように、各基板側コネクタ238a〜238cに各配線291a〜291cの配線側コネクタ290a〜290cを接続した状態で、各配線291a〜291cを配線挿通用開口503a〜503cに簡単に通すことができる。また、配線291a〜291cにおける配線側コネクタ290a〜290cとは反対側の端部に設けられる配線側コネクタ(図示略)等を、配線挿通用開口503a〜503cを通過させる必要がない上に、例えば、配線291a〜291cにおける配線側コネクタ290a〜290cとは反対側の端部が図示しない他の基板に対してコネクタ等を介さずに直接接続されている場合であっても、配線側コネクタ290a〜290cを配線挿通用開口503a〜503cを通過させる必要がなく、上板500aに大きな開口を形成しなくて済む。よって、コネクタ規制部材500の強度低下が防止される。
ケース本体201において、図7に示すように、ねじ収納部209の挿入孔209c内に、予備用ワンウェイねじ281を収納しておく。このとき、各挿入孔209cの上面開口の上方からねじ部283を挿入孔209c(図6(b)参照)内に通すだけで、簡単に収納することができる。この収納状態において、ねじ部283は挿入孔209c内に完全に収納され、頭部284のみが挿入孔209cの上面開口から外部に突出された状態で保持されている(図15(a)参照)。よって、収納された予備用ワンウェイねじ281を使用する際に、頭部284を手で摘むだけで簡単に取り出すことができる。
次いで、主基板31が一体的に取り付けられるとともに、コネクタ規制部材500が外側に仮止めされたケースカバー202で、ケース本体201の上面開口を閉鎖する。具体的には、図11に示すように、ケースカバー202の一方の短辺から外方に向けて突設された係止片260が下を向くようにケースカバー202を傾斜させた状態、すなわち、主基板31の裏面31bをケース本体201に対向させた状態で、ケース本体201における閉塞壁216の上端と垂下片204bの下端との間に係止片260を差し込む。そして、係止条260を被係止凹部215内に係止させた状態で、係止部を中心としてケースカバー202を図中矢印方向に向けて向けて回転させ、ケースカバー202をケース本体201の側壁203〜206により囲まれた空間内に嵌め込む。
ケース本体201の膨出部208a,208bの膨出空間S2,S3内に膨出部カバー250a,250bが嵌め込まれて、両係止爪251がそれぞれ係止穴210の開口上端縁に係止される。その結果、ケースカバー202の一方の短辺側が係止条260と被係止凹部215とにより係止されるとともに、他方の短辺側が係止爪251と係止孔251とにより係止され、ケースカバー202がケース本体201に対して仮止めされる。なお、この状態では、係止穴210の外方からそれぞれの係止爪251を内側に向けて押し込んで係止状態を解除すれば、ケースカバー202を簡単に開放させることができる。
この状態において、膨出部カバー250aの上壁裏面254から下方に向かって設けられているねじ規制用リブ253の下端が、ねじ収納部209に収納された3本の予備用ワンウェイねじ281の頭部284に近接した状態で配置される。従って、予備用ワンウェイねじ281がねじ収納部209から逸脱して基板収納空間S1内に入り込み、主基板31の配線パターン等を傷つけて断線させてしまうこと等が防止される。
また、ケースカバー202の各側壁230〜233の下端が、ケース本体201の側壁203〜206の上端よりも下方に深く入り込んだ状態になるので、ケース本体201とケースカバー202との間から針金等の異物を進入しにくくなる。
また、ねじ収納部209は、膨出部208aの膨出空間S2内に設けられているので、主基板31が基板収納空間S1内におけるねじ収納部209の上端よりも下方位置に配置された状態でも(図15(b)参照)、ねじ収納部209と干渉することがない。
また、図13に示されるように、ケース本体201の側壁205の内面とケースカバー202の低被覆面部220aの長辺220dとの間に形成される間隙部505に、コネクタ規制部材500の垂直板500bが差し込まれた状態で配置される。また、下板500cの下面全域がケース本体201の底板201a上面に載置される。コネクタ規制部材500は、ケース本体201に対して安定的に保持されるとともに、主基板31の裏面31bが下板500cにより被覆される。
つまり、ケースカバー202に対して係止爪501を介して一端側が係止されたコネクタ規制部材500は、その一部を構成する他端側の下板500cおよび垂直板500bの下部がケース内部に配置される。
さらに、この状態において、ケース本体201の第2被固着部212の上方に、ケースカバー202の第1被固着部255が配置される。すなわち、固着片212aの上面に各被固着部255a〜255dが載置されると、各ねじ穴211a〜211dと各取付孔259とが合致し、ワンウェイねじ280を通すことが可能な状態になる。ここで、4つの被固着部255a〜255dのうち、いずれか1つの筒状部256の上面開口からワンウェイねじ280を挿入し、ねじ部283の先端を取付孔259に差し込んだ状態で、マイナスドライバー等の工具によりワンウェイねじ280を時計回りにねじ込む(図6参照)。
すると、図14に示すように、ねじ部283の外周に形成された雄ねじのねじ切り作用によって、ねじ部283が取付孔259を貫通して、固着片212aおよび筒状部212b内に貫通形成されたねじ穴211a内にねじ止めされ、固着片212aおよび被固着部255d、つまり第2被固着部212と第1被固着部255とがワンウェイねじ280を介して固着(かしめ)される。
すなわち、ケースカバー202は、一方の短辺側が係止条260が被係止凹部215により係止され、他方の短辺側がワンウェイねじ280を介して固着されていることにより、ケース本体201に対してケースカバー202が開放不能に固着され、主基板31は、実装面31aおよび裏面31bがこれらケース本体201およびケースカバー202により被覆された状態で、基板収納ケース200内に封止状態で収納される。
なお、ワンウェイねじ280を完全にねじ込んだ後、その上方から、所定の色に着色された色付接着剤Zを筒状部256内に注入した後、キャップ244を筒状体255dの上面開口に嵌め込んで、頭部284の上面に形成された溝等を被覆することにより、ワンウェイねじ280を取り外しにくくすることができる。
さらに、透明な合成樹脂材からなる筒状部256内に色付接着剤Zが注入されることによって、ワンウェイねじ280に対する何らかのアクセスがあった場合において、色付接着剤Zが抉り取られた痕跡等が色により視認しやすくなるため、透明な筒状部256外部からでも不正行為の痕跡を発見しやすくなる。
なお、色付接着剤を注入することに代えて、有色のキャップ244を用いるようにしてもよい。その場合、最初に装着されるワンウェイねじ280に対して用いられるキャップ244のみを有色にして、予備用ワンウェイねじ281に対して用いられるキャップ244は透明であるようにしてもよい。また、キャップ244に接着剤を注入することに代えて、熱溶着や超音波溶着によってキャップ244を固着する用にしてもよい。溶着で固着する場合には、接着剤で固着する場合に比べて、より強固に固着される。
また、この封止状態を解除してケースカバー202を開放しようとする場合、ワンウェイねじ280を反時計回りに回して取り外すことができないので、ケース本体201またはケースカバー202の一部を破壊するか、あるいは、連接部257をニッパ等の工具により切断し、固着片212aにワンウェイねじ280を介して固着されている被固着部255aの筒状部256をケースカバー202から切り離すしかない。
つまり、破壊または切断のいずれの方法をとるにせよ、封止状態を解除してケースカバー202を開放した場合には、破壊または切断の痕跡が残る。その結果、例えば不正行為によりケースカバー202が開放された場合でも、早期のうちに不正行為が行われたことを発見することができる。よって、万が一不正な遊技制御プログラムが格納されたROMを有する主基板等にすりかえられた場合でも、早期に発見して対処することができる。従って、その状態で遊技が行われて遊技店が不利益を被ることを回避することができる。
また、ワンウェイねじ280によりケース本体201に対してケースカバー202が開放不能に固着された封止状態にされるので、ケースカバー202の外側に仮止めされたコネクタ規制部材500が、ケースカバー202から離脱不能に保持されるとともに、基板側コネクタ238a〜238cに接続された配線側コネクタ290a〜290cの抜脱が上板500aとの当接により規制される。
具体的には、図13に示すように、ケース本体201に対してケースカバー202が開放不能に固着された封止状態において、コネクタ規制部材500は、下板500cが主基板31の裏面31bを被覆するようにその下方に配置されることによって、その上方への移動が、ケース本体201に固着されたケースカバー202の裏面側に取り付けられた主基板31との当接により規制される。
また、下板500cから上向きに連設された垂直板500bが、ケースカバー202の長辺220dとケース本体201の側壁205内面とに挟持されるとともに、係止爪501が係合穴502に係止されることによって、ケース本体201の底板201a上でのスライド移動が規制されるとともに、上板500aの変形も防止される。特に、垂直板500bの外面が側壁205の内面に上下方向にわたり密着した状態で保持されるので、垂直板500bの外側への変形も防止される。つまり、下板500c,垂直板500b,ケースカバー202の長辺220dおよび側壁205によって、規制部材保持手段が構成されている。
コネクタ規制部材500の上方および水平方向の移動が規制されることによって、コネクタ規制部材500のケースカバー202からの離脱が防止され、安定して基板収納ケース200に保持される。そして、基板収納ケース200に保持されたコネクタ規制部材500の上板500aによって、ケースカバー202における低被覆面部220aの上面が被覆されるとともに、垂直板500bの上部,傾斜被覆面部220c,ケースカバー202の一部により低被覆面部220aの上方側周面が被覆される。よって、基板側コネクタ238a〜238cおよび配線側コネクタ290a〜290cが外部から遮断される。従って、コネクタの接続部に対する不正行為が防止される。
また、図13に示すように、基板側コネクタ238a〜238cに接続された配線側コネクタ290a〜290cの上方近傍に上板500aが配置されるので、配線側コネクタ290a〜290cを基板側コネクタ238a〜238cから抜脱しようとする際に、配線側コネクタ290a〜290cの本体上面における配線291a〜291cの延出部周囲が、上板500aの裏面における配線挿通用開口503a〜503cの周囲(当接規制部)に当接される。すなわち、配線側コネクタ290a〜290cの抜脱方向への移動が上板500aにより当接規制されるため、基板側コネクタ238a〜238cに正規以外の不正部品が接続された配線が接続されることを効果的に防止できる。
また、下板500cは主基板31の裏面31bを被覆可能な大きさに形成されているので、封止状態において、裏面31bに形成された配線パターン等に対する不正行為も抑制できるとともに、安定性も向上する。なお、この実施の形態では、下板500cは主基板31の裏面31bを被覆可能な大きさに形成されていたが、コネクタ規制部材500の上方への移動を主基板31の裏面31bとの当接により規制可能な長さを有していれば、裏面31b全域を被覆可能な大きさに形成されていなくてもよい。
次に、第2被固着部212と第1被固着部255とをワンウェイねじ280を介して固着して封止状態を構成した後、主基板31の故障や検査等により主基板31を取り出すために封止状態を解除し、再度封止状態とする場合について説明する。
なお、ねじ穴211a〜211dおよび被固着部255a〜255dを複数形成し、繰り返し封止状態とすることができるようにするのは、例えばメーカが主基板31を遊技店等に出荷する際に、主基板31を基板収納ケース200内に封止状態で収納するために、1つのねじ穴211a〜211dおよび被固着部255a〜255dを使用した後、遊技店において、上記のように主基板31が故障して交換する場合や検査等を行うために主基板31を取り出す場合等において、封止状態を解除することがあるからである。その後再度封止状態にする際に他のねじ穴211a〜211dおよび被固着部255a〜255dを使用するので、これらが第2被固着部212および第1被固着部255が複数必要になる。
再度封止状態にする場合には、ケースカバー202を開放したときに、キャップ吊支体245からキャップ244を1つ分離して取り出しておくとともに、ねじ収納部209から予備用ワンウェイねじ281を1本取り出しておく。そして、ケース本体201の上面開口をケースカバー202により閉鎖する。ここで、まだ連接部257が切断されていない被固着部255b〜255dのうちいずれかの筒状部に予備用ワンウェイねじ281を挿入し、ねじ穴211bにねじ止めして、第2被固着部212と第1被固着部255とを固着して封止状態を構成することができる。
このように、第2被固着部212としてのねじ穴211a〜211dおよび第1被固着部255としての被固着部255a〜255dが複数設けられているので、ケース本体201やケースカバー202の一部を破壊することなく連接部257を切断するだけで、基板収納ケース200を交換すること等なく、封止状態を解除した後でも、封止状態を複数回繰り返し構成することができる。
以上説明したように、この実施の形態では、主基板31をケースカバー202の裏面に取り付けることにより、基板側コネクタ238a〜238cがコネクタ用開口236a〜236cを介してケースカバー202の外部に開放される。また、開放された基板側コネクタ238a〜238cに配線側コネクタ290a〜290cを接続した状態で、ケースカバー202の外側にコネクタ規制部材500を仮止めして基板収納ケース200に保持することによって、配線側コネクタ290a〜290cの抜き取りが、当接規制部としての上板500aで規制される。ケースカバー202に、基板側コネクタ238a〜238cに接続された配線側コネクタ290a〜290cと反対側の配線側コネクタ(図示略)を通過させるための大きな挿通口等を形成しなくても、ケースカバー202の外側にコネクタ規制部材500を装着することができるので、コネクタ規制部材500の強度低下が防止される。
また、下板500cは、封止状態とされたケース本体201およびケースカバー202により被覆されるので、封止状態を解除するかコネクタ規制部材500または基板収納ケース200の一部を破壊しない限りコネクタ規制部材500の保持状態を解除することができなくなる。よって、基板収納ケース200の一部を破壊したり封止状態を解除して配線側コネクタ290a〜290cを抜脱したときには、その痕跡が残り、不正が行われた可能性があることを確実に発見することができる。
また、この実施の形態では、封止状態においてケース内部に配置される下板500cが規制部材保持手段として機能するので、例えばワンウェイねじ等の特殊な保持部材等を用いてコネクタ規制部材500をケースカバー202に保持したり、保持構造を複雑化することなく、ケースカバー202およびケース本体201を封止状態とするだけでケースカバー202に簡単に装着できる。よって、基板側コネクタ238a〜238cに正規以外の不正部品が接続された配線が接続されることを効果的に防止できる。
また、コネクタ規制部材500の一部は、複数の配線側コネクタ290a〜290cを当接規制することが可能な1枚の上板500aで構成されているので、複数の配線側コネクタ290a〜290cそれぞれに対応する複数の当接規制部を個別に形成する必要がない。また、複数の配線側コネクタ290a〜290cをまとめて規制することができるため、保持作業の手間が軽減される。
さらに、配線側コネクタ290a〜290cを抜き取る方向への移動を規制するだけでなく、配線側コネクタ290a〜290cの上方が被覆されるので、基板側コネクタ238a〜238cと配線側コネクタ290a〜290cとの接続部に対する不正行為が困難になる。また、コネクタ規制部材500に配線側コネクタ290a〜290cを挿通するための大きな挿通口等を形成する必要がないので、強度低下が防止される。
また、コネクタ規制部材500の一部は、封止状態において間隙部505に配置される垂直板500bと、離脱方向への移動が主基板31により当接規制される下板500cとで構成されるので、ねじ等の保持部材を使用することなく、垂直板500bを間隙部505に差し込んだ状態で封止状態とするだけで、係止部としての下板500cの係止作用により垂直板500bの抜脱方向への移動が規制されてケースに保持される。よって、コネクタ規制部材500の装着作業が容易になる。
コネクタ規制部材500には、ケースカバー202に形成された係止穴502に係合可能な係止爪501が形成されているので、係止爪501が係合穴502に係合されることによって、コネクタ規制部材500の上板500aが変形や破損しにくくなる。その結果、上板500aを変形させて配線側コネクタ290a〜290cをケースカバー202との間に形成される隙間から抜脱すること等を確実に防止することができる。
また、主基板31の実装面31aにおけるコネクタ用開口236a〜236c近傍が低被覆面220aにより被覆されるので、コネクタ用開口236a〜236cと基板側コネクタ238a〜238cとの間に形成される隙間から不正器具等を挿入しにくくなる。その結果、主基板31に対する不正行為を防止することができる。
また、ケースカバー202に凹部234が形成され、コネクタ規制部材500は凹部234に装着されるようにしたので、装着状態においてコネクタ規制部材500がケースカバー202から大きく突出することがない。よって、パチンコ遊技機1に配設された状態等において、コネクタ規制部材500が邪魔になることがない。
また、コネクタ規制部材500は、透明な合成樹脂材にて構成されているので、基板収納ケース200内の視認性がコネクタ規制部材500により損なわれることがないので、主基板31の監視に支障を来すことがない。
また、複数のうち少なくとも一対の第1被固着部としてのねじ穴211a〜211dおよび第2被固着部としての被固着部255a〜255d同士を固着部材としてのワンウェイねじ280により固着することによって、主基板31を封止状態とすることができる。また、基板収納ケース200を破壊するかもしくは固着されたねじ穴211a〜211dの連接部257を切断することで、封止状態を解除してケースカバー202を開放することができる。さらに、連接部を切断するなどして封止状態を解除した後でも、未使用の一対のねじ穴211a〜211dおよび被固着部255a〜255d同士を予備用ワンウェイねじ281によって固着して、再度主基板31を封止状態でケース内部に収納することができる。
また、基板収納ケース200を開放することによって、ねじ収納部209の挿入孔209cの上面開口が開放されるので、予備用ワンウェイねじ281をねじ収納部209に簡単に収納および取り出すことができる。また、主基板31の封止状態において、ねじ収納部209に収納された予備用ワンウェイねじ281のねじ収納部209からの逸脱が、規制部としてのねじ規制用リブ253の下端との当接により規制される。よって、逸脱した予備用ワンウェイねじ281により主基板31が損傷することを防止できる。
さらに、ねじ規制用リブ253が、膨出部カバー250aの上壁裏面254からねじ収納部209の挿入孔209cの上面開口に向かって下方に設けられているので、ねじ収納部209の配設位置が、ケースカバー202やケース本体201の形状により制限されたり、ケースカバー202やケース本体201の形状をねじ収納部209の配設位置に合わせて形成する必要がない。よって、基板収納ケース200の設計が煩雑になることを回避できる。
具体的は、例えばねじ収納部209に収納された予備用ワンウェイねじ281の頭部284からケースカバー202の裏面までの距離が、予備用ワンウェイねじ281の長さよりも大きい場合には、予備用ワンウェイねじ281がねじ収納部209から逸脱するおそれがある。そこで、例えばケースカバー202におけるねじ収納部209に対応する箇所をねじ収納部209の挿入孔209cの上面開口に極力近接させようとすると、ケースカバー202全体の形状、あるいはねじ収納部209の配設位置を設計変更しなければならない。しかし、ケースカバー202の裏面の所定箇所からねじ規制用リブ253が延びるように設けられることによって、ケースカバー202全体の形状やねじ収納部209の配設位置を設計変更しないで済む。
また、3つの予備用ワンウェイねじ281の逸脱を規制できるように、ねじ規制用リブ253が、上壁裏面254の長手方向にわたって延設されているので、膨出部カバー250aの強度が高まる。よって例えばケースカバー202を過って床等に落下させてしまった場合等に、膨出部カバー250aが破壊されにくくなり、その側方に設けられる第1被固着部255の保護作用が効果的に高まる。
また、第2被固着部212および第1被固着部255の前後側方に膨出部208a,208bが設けられているので、いずれか一側方のみに設けられている場合に比べて、これら第2被固着部212および第1被固着部255がより効果的に保護される。
また、膨出部208aの膨出空間S2内に設けられたねじ収納部209は、複数本の予備用ワンウェイねじ281をまとめて収納可能であるから、各ねじ穴211a〜211dや各被固着部255a〜255dそれぞれの近傍に予備用ワンウェイねじ281を収納しておくよりも、ケース本体201の構造を簡素化することができるばかりか、予備用ワンウェイねじ281の管理が容易になる。
また、ケース本体201の側壁203の一部に膨出部208aが形成され、膨出部208aの側方に第2被固着部212が設けられているので、過って基板収納ケース200を床等に落下させた場合等に、ねじ穴211a〜211dや被固着部255a〜255dが容易に破損することが防止される。また、膨出部208aの内部に形成された膨出空間S2内に設けられたねじ収納部209に予備用ワンウェイねじ281を収納しておくことができるので、膨出部208aを有効に利用することができるばかりか、主基板31を内部に収納または取り出す際に予備用ワンウェイねじ281が邪魔になることがないように収納しておくことができる。
つまり、膨出部208aと第2被固着部212とが、ケース本体201における一側辺の長手方向に向けて直線状に配設されるとともに、特にねじ穴211a〜211dとねじ収納部209とが一側辺に沿うように配置されることによって、ケース本体201外形に凹凸部が形成されることがない。その結果、ケース本体201の構造を簡素化できる上に、保管や輸送時における収納性が向上する。
また、ねじ収納部209は、ケース本体201の内部における基板収納空間S1から外側に張り出すように設けられた膨出空間S2内、すなわち、主基板31の封止状態において主基板31と上下方向に重合しない位置に配設されているとともに、主基板31は、膨出空間S2内に張り出さないように設けられているので、予備用ワンウェイねじ281の収納および取り出しの際に主基板31と干渉することがない。
さらに、予備用ワンウェイねじ281は、ねじ収納部209の挿入孔209cの上面開口を介して内部に挿入される挿入部であるねじ部283と、ねじ部283の一端に設けられる頭部284とで構成され、ねじ収納部209は、予備用ワンウェイねじ281を収納した状態において、頭部284が挿入孔209cの上面開口の外部に突出した状態で保持されるように構成されているので、予備用ワンウェイねじ281のねじ収納部209からの取り出しが容易になる。
また、主基板31が、複数の電子部品および基板側コネクタ238a〜238cが実装される実装面31aと実装面31aと反対側の裏面31bとを有し、ケースカバー202が、コネクタ238a〜238cに対応する箇所に、コネクタ238a〜238cの接続口238dをケース外部に開放するためのコネクタ用開口236a〜236cが形成されるとともに、主基板31を取り付け可能に構成され、主基板31が、実装面31aをケースカバー202により被覆し、かつ、裏面31bをケース本体201に対向させた状態で基板収納ケース200の内部に封止状態で収納されるので、基板収納ケース200を開放しても、ケースカバー202からの主基板31の取り外しに時間がかかり、電子部品や基板側コネクタ238a〜238c等に対する不正行為を行いにくくなる。
次に、コネクタ規制部材520の他の態様を、図16〜図18を参照して説明する。図16は、他の実施の形態のコネクタ規制部材およびケースカバーを示す斜視図である。図17は、図16に示すコネクタ規制部材が装着された基板収納ケース200を示す平面図である。図18は、図17に示す基板収納ケース200のD−D断面を示す断面図である。
上記の実施の形態のコネクタ規制部材500は、ケース本体201およびケースカバー202の封止状態においてケース内部に配置される下板500cおよび間隙部505に配置される垂直板500bにより基板収納ケース200に保持されていたが、この実施の形態のコネクタ規制部材520は、固定ねじ522によりケースカバー202に保持される。
以下、この実施の形態のコネクタ規制部材520において、上記の実施の形態のコネクタ規制部材500と相違する点を説明する。なお、この実施の形態において、上記の実施の形態のコネクタ規制部材500と同様の構成部位および基板収納ケースについては、図16〜図18において同様の符号を付して、詳細な説明を省略する。
コネクタ規制部材520は、透明な合成樹脂材からなる板部材にて形成されている。図16に示すように、コネクタ規制部材520は、低被覆面部220aの上方を被覆可能な上板520aと、上板520aの外端から下方に向けて延設される垂直板520bとにより側面視略L字形に形成されている。つまり、上記の実施の形態のコネクタ規制部材500における下板500cがない形状に形成されているとともに、垂直板520bの上下幅寸法は、垂直板500bの上下幅寸法よりも短くなるように形成されている。
上板520aには、配線挿通用開口503a〜503cおよび配線挿通用スリット504a〜504cが形成されている。垂直板520bには、固定ねじ522が取り付けられる複数の取り付け孔521が、ケースカバー202の長辺202d端面における長手方向にわたり所定間隔おきに形成された複数(この実施の形態では3つ)のねじ穴523に対応する箇所に形成されている。
このように形成されたコネクタ規制部材520は、上記の実施の形態のバイト道央に、配線挿通用開口503a〜503cに配線291a〜291cを通し、かつ、垂直板520bの外側から各取り付け孔521に固定ねじ522を取り付けた状態で、垂直板520bの内面下部を長辺220d端面に当接させてケースカバー202の外側に配置し、固定ねじ522をねじ穴523にねじ止めすることによって、ケースカバー202の外側に装着される。
この状態において、コネクタ規制部材520は、ケースカバー202に対して離脱不能に保持される。従って、配線側コネクタ290a〜290cの上方が上板520aにより被覆され、かつ、基板側コネクタ238a〜238cからの配線側コネクタ290a〜290cの抜き取りが規制される。
また、コネクタ規制部材520が装着されたケースカバー202によって、ケース本体201の開口を閉鎖した状態(封止状態)において、図17および図18に示すように、各取り付け孔521にねじ止めされた固定ねじ522の頭部が、ケース本体201の側壁205により被覆される。よって、ケース本体201およびケースカバー202の封止状態を解除するかケースの一部を破壊しない限り固定ねじ522を取り外すことができない。
このように、この実施の形態のコネクタ規制部材520も、上記の実施の形態のコネクタ規制部材500と同様の作用を果たす。また、コネクタ規制部材520は、ケースカバー202に対して固定ねじ522により直接固定され、ケースカバー202に対して安定的に保持されるので、ケースカバー202に対するガタツキ等がコネクタの規制に支障を来すこと等が防止される。
また、封止状態において側壁205により保持部材としての固定ねじ522の頭部が被覆されるので、固定ねじ522の取り付け孔523からの取り出しができなくなるため、固定ねじ522に前述したワンウェイねじ等の特殊な部材を用いなくても、取り付け孔523からの取り出しを困難とすることができる。
また、図18に示すように、上板520aの端面520cは、必ずしもケースカバー202に当接したり係止されていなくてもよ。例えば、傾斜被覆面部220cに沿うように近接されていてもよい。
次に、さらに他の実施の形態のコネクタ規制部材550を、図19および図20を参照して説明する。図19は、この実施の形態のコネクタ規制部材およびケースカバーを示す斜視図である。図20は、図19に示すコネクタ規制部材が装着された基板収納ケースの要部を示す拡大縦断面図である。
上記の各実施の形態のコネクタ規制部材500,520は、ケース本体201およびケースカバー202の封止状態において形成される間隙部505に、垂直板500b,520bが配置されていたが、この実施の形態のコネクタ規制部材550は、垂直板550bの下端が低被覆面部220aの上面に配置される。
以下、この実施の形態のコネクタ規制部材550において、上記の実施の形態のコネクタ規制部材500と相違する点を説明する。なお、この実施の形態において、コネクタ規制部材500と同様の構成部位および基板収納ケースについては、図19,図20において同様の符号を付して、詳細な説明を省略する。
コネクタ規制部材550は、透明な合成樹脂材からなる板部材で形成されている。図19に示されるように、コネクタ規制部材550は、低被覆面部220aの上方を被覆可能な上板550aと、上板550aの外端から下方に向けて延設される垂直板550bとで略L字形に形成されている。つまり、上記のコネクタ規制部材520とほぼ同形状に形成されている。しかし、垂直板550bの下部が若干肉厚に形成されている。
上板550aには、配線挿通用開口503a〜503cおよび配線挿通用スリット504a〜504cが形成されている。垂直板550bの下端面には、固定ねじ552が螺入される複数のねじ穴551が、ケースカバー202の低被覆面部202aの端縁側に設けられた凹条220eの長手方向に亘って所定間隔おきに形成された複数(この実施の形態では3つ)の取り付け孔220fに対応する箇所に形成されている。
このように形成されたコネクタ規制部材550は、配線挿通用開口503a〜503cに配線291a〜291cを通し、かつ、ケースカバー202の裏面側から各取り付け孔220fに固定ねじ552を取り付けた状態で、垂直板550bの下端面を凹条220eの上面に当接させてケースカバー202の外側に配置し、固定ねじ552がねじ穴551にねじ止めされることによって、ケースカバー202の外側に装着される。
この状態において、コネクタ規制部材550は、ケースカバー202に対して離脱不能に保持されるので、配線側コネクタ290a〜290cの上方が上板550aにより被覆され、かつ、配線側コネクタ290a〜290cの基板側コネクタ238a〜238cからの抜き取りが規制される。
また、コネクタ規制部材550が装着されたケースカバー202によってケース本体201の開口を閉鎖した状態(封止状態)において、図20に示すように、各ねじ穴551に螺入された固定ねじ552の頭部がケース内部に配置され、ケース本体201およびケースカバー202により被覆される。よって、ケース本体201およびケースカバー202の封止状態を解除するかケースの一部を破壊しない限り固定ねじ552を取り外すことができない。
このように、この実施の形態のコネクタ規制部材550も、上記のコネクタ規制部材500と同様の作用を果たす。また、ケースカバー202に対して固定ねじ552により直接固定され、ケースカバー202に対して安定的に保持されるので、ケースカバー202に対するがたつき等がコネクタの規制に支障を来すこと等が防止される。
また、封止状態において固定ねじ552の頭部がケース本体201およびケースカバー202により被覆されるので、固定ねじ552のねじ穴551からの取り出しができなくなり、固定ねじ552に前述したワンウェイねじ等の特殊な部材を用いなくても、ねじ穴551からの取り出しが困難になる。
なお、上記の各実施の形態では、基板収納ケースは主基板31を内部に収納可能なケースであったが、内部に収納する制御基板は主基板31に限られず、例えば払出制御基板37や演出制御基板80等を収納するケースであってもよい。
図21は、さらに他の実施の形態の基板収納ケース200Aを示す分解斜視図である。図22(a)は、基板収納ケース200Aを示す平面図であり、図22(b)は基板収納ケースを示す斜視図である。図23は、ケースカバー202をスライドさせて閉鎖する状況における基板収納ケースを示す要部斜視図である。
図21に示すように、基板収納ケース200Aにおいて、ケース本体201の側壁205,206には、ケースカバー202側に設けられるガイド片355をガイドするガイド溝350が、長手方向に渡って一定間隔おきに複数(この実施の形態では3つ)形成されている。ガイド溝350は、ガイド片355を側壁205,206の長手方向に向けて平行にガイドする直線状の水平溝350aと、水平溝350aの一端から側壁205,206の上端に向けて形成される水平溝350aよりも幅広の垂直溝350bとが、略L字形をなすように形成されているものである。
また、側壁205,206の内側には、側壁205,206に沿って長手方向に、底板201aの上面から立ち上がるように閉塞壁358が形成されている。閉塞壁358と側壁205,206との間に形成される上向きに開口する凹溝内には、ケースカバー202のガイドカバー部354における内板354bの下端が嵌るようになっている。そのような構造によって、内板354bの下端と底板201aの上面との間からの異物の進入が防止される。
側壁203側には、上記の基板収納ケース200と同様に、内部に膨出空間S2,S3を有する膨出部208a,208b、第2被固着部212、ねじ収納部209が形成されている。なお、第2被固着部212の固着片212aは、中央側壁203aの上端と同高さで形成されている。また、固着片212aの長手方向の一端側が膨出部208bの上方まで設けられ、膨出部208bの膨出空間S3の上方を被覆するカバー部351を形成している。
側壁203と反対側の短辺には側壁204に相当する側壁はなく、側壁203と反対側の短辺は開放され、そこは、ケースカバー202の側壁で閉鎖される。底板201aにおける側壁203と反対側の短辺から、ケースカバー202の側壁231の下部に設けられた横長のスリット(図示せず)に差し込み可能な差込片352を先端に有する水平片353が形成されている。
ケースカバー202には、側壁232,233のさらに外側に、ケース本体201の側壁205,206の上端にそれぞれ嵌合可能なガイドカバー部354が形成されている。ガイドカバー部354は内部空間を有する。よって、ケースカバー202がケース本体201を閉鎖するときに、ガイドカバー部354の内部空間の一部にケース本体201の側壁205,206の上端が嵌まった状態で、ケース本体201に対してケースカバー202を長手方向に向けてスライド移動できる。
ガイドカバー部354の内部における上記各ガイド溝350に対応する箇所には、ガイド溝350における水平溝350a内に嵌合可能な水平方向を向くガイド片355が、その両端を外板354aおよび内板354bの内面における上板354cの下方所定箇所に固着されて設けられている。つまりガイド片355は、上板354cから離間した下方位置に配置されている。なお、上板354cにおける各ガイド片355の直上位置には、ガイド片355を成形するための成形用開口356が形成されている。
側壁230には、4つの被固着部255a〜255dからなる第1被固着部255が設けられているとともに、膨出部208aに対応する箇所には、膨出部208aの上方を被覆するための膨出部カバー357が設けられている。膨出部カバー357は、庇片357aと、その前後両端から垂れ下がるように設けられている垂下片357bとで構成され、ケースカバー202をスライドさせる際に、先端開口からねじ収納部209を挿入できるようになっている。
側壁231は、ケース本体201の一方の短辺開口を閉塞可能な上下幅を有している。その下部には、差込片352が差し込まれるスリット(図示せず)が2箇所に形成されている。ケースカバー202の閉鎖状態において、ケースカバー202の側壁231側が差込片352により係止されて浮き上がりが防止される。
ケース本体201の上面開口をケースカバー202で閉鎖するときに、主基板31をケースカバー202の裏面側に取り付け、ケース本体201に対して主基板31の裏面31bを対向させた姿勢で、かつ、各ガイド片355を各ガイド溝300の開口直上に配置した状態で、ケースカバー202をケース本体201に向けて下降させる。なお、このときにケースカバー202の上方から各ガイド片355を見ることはできないが、その直上に配置される成形用開口356を目安にしてガイド片355をガイド溝300の開口直上に配置することができる。
そして、ガイド溝350の開口からガイド片355が垂直溝350b内に挿入された状態で、ケースカバー202は、ケース本体201に対して長手方向に若干ずれた位置に配置される。この状態で、側壁205,206の上端にガイドカバー部354が嵌る。
この状態から、ケースカバー202を側壁230側に向けて水平に押し込む(図23参照)。すなわち、スライド移動させる。このとき、ケースカバー202は、側壁205,206の上端に嵌合されたガイドカバー部354によって、移動方向に対する左右方向のずれが防止される。そして、ケースカバー202の側壁231に形成されたスリットに差込片352が差し込まれて水平片353の端面が側壁231の内面に当接し、かつ、膨出部カバー357の庇片357aの先端がケース本体201の膨出壁203bの内面に当接し、ケース本体201に対するケースカバー202のスライド移動が規制され、ケースカバー202が閉鎖位置に位置決めされる。
また、ガイド片355は、ケースカバー202のスライド移動に伴って、垂直溝350bから直線溝350a内に入り込む。よって、閉鎖位置において、直線溝350aの上方の側壁206により上方への移動、つまり浮き上がりが確実に防止される。
また、膨出部208aの膨出空間内に設けられたねじ収納部209に収納されている予備用ワンウェイねじ281の頭部284の直上に膨出部カバー357が近接配置されるので、ねじ収納部209からの予備用ワンウェイねじ281の逸脱が防止される。
その後、4つの被固着部255a〜255dのうちいずれか1つの筒状部(ここでは被固着部255a)の上面開口からワンウェイねじを挿入し、ねじ部の先端を取付孔に差し込んだ状態で、スクリュードライバ等の工具でワンウェイねじを時計回りにねじ込み、第2被固着部と第1被固着部255とをワンウェイねじ280を介して固着(かしめ)する。
ケース本体201の長手方向の側壁205,206の内側において、カバー部351の近傍には、規制部359が突出するように形成されている。ケース本体201に対してケースカバー202を長手方向に向けてスライドさせるようにしてケース本体201とケースカバー202とを嵌め合わせることができるが、そのままでは、製造工程等において、ケース本体201とケースカバー202とが嵌め合わされた状態で移動されるときに、ケース本体201とケースカバー202とが長手方向でずれる可能性がある。規制部359は、側壁230の動きを規制して、すなわち、側壁230が動いても規制部359の設置位置で停止させる役割を果たす。
また、各被固着部255a〜255dは、ワンウェイねじおよび予備用ワンウェイねじを通すことが可能な四角柱状の筒状部と、筒状部と側壁230とを連接する連接部257とで構成されているが(図23参照)、図24に示すように、4つの連接部257のうちの少なくとも1つ(例えば、被固着部255d)は、上部255xが下部255yよりも幅広に形成されている。図24に示すように、上部255xの幅1001はW1であり、従来構造では上部255xは存在せず、各被固着部255a〜255dの幅1002はW2であり、また、W1>W2である。上述したように、連接部257はニッパ等の工具で切断可能であるが、幅広の上部255xでは切断面の面積が大きくなり、切断跡が目立つ。すなわち、切断されたことを容易に視認できるようになる。なお、ここでは、図23に示されたように、最初にワンウェイねじがねじ止めされる被固着部255dに対する連接部257のみが幅広の上部255xを有するようにしたが、他の被固着部255ab〜255dに対しても幅広の上部255xを有するようにしてもよい。被固着部255a〜255dの全てにおいて、上部255xを有するようにしてもよい。
図25〜図27は、パチンコ遊技機1における基板構成の例を示すブロック図である。なお、図25〜図27には、基板(電気回路等を搭載したボード)以外に、他の基板と配線ケーブル(ハーネス:以下、ケーブルという。)で接続される電気部品(例えば、スイッチやソレノイド)も記載されている。以下、図25〜図27に示されている電気部品も基板と同列に扱って説明を行う。
各基板は、ケーブルで電気的に接続され、ケーブルはハーネス側コネクタを含み、ハーネス側コネクタが、接続先の各基板において基板側コネクタに接続される。図25〜図27において、〇(実線の〇)は、基板側コネクタの設置個所を示し、特に、一旦ハーネス側コネクタが差し込まれると、抜くことが不能になるような構造(以下、「コネクタ封止」または「コネクタ封止構造」という。)が採用される箇所を示す。ただし、〇で示される全ての箇所のうちの一部においてのみ、コネクタ封止構造が採用されていてもよい。また、図25〜図27において、〇が付されていない基板側コネクタの設置個所もあるが、その箇所では、コネクタ封止構造を採用しなくてもよい。なお、図25には明示されていないが、主基板31におけるマイクロコンピュータ照合端子に対して、コネクタを抜くことが不能になるような構造を採用する必要はない。通常は、マイクロコンピュータ照合端子に基板側コネクタが装着されていないからである。また、図25において、破線の〇が付されている箇所でも、コネクタ封止構造が採用されることが好ましい。
図25〜図27に示す例では、図25に示すように、主基板31に設けられている各基板側コネクタには、特別図柄表示器8や普通図柄表示器10等が搭載された図柄基板411、音声出力基板70に供給される電源(電力)を中継する周辺電源中継基板412、周辺コマンド中継基板(図4に示された中継基板)177、盤用外部端子板(情報端子板)36、スイッチ中継基板441、第1始動口スイッチ14aおよび第2始動口スイッチ14bに接続されるケーブルのハーネス側コネクタが接続される。なお、図柄基板411に代えて、特別図柄表示器8や普通図柄表示器10等への信号を中継する(特別図柄表示器8や普通図柄表示器10等の表示状態を制御するための信号を出力する)図柄中継基板を用いてもよい。
また、図27に示すように、主基板31から電源基板910および払出制御基板37に接続されるケーブルのハーネス側コネクタも、電源基板910および払出制御基板37の側でコネクタ封止される。
なお、第1始動口スイッチ14aおよび第2始動口スイッチ14b等の遊技球を検出するための検出スイッチについてもコネクタ封止構造を採用することが好ましいことは以下の理由による。すなわち、遊技機において、検出スイッチは、一般に、内部に検出部を収容したケーシングに対して配線付のコネクタが抜き差し可能に設けられた構造を有する。そのコネクタを封止しないと、不正基板に接続されて不正使用される可能性がある。そこで、検出スイッチについてもコネクタ封止構造を採用する。
例えば、ケーシング自体に、配線付のコネクタを封止する部材を形成する。検出スイッチは一般に小型であり、ケーシング自体に特殊加工を施すことが難しい場合には、検出スイッチのケーシング自体を保持する部分(例えば、可変入賞球装置の構造部の裏側等)の周辺にコネクタ封止構造(図28等参照)を採用して、検出スイッチ側にコネクタ(後述する基板側コネクタ601に相当)を封止する。なお、検出スイッチ側のコネクタは、必ずしも基板上に実装されるものでなくてもよい。
スイッチ中継基板441に設けられている各基板側コネクタには、普通電動役物ソレノイド16、大入賞口扉ソレノイド21、ゲートスイッチ32a、カウントスイッチ23、第1普通入賞口スイッチ(普通入賞口スイッチ(1))29aおよび第2普通入賞口スイッチ(普通入賞口スイッチ(2))29aに接続されるケーブルのハーネス側コネクタが接続される。
音声出力基板70に設けられている各基板側コネクタには、演出制御基板80、枠側に設けられている発光体に駆動信号を出力する回路が搭載された枠ランプ中継基板431、およびLEDドライバ基板35に接続されるケーブルのハーネス側コネクタが接続される。周辺コマンド中継基板177に設けられている各基板側コネクタには、演出制御基板80に接続されるケーブルのハーネス側コネクタが接続される。なお、LEDドライバ基板35は、演出制御基板80に接続されてもよい。
演出制御基板80に設けられている各基板側コネクタには、液晶中継基板A421、およびLCDモジュール423に電力を供給するインバータ基板424に接続されるケーブルのハーネス側コネクタが接続される。なお、液晶中継基板A421は液晶中継基板B422と接続され、演出表示装置9を構成するLCDモジュール423はインバータ基板424と接続される。
LEDドライバ基板35に設けられている各基板側コネクタには、遊技盤6に設けられている役物に設置されている発光体に供給される駆動信号を中継するランプ中継基板432、遊技盤6に設けられている発光体に供給される駆動信号を中継するセンター右基板433およびセンター上基板434に接続されるケーブルのハーネス側コネクタが接続される。
なお、図26に示すように、センター右基板433には、センター右上基板465およびセンターベース基板466が接続され、センター上基板434には、センター左基板471およびセンター中基板472が接続され、センター中基板472には、センター中左基板473およびセンター中右基板474が接続される。また、ランプ中継基板432には、再度基板461およびセンター右下基板462が接続される。センター右基板433、センター上基板434、サイド基板461、センター右下基板462、センター右上基板465、センターベース基板466、センター左基板471、センター中基板472、センター中左基板473およびセンター中右基板474は、それぞれ、遊技板6における装飾部材に設けられているLEDの基板である。
枠ランプ中継基板431には、前板ランプ上基板457、前板中継基板450、前板ランプ左基板451、上皿ランプ中継基板452、上皿ランプ左基板453、上皿ランプ右基板454、および左右のスピーカ27が接続される。前板ランプ上基板457には、前板ランプ右基板458、スピーカランプ左基板459、およびスピーカランプ右基板460が接続される。前板ランプ左基板451、上皿ランプ中継基板452、上皿ランプ左基板453、前板ランプ上基板457、前板ランプ右基板458、スピーカランプ左基板459、およびスピーカランプ右基板460は、それぞれ、遊技枠に設けられているLEDまたはランプの基板である。
図27に示すように、電源基板910には、払出制御基板37および電源コード911も接続される。また、払出制御基板37には、払出中継基板71が接続され、払出中継基板71には、払出センサ基板390、払出カウントスイッチ310、および払出モータ389が接続される。
また、払出制御基板37には、ドア開放スイッチ(1)155、ドア開放スイッチ(2)156、中継基板482、貸出装置接続端子板483、プラ(プラスチック)枠中継基板491が接続される。中継基板482には、枠用外部端子板481、球切れスイッチ187、および満タンスイッチ48が接続される。貸出装置接続端子板483には、カードユニット50(図示せず)が接続されるとともに、残高表示基板484が接続される。プラ枠中継基板491には、賞球LED基板496、球切れLED基板497,発射制御基板492が接続される。発射制御基板492には、発射モータ493、単発発射スイッチ494、タッチセンサ(タッチリング)495が接続される。
次に、ハーネス側コネクタが基板側コネクタに差し込まれると、部材を破壊しない限りハーネス側コネクタを抜くことが不能になるような構造例を説明する。図28〜図32は、第1の構造例を示す図である。図28は、ハーネス側コネクタが差し込まれた後、カバー部材が取り付けられる前の状態を示す斜視図である。図29は、カバー部材が取り付けられた後の状態を示す斜視図である。図30は、ハーネス側コネクタを抜くためにカバー部材を破壊する状態を示す斜視図である。図31は、カバー部材が破壊された後、ハーネス側コネクタが抜かれた状態を示す斜視図である。図32は、カバー部材を示す図である。図32において、(a)はカバー部材を底面側から見た底面図であり、(b)はカバー部材の上面を示す上面図であり、(c)はカバー部材の正面(穴部が視認される面)を示す正面図であり、(d)はカバー部材を裏面(正面の反対側の面)側から見た裏面図であり、(e)はカバー部材の側面を示す側面図である。
図32に示すように、カバー部材613の底面および裏面(特に、被覆部634の底面および裏面)は開放している。すなわち、底面および裏面は存在しない。従って、カバー部材613は、ハーネス側コネクタ602と基板側コネクタ601とを覆うことができるとともに、ハーネス側コネクタ602に繋がるハーネスを外部に出すことができる。
図28に示すように、基板収納ケース200におけるケースカバー202には、中央に穴部610を有する矩形の立ち板部611,612が設けられている。図28には、ハーネス側コネクタ602が基板側コネクタ601に差し込まれた状態が示されている。カバー部材613は、ハーネス側コネクタ602と基板側コネクタ601とを覆う被覆部614と、左右の係合ピン固定部615,616とを有する。係合ピン固定部615,616には、カバー部材が設置されたときに、立ち板部611,612における穴部610の位置に相対する位置に穴部619が設けられている。また、図32に示すように、被覆部614と左右の係合ピン固定部615,616との間には、仕切部620が存在する。
図29に示すように、カバー部材613が設置された後、係合ピン621,622が穴部610,619に挿入される。係合ピン621,622の先端側は、弾性を有し、傘状に形成されている。従って、係合ピン621,622の先端側は、穴部610,619を通るときに窄まり、穴部610,619を通過すると広がって、係合ピン固定部615,616の内壁に傘部における縁が当接する。よって、係合ピン621,622は抜けない状態になる。その結果、ケースカバー202に設けられている立ち板部611,612と係合ピン621,622とによって、カバー部材613はケースカバー202から抜けない状態になる。なお、仕切部620は、係合ピン621,622の先端側(爪部)が切り取られないようにするための防護用の壁の役割を果たす。
カバー部材613において、被覆部614と左右の係合ピン固定部615,616との間に、複数の切り込み部617と複数の切り込み部618とが設けられている。
ハーネス側コネクタ602を基板側コネクタ601から抜くには、カバー部材613を破壊する必要がある。例えば、図30に示すように、ニッパ等の工具625を切り込み部617,618に差し入れ、切り込み部617の間、および切り込み部618の間を切断する。すると、被覆部614が左右の係合ピン固定部615,616から切り離される。よって、被覆部614を取り外すことが可能になる。図31には、被覆部614が取り外された後、ハーネス側コネクタ602が基板側コネクタ601から抜かれた状態が示されている。
以上のように、ハーネス側コネクタ602が基板側コネクタ601に差し込まれ、カバー部材613が装着されると、カバー部材613を破壊しない限りハーネス側コネクタ602を抜くことが不能になる。また、カバー部材613を破壊することによって、ハーネス側コネクタ602を基板側コネクタ601から外すことが可能になるが、図31に示す状態において、左右の係合ピン固定部615,616の破断面には破断の際の傷跡が残る。よって、ハーネス側コネクタ602を基板側コネクタ601から外した後、ハーネス側コネクタ602に不正基板(例えば、不正ROMを含むマイクロコンピュータを搭載した不正な主基板)を装着する目的で不正にカバー部材613を破壊しても、容易にそのことがわかる。従って、不正行為を抑止することができる。
また、図31に示す被覆部614が取り外された状態では、係合ピン固定部615,616の内部に存在する係合ピン621,622の先端部分を工具等で切断することができる。そして、係合ピン固定部615,616をケースカバー202から外すことができる。
カバー部材613を破壊した後、係合ピン固定部615,616を基板から外すことができるので、新たなカバー部613を装着することができる。つまり、ハーネス側コネクタ602を基板側コネクタ601に再装着した後、再度カバー部613を取り付けることができる。従って、検査等の目的でカバー部材613を破壊した後に、再度、カバー部材613を破壊しない限りハーネス側コネクタ602を抜くことが不能になるような構造を適用することができる。よって、基板収納ケース200自体を無駄にすることがない。
図33〜図37は、第2の構造例を示す図である。図33は、ハーネス側コネクタが差し込まれた後、カバー部材が取り付けられる前の状態を示す斜視図である。図34は、ハーネス側コネクタを抜くためにカバー部材を破壊する状態を示す斜視図である。図35は、カバー部材が破壊された後、ハーネス側コネクタが抜かれた状態を示す斜視図である。図36は、係合ピン固定部を取り外す様子を示す斜視図である。図37は、カバー部材を示す図である。図37において、(a)はカバー部材を底面から見た底面図であり、(b)はカバー部材の上面を示す上面図であり、(c)はカバー部材の正面(穴部が視認される面)を示す正面図であり、(d)はカバー部材を裏面(正面の反対側の面)から見た裏面図であり、(e)はカバー部材の側面を示す側面図である。
図37に示すように、カバー部材633の底面(特に、被覆部634の底面)および裏面は開放している。すなわち、底面および裏面は存在しない。従って、カバー部材633は、ハーネス側コネクタ602と基板側コネクタ601とを覆うことができるとともに、ハーネス側コネクタ602に繋がるハーネスを外部に出すことができる。
図33に示すように、基板収納ケース200におけるケースカバー202には、2つの傘部631,632が設けられている。傘部631,632は、合成樹脂等で形成されるケースカバー202と一体に形成される。ただし、ケースカバー202とは別に傘部631,632を形成し、形成した傘部631,632をケースカバー202に取り付けるようにしてもよい。傘部631,632は、図29に示された係合ピン621,622の機能と同様の機能を果たす。図33には、ハーネス側コネクタ602が基板側コネクタ601に差し込まれた状態が示されている。カバー部材633は、ハーネス側コネクタ602と基板側コネクタ601とを覆う被覆部634と、左右の係合ピン固定部635,636とを有する。係合ピン固定部635,636には、カバー部材633が設置されたときに、傘部631,632の位置に相対する位置に穴部639が設けられている。また、図37に示すように、被覆部634と左右の係合ピン固定部635,636との間には、仕切部640が存在する。仕切部640は、傘部631,632の先端側(爪部)が切り取られないようにするための防護用の壁の役割を果たす。また、図37に示すように、穴部639の平面形状は、略楕円における曲率が緩い方の縁部に凸状部分が付加されたような形状である。傘部631,632を上(先端側)から見た形状は、穴部639における凸状部分に合うような形状である。
図33に示すように、カバー部材633が設置されるときに、傘部631,632が穴部639に挿入される。傘部631,632は弾性を有する。従って、傘部631,632の先端側は、穴部639における凸状部分を通るときに窄まり、穴部639を通過すると広がって、係合ピン固定部635,636の内壁に傘部631,632における縁が当接する。よって、カバー部材633は傘部631,632から抜けない状態になる。すなわち、カバー部材633はケースカバー202から抜けない状態になる。
カバー部材633において、被覆部634と左右の係合ピン固定部635,636との間に、内部に向かう複数の切り込み部637および複数の切り込み部638が設けられている。
ハーネス側コネクタ602を基板側コネクタ601から抜くには、カバー部材633を破壊する必要がある。例えば、図34に示すように、ニッパ等の工具625を切り込み部637,638に差し入れ、切り込み部637の間、および切り込み部638の間を切断する。すると、被覆部634が左右の係合ピン固定部635,636から切り離される。よって、被覆部634を取り外すことが可能になる。図35には、被覆部634が取り外された後、ハーネス側コネクタ602が基板側コネクタ601から抜かれた状態が示されている。
以上のように、ハーネス側コネクタ602が基板側コネクタ601に差し込まれ、カバー部材633が装着されると、カバー部材633を破壊しない限りハーネス側コネクタ602を抜くことが不能になる。また、カバー部材633を破壊することによって、ハーネス側コネクタ602を基板側コネクタ601から外すことが可能になるが、図35に示す状態において、左右の係合ピン固定部635,636の破断面には破断の際の傷跡が残る。よって、ハーネス側コネクタ602を基板側コネクタ601から外した後、ハーネス側コネクタ602に不正基板(例えば、不正ROMを含むマイクロコンピュータを搭載した不正な主基板)を装着する目的で不正にカバー部材633を破壊しても、容易にそのことがわかる。従って、不正行為を抑止することができる。
また、図36に示すように、穴部639の平面形状は、略楕円における曲率が緩い方の縁部に凸状部分が付加されたような形状である。そして、傘部631,632を上(先端側)から見た形状は、穴部639における凸状部分に合うような形状である。六面体(例えば、略立方体)である係合ピン固定部635,636を90゜回転させると(例えば、図36に示すa方向に回転させる)、傘部631,632は、略楕円の穴部639から抜け出すことが可能になる。すなわち、係合ピン固定部635,636を傘部631,632から抜き出して(例えば、図36に示すb方向に抜き出して)、基板から外すことが可能になる。なお、被覆部634が取り外されない限り、係合ピン固定部635,636を回転させることはできない。つまり、カバー部材633を破壊しない限り、係合ピン固定部635,636を回転させることはできない。
カバー部材633を破壊した後、係合ピン固定部635,636を基板から外すことができるので、新たなカバー部633を装着することができる。つまり、ハーネス側コネクタ602を基板側コネクタ601に再装着した後、再度カバー部633を取り付けることができる。従って、検査等の目的でカバー部材633を破壊した後に、再度、カバー部材633を破壊しない限りハーネス側コネクタ602を抜くことが不能になるような構造を適用することができる。よって、基板収納ケース200自体を無駄にすることがない。
また、図33、図35および図36に示すように、係合ピン固定部635,636の底面は、ケースカバー202における高くなっている部分(直立している部分)の側が円弧状に切り取られたような形状になっている。従って、係合ピン固定部635,636を回転させるときに、ケースカバー202における直立している部分に当たることなく円滑に回転させることができる。
図38〜図40は、第3の構造例を示す図である。図38は、ハーネス側コネクタが差し込まれた後、カバー部材が取り付けられる前の状態を示す斜視図である。図39は、カバー部材の取り外しを規制するための処理が施されている状態を示す斜視図である。図40は、カバー部材の取り外しを規制するための処理が施された後の状態を示す斜視図である。
カバー部材653の底面および裏面における上部は開放している。すなわち、底面は存在せず、裏面における上部は存在しない。従って、カバー部材653は、ハーネス側コネクタ602と基板側コネクタ601とを覆うことができるとともに、ハーネス側コネクタ602に繋がるハーネスを外部に出すことができる。
また、カバー部材653の裏面の下部には、外側に突出する2つの係止部655が設けられている。基板収納ケース200において、係止部655に対応する位置に、穴部652が設けられている。また、カバー部材653の正面側には、中央に挿入穴657が開けられたインシュロック係合部654が設けられている。また、基板収納ケース200において、インシュロック係合部654に対応する位置に、中央に挿入穴651が開けられたインシュロック係合部650が設けられている。
図39に示すように、カバー部653が装着されると、カバー部材653側のインシュロック係合部654と基板収納ケース200側のインシュロック係合部650とが当接する。その状態では、挿入穴657と挿入穴651とが相対する。そして、図40に示すように、挿入穴657と挿入穴651とに紐状物(インシュロック)661が挿入され、その先端が、インシュロック661の中途に設けられている紐止め用穴662に挿入されて固定される。
図40に示された状態では、インシュロック661を解かない限り、カバー部653を基板側から外すことができない。よって、ハーネス側コネクタ602を基板側コネクタ601から引き抜くことはできない。なお、インシュロック661は、汎用品ではなく特注品である。すなわち、一般には入手困難なものである。また、インシュロック661の一つ一つにタグが形成されている。そして、タグに固有の識別番号(ID)が付されている。固有のID(メーカ等で管理されている。)によって、インシュロック661を偽造することを困難にすることができる。偽造をより困難にするために、IDは、印字されるのではなく、金型成型時に形成される。また、インシュロック661を解いた後では、再度、先端を紐止め用穴662に挿入しても固定不能な構造を有することが好ましい。よって、一度インシュロック661を解くと、新たなインシュロック661を入手しない限り、元の状態(図40に示された状態)に戻すことはできない。
よって、ハーネス側コネクタ602を基板側コネクタ601から外した後、ハーネス側コネクタ602に不正基板(例えば、不正ROMを含むマイクロコンピュータを搭載した不正な主基板)を装着する目的で不正にカバー部材653を外しても、容易にそのことがわかる。固定されたインシュロック661が存在しなくなるからである。
図41〜図44は、第4の構造例を示す図である。図41は、ハーネス側コネクタが差し込まれた後、カバー部材が取り付けられる前の状態を示す斜視図である。図42は、カバー部材の取り外しを規制するための処理が施されている状態を示す斜視図である。図43は、カバー部材の取り外しを規制するための処理が施された後の状態を示す斜視図である。図44は、ハーネス側コネクタを抜くためにカバー部材を破壊する状態を示す斜視図である。
カバー部材673の底面および裏面における上部は開放している。すなわち、底面は存在せず、裏面における上部は存在しない。従って、カバー部材673は、ハーネス側コネクタ602と基板側コネクタ601とを覆うことができるとともに、ハーネス側コネクタ602に繋がるハーネスを外部に出すことができる。
カバー部材673の正面側には、中央に穴部672を有する取付部材674,675が設けられている。また、基板収納ケース200において、内部にねじ溝が切られた穴部678を有するねじ受け部材670,671が設けられている。
図42に示すように、カバー部材673がハーネス側コネクタ602と基板側コネクタ601とに被せられると、取付部材674,675がねじ受け部材670,671に当接する。また、穴部672は穴部678に相対する。その状態で、2カ所の穴部672,678の一方にワンウェイねじ679が差し込まれ、ねじ止めされる。図43には、ねじ受け部材670にねじ止めされた様子が示されている。なお、ねじ受け部材670,671のうちの一方(例えば、ねじ受け部材671)は予備用である。後述するように、ねじ受け部材670が破壊された後、新たなカバー部材673を被せて、予備用のねじ受け部材671に新たなワンウェイねじ679をねじ止めすることによって、再度コネクタ封止構造を実現することができる。また、ケースカバー202等に、予備のワンウェイねじ679を保管しておく箇所を設け、そこに、予備のワンウェイねじ679を保管してもよい。
図43に示す状態では、ワンウェイねじ679をスクリュードライバで外すことはできないので、カバー部材673を破壊しない限りハーネス側コネクタ602を抜くことが不能になる。また、カバー部材673を破壊することによって、ハーネス側コネクタ602を基板側コネクタ601から外すことが可能になる。図41に示すように、取付部材674,675の根元部(略直方体のカバー部材673の本体に近い側)677は、扁平に形成されている。よって、図44に示すように、ニッパ等の工具625で、根元部677を切断すると、カバー部材673が基板収納ケース200から切り離され、ハーネス側コネクタ602を基板側コネクタ601から引き抜くことが可能になる。
根元部677が切断されると、根元部677の破断面には破断の際の傷跡が残る。よって、ハーネス側コネクタ602を基板側コネクタ601から外した後、ハーネス側コネクタ602に不正基板(例えば、不正ROMを含むマイクロコンピュータを搭載した不正な主基板)を装着する目的で不正にカバー部材673を破壊しても、容易にそのことがわかる。従って、不正行為を抑止することができる。
以上に説明したように、ハーネス側コネクタ602を基板側コネクタ601に装着した後、カバー部材613,633,653,673を被せて、カバー部材613,633,653,673を取り外せないような構造にすることによって不正行為を効果的に防止することができる。
上述したように、ハーネス側コネクタ602を基板側コネクタ601に装着した後、その接合を解除できないようにするための構造の適用箇所は、図25〜図27に示す例では、〇で示された箇所であるが、〇で示される箇所のうちの全ての箇所に適用してもよいし、任意の数カ所(1カ所を含む)に適用してもよい。
また、適用する場合に、主基板31にケーブルで直接電気的に接続される他の基板におけるコネクタ設置位置(主基板31と他の基板の双方において)において適用されることが好ましいが、主基板31(第1基板とする。)に接続される他の基板(第2基板とする。)と、第2基板に接続されるさらに他の基板(第3基板とする。)との双方におけるコネクタ設置位置(第1基板および第2基板を接続するケーブルが接続されるコネクタの設置位置)においても、上述したコネクタ封止構造(基板側コネクタ601とハーネス側コネクタ602との封止)が適用されることがより好ましい。第3基板におけるコネクタ接続を外して、第1基板を不正基板に換えて(第2基板も含めて交換して、または第2基板で実現される機能も含む不正基板に交換して)第3基板に接続するような不正行為がなされることも考えられるからである。なお、第1基板に相当するものは主基板31に限られず、他の基板であってもよい。
図5や図10等に示されたコネクタ規制部材500によるコネクタ封止構造、図16〜図18に示されたコネクタ規制部材520によるコネクタ封止構造、および図19および図20に示されたコネクタ規制部材550によるコネクタ封止構造でも、コネクタ規制部材500,520,550または基板収納ケース200の一部を破壊しない限りコネクタ規制部材500の保持状態を解除することができなくなる。よって、第1基板と第2基板と第3基板の各々に上記の第1〜第4の構造例をコネクタ封止構造として適用できるが、図5や図10等に示されたコネクタ規制部材500によるコネクタ封止構造を適用してもよい。
なお、第2基板や第3基板にもコネクタ封止構造を採用して、主基板31を第2基板や第3基板に接続不能にした場合には、第2基板や第3基板が演出制御基板80や図柄基板411である場合には、主基板31を不正基板に換えても、正規の演出が実行されない。また、第2基板や第3基板が払出制御基板37である場合には、正規の払出制御が実行されない。その他の基板についても、正規の機能を果たさなくなる。その結果、外部から遊技機を観察すると、異常な動作を行っていることが容易に把握される。つまり、第2基板や第3基板にもコネクタ封止構造を採用すれば、主基板31が不正基板に換えられても、容易にそのことを発見できる。換言すれば、不正基板を第2基板や第3基板に接続できなくすると、例えば、第2基板や第3基板が演出制御基板80である場合には、画像表示、音、発光等の演出が実行されない、第2基板や第3基板が払出制御基板37である場合には、入賞があっても払出が実行されない、第2基板や第3基板が図柄基板411である場合には、始動入賞しても図柄が変動しない、第2基板や第3基板がその他の基板である場合にも、演出や報知が正常になされない、といった現象が生ずる。よって、現象により不正基板が外部から容易に認識されてしまうことになるので、不正行為者は主基板31と接続される基板に対しては極力全部の基板と不正基板とを接続することが予想される。よって、第2基板や第3基板のコネクタを封止することに意義がある。
例えば、図25〜図27に例示する構成において、主基板31、図柄基板411、周辺電源中継基板412、周辺コマンド中継基板177、盤用外部端子板36、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、電源基板910、払出制御基板37、音声出力基板70および演出制御基板80に着目すると、主基板31には、主基板31と他の基板(図柄基板411、周辺電源中継基板412、周辺コマンド中継基板177、盤用外部端子板36、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、電源基板910、払出制御基板37)とを接続するための複数の基板側コネクタ601が搭載されているが、それぞれの基板側コネクタ601に他の基板に接続されるハーネス側コネクタ602が差し込まれた後にはハーネス側コネクタ602を引き抜き不能にするための引き抜き不能化手段(封止手段等)によって、ハーネス側コネクタ602は引き抜き不能になる。
また、他の基板(図柄基板411、周辺電源中継基板412、周辺コマンド中継基板177、盤用外部端子板36、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、電源基板910、払出制御基板37)についても、主基板31を接続するための基板側コネクタ601が搭載されているが、それぞれの基板側コネクタ601に主基板31に接続されるハーネス側コネクタ602が差し込まれた後にはハーネス側コネクタ602を引き抜き不能にするための引き抜き不能化手段(封止手段等による第1引き抜き不能化手段)によって、ハーネス側コネクタ602は引き抜き不能になる。
また、音声出力基板70および演出制御基板80には、他の基板(周辺電源中継基板412、周辺コマンド中継基板177)を接続するための基板側コネクタ601が搭載されているが、それぞれの基板側コネクタ601に他の基板(周辺電源中継基板412、周辺コマンド中継基板177)に接続されるハーネス側コネクタ602が差し込まれた後にはハーネス側コネクタ602を引き抜き不能にするための引き抜き不能化手段(封止手段等による第2引き抜き不能化手段)によって、ハーネス側コネクタ602は引き抜き不能になる。
なお、図25〜図27に例示する構成において、遊技球を検出するための各スイッチは、スイッチ部材そのものであってもよいが、スイッチ部材を搭載した基板であってもよい。
なお、上記の各構造では、1つのカバー部材613,633,653,673を用いたが、カバー部材は1つに限られない。例えば、ハーネス側コネクタ602を基板側コネクタ601に装着した後、コネクタを複数のカバー部材で覆うようにして、それらのカバー部材を、破壊しない限り、開けられないような構造を用いてもよい。また、コネクタをカバー部材で覆うようにした後、そのカバー部材を他の部材(例えば、上記のカバー部材613,633,653,673の構造を有するもの)で覆うようにしてもよい。
また、以上の説明では、ハーネス側コネクタ602を基板側コネクタ601から取り外すことができない構造(引き抜き不能化手段)としてカバー部材613,633,653,673を用いた構造を例にしたが、ハーネス側コネクタ602を基板側コネクタ601から取り外すことができない構造(基板や電気部品に設けられているコネクタ(例えば、雌型コネクタ)に差し込まれたコネクタ(例えば、雄型コネクタ)を抜けないようにするための構造)は、そのような構造に限られない。以下のような構造による引き抜き不能化手段を用いてもよい。
(A)コネクタ自体を、一度他のコネクタが装着されたら、引き抜き不能な構造を有するものにする。
(B)例えば、両コネクタが接続されたら、内部的に(人手で操作できないように)、両コネクタをロックする解除不能化部材を設ける。
(C)ロック付きのコネクタを用いる。通行、ロック部分を人手で操作することによって、両コネクタの接続を解除することができるが、ロック部分に対して、一度他のコネクタが装着されたら、ロック部分を人手で操作してもロック解除されないような解除不能化部材を設ける。
また、以上の説明では、ハーネス側コネクタ602と基板側コネクタ601との接合部分を開放できないようにするための封止手段(基板側コネクタ601に差し込まれたハーネス側コネクタ602を抜けないようにするための手段)として、係合ピン、インシュロック、係合ピンまたはワンウェイねじを例示したが、封止手段はそれらに限られない。例えば、以下のようなものを使用することができる。
(1)リベット
(2)熱溶着や高周波溶着で接合される部材
(3)紫外線硬化樹脂などによる接着剤
(4)係合部品(この場合には、係合部分に接着剤を塗布したり、接着剤を注入したり、溶着したりする。)
また、上記の(1)〜(4)のものや係合ピンを用いる場合に、基板側コネクタ601からハーネス側コネクタ602を外す際に、上記の各構造のようにコネクタ自体を破壊するのではなく、上記の(1)〜(4)のものや係合ピンを破壊したり、それらの一部を破壊するような構造にしてもよい。
なお、上記の(A)〜(C)およびカバー部材613,633,653,673を用いた構造のうちのいずれかの構造と、上記の(1)〜(4)、係合ピン、インシュロックおよびねじのうちのいずれかの封止手段とを、任意に組み合わせることができる。
また、以上の説明では、ハーネス側コネクタ602と基板側コネクタ601との接合部分を開放できないようにするための封止手段の材質として、金属を用いてもよいし、合成樹脂を用いてもよい。
また、以上の説明では、封止可能回数(カバー部材613,633,653,673の利用可能回数)は1回であったが、複数回利用できるような構造を採用してもよい。例えば、基板収納ケース200において採用されたかしめ(ワンウェイねじによる)回数を複数回にするためにワンウェイねじの装着箇所を複数(例えば4つ)設ける。複数回利用できるような構造を採用する場合には、再封止のための予備部材を用意しなくてよい。
封止可能回数を複数回にした場合には、開封(破壊等によって封止を解除すること)したことが容易に確認できるようにする構造を有していることが好ましい。例えば、切断によって開封するような構造では、切断部を直ちに視認できるように、上面側に切断面がくるような構造を採用することが好ましい。
また、封止可能回数を複数回にした場合には、正規の開封に対応するために、基板側コネクタの近傍に、履歴シールを貼付しておくことが好ましい。履歴シールには、例えば、開封の際に記入される「検査者」の欄と「検査日」の欄とが設けられている。検査者等が検査等の目的で開封したときには、「検査者」の欄に自身の名前を記入し「検査日」の欄に破壊した日を記入する。それらの記入がないにも関わらず、開封されているときには、不正行為がなされたと判定することができる。
さらに、封止に用いる部材は、開封されたことが容易に確認できるように、特殊な形状であることが好ましい。
なお、上記の第1〜第4の構造例では、ハーネス側コネクタ602と基板側コネクタ601との接合部分を開放できないように封止する封止手段が用いられたが、基板収納ケース200に、コネクタに関する封止機能を持たせると、封止手段の数が少なくなってコストが増大しない。
また、上記の第1〜第4の構造、またはカバー部材を用いる他の構造において、封止されているコネクタに対して万一不正行為がなされても容易に不正行為を発見できるように、カバー部材は透明の材質で形成されていることが好ましい。
また、封止手段の色を、蛍光色等の目立つような色にして、開封されていないか否かに注目させるようにしておくことが好ましい。
図45は、主基板31における回路構成の他の例を示すブロック図である。なお、図45には、一部のみが示されている。図45に示すように、遊技店員等による操作に応じて遊技制御用マイクロコンピュータ560による遊技制御処理を中断させるための中断ボタン361が主基板31に搭載されている。中断ボタン361は、押下されたことに応じて、遊技制御処理中断信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に対して出力する。
また、主基板31には、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御に応じて、遊技機の遊技状態を報知するための状態報知LED61に駆動信号を与えるLED回路60が設けられている。状態報知LED61は、主基板31に設けられている。記載省略されているその他の構成は、図3に示された構成と同じである。
この実施の形態では、状態報知のための発光体として状態報知LED61が用いられているが、LED以外の発光体を用いてもよい。発光体は1個ものに限られず複数個の発光体により報知するものでもよい。さらにドットマトリクス表示器、7セグメント表示器、液晶表示器、EL等により報知するものでもよい。また、発光体以外の報知手段(例えば、スピーカ、ブザー等)を用いてもよい。
次に、「なりすまし基板」について説明する。「なりすまし基板」とは、パチンコ遊技機の主基板に「なりすまして」大当りを発生させる等の不正な制御を実行する不正回路基板を意味する。
マイクロコンピュータに各種の処理を実行させるための制御プログラムが格納されたROMを交換し、不正に大当りを発生させる不正行為が行われることがある。そこで、ROMが交換されないように、ROMをマイクロコンピュータに内蔵させて1チップマイクロコンピュータ化するとともに、ROMの格納データにより所定の演算を行い、その演算結果により正規なROMか否かを確認するセキュリティチェックを行うようにしていた。
ところが、1チップマイクロコンピュータ自体を偽造して、正規のマイクロコンピュータと交換し、不正に大当りを発生させる不正行為が行われるようになった。これに対応して、マイクロコンピュータが交換されたときの痕跡が残るように、主基板を格納する基板ボックスを封止することとし、基板ボックスが開封されたことがわかるようにした遊技機が用いられるようになった。
しかし、始動口スイッチと主基板との間の配線に不正回路基板を取り付けて、大当り判定用乱数の大当り判定値のタイミングで不正に始動入賞を発生させる不正行為が行われるようになった。これに対応して、大当り判定用乱数の初期値を変更させて大当り判定値と一致するタイミングをずらすものや、高速で更新するハードウェア乱数が用いられるようになった。
その後、主基板を格納する基板ボックスを不正回路を搭載した基板に交換して不正に大当りを発生させる行為が行われるようになった。これに対応して、マイクロコンピュータに主基板の外部に設置された照合機を接続し、正規のマイクロコンピュータであるか否かを照合する機能を照合機に持たせ、不正回路基板の発見が容易になるようにした。
ところが、正規の主基板は遊技機に残したままで、電源だけを供給し正規のマイクロコンピュータの照合機能は生かしつつ、入賞・大当り等その他の主基板の機能を主基板の代わりに実行する「なりすまし基板」を主基板の裏側に設置し、不正に大当りを発生させる不正行為が発生するようになった。
図46は、なりすまし基板が遊技機に設置された状態の例を示すブロック図である。図46に示すように、なりすまし基板31Xは、主基板31と、主基板31と信号のやりとりを行う他の電気部品制御基板(この実施の形態では、演出制御基板80、払出制御基板37)との間に設置される。そして、主基板31と信号のやりとりを行う他の電気部品制御基板は、主基板31ではなく、なりすまし基板31Xと信号のやりとりを行う。また、一例として、なりすまし基板31Xから主基板31に対して電源電力が供給される。
なりすまし基板31Xは、一般に、正規の主基板31のコネクタを全部抜き、基板ボックスの裏に隠して設置される。主基板31側のコネクタをはずすとすぐに発見されるため、主基板31に接続されている相手側基板のコネクタを抜く。これにより、見た目上は、主基板31の異常は発見されにくい。そして、主基板31に接続されていた電気部品をなりすまし基板31Xにすべて接続させる。さらに、なりすまし基板31Xから正規の主基板31に電源を供給する配線を接続する。よって、遊技制御用マイクロコンピュータ560の照合機能(認証信号を出力する機能)が動作するので、照合機365を用いて照合を行った場合に、認証対象がなりすまし基板31Xではなく主基板31になるため、照合結果はOKになる。
そして、なりすまし基板31Xを主基板31の裏側に隠す。パチンコ遊技機に搭載される主基板31は、基板自体に不正回路が搭載されていないかを容易に発見させる目的で、部品の実装は片面実装とされ、さらに面実装部品の使用ができないので基板自体が比較的大きい。よって、主基板31と同程度の性能を有する制御基板を、両面実装とし、その面実装部品により作成すると、正規の主基板31より小さくすることができる。すなわち、主基板31と同程度の性能を有する「なりすまし基板」を、主基板31より小さく作成することができる。このため、「なりすまし基板」を主基板31の裏側に隠して設置することが容易にできてしまう。
図47は、既に説明したような主基板31を収容する遊技制御基板ボックスを簡略化して示す正面図である。主基板31は、遊技機裏面において、遊技制御基板ボックスに収容されている。すなわち、収納手段としての遊技制御基板ボックスに主基板31が収納され、それらが組み合わされた遊技制御ユニットの形で遊技機に取り付けられている。遊技制御基板ボックスは、主基板31が収容されたボックス本体31Aが蓋部31Bで覆われる構造である。蓋部31Bは、取付部31D,31Eのそれぞれにおける1箇所の取付穴にねじ込まれたワンウェイねじとその他のねじ(図示せず)でボックス本体31Aに固着される。ワンウェイねじは、ねじ締め方向にしか回らないねじであり、遊技制御基板ボックスを開封不能とする固着手段の一例である。従って、一旦締め付けるとねじを取り外すことはできない。遊技制御基板ボックスは、ボックス本体31Aと蓋部31Bとの接合部分がねじ等の例えば金具によって固くとめられた「かしめ構造」を成している。なお、図47に示す例では、ワンウェイねじの取付部分は、左右両側のそれぞれに3箇所ずつ設けられている。
蓋部31Bをボックス本体31Aから外して主基板31を露出させようとする場合には、取付部31D,31Eにおけるワンウェイねじの取付部分(蓋部31Bとの取付部分)を切断する必要がある。従って、取付部分の切断の履歴から主基板31が露出された回数がわかる。管理者等が把握している取付部分の切断の履歴(回数)よりも実際の切断の回数が多い場合には、蓋部31Bが不正に外されて主基板13が露出され、遊技制御用マイクロコンピュータが不正マイクロコンピュータに交換された可能性があることがわかる。なお、取付部31D,31Eにはそれぞれ3箇所の取付穴が設けられているので、蓋部31Bを3回まで外すことができる。
また、蓋部31Bの不正取り外し防止のために、蓋部31Bとボックス本体31Aとの間に、ホログラムがプリントされた封印シール31F,31Gが貼着される。封印シール31F,31Gを剥がすと蓋部31Bおよびボックス本体31Aにホログラムが部分的に残るので、剥がされたことが一目でわかる。このことからも、蓋部31Bをボックス本体31Aから不正に取り外して主基板31を露出させようとしたことがわかる。
さらに、蓋部31Bの表面には、紫外線が照射されると蛍光発光する特殊蛍光インクによって印刷が施された領域366がある。領域366における印刷は、通常状態では視認不能であるが、紫外線を照射すると、領域366における印刷内容が蛍光発光して印刷内容が視認される。そして、領域366があること、および領域366の印刷内容は公表されない。
遊技制御基板ボックスが偽物(不正遊技制御用マイクロコンピュータが搭載された偽遊技制御基板ボックス)と交換された場合、偽遊技制御基板ボックスには領域366は存在しないので、紫外線を照射することによって、遊技制御基板ボックスの真偽を判定することができる。偽遊技制御基板ボックスに紫外線を照射しても、領域366における印刷内容が発光することがないからである。
なお、この実施の形態では、遊技制御基板ボックスの表面に特殊蛍光インクによって印刷が施された領域366を設けたが、遊技制御基板ボックスに収納されている遊技制御用マイクロコンピュータ560の表面に、特殊蛍光インクによって印刷を施してもよい。
また、特殊蛍光インクによって印刷を施すのではなく、遊技制御基板ボックスの所定箇所に変化を付けるようにしてもよい。例えば、取付部31D,31Eにおける3箇所の取付穴の形状をそれぞれ異なるようにしてもよい。その場合、一見しただけでは同形状に見えるが測定器で測定すると違いがわかる程度に変化を付ける。また、3箇所の取付穴の位置を等間隔に設けるのではなく、不等間隔にしてもよい。その場合、一見しただけでは等間隔に見えるが測定器で測定すると不等間隔であることがわかる程度に変化を付ける。さらに、遊技制御基板ボックスに複数の放熱用穴が設けられているときには、穴の形状をそれぞれ異なるようにしてもよい。その場合、一見しただけでは同形状に見えるが測定器で測定すると違いがわかる程度に変化を付ける。なお、穴の間隔や穴の形状等に違いがあることは公表されない。それ以外にも、遊技制御基板ボックスまたは主基板や遊技制御用マイクロコンピュータ560において、一見しただけでは視認できないような特殊な加工(例えば、視認しづらい位置にマーク等を伏しておく。)を施すようにしてもよい。
遊技制御基板ボックスをそのように構成にすると、遊技制御基板ボックスが偽遊技制御基板ボックスと交換された場合、本来の穴の間隔や穴の形状等に違いがあることを知らない限り、偽遊技制御基板ボックスにおいて穴の間隔や穴の形状等に違いを付けることは考えづら。また、本来の遊技制御基板ボックスに施されている特殊な加工と同じ加工をすることは考えづら。すなわち、偽遊技制御基板ボックスと交換された場合、そこには穴の間隔や穴の形状等に違いがないことになるので、または特殊な加工が存在しないことになるので、穴の間隔や穴の形状等を測定することによって、または特殊な加工の有無によって、遊技制御基板ボックスの真偽を判定することができる。
また、この実施の形態では、蓋部31Bに、機種名シール31aと検査履歴シール31bとが貼付されている。検査履歴シール31bには、主基板31の検査、修理、交換等の際に記入される「検査者」の欄と「検査日」の欄とが設けられているが、この例では、遊技機管理番号も記載されている。遊技機管理番号は、例えば遊技制御基板ボックスのユニット番号(各遊技制御ユニットに固有に付与された番号)である。
また、この実施の形態では、図47に示すように、蓋部31Bに、中断ボタン361を突出させるための孔(開口部)が設けられ、その孔から中断ボタン361の押下操作部が露出している。
なお、主基板31におけるコネクタ部分は蓋部31Bの外部に露出している。図47に示された例では、識別情報入出力のためのコネクタ31Cが例示されている。しかし、主基板31には、他の基板等との接続のための他のコネクタも搭載されている。
上記のように、主基板31が、開封不能な固着手段によって封止された基板ボックス内に収納され、中断ボタン361の押下操作部が、基板ボックスに設けられた開口部に設置されるように構成されているので、なりすまし基板が設置されている場合に、中断ボタン361からの遊技制御処理中断信号を確実に主基板31に入力させることができる。よって、なりすまし基板が設置されている場合に、中断ボタン361からの遊技制御処理中断信号がなりすまし基板に入力され、なりすまし基板が設置されているにもかかわらず遊技が中断されてしまうことを防止することができる。
図48は、主基板31に搭載された中断ボタン361の搭載状態および状態報知LED61の設置状態の例を示す説明図である。図48には、遊技制御基板ボックスに収納された主基板31に中断ボタン361および状態報知LED61が搭載されているときの主基板31および遊技制御基板ボックスの蓋部31Bの断面が示されている。図48に示すように、中断ボタン361は、ボタンの押下操作部分が遊技制御基板ボックスの蓋部31Bに設けられた孔(図47参照)から露出した状態で、主基板31の基板上に搭載される。よって、主基板31が遊技制御基板ボックス内に密封されていても、中断ボタン361を押下することが可能になる。なお、中断ボタン361は、主基板31に設けられていればよく、遊技制御基板ボックスの蓋部31Bに設けられた孔から突出した状態、またはその孔から臨む遊技制御基板ボックス内に位置させるようにしてもよい。
また、遊技制御基板ボックスの蓋部31Bに設けられた孔と中断ボタン361の押下操作部との間の隙間は、極力狭くすることが望ましい。すなわち、遊技制御基板ボックスの蓋部31Bに設けられた孔は、遊技制御基板ボックスの密封状態を確保するため、中断ボタン361によって大部分が塞がれるように形成される。例えば、遊技制御基板ボックスの蓋部31Bに設けられた孔の内壁に、中断ボタン361の押下操作部分の外壁が押下操作可能に接触した状態になるようにしてもよい。また、中断ボタン361を覆う柔軟性のある材質のカバーを、遊技制御基板ボックスの蓋部31Bに設けられた孔を塞ぎ、かつ中断ボタン361の押下操作可能な状態で、破壊等されない限り外れないように設置するようにしてもよい。このように、遊技制御基板ボックスの蓋部31Bに設けられた孔と中断ボタン361の押下操作部との間の隙間を極力狭くしたり、カバーによって完全に塞ぐようにすれば、遊技制御基板ボックスが破壊などされない限り主基板31の配線の変更等を行うことが不可能になるため、主基板31からの信号が取り出されてなりすまし基板などの外部に出力されることを防止することができる。
なお、一般に遊技制御基板ボックスの蓋部31Bは透明(着色されている場合もあるが、その場合でも、外部から遊技制御基板ボックスの内部を視認することは可能である。)であるから、主基板31に設置されている状態報知LED61の点灯状態を、遊技制御基板ボックスの外部から視認することができる。また、この実施の形態では、状態報知LED61は主基板31に設置されているが、遊技制御基板ボックス内において、主基板31以外の箇所に設置してもよい。
次に遊技機の動作について説明する。図49は、遊技機に対して電力供給が開始され遊技制御用マイクロコンピュータ560へのリセット信号がハイレベルになったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、CPU56は、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、マスク可能割込の割込モードを設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。なお、ステップS2では、CPU56の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードに設定する。また、マスク可能な割込が発生すると、CPU56は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
次いで、内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行う(ステップS4)。ステップS4の処理によって、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の設定(初期化)を行う。この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータ560は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)804も内蔵している。
次いで、CPU56は、認証信号(主基板31に一意に与えられている基板ID)を照合端子364に対して出力するとともに(ステップS81)、RAM55をアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。
次に、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜S15)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびステップS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS15に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、特別図柄プロセスフラグや普通図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグ(遊技状態を示すフラグ)に初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ110は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
さらに、CPU56は、異常報知禁止フラグをセットするとともに(ステップS44)、禁止期間タイマに禁止期間値に相当する値を設定する(ステップS45)。禁止期間値は、後述する異常入賞の報知を禁止する期間を示す値である。また、異常報知禁止フラグは、異常入賞の報知が禁止されていることを示すフラグであり、禁止期間タイマがタイムアウトするまでセット状態に維持される。よって、可変表示装置9において初期化報知が開始されてから所定期間は、異常入賞の報知の開始が禁止される。
また、CPU56は、乱数発生回路506からデータを読み出して(ステップS14A)、乱数発生回路506から読み出したデータを、ランダム1(大当り判定用乱数)を生成するためのカウンタに初期値としてセットするとともに、乱数発生回路506から読み出したデータを、RAM55におけるランダム1用初期値バッファに初期値として保存しておく(ステップS14B)。CPU56は、さらに乱数発生回路506からデータを読み出し、読み出したデータを、ランダム5(普通図柄当り判定用乱数)を生成するためのカウンタに初期値としてセットするとともに、乱数発生回路506から読み出したデータを、RAM55におけるランダム5用初期値バッファに初期値として保存しておく(ステップS14C)。なお、乱数(大当り判定用乱数、普通図柄当り判定用乱数)を生成するためのカウンタのそれぞれに応じた複数の乱数発生回路506を設けてもよい。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
次に、遊技制御処理について説明する。図50は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。メイン処理の実行中に、具体的には、ステップS16〜S19のループ処理の実行中における割込許可になっている期間において、タイマ割込が発生すると、CPU56は、図50に示すステップS85およびステップS20〜S35のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、CPU56は、中断ボタン361からの遊技制御処理中断信号が入力しているか否か判定し(ステップS85)、遊技制御処理中断信号が入力されていなければ(ステップS85のN)、ステップS20以降の処理を実行する。遊技制御処理中断信号が入力されていれば、遊技制御処理中断信号が入力されなくなるまで遊技制御処理中断信号の状態を監視し、ステップS20以降の処理の実行を中断する。
ステップS20において、CPU56は、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理(電源断検出処理)を実行する。電源断信号は、例えば電源基板910に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、CPU56は、正規の時期以外の時期において大入賞口に遊技球が入賞したことを検出した場合に異常入賞の報知を行わせるための処理を行う(ステップS22A:異常入賞報知処理)。
また、CPU56は、特別図柄や普通図柄の当り図柄決定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
図51は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:第1始動口15aまたは第2始動口15bへの遊技球の入賞(始動入賞)にもとづく特別図柄の可変表示に対応して、大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2: 特別図柄のはずれ図柄(停止図柄)を決定する(はずれ図柄決定用)
(3)ランダム3:大当りを発生させるときの特別図柄の停止図柄を決定する(大当り図柄決定用)
(4)ランダム4:特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン決定用)
(5)ランダム5:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(6)ランダム6:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(7)ランダム7:ランダム5の初期値を決定する(ランダム5初期値決定用)
(8)ランダム8:遊技状態(高ベース状態/低ベース状態、高確率状態/低確率状態)および大当りの種類(突然確変大当り、15R大当り)を決定する(遊技状態決定用)
図50に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り判定用乱数、(3)の大当り図柄決定用乱数、(5)の普通図柄当り判定用乱数、および(8)の遊技状態決定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(8)の乱数以外の乱数も用いられている。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数は遊技制御用マイクロコンピュータ560によってプログラムにもとづいて生成されるソフトウェア乱数であるが、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアまたは遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェアが生成する乱数を用いてもよい。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、特別図柄表示器8および大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ110に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
また、CPU56は、遊技状態に応じて、状態報知LED61の点灯状態を制御する状態報知LED制御処理を行う(ステップS34)。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS35)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
上記の判定用乱数および表示用乱数は、CPU56によって定期的(この実施の形態では2ms毎)にカウントアップされ、カウント値が最大値を越えると最小値(例えば、0や1)に戻される。
カウンタのカウント値は定期的にカウントアップされるので、何らかの手段でカウントアップの周期やカウンタのカウント値が1周する周期が検出されると、例えば大当り判定値と一致する乱数値を発生するタイミングが認識されてしまう。すると、大当り判定値と一致する乱数値が発生するタイミングを狙った遊技を行うことによって、頻繁に「大当り」を発生させることが可能になってしまう。大当り判定値と一致する乱数値が発生するタイミングを狙うために、遊技機に不正基板が取り付けられる場合がある。そのような不正基板は遊技制御を行う回路部分から外部に出力される信号を導入し、その信号にもとづいて遊技制御を行う回路部分の起動タイミングを検出し、大当り判定値と一致する乱数値が発生するタイミングを検出している。そして、不正基板は、そのタイミングに同期するように、遊技制御を行う回路部分に所定の信号(始動入賞信号)を送り「大当り」を不正に発生させることが可能になる。その結果、遊技機を設置している遊技店に不利益が生じてしまう。
「大当り」を生じさせる乱数値の発生を狙った不正信号による不正行為を防止するために、カウント値が1周(例えば、631種類の乱数のいずれかを発生させたい場合には631歩進すること)すると、カウント値を特定の値(例えば、0)に戻すのではなく、カウンタにランダムな値を設定するようにすることが提案されている。そのようなカウンタ制御を行えば、外部から「大当り」を生じさせる乱数値の発生を狙うことが難しくなる(例えば、特開平11−70252号公報参照)。以下、カウント値が1周した場合にカウンタにランダムな値を設定することをカウンタの初期値を変更するという。
しかし、特開平11−70252号公報に記載されている方式では、乱数を生成するためのカウンタのカウント値が1周しない限り、カウンタの初期値は変更されない。
一般に、遊技機に対して電力供給が開始されるとCPU56はカウンタのカウント値を特定の値(例えば、0)に初期化するので、遊技機に対する電力供給が開始されてからカウンタのカウント値が1周するまでは、「大当り」を生じさせる乱数値の発生タイミングを狙うことが可能になってしまう。遊技機に対して電力供給が開始されたときでなくても、CPU56にリセット信号が与えられてCPU56が再度初期状態から制御を開始する場合にも、CPU56はカウンタのカウント値を特定の値(例えば、0)に初期化するので、遊技機に対する電力供給が開始されてからカウンタのカウント値が1周するまでは、「大当り」を生じさせる乱数値の発生タイミングを狙うことが可能になってしまう。
そこで、この実施の形態では、CPU56は、カウンタのカウント値が1周した場合にカウンタの初期値を変更するとともに、遊技機に対して電力供給が開始されたときに実行する初期化処理(ステップS10〜S15)において、大当り判定用乱数を生成するためのカウンタに、乱数発生回路506から読み出したデータを初期値として設定する(図49におけるステップS14B参照)。また、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタに、乱数発生回路506から読み出したデータを初期値として設定する(図49におけるステップS14C参照)。なお、CPU56は、遊技機に対して電力供給が開始されたときだけでなく、リセット信号が入力されて初期化処理を実行するときにも、ステップS14B,S14Cの処理を実行する。
乱数発生回路506は、ホワイトノイズ(白色雑音)にもとづく乱数を発生する回路である。ホワイトノイズにもとづく乱数は一様乱数である。一様乱数とは、所定の区間(例えば、0〜630や0〜1023などの数値範囲)において、その区間(数値範囲)に含まれる全ての数値の出現確率が同じであるような乱数である。すなわち、数値範囲における各数値が、ランダムに、かつ、同程度の割合で発生する乱数である。
図52は、乱数発生回路506の一構成例を示すブロック図である。ただし、図52には、数値範囲が24=16(0〜15)である場合の構成例が示されている。図52に例示する乱数発生回路506は、ホワイトノイズにもとづく乱数の一例としてM系列(maximum length sequences)の符号を発生する回路である。M系列の符号(M系列乱数)を発生する回路は、ホワイトノイズと見なせる乱数すなわちホワイトノイズにもとづくディジタル値の乱数を発生する回路として、通信システム等ではよく用いられている。M系列の符号を発生する回路は、0と1をランダムに発生する。また、発生パターンの周期が理論的に最大である。従って、M系列の符号を発生する回路がデータをシリアル出力するように構成されている場合、その回路が出力するビット(0または1)を任意の時点から連続して入力してn(正の整数)ビットのデータとした場合に、nビットのデータが示す数値(n=4の場合には0〜15のいずれか)は、その後に出力されるnビット毎のデータが示す各数値との間でランダム性(同じ数値が時間的に規則性なく出現すること)を有し、各数値を乱数と見なすことができる。
乱数発生回路506は、クロック入力端子510に入力されるクロック信号にもとづいてデータをシフトするシフトレジスタ509と、シフトレジスタ509の最終段の出力と中途の段の出力との排他的論理和を演算する排他的論理和回路507とを含む。排他的論理和回路507の出力は、シフトレジスタ509の初段に入力される。また、シフトレジスタ509の最終段の出力は、出力端子508から出力される。この実施の形態では、出力端子508から遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力される。
遊技制御用マイクロコンピュータ560には、シフトレジスタ509からシリアル信号によるデータが入力されるが、入力されたデータを4ビット毎に区切ったデータ(10進数で0〜15のいずれか)は、ランダムな乱数になっている。
なお、図52に示された例では、シフトレジスタ509の段数が4であるから数値範囲は24=16(0〜15)になるが、数値範囲を210=1024(0〜1023)にしたい場合には、シフトレジスタ509の段数を10にすればよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が扱う数値範囲が631(0〜630:ランダム1の場合)である場合には、例えば、シフトレジスタ509の段数が10である乱数発生回路506から入力されるデータを10ビット毎に区切り、10ビットで表されるデータ(10進数で0〜1023のいずれか)が630を越えた場合には、任意の数値に置き換えればよい。ランダム1の数値範囲を例えば0〜511とすれば、シフトレジスタが9段で構成された乱数発生回路を用いて、その乱数発生回路の出力をそのまま使用できる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が扱う数値範囲が1〜13の14(ランダム5の場合)である場合には、例えば、シフトレジスタ509の段数が4である乱数発生回路506から入力されるデータを4ビット毎に区切り、4ビットで表されるデータ(10進数で0〜15のいずれか)が0または13を越えた数値である場合には、任意の数値に置き換えればよい。なお、ランダム5の数値範囲を例えば0〜15とすれば、シフトレジスタが4段で構成された乱数発生回路を用いて、その乱数発生回路の出力をそのまま使用できる。ただし、図52に例示されているM系列の符号を発生する回路は0と1をランダムに出力するので、例えば、シフトレジスタ509の段数が4である乱数発生回路506を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、連続する任意のビット数(4以外でもよい)のデータを入力して、入力したデータが示す数値を乱数値(この例では、カウンタに設定される初期値)としてもよい。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、乱数発生回路506からシリアル信号によるデータが入力されるように構成されているが、例えば乱数発生回路506と遊技制御用マイクロコンピュータ560との間にシリアル−パラレル変換器を設け、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数値を示すデータとして、パラレル信号によるデータが入力されるように構成されていてもよい。また、乱数発生回路506の内部において、出力端子508の手前にシリアル−パラレル変換器を設けてもよい。
また、この実施の形態では、初期化処理において、大当り判定用乱数を生成するためのカウンタに乱数発生回路506から読み出したデータを初期値として設定し(図5におけるステップS14B参照)、続いて、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタに乱数発生回路506から読み出したデータを初期値として設定しているが(図5におけるステップS14C参照)、ステップS14Bの処理が実行されてからステップS14Cの処理が実行されるまでにCPU56による処理時間(例えば、マイクロ秒オーダー)が経過するので、クロック入力端子510に入力されるクロック信号の周波数が高ければ(例えば、MHzオーダー)、処理時間の間に乱数発生回路506の出力は変化するので、大当り判定用乱数を生成するためのカウンタと普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタに同じ値が設定されることはない。なお、1つの乱数発生回路506を使用する場合には、一例として、大当り判定用乱数を生成するためのカウンタに初期値を設定するときには、乱数発生回路506から順次シリアル出力されるデータから連続する10ビット(10進数で0〜1023のいずれかになる)を入力すればよく、普通図柄当り判定用乱数を生成するために、乱数発生回路506から順次シリアル出力されるデータから連続する4ビット(10進数で0〜15のいずれかになる)を入力すればよい。なお、上述したように、乱数(大当り判定用乱数、普通図柄当り判定用乱数)を生成するためのカウンタのそれぞれに応じた複数の乱数発生回路506を設けてもよい。
また、乱数発生回路506は、遊技制御用マイクロコンピュータ560とは非同期に動作している(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560の動作クロック信号とクロック入力端子510に入力されるクロック信号とは周波数が異なっている。)ので、また、遊技機に対して電力供給が開始されたとき、または遊技制御用マイクロコンピュータ560にリセット信号が与えられたとき(遊技制御を開始したとき)から、遊技制御用マイクロコンピュータ560がステップS14Bの処理を開始するときまでの時間は一定ではない。なぜなら、リセット信号を生成するリセット回路は一般にコンデンサを含む回路であり、コンデンサへの充電によってコンデンサの電圧が所定値になるとリセット信号を出力する(具体的には、リセット信号をハイレベルにする。)のであるが、コンデンサに対する充電速度は、温度等の環境条件に応じて変わるからである。なお、遊技機に対して電力供給が開始されたときにも、リセット信号を生成するリセット回路から遊技制御用マイクロコンピュータ560にリセット信号が与えられる。遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技制御を開始したときから、ステップS14Bの処理を開始するときまでの時間は一定ではないので、例えば、リセット信号を連続して遊技制御用マイクロコンピュータ560に与えても、カウンタに設定される初期値は一定ではない。
また、この実施の形態では、ホワイトノイズにもとづく乱数としてM系列の符号を発生する乱数発生回路506を例示するが、ホワイトノイズにもとづく乱数発生回路として、抵抗器や半導体素子等に流れる電流の揺らぎに伴う雑音(アナログ的なホワイトノイズに相当)にもとづく乱数を発生する回路(例えば、特開2001−344094号公報参照)や、その他の熱雑音にもとづく乱数を発生する回路や、発振回路を利用した発振回路型乱数回路等を使用することもできる。それらの回路は、例えば、ランダムに変化するアナログ的なホワイトノイズのレベル(電流値など)をディジタル化することによって乱数を得るように構成される。
図53は、図6に示された遊技制御処理で実行される判定用乱数更新処理(ステップS23)を示すフローチャートである。判定用乱数更新処理において、CPU56は、ランダム1(大当り判定用乱数)を生成するためのカウンタの値を+1する(ステップS201)。そして、ランダム1を生成するためのカウンタの値が最大値(この例では630)を越えている場合には(ステップS202)、カウント値を0に戻す(ステップS203)。以下、ランダムn(n:1,2,・・・)を生成するためのカウンタをランダムn用カウンタということがある。
次いで、CPU56は、ランダム1用カウンタのカウント値が初期値としてランダム1用初期値バッファに保存されている値と一致したか否か確認する(ステップS204)。一致していなければ、カウント値はそのままである。一致していた場合には、ランダム6(ランダム1初期値決定用乱数)を抽出する(ステップS205)。すなわち、ランダム6を生成するためのカウンタのカウント値を入力する。そして、抽出された値を初期値としてランダム1用初期値バッファに保存するとともに(ステップS206)、抽出された値を、ランダム1用カウンタに設定する(ステップS207)。よって、この時点で、ランダム1用カウンタの初期値が変更される。
次に、ランダム5(普通図柄当り判定用乱数)を生成するためのカウンタ(ランダム5用カウンタ)の値を+1する(ステップS211)。ランダム5用カウンタの値が最大値(この例では13)を越えている場合には(ステップS212)、カウント値を1に戻す(ステップS213)。
次いで、CPU56は、ランダム5用カウンタのカウント値が初期値としてランダム5用初期値バッファに保存されている値と一致したか否か確認する(ステップS214)。一致していなければ、カウント値はそのままである。一致していた場合には、ランダム7(ランダム1初期値決定用乱数)を抽出する(ステップS215)。すなわち、ランダム7を生成するためのカウンタのカウント値を入力する。そして、抽出された値を初期値としてランダム5用初期値バッファに保存するとともに(ステップS216)、抽出された値を、ランダム5用カウンタに設定する(ステップS217)。よって、この時点で、ランダム5用カウンタの初期値が変更される。
図54は、図6に示された遊技制御処理において1回実行されるとともに(ステップS24)、図5に示されたメイン処理における割込余り時間(遊技制御処理終了後、次回の2msタイマ割込が発生するまでの時間)で繰り返し実行される初期値用乱数更新処理(ステップS18)を示すフローチャートである。
初期値用乱数更新処理において、CPU56は、ランダム6(ランダム1初期値決定用乱数)を生成するためのカウンタの値を+1する(ステップS231)。ランダム6用カウンタの値が最大値を越えている場合には(ステップS232)、カウント値を0に戻す(ステップS233)。なお、最大値は、ランダム1の場合と同様に630である。
また、ランダム7(ランダム5初期値決定用乱数)を生成するためのカウンタの値を+1する(ステップS234)。ランダム7用カウンタの値が最大値を越えている場合には(ステップS235)、カウント値を1に戻す(ステップS236)。なお、最大値は、ランダム5の場合と同様に13である。
図55は、図53に示された判定用乱数更新処理によって変化するランダム1(大当り判定用乱数)を生成するためのカウンタの値の一例を示す説明図である。この例では、ランダム1の最初の値は451になっている。つまり、図5に示されたステップS14Bの処理において、乱数発生回路506から読み出されたデータが「451」であった例が示されている。図55において、ステップS14Bの処理が実行された時点がAで示されている。そして、最初はランダム1用初期値バッファに初期値として「451」が保存されているので、カウント値が「450」まで進み、そこで+1されて値が451になると、ステップS204の処理でカウント値が初期値と一致したことが検出される。すると、ステップS205の処理でランダム6(ランダム1初期値決定用乱数)が抽出される。なお、この時点は、図55においてBで示されている。
ここで、その時点のランダム6を生成するためのカウンタのカウント値が「19」であったとする。すると、ランダム6として「19」が抽出され、その値が保存されるとともに(ステップS206)、ランダム1を生成するためのカウンタにその値が設定される。従って、この時点から、ランダム1を生成するためのカウンタは、初期値「19」から歩進することになる。
ランダム1を生成するためのカウンタの値が歩進して「19」になると、ステップS204の処理でカウント値が初期値と一致したことが検出される。すると、ステップS205の処理でランダム6が抽出される。なお、この時点は、図550においてCで示されている。その時点のランダム6を生成するためのカウンタのカウント値が「195」であったとする。すると、ランダム6として「195」が抽出され、その値が保存されるとともに(ステップS206)、ランダム1を生成するためのカウンタにその値が設定される。従って、この時点から、ランダム1を生成するためのカウンタは、初期値「195」から歩進する。
そして、ランダム1を生成するためのカウンタの値が歩進して「195」になると、ステップS204の処理でカウント値が初期値と一致したことが検出される。すると、ステップS205の処理でランダム6が抽出される。なお、この時点は、図55においてDで示されている。その時点のランダム6を生成するためのカウンタのカウント値が「n」であったとする。すると、ランダム6として「n」が抽出され、その値が保存されるとともに(ステップS206)、ランダム1を生成するためのカウンタにその値が設定される。従って、この時点から、ランダム1を生成するためのカウンタは、初期値「n」から歩進する。なお、図550において、星印(☆)は、カウント値が「3(大当り判定値とする。)」になる位置を示している。星印の位置は、周毎に異なっている。
以上のように、ランダム1を生成するためのカウンタの値が1周(631カウント)する度に、カウント値として新たな初期値が設定され、以後、カウンタはその値から歩進していく。ランダム1を生成するためのカウンタ(大当り判定用カウンタ)の初期値を決定するためのカウンタ(ランダム6を生成するためのカウンタ)は、CPU56が実行する遊技制御処理の余り時間(遊技制御処理が終了してから次に2msタイマ割込が発生するまでの時間)でカウントアップされている。そして、その余り時間は、遊技の進行状況に応じて異なるので、ランダムな期間になっている。その結果、生成されるランダム6の値もランダムな値になるので、大当り判定用カウンタの初期値もランダムに変化する。
さらに、1周目(図55における最上段の場合)のランダム1を生成するためのカウンタの初期値は、ホワイトノイズにもとづく乱数を発生する乱数発生回路506の出力にもとづいて決定される。上述したように、乱数発生回路506の出力は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理におけるステップS14Bの処理を実行するときに異なる値になる。すなわち、初期化処理を複数回実行した場合に、それぞれの実行において、ランダム1を生成するためのカウンタの初期値は異なる。このことは、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560をリセットするような不正行為がなされても、不正行為者はランダム1を生成するためのカウンタの初期値を認識できず、その結果、ランダム1が大当り判定値と一致するタイミングを把握できないことを意味する。つまり、2周目以降に大当り判定用カウンタの値が1周する度に、ランダムな初期値からあらためてカウンタの歩進を始めさせることによって、ランダム1が大当り判定値に一致するタイミングを狙って不正な始動入賞信号を主基板31に送り込むことを困難にした上で、さらに、1周目においても、ランダム1が大当り判定値に一致するタイミングを狙うことを困難にすることができる。
この実施の形態では、さらに、普通図柄判定用乱数の初期値もランダムになるように制御される。図56は、図53に示された判定用乱数更新処理によって変化するランダム5(普通図柄判定用乱数)を生成するためのカウンタの値の一例を示す説明図である。この例では、ランダム5の最初の値は8になっている。つまり、図5に示されたステップS14Cの処理において、乱数発生回路506から読み出されたデータが「8」であった例が示されている。図56において、ステップS14Cの処理が実行された時点がAで示されている。そして、最初はランダム5用初期値バッファに初期値として「8」が保存されているので、カウント値が「7」まで進み、そこで+1されて値が8になると、ステップS214の処理でカウント値が初期値と一致したことが検出される。すると、ステップS215の処理でランダム7(ランダム5初期値決定用乱数)が抽出される。なお、この時点は、図56においてBで示されている。
ここで、その時点のランダム7を生成するためのカウンタのカウント値が「3」であったとする。すると、ランダム7として「3」が抽出され、その値が保存されるとともに(ステップS216)、ランダム5を生成するためのカウンタにその値が設定される。従って、この時点から、ランダム5を生成するためのカウンタは、初期値「3」から歩進することになる。
ランダム5を生成するためのカウンタの値が歩進して「3」になると、ステップS214の処理でカウント値が初期値と一致したことが検出される。すると、ステップS215の処理でランダム7が抽出される。なお、この時点は、図56においてCで示されている。その時点のランダム7を生成するためのカウンタのカウント値が「6」であったとする。すると、ランダム7として「6」が抽出され、その値が保存されるとともに(ステップS216)、ランダム5を生成するためのカウンタにその値が設定される。従って、この時点から、ランダム5を生成するためのカウンタは、初期値「6」から歩進する。
そして、ランダム5を生成するためのカウンタの値が歩進して「6」になると、ステップS214の処理でカウント値が初期値と一致したことが検出される。すると、ステップS215の処理でランダム7が抽出される。なお、この時点は、図56においてDで示されている。その時点のランダム7を生成するためのカウンタのカウント値が「k」であったとする。すると、ランダム7として「k」が抽出され、その値が保存されるとともに(ステップS216)、ランダム5を生成するためのカウンタにその値が設定される。従って、この時点から、ランダム6を生成するためのカウンタは、初期値「k」から歩進する。なお、図56において、星印(☆)は、カウント値が「11(当り判定値とする。)」になる位置を示している。星印の位置は、周毎に異なっている。
以上のように、ランダム5を生成するためのカウンタの値が1周(1〜13の14カウント)する度に、カウント値として新たな初期値が設定され、以後、カウンタはその値から歩進していく。ランダム5を生成するためのカウンタ(普通図柄当り判定用カウンタ)の初期値を決定するためのカウンタ(ランダム7を生成するためのカウンタ)は、CPU56が実行する遊技制御処理の余り時間(遊技制御処理が終了してから次に2msタイマ割込が発生するまでの時間)でカウントアップされている。そして、その余り時間は、遊技の進行状況に応じて異なるので、ランダムな期間になっている。その結果、生成されるランダム7の値もランダムな値になるので、普通図柄当り判定用カウンタの初期値もランダムに変化する。
さらに、1周目(図56における最上段の場合)のランダム5を生成するためのカウンタの初期値は、ホワイトノイズにもとづく乱数を発生する乱数発生回路506の出力にもとづいて決定される。上述したように、乱数発生回路506の出力は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理におけるステップS14Cの処理を実行するときに異なる値になる。すなわち、初期化処理を複数回実行した場合に、それぞれの実行において、ランダム5を生成するためのカウンタの初期値は異なる。このことは、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560をリセットするような不正行為がなされても、不正行為者はランダム5を生成するためのカウンタの初期値を認識できず、その結果、ランダム5が当り判定値と一致するタイミングを把握できないことを意味する。つまり、2周目以降に普通図柄当り判定用カウンタの値が1周する度に、ランダムな初期値からあらためてカウンタの歩進を始めさせることによって、ランダム5が当り判定値に一致するタイミングを狙って不正な入賞信号を主基板31に送り込むことを困難にした上で、さらに、1周目においても、ランダム5が普通図柄当り判定値に一致するタイミングを狙うことを困難にすることができる。
なお、この実施の形態では、ホワイトノイズにもとづく乱数を発生する乱数発生回路506の出力にもとづいて初期値が設定されるカウンタとして、ランダム1を生成するためのカウンタおよびランダム5を生成するためのカウンタを例示したが、乱数発生回路506の出力にもとづいて初期値が設定されるカウンタに限られない。大当りの種類を決定するための遊技状態決定用乱数(ランダム8)を生成するためのカウンタについて、ランダム1を生成するためのカウンタおよびランダム5を生成するためのカウンタに対する上記の制御と同様の制御を行ってもよい。さらに、確変状態に移行させるか否か決定するための乱数(確変判定用乱数)や、時短状態にするか否か決定するための乱数(時短判定用乱数:普通図柄確変判定用乱数ともいう)を使用する遊技機では、それらの乱数を生成するためのカウンタについて、ランダム1を生成するためのカウンタおよびランダム5を生成するためのカウンタに対する上記の制御と同様の制御を行ってもよい。
また、この実施の形態では、乱数を生成するためのカウンタのカウント値の1周目にのみホワイトノイズにもとづく乱数を発生する乱数発生回路506の出力にもとづいて決定したが、2周目以降の初期値を更新するときにも、乱数発生回路506の出力にもとづいて初期値を決定し、決定した初期値をカウンタに設定するようにしてもよい。
さらに、この実施の形態では、遊技機に対して電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにランダム1を生成するためのカウンタのカウント値やランダム5を生成するためのカウンタのカウント値が保存されていた場合には、それらのカウンタのカウント値は電力供給が停止したときのカウント値に復元されることになるが、バックアップRAMにカウンタのカウント値が保存されていた場合でも、乱数発生回路506の出力にもとづいて初期値を決定し、決定した初期値をカウンタに設定するようにしてもよい。つまり、バックアップRAMにデータが保存されていた/いないに関わらず、乱数発生回路506の出力にもとづいて初期値を決定し、決定した初期値をカウンタに設定するようにしてもよい。このことは、確変判定用乱数や時短判定用乱数等についても同様である。
なお、本発明による遊技機の技術分野においてホワイトノイズにもとづく乱数を発生する乱数発生回路を使用する従来技術があるが(例えば、特開2000−42227号公報参照)、従来技術は、ソフトウェア乱数によるランダム1等に代えて乱数発生回路が発生した乱数を用いるという技術に止まり、本発明のように、ソフトウェア乱数を生成するためのカウンタの1周目に着目し、ソフトウェア乱数を生成するためのカウンタの初期値について、乱数発生回路から読み出したデータにもとづいて初期値を設定するという技術は、例えば上記の公開公報には開示されていない。
以上に説明したように、この実施の形態では、遊技球を用いて所定の遊技を行うことが可能であり、所定の移行条件が成立したときに遊技状態を特定遊技状態に移行させる遊技機において、判定用の数値(例えば、ランダム1)を所定の数値範囲内で更新する判定用数値更新手段と、所定の条件成立(例えば、始動入賞が生じたこと。)に応じて判定用数値更新手段の数値を抽出し、抽出された数値と所定の判定値とにもとづいて、遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、大当り遊技状態、始動入賞を成立させる可変入賞球装置が開放している状態、確変状態、時短状態)に移行させるか否か判定する手段とが設けられ、さらに、ホワイトノイズにもとづくハードウェア乱数を発生する乱数発生回路506と、遊技制御を開始したときに、乱数発生回路506から読み出したデータにもとづいて判定用数値更新手段の初期値を設定する初期値設定手段とが設けられているので、不正行為をさらに効果的に防止できるようになる。
図57(A)は、この実施の形態における高確率状態(確変状態)および高ベース状態に関わる遊技状態を説明するための説明図である。そのような遊技状態として、高確率・高ベース状態(高確率状態であり、かつ、高ベース状態である遊技状態)、低確率・高ベース状態(低確率状態であり、かつ、高ベース状態である遊技状態)、高確率・低ベース状態(高確率状態であり、かつ、低ベース状態である遊技状態)、および低確率・低ベース状態(低確率状態であり、かつ、低ベース状態である遊技状態)がある。
高確率状態では、低確率状態(通常状態)に比べて、大当りの決定される確率が高くなっている。例えば、10倍になっている。具体的には、高確率状態では、大当り判定用乱数の値と一致すると大当りとすることに決定される判定値の数が、通常状態に比べて10倍になっている。また、高ベース状態では、低ベース状態に比べて普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率が高められている。すなわち、第2始動口15bが開放しやすくなって、始動入賞が生じやすくなっている。具体的には、高ベース状態では、普通図柄当り判定用乱数の値と一致すると当りとすることに決定される判定値の数が、通常状態に比べて多い。普通図柄について当りに決定されると、上述したように、普通図柄の可変表示の表示結果(停止図柄)が当り図柄とされ、可変入賞球装置(始動入賞装置)15が所定回数、所定時間(開放時間)だけ開状態になり、ベースが上がる。また、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率を高めることに代えて、または、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率を高めることに加えて、始動入賞装置15の開放回数または開放時間を多くしたり、始動入賞装置15の開放回数および開放時間を多くしたりしてもよい。
図57(B)は、この実施の形態における背景モードを説明するための説明図である。背景モードとは、演出表示装置9の表示画面における背景(図柄およびキャラクタ画像以外の地の画面)のモード(具体的には種類)を表している。背景モードとして、通常モード、通常時高確可能性モード、高確高ベースモード、および低確高ベースモードがある。
通常モードは、遊技状態が低ベース状態であるときに使用されるモードであり、高確率状態である可能性が低いこと、または高確率状態の可能性がないことを遊技者に認識させることができるようなモードである。通常時高確可能性モードは、遊技状態が低ベース状態であるときに使用されるモードであり、高確率状態の可能性が高いことを遊技者に認識させることができるようなモードである。高確高ベースモードは、高確率・高ベース状態で使用されるモードである。低確高ベースモードは、低確率・高ベース状態で使用されるモードである。
図58は、遊技状態の遷移の仕方の一例を示す状態遷移図である。図58に示すように、この実施の形態では、高確率・高ベース状態へは、他の3つの遊技状態から遷移しうる。低確率・高ベース状態へは、高確率・高ベース状態のみから遷移しうる。高確率・低ベース状態へは、高確率・高ベース状態以外の2つの遊技状態から遷移しうる。低確率・低ベース状態へは、高確率・低ベース状態から遷移しうる。なお、図58では、低確率・高ベース状態から低確率・低ベース状態への矢印が記載されているが、遷移する割合は0%である。以下、「遷移」を「移行」ということがある。
遊技状態の遷移は、大当りが発生した場合に遷移しうる。なお、大当りが発生しても、遊技状態が遷移しないこともある。また、図58には明示されていないが、低確率・高ベース状態において表示結果を大当り図柄としない特別図柄の可変表示が所定回連続して行われると、遊技状態が、低確率・低ベース状態に遷移するように制御してもよい。
図58に示す「%」の数値は、どのような種類の大当りに伴って遊技状態が遷移するのか、または同じ遊技状態を維持するのかの割合を示している。例えば、低確率・低ベース状態において、大当りが発生すると、10(3+7)%の割合で遊技状態が高確率・高ベース状態に遷移するが、そのうちで3%の割合で、2R大当りの大当りが発生したときに高確率・高ベース状態に遷移し、7%の割合で、15R大当りの大当りが発生したときに高確率・高ベース状態に遷移する。2R大当りとは、大入賞口が2回開放状態になるような大当り遊技が実行される大当りであり、15R大当りとは、大入賞口が最大で15回開放状態になるような大当り遊技が実行される大当りである。
なお、2Rの大当りを突然確変大当りともいう。2Rの大当り遊技では、大入賞口は2回開放状態になるが、開放時間は極めて短い(例えば、0.5秒)。また、大当り遊技後の遊技状態は高確率状態に制御される。よって、遊技者は、あたかも、突然に遊技状態が高確率状態(確変状態)になったかのように感ずる。
大当りにすることに決定されると、遊技状態をどのように遷移させるのかを決定するために乱数(遊技状態決定用乱数)を用いた抽選が行われる。遊技状態決定用乱数は0〜599のいずれかの値になるが、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、抽選において、遊技状態決定用乱数の値が、遊技状態(その状態に遷移させる遊技状態、すなわち遷移後の遊技状態)および大当りの種類に対応して決められている判定値に一致すると、その遊技状態に遷移させることに決定する。判定値は、4つの遊技状態(そのときの遊技状態)のそれぞれに応じて決められている。また、4つの遊技状態のそれぞれについて、判定値は、大当りの種類毎に決められている。
図59は、一例として、遊技状態が高確率・高ベース状態であるときの遊技状態(遷移後の遊技状態)および大当りの種類と、判定値数との関係を示す説明図である。それぞれの判定値数は、図58に示す各割合と整合するように定められている。具体的には、判定値数分の判定値がテーブルとしてROM54に設定されている。なお、図59には、遊技状態が高確率・高ベース状態であるときの判定値数が例示されているが、他の遊技状態についても、図58に示す各割合と整合するように判定値数が定められている。
図60は、この実施の形態で用いられる特別図柄、飾り図柄および演出図柄の変動パターン(変動時間)の一例を示す説明図である。図60において、「EXT」とは、2バイト構成の飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「変動時間」は特別図柄、飾り図柄および演出図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。なお、変動パターンは、特別図柄、飾り図柄および演出図柄の変動時間等を示すものであるが、飾り図柄および演出図柄の変動は特別図柄の変動と同期しているので、以下、単に、特別図柄の変動パターン、飾り図柄の変動パターン、演出図柄の変動パターンのように表現することがある。
図60に示すように、短縮変動が行われないときには変動パターン#1〜#4が用いられ、短縮変動が行われるときには変動パターン#5〜#8が用いられる。この実施の形態では、合算保留記憶数の値が所定値(例えば4)以上になっているときに短縮変動の変動パターン#5〜#8が用いられる。
なお、変動パターン#2〜#4および変動パターン#6〜#8は、停止図柄が大当り図柄になる場合と、停止図柄ははずれ図柄であるが演出表示装置9においてリーチ演出が実行される場合に用いられる変動パターンである。変動パターン#1および変動パターン#5は、停止図柄がはずれ図柄であって演出表示装置9においてリーチ演出が実行されないときに用いられる変動パターンである。
演出制御用マイクロコンピュータ110は、変動パターンを示す演出制御コマンドを受信すると、受信した演出制御コマンドが示す変動パターンに応じた時間、飾り図柄表示器で飾り図柄の可変表示を行い演出表示装置9で演出図柄の可変表示を行うとともに、演出表示装置9で、受信した演出制御コマンドが示す変動パターンに応じた種類の表示演出を行う。同時に、ランプやLEDおよびスピーカ27などの演出用部品を用いた演出を行う。すなわち、変動パターンとは、変動時間を示すとともに、演出の態様を示すものである。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ110に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図61は、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの信号線を示す説明図である。図61に示すように、この実施の形態では、演出制御コマンドは、演出制御信号D0〜D7の8本の信号線で主基板31から中継基板177を介して演出制御基板80に送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、取込信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
図62に示すように、演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ110は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、演出制御用マイクロコンピュータ110から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みの契機になる信号に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ110が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、演出制御INT信号は図62に示された極性と逆極性であってもよい。
図63は、演出制御用マイクロコンピュータ110に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図63に示す例において、コマンド8001(H)〜8008(H)は、特別図柄の可変表示に対応して飾り図柄表示器および演出表示装置9において可変表示される飾り図柄および演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ110は、コマンド8001(H)〜8008(H)のいずれかを受信すると、飾り図柄表示器および演出表示装置9において飾り図柄および演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C00(H)〜8C07(H)は、大当りとするか否か、大当りの種類(2R大当り、15R大当り)、および遊技状態を示す演出制御コマンド(演出図柄指定コマンド)である。また、演出制御用マイクロコンピュータ110は、コマンド8C00(H)〜8C07(H)の受信に応じて飾り図柄および演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C00(H)〜8C07(H)を表示結果特定コマンドという。
コマンド8F00(H)は、特別図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ110は、図柄確定指定コマンドを受信すると、飾り図柄および演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、電源投入指定コマンドを送信する。
コマンド9500(H)は、遊技状態を低ベース状態にすることまたは低ベース状態が継続されることを示す演出制御コマンド(低ベース状態背景指定コマンド)である。コマンド9501(H)は、遊技状態を高ベース状態にすることまたは高ベース状態が継続されることを示す演出制御コマンド(高ベース状態背景指定コマンド)である。低ベース状態背景指定コマンドと高ベース状態背景指定コマンドとを、背景指定コマンドまたは遊技状態指定コマンドという。演出制御用マイクロコンピュータ110は、遊技状態指定コマンド(背景指定コマンド)の受信に応じて、演出表示装置9の表示画面における背景を、遊技状態指定コマンドが示す遊技状態に対応する背景にする。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA000(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始1指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。A001(H)は、突然確変用画面を表示することを指定する演出制御コマンド(大当り開始2指定コマンド:突然確変指定コマンド)である。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA300(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ110(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると図63に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
図64は、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)の一例を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では特別図柄表示器8および大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動口15aに遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口15bに遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ15bがオンしていたら、すなわち始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。そして、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S307の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数(始動入賞記憶数)を確認する。保留記憶数が0でない場合には、大当りとするか否か決定する。大当りとすることに決定した場合には、大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に対応した値(この例では1)に更新する。なお、大当りとするか否か決定することは、特別図柄および飾り図柄の表示結果を大当り図柄とするか否か決定することでもある。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。特別図柄の可変表示後の停止図柄を決定する。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果が導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、演出制御用マイクロコンピュータ110に、変動時間を特定しうるコマンドを送信し、特別図柄の変動を開始させ、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ110は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する変動時間を特定しうるコマンドを受信すると演出表示装置9において飾り図柄の変動が開始されるように制御する。
表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ110に、飾り図柄の表示結果を特定しうるコマンドである表示結果特定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。特別図柄表示器8における可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ110に、飾り図柄の変動の停止を指示する図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ110は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において飾り図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ110に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ110に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図65は、始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、認証信号(主基板31に一意に与えられている基板ID)を照合端子364に出力する(ステップS110)。そして、保留記憶数が上限値である4になっているか否か確認する(ステップS111)。保留記憶数が4になっている場合には、処理を終了する。
保留記憶数が4になっていない場合には、CPU56は、保留記憶数を示す保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS112)。また、ソフトウェア乱数(大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS113)。保留記憶バッファにおいて、保存領域は、保留記憶数の上限値と同数確保されている。また、大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタや保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。なお、ステップ113では、ランダム1〜4,8(図51参照)の値が抽出され、保存領域に保存される。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する普通図柄プロセス処理(ステップS28)について説明する。図66は、普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。普通図柄プロセス処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート32を遊技球が通過してゲートスイッチ32aがオン状態となったことを検出すると(ステップS111)、ゲートスイッチ通過処理(ステップS112)を実行する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値に応じてステップS100〜S104に示された処理のうちのいずれかの処理を実行する。
普通図柄通常処理(ステップS100):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄の変動を開始することができる状態(例えば普通図柄プロセスフラグの値がステップS100を示す値となっている場合、具体的には、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示が行われていない状態であって、かつ、普通図柄表示器10に当たり図柄が導出表示されたことにもとづく始動入賞装置15の開閉動作中でもない場合)には、ゲート通過記憶数の値を確認する。具体的には、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認する。ゲート通過記憶数が0でなければ、当りとするか否か(普通図柄の停止図柄を当り図柄とするか否か)を決定する。そして、普通図柄プロセスタイマに普通図柄の変動時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(ステップS101)を示す値(具体的には「1」)に更新する。
普通図柄変動処理(ステップS101):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止し、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(ステップS102)を示す値(具体的には「2」)に更新する。
普通図柄停止処理(ステップS102):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうかを確認する。当り図柄でなければ(はずれ図柄であれば)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(具体的には「0」)に更新する。普通図柄の停止図柄が当り図柄であれば、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動開放前処理(ステップS103)を示す値(具体的には「3」)に更新する。
普通図柄開放前処理(ステップS103):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1回目の開放前であれば、開放回数カウンタに開放回数をセットし、ソレノイド16を駆動して普通電動役物(始動入賞装置15)を開放する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動開放中処理(ステップS104A)を示す値(具体的には「4」)に更新する。第1回目の開放前でなければ、すなわち2回目以降の開放後であれば、閉鎖時間を計測し、閉鎖時間が経過したら、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動開放中処理(ステップS104)を示す値(具体的には「4」)に更新する。
普通電動役物開放中処理(ステップS104):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、開放時間を計測し、開放時間が経過したら、ソレノイド16の駆動を停止させて普通電動役物を閉鎖する。最後の開放が終了した場合には、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(具体的には「0」)に更新する。最後の開放が終了した場合でなければ、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動開放前処理(ステップS103)を示す値(具体的には「3」)に更新する。
図67は、ゲートスイッチ通過処理を示すフローチャートである。ゲートスイッチ通過処理において、CPU56は、ゲート通過記憶カウンタのカウント値(ゲート通過記憶数)が最大値(この例では「4」)に達しているか否か確認する(ステップS121)。最大値に達していなければ、ゲート通過記憶カウンタのカウント値を+1する(ステップS122)。なお、ゲート通過記憶カウンタの値に応じて普通図柄保留記憶表示器41のLEDが点灯される。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄当り判定用乱数(ランダム5)の値を抽出し、ゲート通過記憶数の値に対応した保存領域(普通図柄判定用バッファ)に格納する処理を行う(ステップS123)。
なお、この実施の形態では、図68(A)の説明図および図68(B)のタイミング図に示すように、通常状態での普通図柄の変動時間は30.0秒であり、確変状態での普通図柄の変動時間は1.0秒である。また、通常状態での開放時間、閉時間および開放回数は、0.3秒、1.0秒および2回であり、確変状態での開放時間、閉時間および開放回数は、1.2秒、1.5秒および3回である。また、時短状態では、確変状態の場合と同様である。
図69は、主基板31に搭載されている状態報知LED61の点灯状態と遊技状態との関係を示す説明図である。特別図柄および飾り図柄が変動していないときであって、大当り遊技中でないときには、図69(A)に示すように、常に点灯状態である。すなわち、点灯継続状態である。なお、図69(A),(B),(C)のそれぞれにおいて、上段は状態報知LED61の点灯状態(点灯しているか、消灯しているか、または点滅している)を示し、下段は、点灯と消灯の切替タイミングを示す。また、図69(A),(B),(C)の上段において、黒塗りで表示されている状態報知LED61の状態が点灯しているときを示す。
特別図柄および飾り図柄が変動しているときには、図69(B)に示すように、2秒間の点灯と2秒間の消灯とを繰り返す。すなわち、2秒間隔で点滅する。以下、2秒間隔の点滅を低速点滅という。大当り遊技中では、図69(C)に示すように、0.5秒間の点灯と0.5秒間の消灯とを繰り返す。すなわち、0.5秒間隔で点滅する。以下、0.5秒間隔の点滅を高速点滅という。
なお、図69に示す状態報知LED61の点灯状態と遊技状態との関係は一例であり、少なくとも、図柄変動中、大当り遊技中、図柄変動中および大当り遊技中以外(以下、通常状態という。)の点滅態様(報知態様)が異なれば、図69に示す報知態様とは異なる報知態様であってもよい。報知態様には、点灯継続の態様および点滅の態様があるが、通常状態では、消灯する期間が所定時間(一例として5秒)以下であることが条件である。つまり、報知がなされない期間が長時間にならないようにすることが条件である。換言すれば、主基板31に電力が供給されているときに所定時間を越えて報知がなされない状態になることを避けるように制御されることが条件である。主基板31に電力が供給されている状態では遊技制御用マイクロコンピュータ560および状態報知LED61等に電力が供給されるので、状態報知LED61は報知を行うことが可能であるが、消灯する期間が長いと、主基板31に電力が供給されていない状態(なりすまし基板が搭載されている可能性がある状態)と区別できないからである。なお、この実施の形態では、主基板31に電力が供給されているときには、状態報知LED61は、常に、点灯継続しているか、または点滅状態にあることによって、報知がなされている。また、不正行為者にとって状態報知LED61の報知態様を認識しづらくするために、報知態様をより複雑なものにしてもよい。
また、この実施の形態では、状態報知手段(この例では、状態報知LED61)の報知態様を異ならせる遊技状態を、「図柄変動中」、「大当り遊技中」および「通常状態」に分けたが、報知態様を異ならせる遊技状態はそれらに限られず、様々な状態が考えられる。例えば、「保留記憶個数の状態」、「可変入賞装置の開閉状態」、「高確率状態(確変状態)」、「特別図柄や普通図柄の図柄の変動短縮状態」、「可変入賞装置の開放延長状態」によって報知態様を異ならせてもよい。
また、この実施の形態では、異なる報知態様として「点灯」と「点滅」を例示するが、異なる報知態様はそれに限られず、例えば、フルカラーLED等を用いて色彩を異ならせることによって報知態様を異ならせるようにしてもよい。
図70は、ステップS34(図50参照)の状態報知LED制御処理を示すフローチャートである。状態報知LED制御処理において、CPU56は、大当り遊技中であるか否か確認する(ステップS901)。大当り遊技中であるか否かを、例えば、特別図柄プロセスフラグの値が大当り遊技中を示す値(この実施の形態では、5、6または7:図64参照))であるか否かによって確認できる。
大当り遊技中であれば、CPU56は、点滅における点灯時間および消灯時間を決めるための点滅タイマの値が0になっているか否か確認する(ステップS902)。0になっていれば、状態報知LED61の点灯状態を切り替える(ステップS903)。すなわち、状態報知LED61が点灯していた場合には状態報知LED61を消灯させ、状態報知LED61が消灯していた場合には状態報知LED61を点灯させる。なお、状態報知LED61を点灯させたり消灯させたりするには、LED回路60を介して状態報知LED61に至る信号を出力する出力ポートに点灯に対応する値(例えば1)を出力したり、消灯に対応する値(例えば0)を出力するのであるが、出力ポートに点灯に対応する値を出力したときには、RAM55における点灯状態フラグを例えば1にし、出力ポートに消灯に対応する値を出力したときには、点灯状態フラグを例えば0にする。そのように制御すれば、CPU56は、点灯状態フラグによって、状態報知LED61が点灯していたか否かを判定できる。そして、CPU56は、点滅タイマに、0.5秒に相当する値をセットする(ステップS904)。
点滅タイマの値が0になっていない場合には、CPU56は、点滅タイマの値を−1する(ステップS905)。
大当り遊技中でなければ、CPU56は、特別図柄および飾り図柄の変動中であるか否か確認する(ステップS906)。変動中であるか否かを、例えば、特別図柄プロセスフラグの値が変動中を示す値(この実施の形態では、3:図64参照))であるか否かによって確認できる。変動中であれば、CPU56は、点滅タイマの値が0になっているか否か確認する(ステップS907)。0になっていれば、状態報知LED61の点灯状態を切り替える(ステップS908)。すなわち、状態報知LED61が点灯していた場合には状態報知LED61を消灯させ、状態報知LED61が消灯していた場合には状態報知LED61を点灯させる。そして、CPU56は、点滅タイマに、2秒に相当する値をセットする(ステップS909)。
点滅タイマの値が0になっていない場合には、CPU56は、点滅タイマの値を−1する(ステップS910)。
また、特別図柄および飾り図柄の変動中でない場合には、状態報知LED61を点灯させる(ステップS911)。
以上に説明したように、この実施の形態では、CPU56が、中断ボタン361からの遊技制御処理中断信号(中断操作信号)の入力に応じて遊技制御処理を中断させるように構成されているので、例えば遊技店員等が意図的に遊技制御処理を中断させることができる。そして、意図的な中断が不能となっている場合に不正回路基板(なりすまし基板)が設置されているものと判断することができ、不正回路基板を容易に発見することができるようになる。
なお、この実施の形態では、遊技制御処理を中断させる例として、遊技制御処理中断信号が入力されている間は制御プログラムに従ってループ処理を行う場合について説明したが、中断操作信号が入力されている間遊技が止まればよく、遊技を止める種々の方法をとることができる。例えば、遊技機への電力供給を停止する(すなわち、電源をオフする)などの周知あるいは公知の方法によって、遊技制御処理を中断するようにしてもよい。また、例えば、CPU56の処理を停止(システムリセット)させることで「遊技制御処理を中断」させるようにしてもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ560から出力される全ての制御信号を出力停止させることで「遊技制御処理を実質的に中断」させるようにしてもよい。
さらに、この実施の形態では、主基板31を収容する遊技制御基板ボックス内に、遊技状態に応じて報知態様を異ならせる状態報知LED61が設けられている。図46に示すように、なりすまし基板31Xが設置され、なりすまし基板31Xから主基板31に対して電力が供給されている場合、主基板31のCPU56は動作しているので、照合機365を用いて照合を行ったときに、認証対象はなりすまし基板31Xではなく主基板31であるから、照合結果はOKになる。しかし、特別図柄および飾り図柄の変動は、なりすまし基板31Xに搭載されているマイクロコンピュータによって制御される。よって、変動の制御を行っていない主基板31のCPU56は、特別図柄および飾り図柄の変動を行っているとは認識していないので、状態報知LED61を点滅させない。よって、なりすまし基板31Xに搭載されている場合には図柄変動中に状態報知LED61は点灯する状態を継続する(通常状態の報知態様のままになる。)ので、状態報知LED61が点滅する状態になるか否かによって、不正基板が設置されていることが検査される。例えば、第1始動口15aに遊技球を入れることによって図柄の変動を開始させることによって、不正基板が設置されているか否かを容易に検査できる。また、大当り遊技は、なりすまし基板31Xに搭載されているマイクロコンピュータによって制御される。よって、大当り遊技中では、主基板31のCPU56は、大当り遊技状態であることを認識していないので、状態報知LED61を点滅させない。よって、なりすまし基板31Xに搭載されている場合には図柄変動中に状態報知LED61は点灯する状態を継続する(通常状態の報知態様のままになる。)ので、状態報知LED61が点滅する状態になるか否かによって、不正基板が設置されていることが検査される。
また、なりすまし基板31Xが設置され、主基板31に対して電力が供給されない場合には、状態報知LED61は点灯しない。上述したように、この実施の形態では、主基板31に電力供給がなされているときには、通常状態では、状態報知LED61は点灯する状態になる。よって、遊技機の電源を入れた状態において、状態報知LED61が点灯するか否かによって、不正基板が設置されているか否かを容易に確認できる。
上記の実施の形態では、中断ボタン361を用いて遊技制御処理を中断させることによって、なりすまし基板が設置されているか否かを発見するようにしていたが、中断ボタン361を用いることなく、以下に示すようにしてなりすまし基板が設置されているか否かを発見するようにしてもよい。
なお、ここでは、上記の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として上記の実施の形態と異なる部分および上記の実施の形態では説明を省略した部分について説明する。
図71は、この実施の形態における主基板31の回路構成を示すブロック図である。図71に示すように、主基板31には、遊技球の未払出数が所定数を超えたときに点灯される未払出超過LED362と、入賞が発生したときに点灯される入賞報知ランプ363とが搭載されている。また、遊技機の遊技状態を報知するための状態報知LED61に駆動信号を与えるLED回路60が設けられている。状態報知LED61は、主基板31に設けられている。記載省略されているその他の構成は、図3に示された構成と同じである。
次に、主基板31と払出制御基板37との間で送受信される払出制御信号について説明する。図72は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から払出制御用マイクロコンピュータ370に対して出力される払出制御信号および遊技制御用マイクロコンピュータ560に払出制御用マイクロコンピュータ370から入力される払出制御信号の内容の一例を示す説明図である。この実施の形態では、払出制御等に関する各種の制御を行うために、主基板31と払出制御基板37との間で複数種類の制御信号が送受信(双方向通信)される。
図72に示すように、電源確認信号は、主基板31の立ち上がり時(電力供給の開始後に遊技制御用マイクロコンピュータ560が遊技の進行を制御可能な状態となったとき)に立ち上がり(オン状態になり)、払出制御基板37に対して主基板31が立ち上がったことを通知するための信号(主基板31の接続確認信号)である。また、電源確認信号は、賞球払出を許可する状態であることを示す。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、電源確認信号をオフ状態にすることによって、払出制御用マイクロコンピュータ370に対して賞球払出を行わせないようにすることができる。なお、払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球払出中に電源確認信号がオフ状態になったことを検出した場合には、そのときに払い出すことが決まっている個数の賞球払出を完了させた時点で、賞球払出処理を実行しない状態に移行する。
払出REQ信号は、賞球の払出要求時に出力状態(=オン状態)になる信号(すなわち賞球払出要求のトリガ信号)である。また、払出REQ信号は、払出制御用マイクロコンピュータ370からの受信確認信号がオン状態になると、停止状態(オフ状態)になる。
払出個数信号は、払出要求を行う遊技球の個数(例えば1〜15個)を指定するために出力される信号(賞球個数コマンド)である。払出個数信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が、賞球待機状態において受信確認信号がオン状態になったことを検出したとき、または、払出REQ信号の送信後に受信確認信号がオン状態にならなかったことを検出したとき、もしくは払出REQ信号の送信停止後にオフ状態にならなかったことを検出したときに出力される受信確認信号エラーを示すエラー信号としても用いられる。具体的には、払出個数信号が1E(H)であれば、受信確認信号エラーであることを示している。また、払出個数信号は、CPU56が、賞球待機状態において払出動作中信号がオン状態になったことを検出したとき、または、受信確認信号がオフ状態になった後、払出動作中信号がオン状態にならなかったことを検出したときに出力される払出動作中信号エラーを示すエラー信号としても用いられる。具体的には、払出個数信号が1F(H)であれば、払出動作中信号エラーであることを示している。
接続確認信号は、払出制御用マイクロコンピュータ370が、払出制御基板37の立ち上がり時にオン状態にして、遊技制御用マイクロコンピュータ560に、払出制御基板37が立ち上がったことを通知するための信号である。換言すれば、払出制御用マイクロコンピュータ370が賞球払出処理を実行可能であることを通知するための信号である。よって、払出制御用マイクロコンピュータ370は、遊技球の払い出しに関わるエラーが発生すると、接続確認信号をオフ状態にする。受信確認信号は、払出制御用マイクロコンピュータ370が払出REQ信号がオン状態になったことに応じて払出個数信号を受信すると、オン状態にする信号である。払出動作中信号は、払出制御用マイクロコンピュータ370が賞球払出処理を開始するとオン状態にし、払出個数信号で指令された個数の賞球払出が完了するとオフ状態にする信号である。
図73は、図72に示す払出制御信号の送受信に用いられる信号線等を示すブロック図である。図73に示すように、払出制御信号のうち、電源確認信号、払出REQ信号、および払出個数信号は、CPU56によって出力回路67を介して出力され、入力回路373Aを介して払出制御用マイクロコンピュータ370に入力される。また、払出制御信号のうち、接続確認信号、受信確認信号および払出動作中信号は、払出制御用マイクロコンピュータ370によって出力回路373Bを介して出力され、入力回路68を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力される。電源確認信号、払出REQ信号、接続確認信号、受信確認信号および払出動作中信号は、それぞれ1ビットのデータであり、それぞれ1本の信号線(信号経路)によって送信される。払出個数信号は、5ビットのデータで構成され5本の信号線(信号経路)によって送信される。
図74は、払出制御信号の出力の仕方の一例を示すタイミング図である。図74に示すように、入賞検出スイッチが遊技球の入賞を検出したことにもとづいて、CPU56は、払出REQ信号をオン状態にするとともに、払出個数信号の出力状態を、入賞に応じて払い出される賞球数に応じた状態にする。なお、この実施の形態では、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bで遊技球が検出されると4個の賞球払出を行い、入賞口スイッチ33a,39aのいずれかで遊技球が検出されると7個の賞球払出を行い、Vカウントスイッチ22またはカウントスイッチ23で遊技球が検出されると15個の賞球払出を行う。また、上述したように、払出個数信号は5ビットで構成されているので、8ビットで表現されている00(H)〜0F(H)の賞球個数コマンドのうち、下位の5ビットが払出個数信号によって主基板31から払出制御基板37に伝達される。従って、払出個数信号によって、0〜31個の賞球個数指定を行うことが可能であるが、この実施の形態では、1F(H)および1E(H)はエラー通知のために使用される。よって、実際には、0〜29個の賞球個数指定を行うことが可能である。しかし、この実施の形態では、個数指定としては15(0F(H))までを使用するので、以下、「00(H)〜0F(H)の払出個数信号」のように表現することがある。
払出制御用マイクロコンピュータ370は、払出REQ信号の受信を確認すると、払出個数信号を入力し、受信確認信号を送信(オン状態)する。CPU56は、受信確認信号の受信を確認すると、払出REQ信号の送信を停止する(オフ状態にする)。払出制御用マイクロコンピュータ370は、払出REQ信号がオフ状態になったことを確認すると、払出個数信号で指定された個数の賞球払出が行われるように払出モータ289を駆動する。駆動を開始するときに、払出動作中信号を送信(オン状態)する。払出制御用マイクロコンピュータ370は、払出個数カウントスイッチ301の検出信号にもとづいて、払出個数信号で指定された個数の賞球払出が行われたことを確認すると、払出動作中信号の送信を停止する(オフ状態にする)。CPU56は、払出動作中信号がオフ状態になったことを確認すると、払出個数信号の状態をオフ状態(全て0の状態)にする。
なお、CPU56は、払出REQ信号をオフ状態にするときに、払出個数信号の状態をオフ状態にしてもよい。
図74に示すように、払出REQ信号および払出個数信号がオン状態であるときに新たな入賞が検出されると、その入賞にもとづく払出REQ信号のオンおよび払出個数信号の出力は待たされる。具体的には、CPU56は、払出REQ信号がオン状態であるときに新たな入賞を検出すると、その入賞にもとづいて払い出されるべき賞球数を、RAM55に形成される総賞球数格納バッファの内容に加算する。そして、CPU56は、払出REQ信号をオフ状態にしたときに、総賞球数格納バッファの内容が0でなければ、15を上限として、総賞球数格納バッファの内容が示す賞球数の賞球払出を指示するために、払出REQ信号をオン状態にするとともに、払出個数信号を出力する。
図75は、遊技制御用マイクロコンピュータ560における遊技球の入賞を検出するスイッチに関わる入力ポートのビット割り当ての例を示す説明図である。図75に示すように、入力ポート0のビット1〜5には、それぞれ、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ30a、、入賞口スイッチ30a、第1始動口スイッチ14a、および第2始動口スイッチ14bの検出信号が入力される。なお、入力ポート0は、図3に示されたI/Oポート部57の一部である。
図76は、遊技制御処理におけるステップS21のスイッチ処理で使用されるRAM55に形成される各1バイトのバッファを示す説明図である。前々回ポートバッファは、前々回(4ms前とする。)のスイッチオン/オフの判定結果が格納されるバッファである。前回ポートバッファは、前回(2ms前とする。)のスイッチオン/オフの判定結果が格納されるバッファである。スイッチオンバッファは、上述したように、スイッチのオンが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて1が設定され、スイッチのオフが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて0が設定されるバッファである。また、前回データは、スイッチ処理の実行時に一時的に用いられるバッファ領域である。前々回ポートバッファ、前回ポートバッファ、スイッチオンバッファおよび前回データは、RAM55に形成されている。また、前々回ポートバッファ、前回ポートバッファおよびスイッチオンバッファのビット配列は、入力ポート0のビット配列に対応している。つまり、図75に示すビット1〜5に割り当てられているスイッチの検出信号のそれぞれに対応する情報が、前々回ポートバッファ、前回ポートバッファおよびスイッチオンバッファのビット1〜5に設定される。
図77は、遊技制御処理におけるステップS21のスイッチ処理の処理例を示すフローチャートである。スイッチ処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、前回ポートバッファの内容を、前回データに設定する(ステップS331)。また、前々回ポートバッファの内容と前回データとの排他的論理和をとる(ステップS332)。そして、排他的論理和演算の結果を前回データに設定する(ステップS333)。この段階で、前回データにおいて、前々回ポートバッファの8ビットと前回ポートバッファの8ビットとのうちで、値が異なるビットが「1」になっている。また、前回ポートバッファの内容を前々回ポートバッファに設定する(ステップS334)。
そして、入力ポート0のデータを入力し(ステップS335)、入力したデータを前回ポートバッファに設定する(ステップS336)。ステップS334,S336の処理は、次回(2ms後)にスイッチ処理が実行されるときの準備処理に相当する。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入力ポート0から入力したデータと前回データの論理積をとる(ステップS337)。この段階で、前回データにおいて、前々回ポートバッファの8ビットと前回ポートバッファの8ビットとのうちで値が異なるビットが「1」になっている。つまり、7つのスイッチの検出信号のうちで、2ms前の状態が4ms前の状態から変化した(「0」から「1」に、または「1」から「0」に)検出信号に対応するビットが「1」になっている。よって、ステップS337で前回データと入力ポート0から入力したデータとの論理積をとると、入力ポート0から入力したデータのうちで「1」になっているビットであって、かつ、2ms前の状態が4ms前の状態から変化したビットが、「1」になる。すなわち、論理積演算の結果、現時点の状態がオン状態であって、かつ、前回(2ms前)のスイッチ処理時にオフ状態からオン状態に変化したことが検出された検出信号に対応したビットが「1」になる。換言すれば、オフ状態からオン状態に変化し、その後、2回連続してオン状態が検出された検出信号に対応するビットが「1」になっている。なお、「2回連続して」とは、「ある時点で実行されたスイッチ処理と、そのスイッチ処理の2ms後に実行されるスイッチ処理との双方で」という意味である。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、論理積演算の結果をスイッチオンバッファに格納する(ステップS338)。スイッチオンバッファにおいて、オフ状態からオン状態に変化した後、2回連続してオン状態が検出された検出信号に対応するビットが「1」になっている。よって、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、スイッチオンバッファにおいて「1」になっているビットに対応するスイッチの検出信号が確実にオン状態になったと確認できる。なお、「確実に」とは、2回連続してオン状態が検出されたので、すなわち4ms間オン状態が継続していると見なせるので、検出信号のオン状態がノイズ等によるものではないと判断できるということである。
図78は、ステップS30の賞球処理の一例を示すフローチャートである。賞球処理において、CPU56は、賞球個数加算処理(ステップS201)と賞球制御処理(ステップS202)とを実行する。そして、RAM55に形成される出力ポートバッファのうちの出力ポート0バッファの内容をポート0に出力する(ステップS203)。なお、出力ポート0バッファの内容は、賞球制御処理において更新される。また、出力ポート0は、図3に示されたI/Oポート部57のうち、払出制御信号の各信号を出力するための出力ポートである。
賞球個数加算処理では、図79に示す賞球個数テーブルが使用される。賞球個数テーブルは、ROM54に設定されている。賞球個数テーブルの先頭アドレスには処理数(この例では「6」)が設定され、その後に、スイッチオンバッファの下位アドレス、入賞により賞球を払い出すことになる入賞口の各スイッチについてのスイッチ入力ビット判定値、賞球数が、入賞口の各スイッチのそれぞれに対応して順次設定されている。なお、スイッチ入力ビット判定値は、入力ポート0における各スイッチの検出信号が入力されるビットに対応した値である。また、スイッチオンバッファの上位アドレスは固定的な値(例えば7F(H))である。また、賞球個数テーブルにおいて、6つのスイッチオンバッファの下位アドレスのそれぞれには、同じデータが設定されている。入力ポート0は、図3に示されたI/Oポート部57のうち、賞球払出に関わる入賞を検出するスイッチの検出信号を入力するための出力ポートである。
図80は、ステップS201の賞球個数加算処理を示すフローチャートである。賞球個数加算処理において、CPU56は、賞球個数テーブルの先頭アドレスをポインタにセットする(ステップS351)。そして、ポインタが指すアドレスのデータ(この場合には処理数)をロードする(ステップS352)。次に、スイッチオンバッファをレジスタにロードする(ステップS353)。
そして、ポインタの値を1増やし(ステップS354)、スイッチオンバッファの内容と、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合にはスイッチ入力ビット判定値)との論理積をとる(ステップS355)。また、ポインタの値を1増やす(ステップS356)。
ステップS355における演算結果が0でなければ、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオン状態であれば、ステップS361Aに移行する。ステップS355における演算結果が0であれば、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオン状態でなければ、処理数を1減らし(ステップS359)、処理数が0であれば処理を終了し、処理数が0でなければステップS354に戻る(ステップS360)。
ステップS361Aでは、CPU56は、入賞が発生したとして入賞報知ランプ363を所定期間点灯させる。
そして、CPU56は、ステップS355の処理で使用されたスイッチ入力ビット判定値がカウントスイッチ入力ビット判定値であったか否か確認する。すなわち、ステップS361でカウントスイッチ23がオンしたことが確認されたか否か(検査対象のスイッチがカウントスイッチ23であったか否か)確認する。
スイッチ入力ビット判定値がカウントスイッチ入力ビット判定値であった場合には、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるか否か確認する(ステップS362B)。特別図柄プロセスフラグの値が4以上であるということは、特別図柄プロセス処理において、ステップS305の大入賞口開放前処理以後の処理が実行されていることを意味する。すなわち、大当り遊技中であることを意味する。なお、ここでは、大当り遊技中は、大当り表示が開始されてから大当り終了処理が終了するまでの期間とする。つまり、特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるということは、遊技制御が正常に実行されている場合において、大入賞口が開放される制御がなされる可能性がある状態であることを示す。
特別図柄プロセスフラグの値が5以上である場合には、CPU56は、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合には賞球個数)を賞球加算値に設定し(ステップS364)、賞球加算値を、RAM55に形成されている16ビットの総賞球数格納バッファの内容に加算する(ステップS365)。加算の結果、桁上げが発生した場合には、総賞球数格納バッファの内容を65535(=FFFF(H))に設定する(ステップS357,S358)。そして、ステップS359の処理に移行する。
特別図柄プロセスフラグの値が5未満である状態は、大当り遊技は実行されず、大入賞口を開放する制御は実行されない状態である。そのような状態においてカウントスイッチ23がオンしたことが検出されたということは、大入賞口に異常入賞が生じたこと、またはカウントスイッチ23からの検出信号に長期間(4msを越える)に亘るノイズが乗ったことを意味する。そこで、特別図柄プロセスフラグの値が5未満である状態でカウントスイッチ23がオンしたことが検出された場合には、総賞球数格納バッファに賞球加算値を加算する制御を実行しないようにする。すなわち、カウントスイッチ23がオンしたことにもとづく賞球払出を実行しないようにする(ステップS364,S365の処理をスキップする)。そして、ステップS359の処理に移行する。
スイッチ入力ビット判定値がカウントスイッチ入力ビット判定値でない場合は(ステップS362AのN)、CPU56は、ステップS355の処理で使用されたスイッチ入力ビット判定値が第2始動口スイッチ入力ビット判定値であったか否か確認する(ステップS363A)。すなわち、ステップS361で第2始動口スイッチ14bがオンしたことが確認されたか否か(検査対象のスイッチが第2始動口スイッチ14bであったか否か)確認する。
スイッチ入力ビット判定値が第2始動口スイッチ入力ビット判定値であった場合には、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値が3以上であるか否か確認する(ステップS363B)。普通図柄プロセスフラグの値が3以上であるということは、普通図柄プロセス処理において、ステップS103の普通電動役物開放前処理またはステップS104の普通電動役物開放中処理が実行されていることを意味する。すなわち、普通電動役物(始動入賞装置15)の可動片13が開閉動作中であることを意味する。
スイッチ入力ビット判定値が第2始動口スイッチ入力ビット判定値でなかった場合、および普通図柄プロセスフラグの値が3以上である場合)には、CPU56は、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合には賞球個数)を賞球加算値に設定し(ステップS364)、賞球加算値を、RAM55に形成されている16ビットの総賞球数格納バッファの内容に加算する(ステップS365)。加算の結果、桁上げが発生した場合には、総賞球数格納バッファの内容を65535(=FFFF(H))に設定する(ステップS357,S358)。そして、ステップS359の処理に移行する。
普通図柄プロセスフラグの値が3以上でない状態は、始動入賞装置15の可動片13が開放していない状態(始動入賞装置15が開放していない状態)である。そのような状態において第2始動口スイッチ14bがオンしたことが検出されたということは、第2始動口15bに異常入賞が生じたこと、または第2始動口スイッチ14bからの検出信号に長期間(4msを越える)に亘るノイズが乗ったことを意味する。そこで、普通図柄プロセスフラグの値が3未満である状態で第2始動口スイッチ14bがオンしたことが検出された場合には(ステップS363BのN)、総賞球数格納バッファに賞球加算値を加算する制御を実行しないようにする。すなわち、第2始動口スイッチ14bがオンしたことにもとづく賞球払出を実行しないようにする(ステップS364,S365の処理をスキップする)。そして、ステップS359の処理に移行する。
なお、上記の処理では、CPU56が、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて大入賞口への異常入賞が生じたか否か判定するようにしたが、実際に大入賞口を開放していないときにカウントスイッチ23がオンしたことが検出された場合に、カウントスイッチ23がオンしたことにもとづく賞球払出を実行しないようにしてもよい。しかし、この実施の形態のように、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて異常入賞が生じたか否か判定するように構成する場合には、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理が簡素化される。大入賞口は複数ラウンドに亘って開放されたり閉鎖されたりされるので、実際に大入賞口を開放する制御を行っているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定すると、処理が複雑化する。
また、大入賞口の入口からカウントスイッチ23の設置位置までの間にはある程度の距離があるので、実際に大入賞口を開放する制御を行っているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定する場合には、大入賞口を閉鎖する制御を行ってから、閉鎖直前に大入賞口に入賞した可能性がある遊技球を考慮する必要がある。すなわち、大入賞口の入口からカウントスイッチ23の設置位置までの間を遊技球が流れる時間を考慮しなければならない。つまり、実際に大入賞口を閉鎖する制御を行ってからある程度の期間をおいてから、異常入賞が生じたか否かの判定を開始する必要がある。そのことからも、処理が複雑化する。
しかし、この実施の形態のように、大当り終了処理が終了してから、大入賞口への異常入賞が生じたか否か判定するように構成されている場合には、大入賞口の入口からカウントスイッチ23の設置位置までの間を遊技球が流れる時間を考慮する必要はない。大入賞口が閉鎖されてから、大当り終了処理の処理期間中に、閉鎖直前に大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23の設置位置まで到達しているからである。なお、この実施の形態では、大当り終了処理の処理期間、すなわち演出表示装置9において大当り終了表示がなされている期間は、大入賞口に入賞した遊技球がカウントスイッチ23の設置位置に到達するまでの時間よりも長く設定されている。
また、CPU56が、普通図柄プロセスフラグの値にもとづいて第2始動口15bへの異常入賞が生じたか否か判定するようにしたが(ステップS363B参照)、実際に始動入賞装置15を開放していないとき(すなわち、図66に示す普通電動役物開放中処理において遊技状態に応じた開放パターンにもとづいて始動入賞装置15が開閉動作を繰り返すときの始動入賞装置15が閉鎖状態のとき)に第2始動口スイッチ14bがオンしたことが検出された場合に、第2始動口スイッチ14bがオンしたことにもとづく賞球払出を実行しないようにしてもよい。しかし、この実施の形態のように、普通図柄プロセスフラグの値にもとづいて異常入賞が生じたか否か判定するように構成する場合には、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理が簡素化される。例えば、確変状態のときのように始動入賞装置15が複数回(この実施の形態では2回または3回)に亘って開放されたり閉鎖されたりする場合には、実際に始動入賞装置15を開放する制御を行っているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定すると、処理が複雑化するが、普通図柄プロセスフラグにより判定することで処理を簡素化することができる。
また、第2始動口15bの入口から第2始動口スイッチ14bの設置位置までの間にはある程度の距離があるので、実際に始動入賞装置15を開放する制御を行っているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定する場合には、始動入賞装置15を閉鎖する制御を行ってから、閉鎖直前に第2始動口15bに入賞した可能性がある遊技球を考慮する必要がある。すなわち、第2始動口15bの入口から第2始動口スイッチ14bの設置位置までの間を遊技球が流れる時間を考慮しなければならない。そこで、異常入賞を判定するタイミングを始動入賞装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせることが好ましい。
例えば、普通電動役物開放中処理において、始動入賞装置15が最後に閉鎖してから、第2始動口15bに入賞した遊技球が第2始動口スイッ14aの設置位置に到達するまでの時間よりも長い遅延処理(ソフトウェアによってディレイ時間を作成)を行う。その後、普通図柄プロセスフラグの値を4から0に切り替える。そのような制御によって、始動入賞装置15の閉鎖直前に遊技球が入賞したことによって、異常入賞が発生したと誤検出してしまうのを防止することができる。
異常入賞を判定するタイミングを始動入賞装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせる方法として、普通図柄プロセスフラグの値が4から0になる時点で遅延用タイマに所定時間をセットし、タイマ割込み毎(2ms毎)に遅延用タイマをカウントダウンしていく。そして、賞球個数加算処理において普通図柄プロセスフラグの値が3以上でないと判定されたときに、遅延用タイマが0かどうかを判定し、遅延用タイマが0のときにステップS364,S365の処理をスキップしてステップS359の処理に移行するようにしてもよい。このような構成によっても、異常入賞を判定するタイミングを始動入賞装置15の可動片13を閉鎖する(始動入賞装置15を閉鎖する)タイミングよりも遅らせることができる。
なお、大入賞口への異常入賞の判定においても、同様の方法により異常入賞を判定するタイミングを大入賞口(特定可変入賞球装置20)を閉鎖するタイミングよりも遅らせることができる。具体的には、特別図柄プロセスフラグの値が7から0になった時点で遅延用タイマに所定時間をセットし、そして、タイマ割込み毎(2ms毎)に遅延用タイマをカウントダウンしていく。そして、賞球個数加算処理において特別図柄プロセスフラグの値が5以上でないと判定されたときに、遅延用タイマが0かどうかを判定し、遅延用タイマが0のときにステップS364,S365の処理をスキップしてステップS359の処理に移行するようにする。
なお、ステップS362Bにおいて特別図柄プロセスフラグの値が5未満である場合(ステップS362BのN)やステップS363Bにおいて普通図柄プロセスフラグの値が3以上でない場合(ステップS363BのN)に、賞球払い出しを禁止する制御を行わないようにしてもよい。後述するように、異常入賞が発生したと判定された場合は、CPU56が異常入賞報知1指定コマンドまたは異常入賞報知2指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ110に送信し、演出制御用マイクロコンピュータ110が異常入賞の発生を報知するように構成されているので、異常入賞にもとづく賞球払い出しは最小限に食い止めることができると考えられるからである。
図81は、ステップS201の賞球制御処理を示すフローチャートである。賞球制御処理では、CPU56は、賞球プロセスコードの値に応じて、ステップS231〜S236のいずれかの処理を実行する。
図82は、賞球プロセスコードの値が0の場合に実行される待機処理(ステップS231)を示すフローチャートである。CPU56は、待機処理において、賞球タイマの値を確認する(ステップS241A)。賞球タイマの値が0でない場合には、賞球タイマの値を1減算して処理を終了する(ステップS242A)。なお、賞球タイマの値が0でない場合とは、例えば、前回の払出制御信号の通信時に払出動作中信号がオフになったことを確認して賞球個数信号をオフ状態にしたときに、次に払出REQ信号をオン状態にするまでに待ち時間を挿入するために賞球タイマに所定値がセットされたような場合である。
賞球タイマの値が0であった場合には、CPU56は、電源確認信号をオフ状態にしているか否か確認し(ステップS243A)、電源確認信号をオフ状態にしているときには、処理を終了する。よって、電源確認信号をオフ状態にしている場合には、払出REQ信号が出力されないことになる。なお、CPU56は、電源確認信号の出力状態を、出力ポート0バッファのビット6の状態によって把握できる。また、CPU56は、入力ポートを介して接続確認信号の状態を確認する(ステップS243B)。接続確認信号がオフ状態であれば処理を終了する。よって、接続確認信号がオフ状態である場合には、払出個数信号送信処理(図83参照)に移行されず(具体的には、後述するステップS254での払出REQ中出力値を出力ポート0バッファにセットする処理が実行されず)、払出REQ信号が出力されないことになる。
接続確認信号がオン状態である場合には、入力ポートを介して受信確認信号の状態を確認する(ステップS244)。受信確認信号は、待機状態ではオン状態にならないはずであるから、受信確認信号がオン状態である場合には、CPU56は、通信エラーが生じたと判断する。そして、賞球異常状態出力値(00(H)または1E(H))を出力ポート0バッファにセットして処理を終了する(ステップS247)。なお、賞球異常状態出力値が出力ポート0バッファにセットされると、ステップS203(図78参照)において出力ポート0バッファの内容がポート0に出力されることによって、電源確認信号および払出REQ信号がオフ状態になる。このような制御によって、賞球払出待機中に受信確認信号がオン状態になったときには、電源確認信号がオフ状態になる。そして、総賞球数格納バッファに0でない値が記憶されていたとしても、払出指令信号を出力する状態に移行しない。すなわち、払出指令信号をオン状態にすることを禁止する。
また、賞球異常状態出力値として1E(H)がセットされる場合は図63に示された場合に対応し、賞球異常状態出力値として00(H)がセットされる場合は図62に示された場合に対応する。賞球異常状態出力値としての1E(H)がセットされると、払出個数信号として1E(H)が出力され、賞球異常状態出力値としての00(H)がセットされると、払出個数信号として00(H)が出力される。ただし、この段階では、通常、賞球異常状態出力値がセットされる前に、払出個数信号として00(H)になっている。
また、CPU56は、受信確認信号がオン状態でなければ、入力ポートを介して払出動作中信号の状態を確認する(ステップS245)。払出動作中信号は、待機状態ではオン状態にならないはずであるから、払出動作中信号がオン状態である場合には、CPU56は、通信エラーが生じたと判断する。そして、賞球異常状態出力値(00(H)または1F(H))を出力ポート0バッファにセットして処理を終了する(ステップS246)。このような制御によって、賞球払出待機中に払出動作中信号がオン状態になったときには、電源確認信号がオフ状態になる。そして、総賞球数格納バッファに0でない値が記憶されていたとしても、払出指令信号を出力する状態に移行しない。すなわち、払出指令信号をオン状態にすることを禁止する。
通信エラーが生じていなければ、賞球待機中出力値(40(H))を出力ポート0バッファにセットする(ステップS248)。なお、賞球待機中出力値が出力ポート0バッファにセットされると、ステップS203において出力ポート0バッファの内容がポート0に出力されることによって、払出REQ信号はオフ状態になり、電源確認信号はオン状態になる。ただし、通信に関する制御が正常に続行されていた場合には、この段階で、すでに、払出REQ信号はオフ状態になり、電源確認信号はオン状態になっている。ステップS248の処理が有効になるのは、通信エラーの状態から回復したとき(具体的には、払出制御基板37からの接続確認信号がオン状態に戻ったとき)である。
次いで、CPU56は、総賞球数格納バッファの内容を確認する(ステップS249)。その値が0であれば処理を終了し、0でなければ、賞球プロセスコードの値を1にした後(ステップS250)、処理を終了する。
図83は、賞球プロセスコードの値が1の場合に実行される払出個数信号送信処理(ステップS232)を示すフローチャートである。CPU56は、払出個数信号送信処理において、総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値(この例では「15」)よりも小さいか否か確認する(ステップS251)。総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値以上であれば、賞球コマンド最大値を賞球個数バッファに設定する(ステップS252)。また、総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値よりも小さい場合には、総賞球数格納バッファの内容を賞球個数バッファに設定する(ステップS253)。
その後、払出REQ中出力値(60(H))を出力ポート0バッファにセットする(ステップS254)。なお、払出REQ中出力値が出力ポート0バッファにセットされると、ステップS203において出力ポート0バッファの内容がポート0に出力されることによって、払出REQ信号がオン状態になり、電源確認信号のオン状態が維持される。また、賞球個数バッファの内容を出力ポート0バッファの下位5ビットにセットする(ステップS255)。さらに、賞球タイマに、受信確認信号がオンすることを監視するための所定時間(一例として5秒)に相当する値(この例では2500)をセットする(ステップS256)。その後、賞球プロセスコードの値を2にして(ステップS257)、処理を終了する。なお、5秒は、1回の払出処理(例えば最大25個の遊技球の払出)が完了するのに十分な時間であり、払出制御手段が球貸し処理を行っていることに起因して、払出REQ信号の確認を行わない期間を考慮した時間である。複数回の球貸し処理(例えば1回につき25個の遊技球の払い出し)が連続して実行されることが許容されている場合には、受信確認信号がオンすることを監視するための所定時間は、連続して実行される球貸し処理の最大回数を考慮して定められる。
なお、この実施の形態では、賞球コマンド最大値は「15」である。従って、最大で「15」の払出数を指定する払出個数信号が払出制御基板37に送信される。
図84は、賞球プロセスコードの値が2の場合に実行される受信確認信号オン待ち処理(ステップS233)を示すフローチャートである。CPU56は、受信確認信号オン待ち処理において、受信確認信号がオン状態になったことに応じて(ステップS261)、総賞球数格納バッファの内容から、賞球個数バッファの内容(払出制御用マイクロコンピュータ370に指令した賞球払出個数)を減算する(ステップS262)。そして、出力ポート0バッファの払出REQ信号出力ビットをリセットする(ステップS263)。なお、出力ポート0バッファの払出REQ信号出力ビットがリセットされると、ステップS203において出力ポート0バッファの内容がポート0に出力されることによって、払出REQ信号はオフ状態になるが、取込要求信号である払出REQ信号がオフ状態になったことによって払出指令信号がオフ状態になったことになる。
さらに、受信確認信号がオフ状態になることを監視するための所定時間(一例として100ms)に相当する値を賞球タイマにセットする(ステップS264)。また、賞球プロセスコードの値を3にして(ステップS265)、処理を終了する。
受信確認信号がオン状態になっていない場合には、賞球タイマの値を1減算する(ステップS266)。賞球タイマの値が0になっていない場合には処理を終了する。賞球タイマの値が0になった場合には(ステップS267)、CPU56は、通信エラーが生じたと判断する。そして、賞球異常状態出力値(00(H)または1E(H))を出力ポート0バッファにセットする(ステップS268)。賞球異常状態出力値が出力ポート0バッファにセットされると、ステップS203(図78参照)において出力ポート0バッファの内容がポート0に出力されることによって、電源確認信号および払出REQ信号がオフ状態になる。そして、賞球プロセスコードの値を待機処理に相当する0にして(ステップS269)、処理を終了する。
図85は、賞球プロセスコードの値が3の場合に実行される受信確認信号オフ待ち処理(ステップS234)を示すフローチャートである。CPU56は、受信確認信号オフ待ち処理において、受信確認信号がオフ状態になったことに応じて(ステップS271)、払出動作中信号がオン状態になることを監視するための所定時間(一例として100ms)に相当する値を賞球タイマにセットする(ステップS272)。また、賞球プロセスコードの値を4にして(ステップS273)、処理を終了する。
受信確認信号がオフ状態になっていない場合には、賞球タイマの値を1減算する(ステップS275)。賞球タイマの値が0になっていない場合には処理を終了する。賞球タイマの値が0になった場合には(ステップS276)、CPU56は、通信エラーが生じたと判断する。そして、賞球異常状態出力値(00(H)または1E(H))を出力ポート0バッファにセットする(ステップS277)。そして、賞球プロセスコードの値を待機処理に相当する0にして(ステップS278)、処理を終了する。
図86は、賞球プロセスコードの値が4の場合に実行される払出動作中信号オン待ち処理(ステップS235)を示すフローチャートである。CPU56は、払出動作中信号オン待ち処理において、払出動作中信号がオン状態になったことに応じて(ステップS281)、払出動作中信号がオフ状態になることを監視するための所定時間(一例として5秒)に相当する値を賞球タイマにセットする(ステップS282)。また、賞球プロセスコードの値を5にして(ステップS283)、処理を終了する。
払出動作中信号がオン状態になっていない場合には、賞球タイマの値を1減算する(ステップS285)。賞球タイマの値が0になっていない場合には処理を終了する。賞球タイマの値が0になった場合には(ステップS286)、CPU56は、通信エラーが生じたと判断する。そして、賞球異常状態出力値(00(H)または1F(H))を出力ポート0バッファにセットする(ステップS287)。賞球異常状態出力値が出力ポート0バッファにセットされると、ステップS203(図78参照)において出力ポート0バッファの内容がポート0に出力されることによって、電源確認信号および払出REQ信号がオフ状態になる。そして、賞球プロセスコードの値を待機処理に相当する0にして(ステップS288)、処理を終了する。
図87は、賞球プロセスコードの値が5の場合に実行される払出動作中信号オフ待ち処理(ステップS236)を示すフローチャートである。CPU56は、払出動作中信号オフ待ち処理において、払出動作中信号がオフ状態になったことに応じて(ステップS291)、遅延時間値(一例として20msに相当する10)を賞球タイマにセットし(ステップS294)、出力ポート0バッファの払出個数信号出力ビット(下位5ビット)を0にして(ステップS297)、また、賞球プロセスコードの値を0にして(ステップS298)、処理を終了する。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370との間の通信は正常に終了したことになる。なお、遅延時間値は、次に払出REQ信号をオン状態にするまでに待ち時間を設けるためにセットされる。
払出動作中信号がオフ状態になっていない場合には、賞球タイマの値を1減算する(ステップS292)。賞球タイマの値が0になっていない場合には処理を終了する。賞球タイマの値が0になった場合には(ステップS293)、CPU56は、払出エラーが生じたと判断する。そして、CPU56は、異常報知コマンド送信要求をセットし(ステップS295)、出力ポート0バッファの電源確認信号出力ビットをリセットする(ステップS296)。また、出力ポート0バッファの払出個数信号出力ビット(下位5ビット)を0にし(ステップS297)、賞球プロセスコードの値を0にして(ステップS298)、処理を終了する。なお、異常報知コマンド送信要求がセットされると、演出制御用マイクロコンピュータ110に異常報知コマンドが送信される。
以上のように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、払出制御用マイクロコンピュータ370との間の通信の異常(通信エラー)が発生したときには、遊技球の払い出しを停止させるための制御(例えば、電源確認信号をオフ)を行う。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、払出制御用マイクロコンピュータ370との間の通信の異常が解消されるまで遊技球の払い出しを停止させる。すなわち、新たな事象(遊技球の入賞等)が生じても、それに応じた処理を行わず、例えば新たに生じた事象を記憶しておく。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、通信異常が解消されると(例えば、接続確認信号のオン状態を検出すると)、通信を再開する。
この実施の形態では、CPU56が景品遊技媒体数記憶手段(この例では総賞球数格納バッファ)に記憶されている景品遊技媒体数データから払出指令信号で指定した払出数に対応する値を減算する減算処理を実行するための所定の条件は、払出制御用マイクロコンピュータ370から受信確認信号を受信したとき、具体的には、受信確認信号がオン状態になったときである。なお、受信確認信号がオン状態になったときには、払出制御用マイクロコンピュータ370は、払出指令信号で指令された個数の賞球払出をまだ行っていない。受信確認信号がオン状態になったときよりも後に(例えば、払出動作中信号がオフ状態になったとき、すなわち払出個数信号で指令した個数の賞球払出が完了したときに)総賞球数格納バッファの減算処理を行うように構成すると、賞球払出中に不正に遊技機の電力供給を停止させた後に電力供給を復旧させるような不正行為によって、不正に多数の賞球払出が行われてしまう。例えば、払出指令信号で15個の賞球払出が指令された場合に、10個の賞球払出がなされた時点で、不正に遊技機の電力供給を停止させた後に電力供給を復旧させると、総賞球数格納バッファの内容は何ら減算されていないので、実際には10個の賞球払出はなされているにも関わらず、その10個の賞球払出はなされていないものとして、賞球制御を続行してしまう。
しかし、この実施の形態では、受信確認信号がオン状態になったときに、すなわち、払出制御用マイクロコンピュータ370が払出指令信号を受け付けて受信確認信号を送信したときに総賞球数格納バッファの減算処理が実行されるので、上記の不正行為を防止することができる。
なお、遊技制御手段と払出制御手段とが賞球払出制御に関して双方向通信を行い、遊技制御手段が、受信確認信号に相当する信号を受信したことに応じて、景品遊技媒体数記憶手段に記憶されている景品遊技媒体数データから払出指令信号で指定した払出数に対応する値を減算する減算処理を行う遊技機は知られている(例えば、特開2004−65676号公報参照。)。
図88は、特開2004−65676号公報に記載されている払出制御信号の出力の仕方を示すタイミングチャートである。図88に示すように、特開2004−65676号公報に記載されている遊技機では、遊技制御手段が、受信確認信号に相当するBUSY信号がオン状態となったあとオフ状態となったことに応じて、景品遊技媒体数記憶手段に記憶されている景品遊技媒体数データから払出指令信号で指定した払出数に対応する値を減算する減算処理を行うようにしている。
しかし、特開2004−65676号公報に記載されている遊技機では、遊技制御手段は、減算処理を行った後でも、払出制御手段が指示された個数の賞球払出を完了するまで払出指令信号(特に払出REQ信号)のオン状態を維持する。そして、払出指令信号のオン状態が維持されている状態(例えば図88に示す時刻T)で電源断が生じた後に電源が復旧すると、遊技制御手段は、制御状態が保存されている場合には、復旧処理によって、再び払出指令信号をオン状態にする。その場合、払出制御手段は、最初から(例えば15個の賞球払出の指示を受けた場合の1個目)賞球払出処理を再開するので、電源断が生ずる前に数個の遊技球を賞球として払い出していた場合には、重複払出が行われることになる。一方、この実施の形態では、減算処理を行うときに払出指令信号をオフ状態にするので、すなわち、早めに払出指令信号をオフ状態にするので、重複払出が行われ賞球が過剰に払い出されてしまう可能性が低減する。
図89は、ステップS23の異常入賞報知処理を示すフローチャートである。異常入賞報知処理において、CPU56は、異常報知禁止フラグがセットされているか否か確認する(ステップS451)。異常報知禁止フラグは、遊技機への電力供給が開始されたときに実行されるメイン処理でセットされている(図49におけるステップS44参照)。異常報知禁止フラグがセットされていない場合には、ステップS455に移行する。異常報知禁止フラグがセットされている場合には、ステップS45で設定された禁止期間タイマの値を−1する(ステップS452)。そして、禁止期間タイマの値が0になったら、すなわち禁止期間タイマがタイムアウトしたら、異常報知禁止フラグをリセットする(ステップS453,S454)。
次いで、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるか否か確認する(ステップS455)。特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるときは(ステップS455のY)、大当り遊技中である状態である。そのような状態であれば、大入賞口に遊技球が入賞する可能性があるので、大入賞口への異常入賞の確認処理を行わずに、ステップS261の処理に移行する。
特別図柄プロセスフラグの値が5未満である状態は、大当り遊技が行われていない状態である。このような状態のときに大入賞口に遊技球の入賞があれば、その入賞は異常入賞であると判断することができる。従って、以下に示す大入賞口への異常入賞の確認処理を行う。
すなわち、特別図柄プロセスフラグの値が5未満であれば、CPU56は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードする(ステップS456)。そして、CPU56は、ロードしたスイッチオンバッファの内容とカウントスイッチ入力ビット判定値(01(H)、図79参照)との論理積をとる(ステップS457)。スイッチオンバッファの内容が01(H)であったとき、すなわちカウントスイッチ23がオンしているときには、論理積の演算結果は01(H)になる。カウントスイッチ23がオンしていないときには、論理積の演算結果は、0(00(H))になる。
論理積の演算結果が0でない場合には、大入賞口への異常入賞が生じたと判定し、演出制御基板80に、異常入賞報知2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS458A,S459)。論理積の演算結果が0である場合には、大入賞口への異常入賞が生じていないと判定し、ステップS461の処理に移行する。
ステップS461では、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値が3以上であるか否か確認する(ステップS461)。普通図柄プロセスフラグの値が3以上である状態は、普通電動役物(始動入賞装置15)が開閉動作している状態である。そのような状態であれば、第2始動口15bに遊技球が入賞する可能性があるので、第2始動口15bへの異常入賞の確認処理を行わずに異常入賞報知処理を終了する。
普通図柄プロセスフラグの値が3以上でない状態(3未満の状態)は、普通電動役物(始動入賞装置15)が開閉動作していない状態である。このような状態のときに第2始動口15bに遊技球の入賞があれば、その入賞は異常入賞であると判断することができる。従って、以下に示す第2始動口15bへの異常入賞の確認処理を行う。なお、ステップS461の処理で、普通図柄プロセスフラグの値が4であるか否か判定するようにしてもよい。その場合には、開閉動作における開状態でのみ判定結果が「Y」になるので、より厳密に始動入賞装置15が閉状態であるか否かを判定することができる。
すなわち、普通図柄プロセスフラグの値が3未満であれば、CPU56は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードする(ステップS462)。そして、CPU56は、ロードしたスイッチオンバッファの内容と第2始動口スイッチ入力ビット判定値(80(H)、図79参照)との論理積をとる(ステップS463)。スイッチオンバッファの内容が80(H)であったとき、すなわち第2始動口スイッチ14bがオンしているときには、論理積の演算結果は80(H)になる。第2始動口スイッチ14bがオンしていないときには、論理積の演算結果は、0(00(H))になる。
論理積の演算結果が0でない場合には、第2始動口15bが開状態以外の状態(所定のインターバル期間の状態を含む)であるにもかかわらず、第2始動口15bに遊技球が入賞した場合である。この場合、CPU56は、入賞累積数カウンタの値を1加算するとともに(ステップS464A)、加算後の入賞累積数カウンタの値が所定値(この例では5)以上であるか否かを確認する(ステップS464B)。所定値以上である場合には、CPU56は、第2始動口15bへの異常入賞が生じたと判定し、異常入賞報知フラグをセットするとともに(ステップS464C)、演出制御基板80に、異常入賞報知1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS465)。論理積の演算結果が0である場合(ステップS464のY)、または入賞累積数カウンタの値が所定値以上でない場合)には、第2始動口15bへの異常入賞が生じていないと判定し、異常入賞報知1指定コマンドを送信する制御を行わずに異常入賞報知処理を終了する。
以上のような処理によって、大当り遊技が行われていない状態においてカウントスイッチ23がオンした場合には、異常入賞報知2指定コマンドが送信される。また、始動入賞装置15が開閉動作していない状態(第2始動口15bが開状態以外の状態)において第2始動口スイッチ14bがオンした場合にも、異常入賞報知1指定コマンドが送信される。なお、この実施の形態では、入賞累積数カウンタの値が所定値(この例では5)以上である場合に、CPU56は、第2始動口15bへの異常入賞が生じたと判定したが、ステップS464の判定処理で「N」であったときに直ちに第2始動口15bへの異常入賞が生じたと判定してもよい。
また、ステップS451〜S453の処理によって、演出制御用マイクロコンピュータ110が初期化報知を行っているときに、異常報知が開始されることが禁止される。なお、演出制御用マイクロコンピュータ110は、異常報知を開始してから禁止期間に相当する期間が経過するまで、初期化報知を継続して実行している。
なお、ステップS455の処理では、CPU56が、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて大入賞口への異常入賞が生じたか否か判定する。よって、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理を簡素化することができる。また、上述したように、特定可変入賞球装置20が閉鎖した後に大当り終了処理が所定時間実行されるので、特定可変入賞球装置20が閉鎖する直前に大入賞口に入賞した遊技球が、特別図柄プロセスフラグの値が0に戻った後にカウントスイッチ23で検出されてしまうということが防止され、正規の入賞であるにもかかわらずエラーが報知されてしまうようなことはない。
また、ステップS461の処理では、CPU56が、普通図柄プロセスフラグの値にもとづいて第2始動口15bへの異常入賞が生じたか否か判定する。よって、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理を簡素化することができる。また、上述したように、異常入賞を判定するタイミングを始動入賞装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせる方法として、普通図柄プロセスフラグの値が4から0に切り替わる所定時間前に始動入賞装置15を閉鎖し、普通図柄プロセスフラグの値が4から0に切り替わった時点で異常入賞の判定を行うようにした場合には、始動入賞装置15が閉鎖する直前に第2始動口15bに入賞した遊技球が、普通図柄プロセスフラグの値が0に戻った後に第2始動口スイッチ14bで検出されてしまうということが防止され、正規の入賞であるにもかかわらずエラーが報知されてしまうようなことはない。
また、この実施の形態では、入賞が発生したときに、主基板31に搭載されている入賞報知ランプ363を所定期間点灯させるように構成されているので、なりすまし基板が設置されている場合には入賞が発生しても入賞報知ランプ363が点灯しなくなるようにすることができ、なりすまし基板が設置されていることを容易に発見することができる。さらに、入賞報知ランプ363が点灯しなくならないように、入賞検出のスイッチ(例えば始動口スイッチ14a)の検出信号がなりすまし基板だけでなく正規の主基板31にも入力されるように配線された場合であっても、主基板31と払出制御基板37との通信が行われないため、主基板31で管理されている総賞球数格納バッファに記憶されている賞球の未払出総数が減算されなくなり、総賞球数格納バッファに記憶されている賞球の未払出総数が所定の異常判定数以上となって、なりすまし基板が設置されていることを容易に発見することができる。なお、本発明では、遊技進行に応じた信号が遊技制御用マイクロコンピュータ560によって認識されるので、例えば、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14bに限らず、他の入賞検出のスイッチ(ゲートスイッチ32a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a等)の検出信号により入賞報知ランプ363を所定期間点灯させるようにしてもよい。
なお、主基板31に搭載されている未払出超過LED362は、開封不能な固着手段によって封止された基板ボックス(図47参照)に収納されている。従って、不正基板からの信号によって未払出超過LED362が駆動されることを防止することができる。
次に、払出制御手段(払出制御用マイクロコンピュータ370およびI/Oポート)の動作を説明する。図90は、遊技機に対して電力供給が開始され払出制御用マイクロコンピュータ370へのリセット信号がハイレベルになったことに応じて払出制御用マイクロコンピュータ370が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、払出制御用マイクロコンピュータ370は、まず、必要な初期設定を行う。すなわち、払出制御用マイクロコンピュータ370は、まず、割込禁止に設定する(ステップS721)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS722)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS723)。また、払出制御用マイクロコンピュータ370は、内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行い(ステップS724)、CTCおよびPIOの設定(初期化)を行う(ステップS725)を行った後に、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS726)。
この実施の形態では、内蔵CTCのうちの一つのチャネルがタイマモードで使用される。従って、ステップS724の内蔵デバイスレジスタの設定処理およびステップS725の処理において、使用するチャネルをタイマモードに設定するためのレジスタ設定、割込発生を許可するためのレジスタ設定および割込ベクタを設定するためのレジスタ設定が行われる。そして、そのチャネルによる割込がタイマ割込として用いられる。タイマ割込を例えば2ms毎に発生させたい場合は、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
なお、タイマモードに設定されたチャネル(この実施の形態ではチャネル3)に設定される割込ベクタは、タイマ割込処理の先頭アドレスに相当するものである。具体的は、Iレジスタに設定された値と割込ベクタとでタイマ割込処理の先頭アドレスが特定される。タイマ割込処理では、払出手段を制御する払出制御処理(少なくとも主基板からの賞球払出に関する指令信号に応じて球払出装置97を駆動する処理を含み、球貸し要求に応じて球払出装置97を駆動する処理が含まれていてもよい。)が実行される。
この実施の形態では、払出制御用マイクロコンピュータ370でも割込モード2が設定される。従って、内蔵CTCのカウントアップにもとづく割込処理を使用することができる。また、CTCが送出した割込ベクタに応じた割込処理開始アドレスを設定することができる。
CTCのチャネル3(CH3)のカウントアップにもとづく割込は、CPUの内部クロック(システムクロック)をカウントダウンしてレジスタ値が「0」になったら発生する割込であり、タイマ割込として用いられる。具体的には、払出制御用CPU371の動作クロックを分周したクロックがCTCに与えられ、クロックの入力によってレジスタの値が減算され、レジスタの値が0になるとタイマ割込が発生する。例えば、CH3のレジスタ値はシステムクロックの1/256周期で減算される。分周したクロックにもとづいて減算が行われるので、レジスタの初期値は大きくならない。
次いで、払出制御用マイクロコンピュータ370は、RAMクリア処理を行う(ステップS727)。また、RAM領域のフラグやカウンタなどに初期値を設定する(ステップS728)。ステップS728の処理には、賞球未払出個数カウンタ初期値(例えば0)を賞球未払出個数カウンタにセットする処理、および接続確認信号をオン状態にするための処理(具体的には、RAMに形成されている出力ポート1バッファのビット4をセットする処理)が含まれる。なお、出力ポートバッファの内容は、後述するステップS760の出力処理が最初に実行されるときに出力ポートの出力に反映される。メイン処理は遊技機に対して電力供給が開始されたことに応じて開始され、払出制御処理における出力処理が最初に実行されるときに出力ポートに接続確認信号が出力される(オン状態になる)ので、接続確認信号は、遊技機に対する電力供給が開始され払出処理を実行可能な状態になったときに、オン状態にされることになる。
そして、定期的にタイマ割込がかかるように払出制御用マイクロコンピュータ370に設けられているCTCのレジスタの設定を行う(ステップS729)。すなわち、初期値としてタイマ割込発生間隔に相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。そして、初期設定処理のステップS721において割込禁止とされているので、初期化処理を終える前に割込が許可される(ステップS730)。その後、タイマ割込の発生を監視するループ処理に入る。
上記のように、この実施の形態では、払出制御用マイクロコンピュータ370の内蔵CTCが繰り返しタイマ割込を発生するように設定される。そして、タイマ割込が発生すると、払出制御用マイクロコンピュータ370は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理におけるループ処理では、タイマ割込フラグがセットされたことを検出すると、ステップS750以降の払出制御処理を実行する。
図91に示すステップS750において、払出制御用マイクロコンピュータ370は、発射モータ94に対する励磁パターンの出力処理(発射モータφ1〜φ4のパターンの出力ポート0への出力)を行う。なお、ステップS752の発射モータ制御処理において、励磁パターンがRAM領域である励磁パターンバッファに格納され、ステップS750では、払出制御用マイクロコンピュータ370は、励磁パターンバッファの内容を出力ポート0の下位4ビットに出力する処理を行う。
次に、払出制御用マイクロコンピュータ370は、入力判定処理を行う(ステップS751)。入力判定処理は、払出個数カウントスイッチ301およびエラー解除スイッチ375の検出信号の状態チェックを行う処理を含む。具体的には、それらのそれぞれに対応したスイッチタイマ(払出個数カウントスイッチタイマ、エラー解除スイッチタイマ)がRAMに形成され、スイッチチェック処理において、それらがオン状態であることを検出したら対応するスイッチタイマの値を+1し、オフ状態であることを検出したら対応するスイッチタイマの値をクリアする。
次に、払出制御用マイクロコンピュータ370は、発射モータ制御処理を実行する(ステップS752)。発射モータ制御処理では、発射モータφ1〜φ4のパターンを励磁パターンバッファに格納する。また、発射モータ94を不能動化すべきときには、発射モータ94を回転させない発射モータφ1〜φ4のパターンを励磁パターンバッファに格納する。また、払出制御用マイクロコンピュータ370は、払出モータ制御処理を実行する(ステップS753)。払出モータ制御処理では、払出モータ289を駆動すべきときには、払出モータφ1〜φ4のパターンを出力ポート0に出力するための処理を行う。
また、払出制御用マイクロコンピュータ370は、カードユニット50と通信を行うプリペイドカードユニット制御処理を実行する(ステップS754)。次いで、CPU56と通信を行う主制御通信処理を実行する(ステップS755)。さらに、カードユニット50からの球貸し要求に応じて貸し球を払い出す制御を行い、また、主基板からの払出個数信号が示す個数の賞球を払い出す制御を行う賞球球貸し制御処理を実行する(ステップS756)。
そして、払出制御用マイクロコンピュータ370は、各種のエラーを検出するエラー処理を実行する(ステップS757)。また、遊技機外部に出力される賞球情報や球貸し情報を出力するための情報出力処理を実行する(ステップS758)。また、エラー処理の結果に応じてエラー表示LED374に所定の表示を行うとともに、賞球LED51および球切れLED52を点灯するための表示制御処理を実行する(ステップS759)。なお、払出制御用マイクロコンピュータ370は、表示制御処理において、払出動作中信号がオン状態であるときに、賞球LED51を点灯するための制御を行う。また、払出動作中信号をオフ状態にしたら、賞球LED51を消灯するための制御を行う。
また、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポート0バッファ、出力ポート1バッファ、出力ポート2バッファ)が設けられているのであるが、払出制御用マイクロコンピュータ370は、出力ポート0バッファ、出力ポート1バッファおよび出力ポート2バッファの内容を出力ポートに出力する(ステップS760:出力処理)。ただし、出力ポート0の下位4ビット(発射モータφ1〜φ4)については、ステップS750で実行されているので、出力処理においては、出力ポート0の下位4ビットについての出力を行わない。出力ポート0バッファ、出力ポート1バッファおよび出力ポート2バッファは、払出モータ制御処理(ステップS753)、プリペイドカード制御処理(ステップS754)、主制御通信処理(ステップS755)、情報出力処理(ステップS758)および表示制御処理(ステップS759)で更新される。
図92は、ステップS753の払出モータ制御処理を示すフローチャートである。払出モータ制御処理において、払出制御用マイクロコンピュータ370は、払出モータ制御コードの値に応じて、ステップS521〜S526のいずれかの処理を実行する。
払出モータ制御コードの値が0の場合に実行される払出モータ通常処理(ステップS521)では、払出制御用マイクロコンピュータ370は、ポインタを、ROMに格納されているテーブルの先頭アドレスにセットする。払出モータ通常処理設定テーブルには、球払出時の払出モータ289を回転させるための各ステップの励磁パターン(払出モータφ1〜φ4)のデータが順次設定されている払出モータ励磁パターンテーブルが格納されている。
払出モータ制御コードの値が1の場合に実行される払出モータ起動準備処理(ステップS522)では、払出制御用マイクロコンピュータ370は、出力ポート0の出力状態に対応した出力ポート0バッファのビット4〜7に励磁パターンの初期値を設定する等の処理を行う。
払出モータ制御コードの値が2の場合に実行される払出モータスローアップ処理(ステップS523)では、払出制御用マイクロコンピュータ370は、払出モータ289を滑らかに回転開始させるために、定速処理の場合よりも長い間隔で、かつ、徐々に定速処理の場合の時間間隔に近づくような時間間隔で、払出モータ励磁パターンテーブルの内容を読み出して出力ポート0の出力状態に対応した出力ポート0バッファのビット4〜7に設定する。読み出しに際して、ポインタが指すアドレスの払出モータ励磁パターンテーブルの内容を読み出すとともに、ポインタの値を+1する。
払出モータ制御コードの値が3の場合に実行される払出モータ定速処理(ステップS524)では、払出制御用マイクロコンピュータ370は、定期的に払出モータ励磁パターンテーブルの内容を読み出して出力ポート0の出力状態に対応した出力ポート0バッファのビット4〜7に設定する。
払出モータ制御コードの値が4の場合に実行される払出モータブレーキ処理(ステップS525)では、払出制御用マイクロコンピュータ370は、払出モータ289を滑らかに停止させるために、定速処理の場合よりも長い間隔で、かつ、徐々に定速処理の場合の時間間隔から遠ざかるような時間間隔で、払出モータ励磁パターンテーブルの内容を読み出して出力ポート0の出力状態に対応した出力ポート0バッファのビット4〜7に設定する。
払出モータ制御コードの値が5の場合に実行される球噛み時払出モータブレーキ処理(ステップS526)では、払出制御用マイクロコンピュータ370は、球噛みを解除するための回転の場合に、払出モータ289を滑らかに停止させるために、球噛みを解除するための払出モータ289の回転の場合よりも長い間隔で、かつ、徐々に定速処理の場合の時間間隔から遠ざかるような時間間隔で、払出モータ励磁パターンテーブルの内容を読み出して出力ポート0の出力状態に対応した出力ポート0バッファのビット4〜7に設定する。
図93は、ステップS755の主制御通信処理を示すフローチャートである。主制御通信処理では、払出制御用マイクロコンピュータ370は、電源確認信号がオン状態であれば(ステップS51)、主制御通信制御コードの値に応じて、ステップS531〜S535のいずれかの処理を実行する。
電源確認信号がオフ状態であれば、払出個数信号が1F(H)を示している場合には、エラーフラグにおける払出動作中信号エラービットをセットし(ステップS52,S53)、接続確認信号をオフ状態にする。払出個数信号が1E(H)を示している場合には、エラーフラグにおける受信確認信号エラービットをセットし(ステップS54,S55)、接続確認信号をオフ状態にする(ステップS58)。払出個数信号が1F(H)または1E(H)を示していない場合には、賞球払出動作中であれば(ステップS56)、エラーフラグにおける払出動作中信号エラービットをセットし(ステップS57)、接続確認信号をオフ状態にする(ステップS58)。なお、賞球払出動作中であるか否かは、RAMに形成されている賞球動作中フラグがセットされているか否かによって判定される。また、ステップS58で接続確認信号をオフ状態にする場合、RAMに形成されている出力ポート1バッファの接続確認信号出力ビット(ビット4:図81参照)をリセットし、ステップS760の出力処理において、出力ポート1バッファの内容がポート1に出力されることによって、実際に接続確認信号がオフ状態になる。
また、ステップS52,S53の処理は、CPU56が実行するステップS287の処理(賞球異常出力値として1F(H)を使用する場合)に対応する。ステップS54,S55の処理は、CPU56が実行するステップS268,S277の処理(賞球異常出力値として1E(H)を使用する場合)に対応する。ステップS56,S57の処理は、CPU56が実行するステップS296の処理に対応する。なお、この実施の形態では、ステップS53,S57において、ともに、払出動作中信号エラービットをセットしているが、払出制御用マイクロコンピュータ370は、CPU56が払出動作中信号がオンしなかったことを検出したときに通信エラーと判定したのか(ステップS287の場合)、払出動作中信号がオフしなかったことを検出したときに通信エラーと判定したのか(ステップS296の場合)を区別できるので、ステップS53とステップS57とで、セットするエラービットを変えるようにしてもよい。
図94は、主制御通信制御コードの値が0の場合に実行される待機処理(ステップS531)を示すフローチャートである。待機処理において、払出制御用マイクロコンピュータ370は、エラービットがオンしている場合には、以降の処理を実行せずに処理を終了する(ステップS541)。ステップS541では、エラーフラグ中のビットのうち1つでもセットされていたら、エラービットがセットされていると判断する。
また、払出制御用マイクロコンピュータ370は、カードユニット50が球貸しスイッチが操作されたことに応じて出力する信号であるBRDY信号(ユニット操作信号)がオン状態であれば、以降の処理を実行せずに処理を終了する(ステップS542)。BRDY信号がオン状態であるということは、カードユニット50から球貸し要求が発生していることまたは球貸し処理中を意味する。すなわち、球貸し要求が発生しているときまたは球貸し処理中であるときには、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560との通信(賞球払出に関する通信)が進行しない。
ステップS541〜S542の条件が成立せず、電源確認信号がオン状態である場合には、払出制御用マイクロコンピュータ370は、払出REQ信号がオン状態になっているか否か確認する(ステップS543,S544)。オン状態になっている場合には、払出個数信号が示す賞球数を、一時記憶するためのRAM領域である賞球未払出個数バッファにセットし(ステップS545)、受信確認信号をオン状態にするための処理を行う(ステップS546)。具体的には、出力ポート1の出力状態に対応した出力ポート1バッファにおける受信確認信号に対応したビットをオン状態に設定する。また、払出REQ信号がオフ状態になることを監視するための所定時間(一例として100ms)に相当する値を主制御通信制御タイマにセットする(ステップS547)。そして、主制御通信制御コードの値を1にして(ステップS548)、処理を終了する。
なお、払出制御用マイクロコンピュータ370は、ステップS545において、払出個数信号が賞球数として0個を示していたら、ステップS546の処理を実行しない。CPU56は、払出REQ信号をオン状態にした場合に賞球数として0個を示す払出個数信号を送信することはなく、また、賞球払出待機中において払出個数信号が0個を示す状態(無効コマンドを出力する状態)にしているので、払出REQ信号がオン状態であって払出個数信号が0個を示す状態になっているということは、ノイズ等で基板間で払出REQ信号がオン状態になってしまったと考えられる。従って、そのような状況では、払出制御用マイクロコンピュータ370は、ステップS546の処理を実行しないことによって、受信確認信号をオン状態にしないことが好ましい。
図95は、主制御通信制御コードの値が1の場合に実行される払出REQ信号オフ待ち処理(ステップS532)を示すフローチャートである。払出REQ信号オフ待ち処理において、払出制御用マイクロコンピュータ370は、払出REQ信号がオフ状態であれば(ステップS551)、払出個数信号が示す賞球数を一時記憶するためのRAM領域である賞球未払出個数バッファの内容を、賞球未払出個数カウンタにセットする(ステップS552)。また、受信確認信号をオフ状態にするための処理を行う(ステップS553)。具体的には、出力ポート1の出力状態に対応した出力ポート1バッファにおける受信確認信号に対応したビットをオフ状態に設定する。そして、主制御通信制御コードの値を2にして(ステップS554)、処理を終了する。なお、ステップS553の処理が実行されたことに応じて、後述する払出動作開始待ち処理(図100参照)において賞球払出処理が開始される。
払出REQ信号がオフ状態でなければ、払出制御用マイクロコンピュータ370は、主制御通信制御タイマの値を1減算する(ステップS555)。主制御通信制御タイマの値が0になっていなければ処理を終了する(ステップS556)。主制御通信制御タイマの値が0になった場合には、受信確認信号を送信(オン状態にすること)してから所定時間が経過しても払出REQ信号がオフせず通信エラーが発生したと判断する。そして、受信確認信号および接続確認信号をオフ状態にするための処理を行う(ステップS557)。具体的には、出力ポート1の出力状態に対応した出力ポート1バッファにおける受信確認信号および接続確認信号に対応したビットをオフ状態に設定する。また、エラーフラグのビット4(払出REQ信号エラービット)をセットする(ステップS558)。そして、主制御通信制御コードの値を0にして(ステップS559)、処理を終了する。
図96は、主制御通信制御コードの値が2の場合に実行される払出動作開始待ち処理(ステップS533)を示すフローチャートである。払出動作開始待ち処理において、払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球払出処理中であることを示す賞球動作中フラグがオン状態(1:セット状態)になった場合には、(ステップS561)、払出動作中信号をオン状態にするための処理を行う(ステップS562)。具体的には、出力ポート1の出力状態に対応した出力ポート1バッファにおける払出動作中信号に対応したビットをオン状態に設定する。そして、主制御通信制御コードの値を3にして(ステップS563)、処理を終了する。
図97は、主制御通信制御コードの値が3の場合に実行される払出動作中処理(ステップS534)を示すフローチャートである。払出動作中処理において、払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球動作中フラグがオフ状態(0:リセット状態)になった場合には(ステップS571)、払出個数信号で指定された個数の賞球払出処理が完了したとして、払出動作中信号をオフ状態にするための処理を行う(ステップS572)。具体的には、出力ポート1の出力状態に対応した出力ポート1バッファにおける払出動作中信号に対応したビットをオフ状態に設定する。また、払出個数信号がオフ状態(5ビット全て0)になることを監視するための所定時間(一例として100ms)に相当する値を主制御通信制御タイマにセットする(ステップS573)。そして、主制御通信制御コードの値を4にして(ステップS574)、処理を終了する。
図98は、主制御通信制御コードの値が4の場合に実行される払出個数信号オフ待ち処理(ステップS535)を示すフローチャートである。払出個数信号オフ待ち処理において、払出制御用マイクロコンピュータ370は、払出個数信号がオフ状態になっていたら(ステップS581)、主制御通信制御コードの値を待機状態に対応する0にして(ステップS582)、処理を終了する。この時点で、1回の賞球払出に関わる遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370との間の通信が正常に終了したことになる。
払出個数信号がオフ状態になっていない場合には、払出制御用マイクロコンピュータ370は、主制御通信制御タイマの値を1減算する(ステップS583)。主制御通信制御タイマの値が0になっていなければ処理を終了する(ステップS584)。主制御通信制御タイマの値が0になった場合には、払出動作中信号の送信を停止(オフ状態にすること)してから所定時間が経過しても払出個数信号がオフ状態にならず通信エラーが発生したと判断する。そして、接続確認信号をオフ状態にするための処理を行う(ステップS585)。具体的には、出力ポート1の出力状態に対応した出力ポート1バッファにおける接続確認信号に対応したビットをオフ状態に設定する。また、エラーフラグのビット5(払出個数信号エラービット)をセットする(ステップS586)。そして、主制御通信制御コードの値を0にして(ステップS582)、処理を終了する。
図99は、ステップS756の賞球球貸し制御処理を示すフローチャートである。賞球球貸し制御処理において、払出制御用マイクロコンピュータ370は、払出個数カウントスイッチ301の検出信号がオン状態になったことを確認したら(ステップS601)、球貸し中であれば球貸し未払出個数カウンタの値を1減らし(ステップS602,S604)、球貸し中でなければ賞球未払出個数カウンタの値を1減らす(ステップS602,S603)。その後、払出制御コードの値に応じてステップS610〜S612のいずれかの処理を実行する。
図100は、払出制御コードが0の場合に実行される払出開始待ち処理(ステップS610)を示すフローチャートである。払出開始待ち処理において、払出制御用マイクロコンピュータ370は、エラービットがセットされていたら、以降の処理を実行しない(ステップS621)。エラーフラグにおけるエラービットには、主制御未接続エラーのビットが含まれている。また、主制御未接続エラーは、主基板31からの電源確認信号が賞球払出中でないときにオフ状態になるとセットされる。従って、払出制御用マイクロコンピュータ370は、遊技機に対して電力供給が開始された後、電源確認信号がオン状態になったことを条件に、実質的な制御を開始する。
また、BRDY信号がオン状態でなければ、ステップS631以降の賞球払出のための処理を実行する。BRDY信号がオン状態であって、さらに、球貸し要求信号であるBRQ信号(球貸し要求信号)がオン状態になっていたら球貸し動作中フラグをセットする(ステップS623,S624)。そして、球貸し未払出個数カウンタに「25」をセットし(ステップS625)、払出モータ回転回数バッファに「25」をセットする(ステップS626)。なお、BRQ信号は、BRDY信号が出力された時点から所定の遅延時間が経過したときに、カードユニット50が出力する信号である。
払出モータ回転回数バッファは、払出モータ制御処理(ステップS768)において参照される。すなわち、払出モータ制御処理では、払出モータ回転回数バッファにセットされた値に対応した回転数分だけ払出モータ289を回転させる制御が実行される。
その後、払出制御用マイクロコンピュータ370は、払出モータ制御処理で実行される処理を選択するための払出モータ制御コードに、払出モータ起動準備処理(ステップS522)に応じた値(具体的は「1」)をセットし(ステップS627)、払出制御コードの値を1にして(ステップS628)、処理を終了する。
ステップS631では、払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球未払出個数カウンタの値が0であるか否かを確認する。賞球未払出個数カウンタの値が0であれば処理を終了する。賞球未払出個数カウンタには、主制御通信処理の払出REQ信号オフ待ち処理におけるステップS552において、すなわち、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560からの払出REQ信号がオフ状態になったときに、0でない値(払出個数信号が示す数)がセットされている。賞球未払出個数カウンタの値が0でない場合には、払出モータ回転回数バッファに賞球未払出個数カウンタの値をセットする(ステップS633)。そして、賞球動作中フラグをセットし(ステップS635)、ステップS627に移行する。
図101は、払出制御コードが1の場合に実行される払出モータ停止待ち処理(ステップS611)を示すフローチャートである。払出モータ停止待ち処理において、払出制御用マイクロコンピュータ370は、払出動作が終了したか否か確認する(ステップS641)。払出制御用マイクロコンピュータ370は、例えば、払出モータ制御処理における払出モータブレーキ処理(ステップS525)が終了するときにその旨のフラグをセットし、ステップS641においてそのフラグを確認することによって払出動作が終了したか否かを確認することができる。
払出動作が終了した場合には、払出制御用マイクロコンピュータ370は、払出制御監視タイマに払出通過監視時間をセットする(ステップS642)。払出通過監視時間は、最後の払出球が払出モータ289によって払い出されてから払出個数カウントスイッチ301を通過するまでの時間に、余裕を持たせた時間である。そして、払出制御コードの値を2にして(ステップS643)、処理を終了する。
図102〜図104は、払出制御コードの値が2の場合に実行される払出通過待ち処理(ステップS612)を示すフローチャートである。払出通過待ち処理では、賞球払出が行われているときには、賞球未払出個数カウンタの値が0になっていれば正常に払出が完了したと判定される。賞球未払出個数カウンタの値が0になっていない場合には、エラー状態でなければ、払出不足分の遊技球(賞球未払出個数カウンタの値が示す個数の遊技球)の再払出動作を、2回を上限として試みる。再払出動作において払出個数カウントスイッチ301によって遊技球が実際に払い出されたことが検出されたら正常に払出が完了したと判定される。なお、この実施の形態では、払出REQ信号を受信したときに賞球未払出個数カウンタにセットされた個数の遊技球が払い出されるように払出モータ289を回転させたのであるから、賞球未払出個数カウンタの値が0になっていない場合には、正常に払出が完了していないことになる。
また、球貸し払出が行われているときには、球貸し未払出個数カウンタの値が0になっていれば正常に払出が完了したと判定される。球貸し未払出個数カウンタの値が0になっていない場合には、エラー状態でなければ、球貸し残数(球貸し未払出個数カウンタの値に相当)の再払出動作を試みる。なお、この実施の形態では、1回の球貸し払出動作で払い出される遊技球数は25個(固定値)であり、25個の遊技球が払い出されるように払出モータ289を回転させたのであるから、球貸し未払出個数カウンタの値が0になっていない場合には、正常に払出が完了していないことになる。
払出通過待ち処理において、払出制御用マイクロコンピュータ370は、まず、払出制御タイマの値を確認し、その値が0になっていればステップS653に移行する(ステップS650)。払出制御タイマの値が0でなければ、払出制御タイマの値を−1する(ステップS651)。そして、払出制御タイマの値が0になっていなければ(ステップS652)、すなわち払出制御タイマがタイムアウトしていなければ処理を終了する。なお、ステップS650の処理は、後述する遊技球払出のリトライ動作が開始されたときのことを考慮した処理である。後述するステップS807の処理が実行された場合には、ステップS650からS653に移行するルートを経てリトライ動作が開始される。
払出制御タイマがタイムアウトしていれば(ステップS652)、球貸し払出処理(球貸し動作)を実行していたか否か確認する(ステップS653)。球貸し動作を実行していたか否かは、RAMに形成されている払出制御状態フラグにおける球貸し動作中ビットがセットされているか否かによって確認される。球貸し動作を実行していない場合、すなわち、賞球払出処理(賞球動作)を実行していた場合には、払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球未払出個数カウンタの値を確認する(ステップS654)。賞球未払出個数カウンタの値が0になっている場合には、正常に賞球払出処理が完了したとして、払出制御状態フラグにおける再払出動作中1ビット、再払出動作中2ビット、賞球動作中フラグおよび球貸し動作中ビットをリセットし(ステップS655)、払出制御コードを0にして(ステップS656)、処理を終了する。
「払出制御状態フラグ」は、初回の再払出動作の実行中であるか否かを示す再払出動作中1ビットと、2回目の再払出動作の実行中であるか否かを示す再払出動作中2ビットと、賞球の払出動作を実行しているか否かを示す賞球動作中フラグと、球貸し動作を実行しているか否かを示す球貸し動作中ビットとを含む複数ビット構成のフラグである。
払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球未払出個数カウンタの値が0になっていない場合には、通信に関わらないエラーについてのエラーフラグ(ここでは、払出スイッチ異常検知エラー1ビット、払出スイッチ異常検知エラー2ビットおよび払出ケースエラービットのうちのいずれか1ビットまたは複数ビット)がセットされていないことを条件として(ステップS659)、再払出動作を実行する。なお、払出スイッチ異常検知エラー1ビット、払出スイッチ異常検知エラー2ビットおよび払出ケースエラービットのうちのいずれか1ビットまたは複数ビットがセットされている場合には、再払出動作を実行しない。
再払出処理(再払出動作を行わせるための制御)を実行するために、払出制御用マイクロコンピュータ370は、まず、再払出動作中2ビットがセットされているか否か確認する(ステップS662)。セットされていなければ、再払出動作中1ビットがセットされているか否か確認する(ステップS663)。再払出動作中1ビットもセットされていなければ、初回の再払出動作を実行するために、再払出動作中1ビットをセットし(ステップS665)、払出モータ回転回数バッファに賞球未払出個数カウンタまたは球貸し未払出個数カウンタの値をセットする(ステップS666)。払出モータ回転回数バッファは、払出モータ制御処理(ステップS768)において参照される。すなわち、払出モータ制御処理では、払出モータ回転回数バッファにセットされた値に対応した回転数分だけ払出モータ289を回転させる制御が実行される。なお、ステップS666において、球貸し未払出個数カウンタの値も取り扱われるのは、球貸し払出処理における再払出処理でもステップS666が用いられるからである。払出制御用マイクロコンピュータ370は、ステップS666において、賞球払出処理における再払出処理では賞球未払出個数カウンタの値をセットし、球貸し払出処理における再払出処理では球貸し未払出個数カウンタの値をセットする。その後、払出制御コードを1にして(ステップS667)、処理を終了する。
ステップS663において、再払出動作中1ビットがセットされていることを確認したら、払出制御用マイクロコンピュータ370は、2回目の再払出を実行するために、再払出動作中1ビットをリセットし(ステップS669)、再払出動作中2ビットをセットする(ステップS670)。そして、ステップS666に移行する。
ステップS662において、再払出動作中2ビットがセットされていることを確認したら、払出制御用マイクロコンピュータ370は、2回の再払出処理を実行しても払出不足分の遊技球が払い出されなかったとして、エラーフラグにおける払出ケースエラービットをセットする(ステップS672)。その際に、再払出動作中2ビットをリセットしておく(ステップS671)。そして、処理を終了する。
以上のように、再払出処理(補正払出処理)において所定回(この例では2回)の再払出動作を行っても遊技球の払出不足が解消されない場合には、遊技球の払出動作不良として、払出個数カウントスイッチ未通過エラービット(払出ケースエラービット)がセットされる。
従って、この実施の形態では、払出制御手段における景品遊技媒体払出制御手段は、払出検出手段としての払出個数カウントスイッチ301からの検出信号にもとづいて、景品遊技媒体の払い出しが完了しなかったことを検出したときに、あらかじめ決められた所定回(この例では2回)を限度として、払出手段に不足分の景品遊技媒体の払い出しを行わせるように制御を行う。なお、この実施の形態では、景品遊技媒体を払い出すためのリトライ動作を2回行っても景品遊技媒体の払い出しが行われなかった場合には、払出ケースエラービットをセットしてエラー発生中状態になるが(ステップS672)、景品遊技媒体の払い出しが完了しなかったことを初めて検知したときに払出ケースエラービットをセットしてもよい。なお、「リトライ動作(あるいは「リトライ」、「リトライ動作処理」)」とは、所定数の遊技球の払い出しを行うための通常の払出処理を実行したのにもかかわらず、実際の払い出し数が少ない場合に実行させる動作であって、通常の払出処理とは別に、未払出の遊技球を払い出すために払出処理を再度実行させるための動作(すなわち再払出動作)を意味する。
賞球球貸し制御処理において、払出動作(1回の賞球払出または1回の球貸し)を行うか否か判定するためにエラービットがチェックされるのは、図100に示された払出開始待ち処理においてのみである。図101に示された払出モータ停止待ち処理および図102等に示された払出通過待ち処理では、エラービットはチェックされない。なお、払出通過待ち処理におけるステップS658等でもエラービットがチェックされているが、そのチェックは再払出動作を行うか否かを判断するためであって、払出動作(1回の賞球払出または1回の球貸し)を開始するか否か判定するためではない。従って、ステップS626またはS633の処理が行われて遊技球の払出処理が開始された後では、エラーが発生しても払出処理は中断されない。すなわち、エラーが発生すると、遊技球の払出処理は、切りのよい時点(1回の賞球払出または1回の球貸しが終了した時点)まで継続される。なお、ステップS621でチェックされるエラーフラグにおけるエラービットの中には、主基板31からの電源確認信号がオフ状態になったことを示すエラービットが含まれている。よって、電源確認信号がオフ状態になったときにも、遊技球の払出処理は、切りのよい時点で停止される。また、1回の賞球払出または1回の球貸しとは、賞球未払出個数カウンタまたは球貸し未払出個数カウンタに0でない値がセットされてから賞球未払出個数カウンタまたは球貸し未払出個数カウンタの値が0になるまでの遊技球払出処理を意味する。
電源確認信号がオフ状態になったとき、特許文献1に記載の遊技機と同様に、払い出しを中断し、エラー状態から回復したときに払い出しを再開する構成にすると、データ(未払出分の遊技媒体の個数情報)の管理が複雑になってしまうが、本発明では、予定数の景品遊技媒体の払い出しが完了して、切りのよい時点で払出処理を停止する。従って、そのようなデータを管理する必要がなく、制御を簡易化することができる。
ステップS653で球貸し払出処理(球貸し動作)を実行していたことを確認すると、払出制御用マイクロコンピュータ370は、球貸し未払出個数カウンタの値が0になっているか否か確認する(ステップS657)。0になっていれば、正常に球貸し払出処理が完了したとしてステップS655に移行する。
球貸し未払出個数カウンタの値が0になっていなければ、エラーフラグ(具体的には、払出スイッチ異常検知エラー1ビット、払出スイッチ異常検知エラー2ビットおよび払出ケースエラービットのうちのいずれか1ビットまたは複数ビット)がセットされていないことを条件として(ステップS658)、再払出処理を実行する。なお、エラーフラグがセットされている場合には、再払出処理を実行しない。
再払出処理を実行するために、払出制御用マイクロコンピュータ370は、まず、再払出動作中2ビットがセットされているか否か確認する(ステップS676)。セットされていなければ、再払出動作中1ビットがセットされているか否か確認する(ステップS677)。再払出動作中1ビットもセットされていなければ、初回の再払出動作を実行するために、再払出動作中1ビットをセットし(ステップS679)、ステップS666に移行する。
ステップS677において、再払出動作中1ビットがセットされていることを確認したら、払出制御用マイクロコンピュータ370は、再払出動作を再度実行するための処理を行う。具体的には、再払出動作中1ビットをリセットする(ステップS681)。そして、再払出動作中2ビットをセットし(ステップS685)、ステップS666に移行する。
ステップS676において、再払出動作中2ビットがセットされていることを確認したら、払出制御用マイクロコンピュータ370は、再払出動作中2ビットをリセットし(ステップS686)、エラーフラグにおける払出ケースエラービットをセットする(ステップS688)。そして、処理を終了する。
以上のように、球貸し処理に係る再払出処理(補正払出処理)において連続して2回の再払出動作を行っても遊技球の払出不足が解消されないが場合には、遊技球の払出動作不良として、払出個数カウントスイッチ未通過エラービット(払出ケースエラービット)がセットされる。
以上に説明したように、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、総賞球数格納バッファに記憶されている賞球の未払出総数が所定の異常判定数以上となったときに、未払出超過LED362を点灯させて異常の発生を報知するように構成されているので、未払出超過LED362による異常の発生の報知によって、払出制御用マイクロコンピュータ370との通信が不正基板に搭載されたマイクロコンピュータとの間で実行されていることを報知することができ、不正基板を容易に発見することができるようになる。
この実施の形態では、入賞が発生したときに、主基板31に搭載されている入賞報知ランプ363を所定期間点灯させるように構成されているので、なりすまし基板が設置されている場合には入賞が発生しても入賞報知ランプ363が点灯しなくなるようにすることができ、なりすまし基板が設置されていることを容易に発見することができる。さらに、入賞報知ランプ363が点灯しなくならないように、入賞検出のスイッチ(例えば始動口スイッチ14a)の検出信号がなりすまし基板だけでなく正規の主基板31にも入力されるように配線された場合であっても、主基板31と払出制御基板37との通信が行われないため、主基板31で管理されている総賞球数格納バッファに記憶されている賞球の未払出総数が減算されなくなり、総賞球数格納バッファに記憶されている賞球の未払出総数が所定の異常判定数以上となって、なりすまし基板が設置されていることを容易に発見することができる。なお、本発明においては、遊技進行による信号が主基板31上で認識されることを本旨としているので、例えば、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14bに限らず、他の入賞検出のスイッチ(ゲートスイッチ32a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a等)の検出信号により入賞報知ランプ363を所定期間点灯させるようにしてもよい。
なお、主基板31に搭載されている未払出超過LED362は、開封不能な固着手段によって封止された基板ボックス(図47参照)に収納されている。従って、不正基板からの信号によって未払出超過LED362が駆動されることを防止することができる。
次に、演出制御手段の動作を説明する。
図105は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ110(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用マイクロコンピュータ110は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ110は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用マイクロコンピュータ110は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用マイクロコンピュータ110は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用マイクロコンピュータ110は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を実行する(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ110は、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御等を実行する。また、所定の乱数(例えば、停止図柄を決定するための乱数)を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS706)。さらに、演出表示装置9等の演出装置を用いて報知を行う報知制御処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
図106は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図63参照)であるのか解析する。
図107および図108は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果特定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、その表示結果特定コマンドを、RAMに形成されている表示結果特定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。そして、表示結果特定コマンド受信フラグをセットする(ステップS619)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1〜2指定コマンドのいずれかであれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、大当り開始1〜4指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが認証信号(基板ID)を示す演出制御コマンドであれば(ステップS625)、演出制御用CPU101は、そのコマンドが示す基板IDと、演出制御用マイクロコンピュータ110におけるROMまたはRAMに格納されている主基板31の基板IDとを照合して、一致しているか否かを照合結果として判定する照合処理を実行する(ステップS626)。そして、演出表示装置9に所定の表示を行うことで、照合結果を報知する(ステップS627)。
照合処理によって受信した基板IDと格納している基板IDとが一致していると判定した場合には、演出制御用CPU101は、ステップS627の処理で、例えば「照合OK」を演出表示装置9に表示する。
また、照合処理によって受信した基板IDと格納している基板IDとが一致していないと判定した場合には、演出制御用CPU101は、ステップS627の処理で、例えば「照合NG」を演出表示装置9に表示する。
照合結果が照合OKでなければ、演出制御用CPU101は、動作停止状態に制御する(ステップS628,S629)。なお、動作停止状態は、システムリセットされた状態や、演出制御処理を実行しない状態等、演出制御のための実質的な制御が停止された状態を意味する。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS632A)。初期画面には、あらかじめ決められている演出図柄の初期表示が含まれる。また、初期報知フラグをセットし(ステップS632B)、期間タイマに、初期報知期間値に相当する値を設定する(ステップS632C)。初期報知期間は、初期化指定コマンドの受信に応じて初期化報知を行っている期間である。演出制御用CPU101は、初期報知期間が経過すると、初期化報知を終了させる。なお、初期報知期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560がステップS45の処理で設定する禁止期間と同じである。よって、初期化報知が行われているときに、異常報知指定コマンドを受信することはない。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(ステップS633)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行う(ステップS634)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了1指定コマンドであれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、大当り終了1指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS642)。受信した演出制御コマンドが大当り終了2指定コマンドであれば(ステップS643)、演出制御用CPU101は、大当り終了2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS644)。
受信した演出制御コマンドが異常入賞報知1指定コマンドであれば(ステップS645)、演出制御用CPU101は、異常入賞報知1指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS646)。
受信した演出制御コマンドが異常入賞報知2指定コマンドであれば(ステップS647)、演出制御用CPU101は、異常入賞報知2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS648)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS649)。そして、ステップS611に移行する。
この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、照合機365に対して照合端子364を介して基板IDを送信するとともに、演出制御用マイクロコンピュータに対して基板IDを送信し、演出制御用マイクロコンピュータが、基板IDにもとづいて主基板31を認証するか否か判定し、認証しないと判定したときは、主基板31を認証しない旨の報知を行うとともに、動作停止状態とする制御を行うように構成されているので、例えば遊技店員が演出制御用マイクロコンピュータに対して基板IDが送信されるようにする(例えば、電源再投入、始動入賞口(始動口)へ遊技球)ことで、不正回路基板が設置されていることを容易に発見することができる。つまり、この実施の形態の遊技機は、遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDと、他の基板上のマイクロコンピュータのIDとを相互に監視する機能を備える。他の基板上のマイクロコンピュータが、遊技制御用マイクロコンピュータ560の正規のIDを受信できない場合には、主基板31に代わってなりすまし基板が遊技制御処理を行っている可能性があるが、この実施の形態では、他の基板上のマイクロコンピュータ(この例では、演出制御用マイクロコンピュータ)がなりすまし基板の存在を検知する。
また、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータが、基板IDを受信したことに応じて主基板31を認証するか否かの判定を行うが、遊技機への電力供給が開始されたときから所定期間内に遊技制御用マイクロコンピュータ560からの基板IDが受信されないときは、照合NGと判断し、主基板31を認証しない旨の報知や、動作停止状態とする制御を行うようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータは、遊技機への電力供給が開始されたときから基板IDが受信されるまで、演出表示装置9に主基板31を認証しない旨の報知(例えば、「照合NG」の表示)を行うようにしてもよい。具体的には、例えば、ステップS701の処理で「照合NG」の表示を開始し、ステップS619にて「照合OK」と判定されたときに認証済フラグをセットするとともに「照合NG」の表示を終了し、所定期間「照合OK」の表示を行うようにすればよい。なお、認証済フラグは、遊技機への電力供給が開始されたとき(ステップS701)または電力供給が停止されるときにリセットされる。また、この場合、演出制御用マイクロコンピュータが、遊技機への電力供給が開始されたときから基板IDが受信されるまで、動作停止状態に制御(基板IDを受信するための処理以外は実行しないように制御。例えば、演出制御処理を開始する前に基板IDの受信確認等を行うように構成し、演出制御処理を開始しない状態に制御)するようにしてもよい。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機への電力供給が開始されたときに、演出制御用マイクロコンピュータに対して基板IDを送信し、演出制御用マイクロコンピュータが、基板IDが受信されるまで、遊技制御基板を認証しない旨の報知と、動作停止状態の制御とのうち、少なくとも何れか一方を行うように構成されていてもよい。そのように構成すれば、遊技機への電力供給が開始される毎に、不正回路基板が設置されているか否かを判定することができる。
なお、主基板31から演出制御基板80への基板IDの通信方法はどのような方法であってもよく、例えば、主基板31と演出制御基板80とを同期させて基板IDを送受するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、基板IDにもとづいて主基板31を認証しないと判定したときは、主基板31を認証しない旨の報知を行うとともに、動作停止状態とする制御を行うようにしていたが、主基板31を認証しない旨の報知、あるいは動作停止状態とする制御の何れか一方を行うようにしてもよい。
図109は、図105に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否を確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を予告選択処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
予告選択処理(ステップS801):演出表示装置9において、大当りの発生を遊技者に予告報知するための予告演出処理を実行するか否か決定し、予告演出処理を実行することに決定した場合には、予告種類を決定する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS802)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS802):演出図柄および飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS803):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS804)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS804):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したら、特別図柄および飾り図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS805)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS805):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(ステップS806):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放前表示や大入賞口開放時表示の演出制御コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
大当り終了処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図110は、演出表示装置9に表示される報知画面の例を示す説明図である。図110(A)には、演出制御用マイクロコンピュータ110が、初期化指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する初期画面の例が示されている。図110(B)には、演出制御用マイクロコンピュータ110が、停電復旧指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する停電復旧画面の例が示されている。図110(C)には、演出制御用マイクロコンピュータ110が、異常入賞報知指定コマンド(異常入賞報知1指定コマンドまたは異常入賞報知2指定コマンド)の受信に応じて演出表示装置9に表示する異常報知画面の例が示され、かつ、演出図柄の変動が開始されても、異常報知画面の表示が継続されることが示されている(図110(C)の右側参照)。
図111は、ステップS707の報知制御処理を示すフローチャートである。報知制御処理において、演出制御用CPU101は、初期報知フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1001)。初期報知フラグは、遊技制御用マイクロコンピュータ560から電源投入指定指定コマンドを受信した場合にセットされている(図108におけるステップS632B参照)。初期報知フラグがセットされていない場合には、ステップS1006に移行する。初期報知フラグがセットされている場合には、ステップS632Cで設定された期間タイマの値を−1する(ステップS1002)。そして、期間タイマの値が0になったら、すなわち初期報知期間が経過したら、初期報知フラグをリセットする(ステップS1003,S1004)。
さらに、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において初期画面または停電復旧画面を消去させるための指令をVDP109に出力する(ステップS1005)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9から初期画面または停電復旧画面を消去する。
ステップS1006では、演出制御用CPU101は、異常入賞報知2指定コマンドを受信したことを示す異常入賞報知2指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。セットされていなければ、ステップS1008に移行する。異常入賞報知2指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、異常入賞報知2指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS1007)、ステップS1012に移行する。すなわち、異常入賞報知2指定コマンドを受信したということは、大入賞口への異常入賞が検出された場合であるが、この場合、後述するステップS1012を実行することによって音出力のみによる異常入賞報知が実行される。
ステップS1008では、演出制御用CPU101は、異常入賞報知1指定コマンドを受信したことを示す異常入賞報知1指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。セットされていなければ、そのまま処理を終了する。異常入賞報知1指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、異常入賞報知1指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS1009)、異常入賞報知1受信カウンタの値を1加算する(ステップS1010)。異常入賞報知1受信カウンタは、異常入賞報知1指定コマンドの受信回数をカウントするためのカウンタである。
次いで、演出制御用CPU101は、異常入賞報知1受信カウンタの値が1であるか否か(すなわち、異常入賞報知1指定コマンドを1回だけ受信したか否か)を確認する(ステップS1011)。異常入賞報知1受信カウンタの値が1であれば、演出制御用CPU101は、異常入賞の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS1012)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、異常入賞の報知に応じた音出力(異常報知音の出力)が行われる。そして、演出制御用CPU101は、異常報知を行っていることを示す異常報知中フラグをセットする(ステップS1019)。
異常入賞報知1受信カウンタの値が1でなければ、演出制御用CPU101は、異常入賞報知1受信カウンタの値が2であるか否か(すなわち、異常入賞報知1指定コマンドを2回受信したか否か)を確認する(ステップS1013)。異常入賞報知1受信カウンタの値が2であれば、演出制御用CPU101は、異常入賞の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS1014)。また、演出制御用CPU101は、異常入賞の報知に応じたランプ表示を示すランプ制御実行データをランプドライバ基板35に出力する(ステップS1015)。よって、以後、異常入賞の報知に応じたランプ表示および音出力(異常報知音の出力)が行われる。そして、演出制御用CPU101は、異常報知を行っていることを示す異常報知中フラグをセットする(ステップS1019)。
異常入賞報知1受信カウンタの値が2でなければ(すなわち、異常入賞報知1受信カウンタの値が3以上であれば(異常入賞報知1指定コマンドを3回以上受信していれば))、演出制御用CPU101は、異常入賞の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS1016)。また、演出制御用CPU101は、異常入賞の報知に応じたランプ表示を示すランプ制御実行データをランプドライバ基板35に出力する(ステップS1017)。さらに、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、異常報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS1018)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に異常報知画面を重畳表示する(図61(C)参照)。よって、以後、異常入賞の報知に応じたランプ表示および音出力(異常報知音の出力)が行われるとともに、演出表示装置9に異常報知画面が重畳表示される。そして、演出制御用CPU101は、異常報知を行っていることを示す異常報知中フラグをセットする(ステップS1019)。
以上の処理が実行されることによって、演出制御用CPU101は、異常入賞報知1指定コマンドまたは異常入賞報知2指定コマンドを受信したことにもとづいて、異常入賞報知を実行する。また、演出制御用CPU101は、異常入賞報知1指定コマンドを受信したことにもとづいて異常入賞報知を開始した後にさらに異常入賞報知1指定コマンドを受信した場合には、異常入賞報知1指定コマンドの受信回数に応じて異常入賞報知の報知態様を切り替える。すなわち、この実施の形態では、異常入賞報知1指定コマンドを1回だけ受信した場合には、音出力のみを用いて異常入賞報知を実行する。また、異常入賞報知1指定コマンドを2回受信した場合には、音出力に加えてランプ表示を用いて異常入賞報知を実行する。さらに、異常入賞報知1指定コマンドを3回以上受信した場合には、ランプ表示および音出力に加えて、異常報知画面を重畳表示することによって異常入賞報知を実行する。
なお、この実施の形態で示した異常入賞報知の報知態様は一例であり、例えば、出力する異常報知音を変化させたり、ランプの表示パターン(例えば、点灯や点滅)を変化させることによって、異常入賞報知の報知態様を切り替えてもよい。また、演出制御用CPU101は、図110に示すように、音出力やランプ表示を用いて異常入賞報知を実行するときに、演出表示装置9に異常報知画面を表示する制御を行うことが好ましい。また、この実施の形態では、異常入賞報知1指定コマンドの受信回数に応じて異常入賞報知の報知態様を切り替える場合を説明したが、異常入賞報知1指定コマンドを1回受信したときに、音出力に加えて異常報知画面表示およびランプ表示の全てを用いて異常入賞報知を行うようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU101は、異常入賞報知1指定コマンドを1回受信すると、スピーカ27を用いた異常報知音の出力制御を行うとともに、演出表示装置9に異常報知画面を重畳表示させ、各LED25,28a,28b,28cを用いた異常表示の表示制御を行う。
また、この実施の形態では、異常入賞報知1指定コマンドを1回だけ受信した場合に音出力のみを用いて異常入賞報知を実行する場合を示したが、異常入賞報知の組合せの態様は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、異常入賞報知1指定コマンドを1回だけ受信した場合に、演出表示装置9に異常報知画面を重畳表示させてもよく、各LED25,28a,28b,28cを用いた異常表示の表示制御を行ってもよい。また、異常報知画面の重畳表示、音出力または各LED25,28a,28b,28cを用いた異常表示のうちのいずれか2つまたは全てを用いて異常報知演出を行ってもよい。
図112は、演出表示装置9における表示演出およびスピーカ27による音演出の状況の例を示す説明図である。図112(A)には、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が行われているときの例が示されている。図112(B)には、演出表示装置9において初期化報知が行われている場合の例が示されている。
図112(C)には、演出表示装置9において異常報知が行われ、スピーカ27によって異常報知音の出力がなされている場合の例が示されている。演出制御用マイクロコンピュータ110は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から異常入賞報知指定コマンドを受信すると、演出表示装置9に異常報知画面を表示する制御を行うとともに、スピーカ27から異常報知音を出力させる制御を行う。また、変動パターンコマンドの受信に応じて演出図柄の可変表示が開始されても、演出表示装置9における異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とを継続させる。また、演出図柄の可変表示が終了しても、演出表示装置9における異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とを継続させる。なお、演出制御用マイクロコンピュータ110は異常報知画面を消去する制御および異常報知音の出力を停止する制御を実行しないので、演出表示装置9における異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とは、遊技機に対する電力供給が停止するまで継続する。ただし、演出制御用マイクロコンピュータ110は、異常報知画面の表示と異常報知音の出力とが開始されてから所定時間が経過すると、異常報知画面の表示と異常報知音の出力とを停止するように制御してもよい。
また、この実施の形態では、異常報知は、演出表示装置9とスピーカ27とによってなされるが、ランプ・LEDも用いて異常報知を行うようにしてもよい。その場合、演出制御用マイクロコンピュータ110は、異常入賞報知指定コマンドを受信すると、ランプ・LEDを、通常状態(異常入賞が発生していないとき)における態様とは異なる態様で点滅させるように制御する。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されてから所定期間(初期化報知が実行されている期間)、異常入賞の検出を行わず、遊技制御用マイクロコンピュータ560から異常入賞報知指定コマンドが送信されることはない。しかし、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値が所定値(この実施の形態では5)未満のとき、または普通図柄プロセスフラグの値が所定値(この実施の形態では3)以外のときには常時異常入賞の検出を行うようにして、演出制御用マイクロコンピュータ110が、遊技機に対する電力供給が開始されてから所定期間の間に異常入賞報知1指定コマンドまたは異常入賞報知2指定コマンドを受信した場合には、異常入賞の報知を行わないようにしてもよい。
以上に説明したように、この実施の形態では、初期化報知が異常報知に対して優先されるので、初期化報知が認識しにくくなるような事態が生ずることが防止される。すなわち、目立つように初期化報知が行われる。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたとき以外でも、プログラムを先頭番地(例えば、0000番地)から実行開始させるユーザリセットが発生したときには、初期化指定コマンドを送信する。ユーザリセットが発生する原因として、例えば、ウォッチドッグタイマを使用するように構成されている場合において、プログラムの円滑な進行を妨げるような不正行為によってウォッチドッグタイマがタイムアウトしたような場合がある。そのような不正行為は、特に、大当り図柄決定用乱数にもとづいて所定の大当り図柄(あらかじめ決められている確変大当り図柄や突然確変大当り図柄)が決定されたときに確変状態に制御するように構成されている場合に生じやすい。つまり、遊技制御用マイクロコンピュータ560を初期化して大当り図柄決定用乱数を生成するためのカウンタを初期化させ、そのカウンタのカウント値を把握しやすくするような不正行為を受けやすい。この実施の形態のように、初期化報知を目立つようにすることによって、遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化されたことを遊技機の外部から容易に把握できるので、不正行為がなされた可能性があることが容易に認識される。
また、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、所定期間が経過すると初期化報知を終了させたが(ステップS1001〜S1005参照)、他のタイミングで初期化報知を終了させるようにしてもよい。例えば、初期化報知が開始されてから最初に演出図柄の可変表示が開始されるときに初期化報知を終了させたり、演出図柄の可変表示が開始される前に異常入賞報知指定コマンドを受信したときに初期化報知を終了させたりしてもよい。また、客待ちデモ指定コマンドを受信したり、初期化報知が開始されてから客待ちデモ指定コマンド以外の最初の演出制御コマンドを受信したときに初期化報知を終了させてもよい。つまり、遊技店員等が、初期化報知を認識することができるのに十分な期間だけ、初期化報知が継続されることが好ましい。
なお、この実施の形態では、大入賞口への異常入賞が発生した場合も第2始動口15bへの異常入賞が発生した場合も同じ内容の異常入賞報知を行っていたが、異なる異常入賞報知を行うようにしてもよい。具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ110は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの異常入賞報知指定コマンドの種類に応じて異なる異常入賞報知を実行する。例えば、大入賞口への異常入賞が発生した場合と第2始動口15bへの異常入賞が発生した場合とで異なる報知音を鳴らす。または大入賞口への異常入賞が発生した場合の方が大きな音で異常報知を行う。
また、上記の実施の形態では、第2始動口15bへの異常入賞が生じたことが検出されたときでも、特別図柄表示器8における特別図柄の変動や演出表示装置9における演出図柄の変動は継続して実行されるように構成されていた。従って、不正に第2始動口15bに遊技球を入賞させた場合(例えば、普通図柄が当り図柄になっていないのに不正に始動入賞装置15を開放させ、第2始動口15bに遊技球を入賞させたような場合)であっても、その始動入賞にもとづいて大当りが発生してしまい、不正に出球が獲得させてしまうことが生じ得る。そこで、第2始動口15bへの異常入賞が生じたことが検出されたときに、所定のタイミングで特別図柄の変動を停止するように構成してもよい。そのように構成した場合には、第2始動口15bへの異常入賞の検出にもとづいて特別図柄表示器8における特別図柄の変動および演出表示装置9における演出図柄の変動を禁止する制御を実行するので、不正行為によって第2始動口15bへの入賞を発生させたような場合(例えば、普通図柄が当り図柄になっていないのに始動入賞装置15を開放させて遊技球を第2始動口15bに入賞させるような場合)であっても、その入賞にもとづいて大当りが発生するのを確実に防止することができる。
なお、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27Lなど)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば、簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
図113は、主基板のさらに他の構成例を示すブロック図である。図113に示す主基板の構成は、中断ボタン361が設けられていない点を除いて、図3に示す主基板の構成と同じである。
図114は、図113に示す主基板に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行するメイン処理の一部を示すフローチャートである。リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。
この実施の形態では、CPU56は、メイン処理において、認証信号(主基板31に一意に与えられている基板ID)を照合端子364に出力するとともに(ステップS81)、認証信号を演出制御基板80に対して送信する(ステップS82)。その他の処理は、図49に示された処理と同じである。
上記の各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bからの入賞検出信号が入力されたことを条件に、照合機365に対して照合端子364を介して基板IDを送信し、演出制御用マイクロコンピュータが、基板IDにもとづいて主基板31を認証するか否か判定し、認証しないと判定したときは、主基板31を認証しない旨の報知を行うとともに、動作停止状態とする制御を行うように構成されているので、不正回路基板が設置されていることを容易に発見することができる。すなわち、第1始動口15aまたは第2始動口15bに遊技球を入賞させたときに、照合NGの表示がなされれば何らかの不正行為がなされている可能性があることを遊技店員等に認識させることができ、照合OKの表示も照合NGの表示もなされなければ、演出制御用マイクロコンピュータによる基板IDにもとづく照合処理が実行されていない(第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bからの入賞検出信号がなりすまし基板に入力されていて、主基板31に入力されていない)ことになり、不正回路基板が設置されていると遊技店員等に認識させることができる。よって、不正回路基板が設置されていることを容易に発見することができる。なお、ここでは、不正回路基板が設置されている場合には、本来は照合OKと表示されるべきときにその表示がなされないことになるので、照合OKの表示がなされないことが、主基板31を認証しない旨の報知に相当する。
第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bからの入賞検出信号がなりすまし基板および主基板31に入力されている場合の対策として、例えば、照合処理中は演出制御用マイクロコンピュータによる表示処理を停止するようにすればよい。このようにすれば、不正回路基板が設置されているときは、始動入賞の発生にもとづく照合処理の結果が表示される前に、演出表示装置9での可変表示が開始されることになる。このため、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bからの入賞検出信号がなりすまし基板および主基板31に入力されていても、不正回路基板が設置されていることを容易に発見することができる。
なお、上記の各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bからの入賞検出信号が入力されたことを条件に、照合機365に対して照合端子364を介して基板IDを送信するようにしていたが、他の入賞検出スイッチからの入賞検出信号が入力されたことを条件に基板IDを送信するようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態では、基板IDの受信の有無や照合結果を報知することによって、主基板31と演出制御基板80との接続状態を遊技店員等が確認するもできるようになる。
また、上記の各実施の形態では、各々を識別可能な複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示手段を備え、あらかじめ定められている可変表示の実行条件が成立した後、可変表示の開始条件の成立にもとづいて可変表示手段にて識別情報の可変表示を開始し、識別情報の可変表示の表示結果が特定の表示結果となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に移行させる遊技機(以下、機種Aという)を例示したが、本発明による遊技機はそのような遊技機に限定されるものではなく、「識別情報を可変表示可能な可変表示手段」を有さない遊技機にも適用できる。つまり、所定の始動入賞領域への入賞により、可変入賞装置を所定回数開放させ、その開放により可変入賞装置に入賞した遊技媒体が特定領域(V領域)を通過すると特定遊技状態(大当り状態)に制御される遊技機(以下、機種Bという)にも適用することができる。
また、機種Aと機種Bとの混合タイプの機種にも適用することができる。つまり、各々を識別可能な複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示手段を備え、あらかじめ定められている可変表示の実行条件が成立した後、可変表示の開始条件の成立にもとづいて可変表示手段にて識別情報の可変表示を開始し、識別情報の可変表示の表示結果が特定の表示結果となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に移行させる制御と、識別情報の可変表示の表示結果が特定の表示結果と異なる所定の表示結果(小当り)となったときに可変入賞装置を所定回数開放させ、その開放により可変入賞装置に入賞した遊技媒体が特定領域(V領域)を通過することで特定遊技状態(大当り状態)に移行させる制御とをともに実行する遊技機であってもよい。
なお、上述した各実施の形態では、主基板31からの制御コマンドが演出制御基板80に入力され、演出制御基板80を介してLEDドライバ基板35および音声出力基板70に制御コマンドが入力されるように構成されていたが、他の基板構成であってもよい。例えば、演出制御基板80、LEDドライバ基板35および音声出力基板70が1枚の基板により構成するようにしてもよい。また、例えば、主基板31からの制御コマンドがランプドライバ基板35および音声出力基板70に入力され、LEDドライバ基板35または音声出力基板70を介して制御コマンドが演出制御基板80に入力されるように構成されていてもよい。さらに、LEDドライバ基板35や音声出力基板70をマイクロコンピュータを搭載した基板にしてもよい。
また、上述した各実施の形態では、主基板31に「なりすました」不正回路基板を発見するものとして説明したが、払出制御基板37に「なりすました」不正回路基板を発見するものに適用することも可能である。
図115〜図118は、それぞれ、基板構成の他の例を示すブロック図である。図115〜図118には、主基板31および演出制御に関わる基板のみが示されている。また、図115〜図118において、〇は、基板側コネクタの設置個所を示し、特に、一旦ハーネス側コネクタが差し込まれると、抜くことが不能になるような構造が採用される箇所を示す。ただし、〇で示される全ての箇所のうちの一部においてのみ、そのような構造が採用されていてもよい。
図115に示す演出制御基板80Aは、図25に示された演出制御基板80、音声出力基板70およびLEDドライバ基板35に搭載されていた回路の機能を全て実現する回路が搭載されている基板である。また、図115には、演出制御基板80Aは、主基板31から電力供給を受ける例が示されているが、電源基板910から電力供給を受けるようにしてもよい。また、演出制御基板80Aと主基板31との間に、中継基板が設けられていてもよい。中継基板が設けられている場合には、中継基板の2つのコネクタ(主基板31に接続されるケーブルのコネクタ、および演出制御基板80Aに接続されるケーブルのコネクタ)の設置位置も〇で示される箇所になる。
図116に示す音/LED基板80Bは、図25に示された音声出力基板70およびLEDドライバ基板35に搭載されていた回路の機能を全て実現する回路が搭載されている基板である。図柄制御基板80Cは、図25に示された演出制御基板80に搭載されていた回路の機能を全て実現する回路が搭載されている基板である。なお、音/LED基板80Bと主基板31との間に、中継基板が設けられていなくてもよい。
図117に示す音/図柄制御基板80Dは、図25に示された音声出力基板70および演出制御基板80に搭載されていた回路の機能を全て実現する回路が搭載されている基板である。なお、音/LED基板80Bと主基板31との間に、中継基板が設けられていなくてもよい。
図118に示すLED/図柄制御基板80Eは、図25に示されたLEDドライバ基板35および演出制御基板80に搭載されていた回路の機能を全て実現する回路が搭載されている基板である。なお、音/LED基板80Bと主基板31との間に、中継基板が設けられていなくてもよい。
なお、変動表示装置9、発光体およびスピーカ27等の演出用の電気部品を制御するための基板構成が、図115〜図118に例示された基板構成以外の構成であっても、封止手段(基板側コネクタに差し込まれたハーネス側コネクタを抜けないようにするための手段)は、主基板31にケーブルで直接電気的に接続される他の基板におけるコネクタ設置位置(主基板31と他の基板の双方において)において適用されることが好ましいが、主基板31(基板Aとする。)に接続される他の基板(基板Bとする。)と、基板Bに接続されるさらに他の基板(基板Cとする。)との双方におけるコネクタ設置位置(基板B、Cを接続するケーブルが接続されるコネクタの設置位置)においても適用されることがより好ましい。
また、図119に示すように、図柄基板411と、第1始動口スイッチ14a(または、第1始動口スイッチ14aを搭載した基板)および第2始動口スイッチ14b(または、第2始動口スイッチ14bを搭載した基板)とを、封止状態にすることが可能な1つの収納ケースに収納してもよい。収納ケースは、例えば基板収納ケース200と同様に構成される。また、特別図柄表示器8も収納ケースに収納してもよい。第1始動口スイッチ14aおよび第2始動口スイッチ14bは、大入賞口の近傍に配置されている(図1参照)。特別図柄表示器8が大入賞口の近傍に配置された遊技機では、図柄基板411と、第1始動口スイッチ14aおよび第2始動口スイッチ14bとは全て大入賞口の近傍に配置されるので、それらを1つの収納ケースに収納することが効果的である。入賞が大当りとするか否かの抽選の契機になる第1始動口スイッチ14aおよび第2始動口スイッチ14bは不正行為を受けやすく、それらを図柄基板411や特別図柄表示器8とともに封止状態にすることができるからである。なお、図119には、図115〜図118に示された基板等の一部のみが示されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、主基板31に搭載されている基板側コネクタからハーネス側コネクタが引き抜かれたときに、その旨を報知するために使用可能な信号を出力するようにしてもよい。図120は、コネクタが引き抜かれたことを検出するための構成を示す説明図である。図120に示す例では、基板側コネクタ901に接続されるハーネス側コネクタ902に接続されているケーブル(ハーネス)における一部の配線911,912が接続されている。そして、主基板31において、配線911,912に接続される基板側コネクタ901のピンが半田付け等で接続される接続箇所921,922のうち一方を接地し、他方を遊技制御用マイクロコンピュータ560に接続する。
なお、図120に示された構成を、主基板31に接続される第2基板や、第2基板に接続される第3基板に適用するなどして、第2基板や第3基板に接続されているハーネス側コネクタが引き抜かれたことを検出し、検出したことを示す信号を、報知のために、遊技機外部に出力したり、報知可能な部品(発光体等)を搭載した基板に出力するようにしてもよい。また、主基板31に接続されているハーネス側コネクタが引き抜かれたことを検出する回路を第2基板や第3基板に設けるなどして、主基板31に接続されているハーネス側コネクタが引き抜かれたことを第2基板や第3基板の側で検出し、検出したことを示す信号を、報知のために出力するようにしてもよい。
基板側コネクタ901とハーネス側コネクタ902とが接続されている状態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560に接地レベル(ローレベル)の信号が入力される。基板側コネクタ901からハーネス側コネクタ902が抜き取られると、接続箇所922がオープンになる。その場合、一般に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は信号レベルがハイレベルになったと認識する。よって、遊技制御用マイクロコンピュータ560は接続箇所922からの入力信号の信号レベルがハイレベルになった場合に、基板側コネクタ901からハーネス側コネクタ902が抜き取られたと判定する。そのように判定した遊技制御用マイクロコンピュータ560は(具体的にはCPU56)は、遊技機外部に信号を出力するための基板等(例えば、端子板)を介して、コネクタが取り外されたことを示す信号を出力する。また、演出制御用マイクロコンピュータ110に、演出制御コマンドによってコネクタが取り外されたことを示す情報を送信してもよい。その演出制御コマンドを受信した演出制御用マイクロコンピュータ110は、演出用装置(変動表示装置9、スピーカ27、LEDやランプ)で、コネクタが取り外されたことを報知する。
また、遊技機の主電源がオフされたとき(遊技機に対する電力供給が停止したとき)に基板側コネクタ901からハーネス側コネクタ902が抜き取られた場合に、その旨を記憶し、主電源がオンしたときに、記憶にもとづいて、遊技機外部に信号を出力するための基板等(例えば、端子板)を介して、コネクタが取り外されたことを示す信号を出力したり、演出制御用マイクロコンピュータ110に、演出制御コマンドによってコネクタが取り外されたことを示す情報を送信してもよい。
図121は、主電源のオフ時にコネクタが引き抜かれたことを検出するための構成を示す説明図である。図121に示す例では、JKフリップフロップ923が記憶手段として用いられている。JKフリップフロップ923には、例えばRAM55に供給されるバックアップ電源からの電力が分岐して供給されている。また、JKフリップフロップ923Q出力の初期レベルはH(ハイレベル)であるとする。基板側コネクタ901とハーネス側コネクタ902とが接続されている状態では、JKフリップフロップ923のQ出力のレベルは変化しない(HであればHのまま、LであれがLのまま)が、基板側コネクタ901からハーネス側コネクタ902が抜き取られると、Q出力はL(ローレベル)になる。そのときに、主電源がオフしていても同様である。また、ハーネス側コネクタ902が再挿入されてもQ出力は変化しない。よって、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、JKフリップフロップ923のQ出力がLになっていたら、基板側コネクタ901からハーネス側コネクタ902が抜き取られたと判定できる。
この場合にも、図121に示された構成を、主基板31に接続される第2基板や、第2基板に接続される第3基板に適用するなどして、第2基板や第3基板に接続されているハーネス側コネクタが引き抜かれたことを検出し、検出したことを示す信号を、報知のために、遊技機外部に出力したり、報知可能な部品(発光体等)を搭載した基板に出力するようにしてもよい。また、主基板31に接続されているハーネス側コネクタが引き抜かれたことを検出する回路を第2基板や第3基板に設けるなどして、主基板31に接続されているハーネス側コネクタが引き抜かれたことを第2基板や第3基板の側で検出し、検出したことを示す信号を、報知のために出力するようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態では、以下のように構成されている遊技機も開示されている。
遊技制御基板が、開封不能な固着手段によって封止された基板ボックス(例えば図47に示す遊技制御基板ボックス)内に収納され、異常報知手段(例えば未払出超過LED362)は、基板ボックスに収納されている遊技機。そのような構成によれば、不正基板からの信号によって異常報知手段が駆動されることを防止することができる。
遊技者が所定の遊技を行うことが可能な遊技機であって、遊技の進行を制御する遊技制御処理(例えば、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く)の処理)を実行する遊技制御用マイクロコンピュータ(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560)を搭載した遊技制御基板(例えば、主基板31)と、遊技制御用マイクロコンピュータからのコマンドにもとづいて演出手段(例えば、演出表示装置9、スピーカ27、ランプ25等)を制御する演出制御用マイクロコンピュータ(例えば演出制御基板80に搭載されたマイクロコンピュータ)を搭載した演出制御基板(例えば演出制御基板80)とを備え、遊技制御基板には、遊技制御用マイクロコンピュータの認証用情報(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560固有のIDナンバ)を照合して正否を判定する照合機(例えば照合機365)に対し認証用情報を出力するための照合端子(例えば照合端子364)が設けられ、遊技制御用マイクロコンピュータは、照合機に対して照合端子を介して認証用情報を送信する第1認証情報送信手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS81の処理を実行する部分)と、演出制御用マイクロコンピュータに対して認証用情報を送信する第2認証情報送信手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS82の処理を実行する部分)とを含み、演出制御用マイクロコンピュータは、認証用情報にもとづいて遊技制御基板を認証するか否か判定する認証判定手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータにおけるステップS929の処理を実行する部分)とを有し、演出制御用マイクロコンピュータは、認証用情報が受信されていないとき、あるいは認証判定手段が認証しないと判定したときは(例えば、ステップS626の処理による照合の結果が不一致であったとき)、遊技制御基板を認証しない旨の報知(例えばステップS627の処理で「照合NG」を表示)または動作停止状態とする制御(例えばステップS629)の少なくとも一方を行うことを特徴とする遊技機。そのような構成によれば、第2認証情報送信手段に認証用情報を送信させるようにすることによって、不正回路基板が設置されていることを容易に発見することができる。
第2認証情報送信手段が、遊技機への電力供給が開始されたときに、演出制御用マイクロコンピュータに対して認証用情報を送信し(例えばステップS82の処理を実行)、演出制御用マイクロコンピュータが、例えば認証情報を受信する認証用情報受信手段によって認証用情報が受信されるまで、遊技制御基板を認証しない旨の報知(例えばステップS701の処理で「照合NG」の表示を開始し、ステップS626の処理で「照合OK」と判定されたときに「照合NG」の表示を終了し「照合OK」の表示を行う。)または動作停止状態(例えばステップS629)とする制御の少なくとも一方を行うように構成された遊技機。そのような構成によれば、遊技機への電力供給が開始される毎に、不正回路基板が設置されているか否かを判定することができる。
遊技球を用いて遊技者が所定の遊技を行うことが可能な遊技機であって、遊技球が所定の入賞領域(例えば第1始動口15aや第2始動口15b)に入賞したことを検出したときに入賞検出信号を出力する入賞検出手段(例えば第1始動口スイッチ14aや第2始動口スイッチ14b)と、遊技の進行を制御する遊技制御処理(例えば、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く)の処理)を実行する遊技制御用マイクロコンピュータ(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560)と、入賞検出手段からの入賞検出信号を入力する入力回路(例えば入力ドライバ回路58)とを搭載した遊技制御基板(例えば主基板31)とを備え、遊技制御基板には、遊技制御用マイクロコンピュータの認証用情報(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560固有のIDナンバ)を照合して正否を判定する照合機(例えば照合機365)に対し認証用情報を出力するための照合端子(例えば照合端子364)が設けられ、遊技制御用マイクロコンピュータは、照合機に対して照合端子を介して認証用情報を送信する認証情報送信手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS110の処理を実行する部分)を含み、認証情報送信手段は、入力回路に入賞検出手段からの入賞検出信号が入力されたことを条件(例えばステップS311のY)に、認証用情報を送信する(例えばステップS110)ことを特徴とする遊技機。そのような構成によれば、入賞検出手段に遊技媒体を検出させて認証情報送信手段に認証用情報を送信させるようにすることによって、不正回路基板が設置されていることを容易に発見することができる。
また、上述したように、主基板31は基板ボックスに収納されているが、なりすまし基板(不正基板)は、本来の主基板31と同等の機能を備えている上に、主基板31よりも小型に形成されている。従って、発見が難しい。また、不正に大当りを生じさせるような機能を備えていることもある。そして、本来主基板31に接続されるべき電気部品や他の基板が、なりすまし基板に接続され、主基板31に代わって遊技制御処理を実行する。すなわち、主基板31と電気部品や他の基板とを接続するケーブルのコネクタを外し、なりすまし基板側に接続する。そこで、上記のような対策に加えて、なりすまし基板の発見を容易にするために、以下のような対策を施すことが望ましい。
(1)基板ボックス内にスピーカを搭載し、そのスピーカを演出に用いる。スピーカから出力される音が演出とずれている場合には、なりすまし基板が存在していると推定できる。
(2)主基板31にテスト用スイッチを搭載し、テスト用スイッチが押下された場合には、他の電気部品制御基板にテストコマンドを送信するように構成する。テスト用スイッチを押下してもテストコマンドが送信されない場合には、主基板31に代わってなりすまし基板が遊技制御処理を行っている可能性がある。
(3)主基板31において、コネクタ外れを検出して報知する機能を搭載する。報知がなされた場合には、主基板31に代わってなりすまし基板が遊技制御処理を行っている可能性がある。
(4)基板ボックス内に入賞に応じて報知を行う報知機器を搭載する。入賞が生じているにも関わらず報知がなされない場合には、主基板31に代わってなりすまし基板が遊技制御処理を行っている可能性がある。
(5)遊技制御用マイクロコンピュータ560の照合検査において、遊技制御用マイクロコンピュータ560に対する入力信号がないと照合NG信号を出力するように構成する。入賞を生じさせつつ照合検査を行ったときに照合NG信号が出力されたら、主基板31に代わってなりすまし基板が遊技制御処理を行っている可能性がある。
(6)主基板31と電気部品や他の基板とを接続するケーブル長をできるだけ短くしておく。ケーブル長に余裕が生じていたら、主基板31に代わってなりすまし基板が遊技制御処理を行っている可能性がある。
(7)主基板31と電気部品や他の基板とを接続するケーブルを、主基板31の裏面を通らないように設置する。ケーブルが主基板31の裏に隠れていたら、主基板31に代わってなりすまし基板が遊技制御処理を行っている可能性がある。
(8)主基板31と電気部品や他の基板とを接続するケーブルのコネクタを容易に外せない構造にする。コネクタに外れた痕跡が残っていれば、ケーブルが主基板31の裏に隠れていたら、主基板31に代わってなりすまし基板が遊技制御処理を行っている可能性がある。
(9)基板ボックスと取付面との間の隙間をなくす。基板ボックスが裏側に出ていたら、主基板31に代わってなりすまし基板が遊技制御処理を行っている可能性がある。
(10)遊技機裏面において各基板を覆うようなカバーを設け、カバーが容易に外れない構造にする。カバーが外れた痕跡があれば、主基板31に代わってなりすまし基板が遊技制御処理を行っている可能性がある。
実施の形態2.
次に、基板収納ケース200を覆うことによって基板収納ケース200を開放することをより困難にする構造を、図122〜図124を参照して説明する。図122は、少なくとも基板収納ケース200における被固着部255a〜255dを含む第1被固着部255と、基板側コネクタ238a,238b,238cとを覆うカバー部材(被覆部材)950を、基板収納ケース200とともに示す斜視図である。なお、基板収納ケース200の構造は、図5〜図11等に示された構造と同じである。図5〜図11等にはコネクタ規制部材500も示されているが、図122〜図124に示す構造では、コネクタ規制部材500は使用されていない。しかし、コネクタ規制部材500を併用してもよい。
図122に示すように、カバー部材950には、カバー部材950が基板収納ケース200に装着されたときに基板側コネクタ238a,238b,238cを覆う第1被覆部951と、カバー部材950が基板収納ケース200に装着されたときに第1被固着部255(そのうちで、少なくとも連接部257)を覆う第2被覆部952とを有する。
第1被覆部951には、カバー部材950が基板収納ケース200に装着されたときに、基板側コネクタ238a〜238cに装着された配線側コネクタから延びる配線291a〜291cを通過させることが可能なスリット933a〜933cが設けられている。
また、第1被覆部951には、カバー部材950が基板収納ケース200に装着されたときに、ケースカバー202における傾斜被覆面部220cに設けられている複数の係合穴502のそれぞれに係合する係止爪936が設けられている。
また、第1被覆部951の側壁951aには、ワンウェイねじ931が挿入される4つの被固着部930a〜930dを含む第1被固着部930が突出するように設けられている。ワンウェイねじ931は、4つの被固着部930a〜930dのうちの1つ(例えば、被固着部930a)に挿入される。ワンウェイねじ931が挿入された被固着部930aには、キャップ932が被せられる。
なお、図122に示す例では、第1被覆部951の側壁951aに第1被固着部930が設けられているが、第1被固着部930は、第2被覆部952の側壁に設けられていてもよい。また、カバー部材950における第1被覆部951および第2被覆部952以外の位置に設けられていてもよい。また、基板収納ケース200におけるケース本体201の側壁205には、複数(この実施の形態では3本)の予備用ワンウェイねじ935を収納するねじ収納部935aが設けられている。さらに、ケース本体201の側壁205には、カバー部材950が基板収納ケース200に装着されたときに被固着部930a〜930dに当接する位置に、被固着部930a〜930dに挿入されたワンウェイねじ931をねじ止めするためのねじ穴938a〜938dが所定間隔で形成された第2被固着部937が設けられている。
図123(a)は、カバー部材950が基板収納ケース200に装着された状態を示す斜視図である。図123(b)は、図123(a)に示す基板収納ケース200およびカバー部材950のA−A断面図である。図123に示すように、各被固着部930bには、ワンウェイねじ931を挿通可能な四角柱状の筒状部930fと、筒状部930fと側壁951aとを連接する連接部930eとで構成されている。そして、連接部930eを介して筒状部930fが側壁951aから所定距離離間した状態で配置されている。よって、連接部930eをニッパ等の工具で切断できる。なお、被固着部930a,930c,930dの構造も、被固着部930bの構造と同様である。
カバー部材950におけるそれぞれの係止爪936がケースカバー202におけるそれぞれの係合穴502に差し込まれて、係止爪936における爪部(凸部)によって係止爪936が係合穴502に係止されると、第1被覆部951は、基板側コネクタ238a,238b,238cを覆って、基板側コネクタ238a,238b,238cを露出させない状態にする。また、第2被覆部952は、ケースカバー202における第1被固着部255を覆って、第1被固着部255を露出させない状態にする。
その状態で、ワンウェイねじ931が、一方向の回転によってねじ止めされる。図123には、被固着部930bに挿入されたワンウェイねじ931がねじ穴938bにねじ止めされた例が示されているが、一般には、最初に、被固着部930aを介してねじ穴938aにねじ止めされる。ワンウェイねじ931は、ねじ止めされたる差異に回転された方向と他方向に回転させようとしても回転させることができない、すなわち、そのねじを緩めることができない機能を有するねじである。具体的には、ワンウェイねじ931は、外周に雄ねじ部が形成されたねじ部と、ねじ部の上端に設けられる頭部とで構成される。なお、予備用ワンウェイねじ935も予備用ワンウェイねじ931と同様に構成されている。
また、4つの被固着部255a〜255dのうちの1つ(例えば、被固着部255a)についてワンウェイねじ931を装着するのではなく、複数の被固着部についてワンウェイねじ931を装着するようにしてもよい。
図124(a),(b)は、図123(a)におけるA−A断面と直交する方向でのカバー部材950および基板収納ケース200の断面を示す断面図である。図124(a)は、ケースカバー202における膨出部208aを通過する切断面で切断した場合の断面図を示し、図124(b)は、ケースカバー202における第1被固着部255を通過する切断面で切断した場合の断面図を示す。
膨出部208aの内部には、複数の予備用ワンウェイねじ281が収納されているが、図124(a)に示すように、カバー部材950における第2被覆部952は、カバー部材950が基板収納ケース200に装着されたときに、膨出部208aも覆って、膨出部208aを露出させない状態にする。
また、図124(b)に示すように、カバー部材950における第2被覆部952は、カバー部材950が基板収納ケース200に装着されたときに、ワンウェイねじ280の装着箇所を覆って、ワンウェイねじ280を露出させない状態にする。
図122〜図124に示すように、カバー部材950は、基板側コネクタ238a,238b,238c、ワンウェイねじ280による封止部を含む第1被固着部255、および予備用ワンウェイねじ281が収納されている膨出部208aを露出させないようにし、かつ、それらをワンウェイねじ931によって内部空間に封止する。封止された状態では、基板側コネクタ238a,238b,238c第1被固着部255、および膨出部208aに接触することはできない。
被固着部930aがワンウェイねじ930を介して第2被固着部937に固着されている場合を例にすると、封止状態を解除してカバー部材950を開放しようとする場合には、ワンウェイねじ931を反時計回りに回して取り外すことができないので、カバー部材950の一部を破壊するか、または、連接部930eをニッパ等の工具で切断し、ワンウェイねじ930を介して第2被固着部937に固着されている被固着部930aの筒状部930fをカバー部材950の本体側から切り離す必要がある。
破壊または切断のいずれの方法をとるにせよ、封止状態を解除してカバー部材950を開放した場合には、破壊または切断の痕跡が残る。その結果、カバー部材950が不正に開放された場合でも、早期に不正行為が行われたことを発見することができる。
さらに、基板収納ケース200内に収納されている主基板31等に接触する場合には、ワンウェイねじ280を反時計回りに回して取り外すことができないので、ケース本体201またはケースカバー202の一部を破壊するか、または、連接部257をニッパ等の工具で切断し、固着片212aにワンウェイねじ280を介して固着されている被固着部255aの筒状部256をケースカバー202から切り離す必要がある。
つまり、主基板31等に接触する場合には、切断や破壊によってカバー部材950の封止を解除し、さらに、基板収納ケース200の封止を解除する必要がある。また、基板側コネクタ238a,238b,238cに接触する場合には、切断や破壊によってバー部材950の封止を解除する必要がある。上記のように、カバー部材950の封止を解除する場合には、破壊または切断の痕跡が残る。よって、万が一不正な遊技制御プログラムが格納されたROMを有する主基板等にすりかえられたり、基板側コネクタ238a,238b,238cに接続された配線側コネクタ290a〜290cを抜いて不正基板に差し替えられた場合でも、それらの不正行為を早期に発見して対処することができる。従って、その状態で遊技が行われて遊技店が不利益を被ることを回避することができる。
また、主基板31等に接触する場合には、切断や破壊によってカバー部材950の封止を解除し、さらに、基板収納ケース200の封止を解除する必要があるので、ROMの交換等を目的とした不正行為を完了するまでに時間がかかる。よって、不正行為の実行を抑制することも可能になる。
図125は、少なくとも基板収納ケース200における被固着部255a〜255dを含む第1被固着部255と、基板側コネクタ238a,238b,238cとを覆うカバー部材の他の例を、基板収納ケース200とともに示す斜視図である。基板収納ケース200の構造は、図5〜図11等に示された構造と同じである。図5〜図11等にはコネクタ規制部材500も示されているが、図122〜図124に示す構造では、コネクタ規制部材500は使用されていない。しかし、コネクタ規制部材500を併用してもよい。
図125に示すように、カバー部材960には、カバー部材960が基板収納ケース200に装着されたときに基板側コネクタ238a,238b,238cを覆う第1被覆部961と、カバー部材960が基板収納ケース200に装着されたときに第1被固着部255を覆う第2被覆部962とを有する。
図125に示す例では、第1被覆部961の側壁961aには、鍵穴966を有する第1被固着部963が突出するように設けられている。また、基板収納ケース200におけるケース本体201の側壁205には、カバー部材960が基板収納ケース200に装着されたときに第1被固着部963が凹部965に挿入されるように第2被固着部964が設けられている。
第1被固着部963の内部には、鍵によって突出させられるロック部(図示せず)が設けられている。また、第2被固着部964における凹部965の内壁部において、ロック部が嵌り込む穴部(図示せず)が設けられている。
カバー部材960におけるそれぞれの係止爪936がケースカバー202におけるそれぞれの係合穴502に差し込まれて、係止爪936における爪部(凸部)によって係止爪936が係合穴502に係止されると、第1被覆部961は、基板側コネクタ238a,238b,238cを覆って、基板側コネクタ238a,238b,238cを露出させない状態にする。また、第2被覆部962は、ケースカバー202における第1被固着部255を覆って、第1被固着部255を露出させない状態にする。
その状態で、第1被固着部963は、凹部965に挿入されている。そして、鍵穴966に鍵を差し込み所定方向に回転させると、ロック部が突出して、第2被固着部964における穴部に嵌り込む。その状態では、カバー部材960は、基板側コネクタ238a,238b,238c、ワンウェイねじ280による封止部を含む第1被固着部255、および予備用ワンウェイねじ281が収納されている膨出部208aを露出させないようにし、かつ、それらをロック機構(第1被固着部963におけるロック部および第2被固着部964における穴部)によって内部空間に封止する。封止された状態では、基板側コネクタ238a,238b,238c第1被固着部255、および膨出部208aに接触することはできない。
図122等に示された例の場合と同様に、封止状態を解除してカバー部材950を開放しようとする場合には、鍵穴966に挿入可能でロック解除可能な鍵がない限り、また、ロック機構を破壊しない限り、カバー部材960の一部を破壊するか、または、連接部930eをニッパ等の工具で切断する必要がある。よって、図122等に示された例の場合と同様に、主基板31等に対する不正行為を早期に発見して対処することができる。また、主基板31等に接触する場合には、切断や破壊によってカバー部材960の封止を解除し、さらに、基板収納ケース200の封止を解除する必要があるので、ROMの交換等を目的とした不正行為を完了するまでに時間がかかる。よって、不正行為の実行を抑制することも可能になる。
実施の形態3.
図126は、不正行為の実行を抑制可能な主基板31の構成例を示す斜視図である。図126に示す例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が装着されるソケット(ICソケット)560aにおける複数箇所(例えば2箇所)に、ねじが切られたねじ部を有する受け部561,562が設けられている。ソケット560aは、主基板31に半田付け等で固定されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ560がソケット560aに装着された後、遊技制御用マイクロコンピュータ560に、透明なカバー560bが被せられる。カバー560bには、カバー560bが遊技制御用マイクロコンピュータ560に被せられたときに、受け部561,562におけるねじ部に当接するように穴部が設けられたねじ挿入部565が設けられている。遊技制御用マイクロコンピュータ560にカバー560bが被せられた後、ねじ563,564がねじ挿入部565を介して受け部561,562にねじ止めされる。
その状態では、カバー560bを外さない限り、遊技制御用マイクロコンピュータ560をソケット560aから外すことはできない。すなわち、ROM54を内蔵する遊技制御用マイクロコンピュータ560を外して不正ROMを内蔵するマイクロコンピュータに交換することはできない。つまり、不正ROMに交換するのに時間がかかる。
なお、基板収納ケース200の構成は、上記の各実施の形態における構成と同様である(図8等参照)。従って、遊技制御用マイクロコンピュータ560をソケット560aから外す場合には、基板収納ケース200の封止を解除する必要がある。
また、図122や図125に示されたカバー部材950,960をさらに用いてもよい。カバー部材950,960も用いる場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560をソケット560aから外すときにさらに時間がかかるので、不正行為の実行の抑制効果がより大きくなる。
実施の形態4.
図127は、不正行為の実行を抑制可能な遊技機の構成例を示す平面図である。図127に示す例では、遊技盤の裏面が透明なカバー970で覆われている。遊技盤の裏面には、主基板31を内蔵した基板収納ケース200(図示せず)が取り付けられているので、基板収納ケース200は、カバー970で覆われることになる。
カバー970は、基板収納ケース200における第1被固着部255やカバー部材950における第1被固着部951の構造と同様の構造の第1被固着部が設けられている。すなわち、4つの被固着部975a〜975dを含む第1被固着部975が設けられている。また、遊技盤には、基板収納ケース200における第2被固着部212や第2被固着部937と同様の構造の第2被固着部(図示せず)が設けられている。
よって、基板収納ケース200やカバー部材950の場合と同様に、ワンウェイねじによってカバー970を封止することができる。また、封止状態を解除してカバー970を開放しようとする場合には、ワンウェイねじを反時計回りに回して取り外すことができないので、カバー970の一部を破壊するか、または、連接部をニッパ等の工具で切断し、ワンウェイねじを介して第2被固着部に固着されている被固着部の筒状部をカバー970の本体側から切り離す必要がある。
つまり、基板収納ケース200に接触する場合には、切断や破壊によってカバー970の封止を解除する必要がある。カバー970の封止を解除する場合には、破壊または切断の痕跡が残る。よって、万が一不正な遊技制御プログラムが格納されたROMを有する主基板等にすりかえられたり、基板側コネクタ238a,238b,238cに接続された配線側コネクタ290a〜290cを抜いて不正基板に差し替えられた場合でも、それらの不正行為を早期に発見して対処することができる。従って、その状態で遊技が行われて遊技店が不利益を被ることを回避することができる。
なお、基板収納ケース200の構成は、上記の各実施の形態における構成と同様である(図8等参照)。従って、遊技制御用マイクロコンピュータ560をソケット560aから外す場合には、基板収納ケース200の封止を解除する必要がある。
また、図122や図125に示されたカバー部材950,960をさらに用いてもよい。カバー部材950,960も用いる場合には、不正行為を完了するのにさらに時間がかかるので、不正行為の実行の抑制効果がより大きくなる。
また、カバー970の封止手段として、基板収納ケース200における第1被固着部255やカバー部材950における第1被固着部951の構造と同様の構造の第1被固着部975や第2被固着部を用いるのではなく、図125に示されたようなロック機構を用いてもよい、その場合には、カバー部材950に鍵穴972を有する第1被固着部971が突出するように設けられる。そして、第1被固着部971には、鍵によって突出させられるロック部が設けられる。また、遊技盤の側において、ロック部が嵌り込む穴部が設けらる。そのような構造によっても、4つの被固着部975a〜975dを含む第1被固着部が設けられた場合と同様の効果を得ることができる。
なお、図127には、4つの被固着部975a〜975dを含む第1被固着部975と、鍵穴972を有する第1被固着部971とがともに示されているが、少なくとも一方が設けられていればよい。
また、ここでは、遊技盤の裏面を覆うカバー970を例示したが、少なくとも基板収納ケース200を覆って封止できるのであれば、覆う箇所は遊技盤の裏面でなくてもよく、また、遊技機1の裏面全体であってもよい。
また、遊技機の裏面において、基板収納ケース200自体を、基板収納ケース200やカバー部材950の場合と同様にワンウェイねじを用いた封止機構と同様の機構や、鍵を利用するロック機構によって、遊技機の本体(例えば、遊技盤や遊技枠)に固着するようにしてもよい。
以上に説明したように、上記の各実施の形態では、遊技機が、遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560や払出制御用マイクロコンピュータ370)が搭載された基板(例えば、主基板31や払出制御基板37)を収容可能な収納ケース(例えば、基板収納ケース200)内に基板を封止するための基板封止手段(例えば、被固着部255a〜255d)を備え、基板封止手段は、収納ケースの一部を破壊しない限り開封不能に構成され(図14、図15等参照)、少なくとも基板封止手段の切断部(例えば、連接部257)を被覆する被覆部材(例えば、カバー部材950)と、一部を破壊しない限り被覆部材で被覆された基板封止手段を露出不能にする被覆部材封止手段(例えば、被固着部930a〜930dを含む第1被固着部930およびねじ穴938a〜938dが形成された第2被固着部937)とを備えているので、基板や基板上の部品を交換するような不正行為をより効果的に防止することができる。
なお、従来技術では、ワンウェイねじは、ねじを外す方向に回転させることが困難な構造のねじであるから、不正行為を実行しようとする場合、ワンウェイねじによる接合部が切断されることになる。例えば特許文献1に記載された方式では、ワンウェイねじによる接合部を切断するとカバーが外れる構造になっているので、カバーは、ワンウェイねじによる接合部を切断するという不正行為に対して、何らの防御もすることができない。すなわち、カバーが存在しても、ワンウェイねじによる接合部が容易に切断可能である限り、不正行為を効果的に防止することはできない。
しかし、上記のような本発明による構造によれば、被覆部材を開封しない限りワンウェイねじによる接合部を切断できないので、不正行為がより効果的に防止される。
なお、上記の各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560を搭載した主基板31について不正行為を効果的に防止するための対策を施した構造を説明したが、払出制御用マイクロコンピュータ370を搭載した払出制御基板37について、上記の各実施の形態と同様の構造を採用してもよい。
また、第1〜第4の実施の形態および変形例を説明したが、第2の実施の形態、第3の実施の形態、第4の実施の形態、および変形例のそれぞれを、第1の実施の形態と組み合わせてもよく、さらに、第1〜第4の実施の形態および変形例のうちの任意の2以上の実施の形態を組み合わせてもよい。また、上記の各実施の形態では、パチンコ遊技機における制御基板(主基板31や払出制御基板37)を例にしたが、スロットマシンにおける制御基板に対して、第1〜第4の実施の形態を適用することもできる。
実施の形態5.
次に、基板収納ケース200をカバー部材で覆い、さらに、カバー部材を固着することによって基板収納ケース200を開放することをより困難にする構造を、図128〜図130を参照して説明する。図128は、パチンコ遊技機を示す背面図である。図129は、図128におけるA−A断面を示す断面図である。図130は、基板収納ケース200およびカバー部材944の取付の様子を示す斜視図である。なお、基板収納ケース200の構造は、図5〜図11等に示された構造と同じである。図5〜図11等にはコネクタ規制部材500も示されているが、図122〜図124に示す構造では、コネクタ規制部材500は使用されていない。しかし、コネクタ規制部材500を併用してもよい。
図128に示すように、パチンコ遊技機1の裏面側では、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ110が搭載された演出制御基板80等を含む演出制御ユニット80A、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、および、球払出制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている。なお、遊技制御基板31は基板収納ケース200に収納されている。また、払出制御基板37は、払出制御基板収納ケースに収納されている。さらに、パチンコ遊技機1裏面側には、電源基板910やタッチセンサ基板91Aが設けられている。電源基板910やタッチセンサ基板91Aも、それぞれ、ケースに収納されている。
ケース本体201に対してケースカバー202を開放不能に固着する仕組みは第1の実施の形態の場合と同様である(図14,図15等参照)。すなわち、第2被固着部212と第1被固着部255とがワンウェイねじ280を介して固着(かしめ)される。図129には、被固着部255aにワンウェイねじ280がねじ止めされている様子が示されている。
なお、第1の実施の形態の場合と同様に、ワンウェイねじ280を完全にねじ込んだ後、その上方から、所定の色に着色された色付接着剤Zが筒状部256内に注入された後、キャップ244が筒状体255aの上面開口に嵌め込まれ、ワンウェイねじ280が取り外されにくくされていることも図129に示されている。
図130に示すように、遊技盤6の裏面側において、第1裏カバー946Aと、入賞球を集合させたり基板の取付部を形成するために設けられている第2裏カバー946Bとが遊技盤6に固定されているが、基板収納ケース200は取付板221に取り付けられ、その後、取付板221が第2裏カバー946Bに取り付けられる。
取付板221における4辺の1辺には、取付ベース223Aが設けられ、取付ベース223Aにおける上側および下側には、円筒突部223b,223cを有する係合部223B,223Cが設けられている。取付板221において、係合部223B,223Cに対応する位置に、円筒突部223b,223cが挿入される穴部を有する受け部224b,224cを備えた係止部224が取り付けられている。円筒突部223b,223cが受け部224b,224cにおける穴部に挿入された状態で、基板収納ケース200が取り付けられている取付板221は、係止部224の部位を支点として回動可能である。
しかし、この実施の形態では、基板収納ケース200が取り付けられている取付板221における円筒突部223b,223cが受け部224b,224cにおける穴部に挿入された後、第1固着部255における被固着部255a〜255dを覆うカバー部材944が、第2裏カバー946Bに固着される。その状態では、取付板221は回動不能になる。
カバー部材944は、図129および図130に示すように、略90°の角度をなすように1枚の板が折り曲げられた形状を有する。カバー部材944の一面を平面部944A、他面を側面部944Bとする。側面部944Bには、4個の被固着部941a〜941dが縦に並ぶように設けられている。被固着部941a〜941dの形状は、例えば、第1固着部255における被固着部255a〜255dの形状と同様である。なお、図130には、カバー部材944周辺の拡大図も示されている。
第2裏カバー946Bには、4個の筒状部942a〜942dが設けられている。筒状部942a〜942dは、それぞれ、被固着部941a〜941dに対応する位置に設けられている。ワンウェイねじ943の装着方法は、基板収納ケース200におけるワンウェイねじ280の装着方法と同様である。すなわち、筒状部942a〜942dには、ワンウェイねじ943を挿入可能な挿入孔が形成されている。また、筒状部942a〜942dの内部において、ねじ穴が設けられている。そして、被固着部941a〜941dのうちいずれか1つ(ここでは被固着部941a)の上面開口からワンウェイねじ943を挿入し、ねじ部の先端を被固着部941aに差し込んだ状態で、スクリュードライバ等の工具でワンウェイねじを時計回りにねじ込み、筒状部942aと被固着部941aとをワンウェイねじ943を介して固着(かしめ)する。ワンウェイねじ943がねじ止めされた状態では、筒状部942aと被固着部941aとが固着されることによって、カバー部材944が第2裏カバー946Bに固着される。
ワンウェイねじ943を完全にねじ込んだ後、その上方から、接着剤947を被固着部941a内に注入する。そして、キャップ945を被固着部941aの上面開口に嵌め込んで、ワンウェイねじ943を取り外しにくくする。なお、接着剤947として紫外線硬化樹脂を用い、紫外線を照射して硬化させるようにしてもよい。
その状態では、カバー部材944における平面部944Aが、基板収納ケース200における第1固着部255および連接部257を覆っている。すなわち、第1固着部255および連接部257を被覆し第1固着部255および連接部257に対する接触を不能にする。従って、基板収納ケース200におけるケースカバー202を開放して主基板31を露出させるときには、まず、カバー部材944と第2裏カバー946Bとの固着を外す必要がある。ワンウェイねじ943をスクリュードライバ等の工具で取り外すことはできないので、連接部948をニッパ等の工具で切断する必要がある。連接部948(カバー部材944の一部)は、被固着部941a〜941dのそれぞれとカバー部材944における側面部944Bとを繋ぐ部分である。
以上のように、この実施の形態では、基板収納ケース200における第1固着部255をカバー部材944で覆われ、かつ、カバー部材944が第2裏カバー946Bに固着される。
そして、基板収納ケース200に収納されている主基板31に接触する場合には、切断や破壊によってカバー部材944の封止を解除し、その上で、基板収納ケース200の封止を解除する必要がある。カバー部材944の封止(ワンウェイねじ943による固着)を解除する場合には、連接部948等において破壊または切断の痕跡が残る。また、基板収納ケース200の封止を解除する場合には、基板収納ケース200の連接部257(図6等参照)等に破壊または切断の痕跡が残る。よって、万が一不正な遊技制御プログラムが格納されたROMを有する主基板等にすりかえられたりした場合でも、2箇所(基板収納ケース200とカバー部材944)において破壊または切断の痕跡が残るので、痕跡にもとづいて、不正行為を早期に発見して対処することができる。従って、その状態で遊技が行われて遊技店が不利益を被ることを回避することができる。また、基板収納ケース200に収納されている主基板31に接触する場合には、2箇所における封止を解除する必要があるので、主基板31(特に、主基板31に搭載されているROMを内蔵した遊技制御用マイクロコンピュータ560)に接触するまでに時間がかかる。そのことからも、不正行為を効果的に防止できる。
また、図129や図130に示すように、キャップ945には、連接カバー部945aと係合爪945dとが設けられている。係合爪945dは、被固着部941a〜941dの内部に設けられている溝部949に嵌り込んでキャップ945の引き抜きを防止するためのものである。
連接カバー部945aには、2本の延伸部945b,945cが設けられ、それぞれの延伸部945b,945cは、キャップ945が被固着部941a〜941d(この例では、被固着部941a)に被せられたときに、連接部948を挟み込むようにして、連接部948の太さを等価的に大きくするためにものである。連接カバー部945aにおける延伸部945b,945cが連接部948の太さを等価的に大きくすることによって、連接部948をニッパ等の工具で切断することを困難にする。すなわち、主基板31に接触できるようになるまでの時間を、さらに長くすることができる。
なお、連接カバー部945aが設けられていない場合であっても、基板収納ケース200における第1固着部255に容易に接触できなくするという効果や、基板収納ケース200の封止を解除するときに、2箇所において破壊または切断の痕跡を残すようにするという効果は維持される。
第1の実施の形態の場合と同様に、ケース本体201には予備用ワンウェイねじ281(ワンウェイねじ280の予備用)が収納されているのであるが、ワンウェイねじ943の予備用のワンウェイねじも収納されていることが好ましい。予備用のワンウェイねじとは、筒状部942aが分離された後、主基板31をケースカバー202に再度封止する際に、例えば筒状部942a以外の筒状部に装着されるワンウェイねじである。
また、図7等に示されたように、基板収納ケース200の内部にはワンウェイねじ280および予備用ワンウェイねじ281の合計数(4個)のキャップ244が収納されているが、キャップ945についても、ワンウェイねじ943および予備用ワンウェイねじの合計数(4個)のキャップを収納しておくことが好ましい。
また、この実施の形態では、カバー部材944が第2裏カバー946Bに固着される場合を例にしたが、カバー部材944が固着されるものは第2裏カバー946Bに限られない。遊技盤6や機構板に取り付けられる部材や、遊技盤6や機構板そのものに固着するようにしてもよい。つまり、カバー部材944は、遊技機本体に固着されていればよい。
なお、被覆手段(カバー部材944)は、基板封止手段(被固着部255a〜255d等)を被覆するものに限定されず、少なくとも収納ケースの切断部(連接部257)を覆うものであればよい。また、
実施の形態6.
次に、基板収納ケース200をカバー部材944以外のもので覆うことによって基板収納ケース200を開放することを困難にする構造を、図131および図132を参照して説明する。図131は、パチンコ遊技機を示す背面図である。図132は、図131におけるA−A断面を示す断面図である。なお、基板収納ケース200の構造は、図5〜図11等に示された構造と同じである。図5〜図11等にはコネクタ規制部材500も示されているが、図131および図132に示す構造では、コネクタ規制部材500は使用されていない。しかし、コネクタ規制部材500を併用してもよい。
図131に示すように、パチンコ遊技機1裏面側では、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ110が搭載された演出制御基板80等を含む演出制御ユニット80A、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、および、球払出制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている。なお、遊技制御基板31は基板収納ケース200に収納されている。また、払出制御基板37は、払出制御基板収納ケースに収納されている。さらに、パチンコ遊技機1裏面側には、電源基板910やタッチセンサ基板91Aが設けられている。
ケース本体201に対してケースカバー202を開放不能に固着する仕組みは第1の実施の形態の場合と同様である(図14,図15等参照)。すなわち、第2被固着部212と第1被固着部255とがワンウェイねじ280を介して固着(かしめ)される。図132には、被固着部255aにワンウェイねじ280がねじ止めされている様子が示されている。
なお、第1の実施の形態の場合と同様に、ワンウェイねじ280を完全にねじ込んだ後、その上方から、所定の色に着色された色付接着剤Zが筒状部256内に注入された後、キャップ244が筒状体255aの上面開口に嵌め込まれ、ワンウェイねじ280が取り外されにくくされていることも図132に示されている。
演出制御ユニット80A、払出制御基板収納ケース、電源基板910やタッチセンサ基板91Aを収納したケース、貯留タンク38、カーブ樋(球通路)、払出ケース40Aは、機構板(裏パック)105に設置されている。図131の平面図において、機構板105は斜線が施されている部分である。機構板105は、蝶番227A,227Bを支点として開閉可能である。機構板105が閉じられた状態で、ロック部226A,226B,226Cのスライド部をスライドさせることによってロックされる。なお、機構板105には、遊技機で用いられる遊技媒体(球、コイン等)が払い出される払出経路が設けられているが、払出装置が設けられているものには限定されない。
この実施の形態では、機構板105にカバー体228が設けられている。カバー体228は、図132に示すように、略90°の角度をなすように板が折り曲げられたような形状を有する。カバー体228の一面を平面部228A、他面を側面部228Bとする。機構板105が閉じられた状態で、カバー体228における平面部228Aが、基板収納ケース200における第1固着部255および連接部257を覆っている。すなわち、第1固着部255および連接部257を被覆し第1固着部255および連接部257に対する接触を不能にする。従って、基板収納ケース200におけるケースカバー202を開放して主基板31を露出させるときには、まず、機構板105の3箇所のロックを解除して機構板105を開ける必要がある。その上で、ケース本体201またはケースカバー202の一部を破壊するか、または、連接部257をニッパ等の工具で切断し、ワンウェイねじ280を介して固着されている被固着部255aをケースカバー202から切り離す必要がある。
つまり、主基板31等に接触する場合には、基板収納ケース200におけるケース本体201またはケースカバー202の一部を破壊するか、または、連接部257をニッパ等の工具で切断する前に、カバー体228による基板収納ケース200の第1固着部255の覆いを外すために機構板105を開ける必要があり、カバー体228が存在しない場合に比べて、基板収納ケース200に接触できるようになるまでの時間が長くなる。そのことから、不正行為を効果的に防止できるようになる。また、機構板105を開けた後、ケース本体201またはケースカバー202の一部を破壊するか、または、連接部257をニッパ等の工具で切断すると破壊または切断の痕跡が残るので、破壊または切断の痕跡にもとづいて、不正行為がなされたことを発見することができる。
なお、この実施の形態では、機構板105のロックは、スライド部をスライドさせることによって解除されるが、ロック解除を困難にするために、鍵によってロックを解除するような機構を採用してもよい。また、ロック部226A,226B,226Cを覆うカバーを設け、カバーについて、例えばワンウェイねじによって、カバーと機構板105等とを封止し、機構板105のロックを解除する場合には、ワンウェイねじによる接合部を切断する必要があるようにしてもよい。すなわち、機構板105自体を遊技機本体に対して開放不能に封止する機構板封止手段を設けてもよい。機構板封止手段を設けた場合には、さらに制御手段(マイクロコンピュータ、ROM)を触るまでに到る工程を増やすことができ不正防止に繋がる。
また、図131には、口述するキャップ244における連接カバー部244aも示されているが、連接カバー部244aを有していないキャップ244を用いてもよい。
また、切断部(連接部257)を被覆する被覆手段(被覆する部分すなわちカバー体228における平面部228A)は機構板105に一体成形されていてもよいし、別部材にて形成され機構板105に取り付けられるものでもよい。つまり、機構板105を開放しない限りその被覆状態が解除できないように構成するものであればよい。
実施の形態7.
次に、基板収納ケース200をカバー部材で覆い、さらに、カバー部材を固着することによって基板収納ケース200を開放することをより困難にする他の構造を、図133および図134を参照して説明する。図133は、パチンコ遊技機を示す背面図である。図134は、基板収納ケース200およびカバー部材984の取付の様子を示す斜視図である。なお、基板収納ケース200の構造は、図5〜図11等に示された構造と同じである。図5〜図11等にはコネクタ規制部材500も示されているが、図133および図134に示す構造では、コネクタ規制部材500は使用されていない。しかし、コネクタ規制部材500を併用してもよい。
図133に示すように、パチンコ遊技機1の裏面側では、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ110が搭載された演出制御基板80等を含む演出制御ユニット80A、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、および、球払出制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている。なお、遊技制御基板31は基板収納ケース200に収納されている。また、払出制御基板37は、払出制御基板収納ケースに収納されている。さらに、パチンコ遊技機1裏面側には、電源基板910やタッチセンサ基板91Aが設けられている。電源基板910やタッチセンサ基板91Aも、それぞれ、ケースに収納されている。
ケース本体201に対してケースカバー202を開放不能に固着する仕組みは第1の実施の形態の場合と同様である(図14,図15等参照)。すなわち、第2被固着部212と第1被固着部255とがワンウェイねじ280を介して固着(かしめ)される。図133には、被固着部255aにワンウェイねじ280がねじ止めされた後、キャップ244が嵌め込まれた様子が示されている。
この実施の形態では、第1固着部255における被固着部255a〜255dを覆うカバー部材944が、取付板221に固着される。
カバー部材984は、図134に示すように、基板収納ケース200および取付板221を挟み込むようなコ字形の形状を有する。カバー部材984において基板収納ケース200の表側(ケースカバー202に面する側)を表面部984A、取付板221の側の面を裏面部984Bとする。裏面部984Bには、4個の被固着部981a〜981dが縦に並ぶように設けられている。被固着部981a〜981dの形状は、例えば、基板収納ケース200の第1固着部255における被固着部255a〜255dの形状と同様である。なお、図134には、カバー部材984周辺の拡大図も示されている。
また、図134における拡大図は、カバー部材984周辺を遊技機の前面側(遊技者が位置する側)から見た図であるが、拡大図に示されているように、切断部封止手段(被固着部981a〜981d等)および被覆手段の切断部(連接部988)は、遊技機の裏面側(上記前面側の反対側)から見て基板収納ケース200と重複する位置であって、基板収納ケース200よりも遊技機の前面側となる位置に設けられている(被覆手段の切断部のみが基板収納ケース200よりも遊技機の前面側となる位置に設けられていてもよい。)。ただし、切断部封止手段や被覆手段の切断部は基板収納ケース200自体の遊技機前面側に設けられてもよく、さらに基板収納ケース200の取付ベース板(取付板221)の遊技機前面側に設けられてもよい。つまり、基板収納ケース200を遊技機本体から分離(開放)しないと被覆手段(カバー部材984)の切断部(連接部988)を切断することができない構成であればよい。
取付板221には、4個の筒状部985a〜985dが設けられている。筒状部985a〜985dは、それぞれ、被固着部981a〜981dに対応する位置に設けられている。ワンウェイねじ986の装着方法は、基板収納ケース200におけるワンウェイねじ280の装着方法と同様である。すなわち、筒状部985a〜985dには、ワンウェイねじ986を挿入可能な挿入孔が形成されている。筒状部985a〜985dの内部において、ねじ穴が設けられている。そして、被固着部981a〜981dのうちいずれか1つ(ここでは被固着部981a)の上面開口からワンウェイねじ986を挿入し、ねじ部の先端を被固着部981aに差し込んだ状態で、スクリュードライバ等の工具でワンウェイねじを時計回りにねじ込み、筒状部985aと被固着部981aとをワンウェイねじ986を介して固着(かしめ)する。ワンウェイねじ986がねじ止めされた状態では、筒状部985aと被固着部981aとが固着されることによって、カバー部材984が取付板221に固着される。
なお、ワンウェイねじ986を完全にねじ込んだ後、その上方から、接着剤を被固着部981a内に注入する。そして、キャップ987を被固着部981aの上面開口に嵌め込んで、ワンウェイねじ986を取り外しにくくする。なお、接着剤として紫外線硬化樹脂を用い、紫外線を照射して硬化させるようにしてもよい。
その後、基板収納ケース200が取り付けられた取付板221が遊技機に装着される。具体的には、取付板221が第2裏カバー946Bに取り付けられる。
取付板221における4辺の1辺には、取付ベース223Aが設けられ、取付ベース223Aにおける受け側および下側には、円筒突部223b,223cを有する係合部223B,223Cが設けられている。取付板221において、係合部223B,223Cに対応する位置に、円筒突部223b,223cが挿入される穴部を有する受け部224b,224cを備えた係止部224が取り付けられている。円筒突部223b,223cが受け部224b,224cにおける穴部に挿入された状態で、基板収納ケース200が取り付けられている取付板221は、係止部224の部位を支点として回動可能である。
その状態では、カバー部材984における表面部984Aが、第1固着部255を覆っている。従って、基板収納ケース200におけるケースカバー202を開放して主基板31を露出させるときには、まず、カバー部材984と取付板221との固着を外す必要がある。ワンウェイねじ986をスクリュードライバ等の工具で取り外すことはできないので、連接部988(カバー部材984の一部)をニッパ等の工具で切断する必要がある。連接部988は、被固着部981a〜981dのそれぞれとカバー部材984における裏面部984Bとを繋ぐ部分である。
以上のように、この実施の形態では、基板収納ケース200における第1固着部255および連接部257がカバー部材984で覆われ、かつ、カバー部材984が取付板221に固着される。
そして、基板収納ケース200に収納されている主基板31に接触する場合には、切断や破壊によってカバー部材984の封止(ワンウェイねじ986による固着)を解除して基板収納ケース200を遊技機から取り外し、その後に、基板収納ケース200の封止を解除する必要がある。カバー部材984の封止を解除する場合には、カバー部材984の連接部988等に破壊または切断の痕跡が残る。また、基板収納ケース200の封止を解除する場合には、基板収納ケース200の連接部257(図6等参照)等に破壊または切断の痕跡が残る。よって、万が一、正規の遊技制御用マイクロコンピュータ560が、不正な遊技制御プログラムが格納されたROMを内蔵するマイクロコンピュータにすりかえられたりした場合でも、2箇所(基板収納ケース200とカバー部材984)において破壊または切断の痕跡が残るので、痕跡にもとづいて、不正行為を早期に発見して対処することができる。従って、その状態で遊技が行われて遊技店が不利益を被ることを回避することができる。また、基板収納ケース200に収納されている主基板31に接触する場合には、2箇所における封止を解除し、また、基板収納ケース200を遊技機から取り外す必要があるので、主基板31に接触するまでに時間がかかる。そのことからも、不正行為を効果的に防止できる。
また、図134に示すように、キャップ987には、連接カバー部987aが設けられている。なお、キャップ987には、被固着部981a〜981dの内部に設けられている溝部に嵌り込んでキャップ987の引き抜きを防止するための係合爪も設けられている。
連接カバー部987aには、2本の延伸部987b,987cが設けられ、それぞれの延伸部987b,987cは、キャップ987が被固着部981a〜981d(この例では、被固着部981a)に被せられたときに、連接部988を挟み込むようにして、連接部988の太さを等価的に大きくするためにものである。連接カバー部987aにおける延伸部987b,987cが連接部988の太さを等価的に大きくすることによって、連接部988をニッパ等の工具で切断することを困難にする。すなわち、基板収納ケース200に接触できるようになるまでの時間を、さらに長くすることができる。
なお、キャップ987に連接カバー部987aが設けられていない場合であっても、基板収納ケース200における第1固着部255に容易に接触できなくするという効果や、基板収納ケース200の封止を解除するときに、2箇所において破壊または切断の痕跡を残すようにするという効果は維持される。
第1の実施の形態の場合と同様に、ケース本体201には予備用ワンウェイねじ281(ワンウェイねじ280の予備用)が収納されているのであるが、ワンウェイねじ986の予備用のワンウェイねじも収納されていることが好ましい。
また、図7等に示されたように、基板収納ケース200の内部にはワンウェイねじ280および予備用ワンウェイねじ281の合計数(4個)のキャップ244が収納されているが、キャップ987についても、ワンウェイねじ986および予備用ワンウェイねじの合計数(4個)のキャップを収納しておくことが好ましい。
また、この実施の形態では、基板収納ケース200が取り付けられている取付板221は、係止部224の部位を支点として回動可能であるが、取付板221が遊技機において固定される(回動しない)ように構成されている場合でも、この実施の形態を適用することができる。
また、この実施の形態では、カバー部材984は取付板221に、分離困難に固着されたが、基板収納ケース200におけるケース本体201に、分離困難に固着するようにしてもよい。
なお、固着部被覆部材(キャップ244)は、いわゆる嵌め殺し(爪が内部に係合して外部からは外すことができない)で装着されてもよいが、その他、溶着や接着によって装着されるものでもよい。つまり簡単に手ではずれてしまうものでなければよい。また、固着部被覆部材の切断被覆部(連接カバー部244b))は基板収納ケース200の切断部(連接部257)の一部を覆うものであればよく、ニッパ等の切断工具の先端が挿入しにくい形状に被覆することが望ましい。また、基板収納ケース200の切断部を切断するときには、切断被覆部を先に破壊することになるが、切断被覆部を破壊した後には固着部被覆(かしめのフタ部分)部分のみが残存して破壊の痕跡が残るようになっている。
実施の形態8.
次に、基板収納ケース200における被固着部255a〜255dの上面開口を閉塞するキャップ244の形状を特殊形状にすることによって基板収納ケース200を開放することをより困難にする構造を、図135を参照して説明する。図135は、基板収納ケース200の一部を示す部分斜視図である。なお、図135には、被固着部255a付近のA−A断面図、および被固着部255aに被せられたキャップ244のB−B断面図も示されている。
上記のように、基板収納ケース200において第2被固着部212と第1被固着部255とがワンウェイねじ280を介して固着(かしめ)される。図135には、被固着部255aにワンウェイねじ280がねじ止めされている様子が示されている。
そして、ワンウェイねじ280を完全にねじ込んだ後、その上方から、所定の色に着色された色付接着剤Zが筒状部256内に注入された後、キャップ244が筒状体255aの上面開口に嵌め込まれ、ワンウェイねじ280が取り外されにくくされている。
図135に示すように、キャップ244には、連接カバー部244aが設けられている。連接カバー部244aには、2本の延伸部244b,244cが設けられ、それぞれの延伸部244b,244cは、キャップ244が被固着部255a〜255d(この例では、被固着部255a)に被せられたときに、連接部257を挟み込むようにして、連接部257の太さを等価的に大きくするためにものである。連接カバー部244aにおける延伸部244b,244cが連接部257の太さを等価的に大きくすることによって、連接部257をニッパ等の工具で切断することを困難にする。すなわち、基板収納ケース200に収納されている主基板31に接触できるようになるまでの時間を、より長くすることができる。
なお、各キャップ244の下端には一対の係合爪229が形成されている。また、係止爪を被固着部255a〜255dの内面には、係合爪229が係合する溝部249が形成されている。よって、キャップ244が被固着部255a〜255dに嵌め込まれると、容易に抜けなくなる。
実施の形態9.
次に、基板収納ケース200から主基板31を外すことを困難にする構造を、図136および図137を参照して説明する。図136は、基板収納ケース200におけるケースカバー202を主基板31とともに示す斜視図である。図137は、ケースカバー202をスライドさせて閉鎖する状況における基板収納ケース200を示す斜視図である。
図136に示すように、ケースカバー202には、内側に向かう4個の筒状部991a〜991dが設けられている。また、主基板31において、筒状部991a〜991dに相当する位置に、穴部996a〜996dが設けられている。
筒状部991a〜991dには、ワンウェイねじ997を挿入可能な挿入孔が形成されている。また、筒状部991a〜991dの内部において、ねじ穴が設けられている。
図136には、筒状部991aの底部993(筒状部991aにおけるケースカバー202の平面部に接する部分)周辺の拡大図も示されている。拡大図のうちの一方(左側の拡大図)には筒状部991aが分離されていない状態が示され、他方(右側の拡大図)には筒状部991aが分離されている状態が示されている。
左側の拡大図に示すように、筒状部991aの底部993の周囲には、複数の貫通穴992が設けられている。それぞれの貫通穴992を接続する部分を切断すると、筒状部991aは、ケースカバー202から分離される。
主基板31を基板収納ケース200に収納するときに、まず、主基板31にケースカバー202を装着する。このとき、主基板31の部品実装面(表面)をケースカバー202に対向させる。そして、主基板31の裏面から、ねじ(ビス)998,999で、主基板31とケースカバー202とをねじ止めする。
さらに、主基板31の裏面から、穴部996a〜996dのうちいずれか1つ(ここでは穴部996a)を介して筒状部991a〜991dのうちいずれか1つ(ここでは筒状部991a)の開口からワンウェイねじ997を挿入し、ねじ部の先端を筒状部991aに差し込んだ状態で、スクリュードライバ等の工具でワンウェイねじ997を時計回りにねじ込み、筒状部991aと主基板31とをワンウェイねじ997を介して固着(かしめ)する。ワンウェイねじ997がねじ止めされた状態では、筒状部991aと主基板31とが固着される。
次いで、ケース本体201の側壁205,206に設けられているガイド溝350の開口に、ケースカバー202に設けられているガイド片355を載置し、ケースカバー202を長手方向にスライドさせる(図137における矢印参照)。ケースカバー202は、ガイド溝350に嵌り込む。そして、ケースカバー202の表面から、複数のねじ(ビス)281で、ケースカバー202とケース本体201とをねじ止めする。
さらに、第1の実施の形態の場合と同様に、4つの被固着部255a〜255dのうちいずれか1つの被固着部(例えば、被固着部255a)の上面開口からワンウェイねじ280を挿入し、ねじ部の先端を被固着部255aに差し込んだ状態で、スクリュードライバ等の工具でワンウェイねじ280を時計回りにねじ込み、ケース本体201における第2被固着部212と第1被固着部255とをワンウェイねじ280を介して固着(かしめ)する。
第1の実施の形態の場合と同様に、ケース本体201における膨出部208の内部には予備用ワンウェイねじ281(ワンウェイねじ280の予備用)が収納されているのであるが、ワンウェイねじ997の予備用のワンウェイねじ(例えば3つ)も収納されていることが好ましい。予備用のワンウェイねじとは、筒状部991aが分離された後、主基板31をケースカバー202に再度封止する際に、例えば筒状部991a以外の予備の筒状部(3つの筒状部991b〜991dのいずれか(例えば、筒状部991b))に装着されるワンウェイねじである。なお、予備用のワンウェイねじの収納場所は、膨出部208の内部に限定されない。また、予備の筒状部991bが分離された後、主基板31をケースカバー202に再度封止する際には、2つの筒状部991c〜991dのいずれか(例えば、筒状部991c)に予備用のワンウェイねじが装着され、予備の筒状部991cが分離された後、主基板31をケースカバー202に再度封止する際には、筒状部991dに予備用のワンウェイねじが装着される。
主基板1を露出させる場合には、まず、第1の実施の形態の場合と同様に、基板収納ケース200の封止を解除する必要がある。その上で、主基板31をケースカバー202から外す必要がある。ワンウェイねじ997は、ねじを外す方向に回転させることが困難な構造のねじであるから、主基板31をケースカバー202から外す場合には、貫通穴992を接続する部分を、ニッパ等の工具で切断する必要がある。
従って、主基板1を露出させる場合には、2箇所(基板収納ケース200におけるかしめ部とケースカバー202)において破壊または切断の痕跡が残るので、痕跡にもとづいて、不正行為を早期に発見して対処することができる。従って、その状態で遊技が行われて遊技店が不利益を被ることを回避することができる。また、主基板1を露出させる場合には、2箇所における封止を解除する必要があるので、主基板1を露出させるまでに時間がかかる。そのことからも、不正行為を効果的に防止できる。
また、この実施の形態では、4つの被固着部255a〜255dのうちいずれか1つの被固着部(例えば、被固着部255a)の上面開口からワンウェイねじ280を挿入してケースカバー202と主基板31とを固着したが、4つの被固着部255a〜255dのうちの複数の被固着部の上面開口からワンウェイねじ280を挿入してケースカバー202と主基板31とを固着するようにしてもよい。
なお、図136には、後述するカバー(遊技制御用マイクロコンピュータ560を覆うカバー)560dも示されているが、この実施の形態において、カバー560dを用いることは必須のことではない。
実施の形態10.
図138は、不正行為の実行を抑制可能な主基板31の構成例を示す斜視図である。図138に示す例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が装着されるソケット560cにおける複数箇所(例えば2箇所)に、ねじが切られたねじ部を有する受け部561,562が設けられている。ソケット560cは、主基板31に半田付け等で固定されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ560がソケット560cに装着された後、遊技制御用マイクロコンピュータ560に、透明なカバー560dが被せられる。カバー560dには、カバー560dが遊技制御用マイクロコンピュータ560に被せられたときに、受け部561,562におけるねじ部に当接するように穴部が設けられたねじ挿入部565が設けられている。遊技制御用マイクロコンピュータ560にカバー560bが被せられた後、ねじ563,564がねじ挿入部565を介して受け部561,562にねじ止めされる。
略直方体のカバー560dの側面には、4個の被固着部566a〜566dが長手方向に並ぶように設けられている。被固着部566a〜566dの形状は、例えば、基板収納ケース200の第1固着部255における被固着部255a〜255dの形状と同様である。
また、ソケット560cにおける側部には、テーブル部567が設けられている。テーブル部567の裏面側には、4個の筒状部569a〜569dが設けられている。筒状部569a〜569dは、それぞれ、被固着部566a〜566dに対応する位置に設けられている。また、筒状部569a〜569dには、ワンウェイねじ568を挿入可能な挿入孔が形成され、筒状部569a〜569dの内部において、ねじ穴が設けられている。また、ソケット560cのテーブル部567において、筒状部569a〜569dの挿入孔に連通する連通穴が設けられている。そして、被固着部566a〜566dのうちいずれか1つ(ここでは被固着部566a)の上面開口からワンウェイねじ568を挿入し、ねじ部の先端を被固着部566aに差し込んだ状態で、スクリュードライバ等の工具でワンウェイねじを時計回りにねじ込み、筒状部569aと被固着部566aとをワンウェイねじ568を介して固着(かしめ)する。ワンウェイねじ568がねじ止めされた状態では、筒状部569aと被固着部566aとが固着されることによって、カバー560dがソケット560cに固着される。
その状態では、カバー560dを外さない限り、遊技制御用マイクロコンピュータ560をソケット560cから外すことはできない。すなわち、ROM54を内蔵する遊技制御用マイクロコンピュータ560を外して不正ROMを内蔵するマイクロコンピュータに交換することはできない。
そして、カバー560dを外すときに、ねじ563,564を取り外すだけでなく、切断や破壊によってカバー560dの封止(ワンウェイねじ568による固着)を解除する必要がある。カバー560dの封止を解除する場合には、カバー560dの連接部570等に破壊または切断の痕跡が残る。よって、万が一、正規の遊技制御用マイクロコンピュータ560が、不正な遊技制御プログラムが格納されたROMを内蔵したマイクロコンピュータにすりかえられたりした場合でも、破壊または切断の痕跡にもとづいて、不正行為を早期に発見して対処することができる。
この実施の形態では、カバー560dはソケット560cに固着されたが、主基板31に固着するようにしてもよい。その場合には、ソケット560cにテーブル部567は設けられず、テーブル部567の裏面側に設けられている筒状部569a〜569dと同様の筒状部が主基板31に設けられる。そのような主基板31における筒状部によるカバー560dの固着方法は、ソケット560cにテーブル部567が設けられた場合における固着方法と同じである。
また、第1の実施の形態の場合と同様に、ケース本体201における膨出部208の内部には予備用ワンウェイねじ281(ワンウェイねじ280の予備用)が収納されているのであるが、ワンウェイねじ568の予備用のワンウェイねじも収納されていることが好ましい。予備用のワンウェイねじとは、筒状部569aが分離された後、主基板31をケースカバー202に再度封止する際に、例えば筒状部569a以外の筒状部に装着されるワンウェイねじである。なお、予備用のワンウェイねじの収納場所は、膨出部208の内部に限定されない。
また、この実施の形態と第9の実施の形態とを併用する場合には、透明なケースカバー202を介して主基板31の部品実装面を視認できる。従って、被固着部566a〜566dおよび連接部570は、透明なケースカバー202を介して視認可能である。よって、連接部570が不正に切断された場合に、容易にそのことを確認することができる。なお、第9の実施の形態とを併用しない場合であっても、主基板31の部品実装面をケースカバー202に対向させて基板収納ケース200に収納し、ケース本体201の側を遊技機本体に設置するように構成されているときには、透明なケースカバー202を介して被固着部566a〜566dおよび連接部570を視認可能である。被固着部566a〜566dおよび連接部570は、主基板31の部品実装面側に設置されているからである。すなわち、主基板31は、主基板31の部品実装面を蓋体(ケースカバー202)の収容空間に対向させて取り付けられ、透明カバー部材(カバー560d)の切断部(連接部570)が主基板31の部品実装面側に設けられていることが好ましい。
また、この実施の形態では、カバー560dは、略直方体の遊技制御用マイクロコンピュータ560の上面および4つの側面を覆うような形状に形成されているが、遊技制御用マイクロコンピュータ560の少なくとも一部を覆うように形成されていてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560の端子のみを覆うようにカバー560dを形成する。そのように構成した場合でも、カバー560dによって、不正信号を伝達する配線が遊技制御用マイクロコンピュータ560に接続されないようにするという効果を期待できる。
また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560の端子は覆われないようにカバー560dを形成してもよい。その場合には、カバー560dを装着した状態で、遊技制御用マイクロコンピュータ560の端子に測定器の端子をケーブルで接続して遊技制御用マイクロコンピュータ560の検査を行うことができる。また、不正信号を伝達する配線が遊技制御用マイクロコンピュータ560に接続された場合に、容易にそのことを発見できる。
また、この実施の形態では、透明カバー部材としてのカバー560dの一部に切断部としての連接部570を設けたが、ソケット560cの側に切断部を設けてもよい。また、ソケット560cを使用せず、マイクロコンピュータが基板に直接半田付けされる場合には、基板に切断部を設けてもよい。基板に切断部が設けられる場合には、透明カバー部材と固着されている基板の一部が切断可能に形成されることになるが、切断時に配線パターンを損傷しないように、配線パターンから所定間隔以上離れた位置に切断部(切断用のスリット溝等)を設けることが好ましい。
なお、基板収納ケース200の構成は、上記の各実施の形態における構成と同様である(図8等参照)。従って、遊技制御用マイクロコンピュータ560をソケット560cから外す場合には、まず、基板収納ケース200の封止を解除する必要がある。そして、基板収納ケース200の封止を解除した後に、カバー560dの封止を解除する必要がある。従って、正規の遊技制御用マイクロコンピュータ560を、不正な遊技制御プログラムが格納されたROMを内蔵したマイクロコンピュータに交換する不正行為を行うのに時間がかかり、そのことからも、不正行為の実行を効果的に抑制することができる。また、破壊または切断の痕跡が2箇所(基板収納ケース200とカバー560d)に残るので、破壊または切断の痕跡にもとづく不正行為の発見がより容易になる。
また、ワンウェイねじ568を完全にねじ込んだ後、その上方から、接着剤を被固着部566a内に注入したり、キャップを被固着部566aの上面開口に嵌め込んで、ワンウェイねじ568を取り外しにくくしてもよい。また、接着剤として紫外線硬化樹脂を用い、紫外線を照射して硬化させるようにしてもよい。さらに、キャップの構造を、図135に示されたキャップ244の構造と同様にしてもよい。すなわち、キャップに連接カバー部を設け、連接カバー部に、2本の延伸部を設け、キャップが被固着部566a〜566d(この例では、被固着部566a)に被せられたときに、それぞれの延伸部が連接部570を挟み込むようにして、連接部570の太さを等価的に大きくするようにしてもよい。
なお、上記の各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560を搭載した主基板31について不正行為を効果的に防止するための対策を施した構造を説明したが、払出制御用マイクロコンピュータ370を搭載した払出制御基板37について、上記の各実施の形態と同様の構造を採用してもよい。さらに、演出の制御を行う演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ110)が搭載された演出制御基板80について、上記の各実施の形態と同様の構造を採用してもよい。
また、第5〜第10の実施の形態を任意に組み合わせて遊技機を構成してもよい。一例として、第8の実施の形態、第9の実施の形態または第10の実施の形態を、第5〜第7の実施の形態のそれぞれと組み合わせてもよい。また、第8の実施の形態と第9の実施の形態と第10の実施の形態とのうちの2つ以上を、第5〜第7の実施の形態のそれぞれと組み合わせてもよい。また、上記の各実施の形態では、パチンコ遊技機における制御基板(主基板31や払出制御基板37)を例にしたが、スロットマシンにおける制御基板に対して、第5〜第10の実施の形態を適用することもできる。パチンコ機の場合には遊技機本体の裏面側に収納ケースが取り付けられるが、スロットマシンの場合には箱型筐体の内部に基板等の電気部品が配置されることが多いので、その場合には箱型筐体の内側の部分に、上記の各実施の形態の構造が適用される。
また、上記の各実施の形態の他、以下のような対策を施すことが望ましい。
基板封止手段により封止された制御基板ケースを開封するときに破壊(切断)する部位を被覆する部材を設けて、さらにその被覆する部材を封止するようにした構造が望ましい。これにより、不正に制御基板のケースを開封しようとしたときに作業時間がかかることになり不正行為の抑止に繋がる。また、被覆部材は基板封止部材全体を被覆するものでもよく、さらに制御基板のケース全体、さらには遊技盤、遊技枠の背面全体を被覆するものでもよい。
封止手段とはワンウェイネジにて制御基板のケースの箱体、カバー体に設けられた取付部をネジ止めするものに限定されず、取付部を鍵により施錠するものや、係合ピン止め、リベット止め、溶着するものでもよい。また、封止手段は、ねじ、リベット、係合爪のような固着部品のみを指すのではなく、固着部品と固着部品を装着するための複数の被固着部とを包含する概念である。
制御基板の周囲には不正な基板(なりすまし基板等)を隠すおそれのある空間を設けないことが望ましい。具体的には空間となりそうな場所には大きくリブを立てたり、基板が隠された場合にも容易に視認可能になるように窓部を設けたり、透明部材にて周辺部位を構成することが望ましい。
また、外枠に対する遊技枠の施錠装置については上下に2つのフック構造を採るものが一般的であるが、そのフックを被覆して外部から枠を開放することを防止することが望ましい。さらに施錠装置の操作部、を被覆するものでもよい。また、2つのフックを互いに独立動作するようにして1個を引っ掛けると他方も開いてしまわないようにすることが望ましい。これらにより、不正に遊技枠を開放して、遊技機の背面部を露出させ、制御基板のケースの交換等を実行することを抑止する。さらに、遊技枠の開放を検出して外部に報知するもの、さらにその旨を外部情報信号としてホールコンピュータに出力するものでもよい。
不正に可変入賞口に遊技球が入賞したことを報知するもの、さらにその旨を外部情報信号としてホールコンピュータに出力するものでもよい。さらに不正な入賞に対しては払出を不可としてもよい。さらに可変入賞口を外部からの力では開かないような構造にしたものでもよい。
ワンチップマイコンのID番号、その他印刷された番号、をボックス外部から視認可能にして、偽造チップの確認をできるものがのぞましい。
振動センサで不正に遊技機に衝撃を与えて大当り(V入賞)を狙うような行為を検出して、報知、外部出力するものが望ましい。
磁石センサで不正に遊技機に磁石を近づけて大当り(V入賞)を狙うような行為を検出して、報知、外部出力するものが望ましい。