まず、本実施例1に係る遊技店の店内システムのシステム構成について説明する。図1は、実施例1に係る遊技店の店内システムのシステム構成を示す図である。なお、本実施例1では、パチンコ玉を1玉4円で貸し出す4円コーナーとパチンコ玉を1玉1円で貸し出す1円コーナーが遊技店内に併設される場合について説明することとする。
同図に示すように、店内システムには、遊技店にて予め登録処理された遊技客の会員情報を管理する会員管理用ターミナルコントローラ(以下、「会員管理T/C」と言う)10と、島コントローラ20と、カード処理ユニット(以下、「CRユニット」と言う)30a及び30bと、パチンコ機40a及び40bと、計数機50と、景品管理装置70と、景品払出機80と、ホールコンピュータ100とが設けられている。
そして、会員管理T/C10には、島コントローラ20、計数機50及び景品管理装置70が接続されており、島コントローラ20には、各島に設置された複数のパチンコ機40a及び40bにそれぞれに併設されたCRユニット30a及び30bが接続されており、また、計数機50には、遊技店内におけるセーフ玉及びアウト玉を管理するホールコンピュータ100が接続されている。なお、ここで言う「セーフ玉」とは、遊技客がパチンコ機40a又は40bから払出しを受けた玉数を指し、また、「アウト玉」とは、遊技客がパチンコ機40a又は40bに打ち込んだ玉数を指す。
ここで、本実施例1では、CRユニット30a及びパチンコ機40aからなる4円コーナーと、CRユニット30b及びパチンコ機40bからなる1円コーナーとが設けられている。この4円コーナーは、遊技客に対して4円/玉の貸出レートで玉貸しを行う島であり、1円コーナーは、遊技客に対して1円/玉の貸出レートで玉貸しを行う島である。4円/玉の汎用貸出レートよりも低い1円/玉の1円コーナーを設けた理由は、主として、遊技客による試し打ちを可能にするとともに、遊技機に対する遊技客の客付きや評価に関する情報を得るためである。なお、本実施例1では、貸出レート「4円/玉」を玉1と呼称し、貸出レート「1円/玉」を玉2と呼称することとする。
CRユニット30aは、現金またはプリペイドカードによる4円/玉の玉貸し及び会員カードを用いた貯玉の再プレイを行うユニットであり、例えばこのCRユニット30aに1000円札が挿入されると、このCRユニット30aからパチンコ機40aに対して250玉の玉投出指示がなされる。一方、台間ユニット30bは、現金による1円/玉の玉貸し及び会員カードを用いた貯玉の再プレイを行うユニットであり、例えばこのCRユニット30bに1000円札が挿入されると、500円分(=500玉)をパチンコ機40bに払い出させるとともに残額(500円)を記憶しておき、次の貸出指令を受ければ、その残額分をパチンコ機40bに投出させる。
パチンコ機40a及びパチンコ機40bは、パチンコ玉を用いたパチンコ遊技を遊技客に提供する遊技機であり、両者には4円コーナー及び1円コーナーに係る差異はない。ただし、1円コーナーに配設されるパチンコ機40bは、遊技店の売上を担う遊技機ではなく、これから遊技店に新たに導入される新台が配設されることが多い。その理由には、遊技客が大きな投資をすることなく新台の試し打ちを可能にするとともに、低料金で比較的長い時間楽しんでもらえる遊技を提供する運営方針が多くの遊技店により取られていることが背景にある。
遊技客は、これらのCRユニット30a及び30bを用いて貯玉の再プレイを行うことができ、遊技客がCRユニット30a又は30bのカード挿入口に会員カードを挿入した状態でテンキーから暗証番号を入力して所定の再プレイボタンを押下操作すると、会員カードID、暗証番号、4円コーナー又は1円コーナーの種別(以下「貸出レート情報」と言う)及びCRユニットを一意に特定するユニット識別情報を含む再プレイ要求信号が会員管理T/C10に対して送信され、貯玉残高の範囲内で貯玉を引き落とすことができる。なお、ここでは一度の再プレイ操作で貯玉口座から引き出される玉数は固定であるものとする。
計数機50は、遊技客が獲得したパチンコ玉を計数する計数機であり、その計数結果を関連付けた計数レシートを発行する。具体的には、遊技店の従業員がパチンコ玉の計数時に貸出レート情報を指定してレシート発行ボタンを押下操作すると、後述する態様種別管理テーブル58aを用いて、パチンコ玉数、貸出レート情報、発行日時及び計数機番号を含む計数情報をバーコード印刷した計数レシートが発行される。
また、計数機50は、登録済み会員によって獲得されたパチンコ玉を計数時に貯玉させる、いわゆる「計数貯玉」を行うために、会員カードに記録された会員IDを読み取るカード処理部56を備えている。具体的には、上記した貸出レート(玉1又は玉2の種別)が指定され、投入された獲得玉を計数し、かつ遊技客から受け取った会員カードが遊技店の従業員によりカード挿入口に挿入されてその会員カードから会員IDを読み取ると、会員ID、計数結果であるパチンコ玉の貯玉数、貸出レートを含む貯玉加算依頼を会員管理T/C10に対して送信する。
会員管理T/C10は、会員管理テーブルを用いて遊技店に登録された会員の統括管理を行う管理装置である。この会員管理テーブルは、会員ID、4円コーナー及び1円コーナーの貯玉残高及び属性情報を対応付けて記憶している。そして、計数機50又は景品管理装置70から貯玉加算依頼を受け付けたならばこの貯玉加算依頼に含まれる会員ID及び貸出レート情報に該当する貯玉口座内の貯玉残高を加算処理し、CRユニット30a、CRユニット30b又は景品管理装置70から貯玉減算依頼を受け付けたならばこの貯玉減算依頼に含まれる会員ID及び貸出レート情報に該当する貯玉口座内の貯玉残高を減算処理する。
景品管理装置70は、遊技店内の景品交換カウンタに配設された景品交換用の端末装置であり、図8で後述するカードリーダ81及びバーコードリーダ82を備える。
この景品管理装置70は、後述する交換玉数管理テーブル76aを用いて獲得玉と景品との交換を管理する。この交換玉数管理テーブル76aは、各景品に貸出レートごとの交換玉数を対応付けて記憶している。そして、景品交換カウンタ内の従業員が、計数機50により発行された計数レシートを遊技客から受け取ると、この計数レシートから獲得玉数及び貸出レート情報をバーコードリーダ82で読み取るとともに、遊技客により指定された景品に対応する交換ボタンを押下し、当該景品に関して計数レシートから読み取った貸出レートに合致する交換玉数を獲得玉数から減算する交換処理を実行させ、その後に従業員による手作業で遊技客に受け渡す。また、遊技客が特殊景品への交換を希望する場合には、従業員はこの景品管理装置70に設けられた特殊景品交換ボタンを押下し、交換玉数管理テーブル76aを参照して貸出レートごとの獲得玉数に応じた特殊景品の払い出しを景品払出機80に指示する。なお、計数レシートを用いた景品交換だけではなく、会員カードを通じて貯玉を用いた景品交換を行うこともできる。
また、景品管理装置70は、計数レシートに印刷されたバーコードからパチンコ玉数及び貸出レート情報を読み取って景品交換時に利用するだけではなく、計数レシートを用いた貯玉、いわゆるレシート貯玉を行うこともできる。具体的には、この景品管理装置70に設けられたバーコードリーダ82で計数レシートを読み取るとともに、カードリーダ81に会員カードを挿入して貯玉ボタンを押下すると、会員ID、パチンコ玉数、貸出レート情報(玉1又は玉2の種別)が含まれる貯玉依頼信号が会員管理T/C10に対して送信される。
ホールコンピュータ100は、遊技店内におけるセーフ玉及びアウト玉を管理する情報処理装置である。具体的には、パチンコ機40a及び40bから受信したセーフ信号及びアウト信号を集計して、遊技客がパチンコ機40a及び40bから払い出しを受けたセーフ玉並びに遊技客がパチンコ機40a又は40bに打ち込んだアウト玉を各台ごとに管理するとともに、計数機50からパルス信号を用いて受信した獲得玉数(実際には、獲得価値高)を集計し、該集計した獲得玉数と全遊技台のセーフ玉数とを突合することでセーフ玉の整合性が取れているか否かを監視している。なお、ここでは、全遊技台の総獲得玉数と総セーフ玉数を突合することとしているが、獲得元の遊技台を一意に特定可能な識別子(例えば、台番号やユニット番号等)を獲得玉数に対応付けておけば、各島又は各台のセーフ玉数と突合することもできる。
ここで、本実施例1に係る計数機50は、同一種類の遊技媒体で異なる貸出レートごとに該貸出レート間で異なる計数レシートの態様種別を記憶しておき、複数の貸出レートのうち計数対象となるパチンコ玉の貸出レートを取得し、貸出レートごとに記憶した計数レシートの態様種別のうち、取得した貸出レートに対応した態様種別の計数レシートを発行するように制御する点にその特徴がある。
すなわち、本実施例1に係る計数機50は、計数結果を関連付けた計数レシートを発行するものであるが、すべての計数レシートを同じ態様種別で発行することはしない。つまり、計数されるパチンコ玉の貸出レートによって計数レシートの態様種別を区別して発行するようにしている。
より具体的には、図2に示すように、貸出レート間で異なる計数レシートの態様種別として、計数レシートの表示態様の種別や記録情報の種別を貸出レートごとに対応付けて態様種別管理テーブル58aに記憶しておき、遊技店の従業員による入力操作を通じて計数対象のパチンコ玉の貸出レートを取得してから計数機50内に受け入れた獲得玉を計数する。この時、貸出レートが玉1である場合(4円コーナーの獲得玉である場合)には、たとえば計数レシートの印字内容を記す文字及び図形の表示色を赤色で印字して計数レシートを発行するように制御する一方で、貸出レートが玉2である場合(1円コーナーの獲得玉である場合)には、計数レシートの印字内容を記す文字及び図形の表示色を青色で印字して計数レシートを発行するように制御する。
この例では、4円コーナーの獲得玉の計数レシートとして文字及び図形の表示色を赤色印字させ、また、1円コーナーの獲得玉の計数レシートとして文字及び図形の表示色を青色印字させることで、景品カウンタ等で業務する従業員に計数レシートの貸出レートをその文字や図形の表示色から特定させることができ、その結果、4円コーナー及び1円コーナーの複数の遊技コーナーを有する遊技店で計数機の台数を1台にした場合でも景品交換やレシート貯玉等のサービスを行うことができる。
したがって、本実施例1に係る計数機50によれば、貸出レートが異なる複数の遊技コーナーを設ける場合に、導入が必要となる計数機の絶対数を低減させることができ、遊技店の設備投資費用を低減させることが可能になる。
次に、本実施例1に係る計数機50の構成について説明する。図3は、実施例1に係る計数機50の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、この計数機50は、タッチパネル51と、通信I/F部52と、4円玉獲得パルス出力部53aと、1円玉獲得パルス出力部53bと、計時部54と、シャッタ駆動モータ55aと、開閉検知部55bと、計数センサ55cと、カード処理部56と、印字部57と、記憶部58と、制御部59とを有する。
タッチパネル51は、液晶パネルやディスプレイなどの表示デバイス上で操作入力を受け付けることができる表示可能かつ入力可能な従業員用デバイスである。例えば、計数待機中には、以降に計数しようとする獲得玉の貸出レートの入力を促す表示を行うとともに、獲得元の遊技コーナー(貸出レート)を選択させるボタン、すなわち4円コーナーボタン及び1円コーナーボタンを表示する(図5参照)。
通信I/F部52は、当該計数機50と他の装置(例えば、会員管理T/C10などの他の装置)との間で各種通信を行うためのインターフェースである。また、計時部54は、時刻を計時する処理部であり、具体的には、後述する発行制御部59cからの時刻発行要求に応答して現時刻を発行制御部59cに応答する。
4円玉獲得パルス出力部53aは、4円コーナーの獲得玉の数量に相当する価値高をホールコンピュータ100に出力する処理部であり、獲得玉の価値高を100円につき1パルスで獲得玉数分のパルスを出力する。また、1円玉獲得パルス出力部53bは、1円コーナーの獲得玉の数量に相当する獲得価値高をホールコンピュータ100に出力する処理部であり、4円玉獲得パルス出力部53aと同様、獲得玉の価値高を100円につき1パルスで獲得玉数分のパルスを出力する。
このように、ホールコンピュータ100に対する獲得玉数の通知は、パルス通信で行われる形態が一般的であるが、貸出レートが異なる複数の遊技コーナーを設ける場合に、両コーナーの獲得玉数を1つの回線及び出力部だけを用いてパルス通信すると、ホールコンピュータ100側では4円コーナーの獲得玉であるのか、或いは1円コーナーの獲得玉であるかが判別できず、ホールコンピュータ100で正確な獲得玉数を管理することができないので、本実施例1に係る計数機50では、4円玉獲得パルス出力部53a及び1円玉獲得パルス出力部53bを貸出レートごとに設けている。
シャッタ機構55は、獲得玉の投入口に開閉可能に設けられたシャッタの開閉駆動を行うシャッタ駆動モータ55aと、シャッタの開閉状態を検知する開閉検知部55bとから構成される。例えば、シャッタ機構55は、計数時にシャッタを開放させる場合には、開閉検知部55bによってシャッタが開状態であると検知されるまでシャッタ駆動モータ55aにシャッタを開駆動させ、計数終了後にシャッタを密閉する場合には、開閉検知部55bによってシャッタが閉状態であると検知されるまでシャッタ駆動モータ55aにシャッタを閉駆動させる。
計数センサ55cは、遊技客又は従業員によって投入された獲得玉を計数するセンサであり、具体的には、獲得玉の通過経路に設けられており、光等の発光及び受光を併せて行うことで獲得玉の通過を検知し、これらの通過数を計数制御部59bにカウントアップさせる。
カード処理部56は、カード挿入口から挿入された各種カードからデータの読み取り等を行う制御ユニットであり、例えば、遊技客(会員)が保有する会員カードを受け入れて会員IDを読み取り、該読み取った会員IDを貯玉加算依頼部59dに出力する。
印字部57は、印刷データをレシートに印字処理する印字装置であり、発行制御部59cによる発行制御に基づき、貸出レートごとに態様種別が異なる計数レシートを印字発行する。かかる計数レシートには、遊技店の名称、発行日時、計数機番号、貸出レート及び計数値(獲得玉数)が文字として印字されるとともに、貸出レート、計数値、発行日時及び計数機番号を含む計数情報が関連付けられたバーコードが印字される。なお、かかるバーコード印字される情報は、計数情報そのものであってもよいし、計数情報と一対一に対応付けられた計数IDであってもかまわない。
記憶部58は、制御部77による各種処理に必要なデータおよびプログラムを記憶する不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、パチンココーナーで異なる貸出レートごとに該貸出レート間で異なる計数レシートの態様種別を記憶する態様種別管理テーブル58aを記憶する。
態様種別管理テーブル58aは、図4に示すように、貸出レートごとに、遊技客に記載明示し、かつ計数レシートに印字されるバーコードに埋め込む貸出レートの種別、及び、計数レシートに表示させる文字色の種別を記憶する。この図4の例では、計数対象の獲得玉の貸出レートが玉1である場合(4円コーナーの獲得玉である場合)には、当該計数レシートが玉1である旨を印字し、この計数レシートに記載される文字を赤色印字するとともに、貸出レート「玉1」が埋め込まれたバーコードを印字するように定められており、また、計数対象の獲得玉の貸出レートが玉2である場合(1円コーナーの獲得玉である場合)には、当該計数レシートが玉2である旨を印字し、この計数レシートに記載される文字を青色印字するとともに、貸出レート「玉2」が埋め込まれたバーコードを印字するように定められている。
制御部59は、計数機50の全体制御を行う制御部であり、貸出レート取得部59a、計数制御部59b、発行制御部59c、貯玉加算依頼部59d及び表示制御部59eを有する。
貸出レート取得部59aは、複数の貸出レートのうち計数対象となるパチンコ玉の貸出レートを取得する処理部である。具体的には、当該計数機50が計数待機中である場合には、図5に示すように、表示制御部59eによって獲得元の遊技コーナー(貸出レート)を選択させるボタン、すなわち4円コーナーボタン及び1円コーナーボタンとその選択を促すメッセージとがタッチパネル51上に表示されているので、獲得玉が貯留された貯留箱、いわゆるドル箱を遊技客から受け取った従業員から、4円コーナーボタン又は1円コーナーボタンのいずれかの押下操作をタッチパネル51上で受け付け、該押下操作を受け付けた遊技コーナーに対応する貸出レートを計数対象となる獲得玉の貸出レートとして取得する。このように、獲得玉の貸出レートの入力を受け付けるのは、当該貸出レートに適合した態様種別の計数レシートを発行するためである。
計数制御部59bは、遊技客によって獲得されたパチンコ玉を計数するように制御する処理部である。具体的には、貸出レート取得部59aによって計数対象となる貸出レートが取得された場合に、獲得玉の投入口に開閉可能に設けられたシャッタを開放するようにシャッタ機構55に要請してシャッタを開放させ、その後に、投入口から獲得玉が投入されると、計数センサ55cから獲得玉の通過信号が出力されるので、一定時間(例えば、3秒)についてかかる通過信号が検出されなくなるまでカウントアップを継続することで獲得玉の計数を行う。
また、計数制御部59bは、ホールコンピュータ100に対して獲得玉数の通知を行っており、貸出レート取得部59aによって取得された貸出レートが玉1である場合(4円コーナーの獲得玉である場合)には、4円玉獲得パルス出力部53aを介して、獲得玉の価値高を100円につき1パルスで獲得玉数分のパルスをホールコンピュータ100に出力させ、また、貸出レート取得部59aによって取得された貸出レートが玉2である場合には、1円玉獲得パルス出力部53bを介して、獲得玉の価値高を100円につき1パルスで獲得玉数分のパルスをホールコンピュータ100に出力させることで、貸出レートごとに獲得玉数(獲得価値高)をホールコンピュータ100に通知することができ、ホールコンピュータ100に正確な獲得玉数を管理させることができるようにしている。
発行制御部59cは、印字部57と連動して、計数レシートの発行制御を行う処理部であり、具体的には、態様種別管理テーブル58aによって貸出レートごとに記憶された計数レシートの態様種別のうち、貸出レート取得部59aによって取得された貸出レートに対応した態様種別の計数レシートを発行するように制御する。
より具体的には、タッチパネル51上のレシート発行ボタンが押下操作されると、貸出レート取得部59aによって取得された貸出レートが玉1である場合には、図4に示した態様種別管理テーブル58a内の玉1のレコードを参照して、計数レシートとして発行する紙媒体に遊技店の名称、発行日時、計数機番号及び計数値(獲得玉数)に併せて貸出レート「玉1」を印字部57に印字させるとともに、この紙媒体に記載される文字を赤色印字させ、さらに、バーコード情報に埋め込まれる計数情報のうち貸出レートについては「玉1」を埋め込んだバーコードを印字部57に印字させ、これらの印字制御が併せて行われた紙媒体を計数レシート(図6左側)として発行する。一方、貸出レートが玉2である場合には、図4に示した態様種別管理テーブル58a内の玉2のレコードを参照して、計数レシートとして発行する紙媒体に遊技店の名称、発行日時、計数機番号及び計数値(獲得玉数)に併せて貸出レート「玉2」を印字部57に印字させるとともに、この紙媒体に記載される文字を青色印字させ、さらに、バーコード情報に埋め込まれる計数情報のうち貸出レートについては「玉2」を埋め込んだバーコードを印字部57に印字させ、これらの印字制御が併せて行われた紙媒体を計数レシート(図6右側)として発行する。
このように、計数レシートに表示させる文字の表示色の種別、計数レシートに表示させる貸出レートの種別および計数レシートに記録させる貸出レートの種別を態様種別管理テーブル58aに設定しておき、これら文字の表示色、貸出レートの記載及び貸出レートの記録を区別して計数レシートを発行するように制御することで、景品カウンタ等で業務する従業員は計数レシートを一見するだけで貸出レートを特定でき、さらに計数レシートの読取操作を行うだけで景品交換を行う景品管理装置に貸出レートを識別させることができ、景品交換やレシート貯玉等の事後処理を円滑に遂行させることができる。
貯玉加算依頼部59dは、会員管理テーブルにて管理される貯玉残高の更新処理を行う処理部である。具体的には、計数制御部59bによって獲得玉が計数され、かつ会員カードが挿入されている場合に、タッチパネル51上の貯玉ボタンが押下操作されると、貸出レート取得部59aによって取得された貸出レート、会員カードに記録された会員ID及び計数制御部59bによって出力された計数値を含む貯玉加算依頼を会員管理T/C10に対して行う。なお、この貯玉加算依頼を受け付けた会員管理T/C10は、当該貯玉加算依頼に含まれる会員ID及び貸出レートに該当する貯玉口座に当該計数値を加算し、加算完了通知を返信する。また、本実施例1では、遊技客の貯玉口座に計数値すべてを貯玉させることとしたが、必ずしも計数値すべてを貯玉させる必要はなく、遊技客によって指定された玉数、或いは特殊景品に交換可能な玉数だけを貯玉させるようにしてもよい。
表示制御部59eは、タッチパネル51の表示制御を行う処理部である。例えば、図5に示すように、計数待機中には、4円コーナーボタン及び1円コーナーボタンとその選択(指定)を促すメッセージとをタッチパネル51に表示させ、タッチパネル51上にて4円コーナーボタン又は1円コーナーボタンのいずれかの押下操作を受け付けると、該押下操作を受け付けた遊技コーナーに対応する貸出レートを獲得玉の貸出レートとしてタッチパネル51の画面の一部に表示させ、計数制御部59bによって計数が開始されると計数センサ55cからの通過信号がカウントアップされる度にタッチパネル51に表示される獲得玉数の表示を更新していき、計数センサ55cからの通過信号が一定時間以上(例えば、3秒)について検出されなくなると、計数レシートの発行ボタンをタッチパネル51に表示させ、この時に、会員カードが挿入されていれば、レシート発行ボタンに併せて貯玉ボタンを表示させる。
このように、貸出レート取得部59aによって取得された貸出レートをタッチパネル51に表示させれば、遊技客には獲得元の遊技コーナーに対応した貸出レートで獲得玉を計数している旨を明示できる一方で、従業員には獲得元の遊技コーナーに対応した貸出レートで獲得玉が計数されているか否かを確認させることができる。
次に、本実施例1に係る計数機50による計数レシート発行処理について詳細に説明する。図7は、実施例1に係る計数機50が実行する計数レシート発行処理を示すフローチャートである。
図7に示すように、計数待機中である場合(ステップS101否定)には、表示制御部59eによって獲得元の遊技コーナーを選択させるボタン、すなわち4円コーナーボタン及び1円コーナーボタンとその選択(指定)を促すメッセージとがタッチパネル51上に表示されており、これらのボタンのいずれかの押下操作を通じて貸出レート取得部59aにより計数対象となるパチンコ玉の貸出レートが取得されると(ステップS101肯定)、計数制御部59bは、シャッタ機構55にシャッタを開放させ(ステップS102)、表示制御部59eは、タッチパネル51上で押下操作を受け付けた遊技コーナーに対応する貸出レートを計数対象となるパチンコ玉の貸出レート(以下、指定貸出レートと言う)としてタッチパネル51の画面の一部に表示させる(ステップS103)。
続いて、投入口から獲得玉が投入されると、計数制御部59bは、計数センサ55cから獲得玉の通過信号が出力されるので、所定時間(例えば、3秒)についてかかる通過信号が検出されなくなるまでカウントアップを継続することで獲得玉の計数を行い(ステップS104)、表示制御部59eは、タッチパネル51に獲得玉の数量(計数値)を表示させる(ステップS105)。なお、かかる計数中には、計数制御部59bによって計数センサ55cからの通過信号がカウントアップされる度にタッチパネル51に表示される獲得玉数の表示が更新される。
このとき、会員カードを受け入れていなければ(ステップS106否定)、表示制御部59eによって計数レシートの発行を要求するレシート発行ボタンのみがタッチパネル51に表示されるので、レシート発行ボタンの押下操作、すなわちレシート発行要求を受け付けると(ステップS107肯定)、発行制御部59cは、態様種別管理テーブル58a内のレコードのうち指定貸出レートに対応するレコードを参照して、計数レシートとして発行する紙媒体に遊技店の名称、発行日時、計数機番号及び計数値(獲得玉数)に併せて貸出レートを印字部57に印字させるとともに、この紙媒体に記載される文字を指定貸出レートの対応色で印字させ、さらに、バーコード情報に埋め込まれる計数情報のうち貸出レートについては指定貸出レートを埋め込んだバーコードを印字部57に印字させ、これらの印字制御が併せて行われた紙媒体を計数レシート(図6参照)として発行し(ステップS108)、処理を終了する。
また、会員カードを受け入れていれば(ステップS106肯定)、表示制御部59eによって計数レシートの発行を要求するレシート発行ボタン及び計数貯玉の要求を行う貯玉ボタンがタッチパネル51に表示され、これらレシート発行ボタン又は貯玉ボタンのいれずれかの押下操作を受け付ける発行・貯玉待機状態となる(ステップS107否定かつステップS109否定)。
この発行・貯玉待機状態で、タッチパネル51上の貯玉ボタンが押下操作されると(ステップS109肯定)、貯玉加算依頼部59dは、指定貸出レート、会員ID及び計数値を含む貯玉加算依頼を会員管理T/C10に対して行う(ステップS110)。なお、この貯玉加算依頼を受け付けた会員管理T/C10では、会員管理テーブルを用いて、当該貯玉加算依頼に含まれる会員ID及び指定貸出レートに該当する貯玉口座に当該計数値を加算し、加算完了通知を計数機50に返信する。
この加算完了通知を受け付けると、表示制御部59eは、貯玉残高に加算した玉数、貯玉前後の貯玉残高をタッチパネル51に表示させて加算完了報知を行い(ステップS11)、処理を終了する。
次に、本実施例1に係る計数機50によって貸出レートごとに態様種別が区別発行された計数レシートを用いた事後処理(景品交換やレシート貯玉等)を説明するために、図1に示した景品管理装置70の構成及び処理の流れを説明する。
図8は、実施例1に係る景品管理装置70の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、この景品管理装置70は、従業員用タッチパネル71と、従業員用操作キー72と、遊技客用タッチパネル73と、通信I/F部74と、レシート発行部75と、記憶部76と、制御部77とを有する。なお、景品管理装置70内の通信I/F部74には、会員カード等の各種カードから記録情報を読み取るカードリーダ81、及び、計数レシートからバーコード情報を読み取るバーコードリーダ82に加え、特殊景品を払出す景品払出機80が接続されている。
従業員用タッチパネル71は、液晶パネルやディスプレイなどの表示デバイス上で操作入力を受け付けることができる表示可能かつ入力可能な従業員用デバイスであり、例えば、計数レシートの受付時には、計数レシートに対してバーコードリーダ82を用いて読み取られた獲得玉数を表示したり、また、この計数レシートを用いた貯玉(レシート貯玉)が行われた時には、貯玉残高に加算した玉数、貯玉前後の貯玉残高を表示したりする。
また、従業員用操作キー72は、従業員が操作する一般景品や特殊景品等の各種景品の交換ボタン、テンキー等の総称である。なお、本実施例1では、景品管理装置70に対する交換景品の指定を従業員に行わせることとしたが、必ずしも従業員に指定させる必要はなく、遊技客に指定させるようにしてもかまわない。
遊技客用タッチパネル73は、液晶パネルやディスプレイなどの表示デバイス上で操作入力を受け付けることができる表示可能かつ入力可能な遊技客用デバイスであり、従業員用タッチパネル71と同様に、計数レシートの受付時には、バーコードリーダ82を用いて計数レシートから読み取られた獲得玉数を表示したり、また、この計数レシートを用いた貯玉(レシート貯玉)が行われた時には、貯玉残高に加算した玉数、貯玉前後の貯玉残高を表示したりする。なお、本実施例1では、従業員用タッチパネル71と遊技客用タッチパネル73に表示される画面の内容を同一としたが、必ずしも内容が同一である必要はない。
通信I/F部74は、当該景品管理装置70と他の装置(例えば、会員管理T/C10、計数機50又は景品払出機80などの他の装置)との間で各種通信を行うためのインターフェースである。
レシート発行部75は、各種情報を紙媒体に印字する処理部であり、例えば、景品管理装置70にて景品交換処理された内容(例えば、交換日時、従業員名、総獲得玉数、交換景品及び交換玉数などの項目)を印字して交換レシートとして発行したり、また、遊技店の営業終了後には、景品の入出庫管理(例えば、景品出庫による粗益管理)に係る情報を締上げ票として発行したりする。
記憶部76は、制御部77による各種処理に必要なデータおよびプログラムを記憶する不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、交換レシート等に印字するフォーマット及びその印字内容等の情報の他、本発明に関連するものとして、景品との交換に要する交換玉数を管理する交換玉数管理テーブル76aを記憶する。
交換玉数管理テーブル76aは、図9に示すように、景品マスタ、すなわち景品名ごとに各貸出レートの交換玉数を記憶したテーブルである。図9に示す例では、玉1が4円/玉、玉2が1円/玉であり、玉2の玉単価は玉1の4分の1であるため、玉2の各景品の交換玉数は玉1の各景品の交換玉数の4倍の玉数が設定されており、玉1においては、菓子Aを25玉で交換し、ジュースBを30玉で交換し、タバコCを75玉で交換するように定められており、一方、玉2においては、菓子Aを100玉で交換し、ジュースBを120玉で交換し、タバコCを300玉で交換するように定められている。
制御部77は、景品管理装置70を全体制御する制御部であり、景品交換処理部77aと、貯玉処理部77bと、表示制御部77cとを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行し、景品交換処理部77a、貯玉処理部77b及び表示制御部77cにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
景品交換処理部77aは、交換玉数管理テーブル76aを用いて獲得玉と景品との交換を管理する処理部である。具体的には、計数レシートを用いた景品交換が行われる場合には、従業員によるバーコードリーダ82の読取操作を通じて計数レシートから獲得玉数及び貸出レートが読み取られ、遊技店の従業員により遊技客指定の景品に対応する交換ボタンが押下されるので、当該景品に関して計数レシートから読み取った貸出レートに合致する交換玉数を獲得玉数から減算し、また、会員カードを用いた景品交換が行われる場合には、カードリーダ81を介して会員カードから読み取られた会員IDの各貸出レートごとの貯玉残高を問合せ、当該会員IDの各貸出レートごとの貯玉残高を取得した後に、従業員用タッチパネル71を通じて引落し対象とする貯玉口座の貸出レートを選択する選択ボタン及び景品の交換指定を行う交換ボタンが押下されるので、当該景品に関して該当貸出レートに合致する交換玉数を貯玉残高から減算する。
貯玉処理部77bは、会員管理テーブルにて管理される貯玉残高の更新処理を行う処理部である。例えば、計数レシートを用いた貯玉を行う場合には、従業員によるカードリーダ81の読取操作を通じて会員カードから会員IDが読み取られるので、バーコードリーダ82によって計数レシートから読み取られた獲得玉数(計数値)及び貸出レートと当該会員IDを含む貯玉加算依頼を会員管理T/C10に対して行う。なお、この貯玉加算依頼を受け付けた会員管理T/C10は、当該貯玉加算依頼に含まれる会員ID及び貸出レートに該当する貯玉口座に当該計数値を加算し、加算完了通知を返信する。
表示制御部77cは、従業員用タッチパネル71及び遊技客用タッチパネル73の表示制御を行う処理部である。例えば、計数レシートの受付時には、計数レシートに対してバーコードリーダ82を用いて読み取られた獲得玉数を従業員用タッチパネル71及び遊技客用タッチパネル73に表示させたり、また、この計数レシートを用いた貯玉(レシート貯玉)が行われた時には、貯玉残高に加算した玉数、貯玉前後の貯玉残高を従業員用タッチパネル71及び遊技客用タッチパネル73に表示させたりする。
次に、本実施例1に係る景品管理装置70による景品交換処理について詳細に説明する。図10は、実施例1に係る景品管理装置70が実行する景品交換処理を示すフローチャートである。
図10に示すように、従業員によって遊技客が持ち込んだ計数レシートの読取操作が行われると(ステップS201)、バーコードリーダ82は、計数レシートのバーコードから獲得玉数及び貸出レート(以下、読取貸出レートと言う)を読み取り(ステップS202)、景品交換処理部77aは、交換玉数管理テーブル76a内の交換玉数の参照先を読取貸出レートに設定する(ステップS203)。
ここで、獲得玉に残数が存在し、かつ会員カードを受け入れていなければ(ステップS204肯定かつステップS205否定)、景品交換処理部77aは、貸出レートに対応した景品交換処理を行う(ステップS206)。具体的には、従業員用操作キー72を通じて景品の交換指定を行う交換ボタンが押下されると、交換玉数管理テーブル76b内の指定景品であって読取貸出レートに合致する交換玉数を獲得玉数から減算する。
その後、従業員用タッチパネル71又は遊技客用タッチパネル73に表示される交換終了ボタンの押下を受け付けるか、或いは獲得玉がなくなるまで(ステップS204肯定又はステップS207否定)、景品交換処理部77aは、会員カードを受け入れない限り(ステップS205否定)は読取貸出レートに対応した景品交換処理を繰り返し行う(ステップS206)。
一方、獲得玉に残数が存在し、かつ会員カードを受け入れていれば(ステップS204肯定かつステップS205肯定)、レシート貯玉もしくは景品交換の両方を実行可能となり、この時、従業員用タッチパネル71及び遊技客用タッチパネル73を介して貯玉加算要求(レシート貯玉要求)を受け付けたならば(ステップS208肯定)、貯玉処理部77bは、従業員によるカードリーダ81の読取操作を通じて会員カードから会員IDが読み取られているので、獲得玉数(計数値)、読取貸出レート及び会員IDを含む貯玉加算依頼を会員管理T/C10に対して行う(ステップS209)。なお、この貯玉加算依頼を受け付けた会員管理T/C10は、当該貯玉加算依頼に含まれる会員ID及び貸出レートに該当する貯玉口座に当該計数値を加算し、加算完了通知を返信する。
続いて、交換終了ボタンの押下を受け付けるか、獲得玉に残数がなくなるか、或いはレシート貯玉が行われると(ステップS204否定、ステップS207肯定又はステップS210終了後)、景品交換処理部77aは、交換された景品が存在する場合にのみ(ステップS211肯定)、交換日時、従業員名、総獲得玉数、交換景品及び交換玉数などの項目が印字された景品レシートを発行するようにレシート発行部75に要請し(ステップS212)、処理を終了する。
上述してきたように、本実施例1に係る計数機50によれば、同一種類の遊技媒体で異なる貸出レートごとに該貸出レート間で異なる計数レシートの態様種別を記憶しておき、複数の貸出レートのうち計数対象となるパチンコ玉の貸出レートを取得し、貸出レートごとに記憶した計数レシートの態様種別のうち、取得した貸出レートに対応した態様種別の計数レシートを発行させるように構成したので、貸出レートが異なる複数の遊技コーナーを設ける場合でも景品カウンタ等で業務する従業員に計数レシートの貸出レートを特定させることができ、景品交換やレシート貯玉等のサービスを行うことができる結果、導入が必要となる計数機の絶対数を低減させることができ、遊技店の設備投資費用を低減させることが可能である。
さらに、本実施例1に係る計数機50によれば、計数レシートに記録させる貸出レートの種別を態様種別管理テーブル58aに設定しておき、貸出レートの記録を区別して計数レシートを発行するように制御することで、計数レシートの読取操作を行うだけで景品交換を行う景品管理装置70に貸出レートを識別させることができ、景品交換やレシート貯玉等の事後処理を円滑に遂行させることが可能である。
ところで、上記した実施例1では、タッチパネル51を通じて獲得玉の貸出レートを遊技店の従業員に入力させて取得する場合を説明したが、他の手法を用いて獲得玉の貸出レートを取得することもできる。そこで、本実施例2では、既存の従業員カード(例えば、従業員用のICカード)に当該従業員が貸出レートを記憶しておき、該従業員カードから貸出レートを読み取ることによって獲得玉の貸出レートを取得する場合を示すこととする。
すなわち、遊技店にて行われる計数作業は、不正防止の観点から遊技客によって行われるのは好ましくなく、従業員だけに計数作業を行わせるために、従業員には店内機器に従業員を一意に特定させる従業員用記録媒体(以下、従業員カードと言う)を配布する遊技店も多い。この従業員カードには、認証情報(以下、従業員IDと言う)を予め記録させておき、該記録させた従業員IDと計数機に登録しておいた従業員IDとを突合する従業員認証を行い、これら両者の従業員IDが一致して始めて店内機器の操作を可能とするものである。
そこで、本実施例2に係る計数機90では、上記した実施例1のように、計数対象となる獲得玉の貸出レートを手入力させるのではなく、従業員カードから当該従業員が所属する遊技コーナーの貸出レートを読み取ることによって獲得玉の貸出レートを取得する点にその特徴がある。
本実施例2に係る計数機90では、図11に示すように、貸出レート間で異なる計数レシートの態様種別として、計数レシートの表示態様の種別や記録情報の種別を貸出レートごとに対応付けて態様種別管理テーブル58aに記憶させておく一方で、さらに、従業員が業務を担当する遊技コーナーの貸出レートを従業員カードに記憶させておき、遊技店の従業員によって従業員カードの読取操作(かざし操作)が行われると、この従業員カードから読み取った貸出レートを獲得玉の貸出レートとして取得する。
その後、本実施例2に係る計数機90は、上記した実施例1と同様に、計数機50内に受け入れた獲得玉を計数し、獲得玉の貸出レートが玉1である場合(4円コーナーの獲得玉である場合)には、たとえば計数レシートの印字内容を記す文字及び図形の表示色を赤色で印字して計数レシートを発行するように制御する一方で、獲得玉の貸出レートが玉2である場合(1円コーナーの獲得玉である場合)には、計数レシートの印字内容を記す文字及び図形の表示色を青色で印字して計数レシートを発行するように制御する。
このため、本実施例2に係る計数機90によれば、上記した実施例1に係る計数機50と同様に、貸出レートが異なる複数の遊技コーナーを設ける場合に、導入が必要となる計数機の絶対数を低減させることができ、遊技店の設備投資費用を低減させることが可能になるのに加え、計数対象となるパチンコ玉の貸出レートを入力させる入力操作をより簡易な操作(かざし操作)で入力させることが可能になる。
続いて、本実施例2に係る計数機90の構成について説明する。図12は、実施例2に係る計数機90の構成を示す機能ブロック図である。なお、ここでは、上記した実施例1に係る計数機50内の機能部と構成及び機能が同一である場合にはその説明を省略する。
図12に示すように、この計数機90は、従業員カードを利用することに伴って、従業員カードの記録情報(例えば、従業員IDや担当遊技コーナーの貸出レートなど)を読み取るICカードリーダ91を有する点と、従業員認証を行うために計数機90での計数作業を許可された従業員の従業員IDを記憶する従業員ID管理テーブル92aを記憶部92内に記憶する点と、実施例1に係る計数制御部53bの機能に加え、ICカードリーダ91によって読み取られた従業員IDと従業員ID管理テーブル92a内の従業員IDとを突合することにより従業員認証を行う計数制御部93bを制御部93内に内在する点とが実施例1に係る計数機50と相違する。
次に、本実施例2に係る計数機90による計数レシート発行処理について説明する。図13は、実施例2に係る計数機90が実行する計数レシート発行処理を示すフローチャートである。
図12に示すように、計数待機中である場合(ステップS301否定)には、従業員が所持する従業員カードがICカードリーダ91近傍にかざされると(ステップS301肯定)、貸出レート取得部53aは、ICカードリーダ91を通じて従業員カードから読み取られた従業員ID及び担当貸出レートを取得する(ステップS302)。
ここで、計数制御部93bは、ICカードリーダ91によって読み取られた従業員IDが従業員ID管理テーブル92a内に存在するか否かを確認し(ステップS303)、その結果、ICカードリーダ91の読取従業員IDが従業員ID管理テーブル92a内に存在する場合(ステップS303肯定)に、シャッタ機構55にシャッタを開放させ(ステップS102)、表示制御部59eは、貸出レート取得部53aによって取得された担当貸出レートをタッチパネル51の画面の一部に表示させる(ステップS103)。なお、ICカードリーダ91の読取従業員IDが従業員ID管理テーブル92a内に存在しない場合(ステップS303否定)には、従業員認証NGであるので、以降の処理を行わずに処理を終了する。
続いて、投入口から獲得玉が投入されると、計数制御部93bは、計数センサ55cから獲得玉の通過信号が出力されるので、所定時間(例えば、3秒)についてかかる通過信号が検出されなくなるまでカウントアップを継続することで獲得玉の計数を行い(ステップS104)、表示制御部59eは、タッチパネル51に獲得玉の数量(計数値)を表示させる(ステップS105)。なお、かかる計数中には、計数制御部93bによって計数センサ55cからの通過信号がカウントアップされる度にタッチパネル51に表示される獲得玉数の表示が更新される。
このとき、会員カードを受け入れていなければ(ステップS106否定)、表示制御部59eによって計数レシートの発行を要求するレシート発行ボタンのみがタッチパネル51に表示されるので、レシート発行ボタンの押下操作、すなわちレシート発行要求を受け付けると(ステップS107肯定)、発行制御部59cは、態様種別管理テーブル58a内のレコードのうち担当貸出レートに対応するレコードを参照して、計数レシートとして発行する紙媒体に遊技店の名称、発行日時、計数機番号及び計数値(獲得玉数)に併せて貸出レートを印字部57に印字させるとともに、この紙媒体に記載される文字を担当貸出レートの対応色で印字させ、さらに、バーコード情報に埋め込まれる計数情報のうち貸出レートについては担当貸出レートを埋め込んだバーコードを印字部57に印字させ、これらの印字制御が併せて行われた紙媒体を計数レシート(図6参照)として発行し(ステップS108)、処理を終了する。
また、会員カードを受け入れていれば(ステップS106肯定)、表示制御部59eによって計数レシートの発行を要求するレシート発行ボタン及び計数貯玉の要求を行う貯玉ボタンがタッチパネル51に表示され、これらレシート発行ボタン又は貯玉ボタンのいれずれかの押下操作を受け付ける発行・貯玉待機状態となる(ステップS107否定かつステップS109否定)。
この発行・貯玉待機状態で、タッチパネル51上の貯玉ボタンが押下操作されると(ステップS109肯定)、貯玉加算依頼部59dは、担当貸出レート、会員ID及び計数値を含む貯玉加算依頼を会員管理T/C10に対して行う(ステップS110)。なお、この貯玉加算依頼を受け付けた会員管理T/C10では、会員管理テーブルを用いて、当該貯玉加算依頼に含まれる会員ID及び担当貸出レートに該当する貯玉口座に当該計数値を加算し、加算完了通知を計数機50に返信する。
この加算完了通知を受け付けると、表示制御部59eは、貯玉残高に加算した玉数、貯玉前後の貯玉残高をタッチパネル51に表示させて加算完了報知を行い(ステップS11)、処理を終了する。
上述してきたように、本実施例2に係る計数機90によれば、従業員が業務を担当する遊技コーナーの貸出レートを従業員カードに記憶させておき、遊技店の従業員によって従業員カードの読取操作(かざし操作)が行われると、この従業員カードから読み取った貸出レートを獲得玉の貸出レートとして取得するように構成したので、計数対象となるパチンコ玉の貸出レートを入力させる入力操作をより簡易な操作(かざし操作)で入力させることが可能である。
さらに、本実施例2に係る計数機90によれば、既存の従業員カードを用いて計数対象となるパチンコ玉の貸出レートを入力させるので、貸出レートを記録させる記録媒体を新たに購入せずとも入力操作を簡素化することができ、遊技店の設備投資費用も低減させることが可能になる。
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では、本発明に含まれる他の実施例を説明する。
(1)貸出レートの取得
例えば、上記した実施例1では、計数対象となるパチンコ玉の貸出レートを入力させる際にタッチパネル51に入力させることとしたが、必ずしも入力デバイスに入力させる必要はなく、機械的なスイッチによって入力させるようにしてもかまわない。
また、上記した実施例2では、従業員が業務を担当する遊技コーナーの貸出レートを従業員カードに直接記録することとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、計数機90の従業員ID管理テーブル92a又は会員管理T/C10等の上位装置で従業員IDに対応付けて担当の貸出レートを記憶管理させ、従業員カードには従業員IDのみを記録させることで、従業員カードの記録情報を少データ化することができる。
さらに、従業員カードに担当の貸出レートを記録させつつ、計数機90の従業員ID管理テーブル92a又は上位装置にも従業員IDに対応付けて担当の貸出レートを記憶管理させておき、ICカードリーダ91の読取従業員IDと従業員ID管理テーブル92a内の登録従業員IDとの突合を行う従業員認証に加えて、ICカードリーダによって従業員カードから読み取られた担当貸出レートが、同時に読み取られた従業員IDと対応する従業員ID管理テーブル92a内の担当貸出レートと一致するか否かをさらに認証させるように計数機90又は上位装置を構成すれば、従業員カードに記録させる従業員ID及び貸出レートの双方が偽造されない限り、低貸出レート(玉2)の獲得玉が高貸出レート(玉1)の獲得玉と偽って計数させる不正行為を防止することができ、複数の貸出レートのパチンコ玉を計数する兼用の計数機で不正行為を厳重に防止することが可能になる。
また、本発明では、計数対象となるパチンコ玉の貸出レートを取得する手法として、上記した実施例1及び2以外の方法を用いることもできる。例えば、遊技客によって獲得されたパチンコ玉を貯留する貯留箱にICタグ等の記録媒体を内蔵(又は付設)し、さらに、ICタグ内蔵の貯留箱に当該貯留箱が所属する遊技コーナーの貸出レートを記憶させておき、遊技店の従業員によってICタグ内蔵の貯留箱の読取操作(かざし操作)が行われると、このICタグから読み取った貸出レートを獲得玉の貸出レートとして取得することで、実施例1及び2と同様、当該貸出レートに適合した態様種別の計数レシートを発行させることができる。
(2)態様種別
例えば、上記した実施例1及び2では、計数レシートに記載される文字色の種別を貸出レートごとに区別して発行することとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、視覚的に区別可能な計数レシートを発行すればよい。例えば、図14に示すように、獲得玉の貸出レートが玉1である場合には、計数レシートに表示させる背景の表示色を赤色に印字発行させ、また、獲得玉の貸出レートが玉2である場合には、計数レシートに表示させる背景の表示色を青色に印字発行させることで、実施例1及び2と同様、景品カウンタ等で業務する従業員は計数レシートを一見するだけで貸出レートを特定でき、景品交換やレシート貯玉等の事後処理を円滑に遂行させることが可能になる。
(3)その他
例えば、上記した実施例1及び2では、パチンコ玉を計数する計数機能と、計数レシートを発行するレシート発行機能との両方を計数機が有する例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら両者の機能をそれぞれ別体、すなわち計数機能を有する計数機と、計数レシート発行機能を有する計数レシート発行機として構成した計数レシート発行システムにも本発明を同様に適用することができる。
また、上記した実施例1及び2では、常時、4円コーナーの獲得玉及び1円コーナーの獲得玉の計数を兼務させる例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、所定の兼務許可条件を満たした場合にのみ両コーナーの計数を兼務させるようにしてもよい。例えば、17時から23時等の繁忙時間帯を記憶しておき、計時部によって計時された時刻が繁忙時間帯である場合にだけ両コーナーの計数を兼務させたり、会員管理T/C10やホールコンピュータ100等の上位装置から他の計数機の故障通知を受け付けた場合にだけ両コーナーの計数を兼務させたりする。
なお、上記した実施例1及び2では、計数レシートが紙媒体である例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、磁気カードやICカード等の他の記録媒体であっても本発明を同様に適用することができる。
また、上記した実施例1及び2では、玉1(4円/玉)及び玉2(1円/玉)の2つの貸出レートに対応した遊技コーナーを設けた場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、3つ以上の貸出レートに対応した遊技コーナー(例えば、4円コーナー、2円コーナー及び1円コーナー)を設ける場合にも同様に本発明を適用することができる。
また、上記した実施例1及び2では、本発明をパチンコ遊技に適用する例を説明したが、パチスロ遊技を対象としてさらに含めた場合又はパチスロ遊技のみを対象とした場合にも本発明を同様に適用することができる。なお、ここでは、パチンコ店及びパチスロ店に本発明を適用する例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ゲームセンタ等の遊技施設にも同様に適用することができる。
また、上記した実施例1及び2では、計数機50及び90が上位装置(会員管理T/C10)とパルス通信を行う例を説明したが、計数機50又は90が会員管理T/C10とシリアル通信で接続される場合であれば、計数結果(計数値、計数機番号等)を、貸出レート取得部によって取得された貸出レートと対応付けて送信するように計数制御部59b又は93bを構成してもよい。上位装置(会員管理T/C10)において、貸出レートに基づいて計数結果を集計すれば、貸出レート別(すなわちコーナー別)の計数結果を算出することができる。
また、本実施例において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。