JP2009027057A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Seiji Kumagai
誠二 熊谷
Yoshiyuki Kaneko
義之 金子
Katsuhiko Hotta
勝彦 堀田
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Abstract

【課題】サリサイド技術で形成した金属シリサイド層が断線するのを防止する。
【解決手段】半導体基板1にゲート絶縁膜4、ゲート電極5およびソース・ドレイン用のn型半導体領域8を形成する。それから、サリサイド技術によりゲート電極5およびn型半導体領域8上に金属シリサイド層13を形成する。そして、半導体基板1上に絶縁膜21を形成し、接合リーク低減のための熱処理を行ってから、絶縁膜22,23を形成する。絶縁膜21,22は半導体基板1に引張応力を生じさせる膜である。その後、絶縁膜21,22,23にコンタクトホール24を形成するが、この際、絶縁膜22,21をエッチングストッパとして用いて絶縁膜23をドライエッチングしてから、コンタクトホール24の底部で絶縁膜22,21をドライエッチングする。
【選択図】図22

Description

本発明は、半導体装置の製造方法に関し、特に、金属シリサイド層を有する半導体素子の製造に適用して有効な技術に関する。
半導体装置の高集積化が進むにつれて、電界効果トランジスタ(MISFET:Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)はスケーリング則に従い微細化されるが、ゲートやソース・ドレインの抵抗が増大して電界効果トランジスタを微細化しても高速動作が得られないという問題が生ずる。そこで、ゲートを構成する導電膜およびソース・ドレインを構成する半導体領域の表面に自己整合により低抵抗の金属シリサイド層、例えばコバルトシリサイド層などを形成することにより、ゲートやソース・ドレインを低抵抗化するサリサイド技術が検討されている。
特開2006−324278号公報(特許文献1)には、基板上にNチャネルMIS型トランジスタとPチャネルMIS型トランジスタとを形成した後、PチャネルMIS型トランジスタを被覆する圧縮応力を有する第1層間膜を形成し、第1層間膜およびNチャネルMIS型トランジスタ上を覆うように引張応力を有する第2層間膜を形成し、第1層間膜上の第2層間膜の引張応力を緩和する技術が記載されている。
特開平8−203894号公報(特許文献2)には、半導体素子部を形成した基体の段差を有する表面上に層間絶縁膜あるいは最終保護膜を形成するに際し、前記保護膜として、シラン系化合物と窒素または窒素化合物とを原料とするプラズマCVD法によりSiN膜を形成し、その後、形成したSiN膜に紫外線照射処理を施す技術が記載されている。
国際公開WO2002/043151号パンフレット(特許文献3)には、nチャネル導電型電界効果トランジスタ及びpチャネル導電型電界効果トランジスタを形成した後、nチャネル導電型電界効果トランジスタのチャネル形成領域に引っ張り応力を発生させる膜、及びpチャネル導電型電界効果トランジスタのチャネル形成領域に圧縮応力を発生させる膜を形成する技術が記載されている。
特開2006−253375号公報(特許文献4)には、能動素子が形成されるウエルの電位をそれぞれ供給するタップと、ウエルと逆導電型のソース拡散領域を基板表面に備えたセルを入力し、セルのタップをソース拡散領域と同一導電型に変換してソース領域とし、セルのウエル電位を任意電位に設定自在とする技術が記載されている。
特開2006−324278号公報 特開平8−203894号公報 国際公開WO2002/043151号パンフレット 特開2006−253375号公報
本発明者の検討によれば、次のことが分かった。
金属シリサイド層を形成した後、ゲート電極を覆うように、窒化シリコン膜を形成してから、その窒化シリコン膜上に厚い酸化シリコンの層間絶縁膜を形成し、この層間絶縁膜にコンタクトホールを開口する。コンタクトホールを開口する際には、まず窒化シリコン膜をエッチングストッパとして機能させて層間絶縁膜をドライエッチングしてから、コンタクトホールの底部で窒化シリコン膜をドライエッチングする。コンタクトホール形成後、コンタクトホール内にプラグを埋め込む。
金属シリサイド層の形成後、接合リーク改善のために高温の熱処理を行うことが好ましいが、金属シリサイド層の表面が露出している状態で、そのような高温の熱処理を行うと、金属シリサイド層中の金属元素(例えばCo)が凝集してしまう可能性がある。このため、窒化シリコン膜の成膜後に、接合リーク低減のための熱処理を行う。
しかしながら、本発明者の検討によれば、金属シリサイド層13を覆う絶縁膜(窒化シリコン膜)が作用させる応力に起因して、この熱処理の際に、金属シリサイド層が異常拡散して、金属シリサイド層に部分的な断線が生じる可能性があることが分かった。金属シリサイド層の断線が特に生じやすいのは、n型半導体領域とp型半導体領域とが隣接し、両者上に連続的に金属シリサイド層が形成されている部分であり、n型半導体領域とp型半導体領域との界面上で金属シリサイド層が断線しやすい。半導体装置の性能や信頼性の更なる向上を図るには、このような金属シリサイド層の断線を防止することが望まれる。
本発明の目的は、半導体装置の性能を向上させることができる技術を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
本発明は、半導体基板に半導体領域を形成し、前記半導体領域上にサリサイドプロセスにより金属シリサイド層を形成し、前記金属シリサイド層上を含む前記半導体基板上に第1絶縁膜を形成し、熱処理を行ってから、前記第1絶縁膜上に第2絶縁膜を形成すし、前記第2絶縁膜上に第3絶縁膜を形成する。そして、前記第1、第2および第3絶縁膜に開口部を形成するが、その際、前記第2および第1絶縁膜をエッチングストッパとして用いて前記第3絶縁膜をエッチングしてから、前記開口部の底部で前記第2および第1絶縁膜をエッチングするものである。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
半導体装置の性能を向上させることができる。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
また、実施の形態で用いる図面においては、断面図であっても図面を見易くするためにハッチングを省略する場合もある。また、平面図であっても図面を見易くするためにハッチングを付す場合もある。
(実施の形態1)
本実施の形態の半導体装置の製造工程を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施の形態である半導体装置、例えばMISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)を有する半導体装置の製造工程の一部を示す製造プロセスフロー図である。図2〜図28は、本実施の形態の半導体装置の製造工程中の要部断面図または要部平面図である。なお、図1は、図6〜図8の構造が得られた後、図25および図26の構造が得られるまでの製造プロセスフローが示されている。また、図2〜図28のうち、図2、図6、図11および図24は、同じ領域の異なる工程段階の要部平面図が示されており、平面図ではあるが図面を見易くするために、図2では、素子分離領域2およびp型ウエル3にハッチングを付しかつゲート電極5形成予定領域を点線で示し、図6では、n型半導体領域8およびp型半導体領域9にハッチングを付し、図11では、金属シリサイド層13にハッチングを付してある。また、図2〜図28のうち、図3、図5、図7、図9、図12、図14、図16、図18、図20、図22、図25および図27は要部断面図であり、同じ領域(図2、図6、図11および図24でA−A線で示される位置の断面)の異なる工程段階が示されている。また、図2〜図28のうち、図4、図8、図10、図13、図15、図17、図19、図21、図23、図26および図28は要部断面図であり、同じ領域(図2、図6、図11および図24でB−B線で示される位置の断面)の異なる工程段階が示されている。図2〜図4は同じ工程段階に対応し、図6〜図8は同じ工程段階に対応し、図9と図10とは同じ工程段階に対応し、図11〜図13は同じ工程段階に対応し、図14と図15とは同じ工程段階に対応し、図16と図17とは同じ工程段階に対応し、図18と図19とは同じ工程段階に対応し、図20と図21とは同じ工程段階に対応し、図22と図23とは同じ工程段階に対応する。また、図25と図26とは同じ工程段階に対応し、図27と図28とは同じ工程段階に対応する。
まず、図2〜図4に示されるように、例えば1〜10Ωcm程度の比抵抗を有するp型の単結晶シリコンなどからなる半導体基板(半導体ウエハ)1を準備する。それから、半導体基板1の主面に素子分離領域2を形成する。素子分離領域2は酸化シリコンなどの絶縁体からなり、例えばSTI(Shallow Trench Isolation)法またはLOCOS(Local Oxidization of Silicon )法などにより形成される。例えば、半導体基板1に形成された溝(素子分離溝)2aに埋め込まれた絶縁膜により、素子分離領域2を形成することができる。
次に、半導体基板1の主面から所定の深さに渡ってp型ウエル3を形成する。p型ウエル3は、半導体基板1に例えばホウ素(B)などのp型の不純物をイオン注入することなどによって形成することができる。
次に、図5に示されるように、例えばフッ酸(HF)水溶液を用いたウェットエッチングなどにより半導体基板1の表面を清浄化(洗浄)した後、半導体基板1の表面(すなわちp型ウエル3の表面)上にゲート絶縁膜4を形成する。ゲート絶縁膜4は、例えば薄い酸化シリコン膜などからなり、例えば熱酸化法などによって形成することができる。
次に、半導体基板1上(すなわちp型ウエル3のゲート絶縁膜4上)に、ゲート電極形成用の導体膜(例えばドープトポリシリコン膜)を形成し、この導体膜をフォトリソグラフィ法およびドライエッチング法を用いてパターニングすることにより、ゲート電極5を形成する。ゲート電極5は、例えばリン(P)またはヒ素(As)などのn型の不純物を導入した多結晶シリコン膜(ドープトポリシリコン膜、n型半導体膜)などからなり、p型ウエル3上にゲート絶縁膜4を介して形成される。すなわち、ゲート電極5は、p型ウエル3のゲート絶縁膜4上に形成される。
次に、図6〜図8に示されるように、半導体基板1のp型ウエル3のゲート電極5の両側の領域にリン(P)またはヒ素(As)などのn型の不純物をイオン注入することにより、n型半導体領域6を形成する。
次に、ゲート電極5の側壁上に、絶縁膜として、例えば酸化シリコンまたは窒化シリコンあるいはそれら絶縁膜の積層膜などからなるサイドウォール(側壁絶縁膜、側壁スペーサ)7を形成する。サイドウォール7は、例えば、半導体基板1上に酸化シリコン膜または窒化シリコン膜あるいはそれらの積層膜を堆積し、この酸化シリコン膜または窒化シリコン膜あるいはそれらの積層膜をRIE(Reactive Ion Etching)法などにより異方性エッチングすることによって形成することができる。
サイドウォール7の形成後、ソース・ドレイン用(ソースまたはドレイン用)のn型半導体領域8(第1半導体領域)を、例えば、半導体基板1のp型ウエル3のゲート電極5およびサイドウォール7の両側の領域にリン(P)またはヒ素(As)などのn型の不純物をイオン注入することにより形成する。また、p型半導体領域9(第2半導体領域)を、例えば、半導体基板1のp型ウエル3の一部にホウ素(B)などのp型の不純物をイオン注入することにより形成する。n型半導体領域8を先に形成しても、あるいはp型半導体領域9を先に形成してもよい。
型半導体領域8形成用のイオン注入の際には、フォトレジストパターンをイオン注入阻止マスクとして用いて、p型半導体領域9形成予定領域にn型の不純物が導入されないようにする。また、p型半導体領域9形成用のイオン注入の際には、フォトレジストパターンをイオン注入阻止マスクとして用いて、n型半導体領域8形成予定領域にp型の不純物が導入されないようにする。イオン注入後、導入した不純物の活性化のためのアニール処理を行うこともできる。
また、p型半導体領域9は、図示しないpチャネル型MISFETのソース・ドレイン用のp型半導体領域を形成するためのイオン注入工程と同じ工程で形成することもでき、これにより、半導体装置の製造工程数を低減できる。
型半導体領域8は、n型半導体領域6よりも不純物濃度が高い。また、n型半導体領域8の接合深さは、n型半導体領域6の接合深さよりも深い。ここで、n型半導体領域8およびn型半導体領域6の接合深さとは、半導体基板1の表面からその導電型がp型に変わるまでの距離(半導体基板1の主面に対して垂直な方向の距離)をいう。
nチャネル型MISFETのソースまたはドレインとして機能するn型の半導体領域(不純物拡散層)が、n型半導体領域(不純物拡散層)8およびn型半導体領域6により形成される。従って、nチャネル型MISFETのソース・ドレイン領域は、LDD(Lightly doped Drain)構造を有している。n型半導体領域6は、ゲート電極5に対して自己整合的に形成され、n型半導体領域8は、ゲート電極5の側壁上に形成されたサイドウォール7に対して自己整合的に形成される。また、p型半導体領域9(第2半導体領域)は、n型半導体領域8のうちのn型半導体領域8a(第1半導体領域)と、部分的に隣接するように形成される。
このようにして、p型ウエル3にnチャネル型MISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)が形成される。なお、n型半導体領域8は、nチャネル型MISFETのソースまたはドレイン用の半導体領域とみなすことができる。
次に、サリサイド(Salicide:Self Aligned Silicide)技術により、nチャネル型MISFETのゲート電極5およびソース・ドレイン領域(ここではn型半導体領域8)の表面と、p型半導体領域9の表面とに、低抵抗の金属シリサイド層(後述の金属シリサイド層13に対応)を形成する。以下に、この金属シリサイド層の形成工程について説明する。
上記のようにして図6〜図8の構造が得られた後、例えばドライクリーニングなどにより自然酸化膜を除去してゲート電極5、n型半導体領域8およびp型半導体領域9の表面を露出させてから、図9および図10に示されるように、ゲート電極5、n型半導体領域8およびp型半導体領域9上を含む半導体基板1の主面(全面)上に金属膜11を形成(堆積)する(ステップS1)。金属膜11は、例えばスパッタリング法などを用いて形成することができる。金属膜11は、例えばコバルト(Co)膜からなり、その厚さ(堆積膜厚)は、例えば6〜15nm程度とすることができる。
金属膜11を形成した後、半導体基板1に第1の熱処理(アニール処理)を施す(ステップS2)。
ステップS2の第1の熱処理は、不活性ガス(例えばアルゴン(Ar)ガスまたはヘリウム(He)ガス)または窒素(N)ガス雰囲気中で行うことが好ましい。また、金属膜11がコバルト(Co)膜の場合には、ステップS2の第1の熱処理の熱処理温度は、400〜500℃の範囲内であれば、より好ましい。例えば、不活性ガスまたは窒素ガス雰囲気中で半導体基板1にRTA(Rapid Thermal Anneal)法を用いて温度450℃程度の熱処理を90秒程度施すことにより、第1の熱処理を行うことができる。
ステップS2の第1の熱処理により、ゲート電極5、n型半導体領域8およびp型半導体領域9と金属膜11とを反応させて、図11〜図13に示されるように、ゲート電極5、n型半導体領域8およびp型半導体領域9上に金属シリサイド層13を形成する。すなわち、ステップS2の第1の熱処理により、ゲート電極5を構成する多結晶シリコン膜と金属膜11、および、n型半導体領域8およびp型半導体領域9を構成する単結晶シリコンと金属膜11を選択的に反応させて、金属・半導体反応層である金属シリサイド層13を形成する。ゲート電極5、n型半導体領域8およびp型半導体領域9の各上部(上層部)と金属膜11とが反応することにより金属シリサイド層13が形成されるので、金属シリサイド層13は、ゲート電極5、n型半導体領域8およびp型半導体領域9の各表面(上層部)に形成される。金属膜11がコバルト(Co)膜の場合には、第1の熱処理により、コバルトシリサイドからなる金属シリサイド層13が形成される。
次に、ウェット洗浄処理を行うことにより、未反応の金属膜11(すなわちゲート電極5、n型半導体領域8またはp型半導体領域9と反応しなかった金属膜11)を除去する(ステップS3)。この際、ゲート電極5、n型半導体領域8およびp型半導体領域9の表面上に金属シリサイド層13を残存させる。未反応の金属膜11を除去するためのウェット洗浄処理は、例えば、硫酸を用いたウェット洗浄、または硫酸と過酸化水素水とを用いたウェット洗浄などにより行うことができる。なお、図11〜図13には、未反応の金属膜11が除去された状態が示されている。
また、上記のように、p型半導体領域9と、n型半導体領域8のうちのn型半導体領域8aとは、一部が隣接しているので、n型半導体領域8aとp型半導体領域9とが隣接する領域で、n型半導体領域8a上からp型半導体領域9上にかけて金属シリサイド層13が連続的に形成される。
ステップS3で未反応の金属膜11を除去した後、半導体基板1に第2の熱処理(アニール処理)を施す(ステップS4)。このステップS4の第2の熱処理は、ステップS2の第1の熱処理の熱処理温度よりも高い熱処理温度で行う。ステップS2の第1の熱処理よりも熱処理温度が高い第2の熱処理をステップS4で行うことにより、金属シリサイド層13を低抵抗化して安定化させることができる。
ステップS4の第2の熱処理は、不活性ガス(例えばアルゴン(Ar)ガスまたはヘリウム(He)ガス)または窒素(N)ガス雰囲気中で行うことが好ましい。また、金属膜11がコバルト(Co)膜であった場合には、ステップS4の第2の熱処理の熱処理温度は、650〜750℃の範囲内であれば、より好ましい。例えば、不活性ガスまたは窒素ガス雰囲気中で半導体基板1にRTA(Rapid Thermal Anneal)法を用いて温度740℃程度の熱処理を30秒程度施すことにより、ステップS4の第2の熱処理を行うことができる。
金属膜11がコバルト(Co)膜であった場合には、金属シリサイド層13はコバルトシリサイド層であるが、コバルトシリサイドは、CoSi相およびCoSi相よりもCoSi相の方が低抵抗率であるため、最終的にはCoSi相にする必要がある。
金属膜11がコバルト(Co)膜の場合、ステップS2の第1の熱処理だけでは、金属シリサイド層13は安定なCoSi(コバルトダイシリサイド)にはなっておらず、CoSiまたはCoSiが主成分となっており、抵抗率が高い状態であるが、ステップS4の第2の熱処理を行うことで、金属シリサイド層13をCoSiが主成分の層とし、金属シリサイド層13を安定した低抵抗率のCoSi相とすることができる。すなわち、金属膜11が形成されている状態で行う第1の熱処理だけで金属シリサイド層13をCoSi相にしようと第1の熱処理の熱処理温度を高くすると、ゲート電極5、n型半導体領域8およびp型半導体領域9と金属膜11とが過剰に反応してしまい、ゲート電極5上に形成された金属シリサイド層13とn型半導体領域8上に形成された金属シリサイド層13とが繋がってショートしてしまう可能性がある。このため、ステップS2の第1の熱処理で一旦CoSi相、CoSi相又はそれらの混合相のコバルトシリサイド層(金属シリサイド層13)を形成し、このコバルトシリサイド層(金属シリサイド層13)を、未反応の金属膜11を除去した後のステップS4の第2の熱処理によってゲート電極5、n型半導体領域8及びp型半導体領域9のシリコン(Si)と更に反応させて、CoSi相に変化させる。従って、第2の熱処理の熱処理温度は、第1の熱処理の熱処理温度よりも高くする必要がある。これにより、CoSi相およびCoSi相より安定で低抵抗率のCoSi相からなるコバルトシリサイド層(金属シリサイド層13)をゲート電極5、n型半導体領域8およびp型半導体領域9の表面上に形成することができる。
ステップS1〜S4により、nチャネル型MISFETのゲート電極5およびソース・ドレイン領域(n型半導体領域8)の表面(上層部)と、p型半導体領域9の表面(上層部)とに、安定な金属シリサイド層13が形成される。また、金属膜11の膜厚によるが、金属膜11の膜厚が例えば8nm程度の場合、金属シリサイド層13の膜厚は、例えば20nm程度である。
次に、図14および図15に示されるように、半導体基板1の主面上に絶縁膜21を形成する。すなわち、ゲート電極5を覆うように、金属シリサイド層13上を含む半導体基板1上に絶縁膜21を形成する(ステップS5)。絶縁膜21は例えば窒化シリコン膜からなり、プラズマCVD法などにより形成することができる。
次に、半導体基板1に第3の熱処理(アニール処理)を施す(ステップS6)。このステップS6の第3の熱処理は、ステップS4の第2の熱処理の熱処理温度よりも高い熱処理温度で行う。
ステップS6の第3の熱処理は、不活性ガス(例えばアルゴン(Ar)ガスまたはヘリウム(He)ガス)または窒素(N)ガス雰囲気中で行うことが好ましい。また、金属膜11がコバルト(Co)膜であった場合には、ステップS6の第3の熱処理の熱処理温度は、700〜850℃の範囲内であれば、より好ましい。例えば、不活性ガスまたは窒素ガス雰囲気中で半導体基板1にRTA(Rapid Thermal Anneal)法を用いて温度825℃程度の熱処理を60秒程度施すことにより、第3の熱処理を行うことができる。
本実施の形態とは異なり、ステップS6の第3の熱処理を行わなかった場合には、金属シリサイド層13から、n型半導体領域8およびp型半導体領域9中に点在する格子欠陥(結晶欠陥)を通して、金属元素(金属シリサイド層13がコバルトシリサイド層の場合はコバルト)が局所的に拡散し、n型半導体領域8とp型ウエル3との間の接合破壊が生じる(接合リークが増大する)可能性がある。
それに対して、本実施の形態のように、ステップS4の第2の熱処理よりも熱処理温度が高い第3の熱処理をステップS6で行うことにより、n型半導体領域8およびp型半導体領域9に点在する格子欠陥(結晶欠陥)が回復する。このため、金属シリサイド層13(金属膜11がCo膜であった場合はコバルトシリサイド層)から、n型半導体領域8およびp型半導体領域9中の格子欠陥を通して、金属元素(金属シリサイド層13がコバルトシリサイド層の場合はコバルト)が局所的に拡散するのを抑制または防止できる。これにより、金属シリサイド層13(コバルトシリサイド層)から格子欠陥を通して局所的に拡散した金属元素(コバルト(スパイク))に起因するn型半導体領域8とp型ウエル3との間の接合破壊を抑制または防止することができ、接合リークを低減することができる。従って、半導体装置の性能を向上させることができる。また、半導体装置の信頼性を向上させることができる。
ステップS6の第3の熱処理の後、図16および図17に示されるように、絶縁膜21上に絶縁膜22を形成(堆積)する(ステップS7)。絶縁膜22は例えば窒化シリコン膜からなり、プラズマCVD法などにより形成することができる。
次に、図18および図19に示されるように、絶縁膜22上に絶縁膜23を形成する(ステップS8)。絶縁膜23は層間絶縁膜として機能する。絶縁膜23は、例えばO−TEOS酸化膜またはプラズマTEOS酸化膜のような酸化シリコン膜などにより形成することができる。絶縁膜23を、複数(例えば2つ)の絶縁膜の積層膜とすることもできる。絶縁膜23の堆積(形成)後、絶縁膜23の表面(上面)をCMP法により研磨するなどして、絶縁膜23の上面を平坦化する。
次に、図20および図21に示されるように、絶縁膜23上にフォトレジストパターン(レジストパターン)RP1を形成する。それから、フォトレジストパターンRP1をエッチングマスクとして用いて、絶縁膜23,22,21をドライエッチング(エッチング)することにより、絶縁膜21,22,23に、絶縁膜21,22,23を貫通するコンタクトホール(開口部、貫通孔、孔)24を形成する(ステップS9)。このステップS9のコンタクトホール24形成工程は、以下の2段階のエッチング(すなわち以下のステップS9a,S9b)により行う。
まず、図20および図21に示されるように、絶縁膜21,22に比較して絶縁膜23がエッチングされやすい条件(すなわち絶縁膜23のエッチング速度が絶縁膜22,21のエッチング速度よりも大きくなるエッチング条件)で絶縁膜23のドライエッチング(エッチング)を行い、絶縁膜22,21(の積層膜)をエッチングストッパ膜として機能させることで、絶縁膜23にコンタクトホール24を形成する(ステップS9a)。ステップS9aの段階では、コンタクトホール24は、絶縁膜23を貫通するが絶縁膜22,21の積層膜は貫通せず、絶縁膜22,21の積層膜でエッチングを停止させ、コンタクトホール24の底部で、絶縁膜22,21の積層膜の少なくとも一部が残存するようにする。
それから、図22および図23に示されるように、絶縁膜23に比較して絶縁膜22,21がエッチングされやすい条件(すなわち絶縁膜22,21のエッチング速度が絶縁膜23のエッチング速度よりも大きくなるエッチング条件)で、コンタクトホール24の底部の絶縁膜22,21をドライエッチング(エッチング)して除去する(ステップS9b)。このステップS9bによって、コンタクトホール24の底部で絶縁膜22,21の積層膜が完全に除去され、コンタクトホール24は絶縁膜23,22,21を貫通し、コンタクトホール24の底部で金属シリサイド層13が露出される。
このように、本実施の形態では、コンタクトホール24を形成する際に、まずステップS9aで、絶縁膜22,21をエッチングストッパとして用いて絶縁膜23をエッチングして絶縁膜23にコンタクトホール24(開口部)を形成し、ステップS9aとエッチング条件を変えたステップS9bで、コンタクトホール24(開口部)の底部で絶縁膜22,21(ステップS9aで除去されなかった絶縁膜22,21)をエッチングする。ステップS9aとステップS9bとは、同じエッチング装置を用いて、エッチングガスの種類や流量などを変えることにより、連続的に行うことができる。絶縁膜22,21は、ステップS9aの絶縁膜23のエッチング時のエッチングストッパ膜であるが、SAC(Self Align Contact)用の絶縁膜とみなすこともできる。
図24は、上記図6または図11にコンタクトホール24の形成位置を追加した要部平面図に対応する。コンタクトホール24は、n型半導体領域8およびp型半導体領域9の上部に形成され、図24に示されない領域で、ゲート電極5の上部にも形成される。ステップS9(すなわちステップS9a,S9b)により形成されたコンタクトホール24の底部では、半導体基板1の主面の一部、例えばn型半導体領域8の表面上の金属シリサイド層13の一部、p型半導体領域9の表面上の金属シリサイド層13の一部、あるいはゲート電極5の表面上の金属シリサイド層13の一部などが露出される。
コンタクトホール24を形成した後、図25および図26に示されるように、コンタクトホール24内に、タングステン(W)などの導電体からなるプラグ(導体部、接続用導体部)26を形成する(ステップS10)。プラグ26を形成するには、例えば、コンタクトホール24の内部(底部および側壁上)を含む絶縁膜23上にバリア導体膜25a(例えば窒化チタン膜またはチタン膜と窒化チタン膜との積層膜)を形成する。それから、タングステン膜などからなる主導体膜25bをCVD法などによってバリア導体膜25a上にコンタクトホール24を埋めるように形成し、絶縁膜23上の不要な主導体膜25bおよびバリア導体膜25aをCMP法またはエッチバック法などによって除去することにより、プラグ26を形成することができる。プラグ26は、コンタクトホール24内を埋める導体部(接続用導体部)である。ゲート電極5、n型半導体領域8またはp型半導体領域9上に形成されたプラグ26は、その底部でゲート電極5、n型半導体領域8またはp型半導体領域9の表面上の金属シリサイド層13と接して、電気的に接続される。
次に、図27および図28に示されるように、プラグ26が埋め込まれた絶縁膜23上に、第1層配線として例えばタングステンなどからなる配線27を形成する。配線27は、絶縁膜23上にタングステン膜などの導体膜を形成し、この導体膜をフォトリソグラフィ法およびドライエッチング法によってパターン化することにより形成することができる。配線27は、プラグ26を介して、ゲート電極5、n型半導体領域8またはp型半導体領域9などと電気的に接続されている。配線27は、タングステンに限定されず種々変更可能であり、例えばアルミニウム(Al)またはアルミニウム合金などの単体膜あるいはこれらの単体膜の上下層の少なくとも一方にチタン(Ti)や窒化チタン(TiN)などのような金属膜を形成した積層金属膜により形成しても良い。また、配線27をダマシン法により形成した埋込配線(例えば埋込銅配線)とすることもできる。
次に、絶縁膜23上に、配線27を覆うように、絶縁膜28が形成される。その後、コンタクトホール24と同様にして、絶縁膜28に配線27の一部を露出するビアまたはスルーホールが形成され、プラグ26や配線27と同様にして、スルーホールを埋めるプラグや、プラグを介して配線27に電気的に接続する第2層配線が形成されるが、ここでは図示およびその説明は省略する。第2層配線以降はダマシン法により形成した埋込配線(例えば埋込銅配線)とすることもできる。
次に、本実施の形態の効果について、より詳細に説明する。
図29は、比較例の半導体装置の製造工程を示すプロセスフロー図である。図30〜図34は、比較例の半導体装置の製造工程中の要部断面図であり、本実施の形態の図3、図5、図7、図9、図12、図14、図16、図18、図20、図22、図25および図27に対応する領域が示されている。
比較例の半導体装置を製造工程では、上記図11〜図13に相当する構造が得られた後、図30に示されるように、ゲート電極5を覆うように、金属シリサイド層13上を含む半導体基板1上に、窒化シリコン膜からなる絶縁膜121をプラズマCVD法により形成する(ステップS105)。それから、半導体基板1に熱処理(アニール処理)を施す(ステップS106)。このステップS106の熱処理は、本実施の形態のステップS6の第3の熱処理に対応するものであり、接合リークを低減させることができる。
次に、図31に示されるように、絶縁膜121上に、層間絶縁膜として絶縁膜123を形成する(ステップS108)。絶縁膜123は、本実施の形態の絶縁膜23に対応するものであり、例えばO−TEOS酸化膜またはプラズマTEOS酸化膜のような酸化シリコン膜などにより形成することができる。絶縁膜123の堆積後、絶縁膜123の表面をCMP法により研磨するなどして、絶縁膜123の上面を平坦化する。
次に、図32に示されるように、絶縁膜123上にフォトレジストパターンRP101を形成する。それから、フォトレジストパターンRP101をエッチングマスクとして用いて、絶縁膜123,121をドライエッチングすることにより、絶縁膜121,123にコンタクトホール124を形成する(ステップS109)。
このステップS109のコンタクトホール形成工程では、図32に示されるように、まず絶縁膜121に比較して絶縁膜123がエッチングされやすい条件で絶縁膜123のドライエッチングを行い、絶縁膜121をエッチングストッパ膜として機能させることで、絶縁膜123にコンタクトホール124を形成する(ステップS109a)。それから、図33に示されるように、絶縁膜123に比較して絶縁膜121がエッチングされやすい条件でコンタクトホール124の底部の絶縁膜121をドライエッチングして除去する(ステップS109b)。ステップS109(すなわちステップS109a,S109b)により形成されたコンタクトホール124の底部では、半導体基板1の主面の一部、例えばn型半導体領域8およびp型半導体領域9の表面上の金属シリサイド層13の一部、やゲート電極5の表面上の金属シリサイド層13の一部などが露出される。
その後、比較例の半導体装置の製造工程でも、本実施の形態のプラグ26、配線27および絶縁膜28と同様にして、図34に示されるように、コンタクトホール124内を埋めるプラグ126、配線127および絶縁膜128を形成して、比較例の半導体装置が製造される。
本実施の形態の半導体装置の製造工程および比較例の半導体装置の製造工程において、ステップS6の第3の熱処理およびS106の熱処理を行うことで、接合リークを低減できる。このステップS6の第3の熱処理およびS106の熱処理は、サリサイド工程の熱処理(本実施の形態のステップS2の第1の熱処理およびステップS4の第2の熱処理)
よりも高温の熱処理である。もし、金属シリサイド層13が膜で覆われていない状態(金属シリサイド層13の上面が露出された状態)でステップS6の第3の熱処理やステップS106の熱処理のような高温の熱処理を行うと、金属シリサイド層13中の金属元素(金属膜11がコバルト膜であった場合はCo)が凝集しやすく、金属シリサイド層13が部分的に断線したような状態になる可能性がある。このため、ステップS106の熱処理やステップS6の第3の熱処理は、金属シリサイド層13が絶縁膜(比較例では絶縁膜121、本実施の形態では絶縁膜21)で覆われた状態で行い、それによって、ステップS106の熱処理やステップS6の第3の熱処理の際に、金属シリサイド層13中の金属元素(金属膜11がコバルト膜であった場合はCo)が凝集するのを防止する。
しかしながら、本発明者の検討によれば、金属シリサイド層13を覆う絶縁膜が作用させる応力に起因して、ステップS106の熱処理の際に、金属シリサイド層13に断線が生じる可能性があることが分かった。
図35は、比較例の半導体装置の製造工程に従って製造した半導体装置の要部断面図である。図35には、上記図28の領域30に対応する領域の部分拡大図が示されている。
絶縁膜121を半導体基板1に引張応力を生じさせる膜にすると、nチャネル型MISFETは、移動度が向上して駆動電流が増加するので、スイッチング特性が向上する。しかしながら、絶縁膜121が半導体基板1に引張応力を生じさせる膜であると、この引張応力に起因して、熱処理中に金属シリサイド層13が部分的に異常拡散するなどして、金属シリサイド層13に断線が生じる可能性がある。図35には、金属シリサイド層13の断線部131が模式的に示されている。金属シリサイド層13の断線が特に生じやすいのは、n型半導体領域(n型不純物が導入または拡散されたシリコン半導体領域)とp型半導体領域(p型不純物が導入または拡散されたシリコン半導体領域)とが隣接し、両者上に連続的に金属シリサイド層13が形成されている部分(すなわち上記図11で点線で囲まれた領域31に相当する領域)であり、その原因は、次のように考えられる。
不純物が導入された半導体領域上に形成された金属シリサイド層13においては、下地の半導体領域中に含まれていた不純物が金属シリサイド層13中にも拡散する。このため、n型半導体領域(例えばn型半導体領域8)上の金属シリサイド層13中には、P(リン)またはAs(ヒ素)のようなn型の不純物が拡散しており、p型半導体領域(例えばp型半導体領域9)上の金属シリサイド層13中には、B(ホウ素)のようなp型の不純物が拡散している。P(リン)またはAs(ヒ素)のようなn型の不純物よりもB(ホウ素)のようなp型の不純物の方が、原子半径は小さい。原子半径の大きいn型の不純物(PまたはAs)を取り込んだ金属シリサイド層13(すなわちn型半導体領域上の金属シリサイド層13)よりも、原子半径の小さいp型の不純物(B)を取り込んだ金属シリサイド層13(すなわちp型半導体領域上の金属シリサイド層13)の方が、拡散または移動し易い状態(応力により移動され易い状態)となっている。
このような状態で、半導体基板1に引張応力を生じさせる絶縁膜121を形成しかつステップS106の高温の熱処理を行うと、n型の不純物を取り込んでいる金属シリサイド層13(すなわちn型半導体領域上の金属シリサイド層13)よりも、p型の不純物を取り込んでいる金属シリサイド層13(すなわちp型半導体領域上の金属シリサイド層13)の方が、熱処理時に絶縁膜121の引張応力に起因して大きく拡散または移動する。すなわち、ステップS106の熱処理の際に、絶縁膜121の引張応力が作用してもn型半導体領域上の金属シリサイド層13はそれ程移動(拡散)しないのに対して、p型半導体領域上の金属シリサイド層13は、絶縁膜121の引張応力によって、大きく移動(収縮、拡散)してしまう。このため、ステップS106の熱処理前には、p型半導体領域上とn型半導体領域上とに連続的に金属シリサイド層13が形成されていたとしても、ステップS106の熱処理で、p型半導体領域とn型半導体領域との界面上で金属シリサイド層13が引きちぎられたような状態となり、p型半導体領域上の金属シリサイド層13とn型半導体領域上の金属シリサイド層13との間が断線してしまう。
このような金属シリサイド層13の断線を防止するには、絶縁膜121の膜厚を薄くして絶縁膜121が作用させる引張応力を小さくすることが有効であるが、絶縁膜121を薄くすると、コンタクトホール124を形成する際に、絶縁膜121がエッチングストッパ膜として十分に機能できず、コンタクトホール124形成時に、下地の金属シリサイド層13などがエッチングによるダメージを受けてしまう可能性がある。
それに対して、本実施の形態では、コンタクトホール24を形成(開口)する際に使用するエッチングストッパ膜を、ステップS5の絶縁膜21とステップS7の絶縁膜22とに分けて形成し、ステップS5(絶縁膜21形成工程)とステップS7(絶縁膜22形成工程)の間で、ステップS6の第3の熱処理を行う。
本実施の形態では、コンタクトホール24を形成(開口)する際に使用するエッチングストッパ膜をステップS5の絶縁膜21とステップS7の絶縁膜22とに分けて形成するので、ステップS5で形成する絶縁膜21の膜厚を厚くせずとも、絶縁膜21および絶縁膜22の合計膜厚を厚くすることができる。このため、コンタクトホール24を形成(開口)する際に使用するエッチングストッパ膜(ステップS9aで絶縁膜23をドライエッチングする際にエッチングストッパとして機能する膜、ここでは絶縁膜22,21)の膜厚を、エッチングストッパとして機能するのに十分な膜厚とすることができる。従って、コンタクトホール24を的確に形成でき、コンタクトホール124形成時に、コンタクトホール24の底部で露出させた下地(金属シリサイド層13など)がエッチングによるダメージを受けるのを防止することができる。従って、半導体装置の性能を向上させることができる。また、半導体装置の信頼性を向上させることができる。
また、本実施の形態では、ステップS5で絶縁膜21を形成した後で、ステップS7で絶縁膜22を形成する前に、ステップS6の第3の熱処理を行うので、ステップS6の第3の熱処理時に金属シリサイド層13を覆っている絶縁膜(ここでは絶縁膜21)の厚みを薄くすることができる。例えば、本実施の形態と上記比較例とで、エッチングストッパとしての機能が同じになるように、コンタクトホール24を形成する際に使用するエッチングストッパ膜(本実施の形態では絶縁膜21,22の積層膜に対応し、上記比較例では絶縁膜121に対応する)の膜厚を同じにしたとする。この場合、ステップS6,S106の熱処理時に金属シリサイド層13を覆っている絶縁膜(本実施の形態では絶縁膜21に対応し、上記比較例では絶縁膜121に対応する)の膜厚は、本実施の形態の方が、絶縁膜22の膜厚の分だけ薄くなる。
半導体基板1に引張応力を生じさせる絶縁膜を半導体基板1上に形成した場合、その絶縁膜の膜厚を薄くすれば、半導体基板1に生じる引張応力は小さくなる。本実施の形態では、ステップS6の第3の熱処理の際に金属シリサイド層13を覆っている絶縁膜(ここでは絶縁膜21)の厚みを薄くすることができるので、金属シリサイド層13を覆う絶縁膜(ここでは絶縁膜21)が作用させる引張応力を小さくすることができる。
ステップS6の第3の熱処理において、金属シリサイド層13を覆っている絶縁膜(ここでは絶縁膜21)の膜厚が薄い分、その絶縁膜が作用させる引張応力が小さいため、その引張応力に起因して熱処理中に金属シリサイド層13が拡散または移動するのを抑制または防止でき、金属シリサイド層13が部分的に断線した状態になるを防止できる。特に、ステップS6の第3の熱処理において、応力によって移動(拡散)しにくいn型半導体領域上の金属シリサイド層13だけでなく、応力によって移動(拡散)し易いp型半導体領域上の金属シリサイド層13でも、絶縁膜21の引張応力による移動(収縮、拡散)を抑制または防止でき、p型半導体領域上の金属シリサイド層13とn型半導体領域上の金属シリサイド層13との間が断線するのを防止することができる。従って、本実施の形態のように、n型半導体領域8aとp型半導体領域9とが隣接し、両者上に連続的に金属シリサイド層13が形成されていても、p型半導体領域9上の金属シリサイド層13とn型半導体領域8a上の金属シリサイド層13との間が断線するのを防止できる。図30〜図34比較例の半導体装置の製造工程では、図35に示されるような金属シリサイド層13の断線部131が発生しやすく、また、図1〜図28の本実施の形態の半導体装置の製造工程では、金属シリサイド層13の断線部131に相当するものが発生しないことは、本発明者の実験(半導体装置の断面観察および断面の組成分析など)により確認された。本実施の形態では、金属シリサイド層13に断線部が生じるのを防止できるので、金属シリサイド層13を形成すべき領域に金属シリサイド層13が的確に形成された半導体装置を製造することができる。従って、半導体装置の性能を向上させることができる。また、半導体装置の信頼性を向上させることができる。
また、本実施の形態では、ステップS5工程で形成(堆積)される絶縁膜21の膜厚(堆積膜厚、半導体基板1の主面に垂直な方向の膜厚)t1が、ステップS7で形成(堆積)される絶縁膜22の膜厚(堆積膜厚、半導体基板1の主面に垂直な方向の膜厚)t2以下であれば(すなわちt1≦t2)、より好ましい。これにより、絶縁膜21,22の合計膜厚(すなわちt1+t2)をエッチングストッパ膜として機能するのに十分な膜厚とすることができるとともに、絶縁膜21の膜厚を薄くして、ステップS6の第3の熱処理の際に絶縁膜21が作用させる引張応力を的確に小さくすることができるので、金属シリサイド層13の断線を、より的確に防止できるようになる。
また、絶縁膜23の膜厚(絶縁膜23の上面を平坦化した後の半導体基板1の主面に垂直な方向の膜厚)t3は、絶縁膜21と絶縁膜22との合計膜厚(すなわちt1+t2)よりも厚い(t3>t1+t2)。また、ステップS5で形成される絶縁膜21の膜厚t1とステップS7で形成される絶縁膜22の膜厚t2との合計(すなわちt1+t2)は、20〜60nmであれば、より好ましい。これにより、ステップS9aで絶縁膜23をドライエッチングする際に、絶縁膜22,21をエッチングストッパ膜として的確に機能させることができるとともに、ステップS9bで絶縁膜22,21をエッチングする際のオーバーエッチング量を抑制して、下地の金属シリサイド層13などへのダメージを的確に防止できる。
また、本実施の形態とは異なり、金属シリサイド層13が絶縁膜で覆われていない状態(金属シリサイド層13の上面が露出された状態)でステップS6の第3の熱処理を行うと、金属シリサイド層13中の金属元素(金属膜11がコバルト膜であった場合はCo)が凝集して、金属シリサイド層13が部分的に断線したような状態になる可能性がある。それに対して、本実施の形態では、ステップS6の第3の熱処理は、金属シリサイド層13が絶縁膜21で覆われた状態で行うので、ステップS6の第3の熱処理の際に、金属シリサイド層13中の金属元素(金属膜11がコバルト膜であった場合はCo)が凝集するのを防止できる。このような、効果を的確に得るためには、ステップS5で形成(堆積)される絶縁膜21の膜厚t1が10nm以上(すなわちt1≧10nm)であれば、より好ましく、これにより、ステップS6の第3の熱処理の際の金属シリサイド層13中の金属元素(金属膜11がコバルト膜であった場合はCo)の凝集を、絶縁膜21によって的確に防止できるようになる。
また、絶縁膜21,22は、コンタクトホール24を形成するために絶縁膜23をドライエッチングする際のエッチングストッパ膜として機能させる。このため、絶縁膜21と絶縁膜22とは同じ材料(同じ絶縁材料、同じ組成の材料)からなることが好ましい。更に、絶縁膜23は、絶縁膜21,22と異なる材料(異なる絶縁材料、異なる組成の材料)からなることが好ましい。これにより、絶縁膜21と絶縁膜22とを、絶縁膜23をドライエッチングする際のエッチングストッパ膜として的確に機能させることができるようになる。
また、絶縁膜23は、層間絶縁膜として機能し、好ましくは、シリコン(Si)と酸素(O)とを(構成元素として)含有する絶縁体膜であり、より好ましくはシリコン(Si)と酸素(O)とを主成分とし、更に好ましくは酸化シリコン(SiO)膜である。なお、酸化シリコン膜は、典型的には二酸化シリコン(SiO)膜であるが、本実施の形態では、化学量論比(SiO)からSi(シリコン)とO(酸素)の原子比(原子数比)がずれている場合も、酸化シリコン膜に含むものとする。
また、絶縁膜21,22は、絶縁膜23をエッチングする際のエッチングストッパ膜として機能できる材料膜であるが、好ましい材料(材料膜)には、例えば窒化シリコン(窒化シリコン膜)がある。
また、ステップS6の第3の熱処理の後は、半導体装置の製造終了まで(例えば半導体基板1を切断して半導体チップに個片化するまで)、ステップS6の第3の熱処理の熱処理温度よりも高い温度に半導体基板1がならないようにすることが、より好ましい。すなわち、ステップS6の第3の熱処理よりも後の種々の加熱工程(例えば種々の絶縁膜や導体膜の成膜工程のように半導体基板1の加熱を伴う工程)で、半導体基板1の温度がステップS6の第3の熱処理の熱処理温度よりも高い温度にならないようにして、ステップS6の第3の熱処理の後には、半導体基板1の温度が第3の熱処理の熱処理温度よりも高温となるような処理が行われないようにすることが、より好ましい。これにより、ステップS6よりも後の工程での熱印加(例えば種々の絶縁膜や導体膜の成膜工程)によって金属シリサイド層13の状態が変動して、MISFETの特性変動を招くのを防止することができる。
また、本実施の形態では、nチャネル型のMISFETを形成する場合について説明したが、半導体基板1以外の各半導体領域(p型ウエル3、ゲート電極5用のドープトポリシリコン膜、n型半導体領域6、n型半導体領域8、p型半導体領域9)の導電型を逆にして(すなわちn型をp型に、p型をn型にして)、nチャネル型のMISFETの代わりにpチャネル型のMISFETを形成することもできる。また、nチャネル型のMISFETおよびpチャネル型のMISFETの両方を形成して、CMISFET(Complementary Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)を形成することもできる。
但し、絶縁膜21,22を半導体基板1に引張応力を生じさせる膜にすると、nチャネル型MISFETは、移動度が向上して駆動電流が増加するので、スイッチング特性が向上する一方、引張応力は熱処理中の金属シリサイド層13の拡散または移動を促進するように作用する。本実施の形態では、上述のように、ステップS6の第3の熱処理時に金属シリサイド層13を覆っている絶縁膜(絶縁膜21)の膜厚を薄くして、熱処理時に作用している引張応力を小さくすることができる。このため、本実施の形態は、少なくともnチャネル型のMISFETを有する半導体装置を製造する場合に適用すれば効果が大きい。これにより、絶縁膜21,22を半導体基板1に引張応力を生じさせる膜にしたことによる、nチャネル型MISFETの移動度向上(駆動電流増加、スイッチング特性向上)効果を得ることができるとともに、引張応力に起因して熱処理中に金属シリサイド層13が拡散または移動して金属シリサイド層13が断線するのを防止できる。
また、本実施の形態は、ステップS6の第3の熱処理時に金属シリサイド層13を覆っている絶縁膜(ここでは絶縁膜21)を薄くすることで、その絶縁膜が半導体基板1に引張応力を作用させる膜であったとしても、その引張応力を低減でき、熱処理中に金属シリサイド層13が移動(収縮)して金属シリサイド層13が断線するのを防止できる。このため、本実施の形態は、絶縁膜21,22を、半導体基板1に引張応力を生じさせる膜とした場合に適用すれば、効果が大きい。なお、半導体基板の一方の主面上に絶縁膜を成膜し、その絶縁膜の成膜面側を上に向けた状態で、半導体基板が上に凸型に反ったときに、その絶縁膜は半導体基板に引張応力を生じさせる膜であり、下に凸に反ったときに、その絶縁膜は半導体基板に圧縮応力を生じさせる膜であるということができる。
また、絶縁膜21,22を、半導体基板1に引張応力を生じさせる膜とするか、圧縮応力を生じさせる膜とするか、あるいは、応力をほとんど生じさせない膜とするかは、絶縁膜21,22の成膜法などにより制御することができる。例えば、絶縁膜21,22が窒化シリコン膜の場合には、膜中に含まれる水素(H)が少なくなるように成膜すれば、その窒化シリコン膜を、半導体基板1に引張応力を生じさせる膜とすることができ、膜中に含まれる水素(H)が多くなるように成膜すれば、その窒化シリコン膜を、半導体基板1に圧縮応力を生じさせる膜とすることができる。
本実施の形態は、半導体基板中に不純物を導入して半導体領域を形成し、その半導体領域上に金属シリサイド層13を形成する場合に適用すれば、金属シリサイド層13を絶縁膜で覆った状態で行う高温の熱処理(上記ステップS6の第3熱処理に対応)中に、その金属シリサイド層13が拡散または移動して金属シリサイド層13が部分的に断線してしまうのを防止できるという効果を得られる。
但し、本発明者の検討によれば、金属シリサイド層13の断線が特に生じやすいのは、上述したように、n型半導体領域とp型半導体領域とが隣接し、両者上に連続的に金属シリサイド層13が形成されている部分である。n型半導体領域とp型半導体領域とが隣接する領域で、そのn型半導体領域上からp型半導体領域上にかけて金属シリサイド層13が連続的に形成されていた場合、上述したように、n型半導体領域上とp型半導体領域上とで、絶縁膜の引張応力による金属シリサイド層13の移動(収縮、拡散)しやすさが異なるため、n型半導体領域上の金属シリサイド層13とp型半導体領域上の金属シリサイド層13との間で断線しやすい。すなわち、p型半導体領域とn型半導体領域との界面上で、金属シリサイド層13が断線しやすい。
それに対して、本実施の形態は、上述のように、金属シリサイド層13を覆う絶縁膜(ここでは絶縁膜21)の応力に起因した金属シリサイド層13の熱処理中の移動(収縮、拡散)を防止できる効果がある。このため、n型半導体領域(ここではn型半導体領域8a)とp型半導体領域(ここではp型半導体領域9)とが隣接する領域で、そのn型半導体領域(ここではn型半導体領域8a)上からp型半導体領域(ここではp型半導体領域9)上にかけて金属シリサイド層13が連続的に形成されている場合に本実施の形態の製造工程を適用すれば、極めて効果が大きい。これにより、n型半導体領域(ここではn型半導体領域8)上の金属シリサイド層13とp型半導体領域(ここではp型半導体領域9)上の金属シリサイド層13との間(すなわち上記図11で点線で囲まれた領域31の金属シリサイド層13)が断線するのを防止できる。
また、p型半導体領域9は、p型ウエル3の引き出し領域であり、p型ウエル3中に形成され、p型ウエル3と同じ導電型でp型ウエル3よりも高不純物濃度とされている。一方、n型半導体領域8(n型半導体領域8a含む)は、p型ウエル3中に形成されるが、p型ウエル3とは逆の導電型である。コンタクトホール24内に埋め込まれたプラグ26のうち、p型半導体領域9の上部に形成されたコンタクトホール24a内に埋め込まれたプラグ26aは、その底部でp型半導体領域9上の金属シリサイド層13に接して電気的に接続されている。コンタクトホール24a内に埋め込まれたプラグ26aを介して、配線27から所定の電位(第1の電位)がp型半導体領域9に供給されて、p型ウエル3に供給される。また、p型半導体領域9と、n型半導体領域8のうちのn型半導体領域8aとは、一部が隣接しており、n型半導体領域8a上からp型半導体領域9上に金属シリサイド層13が連続的に形成されている。このため、p型半導体領域9とn型半導体領域8aとを、両者上に延在する金属シリサイド層13を介して、同電位とすることができる。コンタクトホール24a内に埋め込まれたプラグ26aを介して、配線27からp型半導体領域9上の金属シリサイド層13に供給された電位(第1の電位)は、p型半導体領域9およびp型ウエル3に供給されるだけでなく、p型半導体領域9およびn型半導体領域8a上に連続的に延在する金属シリサイド層13を介して、n型半導体領域8aにも供給される。従って、p型半導体領域9の上部に形成されたコンタクトホール24a内に埋め込まれたプラグ26aは、p型半導体領域9およびn型半導体領域8a上に連続的に延在する金属シリサイド層13を介して、n型半導体領域8aとp型半導体領域9とに同じ電位(第1の電位)を供給するためのプラグ26(導体部)とみなすことができる。n型半導体領域8aには、p型半導体領域9の上部に形成されたコンタクトホール24a内に埋め込まれたプラグ26aから所定の電位(第1の電位)を供給できるので、n型半導体領域8aの上部にn型半導体領域8aへの電位供給用のコンタクトホール24およびプラグ26を形成しなくともよくなり、平面レイアウトの縮小が可能になり、半導体装置の低面積化に有利となる。
また、本実施の形態では、ステップS5で絶縁膜21を形成した後、ステップS6で第3の熱処理を施してから、ステップS7で絶縁膜21上に絶縁膜22を形成する。このため、ステップS5で絶縁膜21を成膜した段階では絶縁膜21の表面に酸化膜(自然酸化膜)は形成されていなくとも、その後、ステップS7(絶縁膜22堆積工程)までに絶縁膜21の表面が酸化されて酸化膜(自然酸化膜など)が形成され、その上にステップS7で絶縁膜22が形成されることで、絶縁膜21と絶縁膜22との界面に、薄い酸化膜(酸化シリコン膜)が形成される場合もある。しかしながら、絶縁膜21,22の界面のこの酸化膜は薄いので、ステップS9aで絶縁膜22,21をエッチングストッパとして機能させることや、ステップS9bで絶縁膜22,21をドライエッチングするのに、問題は生じない。
また、本発明者の検討によれば、上記比較例で説明したような絶縁膜121の引張応力が生じている状態でステップS106のような高温の熱処理を行ったときに金属シリサイド層13が部分的に断線してしまう現象(上記断線部131の発生)は、金属膜11がコバルト(Co)膜の場合、すなわち金属シリサイド層13がコバルトシリサイド層の場合に、最も顕著である。このため、金属膜11がコバルト(Co)膜の場合(すなわち金属シリサイド層13がコバルトシリサイド層の場合)に本実施の形態を適用すれば、最も効果が大きい。
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
本発明は、金属シリサイド層を有する半導体素子を備えた半導体装置の製造技術に適用して有効である。
本発明の一実施の形態である半導体装置の製造工程の一部を示す製造プロセスフロー図である。 本発明の一実施の形態である半導体装置の製造工程中の要部平面図である。 図2と同じ半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図2と同じ半導体装置の製造工程中の他の要部断面図である。 図3に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図5に続く半導体装置の製造工程中の要部平面図である。 図6と同じ半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図6と同じ半導体装置の製造工程中の他の要部断面図である。 図7に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図9と同じ半導体装置の製造工程中の他の要部断面図である。 図9に続く半導体装置の製造工程中の要部平面図である。 図11と同じ半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図11と同じ半導体装置の製造工程中の他の要部断面図である。 図12に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図14と同じ半導体装置の製造工程中の他の要部断面図である。 図14に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図16と同じ半導体装置の製造工程中の他の要部断面図である。 図16に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図18と同じ半導体装置の製造工程中の他の要部断面図である。 図18に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図20と同じ半導体装置の製造工程中の他の要部断面図である。 図20に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図22と同じ半導体装置の製造工程中の他の要部断面図である。 図22と同じ半導体装置の製造工程中の要部平面図である。 図22に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図25と同じ半導体装置の製造工程中の他の要部断面図である。 図25に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図27と同じ半導体装置の製造工程中の他の要部断面図である。 比較例の半導体装置の製造工程を示す製造プロセスフロー図である。 比較例の半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図30に続く比較例の半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図31に続く比較例の半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図32に続く比較例の半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図33に続く比較例の半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 比較例の半導体装置の製造工程に従って製造した半導体装置の要部断面図である。
符号の説明
1 半導体基板
2 素子分離領域
3 p型ウエル
4 ゲート絶縁膜
5 ゲート電極
6 n型半導体領域
7 サイドウォール
8 n型半導体領域
9 p型半導体領域
11 金属膜
13 金属シリサイド層
21 絶縁膜
22 絶縁膜
23 絶縁膜
24 コンタクトホール
25a バリア導体膜
25b 主導体膜
26,26a プラグ
27 配線
28 絶縁膜
30 領域
31 領域
121 絶縁膜
123 絶縁膜
124 コンタクトホール
126 プラグ
127 配線
128 絶縁膜
131 断線部

Claims (20)

  1. (a)半導体基板を準備する工程、
    (b)前記半導体基板に第1導電型の第1半導体領域を形成する工程、
    (c)前記第1半導体領域上を含む前記半導体基板上に金属膜を形成する工程、
    (d)第1の熱処理を行って前記金属膜と前記第1半導体領域とを反応させて前記第1半導体領域上に金属シリサイド層を形成する工程、
    (e)前記(d)工程後に、未反応の前記金属膜を除去し、前記第1半導体領域上に前記金属シリサイド層を残す工程、
    (f)前記(e)工程後に、前記第1の熱処理よりも熱処理温度が高い第2の熱処理を行う工程、
    (g)前記(f)工程後に、前記金属シリサイド層上を含む前記半導体基板上に第1絶縁膜を形成する工程、
    (h)前記(g)工程後に、前記第2の熱処理よりも熱処理温度が高い第3の熱処理を行う工程、
    (i)前記(h)工程後に、前記第1絶縁膜上に第2絶縁膜を形成する工程、
    (j)前記(i)工程後に、前記第2絶縁膜上に第3絶縁膜を形成する工程、
    (k)前記第2および第1絶縁膜をエッチングストッパとして用いて前記第3絶縁膜をエッチングして、前記第3絶縁膜に開口部を形成する工程、
    (l)前記開口部の底部で前記第2および第1絶縁膜をエッチングする工程、
    を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
    前記第1絶縁膜と前記第2絶縁膜とは、同じ材料からなることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 請求項2記載の半導体装置の製造方法において、
    前記第3絶縁膜は、前記第1絶縁膜および前記第2絶縁膜と異なる材料からなることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
    前記第1絶縁膜および前記第2絶縁膜は、窒化シリコン膜であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 請求項4記載の半導体装置の製造方法において、
    前記第3絶縁膜は、酸化シリコン膜であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  6. 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
    前記第1絶縁膜は、前記半導体基板に引張応力を生じさせる膜であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 請求項6記載の半導体装置の製造方法において、
    前記第2絶縁膜は、前記半導体基板に引張応力を生じさせる膜であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  8. 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
    前記第1半導体領域は、ソースまたはドレイン用の半導体領域であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  9. 請求項8記載の半導体装置の製造方法において、
    前記第1導電型はn型であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  10. 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
    前記金属膜は、コバルト膜であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  11. 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
    前記(a)工程後で前記(c)工程前に、
    (a1)前記半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する工程、
    (a2)前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程、
    を更に有し、
    前記(c)工程では、前記ゲート電極および前記第1半導体領域上を含む前記半導体基板上に、前記ゲート電極を覆うように、前記金属膜が形成されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  12. 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
    前記(l)工程後に、
    (m)前記開口部内を埋める導体部を形成する工程、
    を更に有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  13. 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
    前記(g)工程で形成される前記第1絶縁膜の膜厚が、前記(i)工程で形成される前記第2絶縁膜の膜厚以下であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  14. 請求項13記載の半導体装置の製造方法において、
    前記(g)工程で形成される前記第1絶縁膜の膜厚は10nm以上であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  15. 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
    前記(a)工程後で前記(c)工程前に、
    (b1)前記半導体基板に、前記第1導電型とは逆の第2導電型の第2半導体領域を形成する工程、
    を更に有し、
    前記第2半導体領域と前記第1半導体領域とは、一部が隣接しており、
    前記(d)工程では、前記第1の熱処理により前記金属膜と前記第1および第2半導体領域とを反応させて前記第1および第2半導体領域上に前記金属シリサイド層を形成し、
    前記(e)工程では、未反応の前記金属膜を除去し、前記第1および第2半導体領域上に前記金属シリサイド層を残すことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  16. 請求項15記載の半導体装置の製造方法において、
    前記(d)工程では、前記第1半導体領域と前記第2半導体領域とが隣接する領域で、前記第1半導体領域上から前記第2半導体領域上にかけて前記金属シリサイド層が連続的に形成されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  17. 請求項16記載の半導体装置の製造方法において、
    前記(l)工程では、前記開口部が前記第2半導体領域の上部に形成されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  18. 請求項17記載の半導体装置の製造方法において、
    前記(l)工程後に、
    (m)前記開口部内を埋める導体部を形成する工程、
    を更に有し、
    前記第2半導体領域の上部に形成された前記開口部に埋め込まれた前記導体部は、前記金属シリサイド層を介して前記第1半導体領域と前記第2半導体領域とに第1の電位を供給するための導体部であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  19. 請求項15記載の半導体装置の製造方法において、
    前記(a)工程後で前記(c)工程前に、
    (b2)前記半導体基板に、前記第2導電型のウエル領域を形成する工程、
    を更に有し、
    前記第1および第2半導体領域は、前記ウエル領域に形成されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  20. 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
    前記(h)工程の後には、前記半導体基板の温度が前記第3の熱処理の熱処理温度よりも高温となるような処理は行われないことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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