JP2009026881A - 液浸型露光用液体の再利用システム - Google Patents

液浸型露光用液体の再利用システム Download PDF

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Abstract

【課題】不純物を効率よく除去し、光学的性質を安定させて、再利用可能なレベルまで精製した液体を、露光装置へ供給することが可能であり、何らかの事情で露光装置へ供給すべき露光用液体が利用不可能な液質になってしまったときに、その液質が不良な液体を速やかに系内から排除し良好な液質の露光用液体を露光装置へ供給する定常状態へ早期に復旧することが可能な手段を提供すること。
【解決手段】露光処理装置100の入口に三方流路調節バルブ610を備え、精製器180の出口に流路切替バルブ601を備え、液体301が露光処理装置100の入口から精製器180の出口へ戻り得るように、三方流路調節バルブ610と流路切替バルブ601とを結ぶ副流路20が洗浄液体保管タンク510を介して設けられるとともに、三方流路調節バルブ610の備わる位置より精製器180の側に、液体301が循環系の系外へ排出し得るように設けられた流路切替バルブ602を備える再利用システム1の提供による。
【選択図】図1

Description

本発明は、投影光学手段の光学素子と基板との間に満たされた液体を介して露光を行う液浸型露光法における、その液体を再利用するシステムに関する。
半導体素子、撮像素子等の電子デバイスを製造する際に、原版(レチクル又はマスク)のパターンの像を、投影光学手段を介して、感光材であるレジストが塗布された基板(ウエハ、ガラスプレート等)上の各ショット領域へ転写する(投影型の)露光装置が使用される。このような露光装置においては、電子デバイスの小型化、高集積化に伴う回路の微細化に対応すべく、投影光学手段の解像度の向上が求められる。
リソグラフィ技術で電子デバイスを製造する限りにおいては、露光技術(露光装置)は不可欠なものであり、回路の微細化に伴って、露光装置で使用される露光波長は、年々、短波長化してきている。電子デバイスのデザインルールが、90nmから65nmへ、更には45nmへと、微細化するに伴い、露光技術は、純水を用いたArFレーザ光による液浸法の採用、純水に代わる高屈折率液体(材料)の使用へと発展し、今後、露光技術は、液浸法から極端紫外線光(EUV)の使用へと進歩するものと考えられている。
本発明は、このような露光技術の発展の中で、液浸法において実用化された上記高屈折率液体の使用にかかり、環境に配慮すべく再利用の要望が高まったことを背景としてなされたものである。
尚、関連する先行技術文献として、例えば特許文献1〜5を挙げることが出来る。
米国特許出願公開第2005/0286031号明細書 国際公開第05/119371号パンフレット 国際公開第06/115268号パンフレット 国際公開第05/114711号パンフレット 特開2006−210542号公報
液浸法(液浸型露光方法)は、投影光学手段の下面と基板表面との間を液体で満たし、液体中での露光光源の波長が、液体の屈折率をnとしたときに、空気中の1/n倍になることを利用して、解像度を向上させるとともに、焦点深度を約n倍に拡大させる露光技術である。解像度を高めるために、露光波長を短くし、開口数を大きくすると、焦点深度が狭くなるので、焦点深度を拡大し得る液浸法は、有用な露光技術である。
液体としては、主に純水が使用されてきたが、回路の微細化に伴って、純水(屈折率1.44)より屈折率の大きな液体の使用に移行しつつある。例えば、特許文献4、5には、次世代の液浸型露光方法に好適な液浸型露光用液体(単に液体、又は露光用液体、ともいう)として、デカリン等の脂環式炭化水素化合物等が提案されている。
上記脂環式炭化水素化合物は、ArFレーザ光における屈折率が大きく、液浸型露光用液体として優れた資質を有するものである。ところが、この高屈折率な露光用液体を露光に用いると、光の照射により、光分解、酸化、脱水素等の副反応が生じ、この露光用液体の純度が低下する場合がある。又、この露光用液体はレジスト膜と接触しているので、レジスト膜中の成分が溶出することによっても、露光用液体の純度が低下する場合がある。
このように純度が低下すると、副反応や溶出によって生じた不純物が光を吸収し、その吸収によって、レジスト膜に到達する光の量が減少し、パターンを最適な寸法に解像するのに必要な照射量が低下するおそれがある。そうすると、露光にかかるスループットの大幅な低下を引き起こし、あるいは、光の量が露光用液体に含有される不純物の量によって基板毎に変化する結果、電子デバイスの歩留まりの悪化や生産効率の低下を招来する。そのため、露光用液体の中に不純物が存在することは好ましくない。
もっとも、露光用液体を使い捨てにした場合には、光により生成した不純物に起因する種々の問題は回避することが出来ると考えられる。しかし、そのような対応は、消費量の増大に伴うランニングコストの増大、デバイス生産コストの増大により、競争力を低下させる。又、露光用液体が上記脂環式炭化水素化合物(有機化合物)である場合には、廃棄により環境負荷を増大させることになる。従って、好ましい対応とはいえない。
これに対し、特許文献2、3には、吸着剤を用いて高屈折率な露光用液体を再利用する方法が開示されている。しかしながら、これら特許文献2及び3は、吸着剤の作用を明らかにしているものの、再利用中に吸着剤の処理液の液質が悪化した場合に処置・対策をなし得る具体的な構成・手段等を何ら開示していない。そのため、液質が悪化した液体が露光装置へ供給される懸念がある。従って、電子デバイスの生産に不可欠な露光システムは、可能な限り停止せずに稼動し得るものであることが望ましいところ、液質が悪化し、露光が継続して行うことが出来ない状況に直面した際に、この状況を改善して、再度、露光を開始することが困難なように思われる。
本発明は、このような事情の下、露光用液体を再利用する露光システムの工業化を図ろうとする試みの中で生まれたものである。そして、本発明の課題は、定常状態においては、露光により液浸型露光用液体中に生成された不純物やレジスト膜から溶出した不純物を効率よく除去し、液浸型露光用液体の光学的性質を安定させて、再利用可能なレベルまで精製した露光用液体を露光装置へ供給することが可能であるとともに、何らかの事情で、露光装置へ供給すべき露光用液体が、利用不可能な液質になってしまったときに、その液質が不良な液体を露光装置へ供給することなく、速やかに系内から排除し、良好な液質の露光用液体が露光装置へ供給される定常状態へ、早期に復旧することが可能な手段を提供することである。研究が重ねられた結果、以下の手段によって上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、投影光学手段の光学素子と基板との間に満たされた液体を介して露光を行う露光処理装置と、液体の精製をするための吸着剤が充填された精製器と、その精製器及び露光処理装置を液体が循環するような主流路で構成された循環系と、を具備し、その循環系を構成する主流路における露光処理装置の入口に、流路切替手段Aを備え、精製器の出口に、流路切替手段Bを備え、液体が露光処理装置の入口から精製器の出口へ戻り得るように、流路切替手段Aと流路切替手段Bとを結ぶ副流路が、液体貯留手段を介して設けられるとともに、液体が循環系の系外へ排出し得るように、主流路における流路切替手段Aの備わる位置より精製器の側に設けられた流路切替手段Cを備える液浸型露光用液体の再利用システムが提供される。
本発明に係る液浸型露光用液体の再利用システムは、液浸型の露光処理装置、液体の精製をする精製器、及び循環系を構成要素として含むシステムである。本発明に係る液浸型露光用液体の再利用システムでは、定常状態において、液体が精製器で処理され(精製され)、その処理液が露光処理装置へ供給され、投影光学手段の光学素子と基板との間へ液体が導入され、露光処理装置における基板を挟んだ対称の位置において、投影光学手段の光学素子と基板との間から液体が排出され、排出された液体が、原液として精製器に入り、精製器で再度処理されて再生され、その処理液が露光処理装置へ再び供給され、これらが繰り返される。本明細書において、定常状態とは、このように、液体が所望の(良好な)液質であり、精製器及び露光処理装置を循環している状態を指す。原液は、再利用可能なレベルまで精製されていない液体であり、処理液は、精製器で吸着剤と接触して精製された液体である。
液体が露光処理装置及び精製器を循環するような主流路で構成された循環系は、定常状態における上記のような繰り返しを実現するための装置であり、構成要素として主流路(配管)を有し、他に少なくとも液体貯留手段(タンク)及び液体を移送するための動力源機器(ポンプ)を備える。
流路切替手段は、液体の流路を、主流路と、それから分岐する他の流路と、の間で切替をすることが出来る手段である。但し、本明細書において、流路切替手段とは、何れか一方の流路(例えば主流路)から他方の流路(分岐した例えば副流路)に、液体の全量を切り替える手段のみを意味するものではなく、それを含み、一方の流路と他方の流路との間で、液体の流量のバランスを調整し又は変更し得る手段を指す。流路切替手段は、例えば、三方弁又は2つの(二方)弁で構成することが出来る。
本発明に係る液浸型露光用液体の再利用システムでは、露光処理装置、精製器、及び循環系に加えて、流路切替手段A、流路切替手段B、及びそれらを結ぶ副流路が液体貯留手段を介して備わるので、液体を、露光処理装置の入口の流路切替手段Aから分岐させて副流路に入れ、液体貯留手段(タンク)を経て、精製器の出口の流路切替手段Bにおいて、主流路に戻すことが出来る。
本発明に係る液浸型露光用液体の再利用システムでは、更に流路切替手段Cを備える。その流路切替手段Cは、液体が循環系の系外へ排出し得るように設けられるので、流路切替手段Aの備わる位置より精製器の側に設けられた当該流路切替手段Cから分岐させて、主流路内の液体を、循環系の系外へ排出することが出来る。このことは、流路切替手段Cによって主流路から分岐した他の流路の行先が、流路切替手段Aとは異なり、少なくとも直接的には循環系を構成する主流路ではないことを意味する。但し、一度、循環系の系外へ排出して液体貯留手段(タンク)に貯めた後に、精製器の入口側に移送するような流路を、別途設けても構わない。
本明細書にいう露光処理装置は、原版を照明する照明手段と、基板をステージに保持する基板保持手段と、原版のパターンを基板の上に転写する投影光学手段と、を備えるとともに、投影光学手段の基板側の光学素子の先端部と、基板の表面と、の間が、液体で満たされる液浸型の露光装置である。露光処理装置における原版を照明するための露光の光(光源)は限定されず、ArFレーザ光(193nm)、KrFレーザ光(248nm)、Fレーザ光(157nm)等を使用出来、水銀ランプから射出される紫外域の輝線(g線、h線、i線)であってもよい。
本発明に係る液浸型露光用液体の再利用システム(単に、再利用システムともいう)においては、流路切替手段Aは、副流路に流れる液体の流量を調節する流量調節機能を有することが好ましい。
流量調節機能の流量を調節することには、流量を0(零)にすることを含む。例えば、副流路に備わる液体貯留手段における液体の溜まり具合(溜まった液体の量又は液位)の情報を基に、液体貯留手段に溜まっていないときは、露光処理装置へ送る流量に支障が出ない程度に流量を大きくし、液体貯留手段に(所望の量が)溜まったら、副流路に流れる液体の流量を0にするという調節を行い得ることが好ましい。
本発明に係る再利用システムにおいては、液体を精製器の出口から精製器の入口に戻し得るように、精製器の出口と精製器の入口とを結ぶ還流路を備えることが好ましい。
還流路は、精製器の出口と入口とを直接結ぶ流路であってもよく、精製器の出口に液体貯留手段(タンク)を設けそれと精製器の入口を結ぶ流路や、精製器の入口に液体貯留手段(タンク)を設けそれと精製器の出口を結ぶ流路や、精製器の入口及び出口にそれぞれ液体貯留手段(タンク)を設けそれらを結ぶ流路であってもよい。
本発明に係る再利用システムにおいては、循環系における精製器の出口側であり露光処理装置の入口側の位置に、液体の透過率を測定する透過率測定手段を備えることが好ましい。
又、透過率測定手段と同様の位置に、液体の溶存ガスを所望の濃度に保つ脱気手段、液体を所望の温度に保つ温度調節手段、及び液体中の固形不純物を除去するフィルタ、を備えることが好ましい。
脱気手段は、脱酸素可能な手段であることが好ましい。酸素は、ArFレーザ光の露光波長の光を吸収するので、液体中の溶存酸素の量が、例えば20℃、1気圧において、3mg/L(ppm)以下になるように、より好ましくは1mg/L(ppm)以下になるように、酸素を除去することが望ましい。
そして、脱気であるから脱酸素のみならず、例えば液体を循環系に導入する場合に使用される窒素ガス等の不活性ガスも含めて全てのガスを除去可能な方法が採用される。例えば循環系における液体の移送にかかりタンクや配管を不活性ガスでシールをした場合に、この不活性ガスが容器や流路における圧力により過飽和に存在し(溶存し)、液体の使用時に液浸型露光装置(露光処理装置)において気泡を生じさせることがあるので、露光時に気泡が発生して起こり得るパターン欠陥を防止するためには、不活性ガスをも除去することが好ましい。従って、脱気手段として、酸素を含む全てのガスを除去し得る手段が、好適に採用される。脱気手段は、例えば、減圧脱気法、超音波脱気法、ガス透過性膜による(不活性ガスを使用しない)膜脱気法、等を採用することが出来る。又、上記のようにシールに使用する不活性ガスも除去することが好ましく、この除去は、露光処理装置における液体の使用の直前に行う必要があるから、脱気手段は、露光処理装置の近傍に配置することが望ましい。
温度調節手段は、屈折率等の液体の光学的特性に影響を与えないように、液体の使用時、即ち、露光処理装置における投影光学手段の光学素子と基板との間を液体で満たしたとき、における当該液体の温度に対して、予め±0.2℃の範囲内に調節可能な手段であることが好ましい。より好ましくは±0.1℃の範囲内、更に好ましくは±0.05℃の範囲内、特に好ましくは±0.01℃の範囲内となるように、調節可能な手段である。温度調節手段として、露光処理装置が設けられるクリーンルームの温度(例えば23℃)や露光処理装置内の温度(23℃)に対し、上記所望の範囲の温度に制御出来るような手段を用いることが望ましい。
本発明に係る再利用システムにおいては、精製器によって精製された、定常状態の液体の透過率は、99%/mm以上であることが好ましい。
上記透過率の条件は、露光処理装置における露光の光の波長において満たすことが好ましい。波長193nmの光を透過させた時に満たすことが特に好ましい。
本発明に係る再利用システムにおいては、主流路及び副流路を構成する部材のうち、少なくとも接液部は、ステンレス鋼、フッ素樹脂、ガラス、及びセラミックからなる材料群から選ばれる何れか1以上の材料によって形成されることが好ましい。そして、主流路及び副流路を構成する部材のうち少なくとも接液部がステンレス鋼で形成される場合には、そのステンレス鋼は、電解研磨処理、及び不動態化処理からなる表面処理群から選ばれる何れか1以上の処理が施されることが好ましい。
部材の接液部とは、露光に用いられる液体に接し得る部分を指す。主流路及び副流路を構成する部材が配管である場合には、接液部は配管内面である。部材のうち少なくとも接液部であるから、接液部のみならず部材全体を形成する材料であってもよい。部材の接液部を形成する材料は、部材自体(構造体)を構成する他、コーティング材料として利用される場合を含む。又、2以上の複合材料として、部材自体を構成し、又は、コーティング材料として利用される場合を含む。
本発明に係る再利用システムにおいては、主流路及び副流路の他、主流路とともに循環系を構成する液体貯留手段(タンク)、動力源機器、及び流路切替手段(弁)、並びに副流路に備わる液体貯留手段(タンク)においても、同様に、少なくとも接液部は、ステンレス鋼、フッ素樹脂、ガラス、及びセラミックからなる材料群から選ばれる何れか1以上の材料により形成されることが好ましい。そして、少なくとも接液部がステンレス鋼で形成される場合には、そのステンレス鋼は、電解研磨処理、及び不動態化処理からなる表面処理群から選ばれる何れか1以上の処理が施されることが好ましい。液体の移送にかかり、無用な不純物混入を防止することが出来るからである。
本発明に係る再利用システムに用いられる材料のうち、好ましいステンレス鋼としてSUS304、SUS316等(日本工業規格)を挙げることが出来る。2相ステンレス鋼を用いることも好ましい。又、好ましいフッ素樹脂として、PTFE(PolyTetraFluoroEthylene)、ECTFE(Ethylene−ChloroTetraFluoroEthylene)、PFA(PerFluoroAlkoxy)、ETFE、PVF、PCTFE、FEP、PVDF等が挙げられる。
本発明に係る再利用システムにおいては、循環系を構成する主流路(配管)及び液体貯留手段(タンク)が、不活性ガスでシールされていることが好ましい。液体の移送にかかり、空気等の無用なガスの混入が抑制され、精製器や脱気手段の負荷を、無用に増加させないからである。例えば、流路(配管)を開放せず、液体貯留手段(タンク)を微圧の不活性ガスでシールすればよい。不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウムのうちの何れかを用いることが出来るが、より低廉であることから窒素が好ましく用いられる。液体に溶け込んだ不活性ガスは、露光処理装置に至る前に、脱気手段によって、露光に影響がない程度に脱気される。
本発明に係る再利用システムにおいては、吸着剤は、1種類のAlを含む酸化物であることが好ましい。この場合において、Alを含む酸化物は、シリカアルミナ及びゼオライトからなる酸化物群から選ばれる何れか1の酸化物であることが好ましい。又、吸着剤は加熱処理されたものであれば、尚好ましい。その吸着剤の加熱処理は、200℃以上、500℃以下の温度で行われることが好ましい。
本発明に係る再利用システムは、精製される液体が、飽和炭化水素化合物である場合に使用することが出来る。特に、液体が、1,1’−ビシクロヘキシル、trans−デカヒドロナフタレン、又はexo−テトラジシクロペンタジエンである場合に、好適に使用することが可能である。
本発明に係る再利用システムは、精製器及び露光処理装置を液体が循環するような主流路で構成された循環系の他に、流路切替手段Aと流路切替手段Bとを結ぶ副流路が液体貯留手段を介して設けられ、液体を露光処理装置の入口から精製器の出口へ戻すことが出来る。加えて、流路切替手段Cが備わり、流路切替手段Aの備わる位置より精製器の側から液体を循環系の系外へ排出することが可能である。そのため、何らかの事情で、露光装置へ供給すべき液体が露光に利用不可能な液質になってしまったときに、その液質が不良な液体を速やかに循環系から排除することが出来、定常状態へ早期に復旧させることが容易である。
具体的には、次の動作を行うことで、本発明に係る再利用システムは、上記効果を導き得る。定常状態において、即ち、液体が主流路を流れて精製器及び露光処理装置を循環している状態において、流路切替手段Aによって、露光処理装置に送る液体と同じ液体を、露光処理装置へ送る流量に支障が出ない程度の流量で副流路へ流し、液体貯留手段に溜めておく。露光装置へ供給すべき液体が利用不可能な液質になってしまったとき(非常状態)には、そのような液体は露光装置へ送れないので、流路切替手段Cによって液体の全量を循環系の系外へ排出する。但し、循環系には、液質の低下した液体が未だ残留している。この場合に、液体の液質が低下した原因が精製器にはなく、精製器の処理液の液質が良好なのであれば、液質を監視しつつ系外への排出を継続すれば、直ぐに復旧すると考えられる。しかし、液体の液質が低下した原因が精製器にあるとすれば、精製器の処理液を送って排出を継続しても、復旧しない。そこで、本発明に係る再利用システムでは、精製器の出口の流路切替手段Bによって、液体貯留手段に溜めた液体を副流路から主流路に入れ、循環系に残留していた液体を系外へ押し出す。液体貯留手段に溜めていた液体は、露光処理装置に送る液体と同じ(同質な)液体であるから、循環系内が良好な液質の液体に、直ぐに置換される。
電子デバイスの生産においては、通常、(生産)ラインを停止することは好ましくないこととされ、又、停止が止むを得ないとしても、その時間は短いことが望ましいとされる。これは、生産をすることが出来ないことによって直接的に生産効率の低下が導かれるからであり、それ以上に、停止によって生産にかかる環境制御が崩れるからである。即ち、電子デバイスの生産にはクリーン技術が必要とされるところ、停止によって生産にかかる環境制御が崩れれば、電子デバイスの生産に求められる使用材料の純度が低下し、歩留まりの低下をもたらすおそれが高まるからである。本発明に係る再利用システムによれば、液体の液質が低下した場合であっても、早期に定常状態に復旧させることが可能であり、本発明に係る再利用システムを使用しない場合に比して、露光処理が停止する時間を短縮させ得る。そのため、電子デバイスの生産効率の低下、歩留まりの低下の抑制に大きく貢献する。
本発明に係る再利用システムは、その好ましい態様において、流路切替手段Aは、副流路に流れる液体の流量を調節する流量調節機能を有するので、露光処理装置へ送る流量に支障をきたすことなく、非常状態において使用する液体を、無駄なく液体貯留手段に溜めることが可能である。
本発明に係る再利用システムは、その好ましい態様において、液体を精製器の出口から精製器の入口に戻し得るように、精製器の出口と精製器の入口とを結ぶ還流路を備えるので、非常状態において流路切替手段Bより精製器側に残留した液体を、再精製することが出来る。液体の液質が低下した原因が精製器の寿命にある場合には、新しい精製器に交換し、再精製することによって、繰り返して液浸型露光用液体を利用することが可能である。
本発明に係る再利用システムは、その好ましい態様において、循環系における精製器の出口側であり露光処理装置の入口側の位置に、液体の透過率を測定する透過率測定手段を備えるので、精製器の処理液の液質(透過率)を監視することが出来る。そのため、液質が低下した処理液を露光に(再)利用してしまうといった問題は生じない。
本発明に係る再利用システムは、その好ましい態様において、精製器によって精製された定常状態の液体の透過率は、99%/mm以上である。この透過率の液体は、露光処理装置に供給され露光に使用される他、非常状態から復旧するために、循環系に残留していた(液質が低下した)液体を系外へ押し出すために使用される。従って、循環系に残留していた(液質が低下した)液体を系外へ押し出している過程で、定常状態の液質まで回復されたことが確認された場合に、早急に露光装置へ液体を供給することが可能である。
本発明に係る再利用システムは、露光による副反応やレジスト膜成分の溶出によって生成された液体中の不純物を、精製器における吸着剤との接触によって除去し、再び、露光に使用することを可能とする。液浸型露光用液体を廃棄せず、繰り返し利用可能とするので、環境負荷を低減し得るとともに、電子デバイス製造にかかるランニングコストを抑制することが出来る。
本発明に係る再利用システムは、その好ましい態様において、主流路及び副流路を構成する部材のうち、少なくとも接液部は、ステンレス鋼、フッ素樹脂、ガラス、及びセラミックからなる材料群から選ばれる何れか1以上の材料により形成され、ステンレス鋼で形成される場合には、そのステンレス鋼は、電解研磨処理、及び不動態化処理からなる表面処理群から選ばれる何れか1以上の処理が施されるので、部材の材料に由来して、液体へ不純物が溶出したり微粒子を発生させるといった問題が起こり難い。又、部材自体から材料成分の溶出や微粒子の発生があれば、液体はかえって汚染され、透過率の劣化を招き、ひいては露光における解像性の劣化や現像欠陥の発生を引き起こすこととなるが、本発明に係る再利用システムによって処理された液体によれば、このような問題を回避することが可能である。
本発明に係る再利用システムは、その好ましい態様において、精製器に充填される吸着剤が、1種類のAlを含む酸化物であり、更に好ましくは加熱処理されたものであるので、液体が一度使用され、液体中に、露光による副反応やレジスト膜成分の溶出によって生成された不純物が含まれることとなっても、それらを吸着剤との接触によって効率よく除去し得る。その結果、露光用液体の、例えば波長193nmにおける透過率を、例えば光路長1mmあたり99%以上にして、露光用液体を、再び、露光に好適に使用可能なものとする。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参酌しながら説明するが、本発明はこれらに限定されて解釈されるべきものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。例えば、図面は、好適な本発明の実施の形態を表すものであるが、本発明は図面に表される態様や図面に示される情報により制限されない。本発明を実施し又は検証する上では、本明細書中に記述されたものと同様の手段若しくは均等な手段が適用され得るが、好適な手段は以下に記述される手段である。
図1は、本発明に係る液浸型露光用液体の再利用システムの一の実施形態を示す概略フロー図である。以下、先ず、図1に示される液浸型露光用液体の再利用システム1の構成要素について説明する。
再利用システム1は、液浸型露光を行う露光処理装置100、液体301の精製をする精製器180、液体301が露光処理装置100及び精製器180を循環するように液体301の主流路10で構成された循環系、露光処理装置100の入口と精製器180の出口とを結ぶ副流路20、及び精製器180の出口と入口とを結ぶ還流路30を有する。精製器180には、液体301中の不純物を吸着し液体301から除去する、吸着剤が充填されている。
循環系は、液体301が流れる主流路10としての配管の他、主に、循環液体保管タンク110、供給液体保管タンク400、ポンプ111,411で構成される。又、循環系において、供給液体保管タンク400と露光処理装置100の間には、脱気手段401、屈折率測定手段402、透過率測定手段403、温度調節手段404、及びフィルタ405が備わる。
循環系の主流路10には、その主流路10を分岐する流路切替バルブ601(流路切替手段Bに相当)、流路切替バルブ602(流路切替手段Cに相当)、及び三方流路調節バルブ610(流路切替手段Aに相当)が備わる。そして、三方流路調節バルブ610において主流路10から分岐した流路は、流路切替バルブ601の分岐と接続されて主流路10に戻る。この分岐した流路が副流路20である。その副流路20には、液体301を貯められる洗浄液体保管タンク510が備わる。ポンプ411からみると,そのサクション(吸込)が、供給液体保管タンク400及び洗浄液体保管タンク510に接続される態様となる。
循環系の主流路10において、三方流路調節バルブ610の備わる位置より精製器180の側に戻ったところには、流路切替バルブ602が備わる。この流路切替バルブ602によって主流路10から分岐した流路は、循環系の系外に位置する回収タンク500に接続される。流路切替バルブ602の操作により、液体301を循環系の系外へ排出させることが可能である。
又、精製器180の出口側に位置する供給液体保管タンク400から精製器180の入口へ戻る流路が設けられる。これが還流路30である。供給液体保管タンク400に貯められた液体301は、ポンプ511の動力によって還流路30を経て、精製器180の入口に戻すことが出来る。
液体301としては、例えば、波長193nmにおける屈折率nが1.64(液体の温度が23℃の場合)であり、波長193nmにおいて光路長1mmに換算した場合の透過率が99%以上である、1,1’−ビシクロヘキシルが用いられる。
次に、再利用システム1を使用したときの処理の流れについて説明する。
定常状態の再利用システム1では、既に精製された液体301(301c)は、供給液体保管タンク400からポンプ411による圧送によって、脱気処理等が施された液体301(301b)として、露光処理装置100へ供給される。具体的には、液浸型の露光処理装置100における投影光学手段の光学素子と基板との間へ、液体301(301b)が導入される。そして、露光に使用された液体301(301a)は、投影光学手段の光学素子と基板との間から排出され、例えば微圧の窒素ガスでシールされた循環液体保管タンク110へ移送される。液体301である例えば1,1’−ビシクロヘキシルは、露光に用いたことによって、波長193nmにおける透過率が1mmあたり99%未満となることがある。
脱気処理等が施された液体301(301b)の一部は、三方流路調節バルブ610によって流量が調節されつつ、三方流路調節バルブ610から分岐して副流路20に入り、洗浄液体保管タンク510に貯められる。洗浄液体保管タンク510は、後述する非常状態において、液質が低下した液体301を循環系の系内から押し出すのに必要な容量を持つものとされる。洗浄液体保管タンク510が満液になったら(所望の量が溜まったら)、三方流路調節バルブ610は、液体301(301b)の全量が露光処理装置100へ供給されるように動作する。
露光処理装置100で露光に使用された後、循環液体保管タンク110へ移送された液体301(301a)は、フィルタ117を通して、ポンプ111によって精製器180へ圧送される。フィルタ117は、ポンプ111及び精製器180の保護を目的として設けられており、露光中に紛れ込んだウエハーやレジスト膜の破片等の微粒子がフィルタ117によって除去される。
精製器180では、それに充填された吸着剤が、液体301(301a)中の不純物を吸着し、液体301(301a)から除去する。不純物が除去されることによって、液体301(301a)は精製される。精製器180の吸着剤によって吸着される液体301中の不純物は、露光によって液体301中に生じた副反応物や、液体301中に溶け込んだレジスト膜中の成分等である。液体301である例えば1,1’−ビシクロヘキシルは、精製器180で精製されたことによって、波長193nmにおける透過率が1mmあたり99%以上に回復する。精製された液体301(301c)は、例えば微圧の窒素ガスでシールされた供給液体保管タンク400に送られ、保管される。
良好に精製された液体301(301c)は、供給液体保管タンク400からポンプ411で圧送され、露光処理装置100へ供給される。液体301(301c)は、露光処理装置100に送られるまでの間に、脱気手段401で脱気され、屈折率測定手段402及び透過率測定手段403によって必要な光学特性が監視され、温度調節手段404により所望の範囲の温度に制御され、更に、フィルタ405により濾過をされ、波長193nmにおける透過率が例えば99%/mm以上の液質の液体301(301b)として、露光処理装置100に供給され、液浸型露光に再利用される。
必要な光学特性は、具体的には、例えば、温度を23℃に設定して行う波長193nmでの屈折率の測定を挙げることが出来る。又、透過率は、1cmの測定用石英セルを用いて、波長193nmの吸光度を測定し、その吸光度を基に、ランベルトベールの法則に基づき、1mmあたりの透過率として算出される。温度調節手段404によって調節される液体301の温度は、具体的には、露光処理装置が設置されているクリーンルームの温度(例えば23±0.1℃等)を調節目標値とする。液体301の屈折率は温度依存性があるので、露光処理装置100における液体301(301b)の供給温度が23±0.01℃以内を実現出来るようにすることが望ましい。
上記光学特性の監視に基づき、波長193nmにおける透過率が例えば98%/mm以下となり、液質が低下したと判断される場合には、流路切替バルブ602の動作により、液体301は循環系の主流路10から外れ、回収タンク500に回収される。再利用システム1のこのような状態が非常状態である。
再利用システム1は非常状態になると、露光処理装置100への液体301の供給は停止される。液体301の液質が低下した原因を特定することは困難であるが、多くの場合精製器180の(精製)寿命にあると考えられるので、精製器180の処理液は、供給液体保管タンク400に留まり、露光処理装置100へ供給されない。非常状態では、流路切替バルブ601の動作により、ポンプ411のサクション(吸込)が供給液体保管タンク400から洗浄液体保管タンク510に切り替わり、供給液体保管タンク400に保管された液体301(301c)の代わりに、洗浄液体保管タンク510に保管されていた液体301(301b)が送られる。そして、それが回収タンク500まで押し出されることによって、循環系の系内は、完全に良好な液質の液体301(301b)に置換される。
一方、供給液体保管タンク400に保管された液体301は、その液質が低下している場合には、精製器180の交換がされた後で、ポンプ511及び還流路30によって、精製器180の入口に戻され、再度、精製器180に通液され、精製される。そして、供給液体保管タンク400に保管された液体301の液質が良好になったことが確認されたら、流路切替バルブ601の動作により、ポンプ411のサクションを供給液体保管タンク400に戻して、その液質が良好な供給液体保管タンク400に保管された液体301(301c)を送る。そして、脱気された後に、屈折率測定手段402及び透過率測定手段403によって必要な光学特性を満たしたと判断されたら、流路切替バルブ602の動作により、液体301(301b)として露光処理装置100へ供給される。これで、定常状態に戻る。定常状態では、三方流路調節バルブ610の動作によって、空になった洗浄液体保管タンク510に液体301(301b)が貯められる。
次に、本発明に係る液浸型露光用液体の再利用システムを構築する(作製する)方法について、図1に示される既述の再利用システム1を一例として、説明する。
再利用システム1の構成要素(機器)は、精製器180以外のものは市販品を購入し、流路(主流路10、副流路20、及び還流路30)で接続するとともに、既述の処理動作をするように制御系を設計・製作することによって、再利用システム1を得ることが可能である。流路を構成する配管は、例えばSUS304製のものを使用することが出来る。特に、主流路10のうち、精製器180から露光処理装置100の間は、内面(接液部)が電解研磨処理されたSUS304製配管あるいはPFA等のフッ素樹脂を使用することが望ましい。又、各構成要素は、接続前に、予め、純水又は液体301(液浸露光用液体)を用いた浸漬、及び乾燥等からなる洗浄を施しておくことが望ましい。洗浄によって、各構成要素の接液部に存在する汚染物質(溶出物質)を除去することが出来るからである。
露光処理装置100は、所望の露光性能を発揮し得る液浸型の露光処理装置を購入する。循環液体保管タンク110、供給液体保管タンク400、洗浄液体保管タンク510、及び回収タンク500としては、内面(接液部)が電解研磨処理されたSUS304製タンクを採用することが出来る。ポンプ111,411,511として、磨耗等を原因とした微粒子が発生し難いもの、例えばステンレス鋼や2相ステンレス鋼あるいはフッ素樹脂を主材料とするダイヤフラムポンプを使用することが出来る。流路切替バルブ601及び流路切替バルブ602は、液体301が滞留し難い構造のもの、例えばステンレス鋼を主材料とする自動三方弁を採用することが出来る。三方流路調節バルブ610は、同じく液体301が滞留し難い構造のもの、例えばステンレス鋼を主材料とする自動三方調節弁を採用することが出来る。
フィルタ117としては、0.2μm〜0.03μm程度の平均細孔径のPTFEメンブランからなるものを選択することが出来る。一方、露光処理装置100の直前のフィルタ405としては、0.05μm〜0.03μm程度の最大細孔径のPTFEメンブランからなるフィルタを採用する。脱気手段401としては、不活性ガスを使用しない真空脱気方式の膜脱気装置を採用することが出来る。温度調節手段404は、例えば電熱ヒータ(加熱器)及び冷媒循環管(クーラ)が備わる容器として内製することが出来る他、冷水又は蒸気を熱媒体とする熱交換器を購入してもよい。
屈折率測定手段402としては、例えばプリズムセルを用い、プリズムへの入射角と偏角から算出する方法を採用することが出来る。更に、透過率測定手段403としては、フローセルを用いたオンライン測定方法を採用することが出来る。
精製器180は、内製した又は購入した内面(接液部)がSUS304製の容器に、吸着剤及び液体301を充填して、得ることが出来る。吸着剤としては、例えばシリカアルミナを用い、好ましくは、シリカ/アルミナ比を、3mol/mol以上10mol/mol以下のシリカアルミナを用いる。
吸着剤は、容器に充填する前に、200℃以上、500℃以下の温度で、加熱処理をしておく。より好ましい加熱処理の温度は、250℃以上、500℃以下である。このような高温下で加熱処理すれば、吸着剤に付着している有機物及び水分が十分に除去されるからである。吸着剤の充填に際しては、容器全体をバイブレータ等で振動させて、吸着剤の充填率を高めることが好ましい。
液体301は、容器に充填する前に、真空脱気法や気体透過性膜による脱気法で脱気処理をしておく。液体301の充填は、精製器180を構成する容器の、例えば出口の側から吸引して、容器内を減圧にして、(他方の側である)入口の側から窒素を送り込み、窒素で常圧に戻す操作を3〜5回程度繰り返し、容器内を窒素で置換し、出口の側から吸引して容器内を減圧した後に、出口を閉じ、入口の側から液体301を流入させることによって行う。
以上のようにして作製された精製器180は、含有する非溶解ガスの量が少なく、且つ、液体301中に含まれる溶存酸素は極低濃度である。そのため、再利用システム1によれば、精製器180を新たなものに交換した場合に、その新たな精製器180を、直ぐに、主流路10に組み込んで使用することが出来る。電子デバイス製造工場等の現場で、精製器180内を脱ガスする等のコンディショニングをする必要はない。
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)図1に示される再利用システム1を用いた。但し、精製器180(容量:1L)は、シリカアルミナ(日揮化学社製、N633L)200gを充填率20%で充填したものを、並列に2つ具備させ、そのうち1つを予備系列とした。液体301として、1,1’−ビシクロヘキシル(193nmにおける1mmあたりの透過率が99.5%)を使用した。
ArFレーザ光を照射しながら、5Lの液体301(1,1’−ビシクロヘキシル)を、流速0.1リットル/minで循環させた。同時に、三方流路調節バルブ610を調節して、洗浄液体保管タンク510へ0.01リットル/minで流し、透過率が良好な液体301(301b)を、1L、貯留させた。
9時間、ArFレーザ光を照射しながら、精製器180を通して循環させ続けたところ、液体301(301c)の透過率は99.5%/mmから98.9%/mmまで低下した(非常状態となった)。この時、流路切替バルブ602を回収タンク500側に切り替え、透過率が低下した液体301を系外に排出した。次いで、三方流路調節バルブ610を洗浄液体保管タンク510側に切り替えた。先に流路切替バルブ602を回収タンク500側に切り替えているので、透過率が低下した液体301は、洗浄液体保管タンク510に流れることはない。露光処理装置100へ送られるのを、完全に防ぐためである。そして、流路切替バルブ601を切り替え、洗浄液体保管タンク510から、透過率が良好な液体301(301b)を洗浄液として、0.1リットル/min流し、透過率が98.9%/mmまで低下した液体301を、系外に排出した。又、これらの動作と並行に、精製器180を予備系列に切り替えた。そして、洗浄液が尽きたところで、流路切替バルブ601を切り替え、精製器180の処理液(液体301(301c))が、流路切替バルブ602を通じて回収タンク500へ排出されるようにした。透過率測定手段403によって、オンラインで液体301の透過率を監視していたところ、3分後に透過率が99.0%/mm以上となったことが確認されたので、液体301が循環するように流路切替バルブ602を切り替え、更に、三方流路調節バルブ610を切り替えて、露光処理装置100へ液体301(301b)を供給した。以上により、定常状態に戻すことが出来た。非常状態から定常状態まで回復させるのに、4分間を要した。
(実施例2)液体301として、trans−デカヒドロナフタレン(193nmにおける1mmあたりの透過率が99.1%)を使用した。それ以外は実施例1と同様の条件で、ArFレーザ光を照射しながら、5Lの液体301を、流速0.1リットル/minで循環させた。同時に、三方流路調節バルブ610を調節して、洗浄液体保管タンク510へ0.01リットル/minで流し、透過率が良好な液体301(301b)を、1L、貯留させた。
10分間、ArFレーザ光を照射しながら、精製器180を通して循環させ続けたところ、液体301(301c)の透過率は99.1%/mmから98.9%/mmまで低下した(非常状態となった)。この非常状態から、実施例1と同様の対応・動作により、定常状態まで回復させるのに、3分間を要した。
(実施例3)液体301として、exo−テトラヒドロジシクロペンタジエン(193nmにおける1mmあたりの透過率が99.7%)を使用した。又、精製器180に充填する吸着剤として、ゼオライト(東ソー製、HSZ−341NHA)を使用した。それら以外は、実施例1と同様の条件で、ArFレーザ光を照射しながら、5Lの液体301を、流速0.1リットル/minで循環させた。同時に、三方流路調節バルブ610を調節して、洗浄液体保管タンク510へ0.01リットル/minで流し、透過率が良好な液体301(301b)を、1L、貯留させた。
31時間、ArFレーザ光を照射しながら、精製器180を通して循環させ続けたところ、液体301(301c)の透過率は99.7%/mmから98.9%/mmまで低下した(非常状態となった)。この非常状態から、実施例1と同様の対応・動作により、定常状態まで回復させるのに、4分間を要した。
(比較例1)図1に示される再利用システム1と比して、洗浄液体保管タンク510、回収タンク500、副流路20、三方流路調節バルブ610、流路切替バルブ601、流路切替バルブ602を具備していない再利用システムを用いた。それ以外は、実施例1と同様の条件で、ArFレーザ光を照射しながら、5Lの液体301を、流速0.1リットル/minで循環させた。
9時間、ArFレーザ光を照射しながら、精製器180を通して循環させ続けたところ、液体301(301c)の透過率は99.5%/mmから98.9%/mmまで低下した(非常状態となった)。排出手段(流路切替バルブ602、回収タンク500)を有しないため、透過率の低下した液体301を系外に被出することが出来ず、又、洗浄手段(三方流路調節バルブ610、流路切替バルブ601、副流路20、洗浄液体保管タンク510)を有しないため、精製器180を予備系列に切り替えた後に、精製器180に通液して精製した液体301(301c)によって循環系を洗浄せざるを得ず、非常状態から定常状態まで回復させるのに30分間を要した。
本発明に係る液浸型露光用液体の再利用システムは、投影光学手段の光学素子と基板との間に満たされた液体を介して露光を行う液浸法にかかり、一度使用した液体を精製し、繰り返し露光処理装置に供給して、露光を行う手段として利用することが出来る。特に、液体が飽和炭化水素化合物である場合に好適に使用することが可能である。
本発明に係る液浸型露光用液体の再利用システムの一の実施形態を示す概略フロー図である。
符号の説明
1:(液浸型露光用液体の)再利用システム、10:主流路、20:副流路、30:還流路、100:露光処理装置、110:循環液体保管タンク、111,411,511:ポンプ、117:フィルタ、180:精製器、301(301a,301b,301c、301d):液体、400:供給液体保管タンク、401:脱気手段、402:屈折率測定手段、403:透過率測定手段、404:温度調節手段、405:フィルタ、500:回収タンク、510:洗浄液体保管タンク、601,602:流路切替バルブ、610:三方流路調節バルブ。

Claims (13)

  1. 投影光学手段の光学素子と基板との間に満たされた液体を介して露光を行う露光処理装置と、前記液体の精製をするための吸着剤が充填された精製器と、その精製器及び前記露光処理装置を前記液体が循環するような主流路で構成された循環系と、を具備し、
    その循環系を構成する前記主流路における前記露光処理装置の入口に、流路切替手段Aを備え、前記精製器の出口に、流路切替手段Bを備え、前記液体が前記露光処理装置の入口から前記精製器の出口へ戻り得るように、前記流路切替手段Aと流路切替手段Bとを結ぶ副流路が、液体貯留手段を介して設けられるとともに、
    前記液体が前記循環系の系外へ排出し得るように、前記主流路における前記流路切替手段Aの備わる位置より前記精製器の側に設けられた流路切替手段Cを備える液浸型露光用液体の再利用システム。
  2. 前記流路切替手段Aは、前記副流路に流れる前記液体の流量を調節する流量調節機能を有する請求項1に記載の液浸型露光用液体の再利用システム。
  3. 液体を前記精製器の出口から前記精製器の入口に戻し得るように、前記精製器の出口と前記精製器の入口とを結ぶ還流路を備える請求項1又は2に記載の液浸型露光用液体の再利用システム。
  4. 前記循環系における前記精製器の出口側であり露光処理装置の入口側の位置に、前記液体の透過率を測定する透過率測定手段を備える請求項1〜3の何れか一項に記載の液浸型露光用液体の再利用システム。
  5. 前記精製器によって精製された、定常状態の前記液体の透過率は、99%/mm以上である請求項1〜4の何れか一項に記載の液浸型露光用液体の再利用システム。
  6. 前記主流路及び前記副流路を構成する部材のうち、少なくとも接液部は、ステンレス鋼、フッ素樹脂、ガラス、及びセラミックからなる材料群から選ばれる何れか1以上の材料によって形成される請求項1〜5の何れか一項に記載の液浸型露光用液体の再利用システム。
  7. 前記ステンレス鋼は、電解研磨処理、及び不動態化処理からなる表面処理群から選ばれる何れか1以上の処理が施される請求項6に記載の液浸型露光用液体の再利用システム。
  8. 前記吸着剤は、1種類のAlを含む酸化物である請求項1〜7の何れか一項に記載の液浸型露光用液体の再利用システム。
  9. 前記Alを含む酸化物は、シリカアルミナ及びゼオライトからなる酸化物群から選ばれる何れか1の酸化物である請求項8に記載の液浸型露光用液体の再利用システム。
  10. 精製される前記液体が、飽和炭化水素化合物である請求項1〜9の何れか一項に記載の液浸型露光用液体の再利用システム。
  11. 前記液体が、1,1’−ビシクロヘキシルである請求項10に記載の液浸型露光用液体の再利用システム。
  12. 前記液体が、trans−デカヒドロナフタレンである請求項10に記載の液浸型露光用液体の再利用システム。
  13. 前記液体が、exo−テトラジシクロペンタジエンである請求項10に記載の液浸型露光用液体の再利用システム。
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