JP2009025824A - シングルモード光ファイバ用ガラス母材及びシングルモード光ファイバ - Google Patents
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Abstract
【課題】光ファイバの片端のみからのOTDR測定により、容易に伝送損失不具合箇所を特定化できるシングルモード光ファイバ、及びこのような光ファイバを作製するための光ファイバ用母材を提供する。
【解決手段】シングルモード光ファイバ用母材は、円柱状のコア及びこれを取り巻く円筒状のクラッドから構成され、該コアの長手方向におけるコア径の変動量を7%以下とすることにより、光ファイバのOTDR測定波形の変動を0.1dB以下とすることができる。
【選択図】図10
【解決手段】シングルモード光ファイバ用母材は、円柱状のコア及びこれを取り巻く円筒状のクラッドから構成され、該コアの長手方向におけるコア径の変動量を7%以下とすることにより、光ファイバのOTDR測定波形の変動を0.1dB以下とすることができる。
【選択図】図10
Description
本発明は、シングルモード光ファイバに係り、特には、OTDR(Optical Time Domain Refractometory)法による光パルス試験器を用いた波形測定によって、光ファイバの長手方向での伝送損失不具合箇所を特定可能なシングルモード光ファイバ及びそれを作製するための光ファイバ用母材に関する。
光ファイバの伝送損失を測定する手法の一つに、カットバック法がある。この方法は、長尺の光ファイバの片端に所定の波長の光を入射し、他端から出射した光のパワーを測定する。次に、この光ファイバの入射端側の約2mを切り出し、切り出した光ファイバについても同様に出射光のパワーを測定し、両パワーの差を求め、得られたパワー差分を、測定していない残りの長尺光ファイバの伝送損失とするものである。
この方法では、光ファイバの全長に対する平均的な伝送損失を正確に測定できる反面、光ファイバの長手方向にわたる伝送損失の分布状況を知ることはできない。仮に伝送損失が高く出た場合、それが光ファイバ全長にわたって伝送損失が高くなっているのか、あるいは一部分に伝送損失の高い部分があるのか、その位置は何処なのか、といった情報は得られないという欠点がある。
この方法では、光ファイバの全長に対する平均的な伝送損失を正確に測定できる反面、光ファイバの長手方向にわたる伝送損失の分布状況を知ることはできない。仮に伝送損失が高く出た場合、それが光ファイバ全長にわたって伝送損失が高くなっているのか、あるいは一部分に伝送損失の高い部分があるのか、その位置は何処なのか、といった情報は得られないという欠点がある。
一方、長手方向の伝送損失情報を得る手段として、OTDR法が挙げられる。この方法は、光ファイバの片端から所定の波長のパルス光を入射し、光ファイバの入射端面からの距離zの位置から戻ってくるレーリー散乱光(以下、後方散乱光という)を観測することにより、光ファイバの伝送損失を測定する方法である。
後方散乱光強度P(λ,z)は、次の[数3]式で求められる。
後方散乱光強度P(λ,z)は、次の[数3]式で求められる。
この[数3]式を対数値に変換しdBスケールで表現すると[数4]式となり、後方散乱光強度S(λ,z)は、光ファイバの長手方向の位置によって変化する。
典型的なOTDR測定の結果を図1に示す。
後方散乱光強度(S(λ,z))が単調に減少している部分は、伝送損失特性が安定していることを示している。10,000m付近での曲線の屈折は、この付近で急激に伝送損失が上昇していることを示している。伝送損失が上昇する原因としては、光ファイバがこの部分で強い応力を受けてマイクロベンディング・ロスが生じている、あるいは2本の光ファイバを接続した際の接続点である等、種々考えられる。いずれにせよ、このような伝送損失の高い領域は光信号の伝送上望ましくない領域であり、伝送損失が大きい場合にはこの領域部分の光ファイバを敷設しなおすとか、接続しなおす等の対策が必要となる。
後方散乱光強度(S(λ,z))が単調に減少している部分は、伝送損失特性が安定していることを示している。10,000m付近での曲線の屈折は、この付近で急激に伝送損失が上昇していることを示している。伝送損失が上昇する原因としては、光ファイバがこの部分で強い応力を受けてマイクロベンディング・ロスが生じている、あるいは2本の光ファイバを接続した際の接続点である等、種々考えられる。いずれにせよ、このような伝送損失の高い領域は光信号の伝送上望ましくない領域であり、伝送損失が大きい場合にはこの領域部分の光ファイバを敷設しなおすとか、接続しなおす等の対策が必要となる。
ところで、OTDR法による伝送損失の測定(以下、OTDR測定という)は、片端のみからでは正しい測定ができないことが知られている。すなわち、上記[数3]式から明らかなように、後方散乱光の強度に影響する因子は、伝送損失γ(z)だけではなく、後方散乱光の補修係数B(z)が変動している場合にも類似した波形変動が生じる。
そのため、伝送損失を正しく測定するためには、光ファイバの両端から波形測定を行い、下記の[数5]式,[数6]式から、補修係数B成分を相殺し、伝送損失γ成分だけを取り出した[数7]式のD(z)で評価する必要がある。
そのため、伝送損失を正しく測定するためには、光ファイバの両端から波形測定を行い、下記の[数5]式,[数6]式から、補修係数B成分を相殺し、伝送損失γ成分だけを取り出した[数7]式のD(z)で評価する必要がある。
しかしながら、線引き直後のボビンに巻かれた状態の光ファイバであれば、両端からのOTDR測定も可能であるが、この光ファイバをケーブル化して敷設されるときには数十kmのほぼ直線状となるため、この場合、両端からのOTDR測定は極めて困難となる。
このため、実際の敷設現場では片端のみからの測定で、伝送損失不具合箇所を特定する必要が生じるが、片端からの測定では伝送損失が実際には小さい場合においても、捕集係数Bの変動によって生じる変動部分まで、伝送損失不具合部分として過大評価されることがある。
このため、実際の敷設現場では片端のみからの測定で、伝送損失不具合箇所を特定する必要が生じるが、片端からの測定では伝送損失が実際には小さい場合においても、捕集係数Bの変動によって生じる変動部分まで、伝送損失不具合部分として過大評価されることがある。
そこで、本発明は、光ファイバの片端のみからのOTDR測定により、容易に伝送損失不具合箇所を特定化できるシングルモード光ファイバを提供すること、またこのような光ファイバを作製するための光ファイバ用母材を提供することを課題としている。
請求項1に記載のシングルモード光ファイバ用ガラス母材は、円柱状のコア及びこれを取り巻く円筒状のクラッドから構成され、該コアの長手方向におけるコア直径の変動量が7%以下であることを特徴としている。
請求項2に記載のシングルモード光ファイバは、請求項1に記載のシングルモード光ファイバ用ガラス母材を線引きして作製した光ファイバであって、長手方向におけるコア直径の変動量が7%以下であることを特徴としている。
請求項3に記載のシングルモード光ファイバは、請求項1に記載のシングルモード光ファイバ用ガラス母材を線引きして作製した光ファイバであって、OTDR法により光パルス試験器を用いて波形測定を行い、入射した光の波長をλ、光ファイバの全長をLとしたとき、光ファイバの入射端面からの距離zの位置での後方散乱光強度をS1(λ,z)とし、zの位置から出射端面までの後方散乱光強度をS2(λ,L−z)とするとき、次式で表わされる波形の変動量I(λ,z)が0.1dB以下であることを特徴としている。
請求項4に記載のシングルモード光ファイバは、OTDR法により光パルス試験器を用いて波長λ1及びこれより波長の長いλ2の2波長で波形測定を行ない、波長λ1及びλ2における前記波形の変動量I(λ,z)をそれぞれI(λ1,z)、I(λ2,z)とするとき、次式で表わされる領域が光ファイバの長手方向の少なくとも一部に存在するとされる。
請求項5に記載のシングルモード光ファイバは、λ1, λ2の2波長がそれぞれ順に1310nm,1550nmであるとき、I(λ1,z)=2×I(λ2,z)
の関係を満たす領域が光ファイバの長手方向の少なくとも一部に存在する。
の関係を満たす領域が光ファイバの長手方向の少なくとも一部に存在する。
本発明のシングルモード光ファイバは、光ファイバの片端からOTDR測定を行うことで、容易に伝送損失不具合部分を特定することができる。
光ファイバの伝送損失上の不具合要因の一つにマクロベンディング損失がある。これは、光ファイバに1〜数十mmオーダーの曲げが加えられた際に、伝搬する光の一部が外部に放出される現象で、伝送損失として観測される。この損失の程度は、光ファイバの屈折率分布状態や曲げの大きさによって異なるが、一般には曲げ半径が小さいほど、曲げられた区間が長いほど、カットオフ波長が小さいほど、モードフィールド径が大きいほど、さらに伝送波長が長いほど大きくなる傾向がある。
国際規格であるITU−T(Telecommunication Standardization Sector of International Telecommunication Union)のG.652によると、直径32mmφ×1周の曲げに対するマクロベンディング損失が1dB以下であることが要求されている。
国際規格であるITU−T(Telecommunication Standardization Sector of International Telecommunication Union)のG.652によると、直径32mmφ×1周の曲げに対するマクロベンディング損失が1dB以下であることが要求されている。
さらに、光ファイバの伝送損失上の不具合要因には接続損失がある。これは主に2本の光ファイバの接続部分において、両光ファイバのパワー分布の重なりが一致しない場合に生じる。原因としては光ファイバのコアの軸ずれが挙げられる。例えば、典型的なシングルモード光ファイバ(ステップ型屈折率分布、モードフィールド径MFD=9.2μm)の場合、コア軸を互いに1μmずらして接続した場合、0.2dBもの接続損失が生じる。
本発明は、損失が0.1 dB程度以上となる伝送損失の不具合箇所を、OTDR測定で片端からの入射光測定により容易に検出できるように、光ファイバ自体に工夫を加えたものである。
本発明は、損失が0.1 dB程度以上となる伝送損失の不具合箇所を、OTDR測定で片端からの入射光測定により容易に検出できるように、光ファイバ自体に工夫を加えたものである。
次に、図2〜4にもとづきOTDR測定法の実際について説明する。なお、図2〜4(c)において、縦軸は後方散乱光強度であり、横軸は光ファイバの入射端面からの距離zである。ただし、図4(d)の縦軸は捕集係数Bの変動分I(λ,z)であり、図4(e)の縦軸はMFD値である。
光ファイバの全長にわたって伝送損失が一定の場合は、図2に示すようなS(λ,z)が直線的に単調に減少する測定波形が得られる。
さて、光ファイバの一部に伝送損失の高い部分が存在する場合、図3の(a),(b)に示すような測定波形が得られる。ここで(a)は光ファイバの一端から測定した波形であり、(b)は他端から測定した波形である。次に、図3(b)の波形を左右逆にプロットして、S(λ,z−L)を求めたものが図3(c)である。このようにして得られた図3(a)と図3(c)から、[数7]式によりD(z)を求めると図3(d)が得られる。図3(d)においては、X部分の傾斜が大きくなっており、この位置で確かに伝送損失が大きいことが確認される。
光ファイバの全長にわたって伝送損失が一定の場合は、図2に示すようなS(λ,z)が直線的に単調に減少する測定波形が得られる。
さて、光ファイバの一部に伝送損失の高い部分が存在する場合、図3の(a),(b)に示すような測定波形が得られる。ここで(a)は光ファイバの一端から測定した波形であり、(b)は他端から測定した波形である。次に、図3(b)の波形を左右逆にプロットして、S(λ,z−L)を求めたものが図3(c)である。このようにして得られた図3(a)と図3(c)から、[数7]式によりD(z)を求めると図3(d)が得られる。図3(d)においては、X部分の傾斜が大きくなっており、この位置で確かに伝送損失が大きいことが確認される。
一方、捕集係数Bが変化している部分が存在する光ファイバの場合には、図4の(a)、(b)に示す様な測定波形が得られる。なお、(a)は光ファイバの一端から測定した波形であり、(b)は他端から測定した波形である。
ここで特徴的なのは、捕集係数Bが変化している部分Yは(a)、(b)でその傾斜方向が互いに逆になっている点である。上記と同様のデータ処理を行なってD(z)を求めると図4(c)が得られる。図4(c)においては、Y部分の波形変動は互いにキャンセルされて全体に一様な波形となっている。つまり、Y部分は伝送損失が変化していないことを示している。
ここで特徴的なのは、捕集係数Bが変化している部分Yは(a)、(b)でその傾斜方向が互いに逆になっている点である。上記と同様のデータ処理を行なってD(z)を求めると図4(c)が得られる。図4(c)においては、Y部分の波形変動は互いにキャンセルされて全体に一様な波形となっている。つまり、Y部分は伝送損失が変化していないことを示している。
また、捕集係数Bは、下記の[数12]式で表される。
捕集係数Bが変動する要因はMFDの変動にあり、捕集係数BとMFDとの間に、B∝[MFD]-2の関係がある。なお、上式において、kは波長によって決まる定数、aはコア径、Δnは光ファイバ屈折率差、ψは伝播する光の電界分布、rは光ファイバの中心からの距離(半径)である。
実際に、この光ファイバを長手方向に切断してMFDを測定したのが図4(e)であり、この図から図4(d)の関係が確認される。
従って、逆の見方をすると、MFDの長手方向の変動が均一な光ファイバであれば、捕集係数Bが均一となり、不具合箇所を光ファイバの片端のみのOTDR測定で検出可能になる。
実際に、この光ファイバを長手方向に切断してMFDを測定したのが図4(e)であり、この図から図4(d)の関係が確認される。
従って、逆の見方をすると、MFDの長手方向の変動が均一な光ファイバであれば、捕集係数Bが均一となり、不具合箇所を光ファイバの片端のみのOTDR測定で検出可能になる。
MFDの変動の要因は、大きく2つ考えられる。一つは比屈折率差の変動であり、もう一つはコアの直径の変動である。
そこで、直径数十mm程度のガラス母材を作製し、これを加熱軟化させ延伸することによって直径120μm程度の光ファイバとする。ガラス母材の屈折率分布は、光ファイバのそれと相似形になるように調整されているが、上記各パラメータの変動は、ガラス母材の段階で生じる可能性と、それを延伸して光ファイバ化する段階で生じる可能性が存在する。
そこで、直径数十mm程度のガラス母材を作製し、これを加熱軟化させ延伸することによって直径120μm程度の光ファイバとする。ガラス母材の屈折率分布は、光ファイバのそれと相似形になるように調整されているが、上記各パラメータの変動は、ガラス母材の段階で生じる可能性と、それを延伸して光ファイバ化する段階で生じる可能性が存在する。
すなわち、ガラス母材の段階で屈折率やコア径が変動していると、これがほぼそのまま光ファイバの屈折率やコア径の変動に結びつく。また、ガラス母材の段階で屈折率やコア径の変動を小さくしたとしても、延伸する際に冷却速度などが変動すると光ファイバ内の残留応力状態が変化して屈折率分布の変動となって現れ、また延伸径が変動したりするとコア径の変動となって現れる。ちなみに、母材のパラメータが変動していると、これをキャンセルするように光ファイバの線引きをコントロールするのは極めて困難である。
従って、これらパラメータの変動の小さい光ファイバを作製するには、母材の作製と光ファイバへの線引きとの両段階で、各パラメータの変動を最小限に抑え、さらに検査の結果、変動が認められる場合には、変動部分を除去して特性の安定した部分だけを取り出す必要がある。
そこで、それぞれの変動量がどのようにOTDR測定波形の変動、とりわけ捕集係数Bの変動に影響するかを調べた。
そこで、それぞれの変動量がどのようにOTDR測定波形の変動、とりわけ捕集係数Bの変動に影響するかを調べた。
先ず、比屈折率差Δn=0.35%を基準として、長手方向にコアの比屈折率差を変動させたプリフォームをVAD法により作製し、これをコア径が8μmとなるように線引きして得た光ファイバを用いてOTDR測定を行ない、その結果を図5〜7に示した。
図5は、波長λ1(1310nm)と波長λ2(1550nm)で光ファイバの長手方向の位置zを変えて測定した波形の変動量Iを上記[数11]式によって捕集係数Bの変動分を取り出し、各zについてプロットした図である。
図5は、波長λ1(1310nm)と波長λ2(1550nm)で光ファイバの長手方向の位置zを変えて測定した波形の変動量Iを上記[数11]式によって捕集係数Bの変動分を取り出し、各zについてプロットした図である。
次に、コア径8μm、Δn=0.35%を基準値として、Δnを微小に変化させたときの電界分布ψをシミュレーションによって計算し、[数12]式に基づいて捕集係数Bを求め、さらに[数11]式に基づいて後方散乱光強度の変化量の捕集係数変動分I(λ、z)を求め、Δn=0.35%のときのIを基準にして差分をとるとIの相対値がシミュレーションできる。
図6は、このようにしてλ1(1310nm)、λ2(1550nm)に対するIの相対値をシミュレーションして、両者を比較した図である。また、図7はこのシミュレーション結果を、Iの相対値を縦軸に、Δnの基準値(0.35%)からの変化率を横軸に描き直した図である。
図5、図6からシミュレーションが実測値と良く一致することが判る。図7から、Iの相対値を0.1dB以下にするためには、Δnの変化率が1.06以下つまり6%以下でなければならない。また、Δnが変動する場合は、|I(λ2)|>|I(λ1)|であり、λ1=1310nm、λ2=1550nmのとき、I(λ1)≒0.8×I(λ2)の関係があることも読み取ることができる。
図6は、このようにしてλ1(1310nm)、λ2(1550nm)に対するIの相対値をシミュレーションして、両者を比較した図である。また、図7はこのシミュレーション結果を、Iの相対値を縦軸に、Δnの基準値(0.35%)からの変化率を横軸に描き直した図である。
図5、図6からシミュレーションが実測値と良く一致することが判る。図7から、Iの相対値を0.1dB以下にするためには、Δnの変化率が1.06以下つまり6%以下でなければならない。また、Δnが変動する場合は、|I(λ2)|>|I(λ1)|であり、λ1=1310nm、λ2=1550nmのとき、I(λ1)≒0.8×I(λ2)の関係があることも読み取ることができる。
次に、プリフォームをフッ酸で表面処理することにより外径を変動させたプリフォームを作製し、これを外径125μmになるように線引きして、コア径が8μmを中心値として変動する光ファイバを得た。この光ファイバを用いてOTDR測定を行ない、その結果を図8〜10に示した。
図8は、波長λ1(1310nm)と波長λ2(1550nm)で光ファイバの長手方向の位置zを変えて測定した波形の変動量Iを、図5の場合と同様にして捕集係数Bの変動分を取り出し、各zについてプロットした図である。
図8は、波長λ1(1310nm)と波長λ2(1550nm)で光ファイバの長手方向の位置zを変えて測定した波形の変動量Iを、図5の場合と同様にして捕集係数Bの変動分を取り出し、各zについてプロットした図である。
次に、コア径8μm、Δn=0.35%を基準値として、コア径を微小に変化させたときの電界分布ψをシミュレーションによって計算し、[数12]式に基づいて捕集係数Bを求め、さらに、[数11]式によって後方散乱光強度の変化量の捕集係数変動分I(λ、z)を求めて、コア径8μmのときのIを基準にして差分をとると、Iの相対値をシミュレーションできる。図9は、このような手順でλ1(1310nm)、λ2(1550nm)に対するIの相対値をシミュレーションして両者を比較した図である。また、図10は、このシミュレーションの結果を、Iの相対値を縦軸に、コア径の基準値(8μm)からの変化率を横軸に描き直した図である。
図8、図9からシミュレーションが実測値と良く一致することが確認できる。また、図10から、Iの相対値を0.1dB以下にするためには、コア径の変化率が×1.07以下、つまり7%以下でなければならないことが判る。また、コア径が変動する場合は、|I(λ1)|>|I(λ2)|であり、λ1=1310nm、λ2=1550nmのとき、I(λ1)≒2×I(λ2)の関係があることも読み取ることができる。
図8、図9からシミュレーションが実測値と良く一致することが確認できる。また、図10から、Iの相対値を0.1dB以下にするためには、コア径の変化率が×1.07以下、つまり7%以下でなければならないことが判る。また、コア径が変動する場合は、|I(λ1)|>|I(λ2)|であり、λ1=1310nm、λ2=1550nmのとき、I(λ1)≒2×I(λ2)の関係があることも読み取ることができる。
Claims (5)
- 円柱状のコア及びこれを取り巻く円筒状のクラッドから構成され、該コアの長手方向におけるコア直径の変動量が7%以下であることを特徴とするシングルモード光ファイバ用ガラス母材。
- 請求項1に記載のシングルモード光ファイバ用ガラス母材を線引きして作製した光ファイバであって、長手方向におけるコア直径の変動量が7%以下であることを特徴とするシングルモード光ファイバ。
- 前記λ1, λ2の2波長がそれぞれ順に1310nm,1550nmであるとき、I(λ1,z)=2×I(λ2,z)の関係を満たす領域が光ファイバの長手方向の少なくとも一部に存在する請求項4に記載のシングルモード光ファイバ。
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