JP5770517B2 - 光ファイバのカットオフ波長測定方法 - Google Patents
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Description
なお本明細書において「規格」とは、IEC 60793−1−44 「Measurement methods and test procedures - Cut-off wavelength」、ITU−T G.650.1 「Definitions and test methods for linear, deterministic attributes of single-mode fibre and cable」、JIS C 6825 「光ファイバ構造パラメータ試験方法―光学的特性」などの、カットオフ波長測定に関する規格を意味している。
先ず前述のように被測定ファイバの透過光パワーPsig(λ)と、リファレンス用ファイバとして用いるマルチモードファイバの透過光パワーPref(λ)とを測定し、それらの比A(λ)を、対数比として、
A(λ)=10×log10{Psig(λ)/Pref(λ)}
により求める。このA(λ)の波長特性スペクトルを、図13の太い実線18で示す。
このシングルモードファイバ参照法では、リファレンス用ファイバとして、マルチモード励振法にて用いるマルチモードファイバに代えて、被測定ファイバよりもカットオフ波長が短いシングルモードファイバを用意する。そして、被測定ファイバの透過光パワーPsig(λ)と、リファレンス用ファイバとして用いるシングルモードファイバ(ただし被測定ファイバよりもカットオフ波長が短いもの)に60mmφの小さい曲げを加えた状態の透過光パワーPref(λ)とを測定し、それらの透過光パワーの比A(λ)を前記同様に求め、その透過光パワーの比A(λ)のスペクトルの長波長側の部分を直線近似して基準線を求め、さらにその基準線を0.1dBだけシフトさせた直線と透過光パワーの比A(λ)の短波長側との交点を、カットオフ波長と定めることとしている。
このシングルモードファイバ参照法においては、リファレンス用ファイバとして、被測定ファイバよりもカットオフ波長が短いシングルモードファイバに60mmφの小さい曲げを加えて用いているため、マルチモード励振法の場合とは異なり、少なくとも被測定ファイバのカットオフ波長付近よりも長波長側(シングルモード伝搬領域)では、透過光パワーの比A(λ)に大きなうねりが生じず、そのため基準線も一義的に定めることが容易となり、その結果、カットオフ波長も一義的に決定することが容易となって、算出カットオフ波長にばらつきが生じることを回避できる。
シングルモードファイバ参照法において正確な測定を行なうためには、リファレンス用ファイバのシングルモードファイバとして、被測定ファイバよりもカットオフ波長が十分に短いものを用いる必要がある。すなわち、被測定ファイバよりもカットオフ波長がわずかに短いだけのシングルモードファイバをリファレンス用ファイバに用いた場合、被測定ファイバとリファレンス用ファイバの透過光パワーの波長特性の間に、カットオフ波長算出のために十分な程度の透過光パワーの比A(λ)が得られず、そのため正確な算出が困難となることがある。しかるに非特許文献2の提案では、その点についての配慮がなされておらず、そのため正確な測定を行ない得ないことが危惧される。
さらに、新たに被測定ファイバのカットオフ波長を測定しようとする場合に、その被測定ファイバのカットオフ波長が、手元に所持しているカットオフ波長既知のすべてのシングルモードファイバのカットオフ波長よりも短いことがあり、この場合はリファレンス用ファイバを手元のシングルモードファイバから選び出すことができないことになる。したがって、実際の測定現場においては、シングルモードファイバ参照法において適切なリファレンス用ファイバを用意することは、必ずしも容易とは言えなかったのが実情である。
さらにこれらの場合、ファイバの条長調整によってリファレンス用ファイバとして適切なものを得ることができることから、リファレンス用ファイバの選択の自由度が大きくなって、実際の測定現場でも有利となることを見出し、本発明をなすに至った。
リファレンス用ファイバとしてシングルモードファイバを用い、リファレンス用ファイバの透過光パワーの波長特性と、被測定ファイバの透過光パワーの波長特性とをそれぞれ測定し、被測定ファイバの透過光パワーとリファレンス用ファイバの透過光パワーとの比の波長依存性に基づいて被測定ファイバのカットオフ波長を算出するカットオフ波長測定方法において、
前記リファレンス用ファイバとしてのシングルモードファイバの透過光パワー測定時の条長を、被測定ファイバの条長より長く、かつ被測定ファイバの予想カットオフ波長においてそのリファレンス用ファイバが基底モードのみを伝搬するような長さに調整することを特徴とするものである。
前記リファレンス用ファイバとしてのシングルモードファイバの透過光パワー測定時の条長を、その条長でのリファレンス用ファイバのカットオフ波長が、被測定ファイバの予想カットオフ波長よりも少なくとも10nm短くなるように調整することを特徴とするものである。
前記リファレンス用ファイバとしてのシングルモードファイバの透過光パワー測定時の条長を、その対数値(常用対数)と被測定ファイバの条長の対数値(常用対数)との差が0.5以上となるように調整することを特徴とするものである。
前記リファレンス用ファイバとして、被測定ファイバと同一の母材より紡糸された素線からなるものを使用することを特徴とするものである。
前記リファレンス用ファイバとして、被測定ファイバとは異なる素線からなるものを使用することを特徴とするものである。
被測定ファイバの透過光パワーとリファレンス用ファイバの透過光パワーとの比の波長依存性に基づいて被測定ファイバのカットオフ波長を算出するにあたり、
被測定ファイバの透過光パワーをPsig(λ)、リファレンス用ファイバの透過光パワーをPref(λ)とし、次式
A(λ)=10×log10{Psig(λ)/Pref(λ)}
で求められる透過光パワーとの比A(λ)のスペクトル上における、被測定ファイバの規定モードのみを伝搬する波長領域のスペクトルを直線近似してなる基準線を、0.1dBだけ平行にシフトしてなる直線と、前記透過光パワーとの比A(λ)のスペクトルとの交点の波長を、被測定ファイバのカットオフ波長とすることを特徴とするものである。
そこで本発明では、リファレンス用ファイバとしてのシングルモードファイバの透過光パワー測定時の条長を、単純に被測定ファイバの条長より長くするのではなく、予め被測定ファイバ12のカットオフ波長を予想しておき(その予想されるカットオフ波長を本明細書では「予想カットオフ波長」と称している)、ファイバ条長とカットオフ波長との関係に基づいて、被測定ファイバの予想カットオフ波長においてリファレンス用ファイバが基底モードのみを伝搬するような長さに調整することとしている。
次に第2段階として、リファレンス用ファイバ32の条長を、被測定ファイバ12の条長より長く、かつ被測定ファイバ12の予想カットオフ波長においてそのリファレンス用ファイバ32が基底モードのみを伝搬するような長さに調整する。ここで、「条長を調整する」とは、実作業上は、上述のような条長条件を満たす長さのシングルモードファイバを選び出す、あるいは手持ちのシングルモードファイバから上述のような条長条件を満たす長さのものを切り出す、などの作業を意味する。
さらに第3段階として、図2に示したような測定系により、リファレンス用ファイバ32および被測定ファイバ12の透過光パワーPref(λ)、Psig(λ)をそれぞれ測定する。
さらに第5段階として、図3に示した透過光パワーの比A(λ)の波長特性に基づいて、被測定ファイバのカットオフ波長λを求める。これは、既に述べたマルチモード励振法およびシングルモードファイバ参照法と同様に、被測定ファイバ12のシングルモード伝搬領域、すなわち基底モードのみを伝搬する領域のスペクトルを直線近似した直線を基準線42(図3の細い実線)とし、その基準線42を平行に0.1dBだけシフトさせた直線44(図3の1点鎖線)と、過光パワーの比A(λ)のスペクトル線との交点46に相当する波長をもって、被測定ファイバ12のカットオフ波長λと決定すればよい。
ここで、従来の曲げ法、マルチモード励振法においては、被測定ファイバが十分に励振されていることの指標として、透過光パワーの比被測定ファイバ透過光パワーの比A(λ)のスペクトル上のピークが2dB以上であることが要求されており、本発明の場合も、図3におけるピーク48が、2dB以上であることが望まれる。但し、本発明法の場合、被測定ファイバのカットオフ波長とリファレンス用ファイバのカットオフ波長が近い場合には、十分に励振されていても、透過光パワーの比A(λ)のスペクトルに十分な高さのピーク(2dB以上のピーク)が現れないこともある。このような場合は、励振状態について、確認実験を行なうことが望ましい。すなわち、従来の通常のマルチモード励振法により、被測定サンプルと本発明法におけるリファレンス用ファイバ(長尺ファイバ)のそれぞれについて透過光パワーを測定し、マルチモード励振法による透過光パワーの比A(λ)に2dB以上のピークが現出していれば、たとえ本発明法で2dB以上のピークが現れていなくても、十分に励振されているとみなすことができる。
測定によって求められるシングルモードファイバのカットオフ波長が、測定の際のファイバの条長によって変化すること、すなわちファイバの条長が長くなるほど、カットオフ波長が短くなることについての実証実験を行なった結果を図4に示す。この実験では、通信用として使用される一般的なシングルモードファイバを被測定ファイバとし、マルチモード励振法によって、種々の異なる条長(2m〜200m)のシングルモードファイバ素線からなる被測定ファイバの透過光パワーPsig(λ)と、一定長さのリファレンス用ファイバの透過光パワーPref(λ)とを測定し、それらの比A(λ)を測定したときの、A(λ)の波長特性のファイバ条長依存性を図4に示した。この図4において、長波長側から短波長側に向かって1250nm付近〜1150nm付近でA(λ)が急峻に立ち上がる部分がカットオフ波長に相当するが、ファイバの条長が長くなるにしたがって、カットオフ波長が短くなることが分かる。この結果から、被測定ファイバよりも十分に長いシングルモードファイバを、被測定ファイバよりもカットオフ波長が短いリファレンス用ファイバとして使用し得ることが明らかである。またここで、図4から、被測定ファイバ条長2mのデータのみを抜粋して、図5に示す。これは従来のマルチモード励振法によって測定した結果の一部であるが、この図5から、マルチモード励振法によって測定した場合には、透過光パワーの比A(λ)の波長特性における長波長側の直線近似すべき部分にうねりが生じていることが明らかである。したがってこの場合は、直線近似する領域の取り方やその手法、計算によって、基準線が異なってしまい、カットオフ波長の算出結果にもばらつきが生じてしまうと考えられる。なおこの実験例1において被測定ファイバとして用いたシングルモードファイバとは、具体的には、ITU−T G.652.D準拠のシングルモードファイバである。
実験例1で用いたものと同じ母材から紡糸した素線からなるシングルモードファイバの条長2mの被測定ファイバについて、リファレンス用ファイバとして被測定ファイバと同じ母材から紡糸した素線からなる条長200mのファイバを用い、本発明法に従って被測定ファイバの透過光パワーPsig(λ)と、リファレンス用ファイバの透過光パワーPref(λ)とを測定し、それらの比A(λ)を測定した。このときの透過光パワーのA(λ)の波長特性を図6に示す。この場合、図6から明らかなように、透過光パワーの比A(λ)の波長特性における長波長側の直線近似すべき部分(被測定ファイバのシングルモード伝搬領域)に、図5に示したマルチモード励振法の場合のようなうねりが生じておらず、そのため直線近似の誤差が生じにくく、基準線を確実かつ容易に決定し得ることが明らかである。なおこの実験例2において、被測定ファイバの予想カットオフ波長としては、1250nm程度を想定した。ここで、条長2mの被測定ファイバと同一母材から紡糸した素線からなる条長200mのリファレンス用ファイバでは、そのカットオフ波長は1200nm程度と見積もられ、したがってリファレンス用ファイバの透過光パワー測定時の条長を、被測定ファイバの予想カットオフ波長においてそのリファレンス用ファイバが基底モードのみを伝搬するような長さに調整するという前述の条件を満たし、しかもリファレンス用ファイバの条長を、その条長でのリファレンス用ファイバのカットオフ波長が、被測定ファイバの予想カットオフ波長よりも10nm以上短くなるように調整するという条件をも満たしていることが明らかである。なおまた、この実験例2によって最終的に算出された被測定ファイバのカットオフ波長は、1242.7nmであった。
低曲げ損失ファイバからなるシングルモードファイバの条長22mの被測定ファイバについて、リファレンス用ファイバとして被測定ファイバと同じ母材から紡糸した素線からなる条長200mのファイバを用い、本発明法に従って、被測定ファイバの透過光パワーPsig(λ)と、リファレンス用ファイバの透過光パワーPref(λ)とを測定し、それらの比A(λ)を測定した。このときの透過光パワーのA(λ)の波長特性を図7中の実線で示す。なおこの実験例3において、被測定ファイバの予想カットオフ波長としては、1250nm程度を想定したが、条長22mの被測定ファイバと同一素材からなる条長200mのリファレンス用ファイバでは、そのカットオフ波長は1200nm程度と見積もられ、したがってリファレンス用ファイバの透過光パワー測定時の条長を、被測定ファイバの予想カットオフ波長においてそのリファレンス用ファイバが基底モードのみを伝搬するような長さに調整するという条件を満たし、しかもリファレンス用ファイバの条長を、その条長でのリファレンス用ファイバのカットオフ波長が、被測定ファイバの予想カットオフ波長よりも10nm以上短くなるように調整するという条件をも満たしていることが明らかである。なおこの実験例3において使用した被測定ファイバは、具体的には、ITU−T G.657.A.2準拠のシングルモードファイバからなるものである
また比較のため、上記と同じ低曲げ損失ファイバからなる条長22mの被測定ファイバについて、リファレンス用ファイバとしてマルチモードファイバを使用し、従来のマルチモード励振法に従って、被測定ファイバの透過光パワーPsig(λ)と、リファレンス用ファイバの透過光パワーPref(λ)とを測定し、それらの比A(λ)を測定した。このときの透過光パワーのA(λ)の波長特性を、カットオフ波長決定のための基準線が0ベースとなるように変換して、図7中に破線で示す。
図7から明らかなように、従来のマルチモード励振法による場合(破線)には、長波長側にうねりが生じているのに対し、本発明法による場合(実線)にはうねりが実質的に生じていない。ただし、この実験例3で算出されたカットオフ波長は、本発明法では1249.1nm、従来のマルチモード励振法では1249.0nmであって、それらの間に大きな差は認められなかった。これは、従来のマルチモード励振法における基準線決定のための直線近似が、たまたま適切であったためと解される。
実験例3で用いたものと同種の低曲げ損失ファイバから、条長22mの被測定ファイバを切り出し、リファレンス用ファイバとしては実験例3の本発明法で使用したものと同じものを用い、本発明法に従って、被測定ファイバの透過光パワーPsig(λ)を測定し、またリファレンス用ファイバの透過光パワーPref(λ)のデータとしては、実験例3の本発明法によるデータをそのまま使用し、それらの比A(λ)を算出した。このときの透過光パワーの比A(λ)の波長特性を図8の実線で示す。なおこの実験例4においても、実験例3の本発明法と同様に、被測定ファイバの予想カットオフ波長は、1230nm程度に想定した。
また比較のため、上記と同じ低曲げ損失ファイバからなる条長22mの被測定ファイバについて、リファレンス用ファイバとしてマルチモードファイバを使用し、従来のマルチモード励振法に従って、被測定ファイバの透過光パワーPsig(λ)を測定し、またリファレンス用ファイバの透過光パワーPref(λ)のデータとしては、実験例3のマルチモード励振法によるデータをそのまま使用し、それらの比A(λ)を算出した。このときの透過光パワーのA(λ)の波長特性のグラフを、カットオフ波長決定のための基準線が0ベースとなるように変換して、図8の破線で示す。
この実験例4で算出されたカットオフ波長は、本発明法では1238.7nmであったのに対し、従来のマルチモード励振法では1229.7nmであって、実験例3の場合とは異なり、それらの間にかなりの差が生じてしまった。
実験例3において用いた低曲げ損失ファイバと同種の素線からなるシングルモードファイバの条長22mの被測定ファイバについて、リファレンス用ファイバのシングルモードファイバとして被測定ファイバとは異なる素線、すなわち通信用として一般的に使用されるシングルモードファイバ、具体的にはITU−T G.652.D準拠のシングルモードファイバからなる条長100mのファイバを用い、本発明法に従って、被測定ファイバの透過光パワーPsig(λ)と、リファレンス用ファイバの透過光パワーPref(λ)を測定し、それらの比A(λ)を測定した。このときの透過光パワーのA(λ)の波長特性を図10に示す。なおこの実験例5において、被測定ファイバの予想カットオフ波長としては、1250nm程度を想定したが、条長22mの被測定ファイバと異なる屈折率分布の条長100mのリファレンス用ファイバでは、そのカットオフ波長は1200nm程度と見積もられ、したがってリファレンス用ファイバの透過光パワー測定時の条長を、被測定ファイバの予想カットオフ波長においてそのリファレンス用ファイバが基底モードのみを伝搬するような長さに調整するという条件を満たし、しかもリファレンス用ファイバの条長は、その対数値(常用対数)と、被測定ファイバの条長の対数値(常用対数)との差が少なくとも0.5となるように調整するという条件をも満たしていることが明らかである。この実験例5で算出されたカットオフ波長は、1248.9nmであった。
12 被測定ファイバ
14 受光部
32 リファレンス用ファイバ
42 基準線
44 直線
Claims (7)
- リファレンス用ファイバとしてシングルモードファイバを用い、リファレンス用ファイバの透過光パワーの波長特性と、被測定ファイバの透過光パワーの波長特性とをそれぞれ測定し、被測定ファイバの透過光パワーとリファレンス用ファイバの透過光パワーとの比の波長依存性に基づいて被測定ファイバのカットオフ波長を算出するカットオフ波長測定方法において、
前記リファレンス用ファイバとしてのシングルモードファイバの透過光パワー測定時に、前記リファレンス用ファイバに入れる曲げが、φ≧280mmの曲げのみであり、
前記被測定ファイバの透過光パワーの測定時に、前記被測定ファイバに入れる曲げが、(1)φ≧280mmの曲げのみであるか、又は、(2)φ≧280mmの曲げと、前記被測定ファイバの両端に1周ずつ入れる80mmφの曲げとからなるものであり、
前記リファレンス用ファイバとしてのシングルモードファイバの透過光パワー測定時の条長を、その条長でのリファレンス用ファイバのカットオフ波長が、被測定ファイバの予想カットオフ波長よりも少なくとも10nm短くなるように、被測定ファイバの条長より長く、かつ被測定ファイバの予想カットオフ波長においてそのリファレンス用ファイバが基底モードのみを伝搬するような長さに調整することを特徴とする、石英系光ファイバのカットオフ波長測定方法。 - リファレンス用ファイバとしてシングルモードファイバを用い、リファレンス用ファイバの透過光パワーの波長特性と、被測定ファイバの透過光パワーの波長特性とをそれぞれ測定し、被測定ファイバの透過光パワーとリファレンス用ファイバの透過光パワーとの比の波長依存性に基づいて被測定ファイバのカットオフ波長を算出するカットオフ波長測定方法において、
前記リファレンス用ファイバとしてのシングルモードファイバの透過光パワー測定時に、前記リファレンス用ファイバに入れる曲げが、φ≧280mmの曲げのみであり、
前記被測定ファイバの透過光パワーの測定時に、前記被測定ファイバに入れる曲げが、(1)φ≧280mmの曲げのみであるか、又は、(2)φ≧280mmの曲げと、前記被測定ファイバの両端に1周ずつ入れる80mmφの曲げとからなるものであり、
前記リファレンス用ファイバとしてのシングルモードファイバの透過光パワー測定時の条長を、その対数値(常用対数)と被測定ファイバの条長の対数値(常用対数)との差が0.5以上となるように、被測定ファイバの条長より長く、かつ被測定ファイバの予想カットオフ波長においてそのリファレンス用ファイバが基底モードのみを伝搬するような長さに調整することを特徴とする、石英系光ファイバのカットオフ波長測定方法。 - リファレンス用ファイバとしてシングルモードファイバを用い、リファレンス用ファイバの透過光パワーの波長特性と、被測定ファイバの透過光パワーの波長特性とをそれぞれ測定し、被測定ファイバの透過光パワーとリファレンス用ファイバの透過光パワーとの比の波長依存性に基づいて被測定ファイバのカットオフ波長を算出するカットオフ波長測定方法において、
前記リファレンス用ファイバとしてのシングルモードファイバの透過光パワー測定時に、前記リファレンス用ファイバに入れる曲げが、φ≧280mmの曲げのみであり、
前記被測定ファイバの透過光パワーの測定時に、前記被測定ファイバに入れる曲げが、(1)φ≧280mmの曲げのみであるか、又は、(2)φ≧280mmの曲げと、前記被測定ファイバの両端に1周ずつ入れる80mmφの曲げとからなるものであり、
前記リファレンス用ファイバとしてのシングルモードファイバの透過光パワー測定時の条長を、その条長でのリファレンス用ファイバのカットオフ波長が、被測定ファイバの予想カットオフ波長よりも少なくとも10nm短くなるように、かつ、その対数値(常用対数)と被測定ファイバの条長の対数値(常用対数)との差が0.5以上となるように、被測定ファイバの条長より長く、かつ被測定ファイバの予想カットオフ波長においてそのリファレンス用ファイバが基底モードのみを伝搬するような長さに調整することを特徴とする、石英系光ファイバのカットオフ波長測定方法。 - 請求項1〜請求項3のうちのいずれかの請求項に記載の石英系光ファイバのカットオフ波長測定方法において;
前記リファレンス用ファイバとして、被測定ファイバと同一の母材から紡糸された素線からなるものを使用することを特徴とする、石英系光ファイバのカットオフ波長測定方法。 - 請求項1〜請求項3のうちのいずれかの請求項に記載の石英系光ファイバのカットオフ波長測定方法において;
前記リファレンス用ファイバとして、被測定ファイバとは異なる素線からなるものを使用することを特徴とする、石英系光ファイバのカットオフ波長測定方法。 - 請求項1〜請求項5のうちのいずれかの請求項に記載の石英系光ファイバのカットオフ波長測定方法において;
被測定ファイバの透過光パワーとリファレンス用ファイバの透過光パワーとの比の波長依存性に基づいて被測定ファイバのカットオフ波長を算出するにあたり、
被測定ファイバの透過光パワーをPsig(λ)、リファレンス用ファイバの透過光パワーをPref(λ)とし、次式
A(λ)=10×log10{Psig(λ)/Pref(λ)}
で求められる透過光パワーとの比A(λ)のスペクトル上における、被測定ファイバの規定モードのみを伝搬する波長領域のスペクトルを直線近似してなる基準線を、0.1dBだけ平行にシフトしてなる直線と、前記透過光パワーとの比A(λ)のスペクトルとの交点の波長を、被測定ファイバのカットオフ波長とすることを特徴とする、石英系光ファイバのカットオフ波長測定方法。 - 請求項1〜請求項6のうちのいずれかの請求項に記載の石英系光ファイバのカットオフ波長測定方法において;
前記リファレンス用ファイバの条長の対数値(常用対数)と被測定ファイバの条長の対数値(常用対数)との差が1.3以上であることを特徴とする、石英系光ファイバのカットオフ波長測定方法。
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