JP5770517B2 - 光ファイバのカットオフ波長測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光ファイバ通信に用いられる石英系光ファイバ、とりわけシングルモードファイバについて、その伝搬モードが単一となるための最小波長、すなわちカットオフ波長を測定する方法に関するものである。
従来のシングルモードファイバのカットオフ波長、特に実効カットオフ波長の測定方法としては、例えば非特許文献1に示されているように、曲げ法と、マルチモード励振法が知られている。
曲げ法は、シングルモードファイバに曲げを加えていない状態と、曲げを加えた状態とで測定した損失特性が異なることを利用してカットオフ波長を算出するものであり、その曲げ法により条長2mの素線で測定するファイバカットオフ波長測定における測定系の概略を図11に示す。図11の(A)は被測定ファイバに実効的に曲げを加えていない場合の状況を、また(B)は被測定ファイバに実効的に曲げを加えた場合の状況を示す。図11において、符号10は光源部であって、例えば白色光源とその白色光源からの白色光を分光する分光器からなるものであり、この光源部10からの光を被測定ファイバ12に導く。被測定ファイバ12としては、曲げを加えた場合と加えていない場合において同じシングルモードファイバを用い、曲げを加えていない場合の測定(図11(A))では、実効的に曲げを与えていない状態で、また曲げを加えた場合の測定(図11(B))では小さい曲げB1(例えば60mmφの曲げ)を与えた状態で、透過光を受光部14により受光して、それぞれの状態での透過光パワーの波長依存性を測定し、曲げがある場合とない場合との透過光パワーの比に基づいてカットオフ波長を算出するものである。したがってこの曲げ法は、シングルモードファイバにおける基底モードと高次モードとの曲げ損失の差を利用したもの、と言うことができる。なお図11の(A)、(B)においては、被測定ファイバ12に280mmφの曲げB2を入れているが、これは規格によるものであり、この280mmφの曲げは、実質的に曲げ損失を与えない曲げである。
なお本明細書において「規格」とは、IEC 60793−1−44 「Measurement methods and test procedures - Cut-off wavelength」、ITU−T G.650.1 「Definitions and test methods for linear, deterministic attributes of single-mode fibre and cable」、JIS C 6825 「光ファイバ構造パラメータ試験方法―光学的特性」などの、カットオフ波長測定に関する規格を意味している。
一方マルチモード励振法は、基準となるマルチモードファイバ(リファレンス用ファイバ)、例えば1〜2mという短尺のマルチモードファイバの透過光パワーと、被測定ファイバをマルチモード励振したときの透過光パワーとの比に基づいてカットオフ波長を測定するものであり、そのマルチモード励振法によるカットオフ波長の測定系の概略を図12に示す。図12の(A)はリファレンス用ファイバの測定の状況を示しており、リファレンス用ファイバ16としては短尺のマルチモードファイバを用い、そのリファレンス用ファイバ16自体の透過光パワーを測定する。一方図12の(B)は被測定ファイバの測定の状況を示し、リファレンス測定で用いたものと同じマルチモードファイバからなるリファレンス用ファイバ16の出射端に、被測定ファイバ12を接続し、リファレンス用ファイバ16および被測定ファイバ12を透過した光を受光部14で受光して透過光パワーを測定し、その比の波長依存性に基づいて、被測定ファイバ12のカットオフ波長を算出する。このマルチモード励振法は、被測定ファイバ12の透過光パワーが、マルチモードからシングルモードに変化する波長域で大きく変化することを利用したものである。なおこのマルチモード励振法における被測定ファイバの測定(図12の(B))では、被測定ファイバ12に80mφの曲げの各1周(B3およびB4)を被測定ファイバの両端に入れているが、これらは、サンプル条長22mを用いてケーブルカットオフ波長を測定する場合に、規格では、サンプル両端にそれぞれ80mmφの曲げ1周と280mmφの曲げを複数周入れることが定められているからである。なお被測定ファイバ12の条長として2mの素線を用いたファイバカットオフ測定の場合には、前述の曲げ法と同様にこれらの曲げ部分B3、B4は入れない。規格として定められているカットオフ波長には、条長22mのファイバケーブルを用いて測定するケーブルカットオフ波長、条長22mのファイバ素線を用いて測定するケーブルカットオフ波長、条長2mのファイバ素線を用いて測定するファイバカットオフ波長、条長2mのジャンパケーブルを用いて測定するジャンパケーブルカットオフ波長があるが、いずれのカットオフ波長の測定も、被測定ファイバの測定方法は異なるものの、リファレンス用ファイバの測定方法は、曲げ法またはマルチモード励振法のいずれかによるものである。
ところで、近年は、HAF(Hole Assisted Fiber)やトレンチ型光ファイバなど、低曲げ損失光ファイバが盛んに開発されているが、この種の低曲げ損失光ファイバは、コアへの光の閉じ込め効果が高くなるように設計されている。このような低曲げ損失光ファイバでは、高次モードの閉じ込め効果も大きくなるため、曲げ法で適用されている程度の曲げでは高次モードが除去され難く、そのため曲げ法では正確なカットオフ波長の算出を行なうことが困難となる。そこで従来この種の低曲げ損失光ファイバのカットオフ波長測定には、マルチモード励振法を適用するのが一般的であった。
このマルチモード励振法によるカットオフ波長測定法について、図13を参照しながら、より詳細に説明する。
先ず前述のように被測定ファイバの透過光パワーPsig(λ)と、リファレンス用ファイバとして用いるマルチモードファイバの透過光パワーPref(λ)とを測定し、それらの比A(λ)を、対数比として、
A(λ)=10×log10{Psig(λ)/Pref(λ)}
により求める。このA(λ)の波長特性スペクトルを、図13の太い実線18で示す。
ここで、被測定ファイバは、長波長側から短波長側に向かって、シングルモード伝搬領域(基底モードのみを伝搬する波長領域)からマルチモード伝搬領域(基底モードのみならず高次モードをも伝搬する波長領域)に変化する波長付近で、その透過光パワーPsig(λ)が急激に増大するため、その透過光パワーPsig(λ)とリファレンス用ファイバとして用いたマルチモードファイバの透過光パワーPref(λ)との比A(λ)の波長特性も、図13に示しているように、長波長側から短波長側に向かって、被測定ファイバがシングルモード伝搬領域20からマルチモード伝搬領域22に変化する波長付近で急激に大きくなる。そこで、被測定ファイバにおけるシングルモード伝搬領域に相当する長波長側のスペクトルをJIS等の規格に従って直線近似した直線を基準線(図13の細い実線24)とし、これを0.1dBだけ平行にシフトさせた直線(図13の2点鎖線26)と、透過光パワーの比A(λ)のスペクトルとの交点28に相当する波長がカットオフ波長λと定義されている。
しかしながらこのようなマルチモード励振法によるカットオフ波長測定では、次のような問題があった。すなわち、リファレンス用ファイバとしてマルチモードファイバを用いてマルチモード伝搬を行なっているため、その損失特性の波長依存性によって、透過光パワーPref(λ)にはマルチモード伝搬波長領域全域にわたって変動(うねり状、リップル状、あるいはハンプ状の変動)が生じる。なお被測定ファイバとしてのシングルモードファイバの透過光パワーPsig(λ)については、そのカットオフ波長より長波長側の領域(すなわち基底モードのみを伝搬するシングルモード伝搬領域)20では、シングルモード伝搬が行なわれるため、うねりなどの大きな変動は実質的に生じない。そしてこれらの透過光パワーの比A(λ)にも、前述のリファレンス用ファイバの損失特性の波長依存性に生じるうねりによって、図13中に示しているように、被測定ファイバのシングルモード伝搬領域20での波長特性に、うねり、リップル、あるいはハンプ(瘤)などと称される変動(以下これらを代表して“うねり”と称することとする)が生じる。そのため、透過光パワーの比A(λ)の長波長側を直線近似して基準線24を定めるにあたって、不正確さが生じることを避け得ず、その基準線24を0.1dBだけシフトさせた直線26と透過光パワーの比A(λ)の短波長側との交点28から求められるカットオフ波長λも、必ずしも正確なものとは言えないのである。すなわち、基準線24を定めるにあたっての直線近似の手法、計算方式によっては、同一の透過光パワー比測定データから異なるカットオフ波長の値が導き出されてしまうこと、すなわち算出カットオフ波長にばらつきが生じてしまうことを避け得なかったのである。ここで、基準線24を定める直線近似の手法は、規格により方針が示されてはいるが、うねり等について厳密な処理方法は決められていない。
以上のようなマルチモード励振法の問題を解決するためのカットオフ波長測定方法として、非特許文献2においては、シングルモードファイバ参照法と称する方法が提案されている。
このシングルモードファイバ参照法では、リファレンス用ファイバとして、マルチモード励振法にて用いるマルチモードファイバに代えて、被測定ファイバよりもカットオフ波長が短いシングルモードファイバを用意する。そして、被測定ファイバの透過光パワーPsig(λ)と、リファレンス用ファイバとして用いるシングルモードファイバ(ただし被測定ファイバよりもカットオフ波長が短いもの)に60mmφの小さい曲げを加えた状態の透過光パワーPref(λ)とを測定し、それらの透過光パワーの比A(λ)を前記同様に求め、その透過光パワーの比A(λ)のスペクトルの長波長側の部分を直線近似して基準線を求め、さらにその基準線を0.1dBだけシフトさせた直線と透過光パワーの比A(λ)の短波長側との交点を、カットオフ波長と定めることとしている。
このシングルモードファイバ参照法においては、リファレンス用ファイバとして、被測定ファイバよりもカットオフ波長が短いシングルモードファイバに60mmφの小さい曲げを加えて用いているため、マルチモード励振法の場合とは異なり、少なくとも被測定ファイバのカットオフ波長付近よりも長波長側(シングルモード伝搬領域)では、透過光パワーの比A(λ)に大きなうねりが生じず、そのため基準線も一義的に定めることが容易となり、その結果、カットオフ波長も一義的に決定することが容易となって、算出カットオフ波長にばらつきが生じることを回避できる。
しかるに非特許文献2において提案されているシングルモードファイバ参照法では、次のような問題があった。
シングルモードファイバ参照法において正確な測定を行なうためには、リファレンス用ファイバのシングルモードファイバとして、被測定ファイバよりもカットオフ波長が十分に短いものを用いる必要がある。すなわち、被測定ファイバよりもカットオフ波長がわずかに短いだけのシングルモードファイバをリファレンス用ファイバに用いた場合、被測定ファイバとリファレンス用ファイバの透過光パワーの波長特性の間に、カットオフ波長算出のために十分な程度の透過光パワーの比A(λ)が得られず、そのため正確な算出が困難となることがある。しかるに非特許文献2の提案では、その点についての配慮がなされておらず、そのため正確な測定を行ない得ないことが危惧される。
さらに、新たに被測定ファイバのカットオフ波長を測定しようとする場合に、その被測定ファイバのカットオフ波長が、手元に所持しているカットオフ波長既知のすべてのシングルモードファイバのカットオフ波長よりも短いことがあり、この場合はリファレンス用ファイバを手元のシングルモードファイバから選び出すことができないことになる。したがって、実際の測定現場においては、シングルモードファイバ参照法において適切なリファレンス用ファイバを用意することは、必ずしも容易とは言えなかったのが実情である。
「光測定器ガイド 全面改訂版」(株)オプトロニクス社、平成16年6月24日発行 2009年電子情報通信学会通信ソサイエティ大会 通信講演論文集2、第190頁「低曲げ損失光ファイバのカットオフ波長測定方法」
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたもので、非特許文献2の提案のシングルモードファイバ参照法をベースとし、その問題点を解決したカットオフ波長測定方法を提供することを課題としている。
本発明者等は、測定によって求められるシングルモードファイバのカットオフ波長が、測定の際のファイバの条長によって変化すること、すなわちファイバの条長が長くなるほど、カットオフ波長が短くなることに着目した。この点について次に図1を参照して説明する。図1は、通信用として使用される一般的なシングルモードファイバを被測定ファイバとし、マルチモード励振法によって、被測定ファイバとリファレンス用ファイバの透過光パワーの比A(λ)を測定したときの、A(λ)の波長依存性を模式的に示すグラフであり、図1中の実線18Aは、短尺のシングルモードファイバを被測定ファイバとしたときの透過光パワーから算出した比A(λ)の波長特性を、図1中の破線18Bは、長尺のシングルモードファイバを対象としたときの透過光パワーから算出した比A(λ)の波長特性を、それぞれ示す。ここで、長波長側から短波長側に向かってA(λ)が急峻に立ち上がる部分がカットオフ波長λ−A、λ−Bに相当するが、ファイバの条長が長くなるにしたがって、カットオフ波長が短くなることが分かる。
したがってこのような観点から、シングルモードファイバからなるリファレンス用ファイバを用いてシングルモードファイバ参照法によりカットオフ波長を測定する際には、条長が被測定ファイバより十分に長いシングルモードファイバをリファレンス用ファイバに選び出すことにより、リファレンス用ファイバとしてカットオフ波長が被測定ファイバより確実に短いものを選定し得ると考えられる。被測定ファイバのカットオフ波長は、その測定以前の段階で、被測定ファイバの測定により得られる屈折率分布や被測定ファイバの紡糸前母材の測定により得られる屈折率分布を用いた計算により、ファイバの条長とカットオフ波長の関係がある程度は予想できる。そこで、測定を実施するファイバ条長における予想値を被測定ファイバの予想カットオフ波長とし、その被測定ファイバの予想カットオフ波長においてリファレンス用ファイバが基底モードのみを伝搬するようにリファレンス用ファイバの条長を選定すれば、被測定ファイバの透過光パワーとリファレンス用ファイバの透過光パワーの透過光パワーの比A(λ)の変化に基づいて、被測定ファイバのカットオフ波長の算出が可能となると考えられる。但し、リファレンス用ファイバを選定するにあたって、そのカットオフ波長のみを考慮し、ファイバ条長が被測定ファイバと同一で、被測定ファイバと異なるファイバからカットオフ波長が短いファイバを選定した場合には、カットオフ波長が短波長側にばらつきが生じた場合、被測定ファイバの予想カットオフ波長付近で、被測定ファイバの透過光パワーとリファレンス用ファイバの透過光パワーの比A(λ)に急峻な変化が得られず、正確なカットオフ波長の算出ができなくなる。これに対し、ファイバ条長とカットオフ波長の関係を考慮して、同一の素線から、ファイバ条長を調整したリファレンス用ファイバと被測定ファイバとを準備することにより、被測定ファイバの透過光パワーとリファレンス用ファイバの透過光パワーの比A(λ)を明確に得ることができ、その結果正確なカットオフ波長の測定が可能となる。また、上記計算により得られるファイバ条長とカットオフ波長の関係を考慮し、被測定ファイバと同種で異なる素線をリファレンス用ファイバとして準備することも可能となる。
さらにこれらの場合、ファイバの条長調整によってリファレンス用ファイバとして適切なものを得ることができることから、リファレンス用ファイバの選択の自由度が大きくなって、実際の測定現場でも有利となることを見出し、本発明をなすに至った。
具体的には、本発明の基本的な態様(第1の態様)によるカットオフ波長測定方法は、
リファレンス用ファイバとしてシングルモードファイバを用い、リファレンス用ファイバの透過光パワーの波長特性と、被測定ファイバの透過光パワーの波長特性とをそれぞれ測定し、被測定ファイバの透過光パワーとリファレンス用ファイバの透過光パワーとの比の波長依存性に基づいて被測定ファイバのカットオフ波長を算出するカットオフ波長測定方法において、
前記リファレンス用ファイバとしてのシングルモードファイバの透過光パワー測定時の条長を、被測定ファイバの条長より長く、かつ被測定ファイバの予想カットオフ波長においてそのリファレンス用ファイバが基底モードのみを伝搬するような長さに調整することを特徴とするものである。
このようなカットオフ波長測定方法においては、リファレンス用ファイバとしてシングルモードファイバを用いているため、マルチモード励振法の場合のような、透過パワーの比の波長特性の長波長側のうねりによって、カットオフ波長算出のための基準線決定に不正確さが生じて算出カットオフ波長にばらつきが生じてしまうことが回避される。また、リファレンス用ファイバとしてのシングルモードファイバの透過光パワー測定時の条長を上述のように調整することによって、被測定ファイバの予想カットオフ波長付近で、被測定ファイバの透過光パワーとリファレンス用ファイバの透過光パワーとの間に明確な違いを得て、それらの透過光パワーの比A(λ)に急峻な変化を得ることにより、正確なカットオフ波長の測定が可能となる。さらに、条長の調整によってリファレンス用ファイバのカットオフ波長を被測定ファイバの予想カットオフ波長より短くしているため、リファレンス用ファイバとしては、規格による2mカットオフ波長もしくは22mカットオフ波長が被測定ファイバよりも短いものを選び出す必要がなく、規格による2mカットオフ波長もしくは22mカットオフ波長が、被測定ファイバと同等のもの、あるいは長いもの、短いものでも、リファレンス用ファイバとして適宜使用可能であり、そのため、リファレンス用ファイバの選択の自由度が、カットオフ波長のみを考慮して選定していた従来方法より格段に高くなり、実際の測定現場でも、手元にある適宜のファイバをリファレンス用ファイバに使用して、容易にカットオフ波長の測定を行なうことが可能となった。
また本発明の第2の態様によるカットオフ波長測定方法は、前記第1の態様のカットオフ波長測定方法において、
前記リファレンス用ファイバとしてのシングルモードファイバの透過光パワー測定時の条長を、その条長でのリファレンス用ファイバのカットオフ波長が、被測定ファイバの予想カットオフ波長よりも少なくとも10nm短くなるように調整することを特徴とするものである。
このような第2の態様のカットオフ波長測定方法によれば、リファレンス用ファイバとしてのシングルモードファイバの透過光パワー測定時の条長を、その条長でのリファレンス用ファイバのカットオフ波長が、ファイバの屈折率分布から事前に算出されるカットオフ波長と条長の関係を考慮して、被測定ファイバの予想カットオフ波長よりも少なくとも10nm短くなるように調整することによって、被測定ファイバの予想カットオフ波長付近で、被測定ファイバの透過光パワーとリファレンス用ファイバの透過光パワーとの間に、より明確な違いを得て、より正確なカットオフ波長の算出が可能となる。但し、リファレンス用ファイバのカットオフ波長と被測定ファイバのカットオフ波長の違いは、実際に測定される被測定ファイバの透過光パワーとリファレンス用ファイバの透過光パワーの比の波長依存性をグラフ化したときに確認できる急峻な傾斜の傾きにより、70nm以上の幅を持つこともある。この違いはファイバの屈折率分布により生じるため、被測定ファイバの屈折率分布よりカットオフ波長と条長の関係を求めることにより推定が可能となる。
また本発明の第3の態様によるカットオフ波長測定方法は、前記第1もしくは第2の態様のカットオフ波長測定方法において、
前記リファレンス用ファイバとしてのシングルモードファイバの透過光パワー測定時の条長を、その対数値(常用対数)と被測定ファイバの条長の対数値(常用対数)との差が0.5以上となるように調整することを特徴とするものである。
このような第3の態様のカットオフ波長測定方法によれば、ファレンス用ファイバの条長を、その対数値と被測定ファイバの条長の対数値との差が0.5以上となるように調整することにより、測定しようとする通信用として一般的なシングルモードファイバや低曲げ損失ファイバについて、予想カットオフ波長と実際のカットオフ波長との間に大きな誤差があった場合でも、リファレンス用ファイバの透過光パワー測定時の条長を、被測定ファイバの予想カットオフ波長においてそのリファレンス用ファイバが基底モードのみを伝搬するような長さに調整するという条件を確実に満たすことが可能となり、かつリファレンス用ファイバの条長を、その条長でのリファレンス用ファイバのカットオフ波長が、被測定ファイバの予想カットオフ波長よりも少なくとも10nm短くなるように調整するという条件をも、確実に満たすことが可能となり、その結果、カットオフ波長作成の正確さをより一層向上させることができる。但し、リファレンス用ファイバと被測定ファイバの各測定時の条長の違いは、実際に測定される被測定ファイバの透過光パワーとリファレンス用ファイバの透過光パワーの比の波長依存性をグラフ化したときに確認できる急峻な傾斜の傾きにより、ファイバ条長の対数値の差で1.3以上となることもある。この違いはファイバの屈折率分布により生じるため、被測定ファイバの屈折率分布よりカットオフ波長と条長の関係を求めることにより推定が可能となる。
また本発明の第4の態様によるカットオフ波長測定方法は、前記第1〜第3の態様のうちのいずれかの態様のカットオフ波長測定方法において、
前記リファレンス用ファイバとして、被測定ファイバと同一の母材より紡糸された素線からなるものを使用することを特徴とするものである。
このような第4の態様のカットオフ波長測定方法によれば、測定しようとするファイバと同一の母材より紡糸された素線から、条長だけ変えてリファレンス用ファイバを切り出せばよいため、リファレンス用ファイバの選定の手間を省くことができるとともに、実際の測定現場でも極めて簡単にリファレンス用ファイバを用意することが可能となる。
また本発明の第5の態様によるカットオフ波長測定方法は、前記第1〜第3の態様のうちのいずれかの態様のカットオフ波長測定方法において、
前記リファレンス用ファイバとして、被測定ファイバとは異なる素線からなるものを使用することを特徴とするものである。
このような第5の態様のカットオフ波長測定方法においては、実際の測定現場において、被測定ファイバと同一の母材から紡糸された素線からなるものが手元に存在しない場合でも、リファレンス用ファイバを用意することができる。さらに、異なる素線を続けて測定する場合には、マルチモード励振法等の従来方法と同様に一度のリファレンス用ファイバの測定により、繰り返し測定を実施することが可能である。
また本発明の第6の態様によるカットオフ波長測定方法は、前記第1〜第5の態様のうちのいずれかの態様のカットオフ波長測定方法において、
被測定ファイバの透過光パワーとリファレンス用ファイバの透過光パワーとの比の波長依存性に基づいて被測定ファイバのカットオフ波長を算出するにあたり、
被測定ファイバの透過光パワーをPsig(λ)、リファレンス用ファイバの透過光パワーをPref(λ)とし、次式
A(λ)=10×log10{Psig(λ)/Pref(λ)}
で求められる透過光パワーとの比A(λ)のスペクトル上における、被測定ファイバの規定モードのみを伝搬する波長領域のスペクトルを直線近似してなる基準線を、0.1dBだけ平行にシフトしてなる直線と、前記透過光パワーとの比A(λ)のスペクトルとの交点の波長を、被測定ファイバのカットオフ波長とすることを特徴とするものである。
このような第6の態様のカットオフ波長測定方法によれば、実際的にシングルモードファイバのカットオフ波長を算出することができる。
本発明のカットオフ波長測定方法によれば、カットオフ波長算出のための基準線決定に不正確さが生じて算出カットオフ波長にばらつきが生じてしまうような事態を回避できるばかりでなく、リファレンス用ファイバとしてのシングルモードファイバの透過光パワー測定時の条長を適切に調整することによって、被測定ファイバのカットオフ波長付近で、被測定ファイバの透過光パワーとリファレンス用ファイバの透過光パワーとの間に明確な違いを得て、それらの透過光パワーの比A(λ)に急峻な変化を得ることにより、正確なカットオフ波長の算出が可能となる。さらに、条長の調整によってリファレンス用ファイバのカットオフ波長を被測定ファイバの予想カットオフ波長より短くしているため、リファレンス用ファイバとしては、規格によるファイバカットオフ波長もしくはケーブルカットオフ波長が、被測定ファイバよりも短いものを選び出す必要がなく、規格によるファイバカットオフ波長もしくはケーブルカットオフ波長が被測定ファイバと同等のもの、あるいは長いもの、短いものでも、リファレンス用ファイバとして適宜使用可能となり、しかもリファレンス用ファイバとして被測定ファイバと異なる素材、異なるファイバ構成のものをも使用可能となり、その結果、リファレンス用ファイバの選択の自由度が従来よりも格段に高くなり、実際の測定現場でも、手元にある適宜のファイバをリファレンス用ファイバに使用して、簡単かつ容易にカットオフ波長の測定を行なうことが可能となった。
本発明測定方法の前提として、シングルモードファイバのカットオフ波長の条長依存性を模式的に示すグラフである。 本発明測定方法によってケーブルカットオフ波長を測定する際の測定系の構成を示す略解図である。 本発明測定方法において、被測定ファイバの透過光パワーとリファレンス用ファイバの透過光パワーの比A(λ)の波長特性を、模式的に示すグラフである。 実験例1においてマルチモード励振法によりシングルモードファイバのカットオフ波長の条長依存性を測定した結果を示すグラフである。 実験例1による図4の結果のうち、条長が2mの例について抜粋して示すグラフである。 実験例2において、本発明法により被測定ファイバの透過光パワーとリファレンス用ファイバの透過光パワーの比A(λ)の波長特性を測定した結果を示すグラフである。 実験例3において、本発明法およびマルチモード励振法により被測定ファイバの透過光パワーとリファレンス用ファイバの透過光パワーの比A(λ)の波長特性を測定した結果調べた結果を示すグラフである。 実験例4において、本発明法およびマルチモード励振法により被測定ファイバの透過光パワーとリファレンス用ファイバの透過光パワーの比A(λ)の波長特性を測定した結果調べた結果を示すグラフである。 実験例3(図7)における本発明法での透過光パワーの比A(λ)とマルチモード励振法での透過光パワーの比A(λ)との差分Δ1、および実験例4(図8)における本発明法での透過光パワーの比A(λ)とマルチモード励振法での透過光パワーの比A(λ)との差分Δ2についての波長特性を示すグラフである。 実験例5において、本発明法により被測定ファイバの透過光パワーとリファレンス用ファイバの透過光パワーの比A(λ)の波長特性を測定した結果調べた結果を示すグラフである。 従来の曲げ法によってカットオフ波長を測定する際の測定系の構成を示す略解図で、その(A)は被測定ファイバに実効的に曲げを加えていない場合の測定状況を、その(B)は被測定ファイバに実効的に曲げを加えた場合の測定状況を示す。 従来のマルチモード励振法によってカットオフ波長を測定する際の測定系の構成を示す略解図で、その(A)はリファレンス測定の際の状況を、その(B)は被測定ファイバ測定の際の状況を示す。 従来のマルチモード励振法によってカットオフ波長を測定した場合の被定ファイバの透過光パワーとリファレンス用ファイバの透過光パワーの比A(λ)の波長特性を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について、図2〜図10を参照して詳細に説明する。
図2は、本発明のカットオフ波長測定方法を実施するにあたって、リファレンス用ファイバおよび被測定ファイバの各透過光パワーを測定するための測定系の構成を示すもので、リファレンス用ファイバ32の透過光パワーPref(λ)を測定する状況と、被測定ファイバ12の透過光パワーPsig(λ)を測定する状況とを、同じ図中に示している。図2において、白色光源および分光器などからなる光源部10からの光は、マルチモードファイバからなる励振用ファイバ34を経てリファレンス用ファイバ32もしくは被測定ファイバ12に導かれ、これらを透過した光は、受光器14によって受光され、それぞれの透過光パワーが測定される。
ここで、光源部10および受光部14は、要は光ファイバの損失波長依存性、したがって透過光パワーの波長依存性を測定可能であれば、特に限定されるものではなく、従来のカットオフ波長測定方法で使用されているものと同様であればよい。また図示の例では、リファレンス用ファイバ32、被測定ファイバ12のいずれも、80mmφの曲げ部分B3、B4を付与しているが、これは、次に改めて述べるように、被測定ファイバ12のケーブルカットオフ波長測定の場合、マルチモード励振法など従来の一般的なカットオフ波長測定方法を用いて、80mmφの曲げを被測定ファイバの両端に1周ずつ入れることが規格にて定められているからであり、被測定ファイバ12のファイバカットオフ測定の場合には、これらの曲げ部分B3、B4は入れないことが規格で定められている。なお図示の例における80mmφの曲げは、被測定ファイバ12、リファレンス用ファイバ32の両者に入れているが、リファレンス用ファイバ32については80mmφの曲げを必ずしも入れる必要はない。さらに、図示の例では、光源部10とリファレンス用ファイバ32もしくは被測定ファイバ12との間に励振用ファイバ34としてのマルチモードファイバを接続しているが、励振のための構成としては、マルチモードファイバに限らず、例えば集光レンズなど、シングルモードファイバ励振のための公知の構成を任意に適用可能である。
カットオフ波長測定対象の被測定ファイバ12は、石英系のシングルモードファイバであり、予め定めた条長とされている。ここで、マルチモード励振法など、従来の一般的なカットオフ波長測定方法では、規格によって、ファイバカットオフ波長測定の場合はサンプル条長が2m、ケーブルカットオフ波長測定の場合はサンプル条長が22mと定められており、そこで本発明によるカットオフ波長の場合も、被測定ファイバ12の条長は、2mもしくは22mとすることが望ましい。
一方、リファレンス用ファイバ32としては、本発明のカットオフ波長測定方法では、基本的には、被測定ファイバ12と同一の母材から紡糸した素線からなるもの(同一素材で、屈折率分布等のファイバ構成が同一のもの、すなわち同種のもの)のシングルモードファイバを用いても、あるいは被測定ファイバ12とは異なる素線からなるもの、すなわち被測定ファイバ12とはファイバ素材もしくはファイバ構成が異なるシングルモードファイバを用いてもよいが、被測定ファイバ12と異なる素線からなるシングルモードファイバを用いる場合については後に改めて説明することとし、ここでは、説明の煩雑さを避けるため、被測定ファイバ12と同一の母材から紡糸した素線からなるシングルモードファイバを用いることとして説明を進める。
リファレンス用ファイバ32としては、その条長が、被測定ファイバ12の条長よりも十分に長いものを用意する。ここで、十分に長いとは、基本的には、単に被測定ファイバ12の条長よりも絶対的に長いだけではなく、被測定ファイバ12のカットオフ波長においてそのリファレンス用ファイバ32が基底モードのみを伝搬するような長さを意味している。すなわち、既に述べたように、シングルモードファイバにおいては、その条長が長くなればカットオフ波長が短くなるが、リファレンス用ファイバ32の条長を、被測定ファイバ12のカットオフ波長においてそのリファレンス用ファイバ32が基底モードのみを伝搬するような長さに調整することによって、被測定ファイバ12のカットオフ波長付近で、被測定ファイバ12の透過光パワーとリファレンス用ファイバ32の透過光パワーとの間に明確な違いを得ることが可能となる。
そこで本発明では、リファレンス用ファイバとしてのシングルモードファイバの透過光パワー測定時の条長を、単純に被測定ファイバの条長より長くするのではなく、予め被測定ファイバ12のカットオフ波長を予想しておき(その予想されるカットオフ波長を本明細書では「予想カットオフ波長」と称している)、ファイバ条長とカットオフ波長との関係に基づいて、被測定ファイバの予想カットオフ波長においてリファレンス用ファイバが基底モードのみを伝搬するような長さに調整することとしている。
ここで、被測定ファイバ12の予想カットオフ波長とは、そのファイバの素材の材質やファイバ構成などによって経験的あるいは計算によって予想されるカットオフ波長を意味するが、実際の光ファイバの製造にあたっては、製造条件の変動や、径、膜厚の変動などによって、実際のカットオフ波長にある程度のばらつきが生じることは避け得ない。そこで、実際に予想カットオフ波長を定めるに当たっては、ファイバ条長とカットオフ波長との関係を事前に屈折率分布等より推測しておくことが望ましい。
さらにリファレンス用ファイバ32の条長については、その条長でのリファレンス用ファイバのカットオフ波長が、被測定ファイバ12の予想カットオフ波長よりも少なくとも10nm短くなるように調整することが望ましい。すなわち、本発明者等の実験によれば、被測定ファイバとしてのシングルモードファイバのカットオフ波長と、リファレンス用ファイバとしてのシングルモードファイバのカットオフ波長とが、10nm以上離れていれば、それらのカットオフ波長付近においてその2本のシングルモードファイバの透過光パワーに明確な違いが生じ、そのためそれらの比の波長特性としても、急峻な立ち上がりが明確に現れ、被測定ファイバのカットオフ波長を、より確実かつ容易に求めることが可能となる。
ここで、具体的なリファレンス用ファイバ32の条長は、その対数値(常用対数)と、被測定ファイバ12の条長の対数値(常用対数)との差が少なくとも0.5となるように定めることが望ましい。このようにリファレンス用ファイバ32の条長の対数値と被測定ファイバ12の条長の対数値との差が0.5以上であれば、測定しようとする通信用として一般的なシングルモードファイバや低曲げ損失ファイバについて、予想カットオフ波長と実際のカットオフ波長との間に大きな誤差があった場合でも、リファレンス用ファイバの透過光パワー測定時の条長を、被測定ファイバの予想カットオフ波長においてそのリファレンス用ファイバが基底モードのみを伝搬するような長さに調整するという条件を確実に満たすことが可能となり、かつリファレンス用ファイバの条長を、その条長でのリファレンス用ファイバのカットオフ波長が、被測定ファイバの予想カットオフ波長よりも10nm以上短くなるように調整するという条件をも、確実に満たすことが可能となる。
以上のようにリファレンス用ファイバ32の条長を調整して、被測定ファイバ12のカットオフ波長を測定する実際の手順について説明する。
先ず第1段階としては、ファイバ条長とカットオフ波長との関係を考慮し、被測定ファイバ12の予想カットオフ波長を決定する。これは、既に述べたように、ファイバ素材やファイバ構成、製造方法などに応じて推定すればよく、また製造条件などのばらつきを考慮して定めることが望ましい。
次に第2段階として、リファレンス用ファイバ32の条長を、被測定ファイバ12の条長より長く、かつ被測定ファイバ12の予想カットオフ波長においてそのリファレンス用ファイバ32が基底モードのみを伝搬するような長さに調整する。ここで、「条長を調整する」とは、実作業上は、上述のような条長条件を満たす長さのシングルモードファイバを選び出す、あるいは手持ちのシングルモードファイバから上述のような条長条件を満たす長さのものを切り出す、などの作業を意味する。
さらに第3段階として、図2に示したような測定系により、リファレンス用ファイバ32および被測定ファイバ12の透過光パワーPref(λ)、Psig(λ)をそれぞれ測定する。
その後、第4段階として、リファレンス用ファイバ32および被測定ファイバ12の透過光パワーPref(λ)、Psig(λ)の比A(λ)を、前記式にしたがって計算する。この透過光パワーの比A(λ)について、図3に、波長を横軸にとって模式的に示す。図3において、太い実線40がA(λ)の波長特性を示す。ここで、透過光パワーの比A(λ)の値は、被測定ファイバ12のカットオフ波長とリファレンス用ファイバ32のカットオフ波長との間の波長領域付近において、長波長側から短波長側に向け急峻に増大し、さらに短波長側に向け急峻に減少し、図3中に符号48で示すようなピークが現れる。
さらに第5段階として、図3に示した透過光パワーの比A(λ)の波長特性に基づいて、被測定ファイバのカットオフ波長λを求める。これは、既に述べたマルチモード励振法およびシングルモードファイバ参照法と同様に、被測定ファイバ12のシングルモード伝搬領域、すなわち基底モードのみを伝搬する領域のスペクトルを直線近似した直線を基準線42(図3の細い実線)とし、その基準線42を平行に0.1dBだけシフトさせた直線44(図3の1点鎖線)と、過光パワーの比A(λ)のスペクトル線との交点46に相当する波長をもって、被測定ファイバ12のカットオフ波長λと決定すればよい。
なお以上のところにおいて、一般にカットオフ波長の測定では、被測定ファイバ測定において、被測定ファイバが十分に励振されていることが求められる。そこで図2に示した測定系では、光源部10と被測定ファイバ12との間に励振用ファイバ34としてマルチモードファイバを接続しているが、十分に励振可能であれば、励振のための構成はマルチモードファイバ接続に限定されないことは、既に述べた通りである。
ここで、従来の曲げ法、マルチモード励振法においては、被測定ファイバが十分に励振されていることの指標として、透過光パワーの比被測定ファイバ透過光パワーの比A(λ)のスペクトル上のピークが2dB以上であることが要求されており、本発明の場合も、図3におけるピーク48が、2dB以上であることが望まれる。但し、本発明法の場合、被測定ファイバのカットオフ波長とリファレンス用ファイバのカットオフ波長が近い場合には、十分に励振されていても、透過光パワーの比A(λ)のスペクトルに十分な高さのピーク(2dB以上のピーク)が現れないこともある。このような場合は、励振状態について、確認実験を行なうことが望ましい。すなわち、従来の通常のマルチモード励振法により、被測定サンプルと本発明法におけるリファレンス用ファイバ(長尺ファイバ)のそれぞれについて透過光パワーを測定し、マルチモード励振法による透過光パワーの比A(λ)に2dB以上のピークが現出していれば、たとえ本発明法で2dB以上のピークが現れていなくても、十分に励振されているとみなすことができる。
なお本発明法によって被測定ファイバのカットオフ波長を測定する際にリファレンス用ファイバとして用いるファイバは、シングルモードファイバであれば、被測定ファイバと同一の母材から紡糸した素線からなるものに限られない。すなわち、リファレンス用ファイバとして、被測定ファイバとは異なる素線(材質やファイバ構成が異なるもの)からなるシングルモードファイバを用いてもよい。その場合、そのリファレンス用ファイバの規格長さ(2mもしくは22m)でのカットオフ波長が、被測定ファイバと同等であるファイバに限らず、規格長さでのカットオフ波長が、被測定ファイバのカットオフ波長より長いファイバ、あるいは短いファイバをも、リファレンス用ファイバとして使用可能である。例えば、規格長さでのカットオフ波長が被測定ファイバの予想カットオフ波長より長いファイバであっても、その条長を被測定ファイバよりも十分に長く調整して、既に述べたような条長条件を満足させれば、本発明法によって被測定ファイバのカットオフ波長を測定することができるのである。
さらに、本発明法は、曲げ法とは異なり、低曲げ損失光ファイバに適用可能であるが、低曲げ損失光ファイバに限らず、通信用として使用される一般的なシングルモードファイバにも適用し得ることはもちろんである。
次に、本発明の前提として行なった実験例、および本発明の効果を検証するために行なった実験例について、図4〜図10を参照して説明する。なお以下の各実験例の記載が本発明の技術的範囲を限定するものでないことはもちろんである。
[実験例1]
測定によって求められるシングルモードファイバのカットオフ波長が、測定の際のファイバの条長によって変化すること、すなわちファイバの条長が長くなるほど、カットオフ波長が短くなることについての実証実験を行なった結果を図4に示す。この実験では、通信用として使用される一般的なシングルモードファイバを被測定ファイバとし、マルチモード励振法によって、種々の異なる条長(2m〜200m)のシングルモードファイバ素線からなる被測定ファイバの透過光パワーPsig(λ)と、一定長さのリファレンス用ファイバの透過光パワーPref(λ)とを測定し、それらの比A(λ)を測定したときの、A(λ)の波長特性のファイバ条長依存性を図4に示した。この図4において、長波長側から短波長側に向かって1250nm付近〜1150nm付近でA(λ)が急峻に立ち上がる部分がカットオフ波長に相当するが、ファイバの条長が長くなるにしたがって、カットオフ波長が短くなることが分かる。この結果から、被測定ファイバよりも十分に長いシングルモードファイバを、被測定ファイバよりもカットオフ波長が短いリファレンス用ファイバとして使用し得ることが明らかである。またここで、図4から、被測定ファイバ条長2mのデータのみを抜粋して、図5に示す。これは従来のマルチモード励振法によって測定した結果の一部であるが、この図5から、マルチモード励振法によって測定した場合には、透過光パワーの比A(λ)の波長特性における長波長側の直線近似すべき部分にうねりが生じていることが明らかである。したがってこの場合は、直線近似する領域の取り方やその手法、計算によって、基準線が異なってしまい、カットオフ波長の算出結果にもばらつきが生じてしまうと考えられる。なおこの実験例1において被測定ファイバとして用いたシングルモードファイバとは、具体的には、ITU−T G.652.D準拠のシングルモードファイバである。
[実験例2]
実験例1で用いたものと同じ母材から紡糸した素線からなるシングルモードファイバの条長2mの被測定ファイバについて、リファレンス用ファイバとして被測定ファイバと同じ母材から紡糸した素線からなる条長200mのファイバを用い、本発明法に従って被測定ファイバの透過光パワーPsig(λ)と、リファレンス用ファイバの透過光パワーPref(λ)とを測定し、それらの比A(λ)を測定した。このときの透過光パワーのA(λ)の波長特性を図6に示す。この場合、図6から明らかなように、透過光パワーの比A(λ)の波長特性における長波長側の直線近似すべき部分(被測定ファイバのシングルモード伝搬領域)に、図5に示したマルチモード励振法の場合のようなうねりが生じておらず、そのため直線近似の誤差が生じにくく、基準線を確実かつ容易に決定し得ることが明らかである。なおこの実験例2において、被測定ファイバの予想カットオフ波長としては、1250nm程度を想定した。ここで、条長2mの被測定ファイバと同一母材から紡糸した素線からなる条長200mのリファレンス用ファイバでは、そのカットオフ波長は1200nm程度と見積もられ、したがってリファレンス用ファイバの透過光パワー測定時の条長を、被測定ファイバの予想カットオフ波長においてそのリファレンス用ファイバが基底モードのみを伝搬するような長さに調整するという前述の条件を満たし、しかもリファレンス用ファイバの条長を、その条長でのリファレンス用ファイバのカットオフ波長が、被測定ファイバの予想カットオフ波長よりも10nm以上短くなるように調整するという条件をも満たしていることが明らかである。なおまた、この実験例2によって最終的に算出された被測定ファイバのカットオフ波長は、1242.7nmであった。
[実験例3]
低曲げ損失ファイバからなるシングルモードファイバの条長22mの被測定ファイバについて、リファレンス用ファイバとして被測定ファイバと同じ母材から紡糸した素線からなる条長200mのファイバを用い、本発明法に従って、被測定ファイバの透過光パワーPsig(λ)と、リファレンス用ファイバの透過光パワーPref(λ)とを測定し、それらの比A(λ)を測定した。このときの透過光パワーのA(λ)の波長特性を図7中の実線で示す。なおこの実験例3において、被測定ファイバの予想カットオフ波長としては、1250nm程度を想定したが、条長22mの被測定ファイバと同一素材からなる条長200mのリファレンス用ファイバでは、そのカットオフ波長は1200nm程度と見積もられ、したがってリファレンス用ファイバの透過光パワー測定時の条長を、被測定ファイバの予想カットオフ波長においてそのリファレンス用ファイバが基底モードのみを伝搬するような長さに調整するという条件を満たし、しかもリファレンス用ファイバの条長を、その条長でのリファレンス用ファイバのカットオフ波長が、被測定ファイバの予想カットオフ波長よりも10nm以上短くなるように調整するという条件をも満たしていることが明らかである。なおこの実験例3において使用した被測定ファイバは、具体的には、ITU−T G.657.A.2準拠のシングルモードファイバからなるものである
また比較のため、上記と同じ低曲げ損失ファイバからなる条長22mの被測定ファイバについて、リファレンス用ファイバとしてマルチモードファイバを使用し、従来のマルチモード励振法に従って、被測定ファイバの透過光パワーPsig(λ)と、リファレンス用ファイバの透過光パワーPref(λ)とを測定し、それらの比A(λ)を測定した。このときの透過光パワーのA(λ)の波長特性を、カットオフ波長決定のための基準線が0ベースとなるように変換して、図7中に破線で示す。
図7から明らかなように、従来のマルチモード励振法による場合(破線)には、長波長側にうねりが生じているのに対し、本発明法による場合(実線)にはうねりが実質的に生じていない。ただし、この実験例3で算出されたカットオフ波長は、本発明法では1249.1nm、従来のマルチモード励振法では1249.0nmであって、それらの間に大きな差は認められなかった。これは、従来のマルチモード励振法における基準線決定のための直線近似が、たまたま適切であったためと解される。
[実験例4]
実験例3で用いたものと同種の低曲げ損失ファイバから、条長22mの被測定ファイバを切り出し、リファレンス用ファイバとしては実験例3の本発明法で使用したものと同じものを用い、本発明法に従って、被測定ファイバの透過光パワーPsig(λ)を測定し、またリファレンス用ファイバの透過光パワーPref(λ)のデータとしては、実験例3の本発明法によるデータをそのまま使用し、それらの比A(λ)を算出した。このときの透過光パワーの比A(λ)の波長特性を図8の実線で示す。なおこの実験例4においても、実験例3の本発明法と同様に、被測定ファイバの予想カットオフ波長は、1230nm程度に想定した。
また比較のため、上記と同じ低曲げ損失ファイバからなる条長22mの被測定ファイバについて、リファレンス用ファイバとしてマルチモードファイバを使用し、従来のマルチモード励振法に従って、被測定ファイバの透過光パワーPsig(λ)を測定し、またリファレンス用ファイバの透過光パワーPref(λ)のデータとしては、実験例3のマルチモード励振法によるデータをそのまま使用し、それらの比A(λ)を算出した。このときの透過光パワーのA(λ)の波長特性のグラフを、カットオフ波長決定のための基準線が0ベースとなるように変換して、図8の破線で示す。
この実験例4で算出されたカットオフ波長は、本発明法では1238.7nmであったのに対し、従来のマルチモード励振法では1229.7nmであって、実験例3の場合とは異なり、それらの間にかなりの差が生じてしまった。
ここで、実験例3(図7)における本発明法での透過光パワーの比A(λ)と、従来のマルチモード励振法での透過光パワーとの比A(λ)の差分Δ1を、図9に実線で示す。また実験例4(図8)における本発明法での透過光パワーの比A(λ)と、マルチモード励振法での透過光パワーとの比A(λ)の差分Δ2を、図9に破線で示す。図9から分かるように、実験例3と実験例4とでは、本発明法での透過光パワーの比とマルチモード励振法での透過光パワーの比との差分Δ1、Δ2に、大きな違いが生じている。実験例3および実験例4では、本発明法におけるリファレンス用ファイバの透過光パワーPref(λ)のデータとして同一のデータを使用し、かつ従来のマルチモード励振法による測定におけるリファレンス用ファイバの透過光パワーPref(λ)のデータとしても同一のものを使用しており、したがって前述のような差分Δ1と差分Δ2との違いは、マルチモード励振法における基準線決定時に生じた誤差によると考えられる。すなわち、実験例3と実験例4とでは、マルチモード励振法におけるリファレンス用ファイバの透過光パワーPref(λ)のデータおよび本発明法におけるリファレンス用ファイバの透過光パワーPref(λ)のデータ自体は共通であるが、マルチモード励振法では、透過光パワーの比A(λ)の波長特性のうち、被測定ファイバの基底モード領域(基準線決定に関与する領域)に大きなうねりが存在するため、直線近似による基準線決定にばらつきが生じてしまい、その結果、算出カットオフ波長にもばらつきが生じてしまったことが分かる。これに対し、本発明法では、リファレンス用ファイバとしてシングルモードファイバを用いているため、そのようなうねりの発生が回避され、基準線決定にも誤差が少なくなり、より正確なカットオフ波長測定が可能となるのである。
[実験例5]
実験例3において用いた低曲げ損失ファイバと同種の素線からなるシングルモードファイバの条長22mの被測定ファイバについて、リファレンス用ファイバのシングルモードファイバとして被測定ファイバとは異なる素線、すなわち通信用として一般的に使用されるシングルモードファイバ、具体的にはITU−T G.652.D準拠のシングルモードファイバからなる条長100mのファイバを用い、本発明法に従って、被測定ファイバの透過光パワーPsig(λ)と、リファレンス用ファイバの透過光パワーPref(λ)を測定し、それらの比A(λ)を測定した。このときの透過光パワーのA(λ)の波長特性を図10に示す。なおこの実験例5において、被測定ファイバの予想カットオフ波長としては、1250nm程度を想定したが、条長22mの被測定ファイバと異なる屈折率分布の条長100mのリファレンス用ファイバでは、そのカットオフ波長は1200nm程度と見積もられ、したがってリファレンス用ファイバの透過光パワー測定時の条長を、被測定ファイバの予想カットオフ波長においてそのリファレンス用ファイバが基底モードのみを伝搬するような長さに調整するという条件を満たし、しかもリファレンス用ファイバの条長は、その対数値(常用対数)と、被測定ファイバの条長の対数値(常用対数)との差が少なくとも0.5となるように調整するという条件をも満たしていることが明らかである。この実験例5で算出されたカットオフ波長は、1248.9nmであった。
10 光源部
12 被測定ファイバ
14 受光部
32 リファレンス用ファイバ
42 基準線
44 直線

Claims (7)

  1. リファレンス用ファイバとしてシングルモードファイバを用い、リファレンス用ファイバの透過光パワーの波長特性と、被測定ファイバの透過光パワーの波長特性とをそれぞれ測定し、被測定ファイバの透過光パワーとリファレンス用ファイバの透過光パワーとの比の波長依存性に基づいて被測定ファイバのカットオフ波長を算出するカットオフ波長測定方法において、
    前記リファレンス用ファイバとしてのシングルモードファイバの透過光パワー測定時に、前記リファレンス用ファイバに入れる曲げが、φ≧280mmの曲げのみであり、
    前記被測定ファイバの透過光パワーの測定時に、前記被測定ファイバに入れる曲げが、(1)φ≧280mmの曲げのみであるか、又は、(2)φ≧280mmの曲げと、前記被測定ファイバの両端に1周ずつ入れる80mmφの曲げとからなるものであり、
    前記リファレンス用ファイバとしてのシングルモードファイバの透過光パワー測定時の条長を、その条長でのリファレンス用ファイバのカットオフ波長が、被測定ファイバの予想カットオフ波長よりも少なくとも10nm短くなるように、被測定ファイバの条長より長く、かつ被測定ファイバの予想カットオフ波長においてそのリファレンス用ファイバが基底モードのみを伝搬するような長さに調整することを特徴とする、石英系光ファイバのカットオフ波長測定方法。
  2. リファレンス用ファイバとしてシングルモードファイバを用い、リファレンス用ファイバの透過光パワーの波長特性と、被測定ファイバの透過光パワーの波長特性とをそれぞれ測定し、被測定ファイバの透過光パワーとリファレンス用ファイバの透過光パワーとの比の波長依存性に基づいて被測定ファイバのカットオフ波長を算出するカットオフ波長測定方法において、
    前記リファレンス用ファイバとしてのシングルモードファイバの透過光パワー測定時に、前記リファレンス用ファイバに入れる曲げが、φ≧280mmの曲げのみであり、
    前記被測定ファイバの透過光パワーの測定時に、前記被測定ファイバに入れる曲げが、(1)φ≧280mmの曲げのみであるか、又は、(2)φ≧280mmの曲げと、前記被測定ファイバの両端に1周ずつ入れる80mmφの曲げとからなるものであり、
    前記リファレンス用ファイバとしてのシングルモードファイバの透過光パワー測定時の条長を、その対数値(常用対数)と被測定ファイバの条長の対数値(常用対数)との差が0.5以上となるように、被測定ファイバの条長より長く、かつ被測定ファイバの予想カットオフ波長においてそのリファレンス用ファイバが基底モードのみを伝搬するような長さに調整することを特徴とする、石英系光ファイバのカットオフ波長測定方法。
  3. リファレンス用ファイバとしてシングルモードファイバを用い、リファレンス用ファイバの透過光パワーの波長特性と、被測定ファイバの透過光パワーの波長特性とをそれぞれ測定し、被測定ファイバの透過光パワーとリファレンス用ファイバの透過光パワーとの比の波長依存性に基づいて被測定ファイバのカットオフ波長を算出するカットオフ波長測定方法において、
    前記リファレンス用ファイバとしてのシングルモードファイバの透過光パワー測定時に、前記リファレンス用ファイバに入れる曲げが、φ≧280mmの曲げのみであり、
    前記被測定ファイバの透過光パワーの測定時に、前記被測定ファイバに入れる曲げが、(1)φ≧280mmの曲げのみであるか、又は、(2)φ≧280mmの曲げと、前記被測定ファイバの両端に1周ずつ入れる80mmφの曲げとからなるものであり、
    前記リファレンス用ファイバとしてのシングルモードファイバの透過光パワー測定時の条長を、その条長でのリファレンス用ファイバのカットオフ波長が、被測定ファイバの予想カットオフ波長よりも少なくとも10nm短くなるように、かつ、その対数値(常用対数)と被測定ファイバの条長の対数値(常用対数)との差が0.5以上となるように、被測定ファイバの条長より長く、かつ被測定ファイバの予想カットオフ波長においてそのリファレンス用ファイバが基底モードのみを伝搬するような長さに調整することを特徴とする、石英系光ファイバのカットオフ波長測定方法。
  4. 請求項1〜請求項3のうちのいずれかの請求項に記載の石英系光ファイバのカットオフ波長測定方法において;
    前記リファレンス用ファイバとして、被測定ファイバと同一の母材から紡糸された素線からなるものを使用することを特徴とする、石英系光ファイバのカットオフ波長測定方法。
  5. 請求項1〜請求項3のうちのいずれかの請求項に記載の石英系光ファイバのカットオフ波長測定方法において;
    前記リファレンス用ファイバとして、被測定ファイバとは異なる素線からなるものを使用することを特徴とする、石英系光ファイバのカットオフ波長測定方法。
  6. 請求項1〜請求項5のうちのいずれかの請求項に記載の石英系光ファイバのカットオフ波長測定方法において;
    被測定ファイバの透過光パワーとリファレンス用ファイバの透過光パワーとの比の波長依存性に基づいて被測定ファイバのカットオフ波長を算出するにあたり、
    被測定ファイバの透過光パワーをPsig(λ)、リファレンス用ファイバの透過光パワーをPref(λ)とし、次式
    A(λ)=10×log10{Psig(λ)/Pref(λ)}
    で求められる透過光パワーとの比A(λ)のスペクトル上における、被測定ファイバの規定モードのみを伝搬する波長領域のスペクトルを直線近似してなる基準線を、0.1dBだけ平行にシフトしてなる直線と、前記透過光パワーとの比A(λ)のスペクトルとの交点の波長を、被測定ファイバのカットオフ波長とすることを特徴とする、石英系光ファイバのカットオフ波長測定方法。
  7. 請求項1〜請求項6のうちのいずれかの請求項に記載の石英系光ファイバのカットオフ波長測定方法において;
    前記リファレンス用ファイバの条長の対数値(常用対数)と被測定ファイバの条長の対数値(常用対数)との差が1.3以上であることを特徴とする、石英系光ファイバのカットオフ波長測定方法。
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