JP2009025596A - 液晶表示パネルおよび液晶表示パネルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】配向膜がシール領域の内側領域にのみ形成された基板におけるラビング処理について、ラビング布がダメージを受けるのを防ぐことを目的とする。
【解決手段】対向基板間に液晶を封止してなる液晶表示パネルであって、対向基板の少なくとも一の基板は、当該基板上のシール領域7を避けて形成された配向膜3と、シール領域7に形成された多数の微小突起5のパターンとを備え、対向基板は、シール領域7においてシール剤によりシールされて構成される。
【選択図】 図2
【解決手段】対向基板間に液晶を封止してなる液晶表示パネルであって、対向基板の少なくとも一の基板は、当該基板上のシール領域7を避けて形成された配向膜3と、シール領域7に形成された多数の微小突起5のパターンとを備え、対向基板は、シール領域7においてシール剤によりシールされて構成される。
【選択図】 図2
Description
この発明は、液晶表示パネルおよび液晶表示パネルの製造方法に関する。
液晶表示装置に備えられる液晶表示パネルは、以下のような一連の行程で作製される。すなわち、一対のガラス基板上に、まず各々透明電極が形成され、さらにポリイミド等の有機高分子材料から成る配向膜が塗布され、加熱処理して形成される。この場合、基板の表面に単に配向膜が塗布されただけでは、液晶分子が基板の表面に対して単に平行に配列されるだけで、液晶分子を一定方向に配列(配向)させることはできない。そこで配向膜に対して、その表面をレーヨン等のラビング布で一定方向に機械的にラビングする(擦る)ことによってラビング処理を施し、これによって液晶分子を、ラビングした方向と一定の関係を有する方向に配向させることが行われている。
このようにしてラビング処理が施された後に、このガラス基板はスペーサを介して対向配置され、その間の周辺部分にシール剤が配設して貼り合わせられ、ガラス基板間に液晶が充填されることにより、液晶表示パネルが作製される。
このようにして作製された液晶表示パネルを使用して、液晶表示装置が製造される。この液晶表示装置の製造工程で作製される液晶表示パネルにおいては、湿度に対する信頼性やシール剤の接着強度の維持をはかるために、配向膜はシール領域の内側領域にのみ形成されなければならない。そのため従来では、配向膜の形成方法として、ポリイミド等の溶液或いはその前駆体を印刷法によりその領域内にのみ塗布し、加熱処理した後ラビング布で配向処理する方法がとられている。
しかし、上記のような従来の液晶表示パネルの製造方法におけるラビング処理では、ラビング布が配向膜で覆われていない領域の電極を擦ることによりダメージを受けてしまい、その影響のため液晶配向が不均一となり表示不良が発生していた。
これに対処するため、特許文献1において、シール領域まで配向膜を塗布、焼成し、ラビング処理を行った後、シール領域の配向膜を除去する方法が示されている。前記先行例ではアセトンを染み込ませた布で配向膜を拭き取る方法が示されている。
しかしながら、特許文献1の方法では焼成したポリイミドなどの配向膜を完全に除去することは困難であり、かつパネルが密に面付けされた基板に対応できない、また、ラビング後の配向膜がウエットあるいはドライエッチング工程を経ると、配向状態が変化してパネル表示不良が発生してしまうといった問題があった。
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、配向膜がシール領域の内側領域にのみ形成された基板におけるラビング処理について、ラビング布がダメージを受けるのを防ぐことを目的とする。
対向基板間に液晶を封止してなる液晶表示パネルであって、対向基板の少なくとも一の基板は、当該基板上のシール領域を避けて形成された配向膜と、シール領域に形成された多数の微小突起のパターンとを備え、多数の微小突起のパターンは高さhで間隔dの突起が配列するパターンであり式(2)を満足し、対向基板は、シール領域においてシール剤によりシールされて構成される。
この発明によれば、配向膜がシール領域の内側領域にのみ形成された基板のラビング処理時において、シール領域に多数の微小突起のパターンが形成されることにより、ラビング布のパイル繊維が電極に接触しなくなるため、パイル繊維がダメージを受けず安定したラビング処理ができ、表示品位の良好な液晶表示装置を得ることが可能となる。
以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
(構成)
本実施の形態に係る液晶表示パネルは、アレイ基板およびカラーフィルタ基板からなる対向基板がシール領域においてシール剤によりシールされ、対向基板間に液晶を封止して構成される。
本実施の形態に係る液晶表示パネルは、アレイ基板およびカラーフィルタ基板からなる対向基板がシール領域においてシール剤によりシールされ、対向基板間に液晶を封止して構成される。
図2は、液晶表示パネルを構成する対向基板の一の基板である、カラーフィルタ基板の端部を示した断面図、図3はその上面図を示す。ただし、図2に示したパイル繊維4は、ラビングに使用されるラビング布の一部を示したものであり、カラーフィルタ基板には含まれない。
図2に示すように、ガラス基板8の表面には全面に透明電極6が形成され、透明電極6の表面における表示領域には、ラビング処理が行われるための配向膜3が形成される。表示領域を除く周辺部はシール剤が形成されるシール領域7となる。すなわち、配向膜3はシール領域7を避けて形成される。
また、シール領域7には、多数の微小突起5のパターンが形成される。図2、図3に示すように、微小突起5は円柱状に形成されている。
なお、以上はカラーフィルタ基板について説明したが、アレイ基板についても、カラーフィルタ基板と同様に配向膜はシール領域を避けて形成される。したがって、アレイ基板も、カラーフィルタ基板と同様に、シール領域に多数の微小突起のパターンが設けられてもよい。
(製法)
次に、本実施の形態に係る液晶表示パネルについて、特にラビング処理以降の製法を説明する。
次に、本実施の形態に係る液晶表示パネルについて、特にラビング処理以降の製法を説明する。
図1は、ラビング処理が行われる、パネルごとに切断される前のカラーフィルタ基板(被ラビング基板1とする)と、ラビング処理に使用されるラビングローラー2を示す。
被ラビング基板1は複数枚のパネルを1枚の基板上に形成するために、図1のようにパネル寸法に合わせてカラーフィルタが面付けされている(アレイ基板であれば、TFTアレイが面付けされる。)。
被ラビング基板1には全面に透明電極が形成され、その上に配向膜3がパネル形状に合わせてパターン転写されている。図1の配向膜3のパターンはそれぞれのパネルの表示領域にあたる。隣り合う配向膜3の間は切断領域であり、液晶表示パネルを構成する対向基板と貼り合わせる際のシール領域7でもある。
また、シール領域7については、図2、図3に示すような、樹脂からなる微小突起5のパターンが形成されている。
ラビング処理はラビング布によって行われる。すなわち、図1に示すように、ラビング布が巻かれたラビングローラー2が位置を固定して回転しており、その下を被ラビング基板1が、例えばローラーに対して45°傾いた方向で、矢印方向に一定速度で移動し、ラビングローラー2部を通過する。
このとき図2に示すように、ラビングローラー2に形成されたパイル繊維4が、基板上を擦る。ここで、微小突起5のパターンは次式(1)を満たす間隔および高さで配列されており、ラビング処理時にラビング布のパイル繊維4が下地の透明電極6を擦らないようになっている。
図4により、式(1)の説明を行う。rはラビング処理に用いるラビング布のパイル繊維4の繊維の半径、hは微小突起5の高さ、dは微小突起5の側面どうしの間隔である。ただし、hはセルギャップより小さい値である。微小突起5の材料としては特に制限は無く、表示に寄与しない領域であるため着色していても良い。微小突起5の形状については図3のような円柱状に限定されるものではないが、先端が細くなる形状の場合は、突起先端の側面の間隔が広がるため高さがより必要になる。
通常ラビングに用いるパイル繊維は7.5〜9μmの半径を有するため、式(1)においてr=7.5μmとすると次式(2)のようになる。
多数の微小突起の形状を式(2)を満たすようにすることで、底面の透明電極にパイル繊維が到達しないので本発明のラビング布のダメージを防ぐ効果が得られる。また、その微小突起の底面が占める面積を50%以下とすることで、シール領域に形成されてもシールの接着力を損なわない。
アレイ基板についてのラビング処理は、カラーフィルタ基板と同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
ラビング処理されたアレイ基板およびカラーフィルタ基板からなる対向基板は、少なくとも一の基板に形成された柱スペーサなどにより隙間が維持され、上述した多数の微小突起5のパターンが形成されたシール領域7にシール剤を塗布して貼り合わせられる。微小突起5は基板上の他のパターンと同時に形成されても良く、例えば柱スペーサのパターン形成と同時に作製できる。対向基板間の隙間には液晶が充填されることにより、液晶表示パネルが形成される。
(効果)
配向膜3がシール領域7の内側領域にのみ形成された基板のラビング処理時において、シール領域7に多数の微小突起5のパターンが形成されることにより、ラビング布のパイル繊維4が透明電極6に接触しなくなるため、パイル繊維4がダメージを受けず安定したラビング処理ができ、表示品位の良好な液晶表示装置を得ることが可能となる。
配向膜3がシール領域7の内側領域にのみ形成された基板のラビング処理時において、シール領域7に多数の微小突起5のパターンが形成されることにより、ラビング布のパイル繊維4が透明電極6に接触しなくなるため、パイル繊維4がダメージを受けず安定したラビング処理ができ、表示品位の良好な液晶表示装置を得ることが可能となる。
(具体例)
次に、上述した処理を施した液晶表示パネルを作成したので、その内容を以下に示す。
次に、上述した処理を施した液晶表示パネルを作成したので、その内容を以下に示す。
まず、図1に示すような透明電極付き被ラビング基板1上において、柱スペーサ形成と同時に、図2に示すような微小突起5をシール領域7に形成した。微小突起は半径8μm、高さ3.5μmの円柱状とし、微小突起5の側面どうしの間隔を12μmとした。このときシール領域7における微小突起5の被覆率は30%であり、すなわち、前記多数の微小突起5のパターンは、当該突起の覆う面積が、当該突起の覆わない面積よりも小さいパターンである。このとき、十分な接着強度が確保される。微小突起5の被覆率が50%を超えると接着強度が弱くなり、パネル製造後に剥がれが生じやすくなる。
次にポリイミド系溶液を印刷法により、各パネルにおけるシール領域7より内側となる領域に塗布し、200℃で1時間の加熱処理をして膜厚700Åの有機高分子の配向膜3を形成した後、パイル繊維の半径が9μmのラビング布でラビング処理を施した。ラビング処理には一般に材質がレーヨンで半径が7.5〜9μmの太さのパイル繊維からなるパイル繊維4が用いられる。
上述のようにアレイ基板およびカラーフィルタ基板を作成した後、柱スペーサを介し両基板を対向させてシール剤で貼り合わせ、液晶を充填することにより液晶表示パネルを作製し、この液晶表示パネルを用いて液晶表示装置を製造した。なお、シール領域より外側のパネル間においてもラビング布のパイル繊維4が透明電極を擦らないよう、上述した微小突起5を形成してもよく、あるいは配向膜3のダミーパターンを形成しても良い。
従来の液晶パネルにおいて、パネル周辺のセルギャップをパネル内部と一定にするため、パネル周辺に柱スペーサを設けることがある。この場合の柱スペーサは間隔が数十〜数百μm程度、被覆率は数%以下であり、ラビング時にパイル繊維が下地電極に接触することを防止できない。すなわち本発明の微小突起とは効果が異なる。
以上のようにして、シール領域7に樹脂からなる微小突起5を形成し、ラビング処理時にラビング布のパイル繊維4が透明電極6に接触しなくなったことにより、湿度に対する信頼性やシール剤の接着強度を維持するとともに、液晶配向が均一である表示品位の良い液晶表示パネルからなる液晶表示装置を得ることができた。
1 被ラビング基板、2 ラビングローラー、3 配向膜、4 パイル繊維、5 微小突起、6 透明電極、7 シール領域、8 ガラス基板。
Claims (5)
- 前記多数の微小突起のパターンは、当該突起の覆う面積が、当該突起の覆わない面積よりも小さいパターンである、
請求項1に記載の液晶表示パネル。 - 請求項1または請求項2に記載の液晶表示パネルを製造する方法であって、
(a)前記配向膜と前記多数の微小突起のパターンとが形成された前記少なくとも一の基板をラビング布でラビング処理する工程と、
(b)前記工程(a)の後、前記多数の微小突起のパターンが形成された前記シール領域にシール剤を塗布して前記対向基板を貼り合わせる工程と、
(c)前記工程(b)の後、前記対向基板間の隙間に液晶を充填する工程と、
を備える、液晶表示パネルの製造方法。 - 前記工程(b)は、前記少なくとも一の基板に形成されたスペーサにより隙間を維持して前記対向基板を貼り合わせる工程を含み、
前記多数の微小突起のパターンは前記スペーサのパターン形成と同時に形成される、
請求項3に記載の液晶表示パネルの製造方法。
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JP2007189170A JP2009025596A (ja) | 2007-07-20 | 2007-07-20 | 液晶表示パネルおよび液晶表示パネルの製造方法 |
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