JP2009024680A - 内燃機関用中空バルブ - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却効果を高めること
【解決手段】軸部Vsと、この軸部Vsの一端に設けた傘部Vhと、この傘部Vhから軸部Vsまでの間で内部にて連通する密閉された中空部4と、この中空部4内に封入された冷媒5と、その中空部4内に当該中空部4を軸部Vs及び傘部Vhの軸線方向と略平行に区切る間仕切り壁6と、を備え、この間仕切り壁6における傘部Vhの貯留冷媒5よりも上方に当該間仕切り壁6で区切られた2つの空間R1,R2を連通させる第1及び第2の冷媒通路6a,6bを形成すること。
【選択図】 図2

Description

本発明は、内燃機関における吸排気の動弁機構に用いられる内燃機関用中空バルブに関する。
内燃機関における吸排気の動弁機構には、吸気ポートと燃焼室又は排気ポートと燃焼室との間を夫々に連通又は遮断させるバルブが配設されている。一般に、このバルブは、傘部と軸部とに大別され、その軸部の軸線方向への往復運動によって吸気ポートと燃焼室又は排気ポートと燃焼室との間における連通又は遮断の状態を作り出す。
ここで、このバルブの傘部、特に燃焼室の壁面の一部を成す部分は、燃焼室の燃焼ガスに曝されるので、燃焼によって発生した熱が伝達され易くなっている。特に、近年においては、内燃機関の高出力化のみならず、燃料消費量や排気ガス中の有害物質(炭化水素等)の低減を図るべく行われる燃焼形態によって燃焼室の発熱量が高くなっていく傾向にあり、その傘部に伝わる熱が多くなっている。
そこで、従来、その傘部に伝わる熱を逃がし易くしたバルブが存在している。例えば、下記の特許文献1には、傘部からステム(軸部)まで繋がる密閉された中空部内に冷却媒体(冷媒)が封入されたバルブ本体と、その中空部内の冷却媒体を傘部側からステム側に方向付ける案内ノズルが形成された案内部材と、を有する内燃機関用中空バルブが開示されている。つまり、この特許文献1の内燃機関用中空バルブは、その冷却媒体をステム側に向けて案内ノズルから勢いよく移動させることで傘部の熱をステムへと伝えるものである。
また、下記の特許文献2には、バルブ本体の中空部内にその中空部と同等の形状で且つその中空部の内壁面に対して間隔が空けられた筒状の仕切り壁を有する内燃機関用中空バルブが開示されている。この内燃機関用中空バルブにおいては、傘部で気化した冷却冷媒が仕切り壁の内側を通ってステムへと伝わり、そのステムの上部で凝縮して液化した冷却冷媒がバルブ本体の中空部と仕切り壁の間の環状の空間を通って傘部に戻る。つまり、この内燃機関用中空バルブは、気化した冷却冷媒と液化した冷却冷媒の流路を別々にすることで冷却冷媒の還流を円滑にして、冷却冷媒による傘部の冷却効果を高めている。
特開2006−97499号公報 実開昭60−87313号公報
しかしながら、内燃機関には多用な型式が存在するが、どの様な型式の内燃機関であっても、その殆どにおいては、内燃機関用中空バルブの軸線方向と重力方向との一致は見受けられないので、中空部内における傘部、軸部の夫々の壁面にて冷媒が均一に接するとは限らず、その夫々が均等に冷却されない可能性がある。例えば、所謂直列の内燃機関は、一般的に傾斜させて車輌に搭載されるので、内燃機関用中空バルブの軸線方向と重力方向とが一致している可能性が低い。また、所謂V型(水平対向も含む)の内燃機関は、バンク角が設けられているので、同じく内燃機関用中空バルブの軸線方向と重力方向とが一致する可能性が低い。更に、そもそも、内燃機関用中空バルブは、一般的にペントルーフ型等の如く燃焼室の形状によって傾斜させて内燃機関に搭載されるので、その軸線方向と重力方向とが一致していない。
従って、従来の内燃機関用中空バルブにおいては、例えば、中空部内における傘部の或る一部分では冷媒に熱が伝えられてその熱を軸部等の伝熱対象へと逃がすことができたとしても、他の部分では冷媒が壁面に触れることができずにそこの熱を奪えなくなっている、ということも考えられ、これによって、特に冷却の必要とされる傘部の冷却効果に斑が出てしまう可能性がある。これと同様のことは、上述した特許文献1や特許文献2の内燃機関用中空バルブについても言える。尚、かかる不都合を改善すべく冷媒(一般に金属ナトリウム)の封入量を増加させてもよいが、その冷媒の殆どはバルブの運動方向とは逆方向へと移動するものであり、また、その増加に伴ってバルブの慣性力が増大するので、内燃機関用中空バルブの円滑な往復運動を阻害してしまう虞がある。
そこで、本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、冷却効果の高い内燃機関用中空バルブを提供することを、その目的とする。
上記目的を達成する為、請求項1記載の発明では、軸部と、この軸部の一端に設けた傘部と、この傘部から軸部までの間で内部にて連通する密閉された中空部と、この中空部内に封入された冷媒と、を備えた内燃機関用中空バルブにおいて、その中空部内に当該中空部を軸部及び傘部の軸線方向と略平行に区切る間仕切り壁を設け、この間仕切り壁における傘部の貯留冷媒よりも上方に当該間仕切り壁で区切られた2つの空間を連通させる冷媒通路を少なくとも1つ形成している。
この請求項1記載の内燃機関用中空バルブにおいては、その往復運動の際に、傘部から熱を奪った冷媒が間仕切り壁に沿って軸部側へと移動するようになるので、その傘部の熱が軸部を介して放熱される。また、この内燃機関用中空バルブにおいては、例えば内燃機関用中空バルブが傾倒している状態で車輌に搭載されている場合、その往復運動に伴って一方の空間の冷媒が冷媒通路を介して他方の空間へと移る。この場合の内燃機関用中空バルブにおいては、車輌搭載状態で下側の空間に冷媒が貯留され易いので、その下側の空間の冷媒が冷媒通路を介して車輌搭載状態で上側に位置している空間に移動するようになる。これが為、この内燃機関用中空バルブにおいては、冷媒の不足しがちな上側の空間の傘部においても下側の空間から供給された冷媒によって熱を奪うことができ、傘部の斑の無い冷却が可能になる。
また、上記目的を達成する為、請求項2記載の発明では、上記請求項1記載の内燃機関用中空バルブにおいて、傘部の貯留冷媒を間仕切り壁で区切られた2つの空間で行き来させることの可能な冷媒循環通路が当該間仕切り壁に新たに形成されている。
この請求項2記載の内燃機関用中空バルブにおいては、車輌搭載状態で上側に移った冷媒が冷媒循環通路を介して再び車輌搭載状態で下側の空間に戻される。つまり、この内燃機関用中空バルブにおいては、冷媒を2つの空間の間で還流させることができるようになり、傘部の斑の無い冷却が可能になる。
また、上記目的を達成する為、請求項3記載の発明では、上記請求項1又は2に記載の内燃機関用中空バルブにおいて、一方の空間の冷媒を冷媒通路へと案内させる冷媒案内部を設けている。
この請求項3記載の内燃機関用中空バルブにおいては、その一方の空間(車輌搭載状態で下側の空間)の冷媒を逃がすことなく冷媒通路に導いて他方の空間(車輌搭載状態で上側の空間)に移すことができるので、その他方の空間における傘部の冷却を適切に行うことができるようになる。
また、上記目的を達成する為、請求項4記載の発明では、上記請求項1,2又は3に記載の内燃機関用中空バルブにおいて、2つの空間の内、車輌搭載状態で下側にくる空間の容積を車輌搭載状態で上側に位置する空間よりも大きくしている。
この請求項4記載の内燃機関用中空バルブにおいては、その車輌搭載状態で下側の空間で傘部Vh全体の広範囲の熱を奪い取ることができるようになる。一方、車輌搭載状態で上側に位置する空間においては、容積が小さいことから直ぐに冷媒で満たされるので、この空間における傘部の冷却性能が上がる。
本発明に係る内燃機関用中空バルブは、2つの空間の間で冷媒を移動させることによって、最も高温になる傘部を斑無く冷却させて冷却効果を高めることができる。特に、この内燃機関用中空バルブは、冷媒循環通路も有する場合、間仕切り壁と冷媒通路によって一方の空間の冷媒を他方の空間へと移動させ、その他方の空間の冷媒を冷媒循環通路によって一方の空間に戻させるので、つまり冷媒を2つの空間の間で還流させるので、高い冷却効果を得ることができる。
以下に、本発明に係る内燃機関用中空バルブの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
本発明に係る内燃機関用中空バルブの実施例1を図1から図4に基づいて説明する。
図1の符号10Aは、本実施例1の内燃機関用中空バルブを示す。この本実施例1の内燃機関用中空バルブ10Aは、図示しない内燃機関における吸気や排気の動弁機構(バルブリフター101等からなる機構)に用いられるものであり、その内燃機関の燃焼室CCと吸気ポートPの間(又は燃焼室CCと排気ポートPの間)を軸線方向に往復運動することで連通又は遮断させるものである。
先ず、本実施例1の内燃機関用中空バルブ10Aは、軸部(所謂バルブステム)Vsとこの軸部Vsの端部に設けた傘部Vhとに大別され、これらが、両端の開口された筒状のバルブ主体1と、このバルブ主体1の一端の開口を閉塞する第1閉塞部材(以下、「上部キャップ」という。)2と、そのバルブ主体1の他端の開口を閉塞する第2閉塞部材(以下、「下部キャップ」という。)3と、によって構成される。
そのバルブ主体1は、両端が開口された円筒状の円筒部1aと、上底の開口と下底の開口とを繋ぐ内方の空間を有する略円錐台状に形成された円錐台部1bと、を有しており、その円筒部1aの一方の開口端と円錐台部1bの上底側の開口端とを合わせた形で一体的に成形されている。その円錐台部1bにおける内方の空間は、外郭形状と略同等の円錐台に近い形状に形成されている。従って、このバルブ主体1においては、その円筒部1aにおける円柱状の空間と円錐台部1bにおける略円錐台状の空間とを繋げた形状の中空部4が形成されている。つまり、このバルブ主体1においては、その中空部4が外郭形状と略同等の形状になっている。
ここで、このバルブ主体1においては、その円筒部1aが軸部Vsの主たる部分を成しており、この円筒部1aの残りの開口端(即ち、円錐台部1bとは反対側の開口端)に上部キャップ2が配設されている。つまり、ここで例示する内燃機関用中空バルブ10Aの軸部Vsは、このバルブ主体1の円筒部1aと上部キャップ2とで構成される。例えば、その上部キャップ2は、その円筒部1aに対して溶接等の手法を用いて一体化され、これにより、このバルブ主体1の円筒部1a側の開口端を閉塞させる。
また、このバルブ主体1においては、その円錐台部1bが傘部Vhの主たる部分を成しており、この円錐台部1bの残りの開口端(即ち、下底側の開口端)に下部キャップ3が配設されている。つまり、ここで例示する内燃機関用中空バルブ10Aの傘部Vhは、このバルブ主体1の円錐台部1bと下部キャップ3とで構成される。例えば、その下部キャップ3は、図1に示す如く、ポート(吸気ポート又は排気ポートを指す)Pと燃焼室CCとの間が遮断状態にあるときの燃焼室CCの壁面の一部を成している燃焼室壁面3aと、中空部4の壁面の一部を成している中空部壁面3bと、が各々対向状態で形成された壁面部位になっている。そして、この下部キャップ3は、その中空部壁面3bを内側にして円錐台部1bに溶接等の手法を用いて一体化され、これにより、このバルブ主体1における円錐台部1b側の開口端を閉塞させる。
このように形成されている内燃機関用中空バルブ10Aは、動弁機構の作用により軸部Vsの軸線方向に往復運動する。例えば、この内燃機関用中空バルブ10Aは、図示しないカムやロッカーアームの動作によりバルブリフター101を介して押下される。そして、これに伴って、この内燃機関用中空バルブ10Aは、傘部Vhの傾斜面がポート(吸気ポート又は排気ポートを指す)Pと燃焼室CCとの間の境界部分(つまり、図1に示す環状のバルブシート102)から離間し、その二者の間を連通させる。
一方、ここでは、その内燃機関用中空バルブ10Aの押下動作に連動して、上部キャップ2に固定された環状のリテーナ103が弾性部材(弦巻バネ)104を例えばシリンダヘッド105との間で圧縮している。従って、この内燃機関用中空バルブ10Aには、カム等の動作に応じて弾性部材104の弾発力がリテーナ103を介して作用するようになる。これが為、この内燃機関用中空バルブ10Aは、押下動作とは逆方向に移動させられて、傘部Vhの傾斜面がバルブシート102に当設し、その二者の間を遮断させる。
この内燃機関用中空バルブ10Aは、その軸部Vsが円筒状のバルブステムガイド106に包まれており、このバルブステムガイド106によって往復運動が円滑に案内される。
更に、この内燃機関用中空バルブ10Aには、燃焼室CCから伝達された熱(特に、下部キャップ3等の燃焼ガスに曝されている部分の熱)を逃がす冷却手段が用意されている。
本実施例1においては、その冷却手段として、先ず中空部4の中に金属ナトリウムやナトリウムとカリウムの合金(NaK)等の冷媒5が封入されている。尚、少なくとも内燃機関が運転されているときには、その冷媒5が金属ナトリウムやナトリウムとカリウムの合金であれば融点を超えて液状になっている。この冷媒5は、内燃機関用中空バルブ10Aの往復運動に伴って揺すられ、その中空部4の中で流動させられる。そして、自身よりも高温の中空部4の壁面に接した冷媒5は、その壁面から熱を奪い、往復運動が繰り返される度に更に流動して自身よりも低温の中空部4の壁面に接した際にその壁面へと熱を渡す。例えば、この内燃機関用中空バルブ10Aにおいては、最も高温になり易い傘部Vhの熱が冷媒5に受熱され、この冷媒5が内燃機関用中空バルブ10Aの往復運動に伴い軸部Vsへと移動することによって、傘部Vhから受け取った熱が冷媒5から軸部Vsに伝えられ、その傘部Vhの冷却が行われる。
ここで、先に説明したように多量の冷媒5を封入してしまうと円滑な往復運動が阻害される可能性があるので、この内燃機関用中空バルブ10Aは、できる限り少量の冷媒5で効率の良い傘部Vhの冷却効果を得たい。これが為、本実施例1の内燃機関用中空バルブ10Aにおいては、その冷媒5を高温部分から低温部分へと案内する案内部材を中空部4内に配設している。この案内部材は、傘部Vhから熱を受け取った冷媒5を軸部Vsの中でもより低温の部分へと往復運動によって導くものである。つまり、軸部Vsは傘部Vhから遠くなるほど低温になっているので、この案内部材には、案内部材が無ければ届かなかった軸部Vsの低温部分へと冷媒5を送り届けさせ、傘部Vhの冷却効果を高めさせる。
また、同じく先に説明したように、内燃機関用中空バルブ10Aは、重力方向に対して傾倒させた状態で車輌に搭載されることが一般的である。これが為、その案内部材としては、例えば、軸部Vs及び傘部Vhの軸線方向と略平行に中空部4の中へと配置した板状の部材であって、その部材の平面に沿って冷媒5を案内する図1及び図2に示す間仕切り壁6が考えられる。この間仕切り壁6は、その平面を車輌搭載時に重力方向と所定の角度(内燃機関用中空バルブ10Aの重力方向に対する搭載角度)を以て交差させるべく配置して、内燃機関用中空バルブ10Aが往復運動しているときに冷媒5が平面に当たるようにする。具体的に、ここで例示する間仕切り壁6は、中空部4を軸部Vs及び傘部Vhの軸線方向と略平行に区切る間仕切りであって、下部キャップ3の中空部壁面3bから上部キャップ2に向けて立設された中空部4と同等の形状のものである。本実施例1においては、軸部Vsのバルブステムガイド106で支持されている部分(ここでは、その下端側)まで上端を延設した間仕切り壁6とする。つまり、この間仕切り壁6は、少なくともかかる部分とその上方にまで冷媒5を案内できるように形成している。これが為、冷媒5から軸部Vsへと伝わった熱は、バルブステムガイド106を介して効率良く放熱される。
ところで、内燃機関用中空バルブ10Aは、車輌搭載時の傾斜によって、前述したが如く傘部Vhにおいて冷媒5が熱を奪い易い場所と奪い難い場所が出来てしまい、つまり傘部Vhに冷却性の良い場所と悪い場所とが存在し、冷却斑を生じさせてしまう。特に、上述したような間仕切り壁6が中空部4内に配設されている場合には、その間仕切り壁6が冷媒5の中空部4内での攪拌の妨げとなり、また、間仕切り壁6で区切られた一方の空間(車輌搭載時における上方側の空間)に冷媒5を滞留させる可能性もあるので、傘部Vhの冷却斑を更に拡げてしまう虞がある。
そこで、本実施例1の間仕切り壁6は、上述した案内部材としての機能を保ちつつ、更に傘部Vhの冷却斑を防ぐことができるように構成する。
例えば、本実施例1においては、その間仕切り壁6における傘部Vhの貯留冷媒5よりも上方に当該間仕切り壁6で区切られた図2に示す2つの空間R1,R2を連通させる少なくとも1つの通路(以下、「冷媒通路」という。)を形成する。ここでは、図1及び図2に示す第1及び第2の冷媒通路6a,6bが軸部Vs及び傘部Vhの軸線方向に間隔を空けて形成されている。
尚、その貯留冷媒5とは、内燃機関用中空バルブ10Aが停止しているときに傘部Vhに貯留されている冷媒5のことをいい、図3に示す車輌搭載時の状態でのものを指す。従って、この貯留冷媒5よりも上方とは、その車輌搭載時における貯留冷媒5の上面よりも上方(上部キャップ2側)のことをいう。
ここで、その第1及び第2の冷媒通路6a,6bは、図3の矢印Cに示す如く、内燃機関用中空バルブ10Aの往復運動によって傘部Vh側から間仕切り壁6の平面を伝わってきた冷媒5を取り込んで、その冷媒5を一方の空間R1から他方の空間R2に送り出す機能を為す。つまり、その一方の空間R1において平面に沿って流れてきた冷媒5は、第1及び第2の冷媒通路6a,6bを介して他方の空間R2に流れ込む。従って、その冷媒5は、その空間R1における軸部Vsの内壁面を介して放熱され、そして、第1及び第2の冷媒通路6a,6bを介して流入した空間R2における軸部Vsの内壁面を介して更に放熱される。特に、本実施例1においては第1冷媒通路6aがバルブステムガイド106の近くに配置されているので、この第1冷媒通路6aを介して受け渡しされた冷媒5の熱は、空間R2における軸部Vsの内壁面を介してバルブステムガイド106に伝わって効率良く放熱される。
また、その一方の空間R1において平面に沿って流れてきた冷媒5については、図3の矢印Cに示す如く間仕切り壁6の上端を飛び越えて他方の空間R2へと流入するものもあり、この冷媒5の熱も空間R2側の軸部Vsの内壁面から放熱される。
このように、本実施例1の内燃機関用中空バルブ10Aにおいては、その往復運動に伴って冷却性の良い空間R1から冷却性の悪い空間R2に冷媒5が移動する。本実施例1においては、その空間R2に流入した冷媒5を再び空間R1へと戻すべく、つまり往復運動に伴って空間R1と空間R2との間で冷媒5を循環させるべく、間仕切り壁6の下端近傍(下部キャップ3の中空部壁面3b側)に2つの空間R1,R2を連通させる少なくとも1つの通路(以下、「冷媒循環通路」という。)を形成する。ここでは、図1及び図2に示す1つの冷媒循環通路6cが形成されている。この冷媒循環通路6cは、そのような冷媒5の循環機能だけでなく、夫々の空間R1,R2の貯留冷媒5の圧力の均衡が崩れたときに(即ち、夫々の空間R1,R2の貯留冷媒5の上面の高さが異なるときに)、その夫々の空間R1,R2の間で冷媒5を行き来させて圧力の均衡を図る為にも利用される。
以上示した如く、本実施例1の内燃機関用中空バルブ10Aにおいては、その往復運動が行われているときに、車輌搭載状態にて下側に位置する空間R1内の冷媒5が間仕切り壁6の平面に沿って上方へと移動する。その移動の際の冷媒5は、空間R1の傘部Vhから受熱した熱の全部又は一部を空間R1における軸部Vsの内壁面からバルブステムガイド106等へと放熱する。そして、その平面を伝っている冷媒5は、その一部が間仕切り壁6の第1及び第2の冷媒通路6a,6bを介して車輌搭載状態にて上側の空間R2へと移る一方、その残りが間仕切り壁6の上端よりも上に飛び散る。その飛び散った冷媒5は、軸部Vsで放熱を行った後、その一部が間仕切り壁6の上端を飛び越えて空間R2へと流入すると共に、その残りが空間R1へと戻る。
ここで、空間R2に流れ出た冷媒5は、その熱を空間R2における軸部Vsの内壁面からバルブステムガイド106等へと放熱しながらその空間R2の傘部Vhに落ちていく。そして、その空間R2の傘部Vhの冷媒5は、内燃機関用中空バルブ10Aの往復運動に伴い揺すられて空間R2の傘部Vhの熱を奪い取り、冷媒循環通路6cを介して空間R1に戻される。その空間R1に戻った冷媒は、この空間R1の傘部Vhの熱を奪って、再び軸部Vsへの放熱を行いながら間仕切り壁6の平面に沿って上方へと移動する。以降、内燃機関用中空バルブ10Aの往復運動が続く限り、その受熱と放熱が繰り返される。
このように、本実施例1の内燃機関用中空バルブ10Aは、冷媒5を中空部4の中で間仕切り壁6を中心にして還流させ、その中空部4の全体に冷媒5が行き渡るようにしているので、最も高温になり易い傘部Vhの熱を斑無く外に放出させることができるようになる。つまり、この内燃機関用中空バルブ10Aは、その間仕切り壁6と当該間仕切り壁6の第1及び第2の冷媒通路6a,6b並びに冷媒循環通路6cとによって、冷却効果が高められている。
従って、本実施例1の内燃機関用中空バルブ10Aは、自身の耐久性やバルブシート102の耐久性、燃焼室CCの気密性、開弁時期や閉弁時期の精度の向上を図ることができる。これが為、この内燃機関用中空バルブ10Aは、燃焼室CCの空気過剰率(即ち、空燃比であり、特に理論空燃比)の指令値に対する精度向上、筒内圧の高圧化を図ることができ、高出力化や低燃費化が可能になる。また、この内燃機関用中空バルブ10Aは、耐熱性や耐久性が従来よりも低い低コストの材料で自身やバルブシート102を形成しても十分に耐熱性や耐久性を確保することができるので、自身やその周辺部品の低コスト化が可能になる。更に、この内燃機関用中空バルブ10Aは、傘部Vh(特に、下部キャップ3の燃焼室壁面3a等の如く燃焼室CCの壁面を成している部分)を従来と比して斑無く大幅に冷却することができるので、ノッキングを従来よりも抑えることができるようになる。従って、この内燃機関用中空バルブ10Aは、そのノッキングの抑制効果に伴う点火時期の進角化が可能になり、出力性能の向上を図ることができる。また更に、この内燃機関用中空バルブ10Aにおいては、下部キャップ3の中央部分に間仕切り壁6を設けているので、その間仕切り壁6が下部キャップ3への応力集中を緩和することができる。従って、この内燃機関用中空バルブ10Aは、その下部キャップ3の肉厚を薄くしても耐久性を確保することができ、軽量化が可能になるので、バルブステムガイド106等による摩擦損失が軽減され、慣性等による往復運動の追従性が良好になる。
ところで、上述した本実施例1においては、上端が軸部Vsのバルブステムガイド106の支持部まで延設された間仕切り壁6を有する内燃機関用中空バルブ10Aについて例示した。しかしながら、その上端については更に上方へと延設してもよく、これにより、傘部Vhの熱をより効果的に軸部Vsへと逃がすことができる。例えば、かかる内燃機関用中空バルブを図4に示す。この図4の符号10Bは、そのような冷却効果を更に高めた内燃機関用中空バルブを示している。
この内燃機関用中空バルブ10Bは、上述した内燃機関用中空バルブ10Aにおいて間仕切り壁6を図4の間仕切り壁16へと置き換えたものである。また、その間仕切り壁16とは、上述した間仕切り壁6の上端を上部キャップ2の下面にまで延設したものであり、上記のものとは異なり中空部4を空間R1と空間R2とに完全に二分する。ここでは、この間仕切り壁16には、その上端近傍から下方に複数個の冷媒通路(ここでは、第1から第6の冷媒通路16a〜16f)を形成すると共に、下端近傍に冷媒循環通路16gを形成する。
そのように構成した内燃機関用中空バルブ10Bにおいては、その往復運動が行われているときに、車輌搭載状態にて下側に位置する空間R1内の冷媒5が間仕切り壁16の平面に沿って上部キャップ2まで移動する。その移動の際の冷媒5は、空間R1の傘部Vhから受熱した熱の全部又は一部を空間R1における軸部Vs全体の内壁面からバルブステムガイド106等へと放熱すると共に、上部キャップ2を介してバルブリフター101やリテーナ103等へと放熱する。つまり、この内燃機関用中空バルブ10Bは、その空間R1において上述した内燃機関用中空バルブ10Aよりも多くの熱が外に放熱される。
また、その移動の際、平面を伝っている冷媒5は、その一部が間仕切り壁16の第1から第6の冷媒通路16a〜16fを介して車輌搭載状態にて上側の空間R2へと移る。そして、その空間R2に流れ出た冷媒5は、その熱を空間R2における軸部Vs全体の内壁面からバルブステムガイド106等へと放熱しながらその空間R2の傘部Vhに落ちていく。つまり、この内燃機関用中空バルブ10Bは、その空間R2においても上述した内燃機関用中空バルブ10Aよりも多くの熱が外に放熱される。
その空間R2の傘部Vhの冷媒5は、上述した内燃機関用中空バルブ10Aと同様に、内燃機関用中空バルブ10Bの往復運動に伴い揺すられて空間R2の傘部Vhの熱を奪い取り、冷媒循環通路16gを介して空間R1に戻される。以降、この内燃機関用中空バルブ10Bにおいては、その往復運動が続く限り上述した受熱と放熱が繰り返される。
このように、この内燃機関用中空バルブ10Bは、上端が上部キャップ2まで延設され、更にそれに合わせてより多くの冷媒通路が形成された間仕切り壁16を備えているので、上述した内燃機関用中空バルブ10Aよりも冷却効果を高めることができ、これに伴う上記の内燃機関用中空バルブ10Aにて示した内燃機関の高出力化やノッキングの抑制効果等の種々の効果の更なる向上を図ることができる。
次に、本発明に係る内燃機関用中空バルブの実施例2を図5及び図6に基づいて説明する。
図5及び図6の符号10Cは、本実施例2の内燃機関用中空バルブを示す。この本実施例2の内燃機関用中空バルブ10Cは、前述した実施例1の内燃機関用中空バルブ10Aにおいて間仕切り壁6を図5及び図6に示す間仕切り壁26へと置き換えたものである。
具体的に、本実施例2の間仕切り壁26は、実施例1の間仕切り壁6と略同等の形状に成形し、その間仕切り壁6の第1及び第2の冷媒通路6a,6b並びに冷媒循環通路6cと同等の配置及び形状の第1及び第2の冷媒通路26a,26b並びに冷媒循環通路26cを略同じ位置に形成したものである。また、本実施例2の間仕切り壁26には、その空間R1側の平面に沿って下側(下部キャップ3側)から移動してきた冷媒5を捕まえて第1及び第2の冷媒通路26a,26bに案内する第1及び第2の冷媒案内部27a,27bが設けられている。つまり、本実施例2の間仕切り壁26は、実施例1の間仕切り壁6に第1及び第2の冷媒案内部27a,27bを設けたものである。
その第1冷媒案内部27aは、間仕切り壁26の空間R1側の平面上における第1冷媒通路26aの上側(上部キャップ2側)から立設された壁面部であり、その下面(下部キャップ3側の壁面)が第1冷媒通路26aの壁面と面一になるよう成形されている。一方、第2冷媒案内部27bは、間仕切り壁26の空間R1側の平面上における第2冷媒通路26bの上側(上部キャップ2側)から立設された壁面部であり、その下面(下部キャップ3側の壁面)が第2冷媒通路26bの壁面と面一になるよう成形されている。
ここで、本実施例2においては、第1及び第2の冷媒通路26a,26bが円柱状に形成されている。これが為、本実施例1の第1及び第2の冷媒案内部27a,27bは、その第1及び第2の冷媒通路26a,26bの形状に夫々合わせて円弧状に成形する。
このような構成とした本実施例2の内燃機関用中空バルブ10Cにおいては、その往復運動に伴って空間R1における傘部Vhの冷媒5が間仕切り壁26の平面を伝ってきた際に、その冷媒5の一部を第1冷媒案内部27aや第2冷媒案内部27bが捉えて第1冷媒通路26aや第2冷媒通路26bへと導き入れる。つまり、この内燃機関用中空バルブ10Cにおいては、冷媒5の空間R1から空間R2への移動量を実施例1の内燃機関用中空バルブ10Aよりも増やすことができる。これが為、この内燃機関用中空バルブ10Cは、その増加分の冷媒5の熱についても空間R2における軸部Vsの内壁面を介して外に放熱させることができるので、実施例1のものに対して冷却効果を更に高めることができる。
ところで、この内燃機関用中空バルブ10Cにおいても、間仕切り壁26の上端を飛び越えて空間R2へと移った冷媒5や第1及び第2の冷媒通路26a,26bを介して空間R2へと移った冷媒5は、車輌搭載状態にて傾斜している間仕切り壁26の空間R2側の平面に沿って下へと落ちていく。従って、その間仕切り壁26の上端を飛び越えて空間R2へと移った冷媒5の一部は、その空間R2側の平面から第1冷媒通路26aや第2冷媒通路26bに入ってしまう可能性がある。また、第1冷媒通路26aを介して空間R2へと移った冷媒5の一部については、その空間R2側の平面から第2冷媒通路26bに入ってしまう可能性がある。そして、そのように一旦空間R2に移った平面上の冷媒5が第1冷媒通路26aや第2冷媒通路26bへと入り込んでしまう状況下においては、その冷媒5が空間R1側からその第1冷媒通路26aや第2冷媒通路26bに流入してきた冷媒5を押し戻し、再び空間R1における傘部Vhへと逆流させてしまう虞がある。つまり、ここでは、冷媒5のR1側からR2側への円滑な還流が阻害される虞があるので、傘部Vhの空間R2側の冷却性能の低下によって冷却斑を生じさせてしまう可能性がある。
そこで、本実施例2においては、間仕切り壁26の空間R2側の平面に、第1及び第2の冷媒通路26a,26bへの冷媒5の流入を防いで下の傘部Vhへと案内する図6に示す第3及び第4の冷媒案内部28a,28bを設ける。
その第3冷媒案内部28aは、間仕切り壁26の空間R2側の平面上における第1冷媒通路26aの上側(上部キャップ2側)から立設された壁面部であり、その上面(上部キャップ2側の壁面)が冷媒5の第1冷媒通路26aへの流入を防ぐことの可能な形状に成形されている。例えば、ここでは、間仕切り壁26を中心にして反対側の上述した第1冷媒案内部27aと同等の形状に成形する。つまり、本実施例2の第3冷媒案内部28aは、第1冷媒案内部27aと同様に円弧状に成形されており、その上面において冷媒5を弧状の両端に導いて第1冷媒通路26aへの流入を回避している。
一方、第4冷媒案内部28bは、間仕切り壁26の空間R2側の平面上における第2冷媒通路26bの上側(上部キャップ2側)から立設された壁面部であり、その上面(上部キャップ2側の壁面)が冷媒5の第2冷媒通路26bへの流入を防ぐことの可能な形状に成形されている。ここでは、第3冷媒案内部28aと同様に、間仕切り壁26を中心にして反対側の上述した第2冷媒案内部27bと同等の形状に成形する。従って、本実施例2の第4冷媒案内部28bは、その円弧状の上面において冷媒5を両端に導いて第2冷媒通路26bへの流入を回避する。
以上示した如く、本実施例2の内燃機関用中空バルブ10Cにおいても、その往復運動が行われているときに、車輌搭載状態にて下側に位置する空間R1内の冷媒5は、間仕切り壁26の平面に沿って上方へと移動する。その冷媒5は、移動の際、空間R1の傘部Vhから受熱した熱の全部又は一部を空間R1における軸部Vsの内壁面からバルブステムガイド106等へと放熱する。そして、その平面を伝っている冷媒5は、その一部が間仕切り壁26の第1冷媒案内部27aや第2冷媒案内部27bで捉えられて第1冷媒通路26aや第2冷媒通路26bへと導き入れられ、車輌搭載状態にて上側の空間R2へと移る。一方、その残りの冷媒5は、間仕切り壁26の上端よりも上に飛び散る。その飛び散った冷媒5は、軸部Vsで放熱を行った後、その一部が間仕切り壁26の上端を飛び越えて空間R2へと流入すると共に、その残りが空間R1へと戻る。
ここで、空間R2へと流れ出た冷媒5は、第3及び第4の冷媒案内部28a,28bによって第1及び第2の冷媒通路26a,26bへと流れ入ることなくその空間R2の傘部Vhに落ちる。従って、第1及び第2の冷媒案内部27a,27bによって多量に空間R2へと導かれた冷媒5は、実施例1の内燃機関用中空バルブ10Aよりも多くの熱を空間R2における軸部Vsの内壁面からバルブステムガイド106等へと放熱しながら空間R2の傘部Vhに落ちていく。その空間R2の傘部Vhの冷媒5は、実施例1の内燃機関用中空バルブ10Aと同様に、内燃機関用中空バルブ10Cの往復運動に伴い揺すられて空間R2の傘部Vhの熱を奪い取り、冷媒循環通路26cを介して空間R1に戻される。以降、この内燃機関用中空バルブ10Cにおいては、その往復運動が続く限り上述した受熱と放熱が繰り返される。
このように、本実施例2の内燃機関用中空バルブ10Cは、冷媒5を中空部4の中で間仕切り壁26を中心にして適切に還流させ、その中空部4の全体に冷媒5が効率良く行き渡るようにしているので、最も高温になり易い傘部Vhの熱を斑無く外に放出させることができるようになる。従って、本実施例2の内燃機関用中空バルブ10Cは、自身の耐久性やバルブシート102の耐久性、燃焼室CCの気密性、開弁時期や閉弁時期の精度の向上を実施例1よりも適切に図ることができる。これが為、この内燃機関用中空バルブ10Cは、より効果的に高出力化や低燃費化、低コスト化、ノッキングの抑制、軽量化を図ることができる。
また、本実施例2の内燃機関用中空バルブ10Cは、空間R1から空間R2への冷媒5の移動量を増やして冷却効果を高めることができるので、その冷媒5の封入量を減らしたとしても適切な冷却効果を確保することができる。つまり、冷媒5の封入量が多すぎた場合には冷媒5の粘性によって攪拌度合いが低下して冷却性能が落ちるので、その点では、冷却効果を得る為に冷媒5の封入量を減らすことが望ましい。その反面、封入量の減少は、受熱量を低下させ、また、冷却斑を拡大させてしまう可能性もある。しかしながら、この内燃機関用中空バルブ10Cは、冷媒5の移動量の増加によって冷却効果を高めているので、冷媒5の封入量を減らすことが可能になる。そして、この内燃機関用中空バルブ10Cは、冷媒5の封入量の減少によって軽量化が可能になり、慣性等による往復運動の追従性が良好になる。
尚、本実施例2においては実施例1の内燃機関用中空バルブ10Aを基にした内燃機関用中空バルブ10Cを例示したが、この内燃機関用中空バルブ10Cは、同じく実施例1の内燃機関用中空バルブ10Bを基にしてもよい。つまり、かかる内燃機関用中空バルブ10Cにおいては、図示しないが間仕切り壁16の夫々の平面における第1から第6の冷媒通路16a〜16fの上側に各々冷媒案内部を設け、空間R1側の冷媒案内部に第1から第6の冷媒通路16a〜16fへと冷媒5を案内させると共に、空間R2側の冷媒案内部に第1から第6の冷媒通路16a〜16fへの冷媒5の逆流を回避させる。これにより、かかる内燃機関用中空バルブ10Cは、内燃機関用中空バルブ10Bよりも冷却効果が高まる。
次に、本発明に係る内燃機関用中空バルブの実施例3を図7に基づいて説明する。
図7の符号10Dは、本実施例3の内燃機関用中空バルブを示す。この本実施例3の内燃機関用中空バルブ10Dは、前述した実施例1の内燃機関用中空バルブ10Aにおいて間仕切り壁6を図7に示す間仕切り壁36へと置き換えたものである。
具体的に、本実施例3の間仕切り壁36は、実施例1の間仕切り壁6の第1及び第2の冷媒通路6a,6bよりも下側(下部キャップ3側)を折り曲げて空間R1と空間R2に容積差を付けたものであり、その第1及び第2の冷媒通路6a,6bと同等の配置及び形状の第1及び第2の冷媒通路36a,36bが形成されている。また、この間仕切り壁36においては、その折り曲げられた下側部分に冷媒循環通路6cと同様の冷媒循環通路36cを形成する。
ここで、本実施例3においては、車輌搭載状態にて下側の空間R1の容積が上側に位置する空間R2よりも大きくなるように間仕切り壁36を折り曲げる。例えば、その間仕切り壁36の空間R2側への折り曲げ角θは、図7に示す如く、車輌搭載状態における重力方向に対する内燃機関用中空バルブ10Dの傾斜角θと略同等にする。
空間R1においては、その容積を空間R2よりも大きくすることによって、傘部Vhの全ての内部表面積の大半を占め、且つ、冷媒5の貯留量が増えるので、傘部Vh全体の広範囲の熱を奪い取ることができるようになる。一方、空間R2においては、容積が小さいことから直ぐに冷媒5で満たされるので、この空間R2における傘部Vhの冷却性能が上がる。つまり、この空間R2においては、少量の冷媒5でも傘部Vhを冷却することができる。そして、この空間R2の傘部Vhで熱を奪った冷媒5の多くは、少量であるが為に、往復運動に伴って実施例1の内燃機関用中空バルブ10Aよりも素早く冷媒循環通路36cを介して空間R1へと戻されるようになる。その際、その空間R2には第1及び第2の冷媒通路36a,36b等を介して新たな冷媒5が送られてくるので、この空間R2における傘部Vhが順次冷却されていく。また、傘部Vh全体の燃焼室CCからの受熱量は略同じであり、空間R1,R2において夫々略同量の熱を冷媒5に放熱するが、量の多い空間R1の冷媒5の方が低温になるので、空間R2から空間R1へと戻った冷媒5は、空間R1の多量の冷媒5に熱を奪われつつ往復運動に伴って還流していく。
以上示した如く、この内燃機関用中空バルブ10Dは、空間R1と空間R2との間に上記の如き容積差を付けることによって、傘部Vhの冷却効果を実施例1の内燃機関用中空バルブ10Aよりも高めることができる。従って、本実施例3の内燃機関用中空バルブ10Dは、最も高温になり易い傘部Vhの熱を斑無く且つ効率良く外に放出させることができるようになるので、自身の耐久性やバルブシート102の耐久性、燃焼室CCの気密性、開弁時期や閉弁時期の精度の向上を実施例1よりも適切に図ることができる。これが為、この内燃機関用中空バルブ10Dは、より効果的に高出力化や低燃費化、低コスト化、ノッキングの抑制、軽量化を図ることができるようになる。
ところで、本実施例3の間仕切り壁36は、その上端側を実施例1の間仕切り壁16の様に延設してもよく、これにより、その実施例1の間仕切り壁16以上の冷却効果を得ることができるようになる。また、この間仕切り壁36は、実施例2の間仕切り壁26の如き第1及び第2の冷媒案内部27a,27bや第3及び第4の冷媒案内部28a,28bを設けてもよく、これにより、その実施例2の間仕切り壁26以上の冷却効果を得ることができるようになる。
以上のように、本発明に係る内燃機関用中空バルブは、冷却性、特に傘部の冷却性を向上させる技術に有用である。
本発明に係る内燃機関用中空バルブの実施例1の構成を示すバルブ主体の中心軸で切った断面図である。 図1のX−X線で切った実施例1の内燃機関用中空バルブの断面図である。 実施例1の内燃機関用中空バルブの車輌搭載状態を表した図であって、冷媒の還流経路について示すものである。 本発明に係る内燃機関用中空バルブの実施例1の他の構成を示すバルブ主体の中心軸で切った断面図である。 本発明に係る内燃機関用中空バルブの実施例2の構成を示す図であって、そのバルブ主体の内部の間仕切り壁について示すものである。 図5のY−Y線で切った実施例2の内燃機関用中空バルブの断面図である。 本発明に係る内燃機関用中空バルブの実施例3の構成を示すバルブ主体の中心軸で切った断面図であって、車輌搭載状態を示すものである。
符号の説明
1 バルブ主体
1a 円筒部
1b 円錐台部
2 上部キャップ
3 下部キャップ
3a 燃焼室壁面
3b 中空部壁面
4 中空部
5 冷媒
6,16,26,36 間仕切り壁
6a,16a,26a,36a 第1冷媒通路
6b,16b,26b,36b 第2冷媒通路
6c,16g,26c,36c 冷媒循環通路
16c 第3冷媒通路
16d 第4冷媒通路
16e 第5冷媒通路
16f 第6冷媒通路
27a 第1冷媒案内部
27b 第2冷媒案内部
28a 第3冷媒案内部
28b 第4冷媒案内部
10A,10B,10C,10D 内燃機関用中空バルブ
101 バルブリフター
102 バルブシート
103 リテーナ
104 弾性部材
105 シリンダヘッド
106 バルブステムガイド
CC 燃焼室
P ポート(吸気ポート、排気ポート)
R1 空間
R2 空間
Vh 傘部
Vs 軸部

Claims (4)

  1. 軸部と、該軸部の一端に設けた傘部と、該傘部から前記軸部までの間で内部にて連通する密閉された中空部と、該中空部内に封入された冷媒と、を備えた内燃機関用中空バルブにおいて、
    前記中空部内に当該中空部を前記軸部及び傘部の軸線方向と略平行に区切る間仕切り壁を設け、該間仕切り壁における前記傘部の貯留冷媒よりも上方に当該間仕切り壁で区切られた2つの空間を連通させる冷媒通路を少なくとも1つ形成したことを特徴とする内燃機関用中空バルブ。
  2. 前記傘部の貯留冷媒を前記間仕切り壁で区切られた2つの空間で行き来させることの可能な冷媒循環通路を当該間仕切り壁に新たに形成したことを特徴とする請求項1記載の内燃機関用中空バルブ。
  3. 一方の空間の冷媒を前記冷媒通路へと案内させる冷媒案内部を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関用中空バルブ。
  4. 前記2つの空間の内、車輌搭載状態で下側にくる空間の容積を車輌搭載状態で上側に位置する空間よりも大きくしたことを特徴とする請求項1,2又は3に記載の内燃機関用中空バルブ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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