JP2009023523A - 自動車用フロアーマット - Google Patents
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Abstract
【課題】
本発明の課題は、吸音性に優れ、車内の静寂を保つことができる上に、高級感に溢れた自動車用フロアーマットを提供しようというものである。
【解決手段】
本発明の自動車用フロアーマットは、ポリアミド捲縮糸からなるパイル層/基布層/バッキング層および各層をつなぐ接着材層からなる自動車用フロアーマットであって、該自動車用フロアーマットの垂直直入射吸音率および厚さ方向の通気度が下記条件を満足することを特徴とするものである。
(1)1000Hzの吸音率が0.1以上で、かつ、2000Hzの吸音率が0.3以上である。
(2)厚さ方向の通気度が3〜40cm3/cm2・秒である。
【選択図】なし
本発明の課題は、吸音性に優れ、車内の静寂を保つことができる上に、高級感に溢れた自動車用フロアーマットを提供しようというものである。
【解決手段】
本発明の自動車用フロアーマットは、ポリアミド捲縮糸からなるパイル層/基布層/バッキング層および各層をつなぐ接着材層からなる自動車用フロアーマットであって、該自動車用フロアーマットの垂直直入射吸音率および厚さ方向の通気度が下記条件を満足することを特徴とするものである。
(1)1000Hzの吸音率が0.1以上で、かつ、2000Hzの吸音率が0.3以上である。
(2)厚さ方向の通気度が3〜40cm3/cm2・秒である。
【選択図】なし
Description
本発明は、自動車車内の静寂を保ち、かつ、高級感に溢れた空間を提供するための自動車用フロアーマットに関する。
自動車用フロアーマットには、従来、ポリアミド捲縮糸がそのボリューム感、捲縮耐久性、発色性等の特徴を活かして好まれて使用されてきた。しかし、近年コストダウンの要求から、性能的にはやや劣るものの、ポリプロピレンやポリエステル捲縮糸への転換が大衆車および小型車へと進みつつある。
また、高級車用のフロアーマットには、ボリューム感、柔らかな風合い、深みのある色調等による高級感が好まれて、合成繊維ではポリアミド捲縮糸、特に撚セット捲縮糸を用いたカットパイルカーペットが用いられている。しかしながら、従来のナイロン捲縮糸、およびそれを用いた自動車用フロアーマットは、捲縮耐久性に優れ、かつボリューム感、柔らかな風合い、深みのある色調等の特徴は有するものの、高級感においては依然としてウールやポリアミドスパン捲縮糸を適用したカーマットに劣るため、ウールやスパン捲縮糸に代わって、高級分野の自動車用フロアーマット用としての展開が十分行われなかった。
また最近高級車においては、高級感は勿論のこと、車内の静寂性が特に求められ、エンジンやタイヤ走行に伴う騒音や振動が乗員に伝わらないよう種々の改善がなされている。
特に、自動車のフロアーから伝わる騒音及び振動に対し、床に敷設されたラインマットおよびその上に敷かれるフロアーマットの吸音効果が優れていることが判明し、吸音材としての機能に注目した製品の開発が行われている。
たとえば、フロアーマットにおいては、吸音機能を最大にすること、設計のし易さという点から、多くの吸音マット技術(特許文献1、特許文献2)が提案されている。
まず、ポリエステルフィラメント糸を使用した上層カーペットとカットパイルカーペットとからなる滑り止め層をポリエチレン樹脂フィルムで貼り合わせてなる、通気性1〜50(cm3/cm2・秒)のもの(特許文献1)、また、不織布の一方の面に、撥水剤含有水系樹脂からなる第1塗布層と、その上にガラス転移温度55℃以下の樹脂を含有した第2塗布層とからなる不織布の他方の面に表皮材を積層一体化したもの(特許文献2)が開示されている。これらはいずれも高級自動車用フロアーマットとはほど遠いものである。
また、吸音マット機能を有するカットパイルカーペット技術として、放射状に伸びた複数個の突起部と中空部を有する捲縮糸を用いた熱可塑性パイル糸からなる梳毛調カーペット(特許文献3)が開示されているが、自動車用フロアーマットについて開示されたところは存在しない。
特開2006−298125号公報
特開2007−23403号公報
特開平1−192862号公報
本発明の課題は、吸音性に優れ、車内の静寂を保つことができる上に、高級感に溢れた自動車用フロアーマットを提供しようというものである。
本発明は、前記課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明の自動車用フロアーマットは、ポリアミド捲縮糸からなるパイル層、不織布からなる基布層およびバッキング層とが、この順に積層されてなり、かつ、これらの各層が接着材を介して接着積層された自動車用フロアーマットであって、該自動車用フロアーマットの垂直直入射吸音率および厚さ方向の通気度が下記条件を満足することを特徴とするものである。
(1)1000Hzの吸音率が0.1以上で、かつ、2000Hzの吸音率が0.3以上である。
(2)厚さ方向の通気度が3〜40cm3/cm2・秒である。
(1)1000Hzの吸音率が0.1以上で、かつ、2000Hzの吸音率が0.3以上である。
(2)厚さ方向の通気度が3〜40cm3/cm2・秒である。
本発明の自動車用フロアーマットの好ましい態様は、
1.該自動車用フロアーマットを構成するパイル層が、下記タフト規格(1)〜(4)を満足するカットパイルカーペットからなるものであること、
(1)パイル高さが、4〜15mmである。
(2)ゲージが、1/8〜1/12ゲージである。
(3)ステッチが、10〜20個/インチである。
(4)目付が、1200〜1800g/m2である。
2.該ポリアミド捲縮糸が、以下の特性を有する撚りセット捲縮糸であること、
A.撚り数が、50〜500T/mの下撚りおよび上撚りを施した諸撚りセット捲縮糸である。
B.捲縮伸長率が、10〜20%である。
3.該撚りセット捲縮糸が、以下の(A)〜(D)の特性を有するものであること、
(A)総繊度が、1200〜3600dtexである。
(B)単糸繊度が、4〜10dtexである。
(C)該捲縮糸の断面が、1以上の中空部を有し、該中空部の中空率が8〜20%であり、かつ、断面の中心部から外方に向かって放射状に伸びた3以上の突起部を有する変形度1.5〜3.5の中空異型断面糸である。
(D)該捲縮糸が、0.05〜0.8重量%の酸化チタンの含有量繊維で構成されているものである
である。
1.該自動車用フロアーマットを構成するパイル層が、下記タフト規格(1)〜(4)を満足するカットパイルカーペットからなるものであること、
(1)パイル高さが、4〜15mmである。
(2)ゲージが、1/8〜1/12ゲージである。
(3)ステッチが、10〜20個/インチである。
(4)目付が、1200〜1800g/m2である。
2.該ポリアミド捲縮糸が、以下の特性を有する撚りセット捲縮糸であること、
A.撚り数が、50〜500T/mの下撚りおよび上撚りを施した諸撚りセット捲縮糸である。
B.捲縮伸長率が、10〜20%である。
3.該撚りセット捲縮糸が、以下の(A)〜(D)の特性を有するものであること、
(A)総繊度が、1200〜3600dtexである。
(B)単糸繊度が、4〜10dtexである。
(C)該捲縮糸の断面が、1以上の中空部を有し、該中空部の中空率が8〜20%であり、かつ、断面の中心部から外方に向かって放射状に伸びた3以上の突起部を有する変形度1.5〜3.5の中空異型断面糸である。
(D)該捲縮糸が、0.05〜0.8重量%の酸化チタンの含有量繊維で構成されているものである
である。
本発明によれば、従来の自動車用フロアーマットでは達成できなかった優れた吸音性を有し、かつボリューム感、踏み応え感、反発性、柔らかな風合い、深みのある色調等高級感溢れる質感を有し、かつ手触りやクッション性が心地よい落ち着いた空間をつくりだすことができ、快適なドライブに寄与する高級車用フロアーマットを提供することができる。
自動車室内のフロアーには、フロアー全体にラインマットと呼ばれるパイルカーペットや不織布カーペット等が敷設されている。そして、更にこの敷物の上に、汚れを防止すること、足踏み感をよくすること、およびフロアーからの振動や騒音を防止すること等を目的にフロアーマットが用いられている。このフロアーマットは、オプションマットまたはカーマットとも呼ばれている。
自動車用フロアーマットは、運転席、助手席及び後部座席の足下に敷かれ、通常ラインマットより目付の大きい質感のあるカーペットが用いられる。特に、高級車においては、室内装飾の一部を担う重要なインテリアとしての機能が求められ、従来はウール梳毛糸を用いた絨毯や段通カーペットが用いられ、最近は合成繊維を用いたウィルトンカーペット等、高級感のあるカーペットが用いられている。
すなわち、高級車用のフロアーマットには、ボリューム感、踏み心地感、深みのある色調等、視覚的および触覚的な高級感を満たすものが必要がある。また、最近は、それらに加えて車内の静寂性が強く求められ、エンジンやタイヤ走行に伴う騒音や振動が乗員に伝わらないような改善が求められている。
自動車のフロアーから伝わる騒音および振動に対しては、フロアーに敷設されたラインマットおよびその上に敷くフロアーマットに吸音効果があるが、特にフロアーマットの吸音効果を最大とすることについて鋭意検討し、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明の自動車用フロアーマットは、ポリアミド捲縮糸からなるパイル層、不織布からなる基布層およびバッキング層とが、この順に積層されてなり、かつ、これらの各層が接着材を介して接着積層された自動車用フロアーマットであって、フロアーマット全体として優れた吸音効果を有するが、特にパイル層の改良に注力して、最大の効果を発揮せしめたものである。このパイル層の吸音効果を最大にすることによって、フロアーマット全体の吸音効果も著しく改良することができたものである。
本発明の自動車用フロアーマットを構成するパイル層は、ポリアミド捲縮糸からなるカットパイルカーペットからなる。
まず、基布層は不織布からなり、ポリエステル、ポリプロピレンおよびポリ乳酸繊維等のスパンボンド不織布、ニードルパンチ不織布、スパンレース不織布等が用いられる。
次ぎに、バッキング層は、吸音性に優れた不織布が用いられる。好適なバッキング材用不織布は、ポリエステル、ポリプロピレンおよびポリ乳酸繊維等からなるスパンボンド不織布、ニードルパンチ不織布、メルトブロー不織布、スパンレース不織布等をそのまま又は積層したものを用いることができる。かかるバッキング材用不織布としては、例えば、特開2002−200687号公報記載の技術を適用して得られた吸音効果の優れた不織布を使用することができる。
また、これら各層をつなぐ接着材層としては、SBR(スチレン−ブタジエン−ラテックス)エマルジョン接着剤、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)樹脂、アクリル樹脂等の水系樹脂エマルジョン、およびポリエチレン、ポリプロピレン、及びそれらの変性樹脂等の低融点のポリオレフィン系樹脂パウダーおよびフィルム等を用いることができる。水系樹脂エマルジョンは通常スプレー塗布して熱処理することによって、また低融点の樹脂は熱圧着させて接着させる。いづれも通気性を有する接着材層として機能するものが使用される。
本発明の自動車用フロアーマットの吸音性は、垂直直入射吸音率法で測定した時、1000Hzの吸音率が0.1以上で、かつ、2000Hzの吸音率が0.3以上であることが重要である。好ましくは、1000Hzの吸音率が0.15以上で、かつ、2000Hzの吸音率が0.4以上である。この吸音性が、1000Hzの吸音率が0.1未満または2000Hzの吸音が0.3未満の場合では、本発明でいう吸音性が最大であるという効果を満足しない。
また、このような吸音性効果と密接に関係するフロアーマットの通気性は、厚さ方向の通気度として、3〜40cm3/cm2・秒、好ましくは、5〜35cm3/cm2・秒であることが重要である。通気度が3cm3/cm2・秒未満では、音波がフロアーマット内を殆ど通過しないで遮断されてしまい、フロアーマットに吸収されなくなるので好ましくない。一方、40cm3/cm2・秒を越える場合は、音波がフロアーマット内に吸収されず、吸音効果を発揮することができないので好ましくない。
本発明の自動車用フロアーマットは、上記吸音性と通気性を有することが重要であるが、ここのような特性を満足する自動車用フロアーマットを構成するパイル層としては、以下のタフト規格(1)〜(4)を満足するカットパイルカーペットが好ましく使用される。
(1)パイル高さが、4〜15mmである。
(2)ゲージが、1/8〜1/12ゲージである。
(3)ステッチが、10〜20個/インチである。
(4)目付が、1200〜1800g/m2である。
(1)パイル高さが、4〜15mmである。
(2)ゲージが、1/8〜1/12ゲージである。
(3)ステッチが、10〜20個/インチである。
(4)目付が、1200〜1800g/m2である。
かかるパイル高さとしては、好ましくは4〜15mm、より好ましくは8〜15mmであるのがよい。パイル高さが8mm未満の場合は、パイル層での吸音効果が十分でなく、また自動車用フロアーマットとしてのボリューム感、踏みごたえ感に欠け、高級感が十分に得られない。一方、15mmを越えると、吸音効果は飽和し、重量が重くなり、コストもかかるため好ましくない。
次ぎに、ゲージは、好ましくは1/8〜1/12ゲージが用いられ、ステッチやパイル高さにもよるが、1/8ゲージ未満では目付が低くなり、吸音効果が十分得られず、また高級感が不足することがある。一方、1/12ゲージを越えると吸音効果、高級感共飽和するが、目付は増え、コストアップになるため好ましくない。
また、ステッチは、好ましくは10〜20個/インチ、より好ましくは12〜18個/インチであるのがよい。ステッチが10個/インチ未満では、目付が不足して、吸音効果及び高級感が得られなくなる。一方、ステッチが20個/インチを越えると、吸音効果、高級感共に飽和するが、目付は増え、コストアップとなるため好ましくない。
最後に、目付は、好ましくは1200〜1800g/m2、より好ましくは1300〜1700g/m2と高目付であるのがよい。目付が1200g/m2未満になると、パイル層での吸音効果が不足し、ボリューム感、踏みごたえ感等の高級感が得られない。一方、1800g/m2を越えると吸音効果および高級感とも飽和し、重量が増え、コストアップするため好ましくない。
本発明の自動車用フロアーマットを構成するパイル層のタフト規格は、上記の好ましい条件、即ち、パイル高さが8〜15mm、ゲージが1/8〜1/12ゲージ、ステッチが12〜18個/インチで、目付が1300〜1700g/m2という条件を組み合わせてなるカットパイルカーペットを使用した時、本発明の効果を最大に発揮する高級感溢れる自動車用フロアーマットを提供することができる。
本発明の自動車用フロアーマットを構成するパイル層としては、カットパイルカーペットが好ましく用いられるが、該カットパイルカーペットに用いるポリアミド捲縮糸は、以下の特性を有する撚りセット捲縮糸であることが好ましい。
A.撚り数が、50〜500T/mの下撚りおよび上撚りを施した諸撚りセット捲縮糸である。
B.捲縮伸長率が、10〜20%である。
A.撚り数が、50〜500T/mの下撚りおよび上撚りを施した諸撚りセット捲縮糸である。
B.捲縮伸長率が、10〜20%である。
前記撚りセット捲縮糸としては、ポリアミド捲縮糸を用い、撚り数が、好ましくは50〜500T/m、より好ましくは100〜300T/mで、下撚りおよび上撚りをかけた諸撚り捲縮糸であるのがよい。かかる諸撚りセット捲縮糸とすることによって、カットパイルカーペットとして、腰があり、嵩高でカバリング性を有しながらも、粒感があって整然としたピンポイント性があり、高級感溢れるカーペットが得られる。
撚り数が50T/m未満の下撚りおよび上撚りを施した撚りセット捲縮糸では、撚りの効果が薄く、腰が弱く、ピンポイント性がないため、高級感のないカットパイルカーペットに仕上がる。また、カットパイルが寝易いため、通気性が低下し、吸音性も低下する。
一方、撚り数が500T/mを越えると、カバリング性に欠け、本発明の柔らかな風合いおよびボリューム感が得られなくなる。また、カバリング性に欠けるため通気性が高くなり過ぎ、吸音性も十分満足しない。
このような撚りセット捲縮糸は、上記撚り係数で撚糸した諸撚り糸をスチームセットすることによって得られる。このスチームセット後の撚り捲縮糸としては、捲縮伸長率が10〜20%であることが好ましい。さらに好ましくは、12〜18%である。捲縮伸長率が10%未満の場合は、ポリューム感、踏みごたえ感にかけ、かつへたり耐久性も十分でない。また、吸音性も満足しない。一方、20%を越えると、捲縮し過ぎて縮こまってしまい、フェルト状になるなど、かえって嵩高性が失われ、また吸音性も低下するため好ましくない。
上記撚りセット捲縮糸としては、更に、以下の(A)〜(D)の特性を有することが好ましい。
(A)総繊度が、1200〜3600dtexである。
(B)単糸繊度が、4〜10dtexである。
(C)該捲縮糸の断面が、1以上の中空部を有し、該中空部の中空率が8〜20%であり、かつ、断面の中心部から外方に向かって放射状に伸びた3以上の突起部を有する変形度1.5〜3.5の中空異型断面糸である。
(D)該捲縮糸が、0.05〜0.8重量%の酸化チタンを含有する繊維で構成されているものである。
(A)総繊度が、1200〜3600dtexである。
(B)単糸繊度が、4〜10dtexである。
(C)該捲縮糸の断面が、1以上の中空部を有し、該中空部の中空率が8〜20%であり、かつ、断面の中心部から外方に向かって放射状に伸びた3以上の突起部を有する変形度1.5〜3.5の中空異型断面糸である。
(D)該捲縮糸が、0.05〜0.8重量%の酸化チタンを含有する繊維で構成されているものである。
かかる撚りセット捲縮糸の総繊度は、好ましくは1500〜3300dtexである。1200dtex未満では、撚りセット捲縮糸として細過ぎるため、腰がなく、ボリューム感に欠ける。また、前記特定したタフト規格でカットパイルカーペットを製造すると、通気性が高く、吸音性を満足することができない。一方、3600dtexを越えると、ビンポイント性が劣り、整然とした粒感が失われ、高級感が十分でないという欠点を有する。また、吸音性も十分ではない。
また、単糸繊度は、好ましくは6〜8dtexである。4dtex未満では腰がなく、踏み心地や耐久性が十分でなく、ピンポイント性も不足する。一方、10dtexを越えるとボリューム感が不足し、撚りセットし難くなりピンポイント性が不足する。また、吸音性も劣る。
該捲縮糸は、上記のような異型高中空糸であるが、その中空率は高いほど、また変形度は高いほど吸音性は改善されるが、好ましくは中空率が10〜18%であり、変形度が2.0〜3.0とすることにより、捲縮糸の嵩高性をさらに高め、高い吸音性と高級感を兼備する撚りセット捲縮糸を得ることができるので、比較的高中空率で捲縮率の高い撚りセット捲縮糸とすることが好ましい。
また、かかる撚りセット捲縮糸として、酸化チタンを好ましくは0.1〜0.6重量%含有する繊維がよい。このように比較的高濃度の酸化チタンを含有する撚りセット捲縮糸を用いた自動車用フロアーマットは深みのある色調となり、高級感が醸し出される。酸化チタンの含有量が0.05%未満では、効果が十分でなく、一方、0.8重量%を越えると効果は飽和し、製糸工程で糸切れを起こし易くなるため好ましくない。
上記条件を満足するポリアミド撚りセット捲縮糸を用いた本発明の自動車用フロアーマットは、特にパイル層での吸音効果が最大に発揮されるため、従来提案されていた基布層およびバッキング層について吸音性を改善したフロアーマットに比べ、吸音性の著しく改善された自動車用フロアーマットが得られる。
本発明の自動車用フロアーマットを構成する基布層としては、通気性が確保され、パイルが安定にタフトできる基布として不織布が用いられる。ポリエステル、ポリプロピレンおよびポリ乳酸繊維等のスパンボンド不織布が用いられ、ニードルパンチでもスパンレースによる交絡基布又はケミカルボンド基布でも良い。また、例えば、特開2002―200687号公報で開示されているポリエステルニードルパンチ不織布とポリエステルメルトブロー不織布を積層させた不織布を用いることもできる。
かかる基布層を構成する不織布の目付は100〜160g/m2であるものが、パイル抜けを防止し、かつ適切な通気性を確保し、吸音性を高める上から好ましく使用される。
次に、本発明自動車用フロアーマットを構成するバッキング層としては、不織布を用いることが、吸音性のために好ましい。好適なバッキング層用不織布は、ポリエステル、ポリプロピレンおよびポリ乳酸繊維等からなるスパンボンド不織布、ニードルパンチ不織布、メルトブロー不織布、スパンレース不織布等を積層したもの等が用いられる。例えば、特開2002−200687号公報記載の技術を適用して得られた吸音効果の優れた不織布を使用することができる。
該バッキング層の厚みは、2〜15mmが好ましい。吸音効果は厚いほど好ましいが、自動車室内スペースとしてゆとり感を確保するため厚過ぎると好ましくない。かかる不織布の目付は好ましくは100〜800g/m2、より好ましくは200〜600g/m2とすることによって、良好な通気性および吸音性が得られる。
また、前記バッキング層のフロアー接触面には、凹凸形状や鈎構造をつけて、滑らないような工夫を施すことが好ましい。例えば、特開2006−240595号公報、特開2006−23191号公報、および特開2007−23403号公報で開示された技術を適用することができる。
本発明の自動車用フロアーマットを構成するパイル層、基布およびバッキング層を相互に接着する接着材としては、SBR(スチレン−ブタジエン−ラテックス)エマルジョン接着剤、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)樹脂、アクリル樹脂等の水系樹脂エマルジョン、およびポリエチレン、ポリプロピレン、及びそれらの変性樹脂等の低融点のポリオレフィン系樹脂パウダーおよびフィルム等を用いることができる。水系樹脂エマルジョンを用いる。通常スプレー塗布して熱処理し、低融点の樹脂を用いる場合は熱圧着させて接着させる。いづれも通気性を有する接着層として機能する。
かくして、本発明の吸音性に優れて車内の静寂を保ち、かつ高級感に溢れたカットパイルカーペットからなり、特に高級車用に好適な吸音性に優れた自動車用フロアーマットが得られる。
次に、本発明の吸音性に優れた自動車用フロアーマットおよびそれに好適に用いられるポリアミド撚りセット捲縮糸の製造方法について以下に説明する。
先ず、本発明にかかるポリアミド捲縮糸は、ポリカプラミドまたはポリヘキサメチレンアジパミドを主成分とするポリアミドポリマからなり、5重量%以下の共重合成分を含んでいても良い。例えば、ε-カプラミド、ヘキサメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、キシリレンレンジアミン、アジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等を共重合成分として用いることができる。また、5重量%以上の他種のポリアミドポリマをブレンドしたポリマでも良い。また、適度な捲縮特性や耐久性の上から、ポリアミドポリマは硫酸相対粘度で好ましくは2.5〜3.5、より好ましくは2.6〜3.2に相当する分子量を有するものが好ましく使用される。更に、本発明のポリアミド捲縮糸には、酸化チタンを0.05〜0.8重量%含有するポリアミドポリマを用いることが好ましい。
かかるポリアミド捲縮糸は、公知の溶融紡糸、冷却、給油、延伸、および捲縮処理からなる捲縮糸製造工程によって製造される。本発明に用いる溶融紡糸装置はエクストルーダー型紡糸機でもプレッシャーメルター型紡糸機でも使用可能であるが、製品の均一性、製糸収率等の点でエクストルーダー型紡糸機が好ましい。
かかるポリアミド捲縮糸の特定の断面形状および単糸繊度、総繊度等を満足させるには、ポリアミドポリマーの分子量、紡糸温度、口金孔形状、吐出量、冷却等の紡糸条件を適切に設定して溶融紡糸する。
溶融紡糸された糸条は、冷風によって冷却固化され、次いで油剤を付与された後、所定の引き取り速度で回転する引き取りローラに捲回して引き取られる。引き取り速度は300〜1000m/分が好ましい。引き取った糸条は、通常、引き続き延伸および捲縮加工を連続して行う。別の方法として、未延伸糸で一旦巻き取った後、別工程で延伸および捲縮加工を行う方法、あるいは延伸糸を一旦巻き取った後、別工程で捲縮加工を行う方法も可能である。
本発明にかかる撚りセット捲縮糸は10〜20%の高い捲縮伸長率を有するが、そのためには延伸工程で十分な分子鎖の配向を高めてから捲縮加工するのが好ましい。延伸倍率は2.0〜4.0倍の範囲で行い、伸度が30〜60%となるよう延伸することが好ましい。次いで、延伸された糸条は捲縮付与装置を通して捲縮加工処理する。捲縮は飽和蒸気、過熱蒸気または加熱空気等の加熱流体加工処理によって行われる。本発明の撚り捲縮糸は1200〜3600dtex総繊度であり、好ましい捲縮加工装置は、例えば、特開2004−84080号公報で開示された捲縮加工ノズル装置を用いた捲縮加工方法によって達成される。通常は、該捲縮加工ノズルを有するジェットノズル方式で捲縮加工され、ニードル内を通過する糸条に周囲から加熱蒸気等の高圧の高温流体を接触させ、大気中に放出し冷却することで捲縮を付与する。更に、捲縮を固定する目的で、捲縮ノズルを通過した捲縮糸に冷風を吹きつけたり、内部に吸引するロータリーフィルターの表面に捲縮糸を堆積させて冷却する方法等も採用することができる。
捲縮加工された捲縮糸は適度なストレッチを与えて、捲縮を一部潜在化させた後、巻取り機で巻き取る。捲縮糸は巻取り前に集束性を付与するため交絡処理を与えることもある。
上記得られた捲縮糸は次いで撚糸される。撚糸は下撚りを行い、次いで下撚り糸2本を逆方向に撚り合わせて諸撚り捲縮糸とする。撚り数は50〜500T/mである。
次に、上記諸撚り捲縮糸はスチームセッターで処理して撚り固定を行い、撚りセット捲縮糸とする。スチームセッターは、例えばスペルバ社製のスペルバセット機を用いて行う。通常、120〜270℃の飽和または過熱スチームを用い、30秒〜3分間、好ましくは50秒〜2分間熱処理する。かくして、本発明の自動車用フロアーマットに好適に用いられるポリアミド捲縮糸が得られる。
本発明自動車用フロアーマットを製造する際のタフティング条件としては、本発明自動車用フロアーマットの目的とする吸音性および高級感を達成するよう考慮してステッチ、ゲージ、パイル高さ等を決定する。タフト規格は、パイル高さ4〜15mm、ゲージ1/8〜1/12ゲージ、ステッチ10〜20mmのカットパイルとする。タフトする基布は前記した不織布が用いられる。
タフトされたカットパイルカーペットは、公知の方法により染色およびバッキングが行われる。染色は連続染色、ウィンス染色、あるいはロープ染色等、いずれも可能である。
次に、撚りセット捲縮糸の集束性を少し乱して、ボリューム感をだす目的で、起毛処理またはウォータージェットパンチ処理を施すこともある。該処理、バッキング工程に連続して実施しても、別工程で行っても良い。タフト反を一定速度で移動させながら、針または高圧水流を機械的にカットパイル面に衝突させ、撚りセット捲縮糸の表層部分の単糸を分離させる。
かくして、本発明の吸音性に優れた自動車用フロアーマットが得られる。本発明の自動車用フロアーマットは、マットトータルとして吸音性に優れるが、特にカットパイル部分の吸音性が優れるため車内の静寂が保たれ、また、踏み応え感があってクッション性が心地よく、また深みのある色調と合わせ落ち着いた空間をつくりだすことができ、快適なドライブに寄与する。
以下、本発明を実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何等限定されるものではない。なお、実施例中の各測定値の測定方法は以下の通りである。
(1)総繊度:JIS L1013(1999)の方法で正量繊度を測定した。
(2)単糸繊度:総繊度をフィラメント数で除して求めた。
(3)中空率:単糸の断面を切り出し、中空部を含む繊維の断面積Sと中空部の面積sから次式により求めた。10サンプルの平均値から求めた。
中空率=(s/S)×100(%)
(4)変形度:単糸の断面を切り出し、単繊維横断面の外接円の直径Dと、単糸横断面の内接円の直径dから下記式により求めた。10サンプルの平均値から求めた。
変形度=D/d
(5)強度、伸度: JIS L1013(1999)の方法で測定した。オリエンテック社製テンシロン引張り試験機を用い、試長250mm、引張速度300mm/minの条件で強力を測定した。強度は強力を測定した試料の総繊度で除した値である。
中空率=(s/S)×100(%)
(4)変形度:単糸の断面を切り出し、単繊維横断面の外接円の直径Dと、単糸横断面の内接円の直径dから下記式により求めた。10サンプルの平均値から求めた。
変形度=D/d
(5)強度、伸度: JIS L1013(1999)の方法で測定した。オリエンテック社製テンシロン引張り試験機を用い、試長250mm、引張速度300mm/minの条件で強力を測定した。強度は強力を測定した試料の総繊度で除した値である。
(6)捲縮伸長率:捲縮糸をかせ状にとり、20℃、65%RHの室内に3時間放置して放縮させる。次いで、沸騰水中に20分間浸漬して沸騰水処理を行う。騰水処理したかせ状の糸条を12時間前記室内で放置乾燥させる。次に、該糸条を1m程度の長さに切り取り、糸条の総繊度をA(dtex)とすると17.7A(μN)(1.8A(mg))のの初荷重を30秒間加えた後の糸条の長さL1を先ず測定する。
次に、883A(μN)(90A(mg))の定荷重を30秒間加えた後の糸条の長さL2を測定する。本発明における捲縮伸長率G(%)はL1,L2より、以下の式から求める。
G=((L2−L1)/L1)×100(%)
G=((L2−L1)/L1)×100(%)
(7)吸音率:JIS A1405(1998)の方法によって1000Hzと2000Hzでのフロアーマットの垂直入射吸音率を測定した。
(8)通気度:JIS L1096(1999) 8.27.1のA法によってフロアーマットの通気度を測定した。
(9)耐久性:JIS L1022(1992)に従って、200回衝撃負荷重後のフロアーマットの厚さ減少を測定し、厚さ減少率にて評価した。
(10)ピンポイント性:フロアーマットの外観から次の指標で評価した。評価者10人の平均で判定した。
A:パイル先端部の集束性が極めて良く、表面品位が特に良い。
B:パイル先端部の集束性が良く、表面品位が良い。
C:パイル先端部の集束性がやや不足しており、表面品位がやや悪い。
D:パイル先端部の集束性が悪く、表面品位が悪い。
A:パイル先端部の集束性が極めて良く、表面品位が特に良い。
B:パイル先端部の集束性が良く、表面品位が良い。
C:パイル先端部の集束性がやや不足しており、表面品位がやや悪い。
D:パイル先端部の集束性が悪く、表面品位が悪い。
(11)高級感:風合い、ボリューム感、反発感、色調から次の指標で評価した。評価者10人の平均で判定した。
A:風合い、ボリューム感、反発感、色調が極めて良く、高級感に優れている。
B:風合い、ボリューム感、反発感、色調が良く、高級感がある。
C:風合い、ボリューム感、反発感、色調がやや悪く、やや高級感に欠ける。
D:風合い、ボリューム感、反発感、色調が悪く、高級感がない。
A:風合い、ボリューム感、反発感、色調が極めて良く、高級感に優れている。
B:風合い、ボリューム感、反発感、色調が良く、高級感がある。
C:風合い、ボリューム感、反発感、色調がやや悪く、やや高級感に欠ける。
D:風合い、ボリューム感、反発感、色調が悪く、高級感がない。
[実施例1]
硫酸相対粘度2.8、酸化チタン0.3重量%を含むナイロン6ポリマー(東レ社製T−3450)を、エクストルーダー型紡糸機を用いて溶融紡糸した。紡糸温度は255℃、Y型中空糸用の孔スペックを有する口金を用いて、捲縮糸の総繊度が970dtex、フィラメント数136、単糸繊度が7.1dtex、中空率が10%、および変形度が2.6となるよう製糸した。引取速度は1400m/分、延伸倍率2.2倍、延伸温度50℃、セット温度195℃で熱延伸した。次いで延伸糸条は連続して捲縮ノズルで0.85MPaの加熱蒸気により、捲縮ノズル温度200℃にて捲縮処理した後、冷却ロールで冷却した後、0.12cN/dtexをかけてストレッチし、捲縮を潜在化した後、交絡ノズルを通して、約10個/mの交絡を付与して、2750m/分で巻き取った。
硫酸相対粘度2.8、酸化チタン0.3重量%を含むナイロン6ポリマー(東レ社製T−3450)を、エクストルーダー型紡糸機を用いて溶融紡糸した。紡糸温度は255℃、Y型中空糸用の孔スペックを有する口金を用いて、捲縮糸の総繊度が970dtex、フィラメント数136、単糸繊度が7.1dtex、中空率が10%、および変形度が2.6となるよう製糸した。引取速度は1400m/分、延伸倍率2.2倍、延伸温度50℃、セット温度195℃で熱延伸した。次いで延伸糸条は連続して捲縮ノズルで0.85MPaの加熱蒸気により、捲縮ノズル温度200℃にて捲縮処理した後、冷却ロールで冷却した後、0.12cN/dtexをかけてストレッチし、捲縮を潜在化した後、交絡ノズルを通して、約10個/mの交絡を付与して、2750m/分で巻き取った。
次いで、上記得られた捲縮糸は、ベルドール式撚糸機によって、下撚りをZ方向に200T/mかけ、2本合わせて上撚りをS方向に200T/mかけて諸撚り捲縮糸(1940dtex、272フィラメント)とした。更に、該諸撚り捲縮糸はスペルバー式スチーム処理機で125℃で1分間処理をして、本発明撚りセット捲縮糸を得た。得られた撚りセット捲縮糸の特性を表1にまとめた。
得られた撚りセット捲縮糸は次のタフト規格でタフティングして、カットパイルカーペットとした。基布には目付け120g/m2のポリエチレンテレフタレート製スパンボンド不織布をもちいた。
目付:1500g/m2、ゲージ:1/10ゲージ、パイル高さ:12mm、ステッチ:16個/インチ、パイル:カットパイル
上記カットパイルを、98℃×30分でウインス染色を行い、乾燥して本発明カットパイルカーペット原反を得た。
上記カットパイルを、98℃×30分でウインス染色を行い、乾燥して本発明カットパイルカーペット原反を得た。
次に、目付300g/m2のポリエチレンテレフタレート製スパンボンド不織布の片面に、SBR(スチレン・ブタジエン・ラテックス)を主成分とする水系樹脂エマルジョン塗布し、120℃で3分間加熱処理し、バインダー層を準備した。
次に、前記カットパイル原反をそのパイル面を下側にして搬送しつつ、この上にポリエチレンパウダーを散布量250g/m2で塗布し、次いでこのパウダーを150℃に加熱した後、この上に前記準備したバッキング層を重ね合わせた後、冷却加熱ロールで加圧接着して自動車用フロアーマットを得た。
得られた本発明自動車用フロアーマットの特性を表1に示す。本発明の自動車用フロアーマットは、吸音性に優れ、捲縮性や耐久性に優れ、ボリューム感、踏み応え感等高級感に優れた自動車用フロアーマットであった。
[実施例2]
パイル高さを10mm、目付を1250g/m2に変更したこと以外は実施例1とほぼ同様にした。得られた撚りセット捲縮糸と自動車用フロアーマットの特性を表1に示す。
パイル高さを10mm、目付を1250g/m2に変更したこと以外は実施例1とほぼ同様にした。得られた撚りセット捲縮糸と自動車用フロアーマットの特性を表1に示す。
[実施例3]
ステッチを19個/インチ、目付を1800g/m2に変更したこと以外は実施例1とほぼ同様にした。得られた撚りセット捲縮糸と自動車用フロアーマットの特性を表1に示す。
ステッチを19個/インチ、目付を1800g/m2に変更したこと以外は実施例1とほぼ同様にした。得られた撚りセット捲縮糸と自動車用フロアーマットの特性を表1に示す。
[実施例4]
諸撚り捲縮糸を480フィラメント、単糸繊度4.0dtexに変更したこと以外は実施例1とほぼ同様にした。得られた撚りセット捲縮糸と自動車用フロアーマットの特性を表1に示す。
諸撚り捲縮糸を480フィラメント、単糸繊度4.0dtexに変更したこと以外は実施例1とほぼ同様にした。得られた撚りセット捲縮糸と自動車用フロアーマットの特性を表1に示す。
[実施例5]
諸撚り捲縮糸を200フィラメント、単糸繊度9.7dtexに変更したこと以外は実施例1とほぼ同様にした。得られた撚りセット捲縮糸と自動車用フロアーマットの特性を表1に示す。
諸撚り捲縮糸を200フィラメント、単糸繊度9.7dtexに変更したこと以外は実施例1とほぼ同様にした。得られた撚りセット捲縮糸と自動車用フロアーマットの特性を表1に示す。
[実施例6]
中空率を18%に変更したこと以外は実施例1とほぼ同様にした。得られた撚りセット捲縮糸と自動車用フロアーマットの特性を表1に示す。
中空率を18%に変更したこと以外は実施例1とほぼ同様にした。得られた撚りセット捲縮糸と自動車用フロアーマットの特性を表1に示す。
[実施例7]
ポリマーを酸化チタン0.04重量%含むナイロン6ポリマー(東レ社製T−3150)に変更したこと以外は実施例1とほぼ同様にした。得られた撚りセット捲縮糸と自動車用フロアーマットの特性を表1に示す。
ポリマーを酸化チタン0.04重量%含むナイロン6ポリマー(東レ社製T−3150)に変更したこと以外は実施例1とほぼ同様にした。得られた撚りセット捲縮糸と自動車用フロアーマットの特性を表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1〜7のフロアーマットは、ポリアミド捲縮糸からなるパイル層、不織布からなる基布層およびバッキング層とが、この順に積層されてなり、かつ、これらの各層が接着材を介して接着積層されており、垂直直入射吸音率および厚さ方向の通気度が下記条件を満足することから、吸音性に優れ、車内の静寂を保つことができる上に、高級感に溢れるものである。
(1)1000Hzの吸音率が0.1以上で、かつ、2000Hzの吸音率が0.3以上である。
(2)厚さ方向の通気度が3〜40cm3/cm2・秒である。
[比較例1]
諸撚り捲縮糸を172フィラメント、単糸繊度11.3dtexに変更したこと以外は実施例2とほぼ同様にした。得られた撚りセット捲縮糸と自動車用フロアーマットの特性を表2に示す。
諸撚り捲縮糸を172フィラメント、単糸繊度11.3dtexに変更したこと以外は実施例2とほぼ同様にした。得られた撚りセット捲縮糸と自動車用フロアーマットの特性を表2に示す。
[比較例2]
諸撚り捲縮糸を140フィラメント、単糸繊度13.9dtexに変更したこと以外は実施例2とほぼ同様にした。得られた撚りセット捲縮糸と自動車用フロアーマットの特性を表2に示す。
諸撚り捲縮糸を140フィラメント、単糸繊度13.9dtexに変更したこと以外は実施例2とほぼ同様にした。得られた撚りセット捲縮糸と自動車用フロアーマットの特性を表2に示す。
[比較例3]
中空率を6%に変更したこと以外は実施例2とほぼ同様にした。得られた撚りセット捲縮糸と自動車用フロアーマットの特性を表2に示す。
中空率を6%に変更したこと以外は実施例2とほぼ同様にした。得られた撚りセット捲縮糸と自動車用フロアーマットの特性を表2に示す。
[比較例4]
ポリマーをPET(東レ社製T−701)に変更したこと以外は実施例2とほぼ同様にした。得られた撚りセット捲縮糸と自動車用フロアーマットの特性を表2に示す。
ポリマーをPET(東レ社製T−701)に変更したこと以外は実施例2とほぼ同様にした。得られた撚りセット捲縮糸と自動車用フロアーマットの特性を表2に示す。
表2から明らかなように、比較例1〜3のフロアーマットは、下記条件を満足しないことから、吸音性に劣り、車内の静寂を保つことができない上に、高級感も不足するものである。
(1)1000Hzの吸音率が0.1以上で、かつ、2000Hzの吸音率が0.3以上である。
(2)厚さ方向の通気度が3〜40cm3/cm2・秒である。
(1)1000Hzの吸音率が0.1以上で、かつ、2000Hzの吸音率が0.3以上である。
(2)厚さ方向の通気度が3〜40cm3/cm2・秒である。
また、比較例4のフロアーマットは、PET捲縮糸からなるため、高級感に不足するものである。
本発明の自動車用フロアーマットは、吸音性に優れて車内の静寂を保ち、かつ柔らかな風合い、ボリューム感、および反発性等に優れて高級感に溢れたカットパイルカーペットであるため、特に高級車用に好適な自動車用フロアーマットである。また、同時に自動車用ラインマットとしても、吸音性、高級感および耐久性を活かして好ましく適用することができる。更に、自動車以外にホテル、応接室および役員室等にも好適に使用されるものである。
Claims (4)
- ポリアミド捲縮糸からなるパイル層、不織布からなる基布層およびバッキング層とが、この順に積層されてなり、かつ、これらの各層が接着材を介して接着積層された自動車用フロアーマットであって、該自動車用フロアーマットの垂直直入射吸音率および厚さ方向の通気度が下記条件を満足することを特徴とする自動車用フロアーマット。
(1)1000Hzの吸音率が0.1以上で、かつ、2000Hzの吸音率が0.3以上である。
(2)厚さ方向の通気度が3〜40cm3/cm2・秒である。 - 該自動車用フロアーマットを構成するパイル層が、下記タフト規格(1)〜(4)を満足するカットパイルカーペットからなるものであることを特徴とする請求項1に記載の自動車用フロアーマット。
(1)パイル高さが、4〜15mmである。
(2)ゲージが、1/8〜1/12ゲージである。
(3)ステッチが、10〜20個/インチである。
(4)目付が、1200〜1800g/m2である。 - 該ポリアミド捲縮糸が、以下の特性を有する撚りセット捲縮糸であることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の自動車用フロアーマット。
A.撚り数が、50〜500T/mの下撚りおよび上撚りを施した諸撚りセット捲縮糸である。
B.捲縮伸長率が、10〜20%である。 - 該撚りセット捲縮糸が、以下の(A)〜(D)の特性を有するものであることを特徴とする請求項3に記載の自動車用フロアーマット。
(A)総繊度が、1200〜3600dtexである。
(B)単糸繊度が、4〜10dtexである。
(C)該捲縮糸の断面が、1以上の中空部を有し、該中空部の中空率が8〜20%であり、かつ、断面の中心部から外方に向かって放射状に伸びた3以上の突起部を有する変形度1.5〜3.5の中空異型断面糸である。
(D)該捲縮糸が、0.05〜0.8重量%の酸化チタンの含有量繊維で構成されているものである。
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JP2017523321A (ja) * | 2014-08-06 | 2017-08-17 | ヒュービス カンパニー リミテッド | 異形断面中空繊維およびこれを用いた繊維集合体 |
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2007
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