JP2009023397A - 船舶のハッチ構造及び船舶 - Google Patents

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Abstract

【課題】大きな開口部を有する貨物船倉であっても、開口部の形状の変形に関係なく、貨物船倉の気密を定常的に確保することができる船舶のハッチ構造及びそれを備えた船舶を提供する。
【解決手段】船舶1の船倉2の甲板3の開口部を覆うハッチカバー5と、開口部周囲のハッチコーミング4との間に、液封による気密構造5g、7を設ける。更には、液封による気密構造5g、7を、甲板3上のハッチコーミング4の内周に設けた液溜まり溝7に、ハッチカバー5側の仕切り板5gを挿入して、前記液溜まり溝7を内周側室71と外周側室72とに分けると共に、前記内周側室71と外周側室72の下部では液体が流通するように連通させて構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、大きな開口部を有する貨物船倉であっても、開口部の形状の変形に関係なく、貨物船倉の気密を定常的に確保することができる船舶のハッチ構造及びそれを備えた船舶に関する。
穀物などの比重の小さい粉流体等の固形貨物を輸送するバラ積み貨物船(バルクキャリヤー)等の船舶では、図7〜図10に示すように、船舶1の船倉(カーゴホールド)2の上甲板3に荷役用の開口部を設け、この開口部の周囲にハッチコーミング4を設けて、このハッチコーミング4の上を、ハッチカバー5で覆っている。このハッチカバー5は、荷役時には、クレーンで取り外されたり、横にスライドしたり、二つ折りして両脇に寄せられたりして、開口部を開放する。また、荷役終了時には、ハッチカバー5は、ハッチコーミング4上にクレーンで搭載されたり、横にスライドしたり、2つ折り状態から展開されたりして、開口部を覆って塞いでいる。なお、船倉2の周囲は、前後方向に関しては、図7及び図8に示すように、隔壁(バルクヘッド)6が設けられ、横断面に関しては、図9に示すように、船倉2の船底側と船側側にボトムサイドタンク2aが配置され、斜め上部側にはトップサイドタンク(バラストタンク)2bが配置されている。なお、図9中のLWLは満載喫水線を示す。
また、図10に示すように、ハッチカバー5は、カバー天板5aとカバー天井5bとカバー側板5cとを備えて構成される。このカバー側板5cの下端の周囲に、支持部材5dを設け、この支持部材5dをブラケット5eで補強している。そして、この支持部材5dをハッチコーミング4のコーミングトップ4aの支持台4dの上に載置し、この部分で、ハッチカバー5の重量を支持している。なお、この支持部材5dと支持台4dの間には、鋼板等で形成される高さ調整板4eが配置される。また、コーミングトップ4aは開口部を囲むコーミーング側壁4bの周囲に配置され、上甲板3との間のブラケット4cで補強されている。
そして、貨物船倉2の開口部のシールに関しては、図10に示すように、ハッチカバー5の下側のカバー天井5bの周端(外縁部)に設けたパッキンガッタに、合成ゴム製の弾性を有するパッキン5fを嵌合し、このパッキン5fが、ハッチコーミング4に設けたコンプレッションバー4fに押圧されるようにして、この部分で、ハッチカバー5とハッチコーミング4の間の風雨密閉を行っている。この風雨密閉では、雨水や打ち込み海水等の船倉内への浸水を防止することを主目的としており、一般的には、気密を目的にはしていない。
しかしながら、ハッチコーミングの形状が、船舶の航行中における船体変形等に起因して微妙に変形する。つまり、荒天時等では、ローリングやピッチイング等の船体動揺が大きくなるため、船体が捩じれたりして、甲板やハッチコーミングやハッチカバー等が弾性変形する。そのため、従来技術のハッチ構造では、パッキンとコンプレッションバーとの間に隙間が生じて、ハッチとハッチコーミングの間で、密閉性が保たれなくなる恐れがある。
これに関連して、ハッチコーミングの弾性変化による捩じれによるコーミング耳とコンプレッションバーの間に浸入する水をラバープレートで堰を高くして艙内に漏水させず、ドレインパイプから排出させるようにしたハッチーコーミングの漏水防止装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
一方、近年、天然ガスをハイドレート化して、この固体状の天然ガスハイドレート(NGH)をバラ積み貨物として輸送することが考えられている。この天然ガスハイドレート等の可燃性ガスを発生する固形貨物を,バラ積み貨物船での運搬に際しては、天然ガスハイドレートから可燃性ガスが発生するので、貨物船倉の開口部において、液密だけでなく、気密を確保する必要がある。
この開口部が小さな開口であれば、ハッチカバーとハッチコーミングの間にパッキンを装着して挟み込むような構造で対応できるが、船倉のハッチのように、開口部が大きくなると、シール部分における弾性変形や隙間が大きくなるため、気密を定常的に確保することが困難となるという問題がある。
実用新案登録第3083043号公報
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、大きな開口部を有する貨物船倉であっても、開口部の形状の変形に関係なく、貨物船倉の気密を定常的に確保することができる船舶のハッチ構造及びそれを備えた船舶を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の船舶のハッチ構造は、船舶の船倉の甲板の開口部を覆うハッチカバーと、開口部周囲のハッチコーミングとの間に、液封による気密構造を設けて構成される。この構成によれば、液封であるため、ハッチコーミングが弾性変形しても、気密性を維持できるので、大きな開口部であっても、気密性を定常的に確保することができる。
また、上記の船舶のハッチ構造において、前記液封による気密構造を、甲板上のハッチコーミングの内周又は外周に設けた液溜まり溝に、ハッチカバー側の仕切り板を挿入して、前記液溜まり溝を内周側室と外周側室とに分けると共に、前記内周側室と外周側室の下部では液体が流通するように連通させて構成すると、比較的簡単な構成で、ハッチカバーとハッチコーミングと間に、液封による気密構造を構成できる。
更に、上記の船舶のハッチ構造において、前記液溜まり溝の開口部内周側壁と開口部外周側壁の少なくとも一方と、ハッチカバーと接触する部分に、弾性体パッキンを設けると、この部分で風雨密閉ができ、外側の雨水等が液溜まり溝に入ることや液溜まり溝内の液体が船倉内に入ることを抑制できる。
上記の船舶のハッチ構造において、前記液溜まり溝に、海水又は水を循環させると、ガスハイドレート等の低温の積荷の場合であっても、液封用の液体が凍ることを防止できる。また、海水又は水を使用することにより、万一、液封用の液体が漏れだしても、海域や水域の汚染を回避することができる。また、液封用液体を確保するためのタンクが不要となる。つまり、液溜まり溝に入れる液封用の液体としては、不凍液を混合した水溶液や、比重の大きい液体も考えられるが、船舶の周囲の海水や水を使用すると、簡便に利用できる上、環境汚染の問題や液封用液体の貯蔵の問題も回避できる。
そして、上記の目的を達成するための本発明の船舶は、上記の船舶のハッチ構造を備えて構成される。この構成により、船倉の気密性を確保できるので、可燃性ガス等が発生しても、船倉外に漏出することが無く、また、逆に外気が船倉内に入ることも無い。
また、上記の船舶のハッチ構造を備えた船倉で、ガスハイドレートを輸送すると、積荷のガスハイドレートから、例え、可燃性ガスが発生しても、外気と遮断できるので、安全に輸送することができる。なお、ガスハイドレート等のガスの発生の可能性のある貨物に関しては、そのままバラ積みした場合だけでなく、一旦、コンテナに入れたものを、船倉に積み込む場合に対しても、本発明の船舶のハッチ構造及び船舶は適用できる。
本発明の船舶のハッチ構造及び船舶によれば、大きな開口部を有する貨物船倉であっても、開口部の変形に関係なく、貨物船倉の気密を定常的に確保することができる。
以下、図面を参照して本発明に係る船舶のハッチ構造及び船舶の実施の形態について説明する。図1及び図2に、本発明の第1の実施の形態の船舶のハッチ構造10を示す。図1はハッチ構造10の部分断面図を示し、図2は、ハッチカバーを外した時のハッチコーミングを上から見た平面図を示す。図3は、液溜まり溝7の配置を模式的に示す。
このハッチ構造10では、ハッチカバー5は、カバー天板5aとカバー天井5bとカバー側板5cとを備えて形成される。このハッチカバー5は、上から見た形状は四角形状に形成される。なお、このハッチカバー5の寸法を例示すると、船長が300m近い船舶では、幅約22m×長さ約15mになる。
このカバー側板5cの下端の周囲に、支持部材5dをブラケット5eで補強して設ける、この支持部材5dを、ハッチコーミング4のコーミングトップ4aの支持台4dの上に載置し、この部分で、ハッチカバー5の重量を支持する。なお、この支持部材5dと支持台4dの間には、鋼板等で形成される高さ調整板4eが配置して荷重が偏らないようにする。また、コーミングトップ4aは開口部を囲むコーミーング側壁4bの周囲に配置し、上甲板3との間のブラケット4cで補強する。
そして、本発明の第1の実施の形態では、ハッチコーミング4のコーミーング側壁4bの内側に液溜まり溝(ウェル)7を設ける。この液溜まり溝7は、コーミーング側壁4bの内周側に設けられた側壁7aと底板7bとから構成され、コーミーング側壁4bの内周を一周して設けられる。この液溜まり溝7に連通する液体循環用配管(注排水ライン)8が設けられ、この液体循環用配管8の途中に設けられた流量調整弁8aにより、海水等の液体循環量を調整し、液溜まり溝7内の液量及び液位(液面レベル)を調整する。この液位は図示しない液位センサにより監視される。
また、ハッチカバー5のカバー天井5bのハッチコーミング4のコーミーング側壁4bに対面する部分よりも内周側に仕切り板5gを設け、ハッチカバー5をハッチコーミング4に搭載し、固定具(ストッパー)4gで固定したときに、この仕切り板5gが液溜まり溝7の略中央に挿入され、しかも、下部においては、内外の液体が流通できるように構成する。
つまり、甲板3上のハッチコーミング4の内周に設けた液溜まり溝7に、ハッチカバー5側の仕切り板5gを挿入して、液溜まり溝7を内周側室71と外周側室72とに分けると共に、内周側室71と外周側室72の下部では液体が流通するように連通させて構成する。これにより、船舶1の船倉2の甲板の開口部を覆うハッチカバー5と、開口部周囲のハッチコーミング4との間に、液封による気密構造5g、7を設ける。
この液溜まり溝7と仕切り板5gとにより、液溜まり溝7に入れた液体が気密を保つ。つまり、仕切り板5gの内外で液体がU字管効果を生じ、船倉2の内圧が高い時には、外側の液位と内側の液位との差Haによる液体の重さによる圧力で、内側の気体が外側に漏出するのを防止することができる。逆に、船倉2の内圧が低い時には、内側の液位と外側の液位との差による液体の重さによる圧力で、外側の空気が内側に浸入するのを防止することができる。これにより、液体による気密構造が構成される。
言い換えれば、船体甲板3上のハッチコーミング4の四辺に沿って液溜まり溝(ウェル)7を形成すると共に、ハッチカバー5の端部部分に鉛直下向きに延長する仕切り板5gを設けて、ハッチカバー5の搭載時に、この仕切り板5gを液溜まり溝7の中に納め、この液溜まり溝7に海水等の液体を適量充填する。この液溜まり溝7内で、ハッチカバー5の端部部分において、U字管効果を発生させ、船倉2内のガスの圧力αに相当する液面差Haを液溜まり溝7内に生じさせ、液溜まり溝7内液体で外側の大気と船倉2内との間における気密状態を達成する。
なお、液溜まり溝7の深さは、船倉2内で発生するガスの圧力を十分に封入することができる深さとする。例えば、船倉2内のガスの圧力がαkPaG(大気圧をゼロkPaとする)であり、密度が1.0g/cm3 の液体(水)が充填されるとすれば、液溜まり溝7に生じる液位差Haは、約α×10-1mとなる。従って、この液位差Haを生じさせることができる液溜まり溝7の深さと液体の量を用意すれば、船倉2内からガスが漏れ出すことは無い。また、ハッチカバー5自体に微妙な変形が生じたとしても、液溜まり溝7の深さが十分に深ければ気密を確保することができる。なお、船倉2内の圧力や温度も図示しない圧力センサや温度センサで監視し、異常があれば、警報を出し、乗組員が適切な処置を取れるようにする。
また、船体の動揺により、液溜まり溝7内の海水が偏って、十分な液位が保てなくなるのを防止するために、液溜まり溝7の周方向の流れを抑制する抑制用部材7cを適宜設ける。図2の構成では4角と各辺の中央に配置している。この抑制用部材7cと仕切り板5gとの交差部分では、気密確保の面から仕切り板5g側の連続性を保つことが望ましいので、抑制用部材7c側に仕切り板5g側が挿入できるような溝を設けて構成する。なお、液溜まり溝7の周方向の流れに関しては、船体動揺時の海水の自由な流通を、必要な液位を保てる程度に抑制できればよいので、多少の流通ができるように抑制用部材7cを構成し、海水冷凍防止等のための海水の循環は確保できるようにする。
また、液体としては、船体の周囲にある海水を用いると、この液封用の液体を貯蔵するタンクが不要になると共に、万一、船外に漏出しても環境汚染の問題が発生しなくなる。さらに、温度が低い天然ガスハイドレート等を輸送する場合であっても、この海水を循環させることにより、液溜まり溝7内で海水が凍ることを防止できる。
そして、外側の雨水や打ち込み海水などが入らないように、ハッチカバー5の下側のカバー天井5bの、コーミーング側壁4bに対面する部分に設けたパッキンガッタに、合成ゴム製等の弾性パッキン5fを嵌合し、ハッチカバー5の搭載時に、このパッキン5fに、液溜まり溝7の外周側の側壁を形成するコーミーング側壁4bの上端部に当接させ、このパッキン5fをコーミーング側壁4bの上端部で押圧して、この部分で、ハッチカバー5とハッチコーミング4の間の風雨密閉を行う。なお、弾性パッキン5fを、カバー天井5bの周端(外縁部)に設けたパッキンガッタに嵌合し、ハッチコーミング4に設けたコンプレッションバー4fで押圧して、この部分で、ハッチカバー5とハッチコーミング4の間の風雨密閉を行うように構成してもよい。
さらに、液溜まり溝7の液体が、船倉2内に入るのを防止するために、ハッチカバー5の下側のカバー天井5bの周端(外縁部)から少し内側の液溜まり溝7の側壁7aに対面する部分に設けたパッキンガッタに、合成ゴム製の弾性を有するパッキン5fを嵌合し、このパッキン5fを、側壁7aの上端部で押圧して、この部分で、液溜まり溝7と船倉2内との液密を行う。
つまり、液溜まり溝7の開口部内周側壁7aと開口部外周側壁4bの少なくとも一方と、ハッチカバー5と接触する部分に、弾性パッキン5fを設ける。
この構成によれば、上甲板3やハッチコーミング4やハッチカバー5等の変形が少ない時には、液密と気密は、弾性パッキン5fとコンプレッションバー4fとの間や、弾性パッキン5fと側壁7aの上端部との間で十分に確保できる。勿論、この時でも、液溜まり溝7と仕切り板5gとで構成する液封構造部分でも気密性を確保している。
そして、上甲板3やハッチコーミング4等の変形が大きく、弾性パッキン5fとコンプレッションバー4fとの間や、弾性パッキン5fと側壁7aの上端部との間に隙間が生じ、これらの部分の気密性が確保できなくなった場合であっても、液溜まり溝7と仕切り板5gとで構成する液封構造部分で気密性を十分に確保できる。
更に、液溜まり7と仕切り板5gにより形成される外周側室72の上方72aに、調整弁9aを備えた不活性ガス用配管9を接続し、この外周側室72の上方72aの気層部分に不活性性ガスを大気圧以上の圧力で封入するように構成することで、万一液封が破られたときにも瞬時に可燃性ガスと空気が混じり合うことを避けることができる。
なお、船体が大きな動揺をして、通常の海水の循環量では適切な液位を保てないと判断した場合や船倉2内の圧力が著しく大きくなった場合には、液溜まり溝7の海水量を増加して、液溜まり溝7内を海水で充満して、この充満した海水で気密シールを行うこともできる。この場合は、海水の外気側と船倉2内側への漏れは、弾性パッキン5fを用いた液密構造により防止できる。また、万一、この部分から海水が船倉2内側へ漏れたとしても、非常事態であることと、この状態の継続時間が短時間となることから、多少の海水漏れがあっても、漏水抜き出し用の通路(樋)や配管を設けることにより比較的容易に対応することができる。
次に、第2の実施の形態のハッチ構造10Aについて説明する。このハッチ構造10Aでは、液溜まり溝7をハッチコーミング4の内周では無く、図4に示すように、ハッチコーミング4の外周の上甲板3上に設ける。また、ハッチカバー5側の仕切り板5gも、この液溜まり溝7に挿入できるように、ハッチカバー5を開口部より大きくしてその外縁部に設ける。この場合は、第1の実施の形態のハッチ構造10のように、開口部の大きさが液溜まり溝7によって小さくなることを避けることができる。しかし、液溜まり溝7の必要とする深さによっては、ハッチコーミング4の高さを高くする必要が生じる。
次に、第3及び第4の実施の形態のハッチ構造10B、10Cについて説明する。このハッチ構造10B,10Cでは、液溜まり溝7を、図5又は図6に示すように、ハッチコーミング4の外周側の上甲板3に埋没、又は半没させて設ける。また、ハッチカバー5側の仕切り板5gも、この液溜まり溝7に挿入できるように、ハッチカバー5を開口部より大きくしてその外縁部に設ける。なお、第4の実施の形態のハッチ構造10Cでは、液溜まり溝7の上方を甲板上に開放して露出させてもよいが、船体動揺等により、液体が流出したり、蒸発による急激な液位の変動を避けるために、何らかの覆いをしておくことが好ましい。この場合は、第1の実施の形態のハッチ構造10のように、開口部の大きさが液溜まり溝7によって小さくなることを避けることができ、また、第2の実施の形態のハッチ構造10Aのように、ハッチコーミング4の高さを高くすることも避けることができる。しかしながら、甲板上に液溜まり溝7のための開口が必要になる。
そして、本発明の実施の形態の船舶は、上記のハッチ構造10,10A,10B,10Cのいずれかを備えて構成される。この船舶においては、積荷を天然ガスハイドレートとし、万一、天然ガスが分離して可燃性ガスが発生した場合でも、船倉内で発生した可燃性ガスを外気と遮断でき、安全に輸送することができるので、天然ガスハイドレート等のガスが発生する可能性のあるを輸送するのに適した船舶となる。
従って、上記の船舶のハッチ構造及び船舶によれば、大きな開口部を有する貨物船倉であっても、開口部の変形に関係なく、貨物船倉の気密を定常的に確保することができ、ガスを発生する可能性のある貨物でもバラ積みで安全に輸送することができる。
本発明に係る第1の実施の形態のハッチ構造を示す部分断面図である。 本発明に係る第1の実施の形態のハッチコーミングの構造を示す平面図である。 本発明に係る第1の実施の形態のハッチ構造の模式的な断面図である。 本発明に係る第2の実施の形態のハッチ構造の模式的な断面図である。 本発明に係る第3の実施の形態のハッチ構造の模式的な断面図である。 本発明に係る第4の実施の形態のハッチ構造の模式的な断面図である。 船舶におけるハッチの配置を例示する船体側面図である。 船舶におけるハッチの配置を例示する船体平面図である。 船舶におけるハッチの配置を例示する船体横断面図である。 従来技術のハッチ構造を例示する部分断面図である。
符号の説明
1 船舶
2 船倉
3 上甲板
4 ハッチコーミング
4b コーミーング側壁
4f コンプレッションバー
5 ハッチカバー
5b カバー天井
5d 支持部材
5f 弾性パッキン
5g 仕切り板
7 液溜まり溝(ウェル)
7c 抑制用部材
8 液体循環用配管
8a 調整弁
9 不活性ガス用配管
9a 調整弁
10、10A,10B,10C ハッチ構造
71 内周側室
72 外周側室
72a 外周側室の上方
Ha 外側の液位と内側の液位との差

Claims (6)

  1. 船舶の船倉の甲板の開口部を覆うハッチカバーと、開口部周囲のハッチコーミングとの間に、液封による気密構造を設けた船舶のハッチ構造。
  2. 前記液封による気密構造を、甲板上のハッチコーミングの内周又は外周に設けた液溜まり溝に、ハッチカバー側の仕切り板を挿入して、前記液溜まり溝を内周側室と外周側室とに分けると共に、前記内周側室と外周側室の下部では液体が流通するように連通させて構成したことを特徴とする請求項1記載の船舶のハッチ構造。
  3. 前記液溜まり溝の開口部内周側壁と開口部外周側壁の少なくとも一方と、ハッチカバーと接触する部分に、弾性体パッキンを設けたことを特徴とする請求項2記載の船舶のハッチ構造。
  4. 前記液溜まり溝に、海水又は水を循環させることを特徴とする請求項2又は3記載の船舶のハッチ構造。
  5. 請求項1、2、3又は4記載の船舶のハッチ構造を備えたことを特徴とする船舶。
  6. 請求項1、2、3又は4記載の船舶のハッチ構造を備えた船倉で、ガスハイドレートを輸送することを特徴とする船舶。
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