JP2009019065A - 重合体粒子の製造方法 - Google Patents

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JP2009019065A JP2007180477A JP2007180477A JP2009019065A JP 2009019065 A JP2009019065 A JP 2009019065A JP 2007180477 A JP2007180477 A JP 2007180477A JP 2007180477 A JP2007180477 A JP 2007180477A JP 2009019065 A JP2009019065 A JP 2009019065A
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拓也 増田
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Abstract

【課題】 水性液体や体液を吸収した後でも分解/劣化の程度が小さく安定性が良好で、しかも吸水量が高く、吸水速度や加圧通液速度の速い重合体粒子及びその製造方法の提供。
【解決手段】 重合に不活性な疎水性有機溶媒と水溶性モノマーを用いて該水溶性モノマーを重合させるに際し、分散剤として陰イオン界面活性剤(I)及び(II)を存在させる、重合体粒子の製造方法、並びにその製造方法により得られる重合体粒子。
【化1】
Figure 2009019065

2O[(PO)p(EO)q]SO33 (II)
(R1はC5-29のアルキル基等、nは1又は2、R2はC6-22のアルキル基等、POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基、pは0<p≦22の数、qは0<q≦22の数、M1、M2及びM3はアルカリ金属イオン、アンモニウムイオン又はHを示す。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、良好な吸水性能を有し、吸水後の安定性が高い重合体粒子及びその製造方法に関する。
高吸水性樹脂は衛生用品分野では幼児用、大人用あるいは失禁者用の使い捨ておむつや婦人用生理用ナプキン等の吸収体、農園芸分野での保水剤や、土木建築分野での汚泥の凝固剤、結露防止剤、止水剤等として幅広く使用されている。
しかし、このような高吸水性樹脂を構成する水溶性又は膨潤性高分子は、過酸化水素やL−アスコルビン酸(塩)のようなラジカル発生種の共存下では、経時的に分子量が低下/劣化するという問題が知られている。特に、該高吸水性樹脂を使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収体に用いた場合、尿、経血、汗等の体液中にもL−アスコルビン酸(塩)等が存在するために、L−アスコルビン酸(塩)から発生するラジカル種によって紙オムツや生理用ナプキン等の吸収体中の高吸水性樹脂が経時的に劣化、分解し、体液保持能力が低下することが重大な問題となっている。
また、上記ラジカル発生種による水溶性高分子又はその架橋体の分解反応は含水状態で、特に空気雰囲気下で鉄や銅などの2種以上の酸化数をとり得る遷移金属イオンが共存する状態下で顕著である。
一方、近年、衛生用品の薄型化に伴い、吸収体中の吸水性樹脂の割合が増加する傾向にある。衛生用品分野で使用される高吸水性樹脂には、(1)吸水性樹脂の本来の体液を吸収・保持する能力(多い吸水量)と(2)吸収体中の繊維(パルプなど)が担っていた体液を拡散する能力(速い通液速度)が求められている。
特許文献1には、上記のような問題を解決するために、分散剤として特定の陰イオン界面活性剤を存在させた重合体粒子の製造方法が開示されている。しかし、この方法により製造される重合体粒子は、粒径が小さく且つ嵩比重が小さく、吸水量が非常に多いものの、吸水速度や加圧通液速度において更なる改良が求められていた。
特開平8−319304号公報
本発明の課題は、水性液体や体液を吸収した後でも分解/劣化の程度が小さく安定性が良好で、しかも吸水量が高く、吸水速度や加圧通液速度の速い重合体粒子及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、重合に不活性な疎水性有機溶媒と水溶性モノマーを用いて該水溶性モノマーを重合させるに際し、分散剤として一般式(I)で表される陰イオン界面活性剤(以下陰イオン界面活性剤(I)という)及び一般式(II)で表される陰イオン界面活性剤(以下陰イオン界面活性剤(II)という)を存在させる、重合体粒子の製造方法、並びにその製造方法により得られる重合体粒子を提供する。
Figure 2009019065
(式中、R1は直鎖又は分岐鎖の炭素数5〜29のアルキル基、アルケニル基又は2−ヒドロキシアルキル基を示し、M1及びM2はそれぞれ独立に、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン又は水素原子を示し、nは1又は2を示す。)
2O[(PO)p(EO)q]SO33 (II)
(式中、R2は直鎖又は分岐鎖の炭素数6〜22のアルキル基若しくはアルケニル基を示すか、又は総炭素数12〜28のアリール基を示す。POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基を示し、POとEOはブロック結合をしており、POとEOの結合順序は(PO)p(EO)qの順、(EO)q(PO)pの順の何れでも良い。pはオキシプロピレン基の平均付加モル数を示す0より大きく22以下の数、qはオキシエチレン基の平均付加モル数を示す0より大きく22以下の数である。M3はアルカリ金属イオン、アンモニウムイオン又は水素原子を示す。)
本発明の方法により、水性液体や、尿、経血もしくは汗などの体液を吸収した後でも分解/劣化の程度が小さく安定性が良好で、吸水量が高く、吸水速度及び加圧通液速度の速い重合体粒子を得ることができる。本発明の重合体粒子は、例えば、おむつなどの衛生用品の吸収体中に含有させることで、体液をすばやく吸収することができ、また、体液をより広い範囲に拡散することができ、さらに、吸収体が吸収した体液の保持性に優れるので、衛生用品を薄型化することもできる。
[重合体の製造方法]
本発明の製造方法に用いられるモノマーは、水溶性で、重合性の不飽和基を有するモノマーである。具体的には、オレフィン系不飽和カルボン酸又はその塩、オレフィン系不飽和カルボン酸エステル、オレフィン系不飽和スルホン酸又はその塩、オレフィン系不飽和リン酸又はその塩、オレフィン系不飽和リン酸エステル、オレフィン系不飽和アミン、オレフィン系不飽和アンモニウム、オレフィン系不飽和アミドなどの重合性不飽和基を有するビニルモノマーが例示される。
オレフィン系不飽和カルボン酸又はその塩としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸などの不飽和カルボン酸、これらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩等が挙げられる。オレフィン系不飽和カルボン酸エステルとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
オレフィン系不飽和スルホン酸又はその塩としては、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸又はその塩等が挙げられる。オレフィン系不飽和リン酸又はその塩としては、(メタ)アクリロイル(ポリ)オキシエチレンリン酸エステル又はその塩等が挙げられる。
オレフィン系不飽和アミンとしては、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。オレフィン系不飽和アンモニウム塩としては、上記オレフィン系不飽和アミンの4級アンモニウム塩等が挙げられ、オレフィン系不飽和アミドとしては、(メタ)アクリルアミド、メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体やビニルメチルアセトアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
他のモノマーの具体例としては、ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、N−アクリロイルピペリジン、N−アクリロイルピロリジン、N−ビニルアセトアミドなどのノニオン性の親水基含有不飽和モノマーなどが挙げられる。
これらのモノマーは、単独で若しくは2種以上の混合物として用いることができる。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味し、(メタ)アクリルアミドとは、アクリルアミド又はメタクリルアミドを意味し、(メタ)アクリロイルとはアクリロイル又はメタクリロイルを意味する。
これらモノマーの中では、オレフィン系不飽和カルボン酸又はその塩が好ましく、アクリル酸、メタクリル酸、それらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はアンモニウム塩がより好ましく、アクリル酸、アクリル酸アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アクリル酸アンモニウム塩が更に好ましい。
本発明において、モノマーは水溶液として用いることができる。この際、水溶液中におけるモノマーの濃度は、生産性の観点より10重量%以上が好ましく、20重量%以上がより好ましく、30重量%以上が更に好ましい。
水溶性モノマーは、これと共重合し得る水不溶性のモノマーと併用することもできる。該水不溶性のモノマーとしては、例えば、炭素数1〜18のアルキル基を有するアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸などの不飽和カルボン酸エステル、スチレンなどが挙げられる。この場合、水溶性モノマーの含有量は、全モノマー中に50重量%以上、特に70重量%以上が好ましい。
本発明に用いられる重合に不活性な疎水性有機溶媒としては、n−ペンタン、シクロペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素;n−ブチルアルコール、n−アミルアルコール等の炭素数4〜6の脂肪族アルコール;メチルエチルケトン等の脂肪族ケトン;酢酸エチル等の脂肪族エステル類;シリコーンオイル;香料等を例示することができる。これらの疎水性有機溶媒の中では炭素数6〜12の直鎖又は環状の脂肪族炭化水素が好ましい。
本発明において疎水性有機溶媒は、1種又は2種以上の混合物として用いることができる。疎水性有機溶媒の使用量は、モノマー又はその水溶液100重量部に対して、好ましくは50〜500重量部、更に好ましくは100〜500重量部である。
また、本発明においては、疎水性有機溶媒以外に両親媒性有機溶媒を用いてもよい。本発明に用いられる両親媒性有機溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール等のアルコール類;アセトン等のケトン類;テトラヒドロフラン及びジオキサン等のエーテル類が挙げられる。
両親媒性有機溶媒の使用量は、疎水性有機溶媒との合計量で、モノマー100重量部に対し500重量部までの量が好ましい。
本発明の製造方法においては、分散剤として、陰イオン界面活性剤(I)及び陰イオン界面活性剤(II)を用いる。
陰イオン界面活性剤(I)は、アスパラギン酸又はグルタミン酸の誘導体である。陰イオン界面活性剤(I)において、R1の炭素数は、良好な水溶性と、重合体粒子の優れた安定性を得る観点から、5〜29であり、好ましくは7〜23であり、更に好ましくは11〜23である。R1は炭素数11〜23のアルキル基がより好ましい。R1CO−で示される基の具体例としては、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、エイコサノイル基、ドコサノイル基、ココイル基等が挙げられる。
1及びM2は、それぞれ独立に、アルカリ金属イオン,アンモニウムイオン又は水素原子を示し、ナトリウムイオン、カリウムイオン又は水素原子が好ましい。nは2、即ちグルタミン酸誘導体が好ましい。
陰イオン界面活性剤(I)としては、例えば、N−パルミトイルアスパラギン酸モノナトリウム塩、N−パルミトイルアスパラギン酸ジナトリウム塩、N−パルミトイルアスパラギン酸、N−ミリストイルグルタミン酸モノナトリウム塩、N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム塩、N−ステアロイルグルタミン酸モノナトリウム塩、N−ミリストイルグルタミン酸モノナトリウム塩、N−ヤシ油脂防酸アシルグルタミン酸モノナトリウム塩、N−硬化牛脂脂肪酸アシルグルタミン酸モノナトリウム塩、N−ステアロイルグルタミン酸、N−ステアロイルグルタミン酸モノカリウム塩等が挙げられ、使用に際しては、単独若しくは混合物として用いることができる。陰イオン界面活性剤(I)としては、商品名「アミソフトHS−11」、商品名「LS−11」,商品名「MS−11」,商品名「GS−11」,商品名「HK−11」,商品名「HS−21」,商品名「GS−21」,商品名「GS−11P」,商品名「PS−11」〔以上、すべて味の素(株)製〕、及びアミノサーファクト〔登録商標、旭フーズ(株)製〕等の市販品を使用してもよく、また、公知の方法によって合成されるものを用いることもできる。
陰イオン界面活性剤(I)は、天然由来のアミノ酸と、天然由来の脂肪酸とを原料とする化合物であるため安全性が高く、また低刺激である。従って、大量に使用しても問題はなく、本発明の製造方法により得られる重合体粒子は、生理用品、紙おむつ等の衛生材料に用いても、人体に悪影響を及ぼすことがない。
陰イオン界面活性剤(I)の使用量は、安定に重合体粒子を得、生成した重合体粒子の分解劣化を十分に防止し、更に経済的な観点から、モノマー100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.01〜2重量部、更に好ましくは0.01〜1重量部である。
本発明に用いられる陰イオン界面活性剤(II)において、R2は直鎖又は分岐鎖の炭素数6〜22のアルキル基若しくはアルケニル基を示すか、又は総炭素数12〜28のアリール基を示すが、炭素数6〜22、更に8〜20、特に10〜18のアルキル基が好ましい。R2の具体例としては、デシル基、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基等が挙げられる。M3はアルカリ金属イオン、アンモニウムイオン又は水素原子を示すが、ナトリウムイオン、カリウムイオン又は水素原子が好ましい。
また、陰イオン界面活性剤(II)において、POは、−[CH2CH(CH3)O]−、−[CH(CH3)CH2O]−等のオキシプロピレン基を示す。pはオキシプロピレン基の平均付加モル数を示す0より大きく22以下の数であるが、0<p≦10が好ましく、0<p≦6がより好ましく、0<p≦5が更に好ましい。qはオキシエチレン基の平均付加モル数を示す0より大きく22以下の数であるが、0<q≦15が好ましく、0<q≦10がより好ましく、0<q≦6が更に好ましい。尚、例えばpが、0<p<1のときは、p×100(重量%)の陰イオン界面活性剤(II)がオキシプロピレン基を1モル含んだ構造になっており、残りの(1−p)×100(重量%)の陰イオン界面活性剤(II)がオキシプロピレン基を含まない構造になった混合物を意味する。
陰イオン界面活性剤(II)において、POとEOはブロック結合をしているが、POとEOの結合順序は(PO)p(EO)qの順、(EO)q(PO)pの順の何れでも良く、(PO)p(EO)qの順が好ましい。
陰イオン界面活性剤(II)は、市販品を用いてもよく、また公知の方法によって合成したものを用いることもできる。陰イオン界面活性剤(II)の使用量は、得られる重合体粒子の粒径分布を狭くする観点から、モノマー100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.01〜2重量部、更に好ましくは0.02〜1重量部である。
本発明においては、陰イオン界面活性剤(I)及び(II)以外に、非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤若しくは高分子型分散剤等を併用してもよい。
これらの界面活性剤又は高分子型分散剤としては、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノラウレート及びポリオキシメチレンソルビタンモノオレート等のソルビタン脂肪酸エステル;アルキルグルコシド等のグリコシド化合物;エチルセルロース及びベンジルセルロース等のセルロースエーテル;セルロースアセテート、セルロースブチレート及びセルロースアセテートブチレート等のセルロースエステル;トリメチルステアリルアンモニムクロリド及びカルボキシメチルジメチルセチルアンモニウム等の陽イオン性及び両性の界面活性剤;マレイン化ポリブタジエン、マレイン化ポリエチレン、スチレン−ジメチルアミノエチルメタクリレート4級塩共重合体及びイソプロピルメタクリレート−ジメチルアミノエチルメタクリレート4級塩共重合体等の高分子分散剤を例示することができる。これらの分散剤は1種又は2種以上を混合して用いることができる。
本発明の製造方法において、陰イオン界面活性剤(I)及び(II)を存在させる方法としては、(1)陰イオン界面活性剤(I)及び(II)を、予め重合に不活性な疎水性有機溶媒を含む溶媒に溶解及び/又は分散させる方法、(2)陰イオン界面活性剤(I)及び(II)を、予めモノマー又はその水溶液に溶解及び/又は分散させる方法、(3)重合を行いながら、徐々に陰イオン界面活性剤(I)及び(II)の分散液もしくは溶液を重合に不活性な疎水性有機溶媒を含む溶媒又はモノマー(又はその水溶液)に添加する方法、(4)前記(1)〜(3)の方法を併用した添加方法等を挙げることができる。
これらの方法の中では、比較的少量で同じ効果を奏することができ、粒子表面に高濃度に陰イオン界面活性剤(I)及び(II)を付着させる観点から、陰イオン界面活性剤(I)をモノマーと混合し、陰イオン界面活性剤(II)を疎水性有機溶媒に混合させて用いる方法が好ましい。
本発明の重合に際しては、重合開始剤を用いるのが好ましい。重合開始剤としては、特に限定されないが、酸化性重合開始剤、アゾ系重合開始剤、レドックス系重合開始剤等を用いることができる。
酸化性重合開始剤としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキシド、メチルイソブチルケトンパーオキシド等のケトンパーオキシド;ジ−tert−ブチルパーオキシド、tert−ブチルクミルパーオキシド等のジアルキルパーオキシド;tert−ブチルパーアセテート、tert−ブチルパーイソブチレート、tret−ブチルピバレート等のアルキルパーエステル;tert−ブチルハイドロパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、過酸化水素等のハイドロパーオキシド類;過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニム等の過硫酸塩;過塩素酸カリウム、過塩素酸ナトリウム等の過塩素酸類;塩素酸カリ、臭素酸カリ等のハロゲン酸塩等が挙げられる。
アゾ系重合開始剤としては、2−(カルバモイルアゾ)−イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)ジヒドロハライド、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロハライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロハライド、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタノイックアシッド)、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリックアシッド、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、(1−フェニルエチル)アゾジフェニルメタン、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4,4’−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)などを例示することができる。また、上記の化合物において、ハライドはクロリドであることが経済面より好ましい。
レドックス系重合開始剤としては、過酸化水素/第1鉄塩、過硫酸塩/亜硫酸塩、クメンヒドロパーオキシド/第1鉄塩、過酸化水素/L−アスコルビン酸等が挙げられる。
重合開始剤の使用に際しては、1種又は2種以上を使用することができ、酸化性重合開始剤,アゾ系重合開始剤,レドックス系重合開始剤を併用しても良い。
これらの中でも、本発明の目的を達成する観点から、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロハライド及び2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロハライドを含む群より選択される1種以上が好ましい。
重合開始剤の使用量は、モノマーに対して、通常0.001〜10重量%が好ましく、0.01〜5重量%がより好ましい。重合開始剤の添加方法は、特に制限されないが、重合溶媒に添加、及び/又はモノマーに添加するのが好ましい。また、反応の初期にはアゾ系重合開始剤を用い、反応の後半に過硫酸系重合開始剤を用いるのが好ましい。
本発明においては、重合体粒子に架橋構造を導入しても良い。架橋構造を導入する方法として、架橋剤を使用しない自己架橋によって導入する方法や、1分子中に2個以上の重合性不飽和基及び/又は2個以上の反応性基を有する架橋剤を共重合又は反応させて導入する方法等を例示できる。架橋剤は1種のみ用いてもよいし2種以上使用してもよい。中でも、得られる重合体粒子の吸水特性などから、2個以上の反応性基を有する化合物を架橋剤として用いることが好ましく、さらに、重合体粒子中のイオン基に作用する多価イオンを併用して用いることが好ましい。
本発明においては、重合前、重合時及び/又は重合後に架橋剤を添加することができる。重合段階でモノマー水溶液と混合する方法、重合段階で反応系内に混合する方法、重合して得られる重合体に固体、水溶液又は分散液として噴霧する等して添加する方法等により架橋剤を添加して用いることができる。架橋剤により粒子内部や粒子表面に架橋構造を構築することができる。
架橋剤としては、例えば、N,N−ジアリルアクリルアミド、ジアリルアミン、トリアリルアミン、ジアリルメタクリルアミド、ジアリルフタレート、ジアリルマレート、ジアリルテレフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホスフェート、テトラアリロキシエタン、ペンタエリスリトールトリアリルエーテルポリ(メタ)アリロキシアルカンなどのポリアリル化合物;ジビニルベンゼン、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンアクリレートメタクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のポリビニル化合物;エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、ポリグリセリンポリグリシジルエーテル等のポリグリシジルエーテル;エピクロロヒドリン、エピブロムヒドリン、α−メチルエピクロロヒドリン等のハロエポキシ化合物;グルタールアルデヒド、グリオキザール等のポリアルデヒド;ポリビニルアルコール、ポリエーテル変性シリコーン等のポリオール;エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン,アミノ変性シリコーン等のポリアミン;グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等のヒドロキシビニル化合物;2,4−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の多価イソシアネート化合物;1,2−エチレンビスオキサゾリン等の多価オキサゾリン化合物;尿素、チオ尿素、グアニジン、ジシアンジアミド、2−オキサゾリジノン等の炭酸誘導体;1,3−ジオキソラン−2−オン、4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−エチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、1,3−ジオキサン−2−オン、4−メチル−1,3−ジオキサン−2−オン、4,6−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−オン、1,3−ジオキソパン−2−オン等のアルキレンカーボネート化合物;カルシウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、鉄、ジルコニウム,チタン等の陽イオンから成る多価金属化合物(水酸化物又は塩化物等の無機塩又は有機金属塩);エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、2−ブテン−1,4−ジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサノール、トリメチロールプロパン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ポリオキシプロピレン、オキシエチレン−オキシプロピレンブロック共重合体、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコール化合物を挙げることができる。
これらの架橋剤の中では、クエン酸チタン、塩化カルシウム等の多価金属化合物;エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリグリセリンポリグリシジルエーテル等のポリグリシジルエーテル;(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリビニル化合物が好ましい。
また、本発明の製造方法においては、官能基を有する高分子化合物を用いて得られる重合体粒子の表面処理を行うこともでき、該高分子化合物としては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリビニルアルコール、ポリアリルアミンなどを挙げることができる。また、該高分子化合物は、単独で用いても良いが、上記の種々の架橋剤と併用しても良い。
2個以上の重合性不飽和基を有する架橋剤や2個以上の反応性基を有する架橋剤の使用量としては、最終生成物の重合体粒子の所望の性能に従い任意の量とすることができるが、全モノマー(2個以上の重合性不飽和基を有する架橋剤以外のモノマー)に対して0.001〜20重量%が好ましく、0.01〜1重量%がさらに好ましい。
架橋剤やその水溶液を使用する際には、親水性有機溶媒や,酸やpH緩衝剤を混合して使用してもよい。
本発明の製造方法において、モノマーを重合させる方法としては、モノマー又はその水溶液と疎水性有機溶媒を含有する溶媒とを一括に混合し、その後重合させる方法(一括重合法)、モノマー又はその水溶液を疎水性有機溶媒を含有する溶媒中に滴下しながら逐次重合させる方法(逐次重合法)、モノマー又はその水溶液を予め一部の疎水性有機溶媒を含有する溶媒と混合又は分散して得られる混合溶液を、疎水性有機溶媒を含有する溶媒中に滴下しながら重合する方法(前分散法)、これらの方法を併用した方法等を挙げることができるが、疎水性有機溶媒を含有する溶媒中へモノマー又はその水溶液を供給する逆相懸濁重合法が好ましく、疎水性有機溶媒を含有する溶媒中に、共沸下、モノマー又はその水溶液を逐次的に又は連続的に供給する方法がより好ましい。
本発明の重合における重合温度は、重合速度を高め、良好な吸水能を有する重合体粒子を得る観点から、20〜120℃が好ましく、40〜100℃がより好ましい。モノマー又はその水溶液の温度は、0〜100℃が好ましく、10〜40℃がより好ましい。
本発明の製造方法においては、重合に悪影響を与えない範囲で各種添加剤をモノマー中に共存させて重合することができる。かかる添加剤の具体例としては、澱粉−セルロ−ス、澱粉−セルロ−スの誘導体、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸(塩)、ポリアクリル酸(塩)架橋体、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン等の分散助剤やキノン類などの重合禁止剤、連鎖移動剤、キレート剤等である。
また、本発明の製造方法は、重合体粒子の通液性向上の観点から、表面処理剤により重合体粒子表面を処理する工程を含むことが好ましい。
表面処理剤としては、例えば、硫酸アルミニウム、カリウム明礬、アンモニウム明礬、ナトリウム明礬、(ポリ)塩化アルミニウム、これらの水和物などの多価金属化合物;ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミンなどのポリカチオン化合物;メチルシロキサン(メチコンとも呼ばれる)、ジメチルシロキサン(ジメチコンとも呼ばれる)、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーンなどのシリコーン化合物;シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、ベントナイトなどの無機微粒子などが挙げられ、これらの1種のみ用いても良いし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、シリカなどの無機微粒子が、重合体粒子の吸水速度や通液性を向上する点で好ましい。
本発明において、表面処理は、架橋前、同時、架橋後のいずれに行っても良いが、本発明の効果をより発揮するために、架橋後であることが好ましい。表面処理剤の添加方法は、特に限定されず、ドライブレンドでもよいし、水溶液や分散液として添加しても良い。表面処理剤は、重合体粒子に対して、0.001〜10重量%の割合で用いることが好ましく、0.01〜5重量%の割合で用いることがより好ましい。
以上のようにして製造したポリマーは、重合後、必要に応じ通常の後処理、例えば、共沸脱水、デカンテーションや遠心分離による溶媒の除去、減圧乾燥機、流動乾燥機などの手段を用いた乾燥、粉砕処理、造粒処理、分級処理を施す等して、所望の重合体粒子として得ることができる。
[重合体粒子]
本発明の重合体粒子は、上記のような本発明の製造方法により得られるが、ポリ(メタ)アクリル酸(塩)系架橋重合体が好ましい。特に(メタ)アクリル酸及び/又はその塩由来の構成単位の含有量が全構成単位中50〜100モル%のものが好ましく、70〜100モル%のものがより好ましく、90〜100モル%のものが更に好ましい。また、重合体中の酸基は、その25〜100モル%が中和されていることが好ましく、50〜99モル%が中和されていることがより好ましく、55〜80モル%が中和されていることが更に好ましい。塩としてはナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、エタノールアミン塩(モノ体、ジ体、若しくはトリ体を含む)などの1種又は2種以上を例示する事ができる。
本発明の製造方法により得られる重合体粒子は不定形である。ここで「不定形」とは、非真球状で、表面に凹凸のある粒子をいう。
本発明の重合体粒子が不定形となるメカニズムの詳細は判らないが、通常のO/W懸濁重合や乳化重合で得られるポリマーが球状重合体であるのに対し、特開平6−93008号公報で見られるように、陰イオン界面活性剤を水溶性モノマーの重合に用いることによって、やや不安定なW/O系のまま重合が進行し、空隙が多く不定形で、しかもイオン性基のため適度の粒径を保った重合体粒子が生成するものと考えられる。
本発明の重合体粒子は、架橋剤量を少なくして製造し吸水量を高くした場合でも、尿、経血、汗等の体液中で、高い経時安定性を示す。また、空隙率の高い不定形ポリマーであるため、通液性、ゲル強度に優れており、特に、幼児用、大人用もしくは失禁者用の紙おむつ(使い捨ておむつ)又は婦人用の生理用ナプキン等の衛生用品の吸収体に含有される高吸水性樹脂等として特に有用である。
本発明の重合体粒子は、優れた通液性、吸水量、吸水速度を得る観点及び実使用の場面において例えば人体に触れた場合に不快感を与えない観点から、例えば、さらに分級することなどによって、平均粒径を200〜550μm、更に250〜490μmに調整することが好ましい。
なお、本発明の重合体粒子の平均粒径は、実施例に示す方法により測定した値である。
本発明の重合体粒子の嵩比重は、優れた通液性、吸水量、吸水速度を得る観点から、0.6〜0.9g/mLの範囲が好ましく、0.65〜0.80g/mLの範囲がより好ましい。
なお、本発明の重合体粒子の嵩比重は、実施例に示す方法により測定した値である。
本発明の重合体粒子の吸水量は、おむつ等の吸収体当たりの重合体粒子の使用量を抑え、例えば、おむつ等が厚くなるのを抑制する観点から、27g/g以上が好ましく、30g/g以上がより好ましい。
なお、本発明の重合体粒子の吸水量は、実施例に示す方法により測定した値である。
本発明の重合体粒子の吸水速度は、尿等を素早く吸収し、漏れを防止する観点から、2.8mL/分以上が好ましく、3.0mL/分以上がより好ましい。
なお、本発明の重合体粒子の吸水速度は、実施例に示す方法により測定した値である。
本発明の重合体粒子の加圧通液速度は、膨潤した重合体粒子によるゲルブロキング(ゲル粒子の目詰まり)を抑制して尿等を素早く拡散し、漏れを防止する観点から、300mL/分以上が好ましく、320mL/分以上がより好ましい。
なお、本発明の重合体粒子の加圧通液速度は、実施例に示す方法により測定した値である。
本発明の重合体粒子は、平均粒径が200〜550μm、嵩比重が0.6〜0.9g/mL、吸水量(対生理食塩水)が27g/g以上、吸水速度が2.8mL/分以上、加圧通液速度(対生理食塩水)が300mL/分以上であるといった5つの物性をバランス良く保つことにより、吸水性樹脂粒子としての効果を十分に発揮できる。このため、おむつなどの衛生材料の吸収体、簡易トイレ用の吸水剤、廃液の固化剤、農業用保水剤などの用途に好適に用いられ、特におむつなどの衛生材料の吸収体に好適に用いることができる。
以下に、実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。例中「%」、「部」は特に説明が無い場合には、全て「重量%」、「重量部」である。
なお、実施例及び比較例で行った試験方法は次の通りである。
・平均粒径の測定法
重合体粒子100gをJIS Z−8801−1982準拠のフルイを用いて分級し、各フラクションの重量分率より平均粒径を求めた。
・嵩比重の測定法
筒井理化学器械(株)製カサ比重測定器(JIS K−3362)を用いて、重合体粒子のゆるめ嵩比重を求めた。
・吸水量の測定法
重合体粒子1gを生理食塩水(0.9%NaCl水溶液、大塚製薬製)150mLで30分間膨潤させた後、250メッシュの不織布袋に入れ、遠心分離機にて143Gで10分間脱水し、脱水後の総重量(全体重量)を測定する。そして、次式(1)に従って、遠心脱水後の保持量を測定する。
Figure 2009019065
ここで、不織布袋液残り量=(遠心脱水後の不織布重量)−(不織布袋重量)である。
・吸水速度の測定法
DW法を実施する装置として一般的に知られている図1に示す装置1(Demand Wettability Tester)を用いる。生理食塩水2の液面を等水位にセットした重合体粒子散布台3(70mmφ、No.2濾紙4をガラスフィルター(No.1)5の上に置いた台)上に、重合体粒子6を0.3g散布し、重合体粒子を散布した時点の吸水量を0とし、60秒後の吸水量(この吸水量は、生理食塩水の水位の低下量を示すビュレット7の目盛りで測定される)を測定し、この値を、吸水速度(mL/分)とした。
・加圧通液速度の測定法
重合体粒子1.0gを0.9%食塩水約150mLの入ったビーカー中に30分間浸漬し、十分に膨潤させる。膨潤させた重合体粒子10を、金網(83メッシュ)16付きの円筒(内径61mm)11内に、図2(a)に示すようにして均一に充填する。この円筒11を図2(b)に示すようにビーカーから取り出し、図2(c)に示すように、受け容器(バット)18上に置き、ガラスフィルター(GIグレード,外径60mm,厚さ5mm)12をのせ、更にその上にリング状のおもり(外径50mm,内径30mm,重さ150g)13及び加圧用のおもり(外径60mm,重さ960g)14を順にのせて、5分間加圧する。5分間の加圧後、図2(d)に示すように、加圧用のおもり14を取り除き、40mLの0.9%食塩水15を一気に注ぎ入れ、液の注入開始時からガラスフィルター12上の液がなくなるまでの時間(S1)を測定する。次いで、再度加圧用のおもり14をのせて5分間加圧し、5分間の加圧後、上記の操作を行い同様にガラスフィルター12上の液がなくなるまでの時間(S2)を測定する。この操作を合計3回繰り返して時間S1,S2,S3を測定し、平均時間S=(S1+S2+S3)/3を求める。求めた平均時間Sから次式により加圧通液速度を算出する。尚、図2中、17は、円筒11の下方が密閉空間とならないようにするスペーサーである。
加圧通液速度(mL/分)=(40/S)×60
・重合体粒子の安定性の評価法
0.05重量%濃度のL−アスコルビン酸を含有した生理食塩水45gで1gの重合体粒子を膨潤させ、これをスクリュー管に入れ、40℃の恒温槽中に置き、3時間後のゲルの様子を観察した。安定性評価の尺度は次の4段階とした。
◎;膨潤粒子は、流動性も曳糸性もなく、そのままの形状を示す。
○;膨潤粒子は、若干の流動性と曳糸性を有するが、そのままの形状を示す。
△;溶解までには至らないが、膨潤粒子は、流動性と曳糸性を有し、形状が不明瞭化する。
×;溶解が一部生じ、液状のものが見られ半数以上の粒子は形状を残さない。
この評価において、○以上は生理用ナプキン、紙おむつ、成人シーツ、タンポン、衛生綿等に用いられる吸水性ポリマーとして好適であることを示す。
実施例1
撹拌機,還流冷却管,モノマー滴下口,窒素ガス導入管,温度計を取り付けたSUS304製5L反応容器(アンカー翼使用)に分散剤として下記式(II−1)で表される陰イオン界面活性剤を0.10%[対アクリル酸重量]仕込み、重合溶媒ヘプタン1600mLを加えた。溶存酸素を追い出す目的で窒素ガスを吹き込み、アンカー翼を300r/minで撹拌し、内温88℃まで昇温した。
1225O(PO)0.2(EO)2SO3Na (II−1)
一方、2L三つ口フラスコ中に、東亞合成(株)製80%アクリル酸506.2g、イオン交換水200.2gを仕込み、氷冷しながら旭硝子(株)製48%苛性ソーダ水溶液347.1gを滴下し、モノマー水溶液としてのアクリル酸ナトリウム水溶液1053.5gを得た。このモノマー水溶液に、N−パーム油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ソーダ(味の素(株)製、商品名 アミソフトPS−11)0.245gをイオン交換水3gに溶解させたものを添加し、暫く撹拌した後、264g、264g、528gに三分割した。
次いで、和光純薬工業(株)製2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド(商品名V−50)0.0408g、花王(株)製ポリエチレングリコール(PEG6000)0.204g、イオン交換水9gを混合溶解し、開始剤(A)水溶液を調製した。また、和光純薬工業(株)製過硫酸ナトリウム0.61gをイオン交換水10gに溶解し、開始剤(B)水溶液を調製した。さらに、クエン酸チタン水溶液(クエン酸/Tiモル比1.0、固形分19.0%、Ti量0.039%[対アクリル酸])を調製した。
三分割したモノマー水溶液の1つ(264g)に、開始剤(A)水溶液2.31gを加えた(モノマー(1))。また、三分割したもう1つのモノマー水溶液(264g)に、開始剤(A)水溶液6.93gとクエン酸チタン水溶液1.57gを加えた(モノマー(2))。三分割した残りのモノマー水溶液(528g)に、開始剤(B)水溶液10.61gとクエン酸チタン水溶液3.15gを加えた(モノマー(3))。
前述の5L反応容器の内温が88℃であることを確認した後、モノマー滴下口からマイクロチューブポンプを用いて、モノマー(1)を15分かけて滴下し重合した。引き続き、モノマー(2)を15分かけて滴下し重合した。さらに引き続き、モノマー(3)を30分かけて滴下し重合した。重合終了後、脱水管を用いて共沸脱水を行い、重合体粒子の含水量を重合体粒子100部に対して60部に調整した。その後、架橋剤としてナガセ化成工業(株)製エチレングリコールジグリシジルエーテル(商品名デナコールEX−810)0.122gを水10gに溶解したものを添加した。その後、更に共沸脱水を行い、重合体粒子の含水量を重合体粒子100部に対して40部に調整した。冷却後、ヘプタンをデカンテーションで除き、130℃、約6.7kPa、14時間の条件で乾燥させることにより重合体粒子を得た。得られた重合体粒子について、平均粒径及び嵩比重を測定した。
この重合体粒子100部に対し日本アエロジル(株)製アエロジル200 0.5部をドライブレンドすることにより表面処理を行った。この表面処理後の重合体粒子について、吸水量、吸水速度、加圧通液速度及び安定性の評価を行った。
これらの結果を表1に示す。
実施例2
式(II−1)で表される陰イオン界面活性剤の代わりに式(II−2)で表される陰イオン界面活性剤を用いる以外は実施例1と同様にして重合体粒子を製造し、同様に平均粒径、嵩比重、吸水量、吸水速度、加圧通液速度を測定し、同様に安定性を評価した。結果を表1に示す。
1225O(PO)0.4(EO)2SO3Na (II−2)
比較例1
式(II−1)で表される陰イオン界面活性剤の代わりに式(III)で表される陰イオン界面活性剤を用いる以外は実施例1と同様にして重合体粒子を製造し、同様に平均粒径、嵩比重、吸水量、吸水速度、加圧通液速度を測定し、同様に安定性を評価した。結果を表1に示す。
1225O(EO)2SO3Na (III)
Figure 2009019065
吸水速度の測定装置を示す概略図である。 加圧通液速度を測定する際の操作手順を示す図である。
符号の説明
1 吸水速度測定装置
2 生理食塩水
3 重合体粒子散布台
4 濾紙
5 ガラスフィルター
6 重合体粒子
7 ビュレット
10 重合体粒子
11 金網付き円筒
12 ガラスフィルター
13 リング状のおもり
14 加圧用のおもり
15 0.9%食塩水
16 金網
17 スペーサー
18 受け容器

Claims (7)

  1. 重合に不活性な疎水性有機溶媒と水溶性モノマーを用いて該水溶性モノマーを重合させるに際し、分散剤として一般式(I)で表される陰イオン界面活性剤及び一般式(II)で表される陰イオン界面活性剤を存在させる、重合体粒子の製造方法。
    Figure 2009019065
    (式中、R1は直鎖又は分岐鎖の炭素数5〜29のアルキル基、アルケニル基又は2−ヒドロキシアルキル基を示し、M1及びM2はそれぞれ独立に、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン又は水素原子を示し、nは1又は2を示す。)
    2O[(PO)p(EO)q]SO33 (II)
    (式中、R2は直鎖又は分岐鎖の炭素数6〜22のアルキル基若しくはアルケニル基を示すか、又は総炭素数12〜28のアリール基を示す。POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基を示し、POとEOはブロック結合をしており、POとEOの結合順序は(PO)p(EO)qの順、(EO)q(PO)pの順の何れでも良い。pはオキシプロピレン基の平均付加モル数を示す0より大きく22以下の数、qはオキシエチレン基の平均付加モル数を示す0より大きく22以下の数である。M3はアルカリ金属イオン、アンモニウムイオン又は水素原子を示す。)
  2. 重合が、疎水性有機溶媒を含有する溶媒中へモノマーを供給する逆相懸濁重合法で行われる、請求項1記載の製造方法。
  3. 一般式(I)で表される陰イオン界面活性剤をモノマーと混合しておき、一般式(II)で表される陰イオン界面活性剤を疎水性有機溶媒に混合させておく、請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 表面処理剤により重合体粒子表面を処理する工程を含む、請求項1〜3いずれかに記載の製造方法。
  5. 表面処理剤が、無機粒子である請求項4記載の製造方法。
  6. 請求項1〜5いずれかに記載の製造方法により得られる重合体粒子。
  7. 平均粒径が200〜550μm、嵩比重が0.6〜0.9g/mL、吸水量(対生理食塩水)が27g/g以上、吸水速度(対生理食塩水)が2.8mL/分以上、加圧通液速度(対生理食塩水)が300mL/分以上の、不飽和カルボン酸又はその塩由来の構成単位を含む架橋重合体粒子である、請求項6記載の重合体粒子。
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