JP2009016181A - 試料観察装置とその補正方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】観察像の歪みを簡単に低減することができる試料観察装置とその補正方法を提供すること。
【解決手段】電磁レンズ系13を透過した電子ビームEBを、補正用パターン101が形成された標準試料Sに当てるステップS1と、標準試料Sに当てられた電子ビームEBをSTEM検出器17で検出することにより、補正用パターン101の観察像を得るステップS2と、電磁レンズ系13に起因して発生した観察像の歪みにより、該補正用パターン101の複数の交点(基準点)Pstが前記観察像においてどの程度位置ずれしたかを算出するステップS3と、上記位置ずれが無くなるように、観察像の画像データD2を補正するステップS4とを有する試料観察装置の補正方法による。
【選択図】図8

Description

本発明は試料観察装置とその補正方法に関する。
LSI等の電子デバイスの微細化に伴い、電子デバイスの製造工程では、素子の微細構造を観察することが可能な走査型電子顕微鏡が多用されている。
例えば、電子デバイスの不良解析を行う場合では、電気的試験やOBIRCH(Optical Beam Induced Resistance Charge)法によって一つのチップ内の不良箇所を特定した後、走査型電子顕微鏡によりその不良箇所を観察して、不良の原因を解明することが行われる。
このとき、チップの設計レイアウトを含むCAD(Computer Aided Design)データを走査型電子顕微鏡に入力することで、設計レイアウトと電子顕微鏡による観察像とを重ね合わせながら、走査型電子顕微鏡側でチップ内の不良箇所を自動的に認識させ、不良解析のスループットを向上させる試みもなされている。
また、走査型電子顕微鏡は、このようなチップの観察の他に、金属配線のようなデバイスパターンを測長する目的でも使用される。
ところで、上記のような観察や測長を精度良く行うには、電子顕微鏡の観察像が素子形状を正確に反映していなければならない。
しかしながら、走査型電子顕微鏡では、低倍率で広範囲の観察を行うときに画像の周囲で観察像が歪むため、電子顕微鏡像とCADの設計レイアウトとをうまく重ねることができない。このような観察像の歪みは、電子ビームを偏向するための偏向コイルの磁場が、偏向範囲の周縁部分で不均一となっており、その部分における電子ビームの偏向量が設定値から外れるために発生すると考えられる。
しかも、観察像の歪みの度合いは電子顕微鏡の倍率によっても変動するうえ、CADの設計レイアウトの大きさも様々であるため、現状では観察像と設計レイアウトとを重ね合わせるのは極めて困難である。
また、上記のように設計レイアウトと観察像とを重ね合わせる場合に、それらの回転ずれを無くす等の目的で、走査型電子顕微鏡には像回転機構が設けられるが、像回転機構を用いて電子顕微鏡像を回転する場合にも上記のような歪みが発生することが知られている。
このような観察像の歪みは、走査型電子顕微鏡に限って現れるものではなく、電子ビームを偏向して試料の像を得る機能を有する収束イオンビーム(FIB: Focused Ion Beam)装置でも現れる。
これらの装置で発生する観察像の歪みをハードウェアの調整で補正することも考えられるが、調整方法が複雑であり、また、個々の装置により歪みの特性が異なるので、実際には調整しきれない状況にある。更に、走査型電子顕微鏡でデバイスパターンの測長を行う場合には、ナノメートルオーダでの測長精度が求められるのに対し、高倍率ではハードウェアの調整だけでは微細な観察像の歪みを補正できない。そのため、低倍率から高倍率に至るまで正確に測長を行える評価装置は実現していない。
本発明の目的は、観察像の歪みを簡単に低減することができる試料観察装置とその補正方法を提供することにある。
本発明の一観点によれば、(S1) 電磁レンズ系を透過した荷電粒子ビームを、補正用パターンが形成された標準試料に当てるステップと、(S2) 前記標準試料に当てられた前記荷電粒子ビームを検出器で検出することにより、前記補正用パターンの観察像を得るステップと、(S3) 前記電磁レンズ系に起因して発生した前記観察像の歪みにより、該補正用パターンの複数の基準点が前記観察像においてどの程度位置ずれしたかを算出するステップと、(S4) 前記位置ずれが無くなるように、前記観察像の画像データを補正するステップとを有する試料観察装置の補正方法が提供される。
また、本発明の別の観点によれば、荷電粒子ビームを発生し加速する荷電粒子銃と、補正用パターンが形成された標準試料に前記荷電粒子ビームを収束させる電磁レンズ系と、前記標準試料に当てられた前記荷電粒子ビームの強度を検出信号に変換する検出器と、前記検出信号から前記画像データを作成する画像解析部とを有し、前記画像解析部が、前記電磁レンズ系に起因して発生した前記補正用パターンの前記観察像の歪みにより、該補正用パターンの複数の基準点が前記観察像においてどの程度位置ずれしたかを算出し、前記位置ずれが無くなるように前記画像データを補正する試料観察装置が提供される。
次に、本発明の作用について説明する。
本発明によれば、電磁レンズ系に起因して発生した補正用パターンの位置ずれがなくなるように、補正用パターンの観察像の画像データを補正するので、試料観察装置の像回転機構を用いる場合や、低倍率で観察する場合に発生する観察像の歪みを簡単に防止することができる。
また、補正用パターンとして複数の格子線よりなる格子状のパターン使用し、基準点として格子線の交点を使用するのが好ましい。この場合、格子線のそれぞれの観察像をHough変換によりHough空間の点にマップし、該点の位置座標から複数の格子線の交点の位置を算出することができる。Hough変換では、像の歪みによって格子線が直線から外れて僅かに曲線状となった場合であっても、実空間の直線をHough空間の点として捉えるため、容易に格子点の座標を求めることができる。
更に、基準点の位置ずれを、荷電粒子ビームの加速電圧、電磁レンズ系による荷電粒子ビームの偏向量、補正パターンの観察像の倍率、該観察像の回転角度の少なくとも一つを含む観察条件と対応付けてデータベースに格納してもよい。
このようにすると、特定の観察条件で観察用試料を観察する場合に、該観察条件に対応したデータベース中の位置ずれを参照し、観察用試料の観察像に歪みがなくなるように該観察用試料の画像データを補正することができる。
本発明によれば、補正用パターンの基準点の位置ずれが無くなるように画像データを補正することで、観察像の歪みを簡単に低減することができる。
次に、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る試料評価装置の構成図である。以下では試料評価装置として走査透過電子顕微鏡(STEM: Scanning Transmission Electron Microscope)について説明する。但し、本発明はこれに限定されず、走査反射電子顕微鏡(SREM: Scanning Reflection Electron Microscope)やFIB装置にも本発明を適用し得る。
この試料評価装置10は、内部が減圧された筐体11の中に、電子銃12、電磁レンズ系13、走査・偏向コイル14、絞り15、試料搭載部16、及びSTEM検出器17を設けてなる。このうち、電磁レンズ系13は、第1、第2収束レンズ13a、13b、及び対物レンズ13cにより構成される。
電子銃12において発生し加速された電子ビーム(荷電粒子ビーム)EBは、第1、第2収束レンズ13a、13bにより、所望の大きさ且つ所望の電流量の電子線プローブとされる。第1、第2収束レンズ13a、13bにより形成された電子線プローブは不要な広がり部分をもつため、この広がり部分を絞り15でカットする。
走査・偏向コイル14は、試料搭載部16に搭載された標準試料Sの表面上を電子ビームEBが走査するように電子ビームEBを屈折させる。また、対物レンズ13cは、標準試料Sの表面上に焦点が合うように電子ビームEBを屈折する。
標準試料Sを透過した電子ビームEBの強度は、STEM検出器17において検出信号Iに変換され、画像解析部19に取り込まれる。
画像解析部19では、走査・偏向コイル14の走査速度と同期して検出信号Iを取り込むことにより、走査した部分の標準試料Sの観察像の画像データを作成する。そして、その画像データに基づいて、不図示のCRTに観察像が表示される。
なお、画像解析部19は、後述のデータベース等を格納するための記憶部20も有する。
標準試料Sは、試料評価装置10を校正するために用いられ、フォトリソグラフィによりシリコン基板にパターンを形成して作製され得る。
図2(a)はそのような標準試料Sの拡大平面図であり、図2(b)は図2(a)のI−I線に沿う断面図である。
図2(a)、(b)に示される標準試料Sでは、シリコン基板100に形成された溝100aの中に、補正用パターン101として酸化シリコン膜が埋め込まれている。このような標準試料Sは、例えば、シリコン基板100の溝100aに補正用パターン101として酸化シリコン膜を埋め込んだ後、そのシリコン基板100の裏面側を研磨して研磨面に補正用パターン101を露出させることで作成され得る。
補正用パターン101の平面形状は、図2(a)のように格子状であるのが好ましい。
ところで、通常の走査透過型電子顕微鏡やFIB装置の倍率レンジは、200〜2,000倍、4,000〜20,000倍、40,000〜200,000倍、及び400,000〜10,000,000倍である。画像サイズが1024×1024pixelであり、画素サイズが72dpiのとき、上記した各倍率レンジの1フレームの長さと、1pixelのサイズ(画像分解能)を次の表1〜表4に示す。
Figure 2009016181
Figure 2009016181
Figure 2009016181
Figure 2009016181
ここで、実際の測定における空間分解能は、画像分解能よりも低く、5pixel程度の誤差がある。従って、標準試料Sに形成された補正用パターン101をCRT上で認識するには、観察像での補正用パターン101の幅が5pixel程度なくてはならない。この点に鑑み、表1〜表4では、空間分解能を画像分解能の5倍にしている。
標準試料Sは、表1〜表4の各倍率レンジにおいて補正用パターン101が解像し得るように、これらの倍率レンジに対応して個別に4種類作製するのが好ましい。
但し、400,000〜10,000,000倍の高倍率領域の校正では、図2(a)、(b)のようにシリコン基板100を加工して標準試料Sを作製するのは難しいため、格子定数が既知の結晶、例えば金やシリコン等の結晶材料よりなる薄膜を標準試料Sとして用いるのが好ましい。この場合、これらの薄膜の結晶格子自身が格子状の補正用パターンとなる。
図3は、この試料評価装置10における試料観察方法の原理図である。
走査・偏向コイル14は、コイル14a〜14cとコア14eとで構成される。電流量を各コイル14a〜14cで独立に制御し、これらのコイルの極性を任意に組み合わせることで、電子ビームEBの走査方向Aを自在に制御できる。
この特徴を利用して、走査方向Aを角度θだけ回転すると、標準試料Sの観察像を角度θだけ回転したような回転像を得ることができる。なお、角度θは、標準試料Sに設定した任意のX-Y直交座標系のX軸に対する回転角度である。このように、走査・偏向コイル14は、像回転機構としても機能する。
但し、像回転機構を用いて観察像を回転すると、回転後の観察像が歪むことが知られている。この歪みについて、図4及び図5を参照して説明する。
図4(a)は、像回転機構を用いない場合の走査方向Aを示す図である。また、図4(b)は、図4(a)のように電子ビームEBを走査して得られた標準試料Sの観察像である。
図4(b)に示されるように、像回転機構を用いない場合は、補正用パターン101の観察像30に歪みは生じていない。
一方、図5(a)は、像回転機構により角度θだけ回転した走査方向Aを示す図である。また、図5(b)は、図5(a)のように電子ビームEBを走査して得られた標準試料Sの観察像である。
上記のように回転した結果、補正用パターン101の観察像30は、歪みが無いと仮定した正位置(点線)から歪んでしまっている。
このような歪みは、像回転機構を用いなくても、低倍率で観察する場合にも発生する。図6及び図7は、低倍率で観察像が歪むことを説明するための図である。
図6(a)は、高倍率で観察する場合の走査方向Aを示す図である。そして、図6(b)は、図6(a)のように電子ビームEBを走査して得られた標準試料Sの観察像である。
高倍率で観察する場合には、電子ビームEBの走査範囲が狭いので、走査・偏向コイル14(図3参照)の中央付近の均一な磁場で電子ビームEBが走査される。そのため、走査方向Aは直線を折り返した形状となり、図6(b)のように観察像30に歪みは生じない。
一方、図7(a)は、低倍率で観察する場合の走査方向Aを示す図である。そして、図7(b)は、図7(a)のように電子ビームEBを走査して得られた標準試料Sの観察像である。
低倍率で観察する場合は、電子ビームEBの走査範囲が広い。そのため、電子ビームEBは、走査・偏向コイル14の周縁部分の不均一な磁場に曝され、図7(a)のように走査方向Aが湾曲することになる。
その結果、図7(b)に示されるように、観察像30は、図6の場合よりも歪むようになる。
本実施形態では、上記したような観察像の歪みを以下のようにして補正する。
図8は、本実施形態に係る試料観察装置の補正方法について説明するためのフローチャートである。
図8の最初のステップS1はサブステップT1〜T6を有しており、オペレータが手動で各サブステップを行う。
そのうち、サブステップT1では、電子銃12に供給する加速電圧を設定すると共に、第1、第2収束レンズ13a、13bのレンズ条件と絞り13の絞り径とを調節して、電子ビームEBが所定の大きさに収束するようにする。
次に、ステップT2に移行して電子ビームEBと電磁レンズ系13との光軸合わせを行った後、ステップT3に移行して試料搭載部16に既述の標準試料S(図2参照)を載置する。
その後に、ステップT4に移行し、電子ビームEBが標準試料Sの表面に垂直に入射するように試料搭載部を制御し、標準試料Sの傾斜角を調節する。
続いて、ステップT5に移行し、倍率、像回転機構による回転角度、及び画像サイズ等の観察条件を設定する。設定した観察条件は、観察条件データD1として画像解析部19が備える記憶部20に格納される。
そして、ステップT6に移行して対物レンズ13cの焦点を標準試料Sの表面上に合わせる。
このようにステップS1を終了した後は、ステップS2に移行する。
本ステップでは、標準試料S上で電子ビームEBを走査し、標準試料Sを透過した電子ビームEBを走査速度と同期してSTEM検出器17で捉えることにより、標準試料Sの観察像を得る。この一連の操作は、試料評価装置10が自動で行う。
図9は、このようにして得られた標準試料Sの観察像の拡大図である。同図では、標準試料Sの格子状の補正用パターン101(図2参照)の観察像において、X方向に延在する格子線を符号x1〜x21で、Y方向に延在する格子線をy1〜y21で示している。
このようにして得られた補正用パターン101の観察像は、画像データD2として画像解析部19が備える記憶部20に格納される。その画像データD2は、各画素の位置(X、Y)と、その位置(X、Y)における輝度データI(XY)とを対応させてなる。
次に、図8のステップS3に移行する。
本ステップはサブステップP1〜P3を有しており、画像解析部19がこれらのサブステップP1〜P3の各々を自動で行う。
最初のサブステップP1では、図9に示した格子線x1〜x21、y1〜y21の観察像をHough変換する。
図10は、Hough変換について説明するための図である。
X-Y直交座標系が定義された実空間内の直線Lは、座標原点Oとの距離rと、その単位法線ベクトルnがX軸と成す角θとにより一意に決定される。このように、実空間内の任意の直線は原点を除く(r、θ)空間内の点と一対一対応しており、実空間の直線から(r、θ)空間内の点へのマップをHough変換という。また、(r、θ)空間はHough空間と呼ばれる。
ここで、実空間の原点Oから直線L上の任意の点(x、y)に向かうベクトルPと、上記の法線ベクトルnとの内積は、(法線ベクトルnの長さが1であるから)原点Oと直線Lとの距離rに等しい。よって、次の式(1)が成り立つ。
Figure 2009016181
式(1)において点(x、y)を固定して、式(1)を満たす点(r、θ)の軌跡をHough空間内に描くと、一つの正弦曲線が得られる。その正弦曲線は、実空間の点(x、y)を通る直線群に対応する。
このことから、式(1)は、実空間の点(x、y)から、その点(x、y)を通る直線群に対応したHough空間内の正弦曲線への対応を定義していると見ることもできる。
本実施形態では、実空間を複数のセルに分割して、そのうちの一つのセルに着目する。そして、そのセルを通る格子線x1〜x21、y1〜y21が存在する場合に、そのセルを通る直線群に対応した正弦曲線を式(1)により算出する。更に、Hough空間も複数のセルに分割し、上記の正弦曲線が通るセルについて「1」を投票する。このような手続を実空間の全てのセルに対して行うと、Hough空間の全てのセルへの投票数が確定する。
図11は、Hough空間における投票数の分布を示す図である。同図では、投票数を濃淡で表しており、白色の部分で投票数が多いことを示している。投票数の分布のことを以下ではHough変換像と呼ぶ。
図12〜図15に、補正用パターンのHough変換像の別の例を示す。
図12及び図13は、像回転機構を用いた場合の図である。
このうち、図12(a)は歪みがない場合の観察像であり、図12(b)はその観察像のHough変換像である。
一方、図13(a)は歪みがある場合の観察像であり、図13(b)はその観察像のHough変換像である。
また、図14及び図15は、低倍率領域での図である。
このうち、図14(a)は歪みがない場合の観察像であり、図14(b)はその観察像のHough変換像である。
一方、図15(a)は歪みがある場合の観察像であり、図15(b)はその観察像のHough変換像である。
図11〜図15におけるHough変換像の投票数には閾値が予め設けられており、閾値以上の投票数のセルが存在する場合に、それらのセルの位置座標(r1、θ1)〜(rn、θn)に対応する格子線x1〜x21、y1〜y21が観察像に存在すると認識される。
但し、観察像における格子線x1〜x21、y1〜y21の歪みが激しいと、投票数が閾値以上となるセルが存在せず、格子線x1〜x21、y1〜y21を認識できない場合がある。
そこで、図8に示される次のステップP2では、格子線x1〜x21、y1〜y21を認識できるかどうかの判断を行う。
そして、ステップP2において格子線を認識できる(YES)と判断した場合は、ステップP3に移行する。
ステップP3では、上記のHough変換像に基づいて、各格子線x1〜x21、y1〜y21の交点である格子点の位置座標を以下のようにして算出する。
まず、投票数が閾値以上となったセルの座標が上記のように(r1、θ1)〜(rn、θn)であるとする。このうちの二つの座標(ri、θi)、(rj、θj)に対応する実空間の直線は、上記の式(1)から、それぞれ次の式(2)、(3)のように書ける。
Figure 2009016181
そして、これら式(2)、(3)を未知数(x、y)についての連立方式と捉え、(x、y)について解くと次の式(4)が得られる。
Figure 2009016181
式(4)で得られた解(x、y)は、座標(ri、θi)、(rj、θj)に対応する実空間の二つの格子線の交点、すなわち格子点の座標である。
このような計算を(r1、θ1)〜(rn、θn)の全ての二組について行うことで、観察像における各格子線x1〜x21、y1〜y21の全ての二組xs、ytの格子点Pstの位置座標(xst、yst)を算出する。
このようにHough変換を用いたパターン認識により、観察像における全ての格子点Pstの位置が、電磁レンズ系13に起因して発生した観察像の歪みを反映した実際位置として特定されたことになる。
既述のように、Hough変換は、Hough空間のセルへの投票数により実空間の格子線を認識するものであり、実空間の格子線の線幅の中心が分からなくても、その格子線を認識することができる。従って、格子線の線幅が試料観察装置10の空間分解能よりも僅かに狭く、格子線の観察像が多少ぼやけても、Hough変換を用いれば格子線を認識することができる。
従って、表1〜表4のそれぞれの倍率レンジに対応して個別に作製される4種類の標準サンプルSでは、補正用パターン101の線幅を各倍率の空間分解能の上限に設定しなくても、各表における空間分解能の中間の値に補正用パターン101の線幅を設定することができる。
例えば、200〜2,000倍、4,000〜20,000倍、及び40,000〜200,000倍の各レンジでは、補正用パターン101の線幅をそれぞれ3.5μm、250nm、及び20nmとすればよい。
また、400,000〜10,000,000倍の高倍率領域では、標準試料Sとして使用される結晶材料よりなる薄膜を、格子定数が1nm程度の結晶材料から構成すればよい。
その後、図16に示すように、電磁レンズ系13に起因した歪みが観察像にない場合の二つの格子線xs、ytの格子点を理想格子点Qstとする。そして、このような理想格子点Qstを始点とし、上記した実際の格子点Pstを終点とする位置ずれベクトルΔrstを算出する。
これにより、電磁レンズ系13に起因した観察像の歪みにより、各格子点Pstが実際にどの程度位置ずれしたかを把握することができる。
なお、位置ずれベクトルΔrstの算出は全ての格子点に対して行ってもよいが、計算が大変なときは、全ての格子点の中から複数の代表を選び、それらの代表についてのみ位置ずれベクトルΔrstを算出してもよい。
また、図16では像回転機構で観察像を回転させた場合について例示しているが、図17のように低倍率領域で観察する場合も、上記と同じようにして位置ずれベクトルΔrstが算出される。
ところで、各格子点Pstは観察像において離散的に分布しているので、このままでは観察像の任意の点の位置ずれが分からない。
そこで、一般的に知られている二次元の線形補間法を用いることにより、位置ずれベクトルΔrstに基づいて観察像の任意の点(X、Y)での位置ずれベクトルΔr(X, Y)を算出する。
そして、その位置ずれベクトルΔr(X, Y)の成分表示を(ΔX(X, Y)、ΔY(X, Y))と表し、これを位置ずれデータD3として画像解析部19が備える記憶部20に格納する。
その位置ずれデータD3は、サブステップT5で得た観察条件データD1と対応付けて、位置ずれデータベースDBとして記憶部20に格納するのが好ましい。
図22は、そのデータベースDBの構造を模式的に示す図である。
データベースDBは、電子ビームEBの加速電圧、電磁レンズ系13による電子ビームEBの偏向量、補正パターンの観察像の倍率、回転機構による該観察像の回転角度よりなる観察条件A、B、C、・・・と、これらの観察条件の各々において得られた位置ずれデータD3とを対応付けてなる。
以上により、ステップS3を終了する。
次に、ステップS4に移行する。
ステップS4では、位置ずれデータD3を参照して、ステップS2で取得した画像データD2の輝度データI(XY)を、観察像の全ての点(X、Y)に対してI(X-ΔX(X, Y)、Y-ΔY(X, Y))と補正する。この補正は画像解析部19が自動で行う。
この補正により、観察像における点(X、Y)の輝度が、実際には点(X−ΔX(X, Y)、Y−ΔY(X, Y))における輝度であると認識されることになり、電磁レンズ系13に起因した歪みがない標準試料Sの観察像を得ることができる。
次いで、ステップS9に移行する。
本ステップでは、ステップS4で得た歪みのない観察像に対して再びHough変換を行い、ステップP3のようにして再び各格子点Pstの位置座標(xst、yst)を算出し、理想格子点Qstと格子点Pstとの位置ずれが解消しているかどうかを判断する。この判断は、オペレータが行ってもよいし、画像解析部19が行ってもよい。
そして、位置ずれが解消している(YES)と判断された場合は、本実施形態に係る試料観察装置の補正を終える。
一方、位置ずれが解消していない(NO)と判断された場合は、ステップS2〜S4をやり直す。この場合、例えばステップS4で行った位置ずれベクトルΔrstに対する二次元の線形補間法を変更する等して、位置ずれがなくなるようにする。
また、ステップP2において、格子線x1〜x21、y1〜y21を認識できない(NO)と判断された場合は、ステップS5に移行する。
そのステップS5では、ステップS1で説明したサブステップT3〜T6が、オペレータにより手動で行われる。
但し、最初のステップT3では、標準試料Sに代えて、図18(a)の平面図に示されるような粗補正用試料40を試料搭載部16(図1参照)に搭載する。
この粗補正用試料40は、複数の島状パターン40aが行列状に等ピッチで配列されてなる。
図18(b)は、図18(a)のII−II線に沿う断面図である。
島状パターン40aは例えばシリコンよりなり、各パターン40aの間には酸化シリコン膜40bが埋め込まれる。このような粗補正用試料40は、例えば、シリコン基板の表面側に溝を形成し、その溝に酸化シリコン膜40bを埋め込み、シリコン基板の裏面側から研磨を行って研磨面に酸化シリコン膜40bを露出させて形成され得る。
このような粗補正用試料40に対してサブステップT3〜T6を行った後は、ステップS6に移行する。
そのステップS6では、粗補正用試料40上で電子ビームEBを走査し、粗補正用試料40を透過した電子ビームEBを走査速度と同期してSTEM検出器17で捉えることにより、島状パターン40aの各々の観察像を得る。この一連の操作は、試料評価装置10が自動で行う。
図19は、このようにして得られた島状パターン40aの観察像50の拡大図である。
図示のように、各観察像50は、電磁レンズ系13に起因した観察像の歪みにより、歪みがない理想位置像51からずれて観察される。
また、この観察像50は、画像データD4として画像解析部19が備える記憶部20に格納される。その画像データD4は、各画素の位置(X、Y)と、その位置(X、Y)における輝度データI(XY)とを対応させてなる。
次に、ステップS7に移行する。本ステップは、以下の操作が画像解析部19により自動的に行われる。
まず、各観察像50が、理想位置像51からどのくらいずれているかを算出する。
図20は、その算出方法を模式的に示す平面図である。
算出に際しては、n行m列目の理想位置像51の中心Qnmを始点とし、n行m列目の観察像50の中心Pnmを終点とする位置ずれベクトルΔrnmを算出する。
そして、一般的に知られている二次元の線形補間法を用いて、位置ずれベクトルΔrnmに基づいて観察像の任意の点(X、Y)での位置ずれベクトルΔr(X, Y)を算出する。
その後、位置ずれベクトルΔr(X, Y)の成分表示を(ΔX(X, Y)、ΔY(X, Y))と表し、これを位置ずれデータD5として画像解析部19が備える記憶部20に格納する。
更に、ステップS6で取得した画像データD4の輝度データI(XY)を、観察像の全ての点(X、Y)に対し、I(X-ΔX(X, Y)、Y-ΔY(X, Y))と補正する。
これにより、観察像における点(X、Y)の輝度が、実際には点(X−ΔX(X, Y)、Y−ΔY(X, Y))における輝度であると認識されることになり、電磁レンズ系13に起因した歪みがない島状パターン40aの観察像を得ることができる。
以上により、ステップS7を終了する。
次に、ステップS8に移行し、上記の補正によって各々の島状パターン40aの位置ずれがなくなったかどうかを判断する。この判断は、オペレータが行ってもよいし、画像解析部19が自動で行ってもよい。
判断に際しては、図21に示すように、観察像50の二次元フーリエ変換像52を求める。フーリエ空間内の点は、実空間のX軸とY軸に対応した空間周波数kx、kyにより特定される。
フーリエ変換像52の大きさは、観察像50の配列ピッチ(間隔)により定まる。例えば、観察像50に歪みがない場合、観察像50の配列ピッチがd0で、フーリエ変換像52の外接円C0の直径がk0であるとする。これに対し、観察像50が歪んでそのピッチdがd0よりも大きくなると、フーリエ変換像52の外接円Cの直径kはk0よりも小さくなる。
従って、外接円Cの直径kがk0よりも小さい場合に観察像50の位置ずれがあると判断し、直径kがk0に等しい場合に位置ずれが解消されたと判断できる。
このような判断の結果、位置ずれが解消された(YES)と判断された場合は、粗補正を終了し、ステップS1のサブステップT3に戻り、標準試料SとHough変換とを用いた精密な補正を行う。
一方、位置ずれが解消されていない(NO)と判断された場合は、ステップS6、S7に戻り、位置ずれベクトルΔrnmに対する二次元の線形補間法を変更する等して、位置ずれが解消されるようにする。
以上により、本実施形態に係る試料観察装置の補正方法の主要ステップを終了する。
この後は、試料搭載部16(図1参照)から補正用試料Sを外し、半導体チップ等の観察用試料をその試料搭載部16に載せる。
そして、その観察用試料の観察条件に対応した位置ずれデータベースDB(図22参照)中の位置ずれデータD3を参照し、観察用試料の観察像に歪みがなくなるように、検出器17から出力される観察用試料の画像データを補正する。
その補正の仕方は、ステップS4におけるのと同様である。すなわち、画像解析部19で作製される観察用試料の画像データ中の輝度データI(X, Y)を、全ての点(X、Y)に対してI(X-ΔX(X, Y)、Y-ΔY(X, Y))と補正する。
上記した本実施形態によれば、ステップ(S3)で算出された補正用パターン101の格子点Pstの位置ずれが無くなるように、ステップ(S4)で画像データD2を補正するので、像回転機構を用いる場合や、低倍率で観察する場合に発生する観察像の歪みを防止することができる。
また、格子点Pstを認識するために行われるHough変換では、像の歪みによって格子線が直線から外れて僅かに曲線状となった場合であっても、実空間の直線をHough空間の点として捉えるため、式(4)の連立方式を解くことで容易に格子点の座標を求めることができる。
更に、位置ずれの結果を位置ずれデータベースDB(図22参照)として格納しておくことで、半導体チップのような観察用試料を観察するときに、そのデータベースDBを参照して観察像の歪みを補正することができる。これにより、例えばチップの設計レイアウトを含むCADデータを試料観察装置10に入力することで、設計レイアウトと観察像とを精度良く重ね合わせながら、試料観察装置10側でチップ内の不良箇所を自動的に認識させることができるようになる。
以下に、本発明の特徴を付記する。
(付記1) (S1) 電磁レンズ系を透過した荷電粒子ビームを、補正用パターンが形成された標準試料に当てるステップと、
(S2) 前記標準試料に当てられた前記荷電粒子ビームを検出器で検出することにより、前記補正用パターンの観察像を得るステップと、
(S3) 前記電磁レンズ系に起因して発生した前記観察像の歪みにより、該補正用パターンの複数の基準点が前記観察像においてどの程度位置ずれしたかを算出するステップと、
(S4) 前記位置ずれが無くなるように、前記観察像の画像データを補正するステップと、
を有することを特徴とする試料観察装置の補正方法。
(付記2) 前記ステップ(S3)は、前記観察像における前記基準点の位置をパターン認識により実際位置として特定し、前記歪みがない場合の前記基準点の理想位置と前記実際位置とのずれを算出して行われることを特徴とする付記1に記載の試料観察装置の補正方法。
(付記3) 前記ステップ(S3)は、前記複数の基準点のそれぞれについて、前記理想位置を始点とし前記実際位置を終点とするベクトルを位置ずれベクトルとして算出して行われることを特徴とする付記2に記載の試料観察装置の補正方法。
(付記4) 前記補正用パターンとして複数の格子線よりなる格子状のパターン使用し、前記基準点として前記格子線の交点を使用するとともに、
前記ステップ(S3)は、
(P1) 前記複数の格子線のそれぞれの観察像をHough変換によりHough空間の点にマップするステップと、
(P2) 前記Hough空間の前記点の位置座標から、前記複数の格子線の交点の位置を前記実際位置として算出するステップとを有することを特徴とする付記2に記載の試料観察装置の補正方法。
(付記5) 前記ステップ(P1)において、前記格子状の補正用パターンのHough変換像が得られない場合、
(S5) 前記電磁レンズ系を透過した前記荷電粒子ビームを、複数の島状パターンが行列状に配列されてなる粗補正用試料に当てるステップと、
(S6) 前記粗補正用試料に当てられた前記荷電粒子ビームを前記検出器で検出することにより、前記複数の島状パターンの各々の観察像を得るステップと
(S7) 前記電磁レンズ系に起因して発生した前記複数の島状パターンの各々の前記観察像の位置ずれを求め、該位置ずれが無くなるように、前記島状パターンの観察像の画像データを補正するステップとを更に有することを特徴とする付記4に記載の試料観察装置の補正方法。
(付記6) (S8) 前記ステップ(S7)を行ったことにより、前記複数の島状パターンの各々の前記観察像の位置ずれがなくなったかどうかを判断するステップを更に有することを特徴とする付記5に記載の試料観察装置の補正方法。
(付記7) 前記ステップ(S8)は、前記補正後の前記複数の島状パターンの観察像の二次元フーリエ変換像を求め、該二次元フーリエ変換像の外接円の直径が、位置ずれがない場合の直径よりも小さい場合に、前記島状パターンの位置ずれがあると判断して行われることを特徴とする付記6に記載の試料観察装置の補正方法。
(付記8) 前記ステップ(S3)において、前記位置ずれを、前記荷電粒子ビームの加速電圧、前記電磁レンズ系による前記荷電粒子ビームの偏向量、前記補正パターンの前記観察像の倍率、及び該観察像の回転角度の少なくとも一つを含む観察条件と対応付けてデータベースに格納し、
特定の観察条件で観察用試料を観察する場合に、該観察条件に対応した前記データベース中の前記位置ずれを参照し、前記観察用試料の観察像に歪みがなくなるように、該観察用試料の画像データを補正することを特徴とする付記1に記載の試料観察装置の補正方法。
(付記9) 荷電粒子ビームを発生し加速する荷電粒子銃と、
補正用パターンが形成された標準試料に前記荷電粒子ビームを収束させる電磁レンズ系と、
前記標準試料に当てられた前記荷電粒子ビームの強度を検出信号に変換する検出器と、
前記検出信号から前記画像データを作成する画像解析部とを有し、
前記画像解析部が、前記電磁レンズ系に起因して発生した前記補正用パターンの前記観察像の歪みにより、該補正用パターンの複数の基準点が前記観察像においてどの程度位置ずれしたかを算出し、前記位置ずれが無くなるように前記画像データを補正することを特徴とする試料観察装置。
(付記10) 前記画像解析部における前記位置ずれの算出は、
前記観察像における前記基準点の位置をパターン認識により実際位置として特定し、前記歪みがない場合の前記基準点の理想位置と前記実際位置とのずれを算出して行われることを特徴とする付記9に記載の試料観察装置。
(付記11) 前記画像解析部における前記位置ずれの算出は、
格子状のパターンよりなる前記補正用パターンの複数の格子線のそれぞれの観察像をHough変換によりHough空間の点にマップし、
前記Hough空間の前記点の位置座標から、前記複数の格子線の交点の位置を前記実際位置として算出して行われることを特徴とする付記10に記載の試料観察装置。
(付記12) 前記基準点の前記位置ずれを、前記荷電粒子ビームの加速電圧、前記電磁レンズ系による前記荷電粒子ビームの偏向量、前記補正パターンの前記観察像の倍率、及び該観察像の回転角度の少なくとも一つを含む観察条件と対応付けてなるデータベースが格納された記憶部を更に有し、
特定の観察条件で観察用試料を観察する場合に、前記画像解析部は、該観察条件に対応した前記データベース中の前記位置ずれを参照し、前記観察用試料の観察像に歪みがなくなるように、前記観察用試料の画像データを補正することを特徴とする付記9に記載の試料観察装置。
図1は、本発明の実施の形態に係る試料評価装置の構成図である。 図2(a)は標準試料の拡大平面図であり、図2(b)は図2(a)のI−I線に沿う断面図である。 図3は、試料評価装置における試料観察方法の原理図である。 図4(a)は像回転機構を用いない場合の走査方向を示す図であり、図4(b)は、図4(a)のように電子ビームを走査して得られた標準試料の観察像である。 図5(a)は像回転機構により角度θだけ回転した走査方向を示す図であり、図5(b)は、図5(a)のように電子ビームを走査して得られた標準試料の観察像である。 図6(a)は高倍率で観察する場合の走査方向を示す図であり、図6(b)は、図6(a)のように電子ビームを走査して得られた標準試料の観察像である。 図7(a)は低倍率で観察する場合の走査方向を示す図であり、図7(b)は、図7(a)のように電子ビームを走査して得られた標準試料の観察像である。 図8は、本発明の実施の形態に係る試料観察装置の補正方法について説明するためのフローチャートである。 図9は、本発明の実施の形態に係る試料観察装置の補正方法のステップS2で得られた標準試料の観察像の拡大図である。 図10は、Hough変換について説明するための図である。 図11は、Hough空間における投票数の分布を示す図である。 図12(a)は、像回転機構を用いた場合における、歪みがないときの標準試料の観察像であり、図12(b)はその観察像のHough変換像である。 図13(a)は、像回転機構を用いた場合における、歪みがあるときの標準試料の観察像であり、図13(b)はその観察像のHough変換像である 図14(a)は、低倍率領域における、歪みがないときの標準試料の観察像であり、図14(b)はその観察像のHough変換像である。 図15(a)は、低倍率領域における、歪みがあるときの標準試料の観察像であり、図15(b)はその観察像のHough変換像である。 図16は、像回転機構を用いた場合における、位置ずれベクトルΔrstの算出方法について示す図である。 図17は、低倍率領域で観察する場合における、位置ずれベクトルΔrstの算出方法について示す図である。 図18(a)は、本発明の実施の形態で使用される粗補正用試料40の平面図であり、図18(b)は図18(a)のII−II線に沿う断面図である。 図19は、粗補正用試料の島状パターンの観察像の拡大図である。 図20は、島状パターンの観察像の位置ずれ量の算出方法を模式的に示す平面図である。 図21は、島状パターンの観察像の二次元フーリエ変換像を示す平面図である。 図22は、位置ずれデータが格納されるデータベースの構造を模式的に示す図である。
符号の説明
10…試料評価装置、11…筐体、12…電子銃、13…電磁レンズ系、13a、13b…第1、第2収束レンズ、13c…対物レンズ、14…走査・偏向レンズ、15…絞り、16…試料搭載部、17…STEM検出器、19…画像解析部、20…記憶部、30…観察像、40…粗補正用試料、40a…島状パターン、40b…酸化シリコン膜、50…観察像、51…理想位置像、52…観察像の二次元フーリエ変換像、100…シリコン基板、100a…溝、101…補正用パターン、S…補正用試料。

Claims (5)

  1. (S1) 電磁レンズ系を透過した荷電粒子ビームを、補正用パターンが形成された標準試料に当てるステップと、
    (S2) 前記標準試料に当てられた前記荷電粒子ビームを検出器で検出することにより、前記補正用パターンの観察像を得るステップと、
    (S3) 前記電磁レンズ系に起因して発生した前記観察像の歪みにより、該補正用パターンの複数の基準点が前記観察像においてどの程度位置ずれしたかを算出するステップと、
    (S4) 前記位置ずれが無くなるように、前記観察像の画像データを補正するステップと、
    を有することを特徴とする試料観察装置の補正方法。
  2. 前記ステップ(S3)は、前記観察像における前記基準点の位置をパターン認識により実際位置として特定し、前記歪みがない場合の前記基準点の理想位置と前記実際位置とのずれを算出して行われることを特徴とする請求項1に記載の試料観察装置の補正方法。
  3. 前記補正用パターンとして複数の格子線よりなる格子状のパターン使用し、前記基準点として前記格子線の交点を使用するとともに、
    前記ステップ(S3)は、
    (P1) 前記複数の格子線のそれぞれの観察像をHough変換によりHough空間の点にマップするステップと、
    (P2) 前記Hough空間の前記点の位置座標から、前記複数の格子線の交点の位置を前記実際位置として算出するステップとを有することを特徴とする請求項2に記載の試料観察装置の補正方法。
  4. 前記ステップ(S3)において、前記位置ずれを、前記荷電粒子ビームの加速電圧、前記電磁レンズ系による前記荷電粒子ビームの偏向量、前記補正パターンの前記観察像の倍率、及び該観察像の回転角度の少なくとも一つを含む観察条件と対応付けてデータベースに格納し、
    特定の観察条件で観察用試料を観察する場合に、該観察条件に対応した前記データベース中の前記位置ずれを参照し、前記観察用試料の観察像に歪みがなくなるように、該観察用試料の画像データを補正することを特徴とする付記1に記載の試料観察方法の補正方法。
  5. 荷電粒子ビームを発生し加速する荷電粒子銃と、
    補正用パターンが形成された標準試料に前記荷電粒子ビームを収束させる電磁レンズ系と、
    前記標準試料に当てられた前記荷電粒子ビームの強度を検出信号に変換する検出器と、
    前記検出信号から前記画像データを作成する画像解析部とを有し、
    前記画像解析部が、前記電磁レンズ系に起因して発生した前記補正用パターンの前記観察像の歪みにより、該補正用パターンの複数の基準点が前記観察像においてどの程度位置ずれしたかを算出し、前記位置ずれが無くなるように前記画像データを補正することを特徴とする試料観察装置。
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