JP2009016098A - 中空型セル及び中空型セル用内側集電材の製造方法 - Google Patents

中空型セル及び中空型セル用内側集電材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電極の排水性を向上させた中空型セルと中空型セル用内側集電材の製造方法を提供する。
【解決手段】中空電解質膜1と、中空電解質膜の内面及び外面に設けられた一対の電極と、一対の電極にそれぞれ接続する内側集電材4及び外側集電材とを有する中空型セルであって、内側集電材は円柱形状を有し、且つ、その外周面に少なくとも2本以上の流路が形成されており、(1)内側集電材の一方の端部において開口し、ガスが流入する入口側開口端と、内側集電材の他方の端部において閉塞している出口側閉塞端とを有する第一の流路10A、及び、(2)内側集電材の第一の流路の入口側開口端が設けられた端部において閉塞している入口側閉塞端と、入口側閉塞端が設けられた端部とは反対側の端部において開口し、ガスが排出される出口側開口端とを有する第二の流路10Bからなり、第一の流路と第二の流路が内側集電材の外周面に交互に形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、中空形状の電解質膜を有する中空型セルと中空型セル用内側集電材の製造方法に関する。
燃料電池は、燃料と酸化剤を電気的に接続された2つの電極に供給し、電気化学的に燃料の酸化を起こさせることで、化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する。火力発電とは異なり、燃料電池はカルノーサイクルの制約を受けないので、高いエネルギー変換効率を示す。電解質として固体高分子電解質を用いる固体高分子電解質型燃料電池は、小型化が容易であること、低い温度で作動すること、などの利点があることから、特に携帯用、移動体用電源として注目されている。
固体高分子電解質型燃料電池では、燃料として水素を供給した場合、アノードでは(1)式の反応が進行する。
2 → 2H+ + 2e- …(1)
(1)式で生じる電子は、外部回路を経由し、外部の負荷で仕事をした後、カソードに到達する。そして、(1)式で生じたプロトンは、水と水和した状態で、固体高分子電解質膜内をアノード側からカソード側に、電気浸透により移動する。
また、酸化剤として空気(酸素)を供給した場合、カソードでは(2)式の反応が進行する。
2H+ + (1/2)O2 + 2e- → H2O …(2)
カソードで生成した水は、主としてガス拡散層を通り、外部へと排出される。
このように、燃料電池では、水以外の排出物がなく、クリーンな発電装置である。
従来、固体高分子電解質型燃料電池としては主に、平面状の固体高分子電解質膜の一面にアノード及び他面にカソードとなる触媒層を設けるとともに、得られた平面状の膜・電極接合体の両側にさらにそれぞれガス拡散層を設け、さらに平面状のセパレータで挟んだ平型の単セルが開発されてきた。このような平型の単セルは、複数積層して燃料電池スタックとし用いられる。
固体高分子電解質型燃料電池の出力密度向上のため、固体高分子電解質膜としては非常に膜厚の薄いプロトン伝導性高分子膜が用いられている。この膜厚はすでに100μm以下のものが主流であり、さらなる出力密度向上のためにさらに薄い電解質膜を用いたとしても、単セルの厚みを現在のものより劇的に薄くすることはできない。同様に、触媒層、ガス拡散層及びセパレータ等についてもそれぞれ薄膜化が進んでいるが、それらすべての部材の薄膜化によっても、単位体積当たりの出力密度の向上には限界がある。従って、小型化の要求に対しても、今後充分に応えられなくなることが予想される。
また、前記セパレータには、通常、腐食性に優れたシート状のカーボン材料が用いられている。セパレータは、このカーボン材料自体が高価である上に、平面状の膜・電極接合体の面全体に均一に燃料ガス及び酸化剤ガスを行き渡らせるためのガス流路溝を、微細加工により形成するため、非常に高価なものとなっている。その結果、燃料電池の製造原価を押し上げていた。
以上の問題の他にも、平型の単セルには、前記ガス流路から燃料ガス及び酸化剤ガスが漏れ出さないように幾層にもスタックされた単セルの周縁を確実にシールすることが技術的に難しいこと、平面状の膜・電極接合体のたわみや変形に起因して発電効率が低下してしまうことがあることなど、多くの問題がある。
近年、中空状の電解質膜の内面側と外面側にそれぞれ電極を設けた中空型セルを基本的な発電単位とする固体高分子電解質型燃料電池が開発されている(例えば、特許文献1〜3等)。
このような中空型セルを有する燃料電池は、その中空内をガス流路とするため、平型で使用されるセパレータに相当する部材が必要ない。そして、その内面と外面とにそれぞれ異なった種類のガスを供給して発電するので、特別にガス流路を形成する必要もない。従って、その製造においては、コストの低減が見込まれる。さらに、セルが3次元形状であるので、平型の単セルに比べて体積に対する比表面積が大きくとれ、体積当たりの発電出力密度の向上が見込める。
中空型セルを備える燃料電池では、通常、大きな電圧を得るために、まず、複数の中空型セルを並列に接続する。そして、大きな電流を得るために、中空型セルが並列に接続された複数の中空型セルスタックを、さらに直列に接続する。
中空型セルは、中空電解質膜の内面及び外面に設けられた電極にそれぞれ接続する集電材(内側集電材、外側集電材)を有しており、ここから各セルの電流が取り出される。複数の中空型セルを並列に接続する場合には、各セルの内面側電極の電流及び外面側電極の電流をそれぞれ集約する。
特開2006−216404号公報 特開2006−32130号公報 特開2005−28529号公報 特開平11−16591号公報
各電極に加湿した反応ガス(燃料ガス、酸化剤ガス)を供給する場合や、高負荷運転時等、電極内が高湿度状態になると、水蒸気が凝集し、電極内に液水が滞留する、いわゆるフラッディングが生じる。フラッディングが生じた電極では、反応ガスの流通性が著しく低下すると共に、排水性がさらに低下するため、充分量の反応ガスが供給されず、電極反応が進行しにくくなる。その結果、燃料電池の発電性能の大幅な低下を招く。
従って、電極には、凝集した水分を効率良く排出する排水性が要求される。例えば、特許文献4に記載の平型の燃料電池は、電極層にガスを供給し、或いは電極層からガスを排出するためのガス流路が形成された導電性の集電材を備え、前記ガス流路を構成するガス供給用のガス流路部とガス排出用のガス流路部とが前記集電材上で分離され互いにつながっていないことを特徴とし、触媒層近傍の水滴や窒素などの不要ガスが強制的に排出されるようにするものである。
引用文献4に記載の燃料電池は平型であり、径の細い中空型セルとは単セルにおけるガス流路のサイズが異なる。中空型セルは径が細いため、極めて細い流路が形成される。ゆえに、中空型セルは平型のセルと比較して排水性が低く、非常に液水が滞留しやすいため、充分量の反応ガスが供給されない、又は、電極全域に均一に反応ガスが供給されないといった問題が生じやすい。
以上のように、従来の中空型セルにおいて、電極内の余分な水分を効率良く排出し、高加湿条件や高負荷条件等、高湿度条件下において高い発電性能を維持することは難しかった。
本発明は上記実情を鑑みて成し遂げられたものであり、中空型セルにおける電極の排水性を向上させることを目的とする。
本発明の中空型セルは、中空電解質膜と、該中空電解質膜の内面及び外面に設けられた一対の電極と、該一対の電極にそれぞれ接続する内側集電材及び外側集電材とを有する中空型セルであって、前記内側集電材は、その外周面において前記中空電解質膜の内面に設けられた内側電極の内周面に接触可能な円柱形状を有し、且つ、その外周面に該円柱形状の軸方向に延在する少なくとも2本以上の流路が形成されており、該複数の流路は、前記内側集電材の一方の端部側から他方の端部側へとガスが流通する、互いに独立した流路であって、(1)前記内側集電材の一方の端部において開口し、ガスが流入する入口側開口端と、前記内側集電材の他方の端部において閉塞している出口側閉塞端とを有する第一の流路、及び、(2)前記内側集電材の前記第一の流路の入口側開口端が設けられた端部において閉塞している入口側閉塞端と、該入口側閉塞端が設けられた端部とは反対側の端部において開口し、ガスが排出される出口側開口端とを有する第二の流路からなり、前記第一の流路と前記第二の流路が前記内側集電材の外周面に交互に形成されていることを特徴とする。
本発明の中空型セルにおいて、前記第一の流路が出口側開口端を有しておらず、且つ、第一の流路に隣接して設けられた第二の流路が出口側開口端を有しているものの入口側開口端を有していないため、第一の流路の入口側開口端から該流路に流入したガスは、第一のガス流路と第二のガス流路間のガス差圧により、第二のガス流路に向かって強制的に電極内へ送られ、第二の流路の出口側開口端を経て排出される。このように、第一の流路に供給されるガス全量が強制的に電極内へ送られることにより、電極内を流通するガス圧が上昇し、電極内における液水の滞留が防止されるため、電極の排水性が向上する。また、反応ガスの利用効率が向上することも期待できる。
前記流路の閉塞端が、その断面積が該流路の内部から端部に向かって縮小するテーパー形状を有している場合、該閉塞端を閉塞する封止材が、流路内のガス圧によりその端部から脱落するのを防止することができる。
前記流路の閉塞端を閉塞する封止材としては、前記内側集電材の集電性の観点から、導電性を有するものが好ましい。
また、本発明は、導電性線材の外周面に、その軸方向に延在し、且つ、互いに独立した流路溝を2本以上形成する流路形成工程と、該流路溝の少なくとも一本に、該流路の断面形状が、一定間隔で、順次縮小した後、順次拡大して元の形状となる変形を加える流路変形工程と、該流路溝の変形部分に封止材を封入して該流路溝を閉塞させる封止工程と、該封止材が封入された閉塞部分内及び隣接する閉塞部分間において、前記導電性線材を切断する切断工程と、を備える中空型セル用内側集電材の製造方法を提供する。
本発明の製造方法によれば、一方の端部において開口し、他方の端部において閉塞する流路であって、且つ、閉塞端を閉塞する封止材の該端部からの脱落が防止された流路が、外周面に形成された内側集電材を、効率よく作製することができる。
具体的には、前記流路変形工程を、前記導電性線材の外周面に形成された隣り合う流路のうち、一方の流路に対して前記集電材の長手方向長の2倍の間隔で行い、他方の流路溝に対しては該集電材の長手方向長の2倍の間隔で、且つ、前記一方の流路溝の流路溝変形間隔から前記集電材の長手方向長分ずれた位置で行うことによって、一方の端部において開口し、他方の端部において閉塞している第一の流路と、前記一方の端部において閉塞し、前記他方の端部において開口する第二の流路とが、交互に形成された中空型セル用内側集電材を効率よく作製することができる。
さらに、本発明は、導電性線材の外周面に、その軸方向に延在し、且つ、互いに独立した流路溝を2本以上形成する流路形成工程と、該流路溝の少なくとも一本に、一定間隔で封止材を封入して該流路溝を閉塞させる封止工程と、該封止材が封入された閉塞部分において、該流路溝の断面形状が、順次縮小した後、順次拡大して元の形状となる変形を加える流路変形工程と、該変形された閉塞部分内及び隣接する閉塞部分間において、前記導電性線材を切断する切断工程と、を備える、中空型セル用内側集電材の製造方法を提供する。
具体的には、前記封止工程を、前記導電性線材の外周面に形成された隣り合う流路溝のうち、一方の流路溝に対して前記集電材の長手方向長の2倍の間隔で行い、他方の流路溝に対しては該集電材の長手方向長の2倍の間隔で、且つ、前記一方の流路溝の流路封止間隔から前記集電材の長手方向長分ずれた位置で行ことによって、一方の端部において開口し、他方の端部において閉塞している第一の流路と、前記一方の端部において閉塞し、前記他方の端部において開口する第二の流路とが、交互に形成された中空型セル用内側集電材を効率よく作製することができる。
前記閉塞端の閉塞方法としては、特に限定されず、前記封止材として熱硬化性樹脂を用い、前記流路溝に流動状態の該熱硬化性樹脂を封入し、加熱することで、該熱硬化性樹脂を硬化させて該流路溝を閉塞させる方法や、前記封止材として熱可塑性樹脂を用い、前記流路溝に流動状態の該熱可塑性樹脂を封入し、冷却することで、該熱可塑性樹脂を硬化させて該流路溝を閉塞させる方法等が挙げられる。
本発明によれば、中空型セルにおける内側電極の排水性を向上させることができるため、電極内に液水が滞留しやすい運転条件時、例えば、高加湿条件や、高負荷運転時においても、水蒸気の凝集によるいわゆるフラッディングを防止し、電極におけるガス拡散性を保持し、優れた発電性能を示す中空型セルを提供することができる。また、本発明の内側集電材の製造方法によれば、排水性に優れた中空型セルを実現する内側集電材を、効率よく製造することが可能である。
本発明の中空型セルは、中空電解質膜と、該中空電解質膜の内面及び外面に設けられた一対の電極と、該一対の電極にそれぞれ接続する内側集電材及び外側集電材とを有する中空型セルであって、前記内側集電材は、その外周面において前記中空電解質膜の内面に設けられた内側電極の内周面に接触可能な円柱形状を有し、且つ、その外周面に該円柱形状の軸方向に延在する少なくとも2本以上の流路が形成されており、該複数の流路は、前記内側集電材の一方の端部側から他方の端部側へとガスが流通する、互いに独立した流路であって、(1)前記内側集電材の一方の端部において開口し、ガスが流入する入口側開口端と、前記内側集電材の他方の端部において閉塞している出口側閉塞端とを有する第一の流路、及び、(2)前記内側集電材の前記第一の流路の入口側開口端が設けられた端部において閉塞している入口側閉塞端と、該入口側閉塞端が設けられた端部とは反対側の端部において開口し、ガスが排出される出口側開口端とを有する第二の流路からなり、前記第一の流路と前記第二の流路が前記内側集電材の外周面に交互に形成されていることを特徴とするものである。
以下、図を用いて、本発明にかかる中空型セルについて説明する。
図1は、中空型セルの一形態例を示す図であって、斜視図(1C)、一方の端部(紙面上部側の端部)における断面図(1A)、他方の端部(紙面下部側の端部)における断面図(1B)である。尚、1Cは、説明のため、その上部において内側集電材4を外面に露出させた状態で示している。
また、図2は、内側集電材の一形態例を示す図(2A)と、該内側集電材の外周に設けられた内側電極におけるガスの流通を説明する図(2B)である。
図1において、中空型セル100は、チューブ状の固体高分子電解質膜1、固体高分子電解質膜1の内面側に設けられた内側電極(本実施形態では燃料極)2及び外面側に設けられた外側電極(本実施形態では空気極)3を有している。各電極(2,3)は、電解質膜1側から順に、触媒層(6、8)とガス拡散層(7、9)が積層した構造を有している。さらに、内側電極2の表面には、内側集電材(本実施形態では燃料極側集電材)4として円柱形状の集電材が配置され、外側電極3の表面には、外側集電材(本実施形態では酸化剤極側集電材)5として、金属ワイヤ(導電性線材)からなる線状集電材が配置されている。
このような構造を有する中空型セルの中空内面(実質的には、内側集電材4の外周面に設けられた流路10A、10B)に水素ガス、外面に空気を流通させることで、燃料極に燃料及び酸化剤極に酸化剤が供給され、発電する。
内側集電材4は、図1及び図2に示すように、その外周面において内側電極2の内周面に接触可能な円柱形状を有しており、内側電極2と接して集電する。さらに、その外周面には、円柱形状の軸方向に平行に延在する6本の流路10(10A、10B)が形成されている。
本発明の中空型セルにおいて、内側集電材4の外周面に設けられた複数の流路10は、交差したり、互いを連結する連結路のない、互いに独立したものである。また、流路10は、内側集電材4の一方の端部において開口し、ガスが流入する入口側開口端10aと、内側集電材4の他方の端部において封止材11により閉塞している出口側閉塞端10a’を有する第一の流路10A、及び、内側集電材4の第一の流路10Aの入口側開口端10aが設けられた端部において封止材11により閉塞している入口側閉塞端10b’と、該入口側閉塞端10b’が設けられた端部とは反対側の端部において開口し、ガスが排出される出口側開口端10bを有する第二のガス流路10Bからなり、第一の流路10Aと第二の流路10Bが内側集電材4の外周面に交互に形成されている(図1の1A、1B及び図2の2A参照)。
中空型セル100において、内側集電材4の外周面に形成された流路10には、第一の流路10Aの入口側開口端10aから反応ガス(本実施形態では燃料ガス)が供給される。第一の流路10Aに流入したガスは、該流路10Aが出口側開口端を有していないデッドエンド構造であるため、その全量が多孔質構造を有する内側電極(触媒層、ガス拡散層)へ流入し、第一の流路10Aに隣接し出口側開口端を有する第二の流路10Bへと到達して、セル外へと排出される(図2参照)。
すなわち、流路10Aに供給されたガスは、強制的に、第一の流路10Aと第二の流路10Bの間に介在する内側電極2へと流される。このとき、内側電極2内を流れるガスの圧力が高いため、内側電極2内や流路10内に滞留する水分が効率よく押出され、第二の流路10Bの出口側開口端からセル外へと排出される。
隣り合う互いに独立した2つの流路間において、一方の流路の出口を閉塞し、他方の流路の少なくとも出口を開口させた場合、出口を閉塞した流路を流れるガスは、出口が開口する他方の流路側へと向かって電極内へと流れ、該他方の流路の出口から排出される。ここで、本発明では、出口が開口する流路の入口を閉塞させることで、2つの流路間のガス差圧を大きくし、出口が閉塞された一方の流路から他方の流路へより強制的にガスを流動させることによって、電極へのガス供給の効率化と排水性の向上を可能とした。
以上のように、本発明の中空型セルは、内側電極に供給される反応ガスの利用効率に優れると共に、内側電極における排水性に優れるものである。従って、本発明によれば、過飽和ガスによる内側電極の加湿を行いながらの運転や高負荷運転等、高湿度条件下における運転でも、排水性能が高く、内側電極におけるフラッディング発生を抑制し、優れた発電性能を発揮する。
本発明において、内側集電材の外周面に形成される流路は、互いに独立した2本以上であれば、その数は特に限定されず、内側集電材の太さと流路の開口幅や、流路溝の深さ及び流路溝の断面形状等を考慮して決定することができる。ただし、上記したように、入口側開口端から第一の流路に流入したガスが、内側電極を経て、該第一の流路に隣接する第二の流路の出口側開口端から強制的に排出されるようにするためには、内側集電材の外周面全域において第一の流路と第二の流路とが交互に配置されていることが好ましく、すなわち、第一の流路と第二の流路が同数ずつ形成されていることが好ましい。
また、内側集電材に形成される流路は、本実施形態のように、円柱形状を有する内側集電材の軸方向(長手方向)に対して平行であっても、或いは、蛇行状や螺旋状であってもよい。流路の幅や深さは、流路の配置形態、内側集電材のサイズ等により異なるものであり、適宜調整すればよい。通常は、その幅が100〜500μm程度、深さが100〜300μm程度とする。
内側集電材は、中空電解質膜の内面に設けられた内側電極の内周面に接触可能な円柱形状を有し、該内側電極と接触して集電することができれば、その材料や具体的な形状に特に限定はない。具体的には、例えば、Al、Cu、Fe、Ni、Cr、Ta、Ti、Zr、Sm、In、Au、Pt等の中から選ばれる少なくとも1種以上の金属、又はステンレス鋼などのそれらの合金が好ましい。また、表面が上記金属種や合金、導電性樹脂等によりコーティングされているものでもよい。
ここで、円柱形状とは、円柱形状の軸方向に対して垂直な断面の形状が、真円のものに限定されず、内側電極の内周面に接するものであれば、特に限定されない。また、中実でも、中空でもよい。
内側集電材は、内側電極の内周面に、集電が可能な程度で接触可能に形成される。ゆえに、内側集電材の外径等のサイズは、内側電極の内径等のサイズにより決定される。通常は、その外径が500〜2000μm程度のものが用いられる。ここで内側集電材の外径とは、その断面積を円に換算した時の円の直径とする。
第一の流路及び第二の流路において、閉塞端の閉塞方法は特に限定されず、例えば、流路を画成する溝を封止する封止材で埋める方法が挙げられる。封止材による閉塞は、例えば、流動状態の封止材を流路溝に流し込み、硬化させたり、或いは、予め、流路を閉塞可能な形状に成型した封止材を流路溝に押し込む方法等が挙げられる。さらに具体的には、流動状態の熱可塑性樹脂を流路溝に流し込み、冷却して硬化させる方法や、流動状態の熱硬化性樹脂を流路溝に流し込み、加熱して硬化させる方法が挙げられる。
封止材は、ガスを透過させないガス不透過性を有するものであれば特に限定されず、例えば、導電性を有していても有していなくてもよいが、導電性を有している場合、該封止材も集電材の一部として機能し、内側集電材の集電性能が向上することから導電性材料を封止材として用いることが好ましい。
具体的な封止材としては、熱硬化性樹脂として、エポキシ樹脂等、熱可塑性樹脂として、ポリエチレン樹脂等が挙げられる。さらに、導電性を有するものとしては、Au等の延性に優れた金属や導電性樹脂等が挙げられる。
上記のように、封止材により流路を閉塞させる場合には、流路内のガス圧上昇により、該封止材が流路外へと押出されて脱落するのを防止することが好ましい。具体的な方法として、流路の閉塞端を、その断面図が流路の内側から端部に向かって縮小するテーパー形状にする方法が挙げられる。このように流路の閉塞端を端部に向かって縮小するテーパー形状とすることによって、封止材に流路内側から端部へ押し出す力がかかっても、封止材は流路端部から脱落することなく、該端部に留まり、閉塞状態を保持することができる。
次に、本発明の中空型セルを構成する内側集電材の製造方法について説明する。
本発明により提供される中空型セルの製造方法は、導電性線材の外周面に、その軸方向に延在し、且つ、互いに独立した流路溝を2本以上形成する流路形成工程と、該流路溝の少なくとも1本に、該流路溝の断面形状が、一定間隔で、順次縮小した後、順次拡大して元の形状となる変形を加える流路変形工程と、該流路溝の変形部分に封止材を封入して該流路溝を閉塞させる封止工程と、該封止材が封入された閉塞部分内において、前記導電性線材を切断する切断工程と、を備えるものである。
ここでは、円柱状の導電性線材を内側集電材の本体として用いる場合について、図3〜図4を用いて説明する。
図4に示すように、まず、断面が円の導電性線材の外周面に、その軸方向に延在し、且つ、互いに独立した流路溝を2本以上形成する(流路形成工程)。導電性線材の外周面に溝を形成する方法は特に限定されず、一般的な方法を用いることができる。例えば、ダイス等の切削器により該表面を削って溝を形成することができる。このとき、一つの導電性線材の外周面に形成される複数の流路溝は、一つのダイスによって形成してもよいし、複数のダイスによって各流路溝毎又はいくつかの流路溝毎に形成してもよい。また、流路溝は、切削以外の方法、例えば、導電性線材よりも硬い材料からなる型を押し付け、食い込ませることで形成してもよい。
次に、導電性線材の外周面に形成された複数の流路溝のうち、少なくとも1本を、該流路溝の断面形状が、一定間隔で、順次縮小した後、順次拡大して元の形状となるように変形させる(流路変形工程。図3(3B)の流路変形部分参照)。流路溝を変形させる具体的な方法は特に限定されず、例えば、変形させたい流路溝と該流路溝の両隣に隣接する流路との間の凸部(隔壁)を、変形させたい流路溝を押しつぶすように変形させる方法が挙げられる(図4の流路変形工程における断面形状、図1の1C及び図2の2A参照)。
続いて、断面形状が縮小する変形を加えた変形部分に、封止材を封入して該流路溝を閉塞させる(閉塞工程)。封止材による流路溝の閉塞方法については既述した通りである。すなわち、例えば、流動状態の熱硬化性樹脂を流路溝に流し、加熱することで硬化させて流路溝を閉塞させる方法や、流動状態の熱可塑性樹脂を流路溝に流し、冷却することで硬化させて流路溝を閉塞させる方法などが挙げられる。
次に、封止材を封入して閉塞させた閉塞部分内において、導電性線材を切断する(切断工程。図3(3B)切断位置参照)。さらに、隣り合う閉塞部分の間で導電性線材を切断する。その結果、端部に向かって収縮するテーパー形状を有し且つ封止材で閉塞された閉塞端と、閉塞端とは反対側の端部で開口する開口端と、を有する流路溝が形成された円柱型集電材が得られる。
図3や図4のように、上記流路変形工程において、流路溝の変形を、導電性線材の外周面に形成された隣り合う流路のうち、一方の流路溝に対しては、作製する内側集電材の長手方向長(集電材必要長さ)の2倍の間隔で行い、他方の流路溝に対しては、該集電材の長手方向長の2倍の間隔で、且つ、前記一方の流路溝の流路変形間隔から集電材の長手方向長分ずれた位置で行い、各流路の各変形部分(閉塞部分)内で切断する(図3(3B)参照)ことで、各流路の閉塞部分内における切断と同時に、隣り合う閉塞部分の間でも導電性線材が切断され、一方の端部で開口し、他方の端部で閉塞した第一の流路溝と、第一の流路溝が開口している一方の端部で閉塞し、第一の流路溝が閉塞している他方の端部で開口した第二の流路溝とが交互に形成された集電材を効率よく得ることができる。
このとき、具体的な封止材の封入方法としては、図3の(3A)に示すように、各流路毎に設置されたノズルから隣り合う流路に交互に、一定間隔で、すなわち、変形部分が形成された間隔で、封止材を封入する方法が挙げられる。
尚、流路変形工程と閉塞工程の順序は反転してもよい。すなわち、導電性線材の外周面にガス流路となる流路溝を形成する流路形成工程後、該流路溝に、一定間隔で、封止材を封入して該流路溝を閉塞し、該封止材が封入された閉塞部分において、該流路溝の断面形状が順次縮小した後、順次拡大して元の形状となる変形を加え、該変形された閉塞部分内及び隣接する閉塞部分間において、導電性線材を切断することで、端部に向かって収縮するテーパー形状を有し、且つ、封止材で閉塞された、閉塞端を有する流路溝が形成された円柱型集電材を得ることができる。
この場合も、封止工程を、導電性線材の外周面に形成された隣り合う流路溝のうち、一方の流路溝に対して、集電材の長手方向長の2倍の間隔で行い、他方の流路溝に対して、該集電材の長手方向長の2倍の間隔で、且つ、一方の流路溝の流路変形間隔から集電材の長手方向長分ずれた位置で行うことによって、一方の端部で開口し、他方の端部で閉塞した第一の流路溝と、第一の流路溝が開口している一方の端部で閉塞し、第一の流路溝が閉塞している他方の端部で開口した流路溝とが交互に形成された集電材を効率よく得ることができる。
以下、このような内側集電材を備える中空型セルについて、図1を用いて説明する。
図1において、中空型セル100はチューブ状の電解質膜1を有するものであるが、本発明における中空電解質膜はチューブ状に限られず、中空部を有し、当該中空部に燃料や酸化剤を流入させることで、中空内部に設けられた電極に電気化学反応に必要な反応成分を供給することができるものであればよい。
チューブ状の電解質膜1の内径及び外径、長さ等は特に限定されるものではないが、チューブ状電解質膜の外径は0.01〜10mmであることが好ましく、0.1〜1mmであることがさらに好ましく、0.1〜0.5mmであることが特に好ましい。チューブ状電解質膜の外径が0.01mm未満のものは現時点では、技術的な問題で製造することが難しく、一方、その外径が10mmを超えるものでは、占有体積に対する表面積があまり大きくならないため、得られる中空型セルの単位体積当たりの出力が充分に得られないおそれがある。
電解質膜は、プロトン伝導性の向上の点からは薄いほうが好ましいが、あまりに薄すぎるとガスを隔離する機能が低下し、非プロトン水素の透過量が増大してしまう。しかしながら、従来の平型の燃料電池用単セルを積層した燃料電池と比べると、中空形状を有するセルを多数集めることにより作製された燃料電池では電極面積が大きくとれるので、やや厚みのある膜を用いた場合でも、充分な出力が得られる。かかる観点から、電解質膜の厚みは、10〜100μmであり、より好ましくは50〜60μmであり、さらに好ましくは50〜55μmである。
また、上記の外径と膜厚との好ましい範囲から、内径の好ましい範囲は0.01〜10mmであり、より好ましくは0.1〜1mmであり、さらに好ましくは0.1〜0.5mmである。
中空型セルを備える燃料電池は、平型のセルを有する燃料電池と比べて単位体積当たりの電極面積を大きくとることができることから、固体高分子電解質膜として、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜ほど高いプロトン伝導性を有していない電解質膜を用いても、単位体積当たりの出力密度の高い燃料電池を得ることができる。固体高分子電解質膜としては、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂の他、固体高分子型燃料電池の電解質膜に用いられているような材料を使用することができ、例えば、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂以外のフッ素系イオン交換樹脂、スルホン酸基を有するポリスチレン系陽イオン交換膜などのポリオレフィンのような炭化水素を骨格として少なくともスルホン酸基、ホスホン酸基、及び、リン酸基等のプロトン交換基のうちから一種を有するもの、特表平11−503262号公報などに開示されている、ポリベンズイミダゾール、ポリピリミジン、ポリベンゾオキサゾールなどの塩基性高分子に強酸をドープした塩基性高分子と強酸との複合体からなる固体ポリマー電解質等の高分子電解質が挙げられる。このような電解質を用いた固体高分子電解質膜は、フィブリル状、繊布状、不繊布状、多孔質シートのパーフルオロカーボン重合体で補強することや、膜表面に無機酸化物あるいは金属をコーティングすることにより補強することもできる。また、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜としては、例えばデュポン社製ナフィオンや旭硝子社製フレミオン等の市販品もある。
また、電解質膜は特に限定されるものではなく、プロトン伝導性のものであっても、水酸化物イオンや酸化物イオン(O2-)等その他のイオン伝導性のものであってもよい。プロトン伝導性の電解質膜としては、上記したような固体高分子電解質膜に限られず、リン酸水溶液を多孔質の電解質板に含浸させたものや、多孔質性ガラスからなるプロトン伝導体、ハイドロゲル化したリン酸塩ガラス、ナノ細孔を有する多孔質硝子の表面及び細孔内にプロトン伝導性官能基を導入した有機−無機ハイブリットプロトン伝導膜、無機金属繊維強化電解質ポリマー等を用いることができる。
また、燃料電池の構成によっては、例えば、本発明を固体酸化物燃料電池に適用した場合や、水酸化物イオンを電荷担体とする固体高分子型燃料電池に適用した場合などでは、酸素イオンや水酸化物イオンなどの他の電荷担体となるイオンを伝導する固体電解質膜でもよい。
電解質膜1の内面及び外面に設けられる各電極2,3は、固体高分子型燃料電池に用いられているような電極材料を用いて形成することができる。各電極の構成は特に限定されず、電解質膜側から順に触媒層(6,8)とガス拡散層(7,9)とが積層した構成(図1の1A、1B参照)の他、触媒層のみからなる構成や、触媒層とガス拡散層の他に機能層を設けた構成が挙げられる。
触媒層は触媒粒を含み、さらに触媒粒の利用効率を高めるためのプロトン伝導性物質を含んでいてもよく、プロトン伝導性物質としては上記電解質膜の材料として用いられるものを用いることができる。触媒粒としては、触媒成分を炭素質粒子、炭素質繊維のような炭素材料等の導電性材料に担持させた触媒粒が好適に用いられる。
中空型セルを備える燃料電池は、平型のセルを有する燃料電池と比べて単位体積当たりの電極面積を大きくとることができることから、白金ほど触媒作用が大きくない触媒成分を用いても、単位体積当たりの出力密度が高い燃料電池を得ることができる。
触媒成分としては、アノードにおける水素の酸化反応、カソードにおける酸素の還元反応に対して触媒作用を有するものであれば特に限定されず、例えば、白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスニウム(Os)、タングステン(W)、鉛(Pb)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、バナジウム(V)、モリブデン(Mo)、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)等の金属、又はそれらの合金から選択することができる。好ましくは、Pt、及びPtと例えばRuなど他の金属とからなる合金である。
ガス拡散層としては、炭素質粒子及び/又は炭素質繊維等の炭素材料を主成分とする多孔質導電性材料を用いることができる。炭素質粒子及び炭素質繊維の大きさは、ガス拡散層を製造する際の溶液中における分散性や得られるガス拡散層の排水性等を考慮して適宜最適なものを選択すればよい。具体的には、カーボンクロスや、カーボンペーパー等が挙げられる。
ガス拡散層は、生成水など水分の排水性を高める点から、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロカーボンアルコキシアルカン、エチレン−テトラフルオロエチレンポリマー、又はこれらの混合物等を含浸させたり、或いはこれらの物質を用いて撥水層を形成するなどして撥水加工することが好ましい。
内側電極における内側集電材によるガス圧上昇によって、電解質膜に対する圧力の負荷が危惧される場合には、例えば、外側ガス拡散層や外側集電材の強度を確保し、電解質膜の中空内径が拡大する方向に変形することを防止することによって、対応することが好ましい。具体的には、外側集電材として導電性線材を用い、外側電極の外周に巻きつける場合、該導電性線材の巻き付け密度を高くすることで、内側電極におけるガス圧上昇による上記電解質膜の変形を防止し、外側集電材の電解質膜に対する過度な負荷を回避することができる。
尚、内側電極面及び外側電極の構成、用いられる材料等は、同じであってもよく、また、異なっていてもよい。
図1において、外側電極3の表面に配置される外側集電材5は、金属ワイヤ等の導電性を有する線材からなるが、外側集電材はこのような線状に限定されず、中空型セルの軸方向に平行な棒状や、筒形状でもよく、例えば、スプリング状の金属ワイヤや金属箔、金属シート又はカーボンシート等のシート材料からなるもの等も適用できる。或いは、複数の中空型セルの集電を行う形態、例えば、複数の中空型セルからなる中空型セル束の外周に導電性線材を巻き付けた形態等でもよい。
外側集電材として使用される金属としては、例えば、Al、Cu、Fe、Ni、Cr、Ta、Ti、Zr、Sm、In、Au、Pt等の中から選ばれる少なくとも1種以上の金属、又はステンレス鋼などのそれらの合金が好ましい。また、その表面が上記金属種や合金、導電性樹脂等によりコーティングされていても良い。特に耐蝕性に優れることから、中でもステンレスやチタンが好ましい。ワイヤの太さ、巻きつけの形態等は、特に制限されるものではない。
中空型セルの製造方法としては、例えば、以下のような方法が挙げられる。まず、内側集電材の外周に、カーボンクロスを巻きつける等して内側ガス拡散層を設け、該カーボンクロスの外周に電解質及び触媒粒を含む溶液(触媒インク)を塗布・乾燥して内側触媒層を形成する。次に、内側触媒層の外周に、電解質を溶解又は分散させた溶液を塗布、乾燥して電解質膜を形成する。さらに、電解質膜の外周に触媒インクを塗布、乾燥して外側触媒層を形成し、その外周にカーボンクロスを巻きつける等して外側ガス拡散層を設ける。そして、外側ガス拡散層の周囲に外側集電材を設ける。各集電材は、必要に応じて、カーボン系接着剤やAgペーストなどの導電性接着材により電極上に固定してよい。
上記の方法以外にも、例えば、チューブ状電解質膜の内面及び外面に、触媒インクを塗布・乾燥して内側及び外側触媒層を形成し、これら触媒層上に炭素質粒子及び/又は炭素質繊維を含む溶液を塗布・乾燥してガス拡散層を形成する方法が挙げられる。このとき、電解質膜の内面側に形成したガス拡散層の内面に中空部が存在するように触媒層とガス拡散層を形成する。そして、内側ガス拡散層の内周に内側集電材、外側ガス拡散層の外周に外側集電材を配置する。
尚、電解質膜、触媒層、ガス拡散層を形成する際に使用する溶媒は、分散及び/又は溶解する材料に応じて適宜選択すればよく、また、各層を形成する際の塗布方法についても、スプレー法、スクリーン印刷法等種々の方法から適宜選択することができる。
本発明の中空型セルは、上記にて例示した構成に限られず、中空型セルの機能を高めることを目的として触媒層及びガス拡散層以外の層を設けても良い。また、本実施形態においては、中空電解質膜の内側に水素極(アノード)、外側に酸化剤極(カソード)を設けているが、内側に酸化剤極、外側に水素極を設けてもよい。内側電極として酸化剤極を設けた場合、電極反応による水の生成により、内側電極におけるフラッディングが発生しやすいが、排水性に優れる本発明の中空型セルによれば、水の滞留を充分に抑制し、優れた発電性能が得られる。
本発明の中空型セルは、2個以上並列及び/又は直列接続させることで、所望の電圧及び/又は電流が得られるようにして、燃料電池に搭載することができる。
本発明に用いられる中空型(チューブ状)セルの一形態例を示す斜視図及び断面図である。 図1に示す中空型セルにおける内側集電材の斜視図と中空型セルの部分断面図である。 本発明の内側集電材の製造方法を説明する図である。 本発明の内側集電材の製造方法を説明する図である。
符号の説明
1…中空電解質膜
2…内側電極(水素極)
3…外側電極(酸化剤極)
4…内側集電材(水素極側集電材)
5…外側集電材(酸化剤極側集電材)
6…内側触媒層
7…内側ガス拡散層
8…外側触媒層
9…外側ガス拡散層
10…ガス流路(10A:第一のガス流路、10B:第二のガス流路)
11…封止材
100…中空型セル

Claims (9)

  1. 中空電解質膜と、該中空電解質膜の内面及び外面に設けられた一対の電極と、該一対の電極にそれぞれ接続する内側集電材及び外側集電材とを有する中空型セルであって、
    前記内側集電材は、その外周面において前記中空電解質膜の内面に設けられた内側電極の内周面に接触可能な円柱形状を有し、且つ、その外周面に該円柱形状の軸方向に延在する少なくとも2本以上の流路が形成されており、
    該複数の流路は、前記内側集電材の一方の端部側から他方の端部側へとガスが流通する、互いに独立した流路であって、(1)前記内側集電材の一方の端部において開口し、ガスが流入する入口側開口端と、前記内側集電材の他方の端部において閉塞している出口側閉塞端とを有する第一の流路、及び、(2)前記内側集電材の前記第一の流路の入口側開口端が設けられた端部において閉塞している入口側閉塞端と、該入口側閉塞端が設けられた端部とは反対側の端部において開口し、ガスが排出される出口側開口端とを有する第二の流路からなり、前記第一の流路と前記第二の流路が前記内側集電材の外周面に交互に形成されていることを特徴とする中空型セル。
  2. 前記流路の閉塞端は、その断面積が該流路の内部から端部に向かって縮小するテーパー形状を有している、請求項1に記載の中空型セル。
  3. 前記流路の閉塞端が、導電性を有する封止材で閉塞されている、請求項1又は2に記載の中空型セル。
  4. 導電性線材の外周面に、その軸方向に延在し、且つ、互いに独立した流路溝を2本以上形成する流路形成工程と、
    該流路溝の少なくとも一本に、該流路溝の断面形状が、一定間隔で、順次縮小した後、順次拡大して元の形状となる変形を加える流路変形工程と、
    該流路溝の変形部分に封止材を封入して該流路溝を閉塞させる封止工程と、
    該封止材が封入された閉塞部分内及び隣接する閉塞部分間において、前記導電性線材を切断する切断工程と、
    を備える、中空型セル用内側集電材の製造方法。
  5. 前記流路変形工程を、前記導電性線材の外周面に形成された隣り合う流路溝のうち、一方の流路溝に対して前記集電材の長手方向長の2倍の間隔で行い、他方の流路溝に対しては該集電材の長手方向長の2倍の間隔で、且つ、前記一方の流路溝の流路溝変形間隔から前記集電材の長手方向長分ずれた位置で行う、
    請求項4に記載の中空型セル用内側集電材の製造方法。
  6. 導電性線材の外周面に、その軸方向に延在し、且つ、互いに独立した流路溝を2本以上形成する流路形成工程と、
    該流路溝の少なくとも一本に、一定間隔で封止材を封入して該流路溝を閉塞させる封止工程と、
    該封止材が封入された閉塞部分において、該流路溝の断面形状が、順次縮小した後、順次拡大して元の形状となる変形を加える流路変形工程と、
    該変形された閉塞部分内及び隣接する閉塞部分間において、前記導電性線材を切断する切断工程と、
    を備える、中空型セル用内側集電材の製造方法。
  7. 前記封止工程を、前記導電性線材の外周面に形成された隣り合う流路溝のうち、一方の流路溝に対して前記集電材の長手方向長の2倍の間隔で行い、他方の流路溝に対しては該集電材の長手方向長の2倍の間隔で、且つ、前記一方の流路溝の流路溝封止間隔から前記集電材の長手方向長分ずれた位置で行う、
    請求項6に記載の中空型セル用内側集電材の製造方法。
  8. 前記封止材が熱硬化性樹脂であり、前記流路溝に流動状態の該熱硬化性樹脂を封入し、加熱することで、該熱硬化性樹脂を硬化させて該流路溝を閉塞させる、請求項4乃至7のいずれかに記載の中空型セル用内側集電材の製造方法。
  9. 前記封止材が熱可塑性樹脂であり、前記流路溝に流動状態の該熱可塑性樹脂を封入し、冷却することで、該熱可塑性樹脂を硬化させて該流路溝を閉塞させる、請求項4乃至7のいずれかに記載の中空型セル用内側集電材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114520346A (zh) * 2020-11-18 2022-05-20 中国科学院大连化学物理研究所 一种管型固体氧化物燃料电池内电极集电组件及其应用

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