JP2009014701A - 距離・速度計および距離・速度計測方法 - Google Patents

距離・速度計および距離・速度計測方法 Download PDF

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Abstract

【課題】測定時間を短縮する。
【解決手段】距離・速度計は、発振波長が増加する第1の発振期間と発振波長が減少する第2の発振期間が交互に存在するように半導体レーザ1−1を動作させるレーザドライバ4−1と、レーザ1−1と逆位相で発振するように半導体レーザ1−2を動作させるレーザドライバ4−2と、レーザ1−1,1−2の光出力を電気信号に変換するフォトダイオード2−1,2−2と、フォトダイオード2−1,2−2の出力に含まれる干渉波形の数をフォトダイオード2−1,2−2の各々について数える計数手段5−1,5−2,6−1,6−2,7と、レーザ1−1,1−2の最小発振波長及び最大発振波長と計数結果とから測定対象との距離及び測定対象の速度を算出する演算装置8とを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光の干渉を利用して、測定対象との距離及び測定対象の速度を計測する距離・速度計および距離・速度計測方法に関するものである。
レーザによる光の干渉を利用した距離計測は、非接触測定のため測定対象を乱すことなく、高精度の測定方法として古くから用いられている。最近では、半導体レーザは装置の小型化のため、光計測用光源として利用されようとしている。その代表的な例として、FMヘテロダイン干渉計を利用したものがある。これは、比較的長距離測定が可能で精度もよいが、半導体レーザの外部に干渉計を用いているため、光学系が複雑になるという欠点を有する。
これに対して、レーザの出力光と測定対象からの戻り光との半導体レーザ内部での干渉(自己結合効果)を利用した計測器が提案されている(例えば、非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3参照)。このような自己結合型のレーザ計測器によれば、フォトダイオード内蔵の半導体レーザが発光、干渉、受光の各機能を兼ねているため、外部干渉光学系を大幅に簡略化することができる。したがって、センサ部が半導体レーザとレンズのみとなり、従来のものに比べて小型となる。また、三角測量法より距離測定範囲が広いという特徴を有する。
FP型(ファブリペロー型)半導体レーザの複合共振器モデルを図40に示す。図40において、101は半導体レーザ、102は半導体結晶の壁開面、103はフォトダイオード、104は測定対象である。測定対象104からの反射光の一部が発振領域内に戻り易い。戻って来たわずかな光は、共振器101内のレーザ光と結合し、動作が不安定となり雑音(複合共振器ノイズまたは戻り光ノイズ)を生じる。戻り光による半導体レーザの特性の変化は、出力光に対する相対的な戻り光量が、極めてわずかであっても顕著に現れる。このような現象は、ファブリペロー型(以下、FP型)半導体レーザに限らず、Vertical Cavity Surface Emitting Laser型(以下、VCSEL型)、Distributed FeedBack laser型(以下、DFBレーザ型)など、他の種類の半導体レーザにおいても同様に現れる。
レーザの発振波長をλ、測定対象104に近い方の壁開面102から測定対象104までの距離をLとすると、以下の共振条件を満足するとき、戻り光と共振器101内のレーザ光は強め合い、レーザ出力がわずかに増加する。
L=qλ/2 ・・・(1)
式(1)において、qは整数である。この現象は、測定対象104からの散乱光が極めて微弱であっても、半導体レーザの共振器101内の見かけの反射率が増加することにより、増幅作用が生じ、十分観測できる。
半導体レーザは、注入電流の大きさに応じて周波数の異なるレーザ光を放射するので、発振周波数を変調する際に、外部変調器を必要とせず、注入電流によって直接変調が可能である。図41は、半導体レーザの発振波長をある一定の割合で変化させたときの発振波長とフォトダイオード103の出力波形との関係を示す図である。式(1)に示したL=qλ/2を満足したときに、戻り光と共振器101内のレーザ光の位相差が0°(同位相)になって、戻り光と共振器101内のレーザ光とが最も強め合い、L=qλ/2+λ/4のときに、位相差が180°(逆位相)になって、戻り光と共振器101内のレーザ光とが最も弱め合う。そのため、半導体レーザの発振波長を変化させていくと、レーザ出力が強くなるところと弱くなるところとが交互に繰り返し現れ、このときのレーザ出力を共振器101に設けられたフォトダイオード103で検出すると、図41に示すように一定周期の階段状の波形が得られる。このような波形は一般的には干渉縞と呼ばれる。
この階段状の波形、すなわち干渉縞の1つ1つをモードポップパルス(以下、MHP)と呼ぶ。MHPはモードホッピング現象とは異なる現象である。例えば、測定対象104までの距離がL1のとき、MHPの数が10個であったとすれば、半分の距離L2では、MHPの数は5個になる。すなわち、ある一定時間において半導体レーザの発振波長を変化させた場合、測定距離に比例してMHPの数は変わる。したがって、MHPをフォトダイオード103で検出し、MHPの周波数を測定すれば、容易に距離計測が可能となる。
自己結合型のレーザ計測器では、共振器外部の干渉光学系を大幅に簡略化できるため、装置を小型化することができ、また高速の回路が不要で、外乱光に強いという利点がある。さらに、測定対象からの戻り光が極めて微弱でもよいので、測定対象の反射率に影響されない、すなわち測定対象を選ばないという利点がある。しかしながら、自己結合型を含め従来の干渉型計測器では、静止した測定対象との距離を計測することはできても、速度を持つ測定対象の距離を計測することはできないという問題点があった。
そこで、発明者は、静止した測定対象との距離だけでなく、測定対象の速度も計測することができる距離・速度計を提案した(特許文献1参照)。この距離・速度計の構成を図42に示す。図42の距離・速度計は、測定対象にレーザ光を放射する半導体レーザ201と、半導体レーザ201の光出力を電気信号に変換するフォトダイオード202と、半導体レーザ201からの光を集光して測定対象210に照射すると共に、測定対象210からの戻り光を集光して半導体レーザ201に入射させるレンズ203と、半導体レーザ201に発振波長が連続的に増加する第1の発振期間と発振波長が連続的に減少する第2の発振期間とを交互に繰り返させるレーザドライバ204と、フォトダイオード202の出力電流を電圧に変換して増幅する電流−電圧変換増幅器205と、電流−電圧変換増幅器205の出力電圧を2回微分する信号抽出回路206と、信号抽出回路206の出力電圧に含まれるMHPの数を数える計数回路207と、測定対象210との距離及び測定対象210の速度を算出する演算装置208と、演算装置208の算出結果を表示する表示装置209とを有する。
レーザドライバ204は、時間に関して一定の変化率で増減を繰り返す三角波駆動電流を注入電流として半導体レーザ201に供給する。これにより、半導体レーザ201は、発振波長が一定の変化率で連続的に増加する第1の発振期間と発振波長が一定の変化率で連続的に減少する第2の発振期間とを交互に繰り返すように駆動される。図43は、半導体レーザ201の発振波長の時間変化を示す図である。図43において、P1は第1の発振期間、P2は第2の発振期間、λaは各期間における発振波長の最小値、λbは各期間における発振波長の最大値、Tは三角波の周期である。
半導体レーザ201から出射したレーザ光は、レンズ203によって集光され、測定対象210に入射する。測定対象210で反射された光は、レンズ203によって集光され、半導体レーザ201に入射する。フォトダイオード202は、半導体レーザ201の光出力を電流に変換する。電流−電圧変換増幅器205は、フォトダイオード202の出力電流を電圧に変換して増幅し、信号抽出回路206は、電流−電圧変換増幅器205の出力電圧を2回微分する。計数回路207は、信号抽出回路206の出力電圧に含まれるMHPの数を第1の発振期間P1と第2の発振期間P2の各々について数える。演算装置208は、半導体レーザ1の最小発振波長λaと最大発振波長λbと第1の発振期間P1におけるMHPの数と第2の発振期間P2におけるMHPの数に基づいて、測定対象210との距離及び測定対象210の速度を算出する。
特開2006−313080号公報 上田正,山田諄,紫藤進,「半導体レーザの自己結合効果を利用した距離計」,1994年度電気関係学会東海支部連合大会講演論文集,1994年 山田諄,紫藤進,津田紀生,上田正,「半導体レーザの自己結合効果を利用した小型距離計に関する研究」,愛知工業大学研究報告,第31号B,p.35−42,1996年 Guido Giuliani,Michele Norgia,Silvano Donati and Thierry Bosch,「Laser diode self-mixing technique for sensing applications」,JOURNAL OF OPTICS A:PURE AND APPLIED OPTICS,p.283−294,2002年
特許文献1に開示された距離・速度計によれば、測定対象との距離と測定対象の速度を同時に計測することができる。しかしながら、この距離・速度計では、距離や速度を測定するために、例えば第1の発振期間t−1と第2の発振期間tと第1の発振期間t+1の少なくとも3回にわたってMHPの数を数える必要があり、測定に要する時間が長いという問題点があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、光の干渉を利用して静止した測定対象との距離だけでなく、測定対象の速度も計測することができる距離・速度計および距離・速度計測方法において、測定時間を短縮することを目的とする。
本発明の距離・速度計は、測定対象に第1のレーザ光を放射する第1の半導体レーザと、前記測定対象に前記第1のレーザ光と平行に第2のレーザ光を放射する第2の半導体レーザと、少なくとも発振波長が連続的に単調増加する発振期間が繰り返し存在するように前記第1の半導体レーザを動作させる第1のレーザドライバと、前記第1の半導体レーザと発振波長の増減が逆になるように前記第2の半導体レーザを動作させる第2のレーザドライバと、前記第1のレーザ光とこのレーザ光の前記測定対象からの戻り光とを電気信号に変換する第1の受光器と、前記第2のレーザ光とこのレーザ光の前記測定対象からの戻り光とを電気信号に変換する第2の受光器と、前記第1、第2の受光器の出力信号に含まれる、前記第1、第2のレーザ光とその戻り光とによって生じる干渉波形の数を、前記第1、第2の受光器の出力信号の各々について数える計数手段と、前記第1、第2の半導体レーザの最小発振波長及び最大発振波長と前記計数手段の計数結果とから前記測定対象との距離及び前記測定対象の速度の少なくとも一方を算出する演算手段とを有するものである。
また、本発明の距離・速度計は、測定対象に第1のレーザ光を放射する第1の半導体レーザと、前記測定対象に前記第1のレーザ光と平行に第2のレーザ光を放射する第2の半導体レーザと、少なくとも発振波長が連続的に単調増加する発振期間が繰り返し存在するように前記第1の半導体レーザを動作させる第1のレーザドライバと、前記第1の半導体レーザと発振波長の増減が逆になるように前記第2の半導体レーザを動作させる第2のレーザドライバと、前記第1の半導体レーザの光出力を電気信号に変換する第1の受光器と、前記第2の半導体レーザの光出力を電気信号に変換する第2の受光器と、前記第1、第2の受光器の出力信号に含まれる、前記第1、第2のレーザ光とその戻り光との自己結合効果によって生じる干渉波形の数を、前記第1、第2の受光器の出力信号の各々について数える計数手段と、前記第1、第2の半導体レーザの最小発振波長及び最大発振波長と前記計数手段の計数結果とから前記測定対象との距離及び前記測定対象の速度の少なくとも一方を算出する演算手段とを有するものである。
また、本発明の距離・速度計の1構成例において、前記計数手段は、前記発振期間よりも短い第1の計数期間において、前記第1、第2の半導体レーザのうち発振波長が増加している半導体レーザに対応する受光器の出力信号に含まれる干渉波形の数を求めると同時に、前記第1の計数期間と同じ時刻の第2の計数期間において、前記第1、第2の半導体レーザのうち発振波長が減少している半導体レーザに対応する受光器の出力信号に含まれる干渉波形の数を求める手段からなり、前記演算手段は、前記第1、第2の半導体レーザの最小発振波長と最大発振波長と前記計数手段の計数結果に基づいて前記測定対象との距離の候補値と前記測定対象の速度の候補値とを算出する距離・速度算出手段と、この距離・速度算出手段で算出された速度の候補値に基づいて前記測定対象の状態を判定する状態判定手段と、この状態判定手段の判定結果に基づいて前記測定対象との距離及び前記測定対象の速度の少なくとも一方を確定する距離・速度確定手段とからなるものである。
また、本発明の距離・速度計の1構成例において、前記距離・速度算出手段は、前記測定対象が微小変位状態にあると仮定した場合について第1の計数期間の計数結果と1回後の第2の計数期間の計数結果とから速度の第1の候補値と距離の第1の候補値とを算出すると共に、これらの第1の候補値を算出した第1の計数期間と同時刻の第2の計数結果の計数結果と前記第1の候補値を算出した第2の計数期間と同時刻の第1の計数期間の計数結果とから速度の第2の候補値と距離の第2の候補値とを算出し、前記測定対象が前記微小変位状態よりも動きが急な変位状態にあると仮定した場合について第1の計数期間の計数結果と1回後の第2の計数期間の計数結果とから速度の第3の候補値と距離の第3の候補値とを算出すると共に、これらの第3の候補値を算出した第1の計数期間と同時刻の第2の計数結果の計数結果と前記第3の候補値を算出した第2の計数期間と同時刻の第1の計数期間の計数結果とから速度の第4の候補値と距離の第4の候補値とを算出し、前記状態判定手段は、前記速度の第1の候補値と第2の候補値とが略等しい場合、前記測定対象が微小変位状態にあると判定し、前記速度の第3の候補値と第4の候補値とが略等しい場合、前記測定対象が変位状態にあると判定するものである。
また、本発明の距離・速度計の1構成例において、前記距離・速度確定手段は、前記測定対象が微小変位状態にあると判定された場合、前記速度の第1の候補値と第2の候補値のいずれか一方を前記測定対象の速度とし、前記距離の第1の候補値と第2の候補値のいずれか一方を前記測定対象との距離とし、前記測定対象が変位状態にあると判定された場合、前記速度の第3の候補値と第4の候補値のいずれか一方を前記測定対象の速度とし、前記距離の第3の候補値と第4の候補値のいずれか一方を前記測定対象との距離とするものである。
また、本発明の距離・速度計の1構成例において、前記距離・速度確定手段は、前記測定対象が微小変位状態にあると判定された場合、前記速度の第1の候補値と第2の候補値との平均値を前記測定対象の速度とし、前記距離の第1の候補値と第2の候補値との平均値を前記測定対象との距離とし、前記測定対象が変位状態にあると判定された場合、前記速度の第3の候補値と第4の候補値との平均値を前記測定対象の速度とし、前記距離の第3の候補値と第4の候補値との平均値を前記測定対象との距離とするものである。
また、本発明の距離・速度計の1構成例において、前記距離・速度確定手段は、前記速度の第1の候補値を算出した第1の計数期間の計数結果と前記速度の第2の候補値を算出した第1の計数期間の計数結果との和ΣXと、前記速度の第1の候補値を算出した第2の計数期間の計数結果と前記速度の第2の候補値を算出した第2の計数期間の計数結果との和ΣYとを比較して、前記ΣYよりも前記ΣXが大きい場合は前記測定対象が近づきつつあると判定し、前記ΣXよりも前記ΣYが大きい場合は前記測定対象が遠ざかりつつあると判定するものである。
また、本発明の距離・速度計の1構成例において、前記演算手段は、さらに、前記距離・速度算出手段で算出された距離の候補値と前回に算出された距離の候補値との差である履歴変位を、前記測定対象が微小変位状態にあると仮定した場合と変位状態にあると仮定した場合の各々について算出する履歴変位算出手段を備え、前記状態判定手段は、前記速度の候補値に基づいて前記測定対象の状態を判定できない場合に、前記履歴変位算出手段の算出結果に基づいて前記測定対象の状態を判定するものである。
また、本発明の距離・速度計の1構成例において、前記計数手段は、前記第1、第2の受光器の出力信号に含まれる前記干渉波形の数を、前記第1、第2の受光器の出力信号の各々について数えるカウンタと、前記干渉波形の数を数える計数期間中の前記干渉波形の周期を、前記第1、第2の受光器の出力信号の各々について前記干渉波形が入力される度に測定する周期測定手段と、この周期測定手段の測定結果から前記計数期間中の干渉波形の周期の度数分布を、前記第1、第2の受光器の出力信号の各々について作成する度数分布作成手段と、前記度数分布から前記干渉波形の周期の中央値を、前記第1、第2の受光器の出力信号の各々について算出する中央値算出手段と、前記度数分布から、前記中央値の第1の所定数倍以下である階級の度数の総和Nsと、前記中央値の第2の所定数倍以上である階級の度数の総和Nwとを求め、これらの度数NsとNwに基づいて前記カウンタの計数結果を、前記第1、第2の受光器の出力信号の各々について補正する補正値算出手段と、前記周期測定手段の測定結果から前記干渉波形の周期の総和を、前記第1、第2の受光器の出力信号の各々について算出する周期和算出手段と、前記補正値算出手段で補正された計数結果と前記周期和算出手段で算出された周期の総和とから、単位時間当たりの前記干渉波形の数を前記第1、第2の受光器の出力信号の各々について算出する個数算出手段とからなるものである。
また、本発明の距離・速度計の1構成例において、前記計数手段は、前記第1、第2の受光器の出力信号に含まれる一定個数の前記干渉波形の周期を、前記第1、第2の受光器の出力信号の各々について前記干渉波形が入力される度に測定する周期測定手段と、この周期測定手段の測定結果から前記干渉波形の周期の度数分布を、前記第1、第2の受光器の出力信号の各々について作成する度数分布作成手段と、前記度数分布から前記干渉波形の周期の中央値を、前記第1、第2の受光器の出力信号の各々について算出する中央値算出手段と、前記度数分布から、前記中央値の第1の所定数倍以下である階級の度数の総和Nsと、前記中央値の第2の所定数倍以上である階級の度数の総和Nwとを求め、これらの度数NsとNwに基づいて前記一定個数を、前記第1、第2の受光器の出力信号の各々について補正する補正値算出手段と、前記周期測定手段の測定結果から前記干渉波形の周期の総和を、前記第1、第2の受光器の出力信号の各々について算出する周期和算出手段と、前記補正値算出手段で補正された干渉波形の数と前記周期和算出手段で算出された周期の総和とから、単位時間当たりの前記干渉波形の数を前記第1、第2の受光器の出力信号の各々について算出する個数算出手段とからなるものである。
また、本発明の距離・速度計の1構成例において、前記補正値算出手段は、前記カウンタの計数結果又は前記一定個数をNとしたとき、補正後の値N’を、N’=N+Nw−Nsにより求めるものである。
また、本発明の距離・速度計の1構成例において、前記第1の所定数は0.5であり、前記第2の所定数は1.5である。
また、本発明の距離・速度計の1構成例において、前記周期測定手段は、前記発振期間よりも短い第1の計数期間において、前記第1、第2の半導体レーザのうち発振波長が増加している半導体レーザに対応する受光器の出力信号に含まれる干渉波形の周期を求めると同時に、前記第1の計数期間と同じ時刻の第2の計数期間において、前記第1、第2の半導体レーザのうち発振波長が減少している半導体レーザに対応する受光器の出力信号に含まれる干渉波形の周期を求めるものである。
また、本発明の距離・速度計の1構成例は、さらに、前記測定対象が微小変位状態にあると仮定した場合の速度の候補値と前記測定対象が変位状態にあると仮定した場合の速度の候補値のうち、前記状態判定手段の判定結果から前記距離・速度確定手段が真値でないと判断して採用しなかった方の速度の候補値が、前記距離・速度確定手段が真値であると判断して採用した方の距離の候補値に前記第1、第2の半導体レーザの波長変化率を掛けた値と略等しくなるように、前記第1、第2のレーザドライバから前記第1、第2の半導体レーザに供給される駆動電流のうち少なくとも一方の振幅を調整する振幅調整手段を有するものである。
また、本発明の距離・速度計の1構成例は、さらに、前記測定対象が微小変位状態にあると仮定した場合の速度の候補値と前記測定対象が変位状態にあると仮定した場合の速度の候補値のうち、前記状態判定手段の判定結果から前記距離・速度確定手段が真値であると判断して採用した方の速度の候補値が前記第1、第2の半導体レーザの波長変化が切り替わるタイミングの前後において連続性を保つように、前記第1、第2のレーザドライバから前記第1、第2の半導体レーザに供給される駆動電流のうち少なくとも一方の振幅を調整する振幅調整手段を有するものである。
また、本発明の距離・速度計の1構成例は、さらに、前記測定対象が微小変位状態にあると仮定した場合の距離の候補値と前記測定対象が変位状態にあると仮定した場合の距離の候補値のうち、前記状態判定手段の判定結果から前記距離・速度確定手段が真値であると判断して採用した方の距離の候補値が前記第1、第2の半導体レーザの波長変化が切り替わるタイミングの前後において連続性を保つように、前記第1、第2のレーザドライバから前記第1、第2の半導体レーザに供給される駆動電流のうち少なくとも一方の振幅を調整する振幅調整手段を有するものである。
また、本発明の距離・速度計測方法は、少なくとも発振波長が連続的に単調増加する発振期間が繰り返し存在するように第1の半導体レーザを動作させる第1の発振手順と、前記第1の半導体レーザと発振波長の増減が逆になるように第2の半導体レーザを動作させる第2の発振手順と、前記第1の半導体レーザから放射された第1のレーザ光とこのレーザ光の前記測定対象からの戻り光とを電気信号に変換する第1の受光器の出力信号に含まれる、前記第1のレーザ光とその戻り光とによって生じる干渉波形の数を数えると共に、前記第2の半導体レーザから放射された第2のレーザ光とこのレーザ光の前記測定対象からの戻り光とを電気信号に変換する第2の受光器の出力信号に含まれる、前記第2のレーザ光とその戻り光とによって生じる干渉波形の数を数える計数手順と、前記第1、第2の半導体レーザの最小発振波長及び最大発振波長と前記計数手順の計数結果とから前記測定対象との距離及び前記測定対象の速度の少なくとも一方を算出する演算手順とを備えるものである。
また、本発明の距離・速度計測方法は、少なくとも発振波長が連続的に単調増加する発振期間が繰り返し存在するように第1の半導体レーザを動作させる第1の発振手順と、前記第1の半導体レーザと発振波長の増減が逆になるように第2の半導体レーザを動作させる第2の発振手順と、前記第1の半導体レーザの光出力を電気信号に変換する第1の受光器の出力信号に含まれる、前記第1の半導体レーザから放射された第1のレーザ光とこのレーザ光の前記測定対象からの戻り光との自己結合効果によって生じる干渉波形の数を数えると共に、前記第2の半導体レーザの光出力を電気信号に変換する第2の受光器の出力信号に含まれる、前記第2の半導体レーザから放射された第2のレーザ光とこのレーザ光の前記測定対象からの戻り光との自己結合効果によって生じる干渉波形の数を数える計数手順と、前記第1、第2の半導体レーザの最小発振波長及び最大発振波長と前記計数手順の計数結果とから前記測定対象との距離及び前記測定対象の速度の少なくとも一方を算出する演算手順とを備えるものである。
干渉型の距離計は、距離を測定する際、測定対象が静止していることが絶対条件であるため、速度を持つ測定対象との距離は測定できない。これに対して、本発明では、静止していない測定対象との距離も測定できる。つまり、本発明によれば、測定対象の速度(大きさ、方向)と距離を同時に測定することができる。また、本発明では、発振波長の増減が逆になる第1、第2の半導体レーザから互いに平行なレーザ光を測定対象に同時に放射させ、第1、第2の受光器の出力信号に含まれる干渉波形の数を第1、第2の受光器の出力信号の各々について数えることにより、従来よりも短い時間で距離と速度を測定することができる。
また、本発明では、速度の候補値に基づいて測定対象の状態を判定できない場合に、履歴変位算出手段の算出結果を用いることにより、測定対象の状態を判定して、測定対象との距離及び測定対象の速度を算出することができる。
また、本発明では、計数期間中の干渉波形の周期を測定し、この測定結果から計数期間中の干渉波形の周期の度数分布を作成し、度数分布から干渉波形の周期の中央値を算出し、度数分布から、中央値の第1の所定数倍以下である階級の度数の総和Nsと、中央値の第2の所定数倍以上である階級の度数の総和Nwとを求め、これらの度数NsとNwに基づいて計数手段の計数結果を補正することにより、計数時の欠落や過剰な計数の影響を除去して、干渉波形の計数誤差を補正することができるので、距離及び速度の測定精度を向上させることができる。
また、本発明では、計数手段で干渉波形の数を数える代わりに、第1、第2の受光器の出力信号に含まれる一定個数の干渉波形の周期を測定し、この測定結果から干渉波形の周期の度数分布を作成し、度数分布から干渉波形の周期の中央値を算出し、度数分布から、中央値の第1の所定数倍以下である階級の度数の総和Nsと、中央値の第2の所定数倍以上である階級の度数の総和Nwとを求め、これらの度数NsとNwに基づいて干渉波形の一定個数を補正することにより、単位時間当たりの干渉波形の数の測定誤差を低減することができ、距離及び速度の測定精度をさらに向上させることができる。
また、本発明では、測定対象が微小変位状態にあると仮定した場合の速度の候補値と測定対象が変位状態にあると仮定した場合の速度の候補値のうち、状態判定手段の判定結果から距離・速度確定手段が真値でないと判断して採用しなかった方の速度の候補値が、距離・速度確定手段が真値であると判断して採用した方の距離の候補値に第1、第2の半導体レーザの波長変化率を掛けた値と略等しくなるように、第1、第2のレーザドライバから第1、第2の半導体レーザに供給される駆動電流のうち少なくとも一方の振幅を調整することにより、第1、第2の半導体レーザの波長変化量の絶対値を等しくすることができ、距離及び速度の測定精度を向上させることができる。
また、本発明では、測定対象が微小変位状態にあると仮定した場合の速度又は距離の候補値と測定対象が変位状態にあると仮定した場合の速度又は距離の候補値のうち、状態判定手段の判定結果から距離・速度確定手段が真値であると判断して採用した方の速度又は距離の候補値が第1、第2の半導体レーザの波長変化が切り替わるタイミングの前後において連続性を保つように、第1、第2のレーザドライバから第1、第2の半導体レーザに供給される駆動電流のうち少なくとも一方の振幅を調整することにより、第1、第2の半導体レーザの波長変化量の絶対値を等しくすることができ、距離及び速度の測定精度を向上させることができる。
[第1の実施の形態]
本発明は、波長変調を用いたセンシングにおいて出射した波と対象物で反射した波の干渉信号をもとに距離を計測する手法である。したがって、自己結合型以外の光学式の干渉計、光以外の干渉計にも適用できる。半導体レーザの自己結合を用いる場合について、より具体的に説明すると、半導体レーザから測定対象にレーザ光を照射しつつ、レーザの発振波長を変化させると、発振波長が最小発振波長から最大発振波長まで変化する間(あるいは最大発振波長から最小発振波長まで変化する間)における測定対象の変位は、MHPの数に反映される。したがって、発振波長を変化させたときのMHPの数を調べることで測定対象の状態を検出することができる。以上が、干渉計の基本的な原理である。
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施の形態となる距離・速度計の構成を示すブロック図である。図1の距離計は、測定対象11にレーザ光を放射する第1、第2の半導体レーザ1−1,1−2と、半導体レーザ1−1,1−2の光出力をそれぞれ電気信号に変換する第1、第2の受光器であるフォトダイオード2−1,2−2と、半導体レーザ1−1,1−2からの光をそれぞれ集光して測定対象11に照射すると共に、測定対象11からの戻り光を集光して半導体レーザ1−1,1−2に入射させるレンズ3−1,3−2と、半導体レーザ1−1,1−2に発振波長が連続的に増加する第1の発振期間と発振波長が連続的に減少する第2の発振期間とを交互に繰り返させる第1、第2のレーザドライバ4−1,4−2と、フォトダイオード2−1,2−2の出力電流をそれぞれ電圧に変換して増幅する電流−電圧変換増幅器5−1,5−2と、電流−電圧変換増幅器5−1,5−2の出力電圧から搬送波を除去するフィルタ回路6−1,6−2と、フィルタ回路6−1,6−2の出力電圧に含まれるMHPの数を数える計数装置7と、測定対象11との距離及び測定対象11の速度を算出する演算装置8と、演算装置8の算出結果を表示する表示装置9と、半導体レーザ1−1,1−2の駆動電流の振幅が適切になるようにレーザドライバ4−1,4−2を制御する振幅調整装置10とを有する。電流−電圧変換増幅器5−1,5−2とフィルタ回路6−1,6−2と計数装置7とは、計数手段を構成している。
以下、説明容易にするために、半導体レーザ1には、モードホッピング現象を持たない型(VCSEL型、DFBレーザ型)のものが用いられているものと想定する。
レーザドライバ4−1,4−2は、時間に関して一定の変化率で増減を繰り返す三角波駆動電流を注入電流として半導体レーザ1−1,1−2に供給する。これにより、半導体レーザ1−1,1−2は、注入電流の大きさに比例して発振波長が一定の変化率で連続的に増加する第1の発振期間と発振波長が一定の変化率で連続的に減少する第2の発振期間とを交互に繰り返すように駆動される。このとき、レーザドライバ4−1,4−2は、半導体レーザ1−1と1−2とで発振波長の増減が逆になるように駆動電流を供給する。すなわち、半導体レーザ1−1と1−2は、発振波長の変化率の絶対値が同一で変化率の極性が逆になっている。したがって、半導体レーザ1−1の発振波長が最大値になったときに、半導体レーザ1−2の発振波長は最小値となり、半導体レーザ1−1の発振波長が最小値になったときに、半導体レーザ1−2の発振波長は最大値となる。
図2は半導体レーザ1−1,1−2の発振波長の時間変化を示す図である。図2において、LD1は半導体レーザ1−1の発振波形、LD2は半導体レーザ1−2の発振波形、P1は第1の発振期間、P2は第2の発振期間、λaは各期間における発振波長の最小値、λbは各期間における発振波長の最大値、Tは三角波の周期である。本実施の形態では、発振波長の最大値λb及び発振波長の最小値λaはそれぞれ常に一定になされており、それらの差λb−λaも常に一定になされている。
半導体レーザ1−1,1−2から出射したレーザ光は、レンズ3−1,3−2によって集光され、測定対象11に入射する。このとき、半導体レーザ1−1,1−2のレーザ光は互いに平行に出射して測定対象11に入射する。測定対象11で反射された半導体レーザ1−1,1−2の光は、それぞれレンズ3−1,3−2によって集光され、半導体レーザ1−1,1−2に入射する。なお、レンズ3−1,3−2による集光は必須ではない。フォトダイオード2−1,2−2は、それぞれ半導体レーザ1−1,1−2の光出力を電流に変換する。電流−電圧変換増幅器5−1,5−2は、それぞれフォトダイオード2−1,2−2の出力電流を電圧に変換して増幅する。
フィルタ回路6−1,6−2は、変調波から重畳信号を抽出する機能を有するものである。図3(A)、図3(B)はそれぞれ電流−電圧変換増幅器5−1,5−2の出力電圧波形を模式的に示す図、図3(C)、図3(D)はそれぞれフィルタ回路6−1,6−2の出力電圧波形を模式的に示す図である。これらの図は、フォトダイオード2−1,2−2の出力に相当する図3(A)、図3(B)の波形(変調波)から、図2の半導体レーザ1−1,1−2の発振波形(搬送波)を除去して、図3(C)、図3(D)のMHP波形(重畳波)を抽出する過程を表している。
計数装置7は、フィルタ回路6−1,6−2の出力に含まれる、単位時間当たりのMHPの数をフィルタ回路6−1,6−2の各々について随時数える。図4は計数装置7の構成の1例を示すブロック図、図5は計数装置7の動作を示すフローチャートである。計数装置7は、切替スイッチ70と、周期測定部71−1,71−2と、変換部72−1,72−2とから構成される。
まず、計数装置7の切替スイッチ70は、切替時かどうかを判定し(図5ステップS100)、切替時であればフィルタ回路6−1,6−2の出力と周期測定部71−1,71−2との接続を入れ替える(ステップS101)。切替スイッチ70の切替時は、三角波の周期Tの1/2の時間毎に生じる。すなわち、切替スイッチ70は、第1の発振期間P1においてはフィルタ回路6−1の出力を周期測定部71−1の入力に接続して、フィルタ回路6−2の出力を周期測定部71−2に接続し、第2の発振期間P2においてはフィルタ回路6−2の出力を周期測定部71−1の入力に接続して、フィルタ回路6−1の出力を周期測定部71−2に接続する(ステップS101)。
つまり、周期測定部71−1には、フィルタ回路6−1又は6−2の出力のうち、発振波長が増加している方の半導体レーザ1−1又は1−2に対応する出力が常に入力され、周期測定部71−2には、フィルタ回路6−1又は6−2の出力のうち、発振波長が減少している方の半導体レーザ1−1又は1−2に対応する出力が常に入力されるようになっている。なお、現時点が第1の発振期間P1か第2の発振期間P2かはレーザドライバ4−1,4−2から通知されるようになっている。切替スイッチ70は、レーザドライバ4−1,4−2からの通知に応じて切替動作を行う。
周期測定部71−1は、第1の計数期間において切替スイッチ70からの入力の立ち上がりエッジの周期(すなわち、MHPの周期)を切替スイッチ70からの入力に立ち上がりエッジが発生する度に測定する(図5ステップS102)。同様に、周期測定部71−2は、第2の計数期間において切替スイッチ70からの入力の立ち上がりエッジの周期(MHPの周期)を切替スイッチ70からの入力に立ち上がりエッジが発生する度に測定する(ステップS102)。
ここで、図6(A)〜図6(D)を用いて第1、第2の計数期間について説明する。図6(A)、図6(B)はそれぞれ電流−電圧変換増幅器5−1,5−2の出力電圧波形を模式的に示す図、図6(C)、図6(D)はそれぞれフィルタ回路6−1,6−2の出力電圧波形を模式的に示す図である。Pn1,Pn2,Pn3,Pn4,Pn5,Pn6,Pn7,Pn8は第1の計数期間、Pm1,Pm2,Pm3,Pm4,Pm5,Pm6,Pm7,Pm8は第2の計数期間、t0a,t1,t2,t0b,t3,t4,t0c,t5,t6,t0d,t7,t8は第1の計数期間Pn(Pn1,Pn2,Pn3,Pn4,Pn5,Pn6,Pn7,Pn8)と第2の計数期間Pm(Pm1,Pm2,Pm3,Pm4,Pm5,Pm6,Pm7,Pm8)の開始又は終了の時刻である。
図6(C)、図6(D)に示すように、第1の計数期間Pn(Pn1,Pn2,Pn3,Pn4,Pn5,Pn6,Pn7,Pn8)は、フィルタ回路6−1又は6−2の出力のうち、発振波長が増加している方の半導体レーザ1−1又は1−2に対応する出力に対して設定され、第2の計数期間Pm(Pm1,Pm2,Pm3,Pm4,Pm5,Pm6,Pm7,Pm8)は、フィルタ回路6−1又は6−2の出力のうち、発振波長が減少している方の半導体レーザ1−1又は1−2に対応する出力に対して設定される。
第1の計数期間Pnと第2の計数期間Pmは、第1の発振期間P1及び第2の発振期間P2の長さ、すなわち三角波の周期Tの1/2の時間よりも短いことが好ましい。また、第1の計数期間Pnとこれに対応する第2の計数期間Pmは、時刻が一致していることが必要である。ただし、第1の計数期間Pn同士で時間が一部重なっていても構わないし、第2の計数期間Pm同士で時間が一部重なっていても構わない。
周期測定部71−1,71−2に入力されるゲート信号GSは、第1の計数期間Pn及び第2の計数期間Pmの先頭で立ち上がり、第1の計数期間Pn及び第2の計数期間Pmの終わりで立ち下がる信号である。なお、第1の計数期間Pn及び第2の計数期間Pmは、三角波駆動電流が最大となる部分(発振期間P1からP2へ切り替わる部分又はP2からP1へ切り替わる部分)を除いた期間に設定される。
次に、計数装置7の変換部72−1は、周期測定部71−1が測定したMHPの周期の平均値を第1の計数期間Pn中の単位時間当たりのMHPの数X(発振波長が増加している方の半導体レーザの干渉波形の数)に変換し、変換部72−2は、周期測定部71−2が測定したMHPの周期の平均値を第2の計数期間Pm中の単位時間当たりのMHPの数Y(発振波長が減少している方の半導体レーザの干渉波形の数)に変換する(図5ステップS103)。MHPの平均周期をTs、三角波の周波数をfとすると、単位時間当たりのMHPの数は、{2/(f×Ts)}で計算することができる。このときの単位時間は、三角波の周期Tの1/2の時間である。
計数装置7は、以上のような処理を第1、第2の計数期間Pn,Pm毎に行う。したがって、周期測定部71−1と変換部72−1の動作によってMHPの数Xが算出されると同時に、周期測定部71−2と変換部72−2の動作によってMHPの数Yが算出される、といったようにMHPの数XとYは同時に求められる。
次に、演算装置8は、半導体レーザ1−1,1−2の最小発振波長λaと最大発振波長λbとMHPの数X,Yに基づいて、測定対象11との距離及び測定対象11の速度を算出する。図7は演算装置8の構成の1例を示すブロック図、図8はこの演算装置8の動作を示すフローチャートである。演算装置8は、計数装置7によって算出されたMHPの数X,Y及び演算装置8の算出結果を記憶する記憶部80と、半導体レーザ1−1,1−2の最小発振波長λaと最大発振波長λbとMHPの数X,Yに基づいて測定対象11との距離の候補値と測定対象11の速度の候補値とを算出する距離・速度算出部81と、距離・速度算出部81の算出結果に基づいて測定対象11の状態を判定する状態判定部82と、状態判定部82の判定結果に基づいて測定対象11の速度を確定する速度確定部83と、状態判定部82の判定結果に基づいて測定対象11との距離を確定する距離確定部84とから構成される。速度確定部83と距離確定部84とは、距離・速度確定手段を構成している。
本実施の形態では、測定対象11の状態を所定の条件を満たす微小変位状態、あるいは微小変位状態よりも動きが大きい変位状態のいずれかであるとする。計数期間Pnと計数期間Pmの1期間あたりの測定対象11の平均変位をVとしたとき、微小変位状態とは(λb−λa)/λb>V/Lbを満たす状態であり、変位状態とは(λb−λa)/λb≦V/Lbを満たす状態である。ただし、Lbは第1、第2の計数期間Pn,Pmの中間の時刻における測定対象11との距離である。
まず、演算装置8の記憶部80は、計数装置7によって算出されたMHPの数X,Yを記憶する(図8ステップS201)。
続いて、演算装置8の距離・速度算出部81は、測定対象11の速度の候補値及び測定対象11との距離の候補値を算出して、算出した値を記憶部80に格納する(図8ステップS202)。
距離・速度算出部81は、第1の計数期間PnにおけるMHPの数X(t)と次の時刻の第2の計数期間Pm+1におけるMHPの数Y(t+1)に基づく時刻tからt+1における速度の第1の候補値Vα1(t,t+1)と、第2の計数期間PmにおけるMHPの数Y(t)と次の時刻の第1の計数期間Pn+1におけるMHPの数X(t+1)に基づく時刻tからt+1における速度の第2の候補値Vα2(t,t+1)と、MHPの数X(t)とY(t+1)に基づく時刻tからt+1における速度の第3の候補値Vβ3(t,t+1)と、MHPの数Y(t)とX(t+1)に基づく時刻tからt+1における速度の第4の候補値Vβ4(t,t+1)とを次式のように算出して、記憶部80に格納する(ステップS202)。
Vα1(t,t+1)=(X(t)−Y(t+1))×λb/4 ・・・(2)
Vα2(t,t+1)=(Y(t)−X(t+1))×λa/4 ・・・(3)
Vβ3(t,t+1)=(X(t)+Y(t+1))×λb/4 ・・・(4)
Vβ4(t,t+1)=(Y(t)+X(t+1))×λa/4 ・・・(5)
また、距離・速度算出部81は、第1の計数期間PnにおけるMHPの数X(t)と同時刻の第2の計数期間PmにおけるMHPの数Y(t)に基づく時刻t−1からtにおける速度の第5の候補値Vα5(t)と第6の候補値Vβ6(t)とを次式のように算出して、記憶部80に格納する(ステップS202)。
Vα5(t)=(X(t)−Y(t))×(λa+λb)/8 ・・・(6)
Vβ6(t)=(X(t)+Y(t))×(λa+λb)/8 ・・・(7)
また、距離・速度算出部81は、第1の計数期間PnにおけるMHPの数X(t)と次の時刻の第2の計数期間Pm+1におけるMHPの数Y(t+1)に基づく時刻tからt+1における距離の第1の候補値Lα1(t,t+1)と、第2の計数期間PmにおけるMHPの数Y(t)と次の時刻の第1の計数期間Pn+1におけるMHPの数X(t+1)に基づく時刻tからt+1における距離の第2の候補値Lα2(t,t+1)と、MHPの数X(t)とY(t+1)に基づく時刻tからt+1における距離の第3の候補値Lβ3(t,t+1)と、MHPの数Y(t)とX(t+1)に基づく時刻tからt+1における距離の第4の候補値Lβ4(t,t+1)とを次式のように算出して、記憶部80に格納する(ステップS202)。
Lα1(t,t+1)=λa×λb(X(t)+Y(t+1))
/(4×(λa−λb)) ・・・(8)
Lα2(t,t+1)=λa×λb(Y(t)+X(t+1))
/(4×(λa−λb)) ・・・(9)
Lβ3(t,t+1)=λa×λb(X(t)−Y(t+1))
/(4×(λa−λb)) ・・・(10)
Lβ4(t,t+1)=λa×λb(Y(t)−X(t+1))
/(4×(λa−λb)) ・・・(11)
さらに、距離・速度算出部81は、第1の計数期間PnにおけるMHPの数X(t)と同時刻の第2の計数期間PmにおけるMHPの数Y(t)に基づく時刻t−1からtにおける測定対象11との距離の第5の候補値Lα5(t)と第6の候補値Lβ6(t)とを次式のように算出して、記憶部80に格納する(ステップS202)。
Lα5(t)=λa×λb(X(t)+Y(t))/(4×(λa−λb))
・・・(12)
Lβ6(t)=λa×λb(X(t)−Y(t))/(4×(λa−λb))
・・・(13)
式(2)〜式(13)において、候補値Vα1(t,t+1),Vα2(t,t+1),Vα5(t),Lα1(t,t+1),Lα2(t,t+1),Lα5(t)は測定対象11が微小変位状態にあると仮定して計算した値であり、候補値Vβ3(t,t+1),Vβ4(t,t+1),Vβ6(t),Lβ3(t,t+1),Lβ4(t,t+1),Lβ6(t)は測定対象11が変位状態にあると仮定して計算した値である。
時刻t+1は第1の計数期間Pn+1及び第2の計数期間Pm+1の終了時刻、時刻tはPn+1,Pm+1の1回前の第1の計数期間Pn及び第2の計数期間Pmの終了時刻、時刻t−1はPn+1,Pm+1の2回前の第1の計数期間Pn−1及び第2の計数期間Pm−1の終了時刻である。X(t+1)は第1の計数期間Pn+1におけるMHPの数、X(t)は第1の計数期間PnにおけるMHPの数、Y(t+1)は第2の計数期間Pm+1におけるMHPの数、Y(t)は第2の計数期間PmにおけるMHPの数である。
例えば現時刻がt+1=t2とすれば、第1の計数期間Pn+1は図6(C)のPn2、1回前の第1の計数期間PnはPn1であり、第2の計数期間Pm+1は図6(D)のPm2、1回前の第2の計数期間PmはPm1である。また、現時刻がt+1=t3とすれば、第1の計数期間Pn+1はPn3、1回前の第1の計数期間PnはPn2であり、第2の計数期間Pm+1はPm3、1回前の第2の計数期間PmはPm2である。演算装置8は、式(2)〜式(13)の計算を計数装置7によってMHPの数が算出される時刻毎に行う。
次に、演算装置8の状態判定部82は、記憶部80に記憶されている式(2)〜式(5)の算出結果を用いて、測定対象11の状態を判定する(図8ステップS203)。状態判定部82は、Vα1(t,t+1)=Vα2(t,t+1)、すなわち式(2)と式(3)の算出結果が等しい場合、測定対象11が微小変位状態にあると判定する。また、状態判定部82は、Vβ3(t,t+1)=Vβ4(t,t+1)、すなわち式(4)と式(5)の算出結果が等しい場合、測定対象11が変位状態にあると判定する。なお、状態判定部82は、式(2)の算出結果と式(3)の算出結果との誤差が所定の誤差範囲内の場合、これらが等しいと判定する。式(4)と式(5)の算出結果が等しいかどうかについても、同様にして判定することができる。
演算装置8の速度確定部83は、状態判定部82の判定結果に基づいて測定対象11の速度の絶対値を確定する(図8ステップS204)。すなわち、速度確定部83は、測定対象11が微小変位状態にあると判定された場合、記憶部80に記憶されている速度の候補値Vα1(t,t+1)とVα2(t,t+1)との平均値を、時刻t−1からt+1における測定対象11の速度の絶対値として確定する(ステップS204)。
また、速度確定部83は、測定対象11が変位状態にあると判定された場合、記憶部80に記憶されている速度の候補値Vβ3(t,t+1)とVβ4(t,t+1)との平均値を、時刻t−1からt+1における測定対象11の速度の絶対値として確定する(ステップS204)。
このように、式(2)と式(3)の算出結果の平均値、あるいは式(4)と式(5)の算出結果の平均値を用いることで、耐ノイズ性を向上させることができる。なお、耐ノイズ性には劣るが、速度確定部83は、測定対象11が微小変位状態にあると判定された場合、速度の候補値Vα1(t,t+1)とVα2(t,t+1)のいずれか一方を測定対象11の速度の絶対値として確定してもよいし、測定対象11が変位状態にあると判定された場合、速度の候補値Vβ3(t,t+1)とVβ4(t,t+1)のいずれか一方を測定対象11の速度の絶対値として確定してもよい。
なお、速度確定部83は、測定対象11が微小変位状態にあると判定された場合、記憶部80に記憶されている速度の候補値Vα5(t)を時刻t−1からtにおける測定対象11の速度の絶対値として確定するようにしてもよい(ステップS204)。また、速度確定部83は、測定対象11が変位状態にあると判定された場合、記憶部80に記憶されている速度の候補値Vβ6(t)を時刻t−1からtにおける測定対象11の速度の絶対値として算出するようにしてもよい(ステップS204)。
式(2)〜式(5)の算出結果を用いる場合よりも、式(6)あるいは式(7)を用いた方がより正確な速度を算出することができる。
次に、速度確定部83は、以下の式(14)、式(15)を算出して、測定対象11の速度の方向を確定する(図8ステップS205)。
ΣX=X(t)+X(t+1) ・・・(14)
ΣY=Y(t)+Y(t+1) ・・・(15)
速度確定部83は、式(14)のΣXと式(15)のΣYの大小を比較し、ΣYよりもΣXが大きい場合は測定対象11が距離・速度計に近づきつつあると判定し、ΣXよりもΣYが大きい場合は測定対象11が距離・速度計から遠ざかりつつあると判定する。
なお、速度確定部83は、ステップS204において式(2)〜式(5)の算出結果を用いる代わりに式(6)あるいは式(7)の算出結果を用いて速度の絶対値を確定する場合は、MHPの数X(t)とY(t)の大小を比較し、Y(t)よりもX(t)が大きい場合は測定対象11が距離・速度計に近づきつつあると判定し、X(t)よりもY(t)が大きい場合は測定対象11が距離・速度計から遠ざかりつつあると判定する(ステップS205)。
次に、距離確定部84は、状態判定部82の判定結果に基づいて測定対象11との距離を確定する(図8ステップS206)。すなわち、距離確定部84は、測定対象11が微小変位状態にあると判定された場合、記憶部80に記憶されている距離の候補値Lα1(t,t+1)とLα2(t,t+1)との平均値を、時刻t−1からt+1における測定対象11との平均距離として確定する(ステップS206)。
また、距離確定部84は、測定対象11が変位状態にあると判定された場合、記憶部80に記憶されている距離の候補値Lβ3(t,t+1)とLβ4(t,t+1)との平均値を、時刻t−1からt+1における測定対象11との平均距離として確定する(ステップS206)。なお、耐ノイズ性には劣るが、距離確定部84は、測定対象11が微小変位状態にあると判定された場合、距離の候補値Lα1(t,t+1)とLα2(t,t+1)のいずれか一方を測定対象11との距離として確定してもよいし、測定対象11が変位状態にあると判定された場合、距離の候補値Lβ3(t,t+1)とLβ4(t,t+1)のいずれか一方を測定対象11との距離として確定してもよい。
なお、距離確定部84は、測定対象11が微小変位状態にあると判定された場合、記憶部80に記憶されている距離の候補値Lα5(t)を時刻t−1からtにおける測定対象11との平均距離として確定するようにしてもよい(ステップS206)。また、距離確定部84は、測定対象11が変位状態にあると判定された場合、記憶部80に記憶されている距離の候補値Lβ6(t)を時刻t−1からtにおける測定対象11との平均距離として確定するようにしてもよい(ステップS206)。
式(8)〜式(11)の算出結果を用いる場合よりも、式(12)あるいは式(13)を用いた方がより正確な距離を算出することができる。
演算装置8は、以上のようなステップS201〜S206の処理を例えばユーザから計測終了の指示があるまで(図8ステップS207においてYES)、計数装置7によってMHPの数が算出される時刻毎に行う。
表示装置9は、演算装置8によって算出された測定対象11との距離及び測定対象11の速度をリアルタイムで表示する。
一方、振幅調整装置10は、演算装置8の状態判定部82の判定結果を用いて、半導体レーザ1−1,1−2の三角波駆動電流の振幅が適切になるようにレーザドライバ4−1,4−2を制御する。
本実施の形態のように複数の半導体レーザ1−1,1−2を用いる距離・速度計では、半導体レーザ1−1,1−2の波長変化量の絶対値に差異が存在すると、測定値に誤差を生じる。図9(A)〜図9(C)は半導体レーザ1−1,1−2の波長変化の切り替わりに伴うMHPの数X,Yの変化を説明するための図であり、図9(A)は半導体レーザ1−1,1−2の発振波長の時間変化を示す図、図9(B)は半導体レーザ1−1,1−2の波長変化量の絶対値が等しい場合のMHPの数X,Yの変化を示す図、図9(C)は半導体レーザ1−1,1−2の波長変化量の絶対値に差異がある場合のMHPの数X,Yの変化を示す図である。図9(A)〜図9(C)において、LD1は半導体レーザ1−1の発振波形、LD2は半導体レーザ1−2の発振波形、X1,X2はそれぞれ発振波長が増加している場合の半導体レーザ1−1,1−2のMHPの数、Y1,Y2はそれぞれ発振波長が減少している場合の半導体レーザ1−1,1−2のMHPの数である。
半導体レーザ1−1,1−2の波長変化量の絶対値が等しい場合、図9(B)に示すように半導体レーザ1−1,1−2の発振波長が増加から減少へ、あるいは減少から増加へ切り替わるタイミングSW1,SW2,SW3の前後においてもMHPの数X,Yの各々は連続性を保つが、半導体レーザ1−1,1−2の波長変化量の絶対値に差異が存在すると、図9(C)に示すようにMHPの数X,Yの各々は連続性を失ってしまう。
そこで、本実施の形態の振幅調整装置10は、演算装置8の距離・速度算出部81が算出した速度の候補値Vα1(t,t+1),Vα2(t,t+1),Vβ3(t,t+1),Vβ4(t,t+1)のうち、状態判定部82の判定結果から速度確定部83が真値でないと判断して採用しなかった方の速度の候補値を用いて振幅調整を行う。測定対象11が微小変位状態で運動をしていると判定された場合、速度確定部83が採用しなかった方の速度の候補値はVβ3(t,t+1)とVβ4(t,t+1)との平均値であり、測定対象11が変位状態で運動をしていると判定された場合、速度確定部83が採用しなかった方の速度の候補値はVα1(t,t+1)とVα2(t,t+1)との平均値である。
振幅調整装置10は、速度確定部83が採用しなかった方の速度の候補値Vα1(t,t+1)とVα2(t,t+1)との平均値あるいはVβ3(t,t+1)とVβ4(t,t+1)との平均値が、距離確定部84が真値であると判断して採用した方の距離の候補値Lα1(t,t+1)とLα2(t,t+1)との平均値あるいはLβ3(t,t+1)とLβ4(t,t+1)との平均値に半導体レーザ1−1,1−2の波長変化率(λb−λa)/λbを掛けた値と略等しくなるように、レーザドライバ4−1,4−2を通じて三角波駆動電流の振幅を調整する。このとき、レーザドライバ4−1から半導体レーザ1−1に供給する駆動電流とレーザドライバ4−2から半導体レーザ1−2に供給する駆動電流の両方を振幅調整してもよいし、どちらか一方を調整してもよい。測定対象11が微小変位状態にあると判定された場合、距離確定部84が採用した方の距離の候補値はLα1(t,t+1)とLα2(t,t+1)との平均値であり、測定対象11が変位状態にあると判定された場合、距離確定部84が採用した方の距離の候補値はLβ3(t,t+1)とLβ4(t,t+1)との平均値である。
図10はレーザドライバ4−1,4−2から半導体レーザ1−1,1−2に供給される三角波駆動電流の振幅の調整方法を説明するための図である。振幅調整装置10からの指示に応じて、レーザドライバ4−1,4−2は、駆動電流の最大値を一定値(図10の例では半導体レーザ1−1,1−2によって規定される駆動電流の上限値CL)に固定したまま、駆動電流の最小値を大きくするか或いは小さくすることで、駆動電流の振幅AMPを調整する。こうして、駆動電流の振幅を適切な値に設定することができる。
本実施の形態のように、三角波駆動電流の振幅を調整することにより、半導体レーザ1−1,1−2の波長変化量の絶対値を等しくすることができ、距離及び速度の測定誤差を低減することができる。
なお、速度確定部83が式(2)〜式(5)の算出結果を用いる代わりに式(6)あるいは式(7)の算出結果を用いて速度の絶対値を確定する場合、振幅調整装置10は、速度確定部83が真値でないと判断して採用しなかった方の速度の候補値Vα5(t)あるいはVβ6(t)が、距離確定部84が真値であると判断して採用した方の距離の候補値Lα5(t)あるいはLβ6(t)に半導体レーザ1−1,1−2の波長変化率(λb−λa)/λbを掛けた値と略等しくなるように、三角波駆動電流の振幅を調整する。測定対象11が微小変位状態で運動をしていると判定された場合、速度確定部83が採用しなかった方の速度の候補値はVβ6(t)であり、測定対象11が変位状態で運動をしていると判定された場合、速度確定部83が採用しなかった方の速度の候補値はVα5(t)である。測定対象11が微小変位状態にあると判定された場合、距離確定部84が採用した方の距離の候補値はLα5(t)であり、測定対象11が変位状態にあると判定された場合、距離確定部84が採用した方の距離の候補値はLβ6(t)である。
また、振幅調整装置10は、状態判定部82の判定結果から速度確定部83が真値であると判断して採用した方の速度の候補値Vα1(t,t+1)とVα2(t,t+1)との平均値あるいはVβ3(t,t+1)とVβ4(t,t+1)との平均値が、半導体レーザ1−1,1−2の波長変化が切り替わるタイミングの前後において連続性を保つように、レーザドライバ4−1,4−2を通じて三角波駆動電流の振幅を調整してもよい。また、速度確定部83が式(2)〜式(5)の算出結果を用いる代わりに式(6)あるいは式(7)の算出結果を用いて速度の絶対値を確定する場合、振幅調整装置10は、速度確定部83が真値であると判断して採用した方の速度の候補値Vα5(t)あるいはVβ6(t)が、半導体レーザ1−1,1−2の波長変化が切り替わるタイミングの前後において連続性を保つように、三角波駆動電流の振幅を調整してもよい。
なお、現時点が第1の発振期間P1か第2の発振期間P2かはレーザドライバ4−1,4−2から通知され、半導体レーザ1−1,1−2の波長変化が切り替わるタイミングもレーザドライバ4−1,4−2から通知されるようになっている。振幅調整装置10は、レーザドライバ4−1,4−2からの通知に応じて動作を行う。
また、振幅調整装置10は、状態判定部82の判定結果から距離確定部84が真値であると判断して採用した方の距離の候補値Lα1(t,t+1)とLα2(t,t+1)との平均値あるいはLβ3(t,t+1)とLβ4(t,t+1)との平均値が、半導体レーザ1−1,1−2の波長変化が切り替わるタイミングの前後において連続性を保つように、三角波駆動電流の振幅を調整してもよい。また、距離確定部84が式(8)〜式(11)の算出結果を用いる代わりに式(12)あるいは式(13)の算出結果を用いて距離を確定する場合、振幅調整装置10は、距離確定部84が真値であると判断して採用した方の距離の候補値Lα5(t)あるいはLβ6(t)が、半導体レーザ1−1,1−2の波長変化が切り替わるタイミングの前後において連続性を保つように、三角波駆動電流の振幅を調整してもよい。
半導体レーザ1−1,1−2の波長変化が切り替わるタイミングの前後において速度あるいは距離の算出結果に連続性を持たせるには、例えば最小二乗法を用いればよい。また、振幅調整装置10は、図11に示すように、速度(あるいは距離)の算出結果を結んだ特性線VLを半導体レーザ1−1,1−2の波長変化が切り替わるタイミングSWの後まで延長し、この延長線に対する所定の範囲ER内に、タイミングSWの後の最初の速度(あるいは距離)の算出結果VVが含まれるように、三角波駆動電流の振幅を調整してもよい。
以上のように、本実施の形態では、半導体レーザ1−1,1−2に発振波長が連続的に増加する第1の発振期間と発振波長が連続的に減少する第2の発振期間とを交互に繰り返させ、フォトダイオード2−1,2−2の出力信号に含まれるMHPの数を、フォトダイオード2−1と2−2の各々について数え、この計数結果と半導体レーザ1−1,1−2の最小発振波長λaと最大発振波長λbとから、測定対象11との距離及び測定対象11の速度を算出することができる。その結果、本実施の形態では、(a)装置を小型化することができ、(b)高速の回路が不要で、(c)外乱光に強く、(d)測定対象を選ばないといった従来の自己結合型のレーザ計測器の利点を活かしつつ、測定対象11との距離だけでなく、測定対象11の速度も計測することができる。また、本実施の形態によれば、測定対象11が等速度運動しているか等速度運動以外の運動をしているかを判定することができる。
また、本実施の形態では、発振波長の増減が逆になる半導体レーザ1−1,1−2から互いに平行なレーザ光を測定対象11に同時に放射させ、第1の発振期間及び第2の発振期間よりも短い第1の計数期間Pnにおいてフォトダイオード2−1又は2−2の出力に含まれるMHPの数Xを求め、第1の計数期間Pnと同じ時刻の第2の計数期間Pmにおいてフォトダイオード2−2又は2−1の出力に含まれるMHPの数Yを求めることにより、特許文献1に開示された距離・速度計よりも短い時間で距離と速度を測定することができる。特許文献1に開示された距離・速度計では、例えば第1の発振期間t−1と第2の発振期間tと第1の発振期間t+1の少なくとも3回にわたってMHPの数を数える必要があるが、本実施の形態では、例えば第1の計数期間Pn1及び第2の計数期間PmでMHPの数X,Yを1回数え、さらに第1の計数期間Pn2及び第2の計数期間Pm2でMHPの数X,Yを1回数えればよく、計2回にわたってMHPの数を数えることで距離と速度を求めることができる。
また、本実施の形態では、半導体レーザ1−1,1−2の波長変化量の絶対値を等しくすることにより、距離及び速度の測定精度を向上させることができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態においても、距離・速度計の全体の構成は第1の実施の形態と同様であるので、図1の符号を用いて説明する。図12は本発明の第2の実施の形態における計数装置7の構成の1例を示すブロック図、図13はこの計数装置7の動作を示すフローチャートである。本実施の形態の計数装置7は、切替スイッチ70aと、判定部73−1,73−2と、論理積演算部(AND)74−1,74−2と、カウンタ75−1,75−2と、計数結果補正部76−1,76−2と、記憶部77と、周期和算出部78−1,78−2と、個数算出部79−1,79−2とから構成される。
図14は計数結果補正部76−1の構成の1例を示すブロック図である。計数結果補正部76−1は、周期測定部760と、度数分布作成部761と、中央値算出部762と、補正値算出部763とから構成される。計数結果補正部76−2の構成は、計数結果補正部76−1と同じなので、説明は省略する。
図15(A)〜図15(F)は本実施の形態の計数装置7の動作を説明するための図であり、図15(A)はフィルタ回路6−1,6−2の出力電圧の波形、すなわちMHPの波形を模式的に示す図、図15(B)は図15(A)に対応する判定部73−1,73−2の出力を示す図、図15(C)は計数装置7に入力されるゲート信号GSを示す図、図15(D)は図15(B)に対応するカウンタ75−1の計数結果を示す図、図15(E)は計数装置7に入力されるクロック信号CLKを示す図、図15(F)は図15(B)に対応する計数結果補正部76−1の周期測定部760の測定結果を示す図である。なお、図15(A)〜図15(F)では、半導体レーザ1−1の発振波長が増加し、半導体レーザ1−2の発振波長が減少する第1の発振期間P1についての動作を示している。
まず、計数装置7の切替スイッチ70aは、切替時かどうかを判定し(図13ステップS300)、切替時であればフィルタ回路6−1,6−2の出力と判定部73−1,73−2との接続を入れ替える(ステップS301)。切替スイッチ70aの切替時は、三角波の周期Tの1/2の時間毎に生じる。すなわち、切替スイッチ70aは、第1の発振期間P1においてはフィルタ回路6−1の出力を判定部73−1の入力に接続して、フィルタ回路6−2の出力を判定部73−2に接続し、第2の発振期間P2においてはフィルタ回路6−2の出力を判定部73−1の入力に接続して、フィルタ回路6−1の出力を判定部73−2に接続する(ステップS301)。
つまり、判定部73−1には、フィルタ回路6−1又は6−2の出力のうち、発振波長が増加している方の半導体レーザ1−1又は1−2に対応する出力が常に入力され、判定部73−2には、フィルタ回路6−1又は6−2の出力のうち、発振波長が減少している方の半導体レーザ1−1又は1−2に対応する出力が常に入力されるようになっている。なお、現時点が第1の発振期間P1か第2の発振期間P2かはレーザドライバ4−1,4−2から通知されるようになっている。切替スイッチ70aは、レーザドライバ4−1,4−2からの通知に応じて切替動作を行う。
計数装置7の判定部73−1は、図15(A)に示すフィルタ回路6−1又は6−2の出力電圧がハイレベル(H)かローレベル(L)かを判定して、図15(B)のような判定結果を出力する。このとき、判定部73−1は、フィルタ回路6−1又は6−2の出力電圧が上昇してしきい値TH1以上になったときにハイレベルと判定し、フィルタ回路6−1又は6−2の出力電圧が下降してしきい値TH2(TH2<TH1)以下になったときにローレベルと判定することにより、フィルタ回路6−1又は6−2の出力を2値化する(図13ステップS302)。同様に、判定部73−2は、フィルタ回路6−2又は6−1の出力を2値化する(ステップS302)。
AND74−1は、判定部73−1の出力と図15(C)のようなゲート信号GSとの論理積演算の結果を出力し、カウンタ75−1は、図15(D)に示すようにAND74−1の出力の立ち上がりをカウントする(図13ステップS303)。同様に、AND74−2は、判定部73−2の出力とゲート信号GSとの論理積演算の結果を出力し、カウンタ75−2は、AND74−2の出力の立ち上がりをカウントする(ステップS303)。ここで、ゲート信号GSは、第1の計数期間Pn及び第2の計数期間Pmの先頭で立ち上がり、第1の計数期間Pn及び第2の計数期間Pmの終わりで立ち下がる信号である。したがって、カウンタ75−1,75−2は、第1、第2の計数期間Pn,Pm中のAND74−1,74−2の出力の立ち上がりエッジの数(すなわち、MHPの立ち上がりエッジの数)を数えることになる。第1の計数期間Pn及び第2の計数期間Pmの定義は、図6(A)〜図6(D)で説明したとおりである。
一方、計数結果補正部76−1の周期測定部760は、第1の計数期間Pn中のAND74−1の出力の立ち上がりエッジの周期(すなわち、MHPの周期)をAND74−1の出力に立ち上がりエッジが発生する度に測定する(図13ステップS304)。このとき、周期測定部760は、図15(E)に示すクロック信号CLKの周期を1単位としてMHPの周期を測定する。図15(F)の例では、周期測定部760は、MHPの周期としてTα,Tβ,Tγを順次測定している。図15(E)、図15(F)から明らかなように、周期Tα,Tβ,Tγの大きさは、それぞれ5クロック、4クロック、2クロックである。クロック信号CLKの周波数は、MHPの取り得る最高周波数に対して十分に高いものとする。
同様に、計数結果補正部76−2の周期測定部760は、第2の計数期間Pm中のAND74−2の出力の立ち上がりエッジの周期(MHPの周期)をAND74−2の出力に立ち上がりエッジが発生する度に測定する(ステップS304)。
記憶部77は、カウンタ75−1,75−2の計数結果と計数結果補正部76−1,76−2のそれぞれの周期測定部760の測定結果を記憶する。
ゲート信号GSが立ち下がり、第1の計数期間Pnが終了した後、計数結果補正部76−1の度数分布作成部761は、記憶部77に記憶された、計数結果補正部76−1の周期測定部760の測定結果から第1の計数期間Pn中のMHPの周期の度数分布を作成する(図13ステップS305)。同様に、第2の計数期間Pmが終了した後、計数結果補正部76−2の度数分布作成部761は、計数結果補正部76−2の周期測定部760の測定結果から第2の計数期間Pm中のMHPの周期の度数分布を作成する(ステップS305)。なお、nが小さいときは中央値を求めるための度数が少なく、中央値を求める精度が低下するため、第1の計数期間Pn中のMHPの周期の中央値を求めるときの度数分布は、Pnよりも以前の周期も用いると連続したノイズに強くなる。
続いて、計数結果補正部76−1の中央値算出部762は、計数結果補正部76−1の度数分布作成部761が作成した度数分布から、第1の計数期間Pn中のMHPの周期の中央値(メジアン)T0を算出する(図13ステップS306)。同様に、計数結果補正部76−2の中央値算出部762は、計数結果補正部76−2の度数分布作成部761が作成した度数分布から、第2の計数期間Pm中のMHPの周期の中央値T0を算出する(ステップS306)。
計数結果補正部76−1の補正値算出部763は、計数結果補正部76−1の度数分布作成部761が作成した度数分布から、第1の計数期間Pn中の周期の中央値T0の0.5倍以下である階級の度数の総和Nsと、第1の計数期間Pn中の周期の中央値T0の1.5倍以上である階級の度数の総和Nwとを求め、カウンタ75−1の計数結果を次式のように補正する(図13ステップS307)。
N’=N+Nw−Ns ・・・(16)
式(16)において、Nはカウンタ75−1の計数結果であるMHPの数、N’は補正後の計数結果である。
同様に、計数結果補正部76−2の補正値算出部763は、計数結果補正部76−2の度数分布作成部761が作成した度数分布から、第2の計数期間Pm中の周期の中央値T0の0.5倍以下である階級の度数の総和Nsと、第2の計数期間Pm中の周期の中央値T0の1.5倍以上である階級の度数の総和Nwとを求め、カウンタ75−2の計数結果Nを式(16)のように補正する(ステップS307)。
図16にMHPの周期の度数分布の1例を示す。図16において、TsはMHPの周期の中央値T0の0.5倍の階級値、Twは中央値T0の1.5倍の階級値である。図16における階級が、MHPの周期の代表値であることは言うまでもない。なお、図16では記載を簡略化するために、中央値T0とTsとの間、及び中央値T0とTwとの間の度数分布を省略している。
図17はカウンタ75−1,75−2の計数結果の補正原理を説明するための図であり、図17(A)はフィルタ回路6−1の出力電圧の波形、すなわちMHPの波形を模式的に示す図、図17(B)は図17(A)に対応するカウンタ75−1の計数結果を示す図である。
本来、MHPの周期は測定対象11との距離によって異なるが、測定対象11との距離が不変であれば、MHPは同じ周期で出現する。しかし、ノイズのために、MHPの波形には欠落が生じたり、信号として数えるべきでない波形が生じたりして、MHPの数に誤差が生じる。
信号の欠落が生じると、欠落が生じた箇所でのMHPの周期Twは、本来の周期のおよそ2倍になる。つまり、MHPの周期が中央値T0のおよそ2倍以上の場合には、信号に欠落が生じていると判断できる。そこで、周期Tw以上の階級の度数の総和Nwを信号が欠落した回数と見なし、このNwをカウンタ75−1の計数結果Nに加算することで、信号の欠落を補正することができる。
また、ノイズをカウントした箇所でのMHPの周期Tsは、本来の周期のおよそ0.5倍になる。つまり、MHPの周期が中央値のおよそ0.5倍以下の場合には、信号を過剰に数えていると判断できる。そこで、周期Ts以下の階級の度数の総和Nsを信号を過剰に数えた回数と見なし、このNsをカウンタ75−1の計数結果Nから減算することで、誤って数えたノイズを補正することができる。
以上が、式(16)に示した計数結果の補正原理である。カウンタ75−2の計数結果も同じ原理で補正できる。なお、本実施の形態では、Tsを周期の中央値T0の0.5倍の値とし、Twを中央値T0の2倍の値とせずに、1.5倍の値としているが、1.5倍とした理由については後述する。
次に、計数装置7の周期和算出部78−1は、記憶部77に記憶された、計数結果補正部76−1の周期測定部760の測定結果から第1の計数期間Pn中のMHPの周期の総和Sumを算出する(図13ステップS308)。同様に、周期和算出部78−2は、計数結果補正部76−2の周期測定部760の測定結果から第2の計数期間Pm中のMHPの周期の総和Sumを算出する(ステップS308)。
計数装置7の個数算出部79−1は、第1の計数期間Pn中の単位時間当たりのMHPの数X(発振波長が増加している方の半導体レーザの干渉波形の数)を算出し、個数算出部79−2は、第2の計数期間Pm中の単位時間当たりのMHPの数Y(発振波長が減少している方の半導体レーザの干渉波形の数)を算出する(図13ステップS309)。個数算出部79−1は、計数結果補正部76−1の補正値算出部763によって算出された補正後の計数結果N’を周期和算出部78−1によって算出された第1の計数期間中のMHPの周期の総和Sumで割ることにより、第1の計数期間Pn中の単位時間当たりのMHPの数Xを算出する。
X=N’/Sum ・・・(17)
同様に、個数算出部79−2は、計数結果補正部76−2の補正値算出部763によって算出された補正後の計数結果N’を周期和算出部78−2によって算出された第2の計数期間中のMHPの周期の総和Sumで割ることにより、第2の計数期間Pm中の単位時間当たりのMHPの数Yを算出する。
計数装置7は、以上のような処理を第1、第2の計数期間Pn,Pm毎に行う。したがって、判定部73−1、AND74−1、カウンタ75−1、計数結果補正部76−1、記憶部77、周期和算出部78−1及び個数算出部79−1の動作によってMHPの数Xが算出されると同時に、判定部73−2、AND74−2、カウンタ75−2、計数結果補正部76−2、記憶部77、周期和算出部78−2及び個数算出部79−2の動作によってMHPの数Yが算出される、といったようにMHPの数XとYは同時に求められる。
計数装置7以外の構成は、第1の実施の形態と同じである。本実施の形態では、計数期間中のMHPの周期を測定し、この測定結果から計数期間中のMHPの周期の度数分布を作成し、度数分布からMHPの周期の中央値を算出し、度数分布から、中央値の0.5倍以下である階級の度数の総和Nsと、中央値の1.5倍以上である階級の度数の総和Nwとを求め、これらの度数NsとNwに基づいてカウンタの計数結果を補正することにより、MHPの計数誤差を補正することができるので、第1の実施の形態に比べて距離及び速度の測定精度を向上させることができる。
次に、本実施の形態において、MHPの基準周期として周期の度数分布の中央値を用いる理由、及び度数Nwを求める際の周期のしきい値を中央値の1.5倍とする理由について説明する。
最初に、誤ってノイズを数えてしまったために、MHPの周期が2分割された場合の計数結果の補正について説明する。半導体レーザの発振波長変化が線形である場合、MHPの周期は計数期間をMHPの数Nで除算したT0を中心にして正規分布する(図18)。
次に、ノイズによって2分割されたMHPの周期を考える。ノイズを過剰に数えた結果として2分割されたMHPの周期は、ランダムな割合で2分割されるが、分割される前の周期がT0を中心とした正規分布であるために、0.5T0に対して対称な度数分布になる(図19のa)。
このノイズを含むMHPの周期の度数分布について、MHPのk%がノイズによって周期が2分割されたと仮定したとき、MHPの周期の平均値及び中央値を算出する。
全ての周期の和は常に計数期間であり、変化はないが、MHPのk%がノイズによって周期が2分割されると、度数の積分値は(1+k[%])Nになるため、MHPの周期の平均値は(1/(1+k[%]))T0になる。
一方、ノイズの分布で正規分布に重なったところを無視した場合、2分割されたノイズの累積度数は中央値とT0との間の階級に含まれる度数の2倍になるため、MHPの周期の中央値は図20のbの面積がaの面積の2倍になる位置になる。
マイクロソフト社のソフトウェアであるExcel(登録商標)に、正規分布の平均値からασ間の両側値の内部割合が「(1−(1−NORMSDIST(α))*2)*100[%]」で表現できるNORMSDIST()という関数があり、この関数を利用すると、MHPの周期の中央値を以下の式で表すことができる。
(1−(1−NORMSDIST((中央値−T0)/σ))*2)
*(100−k)/2=k[%] ・・・(18)
以上をもとに、標準偏差σを0.02T0とし、MHPの10%がノイズによって周期が2分割されたとしたときのMHPの周期の平均値T0’及び中央値T0’を算出すると、以下のようになる。
T0’=(1/(1+0.1))T0=0.91T0 ・・・(19)
T0’=0.995T0 ・・・(20)
なお、ここでは平均値、中央値共にT0’で表すものとする。カウンタ値(度数の積分値)は、1.1Nとなり、カウント誤差は10%となる。
ここで、ある周期TaのMHPが2分割された後の2つの周期T1,T2(T1≧T2とする)のとり得る期間の確率を考える。ノイズはランダムに生じると仮定すると、図21に示すようにT2は0<T2≦Ta/2の値を同じ確率でとり得る。T1も同様にT/2≦T1<Taの値を同じ確率でとり得る。図21におけるT1の取り得る確率分布の面積とT2の取り得る確率分布の面積は共に1である。
周期TaはT0を中心とした正規分布をしているので、Taを集合としてとらえると、T2のとり得る確率の度数分布は、平均値が0.5T0、標準偏差0.5σの正規分布の累積度数分布と同じ形状になる。
また、図22に示すように、T1のとり得る確率の度数分布は平均値が0.5T0、標準偏差0.5σの正規分布の累積度数分布と平均値がT0、標準偏差σの正規分布の累積度数分布を重ねたような形状になる。ここで、T1、T2それぞれの数は、周期が2分割されたMHPの数k[%]・Nに等しい。
ノイズによって周期が2分割されたMHPの数k[%]・Nを数えることができれば、以下の式を用いてMHPの数Nを導出することができる。
N=N’−k[%]・N ・・・(21)
図23に示すように、Tb以下の周期を持つMHPの数Nsが2分割されたMHPの数k[%]・Nと等しくなるようにTbを設定することができれば、Tb以下の周期を持つMHPの数Nsを数えることで、周期が2分割されたMHPの数k[%]・Nを間接的に数えることができる。
図23において、Tb以上の周期を持つMHPの周期T2の度数(図23のc)とTb未満の周期を持つMHPの周期T1の度数(図23のd)が同じになるとき、Tb以下の周期を持つMHPの数は、T2の数、つまり周期が2分割されたMHPの数Ns(=k[%]・N)と等しくなる。つまり、MHPの数Nは以下の式で表すことができる。
N=N’−k[%]・N=N’−Ns ・・・(22)
T1及びT2の度数形状は、0.5Taで対称の形状であるため、0.5Taをしきい値にして判断すると、周期が2分割されたMHPの度数Ns(=k[%]・N)を正確に数えることができる。
次に、0.5T0以下の周期を持つMHPの数を数えることで、周期が2分割されたMHPの数k[%]・Nの数を間接的に数えることができるが、ノイズを含むMHPの周期の度数分布(図19)からは、T0を算出することができない。MHPの母集団が図19の度数分布のように最頻値(モード)がT0と等しくなるほど理想的でかつ母数が大きければ、最頻値をT0’として用いることができる。
ここでは、平均値又は中央値T0’を用いたMHPの数k[%]・Nの計数について記載する。T0’=y・T0で表し、T0の代わりにT0’を代入してNsを求めると、周期が2分割されたMHPの数として判断する0.5T0’よりも小さな周期の度数Ns’は、y・k[%]・Nになる(図24)。
平均値又は中央値T0’を用いた場合、補正後のカウント値Ntは以下のように表される。
Nt=N’−Ns’=(1+k[%])N−yk[%]N
=(1+(1−y)k[%])N=N+(1−y)k[%]N ・・(23)
なお、補正後の誤差である(1−y)k[%]Nは、図25のeの部分の度数である。
ここで、平均値又は中央値T0’を用いたカウンタ75−1,75−2の計数結果の補正例について説明する。
標準偏差をσ=0.02T0とし、MHPの10%がノイズによって周期が2分割されたとすると(計数結果は10%の誤差)、MHPの周期の平均値T0’は0.91T0、中央値T0’は0.9949T0であるから、平均値T0’を用いる場合のyは0.91、中央値T0’を用いる場合のyは0.9949であり、補正後の計数結果N’は以下のように算出される。
N’=(1+0.1(1−0.91))N=1.009N ・・・(24)
N’=(1+0.1(1−0.995))N=1.0005N ・・・(25)
式(24)は平均値T0’を用いた場合の補正後の計数結果N’を示し、式(25)は中央値T0’を用いた場合の補正後の計数結果N’を示している。平均値T0’を用いた場合の計数結果N’の誤差は0.9%であり、中央値T0’を用いた場合の計数結果N’の誤差は0.05%である。
次に、標準偏差をσ=0.05T0とし、MHPの20%がノイズによって周期が2分割されたとすると(計数結果は20%の誤差)、MHPの周期の平均値T0’は0.83T0、中央値T0’は0.9682T0であるから、平均値T0’を用いる場合のyは0.83、中央値T0’を用いる場合のyは0.968であり、補正後の計数結果N’は以下のように算出される。
N’=(1+0.2(1−0.83))N=1.034N ・・・(26)
N’=(1+0.2(1−0.968))N=1.0064N ・・・(27)
式(26)は平均値T0’を用いた場合の補正後の計数結果N’を示し、式(27)は中央値T0’を用いた場合の補正後の計数結果N’を示している。平均値T0’を用いた場合の計数結果N’の誤差は3.4%であり、中央値T0’を用いた場合の計数結果N’の誤差は0.64%である。
以上のことから、MHPの周期の中央値を使用して計数結果Nを補正すれば、補正後の計数結果N’の誤差を小さくできることが分かる。
次に、MHPの波形に欠落が生じた場合の計数結果の補正について説明する。MHPの強度が小さいために計数時に欠落が生じた場合のMHPの周期は、本来のMHPの周期がT0を中心とした正規分布であるために、平均値が2T0、標準偏差2σの正規分布(図26のf)になる。j[%]のMHPが欠落したとすると、この欠落によって周期が2倍になったMHPの周期の度数はNw(=j[%]・N)である。また、計数時の欠落によって減少した後のおおよそT0の周期の度数は、図26に示すgであり、図26のhに示す度数の減少分は2Nw(=2j[%])である。したがって、計数時にMHPの欠落が生じなかった場合の本来のMHPの数N’は以下の式で表すことができる。
N’=N+j[%]=N+Nw ・・・(28)
次に、計数結果を補正するためのNwを数える際の周期のしきい値について考える。ここで、計数時の欠落によって周期が2倍になったMHPの周期の度数Nwのうちノイズによってp[%]が2分割された場合を仮定する。欠落したMHPのうち2分割されたMHPの周期の度数は、Nw’(=j・p[%]・N)である。再度2分割されたMHPの周期の度数分布は、図27のようになる。Nwとみなす周期のしきい値を1.5T0にすると、周期が0.5T0以下のMHPの周期の度数は0.5Nw’(=0.5p[%]・Nw)、周期が0.5T0から1.5T0までのMHPの周期の度数はNw’(=p[%]・Nw)、周期が1.5T0以上のMHPの周期の度数は0.5Nw’(=0.5p[%]・Nw)となる。
よって、全てのMHPの周期の度数分布は図28のようになり、Nsのしきい値を0.5T0、Nwのしきい値を1.5T0にすると、計数結果Nは以下の式で表すことができる。
N=(N’−2Nw)+(Nw−Nw’)+2Nw’=N’−Nw+Nw’
・・・(29)
式(29)より補正された結果は以下のようになり、計数時にMHPの欠落が生じなかった場合の本来のMHPの数N’が算出されることが分かる。
N−0.5Nw’+(0.5Nw’+(Nw−Nw’))
=(N−Nw+Nw’)+(0.5Nw’+(Nw−Nw’))
=N’ ・・・(30)
以上のことから、度数Nwを求める際の周期のしきい値を中央値の1.5倍とすれば、計数結果Nを補正できることが分かる。なお、ノイズによってMHPの周期が2分割された場合と同様に、T0の代わりに中央値を用いて補正するため、同様の誤差が生じる。
以上の説明では、ノイズを過剰に数えた結果MHPの周期が2分割された場合と計数時の欠落によってMHPの周期が2倍になった場合を別々に説明したが、これらは独立して生じるため、これらの場合を1つの度数分布に表現すると、図29のようになる。Nsのしきい値を0.5T0、Nwのしきい値を1.5T0にすると、計数結果Nは以下の式で表すことができる。
N=(N’−2Nw−Ns)+(Nw−Nw’)+2Nw’+2Ns
=N’−Nw+Nw’+Ns ・・・(31)
式(31)より補正された結果は以下のようになり、計数時に欠落や過剰な計数が生じなかった場合の本来のMHPの数N’が算出されることが分かる。
N−{0.5Nw’+Ns}+{0.5Nw’+(Nw−Nw’)}
={N−Nw+Nw’+Ns}−{0.5Nw’+Ns}
+{0.5Nw’+(Nw−Nw’)}
=N’ ・・・(32)
なお、本実施の形態では、MHPの欠落の補正については、1個の欠落によってMHPの周期が本来の周期のおよそ2倍になった場合について説明しているが、連続して2個以上の欠落が生じた場合にも本発明を適用することができる。MHPが連続して2個欠落した場合、中央値の3倍の周期のMHPは3個のMHPが1つになったものだと考えられる。この場合は、周期の中央値のおよそ3倍以上である階級の度数を求めて、この度数を2倍すれば、MHPの欠落を補正することができる。このような考え方を一般化すると、式(16)の代わりに次式を用いればよい。
N’=N+Nw1+Nw2+Nw3+・・・・−Ns ・・・(33)
Nw1は周期の中央値の1.5倍以上である階級の度数の総和、Nw2は周期の中央値の2.5倍以上である階級の度数の総和、Nw3は周期の中央値のおよそ3.5倍以上である階級の度数の総和である。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では、固定長の第1の計数期間Pnと第2の計数期間PmにおいてMHPの数を求めていたが、第1の計数期間Pnと第2の計数期間Pmを可変長にしてもよい。本実施の形態においても、距離・速度計の構成は第1の実施の形態と同様であるので、図1の符号を用いて説明する。
図30は本実施の形態の計数装置7の構成の1例を示すブロック図、図31はこの計数装置7の動作を示すフローチャートである。本実施の形態の計数装置7は、切替スイッチ70aと、周期測定部71a−1,71a−2と、判定部73−1,73−2と、計数結果補正部76a−1,76a−2と、記憶部77と、周期和算出部78−1,78−2と、個数算出部79−1,79−2とから構成される。
図32は計数結果補正部76a−1の構成の1例を示すブロック図である。計数結果補正部76a−1は、度数分布作成部761aと、中央値算出部762aと、補正値算出部763aとから構成される。計数結果補正部76a−2の構成は、計数結果補正部76a−1と同じなので、説明は省略する。
まず、切替スイッチ70aの動作は、図13のステップS300,S301と同じであり(図31ステップS400,S401)、判定部73−1,73−2の動作は、図13のステップS302と同じである(図31ステップS402)。
周期測定部71a−1は、図15(B)に示した判定部73−1の出力における一定個数N(Nは2以上の自然数)個のMHPの周期をこれらのMHPの各々について測定する(図31ステップS403)。同様に、周期測定部71a−2は、判定部73−2の出力における一定個数N個のMHPの周期をこれらのMHPの各々について測定する(ステップS403)。このとき、周期測定部71a−1,71a−2は、クロック信号CLKの周期を1単位としてMHPの周期を測定する。記憶部77は、周期測定部71a−1,71a−2の測定結果を記憶する。
周期測定部71a−1の測定終了後、計数結果補正部76a−1の度数分布作成部761aは、記憶部77に記憶された周期測定部71a−1の測定結果からMHPの周期の度数分布を作成する(図31ステップS404)。同様に、周期測定部71a−2の測定終了後、計数結果補正部76a−2の度数分布作成部761aは、周期測定部71a−2の測定結果からMHPの周期の度数分布を作成する(ステップS404)。
続いて、計数結果補正部76a−1の中央値算出部762aは、計数結果補正部76a−1の度数分布作成部761aが作成した度数分布からMHPの周期の中央値T0を算出する(図31ステップS405)。同様に、計数結果補正部76a−2の中央値算出部762aは、計数結果補正部76a−2の度数分布作成部761aが作成した度数分布からMHPの周期の中央値T0を算出する(ステップS405)。
計数結果補正部76a−1の補正値算出部763aは、計数結果補正部76a−1の度数分布作成部761aが作成した度数分布から、計数結果補正部76a−1の中央値算出部762aが算出した周期の中央値T0の0.5倍以下である階級の度数の総和Nsと、この周期の中央値T0の1.5倍以上である階級の度数の総和Nwとを求め、一定個数Nを式(16)のように補正する(図31ステップS406)。同様に、計数結果補正部76a−2の補正値算出部763aは、計数結果補正部76a−2の度数分布作成部761aが作成した度数分布から、計数結果補正部76a−2の中央値算出部762aが算出した周期の中央値T0の0.5倍以下である階級の度数の総和Nsと、この周期の中央値T0の1.5倍以上である階級の度数の総和Nwとを求め、一定個数Nを式(16)のように補正する(ステップS406)。
次に、周期和算出部78−1は、記憶部77に記憶された周期測定部71a−1の測定結果からMHPの周期の総和Sumを算出する(図31ステップS407)。同様に、周期和算出部78−2は、周期測定部71a−2の測定結果からMHPの周期の総和Sumを算出する(ステップS407)。
個数算出部79−1は、計数結果補正部76a−1の補正値算出部763aによって算出された補正後の計数結果N’を周期和算出部78−1によって算出されたMHPの周期の総和Sumで割ることにより、第1の計数期間Pn中の単位時間当たりのMHPの数Xを算出する(図31ステップS408)。同様に、個数算出部79−2は、計数結果補正部76a−2の補正値算出部763aによって算出された補正後の計数結果N’を周期和算出部78−2によって算出されたMHPの周期の総和Sumで割ることにより、第2の計数期間Pm中の単位時間当たりのMHPの数Yを算出する(ステップS408)。
計数装置7は、以上のような処理を第1、第2の計数期間Pn,Pm毎に行う。MHPの数XとYが同時に算出されることは、第1、第2の実施の形態と同じであるが、前述のとおり本実施の形態では、第1の計数期間Pnと第2の計数期間Pmが可変長になる。つまり、周期和算出部78−1で算出されるMHPの周期の総和が第1の計数期間Pnの長さに相当し、周期和算出部78−2で算出されるMHPの周期の総和が第2の計数期間Pmの長さに相当する。第2の実施の形態のカウンタ75−1,75−2の計数結果Nに相当する値は、本実施の形態では一定個数Nという固定値になっている。
その他の構成は、第2の実施の形態と同じである。第2の実施の形態では、第1の計数期間Pnと第2の計数期間Pmが固定長のため、周期和算出部78−1で算出されるMHPの周期の総和が第1の計数期間Pnの長さと一致しない場合があり、同様に周期和算出部78−2で算出されるMHPの周期の総和が第2の計数期間Pmの長さと一致しない場合がある。このため、第2の実施の形態では、計数装置7で求めるMHPの数n,mに測定誤差が生じ、距離及び速度に測定誤差が生じる可能性がある。
これに対して、本実施の形態では、周期和算出部78−1,78−2で算出されるMHPの周期の総和が第1の計数期間Pn、第2の計数期間Pmの長さと等しくなるようにしたので、MHPの数n,mの測定誤差を低減することができる。したがって、本実施の形態によれば、第2の実施の形態と同様の効果が得られるだけでなく、距離及び速度の測定精度をさらに向上させることができる。
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。第1〜第3の実施の形態では、状態判定部82は、式(2)と式(3)の算出結果が等しい場合、測定対象11が微小変位状態にあると判定し、式(4)と式(5)の算出結果が等しい場合、測定対象11が変位状態にあると判定する。しかしながら、ノイズ等の影響により、式(2)と式(3)の算出結果が等しく、かつ式(4)と式(5)の算出結果が等しくなった場合には、測定対象11の状態を判定することはできず、式(2)と式(3)の算出結果が一致せず、かつ式(4)と式(5)の算出結果が一致しない場合にも、測定対象11の状態を判定することはできない。本実施の形態では、状態判定部82で測定対象11の状態を判定できない場合でも、測定対象11との距離及び測定対象11の速度を算出することを実現する。
本実施の形態においても、距離・速度計の構成は第1の実施の形態と同様であるので、図1の符号を用いて説明する。図33は本実施の形態の演算装置8の構成の1例を示すブロック図、図34はこの演算装置8の動作を示すフローチャートである。本実施の形態の演算装置8は、記憶部80と、距離・速度算出部81と、距離・速度算出部81と後述する履歴変位算出部の算出結果に基づいて測定対象11の状態を判定する状態判定部82aと、状態判定部82aの判定結果に基づいて測定対象11の速度を確定する速度確定部83aと、状態判定部82aの判定結果に基づいて測定対象11との距離を確定する距離確定部84aと、距離・速度算出部81で算出された距離の候補値と直前に算出された距離の候補値との差である履歴変位を算出する履歴変位算出部85とから構成される。速度確定部83aと距離確定部84aとは、距離・速度確定手段を構成している。
まず、演算装置8の記憶部80の動作は、図8のステップS201と同じであり(図34ステップS501)、距離・速度算出部81の動作は、図8のステップS202と同じである(図34ステップS502)。
演算装置8の履歴変位算出部85は、時刻t−1からtにおける距離の第2の候補値Lα2(t−1,t)と時刻t−2からt−1における距離の第1の候補値Lα1(t−2,t−1)との差である履歴変位Vcalα1(t−2,t)、時刻tからt+1における距離の第1の候補値Lα1(t,t+1)と時刻t−1からtにおける距離の第2の候補値Lα2(t−1,t)との差である履歴変位Vcalα2(t−1,t+1)、時刻t−1からtにおける距離の第1の候補値Lα1(t−1,t)と時刻t−2からt−1における距離の第2の候補値Lα2(t−2,t−1)との差である履歴変位Vcalα3(t−2,t)、時刻tからt+1における距離の第2の候補値Lα2(t,t+1)と時刻t−1からtにおける距離の第1の候補値Lα1(t−1,t)との差である履歴変位Vcalα4(t−1,t+1)、時刻t−1からtにおける距離の第4の候補値Lβ4(t−1,t)と時刻t−2からt−1における距離の第3の候補値Lβ3(t−2,t−1)との差である履歴変位Vcalβ1(t−2,t)、時刻tからt+1における距離の第3の候補値Lβ3(t,t+1)と時刻t−1からtにおける距離の第4の候補値Lβ4(t−1,t)との差である履歴変位Vcalβ2(t−1,t+1)、時刻t−1からtにおける距離の第3の候補値Lβ3(t−1,t)と時刻t−2からt−1における距離の第4の候補値Lβ4(t−2,t−1)との差である履歴変位Vcalβ3(t−2,t)、時刻tからt+1における距離の第4の候補値Lβ4(t,t+1)と時刻t−1からtにおける距離の第3の候補値Lβ3(t−1,t)との差である履歴変位Vcalβ4(t−1,t+1)を次式のように算出して、記憶部80に格納する(図34ステップS503)。
Vcalα1(t−2,t)
=Lα2(t−1,t)−Lα1(t−2,t−1) ・・・(34)
Vcalα2(t−1,t+1)
=Lα1(t,t+1)−Lα2(t−1,t) ・・・(35)
Vcalα3(t−2,t)
=Lα1(t−1,t)−Lα2(t−2,t−1) ・・・(36)
Vcalα4(t−1,t+1)
=Lα2(t,t+1)−Lα1(t−1,t) ・・・(37)
Vcalβ1(t−2,t)
=Lβ4(t−1,t)−Lβ3(t−2,t−1) ・・・(38)
Vcalβ2(t−1,t+1)
=Lβ3(t,t+1)−Lβ4(t−1,t) ・・・(39)
Vcalβ3(t−2,t)
=Lβ3(t−1,t)−Lβ4(t−2,t−1) ・・・(40)
Vcalβ4(t−1,t+1)
=Lβ4(t,t+1)−Lβ3(t−1,t) ・・・(41)
履歴変位Vcalα1(t−2,t),Vcalα2(t−1,t+1),Vcalα3(t−2,t),Vcalα4(t−1,t+1)は測定対象11が微小変位状態にあると仮定して計算した値であり、履歴変位Vcalβ1(t−2,t),Vcalβ2(t−1,t+1),Vcalβ3(t−2,t),Vcalβ4(t−1,t+1)は測定対象11が変位状態にあると仮定して計算した値である。
履歴変位算出部85は、式(34)〜式(41)の計算を計数装置7によってMHPの数が算出される時刻毎に行う。なお、式(34)〜式(41)においては、測定対象11が距離・速度計に近づく方向を正の速度、遠ざかる方向を負の速度と定めている。
次に、演算装置8の状態判定部82aは、記憶部80に記憶されている式(2)〜式(5)の算出結果と式(34)〜式(41)の算出結果を用いて測定対象11の状態を判定する(図34ステップS504)。図35はこの状態判定部82aの動作を示すフローチャートである。
まず、状態判定部82aは、第1の実施の形態の状態判定部82と同様に式(2)〜式(5)の算出結果を用いて測定対象11の状態を判定する(図35ステップS601)。
ここで、状態判定部82aは、式(2)と式(3)の算出結果が等しい場合、測定対象11が微小変位状態にあると判定し、式(4)と式(5)の算出結果が等しい場合、測定対象11が変位状態にあると判定し、状態判定が終了したと判断して(ステップS602において判定YES)、ステップS504の処理を終了する。一方、状態判定部82aは、式(2)と式(3)の算出結果が等しく、かつ式(4)と式(5)の算出結果も等しい場合、あるいは式(2)と式(3)の算出結果が一致せず、かつ式(4)と式(5)の算出結果も一致しない場合、状態判定ができないので、ステップS603に進む。
ステップS603において、状態判定部82aは、式(2)〜式(5)の算出結果と式(34)〜式(41)の算出結果を用いて測定対象11の状態を判定する。
特許文献1に記載されているように、測定対象11が微小変位状態で移動(等速度運動)している場合、測定対象11を微小変位状態と仮定して計算した履歴変位Vcalαの符号は一定で、かつ測定対象11を微小変位状態と仮定して計算した速度の候補値Vαと履歴変位Vcalαの絶対値の平均値とが等しくなる。また、測定対象11が微小変位状態で等速度運動している場合、測定対象11を変位状態と仮定して計算した履歴変位Vcalβの符号は、MHPの数が算出される時刻毎に反転する。
したがって、状態判定部82aは、測定対象11が微小変位状態にあると仮定して計算した式(34)の履歴変位Vcalα1(t−2,t)と式(35)の履歴変位Vcalα2(t−1,t+1)の符号が一致し、かつ測定対象11が微小変位状態にあると仮定して計算した速度の候補値Vα1(t,t+1)とVα2(t,t+1)との平均値と、履歴変位Vcalα1(t−2,t)の絶対値と履歴変位Vcalα2(t−1,t+1)の絶対値の平均値とが等しい場合、測定対象11が微小変位状態で等速度運動していると判定する。
あるいは、状態判定部82aは、測定対象11が微小変位状態にあると仮定して計算した式(36)の履歴変位Vcalα3(t−2,t)と式(37)の履歴変位Vcalα4(t−1,t+1)の符号が一致し、かつ測定対象11が微小変位状態にあると仮定して計算した速度の候補値Vα1(t,t+1)とVα2(t,t+1)との平均値と、履歴変位Vcalα3(t−2,t)の絶対値と履歴変位Vcalα4(t−1,t+1)の絶対値の平均値とが等しい場合、測定対象11が微小変位状態で等速度運動していると判定する。
特許文献1に記載されているように、測定対象11が変位状態で移動(等速度運動)している場合、測定対象11を変位状態と仮定して計算した履歴変位Vcalβの符号は一定で、かつ測定対象11を変位状態と仮定して計算した速度の候補値Vβと履歴変位Vcalβの絶対値の平均値とが等しくなる。また、測定対象11が変位状態で等速度運動している場合、測定対象11を微小変位状態と仮定して計算した履歴変位Vcalαの符号はMHPの数が算出される時刻毎に反転する。
したがって、状態判定部82aは、測定対象11が変位状態にあると仮定して計算した式(38)の履歴変位Vcalβ1(t−2,t)と式(39)の履歴変位Vcalβ2(t−1,t+1)の符号が一致し、かつ測定対象11が変位状態にあると仮定して計算した速度の候補値Vβ3(t,t+1)とVβ4(t,t+1)との平均値と、履歴変位Vcalβ1(t−2,t)の絶対値と履歴変位Vcalβ2(t−1,t+1)の絶対値の平均値とが等しい場合、測定対象11が変位状態で等速度運動していると判定する。
あるいは、状態判定部82aは、測定対象11が変位状態にあると仮定して計算した式(40)の履歴変位Vcalβ3(t−2,t)と式(41)の履歴変位Vcalβ4(t−1,t+1)の符号が一致し、かつ測定対象11が変位状態にあると仮定して計算した速度の候補値Vβ3(t,t+1)とVβ4(t,t+1)との平均値と、履歴変位Vcalβ3(t−2,t)の絶対値と履歴変位Vcalβ4(t−1,t+1)の絶対値の平均値とが等しい場合、測定対象11が変位状態で等速度運動していると判定する。
特許文献1に記載されているように、測定対象11が微小変位状態で、等速度運動以外の運動をしている場合、測定対象11を微小変位状態と仮定して計算した速度の候補値Vαと測定対象11を微小変位状態と仮定して計算した履歴変位Vcalαの絶対値の平均値とは一致しない。同様に、測定対象11を変位状態と仮定して計算した速度の候補値Vβと測定対象11を変位状態と仮定して計算した履歴変位Vcalβの絶対値の平均値も一致しない。
また、測定対象11が微小変位状態で、等速度運動以外の運動をしている場合、測定対象11を微小変位状態と仮定して計算した履歴変位Vcalαの符号はMHPの数が算出される時刻毎に反転し、測定対象11を変位状態と仮定して計算した履歴変位Vcalβでは符号の変動はあっても、この変動はMHPの数が算出される時刻毎ではない。
したがって、状態判定部82aは、測定対象11が微小変位状態にあると仮定して計算した式(34)の履歴変位Vcalα1(t−2,t)と式(35)の履歴変位Vcalα2(t−1,t+1)の符号が一致せず、かつ測定対象11が微小変位状態にあると仮定して計算した速度の候補値Vα1(t,t+1)とVα2(t,t+1)との平均値と、履歴変位Vcalα1(t−2,t)の絶対値と履歴変位Vcalα2(t−1,t+1)の絶対値の平均値とが一致しない場合、測定対象11が微小変位状態で等速度運動以外の運動をしていると判定する。
あるいは、状態判定部82aは、測定対象11が微小変位状態にあると仮定して計算した式(36)の履歴変位Vcalα3(t−2,t)と式(37)の履歴変位Vcalα4(t−1,t+1)の符号が一致せず、かつ測定対象11が微小変位状態にあると仮定して計算した速度の候補値Vα1(t,t+1)とVα2(t,t+1)との平均値と、履歴変位Vcalα3(t−2,t)の絶対値と履歴変位Vcalα4(t−1,t+1)の絶対値の平均値とが一致しない場合、測定対象11が微小変位状態で等速度運動以外の運動をしていると判定する。
なお、速度の候補値Vβに着目すると、Vβ3(t,t+1)の絶対値とVβ4(t,t+1)の絶対値は定数となり、この絶対値は、測定対象11が微小変位状態にあると仮定して計算した距離の候補値Lα1(t,t+1)とLα2(t,t+1)との平均値に半導体レーザ1−1,1−2の波長変化率(λb−λa)/λbを掛けた値と等しい。そこで、状態判定部82aは、測定対象11が変位状態にあると仮定して計算した速度の候補値Vβ3(t,t+1)の絶対値とVβ4(t,t+1)の絶対値が、距離の候補値Lα1(t,t+1)とLα2(t,t+1)との平均値に波長変化率(λb−λa)/λbを掛けた値と等しく、かつ測定対象11が微小変位状態にあると仮定して計算した速度の候補値Vα1(t,t+1)とVα2(t,t+1)との平均値と、履歴変位Vcalα1(t−2,t)の絶対値と履歴変位Vcalα2(t−1,t+1)の絶対値の平均値とが一致しない場合、測定対象11が微小変位状態で等速度運動以外の運動をしていると判定してもよい。
また、状態判定部82aは、測定対象11が変位状態にあると仮定して計算した速度の候補値Vβ3(t,t+1)の絶対値とVβ4(t,t+1)の絶対値が、距離の候補値Lα1(t,t+1)とLα2(t,t+1)との平均値に波長変化率(λb−λa)/λbを掛けた値と等しく、かつ測定対象11が微小変位状態にあると仮定して計算した速度の候補値Vα1(t,t+1)とVα2(t,t+1)との平均値と、履歴変位Vcalα3(t−2,t)の絶対値と履歴変位Vcalα4(t−1,t+1)の絶対値の平均値とが一致しない場合、測定対象11が微小変位状態で等速度運動以外の運動をしていると判定してもよい。
特許文献1に記載されているように、測定対象11が変位状態で、等速度運動以外の運動をしている場合、測定対象11を微小変位状態と仮定して計算した速度の候補値Vαと測定対象11を微小変位状態と仮定して計算した履歴変位Vcalαの絶対値の平均値とは一致せず、測定対象11を変位状態と仮定して計算した速度の候補値Vβと測定対象11を変位状態と仮定して計算した履歴変位Vcalβの絶対値の平均値も一致しない。また、測定対象11が変位状態で、等速度運動以外の運動をしている場合、測定対象11を変位状態と仮定して計算した履歴変位Vcalβの符号はMHPの数が算出される時刻毎に反転し、測定対象11を微小変位状態と仮定して計算した履歴変位Vcalαでは符号の変動はあっても、この変動はMHPの数が算出される時刻毎ではない。
したがって、状態判定部82aは、測定対象11が変位状態にあると仮定して計算した式(38)の履歴変位Vcalβ1(t−2,t)と式(39)の履歴変位Vcalβ2(t−1,t+1)の符号が一致せず、かつ測定対象11が変位状態にあると仮定して計算した速度の候補値Vβ3(t,t+1)とVβ4(t,t+1)との平均値と、履歴変位Vcalβ1(t−2,t)の絶対値と履歴変位Vcalβ2(t−1,t+1)の絶対値の平均値とが一致しない場合、測定対象11が変位状態で等速度運動以外の運動をしていると判定する。
あるいは、状態判定部82aは、測定対象11が変位状態にあると仮定して計算した式(40)の履歴変位Vcalβ3(t−2,t)と式(41)の履歴変位Vcalβ4(t−1,t+1)の符号が一致せず、かつ測定対象11が変位状態にあると仮定して計算した速度の候補値Vβ3(t,t+1)とVβ4(t,t+1)との平均値と、履歴変位Vcalβ3(t−2,t)の絶対値と履歴変位Vcalβ4(t−1,t+1)の絶対値の平均値とが一致しない場合、測定対象11が変位状態で等速度運動以外の運動をしていると判定する。
なお、速度の候補値Vαに着目すると、Vα1(t,t+1)の絶対値とVα2(t,t+1)の絶対値は定数となり、この絶対値は、測定対象11が変位状態にあると仮定して計算した距離の候補値Lβ3(t,t+1)とLβ4(t,t+1)との平均値に半導体レーザ1−1,1−2の波長変化率(λb−λa)/λbを掛けた値と等しい。そこで、状態判定部82aは、測定対象11が微小変位状態にあると仮定して計算した速度の候補値Vα1(t,t+1)の絶対値とVα2(t,t+1)の絶対値が、距離の候補値Lβ3(t,t+1)とLβ4(t,t+1)との平均値に波長変化率(λb−λa)/λbを掛けた値と等しく、かつ測定対象11が変位状態にあると仮定して計算した速度の候補値Vβ3(t,t+1)とVβ4(t,t+1)との平均値と、履歴変位Vcalβ1(t−2,t)の絶対値と履歴変位Vcalβ2(t−1,t+1)の絶対値の平均値とが一致しない場合、測定対象11が変位状態で等速度運動以外の運動をしていると判定してもよい。
あるいは、状態判定部82aは、測定対象11が微小変位状態にあると仮定して計算した速度の候補値Vα1(t,t+1)の絶対値とVα2(t,t+1)の絶対値が、距離の候補値Lβ3(t,t+1)とLβ4(t,t+1)との平均値に波長変化率(λb−λa)/λbを掛けた値と等しく、かつ測定対象11が変位状態にあると仮定して計算した速度の候補値Vβ3(t,t+1)とVβ4(t,t+1)との平均値と、履歴変位Vcalβ3(t−2,t)の絶対値と履歴変位Vcalβ4(t−1,t+1)の絶対値の平均値とが一致しない場合、測定対象11が変位状態で等速度運動以外の運動をしていると判定してもよい。
以上で、ステップS603の処理が終了する。状態判定部82aのステップS603の判定動作を図36に示す。
次に、演算装置8の速度確定部83aは、状態判定部82aの判定結果に基づいて測定対象11の速度の絶対値を確定する(図34ステップS505)。すなわち、速度確定部83aは、測定対象11が微小変位状態で等速度運動あるいは等速度運動以外の運動をしていると判定された場合、記憶部80に記憶されている速度の候補値Vα1(t,t+1)とVα2(t,t+1)との平均値を、時刻t−1からt+1における測定対象11の速度の絶対値として確定する(ステップS505)。
また、速度確定部83aは、測定対象11が変位状態で等速度運動あるいは等速度運動以外の運動をしていると判定された場合、記憶部80に記憶されている速度の候補値Vβ3(t,t+1)とVβ4(t,t+1)との平均値を、時刻t−1からt+1における測定対象11の速度の絶対値として確定する(ステップS505)。
なお、速度確定部83aは、測定対象11が微小変位状態で等速度運動あるいは等速度運動以外の運動をしていると判定された場合、記憶部80に記憶されている速度の候補値Vα5(t)を時刻t−1からtにおける測定対象11の速度の絶対値として確定するようにしてもよい(ステップS505)。また、速度確定部83aは、測定対象11が変位状態で等速度運動あるいは等速度運動以外の運動をしていると判定された場合、記憶部80に記憶されている速度の候補値Vβ6(t)を時刻t−1からtにおける測定対象11の速度の絶対値として算出するようにしてもよい(ステップS505)。
次に、速度確定部83aは、図8のステップS205と同様に式(14)、式(15)を算出して、測定対象11の速度の方向を確定する(図34ステップS506)。なお、速度確定部83aは、ステップS505において式(2)〜式(5)の算出結果を用いる代わりに式(6)あるいは式(7)の算出結果を用いて速度の絶対値を確定する場合は、MHPの数X(t)とY(t)の大小を比較し、Y(t)よりもX(t)が大きい場合は測定対象11が近づきつつあると判定し、X(t)よりもY(t)が大きい場合は測定対象11が遠ざかりつつあると判定する(ステップS506)。
次に、距離確定部84aは、状態判定部82aの判定結果に基づいて測定対象11との距離を確定する(図34ステップS507)。すなわち、距離確定部84aは、測定対象11が微小変位状態で等速度運動あるいは等速度運動以外の運動をしていると判定された場合、記憶部80に記憶されている距離の候補値Lα1(t,t+1)とLα2(t,t+1)との平均値を、時刻t−1からt+1における測定対象11との平均距離として確定する(ステップS507)。
また、距離確定部84aは、測定対象11が変位状態で等速度運動あるいは等速度運動以外の運動をしていると判定された場合、記憶部80に記憶されている距離の候補値Lβ3(t,t+1)とLβ4(t,t+1)との平均値を、時刻t−1からt+1における測定対象11との平均距離として確定する(ステップS507)。
なお、距離確定部84aは、測定対象11が微小変位状態で等速度運動あるいは等速度運動以外の運動をしていると判定された場合、記憶部80に記憶されている距離の候補値Lα5(t)を時刻t−1からtにおける測定対象11との平均距離として確定するようにしてもよい(ステップS507)。また、距離確定部84aは、測定対象11が変位状態で等速度運動あるいは等速度運動以外の運動をしていると判定された場合、記憶部80に記憶されている距離の候補値Lβ6(t)を時刻t−1からtにおける測定対象11との平均距離として確定するようにしてもよい(ステップS507)。
演算装置8は、以上のようなステップS501〜S507の処理を例えばユーザから計測終了の指示があるまで(図34ステップS508においてYES)、計数装置7によってMHPの数が算出される時刻毎に行う。演算装置8以外の構成は、第1の実施の形態と同じである。
本実施の形態では、ノイズ等の影響により第1の実施の形態において測定対象11の状態を判定できない場合でも、測定対象11の状態を判定して、測定対象11との距離及び測定対象11の速度を算出することができる。
[第5の実施の形態]
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。測定対象11が等速度運動以外の運動をしている場合、測定対象11の加速度の符号が変化するときに運動状態の該当領域でない式の符号が反転してしまうため、誤判断が生じる。そこで、第4の実施の形態において、演算装置8の状態判定部82aは、式(35)の履歴変位Vcalα2(t−1,t+1)と式(37)の履歴変位Vcalα4(t−1,t+1)の符号が一致する場合、測定対象11が等速度運動していると判定し、式(39)の履歴変位Vcalβ2(t−1,t+1)と式(41)の履歴変位Vcalβ4(t−1,t+1)の符号が一致する場合、測定対象11が等速度運動以外の運動をしていると判定するようにしてもよい。
[第6の実施の形態]
第1〜第5の実施の形態では、自己結合型の干渉計に本発明を適用する場合について説明したが、自己結合型以外の干渉計に本発明を適用することもできる。図37は本発明の第6の実施の形態となる距離・速度計の構成を示すブロック図であり、図1と同一の構成には同一の符号を付してある。図37において、12−1,12−2は入射光と反射光を分離するビームスプリッタである。
半導体レーザ1−1,1−2のレーザ光が、互いに平行に出射して測定対象11に入射することは第1の実施の形態と同じである。ビームスプリッタ12−1,12−2及びレンズ3−1,3−2を通過したレーザ光は、測定対象11に入射する。そして、本実施の形態では、測定対象11で反射された半導体レーザ1−1,1−2の光は、それぞれビームスプリッタ12−1,12−2により測定対象11への入射光と分離されて、フォトダイオード2−1,2−2に導かれる。
フォトダイオード2−1,2−2以降の構成は第1〜第6の実施の形態と同様であるので、説明は省略する。こうして、自己結合型以外の干渉計においても、第1〜第6の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
第1〜第6の実施の形態における計数装置7と演算装置8は、例えばCPU、記憶装置及びインタフェースを備えたコンピュータとこれらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。このようなコンピュータを動作させるためのプログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM、メモリカードなどの記録媒体に記録された状態で提供される。CPUは、読み込んだプログラムを記憶装置に書き込み、このプログラムに従って第1〜第6の実施の形態で説明した処理を実行する。
なお、第1〜第6の実施の形態において、測定対象11が非常に小さな変位を持つ振動時(例えば最大速度2nm)、実際の距離の変化(振幅)は数nmであるが、距離算出の分解能が変位分解能よりも低いため、誤差が大きくなる。そこで、測定対象が微小な変位を有する運動状態にある場合、算出結果の代わりに、変位(速度)を積分した値を距離の変化とした方が精度が向上する。
また、第1〜第6の実施の形態では、半導体レーザ1−1と1−2の最小発振波長λaが同一で、かつ半導体レーザ1−1と1−2の最大発振波長λbが同一の場合について説明したが、これに限るものではなく、図38に示すように、半導体レーザ1−1と1−2の間で最小発振波長λa及び最大発振波長λbが異なっていてもよい。図38において、λa1,λb1は半導体レーザ1−1の最小発振波長、最大発振波長、λa2,λb2は半導体レーザ1−2の最小発振波長、最大発振波長である。この場合、λa1×λb1/{4×(λb1−λa1)}とλa2×λb2/{4×(λb2−λa2)}とが常に同一の固定値であればよい。この場合、式(2)〜式(13)におけるλa,λbとしては、λa1,λb1を使ってもよいし、λa2,λb2を使ってもよい。
また、第1〜第6の実施の形態では、半導体レーザ1−1,1−2を三角波状に発振させていたが、これに限るものではなく、図39に示すように半導体レーザ1−1,1−2を鋸波状に発振させてもよい。すなわち、本発明では、少なくとも第1の発振期間P1が繰り返し存在するように半導体レーザ1−1を動作させ、半導体レーザ1−1と発振波長の増減が逆になるように半導体レーザ1−2を動作させればよい。図38の場合と同様にλa1≠λa2、λb1≠λb2でもよいし、図2の場合と同様にλa1=λa2、λb1=λb2でもよい。
第1の発振期間P1における動作は、三角波発振の場合と同様である。ただし、半導体レーザ1−1,1−2を鋸波状に発振させる場合、計数装置7の切替スイッチ70,70aの出力は固定しておく必要がある。つまり、切替スイッチ70,70aは、フィルタ回路6−1の出力を常に周期測定部71−1、判定部73−1の入力に接続し、フィルタ回路6−2の出力を常に周期測定部71−2、判定部73−2の入力に接続する。
なお、半導体レーザ1−1,1−2を三角波状に発振させる場合は、測定対象11の状態に関係なく、振幅調整装置10による振幅調整が可能であるが、半導体レーザ1−1,1−2を鋸波状に発振させる場合は、測定対象11が静止状態の場合のみ振幅調整が可能である。
本発明は、測定対象との距離及び測定対象の速度を計測する技術に適用することができる。
本発明の第1の実施の形態となる距離・速度計の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態における半導体レーザの発振波長の時間変化の1例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態における電流−電圧変換増幅器の出力電圧波形及びフィルタ回路の出力電圧波形を模式的に示す図である。 本発明の第1の実施の形態における計数装置の構成の1例を示すブロック図である。 図4の計数装置の動作を示すフローチャートである。 図4の計数装置の計数期間を示す図である。 本発明の第1の実施の形態における演算装置の構成の1例を示すブロック図である。 図7の演算装置の動作を示すフローチャートである。 半導体レーザの波長変化の切り替わりに伴うモードホップパルスの数の変化を説明するための図である。 本発明の第1の実施の形態においてレーザドライバから半導体レーザに供給される三角波駆動電流の振幅の調整方法を説明するための図である。 半導体レーザの波長変化が切り替わるタイミングの前後において速度あるいは距離の算出結果に連続性を持たせる方法を説明するための図である。 本発明の第2の実施の形態における計数装置の構成の1例を示すブロック図である。 図12の計数装置の動作を示すフローチャートである。 図12の計数装置における計数結果補正部の構成の1例を示すブロック図である。 図12の計数装置の動作を説明するための図である。 モードホップパルスの周期の度数分布の1例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態におけるカウンタの計数結果の補正原理を説明するための図である。 モードホップパルスの周期の度数分布を示す図である。 ノイズを含むモードホップパルスの周期の度数分布を示す図である。 ノイズを含むモードホップパルスの周期の中央値を示す図である。 周期が2分割されたモードホップパルスの周期の確率分布を示す図である。 周期が2分割されたモードホップパルスの周期の度数分布を示す図である。 周期が2分割されたモードホップパルスの周期の度数分布を示す図である。 周期が2分割されたモードホップパルスの周期の度数分布を示す図である。 カウンタ値補正後の誤差を示す図である。 2倍の周期になったモードホップパルスの周期の度数分布を示す図である。 計数時に欠落したモードホップパルスのうち2分割されたモードホップパルスの周期の度数分布を示す図である。 計数時に欠落したモードホップパルスのうち2分割されたモードホップパルスの周期の度数分布を示す図である。 計数時に欠落と過剰な計数が同時に発生した場合のモードホップパルスの周期の度数分布を示す図である。 本発明の第3の実施の形態における計数装置の構成の1例を示すブロック図である。 図30の計数装置の動作を示すフローチャートである。 図30の計数装置における計数結果補正部の構成の1例を示すブロック図である。 本発明の第4の実施の形態における演算装置の構成の1例を示すブロック図である。 図33の演算装置の動作を示すフローチャートである。 図33の演算装置における状態判定部の動作を示すフローチャートである。 図33の演算装置における状態判定部の判定動作を示す図である。 本発明の第6の実施の形態となる距離・速度計の構成を示すブロック図である。 本発明の第1〜第6の実施の形態における半導体レーザの発振波長の時間変化の他の例を示す図である。 本発明の第1〜第6の実施の形態における半導体レーザの発振波長の時間変化の他の例を示す図である。 従来のレーザ計測器における半導体レーザの複合共振器モデルを示す図である。 半導体レーザの発振波長と内蔵フォトダイオードの出力波形との関係を示す図である。 従来の距離・速度計の構成を示すブロック図である。 図42の距離・速度計における半導体レーザの発振波長の時間変化の1例を示す図である。
符号の説明
1−1,1−2…半導体レーザ、2−1,2−2…フォトダイオード、3−1,3−2…レンズ、4−1,4−2…レーザドライバ、5−1,5−2…電流−電圧変換増幅器、6−1,6−2…フィルタ回路、7…計数装置、8…演算装置、9…表示装置、10…振幅調整装置、11…測定対象、12−1,12−2…ビームスプリッタ、70,70a…切替スイッチ、71−1,71−2,71a−1,71a−2,760…周期測定部、72−1,72−2…変換部、73−1,73−2…判定部、74−1,74−2…論理積演算部、75−1,75−2…カウンタ、76−1,76−2,76a−1,76a−2…計数結果補正部、77…記憶部、78−1,78−2…周期和算出部、79−1,79−2…個数算出部、761,761a…度数分布作成部、762,762a…中央値算出部、763,763a…補正値算出部、80…記憶部、81…距離・速度算出部、82,82a…状態判定部、83,83a…速度確定部、84,84a…距離確定部、85…履歴変位算出部。

Claims (29)

  1. 測定対象に第1のレーザ光を放射する第1の半導体レーザと、
    前記測定対象に前記第1のレーザ光と平行に第2のレーザ光を放射する第2の半導体レーザと、
    少なくとも発振波長が連続的に単調増加する発振期間が繰り返し存在するように前記第1の半導体レーザを動作させる第1のレーザドライバと、
    前記第1の半導体レーザと発振波長の増減が逆になるように前記第2の半導体レーザを動作させる第2のレーザドライバと、
    前記第1のレーザ光とこのレーザ光の前記測定対象からの戻り光とを電気信号に変換する第1の受光器と、
    前記第2のレーザ光とこのレーザ光の前記測定対象からの戻り光とを電気信号に変換する第2の受光器と、
    前記第1、第2の受光器の出力信号に含まれる、前記第1、第2のレーザ光とその戻り光とによって生じる干渉波形の数を、前記第1、第2の受光器の出力信号の各々について数える計数手段と、
    前記第1、第2の半導体レーザの最小発振波長及び最大発振波長と前記計数手段の計数結果とから前記測定対象との距離及び前記測定対象の速度の少なくとも一方を算出する演算手段とを有することを特徴とする距離・速度計。
  2. 測定対象に第1のレーザ光を放射する第1の半導体レーザと、
    前記測定対象に前記第1のレーザ光と平行に第2のレーザ光を放射する第2の半導体レーザと、
    少なくとも発振波長が連続的に単調増加する発振期間が繰り返し存在するように前記第1の半導体レーザを動作させる第1のレーザドライバと、
    前記第1の半導体レーザと発振波長の増減が逆になるように前記第2の半導体レーザを動作させる第2のレーザドライバと、
    前記第1の半導体レーザの光出力を電気信号に変換する第1の受光器と、
    前記第2の半導体レーザの光出力を電気信号に変換する第2の受光器と、
    前記第1、第2の受光器の出力信号に含まれる、前記第1、第2のレーザ光とその戻り光との自己結合効果によって生じる干渉波形の数を、前記第1、第2の受光器の出力信号の各々について数える計数手段と、
    前記第1、第2の半導体レーザの最小発振波長及び最大発振波長と前記計数手段の計数結果とから前記測定対象との距離及び前記測定対象の速度の少なくとも一方を算出する演算手段とを有することを特徴とする距離・速度計。
  3. 請求項1又は2に記載の距離・速度計において、
    前記計数手段は、前記発振期間よりも短い第1の計数期間において、前記第1、第2の半導体レーザのうち発振波長が増加している半導体レーザに対応する受光器の出力信号に含まれる干渉波形の数を求めると同時に、前記第1の計数期間と同じ時刻の第2の計数期間において、前記第1、第2の半導体レーザのうち発振波長が減少している半導体レーザに対応する受光器の出力信号に含まれる干渉波形の数を求める手段からなり、
    前記演算手段は、前記第1、第2の半導体レーザの最小発振波長と最大発振波長と前記計数手段の計数結果に基づいて前記測定対象との距離の候補値と前記測定対象の速度の候補値とを算出する距離・速度算出手段と、この距離・速度算出手段で算出された速度の候補値に基づいて前記測定対象の状態を判定する状態判定手段と、この状態判定手段の判定結果に基づいて前記測定対象との距離及び前記測定対象の速度の少なくとも一方を確定する距離・速度確定手段とからなることを特徴とする距離・速度計。
  4. 請求項3に記載の距離・速度計において、
    前記距離・速度算出手段は、前記測定対象が微小変位状態にあると仮定した場合について第1の計数期間の計数結果と1回後の第2の計数期間の計数結果とから速度の第1の候補値と距離の第1の候補値とを算出すると共に、これらの第1の候補値を算出した第1の計数期間と同時刻の第2の計数結果の計数結果と前記第1の候補値を算出した第2の計数期間と同時刻の第1の計数期間の計数結果とから速度の第2の候補値と距離の第2の候補値とを算出し、前記測定対象が前記微小変位状態よりも動きが急な変位状態にあると仮定した場合について第1の計数期間の計数結果と1回後の第2の計数期間の計数結果とから速度の第3の候補値と距離の第3の候補値とを算出すると共に、これらの第3の候補値を算出した第1の計数期間と同時刻の第2の計数結果の計数結果と前記第3の候補値を算出した第2の計数期間と同時刻の第1の計数期間の計数結果とから速度の第4の候補値と距離の第4の候補値とを算出し、
    前記状態判定手段は、前記速度の第1の候補値と第2の候補値とが略等しい場合、前記測定対象が微小変位状態にあると判定し、前記速度の第3の候補値と第4の候補値とが略等しい場合、前記測定対象が変位状態にあると判定することを特徴とする距離・速度計。
  5. 請求項4に記載の距離・速度計において、
    前記距離・速度確定手段は、前記測定対象が微小変位状態にあると判定された場合、前記速度の第1の候補値と第2の候補値のいずれか一方を前記測定対象の速度とし、前記距離の第1の候補値と第2の候補値のいずれか一方を前記測定対象との距離とし、前記測定対象が変位状態にあると判定された場合、前記速度の第3の候補値と第4の候補値のいずれか一方を前記測定対象の速度とし、前記距離の第3の候補値と第4の候補値のいずれか一方を前記測定対象との距離とすることを特徴とする距離・速度計。
  6. 請求項4に記載の距離・速度計において、
    前記距離・速度確定手段は、前記測定対象が微小変位状態にあると判定された場合、前記速度の第1の候補値と第2の候補値との平均値を前記測定対象の速度とし、前記距離の第1の候補値と第2の候補値との平均値を前記測定対象との距離とし、前記測定対象が変位状態にあると判定された場合、前記速度の第3の候補値と第4の候補値との平均値を前記測定対象の速度とし、前記距離の第3の候補値と第4の候補値との平均値を前記測定対象との距離とすることを特徴とする距離・速度計。
  7. 請求項4に記載の距離・速度計において、
    前記距離・速度確定手段は、前記速度の第1の候補値を算出した第1の計数期間の計数結果と前記速度の第2の候補値を算出した第1の計数期間の計数結果との和ΣXと、前記速度の第1の候補値を算出した第2の計数期間の計数結果と前記速度の第2の候補値を算出した第2の計数期間の計数結果との和ΣYとを比較して、前記ΣYよりも前記ΣXが大きい場合は前記測定対象が近づきつつあると判定し、前記ΣXよりも前記ΣYが大きい場合は前記測定対象が遠ざかりつつあると判定することを特徴とする距離・速度計。
  8. 請求項4に記載の距離・速度計において、
    前記演算手段は、さらに、前記距離・速度算出手段で算出された距離の候補値と前回に算出された距離の候補値との差である履歴変位を、前記測定対象が微小変位状態にあると仮定した場合と変位状態にあると仮定した場合の各々について算出する履歴変位算出手段を備え、
    前記状態判定手段は、前記速度の候補値に基づいて前記測定対象の状態を判定できない場合に、前記履歴変位算出手段の算出結果に基づいて前記測定対象の状態を判定することを特徴とする距離・速度計。
  9. 請求項1又は2に記載の距離・速度計において、
    前記計数手段は、
    前記第1、第2の受光器の出力信号に含まれる前記干渉波形の数を、前記第1、第2の受光器の出力信号の各々について数えるカウンタと、
    前記干渉波形の数を数える計数期間中の前記干渉波形の周期を、前記第1、第2の受光器の出力信号の各々について前記干渉波形が入力される度に測定する周期測定手段と、
    この周期測定手段の測定結果から前記計数期間中の干渉波形の周期の度数分布を、前記第1、第2の受光器の出力信号の各々について作成する度数分布作成手段と、
    前記度数分布から前記干渉波形の周期の中央値を、前記第1、第2の受光器の出力信号の各々について算出する中央値算出手段と、
    前記度数分布から、前記中央値の第1の所定数倍以下である階級の度数の総和Nsと、前記中央値の第2の所定数倍以上である階級の度数の総和Nwとを求め、これらの度数NsとNwに基づいて前記カウンタの計数結果を、前記第1、第2の受光器の出力信号の各々について補正する補正値算出手段と、
    前記周期測定手段の測定結果から前記干渉波形の周期の総和を、前記第1、第2の受光器の出力信号の各々について算出する周期和算出手段と、
    前記補正値算出手段で補正された計数結果と前記周期和算出手段で算出された周期の総和とから、単位時間当たりの前記干渉波形の数を前記第1、第2の受光器の出力信号の各々について算出する個数算出手段とからなることを特徴とする距離・速度計。
  10. 請求項1又は2に記載の距離・速度計において、
    前記計数手段は、
    前記第1、第2の受光器の出力信号に含まれる一定個数の前記干渉波形の周期を、前記第1、第2の受光器の出力信号の各々について前記干渉波形が入力される度に測定する周期測定手段と、
    この周期測定手段の測定結果から前記干渉波形の周期の度数分布を、前記第1、第2の受光器の出力信号の各々について作成する度数分布作成手段と、
    前記度数分布から前記干渉波形の周期の中央値を、前記第1、第2の受光器の出力信号の各々について算出する中央値算出手段と、
    前記度数分布から、前記中央値の第1の所定数倍以下である階級の度数の総和Nsと、前記中央値の第2の所定数倍以上である階級の度数の総和Nwとを求め、これらの度数NsとNwに基づいて前記一定個数を、前記第1、第2の受光器の出力信号の各々について補正する補正値算出手段と、
    前記周期測定手段の測定結果から前記干渉波形の周期の総和を、前記第1、第2の受光器の出力信号の各々について算出する周期和算出手段と、
    前記補正値算出手段で補正された干渉波形の数と前記周期和算出手段で算出された周期の総和とから、単位時間当たりの前記干渉波形の数を前記第1、第2の受光器の出力信号の各々について算出する個数算出手段とからなることを特徴とする距離・速度計。
  11. 請求項9又は10に記載の距離・速度計において、
    前記補正値算出手段は、前記カウンタの計数結果又は前記一定個数をNとしたとき、補正後の値N’を、N’=N+Nw−Nsにより求めることを特徴とする距離・速度計。
  12. 請求項11に記載の距離・速度計において、
    前記第1の所定数は0.5であり、前記第2の所定数は1.5であることを特徴とする距離・速度計。
  13. 請求項10に記載の距離・速度計において、
    前記周期測定手段は、前記発振期間よりも短い第1の計数期間において、前記第1、第2の半導体レーザのうち発振波長が増加している半導体レーザに対応する受光器の出力信号に含まれる干渉波形の周期を求めると同時に、前記第1の計数期間と同じ時刻の第2の計数期間において、前記第1、第2の半導体レーザのうち発振波長が減少している半導体レーザに対応する受光器の出力信号に含まれる干渉波形の周期を求めるものであることを特徴とする距離・速度計。
  14. 請求項5又は6に記載の距離・速度計において、
    さらに、前記測定対象が微小変位状態にあると仮定した場合の速度の候補値と前記測定対象が変位状態にあると仮定した場合の速度の候補値のうち、前記状態判定手段の判定結果から前記距離・速度確定手段が真値でないと判断して採用しなかった方の速度の候補値が、前記距離・速度確定手段が真値であると判断して採用した方の距離の候補値に前記第1、第2の半導体レーザの波長変化率を掛けた値と略等しくなるように、前記第1、第2のレーザドライバから前記第1、第2の半導体レーザに供給される駆動電流のうち少なくとも一方の振幅を調整する振幅調整手段を有することを特徴とする距離・速度計。
  15. 請求項5又は6に記載の距離・速度計において、
    さらに、前記測定対象が微小変位状態にあると仮定した場合の速度の候補値と前記測定対象が変位状態にあると仮定した場合の速度の候補値のうち、前記状態判定手段の判定結果から前記距離・速度確定手段が真値であると判断して採用した方の速度の候補値が前記第1、第2の半導体レーザの波長変化が切り替わるタイミングの前後において連続性を保つように、前記第1、第2のレーザドライバから前記第1、第2の半導体レーザに供給される駆動電流のうち少なくとも一方の振幅を調整する振幅調整手段を有することを特徴とする距離・速度計。
  16. 請求項5又は6に記載の距離・速度計において、
    さらに、前記測定対象が微小変位状態にあると仮定した場合の距離の候補値と前記測定対象が変位状態にあると仮定した場合の距離の候補値のうち、前記状態判定手段の判定結果から前記距離・速度確定手段が真値であると判断して採用した方の距離の候補値が前記第1、第2の半導体レーザの波長変化が切り替わるタイミングの前後において連続性を保つように、前記第1、第2のレーザドライバから前記第1、第2の半導体レーザに供給される駆動電流のうち少なくとも一方の振幅を調整する振幅調整手段を有することを特徴とする距離・速度計。
  17. 半導体レーザを用いて測定対象にレーザ光を放射する距離・速度計測方法において、
    少なくとも発振波長が連続的に単調増加する発振期間が繰り返し存在するように第1の半導体レーザを動作させる第1の発振手順と、
    前記第1の半導体レーザと発振波長の増減が逆になるように第2の半導体レーザを動作させる第2の発振手順と、
    前記第1の半導体レーザから放射された第1のレーザ光とこのレーザ光の前記測定対象からの戻り光とを電気信号に変換する第1の受光器の出力信号に含まれる、前記第1のレーザ光とその戻り光とによって生じる干渉波形の数を数えると共に、前記第2の半導体レーザから放射された第2のレーザ光とこのレーザ光の前記測定対象からの戻り光とを電気信号に変換する第2の受光器の出力信号に含まれる、前記第2のレーザ光とその戻り光とによって生じる干渉波形の数を数える計数手順と、
    前記第1、第2の半導体レーザの最小発振波長及び最大発振波長と前記計数手順の計数結果とから前記測定対象との距離及び前記測定対象の速度の少なくとも一方を算出する演算手順とを備えることを特徴とする距離・速度計測方法。
  18. 半導体レーザを用いて測定対象にレーザ光を放射する距離・速度計測方法において、
    少なくとも発振波長が連続的に単調増加する発振期間が繰り返し存在するように第1の半導体レーザを動作させる第1の発振手順と、
    前記第1の半導体レーザと発振波長の増減が逆になるように第2の半導体レーザを動作させる第2の発振手順と、
    前記第1の半導体レーザの光出力を電気信号に変換する第1の受光器の出力信号に含まれる、前記第1の半導体レーザから放射された第1のレーザ光とこのレーザ光の前記測定対象からの戻り光との自己結合効果によって生じる干渉波形の数を数えると共に、前記第2の半導体レーザの光出力を電気信号に変換する第2の受光器の出力信号に含まれる、前記第2の半導体レーザから放射された第2のレーザ光とこのレーザ光の前記測定対象からの戻り光との自己結合効果によって生じる干渉波形の数を数える計数手順と、
    前記第1、第2の半導体レーザの最小発振波長及び最大発振波長と前記計数手順の計数結果とから前記測定対象との距離及び前記測定対象の速度の少なくとも一方を算出する演算手順とを備えることを特徴とする距離・速度計測方法。
  19. 請求項17又は18に記載の距離・速度計測方法において、
    前記計数手順は、前記発振期間よりも短い第1の計数期間において、前記第1、第2の半導体レーザのうち発振波長が増加している半導体レーザに対応する受光器の出力信号に含まれる干渉波形の数を求めると同時に、前記第1の計数期間と同じ時刻の第2の計数期間において、前記第1、第2の半導体レーザのうち発振波長が減少している半導体レーザに対応する受光器の出力信号に含まれる干渉波形の数を求める手順からなり、
    前記演算手順は、前記第1、第2の半導体レーザの最小発振波長と最大発振波長と前記計数手順の計数結果に基づいて前記測定対象との距離の候補値と前記測定対象の速度の候補値とを算出する距離・速度算出手順と、この距離・速度算出手順で算出された速度の候補値に基づいて前記測定対象の状態を判定する状態判定手順と、この状態判定手順の判定結果に基づいて前記測定対象との距離及び前記測定対象の速度の少なくとも一方を確定する距離・速度確定手順とからなることを特徴とする距離・速度計測方法。
  20. 請求項19に記載の距離・速度計測方法において、
    前記距離・速度算出手順は、前記測定対象が微小変位状態にあると仮定した場合について第1の計数期間の計数結果と1回後の第2の計数期間の計数結果とから速度の第1の候補値と距離の第1の候補値とを算出すると共に、これらの第1の候補値を算出した第1の計数期間と同時刻の第2の計数結果の計数結果と前記第1の候補値を算出した第2の計数期間と同時刻の第1の計数期間の計数結果とから速度の第2の候補値と距離の第2の候補値とを算出し、前記測定対象が前記微小変位状態よりも動きが急な変位状態にあると仮定した場合について第1の計数期間の計数結果と1回後の第2の計数期間の計数結果とから速度の第3の候補値と距離の第3の候補値とを算出すると共に、これらの第3の候補値を算出した第1の計数期間と同時刻の第2の計数結果の計数結果と前記第3の候補値を算出した第2の計数期間と同時刻の第1の計数期間の計数結果とから速度の第4の候補値と距離の第4の候補値とを算出し、
    前記状態判定手順は、前記速度の第1の候補値と第2の候補値とが略等しい場合、前記測定対象が微小変位状態にあると判定し、前記速度の第3の候補値と第4の候補値とが略等しい場合、前記測定対象が変位状態にあると判定することを特徴とする距離・速度計測方法。
  21. 請求項20に記載の距離・速度計測方法において、
    前記距離・速度確定手順は、前記測定対象が微小変位状態にあると判定された場合、前記速度の第1の候補値と第2の候補値のいずれか一方を前記測定対象の速度とし、前記距離の第1の候補値と第2の候補値のいずれか一方を前記測定対象との距離とし、前記測定対象が変位状態にあると判定された場合、前記速度の第3の候補値と第4の候補値のいずれか一方を前記測定対象の速度とし、前記距離の第3の候補値と第4の候補値のいずれか一方を前記測定対象との距離とすることを特徴とする距離・速度計測方法。
  22. 請求項20に記載の距離・速度計測方法において、
    前記距離・速度確定手順は、前記測定対象が微小変位状態にあると判定された場合、前記速度の第1の候補値と第2の候補値との平均値を前記測定対象の速度とし、前記距離の第1の候補値と第2の候補値との平均値を前記測定対象との距離とし、前記測定対象が変位状態にあると判定された場合、前記速度の第3の候補値と第4の候補値との平均値を前記測定対象の速度とし、前記距離の第3の候補値と第4の候補値との平均値を前記測定対象との距離とすることを特徴とする距離・速度計測方法。
  23. 請求項20に記載の距離・速度計において、
    前記距離・速度確定手順は、前記速度の第1の候補値を算出した第1の計数期間の計数結果と前記速度の第2の候補値を算出した第1の計数期間の計数結果との和ΣXと、前記速度の第1の候補値を算出した第2の計数期間の計数結果と前記速度の第2の候補値を算出した第2の計数期間の計数結果との和ΣYとを比較して、前記ΣYよりも前記ΣXが大きい場合は前記測定対象が近づきつつあると判定し、前記ΣXよりも前記ΣYが大きい場合は前記測定対象が遠ざかりつつあると判定することを特徴とする距離・速度計測方法。
  24. 請求項20に記載の距離・速度計測方法において、
    前記演算手順は、さらに、前記距離・速度算出手順で算出された距離の候補値と前回に算出された距離の候補値との差である履歴変位を、前記測定対象が微小変位状態にあると仮定した場合と変位状態にあると仮定した場合の各々について算出する履歴変位算出手順を備え、
    前記状態判定手順は、前記速度の候補値に基づいて前記測定対象の状態を判定できない場合に、前記履歴変位算出手順の算出結果に基づいて前記測定対象の状態を判定することを特徴とする距離・速度計測方法。
  25. 請求項17又は18に記載の距離・速度計測方法において、
    前記計数手順は、
    前記第1、第2の受光器の出力信号に含まれる前記干渉波形の数を、前記第1、第2の受光器の出力信号の各々について数える干渉波形カウント手順と、
    前記干渉波形の数を数える計数期間中の前記干渉波形の周期を、前記第1、第2の受光器の出力信号の各々について前記干渉波形が入力される度に測定する周期測定手順と、
    この周期測定手順の測定結果から前記計数期間中の干渉波形の周期の度数分布を、前記第1、第2の受光器の出力信号の各々について作成する度数分布作成手順と、
    前記度数分布から前記干渉波形の周期の中央値を、前記第1、第2の受光器の出力信号の各々について算出する中央値算出手順と、
    前記度数分布から、前記中央値の第1の所定数倍以下である階級の度数の総和Nsと、前記中央値の第2の所定数倍以上である階級の度数の総和Nwとを求め、これらの度数NsとNwに基づいて前記干渉波形カウント手順の計数結果を、前記第1、第2の受光器の出力信号の各々について補正する補正値算出手順と、
    前記周期測定手順の測定結果から前記干渉波形の周期の総和を、前記第1、第2の受光器の出力信号の各々について算出する周期和算出手順と、
    前記補正値算出手順で補正された計数結果と前記周期和算出手順で算出された周期の総和とから、単位時間当たりの前記干渉波形の数を前記第1、第2の受光器の出力信号の各々について算出する個数算出手順とからなることを特徴とする距離・速度計測方法。
  26. 請求項17又は18に記載の距離・速度計測方法において、
    前記計数手順は、
    前記第1、第2の受光器の出力信号に含まれる一定個数の前記干渉波形の周期を、前記第1、第2の受光器の出力信号の各々について前記干渉波形が入力される度に測定する周期測定手順と、
    この周期測定手順の測定結果から前記干渉波形の周期の度数分布を、前記第1、第2の受光器の出力信号の各々について作成する度数分布作成手順と、
    前記度数分布から前記干渉波形の周期の中央値を、前記第1、第2の受光器の出力信号の各々について算出する中央値算出手順と、
    前記度数分布から、前記中央値の第1の所定数倍以下である階級の度数の総和Nsと、前記中央値の第2の所定数倍以上である階級の度数の総和Nwとを求め、これらの度数NsとNwに基づいて前記一定個数を、前記第1、第2の受光器の出力信号の各々について補正する補正値算出手順と、
    前記周期測定手順の測定結果から前記干渉波形の周期の総和を、前記第1、第2の受光器の出力信号の各々について算出する周期和算出手順と、
    前記補正値算出手順で補正された干渉波形の数と前記周期和算出手順で算出された周期の総和とから、単位時間当たりの前記干渉波形の数を前記第1、第2の受光器の出力信号の各々について算出する個数算出手順とからなることを特徴とする距離・速度計測方法。
  27. 請求項21又は22に記載の距離・速度計測方法において、
    さらに、前記測定対象が微小変位状態にあると仮定した場合の速度の候補値と前記測定対象が変位状態にあると仮定した場合の速度の候補値のうち、前記状態判定手順の判定結果から前記距離・速度確定手順で真値でないと判断され採用されなかった方の速度の候補値が、前記距離・速度確定手順で真値であると判断され採用された方の距離の候補値に前記第1、第2の半導体レーザの波長変化率を掛けた値と略等しくなるように、前記第1、第2の半導体レーザに供給される駆動電流のうち少なくとも一方の振幅を調整する振幅調整手順を有することを特徴とする距離・速度計測方法。
  28. 請求項21又は22に記載の距離・速度計測方法において、
    さらに、前記測定対象が微小変位状態にあると仮定した場合の速度の候補値と前記測定対象が変位状態にあると仮定した場合の速度の候補値のうち、前記状態判定手順の判定結果から前記距離・速度確定手順で真値であると判断され採用された方の速度の候補値が前記第1、第2の半導体レーザの波長変化が切り替わるタイミングの前後において連続性を保つように、前記第1、第2の半導体レーザに供給される駆動電流のうち少なくとも一方の振幅を調整する振幅調整手順を有することを特徴とする距離・速度計測方法。
  29. 請求項21又は22に記載の距離・速度計測方法において、
    さらに、前記測定対象が微小変位状態にあると仮定した場合の距離の候補値と前記測定対象が変位状態にあると仮定した場合の距離の候補値のうち、前記状態判定手順の判定結果から前記距離・速度確定手順で真値であると判断され採用された方の距離の候補値が前記第1、第2の半導体レーザの波長変化が切り替わるタイミングの前後において連続性を保つように、前記第1、第2の半導体レーザに供給される駆動電流のうち少なくとも一方の振幅を調整する振幅調整手順を有することを特徴とする距離・速度計測方法。
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