JP2009014477A - 漏洩水量測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】メカニカルシールからの漏洩水を測定中に漏洩水の漏洩量が増加した場合でも、漏洩水の流出を確実に防止することが可能な漏洩水量測定装置。
【解決手段】メカニカルシール3からの漏洩水Wを収容しこの漏洩水Wの体積を測る計量カップ11と、計量カップ11の下流側に設けられ、漏洩水Wの水位が所定量を超えたときに余剰な漏洩水Wを排水管6に排出させるための排水用カップ17と、体積測定後の計量カップ11内の漏洩水Wを排水管6に排出させるための排水弁14とを備える。メカニカルシール3からの漏洩水Wは計量カップ1に収容された状態で体積が測定されるので、測定者による漏洩水Wの採取作業が不要となる。また、計量カップ11に収容された漏洩水Wの水位が所定量を超えたときは、余剰な漏洩水Wは排水用カップ17により排水管6に向けて流れ、測定中に漏洩水Wの漏洩量が増加した場合でも、漏洩水Wの流出を防止することができる。
【選択図】図1

Description

この発明は、原子力発電所の給水ポンプや復水ポンプなどに用いられるメカニカルシールから漏れる漏洩水の漏洩量を測定する漏洩水量測定装置に関する。
原子力発電所では、複数のポンプに軸封方式の一種であるメカニカルシールを採用している。原子力発電所におけるポンプのメカニカルシールの点検に関する技術として、下記特許文献1が知られている。特許文献1の装置では、ポンプおよび近傍の配管内部の保有水を全量排水することなく、適切な水位を保持させて必要な構成部品のみの点検、修理を行うようにしている。
メカニカルシールは、一般のポンプに用いられているグランドパッキンに比べてシール性が非常に高いため、水漏れは生じないことを前提としているが、経年による摺動部の磨耗などにより漏れる場合がある。そこで、原子力発電所では、日常の巡視点検においてポンプ軸封部からの漏洩水の漏洩監視および漏洩発生時の漏洩水量を測定しており、漏洩量が限界値に達した場合は、ポンプの運転を停止しポンプの分解点検を実施している。
図4は、メカニカルシールからの漏洩水量を測定するための従来の方法を示している。図4において、符号1は原子力発電所における復水ポンプを示しており、復水ポンプ1の回転軸2の軸封部にはメカニカルシール3が設けられている。メカニカルシール3からの漏洩水Wは、配管4を介して復水ポンプ1の外周側へ流れるようになっている。配管4の下流端の直下には、メカニカルシール3からの漏洩水Wを受ける排水受け5が設けられている。通常、排水受け5に流入した漏洩水Wは排水管6に導かれるようになっている。従来においては、復水ポンプ1の軸封部の漏洩監視箇所には、漏洩水Wの漏洩量を測る装置が常設されていないため、排水受け5にビニル袋8を取付けた簡易な受け皿7を置いて漏洩水Wをビニル袋8に採取し、ビニル袋8に溜まった漏洩水Wをメスシリンダに移し変えて漏洩量を測定している。漏洩水Wの採取に際しては、排水受け5の上端と配管4の下流端との間の狭いスペースにビニル袋8を取付ける必要がある。
特開平11−23786号公報
しかし、上記のメカニカルシールからの漏洩水量の測定においては、排水受けに置いたビニル袋の姿勢が安定しないため、測定中に漏洩量が増加した場合は、排水受けからビニル袋が落下しやすく、ビニル袋が破けて漏洩水が床面などに流出するおそれがある。また、漏洩水の漏洩量の測定時には、ビニル袋をその都度準備しなければならず、しかも採取したビニル袋内の漏洩水をメスシリンダに移し変える必要がある。このように、メカニカルシールからの漏洩水の漏洩水量の測定においては、測定のための準備作業と測定者による漏洩水の採取作業が必要となるため、これらの作業を解消できる漏洩水量測定装置の開発が望まれる。
そこでこの発明は、メカニカルシールからの漏洩水を採取することなく漏洩水の漏洩水量を容易に測定することができ、測定中に漏洩水の漏洩量が増加した場合でも、漏洩水の流出を確実に防止することが可能な漏洩水量測定装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、メカニカルシールからの漏洩水を収容し該漏洩水の体積を測る計量手段と、前記計量手段の下流側に設けられ前記計量手段に収容された前記漏洩水の水位が所定量を超えたときに前記計量手段から余剰な前記漏洩水を排水管に排出させるための余剰水排出手段と、前記計量手段に設けられ体積測定後の前記計量手段内の前記漏洩水を前記排水管に排出させるための排水弁と、を備えたことを特徴とする漏洩水量測定装置である。
(作用)
メカニカルシールからの漏洩水は計量手段に流入し、計量手段に収容された状態で漏洩水の体積が測定される。計量手段に収容された漏洩水の水位が所定量を超えたときには、余剰な漏洩水は余剰水排出手段により排水管に向けて流れるので、測定中に漏洩水の漏洩量が増加した場合でも、計量手段からの漏洩水の床面などへの流出が回避される。また、体積測定後の計量手段内に残存する漏洩水は排出弁によって排水管へ排出され、次回の測定時のために計量手段内は空にされる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の漏洩水量測定装置において、前記計量手段は、前記メカニカルシールからの前記漏洩水を収容する計量カップから構成されており、前記余剰水排出手段は、前記計量カップの外側に設けられ前記計量カップから溢れた前記漏洩水を前記排水管に導く排水用カップからなることを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の漏洩水量測定装置において、前記計量手段は、前記メカニカルシールからの前記漏洩水を収容するU字状の計量管から構成されており、前記余剰水排出手段は、前記計量管の下流側に接続され前記計量管内の前記漏洩水の水位が所定量を超えたときに前記計量管内の余剰な前記漏洩水を前記排水管へ導く導管から構成されていることを特徴としている。
請求項1ないし請求項3に記載の発明によれば、メカニカルシールからの漏洩水は計量手段に収容された状態で体積が測定されるので、漏洩水量測定のための測定者による漏洩水の採取作業が不要となり、漏洩水の漏洩水量の測定作業を簡略化することができる。また、計量手段に収容された漏洩水の水位が所定量を超えたときは、計量手段内の余剰な漏洩水は余剰水排出手段により排水管に向けて流れるので、測定中に漏洩水の漏洩量が増加した場合でも、計量手段からの漏洩水が床面などに流出するのを防止することができ、漏洩水の流出による床面などの清掃処理を解消することができる。さらに、体積測定後には、計量手段内に残存する漏洩水は排水弁によって排水管へ排出されるので、次回の測定時には計量手段内を空にすることができ、漏洩水量の測定毎にビニル袋を準備する必要もなくなる。したがって、メカニカルシールからの漏洩水が放射性水であっても、測定者は漏洩水に直接触れることなく漏洩水量の測定および漏洩水の排水が可能となる。
つぎに、この発明の実施の形態について図面を用いて詳しく説明する。
(実施の形態1)
図1および図2は、この発明の実施の形態1を示している。図2に示す原子力発電所の復水ポンプ1は、復水器(図示略)へ冷却水を送るためのものであり、回転軸2の軸封部にはメカニカルシール3が設けられている。メカニカルシール3は、基本的に回転環3a、遊動環3b、静止環3cの三つの環から構成されており、これらは回転軸2の外周に設けられている。回転環3aは回転軸2と一体となっており、復水ポンプ1の運転中は回転軸2とともに回転する。遊動環3bおよび静止環3cは、復水ポンプ1のハウジング側に取付けられている。メカニカルシール3は、回転環3aと遊動環3bとの摺動面が密着することにより、冷却水のシール機能を果たしている。メカニカルシール3は、回転環3aと遊動環3bとの摺動面が高いシール性を有しているので、通常摺動面からの漏れは生じないが、経年により僅かな漏れが生じる場合がある。そのため、復水ポンプ1には、メカニカルシール3からの漏洩水Wを外周側へ導く配管4が接続されている。配管4の直下には、メカニカルシール3からの漏洩水Wの漏洩水量を測定する漏洩水量測定装置10が設けられている。
図1は、漏洩水量測定装置10の詳細構造を示している。漏洩水量測定装置10は、計量手段としての計量カップ11と、余剰水排水手段としての排水用カップ17と、排水弁14とを有している。計量カップ11は、上部が開口した円筒状の透明容器から構成されている。配管4の下流端から排出される漏洩水Wは、全て計量カップ11内に流入するように計量カップ11が配設されている。計量カップ11の側面には、漏洩水Wの体積を測定するための目盛12が設けられている。計量カップ11の底壁には、計量カップ11内に収容された漏洩水Wを排出させるための円形の排出穴13が形成されている。排出穴13は、後述する集合カップ17bと連通しており、計量カップ11内の漏洩水Wが排出穴13を介して集合カップ17bに排出可能となっている。排水穴13には、排水穴13を塞ぐためのゴム製の排水弁14が装着可能となっている。排水弁14は、チェーン15を介して支持具16に連結されている。支持具16は、排水用カップ17の下部側面に固定されている。
計量カップ11の外周には、排水用カップ17が配置されている。排水用カップ17は、上部カップ17aと集合カップ17bとから構成されている。上部カップ17aは、上部が開口した円筒状の透明容器からなり、上端が計量カップ11の上端位置よりも高く設定されている。上部カップ17aの底壁は、上部カップ17aの内側面と計量カップ11の外側面との間に位置している。上部カップ17aの底壁には、複数の流出穴18が周方向に一定間隔で形成されている。集合カップ17bは、下方が縮径するお椀状をしており、上部カップ17aの下端に取付けられている。集合カップ17bは、上部カップ17aの複数の流出穴18から排出される漏洩水Wを一箇所に集合させる構造になっている。
集合カップ17bの下端部には、排水管6が接続されている。集合カップ17bの下端部は、漏洩水Wを排水管6に流すために開口している。このように、排水用カップ17は、計量カップ11の上端全周から溢れた漏洩水Wを上部カップ17aに流入させ、複数の流出穴18から流下する漏洩水Wを集合カップ17bにより一箇所に集合させる機能を有する。
つぎに、漏洩水量測定装置10を用いた漏洩水Wの漏洩水量測定手順について説明する。配管4の下流端から排出された漏洩水Wは、まず計量カップ11に流入する。この状態では、計量カップ11内は空であり、排水穴13は排水弁14によって塞がれている。計量カップ11内には、所定の時間で所定量の漏洩水Wが収容される。計量カップ11の側面には目盛12が設けられているので、所定時間における漏洩水Wの体積を計量することが可能となる。これにより、単位時間当たりの漏洩水Wの漏洩水量を算出することができる。漏洩水Wの漏洩水量測定が完了すると、チェーン15を介して排水弁14が測定者により引き上げられる。これにより、計量カップ11内に残存する漏洩水Wが排水穴13から集合カップ17b側に排出され、集合カップ17b内に流入した漏洩水Wは排水管6に排出される。
漏洩水量の測定中に、メカニカルシール3からの漏洩水Wの流量が増加した際は、所定時間内で漏洩水Wが計量カップ11から溢れる場合がある。万一、漏洩水Wが計量カップ11の上端から溢れた場合は、溢れた漏洩水Wが排水用カップ17に流入するので、漏洩水Wが外部に漏出することは回避される。すなわち、排水用カップ17の上端位置は計量カップ11の上端位置よりも高く、排水用カップ17へ流入した漏洩水Wは複数の流出穴18から集合カップ17b側へ短時間で流出するので、排水用カップ17内に存在する漏洩水Wはごく少量であり、排水用カップ17から漏洩水Wが外部へ流出することは回避される。
このように、漏洩水量測定装置10による漏洩水Wの漏洩量測定においては、漏洩水量の測定毎に図4に示すビニル袋8を準備する必要もなく、かつ狭いスペースへのビニル袋8の取付けも不要となる。また、メカニカルシール3からの漏洩水Wが放射性水であっても、漏洩水Wの採取が不要なので、測定者は漏洩水Wに直接触れることなく漏洩水Wの漏洩量の測定および漏洩水Wの排水が可能となる。
(実施の形態2)
図3は、この発明の実施の形態2を示しており、図1の漏洩水量測定装置10と異なる方法で漏洩水量を測定するための漏洩水量測定装置20を示している。漏洩水量測定装置20は、計量手段としての計量管21と、余剰水排水手段としての導管22と、排水弁26とを有している。計量管21は、透明なU字状の管材から構成されている。計量管21の上流端部は、上端にいくにしたがって拡径する漏斗状の排水受け21aに形成されている。排水受け21aは、配管4の下流端の直下に位置している。計量管21の排水受け21aの下流は下方に延びており、計量管21におけるこの下方に延びる部分の側面には漏洩水Wの体積を計量するための目盛22が設けられている。計量管21のU字状部の下流側は上方に延びており、その下流端には逆U字形の導管22が接続されている。導管22の下流端には、排水管6が接続されている。導管22の頂部には、導管22内が負圧になるのを回避する吸気管28が接続されている。吸気管28は、空気を導管22内に導くことによりサイフォン現象を回避するための機能を有する。計量管21の排水受け21aの上端部は、導管22の頂部の位置よりも高く設定されている。
計量管21のU字状部の最下部には、下方に延びる流出入管24が接続されている。流出入管24の下端には、排水弁26が設けられている。排水弁26は、下流側が排出管29を介して排水管6に接続されている。流出入管24の途中には、水平方向に延びる供給管25が接続されている。供給管25の上流側には供給弁27が設けられている。計量管21のU字状部には、供給弁27および流出入管24を介して純水W1が供給可能となっている。純水W1は、漏洩水Wの体積を測定する際に液面をゼロレベルに調整するための水張りのために使用される。
つぎに、漏洩水量測定装置20を用いた漏洩水Wの漏洩水量測定手順について説明する。まず、漏洩水Wの漏洩水量の測定に先立ち、供給弁27を介して計量管21のU字状部に純水W1を流入させ、純水W1の液面を目盛22のゼロレベルAに一致させる。その後、配管4から排出された漏洩水Wが計量管21内に流入し、計量管21内には所定の時間で所定量の漏洩水Wが収容される。計量管21には目盛22が設けられているので、所定時間における漏洩水Wの体積を計量することが可能となる。これにより、単位時間当たりの漏洩水Wの漏洩水量を算出することができる。漏洩水量の測定が完了すると、排水弁26が開とされ、計量管21内に残存する漏洩水Wが排出管29から排水管6に排出される。
漏洩水量の測定中に、漏洩水Wの流量が増加した際は、所定の時間で計量管21の漏洩水Wの水位が著しく上昇する場合がある。万一、漏洩水Wの漏洩量が増加しても、導管22の頂部の位置よりも計量管21の排水受け21aの上端の位置が高いので、漏洩水Wは計量管21から溢れることはなく、導管22を介して漏洩水Wは排水管6に排出される。このように、漏洩水量測定装置20による漏洩水Wの漏洩水量の測定においては、実施の形態1と同様に漏洩水量の測定毎に図4に示すビニル袋8を準備する必要もなく、また、漏洩水Wが放射性水であっても、測定者は漏洩水Wに直接触れることなく漏洩水量の測定および漏洩水Wの排水が可能となる。
なお、上記実施の形態2の測定手順では、漏洩水Wの漏洩水量の測定に先立ち、供給弁27を介して計量管21のU字状部に純水W1を流入させ、純水W1の液面を目盛22のゼロレベルAに一致させるようにしているが、計量管21のU字状部に漏洩水Wを予め流入させておき、漏洩水Wの液面をゼロレベルAに一致させるようにすれば、純水W1の供給がなくとも漏洩水Wの漏洩水量の測定が可能となる。
以上、この発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、各実施の形態では、復水ポンプ1のメカニカルシール3からの漏洩水Wの漏洩水量の測定について説明したが、復水ポンプ1に限られず、給水ポンプやその他のでもあってもよい。さらに、メカニカルシールは、原子力発電所で用いられるポンプに限られず、産業用ポンプやその他の流体機器類に使用されるものであってもよい。
本発明の実施の形態1に係わる漏洩水量測定装置の透視斜視図である。 図1の漏洩水量測定装置が設けられる原子力発電所の復水ポンプ近傍の配管図である。 本発明の実施の形態2に係わる漏洩水量測定装置の正面図である。 従来における復水ポンプのメカニカルシールからの漏洩水の採取状態を示す正面図である。
符号の説明
1 復水ポンプ
3 メカニカルシール
4 配管
6 排水管
10 漏洩水量測定装置
11 計量カップ(計量手段)
14 排水弁
17 排水用カップ(余剰水排水手段)
20 漏洩水量測定装置
21 計量管(計量手段)
22 導管(余剰水排水手段)
26 排水弁
27 供給弁
W 漏洩水

Claims (3)

  1. メカニカルシールからの漏洩水を収容し該漏洩水の体積を測る計量手段と、前記計量手段の下流側に設けられ前記計量手段に収容された前記漏洩水の水位が所定量を超えたときに前記計量手段から余剰な前記漏洩水を排水管に排出させるための余剰水排出手段と、前記計量手段に設けられ体積測定後の前記計量手段内の前記漏洩水を前記排水管に排出させるための排水弁と、を備えたことを特徴とする漏洩水量測定装置。
  2. 前記計量手段は、前記メカニカルシールからの前記漏洩水を収容する計量カップから構成されており、前記余剰水排出手段は、前記計量カップの外側に設けられ前記計量カップから溢れた前記漏洩水を前記排水管に導く排水用カップからなることを特徴とする請求項1に記載の漏洩水量測定装置。
  3. 前記計量手段は、前記メカニカルシールからの前記漏洩水を収容するU字状の計量管から構成されており、前記余剰水排出手段は、前記計量管の下流側に接続され前記計量管内の前記漏洩水の水位が所定量を超えたときに前記計量管内の余剰な前記漏洩水を前記排水管へ導く導管から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の漏洩水量測定装置。
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