JP2009013671A - 浮体構造物及びその構築方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、簡単な構造で十分な強度を備え内部に複数の密閉空間が形成された浮体構造物及びその構築方法を提供することを目的とするものである。
【解決手段】浮体構造物1は六面体状に形成されており、その外側面には外壁部2が設けられており、外底面には底板部3が設けられている。外壁部2及び底板部3は鋼板及びコンクリートからなるハイブリッド構造となっている。外壁部2及び底板部3により形成される内部空間には、ユニット構造体10が3次元に配列されており、各ユニット構造体10の内部には六面体状のユニット空間がそれぞれ形成されている。ユニット構造体10は、5枚の波形鋼板をアングルにより組み付けて構成されており、隣接するユニット構造体の間にはコンクリートが充填されて隔壁部が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、洋上ステーション、洋上プラットホーム、浮ドック等の海洋構造体に用いられる浮体構造物及びその構築方法に関する。
近年、廃棄物処理、航空機等の騒音問題、土地の高コスト化といった問題に対処するため海上に建造物、生産設備又は処理設備を設置する洋上プラットホーム等の海洋構造体が開発されている。
例えば、特許文献1では、ウォータフロント等の海上立地を行うために、複数のケーソンブロックをハニカム状に連結して人工島の基礎構造を構築した点が記載されている。また、特許文献2では、廃棄物処理のための海洋構造体を複数のケーソンを集合配置して構築した点が記載されている。また、特許文献3では、多数のコンクリート製の立体物を3次元にわたって配設することにより飛行場を構成するようにした点が記載されている。
海洋構造体として用いられるケーソンについては、迅速的確に構築するためにプレハブ化して構築することが提案されており、例えば、特許文献4では、ケーソンを構成する底版、内部骨格及び外壁パネルを工場で予め製造しておき、ケーソンの組立て位置に各構成部材を運搬して組み立て製造するようにした点が記載されている。また、特許文献5では、鋼製枠に複数のユニット部材を配列して隣接するユニット部材を溶接してケーソンを製造するようにした点が記載されている。
また、本発明者は、特許文献6に示すように、建築構造の耐力壁構造として一対の表面鋼板の間にコンクリートを充填した壁構造を提案している。
特開平5−311627号公報 特開2002−262708号公報 特開2002−234485号公報 特開平9−228380号公報 特開2000−328536号公報 特許第3643369号公報
上述した特許文献に記載されているように、海洋構造体を予め分割してユニット化したものを製造しておき、設置場所で組み立てる方法が用いられているが、廃棄物処理等のように作業場所を移動する必要がある場合には浮きドックのように浮沈可能な構造にしておくことが好ましい。
浮沈可能な構造としては、内部に水を貯留するタンクを備えておき、タンク内に水を注排水することで構造体全体を浮上又は沈下させることができる。そのため海洋構造体の内部に水を貯留するための密閉空間を複数形成する必要があるが、上述した特許文献のようにユニット化したものやパネルを組み合せて構築する方法では、こうした浮沈用の密閉空間を形成することは難しい。
そのため、鋼板や鉄骨部材を組立てて構築することが考えられるが、作業工程が複雑になって工期が長期化するとともにコスト負担が大きくなる。また、複数の密閉空間を形成するため構造体の強度が低下しないように、例えばコンクリートと鋼板との合成版構造を用いることが考えられるが、コンクリートの打設の際に型枠が必要になり、また鉄筋を用いる場合にはさらに鉄筋の組立て作業を行う必要があり、この場合にも工期の長期化及びコストアップは避けられない。
そこで、本発明は、簡単な構造で十分な強度を備え内部に複数の密閉空間が形成された浮体構造物及びその構築方法を提供することを目的とするものである。
本発明に係る浮体構造物は、外壁部及び底板部により形成された内部空間に、垂直壁面及び天井面として配設された波形鋼板の各辺部を鉄骨部材で接合固定することでユニット空間を形成するユニット構造体が3次元に複数配列されており、隣接するユニット構造体の垂直壁面の波形鋼板の間にコンクリートを打設して形成された隔壁部を備えていることを特徴とする。さらに、前記ユニット構造体の天井面の波形鋼板の上面には所定の厚さのコンクリートを打設して床面部が形成されていることを特徴とする。さらに、前記隔壁部は、対向する波形鋼板の外方に突出する山状部分が互いに対応するように配置されて形成された幅広の柱状部及び内方に入り込んだ谷状部分が互いに対応するように配置されて形成された連結部を有していることを特徴とする。さらに、前記隔壁部のコンクリートの内部には補強用の線状材が分布していることを特徴とする。
本発明に係る浮体構造物の構築方法は、外壁部及び底板部により内部空間を形成する外面部構築工程と、形成された内部空間に鉄骨部材により骨組みを組み立て垂直壁面及び天井面にそれぞれ波形鋼板を配設しその各辺部を鉄骨部材に接合固定することでユニット構造体を形成するとともに当該ユニット構造体を内部空間の底面に複数配列して構築する段構造構築工程と、隣接するユニット構造体の垂直壁面の波形鋼板の間にコンクリートを打設し1段目の隔壁部を構築して1段目のユニット空間を複数形成するとともに各ユニット構造体の上面にコンクリートを打設して床面を形成するユニット空間形成工程とを備え、形成された床面に前記段構造構築工程及び前記打設工程を繰返し行って複数段のユニット空間を形成することを特徴とする。
本発明に係る浮体構造物は、上記のような構成を有することで、波形鋼板及び鉄骨部材からなるユニット構造体を3次元に複数配列し、隣接するユニット構造体の間にコンクリートを打設して波形鋼板及びコンクリートからなるハイブリッド構造の隔壁部を備えているので、簡単な構造で浮沈用の密閉空間となるユニット空間を複数段にわたって形成することができる。
すなわち、ユニット構造体を垂直壁面及び天井面として波形鋼板を配設し各辺部を鉄骨部材で接合固定した構造となっているので、簡単に上下方向に段構造を構築できるとともに横方向に面状に配列するように構築することも容易に行うことができる。また、隔壁部は波形鋼板とコンクリートとのハイブリッド構造となっているので、引張強度及び圧縮強度に優れており、また十分なせん断強度を有している。そのため、複数段のユニット空間が形成された場合でも構造上の強度が低下することはなく、浮沈動作を行なう場合でも水圧等に対して十分な耐久性を確保することができる。
ユニット構造体により形成されるユニット空間は3次元に配列することができるので、注排水を行うユニット空間を選択して構造物全体のバランスを設定することが可能となり、構造物に機械設備等の重量物を設置した場合にもバランス調整を容易に行うことができる。また、ユニット空間が複数段に構築されているので、下部のユニット空間を注排水用に使用して上部のユニット空間を機械設備の設置スペースや倉庫用のスペース等に活用することができ、多目的に使用することが可能となる。
また、ユニット構造体の天井面の波形鋼板の上面には所定の厚さのコンクリートを打設して床面部が形成されているので、ユニット空間への注排水の際の水圧や圧力変動に対しても十分な耐久性を持たせることができ、密閉空間を長期間にわたって維持することができる。
そして、隔壁部が、対向する波形鋼板の外方に突出する山状部分が互いに対応するように配置されて形成された幅広の柱状部及び内方に入り込んだ谷状部分が互いに対応するように配置されて形成された連結部を有していることで、柱状部で強度を高めると共に連結部を幅狭とすることでより軽量化することができる。
また、隔壁部のコンクリートの内部に補強用の線状材を含むことで、コンクリートの引張強度及びせん断強度を高めて隔壁部の耐久性をより向上させることができる。
以下、本発明に係る実施形態について詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するにあたって好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に本発明を限定する旨明記されていない限り、これらの形態に限定されるものではない。
図1は、本発明に係る浮体構造物に関する実施形態の内部構造を断面で示す斜視図である。この例では、浮体構造物1は六面体状に形成されており、その外側面には外壁部2が設けられており、外底面には底板部3が設けられている。後述するように、外壁部2及び底板部3は鋼板及びコンクリートからなるハイブリッド構造となっている。
外壁部2及び底板部3により形成される内部空間には、ユニット構造体10が3次元に配列されており、各ユニット構造体10の内部には六面体状のユニット空間がそれぞれ形成されている。
隣接するユニット構造体の垂直壁面の間には所定の間隙が形成されており、その間隙にコンクリートが打設されて隔壁部が構成されている。また、各ユニット構造体の天井面の上面にも所定の厚さでコンクリートが打設されて床面部が構成されており、隔壁部及び床面部は、後述するように波形鋼板及びコンクリートからなるハイブリッド構造となっている。そのため、各ユニット構造体の内部に形成されるユニット空間は、打設されたコンクリートにより完全な密閉空間となっている。
この例では、底板部3に面状に配列されたユニット構造体10a1〜10a4により1段目の段構造が構築されており、各ユニット構造体の内部に形成されたユニット空間がマトリックス状に面配列されるようになる。1段目の段構造の上面には2段目の段構造を構成するユニット構造体10b1〜10b4が1段目と同様にマトリックス状に面配列されて構築されており、2段目の段構造の上面には3段目の段構造を構成するユニット構造体10c1〜10c4が同様に面配列されて構築されている。
こうした複数段にわたる段構造において形成されたユニット空間は、図示されていないポンプ等の給排水設備により下部のユニット空間に注排水が行われて浮体構造物1の浮沈動作が行なわれる。上部のユニット空間には目的に応じて機械設備や処理設備が設置され、また必要に応じて倉庫スペースとして使用される。
図2は、ユニット構造体に関する分解斜視図である。各ユニット構造体は、垂直壁面を構成する波形鋼板100a〜100d及び天井面を構成する波形鋼板100eを備えている。各波形鋼板は正方形状で同じ大きさに形成されており、図3(a)に示す断面形状を有する細長い帯状の単位プレート体1000を組み合せて構成されている。単位プレート体1000は、山形状部分1001と谷形状部分1002とを形成するように長手方向に平行な複数の折り曲げ線で折り曲げられている。そして、両端部には、隣接する単位プレート体と組み付けて一体化するための係止部1003及び1004が湾曲させて形成されており、図3(b)に示すように、係止部を隣接する単位プレート体の係止部に長手方向にスライドさせて挿入することで、長手方向と直交する方向には単位プレート体同士が一体化して分離することはない。
また、山形状部分1001のほぼ中央にはV字状の溝1005が長手方向に沿って直線状に形成されており、谷形状部分1002のほぼ中央に蟻溝状の凹部1006が長手方向に沿って直線状に形成されている。そして、隣接する単位プレート体の係合部1003及び1004を係合することで谷形状部分1002及び蟻溝状の凹部1006が形成される。
V字状の溝1005及び蟻溝状の凹部1006は、コンクリートを打設して隔壁部を形成した場合に、波形鋼板とコンクリート体の密着力を向上させて剥離しにくいようにし、隔壁部の構造強度を高めるものである。コンクリートを波形鋼板の間に打設する場合には、蟻溝状の凹部1006が突出する側の面にコンクリート体を密着させることでコンクリート体が剥離することを防止できる。
単位プレート体1000の長手方向の両端部は、山形状部分1001が谷形状部分1002と一致するように潰されて傾斜した状態に形成されている。そのため、波形鋼板の両端部は所定の幅で平面状の取付部分1007が形成される。
以上のような波形鋼板は、いわゆるデッキプレートと称される公知のものであり、上述した以外の形状に成形された波形鋼板についても同様に用いることができる。
各波形鋼板は、鉄骨部材である断面L字状のアングルを用いて六面体状に組付けられる。垂直壁面を構成する波形鋼板100a〜100dは垂直に立設された4本のアングル101a〜101dに取り付けられる。アングル101a〜101dは、底板部3に突設されたリブ状の取付板部32に溶接等により取付固定されて立設されている。アングルを取付固定する場合には、アングルの端部と取付板部32とを連結する連結板をユニット構造体の内側から当接して溶接すれば、アングルの端部及び取付板部32の波形鋼板に対する当接面を面一にすることができ、波形鋼板との間を隙間なく取り付けることが可能となる。
底板部3は、底面を構成する平板状の鋼板30の上面に細幅の取付板部32を溶接し、鋼板30の上面に所定の厚さで打設されたコンクリート体31を備えたハイブリッド構造となっている。取付板部32は、各ユニット構造体のアングルの立設位置に合せて取付固定すればよい。
波形鋼板100a〜100dは、山形状部分及び谷形状部分が上下方向に沿うように組み付けられる。各波形鋼板の両側端部はアングル101a〜101dに当接されて所定の間隔で栓溶接されて固定される。また、下端部は取付板部32に当接されて所定の間隔で栓溶接されて固定される。上端部には、アングル101a〜101dの間に横設されたアングル102a〜102dが当接されて所定の間隔で栓溶接されて固定される。アングル102a〜102dの両端部には、それぞれアングル101a〜101dとの間に連結板が内側から当接されて溶接により取付固定されており、アングル102a〜102d及びアングル101a〜101dの波形鋼板に対する当接面が面一に設定されて波形鋼板との間を隙間なく取り付けることができる。
天井面を構成する波形鋼板100eは、四辺部をそれぞれアングル102a〜102dに設置して所定の間隔で栓溶接されて固定される。波形鋼板100eを取付固定した状態では、四隅部がアングル101a〜101dの内側に当接して隙間なく設置される。
以上のようにユニット構造体を構成することで、図4に示すように、波形鋼板100a〜100eにより区画された六面体状のユニット空間が内部に形成される。そして、各波形鋼板の間にはアングルが隙間なく組み付けられているため打設されたコンクリートがユニット空間内に流入することが防止される。
図2では底板部3の上面に組み付けられる1段目のユニット構造体について説明したが、2段目以上のユニット構造体についても同様に組み付けられる。2段目以上のユニット構造体では、アングル101a〜101dが1段目のユニット構造体から上方に延設されており、延設されたアングルに垂直壁面を構成する波形鋼板を組み付ければよい。そして、1段目のユニット構造体の天井面を構成する波形鋼板の上面にコンクリートを所定の厚さ打設して構成される床面部に当接してアングルを横設し、アングル102a〜102dと同様にアングル101a〜101dに取付固定し、取付固定したアングルに垂直壁面を構成する波形鋼板の下端を栓溶接により組み付ける。垂直壁面を構成する波形鋼板の上端は1段目と同様にアングルで固定し、天井面を構成する波形鋼板を組み付ければよい。3段目のユニット構造体についても2段目と同様に組立てることができる。アングル101a〜101dについては、適宜別のアングルを連結して必要な高さに延設すればよい。
また、外壁部2は、外表面に設けられた平板状の鋼板20の内側に所定の厚さで打設されたコンクリート体21を備えたハイブリッド構造となっており、コンクリート体21の内側にユニット構造体の波形鋼板と同形状の波形鋼板22が取付固定されている。波形鋼板22は、コンクリート体21内に突設されたスタッド等により剥離しないように固定される。外壁部2の鋼板20の下端部と底板部3の鋼板30の端部との間には細幅状の連結板部23が配設され、鋼板20及び30と連結板部23とが溶接等により固定されることで、外壁部2と底板部3とが一体化される。
図5は、浮体構造物1を水平面で切断した一部拡大断面図であり、図6は、図5の垂直面A−Aで切断した一部拡大断面図である。ユニット構造体の内部には波形鋼板100a〜100dで囲まれたユニット空間Sが形成されており、隣接するユニット構造体の垂直壁面を構成する波形鋼板の間は所定間隔を空けて配設されている。そして、間隔を空けて設定された波形鋼板の間にはコンクリートが打設されて隙間なく充填されており、波形鋼板及びコンクリート体からなるハイブリッド構造の隔壁部4が形成されている。また、各ユニット構造体の天井面を構成する波形鋼板100eの上面にも所定の厚さでコンクリートが打設されて波形鋼板及びコンクリート体からなるハイブリッド構造の床面部5が形成されている。
隔壁部4では、垂直壁面を構成する波形鋼板が山形状部分及び谷形状部分が互いに対向するように配置されており、谷形状部分が対向した部分ではコンクリート体の幅が広くなって柱状部分を形成している。また、山形状部分が対向した部分ではコンクリート体の幅が狭くなって連結部分を形成している。そのため、柱状部分で隔壁部4の強度を向上させることができ、連結部分により軽量化を図ることができる。また、柱状部分では波形鋼板の谷形状部分からスタッドがコンクリート体の内部に突出しており、波形鋼板とコンクリート体との間の一体性を高めて波形鋼板が剥離するのを防止している。この場合、対向配置された波型鋼板の間をボルトにより固定して一体化してもよい。
さらに、コンクリート体の内部には、補強用の線状材が分布しており、コンクリート体の引張強度を向上させることができる。補強用の線状材としては、金属製又は合成樹脂製の線材を数cm程度の長さに成形したもので、コンクリートの内部に所定の密度で分布させておくことでコンクリートの内部に鉄筋を設ける場合と同様の引張強度を持たせることが可能となる。
浮体構造物1を海洋に設置した場合、隔壁部4には上下左右から力が変動して加わるようになるが、隔壁部4を上述したような構造で強化することにより圧力変動に対する耐久性に優れたものとなる。
また、床面部5においても波型鋼板の谷形状部分からコンクリート体の内部にスタッドを突出させて一体性を高めるようにしている。
図7から図12は、浮体構造物1の構築過程を示す一部拡大斜視図である。まず、図7に示すように、底板部3の各辺部に外壁部2を固定して外面部を構築する。図2において説明した外壁部2及び底板部3は、予め鋼板及びコンクリートを用いて作製しておく。外壁部2は浮体構造物1の垂直壁面を構成するために4個作製しておく。外壁部2の内側には、ユニット構造体の段構造に対応して波形鋼板22が取付固定される。
底板部3は浮体構造物1の底面の大きさに合せて作製し、上面にユニット構造体を組立てる取付板部32を固定しておく。そして、底板部3の四辺部に外壁部2をそれぞれ立設して連結板部23により固定する。
次に、図8に示すように、底板部3の上面に1段目のユニット構造体を構築する。ユニット構造体は図2において説明したように4つの垂直壁面を構成する波形鋼板と天井面を構成する波形鋼板をアングルにより六面体状に組み立てる。底板部3の取付板部32に立設されたアングルは波形鋼板よりも高く上方に延設する長さに設定されている。ユニット構造体はマトリックス状に前後左右に所定間隔を空けて配列するように構築される。注排水用の配管等の設備は、ユニット構造体が組立てる際に取り付けるようにする。
1段目の段構造を構築した後、段構造の上方からコンクリートを打設する。打設するコンクリートには予め補強用の線状材が多数混合されている。コンクリートはユニット構造体の間に隙間なく充填されて隔壁部が作製される。ユニット構造体の間にコンクリートを充填した後ユニット構造体の上面に所定の厚さでさらにコンクリートを打設して床面部を作製する。こうして図9に示すように1段目の段構造全体がコンクリートで覆われるようになる。各ユニット構造体の内部にはコンクリートが流入せずに六面体状のユニット空間が密閉状態で形成されるようになる。
次に、図10に示すように、打設されたコンクリートから上方に突出するアングルにアングルを横設して固定し、立方体状の枠体を組み立てる。そして、図11に示すように、アングルにより組み立てられた枠体に波形鋼板を組み付けて2段目のユニット構造体を構築する。こうして構築された2段目の段構造の上方から1段目と同様にコンクリートを打設し、図12に示すように、2段目の隔壁部及び床面部を作製する。3段目以降の段構造についても2段目の段構造と同様の作業を繰り返すことで構築することができる。
以上説明したように、底板部に1段目の段構造を構築し、その上に2段目の段構造を構築するので、足場等の設備が不要となり、工期を大幅に短縮することができる。また、構造上鉄筋等を用いないので、熟練工等の経験や技能がなくても簡単に構築することができる。
図13は、段構造のユニット構造体の配列に関する変形例を示す水平方向の一部拡大断面図である。この例では、1つの段構造においてユニット構造体が複数列に配列されており(図面では上下方向に沿って各列のユニット構造体が配列されている)、各列のユニット構造体は隣接する列に対して半分の長さずつずれるように配置されている。そのため、図面において左右方向に形成される隔壁部4が各列で交互にずれた位置に形成されるようになり、図5に示すユニット構造体の配列構造よりもさらに強度を高めることができる。
本発明に係る浮体構造物に関する実施形態の内部構造を断面で示す斜視図である。 ユニット構造体に関する分解斜視図である。 波形鋼板の単位プレート体に関する断面図及び斜視図である。 ユニット構造体に関する斜視図である。 浮体構造物を水平面で切断した一部拡大断面図である。 図5の垂直面A−Aで切断した一部拡大断面図である。 浮体構造物の構築過程を示す一部拡大斜視図である。 浮体構造物の構築過程を示す一部拡大斜視図である。 浮体構造物の構築過程を示す一部拡大斜視図である。 浮体構造物の構築過程を示す一部拡大斜視図である。 浮体構造物の構築過程を示す一部拡大斜視図である。 浮体構造物の構築過程を示す一部拡大斜視図である。 段構造のユニット構造体の配列に関する変形例を示す水平方向の一部拡大断面図である。
符号の説明
1 浮体構造物
2 外壁部
3 底板部
4 隔壁部
5 床面部
10 ユニット構造体
100 波形鋼板
101 アングル
102 アングル
20 鋼板
21 コンクリート体
22 波形鋼板
23 連結板部
30 鋼板
31 コンクリート体
32 取付板部

Claims (5)

  1. 外壁部及び底板部により形成された内部空間に、垂直壁面及び天井面として配設された波形鋼板の各辺部を鉄骨部材で接合固定することでユニット空間を形成するユニット構造体が3次元に複数配列されており、隣接するユニット構造体の垂直壁面の波形鋼板の間にコンクリートを打設して形成された隔壁部を備えていることを特徴とする浮体構造物。
  2. 前記ユニット構造体の天井面の波形鋼板の上面には所定の厚さのコンクリートを打設して床面部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の浮体構造物。
  3. 前記隔壁部は、対向する波形鋼板の外方に突出する山状部分が互いに対応するように配置されて形成された幅広の柱状部及び内方に入り込んだ谷状部分が互いに対応するように配置されて形成された連結部を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の浮体構造物。
  4. 前記隔壁部のコンクリートの内部には補強用の線状材が分布していることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の浮体構造物。
  5. 外壁部及び底板部により内部空間を形成する外面部構築工程と、形成された内部空間に鉄骨部材により骨組みを組み立て垂直壁面及び天井面にそれぞれ波形鋼板を配設しその各辺部を鉄骨部材に接合固定することでユニット構造体を形成するとともに当該ユニット構造体を内部空間の底面に複数配列して構築する段構造構築工程と、隣接するユニット構造体の垂直壁面の波形鋼板の間にコンクリートを打設し1段目の隔壁部を構築して1段目のユニット空間を複数形成するとともに各ユニット構造体の上面にコンクリートを打設して床面を形成するユニット空間形成工程とを備え、形成された床面に前記段構造構築工程及び前記打設工程を繰返し行って複数段のユニット空間を形成することを特徴とする浮体構造物の構築方法。
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