JP2009011756A - キッチン用昇降式吊戸棚 - Google Patents
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Abstract
【課題】昇降ラックの昇降中や停止したときの位置精度を高めることで、昇降ラックの安定性や高級感の向上を図り、昇降ラックの完成度をさらに高めることを目的とする。
【解決手段】
本発明のキッチン用昇降式吊戸棚110は、少なくとも底面が開放されたキャビネット170と、キャビネットに対して昇降可能に支持される昇降ラック180と、キャビネット内面において水平方向に伸張するバーを垂直方向に等間隔に並置したバー並置部300、および昇降ラックに固定設置されバーの有無を検知する第1検知器302からなり、昇降ラックの上下位置を把握可能な第1リニアエンコーダ304と、を備えることを特徴としている。
【選択図】図4
【解決手段】
本発明のキッチン用昇降式吊戸棚110は、少なくとも底面が開放されたキャビネット170と、キャビネットに対して昇降可能に支持される昇降ラック180と、キャビネット内面において水平方向に伸張するバーを垂直方向に等間隔に並置したバー並置部300、および昇降ラックに固定設置されバーの有無を検知する第1検知器302からなり、昇降ラックの上下位置を把握可能な第1リニアエンコーダ304と、を備えることを特徴としている。
【選択図】図4
Description
本発明は、システムキッチンの上方の壁面に設けられる吊戸棚であって、内部に昇降ラックを収納するキッチン用昇降式吊戸棚に関するものである。
厨房において、キッチン等の調理設備の上部には空間が空いているため、キッチンの上方に吊戸棚を設置している場合が多い。厨房では、碗、皿、カップ等の食器類、鍋、フライパン等の調理器具、塩、胡椒等の調味料など、大小様々な物を使用する。このため、これらの食器類、調理器具、調味料等は上記吊戸棚に収納される。
また、生活様式や食生活の多様化に伴って、上記した食器類、調理器具、調味料等は増加傾向にある。さらに昨今の高齢化に伴い、上記吊戸棚の使い勝手の良さや便利さ等を求める要望もある。
そこで、通常は上方に位置する棚(ラック)を手動や電動によって昇降する昇降式吊戸棚が提案されている。昇降式吊戸棚は、例えば吊戸棚全体が昇降するもの(例えば特許文献1)や、吊戸棚の前面に配置された扉を開けてから、吊戸棚内に設置された収納棚を回転アームで支持しながら手前側下方に引き降ろすもの(例えば特許文献2)、キャビネットと、このキャビネットからほぼ垂直方向に昇降可能な昇降ラックを備えたもの(例えば特許文献3)等がある。
特許文献1に記載された構成にあっては、吊戸棚全体が昇降するため昇降装置が大掛かりとなり、また駆動機構が外部から見えるために美感を向上しにくいという問題がある。また、特許文献2に記載された構成にあっては、引き降ろした収納棚が調理者に向かって迫り出して降りてくるため、調理作業の邪魔になり、頻繁に収納棚を出し入れしなければならず手間がかかるという問題がある。このため近年は、特許文献3に記載されたように、キャビネットからほぼ垂直方向に昇降可能な昇降ラックを備えた構成が多く採用されている。
しかし垂直方向に昇降させる構成においては、昇降ラックの前面を露出させるため、キャビネットの下方に昇降ラック全体をキャビネットから抜出するだけのストロークを要する。換言すれば、キッチンの上方から天井までの吊戸棚に使える空間のうち、半分の高さの吊戸棚しか設置できないことになる。また実際には昇降のための駆動機構をキャビネット内に設けなければならないため、さらに昇降ラックの容積は小さくなる。なお、一般家庭の天井の高さは一般的には2.3m程度であり、キッチンの高さは85cm程度である。さらにキッチンの上にはビンや小物ラックを置くための高さを残しておかなくてはならない。そして、残った上方空間の高さのうちの半分以下が昇降ラックの高さであるとすると、昇降ラックの容積が十分であるとはいえない。
そこで従来からも、キャビネットの前面扉を昇降ラックの上下動と連動させて開閉し、昇降ラックを降ろした状態において昇降ラックの上端がキャビネットの下端よりも上方に位置する構成が開示されている(例えば特許文献4)。この構成によれば、本来前面扉に隠れるはずの位置からも食器類を出し入れすることができるため、昇降ラック底面の高さを高くすることができ、限られた高さの上方空間において容積の大きな昇降ラックを設置することができる。
一方、上述したような昇降ラックを自動的に昇降する構成では、昇降ラックの昇降範囲は、駆動モータの回転量やその他の物理的なリミットセンサによって管理されていた。従って、昇降動力の伝達に索体を用いた場合に経年によって索体の長さが変化してしまうと、駆動モータの回転量が等しかったとしても昇降範囲に誤差が生じることとなる。また、リミットセンサは、非常時においても制動と独立して駆動モータの回転を停止することができる点で優れているが、その反応位置の精度が低く、制御が複雑になるといった問題を有していた。さらに昇降範囲途中の停止精度に関しては管理する術を何ら有していなかった。
また、昇降ラックの昇降速度は、駆動源である駆動モータの回転速度に依存していた。従来の昇降ラックでは単純に正負の定電圧をオンオフして駆動モータの正転、逆転を制御しているので、負荷の変動により昇降ラックの昇降速度が変動することとなる。また、昇降動力の伝達に索体を用いた場合、モータの回転速度が同じだとしても、駆動モータと軸を等しくするプーリへの巻回数に応じて索体の直線移動速度が変化するので、昇降の開始時と終了時では速度が変わってしまうといった問題を生じていた。
特開平11−46886号公報
特開2004−222886号公報
特開2006−000677号公報
特開2006−340756号公報
上述した特許文献4に記載の構成にあっては、扉の下端が回動して開く構成であるため、前面の開放スペースが小さくなる。このため、特に昇降ラックの上段は鍋や箱物などの大きなものを出し入れしにくいという問題がある。そこで、扉をさらに大きく開くことも考えられるが、吊戸棚の前方に大きく扉が張り出すことになるため、頭上に前板が迫ってくることとなり、圧迫感を与えるおそれがある。
そこで、本願の発明者は、昇降ラックにその前面に配される下扉を連動させ下扉を垂直方向にスライドさせることで、扉の動作に伴う圧迫感を最小限に留め、昇降ラックの下降ストロークを長くしなくとも前面の開放スペースを十分に確保する発明の完成に至った。
しかし、昇降ラックの完成度がこのように高くなると、従来では昇降動作の利便性の真新しさに埋没していた昇降範囲の誤差や昇降速度のムラも明瞭になってくる。従って、昇降範囲や昇降速度の制御に対する要望が高くなることも予想される。
本発明は、従来の技術が有する上記問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、昇降中や停止したときの位置精度を高めることで、昇降ラックの安定性や高級感の向上を図り、昇降ラックの完成度をさらに高めることが可能な、キッチン用昇降式吊戸棚を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、少なくとも底面が開放されたキャビネットと、キャビネットに対して昇降可能に支持される昇降ラックと、キャビネット内面において複数のバーを垂直方向に等間隔に並置したバー並置部、および昇降ラックに固定設置されバーの有無を検知する第1検知器からなり、昇降ラックの上下位置を把握可能な第1リニアエンコーダと、を備えることを特徴とする、キッチン用昇降式吊戸棚が提供される。
上記バー並置部は、所謂バーコードのように、例えば幅が等しいが色が相異する2つのバーを交互に並置したものであり、第1検知器は、その色の変化点を例えば反射光の違いによって判断し、変化点の数を計数する。従って、上限下限のみならず、昇降中であっても昇降ラックの物理的位置を正確に把握することができ、昇降中や停止したときの位置精度を高めることができる。ここで、上記バー並置部のバー短手方向の長さを短くし、よりバーの数を増やして分解能を上げることで、位置精度を高めることが可能である。
第1リニアエンコーダは、上下位置を微分して上下速度も導出できる。かかる構成により上下位置のみならず、上下速度も把握することができ、駆動モータへのフィードバックによる位置および/または速度制御によって、定速度や意図的な変動速度による昇降ラックの昇降動作が可能となる。また、上下速度をさらに微分した上下加速度を一定にすることで近年のエレベータのようなスムーズな昇降動作も実現することができる。
ここで、バー並置部は、昇降ラックの動作可能範囲内にあってもよい。モータの回転量と昇降量とは必ずしも比例せず、従来では位置精度を高めるのは困難であった。かかる昇降ラックの実際の昇降経路にバー並置部を設けることで、昇降ラックの実際の上下位置を直接把握することができ、現実の昇降動作に見合った位置制御が可能となる。従って、昇降中や停止したときの位置精度を高めることで、昇降ラックの安定性や高級感の向上を図ることが可能となる。
また、フィードバックの系の最終段である昇降ラックの上下位置を制御しているので、例えば経年により索体の長さが変化したとしても、その変化はフィードバックの系で吸収される。従って、系内の他の様々な変化に依存しない高い安定性を有するキッチン用昇降式吊戸棚を提供できる。
さらに、昇降ラックの動作範囲という長い空間にバー並置部を配置できるので、バーの短手方向の長さを比較的長めにとることができ、第1検知器がバーの検知を取りこぼすことがない。また、短手方向の長さをある程度とることができるので、第1検知器の精度を緩めることも可能であり、第1検知器の低コスト化を図ることができる。
キッチン用昇降式吊戸棚は、バー並置部に平行して設けられ、垂直方向に伸張するバーのみで形成されるバー連続部、および昇降ラックに固定設置されバー連続部のバーの有無を検知する第2検知器からなり、昇降ラックの所定範囲内の存否を把握可能な第2リニアエンコーダをさらに備えてもよい。
かかる構成により、昇降ラックを所定範囲内においてのみ特別な動作を行わせることが可能となり、例えば、動作可能範囲の中心領域に上記所定範囲を設け、その間のみ昇降ラックを高速移動する等の処理を遂行できる。
キッチン用昇降式吊戸棚は、昇降ラックの上端または下端の停止位置を特定する位置特定センサをさらに備えてもよい。
一般にインクリメンタル型のリニアエンコーダは単独で絶対位置を把握できないので、初期位置を規定する必要がある。例えばフォトセンサや磁気センサ等の位置特定センサを設け昇降ラックの理想的な停止位置として規定すると共に、その停止位置を用いて初期位置を規定し、第1リニアエンコーダの計数を実施する。
本発明によれば、キッチン用昇降式吊戸棚における昇降ラックの昇降中や停止したときの位置精度を高めることで、昇降ラックの安定性や高級感の向上を図り、昇降ラックの完成度をさらに高めることが可能となる。従って、キッチン用昇降式吊戸棚の使用者は、安心して昇降動作を実施することができる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。なお、以下の実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。
本実施形態では、キッチン用昇降式吊戸棚(以下「吊戸棚」と略称する)の昇降ラックと、昇降ラックの前面を塞ぐ下扉とを連動させ、両装置を互いに逆方向に移動させている。従って、昇降ラックの下降ストロークを長くしなくとも前面の開放スペースを十分に確保することができる。また、昇降ラックの昇降経路にその移動量を直接把握できる装置を設け、昇降中や停止したときの位置精度を高めることで、昇降ラックの安定性や高級感の向上を図り、昇降ラックの完成度をさらに高めることも可能となる。ここでは、本実施形態の理解を容易にするため、まず吊戸棚の配置および駆動機構について説明し、その後で本実施形態の特徴を詳述する。
図1は、本実施形態のシステムキッチンと吊戸棚との位置関係を示した斜視図である。システムキッチン100は調理に必要な火(加熱)や水を中心に調理器具がその大きさに応じて各収納庫に配されている。吊戸棚110は、システムキッチン100の上方に設置されているが、高所にある扉を開閉することなく、収納部分をキッチン使用者の目の高さまで下ろし、前方に手を伸ばして被収納物を収納または取り出せるようにしたものである。
上記システムキッチン100は、シンク130、調理スペース140およびコンロ150の概ね3つの部位で構成されている。かかるシステムキッチン100のうち、シンク130および調理スペース140の幅にわたる領域の上方において、吊戸棚110は、壁500に背面を固定支持されている。一方、火気を扱うコンロ150の上方には、吊戸棚110に隣接して、レンジフード160が吊戸棚同様に壁500に固定支持されている。
吊戸棚110は、下方が開放されたキャビネット170と、キャビネット170の下方にてキャビネット170の内外へ昇降する昇降ラック180とを含む。昇降ラック180は収納部を有し、前面の大部分が開放されていて、食器や台所回りの物品を出し入れすることができる。
また、キャビネット170の前面には上扉172と下扉174とが配置されていて、昇降ラック180が下降してキャビネット170の下方に出現するときは、これと連動して下扉174が上方へ移動する。従って、昇降ラック180の上端がキャビネット170の下端より下降せずとも、昇降ラック180の開放前面は使用者の目の前に出現する。かかる構成により昇降ラック180の可動範囲を狭くすることができ、昇降動作時間を短縮したり、昇降ラック180の高さ方向の寸法を大きくして容積増大を図ったりすることができる。以下に昇降ラック180と、下扉174とを連動させる駆動機構について説明する。
(昇降ラックの駆動機構)
図2は、昇降ラック180の駆動機構を示した図である。ここでは、主として昇降ラック180の昇降動作を説明するため吊戸棚110前面側から観察している。また、理解を容易にするため図2では下扉174の図示を省略している。
図2は、昇降ラック180の駆動機構を示した図である。ここでは、主として昇降ラック180の昇降動作を説明するため吊戸棚110前面側から観察している。また、理解を容易にするため図2では下扉174の図示を省略している。
まず、駆動モータ190の回転によって、水平方向左右に駆動プーリ192から2条の幅広索体200が巻き出される。この幅広索体200は、キャビネット170の両側板の近傍に固定設置され定滑車として機能する転向滑車210によって垂直方向に転向され、端部はそれぞれ昇降ラック180に固定され動滑車として機能する昇降滑車212を巻回して、キャビネット170の上方に固定されている。従って、駆動モータ190を回転駆動することによって昇降ラック180を昇降することができる。ここで、索体は縄に限らず帯も含む。
こうして昇降ラック180が降下すると下扉174(図示せず)の背面から収納部220が出現する。
(下扉の駆動機構)
図3は、昇降ラック180に連動する下扉174の駆動機構を示した図である。かかる図3は、吊戸棚110を側面から観察している。ここで、下扉174は、図2で示した昇降ラック180にさらに連動して昇降する。
図3は、昇降ラック180に連動する下扉174の駆動機構を示した図である。かかる図3は、吊戸棚110を側面から観察している。ここで、下扉174は、図2で示した昇降ラック180にさらに連動して昇降する。
図3(a)は、昇降ラック180がキャビネット170に収納されている状態を示している。昇降ラック180と下扉174との間には定滑車としての下扉用滑車250が固定設置される。下扉用滑車250は、2つのリール(第1リール252、第2リール254)が連結され軸を等しくして回転自在に軸支されている。そして、第1リール252には昇降ラック180を懸垂する索体が巻回され、第2リール254には下扉174を懸垂する索体が巻回されている。
ここで、昇降ラック180と下扉174とをそれぞれ懸垂する第1索体260および第2索体262は、リールに対して互いに逆回転に巻回されているので、昇降ラック180または下扉174の一方が上昇すると他方が連動して下降する。
図3(b)は、昇降ラック180がキャビネット170から抜出した状態を示している。昇降ラック180がガイドレール264に案内されつつ下降すると第1索体260が第1リール252を引っ張り、第1リール252と連結している第2リール254は回転軸256を中心に第1リール252と同一の角度分だけ回転する。そして、第2リール254の巻張力により第2索体262に接続された連結部266と下扉174が上昇する。従って、昇降ラック180の下降に応じて下扉174が上昇し、その移動量の和が昇降ラック180の開放スペースとなるので、下降ストロークを長くしなくとも昇降ラック180前面の開放スペースを十分に確保することが可能となる。
このとき、昇降ラック180および下扉174の荷重が回転軸256を中心に互いに逆にかかるため、第1リール252および第2リール254を回転させようとする張力が相殺され、昇降ラック180および下扉174を任意の位置に移動および維持する負荷を軽減でき、省電力、低コスト化を図ることが可能となる。
また、図3の下扉用滑車250に注目すると、第1リール252と第2リール254の索体の巻回部分の径が異なっているのが分かる。かかる構成により、昇降ラック180と下扉174との昇降ストローク比を当該吊戸棚110の用途に応じて任意に設定することが可能となる。
特に、図3では、下扉174を懸垂する索体が巻回された第2リール254の径が、昇降ラック180を懸垂する索体が巻回された第1リール252の径より小さくなっている。図3に示すような吊戸棚110は、下方にはある程度の占有可能空間を有し、上方には無いといった設置状況が想定されている。従って、昇降ラック180はその高さH1分下降することが可能だが、下扉は上扉に重畳するまで、即ち昇降ラックの約半分の長さH2しか上昇することができない。かかる下扉174に対応する第2リール254の径と、昇降ラックに対応する第1リール252の径との比は、例えば、H2/H1とすることができ、H1=450mm、H2=200mmの場合、径の比を4/9とすればよい。このように第2リール254の径を第1リール252より小さくすることで、上述したストローク差を他の特別な機構を用いることなく実現することが可能となる。
(上下位置制御機構)
このような昇降ラック180の完成度が高くなると、従来では昇降動作の利便性の真新しさに埋没していた昇降範囲の誤差や昇降速度のムラも明瞭になってくる。以下では、このような昇降範囲の誤差や昇降速度のムラの問題を解決する構成を詳述する。
このような昇降ラック180の完成度が高くなると、従来では昇降動作の利便性の真新しさに埋没していた昇降範囲の誤差や昇降速度のムラも明瞭になってくる。以下では、このような昇降範囲の誤差や昇降速度のムラの問題を解決する構成を詳述する。
図4は、本実施形態における上下位置制御機構の外観を示した斜視図であり、図5は、上下位置制御機構の検知器(第1検知器および第2検知器)の部分を拡大した拡大図である。かかる上下位置制御機構は、バー並置部300と第1検知器302とからなる第1リニアエンコーダ304と、バー連続部310と第2検知器312とからなる第2リニアエンコーダ314と、位置特定センサ320を含んで構成される。
上記バー並置部300は、キャビネット170内面において複数の水平方向に伸張するバー306を垂直方向に等間隔に並置したものである。ここで、バーは、任意の色を有する矩形面であり、シートに印刷してキャビネット170に貼付することもでき、また、キャビネット170に直接印刷することもできる。バー並置部300は、所謂バーコードのように、例えば幅が等しいが色が相異する2つのバー306を交互に並置したものであり、第1検知器302は、その色の変化点を例えば反射光の違いによって判断し、変化点の数を計数する。従って、上限下限のみならず、昇降ラック180が昇降中であっても、昇降ラック180の物理的位置を正確に把握することができ、昇降中や停止したときの位置精度を高めることができる。また、バー並置部300のバー短手方向の長さを短くし、よりバー306の数を増やして分解能を上げることで、位置精度を高めることが可能である。
上記第1検知器302は、昇降ラック180に固定設置され、バー並置部300のバー306の有無を検知し、昇降ラック180の上下位置を把握することができる。
かかるバー並置部300と第1検知器302とによる第1リニアエンコーダ304は、本実施形態においてインクリメンタル型を用いているが、アブソリュート型を用いることもできる。また、バー並置部300を2本設け、互いの位置を垂直方向にずらすことで、2ビットのアブソリュート型リニアエンコーダを構成することができる。このように位置情報を2ビットにすることで第1リニアエンコーダ304のみで上昇および下降を判断することができ、位置制御のパラメータを増やすことができる。
また、第1リニアエンコーダ304は、上下位置を微分して(単位時間当たりの変位量でもよい)上下速度も導出できる。かかる構成により上下位置のみならず、上下速度も把握することができ、駆動モータ190へのフィードバックによる位置および/または速度制御によって、定速度や意図的な変動速度による昇降ラック180の昇降動作が可能となる。また、上下速度をさらに微分した上下加速度を一定にすることで近年のエレベータのようなスムーズな昇降動作も実現することができる。
ただし、上記の位置および/または速度制御を余りに厳密に実行すると、昇降ラック180の振動を伴うことになる。従って、停止すべき上下位置にある程度近づいたところで、駆動モータ190のゲインを減少させるか、または、駆動モータ190を停止してもよい。
ここで、バー並置部300は、昇降ラック180の動作可能範囲内にあってもよい。駆動モータ190の回転量と昇降ラック180の昇降量とは、駆動モータ190に連結された駆動プーリ192の径や、動力伝達経路の違いから必ずしも比例せず、従来では位置精度を高めるのは困難であった。かかる昇降ラック180の実際の昇降経路にバー並置部300を設けることで、昇降ラック180の実際の上下位置を直接把握することができ、現実の昇降動作に見合った位置制御が可能となる。従って、昇降中や停止したときの位置精度を高めることで、昇降ラック180の安定性や高級感の向上を図ることが可能となる。
また、フィードバックの系の最終段である昇降ラック180の上下位置を制御しているので、例えば経年により索体の長さが変化したとしても、その変化はフィードバックの系で吸収される。従って、系内の他の様々な変化に依存しない高い安定性を供給することができる。
さらに、昇降ラック180の動作範囲という長い空間にバー並置部300を配置できるので、バーの短手方向の長さを比較的長めにとることができ、第1検知器302がバー306の検知を取りこぼすことがない。また、短手方向の長さをある程度幅広にとることができるので、第1検知器302の精度を緩めることも可能であり、第1検知器302の低コスト化を図ることができる。
上記バー連続部310は、バー並置部300に平行して設けられ、垂直方向に伸張するバーのみで形成される。
上記第2検知器312は、昇降ラック180に固定設置されバー連続部310のバー316の有無を検知する。
かかるバー連続部310と、第2検知器312とによる第2リニアエンコーダ314の構成により、昇降ラック180を所定範囲内においてのみ特別な動作を行わせることが可能となる。例えば、動作可能範囲の中心領域に上記所定範囲を設け、その間のみ昇降ラック180を高速移動する等の処理を遂行できる。
上記位置特定センサ320は、例えばフォトセンサや磁気センサ等の物理センサで構成され、キャビネット170内側面の上下2カ所に設けられる(ここでは、下端の位置特定センサ320は図示していない。)。このような配置により、位置特定センサ320は、昇降ラック180の理想的な上端または下端の停止位置を特定する。従って、昇降ラック180の上端、下端のリミットセンサとしても機能させることができる。また、位置特定センサ320を用いて、第1リニアエンコーダ304を計数するための初期位置を規定することもできる。
本実施形態において用いられているインクリメンタル型のリニアエンコーダは相対位置を把握するので、初期位置を規定する必要がある。ここでは、例えばフォトセンサや磁気センサ等の位置特定センサ320を設け、昇降ラック180の理想的な停止位置として規定すると共に、その停止位置を用いて初期位置を規定し、第1リニアエンコーダ304の計数を実施している。
また、位置特定センサ320は、バー連続部310の端部に新たにバー306を設けることでも構成できるが、上述した実施形態のように別途物理センサを設けることで、昇降ラック180の上端、下端位置を個別に、かつバー連続部310とは独立して調整可能となり、メンテナンス性および施工精度の向上を図ることができる。
以上、説明したように本実施形態における吊戸棚110は、昇降ラック180の昇降中や停止したときの位置精度を高めることで、昇降ラック180の安定性や高級感の向上を図り、昇降ラックの完成度をさらに高めることが可能となる。従って、吊戸棚110の使用者は、安心して昇降動作を実施することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
上述した実施形態においてはキャビネット170内面に直線的にバー並置部を設け、リニアエンコーダとして機能させる構成を挙げているが、かかる場合に限らず、例えば、滑車等回転体に放射状にバーを設けることでロータリーエンコーダとして機能させることも可能である。
本発明は、システムキッチンの上方の壁面に設けられる吊戸棚であって、内部に昇降ラックを収納するキッチン用昇降式吊戸棚に適用可能である。
100 …システムキッチン
110 …吊戸棚
170 …キャビネット
180 …昇降ラック
190 …駆動モータ
300 …バー並置部
302 …第1検知器
304 …第1リニアエンコーダ
306 …バー
310 …バー連続部
312 …第2検知器
314 …第2リニアエンコーダ
320 …位置特定センサ
110 …吊戸棚
170 …キャビネット
180 …昇降ラック
190 …駆動モータ
300 …バー並置部
302 …第1検知器
304 …第1リニアエンコーダ
306 …バー
310 …バー連続部
312 …第2検知器
314 …第2リニアエンコーダ
320 …位置特定センサ
Claims (5)
- 少なくとも底面が開放されたキャビネットと、
前記キャビネットに対して昇降可能に支持される昇降ラックと、
前記キャビネット内面において複数のバーを垂直方向に等間隔に並置したバー並置部、および前記昇降ラックに固定設置され前記バーの有無を検知する第1検知器からなり、昇降ラックの上下位置を把握可能な第1リニアエンコーダと、
を備えることを特徴とする、キッチン用昇降式吊戸棚。 - 前記第1リニアエンコーダは、前記上下位置を微分して上下速度も導出することを特徴とする、請求項1に記載のキッチン用昇降式吊戸棚。
- 前記バー並置部は、前記昇降ラックの動作可能範囲内にあることを特徴とする、請求項1または2に記載のキッチン用昇降式吊戸棚。
- 前記バー並置部に平行して設けられ、垂直方向に伸張するバーのみで形成されるバー連続部、および前記昇降ラックに固定設置され該バー連続部のバーの有無を検知する第2検知器からなり、昇降ラックの所定範囲内の存否を把握可能な第2リニアエンコーダをさらに備えることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のキッチン用昇降式吊戸棚。
- 前記昇降ラックの上端または下端の停止位置を特定する位置特定センサをさらに備えることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のキッチン用昇降式吊戸棚。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007180386A JP2009011756A (ja) | 2007-07-09 | 2007-07-09 | キッチン用昇降式吊戸棚 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007180386A JP2009011756A (ja) | 2007-07-09 | 2007-07-09 | キッチン用昇降式吊戸棚 |
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JP2009011756A true JP2009011756A (ja) | 2009-01-22 |
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ID=40353368
Family Applications (1)
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JP2007180386A Pending JP2009011756A (ja) | 2007-07-09 | 2007-07-09 | キッチン用昇降式吊戸棚 |
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- 2007-07-09 JP JP2007180386A patent/JP2009011756A/ja active Pending
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