JP2009010855A - 受信装置および方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高精度CSIの算出前に迅速にCSIを出力することができるようにする。
【解決手段】高精度CSI算出回路71は、既知シンボルの区間のみを用いて、高精度のCSIであるCSI2を算出し、選択回路74は、高精度CSI算出回路71によるCSI2の算出が収束するまでの間、CSI2よりも速く出力可能となるCSIであるCSI1を出力し、高精度CSI算出回路71によるCSI2の算出が収束した場合、出力していたCSI1に替えて、算出されたCSI1を出力することで、高精度CSIの算出前に迅速にCSIを出力することができる。本発明は、軟判定復号による復号が可能な誤り訂正符号がなされたデジタル伝送方式の受信信号を受信する受信装置に適用できる。
【選択図】図5

Description

本発明は、受信装置および方法に関し、特に、高精度CSI(Channel State Information)の算出前に迅速にCSIを出力することができるようにした受信装置および方法に関する。
伝送する信号が複数のフレーム長を取る可能性のある伝送方式の1つに、デジタル衛星放送の規格である、DVB-S.2(Digital Video Broadcasting over Satellite Second generation)規格がある。
DVB-S.2規格とは、ETSI(欧州電気通信標準化機構)により標準規格化され、利用されているDVB-S規格の上位に相当する規格である。DVB-S.2規格は、DVB-S規格と比較して、多値位相変調やLDPC(Low Density Parity Check)符号などの導入により、単位周波数当たりの周波数利用効率の改善およびC/N比(Carrier to Noise ratio)の改善が図られている。また、低C/N比でも同期性能を確保するために、物理層の伝送情報を伝送するPL(フィジカルレイヤ)ヘッダや同期パイロット信号が規格として導入されている。DVB-S.2規格において、PLヘッダおよび同期パイロット信号は、π/2シフトBPSK(Binary Phase Shift Keying)により変調されて送信される。
図1は、DVB-S.2規格におけるフレームのフォーマットを示している。
各フレームの先頭には、SOF(Start Of Frame)領域及びPLS(Physical Layer Signaling)領域からなる、90シンボルのヘッダが配置され、ヘッダの後ろに、1つあたり90シンボルの複数のスロット(slot)が配置される。スロットには、主信号シンボル(データシンボル)が挿入される。また設定に応じて、16スロット毎に、同期用のパイロットブロック(pilot block)が主信号に挿入される場合がある。パイロットブロック有りの場合には、例えば16スロット間隔で、パイロットブロックが挿入される。
上述したように、ヘッダは、26シンボルのSOF領域及び64シンボルのPLS領域から構成される。
SOF領域は、フレームの先頭を表わす26ビットの固定値により構成される。すなわち、SOF領域は、フレーム同期用の同期ワードを示す。
PLS領域は、信号の伝送に関わる伝送パラメータを示す7ビットの情報を、(64,7)Reed-
Muller符号(RM符号)に符号化した64ビットの符号語により構成される。7ビットの伝送パラメータは、5ビットのMODCOD領域及び2ビットのTYPE領域からなる。
MODCOD領域は、フレームの変調方式及び誤り訂正符号の符号化率を示す。
TYPE領域のMSB(Most Significant Bit)は、フレーム長(単位はビット)を示し、0(normal)又は1(short)が設定される。すなわち、TYPE領域は、フレーム長とパイロットブロックの有無を示す。
このようなDVB-S.2規格のフレームにおいては、SOF領域及びPLS領域からなるヘッダと、パイロットブロックが既知シンボルとなり、スロットには主信号シンボルが配置される。以下、変調信号を復調して得られる復調信号のシンボルの区間のうち、既知シンボルの区間を既知区間と称し、主信号シンボルの区間を主信号区間と称して説明する。
以上のようなフレームの構成を有するDVB-S.2規格の信号を受信する受信機の構成は、図2のようになる。
図2は、従来の受信機の構成を示すブロック図である。
図2において、受信機11は、チューナ21、AD(Analog Digital)変換器22、チャネル等化器23、同期回路24、誤り訂正復号器25、及びCSI算出回路26から構成される。
アンテナ12で受信された電波は、チューナ21によって、所望の帯域で選局される。その選局された信号は、AD変換器22により、アナログ信号からデジタル信号に変換され、チャネル等化器23において、いわゆるマルチパス干渉が等化される。
続いて、同期回路24において、シンボルタイミング、フレームタイミング、及びキャリア周波数との同期がとられる。その際、同期がとれるとHigh、同期がとれないとLowを出力する同期フラグの生成が行われる。同期回路24ではまた、検出されたフレームタイミングと規格に準拠した既知のフレームフォーマットを用いて、既知区間ではHigh、主信号区間ではLowを出力する既知シンボル情報の生成が行われる。これらの同期フラグと既知シンボル情報は、CSI算出回路26に出力される。
誤り訂正復号器25では、内符号であるLDPC符号が軟判定復号された後、外符号であるBCH(Bose,Chadhuri and Hoquengem)符号が硬判定復号され、所望のMPEG(Moving Picture Experts Group)ビットストリームが出力される。
CSI算出回路26は、同期回路24において同期がとられると、式(1)に示すように、受信シンボルの分散に基づいて、CSIを算出し、誤り訂正復号器25に供給する。
Figure 2009010855
ただし、式(1)においては、下記の式(2)の関係を有している。
Figure 2009010855
なお、式(1)及び式(2)においては、rIは、図3に示すように、IQ平面上における、ベクトルrのI軸成分であり、平均受信振幅は1に正規化されているものとする。また、ベクトルRは受信シンボルであり、ベクトルSは既知シンボル又は主信号シンボルの硬判定の結果である。
そして、CSI算出回路26により算出されたCSIは、誤り訂正復号器25により、LDPC符号が軟判定復号される際に用いられる。
以上のようにして、従来の受信機11は、受信したDVB-S.2規格の信号を復号し、MPEGビットストリームとして出力していた。
また、特許文献1には、C/N比を細かいステップで測定できるC/N測定方法が提案されている。
特開平11−215202号公報
しかしながら、LDPC符号が高い軟判定復号性能を発揮するためには、高精度なCSIが必要となるが、既知区間のみをCSIの算出に用いる場合、既知シンボルの割合は全シンボル中わずかな割合である為、測定周期を長くしなければCSIの値が収束しないという問題がある。
その為に、精度の高いCSIを算出するまでの間、誤り訂正復号器にCSIを与えないとした場合、誤り訂正復号器の動作が遅れ、視聴可能な品質まで十分に誤り訂正復号されたMPEGビットストリームの出力までに時間がかかるという問題点があった。
また、既知区間だけでなく、主信号区間もCSIの算出に用いる場合には、CSIの収束は早まるが、主信号区間の硬判定誤りによりCSIの算出精度が劣化する。その為に、電波の受信レベルが低く、硬判定誤りにより十分な算出精度が得られなくなると、誤り訂正復号能力は著しく劣化し、放送の視聴に支障をきたすという問題があった。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、CSIの算出方法を切り替えることで、高精度CSIの算出前に迅速にCSIを出力することができるようにするものである。
本発明の一側面の受信装置は、搬送波をデジタル変調した変調信号を受信する受信装置において、前記変調信号を復調して得られる復調信号に挿入されている既知シンボルの区間である既知区間を用いて、軟判定復号における尤度計算に用いられる第1のチャンネル状態情報を算出する第1のチャンネル状態情報算出手段と、前記第1のチャンネル状態情報の算出が収束するまでの間、前記第1のチャンネル状態情報よりも速く出力可能となる第2のチャンネル状態情報を出力するチャンネル状態情報出力手段とを備え、前記チャンネル状態情報出力手段は、前記第1のチャンネル状態情報の算出が収束した場合、出力していた前記第2のチャンネル状態情報に替えて、算出された前記第1のチャンネル状態情報を出力する。
前記変調信号の伝送に関する伝送情報と、予め定められた前記第2のチャンネル状態情報とを対応させて保持するチャンネル状態情報保持手段をさらに備え、前記チャンネル状態情報出力手段には、前記第1のチャンネル状態情報の算出が収束するまでの間、保持されている前記第2のチャンネル状態情報の中から、前記既知区間を復号することで得られる伝送情報に対応する前記第2のチャンネル状態情報を出力させることができる。
前記既知区間及び主信号シンボルの区間である主信号区間を用いて、前記第2のチャンネル状態情報を算出する第2のチャンネル状態情報算出手段をさらに備え、前記チャンネル状態情報出力手段には、前記第1のチャンネル状態情報の算出が収束するまでの間、算出された前記第2のチャンネル状態情報を出力させることができる。
前記チャンネル状態情報出力手段には、算出された前記第1のチャンネル状態情報の変動が所定の範囲内に収まった場合、出力していた前記第2のチャンネル状態情報に替えて、算出された前記第1のチャンネル状態情報を出力させることができる。
前記チャンネル状態情報出力手段には、前記復調信号の同期が確立された後、所定の時間が経過した場合、出力していた前記第2のチャンネル状態情報に替えて、算出された前記第1のチャンネル状態情報を出力させることができる。
本発明の一側面の受信方法は、搬送波をデジタル変調した変調信号を受信する受信装置の受信方法において、前記変調信号を復調して得られる復調信号に挿入されている既知シンボルの区間である既知区間を用いて、軟判定復号における尤度計算に用いられる第1のチャンネル状態情報を算出し、前記第1のチャンネル状態情報の算出が収束するまでの間、前記第1のチャンネル状態情報よりも速く出力可能となる第2のチャンネル状態情報を出力し、前記第1のチャンネル状態情報の算出が収束した場合、出力していた前記第2のチャンネル状態情報に替えて、算出された前記第1のチャンネル状態情報を出力する。
以上のように、本発明の一側面によれば、高精度CSIの算出前に迅速にCSIを出力することができる。
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、明細書または図面に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、明細書または図面に記載されていることを確認するためのものである。従って、明細書または図面中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
本発明の一側面の受信装置は、
搬送波をデジタル変調した変調信号を受信する受信装置(例えば、図4の受信機51)において、
前記変調信号を復調して得られる復調信号に挿入されている既知シンボルの区間である既知区間を用いて、軟判定復号における尤度計算に用いられる第1のチャンネル状態情報(例えば、CSI2)を算出する第1のチャンネル状態情報算出手段(例えば、図5の高精度CSI算出回路71)と、
前記第1のチャンネル状態情報の算出が収束するまでの間、前記第1のチャンネル状態情報よりも速く出力可能となる第2のチャンネル状態情報(例えば、CSI1)を出力するチャンネル状態情報出力手段(例えば、図5の選択回路74)と
を備え、
前記チャンネル状態情報出力手段は、前記第1のチャンネル状態情報の算出が収束した場合、出力していた前記第2のチャンネル状態情報に替えて、算出された前記第1のチャンネル状態情報を出力する(例えば、図7のCSIのタイミングチャート)。
前記変調信号の伝送に関する伝送情報(例えば、MODCOD)と、予め定められた前記第2のチャンネル状態情報(例えば、CSI1)とを対応させて保持するチャンネル状態情報保持手段(例えば、図5のCSI固定値テーブル72)をさらに備え、
前記チャンネル状態情報出力手段は、前記第1のチャンネル状態情報の算出が収束するまでの間、保持されている前記第2のチャンネル状態情報の中から、前記既知区間を復号することで得られる伝送情報(例えば、MODCOD)に対応する前記第2のチャンネル状態情報(例えば、CSI1)を出力する(例えば、図7のCSIのタイミングチャート)。
前記既知区間及び主信号シンボルの区間である主信号区間を用いて、前記第2のチャンネル状態情報(例えば、CSI1)を算出する第2のチャンネル状態情報算出手段(例えば、図8の高速CSI算出回路91)をさらに備え、
前記チャンネル状態情報出力手段は、前記第1のチャンネル状態情報の算出が収束するまでの間、算出された前記第2のチャンネル状態情報を出力する(例えば、図7のCSIのタイミングチャート)。
前記チャンネル状態情報出力手段は、算出された前記第1のチャンネル状態情報の変動が所定の範囲内に収まった場合、出力していた前記第2のチャンネル状態情報に替えて、算出された前記第1のチャンネル状態情報を出力する(例えば、CSI2の計算値の変動が所定の範囲内となったときに出力されるRDY信号に応じて動作する、図5の選択回路74)。
前記チャンネル状態情報出力手段は、前記復調信号の同期が確立された後、所定の時間が経過した場合、出力していた前記第2のチャンネル状態情報に替えて、算出された前記第1のチャンネル状態情報を出力する(例えば、図7のCSIのタイミングチャート)。
本発明の一側面の情報処理方法は、
搬送波をデジタル変調した変調信号を受信する受信装置(例えば、図4の受信機51)の受信方法において、
前記変調信号を復調して得られる復調信号に挿入されている既知シンボルの区間である既知区間を用いて、軟判定復号における尤度計算に用いられる第1のチャンネル状態情報(例えば、CSI2)を算出し(例えば、図7のCSIのタイミングチャート)、
前記第1のチャンネル状態情報の算出が収束するまでの間、前記第1のチャンネル状態情報よりも速く出力可能となる第2のチャンネル状態情報(例えば、CSI1)を出力し、前記第1のチャンネル状態情報の算出が収束した場合、出力していた前記第2のチャンネル状態情報に替えて、算出された前記第1のチャンネル状態情報を出力する(例えば、図7のCSIのタイミングチャート)
ステップを含む。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
なお、本発明は、軟判定復号による復号が可能な誤り訂正符号がなされたデジタル伝送方式全般に適用可能であるが、以下、第2世代衛星デジタルビデオ放送であるDVB-S.2を適用例として説明する。
図4は、本発明を適用した受信機の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
図4において、受信機51は、DVB-S.2規格に準拠した放送信号(以下、受信信号とも称する)を受信し、復調する装置である。受信機51は、チューナ61、AD変換器62、チャネル等化器63、同期回路64、誤り訂正復号器65、及びCSI算出回路66を含むようにして構成される。
なお、図4の受信機51は、従来の受信機11(図2)と比べて、次の点が異なっている。すなわち、図4の受信機51においては、同期回路64によって、同期フラグ、既知シンボル情報の他に、MODCODがCSI算出回路66に出力され、CSI算出回路66によって、MODCODを含んでいる情報に基づいたCSIが算出される。
従って、図4のチューナ61乃至チャネル等化器63、及び誤り訂正復号器65は、図1のチューナ21乃至チャネル等化器23、及び誤り訂正復号器25と同様の機能を有している。
繰り返しになるが、例えば、BS(Broadcasting Satellite)デジタル放送の放送波が、アンテナ52で受信され、IF(Intermediate Frequency)信号となった変調信号、すなわち、BSデジタル放送を行う放送局において、搬送波をデジタル変調した、変調信号のIF信号がチューナ61に供給される。
チューナ61は、そこに供給される変調信号のIF信号に、搬送波を乗算することにより、変調信号のIF信号を、搬送波と同相のI成分と、搬送波と直交するQ成分とからなる復調信号に復調して、その復調信号をAD変換器62に供給する。
AD変換器62は、チューナ61から供給されるアナログの復調信号をAD変換し、その結果得られるデジタルの復調信号を、チャネル等化器63に供給する。
チャネル等化器63は、AD変換器62から供給される復調信号を等化し、マルチパス干渉が等化された復調信号を、同期回路64に供給する。
同期回路64は、チャネル等化器63から供給される復調信号に基づいて、シンボルタイミング、フレームタイミング、及びキャリア周波数との同期がとられる。
具体的には、同期回路64においては、同期がとれるとHigh、同期がとれないとLowを出力する同期フラグが生成され、さらに、検出されたフレームタイミングと規格に準拠した既知のフレームフォーマットを用いて、既知区間ではHigh、主信号区間ではLowを出力する既知シンボル情報が生成される。
同期回路64は、これらの同期フラグと既知シンボル情報の他に、同期を確立した後にPLS領域を復号して得られるMODCODを、CSI算出回路66に供給する。なお、上述したように、MODCODは、フレームの変調方式及び誤り訂正符号の符号化率を示す情報である。
CSI算出回路66には、同期回路64から、I,Q成分、同期フラグ、及び既知シンボル情報の他に、MODCODが供給される。CSI算出回路66は、それらの情報に基づいて、CSIを算出し、誤り訂正復号器65に供給する。
ここで、図5を参照して、CSI算出回路66の詳細な構成について説明する。
CSI算出回路66は、高精度CSI算出回路71、CSI固定値テーブル72、RDY信号生成回路73、選択回路74、及び選択回路75を含むようにして構成される。
高精度CSI算出回路71には、同期回路64から、I,Q成分、同期フラグ、及び既知シンボル情報が供給される。高精度CSI算出回路71は、それらの情報を用いて、受信シンボル点の分散に基づいて、CSI2を算出する。高精度CSI算出回路71は、算出したCSI2を、RDY信号生成回路73及び選択回路74に出力する。
すなわち、CSI2は、既知シンボル情報により既知区間のみを用いて算出された情報となるので、高精度のCSIとなる。
CSI固定値テーブル72は、変調信号の伝送に関する伝送情報であるMODCODに対応するように、予め求めておいたCSI1を格納する。CSI固定値テーブル72は、同期回路64から供給される、MODCODにより特定される変調方式及び符号化率に応じたCSI1を、選択回路75に出力する。
すなわち、CSI1は、予め求められた固定値となるので、高速(迅速)に出力可能なCSIとなる。
ここで、図6を参照して、CSI固定値テーブルの具体的な例について説明する。
図6において、CSI固定値テーブルは、変調方式と符号化率との組み合わせ毎に、それぞれ疑似エラーフリーを満たす所要のCNR(C/N比(Carrier to Noise ratio))から換算されるCSI1を保持する。CSI固定値テーブルは、入力されたMODCODの値に対応する、保持しているCSI1の値を出力する。
なお、図6では、1列目は「MODCOD」の値を示し、2乃至4列目は、そのMODCODの値に対応する、「変調方式」、「符号化率」、及び「CSI1」の情報をそれぞれ示している。
具体的には、図6のCSI固定値テーブルにおいては、2行目は、変調方式がQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)で、符号化率が1/2であるMODCOD 4が通知された場合、CSI1として、2.52を出力することを表わしている。
3行目以降も2行目と同様の意味となる。すなわち、3行目は、変調方式がQPSKで、符号化率が3/5であるMODCOD 5が通知された場合、CSI1として、3.34を出力し、4行目は、変調方式がQPSKで、符号化率が2/3であるMODCOD 6が通知された場合、CSI1として、4.08を出力し、5行目は、変調方式がQPSKで、符号化率が3/4であるMODCOD 7が通知された場合、CSI1として、5.06を出力することを表わしている。
また、6行目は、変調方式がQPSKで、符号化率が4/5であるMODCOD 8が通知された場合、CSI1として、5.88を出力し、7行目は、変調方式がQPSKで、符号化率が5/6であるMODCOD 9が通知された場合、CSI1として、6.59を出力し、8行目は、変調方式がQPSKで、符号化率が8/9であるMODCOD 10が通知された場合、CSI1として、8.34を出力することを表わしている。さらにまた、9行目は、変調方式がQPSKで、符号化率が9/10であるMODCOD 11が通知された場合、CSI1として、8.77を出力し、10行目は、変調方式が8PSK(8 Phase Shift Keying)で、符号化率が3/5であるMODCOD 12が通知された場合、CSI1として、7.10を出力し、11行目は、変調方式が8PSKで、符号化率が2/3であるMODCOD 13が通知された場合、CSI1として、9.18を出力し、12行目は、変調方式が8PSKで、符号化率が3/4であるMODCOD 14が通知された場合、CSI1として、12.36を出力することを表わしている。
さらに、13行目は、変調方式が8PSKで、符号化率が5/6であるMODCOD 15が通知された場合、CSI1として、17.21を出力し、14行目は、変調方式が8PSKで、符号化率が8/9であるMODCOD 16が通知された場合、CSI1として、23.44を出力し、15行目は、変調方式が8PSKで、符号化率が9/10であるMODCOD 17が通知された場合、CSI1として、25.06を出力することを表わしている。
以上のように、CSI固定値テーブル72は、図6に示す情報を格納することで、PLSコードの復号結果により得られるMODCOD情報(変調方式と符号化率を通知する制御情報)に基づいて、該当するCSI1を選択回路75に出力する。
なお、CNRとCSI(CSI1)との関係は、下記の式(3)により算出される。
Figure 2009010855
すなわち、CSI固定値テーブル72では、例えば、所要のCNRを2倍にした値を、CSI固定値として保持するものとする。ここで、所要のCNRから換算されるCSI1をCSI固定値とする理由は、実動作点が所要のCNRより十分高い場合には、CSIの精度がある程度悪くても復号できる為、実動作点が所要のCNR付近の場合で、最も高い復号性能を得るようにする為である。
図5に戻り、選択回路75には、CSI固定値テーブル72からのCSI1の他に、同期回路64からの同期フラグが供給される。選択回路75は、同期フラグが1である場合、CSI固定値テーブル72からのCSI1を選択回路74に出力し、同期フラグが0である場合、0を選択回路74に出力する。従って、選択回路74には、同期が確立される前には0、同期が確立された後はCSI1がそれぞれ、選択回路75から入力される。
選択回路74には、高精度CSI算出回路71からのCSI2と、選択回路75からの出力(CSI1又は0)の他に、RDY信号生成回路73からのRDY信号が供給される。選択回路74は、RDY信号が0である場合には選択回路75の出力を、RDY信号が1である場合にはCSI2を、CSIとして誤り訂正復号器65に出力する。
RDY信号生成回路73には、同期回路64からの同期フラグと、高精度CSI算出回路71からのCSI2が供給される。RDY信号生成回路73は、CSI2に基づいて、高精度CSI算出回路71によるCSI2の計算値の変動がある一定範囲内になった場合、RDY信号を選択回路74に出力する。
なお、RDY信号生成回路73によって、RDY信号が出力されるタイミングは、CSI2の計算値の変動が所定の範囲内となったときに限らず、例えば、同期フラグに基づいて、伝送路の同期確立後一定時間が経過したときに出力する等、CSI1とCSI2とを切り替える最適なタイミングであれば何れであってもよい。
以上のように、CSI算出回路66は、CSIを誤り訂正復号器65に出力するとき、高精度のCSI2を算出している間、高速に出力可能なCSI1を一時的に出力し、その後、CSI2を出力すべきタイミングとなってから、CSI1に替えて、CSI2を出力する。
図4に戻り、誤り訂正復号器65には、同期回路64からのI,Q成分と、CSI算出回路66からのCSIが供給される。誤り訂正復号器65では、CSIを用いて、内符号であるLDPC符号が軟判定復号された後、外符号であるBCH符号が硬判定復号され、所望のMPEGビットストリームが出力される。すなわち、誤り訂正復号器65において、CSIは、軟判定復号における尤度計算に用いられる。
以上のようにして、図4の受信機51では、CSI算出回路66によって、高精度CSIの算出が十分収束するまでの間は、CSI固定値が出力され、誤り訂正復号器65によって、そのCSIを用いて、MPEGビットストリームが出力される。
このように、高精度CSIの算出が十分収束するまでの間は、CSI固定値で代用することにより、伝送路の変動が一定以上となり、所要のCNRが大きく変動するような一部の劣悪環境を除くほとんどの環境において、復号されたMPEGデータの視聴開始時間を大幅に短縮することができる。
次に、図7のタイミングチャートを参照して、図4の受信機51の詳細な動作について説明する。
図7では、図中上から順に、リセット、同期フラグ、RDY信号生成回路73のタイマ、RDY信号、及びCSIのタイミングチャートが示されている。また、時間の方向は、図中左から右に向かう方向とされる。
図7のタイミングチャートに示すように、受信信号の受信が開始され、リセットがLowからHighに切り替わると、同期回路64が動作を開始する。その後、同期回路64によって、同期が確立されると、同期フラグがLowからHighに切り替わる。
同期フラグがHighに切り替わると、RDY信号生成回路73では、タイマのカウントが開始される。その後、RDY信号生成回路73は、タイマの計時している時間が一定時間Nを経過したとき、RDY信号を選択回路74に出力する。すなわち、図7に示すように、タイマがNとなったとき、RDY信号はLowからHighに切り替わる。
また、選択回路74により出力されるCSIであるが、受信信号の受信開始から同期が確立されるまでの間は、初期値である0が誤り訂正復号器65に出力される。続いて、同期確立後からRDY信号が出力されるまでの間は、CSI固定値テーブル72から出力されるCSI1が誤り訂正復号器65に出力され、RDY信号の出力以降は、高精度CSI算出回路71により算出されたCSI2が誤り訂正復号器65に出力される。なお、図7に示すように、高精度CSIであるCSI2の算出が開始されるタイミングは、同期が確立され、同期フラグがLowからHighに切り替わるタイミングとなる。
ところで、上述した、実施の形態においては、CSI固定値テーブル72を設けて、高精度のCSIであるCSI2の算出が十分に収束するまでの間、固定値であるCSI1を、CSI2の代わりに出力する例について説明したが、CSI2の算出が収束するまでの間、他のCSIで代用さえできればよく、その形態は、上述した例には限定されるものではない。そこで、次に、他の実施の形態として、CSI1を高速に算出することで、そのCSI1を、CSI2の代わりに用いる例について説明する。
図8は、CSI算出回路66の他の構成を示すブロック図である。
なお、図8では、図5と同様の箇所には、同一の符号が付してあり、処理が同じ部分に関しては、その説明は繰り返しになるので適宜省略する。この例においては、図5のCSI固定値テーブル72の代わりに、高速CSI算出回路91が設けられている。
高速CSI算出回路91には、同期回路64から、I,Q成分、及び同期フラグが供給される。高速CSI算出回路91は、それらの情報を用いて、全受信シンボル点の分散に基づいて、CSI1を算出する。高速CSI算出回路91は、算出したCSI1を、選択回路75に出力する。
すなわち、CSI1は、既知区間のみならず、主信号区間も用いて算出された情報となるので、短時間で高速に算出されたCSIとなる。
選択回路75には、高速CSI算出回路91からのCSI1の他に、同期回路64からの同期フラグが供給される。選択回路75は、同期フラグが1である場合、高速CSI算出回路91からのCSI1を出力し、同期フラグが0である場合、0を選択回路74に出力する。
選択回路74には、例えば、伝送路の同期確立後、一定期間が経過するか、又は高精度のCSIであるCSI2の計算値の変動がある一定範囲になった場合、RDY信号生成回路73からRDY信号が供給される。
選択回路74は、例えば、伝送路の同期確立後からRDY信号が出力されるまでは、高速CSI算出回路91により算出されたCSI1を誤り訂正復号器65に出力し、その後、RDY信号出力以降には、高精度CSI算出回路71により算出されたCSI2を誤り訂正復号器65に出力する。
このように、高精度CSI算出回路71では、既知シンボル情報により既知区間のみを用いてCSI2が算出される。それに対して、高速CSI算出回路91では、既知区間及び主信号区間を用いてCSI1が算出される。従って、CSI1は、高速に算出されたCSIであり、CSI2は、高精度に算出されたCSIであると言える。
すなわち、高精度CSIの算出が十分に収束するまでの間は、高速CSIであるCSI1で、高精度CSIであるCSI2を代用することにより、電波の受信レベルが低く、高速CSIの算出精度が著しく劣化するような一部の劣悪な環境を除く、ほとんどの環境で、復号されたMPEGデータの視聴開始時間を大幅に縮小することが可能となる。
なお、図8のCSI算出回路66の動作をタイミングチャートで表わすと、図7のタイミングチャートを参照して説明した、図5のCSI算出回路66の動作と同様であるので、その説明は省略する。つまり、図7のタイミングチャートにおいては、図5のCSI算出回路66である場合、CSI1は、CSI固定値テーブルに保持された値であると説明したが、図8のCSI算出回路66である場合、そのCSI1は、高速CSI算出回路91により算出された値となる。
以上のように、本発明によれば、高精度CSIの算出前に迅速にCSIを出力することができる。その結果、放送の視聴開始までの時間を短縮することができる。
なお、本発明は、BS放送の変調信号を受信する受信機の他、CS(Communication Satellite)放送その他の、搬送波をデジタル変調した変調信号を受信する受信機に適用可能である。
また、本明細書において、「CSI」は、「チャンネル状態情報」と同様の意味を有している。
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータ等に、プログラム記録媒体からインストールされる。
図9は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するパーソナルコンピュータの構成の例を示すブロック図である。CPU(Central Processing Unit)111は、ROM(Read Only Memory)112、または記録部118に記録されているプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM(Random Access Memory)113には、CPU111が実行するプログラムやデータ等が適宜記憶される。これらのCPU111、ROM112、およびRAM113は、バス114により相互に接続されている。
CPU111にはまた、バス114を介して入出力インターフェース115が接続されている。入出力インターフェース115には、マイクロホン等よりなる入力部116、ディスプレイ、スピーカ等よりなる出力部117が接続されている。CPU111は、入力部116から入力される指令に対応して各種の処理を実行する。そして、CPU111は、処理の結果を出力部117に出力する。
入出力インターフェース115に接続されている記録部118は、例えばハードディスクからなり、CPU111が実行するプログラムや各種のデータを記録する。通信部119は、インターネットやローカルエリアネットワーク等のネットワークを介して外部の装置と通信する。
また、通信部119を介してプログラムを取得し、記録部118に記録してもよい。
入出力インターフェース115に接続されているドライブ120は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等のリムーバブルメディア121が装着されたとき、それらを駆動し、そこに記録されているプログラムやデータ等を取得する。取得されたプログラムやデータは、必要に応じて記録部118に転送され、記録される。
コンピュータにインストールされ、コンピュータによって実行可能な状態とされるプログラムを格納するプログラム記録媒体は、図9に示すように、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリ等よりなるパッケージメディアであるリムーバブルメディア121、または、プログラムが一時的もしくは永続的に格納されるROM112や、記録部118を構成するハードディスク等により構成される。プログラム記録媒体へのプログラムの格納は、必要に応じてルータ、モデム等のインターフェースである通信部119を介して、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の通信媒体を利用して行われる。
なお、本明細書において、記録媒体に格納されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
DVB-S.2規格におけるフレームのフォーマットを示す図である。 従来の受信機の構成を示すブロック図である。 IQ平面上のrを説明する図である。 本発明を適用した受信機の一実施の形態の構成を示すブロック図である。 CSI算出回路の詳細な構成を示すブロック図である。 CSI固定値テーブルの例を示す図である。 受信機の動作を説明するタイミングチャートである。 CSI算出回路の詳細な構成を示すブロック図である。 パーソナルコンピュータの構成を説明する図である。
符号の説明
51 受信機, 61 チューナ, 62 AD変換器, 63 チャネル等化器, 64 同期回路, 65 誤り訂正復号器, 66 CSI算出回路, 71 高精度CSI算出回路, 72 CSI固定値テーブル, 73 RDY信号生成回路, 74 選択回路, 75 選択回路, 91 高速CSI算出回路

Claims (6)

  1. 搬送波をデジタル変調した変調信号を受信する受信装置において、
    前記変調信号を復調して得られる復調信号に挿入されている既知シンボルの区間である既知区間を用いて、軟判定復号における尤度計算に用いられる第1のチャンネル状態情報を算出する第1のチャンネル状態情報算出手段と、
    前記第1のチャンネル状態情報の算出が収束するまでの間、前記第1のチャンネル状態情報よりも速く出力可能となる第2のチャンネル状態情報を出力するチャンネル状態情報出力手段と
    を備え、
    前記チャンネル状態情報出力手段は、前記第1のチャンネル状態情報の算出が収束した場合、出力していた前記第2のチャンネル状態情報に替えて、算出された前記第1のチャンネル状態情報を出力する
    受信装置。
  2. 前記変調信号の伝送に関する伝送情報と、予め定められた前記第2のチャンネル状態情報とを対応させて保持するチャンネル状態情報保持手段をさらに備え、
    前記チャンネル状態情報出力手段は、前記第1のチャンネル状態情報の算出が収束するまでの間、保持されている前記第2のチャンネル状態情報の中から、前記既知区間を復号することで得られる伝送情報に対応する前記第2のチャンネル状態情報を出力する
    請求項1に記載の受信装置。
  3. 前記既知区間及び主信号シンボルの区間である主信号区間を用いて、前記第2のチャンネル状態情報を算出する第2のチャンネル状態情報算出手段をさらに備え、
    前記チャンネル状態情報出力手段は、前記第1のチャンネル状態情報の算出が収束するまでの間、算出された前記第2のチャンネル状態情報を出力する
    請求項1に記載の受信装置。
  4. 前記チャンネル状態情報出力手段は、算出された前記第1のチャンネル状態情報の変動が所定の範囲内に収まった場合、出力していた前記第2のチャンネル状態情報に替えて、算出された前記第1のチャンネル状態情報を出力する
    請求項1に記載の受信装置。
  5. 前記チャンネル状態情報出力手段は、前記復調信号の同期が確立された後、所定の時間が経過した場合、出力していた前記第2のチャンネル状態情報に替えて、算出された前記第1のチャンネル状態情報を出力する
    請求項1に記載の受信装置。
  6. 搬送波をデジタル変調した変調信号を受信する受信装置の受信方法において、
    前記変調信号を復調して得られる復調信号に挿入されている既知シンボルの区間である既知区間を用いて、軟判定復号における尤度計算に用いられる第1のチャンネル状態情報を算出し、
    前記第1のチャンネル状態情報の算出が収束するまでの間、前記第1のチャンネル状態情報よりも速く出力可能となる第2のチャンネル状態情報を出力し、前記第1のチャンネル状態情報の算出が収束した場合、出力していた前記第2のチャンネル状態情報に替えて、算出された前記第1のチャンネル状態情報を出力する
    ステップを含む受信方法。
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