JP2009009078A - 光学部材、面光源装置および液晶表示装置 - Google Patents

光学部材、面光源装置および液晶表示装置 Download PDF

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登 純 一 澤
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本 浩 山
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Abstract

【課題】予め適切な相対位置に位置決めされた複数の光学シートを含む光学部材であって、光学シートの相対位置のずれに起因した不具合を防止することができる光学部材を、提供する。
【解決手段】光学部材20は、光拡散シート40と、レンズシート30と、光拡散シートおよびレンズシートの間に点在し、光拡散シートおよびレンズシートに固着した複数の固着体22と、を備える。レンズシートは、光拡散シートに対面しない側に突出した複数のレンズ部34を有し、前記光拡散シートに対面する側に平滑な表面30aを形成されている。光拡散シートおよびレンズシートは、固着体により、互いから離間した位置に配置されている。光拡散シートおよびレンズシートの間に空隙21が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の光学シートを有する面光源装置用の光学部材に関する。
液晶表示装置等に用いられる面光源装置は、光源と、光源からの光の進路を変化させるための複数の光学シート(光学フィルム)と、を有している。複数の光学シートには、通常、光源からの光を等方拡散させる光拡散シートと、光拡散シートから出射する光の進路方向を絞り、ある方向(典型的には、正面方向)への輝度を集中的に向上させるレンズシートと、が少なくとも含まれる。
このような構成において、かかる光拡散シートとレンズシートとが部分的にでも光学密着してしまうと、密着領域において光が十分に拡散されずに透過して輝度の不均一(ムラ)が生じる、或いはNewton環のような干渉縞が生じるといった不具合が生じてしまう。不具合に対処するため、該光拡散シートのレンズシート側面を光波長以上の突起を持つ凹凸面に加工することが知られている(例えば、特許文献1)。
また、かかる光拡散シートとレンズシートとを重ね、両シートの周縁部の全周又は一部を超音波加工等により熔着することも知られている(例えば、特許文献2)。
特許第2742880号公報 特開2007−76069号公報
ところで、表示装置の厚さを薄くすることが強く要望されていることから、面光源装置に組み込まれる光学シートの厚みも非常に薄くなっている(例えば、100μm程度)。このため、特許文献1に開示されているように、厚みが非常に薄い複数の光学シートを、それぞれ、1枚ずつ個別に位置決めしつつ面光源装置に組み込んでいくことは、困難な作業である。とりわけ、各光学シートの機能が効果的に発揮されるように、複数の光学シートの相対位置を調節しなければならない場合、光学シートの組み込み作業は極めて困難となる。
また、面光源装置内において複数の光学シートを適切な相対位置に位置決めすることができたとしても、その後の環境変化等にともない、光学シートが反り返って複数の光学シートの位置関係がずれ、且つ両シート間の距離が場所によって変動し、部分的に両シートが密着して、輝度ムラや干渉縞が発生してしまうこともある。この場合、各光学シートの機能が低下してしまうだけでなく、表示装置の表示面上に光学シートの皺が視認されるようになることすらある。
そこで、特許文献2に示す光学部材にように、重ねた複数の光学シートの周縁部を互いに熔着することも提案された。しかしながら、この構成において、固定された周縁部においては複数の光学シートが互いに対して不動となるものの、中央部においては各光学シートが自由に変形可能となる。したがって、各光学シートの熱膨張率、吸湿膨張率等が一致していないと、温度や湿度の変化に伴い、各シートが弓状に湾曲しつつ互いの間隔が開いたり、バイメタルの如く反ったり、或いは褶曲したりする問題点が存在した。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、予め適切な相対位置に位置決めされた複数の光学シートを含む面光源装置用の光学部材であって、使用中における光学シートの相対位置のずれに起因した不具合を防止することができる光学部材を、提供することを目的とする。
本発明による第1の光学部材は、光拡散シートと、前記光拡散シートに対向して配置されたレンズシートであって、前記光拡散シートに対面しない側に突出した複数のレンズ部を有するとともに前記光拡散シートに対面する側に平滑な表面を含むレンズシートと、前記光拡散シートおよび前記レンズシートの間に点在し、前記光拡散シートおよび前記レンズシートに固着した複数の固着体と、を備え、前記光拡散シートおよび前記レンズシートは、前記固着体を介して互いから離間して配置され、前記光拡散シートおよび前記レンズシートの間に空隙が形成されていることを特徴とする。
本発明による第2の光学部材は、光拡散シートと、前記光拡散シートに対向して配置されたレンズシートであって、前記光拡散シートに対面しない側に突出した複数のレンズ部を有するとともに前記光拡散シートに対面する側に微小凹凸を形成された面を含むレンズシートと、前記光拡散シートおよび前記レンズシートの間に点在し、前記光拡散シートおよび前記レンズシートに固着した複数の固着体と、を備え、前記光拡散シートおよび前記レンズシートは、前記固着体を介して互いから離間して配置され、前記光拡散シートおよび前記レンズシートの間に空隙が形成されていることを特徴とする。
本発明による第1又は第2の光学部材において、前記レンズシートの前記複数のレンズ部は、前記レンズシートのシート面に平行な一方向に並べて配列され、各レンズ部は、前記一方向に直交するとともに前記レンズシートのシート面に平行な他方向に沿って直線状に延びているようにしてもよい。
また、本発明による第1又は第2の光学部材において、前記レンズシートは、前記複数のレンズ部によって形成されるフライアイレンズを含むフライアイレンズシートとして構成されていてもよい。
さらに、本発明による第1又は第2の光学部材において、前記レンズシートの前記光拡散シートに対面する側の面よりもレンズ部の側に、光を拡散させる光拡散部を含むようにしてもよい。あるいは、前記レンズシートの前記光拡散シートに対面する側の面よりもレンズ部の側に、光を拡散させる光拡散部を含み、前記光拡散部は、上述した一方向に沿ったヘアライン加工によって形成されていてもよい。
さらに、本発明による第1又は第2の光学部材において、一つの固着体は、前記光学部材のシート面に直交する方向からの視野において、2500μm2以下の平均投影面積を有するようにしてもよい。
さらに、本発明による第1又は第2の光学部材において、前記複数の固着体が、前記光学部材のシート面に直交する方向からの視野において、占める投影面積の総和は、前記光拡散シートの面積の0.25%以上40%以下であるようにしてもよい。
さらに、本発明による第1又は第2の光学部材において、前記光拡散シートおよび前記レンズシートの間の離間間隔は、前記光学部材のシート面に直交する方向に沿って、1μm以上であるようにしてもよい。
さらに、本発明による第1又は第2の光学部材において、前記固着体の少なくとも表面は、80%以上の反射率を有する材料からなっているようにしてもよい。あるいは、本発明による光学部材において、前記固着体の少なくとも表面は、80%以上の透過率を有する材料からなっているようにしてもよい。
さらに、本発明による第1又は第2の光学部材において、前記複数の固着体は、前記光拡散シートおよび前記レンズシートの間のランダムな位置に配置されているようにしてもよい。
さらに、本発明による第1又は第2の光学部材において、前記固着体は、加熱熔着、加圧粘着および超音波接着のうちのいずれか一以上の方法によって、前記光拡散シートおよび前記レンズシートに固着しているようにしてもよい。あるいは、本発明による第1の光学部材において、前記固着体は細長形状からなり、前記固着体の長手方向は、前記光拡散シートのシート面および前記レンズシートのシート面に対して傾斜または直交し、前記固着体は、長手方向における一方の端部において、前記光拡散シートおよび前記レンズシートの一方に固着し、長手方向における他方の端部において、前記光拡散シートおよび前記レンズシートの他方に固着しているようにしてもよい。また、固着体は、静電植毛を用いて、前記光拡散シートおよび前記レンズシート固着しているようにしてもよい。
本発明による第3の光学部材は、光拡散シートと、前記光拡散シートに対向して配置されたレンズシートであって、前記光拡散シートに対面しない側に突出した複数のレンズ部を有するとともに前記光拡散シートに対面する側に平滑な表面を含むレンズシートと、を備え、前記光拡散シートおよび前記レンズシートは、点在する複数の固着領域において、互いに固着していることを特徴とする。
本発明による第4の光学部材は、光拡散シートと、前記光拡散シートに対向して配置されたレンズシートであって、前記光拡散シートに対面しない側に突出した複数のレンズ部を有するとともに前記光拡散シートに対面する側に微小凹凸を形成された面を含むレンズシートと、を備え、前記光拡散シートおよび前記レンズシートは、点在する複数の固着領域において、互いに固着していることを特徴とする。
本発明による第3または第4の光学部材において、前記光拡散シートおよび前記レンズシートは、超音波接着により、前記固着領域で互いに固着していてもよい。
また、本発明による第3または第4の光学部材において、前記レンズシートの前記複数のレンズ部は、前記レンズシートのシート面に平行な一方向に並べて配列され、各レンズ部は、前記一方向に直交するとともに前記レンズシートのシート面に平行な他方向に沿って直線状に延びていてもよい。あるいは、本発明による第3または第4の光学部材において、前記レンズシートは、前記複数のレンズ部によって形成されるフライアイレンズを含むフライアイレンズシートとして構成されていてもよい。
さらに、本発明による第3または第4の光学部材において、前記レンズシートの前記光拡散シートに対面する側の面よりもレンズ部の側に、光を拡散させる光拡散部を含むようにしてもよい。あるいは、前記レンズシートの前記光拡散シートに対面する側の面よりもレンズ部の側に、光を拡散させる光拡散部を含み、前記光拡散部は、前記一方向に沿ったヘアライン加工によって形成されていてもよい。
さらに、本発明による第3または第4の光学部材において、前記複数の固着領域は、前記光拡散シートおよび前記レンズシートの間のランダムな位置に位置するようにしてもよい。
本発明による第1の面光源装置は、少なくとも上述したいずれかの光学部材と、前記光学部材に光を投射する光源と、を備えることを特徴とする。
本発明による第1の液晶表示装置は、上述した面光源装置と、前記面光源装置の前記光学部材に対向して配置された液晶表示パネルと、を備えることを特徴とする。
本発明による第2の面光源装置は、少なくとも上述したいずれかの光学部材と、前記光学部材の前記レンズシート側に配置された光源と、を備えることを特徴とする。
本発明による第2の液晶表示装置は、少なくとも上述したいずれかの光学部材と、前記光学部材の前記レンズシート側に配置された光源と、前記光学部材の前記光拡散シート側に配置された液晶表示パネルと、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、光拡散シートとレンズシートとが、所定の位置関係で互いに固定されている。したがって、光学部材を面光源装置に組み込むことによって、光拡散シートとレンズシートとの両方を、同時に一作業で、所定の位置関係で面光源装置へ組み込むことができる。また、光学部材が表示装置等に組み込まれて使用されている間に、温度や湿度等の環境の変化にともなって、光拡散シートとレンズシートとが位置ずれしたり、或いはレンズシートが、撓み、彎曲、反り、褶曲等により変形したりしてしまうことを防止することができる。
発明を実施するための形態
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
図1乃至図4は、本発明による光学部材、面光源装置および液晶表示装置の一実施の形態を説明するための図である。このうち図1は光学部材の構成を示す側面図であり、図2は光学部材を示す上面図であり、図3は光学部材を含む面光源装置および液晶表示装置の構成を示す図である。
図1および図2に示すように、光学部材20は、光拡散シート40と、光拡散シート40に対向して配置されたレンズシート30と、光拡散シート40およびレンズシート30の間に設けられた多数の固着体22と、を備えている。この光学部材20は、面光源装置15の一部分を構成するようになる。図3に示す面光源装置15は、光学部材20と、光学部材20の光拡散シート40側に配置された光源16と、光源16の光学部材20とは反対側を覆う反射板17と、を有している。また、面光源装置15は、光学部材20のレンズシート30側に配置された液晶表示パネル12とともに、液晶表示装置10を構成し得る。
ここで、液晶パネル12とは、ガラス等からなる一対の支持板と、支持板間に配置された液晶と、平面内に於いて各画素ごとに配置され液晶分子の配向を電場によって制御する電極と、を有するパネルである。支持板間の液晶は、一つの画素を形成する領域毎にその配列を変化させられ得るようになっており、この結果、液晶パネル12は面光源装置15からの面状光を画素毎に透過または遮断させることができるシャッターとして機能する。
また、光源16として、例えば線状の冷陰極管や点状のLEDを用いることができる。反射板17は、光源16からの光を光学部材20側へ向けるための部材であり、反射板17の少なくとも内側表面は、例えば金属等の高い反射率を有する材料からなっている。
以下、光学部材20の構成について詳述していく。
光拡散シート40は、光源16からの光を等方的に拡散させ、光源16の構成に起因した輝度ムラを解消するためシートである。光拡散シート40の厚みは、例えば、図3の如くの構成の所謂直下型面光源装置の場合には、通常、1000μm〜3000μmとするが、所謂エッジライト型(特許文献1の図1等参照)の面光源装置の場合には、光学シート乃至光学部材は導光板によって支持される為、光学シート40の厚みは20μm〜200μm程度に薄くすることができる。本実施の形態においては、図1に示すように、光拡散シート40のレンズシート30に対面する側の表面に、例えばエンボス加工によって、微小凹凸面が形成されている。ただし、光拡散シートの形態は、図示する例に限られるものではなく、例えば基材と基材中に分散された光拡散粒子とを有する表面平滑な光拡散シートや、その他の公知の光拡散シートを用いることができる。このような光拡散シート40は、例えば、ポリカーボネイト樹脂やアクリルスチレン樹脂等の光透過性の高い樹脂から形成され得る。
次に、レンズシート30について詳述する。レンズシート30の厚みは、例えば40μm〜1000μmとすることができる。レンズシート30は、光拡散シート40側から入射してきた光の進行方向を正面方向(レンズシート30のシート面に直交する方向、面光源装置の発光面の法線方向でもある)へ絞り、正面方向への輝度を向上させるようにするためのシートである。ここで、「シート面」とは、対象となるシート状の部材を全体的かつ大局的に見た場合におけるその平面方向と一致する面のことを指す。本実施の形態においては、光学部材20、レンズシート30および光拡散シート40のシート面は、互いに平行である。
本実施の形態においては、図1に示すように、レンズシート30は、シート状の基部32と、基部32の光拡散シート40に対面しない側に設けられた複数のレンズ部34と、を有している。基部32(レンズシート30)の光拡散シート40に対面する側の表面30aは平滑面となっている。このようなレンズシート30の基部32およびレンズ部34は、例えば、ポリメタクリル酸メチル等の熱可塑性アクリル樹脂、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルの単量体の架橋重合物、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルのプレポリマーの架橋重合物等のアクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、アクリルスチレン樹脂、或いはポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂等の光透過性の高い樹脂から形成され得る。
図1および図2に示すように、本実施の形態において、レンズシート30の複数のレンズ部34は、レンズシート30のシート面に平行な一方向(図1および図2における紙面の左右方向)に並べて配列されている。また、各レンズ部34は、配列方向(前記一方向)に直交するとともにレンズシート30のシート面に平行な他方向(図1における紙面の奥行き方向、図2における紙面の上下方向)に沿って、直線状に延びている。複数のレンズ部34は互いに同一な形状となっており、並列方向(上述した一方向)に隙間なく並べられている。図1に示すように、一方向に沿った断面(主切断面)において、各レンズ部34(単位レンズ)は三角形状、詳細には二等辺三角形状を有している。各レンズ部34の頂角θ(図4参照)は、例えば80°〜120°とすることができる。ただし、後述するように、以上のようなレンズ部34の構成は例示に過ぎず、その他の公知なレンズ部34の構成を採用することができる。例えば、単位レンズ形状の主切断面形状、は、不等辺三角形、五角形、六角形等の多角形や図11の如くの円又は楕円、或いは扇形の様に直線と曲線との組合せから成る形状でも良い。更には、各単位レンズは、図5の如く全て同一形状のものの他、複数の異なる単位レンズが混成していても良い。又、本願明細書で用いるレンズの語は、狭義のレンズの他、所謂プリズムも包含する意味で用いる。
上述したように、レンズシート30と光拡散シート40との間には、多数の固着体22が分散されている。図2に示すように、複数の固着体22は、光拡散シート40およびレンズシート30の間において、両シート面に平行な面内(図2では紙面内)の分布位置がランダムな位置に、散点状に点在して配置されている。各固着体は両シート面に平行な面内に於いて狭い領域に局在化して存在している。この固着体22の存在によって、光拡散シート40とレンズシート30とは、図1に示すように、相互に所定の距離を保ちつつ、互いから離間した位置にそれぞれ維持されている。光拡散シート40とレンズシート30との間には固着体22のみが介在しているので、光拡散シート40とレンズシート30との間に空気層としての空隙21が形成される。
また、固着体22は、接触するレンズシート30および光拡散シート40の両方に固着している。このため、光拡散シート40とレンズシート30とは、互いから離間した位置で互いに対して固定されている。本実施の形態において、固着体22は粒状からなり、レンズシート30および光拡散シート40のランダムな位置に多数点在している。すなわち、レンズシート30および光拡散シート40は、点在する固着体(粒状体)22に対面する点状の領域を介して、互いに連結されている。但し、当該光学部材20を透過した光の輝度に目視で判別することが出来る程度の不均一性(ムラ)を生じさせることが無いように、目視で判別可能な面積、例えば1cm2内で平均した固着体の個数が前面にわたって一定乃至略一定の値になるようにすべきである。尚、ここで言うランダムとは、各固着体22の位置の座標が乱数乃至は乱数に近い不規則性の高い値になって分布していることを意味する。
このような固着体22は、ホットメルトタイプの接着剤からなる球状粒子によって形成され得る。この場合、レンズシート30、光拡散シート40および固着体22のいずれか少なくとも一つを加熱した状態で、固着体22を介してレンズシート30および光拡散シート40を重ね合わせることにより、光学部材20を作製することができる。例えば、成形直後の高温の光拡散シート40の一方の面上に、散布された複数の固着体22を介してレンズシート30を重ね、光拡散シート40の余熱により固着体22をいったん熔融させ、レンズシート30および光拡散シート40を固着体22と加熱熔着させることができる。
なお、レンズシート30および光拡散シート40を十分安定して互いに対して固定するためには、光学部材20のシート面に直交する方向からの視野(図2における視野であって、光学部材20の平面視)において、複数の固着体22がそれぞれ占める投影面積の総和が、光拡散シート20の面積の0.25%以上であることが好ましい。また、光学部材20のシート面に直交する方向からの視野において、複数の固着体22がそれぞれ占める投影面積の総和は、光拡散シート20の面積の40%以下であることが好ましい。光学シート20が液晶表示装置10に組み込まれた場合に、固着体22と光拡散シート40との固着領域を目立たなくさせるとともに、十分な体積(面積)の空隙21を確保するためである。
また、固着体22と光拡散シート40との固着領域を目立たなくさせるためには、光学部材20のシート面に直交する方向からの視野(図2における視野)において、一つの固着体22が占める投影面積は、2500μm2以下であることが好ましい。一方、レンズシート30および光拡散シート40を十分に安定して互いに対して固定するためには、光学部材20のシート面に直交する方向からの視野において、一つの固着体22が占める投影面積は、2μm2以上であることが好ましい。
ところで、光拡散シート40およびレンズシート30の間の離間間隔Dは、光学部材20のシート面に直交する方向に沿って、例えば、1μm以上100μm以下とすることができる。このような離間間隔Dが得られるよう、固着体22の大きさや形状を選択することが好ましい。なお、離間間隔Dが長い場合、光拡散シート40とレンズシート30との相対位置を十分に安定させることが難しくなる。一方、離間間隔Dが短い場合、言い換えると、空気層(空隙)21の厚みが薄い場合、後述する空気層31とレンズシート30との界面における光学作用が十分に得られなくなる。厳密には、視認され得る光学作用を獲得することができるよう、光源光のスペクトルに含まれる最長の可視光波長(これは使用する光源如何によるが、一般に通常の表示装置に用いる白色光源の場合は0.78μm)以上とすべきである。実際には、光拡散シート40及びレンズシート30が撓んで相互の離間間隔Dが減少することもある。このようなこと等も考慮して、離間間隔Dを最長の可視光波長よりもいくらか大き目に設計しておくことが(例えば、0.78μmの光も含む白色光源を用いる場合には、1μm以上に設計しておくことが)、実際上は好ましい。
次に、以上のような構成からなる光学部材20、面光源装置15および液晶表示装置10の作用について説明する。
図3に示すように、光源16から出射した光は、直接または反射板17で反射して、光学部材20の光拡散シート40へ入射する。光拡散シート40へ入射した光は等方拡散され、光拡散シート40の出光側面(レンズシート側の面)では、広角度域までなだらかに広がる輝度分布を有するようになる。光拡散シート40からの光は、空気層(空隙)21を通過して、レンズシート30へ入射する。
上述したように、レンズシート30の入光側面(光拡散シート側の面)30aは平滑面となっている。また、空気層21は可視光の波長よりも長い幅Dを有している。したがって、図4に示すように、空気層21とレンズシート30との界面において、光Lmax,L2,L3は、いわゆるスネルの法則にしたがって屈折する。このとき、レンズシート30への各入射角θ1n(θ1max,θ11,θ12)と各屈折角θ2n(θ2max,θ21,θ22)との関係は、レンズシートの屈折率nを用いて以下の式(1)で表される。尚、空気の屈折率は1とする。
sinθ1n=n×sinθ2n ・・・式(1)
なお、ここでいう平滑とは、或る程度の割合の可視光が式(1)の関係を満たすようになる程度を意味している。したがって、例えば、レンズシート30の入光側面30aの十点平均粗さRz(JISB0601)が最短の可視光波長(0.38μm)以下となっていれば、十分、平滑に該当する。
このようにしてレンズシート30に入射した光は、図4に示すように、空気層21とレンズシート30との界面における屈折によって、正面方向(レンズシート30のシート面に直交する方向であり、入射側面30aの法線方向でもある)へ向かって光路が変更される。その後、屈折した光は、レンズシート30の出光側面(レンズシートとは反対側の面)となるレンズ部30のレンズ面34a,34bにおいて再度屈折し、液晶表示パネル12へ向かう。
このとき、レンズシート30の屈折率nを考慮してレンズ部30の頂角θを適切に設定しておけば、レンズ部30のレンズ面34a,34bでの屈折によって、効果的に、正面方向へ光路を変更することができる。この作用について、以下においてより詳細に説明する。
各レンズ部34は、レンズシート30のシート面に直交する方向を中心として対称に互いに異なる方向に傾斜した二つのレンズ面34a,34bを有している。そして、レンズシート30から出射する光の多くは、それまでの光路の傾斜方向とは逆方向に傾斜したレンズ面34a,34bを通過する。例えば、図4において、レンズシート30内で右上がりに傾斜した光Lmax,L1,L2は、右下がりに傾斜したレンズ面34aから出射する確率が高くなる。
一方、空気層21からレンズシート30へ入射する光の最大の入射角θ1maxは略90°である、したがって、レンズシート30の屈折率nが決まれば、式(1)を用いて最大の屈折角θ2maxが決定する。そして、最大屈折角θ2maxでレンズシート30へ入射した光L(図4参照)が、レンズ部34のレンズ面34aにおいて、正面方向側へ光路を屈折されるようにしておくことが好ましい。この場合、レンズシート30へ入射した光の多くが、レンズシート30への入射時およびレンズシート30からの出射時の両方において、それぞれ正面方向へむくよう光路を変更されるようになる。
そして、最大屈折角θ2maxで屈折して入射した光Lが、レンズ面34aでの屈折により、正面方向側へ光路を変更するようにするには、図4におけるレンズ面34aへの入射角θ3が正の値を取ることが条件となる。ここで、頂角θ、最大屈折角θ2max、および、入射角θ3の間には、式(2)の関係が成り立つ。この式(2)から、入射角θ3が正を取ることを条件として、式(3)のように頂角θを設定することができる。
θ/2+(90°+θ3)+θ2max=180° ・・・式(2)
θ<180°−2×θ2max ・・・式(3)
上述したように、レンズシート30を透光性の高い一般的に用いられている樹脂から形成した場合には、レンズシート30の屈折率nは1.5程度の値をとる。この場合、レンズ部34の頂角θを80°〜110°程度(代表的には90°)に設定することができる。
以上のようにして、レンズシート30のから出射する光の出射角度は、レンズ部34の配列方向(上述した一方向)に沿った面内において、正面方向に効果的に絞られるようになる。この結果、面光源装置15は正面方向に高い輝度を有するようになる。
その後、面光源装置15から出射した光は、液晶表示パネル12へ入射する。このとき、面光源装置15の光は、液晶表示パネル12の所定の画素を通過するとともに、所定の画素では遮断される。これにより、液晶表示装置10の表示面に所望の映像が視認されるようになる。上述したように、面光源装置15からの光は、レンズ部34の配列方向(上述した一方向)に沿った面内において、正面方向に絞られている。したがって、液晶表示装置10の輝度は、レンズ部34の配列方向(上述した一方向)に沿った面(主切断面)内において、正面方向およびその近傍で高くなる。ここで、レンズ部34の配列方向(上述した一方向)が鉛直方向に沿うようして光学部材20(面光源装置15)を液晶表示装置10に組み込み、且つ該液晶表示装置の画面を鉛直面内に位置するように設置した場合、例えば家庭用テレビとして理想的な、正面輝度が高いとともに水平方向の視野角が広い液晶表示装置を得ることができる。一方、レンズ部34の配列方向(上述した一方向)が水平方向に沿うようして光学部材20(面光源装置15)を液晶表示装置10に組み込み、且つ該液晶表示装置の画面を鉛直面内に位置するように設置した場合、例えば携帯電話用ディスプレイとして理想的な、正面輝度が高いとともに水平方向の視野角が絞られた液晶表示装置を得ることができる。
また、液晶表示装置10を使用するにあたり、液晶表示装置10を設置する場所の変化や、液晶表示装置10を使用している時期の変化等により、液晶表示装置10をとりまく湿度や温度等の環境条件が変化することがある。上述したように、このような環境条件の変化にともなって、液晶表示装置に組み込まれている光学シートの位置がずれたり、光学シートに皺が発生したりするおそれ等がある。しかしながら、本実施の形態による光学部材20においては、光拡散シート40とレンズシート30とが、固着体22を介し点在する固着領域において、互いに連結されている。したがって、温度や湿度等の環境の変化にともなって光拡散シート40とレンズシート30とが位置ずれしてしまうことを防止することができる。したがって、環境条件の変化によらず、光学部材20によって優れた輝度分布を安定して提供し続けることができる。
一方、上述したように、光学部材20のシート面に直交する方向からの視野(図2における視野)において、一つの固着体22が占める投影面積は、2500μm2以下であれば、固着体22と光拡散シート40との固着領域を目立たなくさせることができる。また、光学部材20のシート面に直交する方向からの視野において、空隙(空気層)21の占める割合が、60%以上となっていれば、上述した空隙21とレンズシート30との界面における光学作用を十分に発揮することができるとともに、固着体22と光拡散シート40との固着領域をさらに目立たなくさせることができる。また特に、固着体22が透光性を有する材料からなる場合、例えば、固着体22が80%以上の光透過率を有する材料(例えば、樹脂)からなっている場合、固着体22が配置されている位置に目立った欠点が形成されてしまうことを防止することができる。
また、図2に示すように、複数の固着体22は、光拡散シート40およびレンズシート30の間に於いて、ランダムな位置に配置されている。したがって、光学部材20を液晶表示パネル12と組み合わせて用いたとしても、固着体22の配置ピッチと液晶表示パネル12の画素ピッチとに起因したモアレが発生してしまうことを防止することができる。
以上のような本実施の形態によれば、光拡散シート40とレンズシート30とが、点在する固着体22を介し、互いに連結されている。したがって、一つの光学部材20を面光源装置15に組み込むことによって、光拡散シート40とレンズシート30との両方を同時に、而かも容易かつ迅速に面光源装置15へ組み込むことができる。また、光学部材20が液晶表示装置10に組み込まれて使用されている間に、温度や湿度等の環境の変化にともなって光拡散シート40とレンズシート30とが位置ずれしてしまうことを防止することができる。
また、光拡散シート40とレンズシート30との間に光源光スペクトルの最長波長以上の所定の間隔Dで空隙21が形成されている。したがって、光拡散シート40によって拡散された光は、空隙21とレンズシート30との平滑な界面において所定の角度以下の屈折角度に屈折してレンズシート30に入射する。この結果、レンズシート30から出射する光の出射方向がレンズシート30のシート面に直交する方向に向けて効果的に絞られ、正面輝度を効果的に向上させることができる。且つ光拡散シート40とレンズシート30との間に発生するNewton 環のような干渉縞を防止し得る。
なお、本実施の形態による光学部材20、面光源装置15および液晶表示装置10は、上記の態様に限定されるものではなく、様々な変更を加えることができる。以下、図5乃至図13を適宜参照しながら、変形の一例について説明する。なお、図5乃至図13において、上述した実施の形態と同一部分には同一符号を付し、また、以下に説明する異なる変形例間で同一部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
(変形例1)
例えば、本発明の光学部材20と光源、及び観察者(表示装置の視聴者)との位置関係を図3の如く、光拡散シート40から出射した拡散光によって固着体22を背後から照射した後レンズシート30によって集光する形態で使用する場合に於いては、固着体22に対面する固着領域が目立ち易くなる傾向にある。この場合に、固着体領域の像を目立たなくさせるため、光学シート20が、レンズシート30の平滑面30aよりもレンズ部側に、言い換えるとレンズシート30の平滑面30aよりも観察者側(出光側)に、光を拡散させる光拡散部45をさらに含むようしてもよい。このような変形例によれば、固着体22よりも観察者側の位置において、光を拡散させることができるため、固着体22の存在をぼやかせることができる。これにより、固着体22の固着領域をさらに目立たなくさせ、輝度ムラを防止することができる。
光拡散部45は、レンズシート30の基部32およびレンズ部34の少なくとも一方の内部に光拡散性粒子を分散させることにより、レンズシート30の一部として含まれても良い。
あるいは、図5に示すように、光拡散部45は、レンズシート30の光拡散シート40とは反対側に設けられた第2の光拡散シート50を有し、第2光拡散シート50に光拡散部45が含まれるようにしてもよい。図5に示す例において、第2光拡散シート50は、基部52と基部52上に積層された粘着剤層53と、を有している。また、基部52内には、光拡散粒子52aが分散されている。図5に示す例においては、光拡散粒子52aを含む基部52によって、光を等方的に拡散させる光拡散部45が形成されている。また、レンズシート30のレンズ部34の頂部は第2光拡散シート50の粘着剤層53に突き刺さり、これにより、第2光拡散シート50が光学部材20の一部としてレンズシート30に固定されている。
あるいは、図3に二点鎖線で示すように、面光源装置15が、光学部材20の観察者側に、光拡散部45を含む第2の光拡散シート50aを有するようにしてもよい。同様に、液晶表示装置10が、例えば液晶表示パネル12の観察者側に、光拡散部45を含む第2の光拡散シート50bを有するようにしてもよい。
なお、光拡散部45は、上述した光拡散シート40と同様に、光を等方的に拡散させることができる公知の構成を採用することができる。特に、上述した、一方向(詳細にはレンズ部の配列方向)に沿った面内での光の進行方向を絞るレンズシート30と組み合わせる場合には、図6に示すように、光拡散部45が前記一方向に沿ったヘアライン加工によって形成されていることが好ましい。
この場合、一方向に沿ったヘアライン加工により形成された光拡散部45は、一方向に直交する他方向に沿った面内で光を大きく拡散させるものの、一方向に沿った面内では光を大きく拡散させることはない。したがって、レンズシート30によって一方向に沿った面内において絞り込んだ光の進行方向を、光拡散部45で拡散させてしまうことを防止することができる。すなわち、高い正面輝度を維持したまま、固着体22に起因した輝度ムラの発生を防止することができる。
なお、図6に示す例においては、第2光拡散シート50,50a,50bにヘアライン部(光拡散部)が形成されている例を示しているが、これに限られず、レンズシート30の出光側の面に、ヘアライン加工によってヘアライン部を形成してもよい。
(変形例2)
上述した実施の形態において、レンズシート30の光拡散シート40側の面30aを平滑な面として形成する例を示したが、これに限られない。図7に示すように、レンズシート30の光拡散シート40側の面30bが、微小凹凸を形成された面(微小凹凸面)からなるようにしてもよい。
なお、ここでいう微小凹凸を形成された面(微小凹凸面)とは、上述した「平滑な面」ではない面を意味する。このような微小凹凸面30bは、例えば、上述した光拡散シート40の凹凸面と同様に、エンボス加工により形成することができ、あるいは、ブラスト処理によっても形成することができる。かかる微小凹凸は、後述の如くの光拡散シートとの光学密着防止、干渉縞防止、及び拡散効果発現の為に、その凹凸の高低差(代表的には、JIS B0601(1994年版)規定のRzで特定、評価)は光源光に含まれる可視光線スペクトル(可視光線帯域380〜780nmの全域、或いは其の一部帯域)の最長波長よりも大きく設定する。又、其の凹凸の高低差が大きくなり過ぎると、該凹凸の存在が目立ってしまう為、100μm以下とする。通常、1μm〜20μm程度とする。
このような変形例によれば、上述した実施の形態とは異なり、空気層(空隙)21とレンズシート30との界面の微小凹凸に於ける拡散性の屈折により、レンズシートが光の進行方向を正面方向へ絞り込む際の収束角度は広めになる。その一方で、このような変形例によれば、空気層(空隙)21とレンズシート30との界面において光を拡散させることができるようになる。そして、このような作用の相違に起因して、本変形例によれば、以下のような利点を得ることができる。
まず、レンズシート30の光拡散シート40側の面30bに光拡散機能が付与されるので、光学部材20全体として光拡散効果が増強される。この結果、光源16の像(ライトイメージ(図3参照))をより目立たなくさせることができる。また、光学部材20の光拡散効果が増強されるので、絞り込まれて限られた角度範囲内に出射する出射光の輝度分布の変化を、当該角度範囲内において、なだらかにすることができる。また、絞り込まれて限られた角度範囲内に出射する出射光の輝度を、当該角度範囲内において、より均一にすることもできる。
とりわけ、図3に示すようにして光学部材20を面光源装置15に組み込む場合、固着体22よりも観察者側(出向側)に、光を拡散させる機能を有した凹凸面30bが配置されているので、固着体22の存在をぼやかせることができる。したがって、固着体22の固着領域をさらに目立たなくさせ、固着体22の存在に起因した輝度ムラを大幅に抑制することができる。また、固着体22の存在を目立たなくさせることができるので、光学部材20のシート面に直交する方向からの視野(図2における視野であって、光学部材20の平面視)において、複数の固着体22がそれぞれ占める投影面積の総和を大きくすることができ、また、光学部材20のシート面に直交する方向からの視野(図2における視野)において、一つの固着体22が占める投影面積を大きくすることもできる。例えば、光学部材20のシート面に直交する方向からの視野(図2における視野)において、一つの固着体22が占める投影面積を所望に応じて2500μm2以上となるように設定することもできる。そして、固着体22の大きさを大きくし、あるいは、固着体22の量を多くした場合には、固着体22を介してレンズシート30と光拡散シート40とをより強固にすることができる。これにより、レンズシート30と光拡散シート40とが相対移動したり、或いは、レンズシート30や光拡散シート40等が変形(反り等)したりすることに起因した不具合をさらに効果的に防止することができる。
なお、空気層(空隙)21とレンズシート30との界面における光拡散効果を十分に発揮させるために、上述した実施の形態と同様に、光拡散シート40およびレンズシート30の間の離間間隔Dを、光学部材20のシート面に直交する方向に沿って、1μm以上100μ以下とすることができる。そして、このような離間間隔Dが得られるよう、固着体22の大きさや形状を選択することが好ましい。
ただし、本変形例においては、たとえ光拡散シート40およびレンズシート30が接近し過ぎたとしも、レンズシート30の光拡散シート40側の面30bに形成された凹凸面の凹部により、光拡散シート40およびレンズシート30の間に空隙を確保することができる。この空隙の存在により、光拡散シート40およびレンズシート30がたとえ密着したとしても、レンズシート30の光拡散シート40側の面30bが全く光拡散効果を有さなくなることを防止することができる。また、この空隙の存在により、光拡散シート40およびレンズシート30がたとえ密着したとしても、ニュートン環のような干渉縞が発生してしまうことを防止することができる。
さらに、レンズシート30の光拡散シート40側の面30bに微小凹凸が形成されているので、レンズシート30と固着体22との接着面積を大きくし、且つ投錨効果を奏することができる。これにより、レンズシート30と固着体22とをより強固に固着させることができる。したがって、光学部材20のシート面に直交する方向からの視野(図2における視野であって、光学部材20の平面視)において、複数の固着体22がそれぞれ占める投影面積の総和を小さくすることができ、また、光学部材20のシート面に直交する方向からの視野(図2における視野)において、一つの固着体22が占める投影面積を小さくすることもできる。例えば、光学部材20のシート面に直交する方向からの視野(図2における視野であって、光学部材20の平面視)において、複数の固着体22がそれぞれ占める投影面積の総和を、所望に応じて、光拡散シート20の面積の0.25%以下となるように設定することもできる。また、光学部材20のシート面に直交する方向からの視野(図2における視野)において、一つの固着体22が占める投影面積を、所望に応じて、2μm2以下となるように設定することもできる。そして、固着体22の大きさを小さく、あるいは、固着体22の量を少なくした場合には、固着体22の存在をさらに目立たなくさせることができる。これにより、固着体22の存在に起因した不具合(例えば、輝度ムラの発生)をさらに効果的に防止することができる。
なお、本変形例は、レンズシート30の光拡散シート40に対面する側の面30bに微小凹凸が形成されていることを除き、上述した実施の形態と同様に構成され得り、また、上述した実施の形態と同様の構成に基づき、上述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
(変形例3)
上述した実施の形態において、ホットメルト接着剤からなる固着体22を加熱熔着によって光拡散シート40およびレンズシート30に固着する固着方法を例示したが、これに限られず、その他の固着方法を用いることができる。
例えば、中心部23aと中心部23aの周囲に設けられた被覆部23bとを有する固着体22であって被覆部23bが粘着剤からなっている固着体22(図8参照)を用い、固着体22を挟んで光拡散シート40およびレンズシート30を加圧粘着するようにしてもよい。また、上述した実施の形態において、中心部23aと中心部23aの周囲に設けられた被覆部23bとを有する固着体22であって、被覆部23bが加熱により熔融して接着性を発現するホットメルト接着剤からなっている固着体22を用いてもよい。これらの場合に於いて中心部23aは接着時の加熱或いは加圧によって変形して両シート間の離間間隔が減少することの無いものを選択することが好ましい。このような固着体22の例として、中心部23aがソーダ硝子からなるとともに、被覆部23bがアクリル樹脂系の粘着剤からなる固着体を挙げることが出来る。
また、図9に示すように、光拡散シート40がレンズシート30に対面する側に粘着層42またはホットメルト層42を含むとともに、レンズシート30が光拡散シート40に対面する側に粘着層36またはホットメルト層36を含むようにしてもよい。そして、固着体22を挟んで光拡散シート40およびレンズシート30を加圧粘着または加熱熔着する様にしてもよい。この場合、固着体22と粘着層36またはホットメルト層36、及び、固着体22と粘着層42またはホットメルト層42とは、単に表面同士が接触して接着しているのみでも良い。或いは、固着体22の先端部を、粘着層36またはホットメルト層36、及び、粘着層42またはホットメルト層42の層内に進入させて喰込ませ、各層36,42に固着させても良い。
尚、上記の実施形態において、層36及び層42を、ホットメルト型接着剤や粘着剤に代えて、その他の接着剤で構成することもできる。その他の硬化形態の接着剤としては、例えば、二液(反応)硬化型、紫外線硬化型、電子線硬化型、或いは熱硬化型の接着剤を使用することができる。
さらに、図10に示すように、細長形状を有する固着体22を用いることができる。ここで、細長形状を有する固着体22とは、長手方向を有する固着体であって、レンズシート30および光拡散シート40に固着する前の形状において、長手方向に沿った長さが、側面視における最大幅(長手方向に直交する方向から見た場合における、長手方向に直交する方向に沿った長さ(幅)の最大値)よりも長くなっている固着体のことである。図10に示す例において、固着体22の長手方向は、光拡散シート40のシート面およびレンズシート30のシート面に対して傾斜または直交し、固着体22は、長手方向における一方の端部において、光拡散シート40に固着し、長手方向における他方の端部において、レンズシート30に固着している。このような例をさらに具体的に説明すると、固着体22として幅よりも長さが長い細長形状のもの、例えば三角柱、四角柱、五角柱、六角柱等の角柱、三角錐台、四角錐台、五角錐台、六角錐台等の角錐台、円柱、楕円柱等の形状のものを用い、かつ、該長手方向が、光拡散シート40及びレンズシート30とを結ぶ方向(面光源に装着した際の該面光源出光面の法線方向にも対応する)に沿うように配置することもできる。かかる形態によれば、光拡散シート40から固着体22中に入射した光線は該細長形状の側面で全反射を繰返してレンズシート30側へ進むことができる。すなわち、細長状の固着体22は、導波管として機能し、光線をレンズシート30側へ效率良く伝播させることができる。また、これに加えて、かかる形態においては、光拡散シート40とレンズシート30との間隔を十分大きく取っても断面積は相対的に小さいため、観察者に固着対22の像を視認され難いという利点も有する。かかる細長形状の固着体を用いる形態の具体的製造方法としては、例えば、細長形状の固着体として、硝子、樹脂等から成る細長い繊維等を用い、静電植毛により、固着体22の一端部を光拡散シート40のレンズシート30側の表面をなす粘着層42に固定し、固着体22の他端部をレンズシート30の光拡散シート40側の表面をなす粘着層36に固定するようにしてもよい。静電植毛によれば、光拡散シート40およびレンズシート30から立ち上がるようにして、細長い固着体22を光拡散シート40およびレンズシート30に固着することができる。
さらに、超音波接着により、固着体22を光拡散シート40およびレンズシート30に固着するようにしてもよい。例えば、図11に示すような方法により、固着体22を光拡散シート40およびレンズシート30に固着することができる。図11に示す方法においては、接合装置60は、回転可能な回転ローラ62と、回転ローラ62の外周面から突出した多数のホーン64と、回転ローラ62に対向して配置された図示しない受け機構(例えば、受けローラ)と、を有している。回転ローラ62は、回転軸に沿った方向に超音波振動することができるようになっている。この方法では、振動しながら回転している回転ローラ62と受け機構との間に、固着体22を間に挟むようにして重ね合わされた光拡散シート40およびレンズシート30が送り込まれる。回転ローラ62から突出するホーン64は、光拡散シート40およびレンズシート30を互いに対して擦り付けるように振動する。この結果、ホーン64の直下または近傍に位置していた固着体22が光拡散シート40およびレンズシート30に超音波接着されるようになる。
(変形例4)
上述した実施の形態において球状からなる固着体を用いる例を示し、また上述の変形例(図10)において細長状の固着体を用いる例を示したが、これらに限られない。回転楕円体状の固着体や、立方体、正八面体、正十二面体、截頭立方体(立方体の角を切落とした形状)、等の多面体状の固着体を用いることもできる。
また、上述した実施の形態において、固着体22が光透過性を有する樹脂からなる例を示したが、これに限られない。固着体22の全部または一部(例えば、図8に示す中心部23aまたは被覆部23b)が光透過性を有する他の材料からなるようにしてもよい。例えば、固着体22(或いは其の中心部)としては、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリスチレン、ポリアミド樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂等の樹脂、ソーダ硝子等の硝子、セラミックス、シリカ、アルミナ等の無機物を用いるようにしてもよい。
また、固着体22の材料は、レンズシート30及び光拡散シート40と別の材料を選択しても良いし、レンズシート30及び光拡散シート40と同じ材料を使用しても良い。例えば、後者の例としては、固着体22、レンズシート30、及び光拡散シート40の材料を何れもポリメタクリル酸メチルから構成する例が挙げられる。
さらに、固着体22の全部または一部(例えば、図8に示す中心部23aまたは被覆部23b)が光反射性を有する材料、例えば、90%以上の反射率を有する材料(例えば、金属)からなっていてもよい。光学部材20のシート面に直交する方向からの視野における固着体22の投影面積が十分小さければ、例えば5μm2以下であれば、固着体22が配置されている位置に目立った欠点が形成されてしまうことを防止することができる。
(変形例5)
さらに、上述した実施の形態においては、固着体22がレンズシート30および光拡散シート40とは別体からなる例を示したが、これに限られず、固着体22がレンズシート30および光拡散シート40のいずれか一方と一体に形成されてもよい。例えば、固着体22が、光拡散シート40と別体に形成されるとともに、レンズシート30と一体に形成されてもよい。
さらに、上述した実施の形態においては、レンズシート30と光拡散シート40との間に固着体22が介在し、固着体22を介して、レンズシート30と光拡散シート40とが互いに連結されている例を示したが、これに限られず、レンズシート30と光拡散シート40とが、固着体22を介すことなく、点在する固着領域において直接固着し合っているようにしてもよい。一例として、レンズシート30及び光拡散シート40の対向面同士を、間に第三の物体(固着体22)を介在させること無く、直接、点状の微小な固着領域において熔着してもよい。この例においては、レンズシート30側から熔融突出した部分と光拡散シート40から熔融突出した突出部分とが融着して橋架け状に両シートが互いに連結される。そして、該突出部分(橋架け状の部分)が上述した固着体22と同様に機能し、この結果、固着領域以外の領域(該突出部分以外の領域)においては、両シートは互いから、例えば所定の距離だけ、離間するようになる。このような光学シートは、固着体22を介在させることなくレンズシート30と光拡散シート40とを、図11を参照しながら説明した超音波接着方法により接合することによって、得られ得る。
なお、光学部材20のシート面に直交する方向からの視野における、一つの固着領域の平均投影面積は、上述した一つの固着体22の平均投影面積と同様に設定することができる。また、光学部材20のシート面に直交する方向からの視野において、複数の固着領域が占める投影面積の総和の光拡散シートの面積に対する割合は、上述した複数の固着体が占める投影面積の総和の光拡散シートの面積に対する割合と同様に設定することができる。
(変形例6)
上述した実施の形態において、各レンズ部34が断面において直線状に延びる二つのレンズ面34a,34bを有する例を示したが、これに限られず、各レンズ部38が断面において曲線状に延びるレンズ面38aを有するようにしてもよい。例えば、図12に示すように、レンズシート30のシート面に直交する断面(主切断面)において、各レンズ部38が、その長軸がレンズシート30のシート面の法線と平行に延びる楕円の一部分と同一の形状を有するようにしてもよい。
また、上述した実施の形態において、線状に延びるレンズ部34が延出方向とは直交する方向(上述の一方向)に並べて配列され、この配列方向に沿った面内において光の進行方向を絞り込むようにした例を示した。しかしながら、この例に限られず、光学部材20が、並列配置された線状に延びる複数のレンズ部34,38を有するレンズシート30を二つ有するようにしてもよい。二枚のレンズシート30を有する光学部材20において、二枚のレンズシート30のレンズ部の配列方向が同一でなければ、例えば直交していれば、二つの方向において光の進行方向を調節する、つまり、二つの方向において輝度分布を調節することができるようになる。なお、二つのレンズシート30は、例えば、図5に示した、第2の光拡散シート50とレンズシート30とを固着する方法と同様にして、互いに連結され得る。具体的には、上側(出光側)に配置されたレンズシート30の下側面(入光側面)に接着剤層を設け、この接着剤層に下側(入光側)に配置されたレンズシート30のレンズ部30,38の先端を突き刺して、二つのレンズシート30を互いに固着することができる。
さらに、レンズシート30が、図13に示すように、複数のレンズ部39によって形成されるフライアイレンズを含むフライアイレンズシートとして構成されていてもよい。図13に示す例において、各レンズ部39は、その長軸がレンズシート30のシート面の法線と平行に延びる回転楕円体の一部分と同一の形状を有するようになっている。フライアイレンズシートによれば、二つの方向において光の進行方向を調節する、つまり、二つの方向において輝度分布を調節することができるようになる。
なお、図13に示す例に限られず、三角錐や四角錐(所謂キューブコーナー形状)等の角錐、或いは円錐からなるレンズ部(単位レンズ)39を、シート面に平行な面内において縦横等の二方向に配列して成るレンズシートを用いることも出来る。
(変形例7)
さらに、上述した実施の形態において、光学部材20は、光源16の直上に配置されて直下型の面光源装置15を構成する例を示したが、これに限られない。光源16が導光体の側端面に配置されるとともに、光拡散シート40が導光体の出光面側に対面するようにして光学部材20を導光体上に載置して、所謂エッジライト型の面光源装置15を構成するようにしてもよい。或いは、電場発光(エレクトロルミネッセンス)体から成る面光源装置の発光面上に、光拡散シート40が該発光面に対面するようにして光学部材20を配置しても良い。
(変形例8)
さらに、上述した実施の形態において、光拡散シート40とレンズシート30との間に固着体22のみが介在している例を示したが、これに限られない。光拡散シート40およびレンズシート30の一方または両方に固着していない部材、例えばスペーサが、固着体22とともに、光拡散シート40とレンズシート30との間に介在しているようにしてもよい。
(変形例9)
さらに、上述した実施の形態において、光学部材20の光拡散シート40側に光源16が配置され、光学部材20のレンズシート30側に液晶表示パネル12が配置されている例(図3参照)を示したが、これとは逆に、光学部材20の光拡散シート40側に液晶表示パネル12が配置され、光学部材20のレンズシート30側に光源16が配置されてもよい。この形態の場合には、固着体22を透過し、固着体の像で変調された光が、光拡散シート40で拡散されるため、改めて光拡散部材を追加し無くても、固着体の存在を十分に不可視化することが可能である。
尚、かかる形態の場合は、レンズシートの最適形状は、図3の場合とは異なる。例えば、図1、図2、及び図4に示す形状(単位レンズの主切断面が三角形の線型配列)の場合、正面方向の輝度を最大化する最適頂角は40〜70°程度とすることができる。
なお、以上のように、上述した実施の形態に関するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
上述した実施の形態について、具体的な例によりさらに詳細に説明する。
以下に説明するようにして、光学部材を作製した。また、得られた光学部材について種々の性能を評価した。
〔光学部材の作製方法〕
まず、光学部材の作製方法について説明する。各例において、以下の部材が共通して用いられた。
・レンズシート
図1に示すように、断面が二等辺三角形状を有するレンズ部が出光側に形成されたレンズシートを用いた。レンズシートは、厚さ50μmの基材シートと、基材シート上に積層された厚さ4μmのプライマー層と、プライマー層上に形成された多数のレンズ部と、を有する。基材シートは、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートのフィルムとした。プライマー層は、熱硬化型ウレタン系プレポリマーを熱で架橋させ硬化して形成した。レンズ部は、紫外線硬化性アクリレートプレポリマーを紫外線照射で架橋硬化して形成した。
図1の断面において、レンズ部の配列ピッチは24μmであり、レンズ部の突出高さは15μmであり、レンズの頂角は92.5°であった。
レンズシートの入光側の面、すなわち光拡散シート側の表面は平滑に形成した。この平滑な表面の粗さは、JISB0601に準拠して測定された算術平均粗さ(Ra)で0.002μmであり、JISB0601に準拠して測定された粗さ曲線の最大断面高さ(Rt)で0.013μmであり、JISB0601に準拠して測定された十点平均粗さ(Rz)で0.007μmであった。
・光拡散シート
厚さ2mmのポリカーボネイト板の表面にエンボス加工を行って、凹凸面を有する光拡散シートを形成した。
・固着体
エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)系ホットメルトタイプ接着剤からなる固着体を使用した。固着体は、平均粒径が40μmの球状ビーズとした。
以下、各光学部材の構成について説明する。
(実施例1)
平面視形状が100mm×100mmの正方形のレンズシートおよび光拡散シートの間に300個の固着体をランダムに散乱させた。レンズシートおよび光拡散シートを介して固着体を加熱し、固着体をレンズシートおよび光拡散シートに加熱熔着させた。このようにして、100mm×100mmの図1に示す光学部材を作製した。
(実施例2)
実施例1で作製された光学部材の出光側(レンズシート側)の面に、光を等方拡散させる第2の光拡散シートをさらに設け、100mm×100mmの平面視正方形の光学部材を作製した。
(実施例3)
平面視形状が100mm×100mmの正方形のレンズシートおよび光拡散シートを、これらの間に固着体22を介在させることなく、図11を参照しながら上述した超音波接着方法により、互いに固定し、100mm×100mmの平面視正方形の光学部材を作製した。超音波の条件は、400Wで28kHzとした。超音波は0.1秒間印加し、その後0.1秒間停止した。ホーンは、接触面が直径0.8mmで高さが1mmである円錐台形状のものを使用した。ホーンは、100mm×100mmのレンズシートに対し、ランダムで均一に面内分布した50箇所の点において接触し、且つレンズシートを押圧するようにした。この結果、光拡散シ−トとレンズシ−トとが、ホーンを介して超音波を印加された50箇所に対応する固着領域において、互いに直接超音波接着された。
かかる固着領域においては、図14添記の図の如く、光拡散シ−ト側から突出した熔融部とレンズシ−ト側から突出した熔融部とが、相互に接着、融合、一体化して架橋状をなしていた。該架橋状部分が上述した固着体と同様に機能していた。固着領域以外の領域に於いては、光拡散シ−トとレンズシ−トとは空隙を介して相互に離間していた。
(比較例1)
固着体を介在させることなく、光拡散シートとレンズシートとを、直接、アクリル樹脂系粘着剤により貼り合わせ、100mm×100mmの平面視正方形の光学部材を作製した。この結果、エンボス加工によって形成された光拡散シートの凹凸が粘着剤によって埋められ、光拡散シートとレンズシートとの間が粘着剤により満たされた。すなわち、レンズシートの入光側(光拡散シート側)の平滑面は、空気層に曝されていなかった。
(比較例2)
100mm×100mmの平面視正方形のレンズシートおよび光拡散シートの間に、略300個の固着体をランダムに散乱させて、100mm×100mmの平面視正方形の光学部材を作製した。しかしながら、比較例2の光学部材において、固着体をレンズシートおよび光拡散シートに固着させなかった。
(比較例3)
固着体を介在させることなく、光拡散シートとレンズシートとを重ね合わせ、100mm×100mmの平面視正方形の光学部材を作製した。しかしながら、比較例3の光学部材において、レンズシートおよび光拡散シートを互いに固定しなかった。
(比較例4)
比較例3で作製された光学部材の出光側(レンズシート側)の面に、光を等方拡散させる第2の光拡散シートをさらに設け、100mm×100mmの平面視正方形の光学部材を作製した。比較例4の光学部材において、レンズシートおよび光拡散シートを互いに固定しなかった。
〔光学部材の評価方法〕
以上のようにして作製された実施例1乃至3および比較例1乃至4に係る光学部材について、以下の測定を行った。
(評価方法1)
80°に加熱された熱処理炉中に各光学部材を12時間放置し、その後、熱処理炉から室温雰囲気(気温摂氏23度、相対湿度55%)中に各光学部材を取り出した。室温中で15分間経過した後に、各光学部材に反りが発生しているか否かを確認した。
結果を図14および図15に示す。図14および図15において、反りが確認された光学部材について×を標示し、反りが確認されなかった光学部材について○を標示した。レンズシートが光拡散シートに連結されていない比較例2乃至4では、レンズシートに反りが発生した。
(評価方法2)
100mm×100mmの平面視正方形の各光学部材を光拡散シート側から照明し、各光学部材の光学特性を確認した。照明装置として、直下型液晶表示テレビ(東芝製:20LC100)から面光源装置部分を取り出したものを用いた。
第1の光学特性として、固着体の存在を視認することができるか否かについて目視確認した。図14および図15に結果を示す。図14および図15において、固着体を介し又は直接にレンズシートと光拡散シートとを固定させる固着領域の痕跡が、目視判定にて、全く視認されなかった光学部材について◎を標記し、通常の注意力で観察して固着領域の痕跡が視認された光学部材について×を標記した。○は、凝視することによって固着領域の痕跡を視認することができたが、固着領域の痕跡が目立っていなかった光学部材に標記している。
第2の光学特性として、100mm×100mmの面積における輝度の均一性について評価した。各光学部材に対し、図16に示すように100mm×100mmの正方形を9分割し、九つの各領域における輝度(cd/m2)を測定した。輝度の測定は、トプコン製のBM−7を用いた。結果を図14および図15に示す。図14および図15における数値は、各光学部材について測定された最高輝度の当該光学部材について測定された最低輝度に対する比である。また、100mm×100mmの正方形の各光学部材内において輝度バラツキがあるか否かについて目視確認した。輝度が均一であると視認された光学部材について○を標記し、輝度にバラツキがあると視認された光学部材に対して×を標記した。
第3の光学特性として、図16に示す領域5において、正面輝度(cd/m2)を測定した。輝度の測定は、トプコン製のBM−7を用いた。結果を図14および図15に示す。図14および図15においては、比較例1の光学部材についての測定値に対する、各光学部材についての測定値の割合を百分率で表している。また、100mm×100mmの正方形の各光学部材の正面輝度について目視確認した。正面から目視して十分明るく観察された光学部材について○を標記し、正面から目視して明るさが不十分であると観察された光学部材について×を標記した。実施例1−3に係る光学部材によれば、光拡散シートとレンズシートとの間に空隙が形成されていない比較例1に係る光学部材と比較して、正面輝度を格段に向上させることができる。
図1は、本発明による光学部材の一実施の形態の構成を示す側面図である。 図2は、図1に示された光学部材の上面図である。 図3は、本発明による面光源装置および液晶表示装置の一実施の形態の構成を示す断面図である。 図4は、図1に示された光学部材の作用を説明するための図である。 図5は、図1に対応する図であって、光学部材の一変形例を示す図である。 図6は、光学部材、面光源装置および液晶表示装置の一変形例を説明するための図である。 図7は、図1に対応する図であって、光学部材の一変形例を示す図である。 図8は、光学部材に用いられる固着体の一変形例を説明するための図である。 図9は、図1に対応する図であって、光学部材の一変形例を示す図である。 図10は、図1に対応する図であって、光学部材の一変形例を示す図である。 図11は、光学部材の一変形例の製造方法を説明するための図である。 図12は、光学部材に用いられるレンズシートの一変形例を説明するための斜視図である。 図13は、光学部材に用いられるレンズシートの一変形例を説明するための斜視図である。 図14は、評価結果を示す図表である。 図15は、評価結果を示す図表である。 図16は、輝度の測定領域を説明するための図である。
符号の説明
10 液晶表示装置
12 液晶表示パネル
15 面光源装置
16 光源
20 光学部材
21 空隙
22 固着体
30 光拡散シート
30a 平滑な表面
30b 面
32 基部
34,38,39 レンズ部
40 光拡散シート
45 光拡散部
50,50a,50b 第2の光拡散シート

Claims (22)

  1. 光拡散シートと、
    前記光拡散シートに対向して配置されたレンズシートであって、前記光拡散シートに対面しない側に突出した複数のレンズ部を有するとともに前記光拡散シートに対面する側に平滑な表面を含むレンズシートと、
    前記光拡散シートおよび前記レンズシートの間に点在し、前記光拡散シートおよび前記レンズシートに固着した複数の固着体と、を備え、
    前記光拡散シートおよび前記レンズシートは、前記固着体を介して互いから離間して配置され、前記光拡散シートおよび前記レンズシートの間に空隙が形成されている
    ことを特徴とする光学部材。
  2. 光拡散シートと、
    前記光拡散シートに対向して配置されたレンズシートであって、前記光拡散シートに対面しない側に突出した複数のレンズ部を有するとともに前記光拡散シートに対面する側に微小凹凸を形成された面を含むレンズシートと、
    前記光拡散シートおよび前記レンズシートの間に点在し、前記光拡散シートおよび前記レンズシートに固着した複数の固着体と、を備え、
    前記光拡散シートおよび前記レンズシートは、前記固着体を介して互いから離間して配置され、前記光拡散シートおよび前記レンズシートの間に空隙が形成されている
    ことを特徴とする光学部材。
  3. 一つの固着体は、前記光学部材のシート面に直交する方向からの視野において、2500μm2以下の平均投影面積を有する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の光学部材。
  4. 前記複数の固着体が、前記光学部材のシート面に直交する方向からの視野において、占める投影面積の総和は、前記光拡散シートの面積の0.25%以上40%以下である
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光学部材。
  5. 前記レンズシートの前記複数のレンズ部は、前記レンズシートのシート面に平行な一方向に並べて配列され、
    各レンズ部は、前記一方向に直交するとともに前記レンズシートのシート面に平行な他方向に沿って直線状に延びている
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光学部材。
  6. 前記レンズシートは、前記複数のレンズ部によって形成されるフライアイレンズを含むフライアイレンズシートとして構成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光学部材。
  7. 前記レンズシートの前記光拡散シートに対面する側の面よりもレンズ部の側に、光を拡散させる光拡散部を含む
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光学部材。
  8. 前記レンズシートの前記光拡散シートに対面する側の面よりもレンズ部の側に、光を拡散させる光拡散部を含み、
    前記光拡散部は、前記一方向に沿ったヘアライン加工によって形成されている
    ことを特徴とする請求項5に記載の光学部材。
  9. 前記光拡散シートおよび前記レンズシートの間の離間間隔は、前記光学部材のシート面に直交する方向に沿って、1μm以上である
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の光学部材。
  10. 前記固着体の少なくとも表面は、80%以上の反射率を有する材料からなっている
    ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の光学部材。
  11. 前記固着体の少なくとも表面は、80%以上の透過率を有する材料からなっている
    ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の光学部材。
  12. 前記複数の固着体は、前記光拡散シートおよび前記レンズシートの間のランダムな位置に配置されている
    ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の光学部材。
  13. 前記固着体は、加熱熔着、加圧粘着および超音波接着のうちのいずれか一以上の方法によって、前記光拡散シートおよび前記レンズシートに固着している
    ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の光学部材。
  14. 前記固着体は細長形状からなり、
    前記固着体の長手方向は、前記光拡散シートのシート面および前記レンズシートのシート面に対して傾斜または直交し、
    前記固着体は、長手方向における一方の端部において、前記光拡散シートおよび前記レンズシートの一方に固着し、長手方向における他方の端部において、前記光拡散シートおよび前記レンズシートの他方に固着している
    ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の光学部材。
  15. 前記固着体は、静電植毛を用いて、前記光拡散シート及び前記レンズシートに固着している
    ことを特徴とする請求項14に記載の光学部材。
  16. 光拡散シートと、
    前記光拡散シートに対向して配置されたレンズシートであって、前記光拡散シートに対面しない側に突出した複数のレンズ部を有するとともに前記光拡散シートに対面する側に平滑な表面を含むレンズシートと、を備え、
    前記光拡散シートおよび前記レンズシートは、点在する複数の固着領域において、互いに固着している
    ことを特徴とする光学部材。
  17. 光拡散シートと、
    前記光拡散シートに対向して配置されたレンズシートであって、前記光拡散シートに対面しない側に突出した複数のレンズ部を有するとともに前記光拡散シートに対面する側に微小凹凸を形成された面を含むレンズシートと、を備え、
    前記光拡散シートおよび前記レンズシートは、点在する複数の固着領域において、互いに固着している
    ことを特徴とする光学部材。
  18. 前記光拡散シートおよび前記レンズシートは、超音波接着により、前記固着領域で互いに固着している
    ことを特徴とする請求項16または17に記載の光学部材。
  19. 少なくとも請求項1乃至18のいずれか一項に記載の光学部材と、
    前記光学部材に光を投射する光源と、を備える
    ことを特徴とする面光源装置。
  20. 請求項19に記載の面光源装置と、
    前記面光源装置の前記光学部材に対面して配置された液晶表示パネルと、を備える
    ことを特徴とする液晶表示装置。
  21. 少なくとも請求項1乃至18のいずれか一項に記載の光学部材と、
    前記光学部材の前記レンズシート側に配置された光源と、を備える
    ことを特徴とする面光源装置。
  22. 少なくとも請求項1乃至18のいずれか一項に記載の光学部材と、
    前記光学部材の前記レンズシート側に配置された光源と、
    前記光学部材の前記光拡散シート側に配置された液晶表示パネルと、を備える
    ことを特徴とする液晶表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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