JP2009008992A - 自己形成光導波路の製造方法 - Google Patents

自己形成光導波路の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009008992A
JP2009008992A JP2007171829A JP2007171829A JP2009008992A JP 2009008992 A JP2009008992 A JP 2009008992A JP 2007171829 A JP2007171829 A JP 2007171829A JP 2007171829 A JP2007171829 A JP 2007171829A JP 2009008992 A JP2009008992 A JP 2009008992A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cured product
light
curing
self
waveguide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007171829A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4803609B2 (ja
Inventor
Takayuki Matsui
崇行 松井
Masaaki Tsuchimori
正昭 土森
Manabu Kagami
学 各務
Takeshi Sai
斌 蔡
Kyoji Komatsu
京嗣 小松
Okihiro Sugihara
興浩 杉原
Toshikuni Kaino
俊邦 戒能
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohoku University NUC
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Tohoku University NUC
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tohoku University NUC, Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Tohoku University NUC
Priority to JP2007171829A priority Critical patent/JP4803609B2/ja
Publication of JP2009008992A publication Critical patent/JP2009008992A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4803609B2 publication Critical patent/JP4803609B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Optical Couplings Of Light Guides (AREA)
  • Optical Integrated Circuits (AREA)

Abstract

【課題】自己形成光導波路形成の際に、成長端を所望方向に走査する。
【解決手段】光ファイバ10aの一端10aeと同様の光ファイバ10bの一端10beを光光硬化性樹脂液11に浸した。光ファイバ10aの他端にアルゴンイオンレーザからの波長488nmのレーザ光を導入して一端10aeから光硬化性樹脂液11に照射して自己形成的に硬化物を形成すると共に、モードロックチタンサファイアレーザからの波長800nmの制御光を硬化物の成長端近傍に集光して走査した。硬化物の成長速度0.2mm/分に合わせて、制御光の集光点を速度0.2mm/分で光ファイバ10aの一端10aeと光ファイバ10bの一端10beを滑らかに繋ぐように走査し、ゆるやかに湾曲した軸状の硬化物11cを得た。
【選択図】図2

Description

本発明は液状の未硬化の光硬化性樹脂(以下、単に光硬化性樹脂液と言う)に硬化波長光を導入し、硬化波長光の光軸に沿って軸状に硬化物を順次成長させてコアを形成する、自己形成光導波路の製造方法に関する。
本願出願人らは、光硬化性樹脂液充填した透明筐体に光ファイバを挿入し、当該光ファイバから光硬化性樹脂液に硬化光を照射して、軸状のコアを形成する技術を開発し、多数報告している。これらは、完成品としては、透明筐体に光ファイバが挿入され、形成されたコアと、それを覆うクラッドとが当該透明筐体内部に保持されるものを基本としている。形成されたコア端に、例えば受発光素子(受光素子及び発光素子を包括的に言うもの。以下同じ)を結合させれば、光ファイバを介して光通信が可能である。本願出願人らは、コア形成の際にミラー、ハーフミラー、波長選択性ミラー(フィルタ、例えば所望に設計された誘電体多層膜)に向けてコアを成長させることで、ミラーによる90度屈曲したコアや、分岐コアを有し、複数個の受発光素子と結合させた、光ファイバとの複数波長による光通信モジュールについても報告している。
さて、本願出願人による自己形成光導波路は、基本的にはミラー、ハーフミラー、波長選択性ミラーを介さない場合は、硬化光の照射方向に直線状に形成されるものであり、それらミラー等で分岐又は屈曲することはあっても、例えば湾曲するものではなかった。
そこで自己形成光導波路の更なる展開を測るため、湾曲或いはY字分岐の可能性を検討することとなった。
単に、光造形の分野の関連技術を列挙すると次のようなものがある。
特許文献1及び2は、2本の光束の集光点を重ね合わせて光導波路を作製するものである。
特許文献2及び3は、多光子吸収を利用し、集光点を走査して光導波路を作製するものである。
特許文献4乃至6は、自己形成光導波路を屈曲させるものである。
特開2004−325706 特開2005−230863 特開2007−033886 特開2003−121677 特開2003−131063 特開2005−257741
特許文献1及び2の技術の問題点は、光ファイバなどの他の予め用意された光伝送路との精密な位置あわせが難しいことである。これは、外部から2本の光束を収束し、光導波路を作製する為であり、レンズの収差、材料の物性等を考慮して、精密に位置を合わせて光導波路を作製する必要がある。加えて、光ファイバ等との位置あわせをパッシブに行うことは難しい。
特許文献2及び3の技術の問題点は、光導波路の断面形状が接続対象となる光ファイバの真円コア断面形状と一致しないという問題点がある。これは、レーザー焦点部分の楕円状のエネルギー分布を反映する為である。
特許文献4乃至6の技術の問題点は、自己形成光導波路の定量的かつ連続的な成長方向変化が難しいことである。特許文献4及び5については、自己形成光導波路の成長方向変化(光軸方向以外への)は、実のところ2つの対向する照射光の重なった領域へ自己形成光導波路が成長することによるものである。これは開口数(NA)などに由来し、光の重なる領域にしか成長できないと言う点と、光の重なる領域の強度分布に依存する成長しか出来ない為である。それ故に例えばS字形状、Z次形状など成長の形状を指定することは難しい。又、特許文献6は自己形成光導波路をミラー、フィルタなどパッシブな光部品により屈曲点を設けているが、これら光部品が無い時には直線状にしか成長させることが出来ない。
本発明者らは全く新しい着想にて、自己形成光導波路の成長端を所望の方向に誘導することができること見出し、本願発明を完成させた。
本願各請求項に係る発明の共通する本質は、自己形成光導波路となる硬化物の成長端近傍に、硬化光よりも長波長の制御光を集光し、当該制御光の集光点を走査することにより、硬化物の成長方向を当該制御光の走査方向に誘導することである。
請求項1に係る発明は、光軸に対して所定形状の垂直断面を有し、所定波長の硬化光を導入するための硬化光導入用導波路を用い、光硬化性樹脂液に、硬化光導入用導波路の射出端から所定波長の硬化光を導入して自己形成的に光硬化性樹脂液を硬化させて軸状の硬化物を形成する際に、当該硬化物の成長端近傍に、硬化光よりも長波長の制御光を集光し、当該制御光の集光点を走査することにより、硬化物の成長方向を当該制御光の走査方向に誘導することを特徴とする湾曲した自己形成光導波路の製造方法である。
請求項2に係る発明は、光軸に対して所定形状の垂直断面を有し、所定波長の硬化光を導入するための硬化光導入用導波路を用い、光硬化性樹脂液に、硬化光導入用導波路の射出端から所定波長の硬化光を導入して自己形成的に光硬化性樹脂液を硬化させて第1の軸状の硬化物を形成したのち、硬化光を導入したまま、第1の軸状の硬化物の任意の位置に硬化光よりも長波長の制御光を集光し、当該制御光の集光点を走査することにより、新たな硬化物の成長端を発生させると共に、当該新たな硬化物の成長方向を当該制御光の走査方向に誘導して、第1の軸状の硬化物から分岐した第2の軸状の硬化物を形成することを特徴とする分岐した自己形成光導波路の製造方法である。
請求項3に係る発明は、光軸に対して所定形状の垂直断面を有し、所定波長の硬化光を導入するための硬化光導入用導波路を用い、光硬化性樹脂液に、硬化光導入用導波路の射出端から所定波長の硬化光を導入して自己形成的に光硬化性樹脂液を硬化させて軸状の硬化物を形成する際に、当該硬化物の成長端近傍に、硬化光よりも長波長の複数個の制御光を各々集光し、当該複数個の制御光の集光点を走査することにより、硬化物の成長端を複数個発生させると共に、当該複数個の硬化物の成長方向を各制御光の走査方向に各々誘導して、複数個の分岐を有する硬化物を形成することを特徴とする分岐した自己形成光導波路の製造方法である。
請求項4に係る発明は、制御光の集光点近傍において、多光子過程により光硬化性樹脂液の硬化反応を生じさせることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の自己形成光導波路の製造方法において、制御光の波長が600nm以上830nm以下であることを特徴とする。
以下の実施例に示す通り、本発明者らは、自己形成光導波路となる硬化物の成長端近傍に、硬化光よりも長波長の制御光を集光し、当該制御光の集光点を走査することにより、硬化物の成長方向を当該制御光の走査方向に誘導できることを見出した。この際、硬化光導入用導波路と光硬化性樹脂液を用いれば、当該硬化光導入用導波路の射出端から極めて自由度の高い、湾曲した軸状の硬化物を得ることができる。即ち、硬化物の硬化開始地点と硬化終了地点を正確に計測し、例えば自動制御により制御光の集光点を走査することで、2つの地点を3次元的に結ぶ自己形成光導波路を形成することが容易にできる。この際、形成された自己形成光導波路の断面は、硬化光導入用導波路の射出端の形状、或いは硬化光導入用導波路の光軸に対する垂直断面の形状にほぼ従う。これにより、例えば2つの光ファイバの端面を、自己形成光導波路により接続し、所望のクラッド部材で覆うことで、光損失の少ない光ファイバの接続が可能となる(請求項1)。
このような効果が生ずる理由は必ずしも明確ではないが、例えば以下の機構による可能性がある。
最も可能性の高い機構は、制御光の集光点近傍に微小な硬化物が形成されることである。当該硬化物は、まさしく硬化光による硬化物と同一物であって、硬化光により形成される軸状の硬化物(コア)の径の範囲内にあるならば、最終的には軸状の硬化物(コア)の内部に埋没する。この際、硬化光による硬化物の先端付近で、制御光の集光点に形成される微小な硬化物が、硬化光による硬化物の先端を誘導する形となる。即ち、硬化光により形成される軸状の硬化物(コア)の先端に、制御光の集光点に形成される微小な硬化物が次々と形成される。この際、制御光の集光点が所望方向に走査されることにより、制御光の集光点に形成される微小な硬化物が、列をなして(微小な連続体として)当該集光点の走査された軌跡に配置されることとなる。この際、光硬化性樹脂は、光照射により活性化された後、短時間ではあるが一定の時間、反応点が活性化されており、重合(硬化)が継続する。すると、当該集光点の走査された軌跡に配置された微小な硬化物の表面から、硬化光の光軸から離れる方向にも硬化が生じ、軸状の硬化物(コア)が順次形成される状況となる。軸状の硬化物(コア)の径が、それ以前に形成された硬化物(コア)の径程度になることから、最終的な軸状の硬化物(コア)形状は、硬化光導入用導波路から導入される硬化光によって決定されるものである。しかし、軸状の硬化物(コア)の成長端において、集光点の走査された軌跡に配置された微小な硬化物が常に存在し、当該微小な硬化物表面の光硬化性樹脂の反応点が一定の時間、消失せずに活性化されているならば、微小な硬化物が例えば湾曲している場合、最終的な軸状の硬化物(コア)も、微小な硬化物の湾曲に合わせて湾曲するものと考えられる。
ここにおいて、制御光の集光点に形成される微小な硬化物の最先端は、硬化光による軸状の硬化物(コア)の成長端から、余り離れていないことが望ましい可能性が高い。また、集光点以外の制御光の照射部分が硬化しないことが望ましい。
他の可能性としては、光マニピュレーションによる成長端への光力学的外力が、光硬化性樹脂硬化物を湾曲させることも考えられる。
請求項2に係る発明のように分岐が可能であることも下記実施例の通り見出された。即ち、既に形成された光硬化性樹脂硬化物の表面に、新たな成長端を作り出すこと、及び当該成長端を制御光の走査方向に誘導して、極めて自由度の高い、湾曲した軸状の硬化物を得ることができる。勿論、光損失その他の面で、先に形成される光硬化性樹脂硬化物による光導波路と、新たに形成される光硬化性樹脂硬化物による光導波路とが、完全に自由な形状を取りうるわけではない。少なくとも、分岐の開始点においては、硬化光導入用導波路からの硬化光の照射されうる方向に、新たに形成される分岐は成長しなければならない。
これらから、請求項3に係る発明のように、一度に複数個の成長端を形成することも可能である。
上述のような硬化は、主として制御光の多光子吸収、又は制御光と硬化光との多光子吸収を利用すると良い。制御光は集光点近傍以外の照射部分では、光硬化性樹脂液が硬化しないことが望ましいからである(請求項4)。
一般に、光重合開始剤はUV乃至500nm以下の波長に対して有効である。そこで、制御光としては、そのような光重合開始剤の吸収端を越えるものが好ましい。但し2光子吸収で当該光重合開始剤を活性化させるためには、吸収端の波長の2倍の波長以下であることが好ましい(請求項5)。
自己形成光導波路が極めてゆっくり成長する必要があるため、自己形成光導波路を形成するための硬化光は光重合開始剤の吸収端よりもやや長波長のものが好ましい。硬化光による重合は、光重合開始剤の多光子吸収により開始されている可能性は否定できない。
一方、制御光は多光子吸収でのみ開始されている。この際、二光子吸収により極端に早い重合が起きないよう、制御光は光重合開始剤の吸収端よりもやや短波長の2倍波長を選択すると良い。
制御光は、多光子吸収が容易となるように、例えばフェムト秒パルスレーザを用いると良い。また、二光子吸収色素その他の色素を添加することで、多光子吸収が更に容易となる。
制御光の照射方向は、硬化光による光軸と垂直な方向に照射集光し、制御光の光軸に垂直な面内で制御光の集光点を走査することが最も理想的ではある。しかし、本願発明は、硬化光による光軸と垂直な方向に制御光を照射集光する必要はなく、制御光の光軸に垂直な面内で制御光の集光点を走査する必要もない。
途中に透明部材、ミラー等の反射部材、フィルタ等の干渉部材を介しても良い。
成長終了端は、任意の光学部材、光学素子までとして接続して終端させると良い。光学部材としては、筐体等の透明部材、ミラー等の反射部材、フィルタ等の干渉部材、或いは光ファイバ等の光導波路が挙げられる。
光学素子としては、発光素子、受光素子、その他の光電素子等が挙げられる。
本発明に用いる光硬化性樹脂液は、入手可能な任意のものを適用できる。硬化機構も、ラジカル重合、カチオン重合其の他任意である。硬化光は一般的にはレーザ光が好ましい。レーザの波長と強度で、光硬化性樹脂液の硬化速度を調整すると良い。尚、光硬化開始剤(光重合開始剤)は光硬化性樹脂液とレーザの波長に応じ、入手可能な任意のものを適用できる。これらについては、本願出願人が共願人である例えば特開2004−149579に次のものが列挙されている。
構造単位中にフェニル基等の芳香族環を一つ以上含んだものが高屈折率、脂肪族系のみからなる場合は低屈折率となる。屈折率を下げるために構造単位中の水素の一部をフッ素に置換したものであっても良い。
脂肪族系としてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の多価アルコール。
芳香族系としてはビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールZ、ビスフェノールF、ノボラック、o-クレゾールノボラック、p-クレゾールノボラック、p-アルキルフェノールノボラック等の各種フェノール化合物等。
これら、あるいはこれらから任意に1種乃至複数種選択された多価アルコールのオリゴマー(ポリエーテル)の構造を有する比較的低分子(分子量3000程度以下)骨格に、反応基として次の官能基等を導入したもの。
〔ラジカル重合性材料〕
ラジカル重合可能なアクリロイル基等のエチレン性不飽和反応性基を構造単位中に1個以上、好ましくは2個以上有する光重合性モノマー及び/又はオリゴマー。エチレン性不飽和反応性基を有するものの例としては、(メタ)アクリル酸エステル、イタコン酸エステル、マレイン酸エステル等の共役酸エステルを挙げることができる。
〔カチオン重合性材料〕
カチオン重合可能なオキシラン環(エポキシド)、オキセタン環等の反応性エーテル構造を構造単位中に1個以上、好ましくは2個以上有する、光重合性のモノマー及び/又はオリゴマー。オキシラン環(エポキシド)としては、オキシラニル基の他、3,4-エポキシシクロヘキシル基なども含まれる。またオキセタン環とは、4員環構造のエーテルである。
〔ラジカル重合開始剤〕
ラジカル重合性モノマー及び/又はオリゴマーから成るラジカル重合性材料の重合反応を光によって活性化する化合物である。具体例としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル及びベンゾインプロピルエーテル等のベンゾイン類、アセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2,2-ジエトキシ-2-フェニルアセトフェノン、1,1-ジクロロアセトフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-(4-(メチルチオ)フェニル)-2-モルホリノプロパン-1-オン及びN,N-ジメチルアミノアセトフェノン等のアセトフェノン類、2-メチルアントラキノン、1-クロロアントラキノン及び2-アミルアントラキノン等のアントラキノン類、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン及び2,4-ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類、アセトフェノンジメチルケタール及びベンジルジメチルケタール等のケタール類、ベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、4,4'-ジクロロベンゾフェノン、4,4'-ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーズケトン及び4-ベンゾイル-4'-メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン類、並びに2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド等が挙げられる。尚、ラジカル重合開始剤は単独で使用しても、2種以上を併用しても良く、また、これらに限定されることはない。
〔カチオン重合開始剤〕
カチオン重合性モノマー及び/又はオリゴマーから成るカチオン重合性材料の重合反応を光によって活性化する化合物である。具体例としては、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、セレニウム塩、ピリジニウム塩、フェロセニウム塩、ホスホニウム塩、チオピリニウム塩が挙げられるが、熱的に比較的安定であるジフェニルヨードニウム、ジトリルヨードニウム、フェニル(p-アニシル)ヨードニウム、ビス(p-t-ブチルフェニル)ヨードニウム、ビス(p-クロロフェニル)ヨードニウムなどの芳香族ヨードニウム塩、ジフェニルスルホニウム、ジトリルスルホニウム、フェニル(p-アニシル)スルホニウム、ビス(p-t-ブチルフェニル)スルホニウム、ビス(p-クロロフェニル)スルホニウムなどの芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩光重合開始剤が好ましい。芳香族ヨードニウム塩および芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩光重合開始剤を使用する場合、アニオンとしてはBF4 -、AsF6 -、SbF6 -、PF6 -、B(C6F5)4 -などが挙げられる。尚、カチオン重合開始剤は単独で使用しても、2種以上を併用しても良く、また、これらに限定されることはない。
〔その他〕
更には、二光子吸収を効率よく生じさせるため、二光子吸収色素を添加しても良い。
〔予備実験〕
以下の実施例に先立って、次の予備実験を行った。
アクリル系の液状の光重合性化合物を用意した。光重合開始剤としてはチバスペシャリティケミカルズ社のIRGACURE1800を用いた。通常、その吸収端は488nmよりも小さいと考えられているものである。
硬化光導入用導波路として、コア径100μmのステップインデックス型光ファイバ(次の実施例1で10a)を用意した。
光ファイバの一端を光硬化性樹脂液(次の実施例1で11)に浸し、他端にアルゴンイオンレーザからの波長488nmのレーザ光を導入した。出力は0.03mWとした。この際、光硬化性樹脂液に浸した光ファイバ端から、自己形成的に軸状の硬化物が形成された。当該硬化物の光軸方向の成長速度は0.2mm/分であった。
次に、光ファイバ10aの一端10aeを光硬化性樹脂液11に浸した。更に同様の光ファイバ10bの一端10beを光硬化性樹脂液11に浸した。
これらの位置関係は、いずれの光ファイバ10a、10bの光軸もx軸方向にほぼ平行であり、且つそれらはほぼ240μm離れていた。各々の端部は、x軸方向に3850μm、y軸方向に211μm、z軸方向に120μm離れていた。
光ファイバ10aの他端にアルゴンイオンレーザからの波長488nmのレーザ光を出力0.03mWで導入して光ファイバ10aの一端10aeから光硬化性樹脂液11に照射して自己形成的に硬化物を形成すると共に、モードロックチタンサファイアレーザからの制御光を硬化物の成長端近傍に集光して走査した。チタンサファイアレーザからの制御光は、波長800nm、パルス幅130フェムト秒、繰り返し周波数76MHz、平均出力150mWとした。また、集光には開口数0.12のレンズを用いた。
こうして、硬化物の成長速度0.2mm/分に合わせて、制御光の集光点を速度0.2mm/分で光ファイバ10aの一端10aeと光ファイバ10bの一端10beを滑らかに繋ぐように走査した。これにより、硬化物の成長端が制御光の集光点に追随して光ファイバ10aの一端10aeと光ファイバ10bの一端10beを滑らかに繋ぐように、ゆるやかに湾曲した軸状の硬化物11cとして形成された。これを図1に写真図で、図2に当該写真図の説明図として示す。
図2は、図1の写真図の説明図であり、光ファイバ10aの一端10aeと光ファイバ10bの一端10beをゆるやかに湾曲した軸状の硬化物11cが接続していることを示している。尚、光ファイバ10aの一端10ae付近での光軸と、ゆるやかに湾曲した軸状の硬化物11cの当該端10ae付近での光軸は一致し、光ファイバ10bの一端10be付近での光軸と、ゆるやかに湾曲した軸状の硬化物11cの当該端10be付近での光軸もほぼ一致している。図2の右下に座標軸を示す。上述の通り、光ファイバ10aの一端10aeと光ファイバ10bの一端10beは、x軸方向に3850μm、y軸方向に211μm、z軸方向に120μm離れている。
図1で破線で示したものは、図2の破線で示した仮想コア11ia及び11ibであって、各々、光ファイバ10aの一端10aeから、並びに、光ファイバ10bの一端10beから、波長488nmのレーザ光を照射した場合に形成されるべき硬化物(コア)の位置を示すものである。このように、光ファイバ10aの一端10aeから、光ファイバ10bの一端10beから、各々波長488nmのレーザ光を照射した場合にはそれにより形成される硬化物(コア)は交わることはない。尚、図2でra及びrbで示した、ゆるやかに湾曲した軸状の硬化物11cの2箇所の曲率半径は、約3cm程度と考えられる。
図3は、ゆるやかに湾曲した軸状の硬化物11cの、光ファイバ10aの一端10aeに接続されていた部分の顕微鏡写真である。ゆるやかに湾曲した軸状の硬化物11cの断面は、光ファイバ10aの光射出面(端10ae)のコア形状と同様に円形であった。
実施例1と同様にして、より湾曲部の曲率の大きな(曲率半径の最小値が3cmより小さな)軸状の硬化物11’を形成した。
実施例2で得られた硬化物11’の成長開始端である光ファイバ10aの一端10aeに集光点を配置し、光ファイバ10aから硬化光を導入したまま、実施例2で硬化させた硬化物11’の湾曲方向とは逆方向に湾曲するように集光点を走査した。すると光ファイバ10aの一端10ae近傍に新たな成長端が生じて、集光点の走査の軌跡に追随するように、新たな軸状の硬化物が形成された。これを図4に示す。
即ち、請求項2に係る発明が実施可能であることが証明された。
〔比較例〕
実施例1において、制御光の出力を500mWとした他は全く同様に行った。光ファイバ10aの一端10ae近傍において、断面が円外部に凸部を有する軸状の硬化物11’’が得られた。硬化物11’’の顕微鏡写真を図5に示す。
図5から、制御光の出力を500mWとすることで、制御光の集光点が光ファイバ10aの一端10aeの射出面の中心からおおよそ80μm付近まで、制御光の二光子吸収等により光硬化性樹脂液11の硬化が生じていることが明かである。
このことから、本実施例1乃至3の出力を150mWとした場合においても、制御光の集光点近傍では二光子吸収等により光重合開始剤が活性化(開裂等)し、硬化物が生じていることが想像できる。即ち、光ファイバ10aからの硬化光により硬化する範囲である直径100μmよりも小さい範囲において、制御光により硬化物が生じていると考えられる。
硬化光による硬化物に先立って、制御光により硬化物が生じ、当該制御光による硬化物の表面からも硬化光による硬化が継続して生じているものと考えられる。
本発明の具体的な一実施例により形成された、光ファイバ10aの一端10aeと光ファイバ10bの一端10beとを繋ぐ、ゆるやかに湾曲した軸状の硬化物(自己形成光導波路のコア)11cの写真図。 図1の写真図の説明図。 ゆるやかに湾曲した軸状の硬化物11cの光ファイバ10aの一端10aeとの接合部の顕微鏡写真。 本発明の具体的な他の実施例により形成された、分岐を有する軸状の硬化物(自己形成光導波路のコア)11’の写真図。 比較例において形成された、断面が円外部に凸部を有する軸状の硬化物11’’の顕微鏡写真。
符号の説明
10a、10b:光ファイバ
10ae:硬化光の射出端
11c:ゆるやかに湾曲した軸状の硬化物(自己形成光導波路のコア)

Claims (5)

  1. 光軸に対して所定形状の垂直断面を有し、所定波長の硬化光を導入するための硬化光導入用導波路を用い、
    光硬化性樹脂液に、前記硬化光導入用導波路の射出端から前記所定波長の硬化光を導入して自己形成的に前記光硬化性樹脂液を硬化させて軸状の硬化物を形成する際に、
    当該硬化物の成長端近傍に、前記硬化光よりも長波長の制御光を集光し、当該制御光の集光点を走査することにより、前記硬化物の成長方向を当該制御光の走査方向に誘導することを特徴とする湾曲した自己形成光導波路の製造方法。
  2. 光軸に対して所定形状の垂直断面を有し、所定波長の硬化光を導入するための硬化光導入用導波路を用い、
    光硬化性樹脂液に、前記硬化光導入用導波路の射出端から前記所定波長の硬化光を導入して自己形成的に前記光硬化性樹脂液を硬化させて第1の軸状の硬化物を形成したのち、
    前記硬化光を導入したまま、前記第1の軸状の硬化物の任意の位置に前記硬化光よりも長波長の制御光を集光し、当該制御光の集光点を走査することにより、新たな硬化物の成長端を発生させると共に、当該新たな硬化物の成長方向を当該制御光の走査方向に誘導して、前記第1の軸状の硬化物から分岐した第2の軸状の硬化物を形成することを特徴とする分岐した自己形成光導波路の製造方法。
  3. 光軸に対して所定形状の垂直断面を有し、所定波長の硬化光を導入するための硬化光導入用導波路を用い、
    光硬化性樹脂液に、前記硬化光導入用導波路の射出端から前記所定波長の硬化光を導入して自己形成的に前記光硬化性樹脂液を硬化させて軸状の硬化物を形成する際に、
    当該硬化物の成長端近傍に、前記硬化光よりも長波長の複数個の制御光を各々集光し、当該複数個の制御光の集光点を走査することにより、前記硬化物の成長端を複数個発生させると共に、当該複数個の硬化物の成長方向を各制御光の走査方向に各々誘導して、複数個の分岐を有する硬化物を形成することを特徴とする分岐した自己形成光導波路の製造方法。
  4. 前記制御光の集光点近傍において、多光子過程により前記光硬化性樹脂液の硬化反応を生じさせることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の自己形成光導波路の製造方法。
  5. 前記制御光の波長が600nm以上830nm以下であることを特徴とする請求項4に記載の自己形成光導波路の製造方法。
JP2007171829A 2007-06-29 2007-06-29 自己形成光導波路の製造方法 Expired - Fee Related JP4803609B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007171829A JP4803609B2 (ja) 2007-06-29 2007-06-29 自己形成光導波路の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007171829A JP4803609B2 (ja) 2007-06-29 2007-06-29 自己形成光導波路の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009008992A true JP2009008992A (ja) 2009-01-15
JP4803609B2 JP4803609B2 (ja) 2011-10-26

Family

ID=40324107

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007171829A Expired - Fee Related JP4803609B2 (ja) 2007-06-29 2007-06-29 自己形成光導波路の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4803609B2 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08320422A (ja) * 1994-06-22 1996-12-03 Fujitsu Ltd 光導波路系の作製方法およびそれを用いた光デバイス
JP2002258095A (ja) * 2001-02-27 2002-09-11 Ibiden Co Ltd 光導波路の形成方法
JP2003315608A (ja) * 2002-04-23 2003-11-06 Matsushita Electric Works Ltd 光部品接合部の光伝送路の結合方法
JP2003340588A (ja) * 2002-05-24 2003-12-02 Inst Of Physical & Chemical Res 透明材料内部の処理方法およびその装置
JP2004503813A (ja) * 2000-06-15 2004-02-05 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 封入光学素子を提供するための多光子硬化
JP2004325706A (ja) * 2003-04-24 2004-11-18 Seiko Epson Corp 光導波路形成方法、光導波路形成装置、光回路基板、及び電子機器

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08320422A (ja) * 1994-06-22 1996-12-03 Fujitsu Ltd 光導波路系の作製方法およびそれを用いた光デバイス
JP2004503813A (ja) * 2000-06-15 2004-02-05 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 封入光学素子を提供するための多光子硬化
JP2002258095A (ja) * 2001-02-27 2002-09-11 Ibiden Co Ltd 光導波路の形成方法
JP2003315608A (ja) * 2002-04-23 2003-11-06 Matsushita Electric Works Ltd 光部品接合部の光伝送路の結合方法
JP2003340588A (ja) * 2002-05-24 2003-12-02 Inst Of Physical & Chemical Res 透明材料内部の処理方法およびその装置
JP2004325706A (ja) * 2003-04-24 2004-11-18 Seiko Epson Corp 光導波路形成方法、光導波路形成装置、光回路基板、及び電子機器

Also Published As

Publication number Publication date
JP4803609B2 (ja) 2011-10-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6611651B1 (en) Material for optical waveguide, and optical waveguide and method for manufacturing the same
JP5486359B2 (ja) 光コネクタ用光導波路およびそれを用いた光コネクタ、ならびに光コネクタ用光導波路の製法
EP1624327B1 (en) Process for producing optical waveguide
JP5401399B2 (ja) 光接続構造およびこれに用いる光導波路の製法
JP4875537B2 (ja) 光導波路の製造方法
EP1843178A1 (en) Process for producing optical waveguide
US8236374B2 (en) Method of manufacturing optical waveguide device
JP5096252B2 (ja) 光導波路及び光モジュール、並びにそれらの製造方法
JP5101325B2 (ja) タッチパネル用光導波路の製造方法
JP2004149579A (ja) 光導波路の作製用材料組成物及び光導波路の製造方法
JP2005266739A (ja) 光導波路およびその製造方法
JP2012155215A (ja) 光導波路の製法およびそれに用いられる光導波路体
JP2003149476A (ja) 光導波路用樹脂組成物及びその硬化物
US7998374B2 (en) Fabrication method of self-written optical waveguide
JP2008009150A (ja) 光導波路の製造方法
JP4803609B2 (ja) 自己形成光導波路の製造方法
JP2010008787A (ja) 光分岐結合器及びその製造方法並びに光モジュール
CN110320599B (zh) 一种空间光波导制备方法
EP1416301A1 (en) Material composition for producing optical-waveguide and method for producing optical waveguide
JP4676419B2 (ja) 光部品及びその製造方法並びに光通信モジュール
JP6183531B1 (ja) 光導波路樹脂フィルムの製造方法および光学部品の製造方法
JP2010032582A (ja) 光モジュールの製造方法
JP5315715B2 (ja) 光カプラ
JP5562710B2 (ja) ポリマー光導波路の製法
JP2009198608A (ja) 光カプラ、その構成部品及び製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100412

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110726

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110802

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110803

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140819

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140819

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees