JP2009007844A - 逆t字型基礎、逆t字型基礎の構築方法、および送電用鉄塔システム - Google Patents
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Abstract
【課題】引揚支持力特性に優れた逆T字型基礎、逆T字型基礎の構築方法、および送電用鉄塔システムを提供する。
【解決手段】鉄塔用脚材の根本先端部を収容するための床板部と、前記床板部の上面に設けられた、鉄塔用脚材の根本を支持する柱体部とを備え、前記床板部の前記柱体部を設けた上面の外周縁部にハンチが形成され、前記ハンチの最深下端部分が、前記ハンチの最浅下端部分の反対側に位置している逆T字型基礎。前記ハンチの最深下端部分の拡底角度が最大で、前記ハンチの最浅下端部分の拡底角度が最小である。前記ハンチの最深下端部分から前記ハンチの最浅下端部分に向かって拡底角度が漸減している。
【選択図】 図2
【解決手段】鉄塔用脚材の根本先端部を収容するための床板部と、前記床板部の上面に設けられた、鉄塔用脚材の根本を支持する柱体部とを備え、前記床板部の前記柱体部を設けた上面の外周縁部にハンチが形成され、前記ハンチの最深下端部分が、前記ハンチの最浅下端部分の反対側に位置している逆T字型基礎。前記ハンチの最深下端部分の拡底角度が最大で、前記ハンチの最浅下端部分の拡底角度が最小である。前記ハンチの最深下端部分から前記ハンチの最浅下端部分に向かって拡底角度が漸減している。
【選択図】 図2
Description
本発明は、鉄塔用の逆T字型基礎、逆T字型基礎の構築方法、および送電用鉄塔システムに関するものである。
従来より、送電用鉄塔の基礎として逆T字型基礎が知られている。逆T字型基礎の形成の際には、一般的には掘削法が採用されている。すなわち、地盤に所定の径および深さの穴を掘り、穴の底部を拡幅して床板部を形成する掘削方法である。さらに、穴の内部に鉄筋が組み立てられた後、コンクリートが流し込まれる。コンクリートが固まって逆T字型基礎が形成された後、逆T字型基礎と穴の隙間に土が埋め戻される。こうして、地盤に埋設された鉄筋コンクリートの逆T字型基礎が形成される。(非特許文献1)
図7および図8は、それぞれ従来の拡底逆T字型基礎の平面概念図、側面概念図である。図7および図8に示すように、従来の逆T字型基礎60は、鉄塔用脚材の根本先端部を収容するための床板部51と、床板部51の上面に設けられた、鉄塔用脚材の根本を支持する柱体部52とを備えている。そして、拡底逆T字型基礎の場合、床板部51の上面の外周縁部にハンチ53が形成され、このハンチ53の拡底角度(床板部51上面とハンチ53面とがなす角度)αは外周にわたって同一である。ハンチとは、床板部の外周縁部に形成される面取り部分を意味する。より具体的には、西日本においては、ハンチ53の拡底角度αは60度(代表値)であり、東日本においては、ハンチ53の拡底角度αは45度(代表値)である。拡底角度αが西日本と東日本とで異なる理由は、地盤の土の性質が西日本と東日本とで異なるからである。
「送電用支持物設計標準 JEC−127−1979」,電気協同研究,社団法人電気協同研究会,昭和44年6月,第25巻,第2号,電気書院
「送電用支持物設計標準 JEC−127−1979」,電気協同研究,社団法人電気協同研究会,昭和44年6月,第25巻,第2号,電気書院
ところで、逆T字型基礎のような構造物の引揚支持力(引揚抗力)は、すべり破壊線(せん断帯)が徐々に進行しながら破壊されてゆく進行性破壊現象において発現される。すべり破壊線とは、基礎の荷重に耐えられないために地盤に生じるせん断破壊の境界線をいう。すべり破壊線は対数螺旋状の形をしており、拡底逆T字型基礎の場合、すべり破壊線の開始位置はハンチ下端部から始まっている。特に、傾斜地盤に埋設された逆T字型基礎60のすべり破壊線Lの形状(図9参照)は、水平地盤に埋設されたときのすべり破壊線Lの形状(図10参照)とは異なる。
これは、逆T字型基礎60の床板部51より上の土塊重量が、谷側と山側とで異なるためである。すなわち、谷側の土塊重量は、山側よりも小さいため、引揚力fが作用した場合、谷側と山側の土塊重量が平衡状態を保つように逆T字型基礎60が谷側へ(矢印r方向へ)水平変位する。このとき、すべり破壊線Lの発生角度(水平面とすべり破壊線Lとのなす角度)は、谷側の方が山側と比較して小さくなる。そのため、傾斜地盤に埋設された逆T字型基礎60全体の引揚支持力は、水平地盤に埋設されたときと比較して小さくなるという問題点を有する。
そこで、本発明は、内部配筋構造を複雑な構造にすることなく、引揚支持力特性に優れた逆T字型基礎、逆T字型基礎の構築方法、および送電用鉄塔システムを提供することを課題とする。
本発明者は、鋭意検討の結果、床板部のハンチ下端部の位置を異ならせることにより、上記課題が容易に解決されることを見出し、本発明を完成した。すなわち、傾斜地盤に埋設された逆T字型基礎は、基礎体自体の谷側への移動を抑えれば、従来よりも高い引揚支持力が発揮できると考えた。そして、逆T字型基礎の引揚支持力は、ハンチ下端部から発生するすべり破壊線に依存する。
従って、傾斜地盤に埋設された逆T字型基礎が、従来よりも高い引揚支持力を発揮するためには、
(1)谷側のすべり破壊線の発生位置(ハンチ下端部の位置)を深くする
(2)山側のすべり破壊線の発生位置(ハンチ下端部の位置)を浅くする
ことにより、谷側と山側のすべり破壊線の位置を変化させ、かつ非対称のすべり破壊線を形成する。これにより、谷側と山側の土塊重量を平衡状態に保ち、基礎自体の谷側への移動を抑えることにした。
(1)谷側のすべり破壊線の発生位置(ハンチ下端部の位置)を深くする
(2)山側のすべり破壊線の発生位置(ハンチ下端部の位置)を浅くする
ことにより、谷側と山側のすべり破壊線の位置を変化させ、かつ非対称のすべり破壊線を形成する。これにより、谷側と山側の土塊重量を平衡状態に保ち、基礎自体の谷側への移動を抑えることにした。
なお、傾斜地盤に埋設された逆T字型基礎自体の谷側への水平移動を抑える方策としては、他に、柱体部を床板部の上面中央部ではなく、山側に偏心させることによっても可能である。しかし、防錆等の理由から、床板部内に組み込まれる鉄筋を床板部表面(コンクリート表面)から所定の距離内側に確保する必要があるため、鉄筋の配筋構造が複雑になるとともに、施工可能な偏心量は限られてしまう。
また、床板部底面あるいは床板部側面をロックボルトなどの杭によって打設し、床板部を地盤に固定して引揚力作用時における逆T字型基礎自体の谷側への水平移動を抑える方策もある。しかし、施工が煩雑となり、建設費が高価になるという不具合がある。
以下、各請求項の発明について説明する。
請求項1に記載の発明は、
鉄塔用脚材の根本先端部を収容するための床板部と、
前記床板部の上面に設けられた、鉄塔用脚材の根本を支持する柱体部とを備え、
前記床板部の前記柱体部を設けた上面の外周縁部にハンチが形成され、
前記ハンチの最深下端部分が、前記ハンチの最浅下端部分の反対側に位置していることを特徴とする逆T字型基礎である。
鉄塔用脚材の根本先端部を収容するための床板部と、
前記床板部の上面に設けられた、鉄塔用脚材の根本を支持する柱体部とを備え、
前記床板部の前記柱体部を設けた上面の外周縁部にハンチが形成され、
前記ハンチの最深下端部分が、前記ハンチの最浅下端部分の反対側に位置していることを特徴とする逆T字型基礎である。
ハンチの最深下端部分とは、床板部の上面からハンチの下端位置までの深さが一番深い部分を意味する。ハンチの最浅下端部分とは、床板部の上面からハンチの下端位置までの深さが一番浅い部分を意味する。
本請求項の発明では、最深下端部分のハンチ下端位置が、最浅下端部分のハンチ下端位置より深く、最深下端部分側と最浅下端部分側とでハンチ下端位置が異なる。従って、従来のハンチの拡底角度が一定の逆T字型基礎と比較して、逆T字型基礎を斜面に設置するに際して、最深下端部分側を谷側に、最浅下端部分側を山側に配置することにより、引揚力作用時の土塊重量を、最深下端部分側と最浅下端部分側とで平衡状態になるようにし、優れた引揚支持力を得ることができるようにしたものである。さらに、床板部にハンチを設けるだけでよいため、床板部内に組み込まれる鉄筋の配筋は従来通りでよく、施工性に優れている。
請求項2に記載の発明は、
前記ハンチの最深下端部分の拡底角度が最大で、前記ハンチの最浅下端部分の拡底角度が最小であることを特徴とする請求項1に記載の逆T字型基礎である。
前記ハンチの最深下端部分の拡底角度が最大で、前記ハンチの最浅下端部分の拡底角度が最小であることを特徴とする請求項1に記載の逆T字型基礎である。
本請求項の発明では、ハンチの最深下端部分の拡底角度を最大に、ハンチの最浅下端部分の拡底角度を最小にしているため、最深下端部分側と最浅下端部分側とでハンチ下端位置が異なるハンチが容易に形成される。
請求項3に記載の発明は、
前記ハンチの最深下端部分から前記ハンチの最浅下端部分に向かって拡底角度が漸減していることを特徴とする請求項2に記載の逆T字型基礎である。
前記ハンチの最深下端部分から前記ハンチの最浅下端部分に向かって拡底角度が漸減していることを特徴とする請求項2に記載の逆T字型基礎である。
本請求項の発明では、ハンチの最深下端部分から最浅下端部分に向かって拡底角度が漸減している構造により、引揚力作用時の土塊重量が、最深下端部分側から最浅下端部分側へ徐々に変化するため、優れた引揚支持力を得ることができる。
請求項4に記載の発明は、
前記ハンチの最小拡底角度が、最大拡底角度の1/2±10度であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の逆T字型基礎である。
前記ハンチの最小拡底角度が、最大拡底角度の1/2±10度であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の逆T字型基礎である。
本請求項の発明は、地盤傾斜が30度以上で生じていた、従来の逆T字型基礎の引揚支持力低下現象を抑えることができる。
請求項5に記載の発明は、
前記ハンチの最大拡底角度が60±10度であることを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の逆T字型基礎である。
前記ハンチの最大拡底角度が60±10度であることを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の逆T字型基礎である。
本請求項の発明は、西日本の土の特性に合わせたハンチ拡底角度を有してるため、西日本での傾斜地盤に適した逆T字型基礎となる。
請求項6に記載の発明は、
前記ハンチの断面の傾斜部が直線であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の逆T字型基礎である。
前記ハンチの断面の傾斜部が直線であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の逆T字型基礎である。
本請求項の発明では、ハンチの断面の傾斜部が直線であるため、すべり破壊線の発生位置が、常にハンチ下端部の位置となり、安定した引揚支持力が得られるという効果を有する。
請求項7に記載の発明は、
請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の逆T字型基礎のハンチの最浅下端部分が、傾斜地の山側に位置しており、最深下端部分が傾斜地の谷側に位置していることを特徴とする逆T字型基礎の構築方法である。
請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の逆T字型基礎のハンチの最浅下端部分が、傾斜地の山側に位置しており、最深下端部分が傾斜地の谷側に位置していることを特徴とする逆T字型基礎の構築方法である。
本請求項の発明では、谷側に位置している最深下端部分から、山側に位置している最浅下端部分に向かって、ハンチの下端部の位置が浅くなるため、従来のハンチの下端部の位置が一定の逆T字型基礎と比較して、引揚力作用時の土塊重量を、谷側と山側とで平衡状態になるようにし、優れた引揚支持力を得ることができる。
請求項8に記載の発明は、
請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の逆T字型基礎、もしくは、請求項7に記載の逆T字型基礎の構築方法によって構築された逆T字型基礎を有した鉄塔を備えたことを特徴とする送電用鉄塔システムである。
請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の逆T字型基礎、もしくは、請求項7に記載の逆T字型基礎の構築方法によって構築された逆T字型基礎を有した鉄塔を備えたことを特徴とする送電用鉄塔システムである。
本請求項の発明では、優れた引揚支持力が得られるため、信頼性の高い送電用鉄塔システムを得ることができる。
本発明の逆T字型基礎を用いることにより、基礎内の鉄筋の配筋を複雑な構造とすることなく、傾斜地での床板部上の谷側の土塊重量と山側の土塊重量とを平衡状態に近づけることができるため、優れた引揚支持力を実現することができる。
以下、本発明をその最良の実施の形態に基づいて説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、以下の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
図1は本発明の拡底逆T字型基礎10の実施例を示す平面概念図、図2はその側面概念図である。図1および図2において、1は拡底逆T字型基礎10の床板部、2は柱体部、3はハンチである。この逆T字型基礎10は、傾斜地盤に所定の径および深さの穴を掘り、穴の底部を拡幅して床板部を形成する掘削法で掘削される。さらに、穴の内部に鉄筋が組み立てられた後、コンクリートが流し込まれる。コンクリートが固まって逆T字型基礎10が形成された後、逆T字型基礎10と穴の隙間に土が埋め戻される。こうして、地盤に埋設された鉄筋コンクリートの逆T字型基礎10が形成される。なお、柱体部2が図1および図2では、直立状態で設けられているが、本発明において、柱体部2は傾斜していてもよい。
床板部1は円盤形状をしており、例えば送電用鉄塔脚材などの根本先端部が収容されている。床板部1の上面には、鉄塔用脚材の根本を支持する柱体部2が設けられている。柱体部2は略円柱形状をしており、先端側に向かって徐々に細くなっている。床板部1の柱体部2を設けた上面の外周縁部には、ハンチ3が形成されている。ハンチ3は、その断面の傾斜部が曲線でなく直線になるように形成されている。平面視でハンチ3の幅寸法W(図1参照)は、床板部1の外周縁部にわたって一定である。床板部1の直径は3.6m、高さは1.2m、幅寸法Wは0.3m、最大拡底角度部分3aのハンチ下端部の位置は床板部1の上面から0.51m、最小拡底角度部分3bのハンチ下端部の位置は床板部1の上面から0.25mである(いずれも代表値)。また、柱体部2の根元部の直径は1.63m、先端部の直径は1.0m、高さは4.2mである(いずれも代表値)。
ハンチ3は、その最大拡底角度部分3aが、最小拡底角度部分3bの反対側に位置し、かつ、最大拡底角度部分3aから最小拡底角度部分3bに向かって拡底角度αが漸減している。そして、最大拡底角度部分3aのハンチ下端部の位置が、最小拡底角度部分3bのハンチ下端部より低い位置にある。本実施の形態では、ハンチ3の最小拡底角度αを、最大拡底角度αの1/2±10度に設定した。さらに、ハンチ3の最小拡底角度部分3bが、傾斜地の山側に位置し、かつ、最大拡底角度部分3aが傾斜地の谷側に位置するように、逆T字型基礎10が構築されている。
以上の構成からなる逆T字型基礎10は、ハンチ3の最大拡底角度部分3aから最小拡底角度部分3bに向かって拡底角度αを漸減させる構造であるため、最大拡底角度部分3a側と最小拡底角度部分3b側とでハンチ下端部が異なり、非対称のすべり破壊線Lが形成される。すなわち、図2に示すように、最小拡底角度部分3b側(山側)のすべり破壊線Lは、最大拡底角度部分3a側(谷側)のすべり破壊線Lと比較して傾斜が大きくなる。従って、従来のハンチの拡底角度が一定の逆T字型基礎と比較して、山側の土塊重量を減少させることができる。これにより、引揚力作用時の土塊重量を、谷側と山側とで平衡状態になるようにし、優れた引揚支持力を得ることができる。
さらに、ハンチ3の断面の傾斜部が曲線でなく直線になるように、ハンチ3の表面を形成しているため、すべり破壊線の発生位置が、常にハンチ下端部の位置となり、安定した引揚支持力が得られる。また、ハンチ3の最小拡底角度αを、最大拡底角度αの1/2±10度に設定することにより、地盤傾斜が30度以上で生じていた、従来の逆T字型基礎の引揚支持力低下現象を抑えることができる。そして、ハンチ3の最大拡底角度αを60±10度にすることにより、西日本の土の特性に適したハンチ拡底角度となり、西日本での傾斜地盤に適した逆T字型基礎10となる。
この拡底逆T字型基礎10について、遠心力を利用した縮小模型実験を行った。遠心模型実験は、回転体に生じる遠心力を利用して、実物と模型の応力レベルを等しくすることにより、力学的および幾何学的相似則をほぼ満足させることができ、実規模相当の地盤拘束力を与えることができる実験である。さらに、逆T字型基礎10の縮小模型として、1/75スケールのジュラルミン製模型基礎を用意した。模型基礎の高さ寸法は72mm、床板部の直径は48mmである。ジュラルミンを採用した理由は、実際の地盤の土粒子密度と比重が類似するからである。用意した模型基礎の種類を表1に示す。
試験地盤にはマサ土(風化花崗岩)を使用した。試験地盤は、厚みが10mmの無着色試料層と厚みが2mmの着色試料層を交互に積層したものである。各層ごとに目標密度を達成するために必要な試料重量を予め求めておき、各層の幅内にこの試料が収まるように、突き固めることにより作成する。その後、成形して傾斜地盤とする。次に、この試験地盤に模型基礎をセットし、さらに、実際の地盤をモデル化するため、模型基礎の床板部上部の土塊を一旦掘り出した後、再びその土塊を埋め戻して埋戻地盤を再現した。
図3は試験装置30の構成を示す概念図である。図3において、20は内シャフト、21は外シャフト、22はツールテーブル、23は土槽(チャンネル)である。内シャフト20の先端部に固定された円盤状ツールテーブル22の周囲を囲むように、ドーナツ状の土槽23が配置されている。土槽23の底部は、外シャフト21の先端部に固定された円盤状支持部材24に装着されている。内シャフト20と外シャフト21とは相互に独立しており、モータにて回転駆動される。
模型基礎10Aがセットされた試験地盤11は土槽23内に収容された後、ツールテーブル22と模型基礎10Aをロードセル25にて連結される。さらに、土槽23およびツールテーブル22において、試験地盤11の反対側の位置に、バランス調整用の重り26,27が設置される。この状態で、モータによって模型基礎10Aおよび試験地盤11が回転駆動されることにより、75Gの遠心加速度(垂直荷重)が模型基礎10Aおよび試験地盤11に印加される。
図4は、実験結果から得られた地盤傾斜角度と引揚荷重(引揚支持力)との関係を示すグラフである。グラフの中で、○は実施例1の模型基礎のデータ、×は実施例2の模型基礎のデータ、●は比較例の模型基礎のデータである。また、点線で表示した極限支持力は、送電用鉄塔の設計に際して必要とされる支持力であって、ハンチがない逆T字型基礎を水平地盤に埋設した時の理論計算から求めた数値である。
グラフから、実施例1の模型基礎の引揚支持力(実線31参照)は、比較例の模型基礎の引揚支持力(一点鎖線32参照)と比較して、地盤傾斜角35度で10数%、地盤傾斜角40度で20数%の向上が認められる。そして、比較例の場合は地盤傾斜角度が40度になると、引揚支持力が極限支持力とほぼ等しくなってしまうのに対して、実施例1の場合は極限支持力を上回っていることが認められる。すなわち、実施例1の模型基礎の引揚支持力は、地盤傾斜角が30度以上の領域で、比較例の模型基礎より大きく、地盤傾斜角の増加に伴う引揚支持力の低下傾向が殆どないことがわかる。また、地盤傾斜角が30度では、実施例1の模型基礎の引揚支持力の向上が小さいため、山側の拡底角度を改良した実施例2の模型基礎で実験を行ったが、引揚支持力の大幅な向上は得られなかった。
また、図5は、図1に示した拡底逆T字型基礎10を有した鉄塔41を備えた送電用鉄塔システムを示す概念図である。図5において、42は送電線である。この送電用鉄塔システムは、優れた引揚支持力が得られるため、信頼性の高いものとなる。
さらに、図6に示すように、逆T字型基礎10は、必ずしも柱体部2を床板部1の中央に設ける必要はなく、山側に偏心させてもよい。また、ポスト継ぎを適用してもよい。また、本願発明は、送電用鉄塔の基礎に限るものではなく、他の種々の基礎にも適用することができる。
1 床板部
2 柱体部
3 ハンチ
3a 最大拡底角度部分
3b 最小拡底角度部分
10 拡底逆T字型基礎
41 送電用鉄塔
2 柱体部
3 ハンチ
3a 最大拡底角度部分
3b 最小拡底角度部分
10 拡底逆T字型基礎
41 送電用鉄塔
Claims (8)
- 鉄塔用脚材の根本先端部を収容するための床板部と、
前記床板部の上面に設けられた、鉄塔用脚材の根本を支持する柱体部とを備え、
前記床板部の前記柱体部を設けた上面の外周縁部にハンチが形成され、
前記ハンチの最深下端部分が、前記ハンチの最浅下端部分の反対側に位置していることを特徴とする逆T字型基礎。 - 前記ハンチの最深下端部分の拡底角度が最大で、前記ハンチの最浅下端部分の拡底角度が最小であることを特徴とする請求項1に記載の逆T字型基礎。
- 前記ハンチの最深下端部分から前記ハンチの最浅下端部分に向かって拡底角度が漸減していることを特徴とする請求項2に記載の逆T字型基礎。
- 前記ハンチの最小拡底角度が、最大拡底角度の1/2±10度であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の逆T字型基礎。
- 前記ハンチの最大拡底角度が60±10度であることを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の逆T字型基礎。
- 前記ハンチの断面の傾斜部が直線であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の逆T字型基礎。
- 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の逆T字型基礎のハンチの最浅下端部分が、傾斜地の山側に位置しており、最深下端部分が傾斜地の谷側に位置していることを特徴とする逆T字型基礎の構築方法。
- 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の逆T字型基礎、もしくは、請求項7に記載の逆T字型基礎の構築方法によって構築された逆T字型基礎を有した鉄塔を備えたことを特徴とする送電用鉄塔システム。
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CN103669970A (zh) * | 2013-12-17 | 2014-03-26 | 国家电网公司 | 单回路输电线路直线边坡塔 |
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