JP2009007812A - 屋根用除雪装置、およびそれを利用した屋根の除雪方法 - Google Patents

屋根用除雪装置、およびそれを利用した屋根の除雪方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 屋根上の積雪が少量の場合であっても自動的に除雪することができ、しかも降雪季を過ぎたときには、簡便に収納して夏季の強い日差しや台風などの荒天に曝されてしまうのを防止し、より経済的に利用することができる新たな屋根上の除雪技術を提供する。
【解決手段】 建造物屋根9の棟から振り分け、片流れとなる屋根葺き材面91上に、その棟方向所定間隔置きに平行配置し、棟から軒先に至り、上下複数段のレール対部21,21,……を有する案内レール2,2,……を配設し、それらレール対部21,21,……に、棟から軒先に至る範囲を、一部重なり状となって覆い尽くせる大きさにするよう、上下段数に相当する枚数に分割した単位除雪パネル5,5,……を摺動自在に嵌合し、上下となる単位除雪パネル5,5,……に連動構造56,56,……を形成してなる屋根用除雪装置1である。
【選択図】 図1

Description

この発明は、建築物屋根上の除雪に関連するあらゆる分野をその技術分野とするものであり、高所の雪下ろし作業を不要とする除雪装置に関する分野は勿論のこと、その製造および設置に必要となる設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野などの外、現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
(着目点)
降雪量の多い地域の一般的住宅は、落雪事故を防止し、且つ雪下ろし作業の安全性を高めるため、急勾配屋根の設置が避けられ、複数適所に雪留め金具が取り付けられた切り妻、招き、片流れ、腰折、下屋付きなど、緩やかな勾配に設定した様々な屋根が設けられており、耐久積雪量の目安を超えると、作業者が梯子を用いるなどして屋根上に登り、雪下ろしを行なわなければならないが、深く降り積もった新雪は足下を不安定にし、また、日中の日差しで弛んだ積雪は非常に滑り易く、毎年のように多くの落下事故が発生しており、雪下ろしを行うときには、出来るだけ二人以上による作業が奨励され、特に高齢化が進む地域では、専門の業者による雪下ろしが望まれるが、除雪が度重なると多大な経費が嵩み、耐え難い経済的負担を被ることとなってしまうことから、足腰が弱り、危険性が高まっているにも拘わらず、自ら屋根に登り、雪下ろしをしなければならない高齢者が増えているという切実な問題を抱えている。
(従来の技術)
そうした状況に対処すべく、例えば特開2007−46297号公報「屋根の除雪装置」発明として提案されているもののように、屋根の棟がわから軒がわまでに亘って駆動手段を有するボールネジを配設し、該ボールネジの回転により、その軸方向に沿って棟がわから軒がわに移動可能なスライド部材を棟方向に亘って設け、屋根上の積雪が所定量以上になったときに、ボールネジを回転駆動し、スライド部材を棟がわから軒がわに強制的に移動させ、スライド部材より高く積もった雪を、軒方向に押して自動的に除去可能としたものや、特開平5−98848号公報に開示された「屋根用除雪装置」発明のように、屋根上面を覆うよう、棟と軒とに配され、少なくとも一方に駆動装置を設けた回転ドラム間に、帯型の無端状ベルトをオープンベルト状に捲き掛け、屋根上面を覆うように設置した屋根上設置型除雪装置を有し、該屋根上設置型除雪装置の落下部の下がわとなる棟方向に亘り、駆動装置によって駆動する無端状ベルトを有するコンベアー装置を、地上から離れた位置に設置したものとし、屋根上の積雪を屋根上設置型除雪装置の起動によってコンベアー装置上に落下して所定の場所まで搬送し、屋根上の積雪が軒先の広範囲に亘って落雪するのを防止できるようにしたもの等が散見される。
しかし、前者の「屋根の除雪装置」発明は、スライド部材の移動による除雪作業を効率的且つ確実に行うには、該スライド部材が押して除去できる程度に十分な量の積雪を待って作動させる必要があり、したがって、これを作動させたとき、勢いよく落下する大量の雪による落雪事故の発生の防止が困難になるという欠点を有し、また、後者の「屋根用除雪装置」発明は、軒先がわの広範囲に亘る大量の落雪については確かに阻止可能になるものの、一度設置してしまうと、その屋根上設置型除雪装置やコンベアー装置などを簡単には撤去できず、降雪期以外の季節も一年中、屋根上に露出したまま放置しなければならないこととなり、特に柔軟性を有する夫々の無端状ベルトが、風雨だけではなく、特に夏などの強い日差しに曝されてしまうと、早期の中に劣化、破損して機能しなくなる虞れがあり、最終的には経済的負担が大きくなって一般家庭等への普及が難しいという欠点を残すものであった。
(1)特開2007−46297号公報 (2)特開平5−98848号公報
(問題意識)
上述した事例に代表されるとおり、これまでにも様々な「屋根の除雪」に関する提案がない訳ではなく、確かにそれらの何れもが屋根上の積雪を取り敢えず強制的に除雪可能とするものではあったが、作業中における落雪事故への問題や、不使用時のそれら機械装置の始末や、それに伴う素材、部品の劣化、破損の問題、そして、最も厄介な問題として屋根の美観を損ない兼ねないという難点が付きまとうことなどの理由からであろう、これまでのところでは、未だそれら機械装置の一般住宅などへ実施化されたという情報は得ておらず、我が国でも有数の降雪地帯に居住して建設業に従事するものの一人として、何とか一般住宅にも無理無く普及可能な屋根雪の除雪手段は無いものかとの意識を兼ねてから抱き続けてきていたところ、冬期間の建設工事中に採用するシート養生におけるシートには、その工事期間中何時も着雪、雪の堆積がないことに改めて着眼し、この原理の応用が屋根雪の除雪手段に活かせる筈であり、それら技術を有効に応用したものの提案が未だなされていないことを確認し得た。
(発明の目的)
そこで、この発明は、屋根上の積雪が少量の場合であっても自動的に除雪することができ、しかも降雪季を過ぎたときには、簡便に収納して使用素材の劣化を最小限に止め置けるだけではなく、何よりも不使用時における屋根外観に違和感やその美観を損ねることがないようにでき、最終的には経済的な屋根雪除去手段として有用な新たな屋根上の除雪技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の屋根用除雪装置、およびそれを利用した新規な屋根の除雪方法を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の屋根用除雪装置は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、建造物屋根の棟から振り分け、片流れとなる屋根葺き材面上で、その棟方向全長域に渡る範囲に、所定間隔置きとなる互いに平行な配置として棟から軒先に至り、両側面が夫々上下複数段のレール対部に形成された案内レールを、当該屋根葺き材面上に取着、配設したものとなし、それら隣り合う案内レール相互における対峙側面のレール対部で、最上位がわのレール対部同士から、順次最下位がわのレール対部同士までの夫々対応するレール対部間に、棟から軒先に至る範囲を覆い尽くせるだけの大きさになるよう、レール対部の上下段数に相当する枚数に規制して分割形成した単位除雪パネルを摺動自在に嵌合、横架状にすると共に、上位がわのレール対部間に嵌合、摺動するようにした単位除雪パネルとその直下のレール対部間に嵌合、摺動するようにした単位除雪パネルとは、該下位がわ単位除雪パネルの軒先方向下降摺動時には、その上位側縁上面を直上の単位除雪パネル下位側縁下面に一部重なり状にしたままの下降摺動可能となるよう、レール対部の上下段で夫々上下となる単位除雪パネル相互を何れも連動構造に規制、形成してなるものとした構成を要旨とする屋根用除雪装置である。
この基本的な構成の屋根用除雪装置を換言すると、建造物屋根の棟から振り分け、片流れとなる屋根葺き材面上で、その棟方向全長域に渡る範囲に、所定間隔置きとなる互いに平行な配置として棟から軒先に至り、両側面が夫々上下複数段のレール対部に形成された案内レールを、当該屋根葺き材面上に取着、配設したものとなし、それら隣り合う案内レール相互における対峙側面のレール対部で、最上位がわのレール対部同士から、順次最下位がわのレール対部同士までの夫々対応するレール対部間に、棟から軒先に至る範囲を覆い尽くせるだけの大きさになるよう、レール対部の上下段数に相当する枚数に規制して分割形成した単位除雪パネルを摺動自在に嵌合、横架状にすると共に、上位がわのレール対部間に嵌合、摺動するようにした単位除雪パネルとその直下のレール対部間に嵌合、摺動するようにした単位除雪パネルとは、該下位がわ単位除雪パネルの軒先方向下降摺動時には、その上位側縁上面を直上の単位除雪パネル下位側縁下面に一部重なり状にしたままの下降摺動可能となるよう、レール対部の上下段で夫々上下となる単位除雪パネル相互を何れも連動構造に規制、形成し、降雪時には当該屋根葺き材面全体に渡って下り段差面状に連続展開して同片流れの屋根葺き材面上を覆い尽くせ、降雪時以外は棟がわで重畳状に縮小可能としてなるものとした構成からなる屋根用除雪装置となる。
より具体的には、建造物屋根の棟から振り分け、片流れとなる屋根葺き材面上で、その棟方向全長域に渡る範囲に、所定間隔置きとなる互いに平行な配置として棟から軒先に至り、両側面が夫々上下複数段のレール対部に形成された案内レールを、当該屋根葺き材面上に取着、配設したものとなし、それら隣り合う案内レール相互における対峙側面のレール対部で、最上位がわのレール対部同士から、順次最下位がわのレール対部同士までの夫々対応するレール対部間に、棟から軒先に至る範囲を覆い尽くせるだけの大きさになるよう、レール対部の上下段数に相当する枚数に規制して分割形成した単位除雪パネルを摺動自在に嵌合、横架状にすると共に、上位がわのレール対部間に嵌合、摺動するようにした単位除雪パネルとその直下のレール対部間に嵌合、摺動するようにした単位除雪パネルとは、該下位がわ単位除雪パネルの軒先方向下降摺動時には、その上位側縁上面を直上の単位除雪パネル下位側縁下面に一部重なり状にしたままの下降摺動可能とし、当該下位がわ単位除雪パネルの棟方向上昇摺動時には、同下位がわ単位除雪パネル全体が直上の単位除雪パネル下面に略没入状となって共に棟がわまで摺動するよう、レール対部の上下段で夫々上下となる単位除雪パネル相互を何れも連動構造に規制、形成してなるものとした構成からなる屋根用除雪装置といえる。
(関連する発明)
上記した、屋根用除雪装置に関連し、この発明には、それを使用した屋根の除雪方法も包含される。
即ち、降雪期には、各上位がわのレール対部間に嵌合、摺動するようにした単位除雪パネルと、その直下の各レール対部間に嵌合、摺動するようにした単位除雪パネルとが、下位がわ単位除雪パネルの上位側縁上面を、直上の単位除雪パネル下位側縁下面に一部重なり状にするよう、順次展開状に降下移動させ、片流れとなる建造物屋根の屋根葺き材面上の略全体を覆い、各単位除雪パネル下に吹き込む風による振動か、または起振機構を有する場合には、その起振源が発する振動を各案内レールに伝播させか、少なくともそれら何れか一方の振動を利用して各単位除雪パネル上に降り積もる雪を、自動的に滑落可能とするよう配置させ、降雪期間が終われば、各単位除雪パネルを、それら相互の連動構造により、展開とは逆の軒先がわから棟にかけて順次重積状に上昇移動させ、格納用屋根部を有する場合には、同格納用屋根部内まで誘導し、次の降雪期まで保管状、待機状となるようにし、単位除雪パネルの劣化を防止するようにした、前記何れか記載の屋根用除雪装置を利用した屋根の除雪方法である。
以上のとおり、この発明の屋根用除雪装置によれば、建造物屋根の棟から振り分け、片流れとなる屋根葺き材面上に渡り、複数枚の単位除雪パネルを円滑且つ軽快に展開させることが可能となり、しかも上位がわのレール対部間に嵌合、摺動するようにした単位除雪パネルとその直下のレール対部間に嵌合、摺動するようにした単位除雪パネルとが、下位がわから順次軒先方向へ下降摺動する時に、その上位側縁上面を直上の単位除雪パネル下位側縁下面に一部重なり状にしたまま下降摺動可能となるよう、レール対部の上下段で夫々上下となる単位除雪パネル相互を何れも連動するよう規制、形成してあることから、冬期には、全ての単位除雪パネルを円滑に展開して屋根葺き材面上全体を隠蔽状となし、季節風や強風の吹き付けによる振動や起振機構による加振によって単位除雪パネル上に着雪して積雪する現象を回避しながら落雪させることができ、危険な屋根上に登っての雪下ろし作業を一切不要とし、さらに、降雪期間以外には、反対に全ての単位除雪パネルを順次円滑に上昇移動し、棟がわで重畳状に縮小して収納することが可能となり、太陽光の紫外線や熱、それに雹、酸性雨などといった気象現象に起因する悪影響から各単位除雪パネルを保護し、耐久寿命を延ばすことができるという秀れた特徴が得られるものとなる。
加えて、屋根葺き材面上範囲の全体を隠蔽状とするよう展開した各単位除雪パネルは、下位がわ単位除雪パネルを棟方向に上昇摺動させたときに、同下位がわ単位除雪パネル全体が直上の単位除雪パネル下面に略没入状となって共に棟がわまで摺動するよう、レール対部の上下段で夫々上下となる単位除雪パネル相互を何れも連動構造に規制、形成してなるものとすることができ、下位がわ単位除雪パネルの上面が、直上の単位除雪パネル下面と当接状となって密に積層した状態の収納となり、コンパクトに格納となって強風の吹き込みなどによるばたつきや、それに起因する振動および騒音の発生を低減させることができるという大きな効果があり、特に、格納用屋根部を設置するようにしたものでは、全ての単位除雪パネルがコンパクトされているだけに、同格納用屋根部を小型化できて建造物屋根への荷重負担を軽減すると共に、外観上でも違和感の少ないものにすることができるなどという効果を奏するものとなる。
単位除雪パネルは、最も上位となる単位除雪パネル下に、その他の全ての単位除雪パネルを重畳状にコンパクト化して収容する場合に、天面露出状配置となる最上位の単位除雪パネルだけを、屋根葺き材と同等またはそれ以上の耐久強度を有する素材からなるものとするなど、最上位の各単位除雪パネルだけ耐候性を強化するようにしておけば、それより下位の各単位除雪パネルは、降雪期以外の長期間に渡っても当該最上位の各単位除雪パネルによって保護されたものになることから、最上位以外の各単位除雪パネルの低廉化および軽量化を図ることが可能となるだけではなく、最上位の各単位除雪パネル自体が、上記した格納用屋根部の機能を兼用することとなって特別に格納用屋根部を設けなくても済ませることができ、それだけ建造物屋根への荷重負担を軽減し、より経済的な設置を実現化できるという秀れた特徴を発揮できる。
単位除雪パネルを下降摺動、または下降および上昇摺動するために連動させるようにした構造が、昇降駆動機構の組み込みによって作動するようにしたものでは、設置利用者自らが、危険を冒して建造物屋根上の高所に登って各単位除雪パネルの昇降を行うなどといった作業は一切不要となり、屋内かまたは屋外の妻がわ地上付近など、屋根上からの落雪に巻き込まれる虞のない安全な場所に操作部を予め設置しておきさえすれば、そこから簡単確実且つ迅速に遠隔操作可能なものとなり、老齢者婦女子にあっても安全、簡便に屋根除雪の準備をすることができるという、降雪地帯に住まいする人にとっては願っても無い効果が期待できるものとなる。
全ての案内レールが、その軸芯に沿う方向の往復振動を許容可能な緩衝機構の組み込まれた複数の支持金具を介して設置されたものとし、各案内レールにその軸芯に沿う方向に加振可能な起振機構を設けてなるものでは、屋根葺き材面上に展開した各単位除雪パネルを、当該起振機構の起動によって強制的に振動させ、各単位除雪パネル上の積雪を効率的に滑落させることができ、季節風や強風の吹き付けを期待できない状況下に降雪があったときにも、屋根上への着雪を回避するものとなって積雪を無くし、屋根全面を常に排雪状態となし得ることができるという理想的な屋根の実現が可能になる。
特に、全ての案内レールが、その軸芯に沿う方向の往復振動のみ許容する緩衝機構が組み込まれた複数の支持金具を介して設置したものだけではなく、棟付近には、棟方向に平行な棒状であり、各案内レールの棟がわ端に対峙する各中途部および/または端部が、U字型および/またはL字型のクランク部に折曲形成したクランク軸を回転自在に軸着すると共に、各クランク部と、それらに対応する各案内レール棟がわ端とを、夫々弾性的に繋着可能な索条もしくは連結棒で連結して起振機構を形成し、該起振機構適所には、該クランク軸回転駆動用の起振源が設けられてなるものとすれば、例えば一本のクランク軸によって全ての案内レールに往復振動を加えることができることとなって、起振機構の軽量化と屋根用除雪装置の低価格化とを実現化できるという効果が期待できるものとなる。
連動構造が、全ての単位除雪パネルか、または、最も軒先がわに展開する最下位単位除雪パネル以外の全ての単位除雪パネルかの何れかの単位除雪パネルであって、相互関係で夫々上位がわとなる単位除雪パネルの各軒先がわ端縁から、それらの夫々直下に位置することとなる単位除雪パネルの棟がわ配置の端縁に係合可能となる係合片を延伸形成したものでは、連動用の複雑な機構が必要なくなり、各単位除雪パネルを大幅に軽量化でき、故障の少なものとして低廉化することができるという効果が得られる。
昇降駆動機構が、最も軒先がわに展開する最下位単位除雪パネルの適所に一端を繋着した各昇降索の、同他端を当該棟付近において棟方向に平行状に軸支した捲回軸の対応する周壁に繋着し、該捲回軸の巻き取りおよび解放動作可能とするよう正逆転駆動制御可能とする捲回源が設けられたものとすれば、屋根上に設置した各単位除雪パネルを、屋内または屋外の落下の虞がある高所や、落氷雪被害の虞がある軒先など以外の安全な場所から、遠隔操作によって各単位除雪パネルを昇降移動可能なものとなって、操作性が一段と改善されるという利点が得られる。
そして、案内レールは、上下複数段の各案内レールの軒がわ配置となる夫々の下端が、最下位から最上位のものとなる順に、軒先がわから棟がわに各単位除雪パネルの摺動範囲毎に段差状配置となるよう形成され、各単位除雪パネルが下降、展開したときに、その下端左右各縁が接触することとなるそれら各レール対部の各下端内部に緩衝用の弾性部が添設されてなるものとしておき、各単位除雪パネルを夫々が対応するレール対部に沿って降下して夫々の停止位置に達したとき、上下多段化によって各単位除雪パネルの慣性力を小さくしてそれら部材の損傷をなくすようにするだけではなく、それら緩衝用の弾性部が、レール対部の下位終端部分と、それに衝突する各単位除雪パネルの下端部分とによって発生させる大きな衝撃音と振動とを軽減して騒音や振動の発生を極力低減化し、少しでも静粛で円滑な作動の実現が可能となるようにしてある。
また、この発明の屋根の除雪方法によれば、降雪期に建造物屋根の片流れとなる屋根葺き材面上の略全体を、屋根葺き材面上に着雪して積雪しないよう、複数枚の単位除雪パネルで簡便に覆ってしまうことができるようにし、各単位除雪パネル上に降り積もろうとする雪を、各単位除雪パネルと屋根葺き材面との間に吹き込む風によって自然発生的に振動させるか、または起振機構を有するものでは、その起振源が発する振動を各案内レールに強制的に伝播させかの何れか一方の振動を利用し、各単位除雪パネルへの着雪を無くして雪が自然に滑落してしまうようにするものであり、したがって、高所での危険な雪下ろし作業を一切不要とし、安全且つ効率的に屋根上からの除雪が可能となるという大きな特徴を発揮し、さらに、降雪期間が終われば、各単位除雪パネルを、それら相互の連動構造により、展開とは逆の軒先がわから棟がわにかけて順次重積状に上昇移動させてコンパクト化するか、または格納用屋根部を有する場合には、同格納用屋根部内まで誘導して重積状にコンパクト化するかして次の降雪期まで保管、待機状とするようになり、何れにしても気象条件による悪影響を最小限に止めて単位除雪パネルの劣化を防止でき、主要部材である個々の単位除雪パネルの耐久強度を高め、長期間に渡って経済的に利用することができるという秀れた効果を発揮することになる。
上記したとおりの構成からなるこの発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
案内レールは、複数枚の単位除雪パネルを、建造物屋根の棟から振り分け、片流れとなる屋根葺き材面上で、その棟方向全長に亘る範囲に、一部重なり状にしたままの下降摺動可能に展開するよう案内可能であると共に、同屋根葺き材面上の棟寄りとなる箇所に、各単位除雪パネルを重畳状に縮小するよう案内可能とする機能を果たすものであって、屋根葺き材面上で、その棟方向全長域に渡る範囲に、所定間隔置きとなる互いに平行な配置として棟から軒先に至るよう設置されたものとし、隣り合う対峙側面に、各単位除雪パネルを案内可能とする上下複数段のレール対部が形成されたものとしなければならず、片流れ面上に展開させた各単位除雪パネルを、積雪や強風の吹き付けに耐えるのに十分な強度で支持できるよう、確実に取り付けられたものとすべきである。
また、この案内レールは、棟から軒先方向の振動を許容可能とする緩衝機構が設けられた複数の支持金具を介して設置したものとすることが可能であり、後述する実施例にも示すように、上位がわのレール対部間に嵌合、摺動するようにした単位除雪パネルとその直下のレール対部間に嵌合、摺動するようにした単位除雪パネルとは、該下位がわ単位除雪パネルの軒先方向下降摺動時には、その上位側縁上面を直上の単位除雪パネル下位側縁下面に一部重なり状にしたままの下降摺動可能となるよう形成し、それら各レール対部の各単位除雪パネル下端左右縁が展開の場合に接触する各下端内部に、緩衝用の弾性部が添設されてなるものとすることが可能であって、アルミニウムやステンレス鋼、防錆処理の施された鉄鋼などの耐摩耗性および耐食性に秀れた金属製とするのが望ましく、または同等以上の強度を確保でき、しかも軽量なガラス繊維強化樹脂や炭素繊維強化樹脂などの複合素材製とすることが可能であり、しかも軒先に延伸された各下端間に亘り、軒に平行状の補強用連結枠を架け渡したものとすることができる。
レール対部は、単位除雪パネルの左右がわ端縁付近の夫々を、棟から軒先方向に向けて案内可能とするよう、各案内レールの互いに隣り合う対峙側面に対し、摺動自在に装着可能とする機能を果たし、単位除雪パネルの左右がわ端縁付近を、積雪や強風の吹き付けなどに耐えるよう、対応する案内レール側面に十分な強度をもって支持可能なものとし、各案内レールの隣り合う対峙側面に、上下複数段形成されたものとしなければならず、棟方向の最外側に配した案内レールの外がわ側面には設ける必要がなく、各対峙側面部分の縦断面形をC字型、E字型、F字型、G字型、I字型、K字型、P字型、R字型、S字型、T字型、V字型、W字型、X字型、Y字型、Z字型、工字型など離脱不能に案内可能な様々な断面形状のものとすることが可能であり、アルミニウムやステンレス鋼、防錆処理の施された鉄鋼などの耐摩耗性および耐食性に秀れた金属製とするのが望ましく、または同等以上の強度を確保でき、しかも軽量なガラス繊維強化樹脂や炭素繊維強化樹脂などの複合素材製とすることが可能であり、各単位除雪パネル軒先がわ下方端左右縁が展開の場合に接触する各軒先がわ下方端内部に、緩衝用の弾性部が添設されてなるものとすることができる。
また、案内レールの上下各段のレール対部には夫々、最も軒先がわに移動してきた単位除雪パネルの夫々を強制的に仮固定可能とし、昇降駆動機構の起動によって仮固定が自動的に解除するよう機能するロック機構を添設したものとすることができる外、棟寄りの箇所に重畳状に縮小するよう移動した各単位除雪パネルを、不用意に滑落、展開しないよう収納状態に仮固定可能とし、昇降駆動機構の起動と同時に仮固定を自動解除可能な安全装置を付加したものとすることができる。
支持金具は、建造物屋根の棟から振り分け、片流れとなる屋根葺き材面上の適所に、案内レールを十分な強度をもって着脱可能に装着可能とする機能を果たすものであり、該屋根葺き材面上で、その棟方向全長域に渡る範囲に、所定間隔置きとなる互いに平行な配置として棟から軒先に至るよう、各案内レールを設置するものとしなければならず、例えば、後述する実施例に示すように、一文字葺きの葺き板はぜ部に着脱自在に固着可能とした仮固定機構に天板を設け、該天板の適所に配された当該案内レールの底面に、上向きに摺動自在もしくは転動自在に接触する底面保持部、および、同案内レールの棟方向幅中央付近のレール対部が形成されない部分に支柱部を上下方向に貫通し、該支柱部上端に、案内レール天面に下向きに摺動自在あるいは転動自在に接触する天面保持部を設け、該案内レールの底面と天面とを上下から挟着状保持可能とし、棟方向(案内レールに交叉する方向)への移動を規制可能とする緩衝機構が設けられてなるものとすることができる外、屋根面上に設置された雪止め金具に一体化してなるものとすることができ、前記案内レールと同様に、アルミニウムやステンレス鋼、防錆処理の施された鉄鋼などの耐摩耗性および耐食性に秀れた金属製とするのが望ましく、または同等以上の強度を確保でき、しかも軽量なガラス繊維強化樹脂や炭素繊維強化樹脂などの複合素材製とすることが可能である。
支持金具は、仮固定機構を設けたものとするのが望ましく、同支持金具それ自体を、建造物屋根の棟から振り分け、片流れとなる屋根葺き材面上の一文字葺きの葺き板はぜ部に着脱自在に固着可能とする機能を果たし、一文字葺きの葺き板はぜ部の一箇所か、または複数箇所に装着できるものとしなければならず、既存の葺き板はぜ部に挟着状にして締め付けネジ、リベット、クリップ、その外の緊締金具などの中の何れかを用い、案内レールを支持するに十分な強度をもって仮固定可能なものとすべきであり、雪止め金具を一体化したものとすることができる。
また、支持金具は、瓦棒葺き屋根の棟から振り分け、片流れとなる屋根葺き材面上で、案内レールを全ての瓦棒上か、一本または複数本置きとなる各瓦棒上かの何れかに対し、十分な強度をもって着脱可能に装着する機能を果たすものであるということができ、互いに平行な配置として棟から軒先に至り、互いに平行な姿勢とするようにして各案内レールを設置可能とするものとしなければならず、例えば、瓦棒葺きの瓦棒部に着脱自在に固着可能とした仮固定機構に天板を設け、該天板の適所に配した当該案内レールの底面に摺動自在もしくは転動自在に接触する底面保持部、および、同案内レールの棟方向幅中央付近のレール対部が形成されない部分に支柱部を上下方向に貫通し、該支柱部上端に、案内レール天面に摺動自在あるいは転動自在に下向き接触する天面保持部を設けて、該案内レールを上下から挟着状保持可能であって、しかも案内レールの底面に遊嵌して棟方向への横移動を阻止可能とする横ずれ規制部を設けてなる緩衝機構を形成したものとすることが可能である外、瓦棒部に設置された雪止め金具に一体化されてなるものとすることができ、前記支持金具と同様に、アルミニウムやステンレス鋼、防錆処理の施された鉄鋼などの耐摩耗性および耐食性に秀れた金属製とするのが望ましく、または同等以上の強度を確保でき、しかも軽量なガラス繊維強化樹脂や炭素繊維強化樹脂などの複合素材製とすることが可能である。
支持金具の緩衝機構は、棟から軒先方向に向けて設置された案内レールを、上下方向および棟方向(案内レールに交叉する方向)への移動を規制すると共に、棟から軒先方向(案内レールに平行な方向)への僅かな往復移動を許容可能とするよう支持するものであり、例えば、起振機構などによって振動される案内レールの動きを妨げることなく円滑に振動するよう支持可能とすると共に、棟方向に移動して単位除雪パネルや案内レールのレール対部などに過大なストレスが加わらないよう緩衝可能なものとしなければならず、後述する実施例に示すように、案内レールの底面に上向きに摺動自在もしくは転動自在に接触する底面支持用の水平ローラー、および、同案内レールの棟方向幅中央付近のレール対部が形成されない部分に支持柱を上下方向に貫通し、該支持柱上端に、案内レール天面に摺動自在あるいは転動自在に下向き接触する天面保持用の水平ローラーを設けてなり、当該案内レールの底面と天面とを上下から挟着状保持可能であって、棟方向(案内レールに交叉する方向)への移動を規制可能としたものとすることができ、必要に応じてスプリングやゴム、油圧回路などからなる弾性部品や減衰部品などを適所に配設し、起振機構などが発生する衝撃力を和らげるものとすることが可能である。
単位除雪パネルは、建造物屋根の棟から振り分け、片流れとなる屋根葺き材面上に、その複数枚を展開して雪を受け止め、それら雪を着雪させないままに滑落、落下するようにして棟から軒先方向に向けて自然に除雪可能とする機能を果たし、各案内レールのレール対部間夫々に、棟から軒先方向に摺動自在に架け渡すよう装着し、積雪や強風の吹き付けなどに耐える十分な強度を備えたものとして形成しなければならず、上面に着雪せぬよう、低摩擦係数のものに形成するか、または、積雪との接触面積を低下させるよう、滑らかな凹凸を形成したものとすることが可能であり、棟方向左右端縁には、各レール対部に転動自在に遊嵌可能な転輪を設けたものとすることもでき、アクリルやポリカーボネートなどの十分な強度を有する透明または不透明な合成樹脂製とすることができる外、ガラス繊維強化樹脂や炭素繊維強化樹脂などの複合素材製とすることが可能であり、アルミニウムやステンレス鋼、防錆処理の施された鉄鋼などの耐摩耗性および耐食性に秀れた金属製とすることもできる。
そして、レール対部間に嵌合、摺動するようにした下位がわ単位除雪パネルの軒先方向下降摺動時には、その上位側縁上面を直上の単位除雪パネル下位側縁下面に一部重なり状にしたままの下降摺動可能とし、当該下位がわ単位除雪パネルの棟方向への上昇摺動時には、同下位がわ単位除雪パネル全体が直上の単位除雪パネル下面に略没入状となって共に棟がわまで摺動するよう、レール対部の上下段で夫々上下となる単位除雪パネル相互を何れも連動構造に規制、形成してなるものとすることが可能であり、また、連動構造は、全ての単位除雪パネルか、または、最も軒先がわに展開する最下位単位除雪パネル以外の全ての単位除雪パネルかの何れかの単位除雪パネルであって、相互関係で夫々上位がわとなる単位除雪パネルの各軒先がわ端縁から、それらの夫々直下に位置することとなる単位除雪パネルの棟がわ配置の端縁に係合可能となる係合片を延伸形成してなるものとすることができる。
単位除雪パネルの連動構造は、建造物屋根の棟から振り分け、片流れとなる屋根葺き材面上に展開された各単位除雪パネルの中、軒先に近い単位除雪パネルの適所が、同単位除雪パネルが上昇移動させる過程で、それよりも棟寄りに展開している直上配置となる単位除雪パネルの適所に係合し、共に棟がわに上昇移動可能とする機能を果たすものであり、各単位除雪パネルの棟寄り(上向き)がわ端縁から下向き姿勢に突設し、該単位除雪パネルより下がわに配して、同単位除雪パネルより軒先がわに展開される直下配置となる単位除雪パネルの棟寄り(上向き)がわ端縁に係合可能に形成したものとすることが可能であり、後述する実施例に示すように、全ての単位除雪パネルの棟寄り(上向き)がわ端縁の棟方向幅に亘って形成され、下向きに突設された複数本の鈎状または一枚の平板片状に形成したものとすることができる。
格納用屋根部は、各案内レールに沿って棟がわに上昇、重畳状に集合した各単位除雪パネルを雨や雹、日光などに曝さぬよう、少なくともそれらの天面を隠蔽状に包囲可能とする機能を果たすものであり、各単位除雪パネルを積層状に集合させた場合の棟から軒に向かう方向の長さと、全単位除雪パネルの棟方向の配設幅寸法とを僅かに超えるよう設定されたものとし、積雪や台風、雹、大雨などに耐える十分な強度を有し、直射日光による熱や紫外線を十分に遮蔽可能なものとしなければならず、片流れとなる屋根葺き材の両妻がわ端縁に、同屋根葺き材と各案内レールとの隙間、または、同屋根葺き材と各単位除雪パネルとの隙間を隠蔽可能な破風を有するものとすることができる外、後述する実施例にも示すように、棟上付近となる天面の中央および/または均衡する複数適所に、適宜形状の通風口を貫通形成したものとすることが可能である。
起振機構は、建造物屋根の棟から振り分け、片流れとなる屋根葺き材面上の、各案内レール間に展開された複数枚の単位除雪パネルの夫々に、適度の振動を直接的または間接的に加え、その振動によって単位除雪パネル上の積雪を滑落または転落状に排除する現象を励起、助長する機能を果たすものであり、積雪が有る程度の量に達したとき、必要に応じて利用者自らが随時に起動操作可能なものとする外、自動制御装置などによって定期的且つ自動的に起動または停止を繰り返せるようにしたり、積雪センサー利用のフィードバック制御などによって所定積雪量を検知したときに自動的に一定時間動作するよう制御し得るものとしたりすることなどが可能であり、各単位除雪パネルそれ自体に設けられた圧電素子や各種モーターを用いた振動子などからなり、電流の供給を受けて発振するようにしたものとする外、後述する実施例に示すように、棟付近に、棟方向に平行な棒状で、各案内レールの棟がわ端に対峙する各中途部および/または端部が、U字型および/またはL字型のクランク部に折曲形成したクランク軸を回転自在に軸着すると共に、各クランク部と、それらに対応する各案内レール棟がわ端とを、夫々弾性的に繋着可能な索条もしくは連結棒で連結し、当該クランク軸適所に回転駆動用の起振源を設けたものとすることができる。
起振機構のクランク軸は、その回転力を各案内レールの、棟から軒先方向(案内レールに平行な方向)の往復動力に変換可能とする機能を果たし、建造物屋根の棟から振り分け、片流れとなる屋根葺き材面上の、各案内レールの棟がわ端に対応するよう棟方向に亘って回転自在に軸着し、各案内レールの棟がわ端に対峙する部分には、U字型またはL字型に折曲されたクランク部を一体形成したものとしなければならず、各案内レールを介して各単位除雪パネル上の積雪に滑落または転落状に排除可能とする振動を加えることができる程度に、十分な強度を有するものとすべきであり、その適所に自動制御または人によるスイッチ操作によって駆動される回転モーター、あるいは、人の手によって直接操作駆動可能なプーリーおよび無端ベルト(チェーン、ロープ)、もしくは、歯車機構およびハンドルなどからなる起振源を設けたものとすることができる。
クランク軸の各クランク部には、各案内レールの棟がわ端を、夫々弾性をもって繋着可能な索条または連結棒を設けたものとすることが可能であり、それら索条または連結棒の中途適所か、あるいは、案内レールの棟がわ端に連結する端部か、もしくは、クランク部に連結する端部かの中の何れか適所に、コイルスプリング製、天然ゴム製、合成ゴム製または軟質合成樹脂製などの弾性部材からなる衝撃力吸収部を介在させたものとすることができる。
昇降駆動機構は、建造物屋根の棟から振り分け、片流れとなる屋根葺き材面上に、複数枚の単位除雪パネルを展開動作させ、また、同片流れとなる屋根葺き材面上に展開した複数枚の単位除雪パネルを、棟寄りの適所まで移動可能とするか、あるいは、棟寄りの適所に設けられた格納用屋根部内まで移動、収納可能とするかする機能を果たし、各単位除雪パネルそれ自体に自走機能を持たせ、遠隔操作によって自動的に展開移動、および移動(または移動収納)可能となるようにすることができる外、後述する実施例にも示すように、全ての単位除雪パネルか、または、最も軒先がわに展開される最下位以外の全ての単位除雪パネルかの何れか一方に、各案内レールを上昇移動する場合、順次、下層位の単位除雪パネルが上層位の単位除雪パネルに係合して牽引可能な連動構造を設け、最も軒先がわに展開される最下位単位除雪パネルの適所に一端が繋着された各昇降索の他端を、当該棟付近に棟方向に平行状に軸支された捲回軸の対応する周壁に繋着し、該捲回軸の正逆転駆動、制動ならびにその制御が可能な捲回源を設けたものとすることができる。
昇降駆動機構の昇降索は、建造物屋根の棟から振り分け、片流れとなる屋根葺き材面上に展開した複数枚の単位除雪パネルを牽引し、棟寄りとなる箇所、または、棟寄りとなる箇所に設けた格納用屋根部内まで上昇移動可能とするよう、捲回軸に対して全ての単位除雪パネルか、または、最も軒先がわに展開される最下位単位除雪パネルかの何れか一方を繋着可能とする機能を果たし、展開状態にある複数枚の単位除雪パネルを牽引、移動するに十分な強度および耐久性を有するものとしなければならない。
昇降駆動機構の捲回軸は、建造物屋根の棟から振り分け、片流れとなる屋根葺き材面上に展開した複数枚の単位除雪パネルの、全ての単位除雪パネルか、または、最も軒先がわに展開する最下位単位除雪パネルかの何れか一方の適所に繋着された昇降索の夫々を巻き取り可能および解放可能とする機能を果たし、建造物屋根の棟から振り分け、片流れとなる屋根葺き材面上に配した各単位除雪パネルに対応する棟付近に配され、棟方向に軸心を向けて回転自在に支持するようにした一本または複数本の軸からなるものとしなければならず、その中途適所か、両端または何れか一方端に、人の手によって直接操作駆動可能なプーリーおよび無端ベルト(またはプーリー・ロープ、スプロケット・チェーン)、もしくは、歯車機構およびハンドルなどからなるか、あるいは、スイッチ操作による駆動可能または自動制御可能なモーターからなるか、の何れかとした捲回源を設けたものとすべきであり、モーター駆動による場合には、全単位除雪パネルを展開させた位置で電源供給を自動的に停止するリミットスイッチ、および、全単位除雪パネルを棟がわで重畳状に縮小させた位置で電源供給を停止するリミットスイッチを設けたものとすることができ、各単位除雪パネルの任意の展開あるいは重畳状に縮小状態で、固定状に停止可能とする制動装置を適所に設けたものとすることが可能である。
当該屋根用除雪装置の設置対象となる屋根は、平行な複数本の案内レールを設置可能な勾配を有する片流れ面(切り妻のような場合には両方の片流れ面に設置可能)ものであればよく、さらに具体的に示すと、切り妻、招き、片流れ、腰折、下屋付き、越などに設置するのが望ましく、むくり、反り(照り)、尖りアーチや蒲鉾の屋根にも案内レールの形状を合わせることによって設置可能であり、寄せ棟、方形(宝形)、しころ、入母屋、マンサード、八角、尖頭、ドーム、蝶形などの屋根の設置可能な一部範囲にも設置することができ、表現を変えて屋根葺き形式では、金属板葺きによる一文字葺きや瓦棒葺きの屋根、または、和、洋瓦葺き、スレート葺き、セラミック瓦葺きなど様々な屋根に設置することが可能である。
この発明の屋根の除雪方法は、降雪期間に亘って各単位除雪パネルを展開させ、それ以外の期間には、各単位除雪パネルを棟寄りの箇所に重畳状に縮小するか、または、棟寄りの箇所に配した格納用屋根部内に収容、保管し得るようにしたことを必須とするが、例えば、降雪期間における雹や落雷、突風などの各単位除雪パネルに被害が及びそうな荒天時や、荒天が予想されるときなどにも、各単位除雪パネルを棟寄りの箇所に重畳状に縮小するか、あるいは、棟寄りの箇所に配した格納用屋根部内に収容してしまうようにすることも可能であり、また、春期の杉花粉、黄砂などが舞う季節や、秋期の落ち葉の季節などにも各単位除雪パネルを展開し、屋根上に砂埃や落ち葉などの塵埃が堆積してしまうのを防止するために利用するようなものとすることも勿論可能である。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
図1の屋根用除雪装置を設置した建造物屋根の斜視図、図2の建造物屋根に設置した屋根用除雪装置の一部を拡大した斜視図、図3の屋根片流れとなる一文字葺き屋根葺き材面上に配した屋根用除雪装置の側面図、図4の案内レール軒先端付近の側面図、図5の展開状態にある二段目単位除雪パネルの側面図、図6の展開した三段目単位除雪パネルの側面図、図7の展開状態の四段目単位除雪パネルの側面図、図8の展開させた五段目単位除雪パネルの側面図、図9の案内レール棟がわ端周辺を断面化した側面図、図10の案内レールを搭載した支持金具の斜視図、図11の支持金具の斜視図、図12の縦断面化した案内レールの正面図、図13の単位除雪パネルの平面図、図14の単位除雪パネルの側面図、図15の棟寄りとなる箇所に設けた起振機構の側面図、図16の拡大した昇降駆動機構および起振機構の側面図に示した事例は、この発明の屋根用除雪装置を最も端的に表す格好のものである。
即ち、建造物屋根9の棟から振り分け、片流れとなる屋根葺き材面91上で、その棟方向全長域に渡る範囲に、所定間隔置きとなる互いに平行な配置として棟から軒先に至り、両側面が夫々上下複数段のレール対部21,21,……に形成された案内レール2,2,……を、当該屋根葺き材面91上に取着、配設したものとなし、それら隣り合う案内レール2,2,……相互における対峙側面のレール対部21,21,……で、最上位がわのレール対部21同士から、順次最下位がわのレール対部21同士までの夫々対応するレール対部21,21,……間に、棟から軒先に至る範囲を覆い尽くせるだけの大きさになるよう、レール対部21,21,……の上下段数に相当する枚数に規制して分割形成した単位除雪パネル5,5,……を摺動自在に嵌合、横架状にすると共に、上位がわのレール対部21,21,……間に嵌合、摺動するようにした単位除雪パネル5,5,……とその直下のレール対部21,21,……間に嵌合、摺動するようにした単位除雪パネル5,5,……とは、該下位がわ単位除雪パネル5,5,……の軒先方向下降摺動時には、その上位側縁上面54を直上の単位除雪パネル5,5,……下位側縁下面55に一部重なり状にしたままの下降摺動可能となるよう、レール対部21,21,……の上下段で夫々上下となる単位除雪パネル5,5,……相互を何れも連動構造56,56,……に規制、形成してなる、この発明の屋根用除雪装置における代表的な一実施例を示すものである。
当該屋根用除雪装置1は、図1ないし図17中に示すように、一文字葺きの建造物屋根9の片流れとなる屋根葺き材面91毎に対し、切り妻屋根9両流れの屋根葺き材面91,91の夫々に対して棟を挟み対象、配置となるよう設置し、その両者が一個の格納用屋根部8を共有するようにしたものであり、以下には、切り妻屋根9の図1中、後方がわの片流れとなる屋根葺き材面91に設置したものの説明を省略し、これとは反対がわとなる同図1中、前方がわの片流れとなる屋根葺き材面91に設置されたものについてだけ説明することとする。
片流れとなる屋根葺き材面91上に設けた屋根用除雪装置1は、棟方向全長域に渡る範囲に、所定間隔置きとなる互いに平行な配置として棟から軒先に至る複数本の案内レール2,2,……が、夫々複数個の支持金具3,3,……を介して設けたものとし、各案内レール2,2,……は、互いに対峙する棟方向の両側面か、または、棟方向の最外側に配された案内レール2,2の棟方向外がわ側面を除く、各案内レール2,2,……の対峙する棟方向側面に、図10および図12中に示すような、王字型またはヨ字型あるいはE字型のように、上下複数段のレール対部21,21,……を、棟付近から軒先に至るよう直線的に形成したものであって、図1ないし図17中に示すものは、上下合計五段のレール対部21,21,……を形成したものとしている。
各案内レール2,2,……の軒先端間には、棟方向の全長域に渡って棟に平行な補強用連結枠22を架け渡して連結し、軒先端間の間隔を一定に保持可能とするよう固定すると共に、各最下位レール対部21,21,……の軒先端に対応する補強用連結枠22内には、図4中に示すように、各最下位レール対部21,21,……の案内方向に伸縮可能なコイルスプリング製であって降下移動してくる単位除雪パネル5の下端を弾性的に受け止め可能とする弾性部23,23,……を装着したものとしている。
各案内レール2,2,……に形成した上下五段の各レール対部21,21,……は、最下位のレール対部21,21を、各案内レール2,2,……の略全長に渡って形成し、上位二段目以上を、棟から軒先までの案内レール2長の中、棟よりの後述する格納用屋根部8を設置する範囲寸法Aを除いた長さ寸法Bを略五等分(1/単位除雪パネル5の枚数)した長さ寸法分ずつ、一段上位となる毎に、棟がわからの長さ寸法を短縮したものとしており、したがって、最下位レール対部21,21の直上となる二段目のレール対部21,21は、棟から軒先方向の格納用屋根部8を設置する範囲寸法Aを除いた長さ寸法Bの1/5の寸法分、軒先がわが短縮されたものとしている。
さらに、上位三段目のレール対部21,21は、棟から軒先方向の格納用屋根部8を設置する範囲寸法Aを除いた長さ寸法Bの2/5の寸法分、軒先がわが短縮されたものとし、上位四段目のレール対部21,21を、同寸法Bの3/5の寸法分、軒先がわを短縮したものとし、上位五段目のレール対部21,21は、同寸法Bの4/5の寸法分、軒先がわを短縮したものとして形成し、図10中にも観られるように、二段目以上の各レール対部21,21,……が設けられていない軒先がわ上部の不要部分を切除して段差状に形成し、上位各レール対部21,21,……の軒先がわ端の夫々にも、最下位のレール対部21,21,……と同様の弾性部23,23,……を、図10中に示すように、内蔵したものとする。
各案内レール2,2,……は、上下各レール対部21,21,……毎か、または、直上または直下の配置関係となって一体化可能な複数のレール対部21,21,……毎か、の何れかに分割して製造した部品を、製造工場あるいは設置現場で上下組み合わせて一体化したものとすることが可能であり、こうすることによって様々な寸法の屋根に更に簡便に適応できるものとすることが可能である。
各案内レール2,2,……を、図1および図2中に示すような、一文字葺きの建造物屋根9片流れとなる屋根葺き材面91上に取り付ける支持金具3は、図4や図10、図11および図12中に示すように、屋根葺き材面91上に安定的に接地し、同図4中に示すよう、屋根葺き材面91に対して略垂直に立設する雪止め板32を有する接地板31の棟がわ先端縁33を、該屋根葺き材91、はぜ巻き部92の下側に挿し込み、同接地板31上面の棟がわ先端縁33と、軒がわ配置となる雪止め板32との間に、上向きボルト34を立設したものとする一方、縦断面形略横転S字型、略横転Z字型、略横転J字型または略横転L字型などの何れかとした緊締片35の棟がわ先端縁を、はぜ巻き部92の下側に挿し込んだ該接地板31の棟がわ先端縁33との間に、同はぜ巻き部92を挟み込むよう、はぜ巻き部92の上側面に当接させると共に、該緊締片35の中央適所に穿設した取着孔36を上向きボルト34に装着し、露出した上向きボルト34先端からナット37を螺合させ、強固に挟着したものとしている。
同様に形成した二個の接地板31,31を、例えば屋根葺き材91の棟から軒方向の巾二枚分を隔てて配置させ、それら雪止め板32,32上端間に、雪止め板32,32間の距離を超える長辺長さに設定した、案内レール2搭載用の長方形状天板38を架け渡し状に一体化したものとする一方、棒状体からなり、その上端に案内レール2天面保持用の水平ローラー42を有し、中途部が案内レール2の対応中央箇所のガイド用長孔24に上方から下向き貫通された支持柱41の雄ねじ下端を、当該天板38中央に貫通させ、下面がわから螺合させたナット37によって締め付け固定している。
該天板38の支持柱41前後であって雪止め板32,32間となる箇所には夫々、案内レール2の底面を、棟から軒方向に往復移動自在に案内可能な底面支持用の水平ローラー43,43を軸着し、また、同天板38の雪止め板32,32より棟がわとなる箇所および軒先がわとなる箇所の夫々に、案内レール2底面対応中央箇所に形成したガイド溝25,25に遊嵌可能な垂直ローラー44,44を立設し、案内レール2の案内方向に僅かな振幅で往復移動自在に保持可能とする緩衝機構4を形成したものとしている。また、当該支持金具3は既述のように、接地板31を二枚有するものとする外、図9中に示すように、接地板31を一枚だけ設け、天板38の棟がわ寄りに案内レール2ガイド溝25用の垂直ローラー44に、同軒先寄りに案内レール2底面支持用の水平ローラー43を夫々一個ずつ軸着したものや、必要に応じてさらに支持柱41および天面保持用の水平ローラー42,42を設けたものとし、設置スペースの狭い箇所にも対応できるものとすることが可能である。
このような支持金具3,3,……を、図1および図2中に示すよう、棟方向の所定巾間隔置き毎、棟から軒先がわに略一定の間隔を隔てて取り付け、図3ないし図9中に示すように、それら複数の支持金具3,3,……天板38,38,……の各底面支持用水平ローラー43,43,……上に各案内レール2,2,……を架け渡し状に搭載し、各案内レール2,2,……ガイド用長孔24,24,……の夫々に、上方から下向きに支持柱41,41,……を装着して、天板38,38,……の下面に露出する支持柱41下端の雄ネジ端にナット37を螺合させ、各案内レール2,2,……天面に、支持柱41,41,……上端の天面保持用水平ローラー42,42,……を当接させるように緊締したものとすると共に、垂直ローラー44,44,……を、各案内レール2,2,……底面に形成したガイド溝25,25,……に遊嵌状に組み込んで、各案内レール2,2,……を、建造物屋根9の片流れとなる屋根葺き材面91上の棟方向全長域に渡る範囲に、所定間隔置きとなる互いに平行な配置として棟から軒先に至るよう支持したものとする。
各案内レール2,2,……のガイド用長孔24,24,……ならびにガイド溝25,25,……は、左右側壁に形成された上下複数段の各レール対部21,21,……が形成されていない中央付近に形成してある。
各案内レール2,2,……の上下五段の各レール対部21,21,……には、夫々一枚ずつの単位除雪パネル5,5,……を摺動移動自在に装着したものとしており、各単位除雪パネル5,5,……は、図13および図14中に示すように、分解・組立てが可能な矩形平枠状であって各一辺の縦断面形が中央がわ向きに開口するコ字型としたパネル用枠51内に、アクリル樹脂製、ポリカーボネート樹脂製などの合成樹脂板か、ガラス繊維強化樹脂製、炭素繊維強化樹脂製などの複合樹脂板か、または、アルミニウム製、ステンレス製、亜鉛鍍金鋼板製などの金属板かの何れかからなる耐雪板52を一体的に組み合わせたものとし、該パネル用枠51の棟方向となる左右端縁には、その全長に渡る所定間隔置き毎の箇所夫々に、案内レール2レール対部21に遊嵌状に装着可能な寸法および形状に設定し、水平軸心周りに転動可能な滑車53,53,……を軸着したものとする。
単位除雪パネル5は、その横巾寸法を、隣接配置となる案内レール2,2間の対峙側面間距離に略一致するよう設定し、奥行き寸法を、図1中に示すように、案内レール2の格納用屋根部8から露出する棟寄りとなる箇所から軒先端までの長さBを五等分した寸法に、各単位除雪パネル5,5,……を建造物屋根9片流れとなる屋根葺き材面91上に展開させたときに、(図13および図14中に示す)下位となる単位除雪パネル5の上位側縁上面54(図5および図13中に示す)と、その直上配置となる単位除雪パネル5の下位側縁下面55との重なり部分を形成可能とする寸法を加算した寸法に設定したものであり、各単位除雪パネル5上位側縁全幅からは、約単位除雪パネル5一枚分の厚み寸法より若干短い係合片56を、連動構造とするよう、下向きに突設したものとし、少なくとも最下位の単位除雪パネル5には、図13および図14中に示すように、係合片56下先端の巾方向中央に、設置の際の棟方向に向けて突出した環状またはフック型の繋索環57を一体化したものとしている。
図1、図2および図9中に示すように、各案内レール2,2,……の棟寄りとなる端部に対峙する付近の建造物屋根9上には、棟方向全長域に渡り、棟に平行な軸心をもつ捲回軸61を軸着し、最下位単位除雪パネル5の繋索環57に一端を繋着した昇降索62の他端を、図2中に波線で示すよう捲回軸61の対応する周壁面に連結し、同図2中に示した昇降用モーター63を捲回源として建造物屋根9上に設置し、ベルト伝動によって昇降索62の巻取りおよび解放操作を遠隔操作可能とする昇降駆動機構6を形成したものであり、該昇降用モーター63または捲回軸61の少なくとも何れか一方には、回転停止状態のときに捲回軸61の回転を、自動的且つ強制的に制動、およびその制動状態を維持可能とする図示しない自動的制動装置を組み込んだものとしてある。
また、図2や図9中に示すように、各案内レール2,2,……の棟寄りとなる端部よりも棟に近い建造物屋根9上には、棟方向全長域に渡って棟に平行な軸心をもつクランク軸71が回転自在に軸着されたものとし、該クランク軸71の各案内レール2,2,……棟がわ端に対峙する中途各所に、U字型に折曲したクランク部72,72,……を形成すると共に、各クランク部72,72,……と、それらに対応する各案内レール2,2,……棟がわ端とを、適所にコイルスプリングを介在させた索条73,73,……によって連結し、該クランク軸71の中途適所に、ローターの軸を同心状に一体化させて設けた起振用モーター74を起振源とする起振機構7を形成したものとしている。
各クランク部72,72,……は、図2中に示すように、隣接するもの同士または隣接する複数個毎を、回転方向に例えば90度ずつずらして形成したり、または、180度ずつずらして形成したりするなどして起振用モーター74に加わる負荷を軽減可能なものとすることができる。
各案内レール2,2,……の棟がわ、および、捲回軸61,61、クランク軸71,71などが配された建造物屋根9棟上には、上昇移動して密に集合されている全ての単位除雪パネル5,5,……を、図15中に示すよう重畳状に縮小して収容可能とする如く、棟から軒方向の幅寸法を設定した格納用屋根部8を、図1中に示すように、建造物屋根9棟上に鞍跨り状に立設し、その両端妻がわには、支持金具3,3,……および案内レール2,2,……の棟方向両側端部に添ってこれを閉塞可能な高さ寸法とした破風81,81を立設、一体形成すると共に、同格納用屋根部8の中央上部には、越屋根型の小屋根82を形成し、その天面に格納用屋根部8内空間と外部とを繋ぐ複数の通風口83,83,……を上下(小屋根82肉厚方向に)貫通したものとしている。また、該通風口83,83,……は、図15中に示すように、小屋根82の下面を周り込み、外周縁に下向き開口するよう通風路を形成したものとすることが可能である。
各案内レール2,2,……を瓦棒葺き屋根9に設置する場合には、図17の瓦棒上に装着した案内レールの縦断面図、および、図18の瓦棒上に装着した案内レールの側面図中に示すように、屋根葺き材面91上に棟方向全長域に渡る範囲に、所定間隔置きとなる互いに平行な配置として形成された各瓦棒93,93,……上部はぜ巻き構造部(定着支持部分)92に、夫々の棟から軒に向かう方向であって、適宜寸法置き毎の複数箇所に夫々上方から装着し、棟方向両側から挟着可能な特注金具である各支持金具3,3,……、左右握着片39,39を、それら左右握着片39,39の瓦棒93より上がわに配置された部分に、棟方向から(肉厚方向に)貫通された一本または複数本のボルト34,34とナット37,37とによって着脱可能に固着し、それら同一の瓦棒93に沿って配列するよう仮固定された各支持金具3,3,……天面上に、案内レール2搭載用の長方形状天板38の中央付近を複数のネジ・ナット26,26,……によって一体に結合したものとなっている。
該支持金具3天板38の中央には、棒状体で、その上端に案内レール2天面保持用の水平ローラー42を有する支持柱41を立設し、その中途部が案内レール2の対応中央箇所のガイド用長孔24に貫通されたものとして、同下端の雄ねじ部分を、当該天板38中央に下向きに貫通させ、下面がわから螺合させたナット37によって締め付け固定している。
該天板38の支持柱41の棟方向前後には、夫々案内レール2の底面を棟から軒方向に往復移動自在に案内可能とするようにした底面支持用の水平ローラー43,43が軸着され、また、同天板38上の棟がわ端付近となる箇所および軒先がわ端付近となる箇所の夫々に、案内レール2底面対応中央箇所に形成したガイド溝25,25に遊嵌可能な垂直ローラー44,44を立設し、案内レール2の案内方向に僅かな振幅で往復移動自在に保持可能とする緩衝機構4を形成したものとし、また、支持金具3の棟から軒方向の中央付近であって天板38より下側となる左右側壁面には、夫々雪止め板32,32を一体化したものとしている。
このような支持金具3,3,……を用いて瓦棒葺き屋根9上に、案内レール2,2,……屋根用除雪装置1を設置する場合には、図17および図18中に示すよう、瓦棒93,93,……上部のはぜ巻き部92,92,……に、棟方向の所定巾間隔置き毎、棟から軒先がわに略一定の間隔を隔てて各支持金具3,3,……を取り付け、それら複数の支持金具3,3,……天板38,38,……の各底面支持用水平ローラー43,43,……上に各案内レール2,2,……を架け渡し状に搭載し、各案内レール2,2,……ガイド用長孔24,24,……の夫々に、上方から下向きに支持柱41,41,……を装着して、天板38,38,……の下面に露出する支持柱41下端の雄ネジ端にナット37を螺合させ、各案内レール2,2,……天面に、支持柱41,41,……上端の天面保持用水平ローラー42,42,……を当接させるように緊締したものにすると共に、垂直ローラー44,44,……を、各案内レール2,2,……底面に形成したガイド溝25,25,……に遊嵌状にして組み込むことにより、各案内レール2,2,……を、建造物屋根9の片流れとなる屋根葺き材面91上の棟方向全長域に渡る範囲に、所定間隔置きとなる互いに平行な配置として棟から軒先に至るよう固定したものとする。
(実施例の作用)
以上のとおりの構成からなる実施例1の屋根用除雪装置1は、既存の住宅または新築の何れにも簡単に設置することが可能であり、図1、図2、図4および図10などに示すよう、一文字葺き屋根9の棟から振り分け、片流れとなる屋根葺き材面91上で、その棟方向全長域に渡る範囲に、所定間隔置きとなり、棟から軒に向かう方向に適宜間隔置き毎に設けた支持金具3,3,……上に沿って、案内レール2,2,……を搭載するよう装着したものとし、当該屋根用除雪装置1を交換または撤去するときに、図4中に示す、各ボルト・ナット34,37を緩めることによって夫々の緊締片35を緩めて、各支持金具3,3,……および各案内レール2,2,……を簡単に取り外せ、また、各支持金具3,3,……に、図4および図11中に示すように、雪止め板32,32,……を一体化したものは、それらの支持構造を強化すると共に、その周辺に別途雪止め金具を設置する必要がなく、夫々を個別に設置する場合より、屋根8への重量負担を軽減できる。
当該実施例1の屋根用除雪装置1は、それを利用することによってこの発明に包含される屋根の除雪方法を実施可能とするものであり、以下ではその屋根の除雪方法による作業手順に従い、得られる作用について示すこととする。
予め、図15中に示すように、格納用屋根部8内に全ての単位除雪パネル5,5,……が重畳状に縮小して密に集合するよう収納された状態で降雪期を迎えたとき、利用者は屋内の適所か屋外地上の安全が確保された適所から、図2、図15および図16中に示す昇降駆動機構6捲回源である昇降用モーター63を正転または逆転の何れか展開操作となる一方に回転起動させると、各昇降索62,62,……に繋着された最下位の単位除雪パネル5,5,……を、建造物屋根9の片流れとなる屋根葺き材91面上の棟がわから軒がわに向けて降下移動させることとなる。
最下位の単位除雪パネル5,5,……が降下移動を開始すると、図16中に示すように、棟がわ端縁の係合片56,56,……で係合し、互いに重畳状に係止する直上以上の各単位除雪パネル5,5,……も、その下降移動に追従して格納用屋根部8内から降下して行き、図12ないし図14中に示すように、全ての単位除雪パネル5,5,……は、棟方向端縁に沿って複数個設けた滑車53,53,……の夫々が、対応する各レール対部21,21,……に沿って円滑に移動することとなる。
降下を開始した単位除雪パネル5,5,……は、図8中に斜線部分で示すように、先ず最上位(五段目)の単位除雪パネル5が、その軒先側端縁を、五段目のレール対部21軒先がわ端に設けた弾性部23,23に接触して自動的に制動することとなり、続いて、図7中に斜線部分で示すように、四段目の単位除雪パネル5が、その軒先側端縁を、四段目のレール対部21軒先がわ端の弾性部23,23に当接して自動的に制動し、図6の斜線部分に示すように、三段目の単位除雪パネル5が制動し、図5の斜線部分に示すように、二段目の単位除雪パネル5が、最後に、図4に斜線部分で示すよう最下位の単位除雪パネル5が順次自動的に停止することとなり、各弾性部23,23,……が単位除雪パネル5,5,……の衝突音および衝突による振動の発生を軽減し、より静粛な作動を実現したものとなる。
このように建造物屋根9片流れ上に展開された各単位除雪パネル5,5,……は、最上位の五段目単位除雪パネル5の棟側端が、図8中に示したように、格納用屋根部8内に配されたものとなり、それ以下の、各単位除雪パネル5,5,……が、図4ないし図8にも示したように、夫々の上位側縁上面54を、直上の単位除雪パネル5下位側縁下面55に一部重なり状となって上下方向の隙間を生じない状態に展開するものとなり、したがって、格納用屋根部8および直上単位除雪パネル5,5,……の各軒がわ端縁が、その直下単位除雪パネル5の棟がわ端縁上に覆い被さり、滑落する積雪や流れ下る雪解け水などが、格納用屋根部8および各単位除雪パネル5,5,……下面がわに回り込まないよう配置することとなる。
全単位除雪パネル5,5,……の展開操作を終えた屋根用除雪装置1は、降雪したときに各単位除雪パネル5,5,……上に積雪し、各単位除雪パネル5,5,……耐雪板52,52,……の低摩擦天面によって滑落状に排雪されると共に、各単位除雪パネル5,5,……と建造物屋根9との間に吹き込む季節風や強風によって自然発生する単位除雪パネル5,5,……の振動によって排雪が更に励起、助長され、また、水分の多い雪や、一部雪解けによる水分で滑落せずに積ってしまった雪の場合などには、利用者が屋内の適所か屋外地上の安全な適所から、図2中に示す起振機構7を自発的に起動操作し、起振源である起振用モーター74のクランク軸71およびその各クランク部72,72,……を回転駆動し、索条73,73,……に夫々連結してある案内レール2,2,……を、軒から棟方向に向けて往復するよう強制的に加振させ、各単位除雪パネル5,5,……に振動を加えて積雪の滑落を促し、効率的に落雪させるようにすることも可能である。
なお、この起振機構7は、利用者による起動操作だけでなく、屋根用除雪装置1または建造物屋根9あるいはそれらの近傍適所に設けた積雪センサーに連動し、自動的に起振可能とする自動制御装置を設けたものとしてもよい。
全ての案内レール2,2,……は、図1および図4中に示すように、最下位の単位除雪パネル5,5,……を、雨樋94上を超える位置まで誘導可能であり、落雪や落氷から雨樋94を保護することが可能であり、しかも各案内レール2,2,……軒先端同士を、補強用連結枠22で連結し耐久強度を高め、単位除雪パネル5,5,……の不用意な脱落を確実に防止することが可能である。
また、全ての案内レール2,2,……は、図4、図10および図11中に示すように、各支持金具3,3,……に設けた緩衝機構4の底面支持用水平ローラー43,43と、天面保持用水平ローラー42,42とによってレール2底面および天面を上下から挟持されると共に、同緩衝機構4の支持柱41および垂直ローラー44,44を、レール2ガイド用長孔24とガイド溝25,25との夫々に遊嵌して、各案内レール2,2,……の案内方向にのみレール2ガイド用長孔24ならびにガイド溝25,25の長さ範囲内で往復振動可能に支持したものとし、各単位除雪パネル5,5,……を確実に案内および支持可能とした上、起振機構7の組み込みを実現化したものとなっている。
降雪期が過ぎて積雪のない春を迎えたときには、図2中に示す、再び昇降駆動機構6捲回源である昇降用モーター63を、展開操作のときとは反対方向に回転起動させ、捲回軸61に各昇降索62,62,……を巻き取り、図4中に示すよう、最も軒先がわに展開している最下位単位除雪パネル5,5,……の繋索環57に繋着された昇降索62,62,……を牽引すると、棟に向かって上昇する最下位単位除雪パネル5,5,……の棟がわ端縁が、図5中に示す、二段目単位除雪パネル5,5,……の棟がわ端縁から垂下状に突設した係合片(連動構造)56に係合し、実質的に最下位単位除雪パネル5,5,……が、二段目単位除雪パネル5,5,……下に重畳状に潜り込み、レール対部21,21,……に沿って棟がわへ押し上げるようにして上昇移動するものとなる。
最下位および二段目の単位除雪パネル5,5,……が、重畳状となって上昇移動を続けると、二段目単位除雪パネル5,5,……の棟がわ端縁が、図6中に示す、三段目単位除雪パネル5,5,……の係合片56に係合して実質的に、最下位単位除雪パネル5,5,……が、二段目ならびに三段目の単位除雪パネル5,5,……を、レール対部21,21,……に沿って棟がわへ上昇移動させることとなり、さらに、三段目単位除雪パネル5,5,……の棟がわ端縁が、図7中に示す、四段目単位除雪パネル5,5,……の棟がわ端縁係合片56に係合し、続いて、四段目単位除雪パネル5,5,……の棟がわ端縁を、図8中に示す、最上位(五段目)単位除雪パネル5,5,……の棟がわ端縁係合片56に係合し、最下位単位除雪パネル5,5,……が、それ以外の全ての単位除雪パネル5,5,……を、図15および図16中に示すよう、格納用屋根部8内まで牽引することとなる。
全ての単位除雪パネル5,5,……の巻き上げを完了すると、各単位除雪パネル5,5,……の棟がわ端が、各案内レール2,2,……レール対部21,21,……の棟が末端に当接して強制的に停止し、捲回軸61と昇降用モーター63とを繋ぐベルトが空回りするので、利用者は全ての単位除雪パネル5,5,……を格納用屋根部8内に収容したら直ちに昇降用モーター63を停止させ、収納作業を完了させる必要がある。こうした難しい停止操作を補助するよう、単位除雪パネル5,5,……の展開状態および収納状態を表示可能なインジケーターやモニター装置を設けたり、昇降用モーター63に大きな負荷が加わったときに自動停止可能とするリミットセンサーやトルクセンサーなどを設けたものとすると好都合のものとなる。
このように格納用屋根部8内に隠蔽状に収容された単位除雪パネル5,5,……は、春、夏、秋に亘って太陽光の紫外線や熱線、あるいは台風などの荒天に曝され、早期に劣化してしまうのを防止し、また、図1、図2または図15に示したように、格納用屋根部8小屋根82の各通風口83,83,……を通じて内外の円滑な通気が促され、苔や黴の発生を防止し、降雪期が訪れたときには、前述のように再び、単位除雪パネル5,5,……を展開させるよう操作すれば良い。
当該屋根用除雪装置1を瓦棒葺き屋根9に設置する場合には、図17および図18に示した、支持金具3を複数個介在させることにより、瓦棒93に沿って案内レール2を取り付け可能とし、左右握着片39,39のボルト・ナット34,37を締め付けることによって簡単に取り付け可能であり、前述の一文字葺き屋根9用の支持金具3と同様に、起振機構7の組み込みを可能とする外、同ボルト・ナット34,37を緩めて迅速に撤去することができる。
(実施例の効果)
以上のような構成からなる実施例の屋根用除雪装置1は、前記この発明の効果の項で記載の特徴に加え、図4ないし図12中に示した、各支持金具3が、底面支持用水平ローラー43,43によって案内レール2の底面を支持し、天面保持用水平ローラー42,42によって案内レール2の天面を保持可能とし、支持柱41を案内レール2のガイド用長孔24に遊嵌させ、垂直ローラー44,44を夫々ガイド溝25,25に遊嵌して緩衝機構4を形成してあるから、図9中に示した、起振機構7の組み込みを実現化することができ、しかも起振機構7が発生する振動を、建造物屋根9に伝わるのを防止し、より静粛な振動の発生を可能とすることができるという特徴を得ることができる。
また、図4ないし図12中、ならびに、図17および図18中に示した各支持金具3は、何れもボルト・ナット34,37の使用によって一文字葺き屋根葺き材面91はぜ巻き部92、あるいは、瓦棒葺き屋根葺き材面91の瓦棒93はぜ巻き部92に着脱自在に取り付けることができ、新築および既存家屋の何れにも簡単に設置することができ、しかも屋根葺き材面91のメンテナンスや塗装、葺き替えなどを行う場合には、各案内レール2,2,……諸共全ての単位除雪パネル5,5,……を迅速に撤去することができ、再設置も容易であることから、長期に渡って経済的に利用することができるという実用的な効果を奏する。
各単位除雪パネル5,5,……は、図13中に示すように、パネル用枠51に耐雪板52を組み込んでなるものとし、積雪荷重や荒天に曝されるなどといった負担が大きくて老朽化し易い耐雪板52だけを定期的に交換するようにしさえすれば、装置全体の耐久寿命を大幅に延ばすこととなって長期に亘る利用を図ることができ、装置としても経済的に維持,管理できるものになるという利点が得られる。
(結 び)
叙述の如く、この発明の屋根用除雪装置、およびそれを利用した屋根の除雪方法は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造ならびに設置も容易である上、自然の風力と、場合によっては積極的に起振機構とを利用して落雪を励起,助長するようにしてあり、従前からの屋根用除雪手段に比較して遥かに合理的で効果的な除雪を経済的に実施可能なものとすることができる上、降雪期以外における収納、保管にも配慮してその作業性だけではなく、装置自体の耐久性についても大幅に改善されたものとなることから、毎年のように危険な雪下ろし作業に追われる降雪地域の住民は勿論のこと、より安全な除雪技術の実現化を目指す建築業界においても高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
図面は、この発明の屋根用除雪装置の技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すものである。
建造物屋根に設置した屋根用除雪装置を示す斜視図である。 屋根用除雪装置の一部を拡大して示す斜視図である。 建造物屋根に設置した屋根用除雪装置を示す側面図である。 展開された最下位単位除雪パネルを斜線で示す側面図である。 展開された二段目単位除雪パネルを斜線で示す側面図である。 展開された三段目単位除雪パネルを斜線で示す側面図である。 展開された四段目単位除雪パネルを斜線で示す側面図である。 展開された最上位単位除雪パネルを斜線で示す側面図である。 案内レール棟がわ端周辺を拡大して示す側面図である。 支持金具上に搭載した案内レールを示す斜視図である。 支持金具を示す斜視図である。 案内レールを縦断面化して示す正面図である。 単位除雪パネル5を示す平面図である。 単位除雪パネル5を示す側面図である。 格納用屋根部に収容した単位除雪パネルを示す 単位除雪パネルを収容する昇降駆動機構を示す側面図である。 瓦棒用の支持金具の設置状態を縦断面化して示す正面図である。 瓦棒用の支持金具の設置状態を示す側面図である。
符号の説明
1 屋根用除雪装置
2 案内レール
21 同 レール対部
22 同 補強用連結枠
23 同 弾性部
24 同 ガイド用長孔
25 同 ガイド溝
3 支持金具
31 同 接地板
32 同 雪止め板
33 同 先端縁
34 同 ボルト
35 同 緊締片
36 同 取着孔
37 同 ナット
38 同 天板
39 同 握着片
4 緩衝機構
41 同 支持柱
42 同 天面保持用水平ローラー
43 同 底面支持用水平ローラー
44 同 垂直ローラー
5 単位除雪パネル
51 同 パネル用枠
52 同 耐雪板
53 同 滑車
54 同 上位側縁上面
55 同 下位側縁下面
56 同 係合片(連動構造)
57 同 繋索環
6 昇降駆動機構
61 同 捲回軸
62 同 昇降索
63 同 昇降用モーター(捲回源)
7 起振機構
71 同 クランク軸
72 同 クランク部
73 同 索条(または連結棒)
74 同 起振用モーター(起振源)
8 格納用屋根部
81 同 破風
82 同 小屋根
83 同 通風口
9 建造物屋根
91 同 片流れとなる屋根葺き材面
92 同 はぜ巻き部
93 同 瓦棒
94 同 雨樋
A 同 格納用屋根部8を設置する範囲寸法
B 同 棟から軒先方向の全長から寸法Aを除いた長さ

Claims (12)

  1. 建造物屋根の棟から振り分け、片流れとなる屋根葺き材面上で、その棟方向全長域に渡る範囲に、所定間隔置きとなる互いに平行な配置として棟から軒先に至り、両側面が夫々上下複数段のレール対部に形成された案内レールを、当該屋根葺き材面上に取着、配設したものとなし、それら隣り合う案内レール相互における対峙側面のレール対部で、最上位がわのレール対部同士から、順次最下位がわのレール対部同士までの夫々対応するレール対部間に、棟から軒先に至る範囲を覆い尽くせるだけの大きさになるよう、レール対部の上下段数に相当する枚数に規制して分割形成した単位除雪パネルを摺動自在に嵌合、横架状にすると共に、上位がわのレール対部間に嵌合、摺動するようにした単位除雪パネルとその直下のレール対部間に嵌合、摺動するようにした単位除雪パネルとは、該下位がわ単位除雪パネルの軒先方向下降摺動時には、その上位側縁上面を直上の単位除雪パネル下位側縁下面に一部重なり状にしたままの下降摺動可能となるよう、レール対部の上下段で夫々上下となる単位除雪パネル相互を何れも連動構造に規制、形成してなるものとしたことを特徴とする屋根用除雪装置。
  2. 建造物屋根の棟から振り分け、片流れとなる屋根葺き材面上で、その棟方向全長域に渡る範囲に、所定間隔置きとなる互いに平行な配置として棟から軒先に至り、両側面が夫々上下複数段のレール対部に形成された案内レールを、当該屋根葺き材面上に取着、配設したものとなし、それら隣り合う案内レール相互における対峙側面のレール対部で、最上位がわのレール対部同士から、順次最下位がわのレール対部同士までの夫々対応するレール対部間に、棟から軒先に至る範囲を覆い尽くせるだけの大きさになるよう、レール対部の上下段数に相当する枚数に規制して分割形成した単位除雪パネルを摺動自在に嵌合、横架状にすると共に、上位がわのレール対部間に嵌合、摺動するようにした単位除雪パネルとその直下のレール対部間に嵌合、摺動するようにした単位除雪パネルとは、該下位がわ単位除雪パネルの軒先方向下降摺動時には、その上位側縁上面を直上の単位除雪パネル下位側縁下面に一部重なり状にしたままの下降摺動可能となるよう、レール対部の上下段で夫々上下となる単位除雪パネル相互を何れも連動構造に規制、形成し、降雪時には当該屋根葺き材面全体に渡って下り段差面状に連続展開して同片流れの屋根葺き材面上を覆い尽くし、降雪時以外は棟がわで重畳状に縮小可能としてなるものとしたことを特徴とする屋根用除雪装置。
  3. 建造物屋根の棟から振り分け、片流れとなる屋根葺き材面上で、その棟方向全長域に渡る範囲に、所定間隔置きとなる互いに平行な配置として棟から軒先に至り、両側面が夫々上下複数段のレール対部に形成された案内レールを、当該屋根葺き材面上に取着、配設したものとなし、それら隣り合う案内レール相互における対峙側面のレール対部で、最上位がわのレール対部同士から、順次最下位がわのレール対部同士までの夫々対応するレール対部間に、棟から軒先に至る範囲を覆い尽くせるだけの大きさになるよう、レール対部の上下段数に相当する枚数に規制して分割形成した単位除雪パネルを摺動自在に嵌合、横架状にすると共に、上位がわのレール対部間に嵌合、摺動するようにした単位除雪パネルとその直下のレール対部間に嵌合、摺動するようにした単位除雪パネルとは、該下位がわ単位除雪パネルの軒先方向下降摺動時には、その上位側縁上面を直上の単位除雪パネル下位側縁下面に一部重なり状にしたままの下降摺動可能とし、当該下位がわ単位除雪パネルの棟方向上昇摺動時には、同下位がわ単位除雪パネル全体が直上の単位除雪パネル下面に略没入状となって共に棟がわまで摺動するよう、レール対部の上下段で夫々上下となる単位除雪パネル相互を何れも連動構造に規制、形成してなるものとしたことを特徴とする屋根用除雪装置。
  4. 単位除雪パネルは、少なくとも最も上位となる各レール対部間に摺動自在に装着し、全ての単位除雪パネルを棟がわで重畳状に縮小させた場合に、最上位に位置して天面露出状の配置となる各単位除雪パネルが、屋根葺き材と同等またはそれ以上の耐久強度を有する素材からなるものとした、請求項1ないし3何れか一項記載の屋根用除雪装置。
  5. 全てのレール対部を跨ぐ棟がわには、レール対部の上下段で夫々上下となる単位除雪パネル全てを上下に重畳状に縮小した状態で収容可能な格納用屋根部が形成されてなるものとした、請求項1ないし3何れか一項記載の屋根用除雪装置。
  6. 単位除雪パネルを下降摺動、または下降および上昇摺動するための連動構造は、昇降駆動機構の組み込みによって作動するようにした、請求項1ないし5何れか一項記載の屋根用除雪装置。
  7. 全ての案内レールは、その軸芯に沿う方向の往復振動を許容可能な緩衝機構が組み込まれた複数の支持金具を介して設置し、各案内レールにその軸芯に沿う方向での往復振動を加える起振機構が設けられてなるものとした、請求項1ないし6何れか一項記載の屋根用除雪装置。
  8. 全ての案内レールは、その軸芯に沿う方向の往復振動のみ許容する緩衝機構が組み込まれた複数の支持金具を介して設置したものとする一方、棟付近には、棟方向に平行な棒状であって、各案内レールの棟がわ端に対峙する各中途部および/または端部が、U字型および/またはL字型のクランク部に折曲形成したクランク軸を回転自在に軸着すると共に、各クランク部と、それらに対応する各案内レール棟がわ端とを、夫々弾性的に繋着可能な索条もしくは連結棒で連結して起振機構を形成し、該起振機構適所には、該クランク軸回転駆動用の起振源が設けられてなるものとした、請求項1ないし6何れか一項記載の屋根用除雪装置。
  9. 連動構造は、全ての単位除雪パネルか、または、最も軒先がわに展開する最下位単位除雪パネル以外の全ての単位除雪パネルかの何れかの単位除雪パネルであって、相互関係で夫々上位がわとなる単位除雪パネルの各軒先がわ端縁から、それらの夫々直下に位置することとなる単位除雪パネルの棟がわ配置の端縁に係合可能となる係合片を延伸形成してなるものとした、請求項1ないし8何れか一項記載の屋根用除雪装置。
  10. 昇降駆動機構は、最も軒先がわに展開する最下位単位除雪パネルの適所に一端を繋着した各昇降索の他端を、当該棟付近に棟方向に平行状に軸支した捲回軸の対応する周壁に繋着し、該捲回軸の巻き取りおよび解放動作可能とするよう正逆転駆動制御可能とする捲回源が設けられてなるものとした、請求項6記載の屋根用除雪装置。
  11. 案内レールは、上下複数段の各案内レールの軒がわ配置となる下端が、最下位から最上位のものとなる順に、軒先がわから棟がわに各単位除雪パネルの摺動範囲毎、階段状の配置となるよう形成し、それら各レール対部の各単位除雪パネル下端左右縁が展開の場合に接触する各下端内部に、緩衝用の弾性部が添設されてなるものとした、請求項1ないし10何れか一項記載の屋根用除雪装置。
  12. 降雪期には、各上位がわのレール対部間に嵌合、摺動するようにした単位除雪パネルと、その直下の各レール対部間に嵌合、摺動するようにした単位除雪パネルとが、下位がわ単位除雪パネルの上位側縁上面を、直上の単位除雪パネル下位側縁下面に一部重なり状にするよう順次展開状に降下移動させ、片流れとなる建造物屋根の屋根葺き材面上の略全体を覆い、各単位除雪パネル下に吹き込む風による振動か、または起振機構を有する場合には、その起振源が発する振動を各案内レールに伝播させか、少なくともそれら何れか一方の振動を利用して各単位除雪パネル上に降り積もる雪を、自動的に滑落可能とするよう配置させ、降雪期間が終われば、各単位除雪パネルを、それら相互の連動構造により、展開とは逆の軒先がわから棟にかけて順次重積状に上昇移動させて棟直近に重積したまま保管、待機状とするか、格納用屋根部を有する場合には、同格納用屋根部内まで誘導して保管、待機状とするかして次の降雪期まで経過させ、少なくとも最上位の単位除雪パネルを除く単位除雪パネルの劣化を防止するようにした、請求項1ないし11何れか一項記載の屋根用除雪装置を利用した屋根の除雪方法。
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