JP2009007436A - ゴム組成物、クリンチおよびタイヤ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】タイヤのクリンチを形成するためのゴム組成物であって、天然ゴムおよびエポキシ化天然ゴムの少なくとも一方を含有するゴム成分を含むとともに、ゴム成分100質量部に対して60質量部以上のシリカと2質量部以上10質量部以下のステアリン酸カルシウムとを含むゴム組成物、そのゴム組成物を用いて形成されたクリンチおよびタイヤである。
【選択図】図1
Description
ルシウムとを含むゴム組成物である。
さらに、本発明は、上記のクリンチを用いて製造されたタイヤである。
本発明においては、ゴム成分として、天然ゴム若しくはエポキシ化天然ゴムのいずれか一方のゴム、または天然ゴムおよびエポキシ化天然ゴムの双方を混合した混合ゴム等が用いられる。このように、ゴム成分として、天然ゴムおよびエポキシ化天然ゴムの少なくとも一方を含有するゴム成分を用いることによって、石油資源に由来する成分の使用量を低減することができる。
ie Berhadから販売されているエポキシ化率が25%のENR25やエポキシ化率が50%のENR50等を用いることができる。
本発明のゴム組成物には、上記のゴム成分100質量部に対してシリカが60質量部以上含まれる。このような構成とすることによって、充填剤としてのカーボンブラックの使用量を低減することができるため、石油資源に由来する成分の使用量を低減することができるとともに、シリカによる十分な補強効果を得ることができる。なお、シリカとしては、従来から公知のものを用いることができ、たとえば、無水シリカおよび/または含水シリカ等を用いることができる。
また、本発明においては、上記のゴム成分100質量部に対して2質量部以上10質量部以下のステアリン酸カルシウムが含まれる。上記のように本発明においては、上記のゴム成分100質量部に対して充填剤としてシリカを60質量部以上含有させるため、未加硫時における加工性が悪化するが、ステアリン酸カルシウムを上記のゴム成分100質量部に対して2質量部以上10質量部以下含有させることによって、このような未加硫時の加工性を良好なものとすることができ、また、加硫後においては高耐磨耗性および高強度を兼ね備えたゴムとすることができる。なお、ステアリン酸カルシウムとしては、従来から公知のものを用いることができる。
本発明のゴム組成物は、石油資源に由来する従来から公知のカーボンブラックを含んでいてもよいが、石油資源に由来する成分の使用量を低減する観点からは、上記のゴム成分100質量部に対してカーボンブラックの含有量は25質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましく、全く含まれていないことが最も好ましい。
また、本発明のタイヤ用ゴム組成物には、シランカップリング剤が含まれることが好ましい。ここで、シランカップリング剤としては、従来から公知のものを用いることができ、たとえば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリメトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド等のスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン等のメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等のグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシラン等のニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシラン等のクロロ系が挙げられる。なお、上記のシランカップリング剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物には、上記の成分以外にも、たとえば、タイヤ工業において一般的に用いられているオイル、ワックス、老化防止剤、ステアリン酸、酸化亜鉛、硫黄または加硫促進剤等の各種成分が適宜配合されていてもよい。
アミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド−アミン系またはアルデヒド−アンモニア系、イミダゾリン系、もしくは、キサンテート系加硫促進剤のうち少なくとも一つを含有するもの等を用いることができる。スルフェンアミド系としては、たとえばCBS(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)、TBBS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドなどのスルフェンアミド系化合物等を使用することができる。チアゾール系としては、たとえばMBT(2−メルカプトベンゾチアゾール)、MBTS(ジベンゾチアジルジスルフィド)、2−メルカプトベンゾチアゾールのナトリウム塩、亜鉛塩、銅塩、シクロヘキシルアミン塩、2−(2,4−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエチル−4−モルホリノチオ)ベンゾチアゾール等のチアゾール系化合物を用いることができる。チウラム系としては、たとえばTMTD(テトラメチルチウラムジスルフィド)、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、ジペンタメチレンチウラムヘキサスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム系化合物を用いることができる。チオウレア系としては、たとえばチアカルバミド、ジエチルチオ尿素、ジブチルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、ジオルトトリルチオ尿素などのチオ尿素化合物などを使用することができる。グアニジン系としては、たとえばジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、トリフェニルグアニジン、オルトトリルビグアニド、ジフェニルグアニジンフタレート等のグアニジン系化合物を用いることができる。ジチオカルバミン酸系としては、たとえばエチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジアミルジチオカルバミン酸亜鉛、ジプロピルジチオカルバミン酸亜鉛、ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛とピペリジンの錯塩、ヘキサデシル(またはオクタデシル)イソプロピルジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペリジン、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジエチルジチオカルバミン酸テルル、ジアミルジチオカルバミン酸カドミウム等のジチオカルバミン酸系化合物を用いることができる。アルデヒド−アミン系またはアルデヒド−アンモニア系としては、たとえばアセトアルデヒド−アニリン反応物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒド−アンモニア反応物等のアルデヒド−アミン系またはアルデヒド−アンモニア系化合物等を用いることができる。イミダゾリン系としては、たとえば2−メルカプトイミダゾリン等のイミダゾリン系化合物等を用いることができる。キサンテート系としては、たとえばジブチルキサントゲン酸亜鉛などのキサンテート系化合物等を用いることができる。これらの加硫促進剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記の本発明のゴム組成物は、未加硫の状態で押出し加工等により所定の形状に加工されて、クリンチが形成される。そして、このようにして形成されたクリンチを含むそれぞれのタイヤ部材を所定の位置に配置すること等によってグリーンタイヤを作製し、その後、グリーンタイヤの各部材を構成するゴム組成物を加硫すること等によって、本発明のタイヤが製造される。
方端に位置するビードコア5とを備える。また、ビードコア5,5間にはプライ6が架け渡されるとともに、このプライ6の外側かつトレッド2の内側にはタガ効果を有してトレッド2を補強するベルト7が設置されている。
表1に示す配合に従って、硫黄および加硫促進剤以外の成分をバンバリーミキサーを用いて、150℃で6分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄および加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃で5分間混練りして、実施例1〜3および比較例1〜3の未加硫ゴム組成物を得た。なお、表1の成分の欄に示されている数値は、ゴム成分を100質量部としたときの各成分の配合量が質量部で表わされている。
(注2)エポキシ化天然ゴム:Malaysian Rubber Board社製(エポキシ化率:25モル%)
(注3)ステアリン酸カルシウム:日本油脂(株)製のステアリン酸カルシウムGF−200
(注4)カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイアブラックI
(注5)シリカ:デグサ社製のウルトラジルVN3
(注6)シランカップリング剤:デグサ社製のSi266
(注7)ワックス:日本精蝋(株)製のオゾエース0355
(注8)老化防止剤:フレキシス社製のサントフレックス6PPD
(注9)ステアリン酸:日本油脂(株)製のビーズステアリン酸 椿
(注10)酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
(注11)硫黄:四国化成工業(株)製のミュークロンOT−20
(注12)加硫促進剤NS:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS−G
<押出し加工性>
上記のようにして得られた実施例1〜3および比較例1〜3のそれぞれ未加硫ゴム組成物について、ラボ押出し機にて押し出してゴムシートを得た。そして、得られたそれぞれのゴムシートの生地の形状を目視にて確認した。その結果を表1に示す。
上記のようにして得られた実施例1〜3および比較例1〜3の未加硫ゴム組成物をそれぞれ150℃で30分間加硫することによって、実施例1〜3および比較例1〜3のそれぞれの加硫ゴムシートを得た。
ピコ磨耗指数=100×{実施例1〜3および比較例1〜3のそれぞれの重量変化}/{実施例1の重量変化} …(1)
<ゴム強度>
上記のようにして得られた実施例1〜3および比較例1〜3の加硫ゴムシートから3号ダンベル型試験片を作製し、JIS−K6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準じて引張試験を実施し、試験片の破断強度(TB)および破断時伸び(EB)を測定し、下記の式(2)により、ゴム強度指数を算出して、ゴム強度の評価を行なった。その結果を表1に示す。なお、表1のゴム強度の欄の数値が大きいほどゴム強度が高いことを示す。
ゴム強度指数=100×{実施例1〜3および比較例1〜3のそれぞれの(TB×EB)}/{比較例1の(TB×EB)} …(2)
<評価>
表1に示す結果から明らかなように、ゴム成分100質量部に対してシリカを60質量部含むとともに、ステアリン酸カルシウムを2質量部以上10質量部以下含む実施例1〜3の未加硫ゴム組成物は、押出し加工性が良好であり、加硫後においては耐高シビアリティー磨耗性およびゴム強度が高くなる結果となった。
量部に対して15質量部も含まれているため、ゴム強度が低下する傾向にあった。
プライ、7 ベルト、8 ビードエイペックス、9 インナーライナー。
Claims (6)
- タイヤのクリンチを形成するためのゴム組成物であって、
天然ゴムおよびエポキシ化天然ゴムの少なくとも一方を含有するゴム成分を含むとともに、
前記ゴム成分100質量部に対して、60質量部以上のシリカと、2質量部以上10質量部以下のステアリン酸カルシウムと、を含む、ゴム組成物。 - 前記ゴム成分100質量部に対するカーボンブラックの含有量が25質量部以下であることを特徴とする、請求項1に記載のゴム組成物。
- 前記ゴム成分が天然ゴムとエポキシ化天然ゴムとを含有し、前記エポキシ化天然ゴムのエポキシ含有量が前記ゴム成分全体の5質量%以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載のゴム組成物。
- 前記ゴム成分が天然ゴムとエポキシ化天然ゴムとを含有し、前記エポキシ化天然ゴムのエポキシ含有量が前記ゴム成分全体の65質量%以下であることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載のゴム組成物。
- 請求項1から4のいずれかに記載のゴム組成物から形成された、クリンチ。
- 請求項5に記載のクリンチを用いて製造された、タイヤ。
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