JP2009007262A - ビスホスホネート製剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ビスホスホネート化合物、液体担体及びゲル化剤を含有する、ビスホスホネート化合物を液体担体に分散してなるゲル剤、ビスホスホネート化合物を液体担体に分散してなるシロップ剤、及びビスホスホネート化合物を油性基剤または水性基剤に分散してなるカプセル充填用組成物。
【選択図】なし
Description
ビスホスホネート化合物は、破骨細胞性骨吸収阻害薬としての作用を有することが知られており、種々の骨吸収異常を伴う疾病の予防または治療に使用されている。
本発明者は、上記の課題を解決すべく、種々の剤形の製剤を提供するために鋭意研究した結果、分散性、安定性及び吸収性に優れたゲル剤、シロップ剤、カプセル充填用組成物の形態のビスホスホネート化合物製剤を開発することに成功した。
(1)ビスホスホネート化合物、液体担体及びゲル化剤を含有する、ビスホスホネート化合物を液体担体に分散してなるゲル剤。
(9)ビスホスホネート化合物を液体担体に分散してなるシロップ剤。
(10)ビスホスホネート化合物を油性基剤及び/または水性基剤に分散してなるカプセル充填用組成物。
ビスホスホネート化合物の例としては、アレンドロン酸ナトリウム、アレンドロン酸カリウム等のアレンドロン酸塩、イバンドロネート、ミノドロネート、パミドロネート、リセドロネート、ゾレドロネート等が挙げられる。
本発明のビスホスホネート製剤は、患者の症状、年齢、投与回数等によるが、ビスホスホネート化合物の量として患者の体重あたり0.0001〜100mg/kg、好ましくは0.0005〜20mg/kgの量で投与される。
投与回数は、例えば1日1〜5回、または2〜10日に1回である。
本発明は、ビスホスホネート化合物を基剤に分散してなるゲル剤に関する。
該基剤は、好ましくは、液体の担体及びゲル化剤を含有する。さらに好ましくは、該基剤は液体の担体、ゲル化剤及び可塑剤を含有する。また、該基剤は、さらに、増粘剤を含有していてもよい。
液体の担体は、好ましくは水である。
ゲル化剤は、例えば寒天、カラギーナン、アルギン酸塩、ペクチン、セルロース、グルコマンナン、ゼラチン、マンナン、グルコマンナン、アラビアガム、トラガントガム、タマリンドガム、修飾デンプン系高分子、デキストリン、大豆タンパク質、ゼラチン、コラーゲン、卵白アルブミン、カゼイン、フィブリン、エラスチン、ケラチン、キトサン、カードラン、ジェランガム、キサンタンガム、ヒアルロン酸等が挙げられる。好ましくはκ−カラギーナン、ι−カラギーナンである。
増粘剤としては、例えばローカストビーンガム、アラビアゴム、トラガント、デキストリン、デキストラン、アラビノガラクタン、プルラン、カルメロースナトリウム、ヒドロプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、コポリドン、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマーが挙げられる。
本発明のシロップ剤は、ビスホスホネート化合物を液体担体に分散させることにより製造することができる。
液体担体は、好ましくは水である。
本発明は、ビスホスホネート化合物を油性または水性基剤に分散してなるカプセル充填用組成物、並びに該組成物を充填したカプセル剤に関する。
カプセル剤は硬カプセル剤でも軟カプセル剤でもよい。本発明において、軟カプセル剤には、シームレスカプセルも含まれる。
本発明のカプセル充填用組成物は、好ましくはビスホスホネート化合物、油性基剤及び非イオン性界面活性剤を含む。本発明のカプセル充填用組成物は、さらに乳化剤を含有していてもよい。
この場合、使用する成分及びその量を変化させることにより、胃中でのビスホスホネート化合物の溶出速度を調節することができる。
さらに、本発明のカプセル充填用組成物は、医薬品の添加剤として許容され得る成分を含有し得る。そのような成分としては、安定化剤、保水剤、分散剤、防腐剤(パラベン等)、pH調整剤(クエン酸、クエン酸ナトリウム、塩化ナトリウム等)、矯味剤(アスパルテーム等)、酸化防止剤(アスコルビン酸、ビタミンE等)、香料、ビタミン類が挙げられる。
下記の表1に示す組成の成分を混合し、溶解するまで加温撹拌し、ゲル剤を製造した。アレンドロン酸ナトリウムは基剤に溶解した。
実施例1〜5のゲル剤を直径40mmの容器に高さ15mmに充填し、直線運動により物質の圧縮応力を測定することが可能な装置を用いて、直径20mmプランジャーを用い、圧縮速度10mm/秒、クリアランス5mmで測定した。測定は20℃±2℃で行った。
結果を下記の表2に示す。
直径25mmパラレルプレートを用いて10%変形時の試料の周波数依存性を測定した。測定は35℃±1℃で行った。貯蔵弾性率G’及び損失弾性率G”の結果を図1〜5のグラフに示す。
グラフより明らかなように、実施例1〜5のゲル剤は、いずれもゲル剤として適切な物性値を示した。
アレンドロ酸ナトリウム5重量部、精製水750重量部、クエン酸0.5重量部、クエン酸ナトリウム0.3重量部、アスパルテーム1重量部、エチルパラベン0.01重量部、D−ソルビトール10重量部を混合し、溶解するまで撹拌し、シロップ剤を製造した。
下記の表3に示す組成の成分を混合し、1000〜3000rpmのホモジナイザーで15〜120分間、60〜80℃の温度で攪拌し、15〜25℃の温度で攪拌冷却することによりカプセル充填用組成物を製造した。
下記の表4に示す組成の成分を混合し、1000〜3000rpmのホモジナイザーで15〜120分間、60〜80℃の温度で撹拌し、15〜25℃に攪拌冷却することによりカプセル充填用組成物を製造した。
下記の表5に示す組成の成分を混合し、1000〜3000rpmのホモジナイザーで15〜120分間、60〜80℃の温度で撹拌し、15〜25℃に攪拌冷却することによりカプセル充填用組成物を製造した。
下記の表6に示す組成の成分を混合し、1000〜3000rpmのホモジナイザーで15〜120分間、60〜80℃の温度で撹拌し、15〜25℃に攪拌冷却することによりカプセル充填用組成物を製造した。
下記の表7に示す組成の成分を混合し、1000〜3000rpmのホモジナイザーで15〜120分間、60〜80℃の温度で撹拌し、15〜25℃に攪拌冷却することによりカプセル充填用組成物を製造した。
下記の表8に示す組成の成分を混合し、1000〜3000rpmのホモジナイザーで15〜120分間、60〜80℃の温度で撹拌し、15〜25℃に冷却することによりカプセル充填用組成物を製造した。
実施例7〜11のカプセル充填用組成物について、6ベッセルにつき溶出試験を実施した。結果を図6のグラフに示す。
グラフに示されるように、本発明のカプセル充填用組成物は、多様な溶出プロファイルを示した。
Claims (22)
- ビスホスホネート化合物、液体担体及びゲル化剤を含有する、ビスホスホネート化合物を液体担体に分散してなるゲル剤。
- さらに可塑剤を含有することを特徴とする請求項1記載のゲル剤。
- 破断強度が、5.0×102N/m2〜5.0×104N/m2であることを特徴とする請求項1または2記載のゲル製剤。
- 貯蔵弾性率が周波数0.01〜10Hzの範囲において10Pa〜1.0×104Paであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のゲル剤。
- 損失弾性率が周波数0.01〜10Hzの範囲において1.0Pa〜1.0×104Paであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のゲル剤。
- 前記ビスホスホネート化合物5重量部に対し、前記ゲル化剤1〜200重量部、前記可塑剤1〜1000重量部及び精製水1〜5000重量部を含有する請求項2〜5のいずれか1項に記載のゲル剤。
- 前記ゲル化剤が、ι−カラギーナン及び/またはκ−カラギーナンであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のゲル剤。
- 前記可塑剤がD−ソルビトールであることを特徴とする請求項2〜7のいずれか1項に記載のゲル剤。
- ビスホスホネート化合物を液体担体に分散してなるシロップ剤。
- ビスホスホネート化合物を油性基剤及び/または水性基剤に分散してなるカプセル充填用組成物。
- ビスホスホネート化合物、油性基剤及び非イオン性界面活性剤を含有する請求項10記載のカプセル充填用組成物。
- さらに乳化剤を含有する請求項11記載のカプセル充填用組成物。
- 前記非イオン性界面活性剤がHLB8以上の界面活性剤である請求項11または12記載のカプセル充填用組成物。
- 前記非イオン性界面活性剤がポリオキシエチレンヒマシ油、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及びポリソルベートからなる群より選択される界面活性剤、またはそれらの2種またはそれ以上の混合物であることを特徴とする請求項11〜13のいずれか1項に記載のカプセル充填用組成物。
- 前記非イオン性界面活性剤をビスホスホネート化合物5重量部に対して10〜200重量部の量で含有することを特徴とする請求項11〜14のいずれか1項に記載のカプセル充填用組成物。
- 前記油性基剤が植物油及び/または合成油である請求項11〜15のいずれか1項に記載のカプセル充填用組成物。
- 前記油性基剤が中鎖脂肪酸トリグリセリド及び/またはプロピレングリコール脂肪酸エステルである請求項11〜15のいずれか1項に記載のカプセル充填用組成物。
- 前記油性基剤をビスホスホネート化合物5重量部に対して10〜200重量部の量で含有することを特徴とする請求項11〜17のいずれか1項に記載のカプセル充填用組成物。
- 前記乳化剤がミツロウ、グリセリン脂肪酸モノエステルまたはそれらの2種またはそれ以上の混合物であることを特徴とする請求項12〜18のいずれか1項に記載のいずれか1項に記載のカプセル充填用組成物。
- 前記乳化剤をビスホスホネート化合物5重量部に対して1〜30重量部含有することを特徴とする請求項12〜19のいずれか1項に記載のカプセル充填用組成物。
- 前記ビスホスホネート化合物がアレンドロン酸塩であることを特徴とする請求項10〜20のいずれか1項に記載のカプセル充填用組成物。
- 請求項10〜21のカプセル充填用組成物を充填した硬カプセル剤または軟カプセル剤。
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