JP5508311B2 - 低水溶性薬物とともに使用することによく適した圧縮固体状投与形態の製造方法およびそれにより製造された圧縮固体状投与形態 - Google Patents

低水溶性薬物とともに使用することによく適した圧縮固体状投与形態の製造方法およびそれにより製造された圧縮固体状投与形態 Download PDF

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発明の分野
本発明は、圧縮固体状投与形態の製造方法および前記方法により製造された固体状投与形態、例えば、錠剤およびカプレットに関する。さらに詳しくは、本発明は、低水溶性薬物のための錠剤化製造方法およびそれにより製造された錠剤に関する。
発明の背景
固体状投与形態を経口的に摂取するとき、多くの場合において、薬物が治療効果を発揮できる前に、薬物は、例えば患者の胃中の、水性胃腸液中に溶解しなくてはならない。圧縮経口投与形態、例えば、錠剤およびカプレット (すなわち、カプセル形錠剤) の使用に伴って再発する問題は、投与形態からのある薬物の溶解速度が薬物の生物学的有効性を制限することである。この問題は、多数の薬物が水性流体中で低い溶解度を有する小さい有機分子という事実から生ずる。低溶解性薬物の溶解度の問題を扱ういくつかの方法が存在する。
例えば、薬物それ自体を変性することができる。薬物の溶解速度を最適化する種々の技術により、薬物の物理的形態を操作することができる。これらの技術のうちで、本発明が最も関係する1つは粒度の減少である。固体の溶解速度は溶解媒質に暴露される表面積に依存することがしばしばあり、所定質量の物質の表面積は一般に物質の粒度に逆比例するので、粉末状または粒状物質の粒度の減少はその溶解速度を増加させる。
粒度の減少が有効である場合、それは溶解媒質に暴露される表面積を増加させることによって粒状固体の溶解速度を増加させる。しかしながら、圧縮固体状投与形態からの薬物の溶解速度を増加させるとき、粒度の減少は常に有効であるわけではない。多数の疎水性薬物は、投与形態の製造プロセス間に凝集して有効表面積が全体的に減少した大きい粒子になる、強い傾向を有する。「有効表面積」 の概念および溶解に対する粒度の効果は、下記の文献により完全に論じられている: Remington: The Science and Practice of Pharmacy 第20版、656、657 (A. R. Gennaro編、Lippincott Williams & Wilkins: Philadelphia 2000) 、これは引用することによって本明細書の一部分とされる。微細粒度に見かけ上微粉砕された薬物は、時には、凝集または同様な効果のために、より大きい粒子の溶解特性を表示するであろう。
圧縮固体状投与形態を製造する3つのよく知られている方法が存在する: 湿式粒状化法、二重圧縮法 (また、乾式粒状化法として知られている) および直接圧縮法。これらの方法の各々において、薬物の微細粒子のより大きい低速溶解性粒子への凝集を促進することがある、ブレンド工程が存在する。
湿式粒状化法において、前もって秤量した薬物および1種または2種以上の他の成分、例えば、希釈剤をブレンドする。次いで、このブレンドを液体、例えば、水またはエタノールと混合し、これは粒子を湿った塊に凝集させる。時には、液体は結合剤を含有する。湿った塊を篩がけして粒体を製造し、次いで粒体を乾燥させる。乾燥粒体を篩がけして、前もって決定した大きさの粒体を製造する。次いで、粒体を典型的には固体状滑剤および可能ならば他の成分とブレンドする。最後に、滑剤添加粒体および任意の他の余分の粒状成分を錠剤に圧縮し、錠剤は引き続いて被覆することができる。
二重圧縮法または乾式粒状化法は湿式粒状化法よりも少ない工程を有し、液体との接触または乾燥を必要とせず、これにより水感受性または熱感受性薬物の処方によく適する。二重圧縮法において、薬物および他の成分、例えば、滑剤をブレンドし、次いで第1圧縮工程において圧縮する。2つの慣用の第1圧縮技術が存在する。1つはローラー圧縮であり、ここでブレンドをローラー間で圧縮し、これによりシートにし、そして他はスラッグ形成であり、ここでブレンドをスラッグに圧縮し、このスラッグは典型的にはヒト消費に意図される錠剤より大きい錠剤様形態である。次いで、生ずるシートまたはスラッグを粒体に微粉砕し、固体状滑剤と混合し、第2 圧縮工程において圧縮して最終錠剤を製造する。
直接圧縮法は、圧縮固体状投与形態を製造する3つのよく知られている方法のうちで最も簡単である。直接圧縮法において、薬物および任意の他の成分を一緒にブレンドし、直接最終錠剤に圧縮する。錠剤の成分は、直接圧縮錠剤化に適当な、すぐれた流動性および凝着性をもたなくてはならない。微結晶質セルロースおよびラクトースは、直接圧縮錠剤化法において普通に使用されている2つの希釈剤である。
米国特許第6,458,811号 (その全体において引用することによって本明細書の一部分とされる) には、粒状ラロキシフェンを含んでなる医薬処方物が記載されており、前記粒子は約5〜約20ミクロンの平均粒度を有し、前記粒子の少なくとも90%は約35ミクロンより小さい大きさを有する。
薬物の物理的特性を変更することに加えて、投与形態の組成を調節して薬物の溶解を促進することができる。例えば、米国特許第5,972,383号 (その全体において引用することによって本明細書の一部分とされる) には、ラロキシフェンおよび親水性担体組成物を含んでなる、経口投与可能な医薬処方物が記載されている。親水性担体組成物は、界面活性剤、水溶性希釈剤および親水性結合剤を含有する。
我々の実験的研究は、低溶解性薬物の溶解を促進するために、経口投与形態の組成および製造方法を変更する方法の探求により誘導されてきた。また、我々の実験的研究は、文献において推奨されているよりも大きい薬物粒子の利用を可能とすると同時に、速い溶解速度および付随的に高い生物学的利用能を維持する、新規な製造方法および組成物の探求に集中した。薬物ラロキシフェンは、この研究の多くにおいてモデルとして使用されてきている。しかしながら、そのいっそう一般的適用において、本明細書に開示する本発明は、ラロキシフェンの固体状投与形態に限定されるとして解釈すべきでない。
1963年に発表されたよく知られている研究において、Levy 他は二重圧縮法により製造された錠剤からのサリチル酸の溶解速度に関する澱粉の効果を報告した。Levy G. 他、J. Pharm. Sci. 1963、52、1047。澱粉含有量を5%から20%に増加させると、サリチル酸の溶解速度が3倍に増加することが発見された。この観察は澱粉含有量がより高い錠剤のより速い崩壊に起因した。1967において、Finholt 他、フェノバルビタール錠剤に添加した微細澱粉粒子が錠剤からのフェノバルビタールの溶解速度を増加させるということを観察した。Levy 他と異なる結論に到達して、澱粉はフェノバルビタール結晶を被覆し、フェノバルビタールに親水性を付与することによって働き、これによりフェノバルビタール粒子と水性溶解媒質との間の接触が改良されることが報告された。Finholt P. Medd. Norsk Farm. Selesk. 1966、28、238。
澱粉は錠剤の普通の成分であり、ここで澱粉は種々の目的で使用される。澱粉は、例えば、希釈剤、結合剤、崩壊剤およびグリダントとして日常的に使用される。希釈剤は固体状医薬組成物の嵩を増加させ、この組成物を含有する薬学的投与形態を患者および看護人が取扱い易いようにすることができる。結合剤は、粒状化または圧縮工程間に、活性成分および他の成分を一緒に結合することを促進する。崩壊剤は、典型的には水を錠剤の中に引込み、それを膨潤させ、これにより錠剤を小片に破壊する (表面積をより大きくする) ことによって、患者の胃中の錠剤の破壊を促進する。
グリダントは、粒子の表面を被覆することによって、粉末状組成物の流動性を改良する。Handbook of Pharmaceutical Excipients 第4版、603-604 (Pharmaceutical Press: London 2003) (その全体において引用することによって本明細書の一部分とされる) によれば、澱粉が結合剤として機能するとき、澱粉は通常5〜15重量%の量で使用される。(すべての百分率は、特記しない限り、圧縮固体状投与形態の全重量に基づく重量%である。) 崩壊剤として機能するとき、澱粉は通常3〜15重量%の量で添加される。(同じ書物。)
特定の適用に要求される希釈剤の量は多数のパラメーターに依存し、高度に変動性である。しかしながら、前記Handbookに記載されているように、澱粉は十分に圧縮されず、高い濃度で使用する場合、錠剤の脆砕性およびキャッピングを増加させる傾向がある。(同じ書物。) こうして、希釈剤として高濃度の澱粉の使用は、処方物中の澱粉の比率が増加するにつれて起こる硬度および脆砕性 (チッピングに対する抵抗) の悪化により制限される。
したがって、凝集効果のために表面積の計算により予測される粒度を超えて薬物の粒度を減少させないで、低溶解性薬物の高い溶解速度を有する経口投与のための圧縮固体状投与形態を製造することは高度に望ましいであろう。
本発明の主題
1つの態様において、本発明は、(a) d(0.5) が約35 μmより大きくかつd(0.9) が約100 μmより小さいような粒度分布をもつ薬学的に活性な低水溶性化合物 (例えば、ラロキシフェン) 、および (b) 約25〜約90重量%、好ましくは約35〜約80重量%、最も好ましくは約45〜約75重量%の澱粉を含んでなる圧縮固体状投与形態に関する。澱粉は処方物の有効表面積を増加させることができ、それゆえ、その溶解速度および生物学的利用能を増加させることができる。
他の態様において、本発明は、許容される溶解速度を表示する、より好ましくは高い溶解速度を表示する、低水溶性薬物のための固体状薬学的投与形態を製造する方法に関する。ラロキシフェン錠剤について、 「許容される溶解速度」 は、50 rpm、37℃において櫂形装置 (米国薬局方装置II) を使用して、900 mlの0.1%ポリソルベート80水溶液中で試験したとき、約45分以内に標識化投与量の少なくとも約60%が放出されることによって例示されることが理解される。2リットルの溶液を使用するとき、標識化投与量の少なくとも約60%の放出は約40分以内である。
また、ラロキシフェン錠剤について、 「高い溶解速度」 は、50 rpm、37℃において櫂形装置 (米国薬局方装置II) を使用して、900 mlの0.1%ポリソルベート80水溶液中で試験したとき、約20分以内の標識化投与量の少なくとも約50%の放出により例示されることが理解される。2リットルの溶液中で試験したとき、標識化投与量の少なくとも約70%の放出は約50分以内である。このプロセスは下記の工程を含んでなる: (a) 薬学的に活性な化合物および澱粉をブレンドし、(b) 前記ブレンドを凝着性固体に圧縮し、(c) 前記凝着性固体を粒体に微粉砕し、(d) 前記粒体を液体で湿潤させ、(e) 前記湿潤粒体を乾燥して乾燥粒体を形成し、そして (f) 前記乾燥粒体を錠剤化する。
それ以上の態様において、本発明は、改良された溶解速度を表示し、先行技術により教示されるものよりも有意に大きい粒度分布を有する、ラロキシフェンの固体状薬学的投与形態を製造する組成物および方法に関する。
なお他の態様において、本発明は、本発明の圧縮薬学的投与形態を患者に経口投与することを含んでなる、疾患、例えば、骨粗しょう症を治療する方法に関する。
本発明のこれらおよび他の態様を下記においていっそう完全に記載する。
図1は下記についてのラロキシフェンの経時的溶解百分率を比較するプロットである: (1) 湿式粒状化法により製造された、普通の充填剤を含有するが、澱粉を含有しないラロキシフェン錠剤; (2) 湿式二重圧縮法により製造された、比較的低い澱粉含有量 (24%) を有するラロキシフェン錠剤; (3) 乾式粒状化法により製造された、高い澱粉含有量 (64.4%) を有するラロキシフェン錠剤;そして (4) 湿式二重圧縮法により製造された、高い澱粉含有量 (60.8%) を有するラロキシフェン錠剤。 10、20、30および45分の時点に50 rpm、37℃において櫂形装置 (米国薬局方装置II) を使用して、900 mlの0.1%ポリソルベート80水溶液中で検査することによって、溶解構造を発生させた。
図2は下記についてのラロキシフェンの経時的溶解百分率を比較するプロットである: (1) 湿式粒状化法により製造された、普通の充填剤を含有するが、澱粉を含有しないラロキシフェン錠剤; (2) 湿式二重圧縮法により製造された、比較的低い澱粉含有量 (24%) を有するラロキシフェン錠剤; (3) 乾式粒状化法により製造された、高い澱粉含有量 (64.4%) を有するラロキシフェン錠剤;そして (4) 湿式二重圧縮法により製造された、高い澱粉含有量 (60.8%) を有するラロキシフェン錠剤。 20、30、40、50および60分の時点に50 rpm、37℃において櫂形装置 (米国薬局方装置II) を使用して、2リットルの0.1%ポリソルベート80水溶液中で検査することによって、溶解構造を発生させた。
好ましい態様の詳細な説明
1つの面において、本発明は、圧縮固体状投与形態、例えば、錠剤を製造する新規な方法を提供する。以後、製造法を 「湿式二重圧縮法」 と呼ぶ。低水溶性薬物を投与するために、高い含有量の微粉砕した親水性物質、好ましくは澱粉を有する圧縮固体状薬学的投与形態を製造するために、湿式二重圧縮法は好都合に使用される。
薬物の固有の水溶性 (すなわち、非イオン化形態の水溶性) が約1重量%より低い、典型的には約0.1%または0.01重量%より低い場合、薬物は 「低水溶性」 または 「低溶解性」 (互換的に使用する) を有する。このような薬物は、ラロキシフェン、オキシカルバゼピンおよびアトルバスタチン、それらの薬学上許容される塩、異性体および誘導体、およびそれらの混合物を包含するが、これらに限定されない。
用語 「胃液」 は、胃の内因的流動性媒質を意味し、水および分泌物を含む。 「擬似胃液」 は、胃中の物質の溶解速度を評価するように計画された実験において、真性胃液のための有効な代替物を提供するとして一般に認識される任意の流体を意味する。1つのこのような擬似胃液は、酵素を含まない、米国薬局方胃液TS (USP Gastric Fluid TS) である。United States Pharmacopeia and National Formulary 24/19 p. 2235 (1999) 。
いくつかの親水性物質をこの製造法において使用できる。組成物中の比較的高い濃度の澱粉は、最終投与形態の溶解速度の改良に対して、顕著な効果を有することを我々は発見した。こうして、好ましい親水性賦形剤は澱粉である。澱粉はいくつかの異なる植物源、例えば、トウモロコシ、ジャガイモ、タピオカ、イネおよびコムギに由来する、天然に存在する多糖類である。それはアミロース単位およびアミロペクチン単位から構成されている。澱粉は多数の製造会社 (例えば、Anheuser Busch、Starchem、AE Staley Mfg. Co.、Matheson、Coleman & Bell and Henkel Corp.) から商業的に入手可能である。本発明において使用するために好ましい澱粉は、ジ・オフィシャル・モノグラフ・オブ・ザ・ナショナル・フォームュラリイ (the Official Monograph of the National Formulary) の要件を満足する、予備糊化澱粉である。United States Pharmaceopeia & National Formulary 26/21 2843 (U. S. Pharmacopeial Convention, Inc. : Rockville、MD 2003) 。
達成される溶解速度の改良は種々の機構により発生させることができる。比較的高い濃度の賦形剤、例えば、澱粉が低溶解性薬物の溶解速度を増加させる方法に関して、いかなる特定の理論にも制限されたくないが、澱粉の粒度は重大であると考えられない。
好ましい湿式二重圧縮法は6工程を含んでなる。第1工程において、粒子の形態の薬学的に活性な化合物を粉末状親水性物質、好ましくは澱粉とブレンドして均質なブレンドを製造する。ブレンドすべき薬学的に活性な化合物および親水性物質の量は、成分の比、最終の圧縮投与形態の効力および大きさを考慮して決定されるであろう。しかしながら、活性な薬学的成分が天然に存在する胃液および/または腸管液および模擬の胃液および/または腸管液の両方の中に低溶解性であるとき、親水性物質が最終投与形態の約25〜約90重量%、好ましくは約35〜約80重量%、最も好ましくは約45〜約75重量%を構成するように、親水性物質の量を決定することが好ましい。
活性化合物および親水性物質に加えて、他の成分をまたこの段階においてブレンドすることができる。任意の既知の方法により、均質な粉末状混合物を製造することができる任意の装置を使用して、ブレンドを実行することができ、このような装置の例はV-円錐体ブレンダー、粉末ミキサー、高剪断ミキサーまたは流動床粒状化装置である。
第2 工程において、ブレンドを凝着性固体に圧縮する。これは慣用の乾式粒状化技術により実施することができ、このような技術は、例えば、スラッグ形成技術およびスラッグ、リボンまたはシートを製造するローラー圧縮技術である。
第3工程において、凝着性固体を粒体に微粉砕する。微粉砕はミル、例えば、フィッツパトリック・ミル (Fitzpatrick mill)または篩がけにより実行することができる。
第4工程において、粒体を液体で湿潤する。好ましい液体は水およびC1-C4アルコールであり、エタノールは特に好ましい。なおより好ましくは、液体は水またはC1-C4アルコール中の結合剤の溶液である。適当な結合剤は、例えば、次の通りである: ポリビニルピロリジノン (ポピドン) 、ポリエチレングリコール、糖、転化糖、ポルオキサマー (PLURONIC(商標)F68、PLURONIC(商標)F127) 、コラーゲン、アルブミン、非水性溶媒中のセルロース、ポリ(プロピレングリコール) 、ポリオキシエチレン-ポリプロピレンコポリマー、ポリエチレンエステル、ポリエチレンソルビタンエステル、ポリ(エチレンオキシド) 、微結晶質セルロース。特に好ましい結合剤はPVP K-30である。液体の使用量およびこの湿潤工程間に添加できる追加の成分の種類および量に関する手引きは、慣用の湿式粒状化法において使用する既知の条件を参照することによって得ることができる。
したがって、粒体およびこの工程に添加される任意の他の成分が完全に湿潤されるために十分であるが、しかもすべての不溶性成分が添加された後に残留する自由流動性液体の有意な量が存在する程多くない量の液体を使用する。添加できる適当な充填剤は、例えば、下記のものを包含する: 二塩基性リン酸カルシウム、カオリン、スクロース、マンニトール、微結晶質セルロース、粉末状セルロース、沈殿炭酸カルシウム、ソルビトール、澱粉、ラクトースおよびそれらの組合わせ。さらに、添加できる追加の固体状成分は下記のものを包含する: 酸性化剤、アルキル化剤、吸着剤、酸化防止剤、緩衝剤、着色剤、電解質、乳化剤 (懸濁剤) 、香味剤、芳香物質、甘味剤、付着防止剤、結合剤、希釈剤、崩壊剤、グリダント、滑剤、不透明化剤および/または研磨剤。
製造法の第5工程において、湿潤粒体を乾燥する。慣用の乾燥装置、例えば、トレー乾燥器または流動床乾燥器を使用して、乾燥を実行することができる。乾燥温度は一部分活性成分の熱不安定性に依存するであろう。
必要に応じて、追加の賦形剤を乾燥粒体と混合することができる。例えば、錠剤化機械の供給ホッパーに粒体を装入する前に、グリダントおよび/または滑剤を添加することが必要であるか、あるいは望ましいことがある。
製造法の第6工程において、必要に応じて滑剤添加した乾燥粒体および任意の他の粒体以外の成分を固体状投与形態に圧縮する。任意の慣用の錠剤化機械、例えば、手動プレス、単一ステーション錠剤化プレスまたは回転錠剤化プレスを使用することができる。このような機械の操作は十分に通常の技量の範囲内である。
錠剤化後、錠剤を必要に応じて被覆することができる。被覆錠剤または非被覆錠剤は、慣用法において、錠剤の適切な使用について医師および患者に説明する適当な表示を付して包装する。
他の面において、本発明は、薬学的に活性な低水溶性化合物および約25〜約80重量%の澱粉を含有する圧縮固体状投与形態を提供する。本発明の圧縮固体状投与形態は衝撃に対して弾力性である。
衝撃に対する弾力性は、薬剤産業において、錠剤の硬度および脆砕性により定量化される。錠剤の硬度は加圧下に破壊する錠剤の性向の測度である。硬度を測定する装置は、種々の製造会社 (例えば、KRAEMER (UTS) Ltd. ) から商業的に入手可能である。本発明の圧縮固体状投与形態は、KRAEMER (UTS) を使用して測定したとき、少なくとも5ストロング-コッブ (Strong-Cobb) 単位の硬度を有する。脆砕性は米国薬局方の検査法を使用して測定する。本発明の圧縮固体状投与形態は、約1%より低い、好ましくは約1%の脆砕性を有する。
本発明によれば、本発明の投与形態のこのような薬物を経口投与することによって、低水溶性薬物は疾患の治療において使用することができる。例えば、処方物は特に骨粗しょう症を治療する方法において使用できる。下記の処方実施例は例示のみを目的とし、本発明の範囲を限定することを意図しない。
一般的事項
これらの実施例において使用する澱粉は、予備糊化澱粉 (Colorconから入手可能である) であった。使用した微結晶質セルロースはAvicel(商標)PH 102 (FMC Biopolymerから入手可能である) であった。ラクトース一水和物はDMVから入手可能である。使用したステアリン酸マグネシウムはPeter Grevenから入手可能である。使用したクロスポビドンはISP Technologies Inc. から入手可能である。使用したコロイド状二酸化ケイ素はAerosil(商標)200 (Degussaから入手可能である) であった。
使用した塩酸ラロキシフェンを分析すると、粒度は下記の規格を満足することが示された: 約35 μmより大きいd(0.5) 、約100 μmより小さいd(0.9) 。例えば、下記の処方物1〜4において、d(0.5) = 38.8 μmおよびd(0.9) = 90.4 μm。ここにおけるすべての粒度は、レーザー光散乱技術により測定した平均等価球直径を意味する。こうして、記号法 「約35 μmより大きいd(0.5) 」 は、粒子の50容量%がレーザー光散乱により測定して、約35 μmより大きい平均等価球直径を有することを意味する。実施例において粒度分布を測定するために使用したレーザー光散乱測定計装はMalvern Mastersizer(商標)Sであった。50 rpm、37℃において櫂形装置 (米国薬局方装置II) を使用して、900 mlまたは2リットルの0.1%ポリソルベート80水溶液中で検査することによって、溶解構造を発生させた。
実施例1処方物1 (比較)
慣用の充填剤を有する塩酸ラロキシフェン錠剤を湿式粒状化法により作った。表1中の成分を粒状化し、次いで重量250 mgの錠剤に圧縮した。澱粉は処方物1において使用しなかった。微結晶質セルロースおよびラクトース、すなわち、2つの普通に使用されている充填剤を澱粉の代わりに使用した。50 rpmにおいて櫂形装置 (装置II) を使用して、900 mlおよび2リットルの0.1%ポリソルベート80水溶液中の処方物1の溶解構造を検査した (参照: 下記の溶解速度の研究) 。
Figure 0005508311
実施例2処方物2 (比較)
湿式二重圧縮法により、表2に記載する成分から、重量250 mgのラロキシフェン錠剤を作った。処方物2は約0〜約24重量%の比較的低い含有量の澱粉を使用する1例である。50 rpmにおいて櫂形装置 (装置II) を使用して、900 mlおよび2リットルの0.1%ポリソルベート80水溶液中の処方物2の溶解構造を検査した (参照: 下記の溶解速度の研究) 。
Figure 0005508311
実施例3
製造
処方物3
乾式粒状化法を利用して表3に記載する成分から、重量250 mgのラロキシフェン錠剤を作った。処方物3は約35〜約75重量%の高い含有量の澱粉を使用する1例である。50 rpmにおいて櫂形装置 (装置II) を使用して、900 mlおよび2リットルの0.1%ポリソルベート80水溶液中の処方物3の溶解構造を検査した (参照: 下記の溶解速度の研究) 。
Figure 0005508311
処方物4
湿式二重圧縮法により表4に記載する成分から、重量250 mgのラロキシフェン錠剤を作った。50 rpmにおいて櫂形装置 (装置II) を使用して、900 mlおよび2リットルの0.1%ポリソルベート80水溶液中の処方物4の溶解構造を検査した (参照: 下記の溶解速度の研究) 。
Figure 0005508311
処方物5
湿式二重圧縮法により表5に記載する成分から、重量350 mgのラロキシフェン錠剤を作った。処方物5は約75重量%以上の非常に高い含有量の澱粉を使用する1例である。
Figure 0005508311
溶解速度の研究
櫂形装置 (米国薬局方装置II、50 rpm、37℃において) を使用して、900 mlの0.1%ポリソルベート80水溶液中で10、20、30および45分の間隔で、処方物1〜4を検査した。溶解データを表6に示し、そして溶解構造を図1に示す。また、櫂形装置 (米国薬局方装置II、50 rpm、37℃において) を使用して、2リットルの0.1%ポリソルベート80水溶液中で20、30、40、50および60分の間隔で、処方物1〜4を検査した。溶解データを表7に示し、そして溶解構造を図2に示す。
結果
Figure 0005508311
Figure 0005508311
図1および図2において見ることができるように、処方物3および4における高いレベルの澱粉の使用は、慣用の直接圧縮充填剤を使用した処方物1、および比較的低いレベルの澱粉を使用した処方物2に関して、ラロキシフェンの溶解速度を大きく増加させた。
本発明のある種の現在好ましい態様をここに記載したが、本発明が関係する当業者にとって明らかなように、記載した態様の変化および変更を本発明の趣旨および範囲から逸脱しないで実施することができる。したがって、本発明は、添付された特許請求の範囲および適用可能な法則のルールにより要求される程度にのみ限定されることが意図される。

Claims (7)

  1. 塩酸ラロキシフェン、25〜90重量%の澱粉、及び結合剤を含んでなる圧縮薬学的投与形態において、当該塩酸ラロキシフェンが、レーザー光散乱により測定して、d(0.5)が35 μmより大きいか又はそれに等しく、そしてd(0.9)が100 μmより小さいか又はそれに等しい粒度分布を有する、ことを特徴とする圧縮薬学的投与形態。
  2. 米国薬局方櫂形装置により50 rpm、37℃において、投与形態の塩酸ラロキシフェンの60%より多くが900 mlの0.1%ポリソルベート80水溶液中に45分以内に溶解する、請求項1に記載の圧縮薬学的投与形態。
  3. 米国薬局方櫂形装置により50 rpm、37℃において、投与形態の塩酸ラロキシフェンの60%より多くが2リットルの0.1%ポリソルベート80水溶液中に40分以内に溶解する、請求項1に記載の圧縮薬学的投与形態。
  4. 米国薬局方櫂形装置により50 rpm、37℃において、投与形態の塩酸ラロキシフェンの50%より多くが900 mlの0.1%ポリソルベート80水溶液中に20分以内に溶解する、請求項1に記載の圧縮薬学的投与形態。
  5. 米国薬局方櫂形装置により50 rpm、37℃において、投与形態の塩酸ラロキシフェンの50%より多くが2リットルの0.1%ポリソルベート80水溶液中に30分以内に溶解する、請求項1に記載の圧縮薬学的投与形態。
  6. 米国薬局方櫂形装置により50 rpm、37℃において、投与形態の塩酸ラロキシフェンの70%より多くが2リットルの0.1%ポリソルベート80水溶液中に50分以内に溶解する、請求項1に記載の圧縮薬学的投与形態。
  7. 前記結合剤が、ポリビニルピロリジノン(ポピドン)、ポリエチレングリコール、糖、ポルオキサマー、コラーゲン、アルブミン、非水性溶媒中のセルロース、ポリ(プロピレングリコール)、ポリオキシエチレン-ポリプロピレンコポリマー、ポリエチレンエステル、ポリエチレンソルビタンエステル、ポリ(エチレンオキシド)、又は微結晶質セルロースである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の圧縮薬学的投与形態。
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