JP2009006762A - 羽ばたき装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】羽部1100は、その一端が根元部1130に接続され、長手方向に沿って延びる第一の稜線部または谷線部を有する前縁部1110と、羽部1100は、その一端が根元部1130に接続された枝部1120とを含んでいる。枝部1120は、根元部1130から所定の距離だけ離れた所定の位置から先端部側においては、第一の稜線部または谷線部から次第に離れるように延びる第二の稜線部または谷線部を有している。前縁部1110と枝部1120との間には板状部1140が張られている。
【選択図】図1
Description
従来から、2つのタイプの羽ばたき装置の飛行態様が提案されている。
図9〜図11は、米国特許6082671号において開示された羽ばたき装置の羽部であって、Michelsonらによって開発された揚力付随発生型の羽ばたき装置の羽部の一例である。米国特許6082671号においては、軽量な羽部が膜部と梁部(静脈:Veinと記載されている)とからなる複合構造によって実現され得ることが開示されている。
Fearingらは、論文“Lift Force Improvements for the Micromechanical Flying Insect”において、図15に示される羽部を開示している。これは、それぞれがカーボン複合樹脂からなる複数のパイプの間にフィルムが張られた構造であり、生体のハエの羽質量を目安とする範囲の質量で、可能な限り受動変形を抑えた、剛な羽を構成することを目指して設計されている。
本発明者らは、特開2006−69482号公報において、図16に示される羽を開示している。この羽は、特開2006−69482号公報に開示されている2自由度羽ばたき機構に適用されていることから分かるように、浮上力直接発生型の飛行態様を実現するためのものである。また、この羽の前縁部は、カーボン複合樹脂からなる、コルゲーションと呼ばれる折板状の溝構造を有しているため、羽部の剛性が高められている。より具体的には、Fearingらと同様に、前縁部から枝分かれした枝部が、前後方向を含む面内の回転モーメントに対する羽部の剛性を高めている。
また、外枠部と第一の稜線部または谷線部とが連続した1つの曲線形状を構成するように、外枠部の一方の端部が、第一の稜線部または谷線部の先端部に接続されていることが望ましい。
(実施の形態1)
(羽ばたき装置の全体構造およびその動作)
本実施の形態においては、浮上力直接発生型の羽ばたき装置が用いられる。羽ばたき装置の全体構造は、特開2006−69482号公報に開示されている構造と同様であるため、ここでは、その説明はなされないが、本実施の形態の羽ばたき装置の羽部の構造の説明の後で、その説明がなされる。
図1に示されるように、本実施の形態に示されるように、羽部1100は、前縁部1110、枝部1120、前縁部1110および枝部1120のそれぞれが接続された根元部1130、および、前縁部1110と枝部1120との間に張られた板状部1140からなる。前縁部1110および枝部1120は、稜線部または谷線部を有する繊維強化プラスチックで構成されている。また、板状部1140はアラミドフィルムからなる。ただし、本発明の効果は、基本的には羽部の構造に起因するものであるため、前述の羽部を構成する材料の種類によらずに実現されるものである。したがって、前述の羽部を構成する材料は、本発明の目的を達成するための羽部を構成する材料の一例であり、本発明の羽部は、前述の材料によって構成されているものに限定されるものではない。
枝部1120は、前縁部1110と同様に、1つの稜線部または谷線部を有する溝構造を有しているため、この稜線または谷線が延びる方向を含む平面内において生じる曲げモーメントに対して高い剛性を有している。図1に示されるように、枝部1120の一端は、根元部1130に固定されている。
前縁部1110の一端および枝部1120の一端は、前縁部1110および枝部1120の位置関係が保持されるように、根元部1130に接続されている。なお、根元部1130は、羽部1100の回転中心またはその近傍に位置付けられている。そのため、これらの前縁部および枝部を強固に固定するための部材が必要なことに起因した根元部1130の多少の質量増加は、羽ばたき運動の特性に殆ど影響を与えない。
上述のように、羽部1100の揚力は、主に、根元部1130から羽長の2/3〜3/4の距離だけ離れた位置にある領域Rにおいて生み出されている。これは、その領域Rの周囲流体の流速は、回転中心からの距離が大きいため、羽部1100の根元部1130の位置Rの周囲流体の流速に比較して、大きいからである。また、根元部1130から羽長の2/3〜3/4の距離だけ離れた位置は、羽部1100の表面側の流体と羽部1100の裏面側の流体と間の圧力差が大きくなるためである。
なお、本実施の形態の羽部1100の説明においては、前縁部1110と枝部1120との間に張られた膜部は、便宜上、板状部1140と呼ばれているが、板状部1140が自発的に形状を保つだけの剛性を有していることは必要ではない。たとえば、前縁部1110、枝部1120、および前縁部1110の先端と枝部1120の先端とを接続する外枠部で囲まれた領域に、アラミドまたはPET(ポリエチレンテレフタレート)代表される薄い膜を張ることによって、膜部に自発的に形状を保持する剛性を与えてもよい。現実的には、軽量化の観点から、前縁部1110と枝部1120との間に薄い膜部を張ることが望ましい。さらに、その薄い膜部に張力をかければ、その剛性を高めることができる。
次に、図4〜図6を用いて、本発明の実施の形態2の羽はたき装置の羽部が説明される。なお、本実施の形態においては、参照符号の下三桁に関しては、実施の形態1の羽部と同様の構造に対して実施の形態1の羽部の説明において用いられた数値と同一の数値が用いられている。
本実施の形態の外枠部2140は、前縁部2110の長さ方向に延びる軸まわりの捻りに対する剛性が低いが、実施の形態1の板状部2140は、前縁部2110の長さ方向に延びる軸まわりの捻りに対する剛性が高い。すなわち、本実施の形態の外枠部2140および膜部2150からなる複合構造は、実施の形態1の板状部1140に比較して、前縁部2110の長さ方向に延びる軸まわりの捻り変形が大きい。そのため、図4に示されるように、外枠部2140および膜部2150からなる複合構造は、実施の形態1の板状部1140のみからなる構造との比較において、流体が流れる方向に沿った部位のそれぞれの羽部の迎え角、すなわち、羽部の前後方向における部位のそれぞれの迎え角をほぼ一定値にすることが容易である。
次に、本発明の実施の形態3の羽ばたき装置の羽部を、図7および図8を用いて説明する。なお、本実施の形態においては、参照符号の下三桁に関しては、実施の形態1の羽部と同様の構造に対して実施の形態1の羽部の説明において用いられた参照符号と同一の参照符号が用いられている。
図7および図8に示されるように、本実施の形態に示される羽部3100は、前縁部3110、枝部3120、前縁部3110および枝部3120のそれぞれが接続された根元部3130、お前縁部3110の先端部と枝部3120の先端部との間に接続された外枠部3140、および、根元部3130と枝部3120の先端部とに接続された内枠部3160を備えている。また、前縁部3110および枝部3120、および外枠部3140によって取り囲まれた領域にはフィルムからなる外膜部3150が張られている。また、枝部3120および内枠部3160に取り囲まれた領域にはフィルムからなる内膜部3170が張られている。前縁部3110、枝部3120、および外枠部3140は、繊維強化プラスチックで構成されている。前縁部3110および枝部3120は、それぞれ、稜線部または谷線部を有している。
内膜部3170は、羽ばたき装置が滑空しているときには、揚力を生み出すことができる。なお、内膜部3170は、羽部3100の回転中心に近い位置に設けられている。そのため、羽ばたき動作によって直接的に抗力に起因する浮上力が生み出されるときには、内膜部3170の表面側と裏面側との間に生じる圧力差が小さい。つまり、内膜部3170の存在に起因して生じる揚力は小さい。また、内枠部3160は、外枠部3140と同様に、前縁部3100が延びる方向に沿った軸まわりの捻り剛性が低い。そのため、内枠部3160は、羽ばたき動作によって直接的に抗力に起因する浮上力が生み出されるときには、羽部1130の揚力発生部位の変形には殆ど影響を及ぼさない。また、内枠部3160は、羽部3100の回転中心に近い位置に設けられているため、内枠部3160が設けられることに起因した羽部3100の慣性力の増加は僅かである。
まず、図20および図21を用いて、本実施の形態の羽ばたき装置の全体構成を説明する。この項目は、全体構成を説明するためのものであるため、各構成要素の詳細な構成および動作は後述される。
以下に説明される羽部は、前述の図1〜図8を用いて説明された実施の形態1〜3の羽部に置き換えられ得るものである。したがって、前述の図1〜図8を用いて説明された実施の形態1〜3の羽部の根元部1130、2130、または3130が、図34に示されるような羽部110の根元部と同様の態様で上部プレート141および中間プレート144に接続される。それにより、前述の羽部1100、2100、または3100は、図40〜図47に示されるような羽ばたき動作をする。より具体的には、前述の実施の形態1〜3の羽部1100、2110、または3110の前縁部1110、2110、または3110は、以下に説明される前縁部1102と同様の動作をする。また、前述の実施の形態1〜3の羽部1100、2100、または3100は、全体として、以下に説明される羽部110と同様の動作をする。つまり、以下に示されるアクチュエータとして上部ロータ120および下部ロータ130は、羽部1100、2100、または3100を前後方向に羽ばたき往復運動させるとともに、羽ばたき往復運動における運動方向の反転の前から後の所定期間において、前縁部1110、2110、または3110が延びる方向を回転軸として羽部1100、2100、または3100を捻る。
る。具体的に言えば、羽部110のアラミドフィルム1114以外の部分は、CFRPのシートから図24〜図26に示す3つの部分が切り抜かれ、その3つの部分が積層されることによって形成される。
り剛性が高くなっている。これらの要件を満たす羽部の製造方法は後述される。
前縁部1102は、図23に示されるように、羽部110の長手方向に沿って延びる溝構造、すなわちコルゲーションと呼ばれる凹凸形状を有している。そのため、前縁部1102においては、長手方向を含む面内の曲げ変形に対する剛性が、長手方向を回転中心軸とする曲げ変形に対する剛性に比較して、高くなっている。なお、この前縁部1102の凹凸形状は、プリプレグと呼ばれるCFRP層の原材料のシートを、この凹凸形状に対応する金型に密着させた状態で加熱することによって容易に成形され得る。また、前縁部1102には荷重が大きくかかる。そのため、前縁部1102は、細長板状部が設けられていない構造、すなわち隙間がない密実構造であるので、羽面部1103より剛性が高くなっている。さらに、前縁部1102は、根元に近づくにしたがって、累積的に荷重が増加するため、根元が先端に比べ太くなっている。根元部分での前縁部1102の幅および高さは約2mmであり、先端部分での前縁部1102の幅および高さは約1mmである。ただし、図の記述精度の制約から、図23〜図26においては、根元部分における前縁部1102の幅と先端部分における前縁部1102の幅とは同じ幅で描かれている。
羽面部1103は、図23〜図26に示されるように、CFRP層の細長板状部1107、1108および1109、およびアラミドフィルム1114によって構成されている。羽部110と同一の外形を有するアラミドフィルム1114が、CFRP層の細長板状部によって挟まれている。
り抜きによって形成された羽部の約1/3の質量で、その羽部とほぼ同一の剛性を有する(具体的には下記の<羽質量>の項目に羽部の質量および剛性の数値が記載されている)。
羽面部1103を構成するアラミドフィルム1114は、図23に示されるように、アクチュエータ接合部1106、前縁部1102、および枠部1104の間に張られている。そのため、アラミドフィルム1114の端部の破損が防止されている。本実施の形態では、枠部1104の幅は約0.5mmである。なお、枠部1104は、図23に示されるように、羽面部1103を取り囲む形状であるため、それが延びる方向は位置によって異なる。枠部1104の繊維軸の方向は、それの延びる方向に一致している。
羽部110が大きくなった場合には、羽部110の先端部の回転半径も大きくなる。この場合、流体に対する相対速度が大きくなるため、羽部110の先端部には大きな流体力が生じる。羽部110の先端部に生じる流体力が大きくなっても、羽部110の先端部の制御性を維持する必要がある。そのため、前縁部1102に接続され、前縁部1102から斜め方向に延びる枝部1105が設けられている。枝部1105の幅は約0.9mmである。枝部1105は、X軸方向の羽部110の先端側を向く方向を0°とした場合に、−30°の方向に延びるように形成されている。
アクチュエータ接合部1106は、実際には、羽部110を駆動するアクチュエータとの適合性に応じて、その形状が決定される。本実施の形態のアクチュエータ接合部1106は、図23に示される形状であるものとする。また、羽ばたき運動により生じる流体力に起因する変形を防止するため、アクチュエータ接合部1106の材料としては、細長板状部を有しない、すなわち隙間がない密実な構造のCFRP層が用いられる。さらに、アクチュエータ接合部1106の前方端には溝構造が設けられている。このアクチュエータ接合部1106の溝構造と前縁部1102の溝構造とは連続するように設けられている。
CFRPの比重が1.6g/cm3であるものとして、表1に前述の羽部110の各部位の質量が示されている。表1に示されるように、羽部110の質量は、約26.5mgである。また、アクチュエータ接合部1106の質量は約10.8mgである。
次に、図27〜図33を用いて、本発明のアクチュエータとしての上部超音波モータ120および下部超音波モータ130を説明する。
まず、上部超音波モータ120および下部超音波モータ130の構成を説明する。
次に、図28〜図33を用いて、上部超音波モータ120の駆動原理を説明する。
次に、図33を用いて、接触部1215から上部ロータ122へ予圧を与える機構を説明する。
部1215から上部ロータ122の外周面へ向かって抗力が生じている。そのため、上部ロータ122と接触部1215との間には摩擦が生じている。したがって、接触部1215の楕円運動によって、上部ロータ122は、摩擦力を受け、回転往復運動を行なう。
図27に示す上部磁気エンコーダ126には、パターン周期の1/4の間隔を置いてA相およびB相のための2つの検出部が設けられている。この構成によって、一般的なエンコーダと同様に、上部ロータ122の回転方向に応じてA相およびB相の位相が異なるため、たとえば、A相のアップエッジをカウンタのトリガとして、B相のレベルの1/0をアップカウント/ダウンカウントの機能選択に割り当てれば、上部ロータ122の回転角θ1を検出することが可能である。この回転角θ1の算出は、中央演算装置151において行なわれる。
なお、図27〜図33において示された超音波モータは、一般的なアクチュエータの一例であり、本発明における羽ばたき装置のアクチュエータは、前述のような構造の超音波モータに限定されない。たとえば、アクチュエータとして、電磁モータまたは内燃機関が用いられてもよい。また、回転角検出のための装置は、羽ばたき飛行を阻害するものでなければ、いかなるものであってもよい。たとえば、前述の磁気エンコーダを用いる手法の替わりに、光学式エンコーダを用いる手法が採用されてもよい。
次に、図34〜図37を用いて羽根駆動メカニズムについて説明する。
また、捻り角(回転角β)は、羽部110の羽根軸(前縁部1102)の軸周りの回転角であるため、次の式(2)によって示されるβの余弦値から算出される。
ただし、L3に関しては、次の式(3)が成り立つ。
ここで、sqrt()は()内の値の正の平方根である。
したがって、βが1つの値に決定される。
cos(θ1−θ2)=[R1×R1+R2×R2−L3×L3]/2×R1×R2・・・(6)
ただし、L3に関しては、次の式(7)が成立する。
なお、L3の符号が、正であるか、または、負であるかは、実際の羽部110の挙動を考慮することによって、容易に決定される。
<動作の基本>
本実施の形態における羽ばたき装置100は、羽部110の羽ばたき運動が生み出す浮上力の作用点より下側の質量が大きいため、自動的に、図20に示される姿勢になる。すなわち、X軸周りの回転およびY軸周りの回転を制御する必要はない。一方、X軸、Y軸、およびZ軸のそれぞれに沿った並進加速度、ならびにZ軸周りの回転加速度(以下、「角加速度」とも言う)は、羽ばたき方によって変更される。尚、羽ばたき運動により生じる力は羽部の運動に伴って変化するが、ここでは、羽ばたき運動の1周期平均の力を羽ばたき運動により生じる力とする。
本実施の形態における羽ばたき装置100においては、トルク補助機構が適正に機能するためには、上部超音波モータ120の回転角θ1すなわちストローク角αの振幅は固定されている必要がある。そこで、羽ばたき装置100の動作を制御するために、下部超音波モータ130の回転角θ2が変更される。すなわち、羽ばたき装置100は、捻り角βの変更によって、流体の流れを変化させ、それにより、姿勢を変化させる。
先述の非特許文献2において、Dickinsonらによって明らかにされているように、図41に示すように、(1)羽ばたき運動の切り返し動作の中間のタイミングよりも先、すなわち切り返しの前半に羽部110を捻る(捻り先行切り返し)と、浮上力は増加し、一方、図42に示すように、(2)羽ばたき運動の切り返し動作の中間のタイミングよりも後、すなわち切り返しの後半に羽部110を捻る(捻り遅れ切り返し)と、浮上力は減少する、という現象が起きる。
さらに本発明者らは、図41に示す前述の(1)の動作によれば、切り返し動作前の羽進行方向に沿った抗力が増大し、図42に示す前述の(2)の動作によれば、その抗力が減少することを見出した。打ち上げ時に生じる前後方向の抗力と、打ち下ろし時に生じる前後方向の抗力とは、互いに逆向きである。そのため、打ち上げ動作と打ち下ろし動作とが前後方向に垂直な平面に対して鏡面対称であれば、それらの動作による抗力は相殺され、推進力はゼロとなる。このため、羽ばたき装置は、上下方向のみにおける移動を行なうことができる。
逆に、打ち上げ時の切り返しと打ち下ろし時の切り返しとにおいて、図41に示す前述の(1)の動作と図42に示す前述の(2)の動作とが異なれば、その2つ動作による前後方向の抗力同士の間に差異が生じ、前方または後方のいずれかに推進力が生じる。より具体的には、図43に示されるように、打ち下ろしの後半では、遅れ切り返しによって、前方への加速度が得られ、また、打ち上げの後半では、先行切り返しによって、前方への加速度が得られる。一方、同様に、図43に示されるように、打ち下ろしの後半では、先行切り返しによって、後方への加速度が得られ、また、打ち上げの後半では、遅れ切り返しによって、後方への加速度が得られる。
尚、前方への加速度が得られる動作および後方への加速度が得られる動作のいずれが実行されるときにおいても、上方への加速度の変化と下方向への加速度の変化とを相殺することは可能である。このため、水平方向における加速度のみを得ることが可能である。
以上の説明のように、左および右の羽部110のそれぞれのストローク角α、すなわちθ1の振幅が固定されていても、θ2の時刻歴のみ変更し、打ち上げにおける羽部110の切り返しのタイミングと打ち下ろしにおける切り返しのタイミングとを異ならせることにより、羽部110に上下方向および前後方向における加速度を生じさせることができる。また、左の羽部110に生じる加速度と右の羽部110に生じる加速度とを異ならせることによって、羽ばたき装置100の姿勢を左または右に傾けること、ならびに、羽ばたき装置100が左方向または右方向へ旋回することが可能になる。
以下、図41に示す前述の(1)に記載の羽ばたき方を捻り先行切り返し(以下、単に、「先行切り返し」という。)と言い、図42に示す前述の(2)に記載の羽ばたき方を捻り遅れ切り返し(以下、単に、「遅れ切り返し」という。)と言い、図40に示すホバリング時の羽ばたき方を中央切り返しと言うものとする。
図40には、ホバリング時の羽ばたき方が示されている。図40においては、回転角θ1およびθ2の時刻歴が、羽部110の断面の時刻歴とともに示されている。このときの浮上力は自重と釣り合っており、前後方向への推進力はゼロである。
図41には、Z軸に沿った上方への移動、すなわち上昇のための羽ばたき方が示されている。図42には、Z軸に沿った下方への移動、すなわち下降のための羽ばたき方が示されている。図41および図42においては、回転角θ1およびθ2の時刻歴が、羽部110の断面の時刻歴とともに示されている。なお、左右の羽部110は、YZ平面を対称面とする鏡面対称の動作を行なう。
図44および図46には、前方へ移動するための羽ばたき方が示され、図45および図47には、後方へ移動するための羽ばたき方が示されている。なお、左右の羽部110は、YZ平面を対称面として、鏡面対称の動作を行なう。
Z軸周りに正方向の回転、すなわち左への旋回を行なうためには、左の羽部110が後退のための羽ばたき方で動作し、右の羽部110が前進のための羽ばたき方で動作すればよい。
は相殺され得るものであるため、高度が維持されたまま、羽ばたき装置100のZ軸周りの回転が行なわれる。
左方への移動を行なうためには、右の羽部110が上昇のための動作をし、左の羽部110が下降のための動作をすればよい。これにより、羽ばたき装置1は、左の羽部110が右の羽部110よりも下側に位置するように姿勢を変更し、それにより、浮上力のベクトルの先端が鉛直上方向きの状態から右側に傾く。これにより、羽ばたき装置100を左方へ移動させる力が生じる。
以上により、切り返しのタイミングが異なる3種類の羽ばたき方、すなわち、先行切り返し、遅れ切り返し、および中央切り返しを使い分けることで、羽ばたき装置100は空間を自在に移動することができる。
上記のように、θ1=0°の位相において羽ばたき方の変更を行なうのであれば、羽ばたき方の状態を示す表現方法として、打ち下ろし、打ち上げ、およびそれぞれの終端での切り返し、という区分を行なうことは適切ではない。打ち下ろし後半および打ち下ろし後の切り返しおよび打ち上げの前半を前方羽ばたき運動とし、打ち上げ後半および打ち上げ後の切り返しおよび打ち下ろしの前半を後方羽ばたき運動として、羽ばたき方を二つに区分することが合理的である。
なお、本項目においては、最も簡便に位置制御を実現する手法の一例が記載されているが、本発明の羽ばたき方は本項目の羽ばたき方に限定されるものではない。たとえば、本実施の形態においては、回転角θ1およびθ2の角速度は、切り返しの期間を除いて略一定であるものとされている。つまり、羽部110の往復運動は、図55に示すように、角速度が一定である打ち上げおよび打ち下ろしの運動と、これに連続する、角速度が変化する切り返しの運動、すなわち往復運動の運動方向を反転させるための運動とからなるものである。切り返しの運動の角速度は、打ち上げの運動の角速度および打ち下ろしの運動の角速度のそれぞれに連続するように変化する。この切り返しの運動としては、例えば1変数の三角関数等が挙げられる。しかしながら、回転角θ1およびθ2の角速度を変化させることによって、周囲流体から受ける反作用を変化させて、羽ばたき装置100を移動させる手法が用いられてもよい。
位置検出センサ160は、本体101に固定されている。そのため、位置検出センサ160によって計測された位置および姿勢は、羽ばたき装置100の位置および姿勢そのものとなる。位置検出センサ160は、図48に示すように、計測された位置および姿勢のデータを後述する中央演算装置151に与える。このような機能を実現するためのセンサは、技術の進展により変化するものであり、本発明の本質に関わるものではないため、いかなるものであってもよい。また、前述の姿勢を検出するためのセンサの一例としては、磁気と加速度との組み合せで、0.5°程度の姿勢の変化を検出することができるものが市販されている。また、位置の検出のためには、例えばGPS(Global Positioning System)のようなセンサを用いることができる。
制御回路150は、図48および図49に示すように、中央演算装置151(Central Processing Unit)、中央演算装置151の指令により上および下部超音波モータ120および130を駆動するドライバ152、ならびに、ドライバ152に高電圧を供給する昇圧回路153等を有している。
制御回路150には、オペレータ210が操作するコントローラ200から通信装置170を介して運動指令が与えられる。運転指令は、一時記憶装置(以後、「RAM(Random Access Memory)」と言う)155に格納される。中央演算装置151は、RAM155に記憶された運動指令に基づいて、羽ばたき方のデータを固定記憶装置(以後、「ROM(Read Only Memory)」と言う)154から得る。その後、中央演算装置151は、その羽ばたき方のデータをドライバ152に与える。それにより、羽ばたき装置100は、前述の前後左右上下方向の並進移動または鉛直を回転軸とする回転のいずれかを行なう。
中央演算装置151は、前述の運動指令、ROM154およびRAM155の情報を用いて、ドライバ152にPWM(Pulse Width Modulation)信号および回転方向制御信号を出力する。これにより、コントローラ200を介してオペレータ210が与えた運動指令に応じて超音波モータ120おび130が動作する。その結果、運転指令に対応する羽ばたき方が実現される。なお、羽ばたきの往復運動の周期は、反復タイマ156を用いて決定される。
中央演算装置151は、図48および図49に示すように、反復タイマ156を内蔵している。反復タイマ156は、羽ばたき運動の位相ψとして、−0.5〜0.5の値を50Hzの繰り返し周期で、中央演算装置151に出力する。ただし、羽ばたき運動の位相ψが、−0.5からカウントアップされ、0.5になると、再度、位相ψの値が−0.5からカウントアップされるものとする。この反復タイマ156の1周期に対応して、羽部110が往復運動の中央位置よりも前方に位置する前方羽ばたき運動、および、羽部110が往復運動の中央位置よりも後方に位置する後方羽ばたき運動のそれぞれが行なわれる。すなわち、反復タイマ156の1周期が羽ばたき運動の周期の2倍に対応する。本実施の形態においては、位相ψが正であれば、羽ばたき装置100は後方羽ばたき運動を行ない、位相ψが負であれば羽ばたき装置100は前方羽ばたき運動を行なうものとする。近年、機器制御に用いられているマイクロコントローラの多くには、本項で説明されている反復タイマとほぼ同様の、オートリロードタイマと呼ばれる機能が含まれており、これを用いることで、最も簡便に本項の反復タイマの機能を実現することができる。
ROM154は、羽ばたき方のデータを格納している。羽ばたき方のデータは、ドライバ152へ送信されるPWM制御信号のデューティ比の時刻歴のデータである。なお、超音波モータ120および130には、周波数が250KHzでありデューティ比が50%に固定された駆動電圧が印加される。一方、図50に示すように、ドライバ152へ送信されるPWM制御信号のデューティ比とは、デューティ比が50%に固定された250KHzの駆動電圧のON期間とOFF期間との和に対するON期間の比率である。
中央演算装置151は、位相ψの符号に基づいて、現在の羽ばたき方が前方羽ばたき運動であるか、または、後方羽ばたき運動であるかを判断する。その後、中央演算装置151は、ROM154に格納されている表2に示すデータに基づいて、羽ばたき方の状態を判断するとともに、通信装置170によって得られたRAM155に格納されている運動指令に応じて、前述のMODEの値を判断する。
ドライバ152は、中央演算装置151から与えられたPWM制御信号のON/OFFおよび回転方向制御信号に応じて、超音波モータ120を回転/停止、および、正転/反転させる。
用いて容易に実現され得るものであり、後者は、たとえば、Hブリッジと呼ばれる一般的なCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)回路を用いて容易に実現され
得るものである。本発明者らの実験によれば、これらの回路は、3mm×3mm×0.85mmの小型パッケージに収められ得るものであり、そのパッケージの質量は約25mgである。
:Label
if(PWM=ON) then
if(回転方向=正方向) then
φA=1
φB=1
φA=0
φB=0
end if
if(回転方向=逆方向) then
φB=1
φA=1
φB=0
φA=0
end if
end if
goto Label
但し、これらは簡易に前者回路の動作を表現するための一例であり、実際のプログラムにおいては、φAおよびφBのそれぞれが250kHzの矩形波となるようなタイミング調整が行なわれるため、ダミーの実行文の挿入等が必要になる。
昇圧回路153は、電源190の電圧(3V)を、超音波モータの駆動のために必要な+30Vの電圧に変更して、+30Vの電圧をドライバ152に印加する。昇圧回路153としては、一般的なDC(Direct Current)−DCコンバータが用いられ、その一例と
して、3mm×3mm×0.85mmという小型パッケージが市販されている。昇圧回路153の質量は約25mgである。
前述の制御の体系のブロック図が図48に示されている。なお、4つの超音波モータの駆動方法は同一であるため、図48には左の羽部110を駆動する上部超音波モータ120の制御体系のみが示され、他の制御体系は省略されている。また、図49は、後述する図54のフローチャートにおけるデータ処理の流れを説明するための機能ブロック図である。
次に、図54を用いて、羽ばたき装置の制御のためのフローチャートの一例を説明する。なお、このフローチャートは、一例であり、羽ばたき装置100のアプリケーションによって変更され得るものである。
コントローラ200から送信されたオペレータ210の運動指令が、通信装置170を介して、RAM155に格納される。
中央演算装置151は、反復タイマ156から送信されてきた位相ψの値のデータに基づいて、羽ばたき装置100の現時刻での羽ばたき方の状態を認識する。具体的には、中央演算装置151は、位相ψの値が正であれば、羽ばたき装置100が後方羽ばたき運動を行なっていると判断し、位相ψが負であれば、羽ばたき装置100が前方羽ばたき運動を行なっていると判断する。
中央演算装置151は、上記運動指令に応じて表2の行成分を選択し、また、上記羽ばたき方の状態に応じて表2の列成分を選択する。それにより、中央演算装置151は、中央切り返し、先行切り返し、および遅れ切り返しの中からいずれか1の羽ばたきモード、すなわちMODEの値を選択する。選択された羽ばたきモードのデータは、RAM155に格納される。
中央演算装置151は、前述の羽ばたきモードのデータに基づいて、ROM154に格納されたDuty1(ψ、MODE)およびDuty2(ψ、MODE)のデータの中からドライバ152へ送信されるPWM制御信号のデューティ比を選択する。
中央演算装置151は、上記PWM制御信号のデューティ比の正または負に応じて、回転方向制御信号をドライバ152に出力するとともに、そのデューティ比のPWM信号をドライバ152に出力する。すなわち、ABS(A)をAの絶対値とし、SIGN(A)をAの符号とすると、回転方向制御信号はSIGN(Duty)であり、デューティ比はABS(Duty)である。なお、ここで、Dutyは、上部および下部超音波モータ120および130に応じた、Duty1(ψ、MODE)およびDuty2(ψ、MODE)を意味する。
ドライバ152は、上記回転方向制御信号に応じて、振幅が30Vであり、かつ、周波数が250kHzである矩形波の電圧を表面電極1216および裏面電極1217に印加する。これらの2つの矩形波は、±90°位相が異なっている。具体的には、ドライバ152は、超音波振動子121の表面電極1216に矩形波の電位φBを与え、また、超音波振動子121の裏面電極1217に矩形波の電位φAを与える。この矩形波の電位φAの位相と矩形波の電位φBの位相とが±90°ずれている。
ψ=0またはψ=−0.5の場合には、羽ばたき方の状態が変更されたことを意味するため、再びステップS1の処理が実行され、運動指令の変更も含め、羽ばたきモードが更新される。ψ=0またはψ=−0.5以外の場合には、羽ばたきモードは更新されず、ステップS4の処理が実行され、新たな位相ψが設定される。
なお、上記指令の形態はあくまで説明のための一例であり、これに限定されない。たとえば、速度指令が電圧値としてアナログ信号で与えられることにより、量子化誤差のない滑らかな速度指令が得られる手法が用いられてもよい。また、超音波モータの駆動に必要な電圧は、技術の進歩によって変化し得るものである。たとえば、現行の主なTTL(Transistor Transistor Logic)−IC(Integration Circuit)やCPU(Central Processing Unit)の駆動電圧である3V以下で駆動し得る超音波モータが実現されれば、昇圧回路153は不要となる。
が、負荷の変動などによってはこの仮定が成り立たない場合も考えられる。この場合には、上部磁気エンコーダ126の信号によって得られる上および下部超音波モータ120および130の回転角θ1およびθ2の値を参照して、デューティ比が調整されてもよい。
<<単独性>>
本実施の形態における羽ばたき装置100の制御は、表2に示されるように、全て、羽ばたき運動の両端における羽部の捻り動作のタイミングの選択によって行なわれる。これは、胴体の姿勢に拘束されないため、単独性が確保される。
前述の羽部110の捻り、すなわち切り返しの動作は、羽ばたき運動における羽部110の往復運動の始点または終点を含む特定期間においてのみ異なり、いずれの羽ばたき方においても、羽ばたき運動の往復運動の中心位置を含む所定期間においては、羽部110の運動は同一である。つまり、複数種類の羽ばたき運動は、往復運動の中心位置を含むタイミングにおいて、共通の動作をする。このため、羽ばたき運動中に羽ばたき方の変更がなされても、その羽ばたき方の変更が共通の動作をするタイミングにおいてなされるのであれば、1の羽ばたき方から他の羽ばたき方への変化における羽部110の挙動は、連続的なものである。つまり、羽ばたき方の変更はスムーズに行なわれる。
また、2つの特定期間は、互いに1/2周期ずれていてもよい。これによれば、1の特定期間と他の特定期間とが時間的に最も大きくずれて繰り返される。そのため、一方の特定期間における羽ばたき運動に起因して生じる気流が、他の特定期間における羽ばたき運動に起因して生じる気流に及ぼす影響が最も小さくなる。そのため、羽ばたき運動の変更における「独立性」が確保される。
また、2つの特定期間の一方の期間における羽ばたき運動により生じる流体力のうちの一の方向成分と、2つの特定期間の他方の期間における羽ばたき運動により生じる流体力のうちの一の方向成分とが、相殺される。これによれば、羽ばたき運動の変更に起因する羽ばたき装置の姿勢の変化の態様が単純になる。そのため、羽ばたき装置を所望の姿勢にするための制御が容易になる。したがって、羽ばたき運動の変更における「単純性」が確保される。
まず、オペレータ210が、外部コントローラ200を操作して、羽ばたき動作を行なうための制御信号を羽ばたき装置100に送信する。それにより、羽ばたき装置100は、浮上のための羽ばたき動作を開始する。次に、オペレータ210は、水平方向に移動する羽ばたき動作を行なうための制御信号を羽ばたき装置100へ送信する。それによって、羽ばたき装置100が測定対象流体(たとえば、配管から噴出している有毒ガス等)の位置に接近する。なお、羽ばたき装置100は、距離検出センサ161によって、前方に存在する測定対象流体の位置と自身との間の距離を常にモニタリングしている。したがって、羽ばたき装置100は、前方に存在する障害物または測定対象流体の位置と羽ばたき装置100との間の距離が、所定の閾値以下になった場合に、外部コントローラ200から送信された前方に進行するという制御信号には従うことなく、その場でホバリング動作を行なう。また、本実施の形態においては、羽ばたき装置100と配管などから噴出される測定対象流体との間の距離が、所定の距離より小さくなった場合には、オペレータによって外部のコントローラ200から羽ばたき装置100へ、自動接近制御のための指令が送信される。測定流体の位置への接近経路は、上述の流速分布マップを用いて決定される。このとき、制御回路150は、左の羽部110の前後方向の回動の中心位置と右の羽部110の前後方向の回動の中心位置とを結ぶ線分を垂直に二等分する平面に沿って移動するための制御を実行する。ただし、羽ばたき装置100のはばたき動作の開始および障害物および測定対象物へ接近するための羽ばたき動作として、前述以外の手法が用いられてもよい。
通信装置170は、外部のコントローラ200から、羽ばたき装置100に必要とされる加速度の情報を受信し、その情報を制御回路150の中央演算装置151に与える。
本発明の駆動エネルギー源としての電源190は、必要とされる電力を供給できる放電特性を有し、かつ、浮上を妨げない質量を有するものであれば、いかなるものであってもよい。
本体101は、底部プレート102、上部プレート103、底部プレート102と上部プレート103とを連結するフレーム部104、および、底部プレート102に設けられた脚105からなる。
<質量>
本発明者らの計算によれば、羽部1枚が生み出す浮上力は1.21gfである。よって、羽部2枚が生み出す浮上力は2.42gfである。また、各構成要素の質量が表3に示されている。表3に示されるように、羽ばたき装置100の総質量は2.17gfであり、この値は、前述の浮上力2.42gfよりも小さいため、羽ばたき装置100は、浮上することができる。
本発明者らの計算によれば、羽ばたき装置100の羽部が1.2gfの浮上力を生ずるに要求される機械的パワーは上および下部超音波モータ120および130共に最大40mWである。各超音波モータのエネルギー変換効率は33%である。したがって、浮上のために要求される最大電力は超音波モータ1つにつき約120mWであり、それらの電力の合計は480mWである。ドライバ152および昇圧回路153の総合効率は約85%であるため、4つの超音波モータの駆動のために必要な電力は最大565mWである。
Claims (6)
- 本体と、
前縁部を有する羽部と、
前記羽部の根元部を駆動するように前記本体内に搭載され、前記羽部を前後方向に羽ばたき往復運動させるとともに、前記羽ばたき往復運動における運動方向の反転の前から後の所定期間において、前記前縁部が延びる方向を回転軸として前記羽部を捻るアクチュエータとを備え、
前記羽部は、
その一端が前記根元部に接続され、長手方向に沿って延びる第一の稜線部または谷線部を有し、
その一端が前記根元部に接続され、前記根元部から所定の距離だけ離れた所定の位置から先端部側においては、前記第一の稜線部または谷線部から徐々に離れるように延びる第二の稜線部または谷線部と、
前記第一の稜線部または谷線部と前記第二の稜線部または谷線部との間に張られた板状部または膜部とを含む、羽ばたき装置。 - 前記第一の稜線部または谷線部は、前記前縁部を構成し、
前記第二の稜線部または谷線部は、前記根元部から前記所定の位置まで、前記第一の稜線部または谷線部にほぼ平行に延び、かつ、前記所定の位置から先端側においては、前記第一の稜線部または谷線部となす角度が前記アクチュエータから離れるに従って増加するとともに、その先端部が前記羽部の後縁部まで到る、請求項1に記載の羽ばたき装置。 - 前記第二の稜線部または谷線部の先端部は、前記根元部から羽長の2/3〜3/4の範囲内の距離だけ離れた位置で前記羽部の後縁部に到る、請求項1に記載の羽ばたき装置。
- 前記第一の稜線部または谷線部の先端部と前記第二の稜線部または谷線部の先端部とを接続する外枠部をさらに備え、
前記板状部または膜部が、前記第一の稜線部または谷線部、前記第二の稜線部または谷線部、および前記外枠部によって取り囲まれた領域に張られた、請求項1に記載の羽ばたき装置。 - 前記外枠部と前記第一の稜線部または谷線部とが連続した1つの曲線形状を構成するように、前記外枠部の一方の端部が、前記第一の稜線部または谷線部の先端部に接続されている、請求項4に記載の羽ばたき装置。
- 前記第二の稜線部または谷線部の先端と前記根元部とを接続する内枠部と、
前記内枠部と前記第二の稜線部または谷線部との間の領域に張られた板状部または膜部とを備えた、請求項1に記載の羽ばたき装置。
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