JP2009006660A - 板体形状矯正治具 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡素かつ安価な構成により、変形した板体を簡単に矯正することのできる板材形状矯正治具の提供。
【解決手段】板材形状矯正治具1は、木質系板構成材と接着剤を備えてなる板体を所定形状に矯正する治具であって、板体に沿って配置される本体フレーム4の支柱2に、板体表面の離れた上下2つの位置を本体フレーム4から遠ざける方向(矢印F)または近づける方向(E方向)のいずれかに押圧する第1押圧部6,6と、第1押圧部6,6により押圧される板体表面の2つの位置の間を第1押圧部6,6による押圧方向とは反対の方向に押圧する第2押圧部22とを設けるとともに、第1押圧部6,6および第2押圧部22に押圧されている板体を所定温度に加熱する加熱ユニット33を備えたものである。加熱ユニット33の加熱器は遠赤外線放射ヒータで構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、木材、単板積層材(以下LVLと称する)、中密度ファイバーボード(以下MDFと称する)などの木質系板構成材を接着剤で接着した板体を所定形状に矯正する板体形状矯正治具に関する。
この種の板体としては、例えば引き戸、開き戸、戸襖、クローゼット扉などが知られている。このような板体50は、図11に示すように、縦材(木質系板構成材)53,53の間に横架材(木質系板構成材)54,54,54,54,54が架け渡されタッカー針55などで固定されて形成された芯材51を有している。そして、芯材51の前後両面に、ポリ酢酸ビニルエマルジョン系などの接着剤で側板(木質系板構成材)52,52が貼り着けられることにより、内部が空洞の板体50が構成されている。固化後のポリ酢酸ビニルエマルジョン系接着剤は熱可塑性を有している。
上記した板体50は更なる化粧処理が施され、マンションなど住宅建築の扉として多数使用されている。これらの扉は一括に大量製作されて建設中のマンションに納入され、出入口などに組み付けられる。ところが、組み付け後、木質系板構成材や接着剤の乾燥により、扉に反りやネジレなどの変形が生じ、扉として閉まらなくなることがある。このように変形した扉は、工場などに回収し、形状の矯正を行なった後に建設現場へ戻すことが考えられるが、扉の付け外し、回収、矯正、および返送に多大なコストと人手、並びに余分な納期がかかる。そのために、変形した扉は廃棄されて新しいものと交換されていたのが実情である。これにより、高価な扉と多大な手間が無駄になっていた。
そこで、前記のような不都合を解消するために、下記の特許文献1に記載されているような矯正装置が提案されている。この矯正装置は、扉の一面側に掘られた溝の上下中央部に、正雌ネジ部および逆雌ネジ部を有する円筒操作部を配備し、円筒操作部を回転操作することにより、その両側の正雄ネジ棒および逆雄ネジ棒を円筒操作部から進退させて扉の反りを矯正するようにしたものである。
実開昭60−32003号公報
しかしながら、上記した矯正装置は、使用頻度が極めて少ないにも拘わらず、一枚の扉ごとに常設していなければならない。そのために、扉全体が重くなることから、日常の扉開閉に力が要り、閉止音が大きくなる。また、扉全体として高価になる。更には、経年使用中に機械要素の緩みが生じて、扉開閉の際に不快なガタツキ音を生じるおそれもあった。
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、簡素かつ安価な構成により、変形した板体を簡単に矯正することのできる板体形状矯正治具の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る板体形状矯正治具は、木質系板構成材と接着剤を備えてなる板体を所定形状に矯正する治具であって、板体に沿って配置される本体フレームに、板体表面の離れた2つの位置を本体フレームから遠ざける方向または近づける方向のいずれかに押圧する第1押圧部と、第1押圧部により押圧される板体表面の2つの位置の間を第1押圧部による押圧方向とは反対の方向に押圧する第2押圧部とを設けるとともに、第1押圧部および第2押圧部に押圧されている板体を所定温度に加熱する加熱部を備えたものである。
また、前記構成において、加熱部が遠赤外線放射ヒータで構成されているものである。
そして、前記した各構成において、加熱部が、板体の複数の被加熱領域の各々を加熱する複数の加熱器で構成され、板体の各被加熱領域毎に温度センサがそれぞれ設置され、各温度センサにより検出された温度に基づいて、対応する加熱器による加熱量を各々制御する制御器が配備されているものである。
本発明に係る板体形状矯正治具によれば、第1押圧部が、板体表面の離れた2つの位置を本体フレームから遠ざける方向または近づける方向のいずれかに押圧し、第1押圧部により押圧される板体表面の2つの位置の間を、第2押圧部が第1押圧部による押圧方向とは反対の方向に押圧し、第1押圧部および第2押圧部に押圧されている板体を、加熱部が所定温度に加熱するので、変形した板体を所定形状に確実に矯正することができる。加えて、この板体形状矯正治具は、第1押圧部と、第1押圧部と反対方向に押圧する第2押圧部と、加熱部といった簡素な構成で済み、安価に提供される。
また、加熱部が遠赤外線放射ヒータで構成されているものでは、板体内部に浸透しやすい遠赤外線が加熱部から放射される。従って、板体内部に浸透した遠赤外線により、板体内部に含まれている接着剤が、接着剤を軟化させる温度に迅速かつ均一に加熱される。これにより、矯正操作時間が短縮化され、形状の矯正を万遍なく行なうことができる。
そして、板体の被加熱領域毎に設置された各温度センサの検出温度に基づいて、対応する加熱器による加熱量を各々制御するようにしたものでは、加熱器による加熱量が、対応する温度センサで検出された温度に基づいて各々制御されるので、板体の被加熱領域の一部に偏って、加熱し過ぎたり加熱が不足したりすることがなく、全ての被加熱領域を万遍なく所定温度に加熱することができる。これにより、板体の受熱面が焦げて変質したり、接着剤が場所により硬いままであったり、あるいは軟化し過ぎたりして、形状の矯正が困難になるという不具合を防ぐことができる。
本発明の最良の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下に述べる実施形態は本発明を具体化した一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものでない。図1は本発明の一実施形態に係る板体形状矯正治具の右側面図、図2は前記板体形状矯正治具を2台配置した正面図、図3は前記板体形状矯正治具を2台配置した背面図である。
各図に示した実施形態においては、扉としての板体50の形状を矯正するにあたり、2台の板体形状矯正治具1,1が使用される。個々の板体形状矯正治具1は、縦向きの支柱2、水平脚3、およびキャスタ12,12から成る本体フレーム4と、板体50の上下の側縁と係合する上下の引寄せ部6,6と、板体50の上下略中央部の側縁と係合する押出し部22と、引寄せ部6,6および押出し部22と係合している板体50を加熱する加熱ユニット33とを備えている。上下の引寄せ部6,6と係合する板体50は本体フレーム4の支柱2に沿って縦向きに配置される。
そして、板体50の前面39Bの上部を後向き(支柱2に近づける方向(矢印E方向))に押圧する引寄せ部6(第1押圧部の例)の一方が水平脚3の前端に配備され、引寄せ部6の他方が支柱2の前方上部に配備されている。この上側の引寄せ部6は支柱2の前方に延在する腕杆5の前端に設けられている。腕杆5の後端は、支柱2に上下摺動自在に装着されるスライド部材9にビスなどで固設されている。スライド部材9は雄ネジ軸30(図5の雄ネジ軸30と同じ)付きのハンドル10の操作により支柱2に上下位置可変に固定されるようになっている。左右の引寄せ部6,6は各々の先端が左右内向きとなるように屈曲して形成されている。また、板体50の上下略中央部(上下の引寄せ部6,6により後向きに押圧される上下位置の間の位置)の背面39Aを前向き(引寄せ部6,6による押圧方向とは反対の方向(矢印F方向))に押圧する押出し部22(第2押圧部の例)が、支柱2に設けられている。
上側の引寄せ部6は、図4(a)に示すように、支柱2の前方に延在する腕杆5の前方に配備されている。引寄せ部6は、先端部が横方向に屈折したL字状の鉤状部13と、鉤状部13の前部表面を被覆した合成ゴムなどの弾性体層14とから構成されている。鉤状部13の後部は腕杆5の前側部にビスなどで固設されている。引寄せ部6と前後対面し板体50の厚さよりも広く隔てた位置には、押出し部17が配置されている。この押出し部17は、腕杆5の前面部15に合成ゴムなどの弾性体層16を貼着して構成されている。
下側の引寄せ部6および押0出し部17は、図4(b)に示すように、図4(a)の引寄せ部6と同様の構成である。尚、引寄せ部6の鉤状部13は水平脚3の前側部にビスなどで固設されている。押出し部17は水平脚3の前面部15に弾性体層16を貼着して形成されている。支柱2は水平脚3上にビスなどで固定されている。
押出し部22を有するコ字状部44は、図5に示すように、鋼材などで平面視略コ字状に形成されている。コ字状部44は、先端部が横方向に屈折したL字状の鉤状部18と、鉤状部18の後方に離間した対面位置に在る前面部20とを備えている。コ字状部44の後端部には、雄ネジ軸28の細首部を回動自在に軸支する小径穴部25と、雄ネジ軸28の大径部23を収容して回動自在に抜け止めする大径穴部24とが形成されている。そして、前記の鉤状部18と、鉤状部18の前部表面を被覆した合成ゴムなどの弾性体層19とから、引寄せ部8が構成される。また、前記の前面部20と、前面部20を被覆した合成ゴムなどの弾性体層21とから、押出し部22(第2押圧部の一例)が構成される。腕杆7の前部上面には、前後に連通する雌ネジ部27を有する軸受部26が固着されている。軸受部26の筒内には、雌ネジ部27と螺合する雄ネジ軸28が装着されている。雄ネジ軸28の前端には、細首部に続いて円柱状の大径部23が延在している。雄ネジ軸28の後端には、手回し用のハンドル29が設けられている。
腕杆7の後部は、支柱2に上下摺動自在に装着されるスライド部材11にビスなどで固設されている。スライド部材11は雄ネジ軸30付きのハンドル10の操作により支柱2に上下位置可変に固定されるようになっている。スライド部材11の後端部は横方向に屈折したL字状になっている。スライド部材11のL字状部には、図5中でA−A線矢視の拡大図を円B内に示すように、貫通孔が開いており、この貫通孔を被う位置にナット31が固設されている。ハンドル10の雄ネジ軸30はナット31と螺合するスライド部材11のL字状部と支柱2との間には保護板材32が介在しており、雄ネジ軸30の先端で支柱2を傷つけないようになっている。加熱ユニット33は上下のスライド部材34,34で支柱2に取り付けられ、ハンドル10の操作で上下固定位置を変更できるようになっている。加熱ユニット33の前面は火傷防止用の保護金網35で被われている。
ここで、便宜上、板体50を上下左右4つの被加熱領域36A,36B,36C,36Dに区画して考える。被加熱領域36A,36B,36C,36Dにおける板体50の背面には、各々、温度センサ38A,38B,38C,38Dが設置される。また、板体50の被加熱領域36A,36B,36C,36Dは、各々に対面配置された4つの加熱器37A,37B,37C,37Dで主に加熱されるようになっている。加熱器37A,37Bは右側の板体形状矯正治具1の加熱ユニット33に配備され、加熱器37C,37Dは左側の板体形状矯正治具1の加熱ユニット33に配備されている。加熱器37A,37B,37C,37Dは各々遠赤外線放射ヒータで構成されており、容量は各々例えば900Wである。すなわち、これらの4つの加熱器37A,37B,37C,37Dから本発明の加熱部が構成される。尚、前記のように各900Wの加熱器37A,37B,37C,37Dを用いる場合、加熱器37A,37B,37C,37Dから板体50の受熱面までの距離を30cm程度にすることが、板体50の受熱面を焦がすことなく十分に加熱できる点で望ましい。
上記の遠赤外線放射ヒータは、電力により発熱する電熱ヒータ(図示省略)と、遠赤外線を放射する遠赤外線放射材(図示省略)とを備えている。電熱ヒータとしては、例えばニクロム線ヒータ、シーズヒータなどが挙げられる。遠赤外線放射材としては電熱ヒータから受けた熱線を遠赤外線に変換して放射するものであれば特に限定されないが、例えば、木材や竹などにフェノール樹脂を含浸させて非酸化雰囲気下で400〜2000℃で焼成炭化させて得たウッドセラミック、あるいはセラミックと炭素材の混合物などが挙げられる。遠赤外線放射材における発熱温度が200〜300℃程度となるように、電熱ヒータへの給電量を調整することが望ましい。これは、遠赤外線放射材における発熱温度が200〜300℃程度のときに、木などの有機物に吸収されやすいピーク波長5〜6μmの遠赤外線を多量に含む熱線が遠赤外線放射材から放射されるからである。これによって、板体の表面はもとより内部の芯材までも所定温度に加熱することができる。ここで、所定温度とは、板体50に使用されて固化していた熱可塑性の接着剤が軟化して外部からの応力により撓むことのできる温度であり、ここで用いているポリ酢酸ビニルエマルジョン系接着剤の場合は例えば60℃弱である。
板体形状矯正治具1,1は、図6に示す制御系統により制御される。この制御系統では、マイクロコンピュータなどの制御器40が使用される。制御器40は演算処理ユニットCPUを中心として構成され、プログラムデータを格納しているROMや入出力データを書換え可能に格納するRAMの機能を有するメモリMと、演算処理ユニットCPU、メモリMおよび外部の間でデータのやりとりを行なうデータバスDBとを備えている。データバスDBのデータ入力側には、既述した温度センサ38A,38B,38C,38D、および、所定温度データを外部から設定入力するキーボードなどの入力部41がデータ通信可能に接続されている。データバスDBのデータ出力側には、既述した加熱器37A,37B,37C,37Dに電力を容量可変に供給する電力供給ユニット42A,42B,42C,42Dがデータ通信可能に接続されている。
上記のように構成された板体形状矯正治具1,1の作用を次に説明する。矯正に供される板体50は床面上などに立てた姿勢に保持される。このとき、板体50は反りの膨らみ側(背面39A側)を本体フレーム4側に向けて配置される。その状態で各々の板体形状矯正治具1,1を移動させて、図7に示すように、上下4つの引寄せ部6および押出し部17の対の間に、板体50の左右の辺を装入する。そして、温度センサ38A,38B,38C,38Dを、各々に対応する被加熱領域36A,36B,36C,36Dの背面39Aに両面粘着テープなどを用いて固定しておく。
ここでは、図8(a)に示した板体50Aのように、前面39Bおよび背面39Aが側方から見て直線状(目標線H)である所定形状に対し上下略中央部が背面39A側に反り出たものを矯正する例を示す。この板体50Aにおいては、前面39Bの最も反った上下略中央部と前面39Bの目標線Hとの間の寸法が矯正幅Gである。そこで、板体形状矯正治具1,1のハンドル29,29を手で回して押出し部22,22を前進させると、押出し部22,22が板体50の背面39Aを前方(矢印F方向)に押す。このときの反作用により、上下左右4つの引寄せ部6,6,6,6は板体50の前面39Bの上下両端部分を後向き(矢印E方向)に押すこととなる。尚、押出し部22,22で押そうとする上下位置は板体50Aの最も反り出た位置となるように、スライド部材11で支柱2に対する上下固定位置を調整しておくとよい。
更に押出し部22,22を前進させることにより、図8(b)に示すように、板体50Aが前方(前面39B側)に膨出するように逆反りさせる。板体50Aの逆反り膨出量は板体の種類によるが、図9に示すように、背面39Aの最も逆反りさせた位置と背面39Aの目標線Hとの間の寸法が上記した矯正幅G(図8(a))と同程度以上となるように調整するとよい。
そして、作業者が入力部41から加熱器37A,37B,37C,37Dへの入電開始信号を設定入力すると、制御器40の演算処理ユニットCPUによって、電力供給ユニット42A,42B,42C,42Dから加熱器37A,37B,37C,37Dへ電力供給が開始される。このとき、演算処理ユニットCPUは、温度センサ38A,38B,38C,38Dにより検出された温度に基づいて、対応する加熱器37A,37B,37C,37Dによる加熱量を各々制御し、板体50Aの被加熱領域36A〜36Dの表面温度が60℃となるようにする。例えば、温度センサ38Aにより検出された表面温度が60℃を下回っている場合、演算処理ユニットCPUは、加熱器37Aに供給される電力供給ユニット42Aからの給電量を大きくする。温度センサ38Aの検出温度が60℃に達した場合は電力供給ユニット42Aからの給電を停止させる。他の加熱器37B〜37Dについても、前記した37Aと同様に制御される。これにより、芯材51と両側の側板52,52との間に存在する接着剤層56,56(図7参照)が60℃弱(所定温度)に加熱され、接着剤層56,56を構成する熱可塑性の接着剤が軟化する。その結果、板体50Aの剛性が低下して塑性変形しやすくなる。尚、板体の矯正に適する温度は接着剤および木質系板構成材の種類や板体の形状などにより様々であって前記の60℃に限らないが、概ね50〜70℃である。
この場合、加熱器37A,37B,37C,37Dによる加熱量は、対応する温度センサ38A,38B,38C,38Dで検出された温度に基づいて制御器40の演算処理ユニットCPUにより各々制御されるので、板体50Aの被加熱領域36A〜36Dの一部に偏って、温度が高くなり過ぎたり低くなったりすることがなく、被加熱領域36A〜36Dの全体を万遍なく一定に加熱することができる。これにより、板体50の側板52の受熱面が焦げて変質したり、接着剤が場所により硬いままであったり軟化し過ぎたりして形状の矯正が困難になるといった不具合を防ぐことができる。
そうして、上記した押圧および加熱の状態を10分間程度続けた後に、板体形状矯正治具1,1のハンドル29,29を緩めて押出し部22,22による前向きの押圧を解除する。すると、引寄せ部6,6,6,6による後向きの押圧も必然的に解除されて板体50Aが自由な状態となる。但し、加熱器37A〜37Dによる加熱は続行する。このように力をかけない状態で板体50Aが所定形状に戻っているかを肉視で確認する。板体50Aが所定形状に戻っていなければ、押出し部22,22および引寄せ部6,6,6,6による押圧を再開し、板体50Aが所定形状に戻るまで、押圧、押圧解除、および肉視確認を繰り返す。そうして、板体50Aが所定形状に戻れば、押出し部22,22による前向き押圧を少し緩めた状態とし、加熱器37A〜37Dへの給電は停止させ、その状態で放冷する。その後、押出し部22,22および引寄せ部6,6,6,6の押圧を解除し、放冷状態の板体50Aが所定形状になっているかを確認する。板体50Aが所定形状に矯正されていなければ、板体50Aが所定形状になるまで、押圧と確認を繰り返すのである。
すなわち、上記のように簡素な構成の板体形状矯正治具1,1を用いて簡単な矯正操作を行なうことにより、変形していた板体50Aを、前面39Bおよび背面39Aが側面視直線である平板状(所定形状)の板体に、簡単かつ確実に矯正することができる。また、これらの板体形状矯正治具1,1は加熱ユニット33を一体に備えながら比較的軽量かつコンパクトであることから、住宅家屋の建設現場に持ち込むことが可能で、現地で板体の矯正が行なえる。従って、高価な板体を無為に廃棄しなくて済むので、多大な損失を回避することができる。
また、加熱器37A,37B,37C,37Dは各々遠赤外線放射ヒータで構成されているので、板体50A内部に浸透しやすい遠赤外線が加熱器37A,37B,37C,37Dから放射される。従って、板体50A内部に浸透した遠赤外線により、接着剤層51が、接着剤を軟化させる温度に迅速かつ均一に加熱される。これにより、矯正操作時間が短縮化され、板体全体形状の矯正を万遍なく行なうことができる。
一方で、図10(a)に示すように、平板状の所定形状からネジレ変形した板体50Bも板体形状矯正治具1,1により矯正することができる。この板体50Bでは、全体として上下略中央部が背面39A側に反り出ている。また、右側の木口43(R)の前面39B側上下端が所定形状の目標線H(R)上にあり、左側の木口43(L)の前面39B側上端が所定形状の目標線H(L)よりも後方に位置している。そして、木口43(R)側において前面39Bの最も反った上下略中央部と前面39Bの目標線H(R)との間の寸法は矯正幅G(R)である。また、木口43(L)側において前面39B側上端と前面39Bの目標線H(L)との間の寸法は矯正幅G(L)である。尚、右側の板体形状矯正治具1(R)と左側の板体形状矯正治具1(L)は、互いの前後位置がずれないように、例えば複数の横架材(図示省略)を介して強固に連結固定されている。
この例において、板体50Bの矯正操作は、先述の板体50A(図8,9)を矯正した場合と同様の操作により実行される。すなわち、図10(b)に示すように、板体形状矯正治具1(R),1(L)の押出し部22(R),22(L)を前進させて、板体50Bの上下略中央部分を前方に逆反りさせた状態で加熱されるのである。尚、板体50Bのネジレを矯正するために、左側の押出し部22(L)の前方押出し量を、右側の押出し部22(R)の前方押出し量よりも大きくしてある。すなわち、この実施形態の板体形状矯正治具1,1によれば、ネジレ変形した板体50Bであっても、簡単かつ確実に平板形状の所定形状に矯正することができる。
尚、上記した各実施形態では、引寄せ部6,6で板体50の上下端部を本体フレーム4に近づける方向に押圧し、引寄せ部6,6で押される上下2つの位置の間の板体50を引寄せ部6,6とは反対の方向に押出し部22で押圧するようにしたが、本発明はそれに限定されるものでない。例えば、上下の押出し部17,17(第1押圧部の別例)で板体50(図7の2点鎖線で示す符号50参照)の上下端部を本体フレーム4から遠ざける方向(図7の矢印F方向)に押圧し、それらの反作用で引寄せ部8(第2押圧部の別例)により、押出し部17,17で押される上下2つの位置の間(例えば上下略中央部)の板体50を、押出し部17,17とは反対の方向(図7の矢印E方向)に押圧した状態で加熱することにより、板体50の形状を矯正することも可能である。
また、上記では、2台の板体形状矯正治具を用いて板体の形状を矯正するようにしたが、本発明は、1台の板体形状矯正治具だけを用いて板体の形状を矯正することも可能である。例えば板体が開き扉であって出入口にヒンジを介して取り付けられている場合、扉のヒンジ側の側辺は変形がほとんどなく直線状のままであるにも拘わらず、扉の揺動先端側の側辺だけが湾曲していることがある。このような場合、湾曲している側辺に1台の板体形状矯正治具を設置し、第1押動部および第2押動部で押圧しながら加熱することにより、板体の形状を矯正することができる。
そして、上記では、1台の板体形状矯正治具1につき上下2基の加熱器を用い、これらを本体フレーム4の支柱2に配備し、板体形状矯正治具の前方に設置した板体の背面を加熱するようにしたが、本発明の加熱部はそれに限定されない。加熱部を構成する加熱器の数や種類は特に限定されないが、加熱器の種類として、遠赤外線放射ヒータ以外に、例えば通常の電熱ヒータや白熱ランプなどを用いることも可能である。また、加熱部は本体フレームから独立させて配置したものでもよく、更には、板体の前面側の離れた位置に配置して、板体を前面から加熱するようにしても構わない。無論、板体の背面側と前面側の双方から、あるいは側面側から加熱するようにしてもよい。
また、上記では、温度を検出して制御器へ信号出力する温度センサを用いたが、それに替えて、液晶表示部と粘着面を備えた簡易式の温度表示シートや、離れた位置から温度を検出できる無接触温度計などを用いて加熱中の板体の温度を管理することも可能である。
本発明にいう木質系板構成材とは、木材そのものはもとより、木材を破砕して得たチップ材やオガクズ材やパルプ、あるいはラワン材、ベニヤ板、MDF、パーティクルボード、LVL、紙製ハニカムコア材などを指している。また、本発明にいう接着剤は、前記の木質系板構成材同士を接着して板体を構成させることができ、固化状態で熱可塑性を有するものであればよく、その種類、使用量などは特に限定されない。また、本発明が適用される板体としては、木質系板構成材を接着剤で接着したものであれば特に限定されないが、このようなものとして、上記した扉以外に、例えばラワン材、ベニヤ板などが挙げられる。
本発明の一実施形態に係る板体形状矯正治具の右側面図である。 前記板体形状矯正治具を2台配置した正面図である。 前記板体形状矯正治具を2台配置した背面図である。 (a)は上側の引寄せ部および押出し部を示す平面図、(b)は下側の引寄せ部および押出し部を示す平面図である。 上下間に配置される引寄せ部および押出し部を示す平面図である。 前記板体形状矯正治具の制御系統を示すブロック構成図である。 上側または下側の引寄せ部および押出し部で板体を保持した態様を示す平面態様図である。 変形していた板体を前記板体形状矯正治具で矯正する態様の一例を示す外観図である。 図8の矯正態様を示す側面図である。 変形していた板体を前記板体形状矯正治具で矯正する態様の別例を示す外観図である。 接着剤を用いて貼着される一般的な板体を示す分解斜視図である。
符号の説明
1 板体形状矯正治具
4 本体フレーム
6 引寄せ部(第1押圧部)
8 引寄せ部(第2押圧部)
17 押出し部(第1押圧部)
22 押出し部(第2押圧部)
36A,36B,36C,36D 被加熱領域
37A,37B,37C,37D 加熱器
38A,38B,38C,38D 温度センサ
40 制御器
42A,42B,42C,42D 電力供給ユニット
50,50A,50B 板体
52 側板(木質系板構成材)
53 縦材(木質系板構成材)
54 横架材(木質系板構成材)
56 接着剤層
E,F 矢印
H,H(L),H(R) 目標線(所定形状の一部)

Claims (3)

  1. 木質系板構成材と接着剤を備えてなる板体を所定形状に矯正する治具であって、板体に沿って配置される本体フレームに、板体表面の離れた2つの位置を本体フレームから遠ざける方向または近づける方向のいずれかに押圧する第1押圧部と、第1押圧部により押圧される板体表面の2つの位置の間を第1押圧部による押圧方向とは反対の方向に押圧する第2押圧部とを設けるとともに、第1押圧部および第2押圧部に押圧されている板体を所定温度に加熱する加熱部を備えていることを特徴とする板体形状矯正治具。
  2. 加熱部が遠赤外線放射ヒータである請求項1に記載の板体形状矯正治具。
  3. 加熱部が、板体の複数の被加熱領域の各々を加熱する複数の加熱器で構成され、板体の各被加熱領域毎に温度センサがそれぞれ設置され、各温度センサにより検出された温度に基づいて、対応する加熱器による加熱量を各々制御する制御器が配備されている請求項1または請求項2に記載の板体形状矯正治具。
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