JP2009006481A - 成形体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
解決しようとする課題は、ブロー成形による吸気管においてパーティングラインを通すことのできない開口部の捨袋に近い部分が非常に薄肉となってしまい、剛性が非常に低下するという点である。
【解決手段】
少なくとも1つ以上の該開口部の外周囲に熱可塑性樹脂製のスリーブ状インサートをインサート成形し、該開口部の不要部分を分割金型内に突出させ、回転装置によりカッター及び刃をみそすり運動をさせながら回転軸のまわりを回転させて該不要部分を切除することにより前記課題を解決した。
【選択図】図6
解決しようとする課題は、ブロー成形による吸気管においてパーティングラインを通すことのできない開口部の捨袋に近い部分が非常に薄肉となってしまい、剛性が非常に低下するという点である。
【解決手段】
少なくとも1つ以上の該開口部の外周囲に熱可塑性樹脂製のスリーブ状インサートをインサート成形し、該開口部の不要部分を分割金型内に突出させ、回転装置によりカッター及び刃をみそすり運動をさせながら回転軸のまわりを回転させて該不要部分を切除することにより前記課題を解決した。
【選択図】図6
Description
本発明は、自動車用吸気管等の成形体のブロー成形に関する。
自動車用吸気管のブロー成形に関する従来技術としては特許文献1に開示されているようなものがある。
特開平7−217511号公報
しかし、特許文献1に示されている吸気管の形状は、分割金型のパーティングラインを設定するに、該吸気管に付属する複数の開口部の近傍を通すことが比較的容易な形状であるが、本願で問題にするような形状の場合、パーティングラインから離れた位置に開口部があるため、特許文献1に開示されているような方法では局部的に薄肉化が避けられないという欠点があった。
以下、図によってより詳しく説明する。図1は吸気管1の斜視図である。2,3はレゾネータであり、4は吸気口、11はA開口部、12はB開口部というように3つの開口部を有している。
該吸気管1の場合、分割金型(図示せず)用のパーティングラインを設定するに、該レゾネータ2,3と該吸気口4及び該A開口部11の成形性を考慮すると、該B開口部12近傍にパーティングラインを通すのは困難であり、図中に示すようなパーティングライン5,5(図中、2点鎖線で示されている。)を設定せざるを得ない。
よってその成形直後の肉厚分布は、図2を図1の断面C−Cとして、該B開口部12の捨袋13に近い部分が非常に薄肉となってしまう。
図3は同じく図1の断面C−Cを表し、図2のカットライン14にて該捨袋13を除去したものである。該B開口部12の開口端15が非常に薄肉になっているので該B開口部12の剛性が非常に低下するという問題があった。
解決しようとする課題は、ブロー成形による吸気管においてパーティングラインを通すことのできない開口部の捨袋に近い部分が非常に薄肉となってしまい、剛性が非常に低下するという点である。本発明は上記の点を解決するためになされた。
3つ以上の開口部を有する熱可塑性樹脂のブロー成形による成形体であって、少なくとも1つ以上の該開口部に熱可塑性樹脂製のスリーブ状インサートがインサート成形され、該開口部の切除前の不要部分が分割金型内に突出することを最も主要な特徴とする。
また、上記成形体が吸気管であることを第2の主要な特徴とする。
また、上記開口部の不要部分をカッターのみそすり運動により切除することを第3の主要な特徴とする。
本発明によれば、3つ以上の開口部を有する熱可塑性樹脂のブロー成形による成形体において、少なくとも1つ以上の該開口部の外周囲に熱可塑性樹脂製のスリーブ状インサートをインサート成形させることにより、該スリーブ状インサートが開口端の外周囲にしっかり固着され、薄肉化による剛性の低下を招かないという効果がある。
加えて、回転装置によりカッター及び刃をみそすり運動をさせながら回転軸のまわりを回転させ、不要部分を切除するため、該刃は凹所の薄肉な個所を切ることとなるので非常に容易に切除ができるという効果もある。
パーティングラインを通すことのできない開口部の捨袋に近い部分が非常に薄肉となり、剛性が非常に低下してしまうのを防ぐという目的を、3つ以上の開口部を有する熱可塑性樹脂のブロー成形による成形体において、少なくとも1つ以上の該開口部の外周囲に熱可塑性樹脂製のスリーブ状インサートをインサート成形し、回転装置によりカッター及び刃をみそすり運動をさせながら回転軸のまわりを回転させ、不要部分を切除することによって、インサートブロー成形という安価な工法を用いて、経済性を損なわずに実現した。
本発明の構成を発明の実施の形態に基づいて説明すると次の通りである。尚、従来例と同一の符号は同一の部材を表す。
図4は、本発明の1実施例を示す分割金型25内における図1のC−C断面相当部分の図である。該分割金型25のスライドコア24はキャビティー面26よりも突出している。
次に本発明の作用を説明する。該スライドコア24にあらかじめポリプロピレン等のスリーブ状インサート21をセットし、該分割金型25内にポリプロピレン等の半溶融状態の熱可塑性樹脂パリソン23を垂下させ該分割金型を型締めする。
尚、該パリソン23に適用される該熱可塑性樹脂としてはポリプロピレンに限らず、ポリエチレンや他のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、シンジオタクチックポリスチレン、ポリスチレン、ゴム改質ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、変性ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート等、ブロー成形が可能な樹脂であれば何でも良い。また、該熱可塑性樹脂にガラス繊維、炭素繊維、ボロン繊維、硫酸カルシウム粉末、炭酸カルシウム粉末等を混錬させた複合材であってもよい。
また、該スリーブ状インサート21に適用される該熱可塑性樹脂としてもポリプロピレンに限らず、該パリソン23に適用される該熱可塑性樹脂として例示された樹脂等で良い。成形法としては、インジェクション成形、コンプレッション成形、注型成形等、成形が可能な方法であれば何でも良い。
その後該パリソン内に圧縮空気を吹き込む。すると該パリソン23は図4に示すように該分割金型25の該キャビティー面26に圧着させられるべくブローアップされる。
該パリソン23が該キャビティー面26に圧着させられた状態を図5に示す。図5は図4と同じく分割金型内における図1のC−C断面相当部分の図である。該スライドコア24は該キャビティー面26よりも型内に突出しており該スライドコア24と該キャビティー面26の境には凹所28が形成されているため、該パリソン23はブローアップによって引き伸ばされて該凹所28において特に薄肉となる。
離型した該吸気管1の断面を図6に示す。32はカッターであり回転装置(図示せず)により刃34とともに回転軸30のまわりを回転させられる。このとき図中の切断線35,35は該回転軸30と斜めの角度をなしているため、31を中心点として該カッター32及び刃34は所謂みそすり運動を行って不要部分37を該切断線35にて切除する。
この場合、該切断線35はちょうど該凹所28に位置するため、該刃34は薄肉の個所を切ることとなるので非常に容易に切除ができる。
図7は該不要部分37を切除した後の該吸気管1の断面を示す。該スリーブ状インサート21は盛肉部36によって該吸気管1本体にしっかり固着されているので従来例と異なり剛性的に問題を生じることはない。
尚、上記実施例では吸気管を例にあげて説明したが、吸気管に限らず、3つ以上の開口部を有する熱可塑性樹脂のブロー成形による成形体であれば、少なくとも1つ以上の該開口部の外周囲にスリーブ状インサートをインサート成形させることにより、本発明の効果を具現し得ることは明らかである。また、該スリーブ状インサートをスライドコアにセットしたが、離型さえ容易にできればスライド機構は必須ではない。
以上実施例に述べたように本発明によれば、3つ以上の開口部を有する熱可塑性樹脂のブロー成形による成形体において、少なくとも1つ以上の該開口部の外周囲に熱可塑性樹脂製のスリーブ状インサートをインサート成形させることにより、該スリーブ状インサートが開口端の外周囲にしっかり固着され、薄肉化による剛性の低下を招かないという効果がある。
加えて、該開口部の不要部分を分割金型内に突出させ、回転装置によりカッター及び刃をみそすり運動をさせながら回転軸のまわりを回転させて該不要部分を切除するため、該刃は凹所の薄肉な個所を切ることとなるので非常に容易に切除ができるという効果もある。
本発明は、自動車用吸気管等の成形体のブロー成形に利用可能である。
1 吸気管
2,3 レゾネータ
4 吸気口
5 パーティングライン
11 A開口部
12 B開口部
13 捨袋
14 カットライン
15 開口端
21 スリーブ状インサート
23 パリソン
24 スライドコア
25 分割金型
26 キャビティー面
30 回転軸
31 中心点
32 カッター
34 刃
35 切断線
36 盛肉部
37 不要部分
2,3 レゾネータ
4 吸気口
5 パーティングライン
11 A開口部
12 B開口部
13 捨袋
14 カットライン
15 開口端
21 スリーブ状インサート
23 パリソン
24 スライドコア
25 分割金型
26 キャビティー面
30 回転軸
31 中心点
32 カッター
34 刃
35 切断線
36 盛肉部
37 不要部分
Claims (3)
- 3つ以上の開口部を有する熱可塑性樹脂のブロー成形による成形体であって、少なくとも1つ以上の該開口部に熱可塑性樹脂製のスリーブ状インサートがインサート成形され、該開口部の切除前の不要部分が分割金型内に突出することを特徴とする成形体
- 請求項1に述べた成形体が吸気管であることを特徴とする請求項1記載の成形体
- 請求項1または請求項2に述べた開口部の不要部分をカッターのみそすり運動により切除することを特徴とする請求項1または請求項2記載の成形体の製造方法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007167044A JP2009006481A (ja) | 2007-06-26 | 2007-06-26 | 成形体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007167044A JP2009006481A (ja) | 2007-06-26 | 2007-06-26 | 成形体およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009006481A true JP2009006481A (ja) | 2009-01-15 |
Family
ID=40322095
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007167044A Pending JP2009006481A (ja) | 2007-06-26 | 2007-06-26 | 成形体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009006481A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009132137A (ja) * | 2007-10-31 | 2009-06-18 | Kyoraku Co Ltd | ブロー成形におけるインサート方法 |
JP2016078275A (ja) * | 2014-10-14 | 2016-05-16 | 株式会社Fts | ブロー成形品の開口部の形成方法 |
JP2018115632A (ja) * | 2017-01-20 | 2018-07-26 | スズキ株式会社 | 内燃機関の吸気装置 |
-
2007
- 2007-06-26 JP JP2007167044A patent/JP2009006481A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009132137A (ja) * | 2007-10-31 | 2009-06-18 | Kyoraku Co Ltd | ブロー成形におけるインサート方法 |
JP2016078275A (ja) * | 2014-10-14 | 2016-05-16 | 株式会社Fts | ブロー成形品の開口部の形成方法 |
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