JP2009005499A - 車両の駆動装置 - Google Patents

車両の駆動装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009005499A
JP2009005499A JP2007163981A JP2007163981A JP2009005499A JP 2009005499 A JP2009005499 A JP 2009005499A JP 2007163981 A JP2007163981 A JP 2007163981A JP 2007163981 A JP2007163981 A JP 2007163981A JP 2009005499 A JP2009005499 A JP 2009005499A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
refrigerant
case
motor generator
cooling
cooling water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007163981A
Other languages
English (en)
Inventor
Masataka Sugiyama
正隆 杉山
Masatoshi Adachi
昌俊 足立
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2007163981A priority Critical patent/JP2009005499A/ja
Publication of JP2009005499A publication Critical patent/JP2009005499A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/62Hybrid vehicles

Landscapes

  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)
  • Motor Or Generator Cooling System (AREA)

Abstract

【課題】ケースの固有振動数を変動させて、ケースに生ずる共振を回避することにより、騒音を低減することができる車両の駆動装置を提供する。
【解決手段】第1電動発電機35および第2電動発電機36を収容するケース21と、冷媒貯留部16、17および冷却水を冷媒貯留部16、17に充填する冷媒充填部31を有する第1冷却装置37と、ケース21の振動周波数を検出するケース振動検出手段48と、ケース振動検出手段48により検出されたケース21の振動周波数に基づいて冷媒貯留部16、17に充填される冷却水の充填量を制御する充填量制御手段45を備えたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の駆動装置に関し、特に、電動発電機による走行が可能な車両に搭載され、電動発電機を収容するケースの振動を抑制してケースに生ずる騒音を低減するようにした車両の駆動装置に関する。
従来、この種の車両の駆動装置として、機械的強度を改善することにより騒音を抑制するものが知られている。例えば、ケース内に収容された電動発電機および遊星歯車機構を支持する支持部の構造において、剛性の弱い部位を補強してケースの振動を低減し、ケースに生ずる騒音を抑制するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−308094号公報
しかしながら、上述のような従来の車両の駆動装置にあっては、ケース内に収容された電動発電機が回転すると、電動発電機に振動が発生し、この振動が軸受を介してケースに伝達され、駆動装置のケースの表面が振動して騒音が放射されてしまう。特に、電動発電機の振動の周波数が駆動装置のケースの固有振動数と合致するとケースが共振してしまい騒音が増大してしまうという問題がある。このようなケースの共振を低減するよう剛性の弱い部位を補強して駆動装置の機械的強度を高めることにより、固有振動数を高めても電動発電機が振動し、その振動がこの固有振動数と合致するとケースが共振し騒音が増加してしまい、共振の低減が不充分であるという問題があった。
本発明は、前述のような従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。すなわち、ケースの固有振動数を変動させて、ケースに生ずる共振を回避することにより、騒音を低減することができる車両の駆動装置を提供することを目的とする。
本発明に係る車両の駆動装置は、上記目的達成のため、(1)電動発電機を収容するケースと、前記電動発電機を冷却するための冷媒を貯留するよう前記ケースの外周部に設けた冷媒貯留部および前記冷媒を前記冷媒貯留部に充填する冷媒充填部を有する冷却装置と、前記電動発電機の振動に伴って生ずる前記ケースの振動周波数を検出するケース振動検出手段と、前記ケース振動検出手段により検出された前記振動周波数に基づいて前記冷媒貯留部に充填する前記冷媒の充填量を制御する充填量制御手段と、を備えたことを特徴とする。
この構成により、本発明に係る車両の駆動装置においては、冷媒貯留部に冷媒を充填する冷媒充填部を有する冷却装置と、ケース振動検出手段を備え、充填量制御手段によりケースの振動周波数に基づいて冷媒貯留部に充填される冷却水などからなる冷媒の充填量が制御されると、冷媒貯留部に充填される冷却水の充填量の大小によりケースの質量が変るよう制御される。ケースの質量が変るよう制御されると、ケースの振動が低周波数領域から高周波数領域に亘る全域で、ケースの固有振動数と合致することがなくなり、ケースの共振が回避され、ケースの騒音が減少する。本発明に係る車両の駆動装置においては、車両の運転条件が低負荷低中速である低周波数領域であるときは、ケースの振動により騒音が増大し、ケースの振動を低減する必要性が高いが、低負荷低中であるので電動発電機の冷却の必要性が低い。他方、車両の運転条件が高負荷高速である高周波数領域では、ケースの振動による騒音が比較的小さいので、ケースの振動を低減する必要性が低いが、高負荷高速であるので、電動発電機の冷却の必要性が高い。したがって、低周波数領域では、充填量制御手段により冷媒貯留部に充填される冷却水の充填量を制御して騒音を低減することができるとともに、高周波数領域では、冷却装置による冷却を優先することができ、冷媒貯留部の冷却機能を損なうことがないので、ケースの騒音の減少と、電動発電機の冷却とを両立させることができる。
本発明の(1)に記載の車両の駆動装置においては、(2)前記充填量制御手段が、前記冷媒貯留部の入口側で前記冷媒貯留部に連結した入口側冷媒管および前記冷媒貯留部の出口側で前記冷媒貯留部に連結した出口側冷媒管にそれぞれ設けられた開閉弁の開度を制御することにより、前記冷媒の充填量を制御するようにしてもよい。
この構成により、本発明に係る車両の駆動装置においては、入口側冷媒管に設けられた開閉弁と出口側冷媒管に設けられた開閉弁の開度が制御されると、例えば、入口側冷媒管の開閉弁を開とし、出口側冷媒管の開閉弁を閉とすると、出口側冷媒管に冷却水が流動するのを阻止されるので、冷媒充填部から充填される冷却水が冷媒貯留部内で貯留し充填量が増加する。また、入口側冷媒管の開閉弁を開とし、出口側冷媒管の開閉弁を開とした場合でも、冷媒充填部から充填される冷却水が冷媒貯留部内を常時流動するので、冷媒貯留部の冷却水の充填量が増加し、減少することはない。他方、入口側冷媒管の開閉弁を閉とし、出口側冷媒管の開閉弁を開とすると、冷媒充填部から冷却水が冷媒貯留部内に充填されなくなり、冷媒貯留部内の冷却水が減少する。
本発明の(1)または(2)に記載の車両の駆動装置においては、(3)前記冷却装置を第1冷却装置とし、冷媒を前記電動発電機に供給して前記電動発電機を冷却するよう前記ケースの内部に設けた冷媒供給部を有する第2冷却装置と、前記冷媒供給部に供給する前記冷媒の供給量を制御する供給量制御手段と、を備え、前記供給量制御手段が、前記冷媒貯留部に充填される冷媒の充填量に基づいて前記冷媒供給部から前記電動発電機に供給する冷媒の供給量を制御するよう構成してもよい。
この構成により、本発明に係る車両の駆動装置においては、供給量制御手段により、冷媒充填部に充填される冷却水の充填量に基づいて冷媒供給部から電動発電機に供給される作動油(ATF)などのオイルからなる冷媒の供給量が制御されると、冷媒供給部から電動発電機に供給されるオイルの供給量が冷媒貯留部に充填される冷却水の充填量に基づいて増加または減少する。例えば、冷媒貯留部に充填される冷却水の充填量が小さいとき、オイルの供給量が大きくなるよう制御されると、冷媒貯留部に充填される冷却水による電動発電機の冷却が第2冷却装置のオイルにより補われるので、第1冷却装置および第2冷却装置の全体として電動発電機が好適に冷却される。他方、冷媒貯留部に充填される冷却水の充填量が大きいとき、オイルの供給量が小さくなるよう制御されると、第1冷却装置および第2冷却装置の全体として電動発電機が好適に冷却されるとともに、第2冷却装置のオイルによる電動発電機の冷却エネルギーを減少させることができる。
本発明の(1)〜(3)のいずれかに記載の車両の駆動装置においては、(4)前記充填量制御手段が、前記冷媒貯留部に充填する冷媒の充填量を最大および最小のいずれか一方に切り換えるよう制御するようにしてもよい。
この構成により、本発明に係る車両の駆動装置においては、充填量制御手段により、冷媒貯留部に充填する冷却水の充填量が最大および最小のいずれか一方に切り換えるよう制御されると、充填量制御手段により、入口側冷媒管の開閉弁および出口側冷媒管の開閉弁の開度を全開および全閉のいずれかで制御することができ、制御が簡易になるとともに、簡易な構造の開閉弁で制御することができる。
本発明の(1)〜(4)のいずれかに記載の車両の駆動装置においては、(5)前記電動発電機および前記冷媒貯留部に充填される冷媒のうち少なくともいずれか一方の温度を測定する温度測定手段を有し、前記充填量制御手段が、前記ケース振動検出手段により検出された前記振動周波数と、前記温度測定手段により測定された前記電動発電機の温度および前記冷媒貯留部に供給される冷媒の温度のうち少なくともいずれか一方の温度に基づいて前記冷媒貯留部を通る冷媒の流量を制御するようにしてもよい。
この構成により、本発明に係る車両の駆動装置においては、ケース振動検出手段により検出されたケースの振動周波数と、温度測定手段により測定された電動発電機の温度および冷媒貯留部に充填される冷却水の温度の少なくともいずれか一方の温度とに基づいて、充填量制御手段により、冷媒貯留部を通る冷却水の流量が制御されると、例えば、冷却水の流量が大きくなると、ケースの質量が大きくなり、冷却水の流量が絞り込まれると、冷媒貯留部を通る冷却水の量が減少し、ケースの質量が小さくなり、前述した(1)のケースの固有振動数を変動させる制御が実行される。この固有振動数を変動させる制御は、ケースの振動周波数と、電動発電機の温度および冷媒貯留部に充填される冷却水の温度の少なくともいずれか一方の温度とに基づいて実行される。例えば、電動発電機の温度および冷媒貯留部に充填される冷却水の温度の少なくともいずれか一方の温度が高いときは、冷却機能が固有振動数の変動機能に優先し、冷媒充填部が冷却水が適切な流量になるよう制御される。その結果、第1冷却装置の冷却機能を損なうことない範囲内で固有振動数を変動させる制御が実行され、第1冷却装置による電動発電機の冷却と固有振動数を変動させることによる騒音の低減とを両立させることができる。
本発明の(5)に記載の車両の駆動装置においては、(6)前記第1冷却装置が前記電動発電機を冷却する冷却能力が不足しているか否かを判断する冷却能力判断手段を有し、前記冷却能力判断手段が、前記冷却能力が不足していると判断した場合には、前記充填量制御手段により前記冷媒貯留部に充填される冷媒の流量が最大となるよう前記第1冷却装置を制御するようにしてもよい。
この構成により、本発明に係る車両の駆動装置においては、冷却能力判断手段により第1冷却装置における冷却能力が不足していると判断された場合には、充填量制御手段により冷媒貯留部に充填される冷却水の流量が最大となるように制御されるので、第1冷却装置による冷却機能が優先され、第1冷却装置による冷却機能が損なわれることはない。
本発明の(1)〜(6)のいずれかに記載の車両の駆動装置においては、(7)前記電動発電機を複数備えるとともに、前記冷媒貯留部を複数備え、前記冷媒貯留部を、それぞれの前記電動発電機の近傍の前記ケースの外周部に設け、前記冷媒充填部が前記冷媒貯留部に並列に冷媒を供給するようにしてもよい。
この構成により、本発明に係る車両の駆動装置においては、第1冷却装置の複数の冷媒貯留部が複数の電動発電機の近傍のケースの外周部に設けられ、冷媒充填部により冷媒貯留部に並列に冷却水が供給されると、冷媒貯留部に充填される冷却水が貯蔵されているタンクから、それぞれ冷媒充填部により直接各冷媒貯留部に冷却水が充填されるので、冷媒充填部が冷媒貯留部に直列に冷却水を供給する場合と比較して第1冷却装置により、好適に各電動発電機が冷却される。
本発明によれば、ケースの固有振動数を変動させて、ケースに生ずる共振を回避することにより、騒音を低減することができる車両の駆動装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
(実施の形態)
以下、本発明に係る車両の駆動装置をハイブリッド自動車に適用した例について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る車両の駆動装置20を搭載したハイブリッド自動車1の構成の概略を示す構成図である。図2は、本発明の実施の形態に係る車両の駆動装置20の構成の概略を示す構成図である。
まず、本発明の実施の形態に係る車両の駆動装置20の構成について説明する。
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る車両の駆動装置が適用されるハイブリッド自動車1は、内燃機関10と、駆動装置20と、ハイブリッド電子制御ユニット30と、右フロントドライブシャフト71aと、左フロントドライブシャフト71bと、右前輪61Rと、左前輪61Lと、プロペラシャフト67と、リヤディファレンシャル72と、右リヤドライブシャフト72aと、左リヤドライブシャフト72bと、右後輪62Rと、左後輪62Lとを含んで構成されている。
内燃機関10は、例えば、V型8気筒などの公知の内燃機関で構成されており、その出力軸は、駆動装置20を介してプロペラシャフト67に連結されている。この内燃機関10は、その種類、型式などのエンジン仕様は特に制限はなく、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンその他のエンジンで構成してもよい。また、この内燃機関10は、ラジエータ63と連結されており、内燃機関電子制御ユニット60の指令に基づいてラジエータ63内の冷却水が内燃機関冷却水ポンプ65から内燃機関10内に供給されるようになっている。この冷却水は、内燃機関10内を冷却した後、ラジエータ63に還流し、ラジエータ63の内部で冷却された後、再び内燃機関10内に供給されるようになっている。また、この内燃機関10は、ハイブリッド電子制御ユニット30の指令に基づいて内燃機関電子制御ユニット60によりその運転が制御されるようになっている。
図1および図2に示すように、駆動装置20は、ケース21と、遊星歯車機構34と、第1電動発電機35と、第2電動発電機36と、第1冷却装置37と、第2冷却装置38とを含んで構成されており、内燃機関10のクランクシャフトから入力された駆動力は、ハイブリッド自動車1の運転状態に応じてハイブリッド電子制御ユニット30により制御され、プロペラシャフト67に伝達され、リヤディファレンシャル72を介して右リヤドライブシャフト72aおよび右後輪62Rと、左リヤドライブシャフト72bおよび左後輪62Lとに伝達されるようになっている。
図3は、本発明の実施の形態に係る車両の駆動装置20の分解斜視図である。
図3に示すように、ケース21は、トランスミッションケースカバー21a、トランスミッションケース21b、21c、エクステンションケース21d、ウォータジャケットカバー21eおよび21fを含んで構成されている。これらの各構成要素は、例えば、アルミダイキャストからなり、トランスミッションなどからなる公知の駆動装置の一部を構成している。トランスミッションケースカバー21a、トランスミッションケース21b、21c、エクステンションケース21d、ウォータジャケットカバー21eおよび21fは、各々ボルトなどの締結具により互いに固定され、単一のケースとして組立てられるようになっている。
そして、このケース21の内部に、遊星歯車機構34、第1電動発電機35および第2電動発電機36などが収容されており、この第1電動発電機35および第2電動発電機36はケース21の内側面部に固定されている。また、このケース21は、トランスミッションケースカバー21aで内燃機関10のピストンなどを収容するエンジンブロックに取り付けられ、トランスミッションケース21bおよび21cの外周部でハイブリッド自動車1の図示しない車体に振動を緩和する弾性体を介して支持されている。したがって、このケース21は、その内部に収容された遊星歯車機構34、第1電動発電機35および第2電動発電機36などとともに振動系を構成している。この振動系においては、第1電動発電機35および第2電動発電機36がケース21の内側面部に固定されているので、特に第1電動発電機35および第2電動発電機36が回転し、この第1電動発電機35および第2電動発電機36に振動が発生すると、この振動がケース21に直接伝達され、ケース21が振動する構造になっている。
遊星歯車機構34は、リングギヤと、このリングギヤ内に軸線をリングギヤの軸線と一致させて配置されたサンギヤと、リングギヤおよびサンギヤの軸線と一致させてリングギヤとサンギヤとの間に挿入されたキャリヤと、このキャリヤに回転自在に収容されてリングギヤおよびサンギヤと噛み合うピニオンギヤとで構成されている。このキャリヤは、クランクシャフトに連結されており、内燃機関10の駆動力が入力されるようになっている。また、サンギヤは、第1電動発電機35の内部に有する回転軸と連結されており、リングギヤは、プロペラシャフト67に連結されている。
この構成により、クランクシャフトから内燃機関10の駆動力がキャリヤに入力されると、ピニオンギヤを介して、サンギヤと連結された第1電動発電機35に伝達されるとともに、リングギヤと連結されたプロペラシャフト67に伝達されるようになっている。
したがって、この遊星歯車機構34は、内燃機関10の駆動力を第1電動発電機35とプロペラシャフト67とに分配することができる。
図1および図2に示すように、第1電動発電機35は、車両を駆動するための電動機の機能およびバッテリ41に充填するための発電機の機能の双方の機能を有しており、ステータ、ロータを含んで構成されている。このステータは、ケース21の内周部に固定されたコアを有しており、このコアの外周には、磁界を発生させるため巻線が三相になるよう巻回されている。また、ロータは、N極およびS極からなる永久磁石を有しており、ステータの内周部に回転自在に設けられている。
この構成により、電動発電機電子制御ユニット40の指令に基づいてステータの三相巻線に三相交流電流が流されると、第1電動発電機35内に回転磁界が発生し、この回転磁界がロータの回転位置および速度に合わせて制御され、ロータに配置された永久磁石が回転磁界に引かれてトルクが発生するようになっている。発生するトルクの大きさは、電流により制御され、回転数の大きさは、交流電源の周波数により制御されるようになっている。
また、この第1電動発電機35は、インバータ42に接続されており、電動発電機電子制御ユニット40によりインバータ42を介して電動機と発電機のどちらかに切り換えられ、電動機または発電機のいずれかで機能するようになっている。このインバータ42は、走行用IPM(Intelligent Power Module)およびIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistors)などからなるスイッチング素子で構成されている。
この巻線に流される三相交流電流は、高トルクが要求されるほど大きくなるので、ステータの温度が上昇する。ステータの温度が上昇すると巻線の電気抵抗が高まり初期の電流値が低下するので第1電動発電機35から出力されるトルクが減少してしまう。このような出力トルクの減少を防止するため、第2冷却装置38により作動油(ATF)などの流体からなるオイルをステータに供給して直接ステータを冷却するとともに、第1冷却装置37により冷却水をケース21の外周部に設けた冷媒貯留部16に流動させてステータを間接的に冷却するようにしている。
第2電動発電機36は、第1電動発電機35と同様の構成および機能を有し、その回転軸はプロペラシャフト67に連結されており、ハイブリッド電子制御ユニット30によりその駆動力がプロペラシャフト67に伝達されるようになっている。また、第2電動発電機36は、第1電動発電機35と同様に、第2冷却装置38によりオイルがそのステータに供給され直接ステータが冷却されるとともに、第1冷却装置37により冷却水がケース21の外周部に設けた冷媒貯留部17に充填され、そのステータで間接的に冷却されるようになっている。また、この第2電動発電機36は、インバータ43に接続されており、電動発電機電子制御ユニット40によりインバータ42を介して電動機と発電機のどちらかに切り換えられ、電動機または発電機のいずれかで機能するようになっている。
第1冷却装置37は、冷却水タンク15と、冷媒管15a、15fと、入口側冷媒管15b、15dと、出口側冷媒管15c、15eと、冷媒貯留部16、17と、開閉弁23〜26と、逆止弁27、28と、冷媒充填部31と、冷媒吸引部44とにより構成されている。冷媒管15a、15f、入口側冷媒管15b、15dおよび出口側冷媒管15c、15eは、その内部に冷却水を通す通路がそれぞれ形成されており冷却水が各通路内を流動するようになっている。
図4は、本発明の実施の形態に係る車両の駆動装置20における冷却水タンク15の断面図である。図5は、本発明の実施の形態に係る車両の駆動装置20における冷媒貯留部16の部分断面図であり、(a)は、冷媒貯留部16に充填される冷却水が最大に充填されている状態を示し、(b)は、冷媒貯留部16に充填される冷却水が排出される状態を示す。図6は、本発明の実施の形態に係る車両の駆動装置20における冷媒貯留部17の部分断面図であり、(a)は、冷媒貯留部17に充填される冷却水が最大に充填されている状態を示し、(b)は、冷媒貯留部17に充填される冷却水が排出される状態を示す。
図4に示すように、冷却水タンク15は、前述の車体に固定された中空の容器15iからなり、この容器15iの内部には、冷媒貯留部16、17に充填される冷却水が貯蔵されるようになっている。この冷却水タンク15は、冷媒貯留部16、17の双方の容積分の冷却水を貯蔵しうる容積を有しており、冷媒貯留部16、17に冷却水が最大に充填されているとき、容器15iの内部に冷媒空間15jが画成されるようになっている。また、上部側面部15kには、貫通孔15lが形成されており、この貫通孔15lに冷媒管15aが挿入されている。また、上部側面部15kには、貫通孔15mが形成されており、この貫通孔15mに冷媒管15fが挿入されている。さらに、上部側面部15kには、貫通孔15nが形成されており、この貫通孔15nの上部には、圧力調整弁29が取り付けられている。この圧力調整弁29は、筐体29aと、この筐体29aに収容された弁体29bおよび圧縮ばね29cとにより構成されており、弁体29bの側面部で貫通孔15nを閉止するよう、圧縮ばね29cの付勢力が弁体29bに作用するよう構成されている。また、この筐体29aの上面部には貫通孔29dが形成されている。この圧力調整弁29は、ハイブリッド電子制御ユニット30により、その開閉が制御されるものであってもよい。
この圧力調整弁29は、冷媒貯留部に充填される冷媒空間15j内の圧力が高まらないよう、冷媒貯留部に充填される冷媒空間15jが所定の圧力に達したときに、圧縮ばね29cの付勢力に抗して弁体29bが、圧縮ばねを圧縮する方向に移動し、貫通孔15lの端部が開口するようにしている。この圧力調整弁29は、冷却水タンク15内と大気との圧力差をなくし、冷却水タンク15に不必要な応力が生じないようにするためのものであり、場合によってはこの圧力調整弁29を設けなくてもよい。
本実施の形態においては、冷却水タンク15は、第1冷却装置37を構成するものとして説明したが、本発明に係る車両の駆動装置においては、冷却水タンク15は、内燃機関10を冷却するためのラジエータ63と共用してもよい。冷却水タンク15とラジエータ63とを共用する場合には、冷却水タンク15に連結されていた冷媒充填部31をラジエータ63に連結し、ハイブリッド電子制御ユニット30により、このラジエータ63に連結された冷媒充填部31、冷媒吸引部44および内燃機関冷却水ポンプ65の冷却水の供給量を制御するようにしてもよい。
図2および図4に示すように、冷媒管15aは、冷却水タンク15の貫通孔15lに挿入されており、一端が冷却水タンク15内の冷却水を吸入するよう吸入口15hが形成され、他端が入口側冷媒管15bおよび15dの端部と連結している。この冷媒管15aには、冷媒充填部31が設けられ、冷却水タンク15内の第1の冷却水を冷媒貯留部16、17に充填するようになっている。
図2および図3に示すように、この入口側冷媒管15bは、端部で冷媒貯留部16の入口部16bに連結されており、この入口側冷媒管15bの入口部16bの近傍で開閉弁23が設けられている。入口側冷媒管15dは、端部で冷媒貯留部17の入口部17bに連結されており、この入口側冷媒管15dの入口部17bの近傍で開閉弁25が設けられている。出口側冷媒管15cは、一端で冷媒貯留部16の出口部16cに連結されるとともに他端で冷媒管15fに連結されており、出口側冷媒管15cの出口部16cの近傍で開閉弁24が設けられ、この開閉弁24の下流側に逆止弁27が設けられている。出口側冷媒管15eは、一端で冷媒貯留部17の出口部17cに連結されるとともに他端で冷媒管15fに連結されており、出口側冷媒管15eの出口部17cの近傍で開閉弁26が設けられ、この開閉弁26の下流側に逆止弁28が設けられている。
図3および図5(a)、(b)に示すように、冷媒貯留部16は、その内部に冷媒室16aを有しており、この冷媒室16aは、トランスミッションケース21bの下部に形成された図示しない冷媒溝とウォータジャケットカバー21eに形成された冷媒溝16fとで画成されている。このウォータジャケットカバー21eは、ボルトなどの固定具でトランスミッションケース21bに固定されている。この冷媒貯留部16の入口部16bから冷却水が充填され、出口部16cから排出されるようになっている。
この冷媒貯留部16には、側面部16dに貫通孔16eが形成されており、この冷媒貯留部16の内部で、この貫通孔16eに対向する位置に、圧力調整弁18が取り付けられている。この圧力調整弁18は、筐体18aと、この筐体18aに収容された弁体18bおよび圧縮ばね18cとにより構成されており、弁体18bの側面部で貫通孔16eを閉止するよう、圧縮ばね18cの付勢力が弁体18bに作用するよう構成されている。この圧力調整弁18は、図5(a)に示すように、冷媒室16a内に冷却水が最大に充填されているときは、弁体18bの側面部で貫通孔16eが閉止されるようになっている。
他方、図5(b)に示すように、冷媒室16a内の冷却水が排出され充填量が最小になるときは、冷却水が出口部16cから速やかに排出されるよう、冷媒室16aに所定の負圧が作用したときに、圧縮ばね18cの付勢力に抗して弁体18bが、圧縮ばね18cを圧縮する方向に移動し、貫通孔16eの端部が開口するようになっている。貫通孔16eの端部が開口しても、冷却水に所定の負圧が作用しているので、この開口から冷却水が外部に漏出することはない。
この冷媒貯留部16は、トランスミッションケース21bの外周部に複数箇所形成してもよい。複数の冷媒貯留部16をトランスミッションケース21bの外周部に設ける場合には、冷媒充填部31が各冷媒貯留部16に直列に冷却水を供給するようにしてもよく、並列に冷却水を供給するようにしてもよい。
この冷媒貯留部16の冷却水を貯留する容量(mm)は、ハイブリッド自動車1の車種、ケース21の構造、大きさ、形状および質量、第1電動発電機35、36の仕様などの設定条件に基づいて適宜選択することができる。この容量は大きい程、第1電動発電機35を冷却する機能およびケース21の固有振動数を回避する機能が向上する。
この駆動装置20におけるケース21は、その構造、形状、質量などにより定まる単一または複数の固有振動数を有しており、その内部に収容されている遊星歯車機構34、第1電動発電機35および第2電動発電機36などの振動源が振動し、この振動源の振動の周期がケース21の固有振動数の周期に近づくと、ケース21の振幅が増加するいわゆる共振が発生する。この共振が発生すると、ハイブリッド自動車1の運転者や同乗者にとって不快な騒音となるので、この共振を低減する必要がある。
ここで、ケース21を1自由度の振動系の剛体として近似させ、この剛体の固有振動数をωとし、剛体の質量をMとし、剛体のばね定数をkとすると、固有振動数ωは、次式(1)で表される。
Figure 2009005499

この式(1)に示されるように、ケース21の質量Mと固有振動数ωは、ケース21の質量Mが大きくなると固有振動数ωは小さくなり、質量Mが小さくなると固有振動数ωは大きくなる関係にある。
冷媒貯留部16は、ケース21のトランスミッションケース21b外周側部に設けられているので、冷媒貯留部16の質量を変えることにより、ケース21の質量Mを変えることができる。すなわち、冷媒貯留部16の質量を変えることにより、ケース21の固有振動数ωを変動させることができる。具体的には、冷媒貯留部16に冷却水が充填されて満タンの状態のときは、ケース21の質量Mが大きくなるので、固有振動数ωが小さくなり、冷媒貯留部16に冷却水が充填されず空の状態のときは、ケース21の質量Mが小さくなるので、固有振動数ωが大きくなる。その結果、冷媒貯留部16に充填する冷却水の充填量を制御することによりケース21の固有振動数ωを変動させることができる。
図3および図6(a)、(b)に示すように、冷媒貯留部17は、冷媒貯留部16と同様に、その内部に冷媒室17aを有しており、この冷媒室17aは、トランスミッションケース21cの側面部に形成された冷媒溝17fとウォータジャケットカバー21fに形成された図示しない冷媒溝とで画成されている。このウォータジャケットカバー21fは、ボルトなどの固定具でトランスミッションケース21cに固定されている。この冷媒貯留部17の入口部17bから冷却水が充填され、出口部17cから排出されるようになっている。
この冷媒貯留部17には、側面部17dで貫通孔17eが形成されており、この貫通孔17eの上部には、圧力調整弁19が取り付けられている。この圧力調整弁19は、筐体19aと、この筐体19aに収容された弁体19bおよび圧縮ばね19cとにより構成されており、弁体19bの側面部で貫通孔17eを閉止するよう、圧縮ばね19cの付勢力が弁体19bに作用するよう構成されている。この圧力調整弁19は、図6(a)に示すように、冷媒室17a内に冷却水が最大に充填されているときは、弁体19bの側面部で貫通孔17eが閉止されるようになっている。
他方、図6(b)に示すように、冷媒室17a内の冷却水が排出され充填量が最小になるときは、冷却水が出口部17cから速やかに排出されるよう、冷媒室17aに所定の負圧が作用したときに、圧縮ばね19cの付勢力に抗して弁体19bが、圧縮ばね19cを圧縮する方向に移動し、貫通孔17eの端部が開口するようになっている。貫通孔17eの端部が開口しても、冷却水に所定の負圧が作用しているので、この開口から冷却水が外部に漏出することはない。
この冷媒貯留部17は、トランスミッションケース21cの外周部に複数箇所形成してもよい。複数の冷媒貯留部17をトランスミッションケース21bの外周部に設ける場合には、冷媒充填部31が各冷媒貯留部16に直列に冷却水を供給するようにしてもよく、並列に冷却水を供給するようにしてもよい。
また、この冷媒貯留部17は、冷媒貯留部16と並列に配置されており、冷媒充填部31により冷却水タンク15からそれぞれ直接冷却水が充填されるようになっている。また、冷媒貯留部17においても、冷媒貯留部16と同様に、冷媒貯留部17に充填する冷却水の充填量を制御することによりケース21の固有振動数を変動させることができる。この冷媒貯留部16、17の双方によって貯留される冷却水の容量は、駆動装置20をケース21を介して好適に冷却し、ケース21の固有振動数を効果的に変動させるため、できるだけ大きいことが好ましい。他方、車両の質量を低減し、冷却水を充填する冷媒充填部31の消費エネルギーを低減するために、冷媒貯留部16、17の双方によって貯留される冷却水の容量は、できるだけ小さいことが好ましい。したがって、冷媒貯留部16、17の双方によって貯留される冷却水の容量は、前述の両者のバランスを考量して適宜選択される。
また、冷媒充填部31が冷媒貯留部17および冷媒貯留部16に直列に冷却水を供給するよう冷媒貯留部17と冷媒貯留部16とを配置してもよく、並列に冷却水を供給するように冷媒貯留部17と冷媒貯留部16とを配置してもよい。
開閉弁23は、例えば、全開または全閉を切り換える電磁弁、流量を調節可能な電磁流量制御弁などのINバルブからなり、入口側冷媒管15bの冷媒貯留部16の近傍に設けられており、ハイブリッド電子制御ユニット30により開閉が制御されるようになっている。
開閉弁24は、例えば、開閉弁23と同様に全開または全閉を切り換える電磁弁、流量を調節可能な電磁流量制御弁などのOUTバルブからなり、出口側冷媒管15cの冷媒貯留部16の近傍に設けられており、開閉弁23と同様にハイブリッド電子制御ユニット30により開閉が制御されるようになっている。この開閉弁24は、冷媒貯留部16に冷却水が充填され満タンになった際に、その開度を全閉にして内部に充填されている冷却水が減少しないようになっている。
開閉弁25は、例えば、開閉弁23と同様に全開または全閉を切り換える電磁弁、流量を調節可能な電磁流量制御弁などのINバルブからなり、入口側冷媒管15dの冷媒貯留部17の近傍に設けられており、開閉弁23と同様にハイブリッド電子制御ユニット30により開閉が制御されるようになっている。
開閉弁26は、例えば、開閉弁23と同様に全開または全閉を切り換える電磁弁、流量を調節可能な電磁流量制御弁などのOUTバルブからなり、出口側冷媒管15eの冷媒貯留部17の近傍に設けられており、開閉弁23と同様にハイブリッド電子制御ユニット30により開閉が制御されるようになっている。この開閉弁26は、冷媒貯留部17に冷却水が充填され満タンになった際に、その開度を全閉にして内部に充填されている冷却水が減少しないようになっている。
本実施の形態に係る車両の駆動装置20においては、開閉弁24および26は、内部に充填されている冷却水の充填量を維持するようそれぞれ出口側冷媒管15cおよび15eに設けられている場合について説明したが、本発明に係る車両の駆動装置においては、開閉弁24および26は設けずに、冷媒充填部31により冷却水の充填量が常に満タンで維持するようハイブリッド電子制御ユニット30でその流量を制御するようにしてもよい。
逆止弁27は、スプリングおよび円盤からなるスプリングディスク逆止弁、スプリングおよびチェックボールからなるチェックボール逆止弁などからなり、開閉弁23の下流側で出口側冷媒管15cに配置され、冷却水が逆流して冷媒貯留部16の出口部16cから流入しないようになっている。逆止弁28も、逆止弁27と同様に構成され、開閉弁26の下流側で出口側冷媒管15eに配置され、冷却水が逆流して冷媒貯留部17の出口部17cから流入しないようになっている。
図4に示すように、冷媒充填部31は、例えば、ブラシレスDCモータを使った電動ウォータポンプなどからなり、冷媒管15aの途中に設けられており、冷却水タンク15内の冷却水を冷媒管15aを経由して冷媒貯留部16、17に充填するようになっている。冷媒充填部31は、ハイブリッド電子制御ユニット30によりその供給量(mm/min)および供給タイミングが制御されるようになっている。
冷媒吸引部44は、冷媒充填部31と同様に、ブラシレスDCモータを使った電動ウォータポンプなどからなり、冷媒管15fの途中に設けられている。また、冷媒吸引部44の吸入側が出口側冷媒管15c、15eに連結されており、冷媒貯留部16、17内の冷却水を吸引して、冷媒管15fの排出口15gから冷却水タンク15内に排出するようになっている。この冷媒吸引部44は、ハイブリッド電子制御ユニット30によりその吸引量(mm/min)および吸引タイミングが制御されるようになっている。
図2に示すように、第2冷却装置38は、冷媒供給部32と、オイルクーラ33と、オイルパン39と、オイル管39aと、オイル管39bと図示しないオイルストレーナとにより構成されている。オイルパン39は、オイルを貯蔵する容器からなり、駆動装置20内の遊星歯車機構34、第1電動発電機35および第2電動発電機36などの潤滑要素を潤滑し還流するオイルを受け入れて貯蔵するようになっている。このオイルパン39には、オイルストレーナの吸入口が浸漬されており、この吸入口からオイルが吸入され各潤滑要素に供給されるようになっている。
オイル管39aは、一端がオイルストレーナに連結され、他端が冷媒供給部32の吸入部に連結されたオイル管や、内部にオイルが流動するオイル通路を有しエンジン駆動力を伝達するシャフトなどから構成されている。このシャフトには、オイル供給孔が複数形成されており、このオイル供給孔からオイルが吐出され遊星歯車機構34、第1電動発電機35および第2電動発電機36などの潤滑要素に供給されるようになっている。このオイル管39aは、さらに分岐した分岐管を有し、オイルは、この分岐管から内部に油圧回路が形成された図示しないバルブボディに作動油として供給されるようになっている。オイル管39bは、一端が前述のバルブボディ内の油圧回路のドレインに連結され、バルブボディのドレインから還流するオイルがオイルパン39に戻るよう配設されている。
オイルクーラ33は、ハイブリッド自動車1の走行風で冷却する空冷によるものや、内燃機関10の冷却水で冷却する水冷によるものなどからなる熱交換器で構成されており、オイル管39bに設けられ、オイルパン39に還流するオイルを冷却するようになっている。
冷媒供給部32は、ギヤポンプ、トロコイドポンプなどのオイルを吸入し吐出するポンプからなり、オイル管39aに設けられ、オイル管39aを介して、駆動装置20の内部の遊星歯車機構34、第1電動発電機35および第2電動発電機36などの潤滑要素にオイルを供給するようになっている。また、この冷媒供給部32は、ハイブリッド電子制御ユニット30により、バルブボディの油圧回路および複数の潤滑要素にオイルを供給する供給量(mm/min)や供給タイミングが制御されるようになっている。
この構成により、オイルパン39内のオイルは、冷媒供給部32からオイル管39aを経由して、駆動装置20内の潤滑要素に供給されるとともに、バルブボディの油圧回路に供給される。潤滑要素に供給されたオイルは、自然落下によりオイルパン39に還流し、バルブボディの油圧回路に供給されたオイルは、ドレインを介してオイル管39bに還流され、さらにオイルクーラを経由してオイルパン39内に還流されるようになってる。
図1に示すように、ハイブリッド電子制御ユニット30は、CPU(Central Processing Unit)30a、処理プログラムなどを記憶するROM(Read Only Memory)30b、一時的にデータを記憶するRAM(Random Access Memory)30c、バッテリ41を電源として作動し書換え可能な不揮発性のメモリからなるEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)30d、A/D変換器やバッファなどを含む入力インターフェース回路、および、駆動回路などを含む出力インターフェース回路を含んで構成されている。
ハイブリッド電子制御ユニット30の入力インターフェース回路には、内燃機関10が搭載されたハイブリッド自動車1の走行速度または車輪回転速度を検出する車速センサ51、図外のアクセルペダルの踏み込みを検出するアクセル開度センサ52、第1電動発電機35および第2電動発電機36を冷却する冷却水の温度を測定する冷却水温度センサ53、第1電動発電機35の表面温度を測定する第1電動発電機温度センサ55、車外の温度を測定する外気温センサ56、ケース21の温度を測定するケース温度センサ57、第2電動発電機36の表面温度を測定する第2電動発電機温度センサ58がそれぞれ接続されており、これらのセンサ群51〜58から出力される情報は、入力インターフェース回路を介してハイブリッド電子制御ユニット30に取り込まれるようになっている。
また、このハイブリッド電子制御ユニット30は、車速センサ51により検出された車速や、アクセル開度センサ52により検出されたアクセル開度Accなどに基づいて、駆動装置20から出力されるべき要求トルクを検出し、この要求トルクに対応する要求動力が、プロペラシャフト67に出力されるよう、内燃機関10と第1電動発電機35と第2電動発電機36とを制御するようになっている。
このハイブリッド電子制御ユニット30においては、電動発電機電子制御ユニット40および内燃機関電子制御ユニット60から出力された情報は、入力インターフェース回路を介して入力され、電動発電機電子制御ユニット40および内燃機関電子制御ユニット60に出力する情報は、出力インターフェース回路を介して出力されるようになっている。この電動発電機電子制御ユニット40および内燃機関電子制御ユニット60も、ハイブリッド電子制御ユニット30と同様に、CPU、ROM、RAM、A/D変換器やバッファなどを含む入力インターフェース回路、および、駆動回路などを含む出力インターフェース回路を含んで構成されている。
CPU30aは、集積回路などの電子回路からなり、ROMおよびRAMなどとともに充填量制御手段45、供給量制御手段46、冷却能力判断手段47およびケース振動検出手段48などにおける処理を実行するよう構成されている。
充填量制御手段45は、ケース振動検出手段48により検出されたケース21の振動周波数(Hz)に基づいて冷媒貯留部16、17に充填する冷却水の充填量(mm)を制御するようになっている。
このケース振動検出手段48は、車速センサ51が検知したハイブリッド自動車1の走行速度、すなわち、車速V(Km/h)に基づいてケース21の振動周波数を検出するようになっている。この車速センサ51は、例えば、トランスミッションの出力側シャフトの回転数(rpm)を検知して電気信号をハイブリッド電子制御ユニット30に出力するようになっている。この電気信号は、例えば、出力側シャフトの1回転当たり数パルス〜数10パルスの車速パルス信号(Hz)として出力されるようになっている。
この車速パルス信号(Hz)と、ケース21の振動周波数(Hz)との関係を、例えば、ハイブリッド自動車1の走行テストを実施することにより、得られた実測データに基づいて算出してもよい。この走行テストは、例えば、車両の走行モードである10・15モードに準じた走行モードなどにより、所定の回数で実施し、車速パルス信号に対するケース21の振動周波数を実測し、標準偏差などの統計的手段により、算出するようにしてもよい。
この充填量制御手段45は、前述のように冷媒貯留部16、17に充填される冷却水の充填量(mm)を制御するよう構成されており、この充填量の制御は、図2に示す第1冷却装置37の開閉弁23〜26の開閉をそれぞれ制御することにより行われる。例えば、冷媒貯留部16に冷却水を充填し冷媒貯留部16を満タンにするには、開閉弁23および開閉弁24を開とした状態で、冷媒充填部31から冷却水を、所定の流量で所定時間供給し冷媒貯留部16が満タンになった状態で、開閉弁23および開閉弁24を閉とすればよい。また、開閉弁23を開とし、開閉弁24を開とした状態で、冷媒充填部31から冷却水を、所定の流量で連続して供給し冷媒貯留部16が満タン状態を維持するよう冷却水を流動させるようにしてもよい。
供給量制御手段46は、冷却水を充填する冷媒貯留部16、17の充填量(mm)に基づいて冷媒供給部32から遊星歯車機構34、第1電動発電機35および第2電動発電機36などのケース21内の各構成要素に供給されるオイルの供給量(mm/min)および供給タイミングを制御するようになっている。
冷却能力判断手段47は、第1冷却装置37における第1電動発電機35および第2電動発電機36に対する冷却能力が不足しているか否かについて、ハイブリッド自動車1の運転状態およびハイブリッド自動車1の各部から得られた温度情報に基づいて判断するようになっている。
このハイブリッド自動車1の運転状態は、第1冷却装置37の冷却能力を判断するための基礎情報を構成しており、第1電動発電機35および第2電動発電機36が温度上昇途中にあるのか温度下降途中にあるのかなどの温度変化を予測する情報が含まれる。また、この運転状態には、ハイブリッド自動車1の車速センサ51によって検出された車速V(Km/h)、アクセル開度センサ52によって検出されたアクセルペダルの踏み込み量を表すアクセル開度Accや運転状態を表すその他の情報も含まれる。
このハイブリッド自動車1においては、車速Vが上昇途中にあるときは、第1電動発電機35および第2電動発電機36の回転数が上昇するので、第1電動発電機35および第2電動発電機36の電流が増大し温度が上昇することが予測される。また、アクセル開度Accが増大途中にあるときには、第1電動発電機35および第2電動発電機36の回転数を増大させて、要求トルクが増大するよう制御されるので、第1電動発電機35および第2電動発電機36の電流が増大し温度が上昇することが予測される。
他方、車速Vが上昇途中にあるときは、駆動装置20が外気により冷却される熱交換量(J)が増大することが予測される。このような外気による駆動装置20の空冷は、第1冷却装置37における第1電動発電機35および第2電動発電機36の冷却機能を補助する補助機能として作用する。
また、このハイブリッド自動車1の各部の温度情報には、温度測定時の現時の温度情報だけでなく、所定時間間隔で測定した温度に基づいて検出された温度が上昇または下降しているかの情報も含まれる。各部の温度には、第1冷却装置37の冷却水の温度Tw(℃)、第1電動発電機35の温度Tmg1(℃)、第2電動発電機36の温度Tmg2(℃)、ケース21の温度Tc(℃)、外気の温度Tout(℃)、第2冷却装置38のオイルの温度To(℃)の各温度が含まれる。
この冷却水の温度Twは、冷却水温度センサ53により測定されるようになっており、この冷却水温度センサ53は、冷媒貯留部16、17にそれぞれ取り付けられている。また、第1電動発電機35の温度Tmg1は、第1電動発電機温度センサ55により測定されるようになっており、この第1電動発電機温度センサ55は、第1電動発電機35に取り付けられている。第2電動発電機36の温度Tmg2は、第2電動発電機温度センサ58により測定されるようになっており、この第2電動発電機温度センサ58は、第2電動発電機36に取り付けられている。
また、ケース21の温度Tcは、ケース温度センサ57により測定されるようになっており、このケース温度センサ57は、ケース21の外側面に取り付けられている。また、外気の温度Toutは、外気温センサ56により測定されるようになっており、この外気温センサ56は、ハイブリッド自動車1の車体、例えば、ハイブリッド自動車1の前方外部に取り付けられている。オイルの温度Toは、例えば、オイルパン39に取り付けられたオイル温度センサにより測定されるようになっている。このように各温度センサにより測定された温度Tw、Tmg1、Tmg2、Tc、Tout、Toは、それぞれハイブリッド電子制御ユニット30に出力されるようになっている。
この冷却能力判断手段47は、温度Tw、Tmg1、Tmg2、Tc、Tout、To(以下、各温度ということがある。)に基づいて、第1冷却装置37により第1電動発電機35、第2電動発電機36およびケース21を冷却して所定の温度以下にするために必要な熱量(J)を表す必要熱交換量Hn(J)、各温度測定時において第1冷却装置37が第1電動発電機35および第2電動発電機36を冷却することができる熱量(J)を表す冷却可能熱交換量H1c(J)および各温度測定時において第2冷却装置38が第1電動発電機35および第2電動発電機36を冷却することができる熱量(J)を表す冷却可能熱交換量H2c(J)を算出するようになっている。
次に、本発明の実施の形態に係る車両の駆動装置20の動作について、以下説明する。
図8は、本発明の実施の形態に係る第1冷却装置37の冷媒貯留部16、17に冷却水を充填する充填量制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
まず、ハイブリッド自動車1の運転が開始されると、ハイブリッド電子制御ユニット30により、車速センサ51、アクセル開度センサ52、冷却水温度センサ53、第1温度センサ55、外気温センサ56、ケース温度センサ57、第2電動発電機温度センサ58オイル温度センサがそれぞれ作動し、車速V、アクセル開度Acc、冷却水の温度Tw、第1電動発電機の温度Tmg1、外気の温度Tout、ケース21の温度Tc、第2電動発電機の温度Tmg2、オイルの温度Toの測定がそれぞれ開始され、継続して常時測定がなされ、測定された各データはハイブリッド電子制御ユニット30のRAM30cに記憶される。
記憶された車速V、アクセル開度Acc、冷却水の温度Tw、第1電動発電機の温度Tmg1、外気の温度Tout、ケース21の温度Tc、第2電動発電機の温度Tmg2の各データは、所定時間間隔で、冷却能力判断手段47により読み出され、読み出された各データに基づいて、第1電動発電機35、第2電動発電機36およびケース21を冷却するために必要な必要熱交換量Hn(J)が以下のようにして算出される(ステップS1)。
この必要熱交換量Hnは、第1電動発電機35および第2電動発電機36が適正な状態で使用される所定温度範囲の最大値Tmax、ハイブリッド自動車1の車速Vやアクセル開度Accなどに基づいて判断される運転状態、およびハイブリッド自動車1の各部における各温度などに基づいて算出される。算出された必要熱交換量Hnは、RAM30cに記憶され、必要に応じて読み出される。
この必要熱交換量Hnは、例えば、各温度測定時における第1電動発電機35の温度Tmg1と所定温度範囲の最大値Tmaxとの差、(Tmg1−Tmax)をΔT1(℃)とすると、ΔT1が正の値になったとき、ΔT1だけ冷却し所定温度範囲の最大値Tmaxまで冷却するために必要な熱量(J)が各温度測定時における第1電動発電機35の必要熱交換量Hnの一部となる。また、各温度測定時における第2電動発電機36の温度Tmg2と所定温度範囲の最大値Tmaxとの差、(Tmg2−Tmax)をΔT2(℃)とすると、ΔT2が正の値になったとき、ΔT2だけ冷却し所定温度範囲の最大値Tmaxまで冷却するために必要な熱量(J)が各温度測定時における第2電動発電機36の必要熱交換量Hnの一部となる。この所定温度範囲は、所定の温度を超えると第2電動発電機36の冷却が必要となる温度範囲をいい、第2電動発電機36の特性や車種などの諸条件により決定される。
また、各温度測定時におけるケース21の温度Tcと所定温度範囲の最大値Tmaxとの差、(Tc−Tmax)をΔT3(℃)とすると、ΔT3が正の値になったとき、ΔT3だけ冷却し所定温度範囲の最大値Tmaxまで冷却するために必要な熱量(J)が各温度測定時におけるケース21の必要熱交換量Hnの一部となる。また、各温度測定時における外気の温度Toutと所定温度範囲の最大値Tmaxとの差である(Tout−Tmax)をΔT4(℃)とすると、ΔT4が正の値になったとき、ΔT4だけ冷却し所定温度範囲の最大値Tmaxまで冷却するために必要な熱量(J)が、各温度測定時におけるケース21の必要熱交換量Hnの一部となり、ΔT4が負の値になったときは、外気がケース21を冷却するので、ΔT4は負の値として扱われる。したがって、必要熱交換量HnはΔT1〜ΔT3の正の値を加算したものと、ΔT4の正の値または負の値を加算したもので、次式、Hn=ΔT1+ΔT2+ΔT3±ΔT4で表される。このようにして、第1電動発電機35、第2電動発電機36を冷却するために必要な必要熱交換量Hnが算出される。
この必要熱交換量Hnは、ハイブリッド自動車1の運転状態を考慮し、車速Vが上昇途中にあるときは、第1電動発電機35および第2電動発電機36の回転数が上昇途中であり、第1電動発電機35および第2電動発電機36の電流が増大し温度が上昇することが予測されるので、必要熱交換量Hnが増加するよう所定の増加補正係数kvが乗算されるようにして算出してもよい。
また、アクセル開度Accが増大途中にあるときには、第1電動発電機35および第2電動発電機36の回転数を増大させて、要求トルクが増大するよう制御され、第1電動発電機35および第2電動発電機36の電流が増大し温度が上昇することが予測されるので、必要熱交換量Hnが増加するよう所定の増加補正係数kaが乗算されるようにして算出してもよい。
また、所定温度範囲の最大値Tmaxと外気温Toutとが比較され、Tmax>Toutのときは、必要熱交換量Hnが減少するよう所定の減少補正係数k1が乗算されるようにして算出してもよい。他方、Tmax<Toutのときは、必要熱交換量Hnが増加するよう所定の増加補正係数k2が乗算されるようにして算出してもよい。
次いで、冷却能力判断手段47により、各温度測定時における第1冷却装置37が有している冷却可能な冷却可能熱交換量H1c(J)が算出される。
この冷却可能熱交換量H1cは、第1冷却装置37により第1電動発電機35、第2電動発電機36およびケース21の温度測定時の温度Tmg1、Tmg2およびTcを下げることができる熱量(J)を表しており、第1冷却装置37の冷媒貯留部16、17に充填されている冷却水の充填量L(mm)、冷媒貯留部16、17内を流動する冷却水の流量Q(mm/min)、冷媒充填部31の冷却水最大供給量(mm/min)および冷却水の温度Tw(℃)に基づいて算出される。
この第1冷却装置37により第1電動発電機35、第2電動発電機36およびケース21の温度測定時の温度Tmg1、Tmg2およびTcを下げることができる熱量をΔ1tとすると、Δ1tは、(Tmg1−Tw)と、(Tmg2−Tw)と、(Tc−Tw)とを加算したもので表され、冷却水の充填量Lおよび冷却水の流量Qが大きいほど温度Tmg1、Tmg2およびTcを早く下降させることができる。この(Tmg1−Tw)、(Tmg2−Tw)、(Tc−Tw)、冷却水の充填量Lおよび冷却水の流量Qを実測し、統計的手段により、これらのパラメータのデータを集計、算出しマップを作成することにより、パラメータから熱量Δ1tからなる冷却可能熱交換量H1cを算出してもよい。この熱量Δ1tに関するデータのマップは、RAM30cに記憶し、必要に応じて読み出すようにして算出してもよい。
続いて、冷却能力判断手段47により算出された必要熱交換量Hnと冷却可能熱交換量H1cとが比較される(ステップS2)。比較により、H1c<Hnであり、第1冷却装置37の冷却能力が不足の状態であると判断された場合(ステップS2でNOの場合)には、充填量制御手段45により、第1冷却装置37のINバルブである開閉弁23および25、OUTバルブである開閉弁24および26の各開度が全開とされ(ステップS8)、冷媒貯留部16、17内を流動する冷却水の流量Qが最大とされる(ステップS9)。
冷却能力判断手段47により第1冷却装置37の冷却能力が不足していない状態であると判断された場合(ステップS2でYESの場合)には、ケース振動検出手段48により以下のようにして、ケース21の振動周波数(Hz)が検出される(ステップS3)。
車速センサ51が検知してハイブリッド電子制御ユニット30に出力された車速パルス信号(Hz)に基づいてケース21の振動周波数が検出される。具体的には、この車速パルス信号をPとし、ケース21の振動周波数をVibとすると、車両の振動周波数と車両の速度は比例関係にあるので、振動周波数Vibと車速パルス信号Pは、次式、Vib=k×Pで表される。この係数kは、ハイブリッド自動車1の車種やその他の設計条件により異なるが、前述の実測データに基づいて決定される。また、この係数kは、一定の値でもよく、所定の条件との関係により変化する値でもよい。例えば、ハイブリッド自動車1の運転状態に応じて変化する値に設定してもよく、ハイブリッド自動車1の加速時には、その加速状態に応じた係数kを設定し、減速時には、その減速状態に応じた係数kを設定してもよい。また、この関係式、Vib=k×Pと、設定された係数kとからなるマップを作成し、このマップをハイブリッド電子制御ユニット30のROM30bに記憶しておき、必要に応じて読み出して算出するようにしてもよい。
次いで、ケース振動検出手段48により検出されたケース21の振動周波数と、ケース21の固有振動数閾値とが比較される(ステップS4)。この固有振動数閾値は、ケース21の固有振動数を変動させるための基準となる周波数を表しており、以下のようにして決定され、決定された固有振動数閾値は、ハイブリッド電子制御ユニット30のROM30bに記憶され、必要に応じて読み出して使用される。
図7は、本発明の実施の形態に係る車両の駆動装置20が有する固有振動数を変動させる制御を説明するためのグラフである。
図7に示すように、実線の細線で表示された曲線における山の部分は、冷媒貯留部16、17の充填量が最大で満タンの状態のときのケース21の固有振動数ωfulを表している。他方、点線の細線で表示された曲線における山の部分は、冷媒貯留部16、17の充填量が最小で空の状態のときのケース21の固有振動数ωempを表している。
固有振動数閾値ωkは、固有振動数ωfulと固有振動数ωempの中間の周波数に決定される。この固有振動数閾値ωkは、中間の周波数になっているので、固有振動数ωfulおよび固有振動数ωempの両者から最も離隔した周波数となっており、この周波数にすることによりケース21の共振を以下に説明するように効果的に回避することができる。
ケース21の最大振動周波数(Hz)をSmaxとし、ケース21の最小振動周波数(Hz)をSminとし、検出されたケース21の振動周波数(Hz)をSとすると、SminからSmaxまでの周波数レンジを、Smin≦S<ωkの低周波数領域と、ωk≦S≦Smaxの高周波数領域の2つの領域に区分し、ケース21の振動周波数Sが低周波数領域にあるときは、冷媒貯留部16、17の充填量が最小で空の状態になるよう制御し、高周波数領域にあるときは、冷媒貯留部16、17の充填量が最大で満タンの状態になるよう制御する。
このように冷媒貯留部16、17の充填量を制御することにより、ケース21の振動周波数Sが低周波数領域にあるときは、ケース21は固有振動数ωempになっているので、ケース21の振動周波数Sと固有振動数ωempとが合致することはなく、共振が回避され、騒音が低減される。他方、ケース21の振動周波数Sが高周波数領域にあるときは、ケース21は固有振動数ωfulになっているので、ケース21の振動周波数Sと固有振動数ωfulとが合致することはなく、共振が回避され、騒音が低減される。すなわち、ケース21の放射音は実線の太線で表示された曲線となるので、低周波数領域および高周波数領域の全域において、共振が起きることはなく、騒音が低減される。
ケース21の振動周波数Sと、ケース21の固有振動数閾値ωkとの比較により、ケース21の振動周波数Sが固有振動数閾値ωkよりも大きい場合(ステップS4でNOの場合)には、充填量制御手段45により、第1冷却装置37のINバルブである開閉弁23および25、OUTバルブである開閉弁24および26の各開度が全開とされ(ステップS8)、冷媒貯留部16、17内を流動する冷却水の流量Qが最大とされる(ステップS9)。この冷媒貯留部16、17内を流動する冷却水の流量Qが最大になると、ケース21の固有振動数は固有振動数ωfulに変動するので、ケース21の振動周波数Sと固有振動数ωfulとが合致することはなく、共振は発生しない。
ケース21の振動周波数Sが固有振動数閾値ωkよりも小さい場合(ステップS4でYESの場合)には、冷却能力判断手段47により算出された必要熱交換量Hn(J)と、第2冷却装置38が第1電動発電機35および第2電動発電機36を冷却することができる熱量(J)を表す冷却可能熱交換量H2c(J)とが比較される(ステップS5)。
この冷却可能熱交換量H2cは、第2冷却装置38により第1電動発電機35、第2電動発電機36の温度測定時の温度Tmg1およびTmg2を下げることができる熱量(J)を表しており、第2冷却装置38の冷媒供給部32のオイル最大供給量(mm/min)、温度Tmg1(℃)、Tmg2(℃)およびオイルの温度To(℃)に基づいて算出される。
この第2冷却装置38により第1電動発電機35および第2電動発電機36の温度測定時の温度Tmg1およびTmg2を下げることができる熱量をΔ2tとすると、Δ2tは、(Tmg1−To)と(Tmg2−To)とを加算したもので表され、オイルの供給量が大きいほど温度Tmg1およびTmg2を早く下降させることができる。この(Tmg1−To)、(Tmg2−To)およびオイルの供給量を実測し、統計的手段により、これらのパラメータのデータを集計、算出しマップを作成することにより、パラメータから熱量Δ2tからなる冷却可能熱交換量H2cを算出することができる。この熱量Δ2tに関するデータのマップは、ROM30bやRAM30cに記憶し、必要に応じて読み出すようにして算出してもよい。
必要熱交換量Hnが冷却可能熱交換量H2cより大きい場合(ステップS5でNOの場合)には、充填量制御手段45により、第1冷却装置37のINバルブである開閉弁23および25、OUTバルブである開閉弁24および26の各開度が全開とされ(ステップS8)、冷媒貯留部16、17内を流動する冷却水の流量Qが最大とされ、第1冷却装置37による冷却が優先される(ステップS9)。
必要熱交換量Hnが冷却可能熱交換量H2cより小さい場合(ステップS5でYESの場合)には、第1冷却装置37の冷媒貯留部16、17のINバルブである開閉弁23と25が全閉とされ、OUTバルブである開閉弁24と26が全開とされる(ステップS6)。この状態で、冷媒吸引部44が動作し、冷媒貯留部16、17内の冷却水が吸引される。冷却水が吸引されると、冷媒貯留部16、17内が負圧になるので、圧力調整弁18および19が開口し、外気が冷媒貯留部16、17内に流入し、冷却水の吸引が加速され、速やかに吸引が実行され、冷却水は冷却水タンク15内に排出される。冷媒貯留部16、17内の冷却水の吸引が完了すると、開閉弁24と26が全閉となり、冷媒貯留部16、17の冷却水が最小である空の状態で維持される(ステップS7)。冷媒貯留部16、17が空になると、ケース21の質量が減少するので、ケース21の固有振動数が固有振動数ωempとなり高周波数領域に変動するので、ケース21の振動周波数Sと固有振動数ωempとは合致しないので、共振が起きることはなく、ケース21の騒音が低減される。
本実施の形態に係る車両の駆動装置20においては、ケース振動検出手段48は、車速センサ51が検知したハイブリッド自動車1の走行速度に基づいてケース21の振動周波数を検出する場合について説明したが、本発明にかかる車両の駆動装置においては、ケース振動検出手段48は、ケース振動センサをケース21の外周部に設置し、ケース21に生ずる振動周波数(Hz)、振幅などを実測することにより、ケース21の振動周波数を検出するようにしてもよい。例えば、このケース振動センサを圧電素子を用いた振動センサにより構成し、ケース21に生ずる振動を測定できるようにしてもよい。このケース振動センサは、ケース21の外周面の1箇所に取り付けられていればよいが、複数箇所に取り付けられていてもよい。
このケース21の振動周波数の測定は、所定の時間間隔(sec)毎のサンプリング測定でもよく、連続した測定でもよい。また、測定した振動周波数を、そのままリアルタイムで使用してもよく、ハイブリッド電子制御ユニット30のRAM30cに一時的に記憶させておき、必要に応じて読み出して使用してもよい。また、測定した振動周波数と、その測定時におけるハイブリッド自動車1の運転状態、例えば、車速、アクセル開度、第1電動発電機35および第2電動発電機36の温度、冷却水の温度などのパラメータとを対応させたデータをマップの形式でROM30bに記憶させておき、パラメータを指定することで、測定した振動周波数を読み出せるようにしてもよい。
このケース振動センサをケース21の外周面の1箇所に取り付けた場合には、ケース21から測定した振動周波数をそのままリアルタイムで使用してもよく、所定時間内に測定した複数の振動周波数のデータの全数またはサンプリング数を集計し、平均値や標準偏差を求めこの平均値や標準偏差に基づいて、所定時間内の振動周波数を検出し、より正確な振動周波数のデータを求めてもよい。
また、このケース振動センサをケース21の外周面の複数箇所に取り付けた場合には、1箇所に取り付けた場合と同様に、1個毎に、そのままリアルタイムで測定した振動周波数を使用してもよく、平均値や標準偏差により振動周波数のデータを求めてもよい。また、複数のケース振動センサが測定した振動周波数のデータを集計し、平均値や標準偏差を求めこの平均値や標準偏差に基づいて、所定時間内の振動周波数を検出し、より正確な振動周波数のデータを求めてもよい。
本実施の形態に係る車両の駆動装置20においては、ケース21の最小周波数Sminから最大周波数Smaxの周波数レンジの範囲内にケース21の固有振動数ωが1箇所存在した場合について説明したが、本実施の形態に係る車両の駆動装置20においては、周波数レンジの範囲内に、ケース21の固有振動数ωが複数箇所存在した場合でも、それらの固有振動数をそれぞれ変動させることができる。例えば、固有振動数ω1およびω2の2箇所に存在したときは、前述した固有振動数閾値ωkをそれぞれの固有振動数ω1およびω2に対して、固有振動数閾値ωk1およびωk2としてそれぞれ設定し、ケース21の固有振動数ωが1箇所に存在した前述の制御と同様の制御をそれぞれの固有振動数閾値ωk1およびωk2に基づいて実行するようにしてもよい。
具体的には、固有振動数閾値ωk1は、固有振動数ωemp(1)および固有振動数ωful(1)の双方から最も離隔した値に設定し、ケース21の振動周波数が上昇し固有振動数ωemp(1)に近づいたときには、固有振動数ωemp(1)と離隔した周波数で早めにケース21を固有振動数ωful(1)に変動させてケース21の振動周波数と固有振動数ωemp(1)とが合致して共振することを回避できる。
他方、ケース21の振動周波数が下降し固有振動数ωful(1)に近づいたときには、固有振動数ωful(1)と離隔した周波数で早めにケース21を固有振動数ωemp(1)に変動させてケース21の振動周波数と固有振動数ωful(1)とが合致して共振することを回避できる。
また、固有振動数閾値ωk2も固有振動数閾値ωk1と同様に、固有振動数ωemp(2)および固有振動数ωful(2)の双方から最も離隔した値に設定し、ケース21の振動周波数が上昇し固有振動数ωemp(2)に近づいたときには、固有振動数ωemp(2)と離隔した周波数で早めにケース21を固有振動数ωful(2)に変動させてケース21の振動周波数と固有振動数ωemp(2)とが合致して共振することを回避できる。他方、ケース21の振動周波数が下降し固有振動数ωful(2)に近づいたときには、固有振動数ωful(2)と離隔した周波数で早めにケース21を固有振動数ωemp(2)に変動させてケース21の振動周波数と固有振動数ωful(2)とが合致して共振することを回避できる。
本実施の形態に係る車両の駆動装置20においては、冷却能力判断手段47により第1冷却装置37の冷却能力を判断する場合に、必要熱交換量Hnと冷却可能熱交換量H1cとを比較して、H1c<Hnであるか否かで判断したが、必要熱交換量Hnと冷却可能熱交換量H1cについて、(H1c−Hn)の値の大きさに応じて判断し、第1冷却装置37の冷媒貯留部16、17内を流動する冷却水の流量Qを調節するようにしてもよい。例えば、(H1c−Hn)が正の値(J)であるとき、H1c−Hnの値の大きさに応じて、開閉弁23〜26の各開度を制御し、冷却水の流量Qを調節するようにしてもよい。(H1c−Hn)の値の大きさに応じて冷却水の流量Qが調節されると、より少ないエネルギー(J)で、第1電動発電機35および第2電動発電機36を冷却することができ、また、第1電動発電機35および第2電動発電機36の振動によるケース21の放射音を減少させることができ、冷却と騒音減少とを両立させることができる。
本実施の形態に係る車両の駆動装置20においては、第1冷却装置37の冷媒貯留部16、17を一体のものとしてハイブリッド電子制御ユニット30により制御される場合について説明したが、本発明にかかる車両の駆動装置においては、運転状態に応じて、冷媒貯留部16、17を別個に制御してもよい。例えば、第2電動発電機36の温度Tmg2が比較的高いとき、冷媒貯留部17を満タンの状態にし、冷媒貯留部16を空の状態にする制御を実行してもよく、逆に、第1電動発電機35の温度Tmg1が比較的高いとき、冷媒貯留部16を満タンの状態にし、冷媒貯留部17を空の状態にする制御を実行してもよい。
本実施の形態に係る車両の駆動装置20においては、駆動装置20を内燃機関10と、第1電動発電機35および第2電動発電機36の双方で車輪を直接駆動するパラレルハイブリッドシステムに適用する場合について説明したが、本発明に係る車両の駆動装置は、車輪の駆動を電動発電機で行い、内燃機関は電動発電機への電力供給源として作動するシリーズハイブリッドシステムに適用してもよく、内燃機関の動力を機械的に車輪に伝達して走行するモード、内燃機関の動力で発電を行い電動発電機で走行するモード、内燃機関を停止し電動発電機のみで電気自動車として走行するモードを有するパラレルシリーズハイブリッドシステムおよびその他のハイブリッドシステムに適用してもよい。
また、本実施の形態における車両の駆動装置20は、例示であって、この実施の形態に制限されるものではない。したがって、本発明は、前述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての制御が含まれることが意図される。
本実施の形態に係る車両の駆動装置20は、第1電動発電機35および第2電動発電機36を収容するケース21と、第1電動発電機35および第2電動発電機36を冷却するための冷却水を貯留するようケース21の外周部に設けた冷媒貯留部16、17および冷却水を冷媒貯留部16、17に充填する冷媒充填部31を有する第1冷却装置37と、第1電動発電機35および第2電動発電機36の振動に伴って生ずるケース21の振動周波数を車両の運転状態に基づいて検出するケース振動検出手段48と、ケース振動検出手段48により検出された振動周波数に基づいて冷媒貯留部16、17に充填する冷却水の充填量を制御する充填量制御手段45とを備えているので、ケース21の振動周波数が低周波数領域から高周波数領域に亘る全域で、ケース21の固有振動数と合致することがなくなり、ケース21が共振することが回避される。ケース21の共振が回避されると、共振により生じていたケース21の騒音が減少する。
また、本実施の形態に係る車両の駆動装置20においては、充填量制御手段45が、冷媒貯留部16、17の入口側で冷媒貯留部16、17に連結した入口側冷媒管15b、15dおよび冷媒貯留部16、17の出口側で冷媒貯留部16、17に連結した出口側冷媒管15c、15eにそれぞれ設けた開閉弁23〜26の開度を制御することにより、冷却水の充填量を制御するようにしたので、開閉弁23〜26の開度の制御により、冷媒貯留部16、17内の冷却水の充填量が制御される。
本実施の形態に係る車両の駆動装置20においては、第1冷却装置37と、オイルを第1電動発電機35および第2電動発電機36に供給して第1電動発電機35および第2電動発電機36を冷却するようケース21の内部に設けた冷媒供給部32を有する第2冷却装置38と、オイルの供給量を制御する供給量制御手段46と、を備え、供給量制御手段46が、冷却水の充填量に基づいて冷媒供給部32から第1電動発電機35および第2電動発電機36に供給するオイルの供給量を制御するようにしたので、例えば、冷却水の充填量が小さいとき、オイルの供給量が大きくなるよう制御されると、冷却水による第1電動発電機35および第2電動発電機36の冷却が第2冷却装置38のオイルにより補われ、第1冷却装置37および第2冷却装置38の全体として第1電動発電機35および第2電動発電機36が好適に冷却される。他方、冷媒貯留部16、17に充填される冷却水の充填量が大きいとき、オイルの供給量が小さくなるよう制御されると、第1冷却装置37および第2冷却装置38の全体として第1電動発電機35および第2電動発電機36が好適に冷却されるとともに、第2冷却装置38のオイルによる第1冷却装置37および第2冷却装置38の冷却エネルギーを減少させることができる。
また、本実施の形態に係る車両の駆動装置20においては、充填量制御手段45が、冷媒貯留部16、17に充填する冷却水の充填量を最大および最小のいずれか一方に切り換えるよう制御するようにしたので、充填量制御手段45により、開閉弁23〜26の開度を全開および全閉のいずれかで制御することができ、制御が簡易になるとともに、簡易な構造の開閉弁23〜26で制御することができる。
また、本実施の形態に係る車両の駆動装置20においては、第1電動発電機35、第2電動発電機36および冷媒貯留部16、17に充填される冷却水のうち少なくともいずれか一方の温度を測定する第1電動発電機温度センサ55、第2電動発電機温度センサ58、冷却水温度センサ53を有し、ケース振動検出手段48により検出されたケース21の振動周波数と、これらの各センサにより測定された各温度に基づいて、充填量制御手段45により、冷媒貯留部16、17を通る冷却水の流量を制御するようにしたので、第1冷却装置37の冷却機能を損なうことなく、固有振動数を変動させる制御が実行され、第1冷却装置37による第1電動発電機35、第2電動発電機36の冷却と固有振動数を変動させることによる騒音の低減とを両立させることができる。
また、本実施の形態に係る車両の駆動装置20においては、第1冷却装置37が第1電動発電機35、第2電動発電機36を冷却する冷却能力が不足しているか否かを判断する冷却能力判断手段47を有し、冷却能力判断手段47が、冷却能力が不足していると判断した場合には、充填量制御手段45により冷媒貯留部16、17に充填される冷却水の流量が最大となるよう第1冷却装置37を制御するようにしたので、第1冷却装置37による冷却機能が優先され、第1冷却装置37による冷却機能が損なわれることはない。
また、本実施の形態に係る車両の駆動装置20においては、第1電動発電機35および第2電動発電機36を備えるとともに、冷媒貯留部16、17を、それぞれの第1電動発電機35および第2電動発電機36の近傍のケース21の外周部に設け、冷媒充填部31により冷却水を並列に供給するようにしたので、第1冷却装置37に供給される冷却水が貯蔵されている冷却水タンク15からそれぞれ、第1冷却装置37の冷媒充填部31により直接各冷媒貯留部16、17に冷却水が充填されるので、直列に供給された場合と比較して第1冷却装置37により、好適に第1電動発電機35および第2電動発電機36が冷却される。
以上説明したように、本発明に係る車両の駆動装置は、ケースが有する固有振動数を変動させて、ケースに生ずる共振が回避され、騒音が低減されるという効果を奏する。したがって、本発明に係る車両の駆動装置は、広く内燃機関の動力を変速機などに伝達するための車両の駆動装置全般に有用である。
本発明の実施の形態に係る車両の駆動装置を搭載したハイブリッド自動車の構成の概略を示す構成図である。 本発明の実施の形態に係る車両の駆動装置の構成の概略を示す構成図である。 本発明の実施の形態に係る車両の駆動装置の分解斜視図である。 本発明の実施の形態に係る車両の駆動装置における冷却水タンクの断面図である。 本発明の実施の形態に係る車両の駆動装置における冷媒貯留部の部分断面図であり、(a)は、冷媒が最大に充填されている状態を示し、(b)は、冷媒が排出される状態を示す。 本発明の実施の形態に係る車両の駆動装置における他の冷媒貯留部の部分断面図であり、(a)は、冷媒が最大に充填されている状態を示し、(b)は、冷媒が排出される状態を示す。 本発明の実施の形態に係る車両の駆動装置が有する固有振動数を変動させる制御を説明するためのグラフである。 本発明の実施の形態に係る第1冷却装置の冷媒貯留部に冷却水を充填する充填量制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
符号の説明
1 ハイブリッド自動車
10 内燃機関
15 冷却水タンク
15a、15f 冷媒管
15b、15d 入口側冷媒管
15c、15e 出口側冷媒管
16、17 冷媒貯留部
18、19、29 圧力調整弁
20 駆動装置
21 ケース
21a トランスミッションケースカバー
21b、21c トランスミッションケース
21d エクステンションケース
21e、21f ウォータジャケットカバー
23、24、25、26 開閉弁
27、28 逆止弁
30 ハイブリッド電子制御ユニット(充填量制御手段、供給量制御手段、冷却能力判断手段、ケース振動検出手段)
31 冷媒充填部
32 冷媒供給部
33 オイルクーラ
34 遊星歯車機構
35 第1電動発電機(電動発電機)
36 第2電動発電機(電動発電機)
37 第1冷却装置(冷却装置)
38 第2冷却装置(冷却装置)
39 オイルパン
40 電動発電機電子制御ユニット
41 バッテリ
42、43 インバータ
45 充填量制御手段
46 供給量制御手段
47 冷却能力判断手段
48 ケース振動検出手段
51 車速センサ
52 アクセル開度センサ
53 冷却水温度センサ(温度測定手段)
55 第1電動発電機温度センサ(温度測定手段)
56 外気温センサ
57 ケース温度センサ(温度測定手段)
58 第2電動発電機温度センサ(温度測定手段)
60 内燃機関電子制御ユニット
63 ラジエータ
65 内燃機関冷却水ポンプ
67 プロペラシャフト

Claims (7)

  1. 電動発電機を収容するケースと、
    前記電動発電機を冷却するための冷媒を貯留するよう前記ケースの外周部に設けた冷媒貯留部および前記冷媒を前記冷媒貯留部に充填する冷媒充填部を有する冷却装置と、
    前記電動発電機の振動に伴って生ずる前記ケースの振動周波数を検出するケース振動検出手段と、
    前記ケース振動検出手段により検出された前記振動周波数に基づいて前記冷媒貯留部に充填する前記冷媒の充填量を制御する充填量制御手段と、を備えたことを特徴とする車両の駆動装置。
  2. 前記充填量制御手段が、前記冷媒貯留部の入口側で前記冷媒貯留部に連結した入口側冷媒管および前記冷媒貯留部の出口側で前記冷媒貯留部に連結した出口側冷媒管にそれぞれ設けられた開閉弁の開度を制御することにより、前記冷媒の充填量を制御するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の車両の駆動装置。
  3. 前記冷却装置を第1冷却装置とし、
    冷媒を前記電動発電機に供給して前記電動発電機を冷却するよう前記ケースの内部に設けた冷媒供給部を有する第2冷却装置と、
    前記冷媒供給部に供給する冷媒の供給量を制御する供給量制御手段と、
    を備え、
    前記供給量制御手段が、前記冷媒貯留部に充填される冷媒の充填量に基づいて前記冷媒供給部から前記電動発電機に供給する冷媒の供給量を制御するようにしたことを特徴とする前記請求項1または2に記載の車両の駆動装置。
  4. 前記充填量制御手段が、前記冷媒貯留部に充填する冷媒の充填量を最大および最小のいずれか一方に切り換えるよう制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両の駆動装置。
  5. 前記電動発電機および前記冷媒貯留部に充填される冷媒のうち少なくともいずれか一方の温度を測定する温度測定手段を有し、
    前記充填量制御手段が、前記ケース振動検出手段により検出された前記振動周波数と、前記温度測定手段により測定された前記電動発電機の温度および前記冷媒貯留部に充填される冷媒の温度のうち少なくともいずれか一方の温度に基づいて前記冷媒貯留部を通る冷媒の流量を制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両の駆動装置。
  6. 前記第1冷却装置が前記電動発電機を冷却する冷却能力が不足しているか否かを判断する冷却能力判断手段を有し、
    前記冷却能力判断手段が、前記冷却能力が不足していると判断した場合には、前記充填量制御手段により前記冷媒貯留部に充填される冷媒の流量が最大となるよう前記第1冷却装置を制御することを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の車両の駆動装置。
  7. 前記電動発電機を複数備えるとともに、前記冷媒貯留部を複数備え、前記冷媒貯留部をそれぞれの前記電動発電機の近傍の前記ケースの外周部に設け、前記冷媒充填部が前記冷媒貯留部に並列に冷媒を供給するようにしたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の車両の駆動装置。
JP2007163981A 2007-06-21 2007-06-21 車両の駆動装置 Pending JP2009005499A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007163981A JP2009005499A (ja) 2007-06-21 2007-06-21 車両の駆動装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007163981A JP2009005499A (ja) 2007-06-21 2007-06-21 車両の駆動装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009005499A true JP2009005499A (ja) 2009-01-08

Family

ID=40321282

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007163981A Pending JP2009005499A (ja) 2007-06-21 2007-06-21 車両の駆動装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009005499A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016199227A1 (ja) * 2015-06-09 2016-12-15 日産自動車株式会社 ハイブリッド車両のモード遷移制御装置
US10272767B1 (en) 2018-03-23 2019-04-30 Sf Motors, Inc. Dual loop liquid cooling of integrated electric drivetrain
WO2020129363A1 (ja) * 2018-12-19 2020-06-25 ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト 車両用モータの冷却装置
CN112186918A (zh) * 2019-07-01 2021-01-05 保时捷股份公司 在机动车辆中冷却电动机器的组件以及运行该组件的方法
JP2021028197A (ja) * 2019-08-09 2021-02-25 ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフトDaimler AG 車両の制御装置

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016199227A1 (ja) * 2015-06-09 2016-12-15 日産自動車株式会社 ハイブリッド車両のモード遷移制御装置
JPWO2016199227A1 (ja) * 2015-06-09 2018-02-01 日産自動車株式会社 ハイブリッド車両のモード遷移制御装置
KR101834144B1 (ko) 2015-06-09 2018-04-13 닛산 지도우샤 가부시키가이샤 하이브리드 차량의 모드 천이 제어 장치
RU2653944C1 (ru) * 2015-06-09 2018-05-15 Ниссан Мотор Ко., Лтд. Устройство управления изменением режима для гибридного транспортного средства
US10232698B2 (en) 2015-06-09 2019-03-19 Nissan Motor Co., Ltd. Mode transition control device for hybrid vehicle
US10272767B1 (en) 2018-03-23 2019-04-30 Sf Motors, Inc. Dual loop liquid cooling of integrated electric drivetrain
WO2019182622A1 (en) * 2018-03-23 2019-09-26 Sf Motors, Inc. Dual loop liquid cooling of integrated electric drivetrain
US10457135B2 (en) 2018-03-23 2019-10-29 Chongqing Jinkang New Energy Vehicle Co., Ltd. Dual loop liquid cooling of integrated electric drivetrain
WO2020129363A1 (ja) * 2018-12-19 2020-06-25 ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト 車両用モータの冷却装置
CN112186918A (zh) * 2019-07-01 2021-01-05 保时捷股份公司 在机动车辆中冷却电动机器的组件以及运行该组件的方法
CN112186918B (zh) * 2019-07-01 2023-08-29 保时捷股份公司 在机动车辆中冷却电动机器的组件以及运行该组件的方法
JP2021028197A (ja) * 2019-08-09 2021-02-25 ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフトDaimler AG 車両の制御装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4940714B2 (ja) 駆動装置の制御装置
US10415750B2 (en) System and method to provide lubrication for a plug-in hybrid
CN110077211B (zh) 电动车辆
US6578681B1 (en) Integrated retarder and accessory device
US10173616B2 (en) Compressed air system for a motor vehicle
US20100320019A1 (en) System and method to provide lubrication for a plug-in hybrid
JP4940765B2 (ja) 車両用駆動装置の潤滑装置
JP2009005499A (ja) 車両の駆動装置
EP3009289B1 (en) Drive control system for hybrid vehicle
US11254298B2 (en) System and method for compensation of turbo lag in hybrid vehicles
JPH11189073A (ja) ハイブリット車両の流体圧制御装置
CN103370248B (zh) 回油泵油位控制系统和方法
JP5921998B2 (ja) ハイブリッド作業車
JP2007224887A (ja) 油圧システム
US20010034571A1 (en) Vehicle controller
JP2010241260A (ja) ハイブリッド車両の制御装置および制御方法
JP6860028B2 (ja) 車両の潤滑構造及び車両の潤滑制御方法
CN102562255B (zh) 一种发动机及其冷却系统
JP2012151995A (ja) 電動車両
KR101509928B1 (ko) 차량용 모터 장치 및 모터 장치 제어방법
JP4503396B2 (ja) 電動ポンプ制御装置
JP2010095017A (ja) ハイブリッド車およびその制御方法
JP4066822B2 (ja) 車両の制御装置
JP2007211590A (ja) 車両用冷却装置の制御装置
JP4281263B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置