JP2009003319A - 液晶表示装置の駆動方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、高速応答性を有する液晶を駆動する場合に、焼き付きを防止することが可能な液晶表示装置の駆動方法を提供することを主目的とする。
【解決手段】本発明は、書き込み期間、点灯期間、消去期間、および黒表示期間を有し、上記黒表示期間にて第一の極性の電圧および第二の極性の電圧を交互に印加し、上記書き込み期間にて書き込むデータおよび上記黒表示期間にて書き込むデータが異なり、1フレーム中、1度だけ上記黒表示期間を設けることを特徴とする液晶表示装置の駆動方法を提供することにより、上記目的を達成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、焼き付きを防止する液晶表示装置の駆動方法に関するものである。
液晶表示装置では、静止画が長時間にわたって表示されると電荷の偏りが生じて焼き付きが起こる。このような焼き付きを防止する駆動方法としては、例えばネマチック液晶の場合、一定周期で電圧の極性を反転させる極性反転駆動が知られている。極性反転駆動には、縦または横方向1ライン毎に極性を反転するライン反転駆動や、1ドット(1画素)毎に極性を反転するドット反転駆動がある。また、自発分極を有するスメクチック液晶の場合、書き込みおよび消去の際に、それぞれ大きさが等しくて逆極性の電圧を一定期間かつ一定周期で印加する駆動方法が知られている。
また、液晶表示装置では、液晶の応答速度が充分ではない場合、表示すべき色とは異なる色が表示されてしまい色再現性が低下する。色再現性の低下を抑制する駆動方法としては、書き込みの直前にすべての画素にリセット信号を書き込む方法が開示されている(例えば特許文献1および特許文献2参照)。
さらに、液晶の応答速度が充分ではない場合、最初に走査したラインと最後に走査したラインとで輝度にバラツキが生じる。各画素での輝度のバラツキを抑制する駆動方法としては、1フレーム毎に走査順を逆にする、あるいは、奇数番目のラインを走査する方向と偶数番目のラインを走査する方向とを逆にする方法が開示されている(例えば特許文献1および特許文献2参照)。
また、書き込みおよび消去の際に常に光源を点灯させると、消去の際にも光源が点灯しているために光源からの光を有効に利用できない。そこで、光の利用効率の向上を目的として、最後のラインを走査して書き込みを行った後に光源を点灯して、最初のラインを走査して消去を行った直後に光源を消灯する駆動方法が提案されている(例えば特許文献3参照)。
さらに、光の利用効率を高め、消去に要する時間を削減することを目的として、消去の際に、複数の画素電極の同時選択による液晶への電圧印加を行い、光源を全ての画素電極へのデータ書き込み走査後にのみ点灯する駆動方法が提案されている(例えば特許文献4参照)。
特開平5−265403号公報 特開2004−206003号公報 特開2001−235766号公報 特開2003−5153号公報
基本的に、焼き付きを解消するには、表示された静止画とは異なる画像が表示されるように液晶を駆動すればよい。本発明者は鋭意検討を行った結果、静止画を表示しつつ液晶を駆動させるには、光源を消灯させて黒表示期間を設け、その黒表示期間中に液晶を駆動させればよいとの着想を得た。
このように光源を消灯させて黒表示期間を設けるには、書き込みおよび消去に要する時間を短くする必要があり、また応答速度の速い液晶を用いる必要がある。特に、バックライトをR・G・B・R・G・B…と時間的に切り替え、それに同期させて液晶の白黒シャッターを開閉し、網膜の残像効果により色を時間的に混合させ、これによりカラー表示を実現させるフィールドシーケンシャル方式により駆動する場合には、高速応答性を有する液晶を用いる必要がある。
近年、応答速度の速い液晶として、ネマチック液晶を用いたOCB(Optically Compensated Bend)モードや、自発分極を有するスメクチック液晶などが注目されている。このような高速応答性を有する液晶を用いれば、上記の黒表示期間を設ける駆動が可能である。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、高速応答性を有する液晶を駆動する場合に、焼き付きを防止することが可能な液晶表示装置の駆動方法を提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、複数のゲート線に順に電圧を印加して複数のスイッチング素子を順にオンするとともに、複数のソース線に第一の極性の電圧を印加する書き込み期間と、上記書き込み期間後に、光源を点灯させる点灯期間と、上記点灯期間後に、上記複数のゲート線に同時に電圧を印加して上記複数のスイッチング素子を同時にオンするとともに、上記複数のソース線に同時に上記第一の極性に対して逆極性の第二の極性の電圧またはゼロ電圧のいずれかを印加する消去期間と、上記消去期間後に、上記複数のゲート線に同時に電圧を印加して上記複数のスイッチング素子を同時にオンするとともに、上記複数のソース線に同時に上記第一の極性の電圧を印加して保持する第一保持期間、および、上記複数のゲート線に同時に電圧を印加して上記複数のスイッチング素子を同時にオンするとともに、上記複数のソース線に同時に上記第二の極性の電圧を印加して保持する第二保持期間を交互に有する黒表示期間とを有し、上記書き込み期間にて書き込むデータおよび上記黒表示期間にて書き込むデータが異なり、1フレーム中、1度だけ上記黒表示期間を設けることを特徴とする液晶表示装置の駆動方法を提供する。
本発明によれば、書き込み期間、点灯期間、および消去期間の後に、黒表示期間を有し、この黒表示期間にて、各画素における液晶に一斉に、互いに逆極性である第一の極性および第二の極性の電圧を交互に印加するので、静止画を長時間表示する場合に、電荷の偏りを抑え、焼き付きを防ぐことができる。また、書き込み期間にて書き込むデータと黒表示期間にて書き込むデータとが異なるので、電荷の偏りを効果的に抑制することができる。さらに、フィールドシーケンシャル方式により駆動する場合、1フレーム中、1度だけ黒表示期間を有するので、複数の光源のそれぞれの点灯期間の間隔を短縮することができ、カラーブレイクを抑制することができる。
上記発明においては、上記黒表示期間にて書き込むデータが、フレーム毎にランダムに異なることが好ましい。これにより、電荷の偏りをより一層抑制することができるからである。
また本発明においては、上記消去期間にて、上記複数のゲート線に同時に電圧を印加する時間が、液晶の応答に要する時間より長いことが好ましい。自発分極を有する液晶を用いた場合、消去期間にて、液晶の応答時間よりも長く、ゲート線をオンにしておくことにより、各画素の電荷量を均等化することができるからである。これにより、電荷のバランスが悪くなって、液晶の応答性が低下するのを防ぐことができる。
さらに本発明においては、上記黒表示期間後に、上記複数のゲート線に同時に電圧を印加して上記複数のスイッチング素子を同時にオンするとともに、上記複数のソース線に同時にゼロ電圧を印加するゼロ電圧リセット期間を有していてもよい。書き込み期間直前の液晶の動作位置を揃えたり、書き込み期間にて液晶の応答時間を短縮したりすることができるからである。
この場合、上記ゼロ電圧リセット期間にて、上記複数のゲート線に同時に電圧を印加する時間が、液晶の応答に要する時間より長いことが好ましい。自発分極を有する液晶を用いた場合、ゼロ電圧リセット期間にて、液晶の応答時間よりも長く、ゲート線をオンにしておくことにより、各画素の電荷量を均等化することができるからである。これにより、電荷のバランスが悪くなって、液晶の応答性が低下するのを防ぐことができる。
また本発明においては、先のフレームの上記書き込み期間での走査順と、次のフレームの上記書き込み期間での走査順とが逆であることが好ましい。これにより、各ゲート線に沿った画素の電極間に電圧が印加される時間を平均化することができるからである。
さらに本発明においては、フィールドシーケンシャル方式により駆動する場合、最後のサブフレームの上記消去期間後に上記黒表示期間を設けることが好ましい。これにより、各サブフレームの書き込み期間短縮することができ、カラーブレイクを抑制することができるからである。
また本発明においては、単安定性を示し、かつ、ハーフV字型スイッチング特性を示す強誘電性液晶を用いることが好ましい。単安定性を示し、かつ、ハーフV字型スイッチング特性を示す強誘電性液晶を用いた場合には、白黒シャッターとしての開口時間を十分に長くとることができ、明るいカラー表示の液晶表示装置を実現することができるからである。
さらに本発明は、複数のゲート線および複数のソース線と、上記ゲート線およびソース線に接続され、画素毎に配置された複数のスイッチング素子と、上記スイッチング素子に接続され、画素毎に配置された複数の画素電極と、上記画素電極に対向する位置に配置された対向電極と、上記画素電極および対向電極間に配置された液晶と、上記複数のゲート線に接続され、走査信号を印加するゲートドライバと、上記複数のソース線に接続され、画像信号を印加するソースドライバとを有する液晶パネル、ならびに、上記液晶パネルに対して光を照射する複数色の光源、ならびに、上記ゲートドライバ、ソースドライバおよび光源に接続され、上述の液晶表示装置の駆動方法によって液晶表示装置を駆動する制御部を有することを特徴とする液晶表示装置を提供する。
本発明の液晶表示装置は、上述の液晶表示装置の駆動方法によって駆動されるので、電荷の偏りを抑え、焼き付きを防ぐことができる。
本発明においては、書き込み期間、点灯期間、および消去期間の後であって、1フレーム中に1度だけ黒表示期間を設け、この黒表示期間にて逆極性の電圧を交互に印加するので、静止画を長時間表示する場合に、電荷の偏りを抑え焼き付きを防ぐことができるという効果を奏する。
以下、本発明の液晶表示装置の駆動方法および液晶表示装置について、詳細に説明する。
A.液晶表示装置の駆動方法
本発明の液晶表示装置の駆動方法は、本発明は、複数のゲート線に順に電圧を印加して複数のスイッチング素子を順にオンするとともに、複数のソース線に第一の極性の電圧を印加する書き込み期間と、上記書き込み期間後に、光源を点灯させる点灯期間と、上記点灯期間後に、上記複数のゲート線に同時に電圧を印加して上記複数のスイッチング素子を同時にオンするとともに、上記複数のソース線に同時に上記第一の極性に対して逆極性の第二の極性の電圧またはゼロ電圧のいずれかを印加する消去期間と、上記消去期間後に、上記複数のゲート線に同時に電圧を印加して上記複数のスイッチング素子を同時にオンするとともに、上記複数のソース線に同時に上記第一の極性の電圧を印加して保持する第一保持期間、および、上記複数のゲート線に同時に電圧を印加して上記複数のスイッチング素子を同時にオンするとともに、上記複数のソース線に同時に上記第二の極性の電圧を印加して保持する第二保持期間を交互に有する黒表示期間とを有し、上記書き込み期間にて書き込むデータおよび上記黒表示期間にて書き込むデータが異なり、1フレーム中、1度だけ上記黒表示期間を設けることを特徴とするものである。
本発明の液晶表示装置の駆動方法について図面を参照しながら説明する。
図1は、液晶表示装置の回路図である。図1に例示する回路は、互いに絶縁された状態でマトリクス状に配置された複数のゲート線G,G,…Gおよび複数のソース線S,S,…Sと、複数のゲート線G,G,…Gに接続されたゲートドライバ2と、複数のソース線S,S,…Sに接続されたソースドライバ3とを備えている。また、これらのゲート線G,G,…Gおよびソース線S,S,…Sの各交点の近傍の各画素には、ゲート線G,G,…Gおよびソース線S,S,…Sに接続された状態でスイッチング素子4がそれぞれ配置されており、各スイッチング素子4には画素電極5がそれぞれ接続されている。
ゲートドライバ2はゲート線G,G,…Gに電圧を印加し(走査信号を供給し)、ソースドライバ3はソース線S,S,…Sに正極性または負極性の電圧を印加する(画像信号を供給する)。このとき、フィールドシーケンシャル方式であれば、ソース線S,S,…Sに、任意の色を混色により表示するための複数の単位色のうちの1つの単位色に対応する画像信号を供給する。これにより、ゲートドライバ2によって複数のゲート線G,G,…Gに順に電圧を印加して複数のスイッチング素子をゲート線単位で順にオンするとともに、ソースドライバ3によって複数のソース線S,S,…Sに正極性または負極性の電圧を印加して、スイッチング素子4および画素電極5を介して液晶に正極性または負極性の電圧を印加して液晶を駆動する。すなわち、各ゲート線に沿った画素の画素電極および対向電極間に画像信号に対応した電圧が印加され、画像データがゲート線に沿った各画素に書き込まれ、これに対する液晶の応答の程度により、各画素の光の透過率が制御される。
図2は、図1に示す回路図を用いたフィールドシーケンシャル方式による液晶表示装置の駆動方法の一例を示すタイミングチャートである。なお、液晶としては、図3(b)に例示するように正極性の電圧を印加したときにのみ液晶分子が動作する強誘電性液晶を用いることとする。
図2において、Scanは全てのゲート線G,G,…Gを順に走査する様子を模式的に示すものであり、Vg1,…Vgnはゲート線G,G,…Gにそれぞれ電圧を印加するタイミングを示すものであり、VLCは液晶に印加される電圧の変化を示すものであり、T〜Tは各ゲート線に沿った画素における透過率の変化(すなわち液晶の駆動状態)を示すものであり、LEDは光源(RGB3色の光源)の点灯のタイミングを示すものである。また、1つのフルカラーの静止画像が表示される期間を1フレームFとし、1つのRGB各色の静止画像が表示される期間をサブフレームSF,SF,SFとする。
まず、サブフレームSFにおいては、ゲートドライバ2によって複数のゲート線G,G,…Gに順に電圧を印加して複数のスイッチング素子4をゲート線単位で順にオンするとともに、ソースドライバ3によって複数のソース線S,S,…Sに正極性(+)の電圧を印加して、スイッチング素子4および画素電極5を介して液晶に正極性(+)の電圧を印加して液晶を駆動する。このように、複数のゲート線に順に電圧を印加して複数のスイッチング素子を順にオンするとともに、複数のソース線に第一の極性(図2においては正極性)の電圧を印加する期間が書き込み期間Tである。
次いで、ゲートドライバ2によって最後のゲート線Gに電圧を印加してこのゲート線Gに沿ったスイッチング素子4をオンするとともに、ソースドライバ3によって複数のソース線S,S,…Sに正極性(+)の電圧を印加して、スイッチング素子4および画素電極5を介して液晶に正極性(+)の電圧を印加して、液晶を駆動させる。この際、液晶の応答時間(立ち上がり時間)として液晶応答期間Tを設ける。
次いで、最後のゲート線Gに沿った画素における液晶が駆動した後に、赤色の光源から赤色光Rを一定時間だけ照射して、赤色画像が認識されるようにする。このように、書き込み期間後に光源を点灯させる期間が点灯期間Tである。
次いで、複数のゲート線G,G,…Gに同時に電圧を印加して複数のスイッチング素子4を同時にオンするとともに、複数のソース線S,S,…Sに同時に負極性(−)の電圧を印加して、液晶の駆動状態をリセットする。このように、点灯期間後に、複数のゲート線に同時に電圧を印加して複数のスイッチング素子を同時にオンするとともに、複数のソース線に同時に第二の極性の電圧またはゼロ電圧のいずれか(図2においては負極性の電圧)を印加する期間が消去期間Tである。
次に、サブフレームSFおよびSFにおいても、上記サブフレームSFと同様に、書き込み、点灯、および消去を行う。
次いで、複数のソース線S,S,…Sに負極性(−)の電圧を印加したまま保持し(第二保持期間T)、複数のゲート線G,G,…Gに同時に電圧を印加して複数のスイッチング素子4を同時にオンするとともに、複数のソース線S,S,…Sに同時に正極性(+)の電圧を印加して保持し(第一保持期間T)、さらに複数のゲート線G,G,…Gに同時に電圧を印加して複数のスイッチング素子4を同時にオンするとともに、複数のソース線S,S,…Sに同時に負極性(−)の電圧を印加して保持する(第二保持期間T)。このように、消去期間後に、複数のゲート線に同時に電圧を印加して複数のスイッチング素子を同時にオンするとともに、複数のソース線に同時に第一の極性(図2においては正極性)の電圧を印加して保持する第一保持期間と、複数のゲート線に同時に電圧を印加して複数のスイッチング素子を同時にオンするとともに、複数のソース線に同時に第二の極性(図2においては負極性)の電圧を印加して保持する第二保持期間とを交互に有する期間が黒表示期間Tである。このとき、書き込み期間にて書き込んだデータとは異なるデータを黒表示期間では書き込む。
このような一連の駆動(書き込み、点灯、消去、書き込み、点灯、消去、書き込み、点灯、消去、および黒表示)を、光源から照射する光の色RGB、および表示する画像を変えながら繰り返して行なうことにより、色の異なる画像を視覚的に混色させてフルカラー画像として認識させることができる。
図4は、図1に示す回路図を用いたフィールドシーケンシャル方式による液晶表示装置の駆動方法の他の例を示すタイミングチャートである。なお、液晶としては、OCBモードを用いることとする。また、図4中の記号は、図2中の記号と同様である。
まず、サブフレームSFにおいて、複数のゲート線G,G,…Gに順に電圧を印加して複数のスイッチング素子4をゲート線単位で順にオンするとともに、複数のソース線S,S,…Sに正極性(+)の電圧を印加して、スイッチング素子4および画素電極5を介して液晶に正極性(+)の電圧を印加して液晶を駆動する(書き込み期間T)。次いで、書き込み期間T後、液晶の応答時間(立ち上がり時間)として液晶応答期間Tを設ける。次いで、最後のゲート線Gに沿った画素における液晶が駆動した後に、赤色の光源から赤色光Rを一定時間だけ照射して、赤色画像が認識されるようにする(点灯期間T)。次いで、複数のゲート線G,G,…Gに同時に電圧を印加して複数のスイッチング素子4を同時にオンするとともに、複数のソース線S,S,…Sに同時にゼロ電圧を印加して、液晶の駆動状態をリセットする(消去期間T)。
次に、サブフレームSFおよびSFにおいて、上記サブフレームSFと同様に、書き込み、点灯、および消去を行う。
次に、複数のゲート線G,G,…Gに同時に電圧を印加して複数のスイッチング素子4を同時にオンするとともに、複数のソース線S,S,…Sに同時に負極性(−)の電圧を印加して保持し(第二保持期間T)、さらに複数のゲート線G,G,…Gに同時に電圧を印加して複数のスイッチング素子4を同時にオンするとともに、複数のソース線S,S,…Sに同時に正極性(+)の電圧を印加して保持し(第一保持期間T)、再度複数のゲート線G,G,…Gに同時に電圧を印加して複数のスイッチング素子4を同時にオンするとともに、複数のソース線S,S,…Sに同時に負極性(−)の電圧を印加して保持する(第二保持期間T)。これが黒表示期間Tとなる。このとき、書き込み期間にて書き込んだデータとは異なるデータを黒表示期間では書き込む。
次いで、複数のゲート線G,G,…Gに同時に電圧を印加して複数のスイッチング素子4を同時にオンするとともに、複数のソース線S,S,…Sに同時にゼロ電圧を印加する(ゼロ電圧リセット期間T)。
このような一連の駆動(書き込み、点灯、消去、書き込み、点灯、消去、書き込み、点灯、消去、黒表示、およびゼロ電圧リセット)を、光源から照射する光の色RGB、および表示する画像を変えながら繰り返して行なうことにより、色の異なる画像を視覚的に混色させてフルカラー画像として認識させることができる。
図5は、図1に示す回路図を用いたカラーフィルタ方式による液晶表示装置の駆動方法の一例を示すタイミングチャートである。なお、液晶としては、図3(b)に例示するように正極性の電圧を印加したときにのみ液晶分子が動作する強誘電性液晶を用いることとする。図5において、1つの静止画像が表示される期間を1フレームF,Fとする。また、図5中の他の記号は、図2中の記号と同様である。
まず、フレームFにおいて、複数のゲート線G,G,…Gに順に電圧を印加して複数のスイッチング素子4をゲート線単位で順にオンするとともに、複数のソース線S,S,…Sに正極性(+)の電圧を印加して、スイッチング素子4および画素電極5を介して液晶に正極性(+)電圧を印加して液晶を駆動する(書き込み期間T)。次いで、書き込み期間T後、液晶の応答時間(立ち上がり時間)として液晶応答期間Tを設ける。次いで、最後のゲート線Gに沿った画素における液晶が駆動した後に、白色の光源から白色光Wを一定時間だけ照射して、画像が認識されるようにする(点灯期間T)。次いで、複数のゲート線G,G,…Gに同時に電圧を印加して複数のスイッチング素子4を同時にオンするとともに、複数のソース線S,S,…Sに同時に負極性(−)の電圧を印加して、液晶の駆動状態をリセットする(消去期間T)。次いで、複数のソース線S,S,…Sに負極性(−)の電圧を印加したまま保持し(第二保持期間T)、複数のゲート線G,G,…Gに同時に電圧を印加して複数のスイッチング素子4を同時にオンするとともに、複数のソース線S,S,…Sに同時に正極性(+)の電圧を印加して保持し(第一保持期間T)、さらに複数のゲート線G,G,…Gに同時に電圧を印加して複数のスイッチング素子4を同時にオンするとともに、複数のソース線S,S,…Sに同時に負極性(−)の電圧を印加して保持する(第二保持期間T)。これが黒表示期間Tとなる。このとき、書き込み期間にて書き込んだデータとは異なるデータを黒表示期間では書き込む。
次に、フレームFにおいて、上記フレームFと同様に、書き込み、点灯、および消去を行う。
次いで、書き込み期間にて書き込んだデータと異なり、かつ、上記フレームFの黒表示期間にて書き込んだデータと異なるデータが書き込まれるように、フレームFの黒表示期間Tにて、負極性(−)の電圧を印加して保持し(第二保持期間T)、次いで正極性(+)の電圧を印加して保持し(第一保持期間T)、さらに負極性(−)の電圧を印加して保持する(第二保持期間T)。
カラーフィルタを有する液晶表示装置において、このような一連の駆動(書き込み、点灯、消去、および黒表示)を、1フレーム毎に黒表示期間にて書き込むデータをランダムに異ならせて、表示する画像を変えながら繰り返して行なうことにより、フルカラー画像を得ることができる。
図6は、図1に示す回路図を用いたカラーフィルタ方式による液晶表示装置の駆動方法の一例を示すタイミングチャートである。なお、液晶としては、OCBモードを用いることとする。図6において、1つの静止画像が表示される期間を1フレームF,Fとする。また、図6中の他の記号は、図2中の記号と同様である。
まず、フレームFにおいて、複数のゲート線G,G,…Gに順に電圧を印加して複数のスイッチング素子4をゲート線単位で順にオンするとともに、複数のソース線S,S,…Sに正極性(+)の電圧を印加して、スイッチング素子4および画素電極5を介して液晶に正極性(+)電圧を印加して液晶を駆動する(書き込み期間T)。次いで、書き込み期間T後、液晶の応答時間(立ち上がり時間)として液晶応答期間Tを設ける。次いで、最後のゲート線Gに沿った画素における液晶が駆動した後に、白色の光源から白色光Wを一定時間だけ照射して、画像が認識されるようにする(点灯期間T)。次いで、複数のゲート線G,G,…Gに同時に電圧を印加して複数のスイッチング素子4を同時にオンするとともに、複数のソース線S,S,…Sに同時にゼロ電圧を印加して、液晶の駆動状態をリセットする(消去期間T)。次いで、複数のゲート線G,G,…Gに同時に電圧を印加して複数のスイッチング素子4を同時にオンするとともに、複数のソース線S,S,…Sに同時に負極性(−)の電圧を印加して保持し(第二保持期間T)、さらに複数のゲート線G,G,…Gに同時に電圧を印加して複数のスイッチング素子4を同時にオンするとともに、複数のソース線S,S,…Sに同時に正極性(+)の電圧を印加して保持し(第一保持期間T)、さらに複数のゲート線G,G,…Gに同時に電圧を印加して複数のスイッチング素子4を同時にオンするとともに、複数のソース線S,S,…Sに同時に負極性(−)の電圧を印加して保持する(第二保持期間T)。これが黒表示期間Tとなる。このとき、書き込み期間にて書き込んだデータとは異なるデータを黒表示期間では書き込む。次いで、複数のゲート線G,G,…Gに同時に電圧を印加して複数のスイッチング素子4を同時にオンするとともに、複数のソース線S,S,…Sに同時にゼロ電圧を印加する(ゼロ電圧リセット期間T)。
次に、フレームFにおいて、上記フレームFと同様に、書き込み、点灯、および消去を行う。次いで、書き込み期間にて書き込んだデータと異なり、かつ、上記フレームFの黒表示期間にて書き込んだデータと異なるデータが書き込まれるように、フレームFの黒表示期間Tにて、負極性(−)の電圧を印加して保持し(第二保持期間T)、次いで正極性(+)の電圧を印加して保持し(第一保持期間T)、さらに負極性(−)の順に電圧を印加して保持する(第二保持期間T)。そして、上記フレームFと同様に、ゼロ電圧リセットを行う。
カラーフィルタを有する液晶表示装置において、このような一連の駆動(書き込み、点灯、消去、黒表示、およびゼロ電圧リセット)を、1フレーム毎に黒表示期間にて書き込むデータをランダムに異ならせて、表示する画像を変えながら繰り返して行なうことにより、フルカラー画像を得ることができる。
本発明によれば、書き込み期間、点灯期間、および消去期間の後に、黒表示期間を有し、この黒表示期間にて、各画素における液晶に一斉に、正極性および負極性の電圧を交互に印加して保持するので、静止画像を長時間表示する場合に、電荷の偏りを抑え、焼き付きを防止することが可能である。特に、黒表示期間にて書き込むデータが、書き込み期間にて書き込むデータと異なっているので、効果的に電荷の偏りを抑制することができる。
また、フィールドシーケンシャル方式により駆動する場合、サブフレーム毎に電荷の偏りを抑制するために逆極性の電圧を印加して保持するのではなく、1フレーム中、1度だけ黒表示期間を設けるので、複数色の光源のそれぞれの点灯期間の間隔を短縮することができ、カラーブレイクを抑制することができる。例えば図2および図4においては、1フレーム中、最後のサブフレーム(図2および図4においてはSF)の消去期間T後に1度だけ黒表示期間Tを設けており、この場合には、赤色Rの光源の点灯期間Tと緑色Gの光源の点灯期間Tとの間隔、および、緑色Gの光源の点灯期間Tと青色Bの光源の点灯期間Tとの間隔を短縮することができる。
消去期間は、液晶の応答時間程度の短い時間でよい。本発明においては、高速応答性を示す液晶を用いるので、消去期間をより短くすることができる。したがって、カラーブレイクを効果的に抑制することが可能である。
さらに、消去期間にて、各画素における液晶の駆動状態を一斉にリセットするので、書き込み期間にて各画素に書き込まれた画像データを消去するのに時間を要しない。本発明においては、このように消去期間を短縮することができるので、書き込み期間、点灯期間、および消去期間の後に、正極性および負極性の電圧を交互に印加する黒表示期間を設けることができるのである。また、黒表示期間を設けても、書き込み期間および点灯期間に充分な時間をとることができるのである。
また、点灯期間後に消去期間を有し、各画素における液晶の駆動状態が一斉にリセットされるので、フィールドシーケンシャル方式であれば先のサブフレームでの画像表示による次のサブフレームでの画像表示の変動を完全になくすことができ、カラーフィルタ方式であれば先のフレームでの画像表示による次のフレームでの画像表示の変動を完全になくすことができ、再現性の良い階調表示を実現することが可能である。
図5および図6に示すタイミングチャートでは、フレームFの黒表示期間Tにて書き込むデータと、フレームFの黒表示期間Tにて書き込むデータとが異なっている。このように本発明においては、黒表示期間にて書き込むデータが、フレーム毎にランダムに異なることが好ましい。これにより、電荷の偏りをより一層抑制することができるからである。
図7は、図1に示す回路図を用いたフィールドシーケンシャル方式による液晶表示装置の駆動方法の他の例を示すタイミングチャートである。なお、液晶としては、図3(b)に例示するように正極性の電圧を印加したときにのみ液晶分子が動作する強誘電性液晶を用いることとする。また、図7中の記号は、図2中の記号と同様である。
まず、サブフレームSFにおいて、複数のゲート線G,G,…Gに順に電圧を印加して複数のスイッチング素子4をゲート線単位で順にオンするとともに、複数のソース線S,S,…Sに正極性(+)の電圧を印加して、スイッチング素子4および画素電極5を介して液晶に正極性(+)の電圧を印加して液晶を駆動する(書き込み期間T)。次いで、書き込み期間T後、液晶の応答時間(立ち上がり時間)として液晶応答期間Tを設ける。次いで、最後のゲート線Gに沿った画素における液晶が駆動した後に、赤色の光源から赤色光Rを一定時間だけ照射して、赤色画像が認識されるようにする(点灯期間T)。次いで、複数のゲート線G,G,…Gに同時に電圧を印加して複数のスイッチング素子4を同時にオンするとともに、複数のソース線S,S,…Sに同時に負極性(−)の電圧を印加して、液晶の駆動状態をリセットする(消去期間T)。
次に、サブフレームSFにおいて、上記サブフレームSFでの走査順に対して逆に第n行から第1行まで順にゲート線を走査して書き込み、上記サブフレームSFと同様に点灯および消去を行う。次いで、サブフレームSFにおいて、上記サブフレームSFと同様に、第1行から第n行まで順にゲート線を走査して書き込み、点灯および消去を行う。
次に、複数のソース線S,S,…Sに負極性(−)の電圧を印加したまま保持し(第二保持期間T)、複数のゲート線G,G,…Gに同時に電圧を印加して複数のスイッチング素子4を同時にオンするとともに、複数のソース線S,S,…Sに同時に正極性(+)の電圧を印加して保持し(第一保持期間T)、さらに複数のゲート線G,G,…Gに同時に電圧を印加して複数のスイッチング素子4を同時にオンするとともに、複数のソース線S,S,…Sに同時に負極性(−)の電圧を印加して保持する(第二保持期間T)。これが黒表示期間Tとなる。そして、複数のゲート線G,G,…Gに同時に電圧を印加して複数のスイッチング素子4を同時にオンするとともに、複数のソース線S,S,…Sに同時にゼロ電圧を印加する(ゼロ電圧リセット期間T)。
次に、図示しないが、次のフレームFでは、サブフレームSFにおいて、第n行から第1行まで順にゲート線を走査して書き込み、上記と同様に点灯および消去を行う。次いで、次のフレームFのサブフレームSFでは、第1行から第n行まで順にゲート線を走査して書き込み、上記と同様に点灯および消去を行う。次いで、次のフレームFのサブフレームSFでは、第n行から第1行まで順にゲート線を走査して書き込み、上記と同様に点灯および消去を行う。そして、先のフレームFと同様に、黒表示およびゼロ電圧リセットを行う。
このような一連の駆動(書き込み、点灯、消去、書き込み、点灯、消去、書き込み、点灯、消去、黒表示、およびゼロ電圧リセット)を、1サブフレーム毎に書き込み期間での走査順を逆にして、光源から照射する光の色RGB、および表示する画像を変えながら繰り返して行なうことにより、色の異なる画像を視覚的に混色させてフルカラー画像として認識させることができる。
図7に示すタイミングチャートでは、1サブフレーム毎に書き込み期間での走査順が逆になっており、図示しないが奇数フレームと偶数フレームとで各サブフレームの書き込み期間での走査順が逆になっている。このように本発明においては、先のフレームの書き込み期間での走査順と、次のフレームの書き込み期間での走査順とが逆であることが好ましい。すなわち、フィールドシーケンシャル方式であれば、先のサブフレームの書き込み期間での走査順と、次のサブフレームの書き込み期間での走査順とが逆であり、奇数フレームと偶数フレームとで各サブフレームの書き込み期間での走査順が逆であることが好ましい。また、カラーフィルタ方式であれば、先のフレームの書き込み期間での走査順と、次のフレームの書き込み期間での走査順とが逆であることが好ましい。フィールドシーケンシャル方式の場合は1サブフレーム毎に書き込み期間での走査順を逆にすることにより、またカラーフィルタ方式の場合は1フレーム毎に書き込み期間での走査順を逆にすることにより、各ゲート線に沿った画素の画素電極および対向電極間に電圧が印加される時間を平均化することができるからである。
また、図4、図6および図7に示すタイミングチャートでは、黒表示期間T後にゼロ電圧リセット期間Tを設けている。このように本発明においては、黒表示期間後に、複数のゲート線に同時に電圧を印加して複数のスイッチング素子を同時にオンするとともに、複数のソース線に同時にゼロ電圧を印加するゼロ電圧リセット期間を有していてもよい。この場合、フィールドシーケンシャル方式であれば最初のサブフレームの書き込み期間にて、カラーフィルタ方式であれば書き込み期間にて、ゼロ電圧から正極性または負極性の電圧を印加することになる。そのため、ゼロ電圧リセット期間後の書き込み期間を短くすることができる。さらには、すべての画素に対して書き込み時間を等しくすることができる。
さらに、図示しないが、フィールドシーケンシャル方式により駆動する場合、黒表示期間後に加えて、最後のサブフレーム以外のサブフレームの消去期間後に、ゼロ電圧リセット期間を設けてもよい。この場合、各サブフレームの書き込み期間にて、ゼロ電圧から正極性または負極性の電圧を印加することになる。そのため、書き込み期間を短くすることができるとともに、各サブフレームにてすべての画素に対して書き込み時間を等しくすることができる。
以下、本発明の液晶表示装置の駆動方法における各期間および本発明に用いられる液晶について詳細に説明する。
1.書き込み期間
本発明の液晶表示装置の駆動方法は、複数のゲート線に順に電圧を印加して複数のスイッチング素子を順にオンするとともに、複数のソース線に第一の極性の電圧を印加する書き込み期間を有する。
ゲート線に1行ずつ電圧を順次印加して(走査信号を順次供給して)、選択状態とする。すなわち、ゲート線G,G,…Gは線順次で走査される。また、ソース線には第一の極性(正極性たは負極性)の電圧を印加する(画像信号を供給する)。これにより、ゲート線に沿った各画素の画素電極および対向電極間に画像信号に対応した電圧が印加され、すなわち、液晶には画素電極および対向電極の差分に相当する電圧が印加され、画像データがゲート線に沿った各画素に書き込まれる。各画素において、液晶は画素電極および対向電極間の電位差に応じた応答となる。この液晶の応答の程度により、各画素の光の透過率が制御される。
第一の極性の電圧としては、正極性および負極性のいずれの電圧であってもよい。
本発明においては、先のフレームの書き込み期間での走査順と、次のフレームの書き込み期間での走査順とが逆であることが好ましい。図7に示す例においては、まず、サブフレームSFでは、第1行、第2行、第3行、…、第n行の順にゲート線に電圧を印加する。次に、サブフレームSFでは、第n行、第n−1行、第n−2行、…、第1行の順にゲート線に電圧を印加する。続いて、サブフレームSFでは、第1行、第2行、第3行、…、第n行の順にゲート線に電圧を印加する。そして、図示しないが、次のフレームのサブフレームSFでは、第n行、第n−1行、第n−2行、…、第1行の順にゲート線に電圧を印加する。次いで、次のフレームのサブフレームSFでは、第1行、第2行、第3行、…、第n行の順にゲート線に電圧を印加する。続いて、次のフレームのサブフレームSFでは、第n行、第n−1行、第n−2行、…、第1行の順にゲート線に電圧を印加する。このような駆動方法では、各ゲート線に沿った画素の画素電極および対向電極間に電圧が印加される時間を平均化することができる。
この書き込み期間は、カラーフィルタ方式であれば各フレーム中、フィールドシーケンシャル方式であれば各サブフレーム中に、必ず設けられるものである。
書き込み期間としては、液晶の種類(液晶の応答速度)、ゲート線の本数等に応じて、適宜選択される。例えば、ゲート線1行当たりの書き込み時間は6μs〜8μsで設定することができる。
2.液晶応答期間
本発明の液晶表示装置の駆動方法は、書き込み期間後であって点灯期間前に、最後に走査されたゲート線に沿った画素において液晶の応答がほぼ完了する時間として、液晶応答期間を有することが好ましい。
液晶応答期間としては、液晶の種類(液晶の応答速度)や、書き込み期間直前の印加電圧と、書き込み期間での印加電圧との電位差等に応じて、適宜選択される。例えば、液晶応答期間は100μs〜500μsで設定することができる。
3.点灯期間
本発明の液晶表示装置の駆動方法は、書き込み期間および液晶応答期間の後に、光源を点灯させる点灯期間を有する。
光源としては、単色の光源であってもよく、複数色の光源であってもよい。複数色の光源の場合、例えば3色以上の光を各色ずつ選択的に照射するように構成されている光源が用いられる。また、カラーフィルタ方式による駆動の場合には、単色の光源が用いられ、一般的には白色の光源が用いられる。一方、フィールドシーケンシャル方式による駆動の場合には、複数色の光源が用いられる。
この点灯期間は、カラーフィルタ方式であれば各フレーム中、フィールドシーケンシャル方式であれば各サブフレーム中に、必ず設けられるものである。
点灯期間としては、書き込み期間、黒表示期間等の長さに応じて、適宜選択される。
4.消去期間
本発明の液晶表示装置の駆動方法は、点灯期間後に、複数のゲート線に同時に電圧を印加して複数のスイッチング素子を同時にオンするとともに、複数のソース線に同時に第一の極性に対して逆極性の第二の極性の電圧またはゼロ電圧のいずれかを印加する消去期間を有する。
ゲート線に一斉に電圧を印加して(走査信号を供給して)、選択状態とする。また、ソース線には第二の極性(正極性もしくは負極性)の電圧またはゼロ電圧を印加する(リセット信号を供給する)。これにより、すべての画素の画素電極および対向電極間にリセット信号に対応した電圧が印加され、リセットデータがすべての画素に書き込まれる。
第二の極性の電圧またはゼロ電圧のいずれを印加するかは、液晶の種類に応じて適宜選択される。例えば、後述するようなハーフV字型スイッチング特性を示す強誘電性液晶を用いる場合には、第二の極性の電圧を印加することができる。また例えば、後述するようなV字型スイッチング特性を示す強誘電性液晶や、ネマチック液晶を用いる場合には、ゼロ電圧を印加することができる。中でも、液晶の種類に限らず、第二の極性の電圧を印加した後に、ゼロ電圧を印加することが好ましい。液晶の応答速度(立ち下がり)を早くすることができるとともに、黒表示期間直前の液晶の動作開始位置を揃えることができるからである。
第二の極性の電圧としては、第一の極性に対して逆極性の電圧であればよく、正極性および負極性のいずれの電圧であってもよい。
この消去期間は、カラーフィルタ方式であれば、各フレーム中、書き込み期間および点灯期間の後に設けられる。また、フィールドシーケンシャル方式であれば、各サブフレーム中、書き込み期間および点灯期間の後に設けられる。
消去期間としては、通常、μsオーダーで設定される。
また、自発分極を有する液晶、例えば強誘電性液晶等を用いる場合、消去期間にて、複数のゲート線に同時に電圧を印加する時間は、液晶の応答に要する時間より長いことが好ましく、中でも液晶の応答に要する時間程度であることが好ましい。
強誘電性液晶は自発分極を有する。書き込み期間にて、電圧を印加して強誘電性液晶を動作させると、自発分極の向きが反転する。各画素では、強誘電性液晶の分極によって電荷が減少する。そして、点灯期間後、消去期間にて、逆極性の電圧を印加して強誘電性液晶を動作させると、再度、自発分極の向きが反転する。各画素では、書き込み期間と同様に、強誘電性液晶の分極によって電荷が減少する。このように、同じ電圧を印加した場合でも、表示が明るかった部分では、電荷が減少してしまい、十分に電圧がかからないために電荷の偏りが発生し、他の部分に比べて強誘電性液晶の応答性が低下してしまうことがある。
これに対し、消去期間にて、複数のゲート線に同時に電圧を印加する時間を、強誘電性液晶の応答に要する時間より長くすることにより、強誘電性液晶が動作して自発分極の向きが反転したときにも、強誘電性液晶の分極によって減少した電荷分を補償する電荷が供給されるため、すべての画素で電荷量を均等化することができる。その結果、強誘電性液晶の応答性が低下するのを防ぐことができる。
消去期間にて、複数のゲート線に同時に電圧を印加する時間を、液晶の応答に要する時間程度とする場合には、複数のゲート線に同時に電圧を印加する時間は、液晶の種類(液晶の応答速度)や、書き込み期間での印加電圧と消去期間での印加電圧との電位差等に応じて、適宜選択される。例えば、複数のゲート線に同時に電圧を印加する時間は、100μs〜500μsで設定することができる。一方、液晶の応答時間を考慮しない場合には、複数のゲート線に同時に電圧を印加する時間は、例えば6μs〜8μsで設定することができる。
5.黒表示期間
本発明の液晶表示装置の駆動方法は、消去期間後に、複数のゲート線に同時に電圧を印加して複数のスイッチング素子を同時にオンするとともに、複数のソース線に同時に第一の極性の電圧を印加して保持する第一保持期間と、複数のゲート線に同時に電圧を印加して複数のスイッチング素子を同時にオンするとともに、複数のソース線に同時に第二の極性の電圧を印加して保持する第二保持期間とを交互に有する黒表示期間を有する。
この黒表示期間は、1フレーム中、1度だけ設けられる。黒表示期間は、カラーフィルタ方式であれば、各フレーム中に必ず設けられる。一方、フィールドシーケンシャル方式の場合には、通常、最後のサブフレームの消去期間後に黒表示期間が設けられる。フィールドシーケンシャル方式では、最後のサブフレームの消去期間後に黒表示期間を設けることにより、各サブフレームの点灯期間の間隔を短縮することができ、それによりカラーブレイクを抑制することができる。
黒表示期間では、上記書き込み期間にて書き込まれるデータとは異なるデータを書き込む。これにより、効果的に電荷の偏りを抑制することができる。
なお、黒表示期間にて書き込むデータが、書き込み期間にて書き込むデータと異なるとは、黒表示期間にて書き込むデータが、書き込み期間にて書き込む画像データとは全く関係のないデータであることをいう。焼き付きは、固定の画像を長時間表示していることで起こるため、画像データと関係のないデータを黒表示期間で書き込むのである。この際、各ソース線には異なる電圧を印加する。黒表示期間にて書き込むデータは、部分的に画像の濃淡が偏らないようなデータであることが好ましい。
第二保持期間は、複数のゲート線に同時に電圧を印加して複数のスイッチング素子を同時にオンするとともに、複数のソース線に同時に第二の極性の電圧を印加して保持する期間である。図2に例示するように、消去期間Tにて第二の極性(図2では負極性)の電圧を印加し、続いて黒表示期間Tにてそのまま第二の極性の電圧(図2では負極性)を保持する場合、黒表示期間の最初の第二保持期間は、消去期間にて印加された第二の極性の電圧をそのまま保持する期間となる。
また、第一保持期間では第一の極性の電圧を印加して保持し、第二保持期間では第二の極性の電圧を印加して保持する。本発明においては、書き込み期間にて印加される電圧の極性を第一の極性とする。したがって、例えば図2に示すように書き込み期間Tにて正極性の電圧を印加する場合には、第一の極性が正極性、第二の極性が負極性となる。一方、図示しないが書き込み期間にて負極性の電圧を印加する場合には、第一の極性が負極性、第二の極性が正極性となる。
黒表示期間は、第一保持期間および第二保持期間を交互に有していればよく、第一保持期間および第二保持期間の順序、回数等は特に限定されるものではない。
第一保持期間および第二保持期間の順序としては、図2に例示するように黒表示期間Tが第二保持期間Tから始まってもよく、図示しないが黒表示期間が第一保持期間から始まってもよい。中でも、黒表示期間が第二保持期間から始まることが好ましい。書き込み期間では第一の極性の電圧を印加しているので、電荷の偏りを防ぐために、黒表示期間ではまず第二の極性の電圧を印加することが好ましいからである。
また、第一保持期間および第二保持期間の順序としては、図2に例示するように黒表示期間Tが第二保持期間Tで終わってもよく、図示しないが黒表示期間が第一保持期間で終わってもよい。
また、第一保持期間および第二保持期間の回数としては、第一保持期間および第二保持期間が交互に設けられていればよいので、第一保持期間および第二保持期間の合計回数が2回以上、第一保持期間および第二保持期間のそれぞれの回数が1回以上であればよい。第一保持期間および第二保持期間の合計回数は、上述したように2回以上であればよいが、通常は2回〜4回程度とされる。また、第一保持期間の回数は1回以上であればよいが、通常は1回〜2回程度とされる。第二保持期間の回数は1回以上であればよいが、通常は1回〜2回程度とされる。
黒表示期間としては、書き込み期間、点灯期間等の長さに応じて、適宜選択される。通常、黒表示期間は、msオーダーで設定され、例えば1ms〜3msとすることができる。
また、第一保持期間および第二保持期間の長さは、特に限定されるものではないが、すべての第一保持期間を合わせた長さよりも、すべての第二保持期間を合わせた長さのほうが長いことが好ましい。書き込み期間では第一の極性の電圧を印加しているので、電荷の偏りを防ぐために、第一の極性とは逆極性の第二の極性の電圧を印加して保持する第二保持期間をすべて合わせた長さが比較的長いことが好ましいからである。なお、すべての第二保持期間を合わせた長さが比較的短い場合であっても、印加電圧の大きさを大きくすることで、電荷の偏りを抑え、焼き付きを防ぐことは可能である。
1回の第一保持期間の長さおよび1回の第二保持期間の長さはそれぞれ、黒表示期間の長さに応じて適宜選択され、通常は500μs〜1000μs程度で設定される。
また、黒表示期間にて書き込むデータは、フレーム毎にランダムに異なることが好ましい。これにより、電荷の偏りをより一層抑制することができるからである。
6.ゼロ電圧リセット期間
本発明の液晶表示装置の駆動方法は、黒表示期間後に、複数のゲート線に同時に電圧を印加して複数のスイッチング素子を同時にオンするとともに、複数のソース線に同時にゼロ電圧を印加するゼロ電圧リセット期間を有していてもよい。
例えば図4および図6に示すように、消去期間Tにてゼロ電圧を印加する場合には、黒表示期間後Tにゼロ電圧リセット期間Tを設けることにより、書き込み期間T直前の液晶の動作開始位置を揃えることができるからである。図4に例示するようなフィールドシーケンシャル方式の場合には、各サブフレームの書き込み期間直前の液晶の動作開始位置を揃えることができる。また、図6に例示するようなカラーフィルタ方式の場合には、各フレームの書き込み期間直前の液晶の動作開始位置を揃えることができる。さらに、黒表示期間後にゼロ電圧リセット期間を設けることにより、書き込み期間にて、液晶の応答速度(立ち上がり)を速くすることができ、液晶の応答時間(液晶応答期間)を短縮することができるからである。
また、消去期間にてゼロ電圧を印加する場合であって、カラーフィルタ方式により駆動する場合にも、上記と同様の効果が得られる。
一方、例えば図5に示すように、消去期間Tにて第二の極性の電圧を印加する場合であって、フィールドシーケンシャル方式により駆動する場合には、黒表示期間後Tにゼロ電圧リセット期間Tを設けることにより、最初のサブフレーム(図5においてはSF)の書き込み期間Tにて、液晶の応答速度(立ち上がり)を速くすることができ、液晶の応答時間(液晶応答期間)を短縮することができるからである。
また、フィールドシーケンシャル方式の場合、黒表示期間後だけでなく、最後のサブフレーム以外のサブフレームの消去期間後にも、このゼロ電圧リセット期間を有していてもよい。各サブフレームの書き込み期間にて、液晶の応答速度(立ち上がり)を速くすることができ、液晶の応答時間(液晶応答期間)を短縮することができるからである。また、ゼロ電圧リセット期間を、黒表示期間後、および最後のサブフレーム以外のサブフレームの消去期間後に設けることにより、各サブフレームの書き込み期間直前の液晶の動作開始位置を揃えることができるからである。
ゼロ電圧リセット期間を黒表示期間後に設ける場合、このゼロ電圧リセット期間は、黒表示期間の直後、次のフレームの直前に設けられる。また、ゼロ電圧リセット期間を最後のサブフレーム以外のサブフレームの消去期間後に設ける場合、このゼロ電圧リセット期間は、消去期間の直後、次のサブフレームの直前に設けられる。
ゼロ電圧リセット期間としては、通常、μsまたはmsオーダーで設定される。
ゼロ電圧リセット期間を黒表示期間後に設ける場合、黒表示期間とゼロ電圧リセット期間とは、いずれが長くても短くてもよい。例えば先のフレームの書き込み期間での走査順と、次のフレームの書き込み期間での走査順とが同じである場合には、黒表示期間はゼロ電圧リセット期間よりも長く、かつ、比較的長いほうが好ましい。この場合、走査順が早いラインでは、走査順が遅いラインに比べて、同極性の電圧が比較的長い時間印加されることになるため、黒表示期間は比較的長いほうが好ましいからである。一方、例えば先のフレームの書き込み期間での走査順と、次のフレームの書き込み期間での走査順とが逆である場合には、黒表示期間はゼロ電圧リセット期間より長くても短くてもよい。この場合、走査順の早いラインと走査順の遅いラインとで、電圧が印加される時間が平均化されるため、黒表示期間は比較的短くてもかまわないのである。
また、消去期間にて第二の極性の電圧を印加する場合であって、ゼロ電圧リセット期間を黒表示期間後に設けて、消去期間後には設けず、ゼロ電圧リセット期間が黒表示期間よりも長い場合には、次のフレームの直前に、複数のゲート線に同時に電圧を印加して複数のスイッチング素子を同時にオンするとともに、複数のソース線に同時に第二の極性の電圧を印加してもよい。これにより、各サブフレームの書き込み期間直前の液晶の動作開始位置を揃えることができる。
ゼロ電圧リセット期間を消去期間後に設ける場合、ゼロ電圧リセット期間は、例えば6μs〜8μsで設定することができる。また、ゼロ電圧リセット期間を黒表示期間後に設ける場合であって、ゼロ電圧リセット期間が黒表示期間よりも短い場合にも、ゼロ電圧リセット期間は、例えば6μs〜8μsで設定することができる。
また、自発分極を有する液晶、例えば強誘電性液晶等を用いる場合、ゼロ電圧リセット期間にて、複数のゲート線に同時にゼロ電圧を印加する時間は、液晶の応答に要する時間より長いことが好ましく、中でも液晶の応答に要する時間程度であることが好ましい。ゼロ電圧リセット期間にて、複数のゲート線に同時にゼロ電圧を印加する時間を液晶の応答に要する時間より長くすることにより、液晶が動作して自発分極の向きが反転したときにも、液晶の分極によって減少した電荷分を補償する電荷が供給されるため、すべての画素で電荷量を均等化することができる。その結果、液晶の応答性が低下するのを防ぐことができる。
ゼロ電圧リセット期間にて、複数のゲート線に同時に電圧を印加する時間を、液晶の応答に要する時間程度とする場合には、複数のゲート線に同時にゼロ電圧を印加する時間は、例えば100μs〜500μsで設定することができる。
7.液晶
本発明に用いられる液晶は、高速応答性を有するものであれば特に限定されるものでない。高速応答性を有する液晶としては、例えば、強誘電性液晶、OCBモードの液晶などが挙げられる。
中でも、強誘電性液晶が好ましく用いられる。強誘電性液晶は自発分極を有するので、電荷の偏りがおこると、液晶の応答性が低下しやすい。本発明においては、黒表示期間を設けることにより、電荷の偏りを抑制することができるので、強誘電性液晶が好ましく用いられるのである。
以下、強誘電性液晶について説明する。
本発明に用いられる強誘電性液晶としては、カイラルスメクチックC相(SmC)を発現するものであれば特に限定されるものではない。例えば、相系列が、降温過程において、ネマチック相(N)−コレステリック相(Ch)−カイラルスメクチックC相(SmC)と相変化するもの、ネマチック相(N)−カイラルスメクチックC相(SmC)と相変化するもの、ネマチック相(N)−スメクチックA相(SmA)−カイラルスメクチックC相(SmC)と相変化するもの、ネマチック相(N)−コレステリック相(Ch)−スメクチックA相(SmA)−カイラルスメクチックC相(SmC)と相変化するもの、などを挙げることができる。
中でも、強誘電性液晶は、単安定性を示すものであることが好ましい。
なお、「単安定性を示す」とは、電圧無印加時の強誘電性液晶の状態がひとつの状態で安定化している状態をいう。強誘電性液晶は、図8に例示するように、液晶分子1が層法線zから傾いており、層法線zに垂直な底面を有する円錐(コーン)の稜線に沿って回転する。このような円錐(コーン)において、液晶分子1の層法線zに対する傾き角をチルト角θという。このように、液晶分子1は層法線zに対しチルト角±θだけ傾く二つの状態間をコーン上に動作することができる。具体的に説明すると、単安定性を示すとは、電圧無印加時に液晶分子1がコーン上のいずれかひとつの状態で安定化している状態をいう。
単安定性を示す強誘電性液晶としては、図9に例示するような正極性および負極性いずれの電圧を印加したときにも液晶分子が動作する、V shaped switching(V字型スイッチング)特性を示すもの、ならびに、図3に例示するような正極性または負極性いずれかの電圧を印加したときにのみ液晶分子が動作する、half-V shaped switching(ハーフV字型スイッチング)特性を示すものをいずれも用いることができる。
特に、ハーフV字型スイッチング特性を示す強誘電性液晶が好ましく用いられる。このようなハーフV字型スイッチング特性を示す強誘電性液晶を用いると、白黒シャッターとしての開口時間を十分に長くとることができ、これにより時間的に切り替えられる各色をより明るく表示することができ、明るいカラー表示の液晶表示装置を実現することができる。
なお、「ハーフV字型スイッチング特性」とは、印加電圧に対する光透過率が非対称な電気光学特性をいう。
このような強誘電性液晶としては、一般に知られる液晶材料の中から要求特性に応じて種々選択することができる。
特に、Ch相からSmA相を経由しないでSmC相を発現する液晶材料は、ハーフV字型スイッチング特性を示すものとして好適である。具体的には、AZエレクトロニックマテリアルズ社製「R2301」が挙げられる。
また、SmA相を経由する液晶材料としては、材料選択の幅が広いことから、Ch相からSmA相を経由してSmC相を発現するものが好ましい。この場合、SmC相を示す単一の液晶材料を用いることもできるが、低粘度でSmC相を示しやすいノンカイラルな液晶(以下、ホスト液晶とする場合がある。)に、それ自身ではSmC相を示さないが大きな自発分極と適当な螺旋ピッチを誘起する光学活性物質を少量添加することにより、上記のような相系列を示す液晶材料が、低粘度であり、より速い応答性を実現できることから好ましい。
上記ホスト液晶としては、広い温度範囲でSmC相を示す材料であることが好ましく、一般に強誘電性液晶のホスト液晶として知られているものであれば特に限定されることなく使用することができる。例えば、下記一般式:
Ra−Q−X−(Q−Y−Q−Rb
(式中、RaおよびRbはそれぞれ、直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルカノイルオキシ基またはアルコキシカルボニルオキシ基であり、Q、QおよびQはそれぞれ、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピラジン−2,5−ジイル基、ピリダジン−3,6−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基であり、これらの基はハロゲン原子、水酸基、シアノ基等の置換基を有していてもよく、XおよびYはそれぞれ、−COO−、−OCO−、−CHO−、−OCH−、−CHCH−、−C≡C−または単結合であり、mは0または1である。)で表される化合物を使用することができる。ホスト液晶としては、上記化合物を1種単独でも2種以上を組み合わせて用いることもできる。
上記ホスト液晶に添加する光学活性物質としては、自発分極が大きく、適当な螺旋ピッチを誘起する能力を持った材料であれば特に限定されるものではなく、一般にSmC相を示す液晶組成物に添加する材料として知られるものを使用することができる。特に少量の添加量で大きな自発分極を誘起できる材料であることが好ましい。このような光学活性物質としては、例えば、下記一般式:
Rc−Q−Za−Q−Zb−Q−Zc−Rd
(式中、Q、Q、Qは上記一般式と同じ意味を表し、Za、ZbおよびZcは−COO−、−OCO−、−CHO−、−OCH−、−CHCH−、−C≡C−、−CH=N−、−N=N−、−N(→O)=N−、−C(=O)S−または単結合であり、Rcは不斉炭素原子を有していてもよい直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルカノイルオキシ基またはアルコキシカルボニルオキシ基であり、Rdは不斉炭素原子を有する直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルカノイルオキシ基またはアルコキシカルボニルオキシ基であり、RcおよびRdはハロゲン原子、シアノ基、水酸基で置換されていてもよい。)で表される化合物を使用することができる。光学活性物質としては、上記化合物を1種単独でも2種以上を組み合わせて用いることもできる。
SmA相を経由する強誘電性液晶として、具体的には、AZエレクトロニックマテリアルズ社製「FELIXM4851−100」などが挙げられる。
強誘電性液晶には、液晶表示装置に求められる機能に応じて任意の機能を備える化合物が添加されていてもよい。このような化合物としては、重合性モノマーの重合物を挙げることができる。液晶層中にこのような重合性モノマーの重合物が含有されることにより、上記液晶材料の配列がいわゆる「高分子安定化」され、配向安定性に優れた液晶表示装置を得ることができる。
重合性モノマーの重合物に用いられる重合性モノマーとしては、重合反応により重合物を生じる化合物であれば特に限定されるものではなく、加熱処理により重合反応を生じる熱硬化性樹脂モノマー、および活性放射線の照射により重合反応を生じる活性放射線硬化性樹脂モノマーを挙げることができる。中でも、活性放射線硬化性樹脂モノマーを用いることが好ましい。熱硬化性樹脂モノマーを用いる場合は、重合反応を生じさせるために加温処理をすることが必要であるので、このような加温処理により強誘電性液晶の規則的な配列が損なわれたり、相転移が誘起されてしまったりするおそれがある。一方、活性放射線硬化性樹脂モノマーを用いる場合は、このようなおそれがなく、重合反応が生じることによって強誘電性液晶の配列が害されることが少ないからである。
活性放射線硬化性樹脂モノマーとしては、電子線の照射により重合反応を生じる電子線硬化性樹脂モノマー、および光照射により重合反応を生じる光硬化性樹脂モノマーを挙げることができる。中でも、光硬化性樹脂モノマーを用いることが好ましい。光硬化性樹脂モノマーを用いることにより、製造工程を簡略化できるからである。
光硬化性樹脂モノマーとしては、波長が150nm〜500nmの範囲内の光を照射することにより、重合反応を生じるものであれば特に限定されるものではない。中でも波長が250nm〜450nmの範囲内、特に300nm〜400nmの範囲内の光を照射することにより重合反応を生じる紫外線硬化性樹脂モノマーを用いることが好ましい。照射装置の容易性等の面において利点を有するからである。
紫外線硬化性樹脂モノマーが有する重合性官能基は、上記波長領域の紫外線照射により、重合反応を生じるものであれば特に限定されるものではない。特に、アクリレート基を有する紫外線硬化型樹脂モノマーを用いることが好ましい。
また、紫外線硬化性樹脂モノマーは、一分子中に一つの重合性官能基を有する単官能性モノマーであってもよく、また、一分子中に二つ以上の重合性官能基を有する多官能性モノマーであってもよい。中でも、多官能性モノマーを用いることが好ましい。多官能性モノマーを用いることにより、より強いポリマーネットワークを形成することができるため、分子間力および配向膜界面におけるポリマーネットワークを強化することができる。これにより、温度変化による強誘電性液晶の配列の乱れを抑制することができる。
多官能性モノマーの中でも、分子の両末端に重合性官能基を有する2官能性モノマーが好ましく用いられる。分子の両端に重合性官能基を有することにより、ポリマー同士の間隔が広いポリマーネットワークを形成することができ、重合性モノマーの重合物を含むことによる強誘電性液晶の駆動電圧の低下を防止できるからである。
また、紫外線硬化性樹脂モノマーの中でも、液晶性を発現する紫外線硬化性液晶モノマーを用いることが好ましい。このような紫外線硬化性液晶モノマーが好ましい理由は次の通りである。すなわち、紫外線硬化性液晶モノマーは液晶性を示すことから、配向膜の配向規制力により規則的に配列することができる。このため、紫外線硬化性液晶モノマーを、規則的に配列した後に重合反応を生じさせることにより、規則的な配列状態を維持したまま固定化することができる。このような規則的な配列状態を有する重合物が存在することにより、強誘電性液晶の配向安定性を向上させることができ、優れた耐熱性および耐衝撃性を得ることができる。
紫外線硬化性液晶モノマーが示す液晶相としては、特に限定されるものではなく、例えば、N相、SmA相、SmC相を挙げることができる。
本発明に用いられる紫外線硬化性液晶モノマーとしては、例えば、下記式(1)〜(3)に示す化合物を挙げることができる。
Figure 2009003319
上記式(1),(2)において、A、B、D、EおよびFはベンゼン、シクロヘキサンまたはピリミジンを表し、これらはハロゲン等の置換基を有していてもよい。また、AおよびB、あるいはDおよびEは、アセチレン基、メチレン基、エステル基等の結合基を介して結合していてもよい。MおよびMは、水素原子、炭素数3〜9のアルキル基、炭素数3〜9のアルコキシカルボニル基、またはシアノ基のいずれであってもよい。さらに、分子鎖末端のアクリロイルオキシ基とAまたはDとは、炭素数3〜6のアルキレン基等の結合基を介して結合していてもよい。
また、上記式(3)おいて、Yは、水素、炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のアルケニル、炭素数1〜20のアルキルオキシ、炭素数1〜20のアルキルオキシカルボニル、ホルミル、炭素数1〜20のアルキルカルボニル、炭素数1〜20のアルキルカルボニルオキシ、ハロゲン、シアノまたはニトロを表す。
上記の中でも、好適に用いられるものとして、下記式の化合物を例示することができる。
Figure 2009003319
Figure 2009003319
Figure 2009003319
また、上記重合性モノマーは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上の異なる重合性モノマーを用いる場合には、例えば、上記式で示される紫外線硬化性液晶モノマーと他の紫外線硬化性樹脂モノマーとを用いることができる。
重合性モノマーとして紫外線硬化性液晶モノマーを用いた場合、重合性モノマーの重合物としては、主鎖に液晶性を示す原子団を有することにより主鎖が液晶性を示す主鎖液晶型重合物であってもよく、側鎖に液晶性を示す原子団を有することにより側鎖が液晶性を示す側鎖液晶型重合物であってもよい。中でも、重合性モノマーの重合物が側鎖液晶型重合物であることが好ましい。液晶性を示す原子団が側鎖に存在することにより、この原子団の自由度が高くなるため、液晶性を示す原子団が配向しやすくなるからである。また、その結果として強誘電性液晶の配向安定性を向上させることができるからである。
液晶層中における重合性モノマーの重合物の存在量は、強誘電性液晶の配列安定性を所望の程度にできる範囲内であれば特に限定されないが、通常、液晶層中に0.5質量%〜30質量%の範囲内が好ましく、より好ましくは1質量%〜20質量%の範囲内、さらに好ましくは1質量%〜10質量%の範囲内である。上記範囲よりも多いと、駆動電圧の増加や、応答速度の低下を生じる場合があるからである。また、上記範囲よりも少ないと強誘電性液晶の配列安定性が不十分となり、液晶表示装置の耐熱性や耐衝撃性を損なってしまう可能性があるからである。
なお、液晶層中における重合性モノマーの重合物の存在量は、液晶層中の単分子液晶を溶剤で洗い流した後、残存する重合性モノマーの重合物の重量を電子天秤で測量することによって求めた残存量と、上記液晶層の総質量とから算出することができる。
B.液晶表示装置
次に、本発明の液晶表示装置について説明する。
本発明の液晶表示装置は、複数のゲート線および複数のソース線と、上記ゲート線およびソース線に接続され、画素毎に配置された複数のスイッチング素子と、上記スイッチング素子に接続され、画素毎に配置された複数の画素電極と、上記画素電極に対向する位置に配置された対向電極と、上記画素電極および対向電極間に配置された液晶と、上記複数のゲート線に接続され、走査信号を印加するゲートドライバと、上記複数のソース線に接続され、画像信号を印加するソースドライバとを有する液晶パネル、ならびに、上記液晶パネルに対して光を照射する光源、ならびに、上記ゲートドライバ、ソースドライバおよび光源に接続され、上述の液晶表示装置の駆動方法によって液晶表示装置を駆動する制御部を有することを特徴とするものである。
図10は本発明の液晶表示装置の一例を示す概略斜視図である。
図10に例示するように、液晶表示装置10は、液晶パネル11と、この液晶パネル11に対向するように配置された光源12と、液晶パネル11のゲートドライバ2およびソースドライバ3ならびに光源12に接続された制御部13とを有している。液晶パネル11においては、基材7a上に、複数のゲート線Gおよび複数のソース線Sと、これらのゲート線Gおよびソース線Sに接続され、画素毎に配置された複数のスイッチング素子4と、このスイッチング素子4に接続され、画素毎に配置された複数の画素電極5とが設けられ、基材7b上に、画素電極5に対向するように対向電極6が設けられている。また、液晶パネル11では、複数のゲート線Gに接続されたゲートドライバ2と、複数のソース線Sに接続されたソースドライバ3とが設けられている。なお、図示しないが、画素電極等と対向電極との間には液晶が挟持されている。
ゲート線Gおよびソース線Sはそれぞれ縦横に配列しており、ゲート線Gおよびソース線Sに信号を加えることによりスイッチング素子4を作動させ、液晶を駆動させることができる。ゲート線Gおよびソース線Sが交差した部分は、図示しないが絶縁層で絶縁されており、ゲート線Gの走査信号とソース線Sの画像信号とは独立に動作することができる。ゲート線Gおよびソース線Sにより囲まれた部分は、液晶表示装置を駆動する最小単位である画素であり、各画素には少なくとも1つ以上のスイッチング素子4および画素電極5が形成されている。そして、ゲート線およびソース線に順次信号電圧を加えることにより、各画素のスイッチング素子を動作させることができる。
ゲートドライバ2はゲート線Gに電圧を印加し(走査信号を印加し)、ソースドライバ3はソース線Sに正極性または負極性の電圧を印加する(画像信号を印加する)。このとき、フィールドシーケンシャル方式であれば、ソース線Sに、任意の色を混色により表示するための複数の単位色のうちの1つの単位色に対応する画像信号を供給する。これにより、ゲートドライバ2によって複数のゲート線Gに順に電圧を印加して複数のスイッチング素子4をゲート線単位で順にオンするとともに、ソースドライバ3によって複数のソース線Sに正極性または負極性の電圧を印加して、スイッチング素子4および画素電極5を介して液晶に正極性または負極性の電圧を印加して液晶を駆動する。すなわち、各ゲート線に沿った画素の画素電極および対向電極間に画像信号に対応した電圧が印加され、画像データがゲート線に沿った各画素に書き込まれ、これに対する液晶の応答の程度により、各画素の光の透過率が制御される。
本発明の液晶表示装置は、上述の液晶表示装置の駆動方法によって駆動されるので、静止画像を表示した場合に、電荷の偏りを抑制し、焼き付きを防止することができる。
液晶表示装置の各構成部材には、一般的なものを用いることができる。なお、液晶および光源については、上記「A.液晶表示装置の駆動方法」に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
(TFTパネルの作製)
ITO電極が形成されたガラス基板をよく洗浄し、このガラス基板上に、光二量化型材料(Rolic Technologies 社製、商品名:ROP103)の2重量%シクロペンタノン溶液を回転数1500rpmで15秒間スピンコートし、130℃で15分間乾燥させた後、直線偏光紫外線を約100mJ/cm2照射し、配向処理を行った。さらに、その上に、紫外線反応性液晶(Rolic Technologies 社製、商品名:ROF5101)の2重量%シクロペンタノン溶液を回転数1500rpmで15秒間スピンコートし、60℃で3分間乾燥させた後、窒素雰囲気下で、紫外線を約1000mJ/cm2照射して、硬化させた。
次に、アモルファスシリコンTFT基板(1.5インチ、QVGA)をよく洗浄し、このTFT基板上にポリイミド(日産化学社製、商品名:SE-7692)を印刷し、ラビング処理することで配向膜を形成した。
一方の基板に1.5μmのビーズスペーサーを散布し、他方の基板にシール剤をシールディスペンサーで塗布した。次いで、両基板をそれぞれの配向処理方向が平行になるように対向させ、熱圧着を行い、空のセルを作製した。
次に、強誘電性液晶材料(AZ エレクトロニックマテリアルズ社製、商品名:R2301)を空のセルの注入口上部に付着させ、オーブンを用いて、N相−等方相転移温度より10℃〜20℃高い温度で注入を行い、ゆっくりと常温に戻した。
得られたパネルの駆動特性を調べたところ、電圧無印加状態で配向方向が、配向処理方向と同じ方向の単安定性を示し、TFT基板の画素電極に正極性の電圧を印加した場合に液晶が応答し、負極性の電圧を印加した場合には液晶がほとんど応答しない、ハーフV型駆動特性を示した。
(実施例1)
本発明の液晶表示装置の駆動方法を用いて、フィールドシーケンシャル方式でカラー表示する場合の例を示す。
初めに、赤色の画像データについて、1ライン目から240ライン目まで順にゲート線をオンし、ソース線に画像データに応じた正極性の電圧を印加し、書き込みを行った。1ラインあたり8.3μsかかったため、書き込みに2.0ms要した。液晶が応答する時間として0.5ms経過後、約0.8ms、赤色のLEDを点灯させた。赤色LEDの消灯と同時に、すべてのラインのゲート線をオンした状態で、ソース線に負極性の電圧を約0.2ms印加し、液晶を一旦、元の配向状態に戻した。ここまでに3.5msを要した。
画像データの書き込みの走査方向を240ライン目から1ライン目までにしたことを除いて、赤色の画像データと同様に、緑色の画像データについて書き込み、点灯、消去を行った。赤色表示と同様に、緑色表示に3.5msを要した。ここまで7.0msを要した。
赤色の画像データと同様に、1ライン目から240ライン目まで順に青色の画像データの書き込みを行い、点灯、消去を行った。赤色表示と同様に、青色表示に3.5msを要した。ここまで10.5msを要した。
すべてのラインのゲート線をオンした状態で、すべてのソース線に負極性の電圧を印加したまま、1.8ms保持した。次いで、すべてのゲート線を一斉にオンし、ソース線に画像データに無関係なランダムな正極性の電圧を印加し、2.4ms保持し、液晶を動作させた。次に、すべてのラインのゲート線をオンし、ソース線に負極性の電圧を印加し、2.0ms保持した。
以上を1フレームとして、次のフレームでは、各色の画像データの書き込みの走査方向が逆であることを除いて、同様のタイミングで各色の画像データの書き込み、点灯、消去、黒表示を行い、これを繰り返し行った。
静止画を10分間表示後、画面を切り替えたところ、焼き付きは見られなかった。
(比較例1)
実施例1と同様の方法で、赤色の画像データの書き込み、点灯、消去、緑色の画像データの書き込み、点灯、消去、青色の画像データの書き込み、点灯を行った。次いで、青色LEDの消灯と同時に、すべてのラインのゲート線を一斉にオンし、ソース線に負極性の電圧を印加し、6.4ms保持した。
以上を1フレームとして、次のフレームでは、各色の画像データの書き込みの走査方向が逆であることを除いて、同様のタイミングで各色の画像データの書き込み、点灯、消去、黒表示を行い、これを繰り返し行った。
静止画を10分間表示後、画面を切り替えたところ、切り替え前に表示していた画像の一部が残像として残っているのが確認された。
(実施例2)
本発明の液晶表示装置の駆動方法を用いて、カラーフィルタ方式でカラー表示する場合の例を示す。
1ライン目から240ライン目まで順にゲート線をオンし、ソース線に画像データに応じた正極性の電圧を印加し、書き込みを行った。1ラインあたり8.3μsかかったため、書き込みに2.0msを要した。液晶が応答する時間として0.5ms経過後、約4.7ms、白色のバックライトを点灯させた。
バックライト消灯後、ゲート線を一斉にオンし、ソース線に負極性の電圧を印加し、1.8ms保持した。次いで、ゲート線を一斉にオンし、ソース線に画像データとは無関係のランダムな正極性の電圧を印加し、液晶を応答させ、1.8ms保持した。さらに、ゲート線を一斉にオンし、ソース線に負極性の電圧を印加して、1.8ms保持した。その後、ゲート線を一斉にオンし、ソース線に前回と別のランダムな正極性の電圧を印加し、液晶を応答させ、1.8ms保持した。さらに、ゲート線を一斉にオンし、ソース線に負極性の電圧を印加し、1.8ms保持した。その後、ゲート線をオン状態とした状態で、ソース線にゼロ電圧を0.5ms間かけ続けた。
以上を1フレームとして、次のフレームでは、画像データの書き込みの走査方向が逆であることを除いて、同様のタイミングで画像データの書き込み、点灯、消去、黒表示を行い、これを繰り返し行った。
静止画を10分間表示後、画面を切り替えたところ、焼き付きは見られなかった。
(比較例2)
実施例2と同様の方法で、画像データを書き込み、液晶の応答時間である0.5ms経過後、バックライトを6.0ms点灯させ、バックライトを消灯後、ゲート線を一斉にオンし、ソース線に負極性の電圧を印加し、8.2ms保持した。
以上を1フレームとして、次のフレームでは、画像データの書き込みの走査方向が逆であることを除いて、同様のタイミングで画像のデータの書き込み、点灯、消去、黒表示を行い、これを繰り返し行った。
静止画を10分間表示後、画面を切り替えたところ、前の画像データが一部残像として焼き付く現象が見られた。
本発明の液晶表示装置の回路図の一例を示す模式図である。 本発明の液晶表示装置の駆動方法の一例を示すタイミングチャートである。 強誘電性液晶の印加電圧に対する透過率の変化を示したグラフである。 本発明の液晶表示装置の駆動方法の他の例を示すタイミングチャートである。 本発明の液晶表示装置の駆動方法の他の例を示すタイミングチャートである。 本発明の液晶表示装置の駆動方法の他の例を示すタイミングチャートである。 本発明の液晶表示装置の駆動方法の他の例を示すタイミングチャートである。 液晶分子の挙動を示す模式図である。 強誘電性液晶の印加電圧に対する透過率の変化を示したグラフである。 本発明の液晶表示装置の一例を示す概略斜視図である。
符号の説明
… 書き込み期間
… 液晶応答期間
… 点灯期間
… 消去期間
… 黒表示期間
… ゼロ電圧リセット期間
… 第一保持期間
… 第二保持期間

Claims (9)

  1. 複数のゲート線に順に電圧を印加して複数のスイッチング素子を順にオンするとともに、複数のソース線に第一の極性の電圧を印加する書き込み期間と、
    前記書き込み期間後に、光源を点灯させる点灯期間と、
    前記点灯期間後に、前記複数のゲート線に同時に電圧を印加して前記複数のスイッチング素子を同時にオンするとともに、前記複数のソース線に同時に前記第一の極性に対して逆極性の第二の極性の電圧またはゼロ電圧のいずれかを印加する消去期間と、
    前記消去期間後に、前記複数のゲート線に同時に電圧を印加して前記複数のスイッチング素子を同時にオンするとともに、前記複数のソース線に同時に前記第一の極性の電圧を印加して保持する第一保持期間、および、前記複数のゲート線に同時に電圧を印加して前記複数のスイッチング素子を同時にオンするとともに、前記複数のソース線に同時に前記第二の極性の電圧を印加して保持する第二保持期間を交互に有する黒表示期間とを有し、
    前記書き込み期間にて書き込むデータおよび前記黒表示期間にて書き込むデータが異なり、
    1フレーム中、1度だけ前記黒表示期間を設けることを特徴とする液晶表示装置の駆動方法。
  2. 前記黒表示期間にて書き込むデータが、フレーム毎にランダムに異なることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置の駆動方法。
  3. 前記消去期間にて、前記複数のゲート線に同時に電圧を印加する時間が、液晶の応答に要する時間より長いことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液晶表示装置の駆動方法。
  4. 前記黒表示期間後に、前記複数のゲート線に同時に電圧を印加して前記複数のスイッチング素子を同時にオンするとともに、前記複数のソース線に同時にゼロ電圧を印加するゼロ電圧リセット期間を有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の液晶表示装置の駆動方法。
  5. 前記ゼロ電圧リセット期間にて、前記複数のゲート線に同時に電圧を印加する時間が、液晶の応答に要する時間より長いことを特徴とする請求項4に記載の液晶表示装置の駆動方法。
  6. 先のフレームの前記書き込み期間での走査順と、次のフレームの前記書き込み期間での走査順とが逆であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載の液晶表示装置の駆動方法。
  7. フィールドシーケンシャル方式により駆動し、最後のサブフレームの前記消去期間後に前記黒表示期間を設けることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかに記載の液晶表示装置の駆動方法。
  8. 単安定性を示し、かつ、ハーフV字型スイッチング特性を示す強誘電性液晶を用いることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかに記載の液晶表示装置の駆動方法。
  9. 複数のゲート線および複数のソース線と、前記ゲート線およびソース線に接続され、画素毎に配置された複数のスイッチング素子と、前記スイッチング素子に接続され、画素毎に配置された複数の画素電極と、前記画素電極に対向する位置に配置された対向電極と、前記画素電極および対向電極間に配置された液晶と、前記複数のゲート線に接続され、走査信号を印加するゲートドライバと、前記複数のソース線に接続され、画像信号を印加するソースドライバとを有する液晶パネル、ならびに、前記液晶パネルに対して光を照射する光源、ならびに、前記ゲートドライバ、ソースドライバおよび光源に接続され、請求項1から請求項8までのいずれかに記載の液晶表示装置の駆動方法によって液晶表示装置を駆動する制御部を有することを特徴とする液晶表示装置。
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