JP2009001806A - プラズマ重合法によって製造したヒドロシクロシロキサン膜 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、種々の基材表面にガス透過性、生物適合性、低摩擦または絶縁の性質を付与するように設計した脂肪族ヒドロシクロシロキサン膜を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、所望によりコモノマーと共重合された重合脂肪族ヒドロシクロシロキサンモノマーを含有するプラズマ重合膜およびこれら膜の製造方法を開示する。これら方法を用いて基材を被覆して、疎水性、血栓抵抗性、ガス透過性および生物適合性などの性質を付与することができる。
【選択図】なし
【解決手段】本発明は、所望によりコモノマーと共重合された重合脂肪族ヒドロシクロシロキサンモノマーを含有するプラズマ重合膜およびこれら膜の製造方法を開示する。これら方法を用いて基材を被覆して、疎水性、血栓抵抗性、ガス透過性および生物適合性などの性質を付与することができる。
【選択図】なし
Description
本発明は、基材表面を被覆して、材料の大部分の性質に影響することなく該表面に低摩擦および疎水性の性質を付与するための組成物に関する。さらに詳しくは、本発明は、ガスもしくは液体バリアー、光学導波管、潤滑剤、絶縁層、保護被覆、生物適合性被覆、またはガス拡散膜に適した、特に、生物医学デバイスに関連して使用するのに適した膜被覆に関する。
特定の使用に適したものにするためには、基材の性質を変化させることによって、例えば、下層の基材を大きく変化させることなく基材に生物適合性、特異的なガス透過性または低摩擦係数などの性質を付与することによって、特定の環境に適合させることが必要になることが多い。
カテーテル、酸素補給器、移植片およびステントなどの生物医学デバイスは、生物適合性を必要とする。これらのデバイスは、特に、薬物供給、ガス交換、またはヒトもしくは動物の体の種々の部分に機械的基材を供するために使用される。これらを普通に使用する際には、これらデバイスは生組織および血液と緊密に接触して機能するものと考えられる。この界面は、このデバイスが複雑な細胞外および細胞内環境において機能し得ることを確保することと、生組織および血液を維持することの間に、微妙なバランスを創製する。本発明の組成物を使用することによって、他の方法では生組織に拒絶されるであろうデバイスが生物適合性に、即ち、ヒトまたは動物の体内で許容性および機能性になる。
(1.生物医学デバイスの閉塞につながる血栓の形成)
血栓の形成、即ち血餅の形成は、血液または組織と接触した合成基材に対する重大かつ潜在的に衰弱性の反応になり得る。血液または組織が基材表面と接触すると、血液または組織中のタンパク質が該表面に吸着され得る。
血栓の形成、即ち血餅の形成は、血液または組織と接触した合成基材に対する重大かつ潜在的に衰弱性の反応になり得る。血液または組織が基材表面と接触すると、血液または組織中のタンパク質が該表面に吸着され得る。
この血液/基材界面の最初のタンパク質層は、変性、置換、および血液成分との一層の反応を受ける。吸着されたタンパク質の組成および構造は、血小板の接着、凝集、分泌、および補体の活性化などの後の細胞反応の発生に影響を及ぼすことができる。吸着されたフィブリノーゲンは、血栓の構造を形成する繊維状の不溶性タンパク質であるフィブリンに変換され得る。フィブリンの形成は、血小板、および恐らくは白血球の接着によって為される。血小板が活性化され、その顆粒の内容物を放出し、これにより、他の血小板が活性化され、最終的に血小板が凝集する結果になる。
成長中のフィブリンネットワーク中に血小板、赤血球および他の血液成分が捕捉されることによって、最後に血栓が形成される。血栓の成長は、デバイスの部分的または完全な閉塞を導き得る。さらに、血栓は切断または溶解されることがあり、その他では、粒子状物質の塊である塞栓として基材から放出されることもある。あいにく、塞栓はデバイス閉塞と同じくらい危険になりうる。塞栓は血流中を移動し、生器官に滞留することができ、従って、梗塞、即ち遮断された血流のゆえの局所的な組織死の原因となる。心臓、肺または脳の梗塞は致死性となることもある。
大部分のポリマー基材の長期使用は、必ず、機械的故障、血餅形成の促進、または組織もしくは血液環境との好ましくない相互作用による身体悪化の結果を与える[ボンドラセク(P.Vondracek)ら、「医療用エラストマーの生物安定性:概論」、Biomaterials、5:209−214(1984);ウィリアムズ(D.F.Wi11iams)、「手術用ポリマーの生物分解」、J.Natr.Sci.、17:1233−1246(1982)]。本発明は、血栓形成、塞栓形成およびタンパク質変性を抑制することによって重要な役割を果たし、これによって、多数の異なる基材から作られた生物医学デバイスを有用かつ機能性の道具にすることができる。
(2.作用環境の性質によって分解を受けることが多い生物医学デバイス)
大部分の生物医学デバイスはポリマーから製造される。その結果として、これらは分解に対して感受性である[ギルディング(D.K.Gilding)、「生物適合性の基本的様相」、Vol.I、ウィリアムズ(D.F.Williams)編、CRC Press、Boca Raton、Florida(1981)]。分解が起こりうる多数の道筋が存在する。基材が加水分解に感受性であることもある。水性の細胞外液と接触したポリマー性デバイスは、このポリマーが親水性であり、加水分解に対して不安定な結合を含み、pHが約7.4のままであるときに、加水分解による分解を特に受け易い。軟ケイ素被覆された基材は、周囲組織への浸出を受け易いことがある。
大部分の生物医学デバイスはポリマーから製造される。その結果として、これらは分解に対して感受性である[ギルディング(D.K.Gilding)、「生物適合性の基本的様相」、Vol.I、ウィリアムズ(D.F.Williams)編、CRC Press、Boca Raton、Florida(1981)]。分解が起こりうる多数の道筋が存在する。基材が加水分解に感受性であることもある。水性の細胞外液と接触したポリマー性デバイスは、このポリマーが親水性であり、加水分解に対して不安定な結合を含み、pHが約7.4のままであるときに、加水分解による分解を特に受け易い。軟ケイ素被覆された基材は、周囲組織への浸出を受け易いことがある。
(3.基材の性質を変化させて作用環境に適合させるための安全かつ長期の方法が現在まで存在しないこと)
デバイスの故障は、高価につき、そしてヒト生命に危険である。従って、種々の対策がこれら問題を避けるために試みられていた。全身性の抗凝固薬(例えば、ヘパリンおよびワルファリン)が、血栓症に対抗するために、デバイスを有する対象に直接投与されていた。しかし、このような抗凝固薬療法は、危険な副作用のリスクを有している。さらに、抗凝固薬の過剰投与は、内蔵または大脳出血などの致死性の副反応を引き起こすこともある。他の対策には、ヘパリン処理した食塩水によるケイ素およびポリウレタンカテーテルの定期的洗浄または血栓閉塞前の移植カテーテルの頻繁な置換が含まれる。このような対策は、時間がかかり、また高価につく。
デバイスの故障は、高価につき、そしてヒト生命に危険である。従って、種々の対策がこれら問題を避けるために試みられていた。全身性の抗凝固薬(例えば、ヘパリンおよびワルファリン)が、血栓症に対抗するために、デバイスを有する対象に直接投与されていた。しかし、このような抗凝固薬療法は、危険な副作用のリスクを有している。さらに、抗凝固薬の過剰投与は、内蔵または大脳出血などの致死性の副反応を引き起こすこともある。他の対策には、ヘパリン処理した食塩水によるケイ素およびポリウレタンカテーテルの定期的洗浄または血栓閉塞前の移植カテーテルの頻繁な置換が含まれる。このような対策は、時間がかかり、また高価につく。
熱分解炭素被覆が、人工心臓弁などの長期移植片に対して成功裏に使用されている[ハウボールド(Haubold,A.D.)ら、「炭素生物医学デバイス」、Biocompatability of Clinical Implant Materials中、Vol.II、CRC Press、Boca Raton、3−42(1981)]。人工心臓弁に薄く被覆された熱分解炭素は、大きな合併症もなく10年ほどの長さにわたってヒト身体中で機能することが示されている。あいにく、熱分解炭素で生物医学デバイスを被覆するためには、被覆しようとする基材の表面は900℃を越える温度に耐え得るものでなければならない。生物医学デバイスに適するほとんどのポリマー材料は、400℃を越える温度で分解する。
タンパク質の接着および血小板の接着/活性化を最少にするため、基材表面が親水性または部分的親水性/疎水性ポリマーの吸着により被覆されていた。
(4.血栓抵抗性および生物適合性が多数の必要な性質の第一番目にすぎないことが多いこと)
ある種の使用に対しては、基材の生物適合性または血栓抵抗性に加えて他の性質が要求される。それぞれのデバイスの具体的な必要項目は、接触の程度および期間ならびに適用の性質に従って変わるであろう。例えば、酸素補給器は優れたガス透過性を必要とする。これらのデバイスは、ポリプロピレンまたはポリエチレン微小孔ファイバーの内腔から、横断面を経て微小孔により、ファイバー/血液界面のところで血液中に酸素を移動させることによって、酸素と二酸化炭素の交換を促進する。通常使用される酸素補給器[例えば、サーンズ(Sarns)、モデル16310N3;メドトロニック・マキシマ・アンド・ミニマックス(Medtronic Maxima and Minimax)]の微小孔膜からの血漿の漏れが、血液への長期暴露の後に報告されており、血清トリグリセリド量に関係しているものと考えられている。疎水性の微小孔膜へのリン脂質などの双極性血漿分子の吸着が、疎水性の膜表面に親水性の層を形成し、これが表面の濡れおよび微小孔膜からの血漿の漏れを導くものと考えられている[モントヤ(J.Patrick Montoya)ら、ASAIO J.、M399−M405(1992)を参照]。通常は血液に暴露して数時間以内に、微小孔膜からの血漿の漏れが、酸素補給器のガス移動能力を劇的に減少させるであろう。この時点で、患者への重大な結果を避けるために、デバイス全体を廃棄し、交換しなければならない。
ある種の使用に対しては、基材の生物適合性または血栓抵抗性に加えて他の性質が要求される。それぞれのデバイスの具体的な必要項目は、接触の程度および期間ならびに適用の性質に従って変わるであろう。例えば、酸素補給器は優れたガス透過性を必要とする。これらのデバイスは、ポリプロピレンまたはポリエチレン微小孔ファイバーの内腔から、横断面を経て微小孔により、ファイバー/血液界面のところで血液中に酸素を移動させることによって、酸素と二酸化炭素の交換を促進する。通常使用される酸素補給器[例えば、サーンズ(Sarns)、モデル16310N3;メドトロニック・マキシマ・アンド・ミニマックス(Medtronic Maxima and Minimax)]の微小孔膜からの血漿の漏れが、血液への長期暴露の後に報告されており、血清トリグリセリド量に関係しているものと考えられている。疎水性の微小孔膜へのリン脂質などの双極性血漿分子の吸着が、疎水性の膜表面に親水性の層を形成し、これが表面の濡れおよび微小孔膜からの血漿の漏れを導くものと考えられている[モントヤ(J.Patrick Montoya)ら、ASAIO J.、M399−M405(1992)を参照]。通常は血液に暴露して数時間以内に、微小孔膜からの血漿の漏れが、酸素補給器のガス移動能力を劇的に減少させるであろう。この時点で、患者への重大な結果を避けるために、デバイス全体を廃棄し、交換しなければならない。
人工の視覚または聴覚用の移植デバイスは、絶縁特性を有する基材を必要とする。塩を含む液体環境は金属に対する腐食性が高く、これら金属は電気的バイアスのもとにあって電気化学反応により急速な機能低下を受け易い。さらに、これらデバイスに適するほとんどのポリマー基材は、ポリマーとケイ素電極表面の間の不適合の接触面になり易い[ヤマモト(Yamamoto,M.)ら、Applied Polymer Science
29:2981(1984)]。本発明の膜被覆は、必要な絶縁特性を基材に与える。さらに、この膜は、金属とケイ素基材との優れた界面接着を与え(図18)、これらを保護性の絶縁被覆および生物適合性被覆として理想的なものにする。
29:2981(1984)]。本発明の膜被覆は、必要な絶縁特性を基材に与える。さらに、この膜は、金属とケイ素基材との優れた界面接着を与え(図18)、これらを保護性の絶縁被覆および生物適合性被覆として理想的なものにする。
生物適合性の血液または組織接触表面が、多種多様の血液または組織/材料の不適合反応を中和するため、生物材料工業において緊急に必要とされていることが上記のことから明らかである。本発明の多数の態様は、全ての基材表面の生物適合性を促進する。他の態様は、環境と調和させるために基材の性質の変化を利用するであろう。
(発明の要約)
本発明は、一般式:
本発明は、一般式:
モノマーに対するコモノマーの比を変えることによって、膜の物理的性質(例えば、絶縁特性)および化学的性質(例えば、疎水性、血栓抵抗性、ガス透過性および生物適合性)を、基材の個々の要求項目に合致するように調節することができる。本発明の超薄膜はポリマー基材表面に共有結合しており、膜の構造は高度に架橋した三次元分子ネットワークである。従って、この開示した膜で被覆したデバイスは、有機溶媒および水または食塩溶液に対して耐性である。さらに、デバイスからの不純物または未反応モノマーが周囲組織中に浸出するのを防止することができる。
本発明の膜被覆をポリプロピレンまたはポリエチレン微小孔ファイバーに適用して、血漿の漏れから保護し、ガス透過性を維持することができる。即ち、本発明は、ガス透過性、改善された生物適合性、および微小孔ファイバーの遅い機能低下を血液酸素補給器において与える。この膜被覆は、実質的に全ての基材表面に適する、均一なピンホールのない極めて薄いシロキサンの生物適合性、血栓抵抗性、絶縁性、カス透過性の膜を与える。本発明の上記および他の特徴および目的は、本明細書中に記載および請求した組成物で達成される。
本発明によれば、以下が提供される。
(1)一般式:
(1)一般式:
で示されるヒドロシクロシロキサンモノマーのプラズマ重合によって形成される膜を含有する組成物。
(2)nが7〜10である請求項1に記載の組成物。
(3)nが4〜6である請求項1に記載の組成物。
(4)nが2〜3である請求項1に記載の組成物。
(5)ヒドロシクロシロキサンモノマーが、1,3,5,7−テトラメチルヒドロシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチルヒドロシクロペンタシロキサン、1,3,5,7,9,11−ヘキサメチルヒドロシクロヘキサシロキサン、および、1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサンと1,3,5,6,9,11−ヘキサメチルシクロヘキサシロキサンモノマーの混合物からなる群から選択される請求項1に記載の組成物。
(6)膜が、2960cm−1、2902cm−1、2170cm−1、1260cm−1、1025cm−1および1143cm−1の吸収バンドを特徴とするFTIRスペクトルを有する請求項1に記載の組成物。
(7)膜が、実質的に図3に示されるFTIRスペクトルを有する請求項1に記載の組成物。
(8)膜が、実質的に図4に示されるFTIRスペクトルを有する請求項1に記載の組成物。
(9)膜が、実質的に図9A〜9Cに示されるESCAスペクトルを有する請求項1に記載の組成物。
(10)膜が、実質的に図10A〜10Cに示されるESCAスペクトルを有する請求項1に記載の組成物。
(11)プラズマ共重合したシロキサン膜を含有する組成物。
(12)一般式:
で示されるヒドロシクロシロキサンモノマー、ならびにフルオロカーボンモノマー、有機に基づくモノマーおよび官能基末端モノマーからなる群から選択されるコモノマーのプラズマ共重合によって形成される膜を含有する組成物。
(13)nが7〜10である請求項12に記載の組成物。
(14)nが4〜6である請求項12に記載の組成物。
(15)nが2〜3である請求項12に記載の組成物。
(16)ヒドロシクロシロキサンモノマーが、1,3,5,7−テトラメチルヒドロシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチルヒドロシクロペンタシロキサン、1,3,5,7,9,11−ヘキサメチルヒドロシクロヘキサシロキサン、および、1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサンと1,3,5,6,9,11−ヘキサメチルシクロヘキサシロキサンモノマーの混合物からなる群から選択される請求項12に記載の組成物。
(17)ヒドロシクロシロキサンが、1,3,5,7−テトラメチルヒドロシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチルヒドロシクロペンタシロキサン、1,3,5,7,9,11−ヘキサメチルヒドロシクロヘキサシロキサン、および、1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサンと1,3,5,6,9,11−ヘキサメチルシクロヘキサシロキサンモノマーの混合物からなる群から選択され、コモノマーがヘキサフルオロプロピレンである請求項12に記載の組成物。
(18)ヒドロシクロシロキサンが、1,3,5,7−テトラメチルヒドロシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチルヒドロシクロペンタシロキサン、1,3,5,7,9,11−ヘキサメチルヒドロシクロヘキサシロキサン、および、1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサンと1,3,5,6,9,11−ヘキサメチルシクロヘキサシロキサンモノマーの混合物からなる群から選択され、コモノマーがエチレンである請求項12に記載の組成物。
(19)ヒドロシクロシロキサンが、1,3,5,7−テトラメチルヒドロシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチルヒドロシクロペンタシロキサン、1,3,5,7,9,11−ヘキサメチルヒドロシクロヘキサシロキサン、および、1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサンと1,3,5,6,9,11−ヘキサメチルシクロヘキサシロキサンモノマーの混合物からなる群から選択され、コモノマーがN−トリメチルシリルアリルアミンである請求項12に記載の組成物。
(20)ヒドロシクロシロキサンが、1,3,5,7−テトラメチルヒドロシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチルヒドロシクロペンタシロキサン、1,3,5,7,9,11−ヘキサメチルヒドロシクロヘキサシロキサン、および、1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサンと1,3,5,6,9,11−ヘキサメチルシクロヘキサシロキサンモノマーの混合物からなる群から選択され、コモノマーがNH3、SO2、N2またはCO2からなる群から選択される請求項12に記載の組成物。(21)膜が、実質的に図3Bまたは4に示されるFTIRスペクトルを有する請求項16に記載の組成物。
(22)膜が、実質的に図5に示されるFTIRスペクトルを有する請求項17に記載の組成物。
(23)膜が、実質的に図6に示されるFTIRスペクトルを有する請求項18に記載の組成物。
(24)膜が、実質的に図7に示されるFTIRスペクトルを有する請求項19に記載の組成物。
(25)膜が、実質的に図8に示されるFTIRスペクトルを有する請求項20に記載の組成物。
(26)膜が、実質的に図9A〜9Cに示されるESCAスペクトルを有する請求項16に記載の組成物。
(27)膜が、実質的に図10A〜10Cに示されるESCAスペクトルを有する請求項16に記載の組成物。
(28)膜が、実質的に図11A〜11Dに示されるESCAスペクトルを有する請求項17に記載の組成物。
(29)膜が、実質的に図12A〜12Cに示されるESCAスペクトルを有する請求項18に記載の組成物。
(30)膜が、実質的に図13A〜13Dに示されるESCAスペクトルを有する請求項19に記載の組成物。
(31)膜が、実質的に図14A〜14Eに示されるESCAスペクトルを有する請求項19に記載の組成物。
(32)膜が生物適合性である請求項1〜10のいずれかに記載の組成物。
(33)膜が生物適合性である請求項11〜31のいずれかに記載の組成物。
(34)膜がガス透過性である請求項1〜10のいずれかに記載の組成物。
(35)膜が、0.4〜20(x10−4cm/秒*cmHg)の酸素透過速度、1〜50(x10−4cm/秒*cmHg)のCO2透過速度、および1.5〜7のCO2/O2選択性を有する請求項31に記載の組成物。
(36)膜がガス透過性である請求項11〜31のいずれかに記載の組成物。
(37)膜が血栓抵抗性である請求項1〜10のいずれかに記載の組成物。
(38)膜が血栓抵抗性である請求項11〜31のいずれかに記載の組成物。
(39)プラズマ重合膜で被覆した基材表面の製造方法であって、以下の工程を含む方法:
脂肪族ヒドロシクロシロキサンモノマーをプラズマ状態に誘導して脂肪族ヒドロシクロシロキサンのプラズマを得;
プラズマグローゾーンを与える条件下、300mトル未満のシステム圧力および1μ/秒より大きいモノマー流れ速度で、脂肪族ヒドロシクロシロキサンのプラズマに基材表面を暴露し;そして一定速度でプラズマグローゾーンを通って基材表面を移動させ、プラズマ重合膜で被覆した基材表面を得る。
(40)プラズマ重合膜で被覆した基材表面の製造方法であって、以下の工程を含む方法:脂肪族ヒドロシクロシロキサンモノマーおよびコモノマーをプラズマ状態に誘導して脂肪族ヒドロシクロシロキサンとコモノマーのプラズマを得;そして共重合および膜堆積の条件下、脂肪族ヒドロシクロシロキサンおよびコモノマーのプラズマに基材表面を暴露して、基材表面に共重合した脂肪族ヒドロシクロシロキサンモノマーおよびコモノマーの被覆を得る。
(定義)
本明細書中の開示に対して、以下に挙げる用語を以下のように定義する。
血栓抵抗性:血餅の形成に対する抵抗性。
生物適合性:生組織および/または血液と調和する挙動。
絶縁特性:大きな電子抵抗性または非電子伝導性の性質。
疎水性:水に対する親和性を大きく欠いていること。
親水性:水に対する大きな親和性。
プラズマ重合:プラズマ(イオン化ガス、遊離ラジカルおよび電子からなる)の影響下でのポリマー物質の形成。
プラズマ共重合:異なるモノマー混合物のプラズマ重合。
エッチングまたはアブレーション:表面の物理的または化学的処理であって、化学結合を切断することからなり、原子または分子種の正味の除去の結果になる処理。
ブラズマグローゾーン:プラズマ重合過程においてグロー放電が起こっている領域。
本明細書中の開示に対して、以下に挙げる用語を以下のように定義する。
血栓抵抗性:血餅の形成に対する抵抗性。
生物適合性:生組織および/または血液と調和する挙動。
絶縁特性:大きな電子抵抗性または非電子伝導性の性質。
疎水性:水に対する親和性を大きく欠いていること。
親水性:水に対する大きな親和性。
プラズマ重合:プラズマ(イオン化ガス、遊離ラジカルおよび電子からなる)の影響下でのポリマー物質の形成。
プラズマ共重合:異なるモノマー混合物のプラズマ重合。
エッチングまたはアブレーション:表面の物理的または化学的処理であって、化学結合を切断することからなり、原子または分子種の正味の除去の結果になる処理。
ブラズマグローゾーン:プラズマ重合過程においてグロー放電が起こっている領域。
本発明は、種々の基材表面にガス透過性、生物適合性、低摩擦または絶縁の性質を付与するように設計した脂肪族ヒドロシクロシロキサン膜の形成および使用に関する。これは、これら性質を必要とする実質的に全てのデバイス(生物医学デバイス、自動車部品および電子デバイスを含む)に適している。
この膜は、適当な脂肪族ヒドロシクロシロキサンモノマーのプラズマ重合または脂肪族ヒドロシクロシロキサンモノマーとコモノマー(必要な性質に依存する)のプラズマ共重合によって形成する。脂肪族ヒドロシクロシロキサンモノマーは次の一般式を有する:
この膜は、適当な脂肪族ヒドロシクロシロキサンモノマーのプラズマ重合または脂肪族ヒドロシクロシロキサンモノマーとコモノマー(必要な性質に依存する)のプラズマ共重合によって形成する。脂肪族ヒドロシクロシロキサンモノマーは次の一般式を有する:
コモノマー、例えば、フルオロカーボン、有機に基づくモノマーまたは官能基末端のモノマーを用いて、膜の性質を変化させ、種々の適用に適合させることができる。
(1.プラズマ状態重合法によって基材表面に適用する膜)
プラズマ状態重合法を用いて、モノマーを基材表面上で直接重合させる。
プラズマ状態重合法を用いて、モノマーを基材表面上で直接重合させる。
プラズマ状態重合の一般的方法は当業者には既知である[ヤスダ(Yasuda),Plasma Polymerization,Academic Press Inc.,New York(1985)を参照;この文献は本明細書の一部を構成する]。
簡単に説明すると、モノマーを、プラズマ状態として知られる電子、イオン、ガス原子、遊離ラジカル、および励起状態の分子からなるガス性複合体に活性化することにより、基材表面上で重合させることができる。このプラズマ状態は、高反応性の種を創製し、特徴として高架橋かつ高分岐の極めて薄いポリマー膜を形成させ、基材表面が最も強いエネルギー密度の領域(プラズマグローゾーンとして知られる)を通って移動するに従って該表面上に堆積する。
実際的には、高周波(R.F.)発生器からの放電がプラズマ反応器の「ホット」電極に適用される。選択したモノマーを反応器中に導入し、賦活してプラズマにし、モノマーが生成させる多量の賦活された遊離ラジカルならびに比較的少量のイオンおよび遊離電子でプラズマグローゾーンを飽和させる。基材材料がこのプラズマグローゾーンを通過するかまたはその中に留どまると、基材の表面が遊離ラジカルによって連続的に攻撃を受け、重合した膜被覆が得られる結果になる。
基材の例には、ケイ素カテーテル、金属線(図19Aおよび19B)およびファイバー(図18Aおよび18B)が含まれる。プラズマ状態重合したヒドロシクロシロキサン膜はほとんどの有機および無機基材に対して接着性が高く、滑らかで硬くピンホールのない膜被覆を与える。
次の2種類の市販のプラズマ状態重合システムが存在する:(a)容量的に一対にした内部平行電極、例えばベル・ジャー(Bell Jar)反応器、および(b)R.F.コイル誘導的に一対にした管状反応器。しかし、改変しなければ、これらのシステムは、大量の基材を加工するために十分に高い堆積速度で、均質な単一相の膜を製造するためには適していない。これらのシステムは、基材表面の制御されたエッチングに比較的適している。
モノマーの流れ速度および流れ通路の改変が、基材表面上のプラズマ重合膜の必要な高い堆積速度を得るために必須である。上記の市販システムの最も重大な欠点は、これらシステムが電極間の領域へのモノマーの流れを制御できないことである。この制御不能であることが、電極間の均質なプラズマ密度、プラズマ組成、または堆積速度の達成を不可能にする。さらに、モノマーが電極領域に閉じ込められていないので、電極の間の流れ速度が大きく減少する。加えて、モノマーの流れが方向付けられていないので、プラズマ重合したモノマーの油状および粉末状の堆積物がプラズマチャンバー全体に形成される。これらの堆積物は、反応器チャンバー内の流れ通路を電極間の空間に制限し、堆積をプラズマグローゾーン内だけに維持することによって避けることができる。
(2.プラズマ重合法)
プラズマグローゾーンを活性化したときに、モノマーまたはモノマー混合物をこのプラズマグローゾーンを連続して通過させ、未使用のモノマーまたはモノマー混合物を冷トラップにおいて凝縮させる。
プラズマグローゾーンを活性化したときに、モノマーまたはモノマー混合物をこのプラズマグローゾーンを連続して通過させ、未使用のモノマーまたはモノマー混合物を冷トラップにおいて凝縮させる。
このプラズマ被覆工程において、基材は熱および紫外(UV)の両放射を受ける。発生した熱は、システムに一定して吹き付ける外部ファンによって除くことができる。基材表面と衝突する電子、イオンまたは遊離ラジカルによって発生する熱は大きくはなく、基材の大部分の機械的性質に影響しないであろう。衝突後に熱または機械的エネルギーとして放出される全エネルギーは比較的小さいが、基材の表面は化学的に活性かつ不安定になるであろう。
プラズマ工程から発生するUV放射は、ポリプロピレンまたはポリエチレン中空ファイバーなどのポリマー基材に対して特に有害である。このUV放射はポリマー基材の表面を貫通し、ファイバーのポリマー鎖を切断する。これは鎖切断として知られている。このポリマー鎖は、後に再結合することができる。ポリマー鎖切断が主な過程であるときには、ファイバーの機械的強度は弱くなるであろう。ポリマー鎖再結合が主な過程であるときには、ポリマー単位は局所的に架橋したネットワーク構造を形成し、ポリマー全体は延性を失い、脆くなるであろう。
プラズマグローゾーンの強さ、プラズマグローゾーン中の基材の滞留時間、および基材の引張り張力は、ポリマー基材に対するプラズマ誘導の損傷を最少にするため、注意深く制御することが必要である。
プラズマ強度、遊離ラジカル濃度、およびシステム圧力の間の関係は複雑である。プラズマ被覆パラメーターの式:W/FM(式中、WはR.F.パワーであり、Fはモノマーの流れ速度であり、そして、Mはモノマーの分子量である)[ヤスダ(Yasuda,H.),Plasma Polymerization,Academic Press,1985を参照]は、2つの重要な因子、即ちシステムの圧力およびプラズマ反応器の幾何配置を考慮していない。システム圧力は、遊離ラジカル、イオンおよび電子などのプラズマ活性化した種の平均自由工程に影響するであろう。システム圧力が増加すると、プラズマ活性化した種の平均自由工程が減少する。また、均一な膜被覆の代わりに粉末がガス相において生成し、基材表面に堆積するであろう。さらに、プラズマ反応器の幾何配置が変化したときに、W/FMパラメーターが変化するであろう。
このように、W/FMは、システムが一定圧力に維持されているときおよび同じプラズマ反応器幾何配置が使用されるときにのみ、有用なプラズマ被覆パラメーターになりうる。
W/FM式を制御指標として用いる場合、同じ反応器幾何配置を有するプラズマ被覆システムを使用することができる。このシステムをある一定の圧力に制御する場合、Wの増加およびFの減少は、基材表面のエッチングまたはアブレーションの結果を与える可能性が高いであろう。ある一定のWおよびFのときに、システム圧力がある一定の圧力を越えて増加した場合、得られる膜はもはや均質ではないであろう。例えば、ポリプロピレン微小孔中空ファイバー(ミツビシKPF−190ファイバー)を、40WのR.F.パワー、4.2μモル/秒のTMCTS流れ速度、10.5cm/秒の被覆速度、および85mトルを越える圧力で被覆したときには、二相形態の膜が現れ始める(図20を参照)。
この二相の現象は、システム圧力の増加によって引き起こされる(システム圧力の増加は、モノマー遊離ラジカルの平均自由工程を減少させ、モノマー遊離ラジカルが基材表面に到達する前にガス相において再結合する結果を与える)。次いで、このことにより、基材表面において遊離ラジカルの重合とともにプラズマ重合シロキサン粉末が堆積する結果になり、二相の膜が得られる。一般に、高い流れ速度(約5μモル/秒)、中程度のR.F.パワー(約80W)および低いシステム圧力(約40mトル)によって、高い堆積速度(約0.25μ/秒)で適当な均質シロキサン膜が得られるであろう。例えば、100WのR.F.パワー、5.7μモル/秒のTMCTS流れ速度および19.0cm/秒の被覆速度で被覆したポリプロピレン微小孔中空ファイバー(ミツビシKPF−120ファイバー)は、システムIを用いて高い堆積速度で均質なシロキサン膜を示す(図21を参照)。
記載した膜の化学的および物理的性質を分析するために、純粋なケイ素(Si)チップをプラズマ被覆システム中に挿入して、開示した膜を得、これをさらに分析する。
(A.システムI−図1)
図1は、好ましいプラズマ被覆システム(システムI)を示すものである。システムIは、容量的に一対にした外部電極のR.F.プラズマシステムであり、本発明の膜被覆の連続製造に適している。このシステムは、主にファイバーやカテーテルなどの小さな基材のために設計したものである。圧力、温度、R.F.パワー、モノマー流れ速度、グローゾーンの幾何配置、およびグローゾーン中の基材の滞留時間などのシステムのパラメーターを注意深く制御することにより、システムIは、グローゾーンを通って移動する基材を、薄い均一な、化学的に均質な脂肪族ヒドロシクロシロキサンのプラズマ重合膜で被覆することができる。
図1は、好ましいプラズマ被覆システム(システムI)を示すものである。システムIは、容量的に一対にした外部電極のR.F.プラズマシステムであり、本発明の膜被覆の連続製造に適している。このシステムは、主にファイバーやカテーテルなどの小さな基材のために設計したものである。圧力、温度、R.F.パワー、モノマー流れ速度、グローゾーンの幾何配置、およびグローゾーン中の基材の滞留時間などのシステムのパラメーターを注意深く制御することにより、システムIは、グローゾーンを通って移動する基材を、薄い均一な、化学的に均質な脂肪族ヒドロシクロシロキサンのプラズマ重合膜で被覆することができる。
チャンバー33は、ファイバーまたは材料26供給スプール35、巻取りスプール36、プーリー39、クラッチ40、および被覆速度制御システム41を含有している。チャンバー34は、ファイバーまたは材料をチャンバー33内にある巻取りスプール36に復帰させるためにプーリーを含有している。
ファイバーまたは材料26を供給スプール35に巻取る。このファイバーまたは材料26のリード末端は、15回転のガイド糸とともに供給スプール35に結び付ける。ガイド糸の助けをかりて、巻取りスプール36からチャンバー34を経て供給スプール35の回りにループを形成させる。即ち、ファイバーまたは材料26は、プラズマグローゾーン31を通過し、チャンバー34を経て、プラズマグローゾーン31を逆に通過し、巻取りスプール36に巻取られる。
このシステムのポンプを動かし、定常状態に達した後、モノマーまたはモノマー混合物の流れをモノマー入口30のところで開始し、反応器ハウジング25aおよび25bを通過させ、出口32から連続的にポンプ排出する。
反応器ハウジング25aおよび25bは、R.F.電極21aおよび21bを外側表面に取り付けた、パイレックス(登録商標)(PyrexTM)ガラス管などの、プラズマ重合反応条件に耐えるに十分な耐性を有するあらゆる材料を用いて形成させることができる。これらハウジング25aおよび25bは、プラズマグローゾーン31を収容する。プラズマグローゾーン31は、「ホット」電極21aと接地電極22aの間、および「ホット」電極21bと接地電極22bの間で活性化する。システムの圧力は、圧力制御バルブ37によって制御する。
ファイバーまたは材料26がプラズマグローゾーン31に入ると、それを遊離ラジカルが攻撃し、ファイバーまたは材料26の表面で膜が重合する。適切な供給スプール35のクラッチ張力および適切な被覆速度を、大きな注意を払って設定し、適切な被覆効果を確実にしなければならない。例えば、ポリプロピレン微小孔中空ファイバーを用いるときには、ミツビシKPF−190およびKPF−250ファイバーに対する適切な供給スプール35のクラッチトルクは4gであり、ミツビシKPF−120ファイバーに対するそれは2gである。
モノマーをプラズマ状態に維持するためのパワーを与えるR.F.システムには、R.F.パワー供給器29、R.F.ケーブル27aおよび27b、R.F.整合ネットワーク28、ならびに、反応器ハウジング25aおよび25bに取り付けたR.F.電極21a、21b、22aおよび22bが含まれる。R.F.パワーケーブル27aおよび27bは、R.F.整合ネットワークの後で2つに分かれ、ケーブル27aは「ホット」電極21aに接続し、ケーブル27bは「ホット」電極21bに接続する。接地電極22aおよび22bは、復帰R.F.電流をR.F.パワー供給接地部に通し、R.F.遮蔽箱23aおよび23bに接続されている。パワーおよび接地の両電極は1インチ幅の銅テープで作製する。冷却ファン24をR.F.遮蔽箱23aおよび23bに装着し、プラズマグローゾーンに一定の冷却を供する。
(B.システムII−図2)
プラズマ被覆システムII(図2)はバッチ型のプラズマ被覆システムであり、比較的大きいサイズの基材を被覆するために使用する。
プラズマ被覆システムII(図2)はバッチ型のプラズマ被覆システムであり、比較的大きいサイズの基材を被覆するために使用する。
このプラズマ被覆システムIIは、比較的大きいかあるいは変わった形状の基材をバッチ工程で被覆するために設計されている。また、このシステム(「システムII」)は、制限されたモノマーの流れ通路の概念に基づいて開発された(モノマーまたはモノマー混合物は電極間の空間だけを流れるであろう)。プラズマ被覆システムIIは、R.F.パワー供給器1、整合ネットワーク2、「ホット」電極3、接地電極4、モノマー入口5、およびモノマー出口7からなる。
(3.好ましい膜被覆)
脂肪族ヒドロシクロシロキサンモノマーを用いて均質な膜を創製するか、または、脂肪族ヒドロシクロシロキサンモノマーとコモノマーを混合して、脂肪族ヒドロシクロシロキ
サンモノマーを用いて調製した均質な膜の性質とは異なる性質を有する膜被覆を得ることができる。例えば、反応性の官能化モノマー、有機に基づくモノマー、またはフルオロカーボンモノマーを脂肪族ヒドロシクロシロキサンモノマーとともにプラズマ重合システムに導入することによって、選択したモノマーを含むプラズマ共重合脂肪族ヒドロシクロシロキサン膜の物理的な膜孔の大きさおよび化学的親和性を制御することができる。このことは、膜がある種のガス、イオンおよび分子を識別することを必要とする適用に対して、共重合プラズマ膜を使用することを可能にする。さらに、この膜を用いて同一の化学的親和性を維持しながら基材の孔サイズを変えることができ、これを逆浸透、限外濾過および微濾過への適用に使用することを可能にする。
脂肪族ヒドロシクロシロキサンモノマーを用いて均質な膜を創製するか、または、脂肪族ヒドロシクロシロキサンモノマーとコモノマーを混合して、脂肪族ヒドロシクロシロキ
サンモノマーを用いて調製した均質な膜の性質とは異なる性質を有する膜被覆を得ることができる。例えば、反応性の官能化モノマー、有機に基づくモノマー、またはフルオロカーボンモノマーを脂肪族ヒドロシクロシロキサンモノマーとともにプラズマ重合システムに導入することによって、選択したモノマーを含むプラズマ共重合脂肪族ヒドロシクロシロキサン膜の物理的な膜孔の大きさおよび化学的親和性を制御することができる。このことは、膜がある種のガス、イオンおよび分子を識別することを必要とする適用に対して、共重合プラズマ膜を使用することを可能にする。さらに、この膜を用いて同一の化学的親和性を維持しながら基材の孔サイズを変えることができ、これを逆浸透、限外濾過および微濾過への適用に使用することを可能にする。
官能化モノマーのモル比を制御することによって、ポリマーマトリックスの孔サイズを変化させ、これによってシロキサンコポリマープラズマ重合膜の化学的構造および物理的性質を系統的に変化させることができる。これは、この膜を拡散膜として使用することを可能にする。この用途は、薄い固体状態の電池において使用するための電解質などの溶質または制御された放出の薬物供給系のための薬物を乗せることができるマトリックスとして上記の膜を使用することを必要とする。
以下に挙げる4種の異なるプラズマ重合脂肪族ヒドロシクロシロキサン膜(タイプA〜D)が、本発明の有用な態様を表す。
「タイプA」は、以下の一般式:
「タイプA」は、以下の一般式:
「タイプB」は、タイプA膜被覆において使用したものと同一の脂肪族ヒドロシクロシロキサンモノマーとフルオロカーボンモノマーの混合物のプラズマ共重合過程によって得られる膜被覆を指す。適するフルオロカーボンモノマーには、CF4、C2F6、C3F6、C3F8、C2F4、ヘキサフルオロプロペン、ペルフルオロベンゼン、ジトリフルオロメチルベンゼン、ペルフルオロ−2−ブチルテトラヒドロフラン、およびペンタフルオロスチレンが含まれるであろう。線状アルキル型のフルオロカーボンモノマーは、1/4より大きいC/F比を有しているべきである(例えば、C3F6)。C/F比が1/4を下回るときには、通常、プラズマ重合過程においてエッチングが起こる。
「タイプC」は、タイプA膜被覆において使用したものと同一の脂肪族ヒドロシクロシロキサンモノマーと有機に基づくモノマーの混合物のプラズマ共重合過程によって得られる膜被覆を指す。適する有機に基づくモノマーには、エチレン、アリルアミンおよびN−トリメチルシリルアリルアミン、炭化水素、不飽和アミン(N−保護およびN−未保護のものの両方)、環状脂肪族アミン(N−保護およびN−未保護のものの両方)、メルカプタン(有機イオウ)、ニトリルおよび有機亜リン化合物が含まれるであろう。
「タイプD」は、タイプA膜被覆において使用したものと同一の脂肪族ヒドロシクロシロキサンモノマーと反応性の官能化モノマーの混合物のプラズマ共重合過程によって得られる膜被覆を指す。適する官能化モノマーには、N2、CO2、NH3およびSO2が含まれる。
本発明の理解を助けるために、一連の実験の結果を説明する実施例を以下に挙げる。本発明に関する以下の実施例は、勿論、本発明を具体的に限定するものと理解すべきではなく、当業者の理解の範囲内にある現在既知の、または後に開発される本発明の種々の態様は、後記で請求する本発明の範囲の内にある。
(実施例1 TMCTSモノマーのプラズマ重合膜の疎水性(タイプA膜))
ケイ素チップを、システムIプラズマ重合チャンバー中に吊下げた。W/FMは表1に示したように設定した。被覆時間は15分であった。システム圧力は30mトルに設定した。接触角は、接触角ゴニオメーターを用いて測定した。
ケイ素チップを、システムIプラズマ重合チャンバー中に吊下げた。W/FMは表1に示したように設定した。被覆時間は15分であった。システム圧力は30mトルに設定した。接触角は、接触角ゴニオメーターを用いて測定した。
TMCTSモノマーのプラズマ重合膜の生物または血液適合性を、静脈内酸素補給器イボックス(IVOXR)の形態として、ヒツジの大静脈中で試験した。形成された血栓の量およびガス移送能力を用いて、TMCTSモノマーのプラズマ重合膜の生物適合性を評価した。被覆されていない同一材料を用いて得られた血栓形成および残存ガス移送率と比較して、より少ない血栓形成およびより高率の残存ガス移送を、生物適合性の増大を示すものと判定した。これらの結果を表2にまとめるが、これらの結果は、TMCTSモノマーのプラズマ重合膜を有する中空ファイバーが、被覆されていない同一ファイバーに比べてより高い生物適合性を有することを示している。
微小孔中空ファイバーを、表示した被覆速度およびW/FMでプラズマ重合チャンバーを通過させた。ガス透過性を測定した。このガス透過性試験装置は、試験チャンバー、O2およびCO2ガスタンク、圧力計および流量計からなっていた(図22)。試験ファイバーを5ループの束にし、一方の末端を切開する。ファイバー試験チャンバーと大気の間の圧力差は300mmHgである。ファイバーのガス透過性(Gp)はファイバー壁を透過するガスの点とファイバー束のガス出口の間の圧力低下にも依存するので、ファイバーループの長さは51.9cmに固定する。圧力制御したガスは、ファイバーの外側からファイバー壁を通ってファイバーの内側に流れ、次いで大気中に出る。ファイバーからのO2およびCO2の流量を、流量計でそれぞれ測定する。ファイバーのO2およびCO2透過性を算出することができる。
ケイ素チップを、25mトルおよび表4に表示したW/FMで3分間、システムIプラズマ重合チャンバー中に挿入した。DC導電率を、HP4145A半導体パラメーター分析器を用いて測定した。このHP4145A半導体パラメーター分析器は、ケイ素試料の表面のドロップ中に挿入した白金電極を有していた。
他の電極は、この試料の他の面に取付けた。測定に用いた液体は0.9%塩化ナトリウムであった。約7mm2の面積を有する3mm直径のドロップを測定に用いた。HP4145Aの仕様書は以下を含んでいた:
±8Vの出力範囲において
分解 1mU
精度 0.24%
<20pAの入力電流範囲において
精度 1.5%
入力抵抗は>1012Ω
1nAの電流限界で±8Vの出力電圧を用いて、表3に記載した測定を取った。
この測定は試料のフラットな部分で行い、縁部を含んでいなかった。
±8Vの出力範囲において
分解 1mU
精度 0.24%
<20pAの入力電流範囲において
精度 1.5%
入力抵抗は>1012Ω
1nAの電流限界で±8Vの出力電圧を用いて、表3に記載した測定を取った。
この測定は試料のフラットな部分で行い、縁部を含んでいなかった。
図3A、3Bおよび4に示した特有のFTIRおよびESCAスペクトルによって膜を同定した。TMCTSモノマーにおいて確認される最も大きなIR吸収バンドを、TMCTSおよびXMCXSプラズマ重合膜に見い出すことができる。1025cm−1および1143cm−1近くの2つの幅広の強いバンドは、線状Si−O−Si構造のSi−O伸縮振動を示す。TMCTSモノマーは環状Si−O−Si環構造を有しており、そのスペクトルは1082cm−1にIRバンドを示した。プラズマ重合過程中に環状Si−O−Siの開環が起こり、得られる膜は線状Si−O−Si構造(1025cm−1および1143cm−1にIRバンドを持つ)を有していた。この膜の700cm−1と1100cm−1の間のいくつかの吸収バンドは、その化学的な複雑さを示した。これらのスペクトルはわずかに変わることがあるが、以下のバンドの存在は膜の強い指標となる。2960cm−1近くのバンドはCH3のC−H非対称伸縮を示し、2902cm−1近くのバンドはCH3のC−H対称伸縮を示し、2170cm−1近くのバンドはSi−H伸縮を示し、1260cm−1近くのバンドはSi−CH3中のCH3横揺れモードであると特徴付けられ、849cm−1および794cm−1近くの2つのバンドはSi−C伸縮を示す。強いSi−H吸収バンドは、Si−H基の大部分が、プラズマ重合した脂肪族ヒドロシクロシロキサン膜中に保存されていることを示す。このSi−H構造は、血栓抵抗特性の主な寄与因子であると考えられた。
特有のESCAスペクトル(図9A〜9Cおよび図10A〜10C)は、炭素1s、酸素1sおよびケイ素2pスペクトルにおいて、特有のプラズマ重合脂肪族ヒドロシクロシロキサン膜の特徴を示した。炭素1sESCAスペクトルは、284.6eV結合エネルギー(BE)のところに1つのピークを示した。さらに高いBEのところに検出可能なピークは見い出されず、このことは、脂肪族ヒドロシクロシロキサン膜中の炭素原子がケイ素原子と結合していることを示した。酸化された炭素はESCAによって検出されなかった。ケイ素2pESCAスペクトルは102eV近くに位置する主ピークを示し、これは−O−Si−O−Si−型結合に帰属された。100eVの弱いピークは−Si−C型結合に帰属された。ESCAスペクトルにおいて酸素は532eV近くに1つのピークを示し、これは−Si−O−Si−O−型結合に帰属された。
さらに、ESCAスペクトルはほぼ1:1:1の炭素:酸素:ケイ素の原子比を示し、これは、TMCTSモノマーの元素組成がプラズマ重合脂肪族ヒドロシクロシロキサン膜において保存されていることをさらに示すものであった(表5および図4)。
SEM画像(図18B)は、プラズマ重合したTMCTS膜の均質な形態を示した。
微小孔中空ファイバーが完全に膜で被覆されると、プラズマ重合した脂肪族ヒドロシクロシロキサン膜のO2およびCO2ガス透過性ならびにCO2/O2選択比は、ファイバーループの形態で測定したときに、1.5より大きくなった。この選択比は、膜の厚みが増加するにつれて連続して増加し、選択性は約7.0で横ばいになった。膜の厚みは、重量の比較によって、または膜断面のSEM画像によって測定した。
(実施例8 ヘキサフルオロプロピレンガスとプラズマ共重合したTMCTSモノマー(タイプB膜))
ヘキサフルオロプロピレンガス(C2F6)をTMCTSモノマーとプラズマ共重合した。90Wの高周波パワー、19mトルのシステム圧力、5.5μモル/秒のTMCTSモノマー流れ速度および14.3μモル/秒のヘキサフルオロプロピレン流れ速度により、タイプA膜の有用な性質を大きく変えることなく、組織適合性の増加した膜被覆が得られた。この膜は実験元素式C1.0O1.0Si1.1F0.4および水接触角100°を有している。
ヘキサフルオロプロピレンガス(C2F6)をTMCTSモノマーとプラズマ共重合した。90Wの高周波パワー、19mトルのシステム圧力、5.5μモル/秒のTMCTSモノマー流れ速度および14.3μモル/秒のヘキサフルオロプロピレン流れ速度により、タイプA膜の有用な性質を大きく変えることなく、組織適合性の増加した膜被覆が得られた。この膜は実験元素式C1.0O1.0Si1.1F0.4および水接触角100°を有している。
FTIRスペクトル(図5)は、このプラズマ共重合したC2F6/TMCTS膜がシロキサンのIR吸収バンドの大部分をなお保持しているが、バンドの相対的強さが変化していることを示した。即ち、1600〜1900cm−1に幅広の弱いバンドが見られ(C=O伸縮の結果)、1274cm−1近くのバンド(−CF2およびCF3;C−F非対称伸縮)、1177cm−1近くのバンドおよび925cm−1近くのバンド(C−F伸縮)、および1260cm−1近くのバンド(Si−CH3中のシロキサンCH3の横揺れモードによるものと考えられる)が見られた。約1030〜820cm−1のIRバンド(Si−F)は、1025cm−1のIRバンド(線状Si−O−Siに対応)の重なりにより、明確に観察されなかった。
TMCTSとヘキサフルオロプロピレンの共プラズマ重合により、500〜1100cm−1の領域にTMCTSプラズマ重合膜とは劇的に異なるFTIRスペクトルを生じる材料が得られた。C2F6/TMCTS膜のSi−O−SiおよびSi−CバンドのIR強さは、脂肪族ヒドロシクロシロキサン膜よりも幅広であり、弱かった。プラズマ共重合したC2F6/TMCTS膜のFTIR分析は、F原子がシロキサン膜の構造中に導入されていることを示した。
この膜のESCAスペクトルは、ヘキサフルオロプロピレンがシロキサン構造中に導入されていることを示した(図11A〜11D)。炭素1sESCAスペクトルは、ケイ素に結合したアルキル炭素に起因すると考えられる284.6eVに主ピークを示した。286eVから290eVに伸びる尾部は、フッ素と結合した炭素(C−Fx;x=1〜3)またはフルオロカーボンと結合した炭素(C−CFx;x=1〜3)のいずれかに起因すると考えられた。F/C比が0.4であり、炭素原子の大部分がケイ素と結合しているので、これらの観察はフッ素原子の一部がケイ素と結合していることを示した。
(実施例9 エチレンガスとプラズマ共重合したTMCTSモノマー(タイプC膜))
エチレンガスをTMCTSモノマーとプラズマ共重合した。90Wの高周波パワーおよび39mトルのシステム圧力を用い、5.5μモル/秒の流れ速度のTMCTSモノマーと48.6μモル/秒の流れ速度のエチレンの混合物から、実験元素式C1.0O0.9Si1.0および水接触角96°を有する膜を得た(表6)。
エチレンガスをTMCTSモノマーとプラズマ共重合した。90Wの高周波パワーおよび39mトルのシステム圧力を用い、5.5μモル/秒の流れ速度のTMCTSモノマーと48.6μモル/秒の流れ速度のエチレンの混合物から、実験元素式C1.0O0.9Si1.0および水接触角96°を有する膜を得た(表6)。
TMCTS膜のFTIRスペクトル(図3B)において見い出されるピークに加えて、このC2H4/TMCTS膜(図6)は、2910cm−1近くの新しいバンド、2876cm−1近くの新しいバンド(C−H;CH2の伸縮)、および1716cm−1近くの新しいが弱くかつ幅広のバンド(C=O;−C(=O)−の伸縮)を示した。Si−H伸縮の強さは減少し、C−H伸縮の強さは増加した。1009cm−1の強さの増加は−CH=CH2バンドおよびSi−O−Siバンドの重なりによるものであり、C=O伸縮の出現は穏やかな膜の酸化を示した。
C2H4/TMCTS膜のESCAスペクトル(図12A〜12C)は、シロキサン構造中へのエチレンの導入を示した(4〜5%の炭素原子の増加を伴う)。ケイ素2pESCAスペクトルは、エチレンからの炭素の大部分はケイ素原子に結合し、酸素原子には結合しないことを明確に示した。アルキル炭素の導入はシロキサン膜の炭素含量を増加させ、膜がアルキル炭素およびシロキサン膜の物理的および化学的性質を獲得するであろう。添加したアルキル炭素鎖は、シロキサン膜の孔サイズ、化学的親和性、および架橋密度を変化させる。このタイプの膜は、ガスおよび液体の分離に応用を有しているであろう。
(実施例10 TMS−AAとプラズマ共重合したTMCTSモノマー(タイプC膜))
TMS−AAをTMCTSモノマーとプラズマ共重合した。90Wの高周波パワーおよび30mトルのシステム圧力を用い、5.5μモル/秒の流れ速度のTMCTSモノマーと10.4μモル/秒の流れ速度のTMS−AAの混合物から、実験元素式C1.0O0.6Si0.7N0.1および水接触角90°を有する膜を得た(表6)。
TMS−AAをTMCTSモノマーとプラズマ共重合した。90Wの高周波パワーおよび30mトルのシステム圧力を用い、5.5μモル/秒の流れ速度のTMCTSモノマーと10.4μモル/秒の流れ速度のTMS−AAの混合物から、実験元素式C1.0O0.6Si0.7N0.1および水接触角90°を有する膜を得た(表6)。
このTMS−AA/TMCTS膜のFTIRスペクトル(図7)は2910cm−1近くのバンド、2876cm−1近くのバンド(CH2のC−H伸縮)、および3385cm−1近くのバンド(NH伸縮)を示した。500〜1100cm−1の吸収バンドは、プラズマ共重合C2H4/TMCTS膜において観察される変化と同様に増加した(実施例6を参照)。両膜は炭化水素骨格を有する。
炭素1sESCAスペクトルは、約286.3eVにC−N型の結合を示した(図13Aを参照)。ケイ素2pESCAスペクトルは約100eVのSi−C型結合の大きな増加を示し、このことは膜中への−Si(CH3)3の導入を示した。この観察は、窒素1sESCAスペクトルによって裏付けられた(図13Cおよび13Dを参照)。
(実施例11 TMCTSモノマーとプラズマ共重合したSO2ガス(タイプD膜))
SO2ガスをTMCTSモノマーとプラズマ共重合した。90Wの高周波パワーおよび48mトルのシステム圧力を用い、5.5μモル/秒の流れ速度のTMCTSモノマーと50.8μモル/秒の流れ速度のSO2ガスの混合物から、実験元素式C1.0O3.0S1.1S0.5および水接触角64°を有する膜を得た(表6)。
SO2ガスをTMCTSモノマーとプラズマ共重合した。90Wの高周波パワーおよび48mトルのシステム圧力を用い、5.5μモル/秒の流れ速度のTMCTSモノマーと50.8μモル/秒の流れ速度のSO2ガスの混合物から、実験元素式C1.0O3.0S1.1S0.5および水接触角64°を有する膜を得た(表6)。
TMCTS膜とTMCTS/SO2膜のFTIRスペクトルの比較によって、これら膜の顕著な相違が示された。TMCTS/SO2膜のFTIRスペクトルにおいては、2つの重なったピークが2170〜2240cm−1に現れた。2174cm−1のピークはSi−Hに一致した。他のピークの同定については不確かであり、恐らくは窒素不純物によるものであろう。また、このTMCTS/SO2皮膜は、共有結合した有機スルフェートおよびスルホネート部分を示すものと考えられる1408〜1400、1285および1206cm−1の特徴的なピークを示した。
TMCTS/SO2プラズマ共重合膜のESCAスペクトル(図14A〜14E)は、O/C比の増加がシロキサン構造中へのSO2の導入によるものであることを示した。炭素1sESCAスペクトルにおいて、284.6eVのピークはシリコーンと結合したアルキル炭素によるものであり、284.6〜289eVに伸びる幅広い尾部は酸化された炭素によるものであった。反応性酸素は、プラズマ状態でのSO2の解離によって創製されたものであった。イオウ2pESCAスペクトルにおいて、169.4eVのピーク(イオウ2P3/2)は共有スルフェート型結合に起因するものと考えられる。また、このESCAスペクトルは、4%の原子窒素に対応する402eVの窒素1sシグナルを示した。窒素の存在は不純物によるものであった。
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