JP2009001383A - エレベーターの押しボタン故障検出装置 - Google Patents

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光徳 菅原
Shohei Sakai
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Abstract

【課題】エレベーターの押しボタンのように、動作に機械的な摺動部があり、かつ電気的接点を有するスイッチが押されたままの固渋状態(一時的な状態を含む)となった故障の検出に好適なエレベーターの押しボタン故障検出装置の提供。
【解決手段】本発明は、利用者の押下操作に伴う、押しボタン1の表面への接触を検出するための押下面にタッチセンサ12を設け、押しボタン1が連続的な押下状態にある際に、押しボタン1の自体の故障によるものか、エレベーターの利用者による故意の押下操作によるものか判別を可能とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、エレベーターの押しボタンのように、動作に機械的な摺動部があり、かつ電気的接点を有するスイッチが押されたままの固渋状態(一時的な状態を含む)となった故障の検出に好適なエレベーターの押しボタン故障検出装置に関する。
エレベーターに備わる押しボタンには、所望の移動方向をエレベーターに登録するために乗り場に備わる乗り場呼びボタンと、乗りかご内に備わる、行き先階床を登録するための階床ボタンと、到着階で開いたドアを保持もしくは閉まり掛けたドアを開くための開ボタンと、到着階で所定時限が到達するまで開放状態にあるドアに対して閉じ動作をさせるための閉じボタン、また故障などの非常時に乗りかご内部から建物内の管理室やビル管理会社など、外部への通報や連絡の手段として設けられているインターホンの発呼ボタンがある。
これらエレベーターに備わる押しボタンは、一般にボタンの外枠と稼動部分である押し込み部分との摺動部分に、いずれも数ミリメートルの押し込みしろがあり、エレベーターの利用者により人為的な押し込み動作により電気的接点を投入、もしくは開放してエレベーターに指令を与える。この押しボタンは押し込み動作をやめるとボタンに内蔵されているバネ力により電気的接点を開放するプッシュオン、もしくは電気的接点を短絡するプッシュオフ構造となっている。
ここで、インターホンの発呼ボタンを除く他の押しボタンは、元来エレベーターの通常の利用状態において、不特定多数の利用者の手指が直接的に接触する部分であるため、経年的に手垢など粘性の高い汚れが付着することが多い。そして、その汚れが摺動部分に付着し、これが堆積する、押しボタンの摺動自体に支障が生じることがある。
また、これに類似した現象として、エレベーターの設置環境により乗り場や乗りかご内の塵挨が押しボタンの摺動部分に混入して、前記同様に摺動抵抗が増加して摺動自体に支障が生じることがある。
このように押しボタンの摺動部分に異物の付着や混入が生じると、押しボタンが意図せずに押されたままの状態になってしまう、いわゆる押しボタンの固渋故障が生じて、エレベーターの平常運転が出来なくなる。
例えば、乗り場に備わる乗り場呼びボタンが意図せずに押されたままの状態、すなわち押しボタンの固渋故障が生じると、乗り場階でエレベーターのドアが開放したままの状態になり、乗りかごが他階に移動出来なくなる。これは乗りかご内の開ボタンの固渋故障でも同様な状態である。
また、乗りかご内に備わる階床ボタンに固渋故障が生じると、意図しない階床にエレベーターが到着してしまい、エレベーターの運転効率が低下して利用者に迷惑が掛かる。
更に閉じボタンに固渋故障が生じると、乗りかごの到着階で開いたドアが所定の開放時限に到達する前に利用者が意図せずに閉じ動作をしてしまう。このような故障現象が生じると、たとえばドアが乗降中の利用者に衝突した場合は人身災害の発生、また貨物に衝突した場合は貨物の損傷やドアの損傷になることがあり、いずれも損害賠償問題などに発展しかねない。
前記のような押しボタンの摺動部に異物が付着及び混入したことで生じる、押しボタンが意図せずに押されたままの状態になり、すぐに戻らなくなってしまう固渋故障は、その状態が徐々に悪化してゆくことが多く、特にその初期においては故障現象が僅かな時間にしか生じないものと考えられ、故障現象の再現性に乏しく、エレベーターの利用者などに故障現象が認知されたとしても一時的な不具合として見過ごされてしまうことが多い。
しかし、近年ハートビル法の制定などによりバリアフリーのニーズが高まる中、ビル内の縦の交通を担うエレベーターにおいても人にやさしい製品が求められているに留まらず、様々な場面でその品質が注目されており、前述のように人身災害や損害賠償問題の原因になる可能性がある以上、一過性の不具合現象であっても認められるものではない。
ところで、このように押しボタンの固渋故障が発生した場合、当該押しボタンの点検や清掃、あるいは交換作業が必要になる。そして通常、エレベーターの押しボタンの点検や清掃、交換は専門技術者による作業が必要となる。
また、前述のように固渋故障の現象が一時的に生じるものであった場合、エレベーターの運転効率が低下して利用者に不便を感じさせるのみならず、エレベーターの保全を担当する者にとっては、原因の特定に時間が掛かるなどの影響がある。このような故障現象は計画的な保全作業を阻害する要因となっており、未然の固渋故障の防止が望まれる。
前記のような問題を回避すべく、近年、マイコン式エレベーターにおいては、エレベーターに備わる制御装置に組み込んだソフトウェアにより、前述のような押しボタンの固渋故障を検出する機能がある。
このようなマイコン式エレベーターでは、一定時間以上押しボタンの押下状態が継続した場合、当該押しボタンの機能を不動作とし、外部にその旨を伝達する手段を持った、エレベーターの乗り場呼び登録装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開昭53−023461号公報
ところで、前述した特開昭53−023461号の従来のマイコン式エレベーターに備わる乗り場呼び登録装置では、前記のような押しボタンの固渋故障を電気的に一定時間以上連続して投入された状態が継続していることを条件に検出している。
しかし、この方法ではエレベーター利用者の利用方法や悪戯により押しボタンが人為的に一定時間以上操作し続けられた場合、押しボタンが投入された状態が継続していることには相違なく、押しボタンの固渋故障である旨、誤って検出してしまうことになり、実際の押しボタンの固渋故障との区別をつけることは困難であった。
本発明は上述した従来技術における課題を克服すべくなされたもので、その目的は押 ボタンが連続的な押下状態にある際に、押しボタン自体の故障によるものか、エレベーターの利用者による故意の押下操作によるものかの判別を可能にすることにある。
上記目的を達成するため、本発明は、外枠と可動部と電気接点からなる従来の押しボタン構造に加えて、利用者の押下操作に伴う、押しボタンの表面への接触を検出するため押下面にタッチセンサーを設ける。
このように構成した請求項1記載に係る発明によれば、押しボタンが連続的な押下状態にある際に、押しボタンの自体の故障によるものか、エレベーターの利用者による故意の押下操作によるものかの判別が可能になる。
また、上記目的を達成するために、本発明の請求項2記載に係る発明は、押しボタンに−時的な固渋状態が生じた際にも、押しボタンの自体の故障によるものか、エレベーターの利用者による故意の押下操作によるものかの判別が可能になる。
以上のように、本発明によれば、エレベーターのように不特定多数の利用者が操作する押しボタンを有する機器において、利用者の悪戯により誤検出する可能性のあった押しボタンの固渋故障検知および、これに伴う故障対応の必要性が無くなる、もしくはその頻度が格段に少なくなることが期待され、計画的な保全作業が行えるようになる。また、万一押しボタンの不具合が生じた際は、不具合の初期段階の把握が可能となり、エレベーターなどの機器の利用者に対しても意図しない動作に伴う危険性や不便さを与えることが無い。
以下、本発明に係るエレベーターの押しボタンの実施形態を図に基づいて説明する。
図1、図2、図3は本発明に係るエレベーターに備わる押しボタンの一例を摸した正面図である。
図1は所望の移動方向をエレベーターに登録するために乗り場に備わる乗り場呼びボタンである。
図2は乗りかご内に備わる、行き先階床を登録するための階床ボタンである。
図3は乗りかご内に備わる、到着階で所定時限が到達するまで開放状態にあるドアに対して閉じ動作をさせるための閉じボタンである。
図4は本発明に係るエレベーターに備わる押しボタンの内部回路図である。
図5は本発明の一実施形態に係わるタッチセンサーつき押しボタンをエレベーターに使用した際の処理フローの一例である。
エレベーターに備わる従来の押しボタンは、正面からみた外観についてその代表例として略図1、図2、図3に示す様態である。
図1は乗り場階に設置されるUP呼びボタンであり、図2はかご内に設置される階床登録ボタンであり、図3はかご内に設置される閉じボタンである。
また、その内部回路は図4に示すうち電気接点外部端子(1)21および電気接点外部端子(2)22により構成される。
つぎに、本発明に係わる押しボタンの構造について説明する。図4に示す内部回路図においてタッチセンサー(SWl)12はその一例として、押しボタンの押下面に格子状に配され、かつ埋め込まれた検出電極を表している。また、本発明に係わる押しボタンの内部回路は図4に示したタッチセンサー(SWl)12および検出回路31により構成される。
押しボタンは矢印Aの方向から押下され、通常の利用においては、押しボタンに利用者の手指などが接触タッチセンサー(SWl)12に接触したことを検出回路31が検知し、さらに押下動作により電気接点(SW2)11が投入状態になり、その投入状態が電気接点外部端子(1)21および電気接点外部端子(2)22の短絡として出力される。
つぎに、本発明に係わるタッチセンサーつき押しボタンをエレベーターに使用した際の動作について図5により説明する。
エレベーターの制御装置(図示せず)は待機時あるいは稼動時においてタッチセンサー検出判定処理501によりタッチセンサー12の検出判定を行う。
ここで、タッチセンサー12に検出が認められると、稼動接点ON判定処理502に進み、稼動接点が投入されたか否かを判定する。
通常エレベーターの利用においては稼動接点の投入がなされ、所定動作処理503により、行先階(階床ボタン)やホール呼びの登録やドア開閉などの所定の動作を行う。
ところで、エレベーターの押しボタンは機械的動作を伴う構造であることから、異物などにより押されたままになってしまう固渋故障が生じることがある。
このような問題点に鑑み本発明に関わるエレベーターの押しボタンでは、押しボタンに人体の接触がないのに接点がON状態になっていることを検出することで押しボタンの固渋故障の判定を行う。
上記目的を達成するため、本発明は、外枠と可動部と電気接点からなる従来の押しボタン構造に加えて、利用者の押下操作に伴う、押しボタンの表面への接触を検出するため押下面にタッチセンサーを設け、押しボタンが連続的な押下状態にある際に、押しボタン自体の故障によるものか、エレベーターの利用者による故意の押下操作によるものかの判別を可能とする。
動作としては、まず、タッチセンサー検出判定処理501によりタッチセンサー12の検出判定によりタッチセンサー12に検出がない状態かつ稼動接点ON判定処理506でON状態が検出、すなわち押しボタンが固渋状態であると判断されると、エレベーターの制御装置(図示せず)に内蔵された計時処理1 507によりタイマーが働く。つぎに所定時間1経過判定508により予め決めた時間が経過したか否かを判断する。そして、所定時間1を経過した時点において稼動接点ON継続判定処理509により、なおも稼動接点がON状態かどうかを判定する。
動作としては、例えば、ここで所定時間1経過判定508を1秒間と設定した場合に1秒間を経過した時点で稼動接点ON継続判定処理509によりON状態の継続が認められなかった場合、すなわち一時的な固渋状態が生じた場合には、ボタン固渋兆候登録処理510によりボタン固渋の兆候現象が発生したものとしてエレベーターの制御装置(図示せず)に登録する。
このボタン固渋の兆候現象の登録内容は、通信回線を介してエレべ−ターの保守点検を請け負う業者の情報センターなどに適宜蓄積され、次回の定期点検の際に重点点検項目として活用される。
一方、タッチセンサー12の検出が認められながら稼動接点ON判定処理502において稼動接点の投入がない場合は、エレベーターの利用者に対して、フロア案内やサービス階、動作の説明など予め用意された手段により、所定のアナウンスを乗りかご内やエレベーターホールに放送する。これが請求項3に記述した動作である。これによりエレベーターの利用者は、例えば実際にエレベーターに対してかご呼びなどの動作をさせることなく案内放送を聞くことで所望の行き先が含まれるか等の情報を得ることができる。また、エレベーターに対しても不必要な動作とならないため、運転効率の向上や長期的に見た場合には摩耗の抑制などの効果を見込むことができる。
なお、前述の案内については音声の発声による放送として記述したが、予め表示装置を備えて文字や記号により視覚的に伝達動作を行うような構造とし、所定の放送動作の代替としてもよいし、双方を併設してもよい。
なお、前述のタッチセンサー12についてはエレベーターの押しボタンに一般に用いられている静電容量方式に限ることなく、赤外線方式、抵抗膜方式、振動検知方式など人体の接触を検知する目的、すなわち本発明で提供する押しボタンがON状態にある場合に、人的に押しボタンを押下しているか否かを検出する目的を達成するための手段であれば、前記もしくはそれ以外の方式のいずれでも良い。
本発明の一実施形態を示すタッチセンサーつき押しボタン(UP)の全体図である。 本発明の一実施形態を示すタッチセンサーつき押しボタン(1)の全体図である。 本発明の一実施形態を示すタッチセンサーつき押しボタン(閉)の全体図である。 本発明の一実施形態に係わるタッチセンサーつき押しボタンの内部回路と検出回路である。 本発明の一実施形態に係わるタッチセンサーつき押しボタンをエレベーターに使用した際の処理フローの一例である。
符号の説明
1 押しボタン
2 押しボタンの内部回路
11 電気接点(SW2)
12 タッチセンサー(SWl)
21 電気接点外部端子(1)
22 電気接点外部端子(2)
31 タッチセンサー検出回路
501 タッチセンサー検出判定処理
502 稼動接点ON判定処理
503 所定動作処理
504 通常運転処理
505 アナウンス放送処理
506 稼動接点ON判定処理
507 計時処理1
508 所定時間1経過判定処理
509 稼動接点継続ON判定処理
510 ボタン固渋兆候登録処理
511 計時処理2
512 所定時間2経過判定処理
513 ボタン固渋発報処理
514 ボタン修理作業指示処理

Claims (2)

  1. 電気的接点構造を備えたエレベーターの押しボタンにおいて、押しボタンの押下面にタッチセンサーを配し、電気的接点とは独立した検出回路を設けることで、タッチセンサーが検知していない状態で電気的接点の閉路状態が所定時間以上継続した場合、押しボタンの固渋であると判別することを特徴とするエレベーターの押しボタン故障検出装置。
  2. 前記請求項1においてタッチセンサーが検知せず、電気的接点の閉路状態が所定時間以内に解除される場合、押しボタンの一時的な固渋として判別することを特徴とするエレベーターの押しボタン故障検出装置。
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